(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】カンナビノイドを用いた抗菌薬投与方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/05 20060101AFI20220831BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220831BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220831BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220831BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220831BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20220831BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20220831BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20220831BHJP
C07D 311/58 20060101ALN20220831BHJP
C07D 311/78 20060101ALN20220831BHJP
【FI】
A61K31/05
A61P31/04
A61P17/00 101
A61P27/02
A61K9/06
A61K9/72
A61K31/353
A61K31/352
C07D311/58
C07D311/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575947
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 AU2020050607
(87)【国際公開番号】W WO2020252522
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521552604
【氏名又は名称】ボタニックス ファーマシューティカルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】サーン,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA24
4C076AA93
4C076BB21
4C076BB24
4C076BB31
4C076CC31
4C076CC32
4C076FF68
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA28
4C086MA55
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZA90
4C086ZB35
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206CB15
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA48
4C206MA75
4C206MA78
4C206MA79
4C206MA83
4C206NA14
4C206ZA33
4C206ZA90
4C206ZB35
(57)【要約】
本発明は、カンナビノイドの投与を含む局所の細菌感染症を治療するための方法、組成物および使用を提供する。特に、本発明は、細菌感染症を治療するための方法、使用および組成物を提供し、組成物は、25mg~500mgの範囲のカンナビノイド化合物の用量で、カンナビジオールまたは他のカンナビノイドを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌による対象における感染症の治療または予防のための局所投与計画であって、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを投与する
ステップを含む、局所計画。
【請求項2】
i)前記感染症が、局所感染症でありかつ前記局所投与計画が、対象の皮膚および粘膜表面に25mg~500mgのカンナビノイドを局所投与することを含み、
ii)前記感染症が、眼感染症でありかつ前記局所投与計画が、前記対象の眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを投与することを含み、
iii)前記局所投与計画が、前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを経鼻送達または吸入により投与することを含む、
請求項1に記載の局所投与計画。
【請求項3】
細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法であって、
前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項4】
i)前記感染症が、局所感染症でありかつ前記方法が、前記対象の皮膚および粘膜表面に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を局所投与することを含み、
ii)前記感染症が、眼感染症でありかつ前記方法が、前記対象の眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所眼用組成物を投与することを含み、
iii)前記方法が、前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物を投与することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
局所細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような感染症の治療または予防のための25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物の使用。
【請求項6】
i)前記感染症が、局所感染症でありかつ前記使用が、前記対象の皮膚および粘膜表面に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与することを含み、
ii)前記感染症が、眼感染症でありかつ前記使用が、前記対象の眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与することを含み、
iii)前記使用が、前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を経鼻送達または吸入により投与することを含む、
請求項5に記載の使用。
【請求項7】
局所細菌感染症の治療または予防のための組成物の製造のためのカンナビノイドの使用であって、25mg~500mgの前記カンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される、使用。
【請求項8】
i)前記感染症が、局所感染症でありかつ前記使用が、前記対象の皮膚および粘膜表面に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与することを含み、
ii)前記感染症が、眼感染症でありかつ前記使用が、前記対象の眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与することを含み、
iii)前記使用が、前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を経鼻送達または吸入により投与することを含む、
請求項7に記載の使用。
【請求項9】
細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む組成物の製造であって、25mg~500mgの前記カンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される、製造。
【請求項10】
i)前記感染症が、局所感染症でありかつ前記使用が、前記対象の皮膚および粘膜表面に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を投与することを含み、
ii)前記感染症が、眼感染症でありかつ前記使用が、前記対象の眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を投与することを含み、
iii)前記使用が、前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを経鼻送達または吸入により投与することを含む、
請求項9に記載の製造。
【請求項11】
細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む組成物であって、25mg~2000mgの前記カンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される、組成物。
【請求項12】
i)前記感染症が、局所感染症でありかつ前記使用が、前記対象の皮膚および粘膜表面に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を投与することを含み、
ii)前記感染症が、眼感染症でありかつ前記使用が、前記対象の眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を投与することを含み、
iii)前記使用が、前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを経鼻送達または吸入により投与することを含む、
請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記細菌が、グラム陽性細菌である、請求項1に記載の投与計画。
【請求項14】
前記グラム陽性細菌が、リスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種並びにこれらの組み合わせから選択される属の菌種である、請求項13に記載の投与計画。
【請求項15】
前記細菌が、バイオフィルム形成細菌である、請求項1、13または14のいずれか1項に記載の投与計画。
【請求項16】
前記細菌が、少なくとも1種の抗生物質に耐性である、請求項1または13~15のいずれか1項に記載の投与計画。
【請求項17】
前記カンナビノイドが、カンナビジオールである、請求項1に記載の投与計画。
【請求項18】
前記皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の局所細菌の除菌を必要としている対象におけるこのような治療のための方法であって、
前記対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与する
ステップを含む、方法。
【請求項19】
前記投与計画が、ゲル組成物または軟膏組成物の形態の組成物を送達する、請求項1に記載の局所投与計画。
【請求項20】
前記組成物が、1種または複数のポリ(置換されたまたは非置換のアルキレン)グリコールまたはそれらの誘導体を含む軟膏組成物である、請求項19に記載の局所投与計画。
【請求項21】
前記組成物が、ゲル組成物であり好ましくはカンナビノイドを溶解するための揮発性溶媒(例えば、シロキサンおよび/または低分子量アルコール)、および粘度を高めるための粘度調整剤を含む、請求項19に記載の局所投与計画。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カンナビノイドの使用を含む、細菌感染症の治療または予防のための投与計画。
【背景技術】
【0002】
抗菌性を有する化合物は、細菌により引き起こされる感染症の流行が増加し、重篤なまたは致命的な疾患をもたらすることから、近年大きな関心を持たれている。さらに、広域性の抗生物質の常用は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)などの、いくつかの抗菌性組成物に耐性である菌株の発生の増大をもたらした。
【0003】
新規抗菌化合物および新規組成物は、これらのタイプの抗生物質耐性菌に対し高度に効果的である可能性がある。以前に抗菌組成物に曝露されたことがない病原体は、治療に対する抵抗性がほとんどないか、全くない可能性がある。
【0004】
抗生物質に対する菌耐性がとどまる兆しはなく、この理由で、新規抗生物質および新規治療選択が、ヒトおよび非ヒト対象で望ましい治療結果を達成するために必要である。
【0005】
多くの微生物は、バイオフィルムと呼ばれる高度に組織化された構造体を形成し、この構造体中で微生物は、いくつかの機序を介して免疫細胞および抗生物質の殺菌作用から保護される。これらの機序は、低減された抗生物質侵入、低代謝活性、生理学的適応、抗生物質分解酵素、および遺伝的に耐性のあるバリアントの選択(Stewart & Costerton Lancet.2001 358(9276):135-138)を含む。
【0006】
細菌、特に現在の利用可能な抗生物質化合物に対する耐性を有する細菌による感染症の治療のために新しい投与計画を提供する必要性がある。本発明は、このような代替投与計画を提供しようとするものである。
【0007】
背景技術の前述の考察は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。この考察は、言及されたデータのいずれかが本出願の優先日の時点で一般常識の一部である、またはそうであったことを通知または承認するものではない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様では、細菌による対象における感染症の治療または予防のための局所投与計画が提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを投与する
ステップを含む。
【0009】
好ましくは、局所投与計画は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0010】
好ましくは、局所投与計画は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0011】
好ましくは、投与計画は、ゲル組成物または軟膏組成物の形態で組成物を送達する。軟膏組成物は好ましくは、1種または複数のポリ(置換もしくは非置換アルキレン)グリコールまたはそれらの誘導体を含む。ゲル組成物は好ましくは、カンナビノイドを溶解するための揮発性溶媒(例えば、シロキサンおよび/または低分子量アルコール)、および粘度を高めるための粘度調整剤を含む。
【0012】
本発明では、細菌による対象の局所感染症の治療または予防のために皮膚および粘膜表面へ適用される局所投与計画も提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドの局所組成物を投与する
ステップを含む。
【0013】
本発明では、細菌による対象の眼感染症の治療または予防のための経眼投与計画も提供され、上記投与計画は、
眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドの局所組成物を投与する
ステップを含む。
【0014】
本発明では、細菌による対象における感染症の治療または予防のための局所経鼻または吸入投与計画も提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを経鼻送達または吸入により投与する
ステップを含む。
【0015】
本発明の別の態様では、細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法が提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与する
ステップを含む。
【0016】
好ましくは、局所細菌感染症の治療または予防の方法は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される局所投与計画である。
【0017】
好ましくは、細菌感染症の治療または予防の方法は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0018】
本発明では、細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法も提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を対象の皮膚および粘膜表面に投与する
ステップを含む。
【0019】
本発明では、細菌による眼感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法も提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所眼用組成物を投与する
ステップを含む。
【0020】
本発明では、細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法も提供され、上記方法は、
注射により対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物を投与する
ステップを含む。
【0021】
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための、25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物の使用が提供される。
【0022】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0023】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための、皮膚および粘膜表面への投与のための25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物の使用も提供される。
【0024】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための、25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所眼用組成物の使用も提供される。
【0025】
本発明では、細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防をのための、25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物の使用も提供される。
【0026】
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防のための局所組成物の製造のためのカンナビノイドの使用が提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0027】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防のための皮膚および粘膜表面に投与する局所組成物の製造のためのカンナビノイドの使用も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0028】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防のための局所眼用組成物の製造のためのカンナビノイドの使用も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0029】
本発明では、細菌感染症の治療または予防のための局所経鼻または吸入組成物の製造のためのカンナビノイドの使用も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に経鼻または吸入投与計画により投与される。
【0030】
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のための、カンナビノイドを含む局所組成物の製造が提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0031】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む皮膚および粘膜表面への投与のための局所組成物の製造も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に局所投与される。
【0032】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所眼用組成物の製造も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象において眼感染症の部位に投与される。
【0033】
本発明では、細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物の製造も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に経鼻または吸入投与計画により投与される。
【0034】
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所組成物が提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に局所投与される。
【0035】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む皮膚および粘膜表面への投与のための局所組成物も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象の皮膚および粘膜表面に局所投与される。
【0036】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所眼用組成物も提供され、25mg~2000mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象の眼感染症の部位に投与される。
【0037】
本発明では、細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に経鼻または吸入投与計画により投与される。
【0038】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌である。
本発明の好ましい形態では、細菌は、リスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種並びにこれらの組み合わせから選択される属の菌種である。
本発明の好ましい形態では、細菌は、バイオフィルム形成細菌である。
本発明の好ましい形態では、細菌は、少なくとも1種の抗生物質に耐性である。
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0039】
好ましくは、本発明の組成物は、ゲル組成物または軟膏組成物の形態である。軟膏組成物は好ましくは、1種または複数のポリ(置換または非置換アルキレン)グリコールまたはそれらの誘導体を含む。ゲル組成物は好ましくは、カンナビノイドを溶解するための揮発性溶媒(例えば、シロキサンおよび/または低分子量アルコール)、および粘度を高めるための粘度調整剤を含む。
【発明を実施するための形態】
【0040】
治療方法
本発明の一態様では、細菌による対象における感染症の治療または予防のための局所投与計画が提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを投与する
ステップを含む。
【0041】
本発明では、細菌による対象の局所感染症の治療または予防のための皮膚および粘膜表面へ適用される局所投与計画も提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを局所投与する
ステップを含む。
【0042】
本発明では、細菌による対象の眼感染症の治療または予防のための局所経眼投与計画も提供され、上記投与計画は、
眼感染症の部位に25mg~500mgのカンナビノイドを投与する
ステップを含む。
【0043】
本発明では、細菌による対象における感染症の治療または予防のための局所経鼻または吸入投与計画も提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを経鼻送達または吸入により投与する
ステップを含む。
【0044】
本発明の一態様では、対象の皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌のための局所投与計画が提供され、上記投与計画は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを対象に投与する
ステップを含む。
【0045】
好ましくは、局所投与計画は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
好ましくは、局所投与計画は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0046】
好ましくは細菌は、バイオフィルム形成細菌である。好ましくは細菌は、抗生物質耐性細菌である。細菌は、バイオフィルム形成および抗生物質耐性の両方であり得る。
【0047】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌、好ましくはリスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種、並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0048】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
組成物は、2種以上のカンナビノイドを含んでよい。例えば、本発明の組成物は、2種、3種またはそれより多くのカンナビノイドを含み得る。
【0049】
治療の方法
本発明の別の態様では、細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法が提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与する
ステップを含む。
【0050】
本発明では、細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法も提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物を対象の皮膚および粘膜表面に投与する
ステップを含む。
【0051】
本発明では、細菌による眼感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法も提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所眼用組成物を投与する
ステップを含む。
【0052】
本発明では、細菌による局所感染症の治療を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための方法も提供され、上記方法は、
注射により対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む経鼻または吸入組成物を投与する
ステップを含む。
【0053】
本発明の別の態様では、このような治療を必要としている対象における皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の局所の細菌の除菌のための方法が提供され、上記方法は、
対象に25mg~500mgのカンナビノイドを含む組成物を局所投与する
ステップを含む。
【0054】
好ましくは、細菌による局所感染症の治療または予防のための方法は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0055】
好ましくは、局所細菌感染症の治療または予防の方法は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0056】
好ましくは細菌は、バイオフィルム形成細菌である。好ましくは細菌は、抗生物質耐性細菌である。細菌は、バイオフィルム形成および抗生物質耐性の両方であり得る。
【0057】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌、好ましくはリスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種、並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0058】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0059】
本発明の方法における使用のための組成物は、2種以上のカンナビノイドを含み得る。例えば、本発明の組成物は、2種、3種またはそれより多くのカンナビノイドを含み得る。
【0060】
使用
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物の使用が提供される。
【0061】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための皮膚および粘膜表面への投与のための25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所組成物の使用も提供される。
【0062】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所眼用組成物の使用も提供される。
【0063】
本発明では、細菌感染症の治療または予防を必要としている対象におけるこのような治療または予防のための25mg~500mgのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物の使用も提供される。
【0064】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0065】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0066】
好ましくは、細菌は、バイオフィルム形成細菌である。好ましくは、細菌は、抗生物質耐性細菌である。細菌は、バイオフィルム形成および抗生物質耐性の両方であり得る。
【0067】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌、好ましくはリスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種、並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0068】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0069】
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防のための局所組成物の製造のためのカンナビノイドの使用が提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0070】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防のための皮膚および粘膜表面への投与のための局所組成物の製造のためのカンナビノイドの使用も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0071】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防のための局所眼用組成物の製造のためのカンナビノイドの使用も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0072】
本発明では、細菌感染症の治療または予防のための局所経鼻または吸入組成物の製造のためのカンナビノイドの使用も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に経鼻または吸入投与計画により投与される。
【0073】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0074】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0075】
好ましくは、細菌はバイオフィルム形成細菌である。好ましくは、細菌は抗生物質耐性細菌である。細菌は、バイオフィルム形成および抗生物質耐性の両方であり得る。
【0076】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌、好ましくはリスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種、並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0077】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0078】
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所組成物の製造が提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0079】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のための皮膚および粘膜表面へ投与するためのカンナビノイドを含む局所組成物の製造も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に局所投与される。
【0080】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所眼用組成物の製造も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象の眼感染症の部位に投与される。
【0081】
本発明では、細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物の製造も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に経鼻または吸入投与計画により投与される。
【0082】
好ましくは、組成物の使用は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0083】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0084】
好ましくは細菌は、バイオフィルム形成細菌である。好ましくは細菌は、抗生物質耐性細菌である。細菌は、バイオフィルム形成および抗生物質耐性の両方であり得る。
【0085】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌、好ましくはリスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種、並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0086】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0087】
組成物
本発明の別の態様では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所組成物が提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に投与される。
【0088】
本発明では、局所細菌感染症の治療または予防における使用のための皮膚および粘膜表面へ投与するためのカンナビノイドを含む局所組成物も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に局所投与される。
【0089】
本発明では、眼細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所眼用組成物も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象の眼感染症の部位に投与される。
【0090】
本発明では、細菌感染症の治療または予防における使用のためのカンナビノイドを含む局所経鼻または吸入組成物も提供され、25mg~500mgのカンナビノイドが、このような治療または予防を必要としている対象に経鼻または吸入投与計画により投与される。
【0091】
好ましくは、組成物の使用は、皮膚および粘膜表面、眼表面または鼻腔面の細菌の除菌をもたらす。
【0092】
好ましくは、使用は、皮膚および粘膜表面(例えば、口膜、膣膜、直腸粘膜)、眼表面または鼻腔面に適用される投与計画である。
【0093】
好ましくは細菌は、バイオフィルム形成細菌である。好ましくは細菌は、抗生物質耐性細菌である。細菌は、バイオフィルム形成および抗生物質耐性の両方であり得る。
【0094】
本発明の好ましい形態では、細菌は、グラム陽性細菌、好ましくはリスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種、並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0095】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0096】
組成物は、2種以上のカンナビノイドを含む。例えば、本発明の組成物は、2種、3種またはそれより多くのカンナビノイドを含み得る。
【0097】
カンナビノール
用語「カンナビノイド」としては、カンナビノイド受容体と相互作用する化合物および次記などの種々のカンナビノイド模倣物質が挙げられる:特定のテトラヒドロピラン類似体(例えば、Δ9-テトラヒドロカンナビノール、Δ8-テトラヒドロカンナビノール、6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン-1-オール、3-(1,1-ジメチルヘプチル)-6,6a,7,8,10,10a-ヘキサヒドロ-1-ヒドロキシ-6,6-ジメチル-9H-ジベンゾ[b,d]ピラン-9-オン、(-)-(3S,4S)-7-ヒドロキシ-Δ6-テトラヒドロカンナビノール-1,1-ジメチルヘプチル、(+)-(3S,4S)-7-ヒドロキシ-Δ6-テトラヒドロカンナビノール-1,1-ジメチルヘプチル、11-ヒドロキシ-Δ9-テトラヒドロカンナビノール、およびΔ8-テトラヒドロカンナビノール-11-酸));特定のピペリジン類似体(例えば、(-)-(6S,6aR,9R,10aR)-5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-6-メチル-3-[(R)-1-メチル-4-フェニルブトキシ]-1,9-フェナントリジンジオール-1-アセテート));特定のアミノアルキルインドール類似体(例えば、(R)-(+)-[2,3-ジヒドロ-5-メチル-3-(-4-モルホリニルメチル)-ピロロ[1,2,3-de]-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル]-1-ナフタレニルメタノン);および特定の開環ピラン環類似体(例えば、2-[3-メチル-6-(1-メチルエテニル)-2-シクロヘキセン-1-イル]-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオールおよび4-(1,1-ジメチルヘプチル)-2,3’-ジヒドロキシ-6’α-(3-ヒドロキシプロピル)-1’,2’,3’,4’,5’,6’-ヘキサヒドロビフェニル)。
【0098】
好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオール、カンナビノール、カンナビゲロール、カンナビクロメン、およびΔ9-テトラヒドロカンナビノールを含むリストから選択される。最も好ましくは、カンナビノイドは、カンナビジオールである。
【0099】
カンナビジオールは、本明細書で使用される場合、2-[3-メチル-6-(1-メチルエテニル)-2-シクロヘキセン-1-イル]-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオールを指す。カンナビジオールの合成は、例えば、Petilka et al.,Helv.Chim.Acta,52:1102(1969)およびMechoulam et al.,J.Am.Chem.Soc.,87:3273(1965)に記載されている。これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0100】
組成物は、2種以上のカンナビノイドを含む。例えば、本発明の組成物は、2種、3種またはそれより多くのカンナビノイドを含み得る。
【0101】
好ましくは、本発明の組成物は、15mg/mL~0.1mg/mL、10mg/mL~1mg/mL、8mg/mL~2mg/mL、または3mg/mL~6mg/mLの濃度でカンナビノイドを含む。
【0102】
好ましくは、本発明の組成物は、0.1mg/mL、0.5mg/mL、1.0mg/mL、1.5mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、10.5mg/mL、11.0mg/mL、11.5mg/mL、12.0mg/mL、12.5mg/mL、13.0mg/mL、13.5mg/mL、14.0mg/mL、14.5mg/mL、または15.0mg/mLの濃度でカンナビノイドを含む。
【0103】
好ましくは、本発明の組成物は、2mg/mL~0.1mg/mL、1.8mg/mL~0.1mg/mL、1.5mg/mL~0.1mg/mL、または1mg/mL~0.1mg/mLの濃度でカンナビノイドを含む。
【0104】
好ましくは、本発明の組成物は、2mg/mL~1mg/mL、1.8mg/mL~1mg/mL、または1.5mg/mL~1mg/mLの濃度でカンナビノイドを含む。
【0105】
好ましくは、本発明の組成物は、0.5%~35%重量/重量、1%~30%重量/重量、2%~25%重量/重量、0.5%~20%重量/重量、5%~20%重量/重量、5%~15%重量/重量、5%~10%重量/重量、10%~20%重量/重量の濃度でカンナビノイドを含む。
【0106】
好ましくは、本発明の組成物は、0.5%重量/重量、1%重量/重量、2.5%重量/重量、5%重量/重量、10%重量/重量、15%重量/重量または20%重量/重量の濃度でカンナビノイドを含む。
【0107】
賦形剤
本発明の組成物は、カンナビノイドの送達に役立つ賦形剤を含み得る。
【0108】
本発明の組成物は好ましくは、軟膏担体(ointment vehicle)またはゲル担体(gel vehicle)の形態であり得る。
【0109】
軟膏担体
本発明の軟膏担体は好ましくは、カンナビノイドのための粘度調整剤および溶媒の両方として振る舞い得る成分の混合物を含む。好ましくは、少なくとも1種の成分は、液体であり、少なくとも1種の成分は、固体または半固体である。液体成分は、カンナビノイドを溶解し、軟膏の粘度を下げる。固体または半固体成分は、軟膏の粘度を高め、カンナビノイドの溶解を助け得る。各成分の量のバランスを取ることにより、望ましい粘度が達成され得る。
【0110】
好ましい軟膏組成物は、1~35%重量/重量、好ましくは5~30%重量/重量、より好ましくは10~25%重量/重量、より好ましくは15~20%重量/重量の濃度でカンナビジオールを含む。
【0111】
本発明の軟膏組成物中で、有効成分は、ポリエチレングリコール(PEG)などのグリコールを含む軟膏基剤中に溶解または分散され得る。本発明の組成物は、少なくとも1重量%のポリ(置換または非置換アルキレン)グリコールまたはその誘導体を含み得る。
【0112】
本明細書で使用される場合、「ポリ(置換または非置換アルキレン)グリコール」という用語は、次の反復ユニット
-(CH2)nO-
(式中、nは整数で、好ましくは2または3である)を有するポリマー、および各反復単位の1個または複数のメチレン基が置換されているポリマーを指す。好適な置換基としては、ポリメトキシプロピレングリコール中でのようなメトキシなどのアルコキシ基が挙げられる。このようなポリマーは、種々の名称で知られており、例えばn=2の場合、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレングリコールおよびマクロゴールとして、n=3の場合、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシプロピレングリコールとして知られている。これらの全ては、本発明において有用であり、これらのポリマーの誘導体もまた有用である。
【0113】
好適な誘導体としては、マクロゴールエーテルおよびエステル、例えば、セトマクロゴール、グリコフロール、「ツイーン」などのポリ(置換または非置換アルキレン)グリコールのエーテルおよびエステル、ならびにポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーであるポロキサマー、例えば、「プルロニック」などのポリ(置換または非置換アルキレン)グリコールを含むブロックコポリマー、ならびに架橋ポリエチレングリコールが挙げられる。「ツイーン」および「プルロニック」は、これらのタイプの高分子の商品名である。
【0114】
ポリ(置換または非置換アルキレン)グリコールおよびその誘導体は、単独で使用されてよく、または種々のグレードおよびタイプを組み合わせて使用して組成物の所望の物理的性質を得てもよい。
【0115】
好ましくは組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体を含む。
【0116】
PEG基剤は、単一の分子量グレードのPEG、または1種または複数の分子量グレードの混合物を含み得る。代表的PEG分子量グレードとしては、PEG200、PEG300、PEG400、PEG540、PEG600、PEG800、PEG900、PEG1000、PEG1450、PEG1600、PEG3000、PEG3350、PEG4000、PEG4500、PEG6000、PEG8000、およびPEG20000が挙げられる。本発明の実施形態で使用されるPEGは好ましくは、少なくとも低分子量ポリエチレングリコールを含み、それにより組成物は周囲温度および体温で良好な展着性を有する。通常、PEG200~PEG600は、200℃で液体であり、MW>600のPEGは、200℃で半固体~固体である。
【0117】
他の本発明の実施形態は、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、またはこれらの混合物の軟膏基剤中に溶解または分散された有効成分を含む。代表的PPG分子量グレードとしては、PPG200、PPG400、PPG425、PPG750、PPG1200、PPG2000、PPG3000、およびPPG4000が挙げられる。好ましい組成物は、分子量2000以上のPPGを含む。他の実施形態は、ブチレングリコールまたはヘキシレングリコール中に溶解または分散された有効成分を含む。
【0118】
本発明の他の実施形態は、上述のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、およびヘキシレングリコールのいずれかの混合物を含む。例えば、200~600のMWのPEGおよび1000を超えるMWのPEGの混合物を使用することが好ましい場合がある。液体および固体PEG成分の比率を変えることにより、望ましい粘度の有する組成物を、種々の状況および適用部位に対し生成できる。
【0119】
好適な成分の例としては、担体の液体成分としてのポリエチレングリコール400および担体の固体または半固体成分としてのポリエチレングリコール4000が挙げられる。
【表1】
【表2】
【0120】
好ましくは、軟膏担体の液体および半固体または固体成分は、PEG400および/またはPEG4000と類似の親油性を有する。ペトロラタムの含有は、カンナビノイドの送達のための効果的軟膏を提供しなかったことが知られている。これは、ペトロラタムの高い親油性に起因すると思われ、それは、カンナビノイドを選択的に組成物中に分配させ、皮膚または粘膜表面、眼表面もしくは鼻腔面に移行させなかった可能性がある。軟膏担体中に、カンナビノイドを選択的に皮膚に分配させる成分を含めることが望ましい。
【0121】
ゲル担体
本発明のゲル担体は好ましくは、カンナビノイドを溶解するための揮発性溶媒、および粘度を高めるための粘度調整剤を含む。
【0122】
揮発性溶媒を使用することにより、遙かに高い、非結晶質の(すなわち、溶液の)カンナビノイド濃度を達成できる。カンナビノイドは、揮発性溶媒中に極めて高い濃度で溶解でき、従って、皮膚に適用されると、揮発性溶媒が蒸発し、カンナビノイドが皮膚上に高濃度で残存する。揮発性溶媒は、例えば、C2-6低分子量アルコール、例えば、メタノール、イソプロパノール、プロパノール、2-ブタノール、n-ブタノールまたはエタノールであり得る。あるいは、揮発性溶媒は、シロキサンであってもよい。他の好適な揮発性溶媒は、当業者には明らかであろう。
【0123】
本発明の好ましい形態では、組成物は、C2-6低分子量アルコールとシロキサンの組み合わせを含む。
【0124】
有利には、いくつかの実施形態では、揮発性溶媒は、周囲温度で液体である。好ましくは揮発性溶媒は、約30℃以下、または約25℃で液体である。好ましくは揮発性溶媒の揮発性のレベルは、イソプロピルアルコールのレベルとほぼ同等である。好ましくは、揮発性溶媒の沸点は、大気圧下で約70℃~110℃である。好ましくは、揮発性溶媒の沸点は、大気圧下で約80℃~105℃である。好ましくは、揮発性溶媒の沸点は、大気圧下で約85℃~105℃である。
【0125】
好ましいゲル組成物は、1~35%重量/重量、好ましくは5~30%重量/重量、より好ましくは10~25%重量/重量、より好ましくは15~20%重量/重量の濃度でカンナビジオールを含む。
【0126】
本発明のゲル組成物中で、有効成分は、揮発性シリコーン液体、好ましくは非ポリマーシロキサンを含むゲル基剤中に溶解または分散され得る。好ましいシリコーン液体は、約0.5cSt~約5cStの範囲の粘度を有する。好ましいシリコーンは、約0.65cStの粘度を有するヘキサメチルジシロキサン(HDS)である。他の好ましいシロキサンとしては、トリメチルシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、および粘度≦10cStの低分子量ジメチコンが挙げられる。本発明の組成物は、揮発性シリコーンの混合物も含み得る。好ましい揮発性シリコーンは、25℃で、<500kJ/kg、より好ましくは<400kJ/kg、より好ましくは<300kJ/kg、およびより好ましくは<200kJ/kgの蒸発熱を有する。
【0127】
本発明の好ましい形態では、シロキサンは、分子当たり1~8個のケイ素原子を含む。本発明の好ましい形態では、シロキサンは、分子当たり2~5個のケイ素原子を含む。一実施形態では、シロキサンは、2または3個のケイ素原子を含む。
【0128】
シロキサンは、1~8個のメチル基を有し得る。一実施形態では、シロキサンは、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。これらは、最も揮発性のシロキサンであり、従って、最も有利である。好ましくは、シロキサンの揮発性のレベルは、イソプロピルアルコールのレベルとほぼ同じである。
【0129】
別の実施形態では、シロキサンは、4または5個のケイ素原子を含み、例えば、デカメチルテトラシロキサンまたはドデカメチルペンタシロキサンである。別の実施形態では、シロキサンは、環式4または5ケイ素原子化合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン(CAS#556-67-2)またはデカメチルシクロペンタシロキサン(CAS#541-02-6)である。
【0130】
本発明の一形態では、揮発性溶媒は、ヘキシルメチルジシロキサンであり、これは、より少ない揮発性のポリメチルシロキサンと組み合わされる。
【0131】
有利には、いくつかの実施形態では、揮発性溶媒は、C2-6アルコールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。有利には、いくつかの実施形態では、揮発性溶媒は、C2-4アルコールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態では、揮発性溶媒は、エチルアルコール(またはエタノール)、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。他の揮発性溶媒は、当業者には明らかであろう。
【0132】
本発明の好ましい形態では、組成物は、C2-6低分子量アルコールと非ポリマーシロキサンの組み合わせを含む。
【0133】
ゲル組成物は好ましくは、室温または体温下で大きな揮発性を有しない共溶媒も含む。好ましい共溶媒は、グリコールおよびこれらの誘導体を含む。代表的共溶媒は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール(登録商標))、ポリプロピレングリコールステアリルエーテル(アラモル(商標)PS11E)、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノパルミトステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、およびこれらの混合物を含む。
【0134】
好ましくは、共溶媒は、760.00mmHgで160℃~500℃の沸点を有する。例えば、共溶媒は好ましくは、760.00mmHgで少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、少なくとも185℃、または少なくとも190℃の最小沸点を有する。共溶媒は好ましくは、760.00mmHgで、最大500℃、最大495℃、最大490℃、最大485℃、最大480℃、最大475℃、最大470℃、または最大465℃の最大沸点を有する。
【0135】
ゲル組成物は、組成物粘度を高める、および/または改善された肌触りをもたらす、すなわち、皮膚軟化剤である、不揮発性成分も含む。本発明のゲル組成物中の粘度調整剤は、ゲルの粘度を高める役割をする。揮発性溶媒は通常液体であるので、増粘剤が、皮膚、粘膜表面、などの上にゲルを所望の時間長さにわたり保持するために必要とされる。代表的な成分としては、約100cSt~約12,500cStの範囲の粘度を有する高分子量ジメチコン;PEG/PPG-19/19ジメチコン(DOWSIL(商標)BY11-030)、PEG/PPG-18/18ジメチコンなどのポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールジメチコン;ジメチコノール、ジメチコノール/トリメチルシロキシシリケートクロスポリマー、およびこれらの誘導体が挙げられる。
【0136】
本発明の組成物は、水を含んでよく(水性)、または非水性であってもよい。
【0137】
本発明の製剤は、例えば、軟膏、クリームもしくはローション、眼軟膏および点眼もしくは点耳剤、含浸包帯として提供されてよく、および従来の好適な添加剤、例えば、保存剤、薬物浸透を支援するための溶媒ならびに軟膏およびクリーム中に皮膚軟化剤を含んでよい。製剤はまた、クリームまたは軟膏基剤およびローション用のエタノールまたはオレイルアルコールなどの、相溶性がある従来の担体を含んでもよい。このような担体は、製剤の約1%~最大で約98%存在してよい。より一般的には、それらは、製剤の最大で約80%を構成する。
【0138】
本発明の組成物はまた、少量の従来型添加剤、例えば、キサンタンガムなどの粘度調整剤、およびフェノキシエタノールまたはベンジルアルコールなどの保存剤、並びにこれらの混合物も含み得る。いくつかのアニオン性治療薬では、好適なpHを維持するために緩衝剤を組み込むことが必要な場合がある。
【0139】
このような組成物または薬物での使用のための好適な保存剤は、例えば、フェノキシエタノール、および製剤中で、特にクリーム中で従来使用される他の保存剤を含む。好適な保存剤は、メチルヒドロキシベンゾエート、クロロクレゾール、ソルビン酸および安息香酸を含む。
【0140】
本発明の組成物は、従来の医薬品技術により製造され得る。従って、軟膏およびクリームは好都合に、乳剤が形成されるまで担体を構成する成分を、高温で、好ましくは60~70℃で一緒に混合することにより調製される。混合物をその後、室温に冷却し、全ての他の成分と一緒に、カンナビノイドの添加後、撹拌して適切な分散を確実にし得る。
【0141】
点耳薬および点眼薬などの、液体製剤は、治療薬を担体を構成する成分中に溶解することにより製造され、他の成分がその後、添加される。得られた溶液または懸濁液は、ガラスもしくはプラスチックボトルに、または後で熱融着される軟ゼラチンカプセルなどの単一用量パックに分配される。
【0142】
本発明の組成物は、医薬のまたは獣医学的な使用を対象とする。
【0143】
本発明は、それぞれの化合物の量が±5%、±7.5%、±10%、±15%、±17.5%、または±20%変化するので、上記組成物に対する変動を包含する。
【0144】
本発明は、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値に対し変動する、組成物を包含する。本発明の一形態では、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値から最大50%変動する。本発明の一形態では、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値から最大40%変動する。本発明の一形態では、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値から最大30%変動する。本発明の一形態では、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値から最大20%変動する。本発明の一形態では、相対的比率が独立に、上記指定の値から最大10%変動する。本発明の一形態では、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値から最大5%変動する。本発明の一形態では、相対的比率が独立に、上記指定の値から最大10%変動する。本発明の一形態では、有効成分および/または各賦形剤の相対的比率が独立に、上記指定の値から最大2%変動する。
【0145】
当業者により理解されるように、賦形剤および有効成分のパーセンテージの合計は、100を超えることができず、上記変動は、この制約を受ける。当業者により理解されるように、賦形剤および有効成分のパーセンテージの合計は、本発明の形態が指定した成分以外の成分を含む場合、100未満であり得る。
【0146】
上記の変動は、相対的比率のパーセンテージ変動である。例えば、1%と指定される成分(賦形剤または有効成分)の相対的比率の20%の変動は、その成分の相対比率が0.8~1.2%であり得ることを意味する。
【0147】
治療
用語「感染」は、本明細書で使用される場合、微生物によるコロニー形成および/または微生物、特に細菌、さらに限定すれば、バイオフィルム形成細菌の増殖を意味する。感染は、明白でないか、または局所的細胞傷害をもたらし得る。感染は、局在化し、無症候性および一時的であり得るか、あるいは、拡張により広がって急性または慢性の臨床感染になり得る。感染はまた、潜伏感染であり得、この場合、微生物は対象中に存在するが、対象は微生物に関連する疾患の症状を示さない。
好ましくは、本発明の組成物は、対象に25mg~500mgのカンナビノイドを送達する。
【0148】
表現「治療有効量」は、本明細書で使用される場合、細菌保因または細菌感染に付随する細菌増殖を抑制するのに十分なカンナビノイドの量を指す。すなわち、本発明の方法または組成物による治療有効量のカンナビノイドの投与への言及は、実質的殺菌性または静菌性活性が関連細菌保因または細菌感染の実質的抑制を引き起こす、治療効果を指す。「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、無毒性であるが、所望の生物学的、治療的、および/または予防的結果をもたらすために十分な量を指す。所望結果は、細菌コロニー形成の排除または疾患の徴候、症状、もしくは原因の低減および/または緩和、または生体系のいずれか他の所望の変化を含む。任意の個別の症例での有効量は、定型的実験を用いて当業者により決定され得る。医薬組成物との関連で、有効量は、病態またはその徴候または症状の調節において推奨される投与量であり得る。有効量は、使われる医薬組成物および採用される投与経路に応じて異なる。有効量は、年齢、体重、性別など、および疾患または病原性微生物により影響を受ける範囲などの特定の対象の種々の因子を考慮に入れて、日常的に最適化される。
【0149】
本明細書で使用される場合、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、疾患または状態を抑制すること、すなわち、その進行または少なくとも1つのその臨床的または微症状を阻止または低減すること、例えば、細菌感染を低減または除去することを指す。「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、疾患または状態を軽減すること、すなわち、疾患もしくは状態またはその臨床症状もしくは微症状の少なくとも1つを退行させることをさらに指す。治療される対象に対する恩恵は、統計的に有意であるか、または対象および/または医師に少なくともはっきりわかるものである。細菌感染症の治療の場合、治療という用語は、細菌によるコロニー形成および/または細菌の増殖の低減または排除を含み、バイオフィルム形成の低減または既存のバイオフィルムの破壊を含む。
【0150】
除菌、または細菌の除菌は、対象中の抗菌剤耐性病原体(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA))などの細菌の存在の低減または除去である。例えば、手術などのイベントの前の、抗菌剤耐性微生物の保菌者である対象の予防的治療により、対象が命に関わる健康管理関連感染症をその後に発症する可能性が、低減される。細菌のコロニー形成の通常の部位としては、鼻腔、鼠径部の皮膚を含む皮膚、および口腔が挙げられる。
【0151】
本発明の一形態では、細菌によるコロニー形成の低減または除去は、%死菌により測定される細菌によるコロニー形成の低減または除去を意味する。例えば、%死菌は、50%、60%、70%、80%、90%、95%または97%であり得る。
【0152】
本発明の一形態では、細菌によるコロニー形成の低減または除去は、細菌数のlog10減少により測定される細菌によるコロニー形成の低減または除去を意味する。例えば、細菌のlog10減少は、1 log10減少、2 log10減少、3 log10減少、4 log10減少、5 log10減少、6 log10減少、7 log10減少またはそれを超えてよい。
【0153】
「予防有効量(preventative effective amount)」という用語は、本明細書で使用される場合、それが所望投与計画により投与された場合、微生物感染症を少なくとも部分的に防止するまたはその開始を遅らせるのに十分である組成物の量を意味する。
【0154】
局所感染症
一態様では、治療計画で使用される組成物は、皮膚のまたは粘膜表面の感染症の治療のための局所医薬組成物である。
【0155】
本発明の一形態では、感染症は、次の状態の1種または複数に関する:アクネ、発疹、疱疹、火傷、かゆみ、蜂窩織炎、毛包炎、爪感染症、おでき、毛髪感染症、頭皮感染症、膿痂疹、痔核、口内炎、歯肉炎、歯周炎、腟炎、鼻病変、腫脹、切り傷、外科的切開、日光皮膚炎、皮膚のひび割れ、およびこれらの組み合わせ。
【0156】
本発明の一形態では、感染症は、急性細菌性皮膚・皮膚組織感染症(ABSSSI)であり、この感染症は、次の状態の1種または複数に関連する:約75cm2の最小病変表面積を有する蜂窩織炎/丹毒、創感染、および皮膚膿瘍。
【0157】
本発明の一形態では、感染症は、複雑性皮膚・皮膚軟部組織感染症(cSSSI)であり、この感染症は、深部皮下組織に関わる、または抗菌療法に加えて手術を必要とする。
【0158】
本発明の一形態では、感染症は、非複雑性または市中感染性の皮膚もしくは皮膚組織感染症である。
【0159】
局所治療計画は、対象の皮膚または粘膜表面への25mg~500mgのカンナビノイドの直接投与を含み得る。好ましくは、カンナビノイドは、対象の皮膚または粘膜(口腔、腟、直腸)に局所適用される。使用は、対象の皮膚または粘膜(口腔、腟、直腸)への25mg~500mgのカンナビノイドの投与を含み得る。
【0160】
眼感染症
一態様では、治療計画で使用される組成物は、眼感染の感染症の治療のための眼用医薬組成物である。
【0161】
眼感染症は、(i)角膜および結膜を冒す感染症;(ii)眼に間接的に関わり眼窩から脳内へ広がり得る、眼周囲の軟組織(眼付属器および眼窩)における感染症;および(iii)眼内感染症(眼内炎)、に分類でき、穿通性眼球損傷に引き続いて、または眼内手術後に発症することが多い。全ての上記感染症は、本発明のカンナビノイド送達投与計画により治療され得る。
【0162】
経眼治療計画は、対象の眼表面への25mg~500mgのカンナビノイドの直接的投与を含み得る。好ましくは、カンナビノイドは、対象の眼に局所適用される。しかし、カンナビノイド投与計画は、眼内注射、強膜注射、徐放性インプラントまたは他の送達方法を介したカンナビノイドの投与を含み得る。使用は、対象の眼への25mg~500mgのカンナビノイドの投与を含み得る。
【0163】
経鼻または経肺投与により治療される感染症
一態様では、治療計画で使用される組成物は、感染症の治療のための経鼻または経肺投与医薬組成物である。細菌による対象におけるいずれかの感染症は、経鼻または経肺送達治療方法を用いて治療され得る。
【0164】
好ましくは、鼻腔、気道および肺の感染症は、経鼻または経肺治療方法を用いて治療される。例えば、本発明の治療計画は、肺炎;副鼻腔感染症;嚢胞性線維症に関連する感染症;喘息に関連する感染症;急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に関連する感染症;塵肺症に関連する感染症;間質性肺疾患(ILD)に関連する感染症、を治療するために使用され得る。経鼻または経肺治療計画は、対象の鼻または肺系統への25mg~500mgのカンナビノイドの投与を含み得る。カンナビノイドは、鼻または肺系統中での吸収を介して血流に侵入し得、対象に対し全身的に利用可能であり得る。しかし、カンナビノイド投与計画は、別の選択肢では、限局性の局所効果のための、鼻または肺系統へのカンナビノイドの投与を含み得る。使用は、対象への25mg~500mgのカンナビノイドの経鼻または経肺投与を含み得る。
【0165】
バイオフィルム破壊
本発明の治療計画は、バイオフィルムを破壊またはその形成を防止できると考えられる。細菌感染症は、対象中で、例えば、肺中で、皮膚上で、消化管中で、バイオフィルムの形成をもたらし得る。このようなバイオフィルム関連感染症は、治療困難である場合が多い。
【0166】
何らかの理論に拘泥するものではないが、我々は、カンナビノイドが、バイオフィルム形成細菌のバイオフィルム形成活性を妨げ、それによりバイオフィルムを、カンナビノイドの抗菌活性の影響をより受けやすいようにすることができると考えている。
【0167】
「バイオフィルム形成細菌」という用語は、本明細書で使用される場合、バイオフィルムを形成する細菌を意味し、この場合バイオフィルムは、微生物の凝集体であり、その中で細胞は、相互におよび/または表面に付着している細胞外ポリマー物質の自製マトリックスに埋め込まれており;および/または基層、界面または相互に付着した細胞を特徴とする微生物由来の固着共同体であり、かつそれらが産生した細胞外のポリマー物質(EPS)中に埋め込まれている。
【0168】
本発明の組成物は、既存のバイオフィルムを破壊し得、またはバイオフィルムの形成を低減もしくは防止し得る。
【0169】
既存のバイオフィルムが破壊される場合、バイオフィルム中の細菌は、1個または複数の下記の効果に晒され得る:
-バイオフィルム内の菌の死滅;
-バイオフィルム内の細菌の増殖の低減;
-バイオフィルムが形成された表面への細菌の付着の低減;
-細胞外ポリマー物質(EPS)マトリックスの形成速度の低減;
-EPSマトリックスの粘度の低減。
【0170】
バイオフィルム形成の抑制が起こる場合、バイオフィルム中の細菌は、1個または複数の下記の効果に晒され得る:
-バイオフィルム形成前または形成中にバイオフィルムを形成するはずの細菌の死滅;
-バイオフィルム形成前または形成中にバイオフィルムを形成するはずの細菌の増殖の低減;
-バイオフィルムが形成される表面への細菌の付着の低減;
-バイオフィルム形成中の細胞外ポリマー物質(EPS)マトリックスの形成速度の低減;
-バイオフィルム形成中のEPSマトリックスの粘度の低減。
【0171】
好ましくは、本発明の治療計画は、バイオフィルム増殖の抑制をもたらし、OD590は、増殖対照に比べて、≧70%の増殖抑制を示す。この測定の例は、本明細書の実施例で提供される。
【0172】
細菌
好ましくは、本発明のいずれかの態様の細菌は、グラム陽性細菌である。
【0173】
本発明の好ましい形態では、細菌は、リスト:連鎖球菌属菌種、ペプトストレプトコッカス属菌種、クロストリジウム属菌種、リステリア属菌種、バチルス属菌種、ブドウ球菌属菌種、プロピオニバクテリウム属菌種、コクリア属菌種、およびコリネバクテリウム属菌種並びにこれらの組み合わせ、から選択される属の菌種である。
【0174】
本発明の好ましい形態では、細菌は、ブドウ球菌属菌種、連鎖球菌属菌種、バチルス属菌種、コクリア属菌種、および腸球菌属菌種からから選択される属の菌種である。
【0175】
本発明の好ましい形態では、細菌は、次の種から選択される:黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)、スタフィロコッカス・ワーネリ、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス、タフィロコッカス・エピデルミディス、化膿性ブドウ球菌、スタフィロコッカス・キャピティス、肺炎球菌、化膿性連鎖球菌、バチルス・セレウス、バチルス・メガテリウム、枯草菌、フェシウム菌、エンテロコッカス・フィカリス、コリネバクテリウム・ジェイケイウム、コクリア・ロゼア、およびアクネ菌。
【0176】
本発明の好ましい形態では、細菌は、次の種から選択される:黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)、スタフィロコッカス・ワーネリ、スタフィロコッカス・キャピティス、タフィロコッカス・エピデルミディス、肺炎球菌、化膿性連鎖球菌、バチルス・セレウス、バチルス・メガテリウム、枯草菌、フェシウム菌、コクリア・ロゼア、およびエンテロコッカス・フィカリス。
【0177】
より好ましくは、細菌は、黄色ブドウ球菌またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌以外の細菌である。
【0178】
本発明の一形態では、細菌は、MSRAである。
【0179】
本発明の一形態では、感染症は、非ヒト対象で治療されるべき疾患であり、豚赤痢;ウシ、ブタ、ウマおよびイヌのレプトスピラ症;イヌの膿皮症;外耳炎;ウシ、ヒツジおよびヤギの乳房炎;連鎖球菌性乳腺炎;ウマ、ブタおよび他の動物種の連鎖球菌感染症;子ウシおよび他の動物種の肺炎球菌感染症;鼻疽;結膜炎;腸炎;肺炎;ウシ、ヒツジおよびブタのブルセラ症;ブタの萎縮性鼻炎;敗血症;子宮炎-乳房炎-無乳(MA)症候群;クレブシエラ感染症;偽結核症;感染性胸膜肺炎;原発性パスツレラ症;関節病;ウシおよび家畜の壊死桿菌症;レプトスピラ症;ブタおよび他の動物種の丹毒;リステリア症;炭疽病、クロストリジウム症;破傷風感染、ボツリヌス中毒;コリネバクテリウム・ピオゲネス感染症;ウシ、ヒツジおよび他の動物種の結核;反芻動物のパラ結核症;ノカルジア症;Q熱;オウム病;脳脊髄炎;ウシおよび他の動物のマイコプラズマ病;ブタ流行性肺炎、から選択され得る。
【0180】
局所投与は、対象の皮膚または粘膜表面への直接のカンナビノイドの治療有効量の投与を含み得る。好ましくは、カンナビノイドは、対象の皮膚もしくは粘膜(口腔、鼻、腟、直腸)または眼に局所適用される。使用は、対象の皮膚もしくは粘膜(口腔、鼻、腟、直腸)または眼へのカンナビノイドの治療有効量の投与を含み得る。
【0181】
追加の抗菌剤
他の活性薬剤も、本発明の組成物中に組み込み得る。例えば、抗菌薬、抗真菌薬などの追加の抗菌剤を、組み込み得る。
【0182】
例えば、組成物は、過酸化ベンゾイル、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ドキシサイクリンまたはメクロサイクリンをさらに含み得る。
【0183】
使用できる追加の抗菌剤としては、限定されないが、下記が挙げられる:銀化合物(例えば、塩化銀、硝酸銀、酸化銀)、銀イオン、銀粒子、ヨウ素、ポビドン/ヨウ素、クロルヘキシジン、2-p-スルフェニルアニリノエタノール(sulfanilyanilinoethanol)、4,4’-スルフィニルジアニリン、4-スルファニルアミドサリチル酸、アセジアスルホン、アセトスルホン、アミカシン、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンピシリン、アパルシリン、アピシクリン、アプラマイシン、アルベカシン、アスポキシシリン、アジダムフェニコール、アジスロマイシン、アズトレオナム、バシトラシン、バンベルマイシン、ビアペネム、ブロジモプリム、ブチロシン、カプレオマイシン、カルベニシリン、カルボマイシン、カルモナム、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セフブペラゾン、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフィネノキシム、セフミノクス、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォチアム、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフプロジル、セフロキサジン、セフタジジム、セフテラム、セフチブテン、セフトリアキソン、セフゾナム、セファレキシン、セファログリシン、セファロスポリンC、セフラジン、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリナフロキサシン、クリンダマイシン、クロモサイクリン、コリスチン、シクラシリン、ダプソン、デメクロサイクリン、ジアチモスルホン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、ジリスロマイシン、ドキシサイクリン、エノキサシン、エンビオマイシン、エピシリン、エリスロマイシン、フロモキセフ、フォーチミシン、ゲンタマイシン、グルコスルホン、ソラスルホン、グラミシジンS、グラミシジン、グレパフロキサシン、グアメシクリン、ヘタシリン、イミペネム、イセパマイシン、ジョサマイシン、カナマイシン、ロイコマイシン、リノコマイシン、ロメフロキサシン、ルセンソマイシン、リメサイクリン、メクロサイクリン、メロペネム、メタサイクリン、ミクロノマイシン、ミデカマイシン、ミノサイクリン、モキサラクタム、ムピロシン、ナジフロキサシン、ナタマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ノルフロキサシン、オレアンドマイシン、オキシテトラサイクリン、p-スルファニリルベンジルアミン、パニペネム、パロモマイシン、パズフロキサシン、ペニシリンN、ピパサイクリン、ピペミド酸、ポリミキシン、プリマイシン、キナシリン、リボスタマイシン、リファミド、リファンピン、リファマイシンSV、リファペンチン、リファキシミン、リストセチン、リチペネム、ロキタマイシン、ロリテトラサイクリン、ロサラマイシン、ロキシスロマイシン、サラゾスルファジミジン、サンサイクリン、シソマイシン、スパルフロキサシン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、ストレプトマイシン、スクシスルホン、スルファクリソイジン、スルファロクス酸、スルファミドクリソイジン、スルファニル酸、スルホキソン、テイコプラニン、テマフロキサシン、テモシリン、テトラサイクリン、テトロキソプリム、チアンフェニコール、チアゾールスルホン、チオストレプトン、チカルシリン、チゲモナム、トブラマイシン、トスフロキサシン、トリメトプリム、トロスペクトマイシン、トロバフロキサシン、ツベラクチノマイシン、バンコマイシン、アザセリン、カンジシジン、クロルフェネシン、デルモスタチン、フィリピン、フンギクロミン、メパルトリシン、ナイスタチン、オリゴマイシン、シプロフラキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、エノキサシン、ロソクサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、テマフロキサシン(temafloaxcin)、ロメフロキサシン、ペリマイシンAまたはツベルシジン、など。
【0184】
対象
対象は、細菌による感染が可能な任意の対象であり得る。対象は、哺乳動物またはトリであってよい。好ましくは、対象は、ヒト、イヌ、トリ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、およびネコを含む群から選択される。好ましくは、対象は、ヒト、ウシ、ブタ、ウマ、ネコおよびイヌを含む群から選択される。最も好ましくは、対象は、ヒトである。
【0185】
投与
好ましくは、本発明の局所投与計画により投与される合計一日量は、25mg~500mgのカンナビノイドである。
【0186】
好ましくは、本発明の投与計画により投与される合計一日量は:
・局所投与の場合、25mg~500mgのカンナビノイド;
・経眼送達により送達される場合、25mg~500mgのカンナビノイド;
・経鼻または経肺送達により送達される場合、25mg~500mgのカンナビノイド
である。
【0187】
特定の実施形態では、本発明の投与計画により投与されるカンナビノイドの合計一日量は、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、320mg、350mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1500mgおよび1900mgからなる群より選択される下限値;および30mg、50mg、70mg、100mg、150mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、320mg、350mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1500mgおよび2000mgからなる群より選択される上限値を有する。好ましくは、本発明の投与計画により投与されるカンナビノイドの合計一日量は、25mg~500mg、50mg~400mg、100mg~250mgである。
【0188】
本発明の一実施形態では、カンナビノイドは、1日3回、1日2回、毎日、1日置き、3日ごと、週1回、隔週および月に1回、からなる群より選択される投与計画を用いて対象に投与される。
【0189】
例えば、カンナビノイドが局所鼻内除菌を目的として投与される場合、約200mg/日が、それぞれ約100mg(投与毎に各鼻孔に50mgずつ)の2用量で投与される。
【0190】
特定の実施形態では、組成物は、治療が達成されるまで定期的に投与される。好ましい一実施形態では、組成物は、毎時、2時間毎、3時間毎、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、週1回、週2回、隔週1回および月1回、からなる群より選択される投与計画を用いて、このような治療を必要としている対象に投与される。しかし、他の適用スケジュールも、本発明により利用され得る。好ましくは、治療計画の組成物は、1日当り1~5回、より好ましくは1日1回または2回、対象に投与される。
【0191】
本発明の局所治療計画で使用される組成物は、経口、吸入(経肺)、経鼻、経眼、または任意の他の投与形態用に調製され得る。好ましくは、組成物は、例えば、眼科的に、頬側に、直腸内に、経膣で、鼻腔内にまたはエアロゾル投与で、投与される。
【0192】
投与方法は好ましくは、組成物が調製されている形態に好適である。最も効果的な応答のための投与方法は、実験的に決定され得、下記の投与手段は、例示の目的で提示されるものであり、多少なりとも、本発明の組成物の送達方法を限定するものではない。全ての上記組成物は、医薬品産業でよく使われており、相応の資格を有する開業医によく知られている。
【0193】
本発明の組成物は、薬学的に許容可能な無毒性賦形剤および担体を任意に含んでもよい。本明細書で使用される場合、「医薬担体」は、化合物を対象に送達するための薬学的に許容可能な溶媒、懸濁化剤、賦形剤または担体である。担体は、液体または固体であり得、計画された投与方式を考慮して選択される。
【0194】
本発明の組成物は、即放性組成物、遅延放出組成物、制御放出組成物および急速放出組成物からなる群から選択され得る。
【0195】
本発明の組成物は、抗炎症剤(副腎皮質ステロイドなど)をさらに含み得る。組成物が局所組成物である場合、抗コメド溶解剤(トレチノインなど)、および/またはレチノイドまたはそれらの誘導体も、添加されてよい。
【0196】
本明細書で記載の組成物は、例えば、水中油型乳剤、または油中水型乳剤中にこのような剤形を含めることにより処方され得る。このような組成物では、即放性剤形は、連続相中に存在し、遅延放出剤形は、不連続相中に存在する。組成物はまた、本明細書で前述の3種の剤形の送達のための方式で製造され得る。例えば、油中水型乳剤が提供され、油相が即放性成分を含む連続相であり、水相が第1の遅延放出剤形を含む油相中に分散され、油相が第3の遅延放出剤形を含む水相中に分散され得る。
【0197】
本明細書で記載の組成物は、液体組成物の形態であり得る。液体組成物は、溶媒中に溶解された治療薬を含む溶液を含み得る。通常、治療薬が溶解し、かつ対象に投与できる、所望の効果を有する任意の溶媒を用い得る。通常、所望の効果を有する任意の濃度の治療薬を、用い得る。いくつかの変形例では、組成物は、溶液であり、これは、不飽和の、飽和したまたは過飽和の溶液である。溶媒は、純粋な溶媒であってよく、または液体溶媒成分の混合物であってもよい。いくつかの変形例では、形成された溶液は、インサイツゲル化組成物である。使用可能な溶媒および溶液のタイプは、このような薬物送達に精通している人にはよく知られている。
【0198】
組成物は、水を含んでも含まなくてもよい。好ましくは、組成物は、水を含まず、すなわち、それは、非水性である。別の好ましい実施形態では、組成物は、防腐剤を含まない。
【0199】
本発明の方法および組成物によるカンナビノイドの投与は、微生物感染症を治療する、または感染症の部位で微生物増殖を低減するのに十分な量をもたらす任意の好適な手段によるものであってよい。
【0200】
カンナビノイドは、任意の適切な量で、および任意の好適な担体物質中に含まれ得、通常、組成物の総重量の1~95重量%の量で存在する。
【0201】
医薬または獣医学組成物は、従来の医薬または獣医学の慣例に従って処方され得る(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition,2000,ed;A.R.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds;J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988-1999,Marcel Dekker,New York;Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania,USAを参照)。
【0202】
一般に、好適な担体、賦形剤および希釈剤の例としては、限定されないが、水、生理食塩水、エタノール、デキストロース、グリセロール、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエート、ポリソルベート、タルクマグネシウムステアレート、鉱物油またはこれらの組み合わせが挙げられる。組成物は追加で、潤滑剤、pH緩衝剤、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、保存剤、甘味剤または香味料を含んでよい。
【0203】
組成物は、徐放型組成物の形態でもよく、分解性または分解性ポリマー、ヒドロゲル、オルガノゲル、またはカンナビノイドの放出を調節する他の物理的構築物を含み得る。このような組成物は、添加により所望の色、安定性、緩衝能、分散、または他の既知の望ましい特徴を与える追加の不活性成分を含み得ることは理解されよう。このような組成物は、エマルション、フォーム、ミセル、不溶性単分子膜、液晶、リン脂質分散体およびラメラ層などのリポソームをさらに含み得る。本発明中で使用するためのリポソームは、中性および負に帯電しているリン脂質およびコレステロールなどのステロールを通常含む、標準的小胞形成脂質から形成され得る。
【0204】
局所組成物
本発明の組成物は、局所投与され得る。従って、本明細書での使用に意図されるのは、皮膚への直接適用のために適応された組成物である。好ましくは、局所組成物は、25mg~500mgのカンナビノイドを含む。
【0205】
組成物は、懸濁液、乳剤、液体、クリーム、油、ローション、軟膏、ゲル、ヒドロゲル、ペースト、石膏、ロールオン液体、皮膚パッチ、噴霧剤、ガラスビーズ包帯、合成ポリマー包帯および固体を含む群から選択される形態であり得る。例えば、本発明の組成物は、水系組成物または油などの有機溶媒をベースにした軟膏の形態で提供され得る。あるいは、本発明の組成物は、膜形成成分およびその中にカンナビノイドが分散されるまたは可溶化される少なくとも一つの溶媒を含む液体噴霧により適用され得る。
【0206】
本発明の組成物は、限定されないが、リンス、シャンプー、ローション、ゲル、残留型調合剤、洗い流し調合剤、および軟膏を含む群から選択される形態で提供され得る。
【0207】
種々の局所送達系は、好ましい治療計画に応じて、本発明の組成物の投与に好適であり得る。局所用組成物は、本発明のカンナビノイドを水系または非水系担体中に溶解または混合することにより製造され得る。一般に、組成物中に導入され得る化合物もしくは任意の他の有効成分と明らかに反応せず、かつ非刺激性である、任意の液体、クリーム、もしくはゲルまたは類似の物質が、好適である。局所投与と適合し、好ましくは水より大きい動的粘度を有する担体を含む、適切な噴霧可能でない粘稠な半固体または固体形態も、採用できる。
【0208】
好適な組成物は当業者に周知であり、限定されないが、溶液、懸濁液、乳剤、クリーム、ゲル、軟膏、粉剤、塗布薬、膏薬、エアロゾル、経皮貼付剤などを含み、それらは、必要に応じ、滅菌され、または助剤、例えば、保存剤、安定化剤、乳化剤、湿潤剤、香料、着色剤、臭気制御剤、天然ガムなどの増粘剤、等と混合される。特に好ましい局所用組成物は、軟膏、クリームまたはゲルを含む。
【0209】
軟膏は通常、(1)油性基剤、すなわち、不揮発性油または炭化水素、例えば、白色ワセリン、鉱物油からなるもの、または(2)吸収性基剤、すなわち、無水物質または水を吸収できる物質、例えば、無水ラノリンからなるもの、を用いて調製される。慣例上、基剤の形成後に、油性または吸収性に関わらず、カンナビノイドが所望の濃度になる量まで添加される。
【0210】
クリームは、油/水エマルションである。それらは、通常、不揮発性油、炭化水素など、ワックス、石油、鉱物油などを含む油相(内相)ならびに水および任意の水溶性物質、例えば、添加塩を含む水相(連続相)からなる。2つの相は、乳化剤、例えば、ナトリウムラウリルスルフィットなどの界面活性剤;アラビアゴムコロイド状粘土、ビーガムなどの親水性コロイド、の使用により安定化される。乳剤の形成時に、カンナビノイドを、所望の濃度を達成する量で添加できる。
【0211】
ゲルは、油性基剤、水、または乳剤懸濁液基剤から選択される基剤を含む。この基剤に対し、基剤中にマトリックスを形成するゲル化剤が添加され、その粘度を高める。ゲル化剤の例は、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸高分子などである。慣例的には、カンナビノイドは、ゲル化剤の添加の前の時点で、所望の濃度で組成物に添加される。
【0212】
局所組成物中に組み込まれる抗生物質化合物の量は、重要ではなく、その濃度は、有効量のカンナビノイドが送達されるように、組成物の迅速な適用を可能にするのに十分な範囲内である必要がある。
【0213】
眼用組成物
本発明の組成物は、局所経眼送達により投与され得る。好ましくは、眼用組成物は、100mg~500mgのカンナビノイドを含む。
【0214】
経眼送達は、強膜、網膜、眼内液、眼球周囲組織への送達を包含する。例えば、送達は、局所送達(クリーム、ゲル、軟膏、噴霧、点眼)、または他の手段であり得る。
【0215】
人工涙液担体を、経眼カンナビノイド送達のために使用し得る。より高い粘度の人工涙液は、高濃度の粘度増強剤、例えば、Celluvisc(登録商標)高粘度カルボキシメチルセルロース(CMC)および0.35%の高粘度CMCと0.65%の低粘度CMCのブレンドであるRefresh Liquigel(登録商標)を使用する。
【0216】
ゲル化剤を、カンナビノイド送達のために使用し得る。このような薬剤は、液体として注入された後、直ちにゲル相へと進行する。チモプティックゲル(ジェランガム)、AzaSite(登録商標)(ポリカルボフィル、ポロキサマー)、およびBesivance(登録商標)(ポリカルボフィル、ポロキサマー)、0.3%アルギネートケルトロール(登録商標)は、このような薬剤の例である。別のゲル化剤は、ポリカルボフィル-ポロキサマーゲル(例えば、Durasite(登録商標))である。
【0217】
経眼送達は、強膜、眼内腔または眼球の背後の領域へのカンナビノイドの注射も含んでよい。経眼注射に適した組成物としては、必要に応じて、無菌水溶液(水溶性の場合)、または分散液、および無菌注射可能溶液または分散液の即時調製用の無菌粉末が挙げられる。あるいは、本発明の化合物は、特定の態様では、細胞膜を横切るそれらの輸送を支援するように、リポソーム中に被包され、注射溶液中で送達される。代わりに、または追加で、このような調合剤は、自己集合性細孔構造の成分を含んで、細胞膜を横切る輸送を促進する。担体は、種々の態様では、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物および植物油を含む溶媒または分散媒である。適切な流動性は、例えば、限定されないが、レシチンなどのコーティングの使用により、分散の場合に必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用により維持される。注射可能な組成物の持続的吸収は、特定の態様では、組成物中に、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン使用することによりもたらされる。
【0218】
経鼻および経肺投与組成物
本発明の組成物は、局所経鼻または経肺送達により投与され得る。好ましくは、経鼻または経配投与組成物は、25mg~500mgのカンナビノイドを含む。
【0219】
治療薬の経肺送達用に設計された、限定されないが、噴霧器、定量吸入器、および粉末吸入器を含む、広範囲の機械装置が存在し、これらの全ては、当業者によく知られている。本発明の実施に好適な市販の装置のいくつかの具体例は、Mallinckrodt,Inc.,St.Louis,Missouriにより製造されたUltravent噴霧器;Marquest Medical Products,Englewood,Coloradoにより製造されたAcorn II噴霧器;Glaxo Inc.,Research Triangle Park,North Carolinaにより製造されたVentolin定量吸入器;およびFisons Corp.,Bedford,Massachusettsにより製造されたSpinhaler粉末吸入器である。
【0220】
このような装置は全て、カンナビノイドの投与に好適な組成物の使用を必要とする。通常、それぞれの組成物は、用いられる装置のタイプに特異的であり、治療に有用な通常の希釈剤、アジュバントおよび/またはキャリアに加えて、適切な噴射材料の使用を含む場合がある。また、リポソーム、マイクロカプセルまたはマイクロスフェア、包接錯体、または他のタイプのキャリアの使用が、意図される。
【0221】
噴射または超音波による噴霧器での使用に好適な組成物は通常、水または非水性溶媒中に懸濁されたカンナビノイドを含む。組成物はまた、緩衝液および単糖を含み得る(例えば、安定化および浸透圧の調節のために)。噴霧器組成物は、エアロゾルの形成中に溶液の霧化により生じたカンナビノイドの表面誘起凝集を減らすまたは防ぐために、界面活性剤も含み得る。
【0222】
定量吸入装置で使用するための組成物は通常、界面活性剤の助けにより噴射剤中に懸濁されたカンナビノイドを含む微細化粉末を含む。噴射剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノールおよび1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含む、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、もしくは炭化水素、またはこれらの組み合わせなどの、本目的に用いられるいずれかの従来の物質であってよい。好適な界面活性剤としては、ソルビタントリオレエート、大豆レシチンが挙げられる。オレイン酸も、界面活性剤として有用であり得る。
【0223】
粉末吸入装置から投与するための組成物は、カンナビノイドを含む微細化乾燥粉末を含み、および装置からの粉末の分散を容易にする量、例えば、組成物の50~90重量%のラクトース、ソルビトール、スクロース、またはマンニトールなどの増量剤も含み得る。カンナビノイドは最も好都合には、遠位肺への最も効率的な送達のために、10ミクロン未満、最も好ましくは0.5~5ミクロンの平均粒径の粒子形態で調製される必要がある。
【0224】
本発明の治療方法でのカンナビノイドの経鼻送達も、意図される。経鼻送達は、肺中にカンナビノイドの沈着を必要とすることなく、鼻への治療薬の投与後に血流へのカンナビノイドの直接の通過を可能にする。経鼻送達用の組成物は、デキストランまたはシクロデキストランを含むものを含む。
【0225】
全般
当業者は、本明細書で記載の発明が、具体的に記載されたもの以外の変形および修正を許容する余地があることは理解されよう。本発明は、全てのこのような変形および修正を含むと理解されるべきである。本発明はまた、個別にまたはひとまとめにして本明細書中で言及または示された全てのステップ、特徴、組成物および化合物、並びにいずれかおよび全ての組み合わせまたはいずれか2つ以上のステップまたは特徴を含む。
【0226】
本発明は本明細書で記載の特定の実施形態により範囲が限定されるべきではなく、これらは、例示のみの目的であることが意図されている。機能的に等価な生成物、組成物および方法は、明確に、本明細書に記載の本発明の範囲内にある。
【0227】
本明細書で引用された全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌文献、実験マニュアル、書籍、または他の文書)の全開示は、参照により本明細書に組み込まれ、これは、その開示が本内容の一部として読者により読み取られ、考慮されるべきであることを意味する。本文中で引用された文書、文献、特許出願または特許が本文中で反復されないことは、単に簡潔さの理由によるものである。いずれかの参考文献が先行技術を構成する、またはそれが本特許が関連する分野に従事する人の一般常識の一部であることを認めるものではない。
【0228】
本明細書の全体を通して、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、用語の抗菌剤は、抗菌性を有する化合物を含むと理解される。
【0229】
本明細書の全体を通して、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、用語の「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などの変形は、示した整数もしくは整数群を包含するが、いかなる他の整数もしくは整数群も除外するものではないことを意味すると理解される。
【0230】
好適な「薬学的に許容可能な塩」としては、従来から使われる非毒性塩、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩など)、アンモニウム塩などの無機塩基;または有機塩基、例えば、アミン塩(メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチルモノエタノールアミン塩、プロカイン塩およびカフェイン塩など)、塩基性アミノ酸塩(アルギニン塩およびリシン塩など)、テトラアルキルアンモニウム塩など、または肺高血圧症降下剤を液体培地中で可溶性を維持可能にする、または液体媒体、好ましく水性媒体中で調製および/または効果的に投与されることを可能にする他の塩型が挙げられる。上記の塩は、従来の方法により、例えば、対応する酸と塩基から、または塩相互交換により調製され得る。
【0231】
好適な薬学的に許容可能な塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩などの無機酸付加塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩などの有機酸付加塩;アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩;ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩およびカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN,N`-ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機塩基性塩;ならびに、リシン塩およびアルギニン塩などの塩基性アミノ酸との塩、が挙げられる。塩は、いくつかの事例では、水和物またはエタノール溶媒和物であり得る。
【0232】
本明細書で使用される選択用語の他の定義は、本発明の詳細な説明内で認められ、全体を通して適用され得る。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての化学的および技術的用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されているのと同じ意味を有する。
【0233】
本発明のさらなる特徴は、次のそれらのいくつかの非限定的実施形態の説明で十分に記載される。この説明は、本発明を例示する目的のみのために含められる。それは、上述の本発明の広範な要約、開示または記述に対する限定と理解されるべきではない。以降で添付の図面を参照しながら説明がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【
図1】黄色ブドウ球菌のCBDによる24時間にわたるTime-Kill試験プロット。
【
図2】黄色ブドウ球菌のCBDによるTime-Kill試験実験の24時間の間の日内変動のプロット。
【
図3】24時間の間の黄色ブドウ球菌によるCBDに対する耐性の発生のプロット。
【
図4】24時間の間の黄色ブドウ球菌によるダプトマイシンに対する耐性の発生のプロット。
【
図5】バンコマイシン、ダプトマイシン、ムピロシン、クリンダマイシンおよびカンナビジオールによる処理後の、黄色ブドウ球菌株のMIC分布のプロット。
【
図6】バンコマイシン、ダプトマイシン、ムピロシン、クリンダマイシンおよびカンナビジオールによる処理後の、黄色ブドウ球菌MRSA株のMIC分布のプロット。
【
図7】バンコマイシン、ダプトマイシン、ムピロシン、クリンダマイシンおよびカンナビジオールによる処理後の、黄色ブドウ球菌MSSA株のMIC分布のプロット。
【
図8】エクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300を接種した生検ブタ皮膚外植片上に残存しているコロニー形成単位(CFU)。CBDまたはムピロシン含有組成物(中実色)およびCBD不含組成物(ストライプ付きバー)は、感染の2時間後に適用された。1時間(a)または24時間(b)後の組織を採取し、残存CFUを測定した(n=2~3、エラーバーはSEMを示す:
*は統計的に有意な増殖対照からの偏差を示す(p<0.05)。
【
図9】エクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300を接種した生検ブタ皮膚外植片上に残存しているコロニー形成単位(CFU)。CBDまたはムピロシン含有組成物(中実色)およびCBD不含組成物(ストライプ付きバー)は感染の2時間後に適用された。1時間(a)または24時間(b)後の組織を採取し、残存CFUを測定した(n=2~3、エラーバーはSEMを示す:*は統計的に有意な増殖対照からの偏差を示す(p<0.05)。
【
図10】エクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。黄色ブドウ球菌MRSA329を接種した生検ブタ皮膚外植片上に残存しているコロニー形成単位(CFU)。CBDまたはムピロシン含有組成物(中実色)およびCBD不含組成物(ストライプ付きバー)は感染の2時間後に適用された。1時間(a)または24時間(b)後の組織を採取し、残存CFUを測定した(n=2~3、エラーバーはSEMを示す:*は統計的に有意な増殖対照からの偏差を示す(p<0.05)。
【
図11】エクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。黄色ブドウ球菌MRSA993を接種した生検ブタ皮膚外植片上に残存しているコロニー形成単位(CFU)。CBDまたはムピロシン含有組成物(中実色)およびCBD不含組成物(ストライプ付きバー)は感染の2時間後に適用された。1時間(a)または24時間(b)後の組織を採取し、残存CFUを測定した(n=2~3、エラーバーはSEMを示す:*は統計的に有意な増殖対照からの偏差を示す(p<0.05)。
【
図12】エクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。黄色ブドウ球菌MRSA815を接種した生検ブタ皮膚外植片上に残存しているコロニー形成単位(CFU)。CBDまたはムピロシン含有組成物(中実色)およびCBD不含組成物(ストライプ付きバー)は感染の2時間後に適用された。1時間(a)または24時間(b)後の組織を採取し、残存CFUを測定した(n=2~3、エラーバーはSEMを示す:*は統計的に有意な増殖対照からの偏差を示す(p<0.05)。
【
図13】CBD含有組成物または関連担体、PBS、蒸留水中の10%ツイーン20または蒸留水中の1%トリトンの刺激効果のグラフである。
【
図14】黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300を接種した生検ブタ皮膚外植片に対し、5%、10%、15%または20%のCBD組成物を試験したエクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。
【
図15】黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300を接種した生検ブタ皮膚外植片に対し、5%、10%、15%または20%のCBD組成物を試験したエクスビボブタ皮膚モデルの結果のグラフである。
【0235】
実施例
実施例1
この実験は、黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300バイオフィルム形成を破壊するカンナビジオール(CBD)の能力を評価するために実施された。CBDは、Dr Michael Thurn of Botanix Pharmaceuticals Ltd.により提供された。
【0236】
方法
化合物の調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。未希釈のDMSO中の10mg/mLのストック溶液(1.12mLのDMSO中の11.2mg)を調製した。アッセイで試験した最高濃度は、最終濃度として、128μg/mLおよび2%DMSOであり、これらの濃度を達成するために1/20の希釈を用いた。
【0237】
バイオフィルム形成
細菌(黄色ブドウ球菌、ATCC4300;MRSA)を、トリプチックソイブロス(TSB、BD、カタログ番号211825)を用いて、37℃で一晩培養し、その後、それを、5%グルコースを補充した新しいTSB中で1:100に希釈した。100μLをポリスチレン(PS)(Corning;カタログ番号3370)の96ウェルプレート全体に加え、横列Hを培地対照として残した。プレートを、37℃で48時間インキュベートしてバイオフィルムを生成した。プレートを、二連で調製した。
【0238】
バイオフィルム最小発育阻止濃度(バイオフィルムMIC)
抗生物質対照およびCBDを、5%グルコースを含むTSBで、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)のウェル全体にわたり2倍に希釈し、二連で播種した。全てのプレートは、平底ウェルを有し、低蒸発リッドでカバーされた。
【0239】
インキュベーションの48時間後、細菌プレートを、マニュアルピペットを用いて200μL/ウェルの生理食塩水(0.9%NaCl、Baxter Healthcare;カタログ番号AHF7124)で注意深く3回洗浄して、浮遊細胞を除去したがプレートウェルに付着したバイオフィルムを残した。その後、100μLに希釈した対照およびCBDを、洗浄したバイオフィルム含有プレートに移した。次に、これらのプレートを、37℃で24時間インキュベートした。
【0240】
翌日、プレートを、生理食塩水で3回洗浄し、その後100μL/ウェルの99%メタノールで15分間固定した。バイオフィルムが固定されると、100μL/ウェルの0.1%のCrystal Violet Stain(Sigma;カタログ番号C0775-25G)を、20分間加え、バイオフィルム形成の指示薬として使用し、続いて、3回洗浄しウェルを乾燥した。クリスタルバイオレットを溶解するために、150μL/ウェルのメタノールを加えて、バイオフィルムMIC分析を可能にした。
【0241】
バイオフィルムMIC検出および分析
バイオフィルム形成を、590nmでの光学密度(OD590)読み取りにより測定した。バイオフィルム形成のパーセンテージを、残りのプレートに対し、平均、標準偏差および培地対照(横列H)の信頼度のパーセンテージを比較して、評価した。
【0242】
バイオフィルム増殖の抑制を、OD590が増殖対照に比べて≧70%の増殖抑制を示す最小濃度として決定した。分析を、Microsoft Excelを用いて行った。
【表3】
【表4】
【0243】
結果
結果は、技術的反復を有する2つの生物学的反復実験を示す(合計n=4)。
【表5】
【表6】
【0244】
CBDは、2および4μg/mLで、48時間のバイオフィルム形成の最大75%を抑制できた。カンナビジオールバイオフィルムMICは、同じMRSA株に対し、その標準的増殖型細胞MIC(0.5~1μg/mL)より約4倍高かった(1~2μg/mL)。
【0245】
実施例3
抗菌Time-Killアッセイ 黄色ブドウ球菌MRSA
Time-Killアッセイは、単一エンドポイント液体希釈法(MIC)アッセイと比べて、細胞死滅(特定の時間での)のより良好な記述的評価を明示する。このアッセイは、特定の期間内の抗菌作用の速度と大きさを決定し、かつ試験下の抗菌薬の可能なインビボ活性に関する情報も提供し得る。この実験は、黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300に対する抗菌活性をカンナビジオール(CBD)が示すのにどのくらいの時間を要するかを推定するために実施された。CBDは、Dr Michael Thurn of Botanix Pharmaceuticals Ltd.により提供された。
Time-Kill試験方法は、CLSIガイドラインM26-A(NCCLS,1999)に基づく。
【0246】
方法
化合物の調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。ストック溶液を、未希釈のDMSO中10mg/mLで調製した(1.12mLのDMSO中の11.2mg)。アッセイで試験した最高濃度は、最終濃度として、64μg/mLおよび2%DMSOであり、これらの濃度を達成するために1/20の希釈を用いた。
【0247】
プレートアッセイの準備
Time-Kill試験プレート:CBDを、全ての横列に播種し、陽イオン調整Mueller Hinton Broth(CaMHB;BD、カタログ番号212322)で、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)のウェル全体に2倍に希釈し、二連で播種した。各横列を時点として取り、横列A、0時間;横列B、1時間;横列C、2時間;横列D、3時間;横列E、4時間;横列F、6時間および横列G、24時間とした。
【0248】
また、対照プレートも作製した。CBDおよび標準抗生物質を、陽イオン調整Mueller Hinton Broth(CaMHB;BD、カタログ番号212322)で、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)のウェル全体に2倍に希釈し、二連で播種した。
【0249】
Time-Kill試験
試験した細菌は、黄色ブドウ球菌ATCC43300 MRSA(ID GP_020:02)であった。
チャコールプレート PS 96ウェルプレート:50μLの無菌活性炭懸濁液(25mg/ml)を、横列Aに添加した。90μLの0.9%無菌生理食塩水を、それに続く横列に添加した。
【0250】
細菌(表2.6)を、CaMHB中、37℃で一晩培養後、40倍に希釈し、37℃でさらに2~3時間インキュベートした。得られた対数期の中間部培養物を、CaMHB中で希釈し、対照およびTime-Kill試験用96ウェルプレートの各ウェルに加えて、最終細胞密度5x105CFU/ml、および最終化合物濃度範囲0.03~64μg/mLを得た。このプレートに蓋をして、37℃で24時間インキュベートした。
【0251】
選択した時点(0、1、2、3、4、6および24時間)で、ウェル毎の50μLの培養物を、Time-Kill試験プレートからチャコールプレート(木炭懸濁液を含有)の最初の横列に移して、化合物を中和した。ウェルを混合後、10μLを、横列Aから横列Bに移して、1:10希釈を得、このステップを、1:10,000(横列E)まで反復した。各希釈液の一定分量を、リプチックソイ寒天培地(TSA;BD、カタログ番号236950)上に二連でスポットし、37℃で一晩インキュベートした。
【0252】
MICの検出および分析
MICおよびTime-Killの結果を、24時間インキュベーションにて目視で測定した。
MICを、インキュベーション後に増殖が認められない最低濃度として定義した。Time-Killを、各スポット中のコロニーの増殖/非増殖で決定した。
【表7】
【表8】
【0253】
結果
CBD Time-Killを、以前のMICデータ(1~2μg/mL)を超えるおよびそれ未満の2種の濃度で試験した。その日のCBD対照MICは、2μg/mLであった。MIC値を超えるまたは同じ試験濃度は、3時間の処理後に殺菌性であることを示した(
図1)。
【0254】
実施例4
耐性黄色ブドウ球菌MRSAの強制進化
この実験は、亜阻止濃度のカンナビジオール(CBD)およびダプトマイシン(陽性対照として使用した)の存在下で、黄色ブドウ球菌(ATCC43300)の20日にわたる増殖による耐性の発生を評価するために行われ、8つの反復実験で並行して実施された。
【0255】
方法
化合物の調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。ストック溶液を、未希釈のDMSO中10mg/mLで調製した。
【0256】
生存率試験
試験した細菌は、黄色ブドウ球菌ATCC43300 MRSA(ID GP_020:02)であった。
対数期の中間部黄色ブドウ球菌(ATCC43300)増殖培養物を、系列希釈し、固体リプチックソイ寒天培地(TSA)プレートに二連で播種し、37℃で一晩インキュベートして、生存可能コロニー数を測定した。
【0257】
CBD 320μg/mLストックを、陽イオン調整Mueller Hinton Broth(CaMHB;BD、カタログ番号212322)中で、5、4、3、2、1.5、1、0.75、0.5、0.375および0.25μg/mLに希釈し、100μLを、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)のウェル1~10に播種した。黄色ブドウ球菌(ATCC43300)を、CaMHB中、37℃で一晩培養後、40倍に希釈し、37℃でさらに2~3時間インキュベートした。得られた対数期の中間部培養物を、CaMHBで希釈し、100μLを、化合物含有96ウェルプレートの各ウェルに添加して、最終細胞密度5x105CFU/mLを得た。このプレートに蓋をして、37℃で20時間インキュベートした。
注記:CBDは8つの反復実験を行う。
【0258】
MICを、24時間のインキュベーションで目視により測定し、MICを、インキュベーション後に増殖が認められない最低濃度として定義した。
【0259】
細菌の調製:
増殖を可能にした最高薬物濃度を有するプレートウェルをその後、希釈した。プレートを眼で読み取ったが、Epochマイクロプレート分光光度計によるOD600での読み取りを使用して、各ウェルの増殖密度を調節した(それは約1:1000であった)。その後、100μLの希釈した細菌を、新規MICプレートに添加した。OD600を用いて、細胞の希釈を106CFU/mLの密度に見積もった。細菌をCaMHBで希釈し、100μLを、次の反復継代の各ウェルに添加した。最終ウェル体積は、200μLであり、5x105CFU/mLの細胞密度を有した。各反復実験(横列)を、異なる株として評価し、この理由のため、希釈を、各反復実験に対し実施した。
【0260】
調製が終わると、プレートに蓋をして、37℃で一晩インキュベートした。プレート読み取り、化合物調製および細菌調製を、2日目~20日目に繰り返した。
【0261】
化合物の調製:
前日のMICに応じて、試験されるCBDの濃度を設定した。
前日のMICに応じて、試験されるCBDおよびダプトマイシンの濃度を、前のMIC結果に基づき、設定して、少なくとも3種のMICより高い濃度、および3種のMIC未満の濃度を確立した。化合物を、Protein LoBind Eppendorf 1.5mLのセーフロックチューブ中で調製し、320μg/mLストックを、CaMHB中のDMSOで希釈して、所望の試験濃度の2倍を達成した。選択濃度の100μLを、各ウェルに加えた(
図1参照)。一時的にプレートは、100μLの細菌と100μLの化合物を有した。それを、37℃で一晩インキュベートした。翌日、同じ手順を反復した。
【0262】
薬物不含継代
CBDおよびダプトマイシンの存在下での20日間の継代後、各反復試料を、薬物不含培地中で4日間継代培養して、すべての誘導耐性の安定性を、評価した。
【0263】
20日目のプレートを読み取り、細菌の同じ調製方法を採用した。CBDに対し20日目に使用された同じ濃度を、4日間の薬物不含継代に用いた。ダプトマイシン320μ/mLストックを、16、8、5、4、2.5、2、1.25、1、0.75、および0.5に希釈した。これらの濃度を、4日間の薬物不含継代に用いた。縦列11を、薬物不含継代ウェルとして使用し、縦列12を、陰性増殖対照とし、各ウェルに200μLの非接種培地を含めた。希釈した細菌を、横列当り1つの反復試料で、ウェル当り100μLでプレートに添加した。最終ウェル体積は、200μLであり、縦列1~11中5x105CFU/mLの細胞密度、および縦列1~10中16~0.03μg/mLのCBD濃度範囲を有した(
図2)。
【0264】
続く薬物不含継代プレートを、各反復細菌が縦列11の薬物不含増殖対照ウェルから継代されたことを除いて、同じ方式で調製した。
【表9】
【表10】
【0265】
薬物不含継代対照およびQCプレート
試験プレートと並べて、黄色ブドウ球菌の培養物を、CBDなしで24時間継代して、記載された増殖条件での非選択的変異のためのベースラインを設定した。
【0266】
PS 96ウェルプレート中で、対照化合物(対照化合物を参照)を、CaMHBで縦列1~12の横列全体にわたり系列2倍希釈して、2X所望試験濃度の50μLの最終体積を得た。6個のウェルを、陽性増殖対照として用い、6個のウェルを、非接種培地を有する陰性増殖対照として用いた。
【0267】
1日目に、対数期の中間部の黄色ブドウ球菌を、CaMHBで106CFU/mLに希釈し、50μLを、各ウェル(陰性増殖対照ウェルを除く)に加えて、最終体積100μLおよび濃度5x105CFU/mLを得た。
【0268】
続く継代を、ウェルH7から接種した。H7中の細菌増殖物を、ピペット操作により再懸濁し、その後プレートを、600nmで分光光度計(Biotek Epoch)により(OD600)光学密度について読み取った。OD600を用いて、細胞の希釈を106CFU/mLの密度に見積もった。細菌を、CaMHBで希釈し、50μLを、次の継代の各ウェルに添加した。最終ウェル体積は、100μLであり、5x105CFU/mLの細胞密度を有した。
【0269】
結果
20日間のアッセイを通じて、CBDは通常、ほとんどの反復実験試料で、2~4μg/mLの間の一定の活性を示した(
図3および4)。しかし、反復実験試料1は、13日目に、3.5μg/mLから、>7μg/mL(その日に試験した最高濃度)へと劇的な増大を有し、MICは、その後の18日目までの試験日に試験した最高濃度(最大、>128μg/mL)を超えた(
図2)。この反復実験試料は、それが混入物でないことを確認するために、現在16Sおよび純度試験中である。7日後のこの反復実験試料の結果は、
図3および4から除外された。実験の過程中の17日目の技術的問題は、アッセイプレートが4℃で24時間貯蔵され、アッセイがその後中断することなく継続されたことである。また、明確な解釈がなされない、全ての反復実験試料にわたる9日目の測定MICの1μg/mLへの低下も存在した。
【0270】
誘導の20日後、8つの反復実験物を、薬物不含継代の追加の5日間の継代培養のために二次培養して、全ての誘導された耐性の安定性について試験した。最終MICは通常、試料の変動範囲内にあったが、反復実験2および8は、20日目と21日目に、一貫して高いMIC(6~16μg/mL)を示した。
【0271】
実施例5
50%ヒト血清の存在下での最小発育阻止濃度
この実験は、50%ヒト血清の存在下での、3種の黄色ブドウ球菌株に対するカンナビジオール(CBD)の抗菌作用の活性を評価した。
【0272】
方法
化合の物調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。未希釈のDMSO中10mg/mLでストック溶液を調製した。アッセイで試験した最高濃度は、最終濃度として、1.28mg/mLおよび2%DMSOであり、これらの濃度を達成するために1/20の希釈を用いた。
【0273】
最小発育阻止濃度(MIC)マイクロブロス希釈アッセイ
化合物を、50%のカチオン調整Mueller Hinton Broth(CaMHB;BD、カタログ番号212322)と共に、50%のヒト血清(Sigma;カタログ番号H3667-100ML)の混合物中で、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)の全体にわたり2倍希釈し、二連で播種した。全てのプレートは、平底ウェルを有し、低蒸発リッドでカバーされた。
【0274】
黄色ブドウ球菌株を、CaMHB中、37℃で一晩培養後、40倍に希釈し、37℃でさらに2~3時間インキュベートした。得られた対数期の中間部培養物を、CaMHB中で希釈し、化合物含有96ウェルプレートの各ウェルに加えて、最終細胞密度5x105CFU/ml、および最終化合物濃度範囲0.03~64μg/mLを得た。このプレートに蓋をして、37℃で20時間インキュベートした。
【0275】
MICの検出および分析
MICを、インキュベーション後に増殖が認められない最低濃度として定義した。MICを、目視検査のみで決定した。
【表11】
【表12】
【表13】
【0276】
結果
細菌に対し、二つの技術的繰り返し。
【表14】
【0277】
全ての対照抗生物質は、予測した範囲内の抑制値を与えた。CBDは、ヒト血清がアッセイ培地に添加された場合、全ての試験した株に対し不活性であり、高レベルのタンパク質結合と一致した(例えば、活性に関与する3%の遊離を仮定して、>97%)。
【0278】
下記は、各化合物の最小発育阻止濃度(MIC)範囲の要約である。実験は、二つの技術的反復で実施した(n=2)。反復の実験の読み値が同じ場合、1つの値を示す。反復の実験値が異なる場合、2つの値を示す。
【表15】
【0279】
実施例6
最小発育阻止濃度アッセイ MIC90対黄色ブドウ球菌
この実験は、黄色ブドウ球菌の132株(106種のMRSAおよび26種のMSSA株)に対するカンナビジオール(CBD)の抗菌作用を評価するために実施された。
【0280】
方法
化合の物調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。未希釈のDMSO中10mg/mLでストック溶液を調製した。アッセイで試験した最高濃度は、32μg/mLであった。5%DMSOは最終濃度であり、これらの濃度を達成するために1/10の希釈を用いた。
【0281】
細菌最小発育阻止濃度(MIC)マイクロブロス希釈アッセイ
化合物を、滅菌水でポリプロピレン(PP)96ディープウェルプレート(Fisher Biotec;カタログ番号AX-P-DW-20-C-S)全体にわたり2倍に希釈し、10μLを、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)に入れた。
【0282】
黄色ブドウ球菌を、カチオン調整Mueller Hinton Broth(CaMHB;BD、カタログ番号212322)中、37℃で一晩培養後、40倍に希釈し、37℃でさらに2~3時間インキュベートした。得られた対数期の中間部培養物を、CaMHB中で希釈し、化合物含有96ウェルプレートの各ウェルに加えて、最終細胞密度5x105CFU/ml、および最終化合物濃度範囲0.03~64μg/mLを得た。このプレートに蓋をして、37℃で20時間インキュベートした。
【0283】
細菌MICの検出および分析
光学密度を、Tecan M1000Pro分光光度計を用いて600nmで読み取った(OD600)。MICを、≧95%の増殖抑制が観察される最小濃度として決定した。Dr Johannes Zueggは、パイプラインパイロットを使ってデータセットを自動的に解析するスクリプトアルゴリズムを書いた。
【0284】
アッセイの品質管理(QC)を、陰性対照(培地のみ)および陽性対照(抑制剤のない細菌)、ならびに標準から計算される、Z’因子により決定した。最高の濃度で≧0.25のZ’因子および標準活性を有し、かつ最低濃度で不活性のプレートを、さらなるデータ解析用に用いた。
MIC90および50分析を、Microsoft Excelを用いて実施した。
【表16】
【表17】
【表18】
【0285】
結果
132株のうちの37種が、クリンダマイシンに耐性であり、0.125μg/mLのMIC50が64μg/mLのMIC90に変化する結果をもたらした。他の対照抗生物質は、予測した範囲内の抑制値を与えた。いくつかのVISA/VRSA株は、バンコマイシンに対し耐性または高度に耐性であったが、MIC90を実質的に変化させる十分な株は存在しなかった。CBDは、試験した132株全体にわたり2~4μg/mLの安定なMICを示した。このアッセイを、2つの別の日に二連で実施した(合計n=4)。
図5~7を参照。
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【0286】
実施例7
嫌気性グラム陽性細菌最小発育阻止濃度アッセイ
この実験は、嫌気性条件下での一般的皮膚細菌に対するカンナビジオール(CBD)の抗菌活性の可能性を評価するために、実施された。
【0287】
方法
化合物の調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。未希釈のDMSO中10mg/mLでストック溶液を調製した。アッセイで試験した最高濃度は、最終濃度として、128μg/mLおよび2%DMSOであり、これらの濃度を達成するために1/20の希釈を用いた。
【0288】
最小発育阻止濃度(MIC)マイクロブロス希釈アッセイ
全てのステップを、N2CoA中の10%CO2/5%H2ガス混合物の導入、触媒Stak-PakおよびO2-H2ガス分析計により制御された嫌気性雰囲気を有するCOY B型嫌気性チャンバー中で実施し、アッセイ中のH2レベルを、約2%に保持した。嫌気性環境をさらに促進するために1%システインを含む脳心臓浸出物ブロス(BHI;OXOID CM1135B)培地を、このアッセイで用い、このブロスを、酸素の還元のために使用する前に、嫌気性チャンバー中で24時間インキュベートした。
【0289】
CBDおよび対照抗生物質を、BHIで、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)の96ウェルのウェル全体にわたり2倍に希釈した。プレートを、各株について二連で設定した。
【0290】
全ての細菌株(表2.5)を、リプチックソイ寒天培地(TSA、BD、カタログ番号236950)を用いて37℃で72時間培養した。少数のコロニーを、寒天プレートから採取し、BHIブロス中に溶解した。この溶液を次に、0.5~0.7のOD600に調節し、最終細胞密度5x105CFU/mLに希釈し、100μLを試験プレートに加え、最終CBD濃度範囲0.06~128μg/mLを得た。全てのプレートに蓋をして、37℃で48時間インキュベートした。
【0291】
MICの検出および分析
MICを、インキュベーション後に増殖が認められない最低濃度として定義した。MICを、目視検査のみで測定した。
【表23】
【表24】
【表25】
【0292】
結果
細菌について、2つの生物学的反復実験は、技術的反復を有した(合計n=4)。全ての対照抗生物質は、予測した範囲内の抑制値を与えた。カンナビジオール(CBD)は、全ての試験した株に対し活性であった。
【0293】
下記は、酸素の非存在下で嫌気性チャンバー中で測定した各化合物の最小発育阻止濃度(MIC)範囲の要約である。実験を、技術的反復実験の二つの生物学的反復で実施した(n=4)。反復実験の読み値が同じ場合、1つの値を示す。反復実験値が異なる場合、2つの値を示す。
【表26】
【0294】
実施例8
拡大パネル:細菌最小発育阻止濃度アッセイ
この実験は、グラム陽性細菌パネルに対するカンナビジオール(CBD)の抗菌活性の可能性を評価するために、実施された。
【0295】
方法
化合物の調製
共同研究者は、乾燥材料として試料を提供した。Angela Kavanaghは、未希釈のDMSO中10mg/mLでストック溶液を調製した。アッセイで試験した最高濃度は、細菌に対し64μg/mL、真菌に対し128μg/mLであった。2%DMSOは、最終濃度であり、これらの濃度を達成するために1/20の希釈を用いた。
【0296】
細菌最小発育阻止濃度(MIC)マイクロブロス希釈アッセイ
化合物を、カチオン調整Mueller Hinton Broth(CaMHB;BD、カタログ番号212322)で、ポリスチレン(PS)96ウェルプレート(Corning;カタログ番号3370)のウェル全体にわたり2倍に希釈し、二連で播種した。全てのプレートは平底ウェルを有し、低蒸発リッドでカバーされた。
【0297】
細菌を、CaMHB中、37℃で一晩培養後、40倍に希釈し、37℃でさらに2~3時間インキュベートした。得られた対数期の中間部培養物を、CaMHB中で希釈し、化合物含有96ウェルプレートの各ウェルに加えて、最終細胞密度5x105CFU/ml、および最終化合物濃度範囲0.03~64μg/mLを得た。このプレートに蓋をして、37℃で20時間インキュベートした。
【0298】
細菌MICの検出および分析
細菌増殖の抑制を、目視で測定し、この場合、MICを目視可能な増殖のない最小化合物濃度として記録した。
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【0299】
結果
CBDは、4~8μg/mLでCBDの影響を受けやすい表皮ブドウ球菌NDR60(GP_033)を除き、0.5~4μg/mLの範囲で全てのグラム陽性株に対し活性であった。
【0300】
表28は、CBDの最小発育阻止濃度(MIC)範囲の要約である。実験を、細菌について重複して2回実施した(n=4)。反復実験間で値が異なる場合、個々の値を示す。
【0301】
実施例8
エクスビボブタ黄色ブドウ球菌皮膜感染症モデルにおける抗菌活性のスクリーニングに注目した初期有効性試験。液体~ゲル~軟膏にわたる種々の異なるCBD組成物を、適用後の1および24時間の両方でMRSAを死滅させるそれらの能力について評価した(表29)。成分は、ほとんどの調製物について異なるシリコーン基剤を含み(組成物#4~12)、組成物#1ではペトロラタム(鉱物油ゼリー、すなわち、石油ゼリー)、組成物#2ではトランスクトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)および組成物#3ではポリエチレングリコール(PEG400/400)が一緒に試験された。CBD濃度は、5~20%の範囲であった(表29)。
【0302】
エクスビボブタ皮膚アッセイ
氷上で輸送されたブタ組織を、屠殺の2~5時間後に受け取った。
外植片調製:2%(体積/体積)ペニシリン/ストレプトマイシンを含むRPMI培地中で、5mm生検パンチを用いて組織外植片を切り出し、残存筋組織を無菌手術用メスの刃で除去した。組織を、0.5±0.25時間、抗生物質で処理した(細菌叢の汚染除去のために)。外植片を、10±0.5mLのRPMI(抗生物質なし、FBSなし)で3回濯いだ。外植片をその後、新しいRPMI(抗生物質なし、FBSなし)で覆い、4±2℃で12±4時間置いた(抗生物質の洗い流し)。一晩RPMIを次に、除去し、感染の前に、10±0.5mLの新しいRPMIと15±5分間置換した。
【0303】
細菌接種:新しいプレートを、実験の3週間以内に、凍結ストックから直接に画線培養した。Todd Hewittブロス含有培養試験管に、単一コロニーを接種し、これを、実験の前日の夕方前に、振盪インキュベーター中に置いた(37±2℃、150±10rpmで)。実験の日の朝に、200±50μLの一晩培養物を、2±0.5mLの新しいTodd Hewittブロス中に移し、37℃で3±1時間にわたり震盪した。種菌をその後、最終濃度の5x108CFU/mLへと洗浄した。
【0304】
モデル準備:6ウェルプレートを、各ウェル中の2±0.2mLのRPMI(抗生物質なし、FBSなし)および0.4μmのトランスウェルインサートで構成した。組織外植片を、粘膜側をインサートに向けてウェルに移した。
【0305】
感染および治療:外植片を、2±0.5μLの調製種菌(約1x106CFU/外植片または5x108CFU/mL)に感染させた。外植片を、37±2℃で2±0.5時間インキュベートした後、治療薬(12 CBD含有組成物および関連担体)を3重で投与し、37±2℃で1±0.25時間インキュベートした。
【0306】
洗浄:治療後、1.0±0.05mLの無菌リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)+2%(重量/体積)ムチンを、適切な組織の各インサートに添加し、5秒間、静かにかき混ぜた。液体懸濁液をその後、吸引し、ウェルにRPMI(2±0.2mLのRPMI)[抗生物質なし、FBSなし]を補充した。外植片を、示した治療後時点:1.0±0.25時間、24±4時間のために、37℃のインキュベーターに戻した。
試料収集:洗浄後(1.0±0.25時間、24±4時間)、組織を、トランスウェルから取り出し、500±0.03μLの中和剤(30mg/mLのウシ血清アルブミン)中に置いた。試料を、超音波処理およびボルテックスした(30±5秒ボルテックス、120±6秒超音波処理、30±5秒ボルテックス)。試料をその後、未希釈で播種するか、または無菌PBS中で希釈した。50±2μLの試料を、スパイラルプレーターでマンニトール塩寒天上に播種し、プレートを、37±2℃で24~48時間インキュベートした。翌日、コロニーを、自動化プレートカウンターでカウントし、CFUカウントを、Log
10(CFU/外植片)に変換した。
【表31】
【0307】
有効性は、まさに組成物依存性であり、いくつかの組成物担体は、それら単独で、中程度~良好な抗菌活性を有した(例えば、高含量のトランスクトールおよび3.4%のイソプロピルアルコールを含む、組成物2)。結果を
図8に示す。
【0308】
いくつかの組成物における活性の欠如は、CBDが組成物から十分に放出されないことによった。
【0309】
良好な活性(1時間後のコロニー形成単位[CFU]の2~3log減少、24時間での>5log減少)は、組成物#3および#12で一貫して観察されたが、それらの対応する担体では認められなかった。組成物#3は、PEGベースの組成物であり、これは、20%CBDを含有するBactroban(商標)(ムピロシン)軟膏で使われるものに一致する。組成物#12は、また20%のCBDを含み、シリコーン流体(ポリジメチルシロキサン液体)およびゲル化剤と組み合わせたトランスクトール(ダウ・コーニングBY11-030)および小量の水の混合物を有する。
【表32】
【0310】
実施例9
一般的な微生物アッセイプロトコル
試験組成物は、Botanix/Formulyticaにより提供され、いくつかの形式、F###-#-##/L###-#-##で指定され、ここで「F」番号は特定の組成物を指し、および「L」番号は製造バッチを指す。2019年12月5日より前の日付の全ての実験は、「L」番号の形式、L144-2-##を有する組成物を用いて実施され;2019年12月5日より後の日付の全ての実験は、「L」番号形式L144-3-##を有する組成物を用いて実施された。
【0311】
各実験は、各株/治療/時点の組み合わせについて3個の外植片で2つの時点:1±0.25時間、24±2時間を有した。
細菌種および株:黄色ブドウ球菌MRSA ATCC43300、高レベルムピロシン耐性MRSA株329および993、低レベルムピロシン耐性MRSA株815。前の原稿:Antimicrob.Agents Chemother.59,2765-2773(2015)で特性が明らかにされたムピロシン耐性株。
使用した組織型は、ブタ皮膚組織(PST)であった。
中和剤:全てのCBD含有担体に対し500μLまたは1mLの30mg/mL BSA;1mLのPBS中の500μgアンバーライトビーズ(XAD-40)を使用してムピロシンを中和した。
【0312】
皮膚および外植片の調製
研究室到着の2~5時間前に肉用に捕獲されたブタ由来のブタ皮膚組織(PST)を、氷上で実験室に輸送した。皮膚の切片約8cmx8cmを、洗浄して、全体の汚染を除去し、剪毛した。5mmの生検パンチを用いて組織外植片を切り出し、残存筋組織を、無菌手術用メスの刃で除去した。
【0313】
外植片を、RPMI+2%(体積/体積)ペニシリン/ストレプトマイシン中に4±2℃で24~48時間浸漬して、常在菌叢の存在を減らした。外植片を、新しいRPMI(抗生物質なし)で2回濯ぎ、4±2℃で14±3時間にわたり浸漬して、抗生物質を除いた。アッセイでの使用の直前に、外植片を、RPMI(抗生物質なし)でもう1回洗浄し、37±2℃で30±10分間浸漬した。
外植片を、0.4μmトランスウェルインサートの上の6ウェル培養プレート中に置き、2±0.5mLのRPMIをインサートの下に置いた。
【0314】
細菌の調製
プレートを、実験日の3週以内に凍結ストックから血液寒天プレート(BAP)上に直接、分離のために画線培養した。亜致死量のムピロシンを含むTodd Hewittブロス(THB)を含有する培養試験管に、BAP由来の単一コロニーを接種し、これを実験の前日の夕方前に、振盪インキュベーター(37±2℃、200±10rpm)中に置いた。このブロスを、2%ムピロシン軟膏をTHB中で1:100に希釈することにより調製した。
【0315】
実験の日に、200±50μLの一晩培養物を、2±0.5mLの新しいTHB中に移し、37℃で3±1時間にわたり震盪した。RPMI中の約5x108CFU/mLの種菌を、約20,000xgの遠心分離により洗浄し、続いて、上清の除去およびペレットの再懸濁を行った。種菌を、継代培養物をRPMI培地中で約5x108CFU/mLの濃度に希釈することにより、生成した。これは通常、600nmで約0.6の光学密度に相当する、1:4希釈であった。この洗浄ステップを、完全に2回終え、3回目の再懸濁液を、種菌として使用した。
【0316】
最終種菌を、1:10,000希釈物(2x1:100段階希釈)を調製し50μLのこの希釈物をMSA上に播種することにより、定量的に測定した。
感染
2μLの約5x108CFU/mLの種菌を、各外植片上にピペットで播種する(約1x106CFU/創傷床)。37±2℃で2±0.25時間、インキュベートする。
【0317】
治療および洗浄
外植片を、100μLの適切な組成物で治療し、増殖対照(GC)外植片には組成物を適用しなかった。外植片を、37±2℃で1±0.25時間、インキュベートした。
【0318】
外植片を、各インサート中に1.0±0.05mLの無菌PBS+2%(重量/体積)ムチンを使用して洗浄した。ムチンを、ウェル中の各外植片上に直接導入した。5±2秒間、静かにかき混ぜる。ムチンおよび残留治療薬を、吸引し、必要に応じ機械的に除去した。
トランスウェルの下の培地(抗生物質不含RPMI)を、除去し、新しい培地(2±0.5mL)と入れ替えた。外植片を、1±0.25時間または24±2時間にわたり37±2℃に戻した。
【0319】
試料の収集
適切な時間に、外植片を取り出し、中和剤中に置いた(上記のように)。
【0320】
外植片を、ボルテックス/超音波/ボルテックスシリーズで処理して、細菌を遊離させた(30±5秒ボルテックス、120±6秒超音波、30±5秒ボルテックス)。50±2μLの各試料を、スパイラルプレーターを使用してマンニトール塩寒天プレート上に播種した(未希釈、1:100希釈、または1:10,000希釈)。プレートを、37℃で24~48時間インキュベートし、自動化プレートカウンターを使用して計数し、Log10(CFU/外植片)に変換した。
【0321】
データおよび統計分析
プレート計数値を、Prism(GraphPad)に移入し、データを、平均として平均値の標準誤差(SEM)と共にグラフ化した。一般に、毎週のデータを、ホルム-シダックの補正後検定による1元配置分散分析の「多重比較」を使い2つの時点を分離することにより、Prismを用いて解析した。
【0322】
合算データセットを、Microsoft Excelワークブック中に全てのデータを保存することにより生成した。全体平均を、各実験の平均にその実験の標本数を乗じ(加重平均)、各実験に対するこの値を合計し、総標本数で除算することにより計算した。
【0323】
合算データセットの標準偏差を、総分散の法則の適用により計算した。各実験データセットの分散を、標準偏差(Excelで計算)を2乗し、その実験の平均と総加重平均との差異の2乗に加えることにより計算し、この合算値に、各実験の標本数が乗じた。総データセットの標準偏差を、総標本数で除算されたこれらの偏差の合計の平方根を取ることにより計算した。総データセットの標準偏差を、総標本数で除算されたこれらの偏差の合計の平方根を取ることにより計算した。統計的有意性を、データをPrism(GraphPad)に移入し、ダネットの補正後検定による2元配置分散分析の「多重比較」を用いることにより決定した。
【0324】
中和プロトコル
中和プロトコルバックグラウンド
外植片および細菌調製物は、上の「一般抗菌剤アッセイプロトコル」で記載のものと同じである。最終種菌を、PBS中の5x104CFU/mLの懸濁液として調製した。
【0325】
接種準備
陰性対照用の1mLのPBS、1mLのPBS中の500μgのアンバーライトビーズ(XAD-40)(ムピロシン用)、または全てのCBD含有組成物のための1mLの30mg/mLのBSA pH=7.4およびそれらの担体を含むエッペンドルフチューブ(1.7mL)に、プロジェクトで主に使用される約1x103(3log)CFUの黄色ブドウ球菌ATCC43300細菌を添加した(20μLの5x104CFU/mL種菌)。
【0326】
外植片を、上記「皮膚および外植片調製」で記載のように調製し、上の「処理および洗浄」および「試料収集」で記載のように治療した。
試料の収集および定量化
外植片を、調製した約1x103個含有1.7mLのエッペンドルフチューブ中に置き、上記「試料収集」で概要を述べたのと同じ中和および播種プロトコルに供した。プレートを、約36時間後、計数した。増殖対照からの0.2以下のlog減少を有する全ての治療群を、合格したとみなした(ASTM E1054に従って)。
【0327】
最小発育阻止濃度(MIC)マイクロタイターブロス希釈プロトコル
MIC細菌の調製
使用した株:ATCC29213(標準対照)、ATCC43300、低レベルムピロシン耐性分離株815、高レベルムピロシン耐性分離株329、高レベルムピロシン耐性分離株993。
【0328】
全ての株を、上の「細菌調製」セクションで記載のように調製したが、次記の相違を含む:種菌を、RPMIではなくMuller-Hintonブロス(MHB)で調製し、約5x104CFU/mLの種菌濃度のために、洗浄後、1:10,000に希釈した。
【0329】
プレートの調製
多チャネルピペットを使って、100μLのMHBを、96ウェルプレート(丸底/U底)の各ウェルに添加した。抗生物質のストック溶液を、2X最高アッセイ濃度(ムピロシンは4096μg/mLおよびCBDは100μg/mL)で調製した。このブロスの100μLを、プレートの縦列1のブロス含有ウェルのそれぞれに添加し、最終濃度2048μg/mLのムピロシンまたは50μg/mLのCBDについて、全体積をピペット操作により6~7回混合した。縦列1からの100μLのブロスを、縦列2に加え、ピペット操作により100μLを6~7回混合した。これを縦列11(2μg/mLのムピロシンまたは0.049μg/mLのCBD)まで繰り返した。縦列12を、抗菌剤なしのまま残した。
【0330】
実験の設定
5μLの各種菌を、適切なウェルに加えた(種々のウェルは接種なしで残され、CBD含有ウェルの吸光度の補正に、および陰性対照として使用された)。プレートを、37℃で18~24時間インキュベートした。プレートを、プレートリーダーにより600nmで読み取った。
【0331】
データ解析
抑制は、全てのより高い濃度にわたり増殖の抑制が続く限り、同じ濃度の抗菌剤を有する非感染ウェルから<0.05のOD600の差異を有する最初のウェル中で発生すると決定された。実験を、各抗菌剤について2回実施し、データを、得られた2つの値の範囲として報告した。
【0332】
刺激(MTT)プロトコル
MTT組織の調製
外植片を、上の「皮膚および外植片調製」で記載のように調製し、上の「処理および洗浄」および「試料収集」で記載のように治療した。外植片を、トランスウェルではなく、6ウェルプレート中の、RPMI+2%(体積/体積)ペニシリン-ストレプトマイシンに浸漬した無菌ガーゼ上に置いた。
【0333】
治療および実験デザイン
10μLの組成物または対照を、外植片の上に添加し、24±2時間、インキュベートした。「治療」は、CBD含有組成物または関連担体の1つであった。対照は、非刺激性対照としてのPBS(pH=7.4)、非刺激性洗浄剤としての蒸留水中の10%ツイーン20、わずかに刺激性洗浄剤としての蒸留水中の1%トリトン、および高度に刺激性の洗浄剤としての蒸留水中の5%SDSであった。全ての対照を、全てのアッセイで使用した。
【0334】
MTTアッセイ
治療薬とインキュベーション後、外植片に100μLのMTT試薬を加え、37±2℃で1.5±0.5時間、インキュベートした。MTT試薬とインキュベーション後、外植片に100μLの脱色液(2-プロパノール中の0.1MのHCl)を加え、4±2℃で20±4時間、インキュベートした。
【0335】
データ収集および解析
外植片を、ウェルから取り出し、残った脱色液を、570nmおよび600nmの吸光度により読み取った。570nm吸光度は、MTTシグナルに対応し、600nmシグナルは、何らかの非特異的光の遮断(残存組織によるなど)を示す。データを、非刺激性対照(PBSおよび/または10%ツイーン20)に対し正規化した。
【0336】
結果
元の12種のうち、最良の組成物は、F79-16-3(液体)、F144-2-11(軟膏)、およびF144-2-4(ゲル)であると決定された。1時間では、F79-16-3(2.9log減少)およびF144-2-4(1.8log減少)が、黄色ブドウ球菌ATCC43300に対し最も効果的であった(
図8、
図9)。
【0337】
24時間では、3種全ての組成物が、高度に効果的であり、それぞれ、4.3、3.9、および4.7log減少を有した。F79-16-3に対する担体は、ATCC43300に対し有効性が同等であった(
図8、
図9)。
全ての組成物は、ムピロシン耐性MRSA株に対し同等に効果的であった(
図10~12)。
全CDC含有組成物は、エクスビボブタ皮膚に対し非刺激性であった(
図13)。
【0338】
解析された12種のうち、最良の組成物は、抗菌剤アッセイにより測定して、F79-16-3(液体)、F144-2-11(軟膏)、およびF144-2-4(ゲル)である。3種全ての組成物は、高度にムピロシン耐性(MIC256~2048ug/mL)MRSA株(329および993)に対し、ムピロシンよりも、より効果的であった。組成物F79-16-3およびF144-2-4は、低レベル耐性株番号815に対しムピロシンよりも、より効果的であるように見える。
【0339】
実施例10
一般的な微生物アッセイプロトコル
試験組成物は、Botanix/Formulyticaにより提供され、いくつかの形式、F###-#-##/L###-#-##で指定され、「F」番号は特定の組成物を、および「L」番号は製造バッチを指す。
【0340】
各実験は、各株/治療/時点の組み合わせについて、3個の外植片で、2つの時点:1±0.25時間、24±2時間を有した。細菌種および株:黄色ブドウ球菌ATCC43300。
【0341】
皮膚および外植片の調製
研究室到着の2~5時間前に肉用に捕獲されたブタ由来のブタ皮膚組織(PST)を、氷上で実験室に輸送した。皮膚の切片約8cmx8cmを、洗浄して、全体の汚染を除去し、剪毛した。5mmの生検パンチを用いて組織外植片を切り出し、残存筋組織を、無菌手術用メスの刃で除去した。
【0342】
外植片を、15±5mLのRPMI+2%(体積/体積)ペニシリン/ストレプトマイシン+0.5mg/LのアンホテリシンB(RPMI+ABXF)で2回濯いだ。外植片を、15±5mLのRPMI+ABXF中、37±2℃で1±0.25時間浸漬して、常在菌叢の存在を減らした。外植片を、新しいRPMI(抗生物質なし)で2回濯いだ。外植片を、新しいRPMI中、37±2℃で1±0.25時間浸漬して、抗生物質を除去した。
【0343】
アッセイでの使用の直前に、外植片を、15±5mLのRPMIでさらに2回洗浄した。外植片を、0.4μmトランスウェルインサートの上の6ウェル培養プレート中に置き、2±0.5mLのRPMIをインサートの下に置いた。
【0344】
細菌の調製
プレートを、実験の3週以内に、凍結ストックから血液寒天プレート(BAP)またはマンニトール塩寒天(MSA)プレート上に直接、分離のために画線培養した。Todd Hewittブロス(THB)を含有する培養試験管に、BAP由来の単一コロニーを接種し、これを実験の前日の夕方前に、振盪インキュベーター(37±2℃、200±10rpm)中に置いた。
【0345】
実験の日に、200±50μLの一晩培養物を、2±0.5mLの新しいTHB中に移し、37℃で3±1時間にわたり震盪した。RPMI中の約5x108CFU/mLの種菌を、約20,000xgの遠心分離により洗浄し、続いて、上清の除去およびペレットの再懸濁を行った。種菌を、継代培養物をRPMI培地中で約5x108CFU/mLの濃度に希釈することにより、生成した。これは通常、600nmで約0.6の光学密度に相当する、1:4希釈であった。この洗浄ステップを、完全い2回終え、3回目の再懸濁液を、種菌として使用した。
最終種菌を、1:10,000希釈物(2x1:100段階希釈)を調製すること、50μLのこの希釈物をMSA上に播種すること、およびコロニーを数えることにより、定量的に測定した。
【0346】
感染
種菌(2±0.5μLの約5x108CFU/mLの黄色ブドウ球菌)を、各外植片上にピペットで播種した(約1x106CFU/外植片)。37±2℃で2±0.25時間、インキュベートした。
【0347】
治療
外植片を、100μLの適切な組成物で治療し、増殖対照(GC)外植片には組成物を適用しなかった。外植片を、37±2℃で1±0.25時間、インキュベートした。
外植片を、各ウェルに1.0±0.05mLの無菌PBS+2%(重量/体積)ムチンを使用して洗浄した。ムチンを、ウェル中の各外植片上に直接導入し、5±2秒間、静かにかき混ぜた。ムチンおよび残留治療薬を、吸引し、必要に応じ機械的に除去した。
【0348】
トランスウェルの下の培地(抗生物質不含RPMI)を、除去し、新しい培地(2±0.5mL)と入れ替えた。外植片を、1±0.25時間または24±2時間にわたり37±2℃に戻した。
【0349】
試料の収集
適切な時間に、外植片を取り出し、中和剤中に置いた(上記のように)。外植片を、
ボルテックス/超音波/ボルテックスシリーズで処理して、細菌を遊離させた(30±5秒ボルテックス、120±6秒超音波、30±5秒ボルテックス)。
【0350】
50±2μLの各試料を、スパイラルプレーターでマンニトール塩寒天プレート上に播種した(未希釈、1:100希釈、または1:10,000希釈)。プレートを、37℃で24~48時間インキュベートし、自動化プレートカウンターを用いて計数し、Log10(CFU/外植片)に変換した。
【0351】
データおよび統計分析
プレート計数値を、Prism(GraphPad)に移入し、データを、平均として平均値の標準誤差(SEM)と共にグラフ化した。一般に、毎週のデータを、ホルム-シダックの補正後検定による1元配置分散分析の「多重比較」を使いて2つの時点を分離することにより、Prismを用いて解析した。
【0352】
合算データセットを、Microsoft Excelワークブック中に全てのデータを保存することにより生成した。全体平均を、各実験の平均にその実験の標本数を乗じ(加重平均)、各実験に対するこの値を合計し、総標本数で除算することにより計算した。
【0353】
合算データセットの標準偏差を、総分散の法則の適用により計算した。各実験データセットの分散を、標準偏差(Excelで計算)を2乗し、その実験の平均と総加重平均との差異の2乗に加えることにより計算し、この合算値に、各実験の標本数を乗じた。総データセットの標準偏差を、総標本数で除算されたこれらの偏差の合計の平方根を取ることにより計算した。総データセットの標準偏差を、総標本数で除算されたこれらの偏差の合計の平方根を取ることにより計算した。統計的有意性を、データをPrism(GraphPad)に移入し、ダネットの補正後検定による2元配置分散分析の「多重比較」を用いることにより決定した。
【表33】
【0354】
結果
全てのCBD含有治療薬は、1時間および24時間の両方で、統計的に有意な(p<0.05)増殖対照からの減少をもたらした。いずれの担体も、1時間および24時間の両方で、統計的に有意な増殖対照からの減少をもたらさなかった。担体治療薬からの最大総減少は、20%の軟膏担体であり、これは、約1.4log減少をもたらした(
図14、
図15)。
【0355】
20%CBD組成物は明確に、1時間(約3.4log減少)で最も効果的濃度であり、他の治療薬は、曲線を形成しなかった(5%、10%および15%組成物で、それぞれ、約1.8、約1.5、および約1.7Log減少);20%CBD軟膏は、5%、10%、および15%組成物と有意差があった(p<0.05)。24時間では、組成物有効性は、CBDパーセンテージとほぼ相関した(昇順に、5%~20%で:約4.6、約5.9、約6.5、約6.4Log減少);非担体治療薬は、他のものとの有意差はなかった。
【0356】
1時間では、ゲル組成物の有効性は、CBDパーセンテージとほぼ相関し(昇順に:約1.2、約1.2、約2、約3.3Log減少)、5%と20%の間の差異は、統計的に有意である;20%CBDゲルは、5%、10%、および15%組成物と有意差があった(p<0.05)。24時間では、より大きい変動があった(昇順に:約4.3、約7.0、約5.7、約6.8)が、濃度に応じて有効性が高まっているように見える;5%と10%ゲル組成物の間の差は、統計的に有意であった(p=0.0335)。
【0357】
データは、より高いCBD濃度が、治療後1時間および24時間の時点で両組成物に対しより高い抗菌有効性をもたらすという、一般的傾向を示す。
【0358】
実施例11
黄色ブドウ球菌の鼻腔内保菌者である健康な成人の前鼻孔へ1日2回を5日間適用するBTX1801の2種の剤形の安全性、耐容性、および有効性を評価するためのランダム化二重盲検担体対照試験
このランダム化二重盲検担体対照試験は、SA(黄色ブドウ球菌)の鼻腔内保菌者である健康な成人の前鼻孔へ1日2回を5日間適用するBTX1801の2種の剤形の安全性、耐容性、および有効性を、それらの対応する担体と比較して評価する。約60人の参加者を、2:2:1:1にランダム化する(20人の参加者をBTX1801 20%(重量/重量)軟膏、20人の参加者をBTX1801 20%(重量/重量)ゲル、10人の参加者をBTX1801 担体軟膏、および10人の参加者をBTX1801 担体ゲルに)。
【0359】
参加者は、2回のスクリーニング来診に参加して、スクリーニング来診1(-28~-14日目)およびスクリーニング来診2(-11~-4日目)での前鼻孔綿棒の培養によりSA鼻腔コロニー形成を決定する。参加者を、ベースライン鼻腔培養の結果に従って、持続または間欠保菌者として特定する(来診3;1日目)。
【表34】
【0360】
適格参加者は、その施設で彼らの最初の試験薬の適用を1日目に受け、彼らの他の服用は自宅で自己適用する。参加者は、5日間の連続日にわたり治療され(来診3~7)、8、12および28日目(来診8~10)に追跡調査来診のために戻る(来診8~10)。
【0361】
試験を通して、安全性を、TEAE、局所耐容性(TNSSおよび巨視的な鼻腔内検査)、臨床検査室評価、身体検査、およびバイタルサインによりモニターする。併用薬を、試験を通して記録する。
【0362】
CBD血漿中濃度を測定するための血液試料を、投与前(1日目(ベースライン))、および2日目および5日目(治療中)に収集する。参加者の試験薬適用の詳細(日付、時間、および量)を、試験薬適用日誌に記録する。SA鼻腔コロニー形成を測定するための前鼻孔綿棒も、全追跡調査来診時(8、12および28日目;来診8~10)に収集する。
【0363】
主要エンドポイント
ベースラインと比べて、次記のパラメーターに関して、BTX1801の安全性および耐容性を評価すること:
-治療期間中に発現した有害事象(TEAE)
-総合鼻症状スコア(TNSS)
-巨視的鼻腔内検査
-臨床検査室評価
および12日目にSAに対する陰性鼻腔培養を有する持続SA保菌者の割合を評価すること。
【0364】
副次エンドポイント
次記の試験薬適用に関連する鼻腔SAコロニー形成の変化を評価すること:
-8および28日目にSAに対する陰性鼻腔培養を有する持続SA保菌者の%
-8、12および28日目にMRSAに対する陰性鼻腔培養を有する参加者の%
-8日目の陰性鼻腔培養後の試験12日目および/または28日目に、鼻腔内SAの再コロニー化がある参加者の%
および投与前のベースラインで、および2および5日目に摂取された試験薬の血漿中濃度を評価すること。
【0365】
選択規準
試験に組み込まれるために、参加者は次記の選択規準に適合しなければならない:
・参加者は、18才~65才のいずれかの性別である。
・参加者は、試験責任医師により決定される、臨床的に有意な呼吸器、消化管、腎臓、肝臓、血液学的、リンパ性、神経学的、心臓血管、精神的、筋骨格、泌尿生殖器、免疫学的、皮膚科学的、悪性疾患、または結合組織疾患または障害のない良好な総体的な健康状態である。
・スクリーニング中の前鼻孔綿棒由来の2回の別々のSA陽性培養物を有するとして定義される、鼻腔SA保菌者であることが確認されている。
【0366】
除外基準
参加者は、次記の除外基準に適合する場合、この試験に参加できない。
・スクリーニングの前6ヶ月中に、メチシリン感受性およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌除菌を実施。
・スクリーニング来診1の前3か月以内の鼻腔手術。
・スクリーニング来診1または2またはベースライン来診で、活動性鼻炎、副鼻腔炎または上気道感染症の証拠。
・参加者は何らかの顕著な活動性感染を有する。
・参加者は、ベースラインの4週以内に、局所または全身性抗生物質を使用している。
・スクリーニング来診1または2.19でSAに対する陰性鼻腔培養。試験の間に、何らかの鼻腔適用薬物(試験薬以外の)を使用する計画がある。
【0367】
参加者登録
参加者を、BTX1801 20%(重量/重量)軟膏、BTX1801 20%(重量/重量)ゲル、BTX1801担体軟膏、BTX1801担体ゲルを受けるために、2:2:1:1にランダム化する。
【0368】
試験薬
試験薬は、Formulytica Pty Ltd in Mulgrave,Victoria,Australiaにより試験施設に提供される。最初の出荷品を、最初の参加者の登録の前に、試験施設に供給する。追加の供給を、参加者登録に基づいて必要に応じ実施する。
【0369】
BTX1801組成物
Botanix PharmaceuticalsのBTX1801は、医薬有効成分、CBDを含有する。
【0370】
BTX1801とそれらの対応する担体対照組成物の2種の組成物は、20gのアルミニウムラミネートチューブに15gを充填して試験施設に提供される。賦形剤は、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン(Dow9180)、トランスクトールP(ジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテル)、シクロペンタシロキサン+ポリエチレングリコール(PEG)/ポリプロピレングリコール(PPG)-10/19ジメチコンブレンド(Dow BY11-030)、PEG400、PEG4000および水を含み、これらは、他の局所製品に広範に使用されている。活性BTX1801試験品は、透明~薄紅色の溶液であり、20%(重量/重量)濃度のCBDを含む。BTX1801組成物の組成およびそれらの対応する担体対照を下表に示す。
【表35】
【0371】
BTX1801は、グラム当たり最大200mgのCBDを含み得る。0.25gの適用後の、1日2回の各BTX1801組成物のそれぞれの鼻孔への毎日の最大曝露は、約200mgのCBDである。
試験薬を、臨床的評価が盲検であるように、評価者とは異なる試験スタッフメンバーにより適用する。
【0372】
服用量および投与
2種の20gチューブの試験薬を、各参加者に割り付ける。第1のチューブを、各参加者に1日目に分配し、これは、5日間の適用段階に十分な量である。第2のチューブは、必要に応じ、予備として試験施設に残る。試験薬を、1日2回適用し、1回分を、非盲検試験施設スタッフの監視の下でそれぞれの日(1~5日目)に適用し、参加者は、試験薬の他の服用を自己適用する。参加者は、自分の試験薬を試験施設に毎日持ち込むように指示される。
【0373】
参加者は、臨床施設でない場合の試験薬の適用方法を指示される。試験薬の各適用は、朝のほぼ同じ時間に行われ、2回目の適用は、約12時間後に行われる。
【0374】
全ての参加者に対する投与量は、各前鼻孔に1日2回適用される0.25gの試験薬である(鼻孔当り0.5g/日)。参加者は、一連の試験薬を人差し指の先端から第1の皮線まで擦り付けることにより一定のフィンガーチップユニット(FTU)の試験薬を分注し、かつ鼻孔の内面上で指先を軽く回転させることにより、前鼻孔の片方に適用するように指示される。各鼻孔への適用後、参加者は、鼻を約1分間、間欠的に軽くつまみ、前鼻孔内での試験薬の分布を確実にするように指示される。
【0375】
投与量の漸増を行わない。参加者は、試験薬の1日2回の適用を合計10回にわたり受ける。
【0376】
スクリーニングスケジュール
来診1:-28~-14日目(スクリーニング)
第1のスクリーニング来診(来診1)時に、参加者は、SAコロニー形成の検査用の前鼻孔綿棒の収集のためのプレスクリーニングICFをチェックして、サインし、鼻腔綿棒がSA陰性である場合、スクリーニング来診2に進めないことを理解していることを確認する。次の試験特異的手順は、スクリーニング来診1で行われる:
-プレスクリーニングインフォームドコンセント
-SA培養用の前鼻孔綿棒
【0377】
前鼻孔綿棒のSA陽性培養物の確認が、参加者がスクリーニング来診2に適格かどうかを決定する前に必要とされる。
【0378】
来診2:-11~-4日目(スクリーニング)
第2のスクリーニング来診(来診2)時に、次の手順/評価を行う:
-主要試験のためのインフォームドコンセント
-選択規準/除外基準の再検討
-人口統計学的情報収集
-医学および薬物履歴収集
-身体測定(体重および身長)を含む身体検査
-SA培養用の前鼻孔綿棒
【0379】
この来診で収集された前鼻孔綿棒由来のSA陽性培養物の確認は、参加者がベースライン来診に適格かどうかを判断する前に必要とされる。
【0380】
来診3:1日目(ベースライン;治療の開始)
1日目(試験薬使用開始)に、試験薬摂取の前に、次の手順/評価を行う:
-試験薬群へのランダム化
ランダム化後に、下記を行う:
-TNSS
-巨視的鼻腔内検査
-SA培養用の前鼻孔綿棒(綿棒は保持される)
-試験薬適用の前に試験薬濃度のための採血
-第1のチューブの試験薬の秤取および分配。試験薬の1つのチューブを各参加者に分配する;同じチューブを家に持ち帰り、服薬遵守のモニターおよび施設での投与のために毎日試験施設に戻す
-適切な試験薬適用に関し参加者を訓練する
-非盲検試験スタッフにより試験薬適用を監視し、正確な手順に従っていることを確実にする
-試験薬の適用後30分間にわたり参加者をモニターする
【0381】
来診4:2日目(治療段階)
2日目に、次の手順/評価を行う:
-TNSS
-巨視的鼻腔内検査
-試験薬適用の前に試験薬濃度のための採血
-試験薬の施設での適用(1回の用量が、非盲検試験スタッフの監視の下、医院中で参加者により適用される)
【0382】
来診5:3日目(治療段階)
3日目に、次の手順/評価を行う:
-TNSS
-巨視的鼻腔内検査
-試験薬の施設での適用(1回の用量が、非盲検試験スタッフの監視の下、医院中で参加者により適用される)
【0383】
来診6:4日目(治療段階)
4日目に、次の手順/評価を行う:
-TNSS
-巨視的鼻腔内検査
-試験薬の施設での適用(1回の用量が、非盲検試験スタッフの監視の下、医院中で参加者により適用される)
【0384】
来診7:5日目(治療段階)
5日目(+1日)に、次の手順/評価を行う:
-TNSS
-巨視的鼻腔内検査
-試験薬適用の前に試験薬濃度のための採血
-試験薬の施設での適用(1回の用量が、非盲検試験スタッフの監視の下、医院中で参加者により適用される)
【0385】
来診8:8日目(追跡調査)
8日目(±1日)に、次の手順/評価を行う:
-身体検査(身体測定を含み、身長測定を除外)
-TNSS
-巨視的鼻腔内検査
-SA培養用の前鼻孔綿棒(綿棒は保持される)
【0386】
来診9:12日目(追跡調査)
12日目(±1日)に、次の手順/評価を行う:
-巨視的鼻腔内検査
-SA培養用の前鼻孔綿棒(綿棒は保持される)
【0387】
来診10:28日目(追跡調査)
28日目(±1日)に、次の手順/評価を行う:
-巨視的鼻腔内検査
-SA培養用の前鼻孔綿棒(綿棒は保持される)
【0388】
人口統計
スクリーニングで得られる人口統計学的情報は、参加者により記載された、誕生日、性別、民族性、および人種を含む。
【0389】
有害事象
参加者の病状におけるあらゆる医療上の好ましくない事象の発生を、原資料および電子症例報告書(eCRF)でAEとして報告し、適切な追跡調査を行う。試験中(コンセントの日~追跡調査の終わり[28日目])に発生する全てのAE(試験責任医師により観察された、または参加者により報告された)を、原因が試験薬にあるか否かに関係なく、原資料およびeCRFで記録する。
【0390】
治療スコア
総合鼻症状スコア
TNSSを、ベースライン(投与前1日目)で、および治療の終わりまで各試験来診時に測定する。TNSSは、主観的な尺度であり、次の症状:くしゃみ、鼻漏、鼻のかゆみ、鼻痛および鼻閉塞、のそれぞれに対する5段階の個別の参加者評価症状スコアの合計であり、次の等級の順序尺度を用いる:
くしゃみ、鼻漏、鼻のかゆみ、および鼻痛:
0=なし、1=軽度、2=中等度、3=重度および4=極めて重度
鼻閉塞:
0=鼻を通して自由に容易に呼吸する。1=わずかに困難、2=中等度の難しさ、3=重度の難しさ、4=鼻を通る呼吸が極めて困難/不可能
【0391】
いずれかの評価症状についてグレード3または4の鼻腔耐容性評価を有するいずれかの参加者は、ENT医師による追加の評価を受けなければならない。
【0392】
巨視的鼻腔内検査
巨視的な鼻腔内検査を、ベースラインから最後の追跡調査来診(28日目)までの毎試験来診時に行う。鼻腔内検査を、試験責任医師による前方鼻腔の目視検査により実施する。試験責任医師は、治療割り付けに関して盲検化される。
【0393】
前鼻孔を、粘膜紅斑、浮腫またはかぶれについて検査し、周辺の鼻孔を、痂皮形成、鼻水またはかぶれについて検査する。
粘膜紅斑または浮腫:
0=なし、1=わずかに知覚可能、2=明確、3=顕著。
鼻腔痂皮形成、鼻水またはかぶれ:
0=なし、1=軽度、2=中等度、3=重度。
【0394】
紅斑、浮腫、鼻腔痂皮形成、鼻水、またはかぶれについてグレード2または3を有するいずれかの参加者は、ENT医師による追加の評価を受けなければならない。
【0395】
有効性評価
有効性を、SAの持続性保菌者として分類された参加者のみ評価する。SA培養用の前鼻孔綿棒を、スクリーニング来診1および2(適用可能な場合)で収集し、SAの存在を評価して適格性を決定する。ベースライン(1日目)および追跡調査(8、12および28日目)の前鼻孔綿棒を、SAコロニー形成状態の変化を測定するために、ベースラインから12日目(主要エンドポイント)、8および28日目(副次エンドポイント)に、および陰性SA培養物を報告している参加者の再コロニー化を測定するために、8日目(最初の追跡調査)、12および28日目(その後の追跡調査来診)に、収集する。コロニー形成状態を、源資料およびeCRFに記録する。全ての前鼻孔綿棒を、試験完了迄保持する。
【0396】
試験薬濃度用の血液試料
全ての参加者は、1日目、2日目および5日目の前に、血液試料を採取され、CBDの血漿中濃度を測定する。血液試料を、検証済液体クロマトグラフィー-タンデム型質量分析(LC-MS/MS)法を用いて分析する。検出限界は、0.2ng/mLである。溶血した血漿は、データ精度に影響し、試料収集中に防止されなければならない。血漿試料は、-20℃で最大30日間保存され得る。しかし、血漿試料は、Tetra-Q Laboratoryマニュアルで概要を述べたスケジュールに従って薬物濃度のために中央実験室に出荷される。CBDレベル用の試料を得るおよび調製する方法の詳細は、Tetra-Q Laboratoryマニュアルで提供される。
【0397】
前鼻孔培養
臨床試験施設は、各参加者の前鼻孔からの綿棒により鼻腔検体を収集する。検体を、SA培養および特定のために培地に移す。全てのスクリーニング来診(来診1)綿棒を、培養のために検体が培地に移された後に破棄する。続いて行われる全ての来診のために、全ての綿棒を保持する必要がある。綿棒検体の収集および処理、ならびに細菌分離株の貯蔵手順は、実験マニュアルで見出される。参加者は、スクリーニング来診2およびベースライン来診に適格であるために、スクリーニング来診1でSA陽性の前鼻孔培養物を有しなくてはならない。
【0398】
SA分離株の細菌遺伝子型決定および表現型検査
インビトロ検査を、CBDおよびその他の化合物の最小発育阻止濃度の決定のために、試験のスクリーニング、治療および追跡調査段階中に収集された全てのSA分離株に対し行う。ランダム化参加者のために、パルスフィールドゲル電気泳動法も行って、スクリーニング/ベースラインSA分離株と治療中または治療後回収された分離株の間の株関連性を決定する。SA分離株の追加の遺伝的特性評価も、必要に応じ実施し得る。
【0399】
統計的考察
統計および解析計画
全ての統計処理を、別に定める場合を除き、SAS(登録商標)バージョン9.4以降を用いて実施する。p値は、探索目的のみのために提供される。
全ての統計解析を記載する統計解析計画(SAP)を、別の文書として提供する。SAPを、試験治療の盲検解除の前にまとめる。
【0400】
統計仮説
この試験の目的は、2種の異なる剤形として提供されるBTX1801の有効性を実証して、SAの持続保菌者である個体の前鼻孔において、12日目にSAの保因を根絶することである。選択エンドポイントに対するP値を、試験の結果の評価を支援するために提示する。統計的に有意な結果の達成ができないことは、試験の失敗を意味するものではない;この試験からの結果を、登録研究に対する統計的手法の情報を提供するために使用する。
【0401】
主要有効性項目は、持続保菌者である参加者の12日目での陰性SA前鼻孔培養物である。帰無仮説は、SAの鼻腔保菌者である健康な成人の前鼻孔に1日2回で5日間にわたり適用した、活性BTX1801組成物と、組み合わせ担体組成物との間で12日目にSA陰性である前鼻孔培養物のパーセントに差異がない、ということである。
【0402】
この試験の対立仮説は、前鼻孔に1日2回で5日間にわたり適用した、活性BTX1801組成物と、組み合わせ担体組成物との間で12日目にSA陰性である前鼻孔培養物のパーセントに差異が存在する、ということである。
H0:Ptrt2=Pveh 対 H1:Ptrt2≠Pveh
ここで、Ptrt2およびPvehは、それぞれ、活性BTX1801投与群と、組み合わせ担体群についての12日目での陰性SA前鼻孔培養物のパーセンテージである。
いずれかの事後的統計解析が本発明の試験結果に対し行われる場合、分析のための方法は、最終臨床試験レポートに記載され得る。
【0403】
試験薬濃度集団
試験薬濃度集団は、血液採取をされた全ての参加者を含む。試験薬濃度集団を、濃度-時間データの全ての個別および要約の提示において使用する。
【0404】
有効性集団
5日間の投与および追跡調査来診を完了し、評価可能培養結果を提供する参加者は、有効性集団に含められる。有効性集団を、SAの鼻腔内根絶についてBTX1801の2種の異なる剤形の有効性を評価するために使用する。
【0405】
統計方法の記述
別に定める場合を除き、全ての統計処理を、SAS(登録商標)バージョン9.4以降を用いて実施する。
【0406】
要約統計量を、次記について作成する:
-8、12および28日目にSAの陰性鼻腔培養物を有する持続保菌者のパーセンテージ。
-8日目の陰性鼻腔培養後、12日目および28日目に、SAの鼻腔再コロニー化がある参加者のパーセンテージ。
【0407】
フィッシャー直接検定を、前鼻孔中のSAの根絶パーセントの治療比較のために、用いる。
連続的なデータを、記述要約統計;すなわち:参加者の数(n)、平均、中央値、標準偏差(SD)、最小(min)、最大値(max)および95%信頼区間(CI)を用いて、治療群毎に要約する。平均を、報告されるデータの精度のレベルより高い小数第1位まで報告し、SDを、報告されるデータの精度より高い少数第2位まで報告し、他に断らない限り、小数第4位まで報告する。
【0408】
各来診時の要約を、来診に出席した参加者の総数(n)を用いて計算する。要約がベースラインから変わる場合には、参加者は、欠損のないベースラインおよび要約される所与の来診時の欠損のない値の両方を有する必要がある。
【0409】
分類別のおよび定性的なデータの解析を、頻度およびパーセンテージを用いて要約する。パーセンテージは、別段の指定がない限り、小数点1桁まで表される。共通因子は、各試験コホート中の参加者の数および全体N値である。
【0410】
平均、標準偏差(SD)、中央値および範囲を、8、12および28日目にSAの陰性鼻腔培養物を有する持続保菌者のパーセンテージ、および8日目に陰性鼻腔培養後、12日目および/または28日目にSAの鼻腔再コロニー化がある参加者のパーセンテージについて計算する。フィッシャー直接検定を、前鼻孔中のSAの根絶パーセントの治療比較のために用いた。
【0411】
実験室パラメーターのベースライン~8日目の変化を、来診により、および傾向を評価するためのシフトテーブルを用いて要約する。臨床的に有意な異常な検査所見を、列挙する。
【0412】
TNSSおよび巨視的鼻腔内検査スコアを、各来診について要約する。加えて、平均スコアのベースラインからの変化を、各来診について要約する。
【0413】
併用薬を、世界保健機関(WHO)薬物辞書を用いてATCレベル2にマッピングする。各薬物を報告する参加者の数およびパーセンテージを、要約する。各参加者により摂取された薬物を、列挙する。
【0414】
試験薬血漿中濃度の分析
試験薬の血中レベルを、ベースラインならびに2および5日目について要約する。平均、SD、中央値、範囲、平均変動係数、幾何平均、および幾何平均の変動係数を、提示する。
【0415】
ベースライン記述統計
年齢、性別、人種、民族性、身長、および体重を含む、人口統計およびベースライン特性を、全体でおよび治療群で要約する。病歴および併用薬を、要約する。
【0416】
参考文献
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