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特表2022-538878適合性検出のための外科用RFIDアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(54)【発明の名称】適合性検出のための外科用RFIDアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/98 20160101AFI20220830BHJP
   A61B 17/068 20060101ALI20220830BHJP
   A61B 17/11 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
A61B90/98
A61B17/068
A61B17/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577558
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2020055747
(87)【国際公開番号】W WO2020261072
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/868,457
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/458,116
(32)【優先日】2019-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC22
4C160CC32
(57)【要約】
外科用器具用の外科用システム。制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路とを含む。制御回路は、デバイスに関連付けられたRFIDタグからデータを受信し、受信されたデータの比較に基づいてデバイスの適合性を判定し、デバイスが不適合である警告か、又はデバイスのうちの1つを代替の適合性デバイスに交換するための提案を提供するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具用の制御システムであって、前記制御システムは、
RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、前記制御回路は、
前記RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、
前記RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、及び
前記第1のデータと前記第2のデータの比較に基づいて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスの適合性を検証すること、を行うように構成されている、制御システム。
【請求項2】
ディスプレイスクリーンを更に備え、
前記制御回路が、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが不適合であるという警告を、前記ディスプレイスクリーンを通して提供するように構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記ディスプレイスクリーンは、前記外科用器具が通信可能に連結されている外科用ハブと一体である、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第1のデバイスが前記外科用器具の第1の構成要素を含み、前記第2のデバイスが前記外科用器具の第2の構成要素を含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記RFIDスキャナが、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDタグ及び前記第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、請求項4に記載の制御システム。
【請求項7】
前記RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、前記制御システムは、
第2のRFIDスキャナを更に含み、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDスキャナは、前記第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、前記第2のRFIDスキャナは、前記第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、請求項4に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御回路が、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが不適合であることに従って、前記外科用器具の動作を阻止するように更に構成されている、請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
外科用器具用の制御システムであって、前記制御システムは、
RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、前記制御回路は、
前記RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、
前記RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の比較に基づいて前記第1のデバイスが前記第2のデバイスと不適合であると判定すること、及び
前記第2のデバイスの代替として第3のデバイスの提案を提供すること、を行うように構成されている、制御システム。
【請求項10】
ディスプレイスクリーンを更に備え、
前記制御回路が警告を提供するように構成されており、前記警告は、前記ディスプレイスクリーンを介して表示される通知を含む、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記ディスプレイスクリーンは、前記外科用器具が通信可能に連結されている外科用ハブと一体である、請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記第1のデバイスが前記外科用器具の第1の構成要素を含み、前記第2のデバイスが前記外科用器具の第2の構成要素を含む、請求項9に記載の制御システム。
【請求項13】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記RFIDスキャナが、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDタグ及び前記第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、請求項12に記載の制御システム。
【請求項15】
前記RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、前記制御システムは、
第2のRFIDスキャナを更に含み、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDスキャナは、前記第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、前記第2のRFIDスキャナは、前記第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、請求項12に記載の制御システム。
【請求項16】
前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが不適合であることを判定することにより、前記制御回路に前記外科用器具の動作を阻止させる、請求項9に記載の制御システム。
【請求項17】
外科用器具用の制御システムであって、前記外科用器具は外科用システムと共に使用するためのものであり、前記制御システムは、
RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、前記制御回路は、
前記RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、
前記第1のデータに従って前記外科用システムの動作設定を決定すること、
前記RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、並びに
前記第1のデータ及び前記第2のデータに従って前記動作設定を第1の値から第2の値に更新すること、を行うように構成されている、制御システム。
【請求項18】
前記動作設定が前記外科用器具用である、請求項17に記載の制御システム。
【請求項19】
前記動作設定が前記外科用システムの第3のデバイス用である、請求項17に記載の制御システム。
【請求項20】
前記RFIDスキャナが、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが前記外科用器具と組み合わせて使用されている結果として、前記第1のRFIDタグ及び前記第2のRFIDタグの各々を読み取るように構成されている、請求項17に記載の制御システム。
【請求項21】
前記外科用器具がトロカールを含み、
前記RFIDスキャナが、前記第1のデバイスの前記第1のRFIDタグ及び前記第2のデバイスの前記第2のRFIDタグの各々を、これらが前記トロカールを通して挿入される際に読み取るように位置付けられている、請求項17に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,457号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」に対する米国特許法第119条(e)の下の優先権を主張する非仮出願であり、この全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、様々な実施形態において、組織の切断及びステープル留めを行うように設計されている外科用切断及びステープル留め器具、並びに外科用切断及びステープル留め器具用のステープルカートリッジに関する。様々な実施形態では、RFID技術を使用して、例えば、ステープルカートリッジなどの外科用器具の構成要素を識別することができる。RFID技術を使用する外科用システムの例は、2011年6月14日に発行された米国特許第7,959,050号、発明の名称「ELECTRICALLY SELF-POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUAL RELEASE」、及び2015年2月26日に公開された米国特許出願公開第2015/0053743号、発明の名称「ERROR DETECTION ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」の開示に見出すことができ、この両方が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態では、外科用器具用の制御システムが開示される。制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含む。制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、及び第1のデータと第2のデータの比較に基づいて第1のデバイスと第2のデバイスの適合性を検証すること、を行うように構成されている。
【0004】
様々な実施形態では、外科用器具用の制御システムが開示される。制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含む。制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、第1のデータと第2のデータとの間の比較に基づいて第1のデバイスが第2のデバイスと不適合であることを判定すること、及び第2のデバイスの代替として第3のデバイスの提案を提供すること、を行うように構成されている。
【0005】
様々な実施形態では、外科用器具用の制御システム、外科用システムと共に使用するための外科用器具が開示される。制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含む。制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、第1のデータに従って外科用システムの動作設定を決定すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、並びに第1のデータ及び第2のデータに従って動作設定を第1の値から第2の値に更新すること、を行うように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
様々な態様の特徴が、添付された特許請求の範囲で詳細に説明される。ただし、機構と動作の方法の両方についての様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を実施するために使用される外科用システムである。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置しているモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムを示す。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具用の制御システムを示す。
図7A】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具用の別の制御システムを示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリ及びステープル留めヘッドアセンブリのトロカールに連結されているアンビルを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリと不適切な着座方向にあるアンビルの部分横方向断面図を示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリと不適切な着座方向にあるアンビルの部分縦方向断面図を示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブに通信可能に連結された外科用器具を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具構成要素のデータの表を示す。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具及びユーザに関連付けられたRFIDタグを検出する外科用ハブの図を示す。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、消耗デバイスに関連付けられたRFIDタグを検出するように構成されているRFIDスキャナを含む外科用器具の断面図を示す。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な外科用クリップタイプの表面の表を示す。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な外科用クリップタイプの機械的特性の表を示す。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して外科用器具の通信プロトコルを決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して表示用の外科処置の情報を決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介してユーザに合わせた情報を決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して外科用器具構成要素の適合性を決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図21A】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用クリップアプライヤのための第1のジョーアセンブリの斜視図を示す。
図21B】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用クリップアプライヤのための第2のジョーアセンブリの斜視図を示す。
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、制御システムによって制御されて発射している様々な外科用クリップアプライヤの変位ストロークに対する力を示すグラフを示す。
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して外科用器具の動作設定を決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して消耗式による外科用器具の動作設定を決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、制御システムによって制御されて発射している様々な外科用クリップアプライヤの変位ストロークに対する力を示すグラフを示す。
図26】本開示の少なくとも1つの態様による、制御システムによって制御されて発射している様々な外科用クリップアプライヤの変位ストロークに対する長手方向カム負荷力を示すグラフを示す。
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な外科用クリップタイプのスプリングバック特性を示すグラフを示す。
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介してユーザに合わせた外科用器具の動作設定を決定するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル高さウィジェットを含むグラフィカルユーザインターフェースを示す。
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、制御システムによって制御されて発射している外科用ステープラの変位ストロークに対する力を示すグラフを示す。
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、制御システムによって制御されて発射している外科用ステープラの時間に対する力を示すグラフを示す。
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して操作パラメータを連続的に更新するためのプロセスの論理フロー図を示す。
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDアセンブリを介して外科用器具のデフォルトの操作アルゴリズムを更新するためのプロセスの論理フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・ 代理人整理番号END9145USNP1/190235-1M、発明の名称「METHOD FOR AUTHENTICATING THE COMPATIBILITY OF A STAPLE CARTRIDGE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」、
・ 代理人整理番号END9146USNP1/190236、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN RFID SYSTEM」、
・ 代理人整理番号END9147USNP1/190237、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN RFID SYSTEM FOR TRACKING A MOVABLE COMPONENT」、
・ 代理人整理番号END9148USNP1/190238、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ALIGNED RFID SENSOR」、
・ 代理人整理番号END9123USNP1/190239、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION DECRYPTION PROTOCOL」、
・ 代理人整理番号END9124USNP1/190240、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION ENCRYPTION PROTOCOL」、
・ 代理人整理番号END9125USNP1/190241、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A LOCKOUT MECHANISM FOR AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE」、
・ 代理人整理番号END9126USNP1/190242、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A FRANGIBLE RFID TAG」、及び
・ 代理人整理番号END9127USNP1/190243、発明の名称「PACKAGING FOR A REPLACEABLE COMPONENT OF A SURGICAL STAPLING SYSTEM」。
【0008】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・ 代理人整理番号END9119USNP1/190245-1M、発明の名称「METHOD OF USING MULTIPLE RFID CHIPS WITH A SURGICAL ASSEMBLY」、
・ 代理人整理番号END9120USNP1/190246、発明の名称「MECHANISMS FOR PROPER ANVIL ATTACHMENT SURGICAL STAPLING HEAD ASSEMBLY」、
・ 代理人整理番号END9121USNP1/190247、発明の名称「MECHANISMS FOR MOTOR CONTROL ADJUSTMENTS OF A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」、
・ 代理人整理番号END9122USNP1/190248、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH BATTERY COMPATIBILITY VERIFICATION FUNCTIONALITY」、
・ 代理人整理番号END9131USNP1/190249、発明の名称「SURGICAL SYSTEM WITH RFID TAGS FOR UPDATING MOTOR ASSEMBLY PARAMETERS」、
・ 代理人整理番号END9132USNP1/190250、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」、
・ 代理人整理番号END9149USNP1/190251、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・ 代理人整理番号END9150USNP1/190252、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・ 代理人整理番号END9151USNP1/190253、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR DISPLAY AND COMMUNICATION」、及び
・ 代理人整理番号END9153USNP1/190255、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR INSTRUMENT OPERATIONAL SETTING CONTROL」。
【0009】
本願の出願人は、2018年5月1日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
・ 米国特許仮出願第62/665,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING SYSTEMS」、
・ 米国特許仮出願第62/665,139号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING CONTROL SYSTEMS」、
・ 米国特許仮出願第62/665,177号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
・ 米国特許仮出願第62/665,128号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・ 米国特許仮出願第62/665,192号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS」、及び
・ 米国特許仮出願第62/665,134号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」。
【0010】
本願の出願人は、2018年8月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
・ 米国特許出願第16/112,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT CONFIGURED TO MANIPULATE TISSUE USING MECHANICAL AND ELECTRICAL POWER」、
・ 米国特許出願第16/112,155号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A CAPTURE WIDTH WHICH IS LARGER THAN TROCAR DIAMETER」、
・ 米国特許出願第16/112,168号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A NON-CIRCULAR NEEDLE」、
・ 米国特許出願第16/112,180号、発明の名称「ELECTRICAL POWER OUTPUT CONTROL BASED ON MECHANICAL FORCES」、
・ 米国特許出願第16/112,193号、発明の名称「REACTIVE ALGORITHM FOR SURGICAL SYSTEM」、
・ 米国特許出願第16/112,099号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE ELECTRICAL SYSTEM」、
・ 米国特許出願第16/112,112号、発明の名称「CONTROL SYSTEM ARRANGEMENTS FOR A MODULAR SURGICAL INSTRUMENT」、
・ 米国特許出願第16/112,119号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAMS FOR A SURGICAL SYSTEM COMPRISING MORE THAN ONE TYPE OF CARTRIDGE」、
・ 米国特許出願第16/112,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING BATTERY ARRANGEMENTS」、
・ 米国特許出願第16/112,109号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
・ 米国特許出願第16/112,114号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING FEEDBACK MECHANISMS」、
・ 米国特許出願第16/112,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING LOCKOUT MECHANISMS」、
・ 米国特許出願第16/112,095号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A LOCKABLE END EFFECTOR SOCKET」、
・ 米国特許出願第16/112,121号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
・ 米国特許出願第16/112,151号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SYSTEM FOR ARTICULATION AND ROTATION COMPENSATION」、
・ 米国特許出願第16/112,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A BIASED SHIFTING MECHANISM」、
・ 米国特許出願第16/112,226号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING AN ARTICULATION DRIVE THAT PROVIDES FOR HIGH ARTICULATION ANGLES」、
・ 米国特許出願第16/112,062号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS AND MANUFACTURING TECHNIQUES」、
・ 米国特許出願第16/112,098号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS CONFIGURED TO APPLY MECHANICAL AND ELECTRICAL ENERGY」、
・ 米国特許出願第16/112,237号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER CONFIGURED TO STORE CLIPS IN A STORED STATE」、
・ 米国特許出願第16/112,245号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN EMPTY CLIP CARTRIDGE LOCKOUT」、
・ 米国特許出願第16/112,249号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN AUTOMATIC CLIP FEEDING SYSTEM」、
・ 米国特許出願第16/112,253号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE FIRING CONTROL」、及び
・ 米国特許出願第16/112,257号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE CONTROL IN RESPONSE TO A STRAIN GAUGE CIRCUIT」。
【0011】
本願の出願人は、2018年10月26日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
・ 米国特許出願第16/172,130号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING INTERCHANGEABLE CLIP RELOADS」、
・ 米国特許出願第16/172,066号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOVABLE CLIP MAGAZINE」、
・ 米国特許出願第16/172,078号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A ROTATABLE CLIP MAGAZINE」、
・ 米国特許出願第16/172,087号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING CLIP ADVANCING SYSTEMS」、
・ 米国特許出願第16/172,094号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A CLIP CRIMPING SYSTEM」、
・ 米国特許出願第16/172,128号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A RECIPROCATING CLIP ADVANCING MEMBER」、
・ 米国特許出願第16/172,168号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOTOR CONTROLLER」、
・ 米国特許出願第16/172,164号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A SURGICAL TOOL AND A SURGICAL HUB」、及び
・ 米国特許出願第16/172,303号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATING MULTI-CLIP APPLIER」。
【0012】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・ 米国特許出願第16/209,385号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」、
・ 米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」、
・ 米国特許出願第16/209,403号、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」、
・ 米国特許出願第16/209,407号、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」、
・ 米国特許出願第16/209,416号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,DISPLAY,AND CLOUD ANALYTICS」、
・ 米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」、
・ 米国特許出願第16/209,427号、発明の名称「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」、
・ 米国特許出願第16/209,433号、発明の名称「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT,ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION,AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」、
・ 米国特許出願第16/209,447号、発明の名称「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」、
・ 米国特許出願第16/209,453号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」、
・ 米国特許出願第16/209,458号、発明の名称「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」、
・ 米国特許出願第16/209,465号、発明の名称「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」、
・ 米国特許出願第16/209,478号、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」、
・ 米国特許出願第16/209,490号、発明の名称「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」、及び
・ 米国特許出願第16/209,491号、発明の名称「METHOD FOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」。
【0013】
外科用装置及びシステムの様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0014】
様々な外科用システム及び器具(例えば、外科用ステープル留め器具、外科用クリップアプライヤ、外科用縫合器具)は、本開示に関連して説明される。外科用システム及び/又は器具は、以下でより詳細に論じられるように、1つ以上のRFIDスキャナ及び1つ以上のRFIDタグを含む、無線周波数識別(RFID)システムを備える。RFID技術を使用する外科用システムの例は、米国特許第7,959,050号及び米国特許出願公開第2015/0053743号に開示されており、この両方が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0015】
無線周波数識別(RFID)は、物品を追跡及び識別するために様々な業界で使用されている。RFIDは、電波に頼って、デジタルで記憶された情報を、RFIDタグからその情報を受信するように構成されているRFIDリーダー又は受信機に転送する。RFID技術は、電子的に記憶された情報を含有する、時にはチップとも称されるRFIDタグ、及びRFIDタグの識別と通信に役立つRFIDリーダーを使用する。アクティブRFIDシステム及びパッシブRFIDシステムの、2つの異なる種類のRFIDシステムがある。アクティブRFIDシステムは、信号のブロードキャストのための搭載電源を備える、RFIDタグを含む。アクティブRFIDタグは、RFIDタグ内に電池を含むことができ、これにより、アクティブRFIDタグがRFIDリーダーとは独立して機能することを可能にする。したがって、アクティブRFIDシステム内のRFIDタグは、情報を送信する前にRFIDリーダーからの信号受信を待機する必要はない。代わりに、アクティブRFIDタグは、信号又はビーコンを自由に連続的に送信する。多くの市販のアクティブRFIDシステムは、433MHz及び915MHzの2つの主周波数範囲のうちの1つで動作することが多いが、任意の適切な周波数範囲を使用することができる。典型的には、RFIDタグは、対応するRFIDリーダーによる識別のため、特定の距離又は周波数範囲内にある必要がある。
【0016】
パッシブRFIDシステムは、搭載電源を含まないが、その代わりにRFIDリーダーから動作に必要なエネルギーを受信する、RFIDタグを含む。アクティブRFIDタグとは対照的に、パッシブRFIDシステム中のRFIDタグは、プロンプトの受信前に信号を能動的に送信しない。代わりに、パッシブRFIDタグは、信号の送信前にRFIDリーダーからの情報の受信を待機する。多くの市販のパッシブRFIDシステムは、低周波(「LF」)、高周波(「HF」)及び近距離無線通信(「NFC」)、並びに超高周波(「UHF」)の3つの周波数範囲内で動作することが多い。LF帯域幅は125~134KHzであり、約1~10センチメートルの短い読み取り範囲を有するより長波長を含む。HF及びNFC帯域幅は13.56MHzであり、1センチメートル~1メートルの典型的な読み取り範囲を有する中波長を含む。UHF帯域幅は865~960MHzであり、長い読み取り範囲になる1メートルの短い高エネルギー波長を含む。上述されたように、任意の好適な周波数を使用することができる。
【0017】
異なるサイズのRFIDタグを含む様々なRFIDシステムが存在する。しかしながら、一部のものは、非常に小さな物体の追跡を必要とする技術領域での使用に適している。例えば、Hitachi Chemical Co.Ltd.は、RFID技術分野におけるトップメーカーである。Hitachi Chemical Co.Ltd.によって製造される超小型のUHF RFIDタグは、典型的には1.0~13mm以下であり、数センチメートル以上の距離でRFIDタグとRFIDリーダーとの間の通信を可能にする。そのコンパクトな性質により、Hitachi RFIDタグは、特定の必要がある非常に小さな製品に適している。各Hitachi RFIDタグは、アンテナと、アンテナに接続されたICチップと、ICチップ及びアンテナを封止する封止材料と、を含む。Hitachi RFIDタグは単一ユニット内にアンテナ及びICチップを組み込んでいるため、Hitachi RFIDタグは、例えば、接着剤又はテープを使用して任意の小さな物体に容易に貼り付けるのに便利である。
【0018】
Hitachi RFIDタグは、正方形のステンレス鋼プレートと、金属アンテナと、を含む。アンテナは、LC共振回路又は任意の他の適切な回路を備え、プレートに電気的に接続されている。プレート及びアンテナが互いに接続された後、アンテナ及びプレートは、封止材料を用いて共に単一ユニットに封止される。封止材料は主に、Hitachi RFIDタグの耐熱能を高めるために、エポキシ、炭素、及びシリカから構成される。すなわち、RFIDタグの耐熱性は、封止材料の耐熱能に実質的に依存する。封止材料は、短時間、例えば数秒間最大250~300℃の温度に耐える高い耐熱性を有し、長時間最大150℃の熱に耐性を示す。したがって、Hitachi RFIDタグは従来のRFIDタグよりも高い耐熱性を有し、高温でも正常に動作することができる。Hitachi RFIDタグに関する追加情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,171,244号に見出すことができる。
【0019】
外科用ハブ
図1を参照すると、様々な態様では、本開示のRFIDシステムは、1つ又は2つ以上の外科用システム11102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージ装置105に連結されたリモートサーバ11113を含むことができるクラウド11104)と、を含む、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム11100と連動して使用することができる。各外科用システム11102は、リモートサーバ11113を含み得るクラウド11104と通信する、少なくとも1つの外科用ハブ11106を含む。一例では、図1に示すように、外科用システム11102は、互いに、及び/又はハブ11106と通信するように構成された、可視化システム11108と、ロボットシステム11110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具11112と、を含む。いくつかの態様では、外科用システム11102は、M個のハブ11106と、N個の可視化システム11108と、O個のロボットシステム11110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具11112と、を含んでもよく、ここでM、N、O及びPは1以上の整数である。
【0020】
図2は、外科処置室11116内の手術台11114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科用システム11102の例を示す。ロボットシステム11110は、外科処置において外科用システム11102の一部として使用される。ロボットシステム11110は、外科医のコンソール11118と、患者側カート11120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ11122と、を含む。外科医が外科医のコンソール11118を介して手術部位を見る間、患者側カート11120は、患者の身体の低侵襲切開部を介して、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール11117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置11124によって得ることができ、医療用撮像装置11124は、患者側カート11120によって操作され、撮像装置11124を配向し得る。ロボットハブ11122は、手術部位の画像を処理し、その後処理した画像を外科医のコンソール11118を介して外科医に対して表示させるために使用することができる。
【0021】
他の種類のロボットシステムを、外科用システム11102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
【0022】
クラウド11104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析法の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
【0023】
様々な態様では、撮像装置11124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ若しくは2つ以上の光学構成要素と、を含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
撮像装置11124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ若しくは2つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ若しくは2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受光することができる。
【0025】
1つ若しくは2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと称されることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0026】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0027】
様々な態様では、撮像装置11124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長の光を感知できる器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、治療される組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するため、外科的タスクが完了した後に手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0029】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用設備の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「外科施術の行われる現場(surgical theater)」、すなわち手術室(operating room)又は処置室(treatment room)に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び設備の最大級の滅菌性を必要とする。上記の滅菌プロセスの一部としては、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるもの(撮像装置11124並びにその付属品及び構成要素を含む)を滅菌する必要が挙げられる。滅菌野は、トレイ内若しくは滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0030】
様々な態様では、可視化システム11108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム11108は、HL7、PACS及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム11108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0031】
図2に示すように、一次ディスプレイ11119は、手術台11114に位置するオペレータに可視であるように滅菌野内に位置付けされる。加えて、可視化タワー11111が、滅菌野の外に位置付けされる。可視化タワー11111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ11107及び第2の非滅菌ディスプレイ11109を含む。ハブ11106によって誘導される可視化システム11108は、ディスプレイ11107、11109及び11119を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータに対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ11106は、可視化システム11108に一次ディスプレイ11119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置11124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ11107又は11109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ11107又は11109上のスナップショットは、例えば、非滅菌オペレータにより、外科処置に関連する診断工程を実施可能とすることができる。
【0032】
一態様では、ハブ11106は、可視化タワー11111にある非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ11119に送り、これを手術台に位置する滅菌オペレータが見ることができるようにも構成されている。一例では、入力は、ハブ11106によって一次ディスプレイ11119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ11107又は11109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0033】
図2を参照すると、外科用器具11112は、外科処置において外科用システム11102の一部として使用されている。ハブ11106はまた、外科用器具11112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、座標情報の流れについては、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号で更に説明されている。可視化タワー11111にある非滅菌オペレータによって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ11106によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイ11237(図5)に送られ得、ここで診断入力又はフィードバックを、外科用器具11112のオペレータが見ることができる。外科用システム11102と共に用いるのに好適である例示的外科用器具については、例えば、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Surgical Instrument Hardware」の項で説明されている。
【0034】
ここで図3を参照すると、可視化システム11108、ロボットシステム11110及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具11112と通信するハブ11106が示されている。ハブ11106は、ハブディスプレイ11135、撮像モジュール11138、発生器モジュール11140(単極発生器11142、双極発生器11144、及び/又は超音波発生器11143を含み得る)、通信モジュール11130、プロセッサモジュール11132、及びストレージアレイ11134を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ11106は、煙排出モジュール11126、吸引/灌注モジュール11128、及び/又は手術室マッピングモジュール11133を更に含む。
【0035】
外科処置中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式エンクロージャ11136は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0036】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブエンクロージャと、ハブエンクロージャのドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ又は3つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
【0037】
一態様では、上記の流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブエンクロージャ内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在している。一態様では、ハブエンクロージャは、流体インターフェースを備える。
【0038】
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体11136が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式エンクロージャ11136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0039】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用エンクロージャは、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0040】
上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0041】
加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。
【0042】
図4は、医療施設の1つ若しくは2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置するモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えば、図5に示されるように、ストレージ装置11205に連結されたリモートサーバ11213を含み得るクラウド11204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ11203を備える外科用データネットワーク11201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ11203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ11207及び/又はネットワークスイッチ11209を備える。モジュール式通信ハブ11203はまた、ローカルコンピュータシステム11210に連結することができ、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供することができる。外科用データネットワーク11201は、パッシブ、インテリジェント又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ11207又はネットワークスイッチ11209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0043】
手術室に位置するモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ11203に連結されてもよい。ネットワークハブ11207及び/又はネットワークスイッチ11209は、ネットワークルータ11211に連結されて、装置1a~1nをクラウド11204又はローカルコンピュータシステム11210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム11210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ11209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ11209は、ネットワークハブ11207及び/又はネットワークルータ11211に連結されて、装置2a~2mをクラウド11204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ11211を介してクラウド11204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム11210に転送されてもよい。
【0044】
複数のネットワークハブ11207及び/又は複数のネットワークスイッチ11209を複数のネットワークルータ11211と相互接続することによって、外科用データネットワーク11201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ11203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム11210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ11203は、ディスプレイ11212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク11201のモジュール式通信ハブ11203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール11138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール11140、排煙モジュール11126、吸引/灌注モジュール11128、通信モジュール11130、プロセッサモジュール11132、ストレージアレイ11134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0045】
一態様では、外科用データネットワーク11201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ、ネットワークスイッチ及びネットワークルータとの組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの様々なサービスは、インターネットを介して、手術室(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ11203及び/又はコンピュータシステム11210に、かつモジュール式通信ハブ11203及び/又はコンピュータシステム11210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて多数の計算を実施することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0046】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的結果の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織のサンプルの画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれる。撮像装置と一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像装置によって捕捉された画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド11204若しくはローカルコンピュータシステム11210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析されてもよい。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に用いてもよく、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0047】
一実装形態では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ11203に接続されてもよい。ネットワークハブ11207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ11207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ11207は、いかなる装置データを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ11207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ11207は、情報の送信先に関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体及びクラウド11204上のリモートサーバ11213(図5)にブロードキャストする。ネットワークハブ11207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0048】
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ11209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ11209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ11209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ11209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ11211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ11209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ11209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0049】
ネットワークハブ11207及び/又はネットワークスイッチ11209は、クラウド11204に接続するためにネットワークルータ11211に連結されている。ネットワークルータ11211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ11211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ11207及び/又はネットワークスイッチ11209から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに伝送するための経路を作成する。ネットワークルータ11211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ11211は、パケットの形態のデータをクラウド11204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ11211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0050】
一例では、ネットワークハブ11207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ11207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために用いられてもよい。
【0051】
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ11203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ11203と通信することができ、そのような規格又はプロトコルとしては、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどのより短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどのより長距離の無線通信専用であってもよい。
【0052】
モジュール式通信ハブ11203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ11203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ11211へ送信され、ネットワークルータ11211は本明細書に記載されるように、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによって、このデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0053】
モジュール式通信ハブ11203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよいか、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ11203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ11203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0054】
図5は、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム11200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム11200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム11100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム11200は、多くの点で外科用システム11102と類似する1つ又は2つ以上の外科用システム11202を含む。各外科用システム11202は、リモートサーバ11213を含み得るクラウド11204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ11206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム11200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー11236を備える。図6に示すように、モジュール式制御タワー11236は、コンピュータシステム11210に連結されたモジュール式通信ハブ11203を備える。図5の実施例に示すように、モジュール式制御タワー11236は、内視鏡11239に連結された撮像モジュール11238、エネルギー装置11241に連結された発生器モジュール11240、排煙器モジュール11226、吸引/灌注モジュール11228、通信モジュール11230、プロセッサモジュール11232、ストレージアレイ11234、任意選択的にディスプレイ11237に連結されたスマート装置/器具11235及び非接触センサモジュール11242に連結されている。手術室装置は、モジュール式制御タワー11236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結されている。ロボットハブ11222もまた、モジュール式制御タワー11236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。とりわけ、装置/器具11235、及び可視化システム11208が、本明細書に記載されるように、有線又は無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー11236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー11236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ及び/又は他の可視化システム11208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ11215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、モジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを、画像及びオーバーレイ画像と共に表示してもよい。
【0055】
図6は、モジュール式制御タワー11236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ11206を示す。モジュール式制御タワー11236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ11203と、例えばローカルでの処理、可視化及び撮像を行うためのコンピュータシステム11210と、を備える。図6に示すように、モジュール式通信ハブ11203は、モジュール式通信ハブ11203に接続されてもよいモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム11210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送してもよい。図6に示すように、モジュール式通信ハブ11203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ11217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続されている。クラウド11204への通信は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0056】
外科用ハブ11206は、非接触センサモジュール11242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波非接触測定装置又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術室のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号では、センサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成されているが、同文献中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査する。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術室を走査し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して手術室のサイズを判定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整する。
【0057】
コンピュータシステム11210は、プロセッサ11244と、ネットワークインターフェース11245と、を備える。プロセッサ11244は、システムバスを介して、通信モジュール11247、ストレージ11248、メモリ11249、不揮発性メモリ11250及び入力/出力インターフェース11251に連結されている。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかの種類のバス構造のうちのいずれかであってもよく、それらのアーキテクチャの例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(SCSI)又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
プロセッサ11244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0059】
一態様では、プロセッサ11244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0060】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0061】
コンピュータシステム11210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体、例えばディスク記憶装置などを含む。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのような装置が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、上記の記憶媒体を、独立して、又は他の記憶媒体との組み合わせで含むことができる。他の記憶媒体としては、コンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない。ディスク記憶装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0062】
コンピュータシステム11210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0063】
ユーザは、I/Oインターフェース11251に連結された入力装置を介してコンピュータシステム11210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティング装置、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポートを介し、システムバスを通じてプロセッサに接続する。インターフェースポートとしては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力装置は、入力装置と同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、コンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられるが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。リモートコンピュータなどの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0064】
コンピュータシステム11210は、クラウドコンピュータなどの1つ若しくは2つ以上のリモートコンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、リモートコンピュータと共に、メモリストレージ装置のみが示される。リモートコンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
様々な態様では、図6のコンピュータシステム11210、図5図6の撮像モジュール11238及び/又は可視化システム11208及び/又はプロセッサモジュール11232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ又はデジタル画像の処理に使用される任意の専門的なデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0066】
通信接続部とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのため通信接続部はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続部はコンピュータシステム11210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、DSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
【0067】
RFID検出アセンブリ
様々な外科処置の間、少なくとも1つの交換可能な構成要素を備える外科用器具が使用される。そのような交換可能な構成要素は、機能的及び/又は適合性のある構成要素で交換されることが重要である。本明細書でより詳細に説明される様々な識別システムは、とりわけ、構成要素の外科用器具との適合性を検証し、及び/又は構成要素の動作状態を検証する。例えば、コントローラ及び/又は識別システムは、例えば、交換可能な構成要素を含む包装が破損及び/又は改ざんされていないことを確認し、外科用器具と適合性がある場合若しくは不適合である場合に臨床医に警告し、交換可能な構成要素が期限切れである場合に臨床医に警告し、及び/又は、交換可能な構成要素の特定の製造バッチ及び/若しくは種類についてリコールが存在する場合に臨床医に警告する、役割を果たすことができる。
【0068】
本明細書に記載の識別システムは、アクティブシステム又はパッシブシステムのいずれかであり得る。様々な実施形態では、アクティブ及びパッシブ識別システムの組み合わせが使用される。パッシブシステムは、例えば、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、及び/又は無線周波数識別(RFID)タグを含むことができる。パッシブシステムは、内部電源を含まず、本明細書に記載のパッシブシステムは、例えば、呼び掛け信号などの第1の信号を送信するためのリーダー及び/又はスキャナを必要とする。
【0069】
パッシブ無線周波数識別(RFID)システムは、無線周波数を使用することによって情報を通信する。そのようなパッシブRFIDシステムは、内部電源を含まずに、RFIDスキャナ及びRFIDタグを備える。RFIDタグは、RFIDスキャナから伝送される電磁エネルギーによって給電される。各RFIDタグは、例えば、交換可能な構成要素及び/又は交換可能な構成要素に適合性がある外科用器具に関する情報を記憶する、マイクロチップなどのチップを備える。チップは、識別番号のみを含み得るが、様々な例では、チップは、例えば、製造データ、出荷データ、及び/又はメンテナンス履歴などの追加情報を記憶することができる。各RFIDタグは、RFIDタグがRFIDスキャナと通信することを可能にする無線アンテナを含む。無線アンテナは、RFIDタグがRFIDスキャナから信号を受信し、応答信号をRFIDスキャナに返信することができる範囲に広がる。パッシブRFIDシステムでは、それ自体のアンテナも含むRFIDスキャナは、所定の範囲内に位置付けられたRFIDタグを作動させる無線信号を伝送する。RFIDスキャナは、RFIDタグから「跳ね返った」応答信号を受信するように構成されており、RFIDスキャナが、交換可能な構成要素を表す識別情報を捕捉することを可能にする。様々な例において、1つ以上の応答信号は、呼び掛け信号と同じ信号を含む。様々な例において、1つ以上の応答信号は、呼び掛け信号から修正された信号を含む。様々な例において、RFIDスキャナはまた、RFIDタグに直接情報を書き込むか、又はコード化することができる。いずれにせよ、RFIDスキャナは、交換可能な構成要素に関する情報を、外科用器具及び/又は遠隔外科用システム若しくはハブの制御システムなどのコントローラに伝えることができる。RFIDタグは無線信号によってアクティブ化されるため、RFIDスキャナは、複数のRFIDタグを一度に読み取るように構成されている。加えて、特定の例では、RFIDスキャナは、RFIDスキャナとの信号範囲内のRFIDタグに記憶された情報を更新又は書き換えることができる。例えば、更新は、外科用ハブ(例えば、11106、8001)、又は任意の適切なサーバ11113(図1)からRFIDスキャナに送信され得る。様々な外科用ハブは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年12月4日出願の米国仮特許出願第16/209,395号で説明されている。
【0070】
アクティブ無線周波数識別(RFID)システムはまた、RFIDタグ及びRFIDスキャナを含む。しかしながら、アクティブRFIDシステムのRFIDタグは、内部電源を含む。アクティブRFIDシステムは、それら自体の信号を連続的にブロードキャストするように構成されている、電池駆動式RFIDタグを利用する。1つの種類のアクティブRFIDタグは、一般に「ビーコン」と呼ばれる。そのようなビーコンRFIDタグは、RFIDスキャナから第1の信号の受信を待機しない。代わりに、ビーコンRFIDタグは、その記憶された情報を連続的に送信する。例えば、ビーコンは、3~5秒ごとの間隔でその情報を送信することができる。別の種類のアクティブRFIDタグは、トランスポンダを含む。そのようなシステムでは、RFIDスキャナは、最初に信号を送信する。次いで、RFIDトランスポンダタグは、関連情報と共にRFIDスキャナに信号を返信する。そのようなRFIDトランスポンダタグシステムは、例えばRFIDタグがRFIDスキャナの範囲外にあるときに、電池寿命を節約するため効率的である。様々な例において、アクティブRFIDタグは、環境パラメータを追跡するための搭載センサを備える。例えば、搭載センサは、水分レベル、温度、及び/又は関連し得る他のデータを追跡することができる。
【0071】
様々な態様では、本開示のRFIDシステムは、外科用器具11112(図1図3)、外科用器具11112の構成要素、外科用器具11112と組み合わせて使用可能な消耗品、及び/又は、外科用システム11100(図1図3)に関連付けられた他のシステム若しくはデバイス、例えば、視覚化システム11108(図1図3)、ロボットシステム11110(図1図3)、ハブ11106(図1図3)、又はそれらの構成要素の上に配置されるか、ないしは別の方法で関連付けられ得る。更に、以下でより詳細に説明されるRFIDタグを利用して、RFIDタグが関連付けられている外科用システム11100のデバイス又は構成要素を識別するデータを記憶することができる。加えて、対応するRFIDスキャナは、手術室で使用され、次いでその結果、外科用器具11112、ハブ11106、視覚化システム11108、又は別の構成要素、デバイス、及び/若しくはシステムを制御する、構成要素、デバイス、及び/又はシステムを識別するために外科用システム11100の構成要素が使用される際に、RFIDタグを読み取るように構成することができる。
【0072】
様々な例では、外科用器具11112が組み立てられるときに、RFIDスキャナが構成要素(例えば、電池、シャフト、又はカートリッジ)のRFIDタグを読み取ることができるように、RFIDスキャナを外科用器具11112内又はその上に位置付けることができる。別の例として、外科用器具11112がこれらのシステムに近接するか、又は相互作用するときに、RFIDスキャナが、ハブ11106、視覚化システム11108、及び/又はロボットシステム11110に関連付けられたRFIDタグを読み取ることができるように、RFIDスキャナを外科用器具11112と関連付けることができる。これら及びその他のRFID検出アセンブリは、以下により詳細に記載される。
【0073】
更に、RFIDシステム、関連する外科用器具、及び/又は外科用システム11100の他のデバイス若しくは構成要素を制御するための様々な制御システムが本明細書に記載されている。そのような制御システムの例は、制御システム1211(図7)、制御システム8111(図7A)、及び外科用ハブ11206のプロセッサモジュール11232(図5及び図6)を含む。そのような制御システムは、制御している構成要素又はデバイスに直接組み込まれ得る。例えば、図7に示す制御システム1211は、内部に組み込まれている外科用器具1100(図8図10)を制御することができる。別の例では、図7Aに示す制御システム8111は、内部に組み込まれている外科用器具8002(図11)を制御することができる。あるいは、そのような制御システムは、制御している構成要素又はデバイスに通信可能に連結され得る。例えば、プロセッサモジュール11232は、上述のように、外科用器具11112、及び/又は、外科用ハブ11206とペアリング又は通信可能に連結された外科用システム11100の他の構成要素若しくはデバイスを制御するように構成することができる。これらの制御システムは、RFIDタグを検出するためのRFIDスキャナを含むか、又は通信可能に連結することができる。次いで、制御システムは、検出されたRFIDタグの組み合わせ又は配置に従って、対象デバイスを制御することができる。
【0074】
図7及び図8図10を参照すると、制御システム1211は、RFIDスキャナ1202と組み込まれ得るか、又は、例えばRFIDスキャナ1202に連結され得るが、それとは別に位置付けられ得る制御回路1210を含む。制御回路1210は、RFIDタグ1203に格納されたステープルカートリッジ1320に関する情報、及び/又はRFIDタグ1201に格納されたアンビル1200に関する情報を示す、RFIDスキャナ1202からの入力を受信するように構成することができる。
【0075】
様々な例では、RFIDタグ1203は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を記憶し、RFIDタグ1201は、アンビル1200の識別情報を記憶する。そのような例では、制御回路1210は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を示すRFIDスキャナ1202から入力を受信し、入力に基づいてステープルカートリッジ1320の識別情報を検証する。更に、制御回路1210は、アンビル1200の識別情報を示すRFIDスキャナ1202から入力を受信し、入力に基づいてアンビル1200の識別情報を検証する。
【0076】
少なくとも1つの例では、制御回路1210は、プロセッサ1214と、例えばメモリ1212などの記憶媒体とを有するマイクロコントローラ1213を含む。メモリ1212は、例えば、識別検証などの様々なプロセスを実行するためのプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ1214によって実行されると、RFIDタグ1201、1203から受信した識別情報を、例えば、識別データベース又はテーブルの形態でメモリ1212に記憶された識別情報と比較することによって、プロセッサ1214にステープルカートリッジ1320及びアンビル1200の識別情報を検証させる。
【0077】
少なくとも1つの例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202からの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のステープルカートリッジ1320とのアンビル1200の適合性を確認するように構成することができる。プロセッサ1214は、例えば、アンビル1200及びステープルカートリッジ1320の識別情報を、メモリ1212に記憶された適合性データベース又はテーブルに対して確認することができる。
【0078】
一態様では、RFIDスキャナ1202は、外科用器具内に配置されるか、ないしは別の方法で関連付けられ、外科用器具によって実行される動作又は操作を示すように構成されている対応するRFIDタグ1201を読み取ることができる。例えば、図8図10は、1つのそのような構成の円形ステープラの形態の外科用器具1100を示す。円形ステープラに関する明らかな問題は、アンビルがステープル留めヘッドアセンブリから取り外し可能であり、異なる様式で、かつ異なるアクセスポイントから手術部位に別々に導入されなければならないことである。したがって、他のステープル留め器具とは異なり、円形ステープラは、アンビルとステープルヘッドアセンブリのミスマッチ、及び/又はアンビルとステープルカートリッジのミスマッチの恐れがある。更に、アンビルとステープル留めヘッドアセンブリが適切に組み立てられるか、又は連結されるためには、手術部位において特定の向きで互いに対して適切に方向付けられなければならない。図9に示すように、アンビルと対応するステープル留めヘッドアセンブリの不適切な方向は、アンビルのステープル形成ポケット414(図8)とステープルカートリッジ1320のステープル開口部324(図8)との位置ずれにつながる場合があり、不適切なステープル形成をもたらし得る。加えて、アンビルと対応するステープル留めヘッドアセンブリの不適切な方向は、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの不適切な着座につながる場合がある。不適切に着座している、又は部分的に着座しているアンビルは、閉鎖中にアンビルとステープル留めヘッドアセンブリとの間に捕捉された組織によって外部から加えられた負荷のために、ステープル留めヘッドアセンブリから外れ、又は分離されるようになり得る。
【0079】
上記の問題に対処するために、外科用器具1100は、外科用器具のステープル留めヘッドアセンブリ1300上のRFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能な無線周波数識別(RFID)タグ1201を備えたアンビル1200を含む。同様に、ステープルカートリッジ1320は、これもRFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能なRFIDタグ1203を含む。RFIDタグ1201は、アンビル1200に関する情報を記憶し、RFIDタグ1203は、ステープルカートリッジ1320に関する情報を記憶する。以下に記載されるように、情報は、認証及び/又は適合性について確認され、比較され得る。
【0080】
引き続き図7及び図8図10を参照すると、アンビル1200は、ヘッド410と、ステープル形成ポケット414と、シャンク1420とを含む。この例では、RFIDタグ1201は、シャンク1420によって、その外面上、シャンク1420によって画定されるボア422の近くにおいて支持される。アンビル1200は、図8に示されるように、トロカール330がボア422を通って受容されるように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のトロカール330に向かってアンビル1200を前進させることによって、ステープル留めヘッドアセンブリ1300と連結又は組み立てられる。少なくとも1つの例では、RFIDタグ1201は、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に方向付けられ、完全に着座しているときに、トロカール330のヘッド334の先端部の第2の長手方向位置に対応するか、又は実質的に対応する第1の長手方向位置でシャンク1420上に位置付けられる。言い換えれば、トロカール330のヘッド334の先端部は、その最終着座位置でシャンク1420内に受容されるとき、RFIDタグ1201と横方向に整列されるか、又は少なくとも実質的に整列される。少なくとも1つの例では、RFIDタグ1201は、ボア422の遠位、及びシャンク1420の側壁を通って形成される横方向開口部424の近位、及び/又はシャンク1420のラッチ部材430の近位の位置で、シャンク1420上に位置付けられる。
【0081】
図8を参照すると、RFIDスキャナ1202は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300の管状ケーシング1310内で遠位に延在する円筒状の内側コア部材1312の外面上に位置する。管状ケーシング1310は、管状ケーシング1310がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対する機械的土台として機能するように、外科用器具のシャフトアセンブリ1206の外部シース210にしっかりと固定されている。RFIDスキャナ1202は、内側コア部材1312によって、その外面上、遠位端の近くにおいて支持されている。少なくとも1つの例では、凹部又はポケットは、内側コア部材1312内に画定され、RFIDスキャナ1202は、凹部又はポケット内に位置付けられている。RFIDスキャナ1202は、例えば、摩擦嵌合又は生体適合性接着剤などの任意の好適な技術を使用して、凹部又はポケット内の所定の位置に保持することができる。あるいは、RFIDスキャナ1202は、円筒状の内側コア部材1312の内面上に位置付けることができる。図8の例では、RFIDスキャナ1202は、ステープルカートリッジ1320のデッキ部材の下で内側コア部材1312の遠位部分に位置する。様々な例では、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203は、任意の好適な絶縁材料を使用して、シャンク1420及び内側コア部材1312から絶縁される。
【0082】
様々な例では、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203は、組織がアンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に捕捉される器具の閉鎖構成において、RFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能である。
【0083】
図8図10に例示される態様に関する更なる詳細は、本明細書と同時に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、発明の名称「MECHANISMS FOR PROPER ANVIL ATTACHMENT SURGICAL STAPLING HEAD ASSEMBLY」の米国特許出願、代理人整理番号第END9120USNP1/190246に見出すことができる。
【0084】
図7Aは、制御システム8111のブロック図を示す。示された制御システム8111の構成要素の多くは、図7に関して上述した制御システム2111の構成要素と一致するため、それらの構成要素の説明は繰り返さない。この態様では、制御システム8111は、複数のRFIDスキャナ8008のセット又はアセンブリを含み、RFIDタグ8006の対応するセット又はアセンブリを読み取るように配置又は構成されている。RFIDスキャナ8008は、制御回路1210に通信可能に連結されており、これにより、制御回路1210は、以下に記載されるように、RFIDスキャナ8008からデータを受信し、次いで読み取りデータに基づいて様々な動作をとることができる。様々な態様では、RFIDスキャナ8008は、外科用器具、又は制御システム8111が関連付けられている他の外科用システム構成要素上に配置されるか、ないしは別の方法で関連付けられ得る。他の態様では、RFIDスキャナ8008は、制御システム8111に通信可能に連結可能な他の外科用システム構成要素上に配置されるか、ないしは別の方法で関連付けられ得る。RFIDタグ8006は、外科用器具11112(図1図3)、視覚化システム11108(図1図3)、ロボットシステム11110(図1図3)、又は他の外科用システム構成要素(例えば、滅菌ドレープ、開胸器、スポンジ、又は補助材)又はそれらの構成要素を含む、任意の種類の外科用システム構成要素上に配置又は関連付けられ得る。一態様では、RFIDスキャナ8008a~hの各々は、対応するRFIDタグ8006a~hを読み取るように構成することができる。最後に、図7Aの制御システム8111は、対応する数のRFIDタグ8006a~hを読み取るように構成されている8つのRFIDスキャナ8008a~hを含むものとして示されているが、この特定の数は、単に例示目的のための構成要素の配置であり、いかなる意味においても限定するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。特に、制御システム8111は、任意の数のRFIDタグ8006a~hを読み取るように構成されている、任意の数のRFIDスキャナ8008a~hを含むことができる。
【0085】
一態様では、外科用ハブの見出しの下で上述し、図11に例示されるように、外科用システム8000は、外科用ハブ8001に通信可能に連結可能な外科用器具8002を含むことができる。外科用器具8002は、外科用器具8002を発射又は操作するための、外科用器具8002を組み立てるために一緒に連結可能な複数の異なる構成要素、及び/又は、外科用器具8002内に挿入可能な消耗部品を含むことができる。例えば、図示された外科用器具8002は、ハウジングアセンブリ8004aと、ハウジングアセンブリ8004aに取り外し可能に連結可能な電池8004bと、ハウジングアセンブリ8004aに取り外し可能に連結可能なモータアセンブリ8004cと、ハウジングアセンブリ8004aに取り外し可能に連結可能なシャフト8004dと、シャフト8004dのエンドエフェクタ内に取り外し可能に挿入可能なカートリッジ8004と、多のこのような構成要素とを含むことができる。
【0086】
外科用システム8000は、制御システム8111を更に含むことができる。図11の例では、制御システム8111は、様々な外科用器具構成要素8004a~eに位置付けられるか、又は他の方法で関連付けられたRFID8006のセットを含む。外科用器具構成要素8004a~eの各々は、構成要素タイプ又は構成要素パラメータなどのRFIDタグ8006が関連付けられている構成要素に関連する情報を、外科用器具8000(例えば、ハウジングアセンブリ8004a)、外科用ハブ8001、又は別の外科用システムデバイスに関連付けられた対応するRFIDスキャナ8008に送信するように構成されている、RFIDタグ8006を含むことができる。例えば、図示される態様では、ハウジングアセンブリ8004aは、第1のRFIDタグ8006aを含むことができ、電池8004bは、第2のRFIDタグ8006bを含むことができ、モータアセンブリ8004cは、第3のRFIDタグ8006cを含むことができ、シャフト8004dは、第4のRFIDタグ8006dを含むことができ、カートリッジ8004eは、第5のRFIDタグ8006eを含むことができる。一態様では、RFIDタグ8006a~eは、外科用器具8002、外科用ハブ8001、又は外科用システム8000の別の構成要素上に配置された単一のRFIDスキャナによって読み取ることができる。したがって、制御システム8111の制御回路1210は、単一のRFIDスキャナに通信可能に連結され得る。別の態様では、RFIDタグ8006は、外科用器具8002の組み立て又は動作中に複数のRFIDスキャナによって読み取ることができる。例えば、RFIDスキャナは、RFIDタグ8006a~eが、外科用器具8002の組み立て(その例は、図13に関して以下でより詳細に論じられる)又は外科用器具8002の使用(その例は、図8図10に関して上述されている)による自然な結果として対応するRFIDスキャナ8008a~eによって自動的に読み取られるように、外科用器具8002上に位置付けられ得る。したがって、制御システム8111の制御回路1210は、1つ以上の対応するRFIDタグ8006を読み取るように位置付けられた複数のRFIDスキャナ8008に通信可能に連結され得る。図8図11図13、及び図14に示される態様は、RFIDタグ8006及びRFIDスキャナ8008の特定の位置を示しているが、これらの位置は単に例示目的のためであり、RFIDタグ8006及び/又はRFIDスキャナ8008は、特定の外科用システム構成要素に応じて再配置されるか、それらの位置が互いに交換されるか、ないしは別の方法で、説明されるシステムの全体的な構造及び機能から離れることなく再構成され得ることに留意されたい。
【0087】
RFIDタグ8006を含む外科用器具8002又はその構成要素に加えて、外科用システム8000内の他のデバイスも同様に、RFIDタグ8006及び/又はRFIDスキャナ8008を含むことができる。例えば、図11に示す態様では、外科用ハブ8001は、外科用器具8002と関連付けられている1つ以上のRFIDスキャナ8008(図13)によって読み取られるように構成することができる、RFIDタグ8006gを含むことができる。他の態様では、RFIDタグ8006及び/又はスキャナ8008は、追加的又は代替的に、視覚化システム11108(図1図3)、ロボットシステム11110(図1図3)、又はそれらの構成要素に関連付けられ得る。したがって、RFIDスキャナ8008を含む外科用器具8002は、デバイス又はシステムの検出範囲内にあることに基づいて、外科用システム構成で利用されている様々なデバイス又はシステムを検出することができる。
【0088】
図13に示すように、外科用システム8000はまた、外科医などのユーザによって着用又は制御され得るユーザ識別子8010を含むことができる。ユーザ識別子8010は、ユーザに関連付けられた一意の識別子を記憶するように構成されているRFIDタグ8006hを含むことができ、それは、そのユーザに関連付けられた特定のパラメータ又は設定を読み出すために制御システムによって利用され得る。ユーザ設定は、コンピュータシステム(例えば、外科用ハブ8001又はローカルコンピュータシステム11210(図6))においてユーザによって手動で設定するか、又は状況認識を介して外科用ハブ8001によって学習することができ、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年12月4日出願の米国仮特許出願第16/209,395号で説明されている。更に、ユーザ設定は、制御システムによる読み出しのため、データベース(例えば、ストレージ11248(図6))に格納することができる。
【0089】
いくつかの態様では、RFIDタグ8006及びRFIDスキャナ8008は、外科用器具8002の組み立て中に、又は外科用器具8002の組み立てられた構成において、それらが互いに検出範囲にもたらされるように位置付けることができる。例えば、図13は、外科用器具8002が、外科用器具8002の組み立て中に、又は外科用器具8002の組み立てられた構成で、対応するRFIDタグ8006を検出するRFIDスキャナ8008のアセンブリを含む、円形ステープラである態様を示す。特に、ハウジングアセンブリ8004aは、シャフトアセンブリ8004dの対応する近位連結部分8012と係合するように構成されている、連結部分8011に隣接して位置付けられたRFIDスキャナ8008aを含む。シャフトアセンブリ8004dは、前述の構成要素が共に適切に連結されているとき、RFIDスキャナ8008aの検出範囲内にもたらされるRFIDタグ8006dを更に含む。言い換えれば、RFIDスキャナ8008aは、外科用器具8002の組み立てによる自然な結果としてRFIDタグ8006dを読み取るように位置付けられる。同様に、シャフトアセンブリ8004dは、エンドエフェクタアセンブリ8004fの対応する連結部分8014と係合するように構成されている、遠位連結部分8013に隣接して位置付けられたRFIDスキャナ8008bを含む。エンドエフェクタアセンブリ8004fは、前述の構成要素が共に適切に連結されているとき、RFIDスキャナ8006fの検出範囲内にもたらされるRFIDタグ8006fを更に含む。したがって、この態様に関連する外科用器具8002のための制御システムは、組み立てられるか、又は共に連結され、したがってそれによって利用される構成要素の存在、種類、及び/又は配置に基づいて、外科用器具8002を制御するとき、器具構成要素を読み取ることができる。
【0090】
いくつかの態様では、RFIDタグ8006及びRFIDスキャナ8008は、外科用器具8002の使用中に互いに検出範囲にもたらされるように位置付けることができる。例えば、上記でより詳細に説明される図8図10は、外科用器具が、ステープル留めヘッドアセンブリ1300が閉鎖構成にあるとき、すなわち、組織がアンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に捕捉されるときに、RFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能な一対のRFIDタグ1201、1203を含む、態様を例示する。したがって、この態様に関連する外科用器具用の制御システムは、外科用器具が利用又は操作され(例えば、外科処置中)、したがってそれによって外科用器具によって実行されている状態又は動作に基づいて、外科用器具を制御するとき、器具構成要素を読み取ることができる。
【0091】
RFIDタグ8006はまた、その動作中に外科用器具8002によって利用される消耗品上に位置付けることができる。例えば、図14は、外科用器具8002が、手術部位で外科用クリップ8022を圧着又は適用するためのジョー8020に隣接して位置付けられたRFIDスキャナ8008cを含む、クリップアプライヤである態様を示す。クリップ8022は、クリップ8022がジョー8020内に位置付けられている結果として、RFIDスキャナ8008cによって読み取られ得るRFIDタグ8006iを含むことができる。したがって、この態様に関連する外科用器具用の制御システムは、外科用器具8002が利用又は操作され(例えば、外科処置中)、したがってそれによって外科用器具8002と共に使用されている消耗品の種類又は特性に基づいて、外科用器具8002を制御するとき、消耗品を読み取ることができる。様々な態様では、クリップ8022は、クリップアプライヤのジョー8020に供給され、供給されたクリップ8022は、ジョー8020に到達するにつれて、RFIDスキャナ8008cによって検出可能になる。
【0092】
RFIDタグ8006は、関連付けられたRFIDスキャナ8008に様々な異なる情報を伝送するように構成することができる。更に、本明細書に記載の様々なRFIDタグ8006は、アクティブ様式(すなわち、RFIDスキャナ8008が受信するためのデータを能動的に送信する)又はパッシブ様式(すなわち、RFIDスキャナ8008によって伝送される呼び掛け信号に応答する)のいずれかで、データを伝送するように構成することができる。例えば、図12に示されるテーブル8030は、図11に示される外科用器具8002の様々な構成要素に関連付けられたRFIDタグ8006によって送信され得るデータを示す。特に、ハウジングアセンブリ8004aと関連付けられたRFIDタグ8006aは、デバイス又は外科用器具タイプを識別するデータを格納することができ、電池8004bと関連付けられたRFIDタグ8006bは、電池タイプを識別するデータを格納することができ、モータアセンブリ又はギヤボックス8004cと関連付けられたRFIDタグ8006cは、モータタイプを識別するデータを格納することができ、シャフトアセンブリ8004dに関連付けられたRFIDタグ8006dは、シャフトタイプ及び/又はシャフトに関連する特性(例えば、長さ又は関節運動タイプ)を識別するデータを格納することができ、カートリッジ8004eに関連付けられたRFIDタグ8006eは、カートリッジタイプ及び/又は他のカートリッジの特性(例えば、長さ、色、又は把持表面タイプ)を識別するデータを格納することができる。このデータは、対応するRFIDスキャナ8008によって読み取られたときにRFIDタグ8006によって送信され得、これは、外科用器具8002を制御するための制御システムに連結され得る。このデータに基づいて影響を受ける可能性のある様々な制御アルゴリズムは、制御システムによって実装される通信プロトコルを含むことができる。
【0093】
別の例として、図15及び図16に示されるテーブル8040、8050は、図14に示すように、外科用クリップ8022などの消耗品に関連付けられたRFIDタグ8006によって送信され得るデータを示す。特に、RFIDタグ8006iは、各RFIDタグ8006iが関連付けられている、消耗品の種類(例えば、製品名、製品コード、又はシリアル番号)又は消耗品の特性(例えば、外科用クリップ8022の断面プロファイル、長さ、表面タイプ、引張強度、又はスプリングバック特性)を識別するデータを格納することができる。更に、このデータは、対応するRFIDスキャナ8008cによる受信のためにRFIDタグ8006iによって送信され得、これは、外科用器具の動作又は機能を制御するために受信したデータを利用できる制御回路1210に連結され得る。
【0094】
図7図11図13、及び図14に例示される外科用システム8000の構成では、外科用器具8002及び他の外科用システム構成要素の制御システムは、記載されたRFID検出アセンブリを介して、手術室内に存在する外科用システム構成要素の配置及び/若しくは種類を検出することによって、並びに/又は、手術室内に存在するユーザを識別することによって、対象デバイスの動作又は動作を制御するための様々な異なるアルゴリズム又は論理を利用することができる。様々な例では、制御システム及び関連するRFID検出アセンブリを利用して、外科用器具8002によって利用される通信プロトコル、ユーザに提供される情報若しくは警告、及び/又は、外科用器具8002によって実装される動作設定を制御し、利用される選択及び/又はユーザ選択間の特定の機器に従ってそれらの機能をカスタマイズすることができる。以下のプロセスの説明においては、図7も参照されたい。更に、以下のプロセスは、部分的に、外科用器具8002を制御するためのデバイスからデータを走査又は受信することについて説明する。そのようなデバイスは、外科用器具構成要素(例えば、図11図13、及び図14に示される)、視覚化システム11108(図1図3)、外科用ハブ11106(図1図3)、ロボットシステム11110(図1図3)などの、様々な異なる外科用システム構成要素を含むことができる。
【0095】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、外科用器具8002によって利用される通信プロトコルを確立するように構成され、それによって走査されるRFIDに従って様々な他の外科用システム構成要素と通信することができる。例えば、制御システム8111は、図17に示されるプロセス8100を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8102)、第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8104)。受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。
【0096】
したがって、制御回路1210は、第1のデバイス及び第2のデバイスと通信するための通信プロトコルを決定する(8106)。制御回路1210は、受信したデバイスデータを用いて、例えば、ルックアップテーブル(例えば、メモリ1212に記憶されている)を問い合わせることによって、適切な通信プロトコルを決定することができる(8106)。通信プロトコルは、例えば、暗号化技術、パケットサイズ、伝送速度、又はハンドシェイク技術を定義することができる。したがって、制御回路1210は、外科用器具8002に、外科処置の過程中に外科用システム構成要素と通信するための決定された通信プロトコルを利用させる(8108)。
【0097】
操作中、図示されたプロセス8100を実行している制御システム8111は、手術室内に存在する外科用システム構成要素と関連付けられたRFIDタグを読み取り、外科用システム構成要素の特定の配置と通信するための適切な通信プロトコルを決定し、次いで、外科用器具8002に決定された通信プロトコルを利用させることができる。外科用器具8002と対応する外科用システム構成要素との間の通信の確立後、制御回路1210は、外科用器具8002の動作設定を外科用システム構成要素の少なくとも1つから受信するように構成することができる。例えば、外科用器具8002が外科用ハブ8001、11106に通信可能に連結されている場合、外科用器具8002は、外科用ハブ8001、11106から、更新された動作設定又はパラメータを示す更新された制御プログラムをダウンロードすることができる。あるいは、外科用器具8002と対応する外科用システム構成要素との間の通信の確立後、制御回路1210は、外科用システム構成要素の動作設定を送信するように構成することができる。例えば、外科用器具8002がロボットシステム11110に通信可能に連結されている場合、外科用器具8002は、外科処置中のロボットシステム11110による外科用器具8002の制御方法又は作動方法を示す、動作設定をロボットシステム11110に送信することができる。追加的又は代替的に、外科用器具8002は、例えば、センサデータを外科用ハブ8001、11106に送信することができる。
【0098】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、外科処置の種類に関連する情報を自動的に表示するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図18に示されるプロセス8150を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8152)、第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8154)。受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。
【0099】
したがって、制御回路1210は、デバイスデータに基づいて実行されている外科処置の種類を決定する(8156)。制御回路1210は、手術室内のデバイスタイプの特定の組み合わせ又は配置によって、どの種類の外科処置が行われているかを示し得るため、この判定を行うことができる。更に、複数のデバイスからのデータの組み合わせは、任意の個々のデバイスを走査することからは確認できない外科処置の詳細を示すことができる。例えば、ロボットシステム11110が、特定の外科用器具タイプ(例えば、円形ステープラ又は血管ステープラ)と共に手術室内に存在する場合、その外科用器具タイプに対応する外科処置は、ロボットで行われる可能性が高い。別の例として、気腹器及び視覚化システム11108が手術室内に存在する場合、腹腔鏡手術が実行される可能性が高い。これらの例のいずれにおいても、個々のデバイスの走査は、処置についての十分な状況を提供しないことが多い。制御回路1210は、受信したデバイスデータを用いて、例えば、ルックアップテーブル(例えば、メモリ1212に記憶されている)を問い合わせることによって、外科手術の種類を決定することができる(8156)。その後、制御回路1210は、ディスプレイスクリーン(例えば、インジケータ1209又はハブディスプレイ11215(図5))に、外科処置の種類に関連する情報を表示させる(8158)。表示された情報は、例えば、手術処置を実行するための工程、外科用器具8002又は他の外科用システム構成要素を組み立てるための工程、手技に関連して利用されることが予想される外科用器具タイプについての関連データ又は視覚化スクリーンなどを含み得る。
【0100】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、特定のユーザに対してカスタマイズされた情報を自動的に表示するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図19に示されるプロセス8200を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、デバイス又は外科用器具に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8202)、ユーザと(例えば、図13に示されるユーザ識別子8010から)関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8204)。器具又はデバイスから受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。ユーザ識別子8010から受信したデータは、例えば、ユーザの識別又は肩書きを示すことができる。
【0101】
したがって、制御回路1210は、外科用器具に関連付けられたユーザ設定を決定する(8206)。ユーザ設定は、特定の内視鏡タイプに対する倍率、器具パラメータ情報(例えば、温度、発射力、又は電力レベル)などを含むことができる。制御回路1210は、関連するユーザ設定を(例えば、メモリ1212から)取り出すことによって、ユーザ設定を決定することができる(8206)。上記のように、ユーザ設定は、コンピュータシステムでユーザによって手動で設定するか、又は状況認識を通して外科用システムによって自動的に学習することができる。したがって、制御回路1210は、決定されたユーザ設定に従って、外科用器具に関連する情報をディスプレイスクリーンに表示させる(8208)。
【0102】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、外科用器具構成要素が互いに適合性があるかどうかを判定し、次いで様々な正確な動作をとるように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図20に示されるプロセス8250を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8252)、第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8254)。受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。
【0103】
したがって、制御回路1210は、第1のデバイス及び第2のデバイスが、適合性があるかどうかを判定する(8256)。制御回路1210は、受信したデバイスデータを用いて、例えば、適合性のある外科用器具デバイスタイプを示しているルックアップテーブル(例えば、メモリ1212に記憶されている)を問い合わせることによって、デバイスが適合しているかどうかを判定することができる(8256)。制御システム8111は、例えば、制御システム8111が通信可能に連結されているリモートコンピューティングシステム(例えば、クラウド11204(図5))から適合性のある構成要素タイプのリストを記憶するか、又は適合性のある構成要素タイプを受信するように製造することができる。構成要素が互いに不適合であると判定された(8256)場合、制御回路1210は、構成要素に不適合であること、及び/又は不適合である構成要素のうちの1つについて適合する構成要素への代替提案をユーザに提供することができる(8258)。例えば、ユーザが、モータアセンブリ8004cと不適合である外科用器具8002のハウジングアセンブリ8004a内に電池8004bが挿入された場合、制御システム8111は、警告又はモータアセンブリ8004cと適合性がある代わりの種類の電池8004bの提案を、ディスプレイ(例えば、インジケータ1209)に提供させることができる(8258)。一態様では、制御回路1210は、第1及び第2のデバイスが互いに不適合であると判定された場合に、外科用器具8002の動作又は作動を阻止するように更に構成され得る。
【0104】
様々な態様では、外科用器具8002の動作又は作動を阻止することは、例えば、ロックアウトアセンブリ8170などの1つ以上の好適なロックアウトアセンブリを使用して達成することができる。本開示で使用するのに好適な様々なロックアウトアウトアセンブリは、米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」(2006年12月5日発行)、同第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、同第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、同第6,988,649号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(2006年1月24日発行)、及び同第6,978,921号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」(2005年12月27日発行)に記載されており、これらの開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0105】
別の例として、外科用クリップアプライヤの形態の外科用器具8002は、異なる種類のジョーアセンブリを有することができ、これらは、図21Aに示される第1の、つまり薄いジョーアセンブリ8051a、及び図21Bに示される第2の、つまり厚いジョーアセンブリ8051bなどの異なる種類の外科用クリップ8022に適している。図22は、図20に示されるプロセス8250を実行している制御システム8111を含むクリップアプライヤの複数回の予言的発射について、縦軸8054によって表される外科用クリップを形成又は圧着するために加えられる力と、横軸8056によって表される力の印加を引き起こす変位ストロークとの間の関係を示すグラフ8052を示す。第1の距離閾値δは、薄いジョーアセンブリ8051aを有するクリップアプライヤが実行可能である最大ストローク距離を表す。更に、第2の距離閾値δは、厚いジョーアセンブリ8051bを有するクリップアプライヤが実行可能である最大ストローク距離を表す。図16の表8050に更に示されるように、異なる種類の外科用クリップ8022は、異なる機械的特性を有し得るため、いくつかの種類の外科用クリップは、全ての種類のクリップアプライヤでの使用に適していない場合がある。この特定の予言的例では、第1のライン8058は、第1のクリップタイプ(例えば、Ti-CPクリップ)を表し、第2のライン8060は、第2のクリップタイプ(例えば、Ti-3AI/2.5Vクリップ)を表し、第3のライン8062は、第3のクリップタイプ(例えば、Ti-6AI-4Vクリップ)を表す。このプロセス8250の実装では、クリップアプライヤは、第1のデバイスであり得、外科用クリップは、第2のデバイスであり得る。したがって、プロセス8250を実行する制御回路1210が、(例えば、クリップがクリップアプライヤに挿入されたときに)RFIDスキャナ8008によって読み取られる外科用クリップは第1のタイプ又は第2のタイプであると判定する場合、これらのクリップタイプの両方がいずれのクリップアプライヤタイプと適合性があるため(ライン8058、8060のいずれも、それぞれの閾値δ、δを超えないことによって示される)、図21A及び図21Bに示されるクリップアプライヤタイプのいずれかについても、警告又は提案はユーザに提供されない。しかしながら、制御回路1210が、RFIDスキャナ8008によって読み取られる外科用クリップは第3のタイプであり、クリップアプライヤが薄いジョーアセンブリタイプ8051aであると判定する場合、薄いジョーアセンブリタイプ8051aの最大変位ストロークδが、第3のクリップタイプを適切に形成するのに十分な長さではないため(閾値δを横切る第3のライン8062によって示される)、制御回路1210は、警告及び/又は外科用クリップ変更の提案を提供することができる。
【0106】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、走査された構成要素に従って外科用器具8002の動作設定を自動的に確立するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図23に示されるプロセス8300を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8302)、第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8304)。受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。一例として、デバイスは、図11及び図12に示される外科用器具8002の構成要素のうちの2つ以上を含むことができる。別の例として、デバイスは、図13に示される外科用器具8002の構成要素のうちの2つ以上を含むことができる。
【0107】
したがって、制御回路1210は、走査された構成要素に基づいて外科用器具タイプを判定することができる(8306)。外科用器具タイプは、例えば、特定の器具構成要素パラメータ(例えば、シャフト長、カートリッジタイプ、又は電池残量)と組み合わせて、一般的な器具タイプ(例えば、外科用ステープラ、電気外科用器具、超音波外科用器具、又はそれらの組み合わせ)を含むことができる。一態様では、RFIDスキャナ8008は、図13及び図14に関連して上述したように、構成要素の各々に関連付けられたRFIDタグが、外科用器具8002の組み立て又は利用の自然な結果として、RFIDスキャナ8008によって自然に読み取られるように位置付けることができる。したがって、制御回路1210は、判定された器具タイプに従って動作設定を決定することができる(8308)。動作設定は、外科用器具8002自体(又はその構成要素)がどのように制御されるか、又は第3のデバイス(例えば、外科用器具8002が連結されている外科用発生器)がどのように制御されるかを決定することができる。図12に示す表8030は、決定された器具タイプに従って制御回路1210によって制御され得る様々な設定を示す。例えば、プロセス8300を実行している制御回路1210は、検出された電池タイプ及び検出されたモータアセンブリタイプに従って、外科用器具8002の最大電力を制御することができる。別の例として、プロセス8300を実行している制御回路1210は、検出されたモータアセンブリタイプ及び検出されたカートリッジタイプに従って外科用ステープラ内のナイフを発射する力を制御することができる。
【0108】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、外科用器具8002と組み立てられ、及び/又は外科用器具8002に挿入されるときに走査される消耗品に従って、外科用器具8002の動作設定を自動的に確立するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図24に示されるプロセス8350を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、デバイス又は外科用器具8002に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8352)、消耗品と関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8354)。受信データは、例えば、外科用器具8002若しくは消耗品のシリアル番号、外科用器具8002若しくは消耗品のタイプ、及び/又は、外科用器具8002若しくは消耗品に関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。例えば、外科用器具8002は、クリップアプライヤを含むことができ、消耗品は、図14に示されるように、外科用クリップ8022を含むことができる。別の例として、外科用器具8002は、外科用ステープラを含むことができ、消耗品は、図12に示されるように、カートリッジ8004e内に配置されたステープルを含むことができる。
【0109】
したがって、制御回路1210は、消耗品タイプ及び外科用器具タイプに従って動作設定を決定する(8356)。制御回路1210は、走査した消耗品に従って外科用器具に関する適切な動作設定を示しているルックアップテーブル(例えば、メモリ1212に記憶されている)を問い合わせることによって、動作設定を決定することができる(8356)。制御システム8111は、例えば、制御システム8111が通信可能に連結されているリモートコンピューティングシステム(例えば、クラウド204(図5))から様々な適合性のあるデバイスタイプの動作設定を記憶するか、又は動作設定を受信するように製造することができる。したがって、制御回路1210は、次いで、決定された動作設定に従って外科用器具を制御することができる(8358)。
【0110】
プロセス8350の様々な予言的実現形態が、図25及び図26に関連して示されている。例えば、図25は、図24に示されるプロセス8350を実行している制御システム8111を含むクリップアプライヤについて、縦軸8066によって表される外科用クリップに加えられる力と、横軸8068によって表される変位ストロークとの間の関係を示すグラフ8064を示す。この例では、制御回路1210は、外科用器具がクリップアプライヤであることを判定でき、図14に関連して上述したように、クリップアプライヤに装填されるときの消耗品の識別情報を判定することができる。第1のライン8070によって表されるクリップアプライヤの第1の発射では、制御回路1210は、消耗品が第1のタイプの外科用クリップ(例えば、Ti-CPクリップ)であると更に判定する。この種類のクリップについて、制御された動作パラメータは、第1の力閾値F、及び第1の閉鎖速度Vを含む。したがって、制御回路1210は、決定された動作パラメータに従ってクリップアプライヤを制御する、すなわち、第1の閉鎖速度Vでクリップアプライヤのジョーを閉鎖し、第1の力閾値F以下で閉鎖を停止する。第2のライン8072によって表されるクリップアプライヤの第2の発射では、制御回路1210は、消耗品が第2のタイプの外科用クリップ(例えば、Ti-6AI-4Vクリップ)であると判定する。この種類のクリップについて、適切な動作パラメータは、第2の力閾値F、及び第2の閉鎖速度Vを含む。したがって、制御回路1210は、決定された動作パラメータに従ってクリップアプライヤを制御する、すなわち、第2の閉鎖速度Vでクリップアプライヤのジョーを閉鎖し、第2の力閾値F以下で閉鎖を停止する。
【0111】
別の例として、図26は、図24に示されるプロセス8350を実行している制御システム8111を含むクリップアプライヤの複数回の予言的発射について、縦軸8076によって表される長手方向カム負荷力と、横軸8078によって表される変位ストロークとの間の関係を示すグラフ8074を示す。クリップアプライヤでは、カムアセンブリは、ジョーに閉鎖力を加え、それによってジョー内に位置付けられた組織にクリップを適用するように構成することができる。したがって、長手方向カム負荷力は、クリップアプライヤのジョーに付与されている力の量に対応し得る。変位ストロークは、カムアセンブリのカムが並進した距離に対応することができる。カムが並進した距離の関数として外科用クリップアプライヤによって加えられるカム力のプロファイルは、異なるクリップアプライヤアセンブリ(例えば、図21A及び図21Bに示される)及び/又は異なる外科用クリップタイプに合わせることができる、制御可能なパラメータである。様々な態様では、この制御可能なパラメータは、外科用器具用の制御システム8111によって自動的に選択、及び/又は、ユーザによって手動で選択することができる。この例では、様々なライン8080、8082、8084、8086に示されるように、制御回路1210は、外科用器具をクリップアプライヤとして識別する外科用器具の第1のデータを受信し(8352)、消耗品を特定の外科用クリップタイプとして識別する第2のデータを受信し(8454)、特定の外科用クリップタイプが特定のカム力プロファイルに関連付けられることを判定し(8456)、次いで、決定された力プロファイルに従ってクリップアプライヤを制御する(8458)。第1のライン8080は、第1のクリップアプライヤタイプ(例えば、図21Aに示されるジョーアセンブリ8051a)及び第1の外科用クリップタイプ(例えば、Ti-6AI-4Vクリップ)について制御回路1210によって決定(8356)された、力プロファイルに対応することができる。第2のライン8082は、第1のクリップアプライヤタイプ及び第2の外科用クリップタイプ(例えば、Ti-3AV/2.5Vクリップ)について制御回路1210によって決定(8356)された、力プロファイルに対応することができる。第3のライン8084は、第1のクリップアプライヤタイプ及び第3の外科用クリップタイプ(例えば、Ti-CPクリップ)について制御回路1210によって決定(8356)された、力プロファイルに対応することができる。第4のライン8086は、第2のクリップアプライヤタイプ(例えば、図21Bに示されるジョーアセンブリ8051b)及び第3の外科用クリップタイプについて制御回路1210によって決定(8356)された、力プロファイルに対応することができる。
【0112】
異なる種類のクリップアプライヤが異なる方法で力を加え、異なる種類の外科用クリップが異なる機械的特性を有するため、利用されているクリップアプライヤ及び外科用クリップの種類に合わせて適用された力プロファイルを利用することが望ましい場合がある。異なる機械的特性のいくつかの例が、図15及び図16の表8040、8050に示されている。外科用クリップによって異なり得る別の機械的特性は、加えられた力に応答した外科用クリップのスプリングバックの程度であり、これは次に、所望の構成で維持させるために外科用クリップに適用することを望む力の程度又は量に影響を及ぼし得る。例えば、図27は、横軸8092によって表される異なる外科用クリップタイプに対する、縦軸8090によって表されるスプリングバック間の関係を示すグラフ8088を示す。スプリングバックは、例えば、外科用クリップが、設定力に応答してその初期位置に対して戻る割合又は程度に対応することができる。グラフ8088から分かるように、第1の外科用クリップタイプ8094は、Pのスプリングバックを有し、第2の外科用クリップタイプ8096は、Pのスプリングバックを有し、第3の外科用クリップタイプ8098は、Pのスプリングバックを有する。したがって、図24に示されるプロセス8350を実行している制御回路1210が、どの外科用クリップタイプがクリップアプライヤに充填されたのかを読み取り、次いで、検出されたクリップタイプのスプリングバック特性に少なくとも部分的に基づいて、加えられた力プロファイルを調整することが望ましいであろう。
【0113】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、特定のユーザに対してカスタマイズされた外科用器具8002の動作設定を自動的に実装するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図28に示されるプロセス8400を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、デバイス又は外科用器具に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8402)、ユーザと(例えば、図13に示されるユーザ識別子8010から)関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8404)。器具又はデバイスから受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。ユーザ識別子8010から受信したデータは、例えば、ユーザの識別又は肩書きを示すことができる。
【0114】
したがって、制御回路1210は、ユーザに関連付けられた外科用器具の動作設定を決定する(8406)。制御回路1210は、関連するユーザ設定を(例えば、メモリ1212から)取り出すことによって、ユーザ設定を決定することができる(8406)。上記のように、ユーザ設定は、コンピュータシステムでユーザによって手動で設定するか、又は状況認識を通して外科用システムによって自動的に学習することができる。一態様では、決定された動作設定は、パラメータの範囲から選択することができる。ユーザは、手動で値を選択することができるか、又は外科用システムは、例えば、パラメータ範囲内のユーザの選択を学習することができる。したがって、制御回路1210は、ユーザに関連付けられた動作設定に従って外科用器具を制御することができる。
【0115】
図24のプロセス8350の様々な予言的実現形態が、図29図31に関連して示されている。例えば、図29は、グラフィカルユーザインターフェース上に表示可能なステープル高さウィジェット又はアイコン8500を示す。外科用ステープラによって展開されたステープルに適用されるステープル高さ又は変形の程度は、制御可能なパラメータである。グラフィカルユーザインターフェースは、例えば、デバイス/器具ディスプレイ11237又はハブディスプレイ11215に表示され得る。ステープル高さウィジェット8500は、ステープル高さに関する提案された選択範囲を示す範囲アイコン8502と、外科用ステープラについて選択された実際のステープル高さを示す選択アイコン8504とを含むことができる。様々な態様では、ステープル高さウィジェット8500は、外科用ステープラのユーザによって手動で操作され、及び/又は外科用ステープラの制御システム8111によって制御され得る。この例では、制御回路1210は、外科用ステープラとして外科用器具を識別する外科用器具から、及び/又はカートリッジタイプを識別するステープルカートリッジから第1のデータを受信し(8402)、ユーザを識別する第2のデータを受信し(8404)、ユーザ識別情報が外科用ステープラの特定のステープル高さ設定に関連付けられていることを判定し(8406)、次いで、選択アイコン8504によって示される定義された設定にステープル高さを設定するように、外科用ステープラを制御している(8408)。
【0116】
別の例として、図30は、図28に示されるプロセス8400を実行している制御システム8111を含む外科用ステープラの予言的発射について、縦軸8512によって表される力と、横軸8516によって表される変位ストロークとの間の関係を示すグラフ8510を示す。縦軸8512によって表される力は、外科用ステープラのジョーを閉じ、ステープラを発射し、及び/又はジョーによって捕捉された組織を切断するように構成されている、発射部材によってもたらされる、又は発射部材上に付与される力に対応することができる。縦軸8512によって表される力はまた、モータによって生成される力負荷に対応し得る。横軸8516によって表される変位ストロークは、発射部材が移動する距離に対応することができ、これは2つの異なる相で描写され得る。第1のライン8520によって表される第1又は閉鎖相では、発射部材は、ジョーの閉鎖を駆動している。第2のライン8524によって表される第2又は発射相では、発射部材は、ステープルを展開し、組織を切断している。発射部材が閉鎖相中に並進している速度(すなわち、閉鎖速度)、及び発射部材が発射相中に並進している速度(すなわち、発射速度)は、両方とも制御可能なパラメータである。更に、制御システム8111が発射部材の並進を停止し、又は他の是正措置がとられる前に、外科用器具によってもたらすことが可能な最大の力を表す力閾値は、同様に制御可能なパラメータである。力閾値は、利用されている特定の外科用器具構成要素タイプに依存し得る。例えば、第1の力閾値FTは、標準又はベースの力限界を表すことができ、第2の力閾値FTは、特定のシャフトタイプの力限界を表すことができ、第3の力閾値FTは、特定のカートリッジタイプの力限界を表すことができる。様々な態様では、これらの制御可能なパラメータは、外科用器具用の制御システム8111によって自動的に選択、及び/又は、ユーザによって手動で選択することができる。この特定のグラフ8510は、外科用器具用の制御システム8111が2つの別個のプロセスを実行していることを示している。
【0117】
具体的には、グラフ8510は、図28に示されるプロセス8400を実行している制御回路1210が、外科用ステープラとして外科用器具を識別する外科用器具からの第1のデータを受信し(8402)、ユーザを識別する第2のデータを受信し(8404)、ユーザ識別が、許可された閉鎖速度範囲8518から選択された特定の外科用ステープラ閉鎖速度設定と、許可された発射速度範囲8522から選択された特定の外科用ステープラ発射速度設定とに関連付けられることを判定し(8406)、次いで、選択された速度で発射部材を駆動するように外科用ステープラを制御している(8408)ことを示す。
【0118】
更に、グラフ8510は、図23に示されるプロセス8300又は図24に示されるプロセス8350を実行している制御回路1210が、外科用ステープラとして外科用器具を識別する外科用器具から第1のデータを受信し(8302、8352)、カートリッジタイプを識別するステープルカートリッジからの第2のデータを受信し(8304、8354)、カートリッジタイプが外科用ステープラの特定の力閾値設定に関連付けられていることを判定し(8306、8356)、次いで、決定した力閾値を実行するように外科用器具を制御している(8308、8358)ことを示す。
【0119】
図30によって実証されるように、本明細書に記載の様々なプロセス、又はその任意の好適な部分は、外科用器具を制御するための任意の組み合わせ又は配置で互いに組み合わせて利用され得る。したがって、記載されたプロセスの任意の組み合わせを実装している制御システム8111は、本開示の範囲内であることが意図される。
【0120】
更に別の例として、図31は、図28に示されるプロセス8400を実行している制御システム8111を含む外科用ステープラの予言的発射について、縦軸8532によって表される力と、横軸8534によって表される時間との間の関係を示すグラフ8530を示す。組織をクランプした後、外科用ステープラは、時間tの間待機した後、クランプされた組織を切断する、又は他のアクションを実行するようにプログラムされている。待機時間tは、制御可能なパラメータである。様々な態様では、待機時間tは、外科用ステープラのユーザによって手動で選択され、及び/又は外科用ステープラの制御システム8111によって制御され得る。この例では、制御回路1210は、外科用ステープラとして外科用器具を識別する外科用器具から、及び/又はカートリッジタイプを識別するステープルカートリッジから第1のデータを受信し(8402)、ユーザを識別する第2のデータを受信し(8404)、ユーザ識別情報が外科用ステープラの特定の待機時間t設定に関連付けられていることを判定し(8406)、次いで、ライン8536によって示されるように、待機時間t設定によって定義される期間にわたって待機するように外科用ステープラを制御している(8408)。
【0121】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、連続的に走査されたデバイスに従って動作設定を更新するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図32に示されるプロセス8450を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、デバイス又は外科用器具に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信する(8452)。したがって、制御回路1210は、走査されたデバイスに基づいて動作設定の動作設定を決定することができる(8454)。更に、制御回路1210は、その後、RFIDスキャナ8008を介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグからの第2のデータを受信することができる(8456)。したがって、制御回路1210は、第2のデバイスに従って決定された動作設定を更新することができる。例えば、制御回路1210は、第1のデバイスに依存する第1の値から第1及び第2のデバイスの両方に依存する第2の値に動作設定を変更することができる。デバイスから受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。一例として、外科用器具8002は、RFIDスキャナ8008を含むトロカールを含むことができる。第1のデバイスがトロカールを通して挿入されると、制御回路1210は、第1のデバイスと関連付けられたRFIDタグを読み取り、次いで、そのデバイスの検出に基づいて、外科用システムと関連付けられた動作設定を更新することができる。次いで、第2のデバイスがトロカールを通して挿入されると、制御回路1210は、第2のデバイスと関連付けられたRFIDタグを読み取り、次いで、それに応じて動作設定を更新することができる。この例における動作設定は、例えば、発生器電力設定、外科用ステープラ発射速度、又はデバイス交換数を追跡するカウンターを含むことができる。したがって、プロセス8450を実行している制御回路1210は、追加のデバイスが手術室又は手術環境内に導入されると、動作設定を連続的に更新することができる。
【0122】
一態様では、外科用器具8002の制御システム8111は、その走査された構成要素に従って外科用器具8002のデフォルトの動作アルゴリズムを自動的に更新するように構成することができる。例えば、制御システム8111は、図33に示されるプロセス8700を実行することができる。したがって、制御回路1210は、例えば、制御回路1210が連結されているRFIDスキャナ8008(図7A)などの1つ以上のRFIDスキャナを介して、第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信し(8702)、第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信する(8704)。受信したデータは、例えば、デバイスのシリアル番号、デバイスタイプ、及び/又はデバイスに関連付けられた特性若しくはパラメータを示すことができる。一態様では、RFIDスキャナ8008は、図13及び図14に関連して上述したように、構成要素の各々に関連付けられたRFIDタグが、外科用器具8002の組み立て又は利用の自然な結果として、RFIDスキャナ8008によって自然に読み取られるように位置付けることができる。
【0123】
更に、制御回路1210は、受信されたデータに対する外科用器具8002のデフォルト制御アルゴリズムに対する調整を決定することができる(8706)。更に、制御回路1210は、決定された調整に基づいて、デフォルト制御アルゴリズムを更新された制御アルゴリズムに更新することができる(8708)。制御アルゴリズムは、外科用器具8002自体(又はその構成要素)がどのように制御されるか、又は第3のデバイス(例えば、外科用器具8002が連結されている外科用発生器)がどのように制御されるかを決定することができる。
【0124】
図33のプロセス8700による一例では、外科用器具8002は、超音波外科用器具であり、第1及び第2のデバイスは、外科用器具8002のデフォルトの固有周波数に対する調整を示す、第1のデータ及び第2のデータをそれぞれ格納するRFIDタグ8006を備えた超音波トランスデューサ及び超音波導波管である。超音波外科用器具は、定義された周波数帯域又は範囲(例えば、53~57kHz)内で動作するように設計されている。超音波エネルギーは、超音波ブレードの予め定義された変位量を駆動するために使用される。超音波エネルギーは、所望の組織処置機能を完了するために、超音波トランスデューサから超音波導波管を通して超音波ブレードに伝達される。第1及び第2のデバイスの製造プロセスは、質量変動、材料密度変動、及び/又は、超音波外科用器具の固有周波数をシフトし、出力変位に違いを引き起こす可能性のあるアセンブリ変動をもたらすことができる。したがって、製造中に、第1及び第2のデバイスの各々を試験して、それに関連付けられた固有周波数を取り込むことができる。第1のデバイス及び第2のデバイスのRFIDタグ8006は、それぞれ、取り込まれた固有周波数を示す第1のデータ及び第2のデータを記憶することができる。
【0125】
上記に加えて、制御回路1210は、第1のデータ及び第2のデータに基づいて外科用器具8002のデフォルトの固有周波数に対する調整を決定する(8706)ように構成することができ、外科用器具8002に関連付けられた発生器又はハンドルアセンブリに、超音波トランスデューサに送達される電力を調整させ、決定された調整に基づいて、更新された固有周波数を生成する(8708)ことができる。これは、外科用器具がその構成要素の特定の設計及び/又は製造パラメータに合わせた出力を有することによって、デバイス間の機能及び変動を最適化する。更に、更新された固有周波数で動作することは、望ましくない応力を低下させ、破損の機会を低減するであろう。少なくとも1つの例では、制御回路1210は、例えば、送信されたデバイス番号、種類、又は製造業者などの任意の好適な識別情報を介して識別することができる、外科用器具8002の対応するデバイスについて、固有周波数調整のルックアップテーブルを使用することができる。
【0126】
簡潔にするために、上記の様々なプロセスは、図7に示される制御回路1210によって実行されているものとして説明される。しかしながら、これは制御回路の非限定的な例であり、図示されたプロセスは、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むこみ得る回路によって実行され得ることを認識されたい。別の例として、プロセスは、記載された機能を実行するように構成されているASICとして具体化することができる。更に別の例として、プロセスは、プロセッサによって実行されると、プロセッサ又はデバイスに記載された機能を実行させる、プロセッサに連結されたメモリに記憶された命令として具体化することができる。制御回路は、例えば、図7に示される制御回路1210、図5及び図6に示される外科用ハブ11206のプロセッサモジュール11232、及び様々な他のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができる。
【0127】
様々な態様では、図17図18図20図23図33に関連して説明されるプロセスで利用される第1のデバイス及び第2のデバイスのうちの1つは、デバイス包装であり得る。一例では、第2のデバイスは、第1のデバイスのデバイス包装である。別の例では、第2のデバイスは、外科用器具8002に解放可能に連結可能な第3のデバイスのデバイス包装である。少なくとも1つの例では、第1のデバイスは、ハウジングアセンブリ8004a(図12)であり、第2のデバイスは、ハウジングアセンブリ8004aの包装である。そのような例では、デバイス包装は、ハウジングアセンブリ8004aに関する情報を記憶するRFIDタグを含むことができる。記憶された情報は、デバイス包装が開封又は改ざんされているかどうかを示すことができ、包装されたデバイスの有効期限を示すことができ、並びに/又は、適合性及び/若しくは認証情報を含むことができる。
【0128】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0129】
実施例セット1
・ 実施例1-外科用システムと共に使用するための外科用器具用の制御システムであって、外科用システムは、第1のデバイスと、第2のデバイスと、を備え、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結されている制御回路と、を備える、制御システム。制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、第1のデータ及び第2のデータに従って、第1のデバイス及び第2のデータに適した通信プロトコルを決定すること、並びに外科用器具に、第1のデバイス及び第2のデバイスと通信するための決定された通信プロトコルを利用させること、を行うように構成されている。
・ 実施例2-第1のデバイス及び第2のデバイスの各々が、外科用ハブ、視覚化システム、及びロボット外科用システムからなる群から選択される、実施例1に記載の制御システム。
・ 実施例3-外科用器具が、外科用ステープラ、電気外科用器具、超音波外科用器具、外科用クリップアプライヤ、及びトロカールからなる群から選択される、実施例1又は2に記載の制御システム。
・ 実施例4-制御回路が、決定された通信プロトコルを介して、第1のデバイス又は第2のデバイスのうちの少なくとも1つから外科用器具の動作設定を受信するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例5-制御回路が、決定された通信プロトコルを介して、第1のデバイス又は第2のデバイスのうちの少なくとも1つに動作設定を伝送するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例6-外科用器具用の制御システムであって、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、ディスプレイスクリーンと、を含む、制御システム。制御回路は、第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、並びに第1のデータ及び第2のデータに従って外科処置の種類を決定すること、を行うように構成されている。
・ 実施例7-第1のデバイス又は第2のデバイスのうちの少なくとも1つが、外科用器具の構成要素である、実施例6に記載の制御システム。
・ 実施例8-構成要素が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、実施例7に記載の制御システム。
・ 実施例9-第1のデバイス又は第2のデバイスのうちの少なくとも1つが、外科用ハブ、視覚化システム、及びロボット外科用システムからなる群から選択される、実施例6~8のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例10-外科用器具が、外科用ステープラ、電気外科用器具、超音波外科用器具、外科用クリップアプライヤ、及びトロカールからなる群から選択される、実施例6~9のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例11-ディスプレイスクリーンを更に備え、制御回路が、ディスプレイスクリーンに外科処置の種類に関連する情報を表示させるように更に構成されている、実施例6~10のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例12-情報が、外科処置の種類を実行する工程を含む、実施例11に記載の制御システム。
・ 実施例13-外科用器具用の制御システムであって、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、ディスプレイスクリーンと、を含む、制御システム。制御回路は、RFIDスキャナを介して外科用器具に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信することであって、第1のデータがデバイスを識別する、こと、RFIDスキャナを介して第2のRFIDタグから第2のデータを受信することであって、第2のデータがユーザを識別する、こと、並びにユーザ及びデバイスに対応するユーザ設定を決定すること、を行うように構成されている。
・ 実施例14-第2のRFIDタグが、ユーザによって装着可能なバンド上に配置されている、実施例13に記載の制御システム。
・ 実施例15-外科用器具が、外科用ステープラ、電気外科用器具、超音波外科用器具、外科用クリップアプライヤ、及びトロカールからなる群から選択される、実施例13又は14に記載の制御システム。
・ 実施例16-ディスプレイスクリーンを更に備え、制御回路が、ディスプレイスクリーンに決定されたユーザ設定に従って外科用器具に関連する情報を表示させるように更に構成されている、実施例13~15のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例17-決定されたユーザ設定が、視覚化システムの倍率を含む、実施例13~16のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例18-決定されたユーザ設定が、ディスプレイスクリーンによって表示されるグラフィカルユーザインターフェースのレイアウトを含む、実施例13~16のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例19-決定されたユーザ設定が、外科用器具のカスタマイズされた動作設定を含む、実施例13~16のいずれか1つに記載の制御システム。
【0130】
実施例セット2
・ 実施例1-外科用器具用の制御システムであって、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、及び第1のデータと第2のデータの比較に基づいて第1のデバイスと第2のデバイスの適合性を検証すること、を行うように構成されている、制御システム。
・ 実施例2-ディスプレイスクリーンを更に備え、制御回路が、第1のデバイス及び第2のデバイスが不適合であるという警告をディスプレイスクリーンを通して提供するように構成されている、実施例1に記載の制御システム。
・ 実施例3-ディスプレイスクリーンは、外科用器具が通信可能に連結されている外科用ハブと一体である、実施例2に記載の制御システム。
・ 実施例4-第1のデバイスが外科用器具の第1の構成要素を含み、第2のデバイスが外科用器具の第2の構成要素を含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例5-第1の構成要素及び第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、実施例4に記載の制御システム。
・ 実施例6-RFIDスキャナが、第1の構成要素及び第2の構成要素が組み立てられて外科用器具を形成する際に、第1のRFIDタグ及び第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、実施例4又は5に記載の制御システム。
・ 実施例7-RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、制御システムが第2のRFIDスキャナを更に備え、第1の構成要素及び第2の構成要素が組み立てられて外科用器具を形成する際に、第1のRFIDスキャナは、第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、第2のRFIDスキャナは、第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、実施例4又は5に記載の制御システム。
・ 実施例8-制御回路が、第1のデバイス及び第2のデバイスが不適合であることに従って、外科用器具の動作を阻止するように更に構成されている、実施例1~7のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例9-外科用器具用の制御システムであって、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、第1のデータと第2のデータとの間の比較に基づいて第1のデバイスが第2のデバイスと不適合であることを判定すること、及び第2のデバイスの代替として第3のデバイスの提案を提供すること、を行うように構成されている、制御システム。
・ 実施例10-ディスプレイスクリーンを更に備え、制御回路が警告を提供するように構成されており、警告は、ディスプレイスクリーンを介して表示される通知を含む、実施例9に記載の制御システム。
・ 実施例11-ディスプレイスクリーンは、外科用器具が通信可能に連結されている外科用ハブと一体である、実施例10に記載の制御システム。
・ 実施例12-第1のデバイスが外科用器具の第1の構成要素を含み、第2のデバイスが外科用器具の第2の構成要素を含む、実施例9~11のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例13-第1の構成要素及び第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、実施例12に記載の制御システム。
・ 実施例14-RFIDスキャナが、第1の構成要素及び第2の構成要素が組み立てられて外科用器具を形成する際に、第1のRFIDタグ及び第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、実施例12又は13に記載の制御システム。
・ 実施例15-RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、制御システムが第2のRFIDスキャナを更に備え、第1の構成要素及び第2の構成要素が組み立てられて外科用器具を形成する際に、第1のRFIDスキャナは、第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、第2のRFIDスキャナは、第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、実施例12又は13に記載の制御システム。
・ 実施例16-第1のデバイス及び第2のデバイスが不適合であることを判定することにより、制御回路に外科用器具の動作を阻止させる、実施例9~15のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例17-外科用器具用の制御システムであって、外科用器具は外科用システムと共に使用するためのものであり、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、第1のデータに従って外科用システムの動作設定を決定すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、並びに第1のデータ及び第2のデータに従って動作設定を第1の値から第2の値に更新すること、を行うように構成されている、制御システム。
・ 実施例18-動作設定が外科用器具用である、実施例17に記載の制御システム。
・ 実施例19-動作設定が外科用システムの第3のデバイス用である、実施例17に記載の制御システム。
・ 実施例20-RFIDスキャナが、第1のデバイス及び第2のデバイスが外科用器具と組み合わせて使用されている結果として、第1のRFIDタグ及び第2のRFIDタグの各々を読み取るように構成されている、実施例17~19のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例21-外科用器具がトロカールを含み、RFIDスキャナが、第1のデバイスの第1のRFIDタグ及び第2のデバイスの第2のRFIDタグの各々を、これらがトロカールを通して挿入される際に読み取るように位置付けられている、実施例17~20のいずれか1つに記載の制御システム。
【0131】
実施例セット3
・ 実施例1-外科用器具用の制御システムであって、外科用器具は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、を含み、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、制御回路は、RFIDスキャナを介して第1のデバイスに関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、RFIDスキャナを介して第2のデバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、第1のデータ及び第2のデータに従って外科用器具の種類を判定すること、並びに外科用器具の種類に従って動作設定を決定すること、を行うように構成されている、制御システム。
・ 実施例2-第1のデバイスが外科用器具の第1の構成要素を含み、第2のデバイスが外科用器具の第2の構成要素を含む、実施例1に記載の制御システム。
・ 実施例3-第1の構成要素及び第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、実施例2に記載の制御システム。
・ 実施例4-RFIDスキャナが、第1の構成要素及び第2の構成要素が組み立てられて外科用器具を形成する際に、第1のRFIDタグ及び第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、実施例2又は3に記載の制御システム。
・ 実施例5-RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、制御システムが第2のRFIDスキャナを更に備え、第1の構成要素及び第2の構成要素が組み立てられて外科用器具を形成する際に、第1のRFIDスキャナは、第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、第2のRFIDスキャナは、第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、実施例2又は3に記載の制御システム。
・ 実施例6-制御システムが、外科用器具と一体である、実施例1~5のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例7-制御システムは、外科用器具が通信可能に連結可能である外科用ハブと一体である、実施例1~5のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例8-動作設定が外科用器具用である、実施例1~7のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例9-動作設定は、外科用器具が通信可能に連結可能である第3のデバイス用である、実施例1~7のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例10-外科用器具用の制御システムであって、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、制御回路は、RFIDスキャナを介して外科用器具に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信することであって、第1のデータが外科用器具を識別する、こと、外科用器具と共に使用するための消耗デバイスが外科用器具内に挿入されていることに応答して、RFIDスキャナを介して消耗デバイスに関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信することであって、第2のデータが消耗デバイスを識別する、こと、外科用器具及び消耗デバイスに対応する動作設定を決定すること、並びに決定された動作設定に従って外科用器具を制御すること、を行うように構成されている、制御システム。
・ 実施例11-外科用器具がクリップアプライヤを含み、消耗デバイスが外科用クリップを含み、動作設定が、外科用器具によって外科用クリップに加えられる力プロファイル、又は外科用器具によって外科用クリップに加えられる最大力からなる群から選択される、実施例10に記載の制御システム。
・ 実施例12-外科用器具がステープラを含み、ステープラは、Iビームと、第1の位置と第2の位置との間でIビームを駆動するように構成されているモータと、を備え、消耗デバイスがステープルカートリッジを含み、動作設定が、モータがIビームを駆動する速度を含む、実施例10に記載の制御システム。
・ 実施例13-制御システムが、外科用器具と一体である、実施例10~12のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例14-制御システムは、外科用器具が通信可能に連結可能である外科用ハブと一体である、実施例10~12のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例15-動作設定が外科用器具用である、実施例10~14のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例16-動作設定は、外科用器具が通信可能に連結可能である第3のデバイス用である、実施例10~14のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例17-外科用器具用の制御システムであって、制御システムは、RFIDスキャナと、RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、制御回路は、RFIDスキャナを介して外科用器具に関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信することであって、第1のデータが外科用器具を識別する、こと、RFIDスキャナを介して第2のRFIDタグから第2のデータを受信することであって、第2のデータが外科用器具のユーザを識別する、こと、ユーザ及び外科用器具に対応する動作設定を決定すること、並びに決定された動作設定に従って外科用器具を制御すること、を行うように構成されている、制御システム。
・ 実施例18-制御回路が、外科用器具のパラメータに対応する動作範囲を読み出し、ユーザに従って動作範囲内から動作設定を選択すること、を行うように構成されている、実施例17に記載の制御システム。
・ 実施例19-第1のRFIDタグが、外科用器具の構成要素に関連付けられている、実施例17又は18に記載の制御システム。
・ 実施例20-RFIDスキャナは、構成要素が外科用器具に連結される際に、第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、実施例19に記載の制御システム。
・ 実施例21-第2のRFIDタグが、ユーザによって装着可能なバンド上に配置されている、実施例17~20のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例22-動作設定が、ステープル高さ、外科用器具の電力レベル、外科用器具のエンドエフェクタに連結されたモータがエンドエフェクタを閉鎖させる際の閉鎖速度、外科用器具の発射部材に連結されたモータが発射部材を前進させる際の発射速度、及び外科用器具の超音波ブレードの共振周波数からなる群から選択される、実施例17~21のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例23-制御システムが、外科用器具と一体である、実施例17~22のいずれか1つに記載の制御システム。
・ 実施例24-制御システムは、外科用器具が通信可能に連結可能である外科用ハブと一体である、実施例17~22のいずれか1つに記載の制御システム。
【0132】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0133】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台若しくは2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台若しくは2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、1つ若しくは2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
【0134】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0135】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0136】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0137】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0138】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0139】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0140】
様々な態様では、本開示による制御回路のマイクロコントローラは、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0141】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0142】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0143】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハウジング部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0144】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0145】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0146】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0147】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0148】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、また必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0149】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0150】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具用の制御システムであって、前記制御システムは、
RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、前記制御回路は、
前記RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、
前記RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、及び
前記第1のデータと前記第2のデータの比較に基づいて前記第1のデバイスと前記第2のデバイスの適合性を検証すること、を行うように構成されている、制御システム。
(2) ディスプレイスクリーンを更に備え、
前記制御回路が、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが不適合であるという警告を、前記ディスプレイスクリーンを通して提供するように構成されている、実施態様1に記載の制御システム。
(3) 前記ディスプレイスクリーンは、前記外科用器具が通信可能に連結されている外科用ハブと一体である、実施態様2に記載の制御システム。
(4) 前記第1のデバイスが前記外科用器具の第1の構成要素を含み、前記第2のデバイスが前記外科用器具の第2の構成要素を含む、実施態様1に記載の制御システム。
(5) 前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、実施態様4に記載の制御システム。
【0151】
(6) 前記RFIDスキャナが、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDタグ及び前記第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、実施態様4に記載の制御システム。
(7) 前記RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、前記制御システムは、
第2のRFIDスキャナを更に含み、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDスキャナは、前記第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、前記第2のRFIDスキャナは、前記第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、実施態様4に記載の制御システム。
(8) 前記制御回路が、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが不適合であることに従って、前記外科用器具の動作を阻止するように更に構成されている、実施態様1に記載の制御システム。
(9) 外科用器具用の制御システムであって、前記制御システムは、
RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、前記制御回路は、
前記RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、
前記RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の比較に基づいて前記第1のデバイスが前記第2のデバイスと不適合であると判定すること、及び
前記第2のデバイスの代替として第3のデバイスの提案を提供すること、を行うように構成されている、制御システム。
(10) ディスプレイスクリーンを更に備え、
前記制御回路が警告を提供するように構成されており、前記警告は、前記ディスプレイスクリーンを介して表示される通知を含む、実施態様9に記載の制御システム。
【0152】
(11) 前記ディスプレイスクリーンは、前記外科用器具が通信可能に連結されている外科用ハブと一体である、実施態様10に記載の制御システム。
(12) 前記第1のデバイスが前記外科用器具の第1の構成要素を含み、前記第2のデバイスが前記外科用器具の第2の構成要素を含む、実施態様9に記載の制御システム。
(13) 前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の各々が、ハンドピース、電池、モータアセンブリ、シャフト、エンドエフェクタ、及び消耗品からなる群から選択される、実施態様12に記載の制御システム。
(14) 前記RFIDスキャナが、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDタグ及び前記第2のRFIDタグの各々を読み取るように位置付けられている、実施態様12に記載の制御システム。
(15) 前記RFIDスキャナが第1のRFIDスキャナを含み、前記制御システムは、
第2のRFIDスキャナを更に含み、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が組み立てられて前記外科用器具を形成する際に、前記第1のRFIDスキャナは、前記第1のRFIDタグを読み取るように位置付けられており、前記第2のRFIDスキャナは、前記第2のRFIDタグを読み取るように位置付けられている、実施態様12に記載の制御システム。
【0153】
(16) 前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが不適合であることを判定することにより、前記制御回路に前記外科用器具の動作を阻止させる、実施態様9に記載の制御システム。
(17) 外科用器具用の制御システムであって、前記外科用器具は外科用システムと共に使用するためのものであり、前記制御システムは、
RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナに連結された制御回路と、を含み、前記制御回路は、
前記RFIDスキャナを介して第1のデバイスと関連付けられた第1のRFIDタグから第1のデータを受信すること、
前記第1のデータに従って前記外科用システムの動作設定を決定すること、
前記RFIDスキャナを介して第2のデバイスと関連付けられた第2のRFIDタグから第2のデータを受信すること、並びに
前記第1のデータ及び前記第2のデータに従って前記動作設定を第1の値から第2の値に更新すること、を行うように構成されている、制御システム。
(18) 前記動作設定が前記外科用器具用である、実施態様17に記載の制御システム。
(19) 前記動作設定が前記外科用システムの第3のデバイス用である、実施態様17に記載の制御システム。
(20) 前記RFIDスキャナが、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスが前記外科用器具と組み合わせて使用されている結果として、前記第1のRFIDタグ及び前記第2のRFIDタグの各々を読み取るように構成されている、実施態様17に記載の制御システム。
【0154】
(21) 前記外科用器具がトロカールを含み、
前記RFIDスキャナが、前記第1のデバイスの前記第1のRFIDタグ及び前記第2のデバイスの前記第2のRFIDタグの各々を、これらが前記トロカールを通して挿入される際に読み取るように位置付けられている、実施態様17に記載の制御システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図7A
図8
図9
図10
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図21A
図21B
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図32
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【国際調査報告】