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特表2022-538779農産食品の生産履歴管理を支援する機器のためのセンサ組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(54)【発明の名称】農産食品の生産履歴管理を支援する機器のためのセンサ組立体
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/01 20060101AFI20220830BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G01G23/01 A
B65D25/20 P
B65D25/20 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573761
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 IB2020055489
(87)【国際公開番号】W WO2020250171
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102019000008643
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521542812
【氏名又は名称】シスプレ-ソシエタ・イタリアーナ・システミ・エ・セルヴィジ・ディ・プレシジョーネ・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ポロ・フィリサン
(72)【発明者】
【氏名】フォビオ・マリオ・スカリーゼ
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB14
3E062BA07
3E062BB06
3E062BB10
3E062DA08
(57)【要約】
本発明における、農産食品の生産履歴管理を支援する機器のためのセンサ組立体は、平面構造体(2b)に結合されるように構成されている第1の面(21a)と第2の面(21b)とを有しているケーシング(21)と、ケーシング(21)の第2の面(21b)に作用する荷重に応答するように配置されている計量装置(22)と、傾斜計(26)と、ケーシング(21)の第1の面(21a)に対して垂直とされる軸線に沿った加速度を示す加速度信号(SA)を供給するように構成されている加速度計(25)と、を含んでいる。処理ユニット(30)は、計量装置(22)によって供給される荷重信号(SW)と、傾斜計(26)によって供給される傾斜信号(SI)と、加速度計(25)によって供給される加速度信号(SA)とに基づいて、計量装置(22)に作用する実測重量(W)を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産食品の生産履歴管理を支援する機器のためのセンサ組立体であって、
互いに対して反対側に位置する第1の面(21a)及び第2の面(21b)を有しているケーシング(21)であって、前記第1の面(21a)が、平面構造体(2b)に結合されるように構成されている、前記ケーシング(21)と、
前記ケーシング(21)の前記第2の面(21b)に作用する荷重に応答するように配置されている計量装置(22)と、
前記ケーシング(21)に堅固に取り付けられている傾斜計(26)と、
前記ケーシング(21)に堅固に取り付けられている加速度計(25)であって、前記ケーシング(21)の前記第1の面(21a)に対して垂直とされる軸線に沿った加速度を示す加速度信号(SA)を供給するように構成されている前記加速度計(25)と、
前記計量装置(22)によって供給される荷重信号(SW)と、前記傾斜計(26)によって供給される傾斜信号(SI)と、加速度計(25)によって供給される加速度信号(SA)とに基づいて、前記計量装置(22)に作用する実測重量(W)を決定するように構成されている処理ユニット(30)と、
を備えていることを特徴とするセンサ組立体。
【請求項2】
前記計量装置(22)が、重量センサ(23)とベース板(37a)とロード板(37b;37′;37″)とを少なくとも備えており、
前記重量センサ(23)それぞれが、前記ケーシング(21)の前記第2の面(21b)に作用する荷重に応答するように、前記ベース板(37a)と前記ロード板(37b;37′;37″)との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ組立体。
【請求項3】
前記ケーシング(21)の前記第2の面(21b)が、少なくとも1つの前記ロード板(37b;37′;37″)によって少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ組立体。
【請求項4】
前記センサ組立体が、温度信号(ST)を供給するために前記処理ユニット(30)に結合されている温度センサ(27)と、湿度信号(SH)を供給するために前記処理ユニット(30)に結合されている湿度センサ(28)と、pH測定値(SpH)を供給するために前記処理ユニット(30)に結合されているpH計(29)とのうち少なくとも1つのセンサを、前記ケーシング(21)の外側に備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項5】
前記センサ組立体が、可撓性を有しているロッド(38)であって、前記ケーシング(21)に固定されていると共に前記ケーシング(21)の前記第1の面(21a)から延在している前記ロッド(38)を備えており、
前記温度センサ(27)、前記湿度センサ(28)、及び前記pH計(29)のうち少なくとも1つのセンサが、前記ロッド(38)に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のセンサ組立体。
【請求項6】
前記センサ組立体が、識別タグ(2a)を無線周波数で読み取るように構成されている識別タグリーダ(32)であって、前記処理ユニット(30)に結合されている前記識別タグリーダ(32)を備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項7】
前記識別タグリーダ(32)が、RFIDリーダ又はNFCリーダとされることを特徴とする請求項6に記載のセンサ組立体。
【請求項8】
前記センサ組立体が、メモリモジュール(31)を備えており、
前記処理ユニット(30)が、前記識別タグリーダ(32)の作用範囲内に配置されている農産食品の生産履歴管理を支援する機器のための容器(2)の識別タグ(2a)を読み取るように、且つ、前記識別タグ(2a)を前記メモリモジュール(31)に格納された識別子コードと関連付けるように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のセンサ組立体。
【請求項9】
前記処理ユニット(30)が、前記容器(2)の幾何学的特徴に関連する情報を、前記識別タグリーダ(32)を介して前記識別タグ(2a)から受信するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載のセンサ組立体。
【請求項10】
前記センサ組立体が、バッテリ(34)と、前記バッテリ(34)を充電するように構成されているバッテリ充電装置(35)とを備えていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項11】
前記バッテリ充電装置(35)が、誘導式とされることを特徴とする請求項10に記載のセンサ組立体。
【請求項12】
前記センサ組立体が、コイル(40)を備えており、
識別タグリーダ(32)と前記バッテリ充電装置(35)との両方が、前記コイル(40)に結合されていることを特徴とする請求項10に従属する請求項11に記載のセンサ組立体。
【請求項13】
前記バッテリ充電装置(35)が、環境発電装置(39)を備えていることを特徴とする請求項10に記載のセンサ組立体。
【請求項14】
前記センサ組立体が、データネットワークのアクセスポイントに接続するように構成されている通信モジュール(33)を備えており、
前記処理ユニット(30)が、前記通信モジュール(33)を介して外部デバイスと通信するように構成されていることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項15】
前記通信モジュール(33)が、BLEモデムを備えていることを特徴とする請求項14に記載のセンサ組立体。
【請求項16】
前記処理ユニット(30)が、前記加速度計(25)によって供給される加速度信号(SA)が制御振幅帯域(B)の範囲内にある場合に第1の計算モードに従って、前記荷重信号(SW)及び前記傾斜信号(SI)の現在値に基づいて、前記実測重量(W)を決定するように構成されており、第2の計算モードに従って、前記荷重信号(SW)及び前記傾斜信号(SI)の値に基づいて、前記実測重量(W)を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項17】
前記処理ユニット(30)は、前記第2の計算モードに基づいて、加速度信号(SA)が前記制御振幅帯域(B)を超過している時間間隔によって定義されるカットオフ間隔(IINT)に少なくとも部分的に時間的に対応していない前記加速度信号(SA)及び前記傾斜信号(SI)の値から前記実測重量(W)を決定するように構成されていることを特徴とする請求項16記載のセンサ組立体。
【請求項18】
前記処理ユニット(30)が、前記荷重信号(SW)、前記加速度信号(SA)、及び前記傾斜信号(SI)の時系列を記憶するように、且つ、タイムスタンプを前記荷重信号(SW)、前記実測重量(W)、前記加速度信号(SA)、及び前記傾斜信号(SI)と関連付けるように構成されていることを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項19】
前記処理ユニット(30)が、前記加速度計によって供給される前記加速度信号(SA)に基づいて、低消費待機モードを動作及び動作停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項20】
前記センサ組立体が、前記ケーシング(21)を前記平面構造体(2b)に取り外し可能に取り付けるように構成されている反転可能な可逆的な取付部材(36)を備えていることを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載のセンサ組立体。
【請求項21】
農産食品の生産履歴管理を支援する機器であって、
容器(2;50)と、容器(2)の内部に配置されていると共に前記容器(2;50)の底壁(2b;50a)に取り外し可能に取り付けられている請求項1~20のいずれか一項に記載のセンサ組立体(20;100)と、を備えていることを特徴とする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるイタリア特許出願第102019000008643号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、農産食品の生産履歴管理を支援する機器のためのセンサ組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
周知のように、農産食品分野では、サプライチェーンに沿った製品の生産履歴管理が益々重要になっている。実際に、多くの国々において、生産履歴管理は食品安全規制及び衛生規制に従って課せられている一方、高品質の製品を製造する企業にとって、原材料の原産地、及び実施された処理の性質を、販売に至るまでの完全性と同様に一般市民に最良に保証することが、何よりも重要な関心事である。従って、品質意識の高い最終消費者の根本的な保護のためにも、申告と異なる原産地の原材料を交換又は追加することによって行われる不正の余地を減らすことが必要である。
従って、市場に出回る製品の原産地及び処理の認証を支援することを目的として、数多くの解決策が開発されている。しかしながら、一般に、一連の農産食品の生産履歴管理の最初段階、すなわち収集と加工現場への輸送とには、認証を困難にすると共に不正行為を試みる十分な余地を残っているという多くの欠点がある。例えば、あらゆるタイプの果物や多くの種類の野菜の収穫については、特に当て嵌まる。このような困難は、収穫現場に技術的なインフラが明白に欠如していることに起因し、そのために、現在、製品認証に必要な作業が行なうことができない。
【0004】
不正行為に対する保護に加えて、原材料の保管状況を追跡し、記録することも重要である。実際、農産食品は温度や湿度に特に敏感であることが多く、保存状態が適切でないと、有機的な特性が取り返しのつかないほど劣化してしまうことがある。また、大きすぎる収穫物や保存容器の利用による破砕も問題となることがある。特に、環境条件を制御できる倉庫よりも、収穫現場や輸送中にこそ、不適切な保管による損傷のリスクが大きいことに留意すべきである。例えば、収穫現場には十分に広い日陰がないので、収穫用容器は、充填後、長時間日光に曝されたままとなることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の制限を克服し、又は少なくとも緩和することができるセンサ組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明では、製品の生産履歴管理を支援する機器のためのセンサ組立体が、実質的に請求項1に定義されるように提供される。
【0007】
本発明のさらなる特徴及び利点については、添付図面を参照しつつ、添付図面に表わす非限定的な実施例に関する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】農産食品の生産履歴管理を支援する機器のための組立体の透視図である。
図2図1に表わす機器の側面図である。
図3図1に表わす機器の単純化したブロック図である。
図4図1に表わす機器の利用状態を表わす。
図5図1に表わす機器に利用される、本発明の一の実施例におけるセンサ組立体の上面図である。
図6図5に表わすセンサ組立体の側面図である。
図7図5に表わすセンサ組立体の単純化したブロック図である。
図8図5に表わすセンサ組立体の細部の第1の変形例である。
図9図5に表わすセンサ組立体の細部の第2の変形例である。
図10図5に表わすセンサ組立体の別の細部の第1の変形例である。
図11図5に表わすセンサ組立体の別の細部の第2の変形例である。
図12図5に表わすセンサ組立体に関連する物理量を示すグラフである。
図13】本発明の一の実施例におけるセンサ組立体を利用する、農産食品の生産履歴管理を支援するための別の機器の単純化した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び図2を参照すると、農産食品の生産履歴管理を支援するための機器は、全体として番号1で示されている。機器1は、特に任意の種類の果物及び野菜を収穫する際に生産履歴管理を支援することを目的とする。
【0010】
機器1は、果実の収穫のための容器2と、容器2に接続させるための接続部材4を具備するフレーム3とを備えている。
【0011】
容器2は、上部が概略的に開放されており、果実又は野菜を収穫するための利用可能とされる任意の容器とされる。図1に表わす実施例では、容器2は、積み重ね可能な箱であって、同一タイプの他の箱の上に積み重ねることができる(一般に数キロの農産食品を収容するのに適しているので、手で容易に運搬可能とされる)。代替的には、容器2は、より大量の農産食品を収容するのに適しており、フォークリフトによって移動可能とされる一般的な箱(BIN)であっても良い。一の実施例では、容器2は識別タグ2aを備えており、識別タグ2aは固有の識別コードを含んでおり、電磁気的に読み取り可能とされる(例えば、RFIDタグやNFCタグ)。
【0012】
一の実施例では、フレーム3は、接続部材4に取り付けられた1つ以上の縦梁によって形成されている垂直サポート3aを備えている。接続部材4は、特にフレーム3が容器2に可逆的に結合されるように構成されている。図1に表わす実施例では、特に接続部材4が、容器2を受容するように適合されていると共にフレーム3の地面載置部3bに取り付けられているベース5を備えている。特に、ベース5は、容器2と同一である積み重ね可能な箱によって形成されても良い。このようにして、フレーム3と容器2との結合は、容易且つ迅速に可能となり、さらには、容器2の位置決めが、正確となり且つ再現可能となる。図示しないが、一の実施例では、ベースは平面とされ、例えば容器2を受容するための略水平な板が地面に載置されている。代替的には、接続部材は、バイス、ペンチ、プラグ、又はネジ留めシステム等とされる。
【0013】
また、図3を参照すると、機器1は、画像検出装置6と、モーションセンサ7と、衛星追跡装置8と、識別タグリーダ9と、記憶装置11を具備する処理ユニット10と、無線通信モジュール12とさらに備えており、これらはすべて、非限定的な実施例では、フレーム3に取り付けられている。ローカル制御インタフェース13は、ディスプレイ13aを備えており、フレーム3によって支持されている。ローカル制御インタフェース13は、処理ユニット10に有線接続されているか、又は例えばスマートフォンやタブレットのようなモバイル機器によって形成されており、例えばBluetooth(登録商標)通信規格を利用することによって無線通信モジュール12を介して処理ユニット10と通信するように結合されている。代替的には、リモートインタフェース16が、同様に、無線通信モジュール12を介して処理ユニット10と通信するように結合されている。少なくとも衛星追跡装置8、識別タグリーダ9、処理ユニット10、記憶装置11、無線通信モジュール12、及び制御インタフェース13は、フレーム3に固定された同一のケーシングに収容されている。代替的な実施例では、衛星追跡装置8、識別タグリーダ9、処理ユニット、及び記憶装置11の機能は、モバイル機器(スマートフォンやタブレット)に統合されている。
【0014】
一の実施例では、画像検出装置6は、図示しないが固定光学系又は可変光学系を具備する画像センサ14,15と、照明器17とを備えている。
【0015】
画像センサ14,15は、例えばCMOSセンサやCCDセンサのような可視帯域で不可欠なセンサ、赤外線センサ若しくは紫外線放射センサ、レーザスキャナ、又は一般にフレーム3に取り付けるのに適した任意のタイプのセンサとされる。
【0016】
画像センサ14は、図2に表わすように容器2がベース5に載置された場合に、容器2の口を含む観察領域R1がフレームに入る(frame)ようにベース5に向けられる(trained)。画像センサ14は、観察すべき活動のタイプに基づいて、所定期間、単一の画像及び/又は画像シーケンスを取得するように、モーションセンサ7によって検出された動作に応答して追従するように、並びに、モーションセンサ7によって検出された動作を示す信号が存在しない場合に待機状態を維持するように構成されている。モーションセンサ7との結合は、直接的であっても、処理ユニット10を介して間接的であっても良い(図3参照)。言い換えれば、画像センサ14は、モーションセンサ7からの信号に直接応答しても、モーションセンサ7からの信号に応答して処理ユニット10によって生成される指令に順次応答しても良い。一の実施例では、画像取得は、モーションセンサ7が感知間隔内の動作又は一連の動作のうち最後の動作を検出した瞬間に対して、例えば数秒の遅延を伴って実行される。
【0017】
画像センサ15は、機器1の周囲の収穫が行われる土壌の一部のパノラマ画像、設備、フェンス、場合によっては存在する建物及び物体の一部分と同様に、特に果物が収穫される樹木のパノラマ画像を撮影するように方向づけられている(図4参照)。画像センサ15は、制御インタフェース13を介して作業員によって提供される指令を介して手動で、又は衛星追跡装置8によって示される空間座標の変化(例えば、所定の最小距離より大きく移動したことに起因する変化)に応答して起動可能とされる。
【0018】
図示しない代替的な実施例では、ベース5及び周囲環境の両方に向かって方向づけられている単一の画像センサを、及び/又は、所定のモードに基づいて様々なフレーム間で手動切替若しくは自動切替可能とされる可変光学系を利用することができる。
【0019】
モーションセンサ7は、例えば、パッシブ赤外線センサ、DMT(“Digital Motion Technology”)センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、又はこれらの組み合わせとされる。モーションセンサ7は、画像検出装置6によってフレームされた観察領域R1の少なくとも一部分を含む監視領域R2における動作を検出するように、ベース5上に学習される。特に、モーションセンサ7は、容器2をベース5に挿入し、収穫された果実をベース5に既に収容された容器2に入れることによって作動するように構成されている。従って、実際には、モーションセンサ7によって、空又は満杯になった容器2をベース5に導入することが可能となり、容器2がベース5に収容されている場合に、容器2の内容物の変化をもたらす動作が判断されるようになる。
【0020】
上述のように、さらに、モーションセンサ7は、直接又は処理ユニット10を介して間接的に、画像センサ14による画像の取得を決定する。
【0021】
衛星追跡装置8は、例えば、GPS追跡装置又はGNSSナビゲータとされ、指令に応答して一組の空間座標(経度及び緯度)を提供するために、処理ユニット10と通信するように結合されている。
【0022】
識別タグリーダ9は、容器2に配設された識別タグ2aを読み取るのに適したタイプのリーダとされる。利用される識別タグ2aに従って、識別タグリーダ9は、例えばRFIDリーダであっても良い。
【0023】
図5図7を参照すると、機器1は、容器2に取り外し可能に結合されるように構成されているセンサ組立体20も備えている。より具体的には、容器2と容器2に収容されたセンサ組立体20とは、機器1で利用される生産履歴管理を補助するための機器70を形成している。
【0024】
センサ組立体20は、ケーシング21と、計量装置22と、複数のセンサと、少なくとも1つの加速度計25と、傾斜計26と、温度センサ27と、湿度センサ28と、pH計29とを備えている。さらに、センサ組立体は、オンボード処理ユニット30と、メモリモジュール31と、識別タグリーダ32と、通信モジュール33と、バッテリ34と、充電装置35とを備えている。
【0025】
ケーシング21は、厚さより顕著に大きい幅及び長さを有している。ケーシング21は、例えば四角状の平面を有しており、第1の面21aと第2の面21bとは、互いに対して対向している。ケーシング21は、例えば悪戯防止ネジのような取付部材36、又は図示しない実施例では両面粘着ストリップやスナップ式要素等によって、容器2の底壁2bに取り外し可能に取り付けられている。代替的には、容器2に通気孔が配設されている場合には、取付はクランプを介して実現される。利用時には、第1の面21aは、容器2の底壁2bに面している。
【0026】
オンボード処理ユニット30、メモリモジュール31、識別タグリーダ32、通信モジュール33、バッテリ34、及び充電装置35と同様に、計量装置22、加速度計25、及び傾斜計26が、ケーシング21に収容されている。
【0027】
計量装置22は、ベース板37a、ロード板37b、及び1つ以上の複数のロードセル23を備えている。ベース板37a及びロード板37bは、高剛性を有していると共に誘電材料から作られており、ケーシング21の第1の面21aの側及び第2の面21bの側にそれぞれ設けられている。一の実施例では、ベース板37a及びロード板37bはそれぞれ、第1の面21a及び第2の面21bの一部分を形成しているが、代替的には、図示しない実施例では、ケーシングが、ベース板及びロード板を覆っている例えばシリコンシートを備えており、これによりケーシングを密閉し、当該ケーシングを防水構造とすることができる。ロードセル23は、ロード板37bとケーシング21の第2の面21bとに作用する荷重に応答するように、ベース板37aとロード板37bとの間に配置されている。また、センサ組立体20は反転可能であることに留意すべきである。この場合には、ベース板がロード板として機能するが、その逆であっても良い。ロードセル23の数量及び配置は、設計上の好みに基づいて選択可能とされる。図5図7に表わす実施例では、例えば圧電型の4つのロードセル23が、ケーシング21の象限それぞれの中心に配置されており、ベース板37a及びロード板37bに結合されている。ロードセル23は、オンボード処理ユニット30と通信可能に結合されており、ロードセル23それぞれの荷重状態を示す荷重信号SWを提供することができる(図7参照)。ロード板37bの全体表面は、容器2の底壁2bの表面と実質的に等しいか、又はより小さい。
【0028】
代替的には、一連のロードセル23(例えば図8に表わす実施例のように、2つのロードセル23それぞれに結合されている2つのロード板37′)に結合されているロード板を、又はロードセル23それぞれに結合されている4つのロード板37″(図9参照)を利用可能である。同様に、図6に表わす単一のベース板37aの代わりに、複数のベース板を利用可能である。
【0029】
また、加速度計25及び傾斜計26は、ケーシング21に収容されており、例えば小型電気機械式とされる。特に、加速度計25は、ケーシング21が容器2の底壁2bに取り付けられた場合に、少なくともケーシング21の第1の面21a及び第2の面21bに対して、ひいては容器2の底壁2bに対して垂直な軸線(実際には、容器2が平坦に載置された場合における垂直軸線)に沿った加速度を示す加速度信号SAを提供するように構成されている。一の実施例では、加速度計25は、多軸式とされる。一の実施例では、加速度計25は、以下に説明するように、低消費待機モードを動作及び動作停止させるための振動センサとして処理ユニット30によって利用される。
【0030】
傾斜計26は、ケーシング21に堅固に取り付けられており、基準面の傾斜、ひいては水平面に対するケーシング21及び容器2の傾斜を示す傾斜信号SIを提供する。基準面は、ケーシング21の第1の面21a及び第2の面21bに対して平行とされる。一の実施例では、傾斜計の機能は、加速度計25によって提供される加速度信号SAの連続した成分から実行される。当該機能は、処理能力が供給される場合には、加速度計25に完全に組み込まれているが、加速度信号SAの連続した成分を抽出するように構成されているオンボード処理ユニット30によって実行される場合もある。
【0031】
温度センサ27、湿度センサ28、及びpH計29は、ケーシング21に固定されている可撓性を有しているロッド38に配置されている。ロッド38は、センサ組立体20が容器2に取り付けられている場合には、ケーシング21の第1の面21aに対して、ひいては底壁2bに対して垂直に延在している。ロッド38の数量及び配置と、温度センサ27、湿度センサ28及びpH計29の数量及び配置とは、設計上の好みに基づいて選択可能とされる。必要に応じて、例えば、温度センサ27、湿度センサ28、及びpH計29も、ケーシング21の第2の面21bに配置可能とされる。図5図7に表わす非限定的な実施例では、5つのロッド38が設けられており、1つのロッドがケーシング21の中央に配置されており、他のロッドはロードセル23に対応する位置に配置されている。ロッド38はそれぞれ、2つの温度センサ27と2つの湿度センサ28と2つのpH計29とを備えている。温度センサ27、湿度センサ28、及びpH計29のロッド38における位置は、環境変数の監視において所望の精度が得られるように、収集される製品の種類並びに容器2の形状及び容積に従って選択される。温度センサ27、湿度センサ28、及びpH計29はそれぞれ、温度信号ST、湿度信号SH、及びpH測定値SpHを処理ユニット30に提供する。
【0032】
以下に詳述するように、オンボード処理ユニット30は、ロードセル23、加速度計25、傾斜計26、温度センサ27、湿度センサ28、及びpH計29から供給される信号を受信及び処理し、通信モジュール33を通じて外部環境、特に地上処理ユニット10と通信する。通信モジュール33は、データネットワークのアクセスポイント(例えば、無線通信モジュール12)に接続するように構成されている。一の実施例では、通信モジュール33は、BLE(ブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー)モデムであるか、又は他のLPRF(低電力無線周波数)技術に基づいている。これにより、優位にはエネルギ消費量を低減することができる。図示しない他の実施例では、通信モジュールも、設計上の好みに従って、例えば伝送距離、データフロー、レイテンシ、ノイズ耐性のような他のパラメータに基づいて選択される。
【0033】
識別タグリーダ32は、識別タグリーダ32が無線通信を介して結合されるように、容器2の識別タグ2aに対応する位置に配置されているコイル40を有している。識別タグリーダ32は、利用される識別タグ2aのタイプに従って、RFIDリーダ又はNFCリーダとされる。
【0034】
説明した実施例では、バッテリ34は、充電式とされ、センサ組立体20に搭載されたすべての利用物(user)に電力を供給する。
【0035】
充電装置35は、バッテリ34を充電する。図10に表わす実施例では、充電装置34は誘導式とされ、識別タグリーダ32と同一のコイル40を利用する。代替的には、充電装置35は、環境からエネルギを回収するための装置39(図11に表わす環境発電装置)を備えており、動作(容器2は連続的に積み下ろし作業の影響を受けるので、当該積み下ろし作業の一部を利用し、圧電効果によってエネルギを回収することが優位である)又は温度差を、エネルギ源として利用してもよい。また、充電装置は、例えば電気回路網のような外部電源に接続するためのコネクタ(図示しないが、例えばUSBコネクタ)を備えている場合がある。
【0036】
上述のように、オンボード処理ユニット30は、ロードセル23、加速度計25、傾斜計26、温度センサ27、湿度センサ28、及びpH計29から供給される信号を受信及び処理する。特に、オンボード処理ユニット30は、荷重信号SW、加速度信号SA、傾斜信号SI、温度信号ST及び湿度信号SHの時系列をメモリモジュール31に格納し、以下の動作を実行する:
加速度計25から供給される加速度信号SAに従って、低消費待機モードを動作及び動作停止させること;
ロードセル23から供給される荷重信号SW、加速度計25から供給される加速度信号SA、及び傾斜計26から供給される傾斜信号SIから、容器2の内部に存在する製品の重量の測定値Wを決定すること;
検出された重量、加速度信号SA、傾斜信号SI、温度信号ST、及び湿度信号SHの時系列を少なくとも一時的に記憶すること:
通信モジュール33を介して外部装置と、特に1つ以上の地上処理ユニット10又はリモートサーバーと通信すること。
【0037】
さらに、センサ組立体20を容器2に結合した後における初期化ステップでは、オンボード処理ユニット30は、識別タグリーダ32を介して、容器2の識別タグ2aを読み取り、容器2の識別タグ2aとメモリモジュール31に格納されているオンボード処理ユニット30の識別コードとを関連付ける(利用時に、識別タグ2aは、識別タグリーダ32の作用範囲内に位置している)。農産食品の生産履歴管理のための機器の場合には、このような関連付けによって、容器2とセンサ組立体20によって収集された信号とを共に結びつけることができる。オンボード処理ユニット30は、例えば内寸(底壁2b及び深さ)、最大荷重、形状係数、及び材料のような容器2の構造上の特徴に関するデータと、例えば利用タイプやオーナー企業名のような一般管理システムによって必要とされる他の情報とを、識別タグ2aから抽出する。従って、初期化は、完全自動で実施される。代替的には、処理ユニット30は、通信モジュール33を利用する通信インタフェース(図示しない)を介して、作業員によって初期化される。作業員は、センサ組立体20の識別コードを容器2の識別タグ2aに関連付け、任意には、容器の特徴に関連するデータを手動で又は例えば遠隔サーバに存在するデータベースからロードする。
【0038】
処理ユニット30は、待機モードを動作及び動作停止させるために、加速度計25から供給される加速度信号SAを利用する。実際には、加速度計25は、容器2に関連する活動の有無を判断するための振動センサとして利用される。より具体的には、加速度信号SAが、コントロールインターバルを超過する期間に亘って、実質的にヌルの状態を維持しているか、又はいかなる場合であっても閾値より低い状態を維持している場合、及び他の信号が存在しない場合には、処理ユニット30は、待機モードを動作させる。振動がないことは、重要な進行中の活動が存在しないことを示すからである。例えば負荷に起因して、活動が再開された場合には、発生した振動が加速度計25によって直ちに検出され、処理ユニット30は待機モードを動作停止させるので、重量信号SWの記録の間に情報が失われることはない。
【0039】
重量の測定値Wの計算に関して、処理ユニット30は、加速度計25から供給される加速度信号SAに基づいて、第1の計算モード又は第2の計算モードを利用する。第1の計算モードは、日常的に利用されるが、第2の計算モードは、加速度計25によって検出された容器2に対する動作、衝撃、又は衝突が発生した後に利用される。
【0040】
図12に表わすように、加速度信号SAが制御振幅帯域Bの範囲内に留まっている場合に、処理ユニット30は、イネーブル信号ENを第1の論理値、例えば高い論理値に設定するので第1の計算モードに従って、荷重信号SW及び傾斜信号SIの現在値に基づいて容器2の内部の製品の重量の測定値Wを決定及び更新することができる。
【0041】
処理ユニット30は、容器2が配置されている地面の傾斜の影響を補償するように、傾斜計26からの傾斜信号SIを考慮して補正された荷重信号SWを介して受信されたデータを組み合わせる。荷重信号SWの組み合わせは、ロードセル23の配置及びロード板37bへの結合に依存する手順で実施される。図5に表わす実施例では、ロードセル23それぞれの荷重信号SWから抽出されたデータが、傾きに対して独立して補正されるので、単純に合算することによって全体重量を得ることができる。ロード板37bの表面が容器2の底壁2bの表面より小さい場合には、処理ユニット30は、直接測定された重量が容器2の内部に存在する製品の総重量の一部であることを考慮して、補正係数を利用することによって重量推定値を決定する。補正係数は、識別タグ2aから取得した初期化データから(具体的には、幾何学的特徴に関連するデータから)獲得されるか、又は権限を有する作業員によって手動で入力される。一の実施例では、重量の測定値Wは、湿度センサ28によって提供される湿度信号SHによって示される湿度を考慮して決定される。一般に、処理ユニット30は、重量の測定値W、及び任意には例えば容器2の積み込み、運搬、及び荷下ろしの時間のような別の有用な値を決定するために、センサから受信されたすべての信号を統計処理(平均値、標準偏差、中央値、最小-最大、可変時間窓、勾配、フィルタ、スペクトル解析、フーリエ解析を含むが、これらに限定される訳ではない)する。一の実施例では、処理ユニット30は、記憶された信号、実測重量、及び得られた情報を、それぞれの信頼度、精度、及び許容度と関連付ける。
【0042】
加速度信号SAが所定のレイテンシ間隔を超過する時間に亘って制御振幅帯域Bの範囲外に留まっている場合には、処理ユニット30は、イネーブル信号ENを第2の論理値、例えば低い論理値に設定し、第2の計算モードに基づいて重量の測定値Wを決定する。加速度信号SAが制御振幅帯域Bを超過している時間間隔を、以下においてカットオフ間隔IINTと呼称する。
【0043】
第2の計算モードでは、処理ユニット30は、カットオフ間隔IINTに時間的に少なくとも部分的に対応していない加速度信号SA及び傾斜信号SIの値から、且つ所定の基準に基づいて、測定値Wを決定する。一の実施例では、例えば、カットオフ間隔IINTにおける測定値Wは、カットオフ間隔IINTの直後のコントロールインターバルICに亘る測定値Wの平均に等しく設定される。代替的には、カットオフ間隔IINTにおける測定値Wは、カットオフ間隔IINTの直前の測定値Wと等しく設定されるか(実際には、カットオフ間隔IINTの間、測定値Wが“固定(freeze)”されているか)、又は負荷信号SWのローパスフィルタ処理によって獲得される。このようにして、荷重信号SWは、例えば異なる収穫現場同士の間における又は収穫現場と貯蔵工場又は加工工場との間における容器2の移動及び運搬に関連する擬似的な寄与を除去する。それにも関わらず、重量検出が動作停止している場合に発生する重量の実際の変化は、後に、具体的には加速度信号SAが制御振幅帯Bの範囲内に復帰した場合に補正される。
【0044】
上述のように、処理ユニット30は、荷重信号SW、加速度信号SA、傾斜信号SI、温度信号ST、及び湿度信号SHの時系列をメモリモジュール31に格納する。任意には、実測重量の値Wの時系列もメモリモジュール31に記憶される。処理ユニット30によって格納されたすべての信号及び情報は、タイムスタンプと関連付けられている。このようにして、要求に応じてアクセス可能とされる検出の履歴記録を維持することに加えて、センサ組立体20の耐久性に都合良く、データ伝送を最適化することができる。測定信号の監視及び収集と比較すると、実際には、データ伝送は、エネルギの観点において極めて高コストである。信号の時系列をメモリモジュール31に格納することによって、送信すべきデータが存在しない場合における接続を、又は長距離に亘る伝送のために接続を確立するための、エネルギの浪費を防止することができる。例えば、メモリモジュール31に格納されたデータは、短距離且つ低電力の接続を介して、フレーム3の処理ユニット10に送信される。
【0045】
格納されたデータは、後に、具体的にはネットワーク接続が再び利用可能になった場合にダウンロード可能とされる。さらに、タイムスタンプによって、収集されたデータは、例えば、リモートサーバーで処理され、例えば画像センサ14によって検出された画像や衛星追跡装置8によって検出された座標のようなさらなる情報と相関される。情報を相関させることによって、製品の追跡が改善されるので、不正行為の余地が減少する。
【0046】
本発明におけるセンサ組立体は、優位には、農産食品の生産履歴管理のための基本パラメータの変化を監視するので、不正行為の試みの余地を減らし、保管条件に関する正確且つ継続的に更新された情報を利用することができる。第一に、加速度の検出に関連して重量を連続的に監視することによって、容器に回収された製品の実際の重量の変化に対応するイベントを正確に識別することができる。低消費電力で無線通信が可能となり、加えて長期間に亘る連続利用に対して十分な耐久性を有しているので、センサ組立体によって検出されたデータは、画像センサによって取得された画像及び地理位置情報データと即座に統合される。
【0047】
また、温度データ及び湿度データを測定することによって、収穫及び輸送の際における、並びに加工前の貯蔵の際における保存状況が監視可能とされる。従って、過度温度での暴露、有害な変化、及び不適切な湿度水準が、容器それぞれについて文書で記録される。可撓性を有しているロッドを利用することによって、容器のタイプ及び収集された製品に従って、温度センサ及び湿度センサを最適な位置に位置決めすることができる。
【0048】
センサ組立体を容器に反転可能に取り付けることができるので、コストや柔軟な利用及び点検の点において、さらに優位である。このようにして、実際には、センサ組立体は、容器に組み込む必要は無いので、収穫期間以外では、重要なパラメータを常時監視することを必要としない他の目的に利用することができる。さらに、容器を破損したような場合であっても、センサ組立体の全体を交換する必要はない。また、点検のための輸送やバッテリの充電もさらに容易となる。
【0049】
センサ組立体について、積み重ね可能な箱によって定義された容器における利用に関連して、これまで説明した。しかしながら、本発明におけるセンサ組立体の利用は、農産食品を収集するための任意の容器にも適用可能であることに留意すべきである。特に、センサ組立体は、図13において参照符号50で示すタイプの標準的なBIN箱である容器と共に、場合によっては大きさを適合させて利用可能である。容器50はそれぞれ、容器50の底部50aに取り外し可能に取り付けられた、実質的には上述のセンサ組立体100を備えている。センサ組立体20と比較して、センサ組立体100は、例えば以下の点において相違する;
ロードセルの数量及び配置;
ロードセルに関連するロード板の数量、寸法、及び配置;に
センサ組立体のケーシングの平面及び高さ方向に対する、温度センサ及び湿度センサの数量及び配置;並び
利用されるバッテリ及び充電器のタイプ。
【0050】
この場合には、図13において参照符号51及び52それぞれで示す画像検出装置及びモーションセンサは、容器50が配置された場所(例えば、トランスポータ又はトレーラの荷台や加工工場の倉庫の地面)に隣接する固定構造物53に取り付けられている。また、画像検出装置51及びモーションセンサ52はそれぞれ、複数の容器50に関連付けられている。
【0051】
最後になるが、特許請求の範囲によって定義される保護範囲から逸脱しないことを条件として、本明細書で説明され且つ請求されるセンサ組立体を修正及び変形することができるのは明白である。
【符号の説明】
【0052】
1 機器
2 容器
2a 識別タグ
2b 底壁
3 フレーム
3a 垂直サポート
3b 地面載置部
4 接続部材
5 ベース
6 画像検出装置
7 モーションセンサ
8 衛星追跡装置
9 識別タグリーダ
10 処理ユニット
11 記憶装置
12 無線通信モジュール
13 ローカル制御インタフェース
13a ディスプレイ
14 画像センサ
15 画像センサ
16 リモートインタフェース
17 照明器
20 センサ組立体
21 ケーシング
21a 第1の面
21b 第2の面
22 計量装置
23 センサ(ロードセル)
25 加速度計
26 傾斜計
27 温度センサ
28 湿度センサ
29 pH計
30 オンボード処理ユニット
31 メモリモジュール
32 識別タグリーダ
33 通信モジュール
34 バッテリ
35 充電装置
36 取付部材
37a ベース板
37b ロード板
38 ロッド
39 環境発電装置
50 容器
50a 底部
70 機器
R1 観察領域
R2 監視領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】