(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】使用済み空気入りタイヤの内部キャビティ表面からシール剤を除去するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B08B 3/08 20060101AFI20220831BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20220831BHJP
B08B 5/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B08B3/08 Z
B60C19/00 K
B60C19/00 L
B08B5/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576720
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2020055862
(87)【国際公開番号】W WO2020261090
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】102019000009930
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518333177
【氏名又は名称】ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ
【氏名又は名称原語表記】BRIDGESTONE EUROPE NV/SA
【住所又は居所原語表記】Kleine Kloosterstraat 10, B-1932 Zaventem (BE)
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ポントーニ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチアン キャパルディ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ カモジ
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
3D131
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AA30
3B116AA46
3B116AB52
3B116BA03
3B116BB22
3B116BB72
3B201AA12
3B201AA15
3B201AA30
3B201AA46
3B201AB52
3B201BA03
3B201BB22
3B201BB72
3D131BC09
3D131LA13
3D131LA40
(57)【要約】
本発明は、パンク孔のシールを目的として空気入りタイヤ(3)における内部キャビティ(2)の表面に少なくとも部分的に塗布されたシール剤よりなるインナーライナ(SAL)層を有する使用済み空気入りタイヤの処理方法及びシステムに関する。同システム(1)は:シール剤(SAL)層上に極低温流体、好適には液体窒素を塗布してシール剤(SAL)層を固体化させるための少なくとも1つのノズル(13)を有する塗布装置(6)と;固体化させたシール剤(SAL)層を除去すべく、固体化シール剤(SAL)層を機械的減摩により除去するための工具(16)を含む除去装置(14)と;工具(16)により除去された固体化シール剤の粒子/粉塵を吸引するための回路(17)と;を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンク孔をシールするために空気入りタイヤ(3)における内部キャビティ(2)の表面に少なくとも部分的に塗布されたシール剤よりなるインナーライナ層(SAL)を有する使用済み空気入りタイヤを処理するためのシステムであって、該システム(1)は:
・ 第1の可動アーム(7)を含み、該第1の可動アーム(7)が軸線方向端部に少なくとも1つのノズル(13)を有し、該ノズルから極低温流体、好適には液体窒素を塗布してシール剤(SAL)層を均一に被覆することによりシール剤(SAL)層を固体化させるための塗布装置(6)と;
・ 第2の可動アーム(15)を含み、該第2の可動アーム(15)が、固体化シール剤(SAL)層を軸線方向端部における機械的減摩により除去するための少なくとも1つのツール(16)を有する、除去装置(14)と;
・ 固体化シール剤(SAL)層に対する前記工具(16)の作用により生成される粒子/粉塵の流れを吸引し、かつ、前記内部キャビティ(2)の外部に排出するための吸引回路(17)と;
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1のアーム(7)は、前記内部キャビティ(2)における両側端部の間で移動可能であり、かつ、前記内部キャビティ(2)内に配備されることにより、前記ノズル(13)を前記シール剤(SAL)層に対してゼロ以外の距離(Li)に配置する、システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムであって、前記第1の可動アーム(7)は、一方の軸線方向端部に複数のノズル(13)を備え、これらノズルの各軸線が互いに平行であると共に、使用済み空気入りタイヤ(3)の中心軸線(X)に対して垂直である、システム。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のシステムであって、前記吸引回路(17)が、シール剤を捕集するためのタンク(18)と、前記内部キャビティ(2)の両側端部間で移動可能な吸引ヘッド(20)に対して導管(19)により接続される吸引ポンプと、を備える、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって:
・ 前記吸引ヘッド(20)が、前記吸引装置(14)と一体的に形成されており;
・ 前記第2のアーム(15)が、前記ツール(16)及び吸引ヘッド(20)の両者の軸線方向端部に設けられている;
システム。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のシステムであって、使用済み空気入りタイヤ(3)を電動ローラ(5)によってその中心軸線(X)周りで回転させると共に幅方向変位を阻止すべく前記サイドウォール(21)でロックするように配備された支持体(4)を備える、システム。
【請求項7】
パンク孔をシールするために空気入りタイヤ(3)の内部キャビティ(2)の表面に少なくとも部分的に塗布されたシール剤よりなるインナーライナ(SAL)層を有する使用済み空気入りタイヤを処理するための方法であって、該方法は:
・ 極低温流体、好適には液体窒素を塗布してシール剤(SAL)層を均一に被覆することによりシール剤(SAL)層を固体化させる塗布ステップと;
・ 前記分配ステップの開始から所定時間の経過後に、機械的減摩によって固体化シール剤の(SAL)層を除去するステップと;
・ 前記除去ステップにおいて生成された粒子/粉塵の流れを吸引して、これらを内部キャビティの外部に排出する吸引ステップと;
を備える、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記除去ステップを、前記塗布ステップの開始から、使用される極低温流体の種類に応じて可変である所定時間の経過後に開始させる、方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法であって、使用済み空気入りタイヤ(3)を、その中心軸線(X)周りに回転させるステップを更に備える、方法。
【請求項10】
請求項7~9の何れか一項に記載の方法であって、前記吸引ステップを、前記除去ステップと同時に実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み空気入りタイヤの内部キャビティ表面からシール剤を除去するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のとおり、空気入りタイヤは、2本の環状ビードを有すると共に、環状のトレッドを支持するトロイド状のカーカスを備える。トレッドベルトは、カーカスと、多層のトレッドプライで構成されるトレッドとの間に介挿される。カーカスは、トレッドとビードの間に配置される一対のサイドウォールを支持する。インナーライナは、気密性がありボディプライ内に配置され、インナーライニングを構成し、空気入りタイヤ内の空気を保持することにより、空気入りタイヤ自体の膨張圧を持続的に維持する機能を担うものである。
【0003】
近年、空気入りタイヤの開発は、パンクをシールするためのシール剤よりなるインナーライナを備える空気入りタイヤに向けられてきた。通常、シール剤は、パンクに対するシール作用と、内部キャビティ内におけるシール剤の安定性の両者を担保するために、空気入りタイヤの状態に関係なく高粘度を有している。
【0004】
シール剤は、加硫済みの空気入りタイヤに塗布され、好適には、路面と接触する空気入りタイヤの領域(パンクが発生する可能性のある空気入りタイヤの領域)内におけるインナーライナに塗布される。特に、シール剤は、トレッドと、サイドウォールの少なくとも一部に塗布される。
【0005】
更に、既知のとおり、空気入りタイヤは市場規模が大きく、そのリサイクルプロセスが複雑であるために、使用済み空気入りタイヤは、今日ではヨーロッパ内において最大級の廃棄物発生源の一つとなっている。ETRMA(欧州タイヤ・ゴム製造者協会)が設定している目標は、埋め立て地に廃棄される空気入りタイヤの数を減らし、今後数年間でほとんど全ての使用済み空気入りタイヤをエネルギー及び/又は二次材料の生産のために処理することを想定している。
【0006】
しかしながら、シール剤層が塗布された使用済み空気入りタイヤはリサイクルができず、熱解体により処理する必要がある。これは、シール剤が、使用済み空気入りタイヤの処理に通常使用されるシュレッダー装置に対して、回復しがたい損傷を及ぼしかねないからである。
【0007】
中国実用新案出願公開第2027652668号明細書は、高圧水ジェットを使用して空気入りタイヤの表面を洗浄するための機械について記載している。
【0008】
中国実用新案出願公開第207806024号及び中国特許出願公開第108311455号各明細書は、空気入りタイヤを洗浄し、かつ、引き続いて乾燥させるための機械について記載している。
【0009】
欧州特許出願公開第3085523号明細書は、空気入りタイヤの内面にセルフシール材料層を塗布するためのプラントについて記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】中国実用新案出願公開第2027652668号明細書
【特許文献2】中国実用新案出願公開第207806024号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第108311455号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第3085523号明細書
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明の目的は、使用済み空気入りタイヤの内部キャビティ表面からシール剤を除去するためのシステムとして、上述した従来技術の欠点を伴わず、簡単かつ安価に製造することのできるシステムを提供することである。
【0012】
本発明の更なる目的は、使用済み空気入りタイヤの内部キャビティ表面からシール剤を除去するための方法として、上述した従来技術の欠点を伴わず、簡単かつ安価に実施することのできる方法を提供することである。
【0013】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載したとおりの、使用済み空気入りタイヤの内部キャビティ表面からシール剤を除去するための方法及びシステムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、本発明につき、幾つかの非限定的かつ例示的な実施形態を示す添付図面を参照しつつ更に説明する。
【
図1】本発明に従って製造されたシステムにおいて極低温流体を塗布するための塗布装置の概略図であり、明確性のために一部が省かれている。
【
図2】本発明に従って製造されたシステムにおいてシール剤層を除去するための除去装置の概略図であり、明確性のために一部が省かれている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び
図2において、参照数字1は、パンクをシールするためのシール剤よりなるインナーライナ層SAL層が設けられている使用済み空気入りタイヤ3を処理するためのシステム全体を示す。システム1は、シール剤層SALに極低温流体を塗布するように設計されている。その極低温流体は、空気入りタイヤ3における内部キャビティ2の表面に塗布されているシール剤層を、内部キャビティ2の表面から除去するために使用されるものである。
【0016】
使用済み空気入りタイヤ3は、支持体4上に配置される。支持体4は、使用済み空気入りタイヤ3をロックすると共に、電動ローラ5を介してタイヤの中心軸線X周りで回転させるためのものである。支持体4は、空気入りタイヤ3を実質的に一定の速度、好適には1~から15m/minの速度で回転させるように設計されている。好適には、使用済み空気入りタイヤ3を支持体4内に収容することにより、中心軸線X周りでの回転運動中に空気入りタイヤ3自体の幅方向変位を防止する。
【0017】
システム1は、極低温流体を塗布するための塗布装置6を備える。塗布装置6は、好適には可動アーム7を有するロボットにより作動させるように構成されており、シール剤層SALを極低温流体で均一に被覆することを目的としている。塗布装置6は、シール剤層SALに直接対面する内部キャビティ2内の塗布位置に移動及び位置決めされるように可動とされている。塗布位置において、塗布装置6は、シール剤層SALから所定の距離Li(非接触で塗布するために、ゼロ以外の距離)に配置される。
【0018】
塗布装置6は、内部キャビティ2の幅方向における両側端部間の往復運動によって、シール剤層SALを極低温流体で均一に被覆することを目的としている。特に、アーム7は、使用済み空気入りタイヤ3の赤道面に対して実質的に垂直な面内を移動する。極低温流体は、使用済み空気入りタイヤ3の中心軸線X周りでの回転と、アーム7の移動との組み合わせによって、つる巻き状(ヘリカル)に塗布される。より具体的に、塗布装置6は、シール剤層SALが設けられ、使用終了空気入りタイヤ3における路面との接触部分(使用済み空気入りタイヤ3のトレッドと、サイドウォールの少なくとも一部)のみに対して極低温流体を塗布するものである。
【0019】
塗布装置6は、極低温流体を供給するための回路8に接続されている。この回路8は、極低温流体を収めるための、好適には金属材料製のタンク9と、タンク9から延在して塗布装置6に流体接続する導管10と、極低温流体をタンク9から引き出すと共に加圧下で塗布装置6に供給するためのポンプ装置11と、を備えている。
【0020】
好適な変形例において、塗布装置6は、可動アーム7の軸線方向端部に配置される塗布ヘッド12で構成される。塗布ヘッド12は、非接触で極低温流体を塗布するために少なくとも1つのノズル13を支持する。好適な変形例において、塗布ヘッド12は、複数のノズル13を支持する。これらノズル13の軸線は、互いに平行であり、中心軸線Xに対して垂直に配置されている。
【0021】
塗布位置において、各ノズル13は、シール剤層SALに直接対面し、かつ、シール剤層SALから所定距離Liで配置される。
【0022】
使用済み空気入りタイヤ3を中心軸線X周りで360°回転させるための電動ローラ5を自動的に移動させれば、極低温流体をシール剤層SAL全体に均一に塗布することが可能である。
【0023】
好適な変形例において、使用される極低温流体は、沸点が-195.82℃の液体窒素(N2)である。他の変形例において、使用される極低温流体は、沸点が-78℃のドライアイス(CO2)である。
【0024】
シール剤層SALに半流動状態の極低温流体を塗布すると、シール剤層SAL自体の温度が低下する。使用済み空気入りタイヤ3が中心軸線X周りでの一連の360°回転を完了すると、塗布された極低温流体によりシール剤層SALが硬化し、それによって弾性及び粘度が低下する。換言すれば、シール剤層SALは、極低温流体の温度下で固体化する。
【0025】
最後に、システム1は、固体化シール剤層SALを除去するための装置14を備える。除去装置14は、好適には、可動アーム15を有するロボットによって構成することができる。除去装置14は可動とされており、これにより内部キャビティ2内において固体化シール剤層SALに直接対面して接触する作業位置に移動及び位置決めされるように構成される。
【0026】
除去装置14は、内部キャビティ2の両側端部間の往復運動による機械的減摩を使用して、固体化シール剤層SALを除去することを目的としており、特に、可動アーム15は、使用済み空気入りタイヤ3の赤道面に対して実質的に垂直な面内を移動するように構成される。使用済み空気入りタイヤ3の中心軸線X周りでの回転とアーム15の移動とを組み合わせれば、つる巻き状に推移する除去が達成され、これにより、固体化シール剤層SALを完全に除去することが可能である。
【0027】
好適な変形例において、除去装置14は、可動アーム15の軸線方向端部に配置されるヘッドを備え、このヘッドにより、固体化シール剤層SALを除去/減摩するための工具、特に砥石16を支持する。
【0028】
除去装置14には、除去装置14により除去されたシール剤用の吸引回路17が接続されている。吸引回路17は、砥石16の作用により固体化シール剤層SALから生成される粒子/粉塵の流れを、空気入りタイヤ3の内部キャビティ2から外部に排出する構成とされる。より具体的に、吸引回路17は、シール剤を収集するためのタンク18と、吸引ヘッド20からタンク18まで延在する導管19を介して吸引ヘッド20に接続された吸引ポンプ(図示せず)とを備える。吸引ヘッド20は、内部キャビティ2から除去されたシール剤を吸引し、そのシール剤を導管19経由でタンク18に供給する。吸引ヘッド20は可動であり、内部キャビティ2の両側端部の間を往復運動することができる。特に、吸引ヘッド20は、使用済み空気入りタイヤ3の赤道面に対して実質的に垂直な面内を移動する構成とされる。
【0029】
好適には、吸引ヘッド20は、除去装置14と一体的に形成される。換言すれば、砥石16を支持する可動アーム15の軸線方向端部に配置されたヘッドにも、吸引ヘッド20が装備されている。吸引ヘッド20は、好適には、砥石16の近傍に配置される。
【0030】
固体化シール剤層SALを固体状態のまま砥石16によって除去/吸引し、かつ、その後の温度上昇によって半流動状態に戻るのを防止することが重要である。これは、温度上昇が生じると、シール剤層SALは、弾性及び粘度が高まり、機械加工や取扱い困難となるからである。
【0031】
使用済み空気入りタイヤ3を中心軸線X周りで360°回転させるための支持体4の自動移動と、アーム15の移動との組み合わせにより、固体化シール剤層SAL全体を除去することが可能である。
【0032】
システム1は、可能な最低温度を維持するため、好適には、隔離されたチャンバー内に収容する。
【0033】
一変形例において、塗布装置6及び除去装置14は、共通のアーム上に配備することができる(すなわち、この変形例では、アーム7及びアーム15は一致させることができる)。
【0034】
以下、システム1の操作方法について説明する。これには、以下のステップが順次に含まれる。
・ 作業者又は自動マニピュレータにより、使用済み空気入りタイヤ3を支持体4上にセットし、空気入りタイヤ3をサイドウォール21によってロックすることにより、空気入りタイヤ3自体の幅方向変位を防止する。
・ 所与のオペレータコマンドに応答して、塗布装置6をキャビティ2内に挿入し、かつ、塗布装置6をシール剤層SALから所定の距離Liに配置しながら、塗布装置6を塗布位置に位置決めする。
・ 極低温流体の塗布を塗布ヘッド12(特に、ノズル13)によって開始させると同時に、使用済み空気入りタイヤ3を電動ローラ5によって中心軸線X周りで回転させつつ、アーム7を内部キャビティ2の両側端部間で往復移動させる。
・ 使用される極低温流体の種類に応じて可変とした所定時間の経過後に、極低温流体の分配を停止する。
・ 電動ローラ5を停止させ、内部キャビティ2の両側端部間におけるアーム7の移動を停止させる。
・ 塗布装置6を内部キャビティ2から取り出す。
・ 除去装置14を内部キャビティ2内に挿入する。
・ 極低温流体の塗布開始から、所定の期間であり、使用される極低温流体の種類に応じて可変した所定時間が経過した時点で、砥石16をシール剤層SALと接触させて除去プロセスを開始する。
・ 使用済み空気入りタイヤ3を電動ローラ5によって中心軸線X周りで再び回転させると同時に、アーム15を内部キャビティ2の両側端部の間で往復運動させつつ、固体化シール剤層SALを砥石16により減摩する。
・ 使用済み空気入りタイヤ3の中心軸線X周りでの回転中、砥石16の作用と同時に吸引要素20を作動させて、固体化シール剤層SALを内部キャビティ2から吸引すると共にタンク18に供給する。
・ 固体化シール剤層SALの減摩及び吸引が完了すると(つる巻き状の推移を達成するための、使用済み空気入りタイヤ3の一連の360°回転が完了したとき)、電動ローラ5を停止させると共に、内部キャビティ2の両側端部間におけるアーム15の移動を停止させる。
・ 除去装置14を内部キャビティ2から引き出す。
・ 作業者又は自動化マニピュレータにより、支持体4からサイドウォール21を取り外して使用済み空気入りタイヤ3を取り出す。
【0035】
上述したシステム1の利点は明らかである。特に、塗布装置6及び除去装置14を使用すれば、使用済み空気入りタイヤ3からシール剤層SAL全体を効率的に除去した後に使用済み空気入りタイヤをリサイクルすることができ、熱解体処理が不要となる。
【国際調査報告】