(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 59/50 20060101AFI20220831BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20220831BHJP
C09J 177/06 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
C08G59/50
C09J163/00
C09J177/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568688
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 CN2019087157
(87)【国際公開番号】W WO2020228002
(87)【国際公開日】2020-11-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】リーイン ヂョウ
(72)【発明者】
【氏名】チゥバイ ペン
【テーマコード(参考)】
4J036
4J040
【Fターム(参考)】
4J036AA01
4J036AD08
4J036DB17
4J036DB18
4J036DC03
4J036DC06
4J036DC09
4J036DC14
4J036DC38
4J036JA06
4J040EC001
4J040EG021
4J040HC01
4J040JB02
4J040KA16
4J040MA02
4J040NA22
(57)【要約】
本開示は、硬化性組成物であって、a)20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸および/または20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有するカルボン酸に由来する少なくとも1種のエステルと、少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミンとの縮合生成物であって、該ポリオキシアルキレンアミンが、I)少なくとも2つのオキシアルキレン部分;およびII)少なくとも2つの一級アミノ基を含む縮合生成物;ならびにb)少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1種のアミンを含む、硬化性組成物に関する。硬化性組成物を含有する接着剤組成物、接着剤の使用、接着剤組成物を含む風力エネルギー用のタービンブレード、および硬化性組成物の製造方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
a)20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸および/または20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有するカルボン酸に由来する少なくとも1種のエステルと、少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミンとの縮合生成物であって、前記ポリオキシアルキレンアミンが、
I)少なくとも2つのオキシアルキレン部分;および
II)少なくとも2つの一級アミノ基
を含む縮合生成物;ならびに
b)少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1種のアミン
を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
前記カルボン酸が二量体化脂肪酸である、請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記アミンが環状である、請求項1または2記載の硬化性組成物。
【請求項4】
前記アミンが少なくとも2つのアミノ基を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記カルボン酸が二量体化されたC16~C20脂肪酸である、請求項1から4までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記オキシアルキレン部分が少なくとも1つのオキシエチレン部分、オキシプロピレン部分、またはオキシブチレン部分を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項7】
前記ポリオキシアルキレンアミンが
【化1】
を含み、xが2~70の範囲の整数である、請求項1から6までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項8】
前記ポリオキシアルキレンアミンが3つの一級アミノ基を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記ポリオキシアルキレンアミンが
【化2】
[式中、
Rは、H、CH
3、CH
2CH
3、CH
2CH
2CH
3、またはCH(CH
3)
2から選択されるラジカルであり;
nは0または1であり;
x、y、およびzは、独立して1~30の範囲の整数であり;
x、y、およびzの合計は3~90の範囲である]を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項10】
前記カルボン酸および前記ポリオキシアルキレンアミンが、0.01~0.8:1、好ましくは0.1~0.5:1、より好ましくは0.1~0.4:1のモル比の範囲内にある、請求項1から9までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項11】
前記アミンが、前記硬化性組成物中で1~99重量%、好ましくは1~90重量%、より好ましくは1~45重量%、さらにより好ましくは5~35重量%の重量パーセントを有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項12】
前記アミンが少なくとも1つの5員環または6員環を含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項13】
前記アミンが、
【化3】
から選択される化合物のうちの1種以上を含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項14】
充填剤、補強剤、カップリング剤、強化剤、消泡剤、分散剤、潤滑剤、着色剤、マーキング材料、染料、顔料、IR吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、造核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、導電性添加剤、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、乾燥剤、離型剤、レベリング助剤、難燃剤、分離剤、蛍光増白剤、レオロジー添加剤、フォトクロミック添加剤、軟化剤、接着促進剤、液垂れ防止剤、金属顔料、安定剤、金属光沢剤、金属被覆粒子、細孔形成剤、可塑剤、ガラス繊維、ナノ粒子、または流動助剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含む、請求項1から13までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項15】
前記1種以上の添加剤が、前記硬化性組成物の総重量に対して90重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下、さらにより好ましくは30重量%以下の割合を占める、請求項1から14までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項16】
1種以上の触媒をさらに含む、請求項1から15までのいずれか1項記載の硬化性組成物。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項記載の硬化性組成物とエポキシ樹脂とを含む、接着剤組成物。
【請求項18】
電気機器、スポーツ用品、光学機器、生理用品、衛生用品、家庭用機器、通信技術、自動車技術、エネルギーおよび駆動技術、機械工学、ならびに医療機器の分野のうちの1つにおける、請求項17記載の接着剤組成物の使用。
【請求項19】
請求項17記載の接着剤組成物を含む風力エネルギー用のタービンブレード。
【請求項20】
1)加熱する工程であって、
a)20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸および/または20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有するカルボン酸に由来する少なくとも1種のエステル;および
b)少なくとも1つのオキシアルキレン部分および少なくとも2つの一級アミノ基を含む少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミン
を、120℃~280℃の温度に0.5~10時間加熱する工程;ならびに
2)前記縮合生成物を少なくとも1種のアミンと混合する工程
を含む、硬化性組成物の製造方法。
【請求項21】
前記加熱条件が、非酸化性雰囲気下である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記カルボン酸および/またはエステルと前記ポリオキシアルキレンアミンとの化学量論比が、0.01~0.8:1、好ましくは0.01~0.5:1、より好ましくは0.1~0.4:1のモル比の範囲内にある、請求項20または21記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリマー組成物の分野に関し、具体的には硬化性組成物、さらに具体的にはエポキシ樹脂のための硬化性組成物に関する。
【0002】
発明の背景
風力エネルギー産業は、発電用に大型の風力タービンブレードを必要としている。ブレードは、通常、構造用接着剤で一体に接合された2つのシェルからなる。ほとんどの場合、エポキシ樹脂系接着剤が構造用接着剤として使用される。
【0003】
タービンブレードで使用される多くのエポキシ樹脂系接着剤は二液型接着剤であり、これは、多くの場合、従来のエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂混合物と、硬化剤および場合によっては硬化促進剤と、任意選択的な粘度または溶解性を調整するための溶剤または溶剤混合物とを含有する。硬化剤は、様々な材料を硬化および固化するために使用される成分または添加剤である。これらの薬剤は、製品を硬くして強度を付与するために役立つ成分内の架橋の形成を助ける。
【0004】
エポキシ硬化剤は、高い透明性、圧縮強度、および軽量性のため、風力ブレード製造のためのエポキシ樹脂に好ましい。エポキシ硬化剤の疲労性能は、ローターブレードの複合機械特性を改善し、それによって風力タービンの性能を向上させる。
【0005】
風力エネルギーの需要が増加し続けるのに伴い、タービンブレード、特に沖合に位置するものの寸法は大幅に増加してきている。大きいブレードの長さは70メートルを超える場合がある。ブレードの寸法が増加すると、エポキシ樹脂系接着剤がブレードに塗布される際の処理の継続時間が長くなる。場合によっては、エポキシ樹脂系接着剤は、接着剤が完全に塗布される前に硬化することがある。硬化が早すぎるとブレードの組み立てが困難になる。
【0006】
それに加えて、硬化プロセスは膨大な熱の放出を伴って起こる場合がある。発熱作用は、温度の急激な上昇および接着剤組成物内の成分間の制御不能な反応をもたらし、製造された製品をさらに損なう可能性がある。
【0007】
したがって、産業界では、延長されたポットライフと硬化プロセス中の低減された発熱作用とを有するエポキシ樹脂系接着剤が求められている。
【0008】
発明の概要
本開示の1つの課題は、エポキシ樹脂と混ぜ合わされたときに長いポットライフを有する二液型接着剤組成物を形成することが可能な硬化性組成物を提供することである。
【0009】
本開示のこの課題は、硬化性組成物であって、
a)20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸および/または20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有するカルボン酸に由来する少なくとも1種のエステルと、少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミンとの縮合生成物であって、ポリオキシアルキレンアミンが、
I)少なくとも2つのオキシアルキレン部分;および
II)少なくとも2つの一級アミノ基
を含む縮合生成物;ならびに
b)少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1種のアミン
を含む、硬化性組成物によって達成される。
【0010】
本開示の別の課題は、本開示の硬化性組成物とエポキシ樹脂とからなる接着剤組成物を提供することである。
【0011】
本開示の別の課題は、本開示の接着剤組成物の使用を提供することである。
【0012】
本開示の別の課題は、本開示の接着剤組成物を含む風力エネルギー用のタービンブレードを提供することである。
【0013】
本開示のさらなる課題は、硬化性組成物の製造方法を提供することである。
【0014】
詳細な説明
以下の説明は、例示のために使用されているにすぎず、開示の範囲を制限するものではない。
【0015】
[ポリオキシアルキレンアミン]
「ポリエーテルアミン」または「ポリ(アルキレンオキシ)アミン」と呼ばれることもあるポリオキシアルキレンアミンは、ポリエーテル骨格に結合した1つ以上のアミノ基を有する有機アミンの群である。アミノ基としては、一級アミノ基(-NH2)、二級アミノ基(-NHR、式中のRはH原子以外の有機ラジカルである)、および三級アミノ基(-NR1R2、式中のR1およびR2は独立してH原子以外の有機ラジカルである)が挙げられる。
【0016】
本明細書で使用されるポリオキシアルキレンアミン中のポリエーテル骨格は、少なくとも2つのオキシアルキレン部分(OCnH2n、式中のnは2~10の整数である)を含む。いくつかの好ましい実施形態では、オキシアルキレン部分の数は、2よりも大きく、例えば3、4、または5である。オキシアルキレン部分は、好ましくは、オキシエチレン(-OCH2CH2-)、オキシプロピレン(-OCH(CH3)CH2-または-OCH2CH2CH2-)、オキシブチレン(-OCH(CH3)CH(CH3)-、-OCH(CH2CH3)CH2-、および-OC(CH3)2CH2-)、または化学式(OCnH2n、式中のnは2~10の整数である)を有する任意の他の同様な基から選択されてよい。オキシアルキレン部分は、好ましくは同じであっても異なっていてもよく、例えば、オキシエチレンとオキシプロピレンとの混合物であってよい。
【0017】
本開示で使用されるポリオキシアルキレンアミンは、少なくとも2つの一級アミノ基を有し、例えばJeffamine(登録商標)Dシリーズのポリエーテルアミンなどである。いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンは、3つ以上の一級アミノ基を有し、例えばJeffamine(登録商標)Tシリーズのポリエーテルアミンを使用することができる。
【0018】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリオキシエチレンアミンが含まれる:
H2NCH2CH2[OCH2CH2]xNH2
[式中、xは2~70の範囲の整数である]。具体的な例は、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)EDRシリーズのジアミンである。
【0019】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリオキシプロピレンアミンが含まれる:
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]xNH2
[式中、xは2~70の範囲の整数である]。具体的な例は、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)Dシリーズのジアミンである。
【0020】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリオキシブチレンアミンが含まれる:
H2NCH(CH2CH3)CH2[OCH2CH(CH2CH3)]xNH2
[式中、xは2~70の範囲の整数である]。
【0021】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリオキシブチレンアミンが含まれる:
H2NCH(CH3)CH(CH3)[OCH(CH3)CH(CH3)]xNH2
[式中、xは2~70の範囲の整数である]。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリ(オキシプロピレン-co-オキシエチレン)アミンが含まれる:
H2NCH2CH2[OCH2CH2]x[OCH2CH(CH3)]yNH2
[式中、xおよびyは、独立して2~70の範囲の整数である]。
【0023】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリ(オキシプロピレン-co-オキシエチレン)アミンが含まれる:
H2NCH2CH2[OCH2CH2]x[OCH2CH(CH3)]y[OCH2CH2]zNH2
[式中、x、y、およびzは、独立して2~70の範囲の整数である]。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリ(オキシプロピレン-co-オキシエチレン)アミンが含まれる:
H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]x[OCH2CH2]y[OCH2CH2]zNH2
[式中、x、y、およびzは、独立して2~70の範囲の整数である]。具体的な例は、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)HK511ジアミン(平均モル質量220のプロピレンオキシドがグラフトされたジエチレングリコールをアミノ化することにより製造)またはJeffamine(登録商標)EDシリーズのジアミンである。
【0025】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンは、例えば以下の式を有するポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよびポリプロピレングリコールのコポリマーに基づくものである:
H2NCH(CH3)CH2[O(CH2)4]xOCH(CH3)CH2NH2
[式中、xは1~70の範囲の整数である]。具体的な例は、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)THFシリーズのジアミンである。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリ(オキシプロピレン-co-オキシエチレン)アミンが含まれる:
H2N(CH2)3[OCH2CH2]xO(CH2)3NH2
[式中、xは1~70の範囲の整数である]。具体的な例は、1,13-ジアミノ-4,7,10-トリオキサトリデカン(Evonik Resource Efficiency GmbHのAncamine(登録商標)1922A)または4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミンである。
【0027】
いくつかの好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレンアミンには、以下の式を有するポリオキシプロピレンアミンが含まれる:
【化1】
[式中、Rは、H、CH
3、CH
2CH
3、CH
2CH
2CH
3、またはCH(CH
3)
2から選択されるラジカルであり;nは0または1であり;x、y、およびzは、独立して1~30の範囲の整数であり;x、y、およびzの合計は3~90の範囲である]。具体的な例は、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)Tシリーズのトリアミンである。
【0028】
本開示で使用されるポリオキシアルキレンアミンは、様々な重合度を有するポリマーまたはオリゴマーの混合物であってよいことが理解されるであろう。例えば、ポリオキシプロピレンアミンが使用される場合、H2NCH(CH3)CH2[OCH2CH(CH3)]xNH2の中のような繰り返しの数xは、特定の整数ではなく、分布、例えば2~30の範囲の分布内であってよい。
【0029】
いくつかの好ましい実施形態では、一級アミノ末端ポリオキシアルキレン骨格を有するジアミン、トリアミン、またはテトラアミンを使用することができる。具体的な例としては、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)RFD270アミンが挙げられ、これは、同じ分子内に剛直な脂肪族環セグメントとフレキシブルなポリエーテルアミンセグメントの両方を含む。その他、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)XTJ616を挙げることができ、これはペンタエリスリトールとプロピレンオキシドとに基づくポリエーテルアミンを含み、約660の平均分子量を有する。
【0030】
上述したポリオキシアルキレンアミンは、様々な化学メーカーから市販されている。例えば、Huntsman CorporationのJeffamine(登録商標)D230、Jeffamine(登録商標)D400、Jeffamine(登録商標)D2000、Jeffamine(登録商標)D4000、Jeffamine(登録商標)ED600、Jeffamine(登録商標)ED900、Jeffamine(登録商標)ED2003、Jeffamine(登録商標)EDR104、Jeffamine(登録商標)EDR148、Jeffamine(登録商標)EDR176、Jeffamine(登録商標)EDR192、Jeffamine(登録商標)THF100、Jeffamine(登録商標)THF140、Jeffamine(登録商標)THF170、Jeffamine(登録商標)T403、Jeffamine(登録商標)T3000、Jeffamine(登録商標)T5000、Jeffamine(登録商標)RFD270、Jeffamine(登録商標)XTJ616;BASF SEのBaxxodur(登録商標)EC301、Baxxodur(登録商標)EC310、Baxxodur(登録商標)EC302、Baxxodur(登録商標)EC303、Baxxodur(登録商標)EC311;またはEvonik Resource Efficiency GmbHのAncamine(登録商標)1922Aである。
【0031】
[カルボン酸]
本開示では、20~60個の炭素原子と少なくとも2つのカルボキシル基とを有する1種以上のカルボン酸が使用される。好ましくは、カルボン酸は二量体化された脂肪酸の形態をとる。しかしながら、三量体、四量体などのより高次のオリゴマー化された脂肪酸がカルボン酸として採用され得ることが理解される。また、他の多量体カルボン酸を使用することもできる。
【0032】
加えて、または代わりに、20~60個の炭素原子と少なくとも2つのカルボキシル基とを有するカルボン酸から誘導される1種以上のエステルを使用することができる。C1~C4アルキルエステルが好ましい。
【0033】
二量体化脂肪酸、または二量体脂肪酸という用語は、当該技術分野で周知であり、一価もしくは多価不飽和脂肪酸および/またはそれらのエステルの二量体化生成物を指す。好ましい二量体脂肪酸は、C10~C30、より好ましくはC12~C24、さらにはC14~C22、特にはC16~C20のアルキル鎖の二量体である。特に好ましい二量体脂肪酸としては、パルミトレイン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸(C18)、リノール酸(C18)、リノレン酸(C18)、エライジン酸(C18)、ゴンドイン酸(C20)の二量体化生成物、またはそれらの混合物が挙げられる。天然油脂、例えばヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、菜種油、綿実油、ホホバ油、およびトール油の加水分解で得られる不飽和脂肪酸混合物の二量体化生成物も使用することができる。二量体化後、混合物は(部分的または完全に)水添されることで、飽和ジカルボン酸やトリカルボン酸などを生成することができる。
【0034】
本開示の目的のために特に好ましいものは、50重量%~95重量%、好ましくは60重量%~90重量%の範囲の、ガスクロマトグラフィーによって測定される二量体含有率と、3重量%~40重量%、好ましくは5重量%~20重量%の三量体およびそれ以上の酸の含有率とを有する、二量体化された脂肪酸である。
【0035】
好ましい二量体化脂肪酸は、75重量%~90重量%の範囲の二量体酸を有するものである。上述した二量体化脂肪酸は化学メーカーから市販されている。例えば、Pripol(登録商標)1006、1009、1013、1017、1022、1025、および1029二量体酸(Croda Coatings & Polymers)、Empol(登録商標)1018および1019(Cognis Corp.)、Haridimer(商標)250S(Harima M.I.D., Inc.)、ならびにUnidyme(登録商標)18およびSYLVADYME(商標)T18(Arizona Chemical Co.)である。
【0036】
[ポリエーテルアミド]
本明細書において、「ポリエーテルアミド」という用語は、20~60個の炭素原子と少なくとも2つのカルボキシル基とを有する1種以上のカルボン酸および/または対応するエステルと、1種以上のポリオキシアルキレンアミンとの間の反応から形成される縮合生成物または縮合生成物混合物を表すために使用される。カルボン酸とポリオキシアルキレンアミンとの混合物が加熱されると、混合物は縮合反応し、ポリエーテルアミドの混合物を生成することができる。
【0037】
縮合反応は、120℃~280℃の温度に加熱することによって生じる。高温により、縮合の副生成物としての水を混合物から確実に除去することができる。加熱条件は、0.5~10時間、好ましくは1~5時間継続される。好ましくは、加熱条件は、例えば、100RPM、150RPM、または200RPMの撹拌下での正確な撹拌を伴う。
【0038】
酸化などの副反応を防ぐために、縮合中に非酸化性雰囲気を適用することが好ましい場合がある。非酸化性雰囲気は、好ましくは、窒素ガス、または任意の他の不活性ガスまたは還元性ガス、例えばアルゴンを充填することによって形成することができる。
【0039】
本開示におけるカルボン酸および/またはエステル対ポリオキシアルキレンアミンの化学量論比は、好ましくは0.01~0.8:1、より好ましくは0.1~0.5:1、より好ましくは0.1~0.4:1である。
【0040】
所定の条件下での酸/エステルとポリアミンとの縮合反応によって形成されるポリアミドは、その分子内に反応性の一級および二級アミンを含む。反応性の一級および二級アミンは、エポキシ樹脂の硬化に重要である。本開示では、ポリオキシアルキレンアミン、ならびに20~60個の炭素原子と少なくとも2つのカルボキシル基とを有するカルボン酸および/または対応するエステルが使用され、そのため分子全体における反応性基の濃度または密度が低下し、その結果発熱作用が低下し、ポットライフが延長される。化学量論比およびその他の条件を制御することにより、ポリエーテルアミド内のフリーのまたは未反応の一級アミノ基の望まれるレベルまたは濃度を実現できることが見出された。
【0041】
[アミン]
本明細書で使用されるアミンは、少なくとも1つのアミノ基を有する有機アミンである。アミンは、縮合生成物を誘導するためのポリオキシアルキレンアミンとは異なる。好ましくは、アミンは環状であり、少なくとも1つの炭素環、または1つ以上のヘテロ原子を含む環(例えばピロリジン、テトラヒドロフラン、およびピペリジン)を有する。より好ましくは、アミンは、少なくとも2つの炭素環またはそれぞれ1つ以上のヘテロ原子を含む環を有する。
【0042】
好ましくは、アミンは少なくとも2つのアミノ基を有する。少なくとも2つのアミノ基のうち、少なくとも1つは一級アミノ基である。具体的には、環に直接的にまたは間接的に(例えばメチレン部分-CH2-を介して)結合した少なくとも1つの一級アミノ基を含むアミンが好ましい。アミンは、好ましくは脂肪族または半脂肪族である。ただし、芳香脂肪族アミンまたは芳香族アミンも使用され得る。
【0043】
好ましくは、アミンは、少なくとも1つの5員環または6員環を含む。さらに好ましくは、アミンは、少なくとも2つの5員または6員の炭素環を含む。場合によっては、2つの6員の炭素環がメチレン基(-CH2-)を介して接続される。
【0044】
本開示による硬化性組成物に使用されるアミンは、単一成分系であっても少なくとも2つのアミン種の混合物であってもよい。
【0045】
具体的には、アミンは、好ましくは、以下のような、1-アミノピロリジン、2-アミノピロリジン、3-アミノピロリジン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m-キシリレンジアミン(MXDA)、p-キシリレンジアミン(PXDA)、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン、IPD)、1-アミノ-1-メチル-4-(2-アミノ-2-プロピル)シクロヘキサン、3,3’-ジメチル-4,4’ジアミノジシクロヘキシルメタン(DMDC)、4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス[シクロヘキサンアミン]、4,4’-エチリデンビス[シクロヘキサンアミン]、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,2’-ジアミノジシクロヘキシルメタン(別名PACM)、またはメチレンジアニリンの水素化(完全にまたは部分的に)によって製造された混合物、またはジメチレントリ(シクロヘキシルアミン)から選択される1種以上の化合物を含む:
【化2】
【0046】
他の好ましいアミンとしては、単独でまたは混合物で、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4-メチル-1,3-シクロヘキサンジアミン、N-シクロヘキシル-1,3-プロパンジアミン、1,2-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3,3’-ジメチルメチレンジシクロヘキシルアミン、TCDジアミン(3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン)などが挙げられる。
【0047】
好ましい実施形態では、以下に示す2-(3-(アミノメチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル)プロパン-1,3-ジアミン(AM-CPDA)も使用することができる。
【0048】
【0049】
上述したアミンのいくつかは、化学メーカーから市販されている。例えば、全てEvonik Resource Efficiency GmbHからのものであるAncamine(登録商標)1770として市販されている1,2-ジアミノシクロヘキサン;Vestamin(登録商標)IPDとして市販されている3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン;Vestamin(登録商標)PACMとして市販されている水素化メチレンジアニリン;Ancamine(登録商標)2049として市販されている2,2’-ジメチル-4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン);Ancamine(登録商標)2168として市販されている混合ポリ脂環式アミン(MPCA)が使用される。また、市販のアミンとしては、BASF SEのBaxxodur(登録商標)(EC331、EC252、EC210、EC201)、Hexion Inc.のEPIKURE(登録商標)硬化剤(3300、3370、3378、3380、3381、3382、3383、3387、3388、3389)も挙げられる。
【0050】
本明細書で使用されるアミンは、好ましくは、シスおよびトランス異性体、またはキラル異性体などの複数の立体異性体の混合物であってよい。アミンは、好ましくは、異なる化学式を有するアミンの混合物、例えばAncamine(登録商標)2049とAncamine(登録商標)2168との混合物であってもよい。
【0051】
硬化性組成物中のアミンの重量パーセントは、好ましくは1~99重量%、より好ましくは1~90重量%、さらに好ましくは1重量%~45重量%、さらに好ましくは5重量%~35重量%である。
【0052】
いかなる理論にも拘束されるものではないが、環に直接的にまたは間接的に結合しているアミノ基は、最終的な接着剤組成物の機械的強度に寄与すると考えられる。硬化性組成物の中にアミンを組み込むことにより、硬化性組成物のガラス転移温度(Tg)が上昇し、接着強度が向上する。それに加えて、アミンは接着剤組成物に高い耐薬品性を導入することができ、これは風力エネルギー産業において強く望まれていることである。
【0053】
[エポキシ樹脂]
本開示の硬化性組成物は、当該技術分野で既に公知のエポキシ樹脂と共に使用されることで、二液型接着剤組成物を形成することができる。本開示において、エポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールA/Fエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミンエポキシ樹脂、またはそれらの組み合わせとすることができる。好ましくは、ビスフェノールAまたはビスフェノールFエポキシ樹脂が接着剤組成物中で使用される。エポキシ樹脂は、例えばDOW Chemical CompanyのD.E.R.(商標)331、351、または731など、様々な化学メーカーから市販されている。複数のエポキシ化合物が、例えば欧州特許出願公開第675185号明細書などにも記載されている。
【0054】
有用な化合物は、1分子あたり複数のエポキシ基、好ましくは2つのエポキシ基を含む、この目的のために公知の多数の化合物である。これらのエポキシ化合物は、好ましくは飽和または不飽和のいずれであってもよい。これらは、好ましくは脂肪族、環状脂肪族、芳香族、またはヘテロ環であり、ヒドロキシル基を有する。これらは、好ましくは、混合または反応条件下で副反応を引き起こさないような置換基、例えばアルキルまたはアリール置換基、エーテル部分などを含む。これらは、好ましくは、多価フェノール、特にビスフェノールおよびノボラックに由来し、エポキシ基の数に基づくモル質量ME(「エポキシ当量」、「EV値」)が100~1500g/eq、特には150~250g/eqであるグリシジルエーテルである。
【0055】
多価フェノールの例としては、特に、レゾルシノール、ヒドロキノン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ジヒドロキシジフェニルメタン(ビスフェノールF)の異性体混合物、4,4’-ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1-イソブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-tert-ブチルフェニル)プロパン、ビス(2-ヒドロキシナフチル)メタン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ならびに前述した化合物の塩素化および臭素化生成物、例えばテトラブロモビスフェノールAが挙げられる。150~200g/eqのエポキシ当量を有するビスフェノールAおよびビスフェノールFに基づく液体ジグリシジルエーテルを使用することが特に好ましい。ポリオールのポリグリシジルエーテル、例えばエタン-1,2-ジオールジグリシジルエーテル、プロパン-1,2-ジオールジグリシジルエーテル、プロパン-1,3-ジオールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンタンジオールジグリシジルエーテル(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを含む)、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、高級ポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル、例えば高級ポリオキシエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、co-ポリオキシエチレン-ポリプレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールのポリグリシジルエーテル、ヘキサン-1,2,6-トリオールのポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル、トリメチロールエタンのポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのポリグリシジルエーテル、またはソルビトールのポリグリシジルエーテル、オキシアルキレート化ポリオールのポリグリシジルエーテル(例えば特にグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのもの)、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタンのジグリシジルエーテル、および2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジグリシジルエーテル、ヒマシ油のポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを使用することも可能である。
【0056】
さらに有用な成分A)としては、エピクロロヒドリンと、アミン、例えばアニリン、n-ブチルアミン、ビス(4-アミノフェニル)メタン、m-キシリレンジアミン、またはビス(4-メチルアミノフェニル)メタンなどとの反応生成物の脱ハロゲン化水素によって得られるポリ(N-グリシジル)化合物が挙げられる。ポリ(N-グリシジル)化合物には、特に、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルウラゾール、およびそれらのオリゴマー、シクロアルキレン尿素のN,N’-ジグリシジル誘導体、ならびにヒダントインのジグリシジル誘導体も含まれる。
【0057】
加えて、エピクロロヒドリンまたは類似のエポキシ化合物と、脂肪族、脂環式、または芳香族のポリカルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、フタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、および高級ジグリシジルジカルボキシレート、例えば二量体化または三量体化リノレン酸との反応によって得られるポリカルボン酸のポリグリシジルエステルを使用することも可能である。例は、アジピン酸ジグリシジル、フタル酸ジグリシジル、およびヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルである。
【0058】
さらに、不飽和カルボン酸のグリシジルエステルおよび不飽和アルコールまたは不飽和カルボン酸のエポキシ化エステルについても言及する必要がある。ポリグリシジルエーテルに加えて、少量のモノエポキシド、例えばメチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、長鎖脂肪族グリシジルエーテル、例えばセチルグリシジルエーテルおよびステアリルグリシジルエーテル、高級異性体アルコール混合物のモノグリシジルエーテル、C12~C13アルコール混合物のグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、p-オクチルフェニルグリシジルエーテル、p-フェニルフェニルグリシジルエーテル、アルコキシル化ラウリルアルコールのグリシジルエーテル、およびエポキシ化モノ不飽和炭化水素(ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド)などのモノエポキシドを、ポリグリシジルエーテルの質量を基準として最大30重量%、好ましくは10重量%~20重量%の質量割合で使用することが可能である。エポキシ化合物の詳細な列挙は、ハンドブックである“Epoxidverbindungen und Epoxidharze” [Epoxy Compounds and Epoxy Resins] by A. M. Paquin, Springer Verlag, Berlin 1958, Chapter IV、およびLee Neville’s “Handbook of Epoxy Resins”, 1967, Chapter 2の中で見ることができる。
【0059】
有用なエポキシ化合物としては、好ましくは、グリシジルエーテルおよびグリシジルエステル、脂肪族エポキシド、ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFに基づくジグリシジルエーテル、ならびにグリシジルメタクリレートが挙げられる。そのようなエポキシドの他の例は、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC、商品名:ARALDIT 810、Huntsman)、ジグリシジルテレフタレートとトリグリシジルトリメリテートとの混合物(商品名:ARALDIT PT 910および912、Huntsman)、バーサティック酸のグリシジルエステル(商品名:CARDURA E10、Shell)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ECC)、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンタエリスリチルテトラグリシジルエーテル(商品名:POLYPDX R 16、UPPC AG)、およびフリーのエポキシ基を含む他のPolypox製品である。上記エポキシ化合物の混合物を使用することも可能である。
【0060】
特に好ましいエポキシ成分は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、4,4’-メチレンビス[N,N-ビス(2,3-エポキシプロピル)アニリン]、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、プロパン-1,2,3-トリオールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、およびジグリシジルヘキサヒドロフタレートに基づくポリエポキシドである。
【0061】
本開示によれば、エポキシ樹脂中でこれらのエポキシ化合物の混合物を使用することも好ましく可能である。
【0062】
エポキシ樹脂は、結晶形態、粉末形態、半固体形態、液体形態などの様々な形態であってよい。液体形態については、エポキシ樹脂は、例えば水などの溶剤に溶解することができる。好ましくは、エポキシ樹脂は、混合プロセスを行い易くするために液体形態である。
【0063】
二液型接着剤組成物において、エポキシ樹脂対硬化性組成物の質量比は、好ましくは1:3~10:1の範囲、より好ましくは1:1~5:1の範囲、さらに好ましくは2:1~3:1の範囲である。
【0064】
[添加剤]
工業的要件を満たすためにより多くの機能または特徴を得る目的で、硬化性組成物は、好ましくは添加剤を含むことができる。添加剤とは、エポキシ組成物の特性を望まれる方向に変化させるために、例えば粘度、濡れ特性、安定性、反応速度、ブリスター形成、貯蔵性または接着性、および使用特性を最終用途に合わせるために、添加される物質を意味すると理解される。複数の添加剤が、例えば国際公開第99/55772号のp.15~25、および“Plastics Additives, R. Gaechter and H. Muller, Hanser Publishers 1983”に記載されている。
【0065】
好ましい添加剤は、充填剤、補強剤、カップリング剤、強化剤、消泡剤、分散剤、潤滑剤、着色剤、マーキング材料、染料、顔料、IR吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、造核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、導電性添加剤、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、乾燥剤、離型剤、レベリング助剤、難燃剤、分離剤、蛍光増白剤、レオロジー添加剤、フォトクロミック添加剤、軟化剤、接着促進剤、液垂れ防止剤、金属顔料、安定剤、金属光沢剤、金属被覆粒子、細孔形成剤、可塑剤、ガラス繊維、ナノ粒子、流動助剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0066】
添加剤は、好ましくは、接着剤組成物の総重量に対して90重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下の割合を占める。
【0067】
例えば、光安定剤、例えば立体障害を有するアミン、または例えば欧州特許第669353号明細書に記載されているようなその他の助剤を0.05重量%~5重量%の合計量で添加することが有利な場合がある。
【0068】
本開示の硬化性組成物を製造するために、例えばポリシリコーンのようなレベリング剤、または例えばアクリレートに基づくもののような接着促進剤などの添加剤を添加することがさらに可能である。加えて、さらに別の成分を任意選択的に存在させることができる。追加的に使用される助剤および添加剤は、連鎖移動剤、可塑剤、安定剤、および/または抑制剤であってよい。
【0069】
場合によっては、硬化性組成物は、好ましくは酸化防止添加剤を含むことができる。酸化防止剤は、立体障害を有するフェノール、硫化物、または安息香酸塩から選択される1つ以上の構造単位を含み得る。ここで、立体障害を有するフェノールでは、2つのオルト水素は、好ましくは少なくとも1~20個、特に好ましくは3~15個の炭素原子を有する水素ではない化合物で置換されており、これらは好ましくは分岐している。安息香酸塩も、好ましくはOH基に対してオルト位に、特に好ましくは1~20個、より好ましくは3~15個の炭素原子を有し、かつ好ましくは分岐している水素ではない置換基を有する。
【0070】
さらに別の実施形態では、必要に応じて、エポキシ樹脂のエポキシド基と硬化性組成物のアミン基との反応を促進するために、1種以上の触媒を好ましくは硬化性組成物の一部として接着剤組成物に好ましく導入することができる。接着剤組成物に導入され得る有用な触媒としては、Evonik Resource Efficiency GmbHから入手可能なAncamide(登録商標)製品、およびHuntsman Corporationから入手可能な「Accelerators」として販売されている製品が挙げられる。1つの例示的な触媒は、Huntsman Corporationから入手可能なピペラジンベースのAccelerator 399である。利用される場合、そのような触媒は、好ましくは接着剤組成物全体の0~約10重量パーセント含まれ得る。
【0071】
好ましくは、本開示による硬化性組成物は、上述した特定の成分からなる。
【0072】
[接着剤]
硬化性組成物に基づいて、好ましい接着剤組成物を開発することができる。接着剤組成物は、本開示による硬化性組成物とエポキシ樹脂とを含有する。
【0073】
接着剤組成物は、好ましくは、電気機器、スポーツ用品、光学機器、生理用品、衛生用品、家庭用機器、通信技術、自動車技術、エネルギーおよび駆動技術、機械工学、ならびに医療機器などの様々な分野で利用することができる。
【0074】
具体的には、本開示の接着剤組成物を含むタービンブレードは、好ましくは風力エネルギーで使用することができる。同様に、風力タービンブレードの製造のための本発明の硬化性組成物または接着剤組成物の使用が特に好ましい。
【0075】
本開示は、以降の実施例および比較例により説明される。
【0076】
実施例
以下の材料が、参照例、実施例(実施例1および実施例2)、ならびに比較例(CE)で使用された:
Dow Chemical CompanyのD.E.R.(商標)331液体エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの液体反応生成物である。
【0077】
粘度は、Brookfield DV-II+Pro粘度計によって25℃で測定した。引張強さおよび伸びはISO527-2に従って測定した。ガラス転移温度は、ASTM E1356-08に従ってDSCを使用して試験した。40℃の周囲温度での150gの混合物のピーク温度と発熱ピーク持続時間は、温度記録計2103R(Shanghai Yadu Electronic Technology Co., Ltd.)によって試験した。発熱ピーク持続時間は、エポキシ樹脂と硬化性組成物との混合から、混合物がそのピーク温度に到達する瞬間までの持続時間として測定した。ポットライフの大まかな見積もりを決定するために、本明細書では発熱ピーク持続時間を使用した。
【0078】
硬化性組成物の色を等級分けするために、本開示ではASTM D1544で規定されているガードナー色数が使用される。
【0079】
実施例1
437.9g(約0.755モル)の二量体化C18脂肪酸(Jiangsu Yonglin Chemical Oil Co., Ltd.)を窒素ガスが充填された四口フラスコに入れ、混合した。混合速度は200回転毎分(RPM)よりもゆっくりであった。1351.24g(約3.071モル)のJeffamine(登録商標)T403トリアミン(Huntsman Corporationから市販)を四口フラスコにゆっくりと添加した。次いで、系を200℃で2時間維持し、その後120℃まで冷却して真空下で乾燥させた。440.49gのAncamine(登録商標)2168(Evonik Resource Efficiency GmbHから市販)をフラスコに入れ、1時間混合した。硬化性組成物の色はガードナー色数10であると測定された。粘度は4391mPa・sであった。Ancamine 2168は、最終的な硬化性組成物中で約19.8%の重量パーセントであった。
【0080】
100gのD.E.R.(商標)331と実施例1で得られた50gの硬化性組成物とを十分に混合した。40℃の周囲温度での発熱ピーク持続時間は112分であった。発熱ピーク温度は121℃であった。
【0081】
100gのD.E.R.(商標)331と実施例1で得られた50gの硬化性組成物とを十分に混合し、次いでダンベル状試験片を作製した。硬化条件は75℃で5時間であった。ISO 527-2による引張強さは73MPa、伸びは5.3%であった。ガラス転移温度は81℃であった。
【0082】
実施例2
437.9g(約0.755モル)の二量体化C18脂肪酸を窒素ガスが充填された四口フラスコに入れ、混合した。混合速度は200RPMよりもゆっくりであった。737.0g(約3.204モル)のJeffamine(登録商標)D230を四口フラスコにゆっくりと添加した。次いで、系を200℃で2時間維持した。系を120℃まで冷却し、真空下で乾燥させた。491.8gのAncamine(登録商標)2168をフラスコに入れ、さらに1時間混合した。その後、実施例2の硬化性組成物が得られた。硬化性組成物の色はガードナー色数9であると測定された。粘度は1941mPa・sであった。Ancamine 2168は、最終的な硬化性組成物中で約29.5%の重量パーセントであった。
【0083】
102gのD.E.R.(商標)331と実施例2で得られた48gの硬化性組成物とを十分に混合した。40℃の周囲温度での発熱ピーク持続時間は83分であった。40℃の周囲温度での発熱ピーク温度は119℃であった。
【0084】
100gのD.E.R.(商標)331と実施例2で得られた47gの硬化性組成物とを十分に混合し、次いでダンベル状試験片を作製した。硬化条件は75℃で5時間であった。ISO 527-2による引張強さは67MPa、伸びは6.0%であった。ガラス転移温度は75℃であった。
【0085】
比較例
85gのJeffamine(登録商標)T403を窒素ガスが充填された四口フラスコに入れ、混合した。混合速度は200RPMよりもゆっくりであった。15gのVestamin(登録商標)IPDを四口フラスコにゆっくりと添加し、1時間混合した。その後、比較例の硬化性組成物が利用可能であった。
【0086】
108gのD.E.R.(商標)331と比較例で得た42gの硬化性組成物とを十分に混合した。40℃の周囲温度での発熱ピーク持続時間は81分であった。40℃の周囲温度での発熱ピーク温度は157℃であった。
【0087】
100gのD.E.R.(商標)331と比較例で得た39gの硬化性組成物とを十分に混合し、次いでダンベル状試験片を作製した。硬化条件は75℃で5時間であった。ISO 527-2による引張強さは69MPa、伸びは4.2%であった。ガラス転移温度は87℃であった。
【0088】
様々な態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態の一部が本明細書に記載されている。本明細書を読んだ後、当業者は、これらの態様および実施形態が例示にすぎず、本開示の範囲を限定しないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0089】
実施形態
[実施形態1]
硬化性組成物であって、
a)20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸および/または20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有するカルボン酸に由来する少なくとも1種のエステルと、少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミンとの縮合生成物であって、前記ポリオキシアルキレンアミンが、
I)少なくとも2つのオキシアルキレン部分;および
II)少なくとも2つの一級アミノ基
を含む縮合生成物;ならびに
b)少なくとも1つのアミノ基を有する少なくとも1種のアミン
を含む、硬化性組成物。
[実施形態2]
前記カルボン酸が二量体化脂肪酸である、実施形態1記載の硬化性組成物。
[実施形態3]
前記アミンが環状である、実施形態1または2記載の硬化性組成物。
[実施形態4]
前記アミンが少なくとも2つのアミノ基を有する、実施形態1から3までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態5]
前記カルボン酸が二量体化されたC16~C20脂肪酸である、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態6]
前記オキシアルキレン部分が少なくとも1つのオキシエチレン部分、オキシプロピレン部分、またはオキシブチレン部分を含む、実施形態1から5までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態7]
前記ポリオキシアルキレンアミンが
【化4】
を含み、xが2~70の範囲の整数である、実施形態1から6までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態8]
前記ポリオキシアルキレンアミンが3つの一級アミノ基を含む、実施形態1から7までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態9]
前記ポリオキシアルキレンアミンが
【化5】
[式中、
Rは、H、CH
3、CH
2CH
3、CH
2CH
2CH
3、またはCH(CH
3)
2から選択されるラジカルであり;
nは0または1であり;
x、y、およびzは、独立して1~30の範囲の整数であり;
x、y、およびzの合計は3~90の範囲である]を含む、実施形態1から8までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態10]
前記カルボン酸および前記ポリオキシアルキレンアミンが、0.01~0.8:1、好ましくは0.1~0.5:1、より好ましくは0.1~0.4:1のモル比の範囲内にある、実施形態1から9までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態11]
前記アミンが、前記硬化性組成物中で1~99重量%、好ましくは1~90重量%、より好ましくは1~45重量%、さらに好ましくは5~35重量%の重量パーセントを有する、実施形態1から10までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態12]
前記アミンが少なくとも1つの5員環または6員環を含む、実施形態1から11までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態13]
前記アミンが、
【化6】
から選択される化合物のうちの1種以上を含む、実施形態1から12までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態14]
充填剤、補強剤、カップリング剤、強化剤(靭性向上剤)、消泡剤、分散剤、潤滑剤、着色剤、マーキング材料、染料、顔料、IR吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、造核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、導電性添加剤、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、乾燥剤、離型剤、レベリング助剤、難燃剤、分離剤、蛍光増白剤、レオロジー添加剤、フォトクロミック添加剤、軟化剤、接着促進剤、液垂れ防止剤、金属顔料、安定剤、金属光沢剤、金属被覆粒子、細孔形成剤、可塑剤、ガラス繊維、ナノ粒子、または流動助剤からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含む、実施形態1から13までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態15]
前記1種以上の添加剤が、接着剤組成物の総重量に対して90重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下、さらにより好ましくは30重量%以下の割合を占める、実施形態1から14までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態16]
1種以上の触媒をさらに含む、実施形態1から15までのいずれか1つ記載の硬化性組成物。
[実施形態17]
実施形態1から16までのいずれか1つ記載の硬化性組成物とエポキシ樹脂とを含む、接着剤組成物。
[実施形態18]
電気機器、スポーツ用品、光学機器、生理用品、衛生用品、家庭用機器、通信技術、自動車技術、エネルギーおよび駆動技術、機械工学、ならびに医療機器の分野のうちの1つにおける、実施形態17記載の接着剤組成物の使用。
[実施形態19]
実施形態17記載の接着剤組成物を含む風力エネルギー用のタービンブレード。
[実施形態20]
1)加熱する工程であって、
a)20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸および/または20~60個の炭素原子および少なくとも2個のカルボキシル基を有するカルボン酸に由来する少なくとも1種のエステル;および
b)少なくとも1つのオキシアルキレン部分および少なくとも2つの一級アミノ基を含む少なくとも1種のポリオキシアルキレンアミン
を、120℃~280℃の温度に0.5~10時間加熱する工程;ならびに
2)縮合生成物を少なくとも1種のアミンと混合する工程
を含む、硬化性組成物の製造方法。
[実施形態21]
前記加熱の条件が非酸化性雰囲気下である、実施形態20記載の方法。
[実施形態22]
前記カルボン酸と前記ポリオキシアルキレンアミンとの化学量論比が、0.01~0.8:1、好ましくは0.01~0.5:1、より好ましくは0.1~0.4:1のモル比の範囲内にある、実施形態20または21記載の方法。
【0090】
上述した説明は、当業者に本開示を製造および使用可能にするために提示されており、出願およびその要件との関係で提供される。好ましい実施形態に対する様々な修正は当業者には明らかであり、本明細書で規定されている一般的な原理は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなしに別の実施形態および用途に適用され得る。したがって、本開示は、示されている実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理および特徴と一致する最も広い範囲が認められるべきである。この点に関し、本開示内の特定の実施形態は、広く考慮される本開示の全ての利益を示していない可能性がある。
【国際調査報告】