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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(54)【発明の名称】移動屋外広告の管理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220830BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576805
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 CA2020050895
(87)【国際公開番号】W WO2020257944
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】16/452,853
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521561167
【氏名又は名称】ハウラーアッズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ビンクリー、ケイシー、マンセル
(72)【発明者】
【氏名】レビー、ザカリー アーロン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 移動屋外広告を利用して広告キャンペーンを実施することができる。広告主は通常、広告キャンペーンの成功を管理し、追跡したいと考える。本願の態様は、インプレッション分析、位置分析、時間分析、および頻度報告書を提供することにより、このような管理および追跡を支援すると考えられる。さらに、本願の態様は、モバイルデバイスのリターゲティング広告キャンペーンにより移動屋外広告を強化する能力を提供すると考えられる。次に、投資利益率、利益、粗利益などの指標が追跡される。いくつかの態様では、移動型インプレッション分析追跡装置の範囲内にあるモバイルデバイスからWi-Fi信号およびBluetooth(登録商標)信号が収集される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側に広告が表示されてなる車両においてインプレッション情報を収集する方法であって、
前記車両の中央処理装置により、
前記車両の無線走査機を使用して短距離無線周波数を走査する工程と、
前記走査に基づいて、モバイル通信デバイスの識別子を収集する工程と、
前記車両の全地球測位モジュールから車両位置情報を決定する工程と、
前記識別子および前記車両位置情報を送信する工程と、
分析システムにより、
広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定する工程と、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致することついて決定する工程と、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致する場合、前記モバイル通信デバイスに広告メッセージを送信する工程と
を有し、
前記広告メッセージは、前記車両位置情報および前記車両の外側に表示された広告に基づくものである、
方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記広告メッセージを送信する工程は、ショートメッセージサービスを介して実行されるものである、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記広告メッセージを送信する工程により、前記モバイル通信デバイスにバナー広告が表示されるものである、方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法において、前記バナー広告は、前記モバイル通信デバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに埋め込まれるものである、方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法において、前記バナー広告は、前記モバイル通信デバイスにダウンロードされるアプリケーションに埋め込まれるものである、方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、前記バナー広告は、前記モバイル通信デバイス上でプレイされるように構成されたゲームに埋め込まれるものである、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、走査無線周波数は、Wi-Fi規格に関連付けられた走査無線周波数を有するものである、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、走査無線周波数は、Bluetooth規格に関連付けられた走査無線周波数を有するものである、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、前記モバイル通信デバイスの前記識別子を収集する工程は、前記モバイル通信デバイスの無線ネットワークチップセットに関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスを受信する工程を有するものである、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、前記広告メッセージを送信する工程は、前記分析システムにより前記モバイル通信デバイスの走査に基づいた収集が特定数に達したと決定されたことに応答して実行されるものである、方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法おいて、前記広告メッセージを送信する工程は、前記中央処理装置により前記モバイル通信デバイスが走査されるのと同時に実行されるものである、方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法において、前記無線周波数を走査する工程は、前記車両が移動体である場合に実行されるものである、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法において、前記広告メッセージを送信する工程は、無線モバイル通信技術を介して実行されるものである、方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法において、前記広告技術プラットフォームは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を有するものである、方法。
【請求項15】
インプレッション情報を収集するシステムであって、
外側に広告が表示されてなる車両と、
短距離無線周波数を走査するように構成された前記車両の無線走査機と、
中央処理装置であって、
前記無線走査機による走査に基づいて、モバイル通信デバイスの識別子を収集し、
全地球測位モジュールから車両位置情報を決定し、
前記識別子および前記車両位置情報を分析システムに送信する
ように構成されているものである、前記中央処理装置と、
前記分析システムであって、
前記中央処理装置から前記識別子および前記車両位置情報を受信し、
広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定し、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致することについて決定し、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致する場合、前記モバイル通信デバイスに広告メッセージを送信する
ように構成されているものである、前記分析システムと
を有し、
前記広告メッセージは、前記車両位置情報および前記車両の外側に表示された広告に基づくものである、
システム。
【請求項16】
請求項15記載のシステムにおいて、さらに、
前記識別子を送信するように構成された無線携帯電話用モデムを有するものである、システム。
【請求項17】
請求項15記載のシステムにおいて、前記無線走査機は、Wi-Fi規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含むものである、システム。
【請求項18】
請求項15記載のシステムにおいて、前記無線走査機は、Bluetooth規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含むものである、システム。
【請求項19】
請求項15記載のシステムにおいて、前記モバイル通信デバイスの前記識別子の収集は、前記モバイル通信デバイスの無線ネットワークチップセットに関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスを受信することによって実行されるものである、システム。
【請求項20】
請求項15記載のシステムにおいて、前記広告メッセージの送信は、ショートメッセージサービスを介して実行されるものである、システム。
【請求項21】
請求項15記載のシステムにおいて、前記広告メッセージの送信により、前記モバイル通信デバイスにバナー広告が表示されるものである、システム。
【請求項22】
請求項21記載のシステムにおいて、前記分析システムは、前記モバイル通信デバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに前記バナー広告を埋め込むようにさらに構成されているものである、システム。
【請求項23】
請求項15記載のシステムにおいて、前記広告メッセージは、無線モバイル通信技術を介して送信されるものである、システム。
【請求項24】
請求項15記載のシステムにおいて、前記広告技術プラットフォームは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を有するものである、システム。
【請求項25】
外側に広告が表示されてなる車両からのインプレッション情報を処理する方法であって、
前記車両の無線走査機を使用して走査された無線周波数から取得されたモバイル通信デバイスの識別子を受信する工程と、
前記車両の全地球測位モジュールによって決定された車両位置情報を受信する工程と、
広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定する工程と、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致するかについて決定する工程と、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致する場合、前記モバイル通信デバイスに広告メッセージを送信する工程と
を有し、
前記広告メッセージは、前記車両位置情報および前記車両の外側に表示された広告に基づくものである、
方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、前記広告メッセージを送信する工程は、ショートメッセージサービスを介して実行されるものである、方法。
【請求項27】
請求項25記載の方法において、前記送信された広告メッセージは、前記モバイル通信デバイスにバナー広告を表示させるように構成された広告情報を含むものである、方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、前記広告情報によって、前記モバイル通信デバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに前記バナー広告が埋め込まれるように構成されているものである、方法。
【請求項29】
請求項27記載の方法において、前記広告情報によって、前記モバイル通信デバイスにダウンロードされるアプリケーションに前記バナー広告が埋め込まれるようにさらに構成されているものである、方法。
【請求項30】
請求項29記載の方法において、前記広告情報によって、前記モバイル通信デバイス上でプレイされるように構成されたゲームにバナー広告が埋め込まれるようにさらに構成されているものである、方法。
【請求項31】
請求項25記載の方法において、前記受信された識別子は、Wi-Fi規格に関連付けられた走査無線周波数から取得されるものである、方法。
【請求項32】
請求項25記載の方法において、前記受信された識別子は、Bluetooth規格に関連付けられた走査無線周波数から取得されるものである、方法。
【請求項33】
請求項25記載の方法において、前記受信された識別子は、前記モバイル通信デバイスの無線ネットワークチップセットに関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスを含むものである、方法。
【請求項34】
請求項25記載の方法において、前記広告メッセージを送信する工程は、無線モバイル通信技術を介して実行されるものである、方法。
【請求項35】
請求項25記載の方法において、前記広告技術プラットフォームは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を有するものである、方法。
【請求項36】
外側に広告が表示されてなる車両からのインプレッション情報を処理する方法であって、
前記車両の無線走査機を使用して走査された無線周波数から取得されたモバイル通信デバイスの識別子を受信する工程と、
前記車両の全地球測位モジュールによって決定された車両位置情報を受信する工程と、
広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定する工程と、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致するかについて決定する工程と、
前記識別子および前記車両位置情報の分析を実行する工程であって、の分析を実行する工程であって、前記分析は、前記モバイル通信デバイスの前記識別子に関連付けられた、前記広告のインプレッションの頻度またはインプレッション数の分析を含むものである、前記分析を実行する工程と
を有する、方法。
【請求項37】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記広告によってオンラインコンバージョンの頻度または数が増加または減少する程度を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、前記オンラインコンバージョンは、契約またはダウンロードを含むものである、方法。
【請求項39】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記広告のインプレッションの頻度またはインプレッション数を前記広告のコンテンツと関連付ける工程を含むものである、方法。
【請求項40】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記モバイル通信デバイスの前記識別子を前記広告のコンテンツと関連付ける工程を含むものである、方法。
【請求項41】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記識別子、前記広告、および前記車両位置情報に関して時間分析を実行する工程を含むものである、方法。
【請求項42】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記広告によってオンライン活動の頻度または量が増加または減少する程度を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項43】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記車両の外側に表示された広告の投資利益率を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項44】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、屋外インプレッションの頻度または屋外インプレッション数が前記モバイル通信デバイスに対するリターゲティング広告に与える効果を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項45】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記車両の前記無線走査機によって走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションに基づいてヒートマップを生成する工程を含むものである、方法。
【請求項46】
請求項46記載の方法において、前記ヒートマップは、前記走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッション数の平均、前記走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションの総数、または前記走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションの頻度を含むものである、方法。
【請求項47】
請求項36記載の方法において、前記分析を実行する工程は、前記車両の前記無線走査機によって走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションに関する位置、時間、および頻度を分析する工程を含むものである、方法。
【請求項48】
請求項36記載の方法において、前記無線走査機は、Wi-Fi規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含むものである、方法。
【請求項49】
請求項36記載の方法において、前記無線走査機は、Bluetooth規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含むものである、方法。
【請求項50】
外側に広告が表示されてなる車両からのインプレッション情報を処理するシステムであって、
分析システムであって、
前記車両の無線走査機を使用して走査された無線周波数から取得されたモバイル通信デバイスの識別子を受信し、
前記車両の全地球測位モジュールによって決定された車両位置情報を受信し、
広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定し、
前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致することについて決定し、
前記識別子および前記車両位置情報の分析を実行する
ように構成されているものである、前記分析システム
を有し、
前記分析は、前記モバイル通信デバイスの前記識別子に関連付けられた、前記広告のインプレッションの頻度またはインプレッション数の分析を含むものである、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月26日付で出願した米国特許出願第16/452,853号に対して優先権を主張するものであり、その内容の全体がこの参照により本明細書の以下の発明を実施するための形態に組み込まれる。
【0002】
本発明は広告に関し、具体的には、移動屋外広告の管理に関する。
【背景技術】
【0003】
屋外広告は、既存の広告形態のうち最も古くからある形態の1つである。また、屋外広告は遍在的な広告形態であると考えられる。すなわち現代社会では、「屋外広告」または「家庭外広告」で総称される、掲示板広告、輸送車両広告、バス待合所の広告、および交通機関のベンチの広告が常に目に付く状況であると考えられる。
【0004】
広告キャンペーンは移動屋外広告を利用して実施される場合がある。
【0005】
広告主は通常、広告キャンペーンの成功を管理し、追跡したいと考える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な1実施形態は、外側に広告が表示されてなる車両においてインプレッション情報を収集する方法であって、前記車両の中央処理装置により、前記車両の無線走査機を使用して短距離無線周波数を走査する工程と、前記走査に基づいて、モバイル通信デバイスの識別子を収集する工程と、前記車両の全地球測位モジュールから車両位置情報を決定する工程と、前記識別子および前記車両位置情報を送信する工程と、分析システムにより、広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定する工程と、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致することついて決定する工程と、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致する場合、前記モバイル通信デバイスに広告メッセージを送信する工程とを有し、前記広告メッセージは、前記車両位置情報および前記車両の外側に表示された広告に基づくものである、方法である。
【0007】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージを送信する工程は、ショートメッセージサービスを介して実行される。
【0008】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージを送信する工程により、前記モバイル通信デバイスにバナー広告が表示される。
【0009】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記バナー広告は、前記モバイル通信デバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに埋め込まれる。
【0010】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記バナー広告は、前記モバイル通信デバイスにダウンロードされるアプリケーションに埋め込まれる。
【0011】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記バナー広告は、前記モバイル通信デバイス上でプレイされるように構成されたゲームに埋め込まれる。
【0012】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、走査無線周波数は、Wi-Fi規格に関連付けられた走査無線周波数を有する。
【0013】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、走査無線周波数は、Bluetooth(登録商標)規格に関連付けられた走査無線周波数を有する。
【0014】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記モバイル通信デバイスの前記識別子を収集する工程は、前記モバイル通信デバイスの無線ネットワークチップセットに関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスを受信する工程を有する。
【0015】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージを送信する工程は、前記分析システムにより前記モバイル通信デバイスの走査に基づいた収集が特定数に達したと決定されたことに応答して実行される。
【0016】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージを送信する工程は、前記中央処理装置により前記モバイル通信デバイスが走査されるのと同時に実行される。
【0017】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記無線周波数を走査する工程は、前記車両が移動体である場合に実行される。
【0018】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージを送信する工程は、無線モバイル通信技術を介して実行される。
【0019】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告技術プラットフォームは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を有する。
【0020】
別の例示的な1実施形態は、インプレッション情報を収集するシステムであって、外側に広告が表示されてなる車両と、短距離無線周波数を走査するように構成された前記車両の無線走査機と、中央処理装置であって、前記無線走査機による走査に基づいて、モバイル通信デバイスの識別子を収集し、全地球測位モジュールから車両位置情報を決定し、前記識別子および前記車両位置情報を分析システムに送信するように構成されているものである、前記中央処理装置と、前記分析システムであって、前記中央処理装置から前記識別子および前記車両位置情報を受信し、広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定し、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致することについて決定し、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致する場合、前記モバイル通信デバイスに広告メッセージを送信するように構成されているものである、前記分析システムとを有し、前記広告メッセージは、前記車両位置情報および前記車両の外側に表示された広告に基づくものである、システムである。
【0021】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、さらに、前記識別子を送信するように構成された無線携帯電話用モデムを有する。
【0022】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記無線走査機は、Wi-Fi規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含む。
【0023】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記無線走査機は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含む。
【0024】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記モバイル通信デバイスの前記識別子の収集は、前記モバイル通信デバイスの無線ネットワークチップセットに関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスを受信することによって実行される。
【0025】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージの送信は、ショートメッセージサービスを介して実行される。
【0026】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージの送信により、前記モバイル通信デバイスにバナー広告が表示される。
【0027】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析システムは、前記モバイル通信デバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに前記バナー広告を埋め込むようにさらに構成されている。
【0028】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージは、無線モバイル通信技術を介して送信される。
【0029】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告技術プラットフォームは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を有する。
【0030】
別の1実施形態は、外側に広告が表示されてなる車両からのインプレッション情報を処理する方法であって、前記車両の無線走査機を使用して走査された無線周波数から取得されたモバイル通信デバイスの識別子を受信する工程と、前記車両の全地球測位モジュールによって決定された車両位置情報を受信する工程と、広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定する工程と、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致するかについて決定する工程と、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致する場合、前記モバイル通信デバイスに広告メッセージを送信する工程とを有し、前記広告メッセージは、前記車両位置情報および前記車両の外側に表示された広告に基づくものである、方法である。
【0031】
前記例示的な1実施形態において、前記広告メッセージを送信する工程は、ショートメッセージサービスを介して実行される。
【0032】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記送信された広告メッセージは、前記モバイル通信デバイスにバナー広告を表示させるように構成された広告情報を含む。
【0033】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告情報によって、前記モバイル通信デバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに前記バナー広告が埋め込まれるように構成されている。
【0034】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告情報によって、前記モバイル通信デバイスにダウンロードされるアプリケーションに前記バナー広告が埋め込まれるようにさらに構成されている。
【0035】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告情報によって、前記モバイル通信デバイス上でプレイされるように構成されたゲームにバナー広告が埋め込まれるようにさらに構成されている。
【0036】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記受信された識別子は、Wi-Fi規格に関連付けられた走査無線周波数から取得される。
【0037】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記受信された識別子は、Bluetooth(登録商標)規格に関連付けられた走査無線周波数から取得される。
【0038】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記受信された識別子は、前記モバイル通信デバイスの無線ネットワークチップセットに関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスを含む。
【0039】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告メッセージを送信する工程は、無線モバイル通信技術を介して実行される。
【0040】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記広告技術プラットフォームは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を有する。
【0041】
別の1実施形態は、外側に広告が表示されてなる車両からのインプレッション情報を処理する方法であって、前記車両の無線走査機を使用して走査された無線周波数から取得されたモバイル通信デバイスの識別子を受信する工程と、前記車両の全地球測位モジュールによって決定された車両位置情報を受信する工程と、広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定する工程と、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致するかについて決定する工程と、
前記識別子および前記車両位置情報の分析を実行する工程であって、前記分析は、前記モバイル通信デバイスの前記識別子に関連付けられた、前記広告のインプレッションの頻度またはインプレッション数の分析を含むものである、前記分析を実行する工程とを有する、方法である。
【0042】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記広告によってオンラインコンバージョンの頻度または数が増加または減少する程度を決定する工程を含む。
【0043】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記オンラインコンバージョンは、契約またはダウンロードを含む。
【0044】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記広告のインプレッションの頻度またはインプレッション数を前記広告のコンテンツと関連付ける工程を含む。
【0045】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記モバイル通信デバイスの前記識別子を前記広告のコンテンツと関連付ける工程を含む。
【0046】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記識別子、前記広告、および前記車両位置情報に関して時間分析を実行する工程を含む。
【0047】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記広告によってオンライン活動の頻度または量が増加または減少する程度を決定する工程を含む。
【0048】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記車両の外側に表示された広告の投資利益率を決定する工程を含む。
【0049】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、屋外インプレッションの頻度または屋外インプレッション数が前記モバイル通信デバイスに対するリターゲティング広告に与える効果を決定する工程を含む。
【0050】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記車両の前記無線走査機によって走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションに基づいてヒートマップを生成する工程を含む。
【0051】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記ヒートマップは、前記走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッション数の平均、前記走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションの総数、または前記走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションの頻度を含む。
【0052】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記分析を実行する工程は、前記車両の前記無線走査機によって走査されたモバイル通信デバイス上の広告のインプレッションに関する位置、時間、および頻度を分析する工程を含む。
【0053】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記無線走査機は、Wi-Fi規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含む。
【0054】
前記例示的な1実施形態のいずれか1つにおいて、前記無線走査機は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠して動作する無線ローカルエリアネットワークアダプターを含む。
【0055】
別の1実施形態は、外側に広告が表示されてなる車両からのインプレッション情報を処理するシステムであって、分析システムであって、前記車両の無線走査機を使用して走査された無線周波数から取得されたモバイル通信デバイスの識別子を受信し、前記車両の全地球測位モジュールによって決定された車両位置情報を受信し、広告技術プラットフォームを介して前記モバイル通信デバイスのモバイル位置データを決定し、前記車両位置情報が前記モバイル位置データと一致することについて決定し、前記識別子および前記車両位置情報の分析を実行するように構成されているものである、前記分析システムを有し、前記分析は、前記モバイル通信デバイスの前記識別子に関連付けられた、前記広告のインプレッションの頻度またはインプレッション数の分析を含むものである、システムである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
以下例として、例示的な実施形態を示す添付の図面を参照する。
図1図1は、本発明の態様に従って広告の実施およびインプレッション情報の収集を行うように装備された車両を示す。
図2図2は、本発明の態様に従ってインプレッション情報を収集する装置をブロック図の形式で示す。
図3図3は、本発明の態様に従ってインプレッション情報を走査する方法における例示的な工程を示す。
図4図4は、図1の車両および本発明の態様に従って収集データを分析サイトに送信する図を示す。
図5図5は、本発明の態様に従って分析を提供する方法の例示的な工程を示す。
図6図6は、本発明の態様に従って図2の装置で収集した情報の分析結果から得たヒートマップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
大多数の屋外広告はブランド認識全般を目的として行われると考えられている。また、特定の製品の販売を促進する目的で屋外広告が行われないのは、屋外広告に関して所謂「コンバージョン指標(conversion metrics)」を決定することは、不可能ではないとしても、困難であるという認識があるためであると考えられる。
【0058】
広告主による新規かつより効果的な広告手段の探求に伴って、近年「移動」または「モバイル」屋外広告がより一般的となった。このような屋外広告の普及は、屋外広告の支出が全般的に増加したことや、広告掲示板または「壁面広告」などの従来の固定屋外広告の供給が減少したこと含む(但し、これに限定されるものではない)、様々な要因によって進んだと考えられる。
【0059】
スマートフォンおよびスマートデバイスのブームに応じて、近年携帯型モバイルデバイスの広告も普及してきた。例えば、モバイルデバイスの使用者数が飛躍的に増加するにつれて、広告主は、広告手段としてモバイルデバイス上で提供されるメディアおよびサービスに依存するようになった。携帯電話およびモバイルデバイスに提供されるリターゲティングツール(retargeting tools)により、広告主は特定の広告キャンペーンの有効性を測定することが可能となった。このようなリターゲティングツールは、コンバージョン、アクティベーション、および契約について正確な分析を行うことで知られている。
【0060】
ターゲティング広告は、ユーザの活動との関連性がより高いため、エンドユーザにとって有意味である可能性が高い。
【0061】
本願の態様により、広告主は、屋外広告のインプレッション分析とモバイルのリターゲティングツールを統合することが可能となるため、移動屋外広告について、所謂「認知広告」と「コンバージョンを目的とした広告」との間の認識された隔たりを埋めることができる。
【0062】
例えば、X社がリターゲティングツール機能を有する移動/モバイル屋外広告に参加したい場合、移動広告用の車両に看板を設置した後、本発明の態様を同じ車両に設定することができる。
【0063】
Wi-Fi無線通信またはBluetooth(登録商標)無線通信が作動状態のモバイルデバイスを通行人が有している場合、本発明の態様は、作動状態の無線通信を感知し、そのモバイルデバイスに固有のデータを収集することに関連する。
【0064】
次に、収集されたデータは、モバイルデバイスのリターゲティングシステムを介してこの通行人に対してターゲティング広告を行うことに使用できる。したがって、移動広告に固有のコンバージョン指標を追跡することが可能である。
【0065】
電子商取引において、「コンバージョンマーケティング」とは、コンバージョン数を増加させることに関連したマーケティングの形態であり、「コンバージョン」は、購買客に転換されたウェブサイトの訪問者である。また、コンバージョン率を改善するプロセスは、コンバージョン率の最適化と呼ばれる。但し異なる営利組織では、販売として定義するのではなく何らかの成果として定義することもある。
【0066】
固定広告に関連付けてコンバージョン指標を追跡することは公知であるが、様々な要因に起因して満足のいかない結果となっている。このような要因は、信号の変動性、および指向性干渉を含む。実際、固定広告掲示板は、当該掲示板の正面の所定範囲内の角度でしか視認することができない。
【0067】
Wi-Fi信号およびBluetooth(登録商標)信号は、部分的に距離とマルチパス干渉に基づいて強度が可変する電磁信号である。特に、固定屋外広告の後ろ側に位置するモバイルデバイスにより発信される電磁信号からのデータは、そのモバイルデバイスに関連付けられた個人が固定屋外広告を視認することができないということを考慮しない態様で収集されている可能性がある。したがって、モバイルデバイスのリターゲティングシステムは、モバイルデバイスにおける追跡広告の対象として誤った個人をターゲットとする可能性がある。固定屋外広告の初期影響を受けなかった個人はモバイルデバイスの追跡広告には不適切であると考えられるため、このような誤ったターゲティングは広告主の予算の浪費であると考えられる。
【0068】
広告キャンペーンは移動屋外広告を利用して実施することができる。固定広告掲示板と比べると、移動屋外広告は、より多様な角度から視認可能であると認識されている。それにより、移動屋外広告における適用では、インプレッション分析を正確に追跡することが可能となる。広告主は通常、広告キャンペーンの成果を管理および追跡したいと考えている。本願の態様は、インプレッション分析、位置分析、時間分析、および頻度報告書を提供することにより、このような管理および追跡を支援すると考えられる。さらに、本願の態様は、モバイルデバイスのリターゲティング広告キャンペーンにより移動屋外広告を強化する能力を提供すると考えられる。次に、投資利益率(ROI)、利益、粗利益などの指標が追跡される。いくつかの態様では、移動型インプレッション分析追跡装置(Moving Impression Analytics Tracking Device)の範囲内にあるモバイルデバイスからWi-Fi信号およびBluetooth(登録商標)信号が収集される。
【0069】
本願の観点と一致する実施態様を使用して広告主が移動屋外広告およびリターゲティング広告キャンペーンを管理および最適化することができる。例えば、本願の観点と一致する少なくとも1つの実施態様は、本願の観点によって可能となるキャンペーン分析およびリターゲティングに関連して、移動屋外広告における投資利益率(ROI)、粗利益、利益などの事業指標を広告主が推定および/または追跡することを支援することができる。
【0070】
広告主は、割り当てられた予算の浪費を避けて所望の成果を得るために、キャンペーンの実績に関する正確な分析を希望している。本願の態様により、広告主は、特定の広告キャンペーンに関する投資利益率(ROI)、粗利益、および、利益などの指標をリアルタイムおよび過去の時間枠の双方で追跡することが可能になると考えられる。広告主は、このような指標を使ってキャンペーンの実績についての理解することができる。キャンペーンを継続、中止、拡張すべきかについて十分な情報を得た上での決定を行う際にこのような理解を利用することが可能である。また、このような理解により広告主は、キャンペーンにおいてターゲットとする屋外広告のインプレッション数に制限を設定し、予算を超える支出または予算未満の支出を回避することができる。
【0071】
本開示の1観点によると、インプレッション情報を収集する方法が提供される。この方法は、無線周波数を走査する工程と、前記走査に基づいてモバイル(移動)通信デバイスの識別子を収集する工程と、全地球測位(GPS)モジュールをポーリングして位置情報を決定する工程と、前記識別子を前記位置情報に関連付けて処理する工程とを含む。
【0072】
本開示の1観点によると、インプレッション情報を収集するシステムが提供される。このシステムは、車両と、前記車両の外面に広告を表示する手段と、移動型インプレッション分析追跡装置とを有する。移動型インプレッション分析追跡装置は、無線周波数を走査するように構成された無線ローカルエリアネットワーク(LAN)アダプターと、全地球測位(GPS)モジュールと、中央処理装置とを含む。この中央処理装置は、前記走査に基づいてモバイル通信デバイスの識別子を収集し、全地球測位(GPS)モジュールをポーリングして位置情報を決定し、前記識別子を前記位置情報に関連付けて処理するように構成されている。
【0073】
本開示の別の観点および特徴は、添付の図面とともに、以下の本開示の特定の実施形態の説明を考察することで明らかとなる。
【0074】
概観として、モバイル車両には広告が装着されている。当該車両に備えられた、本願の観点を表す装置は、ターゲット領域においてインプレッション情報を収集する。インプレッション情報は、装置が感知した無線を用いて各モバイルデバイスを一意的に特定することによって収集される。インプレッション情報は、当該インプレッション情報が収集された時点における車両の位置を特定する位置情報とともに処理される。
【0075】
図1は、本願の態様が有用であると考えられる環境100を示す。この環境100は、複数の人104を含む。今日一般的であるように複数の人104の各人は(明示しない)モバイル通信デバイスと関連付けられていると予期される。モバイル通信デバイスという用語は、ますます多種多様となっている無線ネットワーク接続可能なモバイルデバイスの中でも機能が充実した携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、およびノートブック型コンピュータを包含すると理解される。さらに、各モバイル通信デバイスは、少なくとも1つの無線が作動状態にあると推測される。例えば、モバイル通信デバイスは通常、Wi-Fi無線を含む。さらに、モバイル通信デバイスは通常、Bluetooth(登録商標)無線を含む。
【0076】
また環境100は車両102を含む。この車両102は、いくつかの非限定的な例において、配達トラック、セミトレーラー、タクシー、自転車、通勤用自動車、バス、電車、路面電車、地下鉄車両、航空機、またはボートであってもよい。
【0077】
本願の態様によれば、車両102は広告を表示し、移動型インプレッション分析追跡装置(「MIATD:Moving Impression Analytics Tracking Device」200、図2を参照)を備える。MIATD200は、周知の全地球測位システム(GPS)技術を使用して車両102の位置を追跡するように構成されている。MIATD200はまた、ユニバーサルシリアルバス(USB)用Wi-Fiアダプターを使用してWi-Fiの無線周波数を走査するように構成されている。追加的に、MIATD200は、Bluetooth(登録商標)の無線周波数を走査するように構成することができる。
【0078】
Wi-Fi無線が使用可能なモバイル通信デバイスは、Wi-Fi無線の動作に関連した規格に従って、通常当該モバイル通信デバイスを一意的に特定する識別子を発信する。
【0079】
Bluetooth(登録商標)無線が使用可能なモバイル通信デバイスは、Bluetooth(登録商標)無線の動作に関連した規格にしたがって、通常当該モバイル通信デバイスを一意的に特定する識別子を発信可能なようになっている。
【0080】
図2は、MIATD200のハードウェアの構成を示す。MIATDは、中央処理装置(CPU)202を含む。1実施形態において、CPUは、Raspberry Pi(バージョン0およびバージョン3の双方が使用可能)である。CPU202には、無線携帯電話用モデム204を接続することができる。口語では、無線携帯電話用モデム204は「3Gドングル」と呼ばれることがある。この名称の「3G」の部分は、3世代目の無線モバイル遠隔通信技術を指す。汎用パケット無線サービス、ロングタームエボリューション(LET)遠隔通信技術、および4G(近日中に5G)遠隔通信技術を含む、その他の遠隔通信技術も使用することができる。また、CPU202には、全地球測位システム(GPS)モジュール206を接続することができる。CPU202はさらに、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)アダプター208およびメモリ210との接続を維持する。
【0081】
図3は、車両102(図1を参照)が環境100内を移動中にMIATD200によって実行される方法における例示的な工程を示す。上述したように、MIATD200は、無線周波数を走査して(工程302)、車両102の範囲内にいる人104のうちの一人に関連付けられたモバイル通信デバイスの識別子を収集(工程304)する。具体的には、この走査工程は、無線LANアダプター208によって実行される。
【0082】
モバイル通信デバイスのユーザがモバイル通信デバイスのWi-Fiをオンの状態にしている場合、モバイル通信デバイスは絶えずWi-Fiビーコンを送信している。Wi-Fiビーコンは通常、モバイル通信デバイスの特定の範囲内で検出することができる。屋内環境において試験されたUSB Wi-Fiアダプターの捕捉範囲は通常30メートルである。屋外での範囲は30メールを超えるが、この範囲はいくつかの環境要因に依存するため、正確に判定することはできない。MIATD200は移動車両の内部に配置されているため、その捕捉範囲は約30メートルであると確実に推定できる。Wi-Fiビーコンの一部として受信される媒体アクセス制御(MAC)アドレスの最初の6つの文字から、Wi-Fiチップセットの製造元を判定できることが知られている。例えば、組織の一意の識別子(OUI)用のルックアップツールを使用することで、「8C-71-F8」を最初の6つの文字として有するMACは、「Samsung(サムスン)」という名称の製造業者と関連付けられていることが分かる。各製造業者は一意のOUIのセットを有し、これらのOUIは一種類のチップセットに関連付けられている。
【0083】
通常、スマートフォンに使用されるWi-Fiチップセットは、タブレット型コンピュータに使用されるWi-Fiチップセットとは異なり、これらのWi-Fiチップセットは、ラップトップ型コンピュータに使用されるWi-Fiチップセットとは異なり、また、ラップトップ型コンピュータに使用されるWi-Fiチップセットは、家庭用ルータのWi-Fiチップセットとは異なる。したがって、OUI情報を利用することで、CPU202は、収集されたインプレッション内のMACアドレスを使って特定のインプレッションに関連付けられたデバイスの種類を決定することができる。
【0084】
Wi-Fiビーコンを利用してインプレッションを収集する(工程304、図3)代わりに、Bluetooth(登録商標)などの別の無線ネットワークプロトコルを使用してインプレッションを収集することができる。Wi-Fi無線がオンの状態のモバイル通信デバイスからのWi-Fiビーコンの受信を介してインプレッションを収集するのと近似した方法で、MIATD200は、Bluetooth(登録商標)無線がオンの状態のモバイル通信デバイスからのBluetooth(登録商標)ビーコンの受信を介してインプレッションを収集することができる(工程304、図3)。
【0085】
いくつかの実施形態において、無線LANアダプター208は、公知のWi-Fi周波数に特定されていてもよい。すなわち、無線LANアダプター208は、電気電子技術者協会(IEEE)によって確立された規格に従って動作することができる。これらの規格は、802.11b、802.11a、802.11g、802.11n、および802.11acの参照で知られる規格を含む。無線LANアダプター208は、特に周辺のWi-Fiトラフィックを捕捉するデュアルモードの性能を有するものを選択してもよい。このモードは、「監視モード」と呼ばれ、このモードでは、無線LANアダプター208は、空間にWi-Fiビーコンを送信する代わりに、MIATD200の周囲のその他の装置から所定の空間に送信されたWi-Fiビーコンを傾聴し捕捉する。通常、このような空間は、約40メートルの半径を有する。
【0086】
無線LANアダプター208は、例えば、TP-Link TL-WN722N Wi-Fiとして実装することができる。
【0087】
GPSモジュール206は、通信衛星からのデータを継続的に受信し、CPU202に経度および緯度の座標を提供するように構成されている。
【0088】
CPU202は、モバイル通信デバイスの識別子を収集するとともに、GPSモジュール206をポーリングする。次に、CPU202は識別子を、当該識別子が収集された時点における車両102の位置を表す位置データに関連付けて処理する。この位置データが関連付けられた識別子を総称して「インプレッション情報」という。インプレッション情報はまた、識別子が収集された時点で車両102による広告が表示されたことの指標を含む。
【0089】
インプレッション情報を処理すること(工程306)に加えて、CPU202はまた、無線携帯電話用モデム204を使用してインプレッション情報をパッケージ化し、分析サイト406(図4を参照)または分析システムに送信することができる。図4は、図1の車両102、および収集データを分析サイト406に送信する(工程308)図を示す。分析サイト406または分析システムは、1若しくはそれ以上のプロセッサと、ネットワークインターフェースを含むことができる。
【0090】
図5は、分析サイト406で実行される方法における工程を示す。最初に、分析サイト406は、インプレッション情報を受信する(工程502)。次に、分析サイト406は、インプレッション情報の分析に関する要求を受信したかどうかを決定する(工程506)。そのような要求が受信されなかったと決定されると(工程506)、分析サイト406は、追加のインプレッション情報のために受信する工程に戻る(工程502)。要求者から要求が受信されたと決定されると(工程506)、分析サイト406は、インプレッション情報を分析して(工程508)分析情報を生成する。分析情報は、データにおける重要なパターンの発見、解釈、および伝達である。広告主が関心を示すと考えられる特定の分析情報は、位置、時間、頻度などの要因に関連した分析情報を含む。
【0091】
インプレッション情報の分析結果(工程508)は、車両が経路を走行している間に収集されたインプレッション情報の所謂ヒートマップ(図6を参照)の形式によって提示されてもよい。ヒートマップ600のより暗色の領域は、収集されたインプレッションの密度がより高いことを示す。ヒートマップに加えて、インプレッション情報を分析(工程508)した結果から得たデータは、選択された日付け範囲における1日当たりのインプレッション数の平均と、選択された日付け範囲においてインプレッションが取集された頻度とを含むことができる。さらに、インプレッションデータを、市または州ごとに提示することができる。広告主による効果の可視化を支援するために、棒グラフを生成して選択された期間の1日毎または所与の日の各時間毎におけるのインプレッション数を示すことができる。インプレッション情報を分析(工程508)した結果は、上記の情報の全てを要約し、当該情報を可視化を可能とする「ユーザダッシュボード」に提示することができる。
【0092】
広告主は、所謂「リターゲティング機能」を含めることで、所定の移動屋内広告キャンペーンを選択的に拡張することができる。「リターゲティング」は、移動屋内広告キャンペーンに接近してきたモバイルデバイスに対するマーケティングに関連する。このようなモバイルデバイスに対するマーケティングは、例えば、リターゲティングの対象となるモバイルデバイスに、周知のショートメッセージサービス(SMS)を介してテキストベースの広告を送信することに関連する。このようなモバイルデバイスに対するマーケティングは、別の例では、バナー広告をリターゲティングの対象となるモバイルデバイスに表示させることに関連し、この場合バナー広告は、リターゲティングの対象となるモバイルデバイス上で閲覧されるように構成されたウェブサイトに埋め込まれるか、リターゲティングの対象となるモバイルデバイスにダウンロードされるアプリケーションに埋め込まれるか、若しくはリターゲティングの対象となるモバイルデバイス上でプレイされるように構成されたゲームに埋め込まれている。
【0093】
好都合な点として、リターゲティングにより移動屋内広告キャンペーンは、認知広告の有効性を超えた広告キャンペーンに移行することが可能となる。リターゲティングの付加により移動屋内広告キャンペーンを強化することで、当該キャンペーンは事実上コンバージョンベースの広告キャンペーンとなる。コンバージョンベースの広告キャンペーンでは、投資利益率(ROI)分析情報、粗利益分析情報、利益分析情報を生成することができるため、利点があることが知られている。したがって、強化された移動屋内広告キャンペーンを利用することで、広告主は、真の有効性を測定し、広告予算内で設定された目標に達成することを念頭に置いて調整を行うことが可能となる。
【0094】
コストパーサウザンド(CPM:cost per thousand)は、ワールドワイドウェブにおける広告の価格設定ための一般的な方法である。広告主は、広告のインプレッションの総数と広告がクリックされた回数との割合であるクリック率(CTR:click-through rate)によって、CPMの成果を頻繁に測定する。例えば、100回のインプレッション毎に2つのクリックを受信した広告のクリック率(CTR)は2%である。閲覧されたがクリックされなかった広告についてはインプレッションが残存する可能性があるため、広告の成果はクリック率(CTR)のみでは測定することはできない。
【0095】
本発明の態様は、コストパーサウザンド(CPM)に基づいて顧客に請求することができると考えられる。さらに、各コンバージョンの価格もまた、顧客に対する請求に利用すすることができる。指標を利用したオンライン広告を管理するための総合戦略については、米国特許第7,734,503号を検討されたい。実際、米国特許第7,734,503号で推奨されている多くの戦略を本願の態様とともに採用することができる。
【0096】
ビーコン技術は、静的に表示される、すなわち、バス待合所またはその他の固定構造上に表示される一種類の広告の1つの呼名である。このような広告は、近傍のモバイル通信デバイスの識別子を収集するビーコンと関連付けられている。ビーコン技術は位置追跡またはGPS追跡機能が欠如しているものであるため、本願の態様はビーコン技術とは異なるものであると考えられる。実際、固定構造では、本願の態様において提示しているような、識別子と位置データの関連付けの必要性はほとんどない。モバイルのまたは所謂「移動掲示板」広告は、ビーコン技術に関連する欠点、すなわち、モバイルデバイスに関連付けられた人が固定広告の後ろ側を通過する場合であって、その固定広告を視認していないのにも関わらずビーコン技術がインプレッションを記録する場合など、インプレッションが存在しない場合においてインプレッションが記録されるという欠点がないと考えられる。
【0097】
モバイル広告では、コンバージョンベースのモデルを実行することが可能ではなく、若しくはコンバージョンベースのモデルが実行可能なほど十分に正確なものでなかったため、現在に至るまで、モバイル広告をコンバージョンベースのモデルとして価格設定をすることができなかった。本願の態様は、広告主によるコンバージョンの追跡を可能とすることによって、モバイル広告の有効性の正確な測定を可能にすると考えられる。また、このようなモバイルでのコンバージョンの追跡により、移動屋外広告の状況および移動屋外広告の効果的な広告媒体としての能力が大きく変わると考えられる。
【0098】
MIATD200から導出されたデータにより、移動広告看板の現在位置データと携帯電話の現在位置データを組み合わせることが可能であると考えられる。携帯電話の現在位置データは、広告デマンドサイドプラットフォーム(DSP)を通して利用可能である。オンライン取引においてデジタル広告はDSPで売買されている。移動広告看板からの現在位置データと携帯電話の現在位置データとの組み合わせを考慮すると、デジタル広告は、移動広告看板の既知の位置と一致する位置を表す携帯電話の現在位置データを有するモバイルデバイス上に提供されると考えられる。
【0099】
このように、広告主は、移動広告看板の位置と一致する位置にいる特定の顧客層に対してデジタルリターゲティング広告を提供することが可能となる。したがって、移動屋外広告をオンラインデジタル広告と組み合わせて1つの「オムニチャネル(Omni Channel)」広告プラットフォームにすることができる。
【0100】
オムニチャネル広告プラットフォームにより、ブランドが、屋外広告のインプレッション数、屋外広告のインプレッションの頻度、および位置が一致するデバイスに提供されたオンラインのデジタルリターゲティング広告の数を測定し、(契約、ダウンロードなどの)オンラインコンバージョンに関する追加データという観点から様々な測定値の分析を行うことが可能となる。当該分析により、広告主は、移動屋外広告によってどの程度、製品またはサービスに関するオンライン活動およびオンラインコンバージョンの量が増加または減少するかについて判断することができるようになる。屋外インプレッションの頻度または屋外インプレッション数は、モバイル通信デバイスの識別子と関連付けて分析サイトで分析することができる。
【0101】
一例として、広告主は、8の頻度(特定のモバイルデバイスの位置が移動広告看板の位置と8回一致、すなわち、8回の露出)に達したことに応答して、その特定のモバイルデバイスに対してデジタルリターゲティング広告を提示するキャンペーンを設定することができる。次に、広告主は、頻度を8から12に変更して、その変更がオンラインのデジタルリターゲティング広告のコンバージョン率にどのような影響を与えるかについて観察することができる。
【0102】
したがって、ブランドは、最大成果のために、移動屋外広告およびデジタルリターゲティング広告を最適化することが可能となる。
【0103】
本願の上記の実施形態は例示のみを意図するものである。添付の特許請求の範囲で定義される本願の範囲から逸脱することなく、当業者により特定の実施形態を代替実施形態、変更実施形態、および変形実施形態とすることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】