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特表2022-538698タッチ基板、タッチ装置及びタッチ検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(54)【発明の名称】タッチ基板、タッチ装置及びタッチ検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220830BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/044 124
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020557951
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(85)【翻訳文提出日】2020-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2019080017
(87)【国際公開番号】W WO2020191696
(87)【国際公開日】2020-10-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519427505
【氏名又は名称】▲綿▼▲陽▼京▲東▼方光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIANYANG BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.198, Middle Of Kefa Avenue, Hi-tech Zone, Mianyang, Sichuan 621050, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲イン▼▲シィー▼
(72)【発明者】
【氏名】張 湖
(72)【発明者】
【氏名】彭 楽
(72)【発明者】
【氏名】景 江
(72)【発明者】
【氏名】劉 正徳
(72)【発明者】
【氏名】孫 禄標
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲ユン▼徳
(57)【要約】
本開示の実施例は、タッチ基板、タッチ装置及びタッチ検出方法を提供する。該タッチ基板は、タッチ領域と、前記タッチ領域の周辺に位置するトレース領域とを含むベース基板と、前記タッチ領域内に位置する複数本のセンシング電極と、前記トレース領域内に位置し、前記複数本のセンシング電極と1対1に接続される複数本のセンシング電極トレースと、を含み、前記センシング電極は第1センシング電極と第2センシング電極とを含み、前記第1センシング電極は前記タッチ領域の第1側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第2センシング電極は前記タッチ領域の第2側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第1側と前記第2側とは前記タッチ領域の対向する両側である。本開示において、異なるセンシング電極をタッチ領域の対向する両側からセンシング電極トレースに接続させ、当該接続方式において、毎回二本のセンシング電極を走査でき、センシング電極の走査周期を短縮することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ領域と、前記タッチ領域の周辺に位置するトレース領域とを含むベース基板と、
前記タッチ領域内に位置する複数本のセンシング電極と、
前記トレース領域内に位置し、前記複数本のセンシング電極と1対1に接続される複数本のセンシング電極トレースと、を含み、
前記センシング電極は第1センシング電極と第2センシング電極とを含み、前記第1センシング電極は前記タッチ領域の第1側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第2センシング電極は前記タッチ領域の第2側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第1側と前記第2側とは前記タッチ領域の対向する両側である、タッチ基板。
【請求項2】
前記センシング電極の本数が偶数である場合、前記第1センシング電極の本数と前記第2センシング電極の本数とは同じである、請求項1に記載のタッチ基板。
【請求項3】
前記センシング電極の本数が奇数である場合、前記第1センシング電極の本数と前記第2センシング電極の本数との差は1である、請求項1に記載のタッチ基板。
【請求項4】
前記第1センシング電極は前記複数本のセンシング電極のうち奇数目のセンシング電極であり、前記第2センシング電極は前記複数本のセンシング電極のうち偶数目のセンシング電極である、請求項2又は3に記載のタッチ基板。
【請求項5】
前記タッチ領域内に位置し、前記センシング電極と交差し且つ絶縁して設置される複数本の駆動電極と、
前記トレース領域内に位置し、前記複数本の駆動電極と1対1に接続され、且つ前記センシング電極トレースとは異なる層に設置される複数本の駆動電極トレースと、を更に含む、請求項1に記載のタッチ基板。
【請求項6】
前記センシング電極トレースと前記駆動電極トレースとを共に有する前記トレース領域内において、少なくとも一部の前記センシング電極トレースの前記ベース基板上の正投影は、前記駆動電極トレースの前記ベース基板上の正投影と部分的に重なる、請求項5に記載のタッチ基板。
【請求項7】
前記センシング電極と前記駆動電極とは同じ層に設けられ且つ同じ材料からなり、前記センシング電極の各々又は前記駆動電極の各々は同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含み、
前記タッチ基板は、
前記タッチ領域内に位置するブリッジパターンと、
接続孔を有する絶縁層と、を更に含み、
前記ブリッジパターンは、前記接続孔を介して、同一の前記センシング電極に属する又は同一の前記駆動電極に属する、隣接した前記導電パターンを接続させる、請求項5に記載のタッチ基板。
【請求項8】
前記ブリッジパターンは、前記センシング電極トレース又は駆動電極トレースと同じ層に位置し且つ同じ材料からなる、請求項7に記載のタッチ基板。
【請求項9】
前記絶縁層は有機材料で作られており、前記絶縁層の光透過率は予め設定された閾値より大きい、請求項7に記載のタッチ基板。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のタッチ基板と、タッチ駆動チップとを含み、
前記タッチ基板の複数本のセンシング電極は、複数のセンシング電極群に分かれ、
前記センシング電極群の各々は、一本の前記第1センシング電極と、一本の前記第2センシング電極とを含み、
前記タッチ駆動チップは、一本の駆動電極の走査期間内で、前記複数のセンシング電極群に順次にセンシング信号を印加して検出するために用いられ、同一の前記センシング電極群に対して、前記センシング電極群における前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とに同時にセンシング信号を印加して検出する、タッチ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のタッチ装置に応用されるタッチ検出方法であって、
前記タッチ基板の複数本のセンシング電極は、複数のセンシング電極群に分かれ、
前記センシング電極群の各々は二本の前記センシング電極を含み、前記センシング電極群の各々は一本の前記第1センシング電極と一本の前記第2センシング電極とを含み、
前記方法は、
一本の駆動電極の走査期間内で、前記複数のセンシング電極群に順次にセンシング信号を印加して検出し、同一の前記センシング電極群に対して、前記センシング電極群における前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とに同時にセンシング信号を印加して検出する、タッチ検出方法。
【請求項12】
同一の前記センシング電極群に属する前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とは隣接する、請求項11に記載のタッチ検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチ技術分野に関し、特にタッチ基板、タッチ装置及びタッチ検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
相互容量性タッチ(Touch)装置は、行列が交差する駆動電極(TX)と、センシング電極(RX)とを含み、駆動電極とセンシング電極との交差位置でカップリング容量が生成される。指がタッチ装置に触れる時、タッチ位置でのカップリング容量が変化し、タッチ駆動チップ(IC)によりカップリング容量の変化を検出することで、指のタッチ位置を確定することができる。
【0003】
駆動電極は、その周辺に位置する駆動電極トレースと1対1に接続され、駆動電極トレースを介してタッチ駆動チップに接続される。センシング電極は、その周辺に位置するセンシング電極トレースと1対1に接続され、センシング電極トレースを介してタッチ駆動チップに接続される。現在、タッチ装置の全てのセンシング電極は、いずれもタッチ装置のタッチ領域の同一側でセンシング電極トレースに接続されており、当該接続方式において、センシング電極を走査する時、毎回一本のセンシング電極のみを走査できる。
【0004】
既存のタッチ装置が作動する時、複数本の駆動電極が順次に走査され、一本の駆動電極の走査期間内に、複数本のセンシング電極が順次に走査される。駆動電極の本数がMであり、センシング電極の本数がNであると仮定する場合、一つの走査周期はT1*T2であり、T1はM本の駆動電極の走査時間であり、T2はN本のセンシング電極の走査時間であり、走査周期が比較的長いため、タッチ装置のタッチ応答速度が遅く、感度が低くなる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施例は、タッチ基板、タッチ装置及びタッチ検出方法を提供して、既存のセンシング電極とセンシング電極トレースの接続方式において、センシング電極を走査する時、毎回一本のセンシング電極のみを走査でき、走査周期が長いため、タッチ装置の応答速度が遅く、感度が低くなるという問題点を解決しようとする。
【0006】
上記の技術課題を解決するために、本開示の実施例は、タッチ基板を提供する。
前記タッチ基板は、
タッチ領域と、前記タッチ領域の周辺に位置するトレース領域とを含むベース基板と、
前記タッチ領域内に位置する複数本のセンシング電極と、
前記トレース領域内に位置し、前記複数本のセンシング電極と1対1に接続される複数本のセンシング電極トレースと、を含み、
前記センシング電極は第1センシング電極と第2センシング電極とを含み、前記第1センシング電極は前記タッチ領域の第1側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第2センシング電極は前記タッチ領域の第2側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第1側と前記第2側とは前記タッチ領域の対向する両側である。
【0007】
前記センシング電極の本数が偶数である場合、前記第1センシング電極の本数と前記第2センシング電極の本数とは同じである。
【0008】
前記センシング電極の本数が奇数である場合、前記第1センシング電極の本数と前記第2センシング電極の本数との差は1である。
【0009】
前記第1センシング電極は、前記複数本のセンシング電極のうち奇数目のセンシング電極であり、
前記第2センシング電極は、前記複数本のセンシング電極のうち偶数目のセンシング電極である。
【0010】
前記タッチ基板は、
前記タッチ領域内に位置し、前記センシング電極と交差し且つ絶縁して設置される複数本の駆動電極と、
前記トレース領域内に位置し、前記複数本の駆動電極と1対1に接続され、且つ前記センシング電極トレースとは異なる層に設置される複数本の駆動電極トレースと、を更に含む。
【0011】
前記センシング電極トレースと前記駆動電極トレースとを共に有する前記トレース領域内において、少なくとも一部の前記センシング電極トレースの前記ベース基板上の正投影は、前記駆動電極トレースの前記ベース基板上の正投影と部分的に重なる。
【0012】
前記センシング電極と前記駆動電極とは同じ層に設けられ且つ同じ材料からなり、前記センシング電極の各々又は前記駆動電極の各々は、同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含み、
前記タッチ基板は、
前記タッチ領域内に位置するブリッジパターンと、
接続孔を有する絶縁層と、を更に含み、
前記ブリッジパターンは、前記接続孔を介して、同一の前記センシング電極に属する又は同一の前記駆動電極に属する、隣接した前記導電パターンを接続させる。
【0013】
前記ブリッジパターンは、前記センシング電極トレース又は駆動電極トレースと同じ層に位置し且つ同じ材料からなる。
【0014】
前記絶縁層は有機材料で作られており、前記絶縁層の光透過率は予め設定された閾値より大きい。
【0015】
本開示は、上記のタッチ基板と、タッチ駆動チップとを含むタッチ装置を更に提供する。前記タッチ基板の複数本のセンシング電極は、複数のセンシング電極群に分かれ、前記センシング電極群の各々は、一本の前記第1センシング電極と、一本の前記第2センシング電極とを含み、
前記タッチ駆動チップは、一本の駆動電極の走査期間内で、前記複数のセンシング電極群に順次にセンシング信号を印加して検出するために用いられ、同一の前記センシング電極群に対して、前記センシング電極群における前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とに同時にセンシング信号を印加して検出する。
【0016】
本開示の実施例は、上記のタッチ装置に応用されるタッチ検出方法を更に提供する。前記タッチ基板の複数本のセンシング電極は、複数のセンシング電極群に分かれ、前記センシング電極群の各々は二本の前記センシング電極を含み、前記センシング電極群の各々は一本の前記第1センシング電極と一本の前記第2センシング電極とを含み、
前記方法は、
一本の駆動電極の走査期間内で、前記複数のセンシング電極群に順次にセンシング信号を印加して検出し、同一の前記センシング電極群に対して、前記センシング電極群における前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とに同時にセンシング信号を印加して検出する。
【0017】
同一の前記センシング電極群に属する前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とは隣接する。
【0018】
本開示の実施例の上記の技術方案の有益な効果は以下の通りである。
【0019】
本開示の実施例において、異なるセンシング電極をタッチ領域の対向する両側からセンシング電極トレースに接続させ、当該接続方式において、毎回二本のセンシング電極が走査でき、センシング電極の走査周期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施例に係るタッチ基板の構造概略図である。
図2】本開示の別の実施例に係るタッチ基板の構造概略図である。
図3】本開示のさらに別の実施例に係るタッチ基板の構造概略図である。
図4】本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法のフローの概略図である。
図5】本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法のフローの概略図である。
図6】本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法のフローの概略図である。
図7】本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法のフローの概略図である。
図8】本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法のフローの概略図である。
図9】本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法のフローの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭にするために、以下では、本開示の実施例の図面と併せて、本開示の実施例の技術方案を明瞭且つ完全に記述することにする。記述される実施例は、本開示の全部の実施例ではなく、一部の実施例であることは当然である。記述される本開示の実施例に基づいて、当業者によって得られる他の全ての実施例は、全部本開示の保護範囲に属する。
【0022】
図1を参考すると、図1は、本開示の一実施例に係るタッチ基板の構造概略図である。
該タッチ基板は、
図1において点線で示される領域であるタッチ領域11と、前記タッチ領域11の周辺に位置するトレース領域12とを含むベース基板10と、
前記タッチ領域11内に位置する複数本のセンシング電極20と、
前記トレース領域12内に位置し、前記複数本のセンシング電極20と1対1に接続される複数本のセンシング電極トレース30と、を含み、
前記センシング電極20は第1センシング電極21と第2センシング電極22とを含み、前記第1センシング電極21は前記タッチ領域11の第1側から前記センシング電極トレース30に接続され、前記第2センシング電極22は前記タッチ領域11の第2側から前記センシング電極トレース30に接続され、前記第1側と前記第2側とは前記タッチ領域11の対向する両側である。
【0023】
図1に示される実施例において、前記複数本のセンシング電極20は「行」式で配列され、前記第1センシング電極21は前記タッチ領域11の右側から前記センシング電極トレース30に接続され、前記第2センシング電極22は前記タッチ領域11の左側から前記センシング電極トレース30に接続される。本開示の他のいくつかの実施例において、前記複数本のセンシング電極20は、「列」式で配列されても良いし、これらの実施例において、前記第1センシング電極21は前記タッチ領域11の上側から前記センシング電極トレース30に接続されてもよいし、前記第2センシング電極22は前記タッチ領域11の下側から前記センシング電極トレース30に接続されてもよい。
【0024】
本開示の実施例において、一部のセンシング電極をタッチ領域の一側でセンシング電極トレースに接続させ、他の一部のセンシング電極をタッチ領域の対向する他側でセンシング電極トレースに接続させる。当該接続方式において、毎回二本のセンシング電極を走査でき、センシング電極の走査周期を短縮することができる。
【0025】
次に、如何に毎回二本のセンシング電極を走査して、センシング電極の走査周期を短縮できるかについて解説する。タッチ検出を行う時、一本の駆動電極の走査期間内で、一本の第1センシング電極と一本の第2センシング電極とに同時にセンシング信号を印加して検出し得る。第1センシング電極及び第2センシング電極におけるセンシング信号は、それぞれタッチ領域の異なる側から入力されるため、ある時点で、該第1センシング電極及び該第2センシング電極のうち一本のセンシング電極のセンシング信号のみが現在走査される駆動電極の所在する位置に到達でき、現在タッチ位置に対応するセンシング電極がどのセンシング電極であるかを区別できる。同一時点に二本のセンシング電極を走査できるため、駆動電極の本数がMであり、センシング電極の本数がNであると仮定する場合、一つの走査周期はT1*T2*1/2であり、T1はM本の駆動電極の走査時間であり、T2*1/2はN本のセンシング電極の走査時間であり、T2は既存の毎回一本のセンシング電極を走査する走査方式による走査時間である。このことから分かるように、既存のタッチ装置に比べ、本開示の実施例に係るタッチ基板の走査周期は半分に短縮され、これによりタッチ応答速度を向上させ、感度を向上させることができる。
【0026】
本開示のいくつかの実施例において、選択的に、前記センシング電極の本数が偶数である場合、前記第1センシング電極の本数と前記第2センシング電極の本数とは同じである。換言すれば、タッチ領域の第1側と第2側とでのセンシング電極トレースの本数は同じであり、センシング電極を二本ずつ一組に組むのに便利であり、一組のセンシング電極に同時にセンシング信号を印加して検出することができる。
【0027】
本開示のいくつかの実施例において、選択的に、前記センシング電極の本数が奇数である場合、前記第1センシング電極の本数と前記第2センシング電極の本数との差は1である。即ち、タッチ領域の第1側のセンシング電極トレースの本数と第2側のセンシング電極トレースの本数とはほぼ等しい。この時、そのうち一本のセンシング電極を除いて、他のセンシング電極は二本ずつ一組に組まれ、一組のセンシング電極に同時にセンシング信号を印加して検出することができる。
【0028】
本開示のいくつかの実施例において、選択的に、前記第1センシング電極は、前記複数本のセンシング電極のうち奇数目のセンシング電極であり、前記第2センシング電極は、前記複数本のセンシング電極のうち偶数目のセンシング電極である。即ち、隣接する二つのセンシング電極がタッチ領域の異なる側でタッチ電極トレースに接続され、隣接する二つのセンシング電極を一組に組み、一組のセンシング電極に同時にセンシング信号を印加して検出することができる。例えば、図1に示される実施例において、1、3、5、7本目のセンシング電極は第1センシング電極であり、2、4、6本目のセンシング電極は第2センシング電極である。
【0029】
本開示の実施例に係るタッチ基板は、相互容量性タッチ基板であって、複数本のセンシング電極30を含むとともに、図2を参考すると、
前記タッチ領域11内に位置し、前記センシング電極30と交差し且つ絶縁して設置される複数本の駆動電極40と、
前記トレース領域12内に位置し、前記複数本の駆動電極40と1対1に接続され、且つ前記センシング電極トレース30とは異なる層に設置される複数本の駆動電極トレース50と、を更に含む。
【0030】
図2を参考すると、本開示のいくつかの実施例において、選択的に、前記センシング電極トレース30と前記駆動電極トレース50とを共に有する前記トレース領域12内(図2におけるタッチ領域11の左側及び下側のトレース領域12を参照)で、少なくとも一部の前記センシング電極トレース30の前記ベース基板10上の正投影は、前記駆動電極トレース50の前記ベース基板10上の正投影と部分的に重なり、即ち、センシング電極トレース30と駆動電極トレース50とは上下空間で重なり得る。図2を参考すると、黒い太線は、センシング電極トレース30と駆動電極トレース50との重なる部分であり、相応するトレース領域12の幅を縮めることができ、狭額縁を実現するのに有利である。
【0031】
本開示のいくつかの実施例において、前記センシング電極20と前記駆動電極40とは、異なる層に絶縁設置され得る。当該実施例において、駆動電極トレース50は、駆動電極40と同じ層に設置され、接続を容易にし、製造コストを削減することができる。センシング電極トレース30は、センシング電極20と同じ層に設置され、接続を容易にし、製造コストを削減することができる。
【0032】
本開示の他のいくつかの実施例において、前記センシング電極20と前記駆動電極40とは、同じ層に設けられ且つ同じ材料からなっても良く、単一回のパターニング工程によって形成され、製造コストを削減することができる。前記センシング電極20の各々又は前記駆動電極30の各々は、同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含む。この時、同一の前記センシング電極20又は前記駆動電極30に属する、同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを接続させるために、図3に示されるように、前記タッチ基板は、
前記タッチ領域11内に位置するブリッジパターン60と、
接続孔を有する絶縁層70と、を更に含み、
前記ブリッジパターン60は、前記接続孔を介して、同一の前記センシング電極20に属する又は同一の前記駆動電極40に属する、隣接した前記導電パターンを接続させる。
【0033】
本開示の実施例において、前記ブリッジパターン60は、金属材料で作られ、例えば、チタン/アルミニウム/チタン(Ti/Al/Ti)で作られ得る。
【0034】
図2を参考すると、図2に示される実施例において、前記センシング電極20と前記駆動電極40とは、同じ層に設けられ且つ同じ材料からなっている。前記センシング電極20の各々は、同じ層に設置された順次に互いに連なる複数の導電パターンを含み、一方、前記駆動電極40の各々は、同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含み、同一の前記駆動電極40に属する同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンは、ブリッジパターンを介して連通される。もちろん、本開示の他のいくつかの実施例において、前記駆動電極40の各々は、同じ層に設置された順次に互いに連なる複数の導電パターンを含み、一方、前記センシング電極20の各々は、同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含み、同一の前記センシング電極20に属する同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンは、ブリッジパターンを介して連通されてもよい。
【0035】
本開示のいくつかの実施例において、選択的に、前記ブリッジパターン60は、前記センシング電極トレース30又は駆動電極トレース50と同じ層に設けられ且つ同じ材料からなり、一回のパターニング工程によってブリッジパターンと電極トレースとを形成でき、製造コストを削減することができる。図3に示される実施例を参考すると、前記ブリッジパターン60は、駆動電極トレース50と同じ層に設けられ且つ同じ材料からなっている。
【0036】
本開示のいくつかの実施例において、選択的に、前記絶縁層70は有機材料からなり、前記絶縁層70の光透過率は予め設定された閾値より大きく、前記予め設定された閾値は、例えば、85%である。選択的に、有機材料が窒化ケイ素(SiNx)である場合、光透過率は96%に達することができ、タッチ基板の光透過率を向上させることができる。また、有機材料は柔軟性及び曲げ性能に優れ、フレキシブルタッチ基板を実現することができる。
【0037】
本開示の実施例は、タッチ基板と、タッチ駆動チップとを含むタッチ装置を更に提供する。前記タッチ基板は、上記のいずれか一つの実施例に係るタッチ基板であり、前記タッチ基板の複数本のセンシング電極は、複数のセンシング電極群に分かれ、前記センシング電極群の各々は、一本の前記第1センシング電極と、一本の前記第2センシング電極とを含み、
前記タッチ駆動チップは、一本の駆動電極の走査期間内で、前記複数のセンシング電極群に順次にセンシング信号を印加して検出するために用いられ、同一の前記センシング電極群に対して、前記センシング電極群における前記第1センシング電極と前記第2センシング電極とに同時にセンシング信号を印加して検出する。
【0038】
本開示の実施例において、第1センシング電極及び第2センシング電極におけるセンシング信号は、それぞれタッチ領域の異なる側から入力されるため、ある時点で、該第1センシング電極及び該第2センシング電極のうち一本のセンシング電極のセンシング信号のみが現在走査される駆動電極の所在する位置に到達でき、現在タッチ位置に対応するセンシング電極がどのセンシング電極であるかを区別できる。同一時点に二本のセンシング電極を走査できるため、駆動電極の本数がMであり、センシング電極の本数がNであると仮定する場合、一つの走査周期はT1*T2*1/2であり、T1はM本の駆動電極の走査時間であり、T2*1/2はN本のセンシング電極の走査時間であり、T2は既存の毎回一本のセンシング電極を走査する走査方式による走査時間である。このことから分かるように、既存のタッチ装置に比べ、本開示の実施例に係るタッチ基板の走査周期は半分に短縮され、これによりタッチ応答速度を向上させ、感度を向上させることができる。
【0039】
本開示の実施例において、前記タッチ駆動チップは、さらに、複数の駆動電極に駆動信号を順次に印加するために用いられ、一本の駆動電極に駆動信号を印加する期間は、該駆動電極の走査期間である。
【0040】
本開示の実施例に係るタッチ装置は、On―cell、In―cell又はOGS等のモードのタッチ装置であり得る。
【0041】
本開示の実施例は、上記のタッチ装置に応用されるタッチ検出方法を更に提供する。前記タッチ基板の複数のセンシング電極は、複数のセンシング電極群に分かれ、前記センシング電極群の各々は、二本の前記センシング電極を含み、そのうち一本は前記第1センシング電極に属し、もう一本は前記第2センシング電極に属する。
【0042】
前記方法は、一本の駆動電極の走査期間内で、前記複数のセンシング電極群に順次にセンシング信号を印加して検出し、同一の前記センシング電極群に対して、前記センシング電極群における二本のセンシング電極に同時にセンシング信号を印加して検出する。
【0043】
選択的に、同一の前記センシング電極群に属する二本の前記センシング電極は隣接する。
【0044】
本開示の実施例は、タッチ基板の製造方法を更に提供する。
前記方法は、
タッチ領域と、前記タッチ領域の周辺に位置するトレース領域とを含むベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板上に複数のセンシング電極と複数のセンシング電極トレースとを形成するステップと、を含み、
前記センシング電極は前記タッチ領域内に位置し、前記センシング電極トレースは前記トレース領域内に位置し、前記複数のセンシング電極と1対1に接続され、前記センシング電極は第1センシング電極と第2センシング電極とを含み、前記第1センシング電極は前記タッチ領域の第1側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第2センシング電極は前記タッチ領域の第2側から前記センシング電極トレースに接続され、前記第1側と前記第2側とは前記タッチ領域の対向する両側である。
【0045】
選択的に、前記ベース基板上に複数本のセンシング電極と複数本のセンシング電極トレースとを形成する同時に、前記ベース基板上に複数本の駆動電極を形成し、前記駆動電極は前記タッチ領域内に位置し、前記駆動電極は前記センシング電極と交差し且つ絶縁して設置され、前記センシング電極と前記駆動電極とは同じ層に設けられ且つ同じ材料からなり、前記センシング電極の各々又は前記駆動電極の各々は同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含み、
前記ベース基板上に絶縁層を形成し、前記絶縁層は前記センシング電極及び前記駆動電極を覆い、前記絶縁層上に接続孔を有し、
前記ベース基板上にブリッジパターンと複数本の駆動電極トレースとを形成し、前記駆動電極トレースは前記トレース領域内に位置し、前記複数の駆動電極と1対1に接続され、前記駆動電極トレースは前記センシング電極トレースとは異なる層に設置され、前記ブリッジパターンは前記接続孔を介して同一の前記駆動電極に属する隣接した二つの前記導電パターンを接続させる。
【0046】
図4乃至図9を参考すると、図4乃至図9は、本開示の実施例に係るタッチ基板の製造方法の概略図である。該製造方法は、以下のステップを含む。
【0047】
ステップ101で、図4に示されるように、第1金属層100を形成する。
【0048】
本開示の実施例において、第1金属層100は、Ti/Al/Ti材料からなる。
【0049】
ステップ102で、図5に示されるように、フォトリソグラフィ工程によって第1金属層100をパターニングして、ブリッジパターン及び駆動電極トレースのパターンを形成する(図5では、ブリッジパターン及び駆動電極トレースが具体的に示されていない)。
【0050】
前記フォトリソグラフィ工程は、フォトレジストの塗布、露光、現像、及びエッチング等のステップを含む。
【0051】
ステップ103で、図6に示されるように、絶縁層70を堆積する。
【0052】
本開示の実施例において、絶縁層は、有機材料からなる。
【0053】
ステップ104で、図7に示されるように、フォトリソグラフィ工程によって絶縁層70をパターニングして、絶縁層を貫通する接続孔を形成する。
【0054】
ステップ105で、図8に示されるように、第2金属層200を形成する。
【0055】
本開示の実施例において、第2金属層200は、Ti/Al/Ti材料からなる。
【0056】
ステップ106で、図9に示されるように、フォトリソグラフィ工程によって第2金属層200をパターニングして、駆動電極、センシング電極及びセンシング電極トレースのパターンを形成する。駆動電極の各々は同じ層に位置し且つ互いに離れている複数の導電パターンを含み、導電パターンは絶縁層上の接続孔を介して、絶縁層70の下のブリッジパターンに接続されることで、同一の駆動電極に属する複数の導電パターンを連通させ、同時に、駆動電極は接続孔を介して駆動電極トレースに接続される。
【0057】
特に定義されていない限り、本開示で使用される技術的用語又は科学的用語は、当業者によって理解される通常の意味を有するべきである。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似の単語は、何らの順序、数量又は重要性をも表さず、単に異なる構成部分を区別するためにのみ用いられる。「接続」又は「互いに連なる」等の類似の単語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接的又は間接的を問わず、電気的な接続を含み得る。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置の関係を示すためにのみ用いられ、記述される対象の絶対位置が変更された後、相対位置の関係もそれに応じて変更される。
【0058】
上記は、本開示の好ましい実施形態に過ぎない。指摘すべきことは、当業者にとって、本開示の原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び潤色を更に行うことができ、これらの改善及び潤飾も本開示の保護範囲内と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】