(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】モジュール式電池を動力源とするシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B60L 58/21 20190101AFI20220831BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220831BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20220831BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B60L58/21
H02J7/00 P
B60L53/80
B60R16/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576803
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020040070
(87)【国際公開番号】W WO2020264478
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521561156
【氏名又は名称】アンプル、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハッソウナ、ハレド、ワリド
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA06
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC13
5H125AC23
5H125BC26
5H125CA18
5H125CC01
5H125DD02
5H125FF05
5H125FF06
(57)【要約】
【要約】
電動車両および他の機器に電力を供給するためのシステムおよび方法が提供される。いくつかの態様では、電動車両は、消耗時に取り外し可能であり、要求に応じて新たに充電されたモジュールと個別に交換可能な、電池モジュールのモジュール式セットによって電力を供給される。必要な全体的な総電池容量を決定することにより、設置された電池モジュールの全てまたはそれらのサブセットを使用して車両または機械を稼働することができる。サービスステーションでの前記モジュールのロボットによる交換および点検についても説明される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に電力を供給するシステムであって、
電気的に連結された複数の電池モジュールであって、各電池モジュールが前記システムに電力を供給できる少なくとも1つの充電式電池セルを有するものである、前記複数の電池モジュールと、
前記複数の電池モジュールを支持するように構成および配置された少なくとも1つの電池ハウジングユニットであって、さらに、前記複数の電池モジュールの各々に電気的に接続する電気的接続点を有するものである、前記電池ハウジングユニットと、
前記複数の電池モジュールを前記システムに電気的に接続、または前記システムから電気的に切断するように構成および配置された制御装置であって、前記電池モジュールのセットを前記システムに選択的に電気的に接続するものである、前記制御装置と、
を有する、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、前記制御装置は、前記複数の電池モジュールの各々と前記システムの他の部分を構成可能に接続または絶縁するように構成および配置されているものである、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記制御装置は、車両の動作状態を示す入力信号を受信し、当該車両動作状態に応答して、前記複数の電池モジュールのうち1若しくはそれ以上の電池モジュールを前記システムに対して電気的に接続または切断するように構成および配置されているものである、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記電池ハウジングユニットは、可変数の前記電池モジュールを要求に応じて搭載可能なように、複数の負荷形態に対応するように構成および配置されているものである、システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記複数の電池モジュールを電動車両駆動システムに接続する電力バスを有するものである、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、さらに、
前記制御装置を車両制御装置に接続するデータ信号伝達バスを有するものである、システム。
【請求項7】
モジュール式可変容量電力システムを使用して電動車両に電力を供給する方法であって、
前記電動車両の計画された使用に必要な電気容量を決定する工程と、
前記電動車両に電池モジュールを設置するように構成および配置された電池設置装置と前記電動車両の間のデータ通信を確立する工程と、
前記電池設置装置を使用して、電気的に連結された複数の電池モジュールを保持するように構成および配置された電池ハウジングを前記電動車両から分離する工程と、
少なくとも前記必要な電気容量を加法的に提供するために、前記電池設置装置を使用して、1若しくはそれ以上の電池モジュールを前記可変容量電力システムに設置する工程と、
前記1若しくはそれ以上の電池モジュールが前記電池ハウジングに設置された後、前記電池設置装置を使用して前記電池ハウジングを前記電動車両に固定する工程と、
を有する、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、さらに、
前記電動車両と前記電池設置装置との間のデータリンクを確立する工程と、
前記データリンク介して前記電池設置装置に前記1若しくはそれ以上の電池モジュールを前記電力システムに対して設置させるコマンドを通信する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、さらに、
計画された車両経路を提供する工程と、
前記必要な電気容量を決定するために前記計画された車両経路を使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、さらに、
車両動作データを収集して、保存する工程と、
前記必要な電気容量を決定するために保存された過去の車両動作データを使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項11】
請求項7記載の方法において、さらに、
前記電動車両以外の電動車両から動作データを収集して保存する工程と、
前記電気容量を決定するために前記動作データを使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、さらに、
前記必要な電気容量を決定するために機械学習ユニットを使用して前記動作データを解析する工程を有するものである、方法。
【請求項13】
請求項7記載の方法において、さらに、
ユーザー選択された前記電動車両の動作モードを提供する工程と、
車両の動作状態応じて必要な電気容量を決定するために前記ユーザー選択された動作モードを使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記ユーザー選択された動作モードは、通勤動作モードを有するものである、方法。
【請求項15】
請求項13記載の方法において、前記ユーザー選択された動作モードは、最大範囲動作モードを有するものである、方法。
【請求項16】
請求項7記載の方法において、さらに、
前記電池設定装置を使用して、1若しくはそれ以上の消耗電池モジュールを前記電動車両から取り外す工程を有し、
前記1若しくはそれ以上の電池モジュールを前記電動車両に設置する工程母、1若しくはそれ以上の充電された電池モジュールを前記電動車両に設置する工程を有するものである、方法。
【請求項17】
請求項7記載の方法において、さらに、
前記可変容量電力システムに設置する前記電池モジュールの総数を増やすために前記電池設置装置を使用する工程を有するものである、方法。
【請求項18】
モジュール式可変容量電力システムを使用して電動車両に電力を供給する方法であって、
前記電動車両の計画された使用に必要な電気容量を決定する工程と、
前記電動車両に充電された電池モジュールを設置し、かつ前記電動車両から消耗電池モジュールを取り外すために構成および配置された電池設置装置と前記電動車両の間のデータ通信を確立する工程と、
前記電池設置装置を使用して、電気的に連結された複数の電池モジュールを保持するように構成および配置された電池ハウジングを前記電動車両から分離する工程と、
前記電池設置装置を使用して、少なくとも前記必要な電気容量を減法的に提供するために1若しくはそれ以上の消耗電池モジュールを前記可変容量電力システムから取り外す工程と、
前記1若しくはそれ以上の電池モジュールが前記電池ハウジングから取り外された後、前記電池設置装置を使用して前記電池ハウジングを前記電動車両に固定する工程と
を有する、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、さらに、
少なくとも前記必要な電気容量を提供するために、前記電池設置装置を使用して前記取り外した消耗電池モジュールのうち少なくとも1つを対応する充電された電池モジュールに置き換える工程を有し、
前記可変容量電力システムに設置された前記電池モジュールの総数は純減するものである、
方法。
【請求項20】
請求項18記載の方法において、さらに、
前記電動車両と前記電池設置装置との間のデータリンクを確立する工程と、
前記データリンクを介して前記電池設置装置に前記1若しくはそれ以上の消耗電池モジュールを前記電力システから取り外させるコマンドを通信する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項21】
請求項18記載の方法において、さらに、
計画された車両経路を提供する工程と、
前記必要な電気容量を決定するために前記計画された車両経路を使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項22】
請求項18記載の方法において、さらに、
車両動作データを収集して保存する工程と、
前記必要な電気容量を決定するために保存された過去の車両動作データを使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項23】
請求項18記載の方法において、さらに、
前記電動車両以外の電動車両から動作データを収集して保存する工程と、
前記電気容量を決定するために前記動作データを使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、さらに、
前記必要な電気容量を決定するために機械学習ユニットを使用して前記動作データを解析する工程を有するものである、方法。
【請求項25】
請求項18記載の方法において、さらに、
前記電動車両のユーザー選択された動作モードを提供する工程と、
車両の動作状態応じて必要な電気容量を決定するために前記ユーザー選択された動作モードを使用する工程と、
を有するものである、方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、前記ユーザー選択された動作モードは、通勤動作モードを有するものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参照により本明細書に組み込まれる「モジュール式電池を動力源とするシステムおよび方法」と題された、2019年6月28日に出願された米国仮出願第62/868、352号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、充電式電池駆動モーターによって駆動される電気自動車などの電動車両に電力を供給し、操作することに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車、ゴルフカート、フォークリフト、および同様の機械は、電池駆動の電気モーターで駆動される場合がある。これらの従来の電動車両のパワーユニットは、充電可能なモノリシック電池ユニットを有する。前記車両の蓄積電力が少ないまたは消耗している場合、運転者は前記車両を充電ステーション(個人のまたは公共の)に運び、前記車両の充電システムを高電圧または低電圧のAC商用電源などの補充電源に接続する。前記車両の電池が再充電されると、前記車両は再び使用できるようになる。
【0004】
図1は、従来技術による従来の電動車両100を表す。前記車両100は、外部電力供給または充電ステーション110によって点検され、車の重心を下げるために前記車両のシャシーの下部またはその近くに配置された密閉ハウジングに入れられた、相当に大きな電気エネルギー貯蔵ユニットまたは電池120を掲載する。前記電池120は、電気インターフェース、プラグ、ポート、ジャック、または同様の部材102を有し、これを介して、前記車両/電池は、充電ステーション110からの電気エネルギーを受け入れることができる。充電ステーション110は、電池120に使用済みエネルギーを補充するために充電ポート102に差し込まれた導電性充電ケーブル112を介して電圧および/または電流を提供する。電池120からの電力は、電気バスライン106を介して、ドライブトレイン140に電力を供給するために使用される電気駆動モーター130などの前記車両の電力負荷に供給される。前記電池120は、前記車両アーキテクチャ全体における恒久的かつ重要な構成要素であり、一般的に、前記車両のユーザがアクセス可能または保守可能に構築されておらず、さらに、通常、正常な動作中に取り外しまたは保守できるように設計されていない恒久的なハウジングにしっかりと密封および封入されている。
【0005】
自動車、トラック、バスなどの車両は、動作するのにかなりのエネルギーを必要とするため、充電の合間にそのような車両を実際に使用するために必要なアンペア時を保存して提供するには、大型の電力貯蔵ユニット(電池など)が必要である。電気自動車の従来の限られた動作範囲に関する消費者の懸念を認識している製造業者は、設計およびコストの制約内で実行可能な限り多くの電池容量を電動車両に装備している。現在の電動車両は、商業的に実行可能な最小の性能(範囲)を提供できる実質的な電池ユニットを搭載している。このような電池は、特に電池に使用されるコア材料に重金属、導体、その他の高密度部品が含まれるため、大きく、高価で、非常に重いものである。
【0006】
電気自動車に大型で重い電池ユニットを搭載するという業界戦略には、範囲の強みを無効にするいくつかの欠点があります。たとえば、一般的な電気自動車の電池ユニットは、電池を「急速充電」しようとする試みもあるが、適切に充電するには比較的長時間を要し、これには、非常に高価な充電ステーションが必要であり、電池の長期的なパフォーマンスが低下する可能性がある。また、電気自動車の大型で重い電池は、前記電池ユニット自体の自重のために、自動車の電池を輸送するために相当な量のエネルギーが必要であることを意味する。電気自動車内で電池を輸送するために必要なエネルギーは、一般的にエネルギーの浪費であり、自動車の電池を充電するための前記電気エネルギーは、通常、離れた場所から電力網を介して輸送され、ライン損失やその他の非効率性の影響を受けるため、電気自動車を運転する環境上の美徳をいくらか無効化する。さらに、典型的な電気自動車の電池ユニットは、自動車の中で最も大きく、より高価な構成要素の1つである。前記電池が損傷している、または点検が必要な場合、修理プロセスの間自動車全体が使用できなくなり、これには、モノリシック電池ユニットを自動車から取り外す必要があり、通常、取り外し、修理、および/または交換するなどのためにかなりのコストと労力が必要になる。
【0007】
本開示は、電動車両およびそれらの電池のためのシステムおよび方法を説明し、特許請求する。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載の例示的な実施形態は革新的な特徴を有し、その単一のものがそれらの望ましい特性に不可欠であるか、または単独で責任があるわけではない。以下の説明および図面は、本開示の特定の例示的な実施を詳細に示しており、これは、本開示の様々な原理が実行されるいくつかの例示的な方法を示している。しかしながら、例示的な例は、本開示の多くの可能な実施形態を網羅するものではない。本特許請求の範囲のスコープを制限することなく、ここでいくつかの有利な特徴を要約する。本開示の他の目的、利点、および新規の特徴は、本発明を限定するものではなく説明することを意図した図面と併せて検討した場合の、本開示の以下の詳細な説明に記載される。
【0009】
一実施形態は、電動車両に電力を供給するためのシステムは、複数の電気的に連結された電池モジュールを有し、各電池モジュールは、前記システムに電力を供給することができる少なくとも1つの充電式電池セルを有するものであり、前記電池モジュールをサポートするように構成および配置された少なくとも1つの電池ハウジングユニットを有し、前記電池ハウジングユニットは、さらに、個々に前記電池モジュールに電気的に接続する電気接続点を有するものであり、前記電池モジュールを前記システムに、または前記システムから電気的に接続または切断するように構成および配置された制御装置とを有し、前記制御装置は、前記電池モジュールのセットを前記システムに選択的に電気的に接続するものである。1若しくはそれ以上の実施形態では、前記制御装置は、前記複数の電池モジュールのそれぞれの1つおよび前記システムの他の部分を構成可能に接続または分離するように構成および配置されている。いくつかの実施形態では、前記制御装置は、車両の動作状態を示す入力信号を受信し、前記車両の動作状態に応答する前記システムに1若しくはそれ以上の前記電池モジュールを電気的に接続または切断するように構成および配置される。さらに他の実施形態では、前記電池ハウジングユニットは、複数の負荷形態に対応するように構成および配置され、その結果、前記電池ハウジングユニットは、可変数の前記電池モジュールを要求に応じて搭載することができる。
【0010】
さらなる実施形態は、モジュール式可変容量電力システムを使用して電動車両に電力を供給するための方法に関するものであり、前記方法は、前記電動車両の計画された使用に必要な電気容量を決定する工程と、前記電動車両に電池モジュールを設置するように構成および配置された電池設置装置とデータ通信するように前記電動車両を配置する工程と、前記電池設置装置を使用して、電池ハウジングを前記電動車両から分離する工程と、前記ハウジングは、複数の電気的に連結された電池モジュールを保持するように構成および配置されており、前記電池設置装置を使用して、少なくとも前記必要な電気容量を付加的に提供するために1若しくはそれ以上の電池モジュールを前記可変容量電力システムに設置する工程と、前記電池設置装置を使用して、1若しくはそれ以上の前記電池モジュールが前記電池ハウジングに取り付けられた後、前記電池ハウジングを前記電動車両に固定する工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本概念の性質および利点をより完全に理解するために、好ましい実施形態の詳細な説明および添付の図面を参照する。
【
図1】
図1は、従来の電動車両と充電ステーションを示している。
【
図2】
図2は、一実施形態による、交換可能な電池モジュールを備えた電動車両を示している。
【
図3】
図3は、一実施形態による、交換可能な電池モジュールおよび電池サービスインフラを備えた電動車両を示している。
【
図4】
図4は、一実施形態による、交換可能および再充電可能な電池動作の両方を備えた電動車両を示している。
【
図5】
図5は、一実施形態による、決定された必要な電池容量に基づいて、可能な全電池モジュールのサブセットを電動車両に搭載することを示している。
【
図6】
図6は、一実施形態による、モジュール式電力システムを使用して電動車両(EV)に電力を供給するための方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、代替の実施形態による、モジュール式電力システムを使用して電動車両に電力を供給するための方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は、モジュール式電力システムを備えた電動車両に電池モジュールを取り付ける方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前述のように、従来の電動車両の電源装置は、大きく、重く、高価で、保守が困難または不可能な電池で構成されている。前記車両がユーザーのニーズを満たすために完全な電池充電を必要としない場合であっても、そのような巨大な電源装置の輸送にエネルギーが浪費される。さらに、従来の電動車両は、そのような電池システムで柔軟性を持たずに構成されており、これらの電池システムは、通常、特定の車両シャシーに合うようにサイズと構成が特注されている。
【0013】
本開示は、多くの種類の電動車両、例えば、自動車、トラック、バス、バン、ボート、飛行機、ドローン、軍用車両、およびその他(本明細書では一般的に車両と呼ばれる)で使用可能な電池システムの新規システムおよび方法を提示する。そのような車両の例として電気自動車を本明細書で挙げることができるが、本開示はこれらの例に限定されることを意図せず、当業者は、他の様々な機械および車両が同様に装備および操作できることを理解するであろう。
【0014】
一態様では、本発明は、それ自体が複数の電池セルまたはセルのグループを有することができる、複数の個別の電池モジュールを有するモジュール式電池システムを可能にする。現在の電池モジュールは、必要に応じて、要求に応じて電動車両に構成可能に挿入することができる。たとえば、長距離を移動し、より大きな電池容量を必要とする車両には、電池モジュールの完全な補完が装備されている場合があるが、より短距離を移動する車両には、前記車両の搭載可能な電池モジュールの前記合計容量のサブセットのみが装備されている場合がある。前記必要な数の電池モジュールのみを前記車両に配置することにより、前記車両は、次の任務を遂行するために必要な量を超える追加の重い電池材料を搭載しないため、パフォーマンスと経済性の利点を得ることができる。
【0015】
別の態様では、本発明は、1若しくはそれ以上の消耗した電池モジュールを車両から取り外し、これらの取り外した電池モジュールを未使用または充電された電池モジュールと交換することによって、車両内で消耗した電池モジュールの交換を可能にする。
【0016】
さらに別の態様では、本発明は、様々な異なる構成の車両に必要に応じて取り付けられる、汎用または形状/サイズに依存しない電池モジュールを可能にする。そのため、特定の車種にのみ適合する大型のモノリシックカー電池を設計および製造するのではなく、現在の電池モジュールをモジュール方式で多数の形状とサイズの電池コンパートメントに配置できるため、モデルに依存せず、さまざまな車両で役立つ。
【0017】
さらに別の態様では、本発明は、電動車両の電池システムの経済的かつ実用的な点検を可能にする。以前の電池が故障した電動車両は、前記大型のモノリシック電池ユニットを取り外すための大規模な操作と、その交換に時間と費用がかかり、点検または新しい電池が取り付けられるまで影響を受けた車両を使用できなくなった。対照的に、本発明は、消耗した、損傷した、または性能の低い電池モジュールを安価かつ迅速に交換することを可能にし、これは、数分で未使用または新しい電池モジュールと簡単に交換することができる。
【0018】
図2は、交換可能なモジュール式電池システム220を有する例示的な電動車両200のいくつかの部品を示している。複数の電池モジュール221~226は、電気エネルギー貯蔵ユニットまたは電池220を形成し、一般的に、1若しくはそれ以上の電池ハウジングコンパートメントに収容される。前記車両200はまた、電池制御回路204および中央処理装置206を有し、これらは、用途および他の設計ニーズに応じて、別個のユニットまたは1つのユニットとして実装することができる。前記複数のモジュール式電池モジュール221~226は、他の場所でより詳細に説明されているように、電池アクセスポート275を介して交換、検査、または点検のためにアクセスされる。
【0019】
電力(電圧および/または電流)は、前記電気駆動モーター230、前記車両の電気付属品、および他の負荷などの前記車両の1若しくはそれ以上の電気負荷に電力バス209を介して調整され、供給される。制御信号線またはバス207(破線で示されている)は、前記車両の電気および電子システムの様々な構成要素間でデータおよび他の測定信号、指示およびコマンド信号を送達する。そのような制御信号は、例えば、前記システム内の構成要素を起動または保護/シャットダウンする、1若しくはそれ以上の電池モジュールを稼働中または稼働停止にする、中央コンピュータ206に性能および容量情報を配信する、または通信リンク208を介した無線通信ネットワークを介した外部サーバーへの前記車両の操作に関して無線診断データを配信することができる。
【0020】
図3は、1若しくはそれ以上の電池ハウジングチャンバーに収容された複数の電池モジュール321~326を有し、本マルチモジュール式電池システム320を備えた電動車両300を示している。電池アクセスポート375は、前記複数の電池モジュール321~326へのアクセスを可能にする。概略的に示されるように、前記電池320は、前記システムまたはユーザのニーズに応じて、電池モジュールの完全な補完物、または前記電池モジュールのサブセット(全負荷未満)を搭載することができる。
【0021】
個々の電池モジュールを交換または取り替えることの機械的側面は、他の場所で本出願人によって議論され、電池モジュールのトレイまたはコンパートメント全体、または1若しくはそれ以上のそのような電池モジュールが交換または検査のためにアクセスされる。現在の目的のために、そのような1若しくはそれ以上の電池モジュール(例えば、電池モジュール322)は、人間または機械のエージェントによって取り外しまたは交換することができることに留意されたい。
【0022】
この図は、1若しくはそれ以上の電池モジュール321~326にアクセスし、取り外し、または交換するように構成およびプログラムまたは装備された移動式自律ロボット360を示している。前記ロボット360は、消耗電池モジュール322(またはそれ以上のモジュール)を取り、前記車両300の位置と電池サービスステーション301との間のある経路305に沿って移動することができる。消耗電池モジュール322が前記電池サービスステーション301に輸送されると、人間または機械的エージェントは、例えば、関節のある機械式アーム320で前記消耗電池モジュール322を拾い上げることによって、前記消耗電池モジュール322を充電またはサービスラック312に収納することができる。
【0023】
前記電池サービスステーション301は、充電を待っている消耗電池モジュール、車両への取り付けを待っている充電された電池モジュール、または点検および修理を待っている損傷した電池モジュールを含む、いくつかの電池モジュール313をサポートするように構成された電池収納棚312を含むことができる。前記電池サービスステーション301はまた、電池充電ステーション310を収容することができ、これは、1若しくはそれ以上の消耗電池モジュールを再充電するための電力を提供する。前記電池充電ステーション310は、それ自体が、発電機、電力線、および/または太陽光発電設備302から電力を受け取ることができる。前記電池充電ステーション310は、前記電池サービスステーション301とは別に配置することができ、または示されているようにその中に統合することができる。前記電池サービスステーション301および前記移動式自律ロボット360の例は、参照により本明細書に組み込まれる「ロボット支援モジュール式電池交換システム」と題された米国特許第9,868,421号に開示されている。
【0024】
未使用のまたは再充電された電池モジュールは、人的または機械的エージェントによって前記電池サービスステーション301から前記車両300に運ばれ、前記電池システム320に取り付けられる。これで、前記車両300は、所望の電池容量が取り付けられた状態で、自由に走り続けることができる。
【0025】
したがって、本システムおよび方法は、電動車両において動的で選択可能またはプログラム可能で可変の電池容量を提供する。車両に利用可能で設置されている容量は、目的の移動距離など、さまざまな要因によって異なる(走行距離や移動時間が長いほど、車両に搭載される容量が多くなる)。また、移動経路、地形、交通、および環境条件が、前記電池システムおよび車両に搭載する前記電池容量を決定する際に考慮される場合があります。さらに、前記システムの前記容量は、履歴データ、学習したパフォーマンス、ルックアップテーブルデータに全体的または部分的に基づいているか、特定の使用に必要な最小電池容量を示すデータベースまたは運用データの提供源に連結されたオンボードまたは外部の機械学習システムからの入力に基づいている場合がある。マッピングまたは経路計画ソフトウェアはまた、本可変容量システムおよび方法において必要な電池容量を計算する際に使用される入力(例えば、経路長および経路タイプ)を提供する。
【0026】
図4は、マルチモジュール電池システム420を備えた電動車両400の別の実施形態を示している。この実施形態では、前記電池システム420は両方とも前記車両内で再充電可能であり、これは、充電ケーブル414を車両の充電ポート402から、前記電池モジュール421~426以降を再充電するための電気エネルギーを提供する充電ステーション、AC電源、DC電源、または他の電源410に差し込むことによって達成される。さらに、一部またはすべての電池モジュール421~426は、必要に応じて、消耗した電池モジュールを新しいまたは充電されたモジュールと置き換えるために交換可能である。自動化されたメカニズム、人間のオペレータまたはサービスロボット460は、前記交換手順を達成するために本明細書に記載されるように使用される。オンボード電池管理回路404は、前記電池モジュールの充電および/または交換の前記プロセスを調整または連携または制御または監視することができる。また、接続されたプロセッサ406は、電力線409を介した電気駆動モーター430などの負荷への電力の供給を提供、調整、制御、および/または監視することができる。
【0027】
1つの非限定的な態様では、既定の電池モジュール(例えば、モジュール423)は、充電ステーション410から充電されるか、またはそれが消耗された場合、新しい電池モジュールと交換される。別の態様では、電池モジュールのサブセット(例えば、モジュール421、422、423)は、充電ステーション410から再充電可能であるが、交換可能ではなく、他のモジュール(例えば、424、425、426)は、交換可能であるが、充電ステーション410から再充電可能ではない。すなわち、本開示は、電池モジュール421~426の再充電または交換に限定されない。むしろ、いくつかの任意選択の実施形態では、本発明は、一般性の喪失なしに既定の用途に適合するように、車両内充電および電池モジュールの置き換え(交換)を混合することができる。
【0028】
図5は、前述のように、交換可能な電池モジュール521、524、525、526などを有する例示的な電動車両500を示している。前記モジュールは、電池システム520の1若しくはそれ以上のハウジングに収容され、説明したように、1若しくはそれ以上のアクセスポートまたはカバー575を介して、人間または機械のサービスエージェントによってアクセス可能である。この例では、電池システム520の一部529が空または空間(未搭載)のままになっていることに注意されたい。これは、必要な予想範囲で電池モジュールの完全な補充を車両に搭載する必要がない場合に、車両全体の重量を節約するためである。言い換えれば、ユーザーまたはエキスパートシステムまたはコンピュータアプリケーションは、最小または妥当な電池容量を決定し、前記車両の必要な任務を実行するために、前記最小または妥当な数のモジュールのみを前記電池520に搭載することができる。旅客、商業、軍事、貨物、または保有車両の用途では、このアプローチにより、全体的および累積的な大幅なコスト削減、エネルギー効率、および環境上のメリットが得られる(つまり、不要なときに余分な重い電池モジュールを持ち歩く必要がない)。車両に搭載されている可能性のある総電池負荷または容量の割合は、機械支援のコンピュータープログラムおよび前記プログラム命令を実行するプロセッサーによって数学的に決定することができる。取り付けられた電池容量は、ほぼ任意の範囲で、10%以下などの小さな要件から、約100%などの全容量までさまざまである。新しい電池モジュールは、上記のような現在のモジュール式電池サポートインフラを備えた任意の適切なサービスステーションで受け取りまたは取り付けることができる。
【0029】
本発明のモジュール式電池システムは、複数のそのような再充電可能なモジュール式電池ユニットを収容することが示されているように、車両に依存しないハウジングユニットに設置することができる。前記モジュール自体は、個々のサイズ、材料、および構造によって決定される設計アンペア時容量を保持できる。インターフェースプレート550は、前記電池システム520と、前記車両500の残りの電気負荷および制御回路との間の機械的および/または電気的通信を提供することができる。前記インターフェースプレート550(または前記電池システム520の前記ハウジングの壁)は、各電池モジュール521~526への、またはモジュールのグループへの電気接続または接続点555を含むことができる。
【0030】
電池充電管理または制御回路504は、前記電池システム520またはそのサブ構成要素および電池モジュール521~526の前記状態を管理および監視することに関する動作専用である。制御回路504は、動作中に任意の既定の電池モジュール(またはモジュールのサブセット)を前記車両の電池システムに選択的に接続または切断するように、機械的、電気的および/または電気機械的アクチュエータを作動させることができる。つまり、1若しくはそれ以上の個別のモジュールは、取り付けられている間、前記切断されたモジュールまたは未使用のモジュールを電気的または機械的に分離することにより、使用を選択的に切断することができます。特定のモジュールが損傷、過熱、または前記システム全体の動作に不要または有害であることが判明した場合、前記車両が通常の動作を継続している間、および前記車両が影響を受けたモジュールが取り外され、交換される電池モジュールサービスステーションに戻ることができるまで、モジュールを切断できる。
【0031】
図6は、一実施形態による、モジュール式(例えば、可変容量)電力システムを使用してEVに電力を供給するための方法のフローチャート60である。ステップ600において、前記EVは、前記EVの既定の、計画された、または意図された使用(一般的に「計画された使用」)のために必要な最小電気容量を決定または推定する。例えば、前記EVは、1若しくはそれ以上のユーザー選択可能な動作モードを有することができ、前記EVの中央コンピュータ(例えば、中央処理装置206)は、選択された動作モードに必要な電気容量を決定するように構成される。前記EVの動作モードには、(a)通勤、(b)近所の用事、(c)最大範囲、(d)カスタム、および/または(e)別の動作モードが含まれる。前記EVの中央コンピュータは、履歴データ、見積、および/またはその他の要因を使用して、各EV動作モードに必要な電気容量を決定できる。
【0032】
たとえば、前記通勤動作モードでは、前記EVの中央コンピュータは、たとえば、前記運転者の自宅の住所と前記運転者の職場の住所を入力として使用して、前記運転者の通勤距離を決定できる。前記EVの中央コンピュータは、前記必要な電気容量が往復通勤に必要な容量であることをデフォルトとして使用できる。ただし、前記運転者が職場のEV充電ステーションにアクセスできる場合、前記運転者は片道通勤に必要な電気容量を設定できる。前記運転者は、前記EVの中央コンピューターに家を出て職場を離れる時間を提供することもでき、これは、前記EVの中央コンピューターが交通量を推定するために使用でき、前記通勤に必要な電気容量を増やすことができる。別の実施形態では、前記運転者は、前記通勤動作モードで使用する一方向または双方向の移動範囲を選択することができる。たとえば、片道の移動範囲が15マイル、双方向の移動範囲が30マイルである。さらに別の実施形態では、前記EVは、50マイルの双方向移動範囲を有するデフォルトの通勤動作モードを有することができ、これは、ほとんどの運転者に適している可能性がある。
【0033】
前記近所の用事の動作モードでは、前記EVの中央コンピュータは、目的の移動範囲(たとえば、自宅やその他の場所から半径10マイル以内)、停車地の数、その他の要素を入力として使用できる。前記EVの中央コンピュータは、これらの入力を使用して、前記必要な電気容量を見積もることができる。いくつかの実施形態では、前記運転者は、任意の停車地でEV充電ステーションにアクセスできるかどうかを選択することができる。別の実施形態では、前記運転者は、前記近所の用事動作モードで使用する一方向または双方向の移動範囲を選択することができる。さらに別の実施形態では、前記EVは、20マイルの双方向移動範囲を備えたデフォルトの近所の用事動作モードを有することができ、これは、ほとんどの運転者に適している可能性がある。
【0034】
前記最大範囲の動作モードでは、前記EVの中央コンピューターは、前記必要な電気容量が前記EVの最大電気容量に等しいことを示すことができる。この実施形態では、EV範囲を最大化するために、すべての電池モジュール(例えば、電池モジュール521~526)が使用される。
【0035】
前記カスタム動作モードでは、前記EVの中央コンピューターは入力としてカスタム移動範囲を使用できる。たとえば、前記運転者は75マイル離れた場所に住む友人を訪ねることを計画する場合がある。したがって、前記必要な電気容量は、往復が必要な場合は少なくとも150マイル、片道のみが必要な場合(たとえば、友人がEV充電器を持っている場合)は75マイルに相当する。前記運転者は、前記友人を訪ねた後や途中で何をしようとしているかに基づいて、前記移動範囲をさらにカスタマイズでき、これには、追加の電気容量が必要になる場合がある。
【0036】
代替の実施形態では、前記電池再充電システムは、上記と同じ方法で、前記EVの前記計画された使用に必要な(例えば、最小の)電気容量を決定することができる中央コンピュータを含むことができる。さらに別の実施形態では、前記EVおよび/または前記電池再充電システムは、前記計画された使用に必要な(例えば、最小の)電気容量を決定するコンピュータとネットワーク通信することができる。前記コンピュータは、サーバー、スマートフォン、および/または別のコンピュータを有することができる。別の代替の実施形態では、前記EVおよび/または前記電池再充電システムは、前記計画された使用を受け取るために、前記運転者のコンピュータとネットワーク通信することができる。前記運転者のコンピューターは、パーソナルコンピューター(ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレットなど)、スマートフォン、スマートウォッチ、または別のコンピューターで構成できる。前記運転者のコンピューターには、専用アプリケーションやWebアプリケーションを含めることができ、このアプリケーションを介して、前記運転者は前記EVの使用計画を示すことができる。
【0037】
前記EVの中央コンピュータは、前記EVの履歴データを使用して、および/または他のEVの履歴データを使用して、各EV動作モードに必要な電気容量を決定できる。前記EVの履歴データは、前記EVの中央コンピューター、前記電池充電システム(前記EVとのネットワーク通信など)、および/またはネットワークアクセス可能なサーバー(前記EVとのネットワーク通信など)によって収集できる。前記他のEVの履歴データは、前記EVの中央コンピューターにアクセスできる前記EVのコンピューターメモリ、前記電池充電システム、および/またはネットワークアクセス可能なサーバーに保存できる。いくつかの実施形態では、機械学習(例えば、人工ニューラルネットワークまたは他の機械学習)を使用して、前記EVの履歴データおよび/または他のEVの履歴データを分析して、前記必要な電気容量を決定することができる。
【0038】
ステップ610において、前記EVは、電池モジュールを前記EVに設置するように構成および配置された電池設置装置とのデータ通信するようにセットされる。前記EVと電池設置装置との間のデータ通信リンクは、ネットワーク接続、直接接続、または他の接続を有することができる。前記接続データ通信は、有線および/または無線接続を使用して実現できる。
【0039】
前記EVは、前記データ通信リンクを介して、前記EVのモジュール式電力システム(例えば、モジュール式電池システム220)に関するステータス情報を通信することができる。前記ステータス情報には、前記EVのモジュール式電力システムの前記容量、前記EVのモジュール式電力システムに取り付けられている電池モジュールの数、および/または取り付けられている各電池モジュールの前記エネルギーステータス(消耗ステータスなど)を含めることができる。さらに、前記EVは、前記データ通信リンクを介して1若しくはそれ以上のコマンドを送信できる、これにより、前記電池設置装置は、前記EVのモジュール式電力システムの電池モジュールを取り付け、取り外し、および/または交換する。
【0040】
さらに、前記EVは、前記データ通信リンクを介して、前記必要な電気容量を前記電池設置装置に通信できる。あるいは、前記EVは、前記計画された使用(例えば、動作範囲、動作モード、および/または上記で論じた他の計画された使用)を前記電池設置装置に通信することができ、これは、前記必要な電気容量を(例えば、EVの種類および/またはその他の要因に基づいて)決定または見積りすることができる。別の代替の実施形態では、前記運転者のコンピュータは、前記計画された使用を前記EVおよび/または前記電池設置装置に(例えば、ネットワーク接続を介して)通信することができる。
【0041】
ステップ620において、前記EVのモジュール式電力システムの前記ハウジングまたはカバーは、手動または自動で(例えば、移動式自律ロボット360などのロボットを介して)取り外される。前記ハウジングまたはカバーを取り外すと、前記電池モジュールが露出し、取り外しや設置が可能になる。
【0042】
ステップ630において、前記電池設置装置は、少なくとも1つの電池モジュールを前記モジュール式電力システムに設置し、その電気容量を増加させ、少なくとも前記計画された使用に必要な前記電気容量を付加的に提供するために使用される。いくつかの実施形態では、(例えば、ステップ630で任意の電池モジュールを設置する前に)すでに設置されている前記電池モジュールの1若しくはそれ以上の(例えば、一部またはすべて)が、前記電池取り付け装置によって取り外される。たとえば、1若しくはそれ以上の消耗または部分的に消耗した電池モジュールを、1若しくはそれ以上の対応する完全に充電された電池モジュールと交換して、前記計画された使用に前記必要な電気容量を提供することができる。1若しくはそれ以上の追加の充電された電池モジュールを取り付けることもできる。したがって、前記モジュール式電力システムの電池モジュールの最終的な数は、ステップ630の結果として増加させることができる。
【0043】
ステップ630で前記電池モジュールが設置された後、前記EVのモジュール式電力システムの前記ハウジングまたはカバーは、ステップ640で前記EVに再固定される。
【0044】
図7は、代替の実施形態による、モジュール式(例えば、可変容量)電力システムを使用してEVに電力を供給するための方法のフローチャート70である。フローチャート70は、ステップ730において、前記計画された使用のために少なくとも前記必要な電力容量を差し引いて提供するためにその電力容量を減少させるように前記モジュール式電力システムから少なくとも1つの電池モジュールを取り外すために、前記電池設置装置を使用が使用されることを除いて、フローチャート60と同じである。いくつかの実施形態では、前記モジュール式電力システム内の1若しくはそれ以上(例えば、一部または全部)の消耗したまたは部分的に消耗した電池モジュールを、前記計画された使用に前記必要な電気容量を提供するために1若しくはそれ以上の対応する完全に充電された電池モジュールと交換することができる。したがって、前記モジュール式電力システム内の電池モジュールの前記正味の数は、ステップ730の結果として減少させることができる。
【0045】
図8は、代替の実施形態による、モジュール式(例えば、可変容量)電力システムを有するEVに電池モジュールを設置するための方法のフローチャート80である。ステップ800において、電池設置システムは、前記EV内の前記電池モジュールを交換する要求を受け取る。前記要求は、前記EV(たとえば、前記EVの中央コンピュータなどの前記EV内のコンピュータ)、前記EVの使用、または別のコンピューターによって所有または操作されるコンピュータ(たとえば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなど)によって送信できる。好ましい実施形態では、前記EVに前記現在取り付けられている電池モジュールは、部分的または完全に消耗している。
【0046】
ステップ810において、前記EVの計画された使用のために必要な最小電気容量が決定される。ステップ810は、上で論じたステップ600と同じ、類似、または異なることができる。例えば、いくつかの実施形態では、前記EV(例えば、前記EVの中央コンピュータ)は、前記必要な最小電気容量および/または前記EVの前記計画された使用を決定する。他の実施形態では、前記電池設置システムは、前記必要な最小電気容量および/または前記EVの前記計画された使用を決定する。さらに他の実施形態では、前記EVのユーザによって所有または操作される前記コンピュータは、前記必要な最小電気容量および/または前記EVの計画された使用を決定する。他の実施形態では、前記EVとネットワーク通信しているサーバー、前記電池設置システム、および/または前記EVユーザーのコンピューターは、前記必要な最小電気容量および/または前記EVの前記計画された使用を決定することができる。上記のいずれかの組み合わせも可能である。前記電池設置システム以外のコンピューターまたは物が、前記必要な最小電気容量および/または前記EVの前記計画された使用を決定する場合、その情報の一部またはすべてをネットワーク接続を介して前記電池設置システムに送信できる。
【0047】
ステップ820において、前記電池設置システム(例えば、移動式自律ロボットを使用する)は、前記消耗電池モジュールを前記EVから取り外す。前記電池モジュールは、完全にまたは部分的に消耗している可能性がある。前記電池設置システムは、好ましくは、前記電池モジュールを充電する(例えば、現在または後で)ために前記消耗電池モジュールを電池サービスステーションに収納する。
【0048】
ステップ830において、前記電池設置システム(例えば、移動式自律ロボットを使用する)は、充電された電池モジュールを前記EVに設置する。前記充電された電池モジュールは、ステップ810で決定された前記必要な最小電気容量以上であるか等しい正味電気容量(例えば、アンペア時)を有する。ただし、前記必要な最小電気容量は、前記EVの前記最大電気容量よりも少なくなる。したがって、ステップ830で設置される前記電池モジュールの数は、前記EVに取り付けることができる前記電池モジュールの前記最大数よりも少ない。したがって、ステップ830で設置される前記電池モジュールの数は、前記EVに設置できる電池モジュールの前記最大数よりも少ない。
【0049】
たとえば、前記計画された使用が通勤である場合、前記電池設置システムは、前記EVに設置できる前記電池モジュールの最大数の約25%から50%を設置できる。したがって、前記設置された充電された電池モジュールは、前記EVの電力システムの前記最大電気容量の約25%から50%を提供できる。他の実施形態では、前記電池設置システムは、異なる電気容量を有する電池モジュールを有することができ、その場合、前記設置された充電された電池モジュールは、前記EVの電力システムの最大電力容量の約25%から50%より多いまたは少ない電力容量を提供できる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ステップ830で設置された前記電池モジュールの数は、ステップ820で取り外された前記電池モジュールの数よりも多い。他の実施形態では、ステップ830で設置された前記電池モジュールの数は、ステップ820で取り外された前記電池モジュールの数よりも少ない。さらに他の実施形態では、ステップ830で設置された前記電池モジュールの数は、ステップ820で取り外された前記電池モジュールの数に等しい。
【0051】
現在のシステムと方法は、電動車両(自動車、バス、トラック、自律駆動機械など)だけでなく、より広い状況に適用できます。本発明は、充電式電池ユニットまたは複数のユニットからの電力を収容し、それに依存する任意の電動機に広く適用することができる。船、飛行機、ドローン、その他の産業機械もここから恩恵を受けることができる。
【0052】
さらに、本開示は、地理的に配置された電池モジュールサービスステーションがキャンパス、都市全体、または全国的または世界的規模で配置されるように分散された環境およびインフラを含む。本発明の機械および車両は、そのような分散型サービスステーション間を移動して、記載されているようにモジュール式電池を交換および受け取るように構成および適合される。
【0053】
したがって、この開示は、多くのモデルおよびタイプの負荷ならびに車両および機械の間で使用できる効率的な交換可能なモジュールを奨励する。そのため、ユーザーは、たとえば、ユーザーの機械や車に設置された電池に依存しなくなります。現在のモジュール式電池システムに対応するために、多くの機械または車両を装備することができる。
【0054】
本発明は、上記の特定の実施形態に限定されると見なされるべきではなく、むしろ、本明細書に公正に記載されている本発明のすべての態様を網羅すると理解されるべきである。様々な修正、同等のプロセス、ならびに本発明が適用可能である可能性のある多数の構造は、本開示のレビューにより、本発明が向けられる当業者には容易に明らかになるであろう。
【国際調査報告】