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特表2022-539012圧縮機、膨張機、真空ポンプなどの機械部品の製造方法及びその方法で製造された機械部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】圧縮機、膨張機、真空ポンプなどの機械部品の製造方法及びその方法で製造された機械部品
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/352 20140101AFI20220831BHJP
【FI】
B23K26/352
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021576346
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2020067333
(87)【国際公開番号】W WO2020260192
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/865,357
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】デ ティマーマン キアラ
(72)【発明者】
【氏名】ベネンズ カレル
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AB01
4E168AD18
4E168DA40
4E168DA43
(57)【要約】
機械部品の表面を処理するための方法であって、この方法は、
レーザーを用いて、機械部品の表面にパターンを施すステップと、
パターン化された表面にコーティングを施すステップと、
を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械部品(15、24)の表面を処理するための方法であって、
レーザー(11、12、13)を用いて、前記機械部品(15、24)の前記表面にパターン(2)を施すステップと、
前記パターン化された表面にコーティングを施すステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記機械部品(15、24)を製造するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械部品(15、24)が、オイルフリースクリュー圧縮機用のスクリューロータ(15)の少なくとも一部と、前記オイルフリースクリュー圧縮機用のハウジング要素(24)の少なくとも一部とからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
パターン(2)を施す前記ステップは、
少なくとも1つの経路が前記表面上に広がるように、少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)を前記表面上に定めるステップと、
前記レーザーのレーザービーム(13)が、前記少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)上の表面に衝突するように、前記レーザー(11、12、13)を動作させるステップと、
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザー(11、12、13)は、前記レーザービーム(13)が約90度の角度で前記表面に衝突するように、前記表面に向けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザー(11、12、13)を動作させるステップは、前記レーザービーム(13)の衝突点が所定の速度で前記少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)をたどるように、前記表面に対して前記レーザー(11、12、13)を移動させるステップを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザーは、パルス生成レーザー光源(11)を備え、前記レーザー(11、12、13)を動作させるステップは、前記レーザービーム(13)を所定の動作周波数及び所定の動作強度で出力するステップを含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記所定の速度及び前記所定の動作周波数は、互いに所定の関係に維持される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の関係は、後続のレーザービームスポット(1)が、レーザー表面衝突直径(5)よりも小さい、互いに対する2地点間の距離(3)に位置するように選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)は、複数の隣接する経路セグメントからなり、前記隣接するパスセグメントは、前記レーザー表面衝突直径(5)よりも小さい中心間距離(4)を示す、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パターン(2)を施す前記ステップは、1.0Raよりも高い、好ましくは1.3Raよりも高い表面の表面粗さ、及び随意的に10.0Ryよりも高い、好ましくは15.0Ryよりも高い表面の表面粗さを得るためにパラメータ化される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記コーティングは、複数の層で施される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
パターン(2)を施す前記ステップの前に、前記機械部品の表面上に第1のコーティング層を施すステップをさらに含み、コーティング層を施す前記ステップは、前記パターン化された表面上に第2のコーティング層を施す、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記コーティングは、欧州特許出願番号14155385.9号、欧州特許出願番号17169341.9号、及び中国特許出願番号105132086号のうちのいずれか1つに記載された組成物のいずれか1つを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ローター(15)及びハウジング(24)を備えるオイルフリースクリュー圧縮機であって、そのうちの少なくとも1つは、請求項1から14のいずれか一項に従って少なくとも部分的に処理される、オイルフリースクリュー圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、限定されるものではないが、圧縮機、膨張機、真空ポンプなどの機械部品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械部品の表面には、機械部品の挙動に影響を与えるコーティングを施すことができる。一例として、オイルフリーのスクリュー圧縮機では、その動作を改善するために、ローター及びハウジングの表面にコーティングが施される。このコーティングには複数の目的がある。1つの目的は、機械部品の摩耗を低減することである。他の目的は、機械部品を通る熱の伝達を促進することである。さらに別の目的は、動作時の熱の発生を最小限に抑えることである。さらに別の目的は、機械部品の間に形成された空気室からの空気の漏れを最小限に抑えることである。
【0003】
機械部品がコーティングされる場合、コーティング層と機械部品との間の適切な付着を得ることが目的とされる。特に、機械部品が経年変化した場合、コーティング層の付着が最適でないとコーティング層の層間剥離が発生する可能性がある。これは、機械部品の動作性能を低下させ、潜在的に機械を損傷させる可能性がある。適切な付着を得るために、機械部品の表面は、コーティングを施す前に前処理される。この前処理は、一般的には機械的及び/又は化学的な洗浄などの1又は複数の洗浄工程を含む。洗浄時、機械部品から汚れ又はグリースが除去される。一般的に、前処理は、コーティングの付着性を向上させるために粗面化工程を含む。粗面化工程は、例えば、サンドブラストによって行うことができる。
【0004】
機械部品の表面を処理する公知技術の欠点は、環境に大きな影響を与えることである。特に、洗浄及び粗面化などの前処理工程は、有害な廃棄物の流れを生じる。さらに、これらの工程の少なくとも一部は自動化が複雑であり、この工程を実行するオペレータがこれらの有害な廃棄物の流れと物理的に接触するリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、機械部品の処理を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、機械部品の表面を処理するための方法を提案し、この方法は、
-レーザーを用いて機械部品の表面にパターンを施すステップと、
-パターン化された表面にコーティングを施すステップと、
を含む。
【0007】
本発明は、レーザーを使用して機械部品の表面を洗浄し、同時に表面の粗さに影響を与えることができるという洞察に基づく。表面にパターンを施すことで、表面を洗浄し、所定の粗さを得ることができる。さらに、レーザーを使用することで、従来の洗浄及び粗面化工程と比較して、有害な廃棄物の発生を大幅に低減することができる。加えて、レーザーを用いてパターンを表面に施す工程は自動化できるため、オペレータの負担及びリスクを軽減することができる。
【0008】
好ましくは、本方法は、機械部品を製造するステップをさらに含む。好ましい実施形態では、処理された機械部品は新しい機械部品である。あるいは、以前使用された機械部品の表面が処理される。これは、修復された機械部品とも呼ばれる。
【0009】
好ましくは、機械部品は、オイルフリースクリュー圧縮機用のスクリューローターの少なくとも一部と、そのようなオイルフリースクリュー圧縮機用のハウジング要素の少なくとも一部とからなるグループから選択される。特にオイルフリースクリュー圧縮機の分野では、表面処理は圧縮機の動作、効率、寿命にとって重要な意味をもつと考えられる。従って、特にオイルフリースクリュー圧縮機の場合、提案された処理は好都合である。
【0010】
好ましくは、パターンを施すステップは、
-少なくとも1つの経路が表面上に広がるように、少なくとも1つの経路を表面上に定めるステップと、
-レーザーのレーザービームが、少なくとも1つの経路上の表面に衝突するように、レーザーを動作させるステップと、
を含む。
【0011】
好ましくは、レーザーは、レーザービームが約90度の角度で表面に衝突するように表面に向けられる。約90度の角度で表面に衝突することで、レーザービームのエネルギーの大部分が表面に伝達される。さらに、環境に有害な影響を与える可能性がある反射ビームが最小限に抑えられる。
【0012】
好ましくは、レーザーを動作させるステップは、レーザーの衝突点が所定の速度で少なくとも1つの経路をたどるように、表面に対してレーザーを移動させるステップを含む。移動させることは、相対的に定義されており、レーザーが表面に対して移動することに留意されたい。これは、表面が固定されるが、レーザーが移動することができることを意味する。あるいは、レーザーが固定されるが、表面が移動することができる。さらに、好ましくは、レーザー及び表面の両方を移動させて、表面に対するレーザーの所定の相対的な変位を得る。少なくとも1つの経路を所定の速度でたどることにより、レーザーは、経路に沿って表面に衝突する。経路は表面に広がるので、レーザーは全表面に衝突する。
【0013】
好ましくは、レーザーは、パルス生成レーザーであり、レーザーを動作させるステップは、レーザービームを所定の動作周波数及び所定の動作強度で出力するステップを含む。さらに好ましくは、所定の速度及び所定の動作周波数は、互いに所定の関係に維持される。さらに好ましくは、所定の関係は、後続のレーザービームスポットが、レーザー表面衝突直径よりも小さい、互いに対する2地点間の距離に位置するように選択される。これらの特徴の組み合わせにより、途切れることなく経路に沿って表面に衝突することができる。換言すると、少なくとも経路は完全に処理され、レーザービームが衝突しない経路に沿ったスポット又は表面部分は見当たらない。レーザービームスポットとは、表面上で検出可能なレーザービーム衝突領域と定義される。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの経路は、複数の経路セグメントからなり、隣接する経路セグメントは、好ましくはレーザー表面衝突直径よりも小さい中心間距離を示す。好ましい実施形態の効果は、隣接するパスセグメントの間でも、表面のあらゆる部分がレーザービームで処理されることである。換言すると、隣接するパスセグメントの間で、レーザーが表面を処理していない表面部分は見当たらない。
【0015】
好ましくは、パターンを施すステップは、1.0Raよりも高い、好ましくは1.3Raよりも高い表面の表面粗さ、及び随意的に10.0Ryよりも高い、好ましくは15.0Ryよりも高い表面の表面粗さを得るためにパラメータ化される。実用的な試験及び実験により、1.0Raよりも高く、随意的に10.0Ryよりも高い表面粗さの場合、高い成功率でコーティングを施すことができることが示される。パターンを施すためのパラメータは、レーザービームの強度、移動速度、動作周波数、隣接するパスセグメント間の距離で構成され、これらは、様々な表面に対して様々にパラメータ化することができる。特に、機械部品の材料は、好ましい表面粗さを得るためにこれらのパラメータをどのように選択すべきかに大きく影響する。
【0016】
好ましくは、コーティングは複数の層で施される。さらに好ましくは、本方法は、パターンを施すステップの前に、機械部品の表面に第1のコーティング層を施すステップをさらに含み、コーティングを施すステップは、パターン化された表面に第2のコーティング層を施す。これは、第1のコーティング層の品質が不十分で、表面が新しいコーティングを必要とする場合に有用であろう。後者の場合、レーザーパターンを施すステップは、第1のコーティング層を除去し、第2のコーティング層との良好な付着のために表面を準備することができる。第1のコーティング層の品質は、機械部品を使用した後に不十分であると見なされる場合がある。また、例えば製造時に何か問題が発生した場合、第1のコーティング層を施した直後に第1のコーティング層の品質が不十分であると見なされる場合がある。
【0017】
好ましくは、コーティングは、欧州特許出願番号14155385.9号、欧州特許出願番号17169341.9号、及び中国特許出願番号105132086号のうちのいずれか1つに記載された組成物のいずれか1つを有する。
【0018】
本発明はさらに、本発明に従って少なくとも部分的に処理されたローター及びハウジングのうちの少なくとも一方を含むオイルフリースクリュー圧縮機に関する。
【0019】
添付の図面を用いて、本発明の装置の現在の好ましい非限定的かつ例示的な実施形態を説明する。本発明の特徴及び目的の上記及び他の利点は、以下の詳細な説明からより明らかになり、本発明は、添付の図面と併せて読むとよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】レーザーで表面にパターンを施すためのいくつかのパラメータを示す。
図2】レーザーで処理された表面を示す。
図3】レーザー処理された別の表面を示す。
図4】本発明の方法を実行するためのシステムを示す。
図5A】複数のパターンのうちの1つを示す。
図5B】複数のパターンのうちの1つを示す。
図5C】複数のパターンのうちの1つを示す。
図5D】複数のパターンのうちの1つを示す。
図6A】本発明の方法を実行するための別のシステムの断面図である。
図6B】本発明の方法を実行するための別のシステムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施形態による方法は、
-機械部品を機械加工するステップと、
-レーザーを用いて、機械部品の表面にパターンを施すステップと、
-パターン化された表面にコーティングを施すステップと、
を含む。
【0022】
代替的な実施形態では、本発明は、
-機械部品を修復するステップと、
-レーザーを用いて、機械部品の表面にパターンを施すステップと、
-パターン化された表面にコーティングを施すステップと、
を含む。
【0023】
本発明による方法は、スクロール又はツース圧縮機の製造のための、例えば、オイルフリースクリュー圧縮機用のスクリューローター又は圧縮機ハウジングなどのコーティングされた機械部品の製造に特に有用である。同様に、本方法は、膨張機(例えばスクリュー膨張機)、真空ポンプ(例えば真空クロー)又は低圧用途(例えばスクリューブロア)のローター、ハウジング又はシャフトの製造に適用することができる。
【0024】
本発明を実施する特定の方法によれば、パターン化された表面上にコーティングを施すステップは、少なくともコーティングを施すことに関連する技術的特徴を提供する目的で、及びコーティング組成物自体の技術的特徴を提供する目的で、参照によりその全体が本出願に組み込まれている、欧州特許出願番号14155385.9号及び欧州特許出願番号第17169341.9号に記載されているような何らかのコーティング組成物を施すことを含む。明らかに、本発明はこれらの特定のコーティング組成物に限定されるものではなく、他のタイプのコーティングを施すこともできる。
【0025】
さらに、中国特許出願番号105132086号に開示されているようなポリテトラフルオロエチレン結合固体潤滑剤は、コーティング材料として使用することができ、この出願に記載されているような方法のいずれかに従って施すことができ、この中国特許出願は、少なくともコーティングを施すことに関連する技術的特徴を提供する目的、及びコーティング組成物自体の技術的特徴を提供する目的で、参照により本出願に組み込まれている。
【0026】
より具体的には、本発明による方法で使用されるコーティング材は、結合剤としてポリアミドイミド樹脂及びエポキシ樹脂、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン、メラミンシアヌレート及び二硫化モリブデン、及び希釈剤として混合溶媒を用いて調製されたポリテトラフルオロエチレン結合固体潤滑剤とすることができ、さらに様々な充填剤及び改質添加剤を含むことができる。潤滑剤は、機械部品の表面にコーティングすることができ、加熱固化を行ってポリテトラフルオロエチレン結合固体潤滑剤コーティング層を形成することもできる。
【0027】
本発明による方法で施されるコーティング材は、必須ではないが、例えば、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性材料を含むことができる。また、酸化アルミニウム(A1203)、二酸化ケイ素(Si02)、ガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス)などの添加剤を含むことができる。黒鉛は、上述の化合物と組み合わせて又は組み合わすことなくコーティング材に含めることができる。
【0028】
以下のいずれかの粒子は、単独で、又は他の化合物や添加物と組み合わせて、コーティング材料に含めることができる。すなわち、
-六方晶窒化ホウ素
-カーボンナノチューブ(CNT)
-タルク
-ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
-パーフルオロアルコキシポリマー(例えば、パーフルオロアルコキシアルカン、PFA)
-フルオロエチレンプロペン(FEP)
-その他のフッ素樹脂
-炭化ケイ素(SIC)
である。
【0029】
もしくは、コーティング材の組成は、
-ポリテトラフルオロエチレン(954G 303 C テフロン, DuPont社) 750-850
-土状黒鉛粉体 300~400
-スプレー洗浄装置用シンナー(8595シンナー、DuPont社)200-270
-メチルエチルケトン(MEK) 170-220
-セロソルブアセテートコーティング添加剤(Syn Fac 800樹脂) 200-300
とすることができる。
【0030】
新しいコーティングの具体的な配合は、
-ポリテトラフルオロエチレン(954G 303 C テフロン、DuPont社) 800
-土状黒鉛粉体 360
-スプレー洗浄装置用シンナー(8595シンナー、デュポン社) 240
-メチルエチルケトン(MEK) 195
-セロソルブアセテートコーティング添加剤(Syn Fac 800樹脂) 240
とすることができる。
【0031】
試験の結果、機械部品の表面にパターンを施すステップは、例えばサンドブラストなどで表面を粗面化する必要性を完全に又は部分的に排除することができるが、機械部品の表面へのコーティング材料の良好な付着を保証することができることが分かった。この機械部品は、典型的には、例えば鋳鉄などの金属部品である。
【0032】
本発明はさらに、例えば圧縮機、膨張機、又は真空ポンプのローター又はロータハウジングなどの機械部品を修復する方法に関し、この方法は、
a)レーザーを用いて、機械部品の表面からコーティング層を除去するステップと、
b)レーザー処理された表面に、新しい又は追加のコーティング材料を施すステップと、
を含む。
【0033】
特定の実施形態によれば、本方法は、新しい又は追加のコーティング層を施す前に、レーザー処理された表面にパターンを施すステップ(a’)をさらに含む。
【0034】
本発明の追加の好ましい特徴によれば、ステップ(a’)は、表面にパターンを施すレーザーによって実行される。
【0035】
図1は、レーザーを用いてパターン2を表面に施す作用を模式的に示す。レーザーは、パルス発生レーザーである。パルス発生レーザーは、レーザービームを所定の周波数で出力する。その結果、光出力は、所定の持続時間及び周波数を有するパルス、典型的には所定の反復率を有するパルスで、衝突領域に到達する。このようなレーザーは、広範は技術によって具現化することができる。
【0036】
本発明で適用されるレーザーは、この用途が所定の大きなエネルギー量を有するパルスの生成から恩恵を受けるため、好ましくはパルスレーザである。パルスのエネルギーは、平均出力を繰り返し率で割ったものに等しいので、パルスの周波数を低下させて、パルス間でより多くのエネルギーを蓄積できるようにすることで、所定の量に到達することができる。例えば、レーザーアブレーションでは、加工物の表面の少量の材料は、非常に短時間で加熱すると蒸発させることができるが、エネルギーを徐々に供給すると、熱は、加工物の大部分に吸収され、特定のポイントで十分な高温を実現しない。
【0037】
図1を参照すると、各円形セグメントは、処理される表面へのレーザーパルスの衝突を示す。円形セグメントは参照番号1で示されている。図1は、X-Y-Z方向の三次元座標系を示す。図1の例では、レーザービームはZ方向に及び、表面はX-Y方向に広がる。レーザーから表面に伝達されるエネルギーを最大化するために、レーザービームは、好ましくは表面に対して実質的に垂直な方向に向けられる。
【0038】
レーザービームが表面に向けられ、所定の動作周波数で動作する間に、レーザービームは経路2に沿って表面上を移動する。経路2a及び2bは、処理される表面をカバーするパターン2を形成する。パターン2は、複数の経路セグメントから構成される。図1は、互いから経路セグメント距離4に位置するセグメント2a及び2bを示す。
【0039】
レーザーは、レーザービーム径を有するように構成されている。レーザーの光学素子は、レーザー光源と表面との間の距離と共に、表面上のレーザービームの衝突領域の直径を決定する。衝突直径は、図1に参照番号5で示されている。レーザーは、好ましくは50W以上、好ましくは70W以上、より好ましくは90W以上の出力を有する。このような出力と、適切に選択されたレーザービーム径により、好ましくは8J/cm2以上、好ましくは12J/cm2以上、より好ましくは18J/cm2以上、最も好ましくは23J/cm2以上のエネルギーを表面に伝達することができる。
【0040】
レーザービームが表面上を移動する際のパルス周波数と速度によって、表面上の経路セグメント内の隣接する各レーザービーム衝突領域の間の距離が決まる。この距離は、図1に参照番号3で示されており、中心から中心までの距離として測定される。好ましくは、距離3は直径5よりも小さい。また、好ましくは、経路セグメントの距離は、直径5よりも小さい。
【0041】
試験及びシミュレーションによって、レーザーパルスが金属表面上に衝突すると、典型的に、表面に存在するグリース、汚れ、古いコーティングなどの不純物が燃焼又は蒸発によって除去されることが明らかになっている。さらに、レーザーパルスの衝突によって、金属の表面に小規模のクレーターが作り出される。クレーターの深さ及び形状は金属の種類によって決まるが、当業者であれば実験的に決めることができる。
【0042】
レーザーパルス周波数及びレーザー速度は、単一の経路セグメント2a、2b内の隣接する衝突領域1の間の距離3を決定する。経路セグメントの距離4は、隣接する経路2a,2bにおけるレーザー衝突領域1の間の距離を決定する。パルス強度は、衝突領域1を形成する、表面の小規模のクレーターの深さを決定する。パルス径は、直径を決定し、衝突領域1を形成する表面のクレーターの深さにも影響を与える。少なくとも上述のパラメータは、表面の所定の粗さを得るためにバランスさせることができる。
【0043】
パラメータは、1.0Raよりも高い、好ましくは1.3Raよりも高い表面粗さ、及び、好ましくは10.0Ryよりも高い、好ましくは15.0Ryよりも高い表面粗さを得るためにバランスされる。Raは、基準長さの範囲な内での平均線からの形状離脱(profile departure)の絶対値のμm単位で測定される算術平均値として定義される。基準長さは、0.2~3.0mmの間で予め定義することができる。平均線は、幾何学的形状の形状及び位置を有する基準線であり、基準長さの範囲内で、この線からの形状離脱の二乗の合計が最小になる。Ryは、基準長さの範囲内で、形状図形の最も高い形状山部と最も低い形状谷部との間を垂直方向にμm単位で測定した距離で定義される。
【0044】
表面の算術平均粗さRa及びRyの測定は、ISO 4287:1997に準拠して行うことが好ましい。当業者は、表面の好ましい粗さに到達するために、上述の教示に基づいてパラメータを決定することができる。異なる表面材料は異なるパラメータを必要とすることは明らかであろう。
【0045】
好ましくは、パターンは、最大で3Ra、好ましくは最大で2.7Raの表面粗さに到達するように選択される。パターンを施して粗さを増大させる代わりに、粗さは、減少させることもできる。詳細には、例えば、経路セグメントの距離を短くすることで及び/又は速度を低下させて経路セグメント内の隣接するレーザービーム衝突領域の間の距離を短くしたりすることで、隣接するレーザービームスポットのオーバーラップを増大させることによって粗さを減少させることができる。
【0046】
図2は、レーザーでパターンを施すことによって処理される表面の例を示す。図2では、図1と同様に、複数の隣接する経路セグメントが示されている。そのため、表面は、その上に形成された隣接する複数のクレーターからなるパターンを示す。このクレーターの存在は、レーザーでパターンを施す前に表面に存在していたあらゆる不純物が除去されたことを意味する。これらのクレーターは、特に互いの相対的な位置によって、表面に粗さを与える。上述のように、この粗さは、コーティングが上手く付着するのを保証する。
【0047】
図3は、レーザーでパターンを施すことで処理される表面の別の例を示す。図3では、隣接する経路の距離4は、直径5よりも大きい。そのため、経路2の間には、未処理の表面領域6のストリップが観察できる。処理されることになる一部の表面に関しては、所定の粗さを得るためにはこれで十分であろう。これは、外見上の非処理表面領域6の存在にもかかわらず、コーティングの良好な付着性を得るのに十分である可能性がある。これらの外見上の非処理表面領域6は処理された表面領域によって囲まれているため、グリースなどの不純物が除去され、非処理表面領域6は十分に洗浄される。少なくともコーティングを施す前に、表面から不純物を除去するために、別の洗浄ステップが必要になる場合がある。このような別の洗浄ステップは、パターンを施すことによってレーザービームが全表面に衝突する場合には、少なくとも大部分が余計なものとなるであろう。
【0048】
経路2に沿ったレーザービーム速度が、隣接するレーザービーム衝突領域がレーザー衝突直径5よりも小さい中心間距離3を示すように選択され、かつ、隣接する経路2aと2bとの間の距離がレーザー衝突直径5よりも小さい場合に、レーザービームは、少なくとも実質的に全表面に衝突する。
【0049】
図4は、本発明の方法の少なくとも一部を実行することができる装置10を示す。装置10は、レーザー光源11と、レーザー光13を出力する光学素子12とを備える。装置10は、圧縮機のローター15、好ましくはオイルフリースクリュー圧縮機のローター15である機械部品のための支持部14をさらに備える。装置は、好ましくは、ユーザが装置10の作動機構を制御できるようにするためのユーザーインターフェース16を備える。ユーザーインターフェース16は、装置10の一体部分として示されている。代替的に、装置10は、外部のユーザーインターフェース16を装置10に作動可能に接続することができるように、通信モジュールを備えることができることは明らかであろう。
【0050】
本発明は、特に、オイルフリー圧縮機のローター15及びハウジング部品の表面を処理するために開発される。このような機械部品のコーティングは、高い機械的精度で施され、そのコーティングが施された機械部品は、過酷な条件で使用される。従って、コーティングの施工が最適になるのを保証するために、表面の前処理を行うことが好ましい。
【0051】
ローター15の表面のような複雑な三次元形状を有する表面にパターンを施す場合、装置10は、好ましくは少なくとも3自由度、より好ましくは4自由度、最も好ましくは5自由度を有する。図示の例では、ローター15は、直立軸を中心に回転可能である。さらに、少なくともレーザーの光学素子12は、好ましくはレーザー光源も上下に移動すること(矢印17で示す)、機械部品15に向かって移動すること及びそこからら離れこと(矢印18で示す)ができる。
【0052】
好ましくは、レーザーの光学素子12は、さらに好ましくはレーザー光源11もレーザービーム13がローター15に向かってある程度下向き及びある程度上向きに方向付けられるように、水平軸を中心に回転することができる。これにより、様々な表面セグメントがローター軸に対して様々な向きを示す場合でもレーザービーム13は、表面に実質的に垂直に衝突することができる。あるいは、ローター15は、横たわる軸(lying axis)を中心に回転させて、ローター15の上向きの軸に対するレーザービーム13の衝突角度を変えることができる。装置10の様々な動きを操作することにより、レーザービーム13は、少なくとも表面の大部分に関して、ローター表面に実質的に垂直に向けることができる。
【0053】
同じ技術は、図6を参照して説明するように、圧縮機ハウジングの部品の処理に適用することができる。また、代替的な機構を使用することができ、ここでは、レーザー光源はレーザービーム出力から離れた位置に取り付けられ、光学素子はレーザービーム出力の位置及びレーザービームが延びる方向を制御する。
【0054】
図5は、表面を処理するための複数のパターンを示す。図5Aは、互いに隣接する複数の別個の平行経路セグメント2a、2b、...2eからなるパターンを示す。上述のように、好ましい表面処理を得るために、隣接する経路セグメント2の間の距離を選択することができる。
【0055】
図5Bは、表面領域上を蛇行する単一の経路からなるパターンを示す。このような単一の経路は、相互に接続された複数の平行な経路セグメント2a、2b、...2eと見なすことができ、これらの経路セグメントは互いに隣接して配置されている。上述のように、好ましい表面処理を得るために、隣接する経路セグメント2の間の距離を選択することができる。図5Bのパターンは、レーザーを時間効率良く使用するので好ましい。経路が連続しているので、レーザーは、最小限の中断で動作させることができる。
【0056】
図5Cは、表面領域上を蛇行する単一の経路からなるパターンを示すが、複数の経路セグメントは平行ではない。図5Cには、2つの領域2f及び2gが示されており、領域2fの経路セグメントの向きは、領域2gの経路セグメントの向きとは異なる。しかしながら、パターンは、好ましい表面処理を得るために、隣接する経路セグメントが互いに所定の最大距離を示すように選択されている。
【0057】
図5Dは、螺旋状の経路からなるさらに別のパターンを示す。螺旋状の代わりに、同心円を形成することもできる。図示の螺旋状の経路では、好ましい表面処理を得るために、例えば図のように自由に定義できる螺旋状のセグメントは、互いに所定の距離を置いて配置されている。
【0058】
図4の機構は、主に外向きの表面を備える機械部品にパターンを施すために設けられる。外向きの表面とは、面法線が機械部品の中心から離れる方向に向いている表面のことである。一般的に、外向きの表面の面法線は、機械部品の他の部分と交差しない。換言すると、主に外向きの表面は、凸状の表面セグメントの大部分を有する。
【0059】
図6の機構は、主に内向きの表面を備える機械部品にパターンを施すために設けられる。内向きの表面とは、面法線が少なくとも部分的に機械部品の中心に向いている表面のことである。一般的に、内向き表面の面法線は、機械部品の他の部分と交差するか、又は少なくとも接近することができる。換言すると、主に内向きの表面は、凹状の表面セグメントの大部分を有する。
【0060】
図6は、オイルフリースクリュー圧縮機などの圧縮機ハウジングにパターンを施すための機構を示す。図6Aは断面図であり、図6Bは上面図である。この機構は、レーザー光源11を備える。導光機構は、一般的に、レーザー光をレーザービーム出力19に導くために、1又は複数のミラーを備える。レーザービーム出力19は、ハウジングの内部を移動するようになっている。これは、図6Aの矢印20及び21によって部分的に示され、図6Bの回転矢印22によって部分的に示される。当業者は、複合的な動きによって、レーザービーム出力19が内向き面23に向けられて、パターンを形成する所定の経路をたどることができることを理解する。
【0061】
本発明は、例によって上述した実施形態、又は本発明をよりよく説明するために上述した方法ステップに限定されるものではないが、機械部品を製造する本発明による方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの方法で実現することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 円形セグメント
2a セグメント
2b セグメント
3 衝突領域間の距離
4 経路セグメント距離
5 衝突領域の直径
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
【手続補正書】
【提出日】2022-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルフリースクリュー圧縮機用のスクリューロータ(15)の少なくとも一部と、前記オイルフリースクリュー圧縮機用のハウジング要素(24)の少なくとも一部と、からなる群から選択される機械部品(15、24)の表面を処理するための方法であって、
前記機械部品(15、24)を製造するステップと、
レーザー(11、12、13)を用いて、前記機械部品(15、24)の前記表面にパターン(2)を施すステップと、
前記パターン化された表面にコーティングを施すステップと、
を含む方法。
【請求項2】
パターン(2)を施す前記ステップは、
少なくとも1つの経路が前記表面上に広がるように、少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)を前記表面上に定めるステップと、
前記レーザーのレーザービーム(13)が、前記少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)上の表面に衝突するように、前記レーザー(11、12、13)を動作させるステップと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザー(11、12、13)は、前記レーザービーム(13)が約90度の角度で前記表面に衝突するように、前記表面に向けられる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザー(11、12、13)を動作させるステップは、前記レーザービーム(13)の衝突点が所定の速度で前記少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)をたどるように、前記表面に対して前記レーザー(11、12、13)を移動させるステップを含む、請求項又はに記載の方法。
【請求項5】
前記レーザーは、パルス生成レーザー光源(11)を備え、前記レーザー(11、12、13)を動作させるステップは、前記レーザービーム(13)を所定の動作周波数及び所定の動作強度で出力するステップを含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の速度及び前記所定の動作周波数は、互いに所定の関係に維持される、請求項又はに記載の方法。
【請求項7】
前記所定の関係は、後続のレーザービームスポット(1)が、レーザー表面衝突直径(5)よりも小さい、互いに対する2地点間の距離(3)に位置するように選択される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの経路(2a、2b、...2g)は、複数の隣接する経路セグメントからなり、前記隣接するパスセグメントは、前記レーザー表面衝突直径(5)よりも小さい中心間距離(4)を示す、請求項に記載の方法。
【請求項9】
パターン(2)を施す前記ステップは、1.0Raよりも高い、好ましくは1.3Raよりも高い表面の表面粗さ、及び随意的に10.0Ryよりも高い、好ましくは15.0Ryよりも高い表面の表面粗さを得るためにパラメータ化される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティングは、複数の層で施される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
パターン(2)を施す前記ステップの前に、前記機械部品の表面上に第1のコーティング層を施すステップをさらに含み、コーティング層を施す前記ステップは、前記パターン化された表面上に第2のコーティング層を施す、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記コーティングは、欧州特許出願番号14155385.9号、欧州特許出願番号17169341.9号、及び中国特許出願番号105132086号のうちのいずれか1つに記載された組成物のいずれか1つを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ローター(15)及びハウジング(24)を備えるオイルフリースクリュー圧縮機であって、そのうちの少なくとも1つは、請求項1から12のいずれか一項に従って少なくとも部分的に処理される、オイルフリースクリュー圧縮機。
【国際調査報告】