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特表2022-538931ピラジン-2(1H)-オン系化合物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(54)【発明の名称】ピラジン-2(1H)-オン系化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 5/02 20060101AFI20220830BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20220830BHJP
   A61K 31/497 20060101ALN20220830BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20220830BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220830BHJP
【FI】
C07F5/02 C
C07D403/14
A61K31/497
A61P43/00 111
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507754
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2020106895
(87)【国際公開番号】W WO2021023193
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】201910731662.9
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911059973.1
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】520089004
【氏名又は名称】▲ザン▼州片仔▲ファン▼薬業股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHANGZHOU PIEN TZE HUANG PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、チンミン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、チュアン
(72)【発明者】
【氏名】リン、チンシア
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、リーメイ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン、チンシアン
(72)【発明者】
【氏名】フー、チーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、ミャオロン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チエン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シューホイ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
4H039
4H048
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC34
4C063DD34
4C063EE01
4C086AA02
4C086AA04
4C086BC48
4C086GA07
4C086GA14
4C086ZC20
4C086ZC42
4H039CA99
4H039CD20
4H048AA02
4H048AC30
4H048VA12
4H048VA20
4H048VA32
4H048VA75
(57)【要約】
本発明は式(I)で表される化合物及びその中間体の製造方法を提供する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物5を用いて化合物6を製造する方法であって、その反応ステップは、下記のとおりである方法。
【化1】
【請求項2】
化合物2を用いて式(I)で表される化合物を製造する方法であって、その反応ステップは、下記のとおりである方法。
【化2】
【請求項3】
化合物6を用いて式(I)で表される化合物を製造する方法であって、その反応ステップは、下記のとおりである方法。
【化3】
【請求項4】
反応温度は、10~60℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの当量比は、0.3~3である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
反応温度は、20~40℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの当量比は、0.5~1.5である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
反応温度は、30℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの当量比は、1.0である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
【化4】

温度1が70~110℃から選ばれ、
時間1が2~20時間から選ばれ、
アルカリ1が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒1がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物3と化合物2との投入比が0.5~1.6:1であり、
温度2が80~120℃から選ばれ、
時間2が2~24時間から選ばれ、
アルカリ2が炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒2がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
ビス(ピナコラート)ジボロンと化合物4との投入比が0.7~3であり、
温度3が10~60℃から選ばれ、
化合物5とN-クロロスクシンイミドとの投入比が0.3~3であり、
温度5が50~110℃から選ばれ、
時間5が1~20時間から選ばれ、
アルカリ5が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒5がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物7と化合物6との投入比が0.6~1.8であり、
温度6が50~110℃から選ばれ、
時間6が2~20時間から選ばれ、
アルカリ6が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒6がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物9と化合物8との投入比が0.6~1.8である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
温度1が85~90℃から選ばれ、時間1が4~10時間から選ばれ、化合物3と化合物2との投入比が0.7~1.3であり、温度2が85~100℃から選ばれ、時間2が10~20時間から選ばれ、ビス(ピナコラート)ジボロンと化合物4との投入比が1.5~2.5であり、温度3が20~40℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの投入比が0.5~1.5であり、温度5が50~70℃から選ばれ、時間5が1~3時間から選ばれ、化合物7と化合物6との投入比が1.2~1.8であり、温度6が70~90℃から選ばれ、時間6が14~18時間から選ばれ、化合物9と化合物8との投入比が1.2~1.6である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
温度1が85℃から選ばれ、時間1が6時間から選ばれ、化合物3と化合物2との投入比が0.7であり、温度2が95℃から選ばれ、時間2が16時間から選ばれ、ビス(ピナコラート)ジボロンと化合物4との投入比が2.0であり、温度3が30℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの投入比が1.0であり、温度5が60℃から選ばれ、時間5が2時間から選ばれ、化合物7と化合物6との投入比が1.5であり、温度6が80℃から選ばれ、時間6が16時間から選ばれ、化合物9と化合物8との投入比が1.4である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
【化5】

温度4が50~110℃から選ばれ、
時間4が2~20時間から選ばれ、
アルカリ4が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒4がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物10と化合物6との投入比が0.6~1.8である、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
温度4が85~90℃から選ばれ、時間4が4~10時間から選ばれ、化合物10と化合物6との投入比が0.8~1.2である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
温度4が100℃から選ばれ、時間4が5時間から選ばれ、化合物10と化合物6との投入比が1.0である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は下記の優先権を主張する。
CN201910731662.9、2019年8月8日
CN201911059973.1、2019年11月1日
【0002】
本発明は、式(I)で表される化合物及びその中間体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
繊維芽細胞成長因子受容体(FGFR)は、繊維芽細胞成長因子(FGF)シグナル伝達の受容体であり、そのファミリーは、4つのメンバー(FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4)からなり、細胞外免疫グロブリン(Ig)様ドメイン、疎水性膜貫通領域及びチロシンキナーゼ領域を含む細胞内部分からなる糖タンパク質である。繊維芽細胞成長因子(FGF)は、これらの受容体(FGFR)を通じて細胞増殖、細胞分化、細胞遊走及び血管新生などの多くの生理学的調節過程において重要な役割を果たしている。多くの証拠は、FGFシグナル経路異常(高発現、遺伝子増幅、遺伝子変異、染色体組み換えなど)を腫瘍細胞の増殖、遷移、侵入及び血管形成などの多くの病的過程と直接関連している。そのため、FGFRは、重要な治療ターゲットの1つとして広範な研究開発が注目されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以下の反応ステップを含む、式(I)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0005】
【化1】
【0006】
本発明は、化合物5を用いて化合物6を製造する方法を提供し、その反応ステップは、以下のとおりである。
【0007】
【化2】
【0008】
本発明は、化合物2を用いて式(I)で表される化合物を製造する方法を提供し、その反応ステップは、以下のとおりである。
【0009】
【化3】
【0010】
本発明は、化合物6を用いて式(I)で表される化合物を製造する方法を提供し、その反応ステップは、以下のとおりである。
【0011】
【化4】

【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のいくつかの態様では、化合物5を用いて化合物6を製造する前記方法の反応温度は、10~60℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの当量比は、0.3~3である。
【0013】
本発明のいくつかの態様では、化合物5を用いて化合物6を製造する前記方法の反応温度は、20~40℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの当量比は、0.5~1.5である。
【0014】
本発明のいくつかの態様では、化合物5を用いて化合物6を製造する前記方法の反応温度は、30℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの当量比は、1.0である。
【0015】
本発明のいくつかの態様では、化合物2を用いて式(I)で表される化合物を製造する前記方法において、
【化5】

ここで、
温度1は70~110℃から選ばれ、
時間1は2~20時間から選ばれ、
アルカリ1は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒1はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物3と化合物2との投入比は0.5~1.6であり、
温度2は80~120℃から選ばれ、
時間2は2~24時間から選ばれ、
アルカリ2は炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒2はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
ビス(ピナコラート)ジボロンと化合物4との投入比は0.7~3であり、
温度3は10~60℃から選ばれ、
化合物5とN-クロロスクシンイミドとの投入比は0.3~3であり、
温度5は50~110℃から選ばれ、
時間5は1~20時間から選ばれ、
アルカリ5は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒5はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物7と化合物6との投入比は0.6~1.8であり、
温度6は50~110℃から選ばれ、
時間6は2~20時間から選ばれ、
アルカリ6は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒6はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物9と化合物8との投入比は0.6~1.8である。
【0016】
本発明のいくつかの態様では、化合物2を用いて式(I)で表される化合物を製造する前記方法において、温度1は85~90℃から選ばれ、時間1は4~10時間から選ばれ、化合物3と化合物2との投入比は0.7~1.3であり、温度2は85~100℃から選ばれ、時間2は10~20時間から選ばれ、ビス(ピナコラート)ジボロンと化合物4との投入比は1.5~2.5であり、温度3は20~40℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの投入比は0.5~1.5であり、温度5は50~70℃から選ばれ、時間5は1~3時間から選ばれ、化合物7と化合物6との投入比は1.2~1.8であり、温度6は70~90℃から選ばれ、時間6は14~18時間から選ばれ、化合物9と化合物8との投入比は1.2~1.6である。
【0017】
本発明のいくつかの態様では、化合物2を用いて式(I)で表される化合物を製造する前記方法において、温度1は85℃から選ばれ、時間1は6時間から選ばれ、化合物3と化合物2との投入比は0.7であり、温度2は95℃から選ばれ、時間2は16時間から選ばれ、ビス(ピナコラート)ジボロンと化合物4との投入比は2.0であり、温度3は30℃から選ばれ、化合物5とN-クロロスクシンイミドとの投入比は1.0であり、温度5は60℃から選ばれ、時間5は2時間から選ばれ、化合物7と化合物6との投入比は1.5であり、温度6は80℃から選ばれ、時間6は16時間から選ばれ、化合物9と化合物8との投入比は1.4である。
【0018】
本発明のいくつかの態様では、化合物6を用いて式(I)で表される化合物を製造する前記方法において、
【化6】

ここで、
温度4は50~110℃から選ばれ、
時間4は2~20時間から選ばれ、
アルカリ4は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸パラジウム及びリン酸カリウムから選ばれ、
触媒4はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(dppf)Cl及びPddbaから選ばれ、
化合物10と化合物6との投入比は0.6~1.8である。
【0019】
本発明のいくつかの態様では、化合物6を用いて式(I)で表される化合物を製造する前記方法において、温度4は85~90℃から選ばれ、時間4は4~10時間から選ばれ、化合物10と化合物6との投入比は0.8~1.2である。
【0020】
本発明のいくつかの態様では、化合物6を用いて式(I)で表される化合物を製造する前記方法において、温度4は100℃から選ばれ、時間4は5時間から選ばれ、化合物10と化合物6との投入比は1.0である。
【0021】
本発明では、化合物6は、式(I)で表される化合物を製造する中間体である。
【発明の効果】
【0022】
式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩は、野生型FGFRに対して良好な阻害活性を示し、かつFGFR2、3は、FGFR1、4に対する選択性が高かった。式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩のマウスの薬物動態指標は、良好であった。
【0023】
本発明が提供する式(I)で表される化合物及びその化合物6を合成するプロセスの有益な効果は、原材料が安価で入手しやすく、使用される試薬の腐食性が強く、毒性が強く、反応条件が厳しく、分離精製困難及び工業化しにくいなどの欠点を克服することである。
【0024】
具体的には、
1)本発明の化合物6を製造する方法の原料は、常規又は汎用の試薬であり、市場で容易に入手可能であり、かつ安価である。
2)化合物6を製造する時、反応条件が温和で、制御しやすく、後処理が簡単で、固体生成物を直接析出し、簡単な再結晶により純度が比較的高い生成物を得ることができ、収率が高く、工業化しやすい。
【0025】
<定義と説明>
【0026】
他の説明がない限り、本明細書で使用される以下の用語及び語句は、以下の意味を有するように意図されている。ある特定の用語又は語句は、特に定義されていない場合に、「不確実」又は「不明瞭」であるものと理解されるべきではなく、通常の意味として理解されるべきである。本明細書で商品名が記載した場合、それに対応する商品やその有効成分を指すことが意図されている。
【0027】
本発明の化合物は、以下に列挙する具体的な実施形態、他の化学合成方法との組み合わせによって形成された実施形態、及び当業者に知られている等価代替方式を含む当業者に知られている様々な合成方法によって製造することができ、好適な実施形態は、本発明の実施例を含むが、それらに限らない。
【0028】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は、本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に合わねばならない適切な溶媒中で達成される。本発明の化合物を得るために、当業者が既存の実施形態からさらに、合成ステップ又は反応工程を修正又は選択する必要がある場合がある。
【0029】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は、本発明に対するいかなる限定を構成しない。
【0030】
本発明で使用される溶媒はいずれも市販されているものであり、さらなる精製を必要とせずに使用可能である。
【0031】
本明細で使用される略語は次のように定義される。eqは当量、等量を表し、DCMはジクロロメタンを表し、DMSOはジメチルスルホキシドを表し、MeOHはメタノールを表し、TFAはトリフロロ酢酸を表し、Pd(dppf)Clは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]ジクロロパラジウムを表し、Pddbaはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを表す。
【0032】
本発明で使用される溶媒は市販されているものであってもよく、市販化合物は供給者のディレクトリ名を採用している。混合溶媒を反応液に加える時に、まず、各溶媒を混合し、次いで、反応液に加えるか、又は反応液に各単一溶媒を順次に加えて反応系にて混合してもよい。
【0033】
化合物は本分野の常規命名ルール又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを用いて命名され、供給者のディレクトリ名を採用している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明に対していかなる不利な制限を意味しない。本明細書では、本発明について詳細に説明し、その具体的な実施形態も開示されているが、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に対して様々な変更及び改良を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【0035】
実施例1式(I)で表される化合物の合成
【0036】
【化7】
【0037】
ステップ1:化合物4の合成
1,4-ジオキサン(14.82L)、化合物2(3.0kg、16.77mol)を50L反応釜に入れ、水(8.72L)、化合物3(2.18kg、11.98mol)を加え、窒素ガスを30分送気し、炭酸ナトリウム(1.9kg、17.97mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(277g、0.24mol)を加え、窒素で3回置換し、この反応液を85℃まで昇温して6hr反応させた。冷却し、20.9L水を加え、室温まで冷却し、ろ過し、ろ過ケーキを水洗し、石油エステル:酢酸エチル=2:1(4.5L×2)で洗脱した。乾燥して黄色固体、即ち化合物4(3.39kg)を得た。
ステップ2:化合物5の合成
1,4-ジオキサン(17.6L)を50L反応釜に入れ、化合物4(2.35kg、8.37mol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(3.19kg、12.56mol)、酢酸カリウム(1.64kg、16.74mol)、トリシクロヘキシルホスフィン(140.9g、0.50mol)、Pd(dba)(153.3g、0.167mol)を加え、窒素で3回置換し、この反応液を95℃まで昇温して16hr反応させた。室温まで冷却し、ろ過し、ろ過ケーキを石油エステルで洗脱し、ろ過ケーキにジクロロメタン(17.6L)、水(11.5L)を加え、分液し、有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、珪藻土でろ過し、ろ過液を減圧濃縮し、粗生成物を石油エステル:酢酸エチル=1:1で叩解した。ろ過し、ろ過ケーキを石油エステル:酢酸エチル=2:1(1.5L)で洗脱し、乾燥して灰色固体、化合物5(2.37kg)を得た。
ステップ3:化合物6の合成
アセトニトリル25.1Lを50Lジャケット反応釜に入れ、攪拌を起動し、次いで、化合物5(2501.21g)を50Lジャケット反応釜に入れ、黄色懸濁液になり、30℃まで昇温し始め、次いで、三塩化アルミニウム90.31g、N-クロロスクシンイミド861.22gを順次に加え、30℃の温度下で、14h続けて反応させた。次いで、亜硫酸ナトリウム85.51gを加え、10分攪拌し、ジクロロメタン5.1Lを加え、0.5時間続けて攪拌し、珪藻土でろ過し、ろ過ケーキを0.5L×2 DCMで洗脱し、ろ過液を収集した。DCM5Lをジャケット反応釜に入れ、次いで、濃縮された固体粗生成物を反応釜に移してからノルマルヘプタン15.5Lを徐々に加え、20~30℃で1時間攪拌し、ろ過し、ろ過ケーキをDCM/ノルマルヘプタン(v/v=1/3)0.5L×2で洗脱し、ろ過ケーキを収集して45~50℃でオーブン乾燥し、固体を収集して化合物6(薄黄色固体)1750.41gを得た。
ステップ4:化合物8の合成
1,4-ジオキサン10.5L、水2.65Lをジャケット反応釜に入れ、攪拌し始め、化合物6(1750.41g)、化合物7(1630.91g)、炭酸カリウム894.52gを50Lジャケット反応釜に入れ、黄色懸濁液になり、次いで窒素で2回置換し、窒素ガス流れ下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム99.67gを反応系に加え、窒素ガス雰囲気下で、60℃まで昇温し始め、2時間続けて反応させた。水7.9Lを反応系に加え、固体を溶出し、1時間続けて攪拌し、次いで、室温まで冷却し、冷却完了後、テーブル型吸引ろ過漏斗を用いて吸引ろ過し、ろ過ケーキを水1L×2で洗脱した。エタノール/酢酸エチル(1/1)7.1Lを50Lジャケット反応釜に入れ、攪拌し始め、ろ過ケーキを50Lジャケット反応釜に移し、60℃まで昇温し、1~2時間続けて攪拌し、室温まで冷却し、テーブル型吸引ろ過漏斗を用いて吸引ろ過し、ろ過ケーキをエタノール/酢酸エチル(1/1)0.5L×2で洗脱した。オーブン乾燥し、固体を収集して化合物8(黄色固体)1441.42gを得た。
ステップ5:式(I)で表される化合物の合成
1,4-ジオキサン11.6L、水2.9Lをジャケット反応釜に入れ、攪拌し始め、化合物8(1440.21g)、化合物9(989.81g)、炭酸カリウム659.55gをジャケット反応釜に入れ、窒素で2回置換し、窒素ガス流れ下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム73.58gを反応系に加え、窒素ガス雰囲気下で、80℃まで昇温し始め、16時間続けて反応させた。水17.8Lを反応系に加え、固体を溶出し、1時間続けて攪拌し、次いで、室温まで冷却し、冷却完了後、吸引ろ過し、ろ過ケーキを水3L×2で洗脱した。エタノール/脱イオン水(1/1)7.3Lを50Lジャケット反応釜に入れ、攪拌し始め、ろ過ケーキを50Lジャケット反応釜に移し、60℃まで昇温し、1時間続けて攪拌し、室温まで冷却し、吸引ろ過し、ろ過ケーキをエタノール3L×2で洗脱した。オーブン乾燥し、固体を収集して式(I)で表される化合物(1167.21g)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.51 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 6.71 (d, J=2.8Hz, 1H), 6.63 (d, J=2.8Hz, 1H), 6.43 (brs, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 2.55 (s, 3H)。
【0038】
実施例2 式(I)で表される化合物の製造
【0039】
【化8】
【0040】
100mLバイアルにて、化合物6(1.64g、4.03mmol、1eq)、化合物10(1.08g、4.03mmol、1eq)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(466.01mg、403.28umol、0.1eq)及び炭酸カリウム(2.79g、20.16mmol、5eq)を1,4-ジオキサン(50mL)、水(13mL)に加え、反応系における空気を窒素で置換し、窒素飽和下で、100℃まで昇温して5時間還流撹拌した。大部分を減圧濃縮して溶解し、酢酸エチル(200mL)を加えて希釈し、水(100mL、100mL)で2回洗浄した。次いで、塩化ナトリウム飽和溶液(200mL)で1回洗浄し、最後に、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して減圧濃縮した。得られた粗生成物をDMSO(30mL)で溶解し、不溶物を濾過し、高速液体クロマトグラフィ(カラム:Boston Green ODS 150×30mm 5μm、移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:40%-48%、9min)で分離精製した。式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩(500mg、1.06mmol、収率:49.50%)を得た。この塩をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸ナトリウムを加えて洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ過液をスピン乾燥して式(I)で表される化合物を得た。
H NMR (400MHz, CDCl) δ: 8.51 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 6.71 (d, J=2.8Hz, 1H), 6.63 (d, J=2.8Hz, 1H), 6.43 (brs, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.92 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 2.55 (s, 3H)。
【0041】
実施例3:式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩の製造の合成
【0042】
【化9】
【0043】
ステップ1:化合物BB-1-3の合成
化合物BB-1-2(2.0g、11.49mmol、1eq)と化合物BB-1-1(2.6g、11.49mmol、1eq)を水(6.0mL)とジオキサン(25.0mL)に溶解し、次いで、[1,1’-ジ(ジフェニルホスフィン基)フェロセン]ジクロロパラジウム(841mg、1.15mmol、0.1eq)と炭酸カリウム(4.8g、34.48mmol、3eq)を加え、窒素ガス雰囲気下で、100℃まで加熱して16時間反応させた。得られた反応液を吸引ろ過してスピン乾燥し、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-0:1)で精製して化合物BB-1-3を得た。
MS (ESI) m/z: 190.0 [M+H]
ステップ2:化合物BB-1の合成
化合物BB-1-3(0.5g、2.64mmol、1eq)とピリジニル(209mg、2.64mmol、213.28μL、1eq)をクロロフォルム(20.0mL)に加え、0℃まで冷却してから臭素(422mg、2.64mmol、136.22μL、1eq)を加えた。室温28℃下で18時間反応させた。反応物をチオ硫酸ナトリウム(1.0mL)でクエンチングし、次いで、吸引ろ過し、ろ過液を濃縮し、粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-1:1)で精製した。化合物BB-1を得た。MS(ESI) m/z: 267.9 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.12 (s, 1 H) 7.90 (s, 1 H) 3.86 (s, 3 H) 2.43 (s, 3 H)。
ステップ3:化合物2の合成
窒素雰囲気下で、化合物BB-2-1(2.0g、18.77mmol、2.17mL、1eq、HCl)をクロロベンゼン(15.0mL)に溶解し、25℃で、化合物BB-2-2(8.3g、65.69mmol、5.8mL、3.5eq)を滴加し、混合物を90℃まで徐々に昇温し、16時間攪拌した。反応系に水(30.0mL)と酢酸エチル(30.0mL)を加え、静置分層しながら水相を酢酸エチル(20.0mL、20.0mL、20.0mL)で3回抽出した。有機相を合併し、塩化ナトリウム飽和溶液(30.0mL)で1回洗浄し、最後に有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して減圧濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-2:1)で分離精製し、化合物2を得た。MS (ESI) m/z: 178.7 [M+1]
H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.26 (s, 1H), 3.61 (s, 3H)。
ステップ4:化合物4の合成
マイクロ波試験管にて、窒素雰囲気下で、化合物2(0.2g、1.12mmol、1eq)と化合物3(213mg、1.17mmol、1.05eq)をジオキサン(1.5mL)と水(1.5mL)との混合溶液に溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(65mg、55.86μmol、0.05eq)、炭酸ナトリウム(130mg、1.23mmol、1.1eq)を加え、混合物を120℃で30分マイクロ波攪拌した。反応液を直接濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-0:1)(TLC検出 石油エステル:酢酸エチル=1:1)で分離し、化合物4を得た。MS (ESI) m/z: 281.0 [M+1]
H NMR (400MHz, CDCl) δ: 7.64 (d, 2H), 7.28 (s, 1H), 6.59 (t, 1H), 3.86 (s, 6H), 3.61 (s, 3H)。
ステップ5:化合物0027-1の合成
窒素雰囲気下で、化合物4(250mg、890.61μmol、1eq)をアセトニトリル(20.0mL)とジクロロメタン(5.0mL)との混合溶媒に溶解し、スルホン酸塩化物(84mg、623.43μmol、62.33μL、0.7eq)のアセトニトリル(2.5mL)溶液を0℃で徐々に滴加し、混合物を0℃で10分攪拌した。反応液にメタノール(5.0mL)を加えてクエンチング反応し、減圧濃縮乾燥した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(石油エステル:酢酸エチル=1:0-1:1)(TLC検出 石油エステル:酢酸エチル=1:1)で分離し、化合物0027-1を得た。MS (ESI) m/z: 314.9 [M+H]
ステップ6:式(I)で表される化合物の合成
三口フラスコにて、化合物0027-1(59mg、186.49μmol、1eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(52mg、205.14μmol、1.1eq)、酢酸パラジウム(5mg、20.51μmol、0.11eq)及び2-ジシクロヘキシルホスフィン-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(20mg、41.03μmol、0.22eq)、酢酸カリウム(60mg、615.42μmol、3.3eq)をジオキサン(4.0mL)溶液に加え、反応系における空気を窒素で置換し、窒素飽和下で、100℃まで昇温して30分還流撹拌し、25℃まで冷却し、化合物BB-1(50mg、186.49μmol、1eq)、[1,1’-ジ(ジフェニルホスフィン基)フェロセン]ジクロロパラジウムのジクロロメタン錯体化合物(15mg、18.65μmol、0.1eq)、炭酸カリウム(77mg、559.47μmol、3eq)、ジオキサン(4.0mL)及び水(2.0mL)を加え、反応系における空気を窒素で置換し、窒素飽和下で、100℃まで昇温して8時間還流撹拌した。反応液を直接濃縮した。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィ(カラム:Boston Green ODS 150×30mm 5μm、移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:30%-60%、8min)で分離精製し、式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た。MS (ESI) m/z: 468.2 [M+H]H NMR (400MHz, CDOD) δ: 8.79 (s, 1H), 8.09 (M、2H), 6.76 (M、2H), 3.93 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (s, 3H),3.80 (s, 3H), 2.54 (s, 3H)。
【0044】
実験例1:野生型キナーゼ体外阻害活性評価
33P同位体標識キナーゼ活性試験(Reaction Biology Corp)を用いてIC50値を測定することで、被験化合物のヒトFGFR1、FGFR4に対する阻害能力を評価した。
緩衝液条件:20mM 4-(2-ヒドロキシエチル基)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(Hepes)(pH7.5)、10mM MgCl、1mM グリコール-ビス-(2-アミノエチルエーテル)テトラ酢酸(EGTA)、0.02%ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij35)、0.02mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、0.1mMバナジン酸ナトリウム(NaVO)、2mMジチオスレイトール(DTT)、1%DMSO。
実験手順:室温下で、被験化合物をDMSOに溶解して10mM溶液に調製し、使用に備えた。基質を新たに調製した緩衝液に溶解し、その中に被測定キナーゼを加えて均一混合した。音響技法(Echo 550)を用いて、被験化合物を溶解したDMSO溶液を上記均一混合した反応液に加えた。反応液における化合物の濃度は、10μM、3.33μM、1.11μM、0.370μM、0.123μM、41.2nM、13.7nM、4.57nM、1.52nM、0.508nM、又は10μM、2.50μM、0.62μM、0.156μM、39.1nM、9.8nM、2.4nM、0.61nM、0.15nM、0.038nMであった。15分孵化した後、33P-ATP(活性度0.01μCi/μL、相応な濃度を表1に示す)を加えて反応し始めた。FGFR1、FGFR4とその基質の供給者製品番号、ロット番号及び反応液における濃度についての情報を表1に示す。反応を室温下で120分行った後、反応液をP81イオン交換濾紙(Whatman#3698-915)上に滴下した。濾紙を0.75%リン酸溶液で繰り返し洗浄した後、濾紙上に残留したリン酸化基質の放射性を測定した。キナーゼ活性データは、被験化合物を含有するキナーゼ活性とブランク対照群(DMSOのみを含有する)のキナーゼ活性の比較で表示され、Prism4ソフトウェア(GraphPad)によりカーブフィッティングを行ってIC50値を得た。実験結果は、表2に示されるとおりである。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
結論:式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩は、野生型FGFRに対して、いずれも良好な阻害活性を示し、かつFGFR2、3は、FGFR1、4に対する選択性が比較的高かった。
【0048】
実験例2:化合物薬物動態評価
実験目的:マウス体内における化合物の薬物動態を評価する
実験材料:
CD-1マウス(雄性)、溶媒(0.5%(w/v)メチルセルロース0.5%(v/v)トゥイーン80水溶液)、化合物0027のトリフルオロ酢酸塩。
1、投与製剤の調製:
溶媒は、0.5%(w/v)メチルセルロース0.5%(v/v)トゥイーン80水溶液であり、以下の手順に従って調製した。
a.約50%体積の精製水を適切な容器に入れ、約60℃ないし70℃に加熱した。
b.水温が所定値の範囲に達した時、ヒータをオフにした。所要量のメチルセルロースを上記容器に徐々に加えて続けて攪拌した。
c.上澄み溶液と目視されるまで4℃で続けて攪拌した。
d.所要体積のトゥイーン80を上記溶液に加えた。トゥイーン80が均一に分散され、かつ上澄み溶液と目視されるまで続けて攪拌した。
e.上記溶液を適量の精製水で最終体積に定容した。
f.均一溶液が形成されるまで続けて攪拌した。
胃内投与製剤の調製:
a.適量の供試品を秤取してガラス瓶に入れた。
b.70%体積の溶媒(0.5%(w/v)メチルセルロース0.5%(v/v)トゥイーン80水溶液)を加えた。
c.均一と目視されるまで製剤を攪拌し、必要な場合、超音波ウォーターバスを行った。
d.残余体積の0.5%メチルセルロース+0.5%トゥイーン80を補充し、均一に攪拌した。
2、薬剤投与
第1、2群の動物は、それぞれ、5mg/mL、30mg/mLの化合物を単回胃内投与し、投与体積は10mL/kgであった。
薬剤投与の前に、動物の体重を秤量し、体重に基づいて投与体積を算出した。
3、試料採集と処理
伏静脈採血方式により、所定の時間(0.25、0.5、1、2、4、6、8、24h)で全血試料(30μL)を採集し、実際の採血時間を試験記録に記入した。採集時間点の許容可能な誤差は、投与1時間以内の時間点±1分であり、その他の時間点では理論時間±5%であった。
全ての血液試料を直ちにラベルが貼られたK2-EDTAを含有する商品化遠心管に移送した。血液試料を採集した後、4℃で、3200回転/分で10分遠心し、上清血漿を吸引し、迅速にドライアイスに置き、-20℃又はそれ以下の温度に維持し、LC-MS/MS分析に用いられた。薬物動態パラメータを算出した。実験結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
結論:式(I)で表される化合物のトリフルオロ酢酸塩のマウス薬物動態指標は良好であった。
【国際調査報告】