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特表2022-539080臨床成績尺度の自動検出のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】臨床成績尺度の自動検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20220831BHJP
   A61B 5/242 20210101ALI20220831BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20220831BHJP
   A61B 5/372 20210101ALI20220831BHJP
   A61B 5/397 20210101ALI20220831BHJP
   A61B 5/0533 20210101ALI20220831BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20220831BHJP
   A61B 5/145 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
G16H50/00
A61B5/242
A61B5/33 200
A61B5/372
A61B5/397
A61B5/0533
A61B5/11 200
A61B5/145
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576931
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 GB2020051561
(87)【国際公開番号】W WO2020260901
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】1909211.3
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518107132
【氏名又は名称】バイオス ヘルス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アーミテイジ,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】ヘウェージ,エミール
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】リー,スザンナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルニッシュ,ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ヤコペック,マチャズ
(72)【発明者】
【氏名】パターソン,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー,キャサリン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KK10
4C038VA04
4C038VB35
4C038VC20
4C127AA01
4C127AA02
4C127AA03
4C127AA04
4C127AA07
4C127AA10
4C127BB05
5L099AA03
(57)【要約】
システム、装置、および方法は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを自動的に検出および/または評価するために提供される。センサデータは、対象に関連付けられた1つ以上のセンサから受信される。センサデータは、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された第1の機械学習(ML)モデルのセットを使用して処理される。対象に関連付けられたセンサからの抽出されたセンサデータの一部分は、1つ以上の臨床バイオマーカを決定するために処理される。受信された抽出されたセンサデータの一部分の処理は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用することを含む。センサデータの一部分は、センサデータのセグメントを抽出し、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカの評価に使用するための1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいてセンサデータのセグメントを分類するように構成されている第1のMLモデルのセットを含み得る。第2のMLモデルのセットは、センサデータの抽出および分類されたセグメントに基づいて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することのためにセンサデータの一部分を抽出するためのコンピュータ実装方法であって、
前記対象に関連付けられた複数のセンサからセンサデータを受信することと、
前記対象の臨床バイオマーカを構築および評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された第1のMLモデルのセットに前記センサデータを入力することによって、前記センサデータを処理することと、
前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するように構成された第2のMLモデルのセットに入力するための前記抽出されたセンサデータの一部分を出力することと、を含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記対象の前記1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された前記第2のMLモデルのセットに、前記抽出されたセンサデータの一部分を入力することに基づいて、前記対象の臨床バイオマーカを評価することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
対象の臨床バイオマーカを評価するためのコンピュータ実装方法であって、
前記対象に関連付けられたセンサから抽出されたセンサデータの一部分を受信することであって、前記センサデータの一部分が、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するためのセンサデータの関連部分を抽出するように構成された第1のMLモデルのセットを使用して抽出される、受信することと、
前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、前記抽出されたセンサデータの一部分を処理することと、を含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記対象の臨床バイオマーカを構築および評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された前記第1のMLモデルのセットに前記センサデータを入力することに基づいて、センサデータの一部分を抽出することをさらに含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのコンピュータ実装方法であって、
前記対象に関連付けられた1つ以上のセンサからセンサデータを受信することと、
前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された第1の機械学習(ML)モデルのセットを使用して、前記センサデータを処理することと、
前記対象に関連付けられたセンサから前記抽出されたセンサデータの一部分を受信することと、
前記対象の前記1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、前記受信された抽出されたセンサデータの一部分を処理することと、を含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記センサデータが、前記対象のリアルタイムセンサ測定値を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記センサデータが、前記対象が日常の活動を行っている間に取られた前記対象のセンサ測定値を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記センサデータが、前記対象への治療の投与中にデータを記録するデバイスから取られた前記対象のセンサ測定値を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記センサデータが、前記対象が日常の活動を行っている間に継続的に取られた前記対象のセンサ測定値を含み、前記方法が、前記センサデータの一部分を抽出および分類するための前記第1のMLモデルのセットを使用して、前記センサデータを事前処理することと、前記第2のMLモデルのセットを使用して、前記抽出および分類されたセンサデータの一部分に存在する関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために、第2のコンピューティングデバイスまたはユニットに前記抽出および分類されたセンサデータの一部分を伝送することと、をさらに含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記第1のMLモデルのセットによって抽出された前記センサデータの一部分が、前記対象の前記1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された前記第2のMLモデルのセットに前記抽出されたセンサデータの一出部分を入力する前に、1つ以上の事前処理アルゴリズムまたはさらなるMLモデルによってさらに処理される、
請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
臨床バイオマーカが、対象の特定の病状またはなんらかの他の生理学的状態のインジケータとして使用され得る、臨床または研究室環境において特定の試験を実施または受けている対象によって計算された、測定基準または値を表すデータを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記対象が日常の活動を行っている間に前記対象から取られたセンサ測定値を含むセンサデータを受信することと、
前記臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて前記センサデータの各関連セグメントを識別および分類するために、前記第1のMLモデルのセットを使用して前記センサデータのセグメントを抽出することと、
前記臨床バイオマーカを評価するための前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上に、前記臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられた前記抽出されたセグメントを入力することに基づいて、前記臨床バイオマーカの評価値を構築することと、に基づいて、前記臨床バイオマーカの評価値を構築することを含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記第2のMLモデルのセットが、バイオマーカのセットを評価し、前記臨床バイオマーカの評価値を構築するステップが、前記臨床バイオマーカを評価するように構成された数学的モデルおよび/または前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上のMLモデルを使用する前記バイオマーカのセットを組み合わせることに基づいて前記臨床バイオマーカを評価することをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記第1の機械学習(ML)モデルのセットが、前記1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、前記抽出されたセンサデータの一部分を分類するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記第2のMLモデルのセットが、前記抽出されたセンサデータの一部分および対応する1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントを入力として受信することに基づいて、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されている、請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上のMLモデルが、前記第2のMLモデルのセットのうちの他のものから1つ以上の評価された臨床バイオマーカを受信することに基づいて、1つ以上のさらなるバイオマーカまたはさらなる臨床バイオマーカを評価するようにさらに構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記センサデータが、非構造化センサデータであり、前記方法が、前記1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連する非構造化センサデータの一部分を抽出するために前記第1のMLモデルのセットに前記非構造化センサデータを入力することをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記センサデータの一部分が、前記非構造化センサデータの関心のある複数のセグメントを含み、前記関心のある複数のセグメントが、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連付けられる、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上が、前記第2のMLモデルのセットへの入力のための1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられたセンサデータのラベル付きセットを形成するために、前記センサデータの一部分を分類する、請求項1~18のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記センサデータの一部分が、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために前記第2のMLモデルのセットに入力される、請求項1~19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上が、前記対象の前記バイオマーカデータセットに関連付けられたさらなる臨床バイオマーカを評価するための前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上に入力するための前記対象に関連付けられた第1のバイオマーカデータセットを形成するために、前記センサデータの一部分を分類する、請求項1~20のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
前記対象の前記バイオマーカデータセットが、臨床バイオマーカコンポーネントとして機能的に有用なバイオマーカのセットを含み、臨床バイオマーカが、前記臨床バイオマーカコンポーネントのうちの1つ以上に基づいて評価される、請求項21に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項23】
前記バイオマーカデータセットが、前記臨床バイオマーカコンポーネントを識別する複数の臨床バイオマーカコンポーネントラベルと、各臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられたセンサデータの対応する1つ以上の部分と、を含む、請求項21または22に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項24】
前記臨床バイオマーカコンポーネントラベルの各々が、センサデータの1つ以上の部分に関連付けられ、前記センサデータの1つ以上の部分が、前記対応する臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられると分類される、請求項23に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項25】
前記方法が、前記1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた第1のラベル付きセンサ訓練データセットに基づいて、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連付けられたセンサデータの一部分を抽出するための前記第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することをさらに含む、請求項1~24のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項26】
前記第1のラベル付きセンサ訓練データセットが、
関心のある臨床バイオマーカに関連付けられた身体的状態における試験対象に関連付けられたセンサからセンサデータを受信することと、
前記第1の1つ以上のMLモデルのセットを訓練することに使用するために前記センサデータを記憶することと、
前記試験対象の前記身体的状態を追跡することであって、各異なる身体的状態が、前記対象の臨床バイオマーカを評価することに使用するために異なる臨床バイオマーカコンポーネントを定義する、追跡することと、
前記試験対象に関連付けられた前記センサの各々について、センサデータの各セグメントについて決定された前記追跡された身体的状態に対応する臨床バイオマーカコンポーネントで、前記試験対象の前記センサデータの前記各セグメントにラベル付けすることと、
受信されたセンサデータから関心のあるセンサデータの一部分を抽出するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するため、および/または前記臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、前記抽出されたセンサデータの一部分の各々を分類するために、1つ以上のML技術を訓練することに使用するための前記ラベル付きセンサデータセットを記憶することと、に基づいて生成される、
請求項25に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項27】
前記対象の身体的状態が、特定の時間における前記対象の生物学的または生理学的状態の指標を含む、請求項26に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項28】
前記対象の前記身体的状態が、前記対象によって行われた1つ以上の活動に基づいて変化する、請求項26または27に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項29】
前記第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することが、
前記1つ以上の試験対象の記憶されたセンサデータ、および前記センサデータに関連付けられた前記対応するラベル付きセンサデータセグメントを検索することと、
抽出されたセンサデータセグメントの指標、および1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための前記第1のMLモデルのセットを訓練するために、第1のML技術のセットに前記記憶されたセンサデータを入力することと、
抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の前記出力指標を、前記ラベル付きセンサデータセットの前記対応するセグメントと比較することに基づいて、前記ML技術を更新することと、
前記1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、前記入力するステップおよび前記更新するステップを繰り返すことと、
センサデータセグメントを抽出すること、および1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに使用するための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントを分類することに使用するように構成された前記対応する訓練されたMLモデルを出力することと、をさらに含む、
請求項26~28のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項30】
前記第1のラベル付きセンサ訓練データセットが、複数のセンサデータの一部分を含み、各センサデータの一部分が、1つ以上の臨床バイオマーカまたは臨床バイオマーカコンポーネントを評価することに関連付けられたラベルに関連付けられる、請求項25~29のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項31】
前記方法が、前記ラベル付きセンサデータセットに関連して対応する1つ以上の臨床バイオマーカの評価に対応する第2のラベル付きセンサデータセットに基づいて、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するため前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することをさらに含む、請求項1~30のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項32】
前記第2のラベル付きセンサデータセットが、前記第1のラベル付きセンサデータセットを含み、前記第1のラベル付きセンサデータセットに関連して計算された臨床バイオマーカの対応する評価値でさらにラベル付けされる、請求項26に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項33】
前記第2のラベル付きセンサ訓練データセットが、
試験対象の前記第1のラベル付きセンサデータセットを検索することと、
前記試験対象の前記第1のラベル付きセンサデータセットおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、1つ以上のMLモデルを使用して評価されるように必要とされた1つ以上の臨床バイオマーカを計算することと、
前記対応する計算された臨床バイオマーカで前記第1のラベル付きセンサデータセットの1つ以上のセグメントをラベル付けすることと、
センサデータの受信された抽出されたセグメントから関心のある1つ以上の対応する臨床バイオマーカを評価するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するために、1つ以上のML技術を訓練することに使用するための前記第2のラベル付きセンサデータセットとして前記ラベル付きセンサデータセットを保存することであって、各々が1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて分類される、保存することと、に基づいて生成される、
請求項31または32に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項34】
前記第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することが、
1つ以上の試験対象の前記記憶された第1および第2のラベル付きセンサデータセットを検索することと、
1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための前記第2のMLモデルのセットを訓練するために、第2のML技術のセットに前記第1のラベル付きセンサデータセットを入力することと、
前記評価された臨床バイオマーカを前記第2のラベル付きデータセットの対応する臨床バイオマーカと比較することに基づいて、前記第2のML技術のセットを更新することと、
前記1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、前記入力するステップおよび前記更新するステップを繰り返すことと、
1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに使用するように構成された前記対応する訓練されたMLモデルを出力することと、をさらに含む、
請求項31~33のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項35】
前記方法が、1つ以上の他の臨床バイオマーカ、バイオマーカ、および/または関連付けられた抽出されたセンサデータの一部分に基づいて、1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することさらに含む、請求項1~34のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項36】
前記方法が、前記評価された臨床バイオマーカのうち1つ以上の組み合わせに基づいて、さらなる臨床バイオマーカを評価することをさらに含む、請求項1~35のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項37】
前記評価された臨床バイオマーカのうちの1つ以上の前記組み合わせが、前記対象の前記さらなる臨床バイオマーカを評価することのための数学的モデル内に、前記1つ以上の評価された臨床バイオマーカおよび/または臨床バイオマーカコンポーネントを入力することをさらに含む、請求項36に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項38】
前記対象に関連付けられた前記1つ以上のセンサが、
前記対象の身体の内部にある1つ以上のセンサ、
前記対象の前記身体の外部にある1つ以上のセンサ、
前記対象の1つ以上の身体システムの慢性的に記録することのための1つ以上のセンサ、および
対象の前記身体に治療を提供するデバイスの一部としての1つ以上のセンサの群からの少なくとも1つを備える、
請求項1~37のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項39】
前記対象に関連付けられた前記1つ以上のセンサが、
末梢または中枢神経記録のためのセンサ、
加速度センサ、
ジャイロスコープセンサ、
磁力計センサ、
活動センサ、
心電図(ECG)センサ、
皮質脳波検査(ECoG)センサ、
脳波(EEG)センサ、
筋電図(EMG)センサ、
血圧センサ、
血管拡張センサ、
血管または心臓容積測定センサ、
流量センサ、
血液粘度センサ、
皮膚グルコースセンサ、
酸素含有量センサ、
気道内圧センサ、
呼吸数センサ、
血中グルコースセンサ、
胸膜内圧力センサ、
膀胱圧センサ、
ガルバニック皮膚抵抗センサ、
心拍数センサ、
炎症マーカセンサ、
温度センサ、
電解濃度センサ、および
前記対象の生物学的または生理学的状態もしくはコンディションを測定するための任意のセンサの群からの1つ以上のセンサを備える、
請求項1~38のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項40】
前記第1のMLモデルのセットが、
線形回帰;
ロジスティック回帰;
ランダムフォレスト;
ニューラルネットワーク(NN);
オートエンコーダ、長短期記憶、畳み込みニューラルネットワーク、前記対象の臨床バイオマーカを決定するために対象のセンサデータの一部分を抽出することに使用するための任意の他のNN構造のうちの1つ以上に基づくNNバリアント;
k近傍法;
k平均法;
サポートベクターマシン;
単純ベイズ分類器;
主コンポーネント分析;
AdaBoost;
勾配ブースティング;
ガウス過程;
前記対象の臨床バイオマーカを決定するために対象のセンサデータの関連部分を抽出することにおける使用のための任意の他のML方法または技術の群からの1つ以上のML方法または技術に基づく、
請求項1~39のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項41】
第2の1つ以上のMLモデルのセットが、
線形回帰;
ロジスティック回帰;
ランダムフォレスト;
ニューラルネットワーク(NN);
オートエンコーダ、長短期記憶、畳み込みニューラルネットワーク、前記対象の臨床バイオマーカを決定することのために対象のセンサデータの一部分を処理することにおける使用のための任意の他のNN構造のうちの1つ以上に基づくNNバリアント;
k近傍法;
k平均法;
サポートベクターマシン;
単純ベイズ分類器;
主コンポーネント分析;
AdaBoost;
勾配ブースティング;
ガウス過程;
前記対象の臨床バイオマーカを決定するために対象のセンサデータの一部分を処理することにおいて使用するように構成された任意の他のML方法または技術の群からの1つ以上のML方法または技術に基づく、
請求項1~40のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項42】
前記臨床バイオマーカが、
前記対象の客観的成績尺度、
前記対象の前記生理学的状態の指標、
前記対象の前記生物学的状態の指標、
前記対象の身体部分に関連付けられた前記状態の指標、
前記対象の身体部分に関連付けられた前記状態またはコンディションの指標、
前記対象の身体部分の特定の生理学的状態のインジケータ、
生理学的活動を行っている前記対象の指標、
前記対象に関連付けられた1つ以上の特定の専門家臨床試験および/またはセンサデータから導出される前記対象の臨床バイオマーカ、ならびに
前記対象に関連付けられた1つ以上の他の臨床バイオマーカおよび/またはセンサデータから導出される前記対象の臨床バイオマーカの群からの少なくとも1つ以上を含む、
請求項1~41のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項43】
臨床バイオマーカコンポーネントが、
前記対象が歩くことの指標、
前記対象が立つことの指標、
前記対象が座ることの指標、
前記対象が座ることから立つことに移行することの指標、
前記対象が立つことから立つことに移行することの指標、
前記対象が回ることの指標、
前記対象が転倒することの指標、
前記対象がつまずくことの指標、
前記対象が走ることの指標、
前記対象が階段を上ることの指標、および
前記対象が任意の他の生理学的活動を行うことの指標の群からの少なくとも1つ以上の生理学的活動の指標を含む、
請求項1~42のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項44】
臨床バイオマーカが、
前記対象の歩行時間の指標、
前記対象のタイムアップアンドゴースコアまたは測定基準の指標、
前記対象の生理学的活動に関連付けられたリスクスコア、
前記対象の心血管の健康に関連付けられた健康スコア、
前記対象の神経学的活動に関連付けられたリスクスコア、および
前記対象に関連付けられた任意の他のスコア、指標または測定基準の群のうちの少なくとも1つ以上からの前記対象の客観的成績尺度を含む、
請求項1~43のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項45】
臨床バイオマーカが、
前記対象の心拍数、
前記対象の血圧、
前記対象の圧受容器感受性、
前記対象の心拍変動、
前記対象の1つ以上の鼓動事象、
前記対象の1つ以上の身体部分の状態フェーズ、
前記対象の1つ以上の排尿作用事象、
前記対象の1つ以上の発作事象、
前記対象の1つ以上の神経学的事象、および
前記対象の身体部分に関連付けられた任意の他の事象、測定値またはフェーズの群からの1つ以上基づく前記対象の身体部分の生理学的状態を表すデータを含む、
請求項1~44のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項46】
対象の臨床バイオマーカコンポーネントに関連してセンサデータの一部分を抽出および分類するための第1のMLモデルのセットを、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために訓練するためのコンピュータ実装方法であって、
1つ以上の試験対象のセンサデータ、および前記センサデータに関連付けられたセンサデータセグメントを含む対応するラベル付きセンサ訓練データセットを検索することであって、前記ラベル付きセンサデータセグメントが、臨床バイオマーカコンポーネントのセットに基づいてラベル付けされる、検索することと、
抽出されたセンサデータセグメントの指標、および1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための第1のMLモデルのセットを訓練するために、第1のML技術のセットにセンサデータを入力することと、
抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の前記出力指標を、前記対応するラベル付きセンサデータセグメントと比較することに基づいて、前記第1のML技術のセットを更新することと、
前記ML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、前記入力するステップおよび前記更新するステップを繰り返すことと、
センサデータセグメントを抽出するように構成された前記対応する第1の訓練されたMLモデルのセットを出力することと、1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに使用するための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各抽出されたセンサデータセグメントを分類することと、を含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項47】
前記ラベル付きセンサ訓練データセットが、
関心のある臨床バイオマーカに関連付けられた活動を行う試験対象に関連付けられたセンサからセンサデータを受信することと、
前記第1の1つ以上のMLモデルのセットを訓練することに使用するために前記センサデータを記憶することと、
前記試験対象が行う活動の種類を追跡することであって、各活動の種類が、臨床バイオマーカを評価することに使用するために異なる臨床バイオマーカコンポーネントを定義する、追跡することと、
前記試験対象に関連付けられた前記センサの各々について、センサデータの前記各セグメントについて決定された追前記跡された活動種類に対応する臨床バイオマーカコンポーネントで、前記試験対象のセンサデータの各セグメントにラベル付けすることと、
受信されたセンサデータから関心のあるセンサデータの一部分を抽出するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するため、および/または前記臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、前記抽出されたセンサデータの一部分の各々を分類するために、1つ以上のML技術を訓練することに使用するための前記ラベル付きセンサデータセットを記憶することと、に基づいて生成される、
請求項46に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項48】
前記第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することが、
前記1つ以上の試験対象の記憶されたセンサデータ、および前記センサデータに関連付けられた前記対応するラベル付きセンサデータセグメントを検索することと、
抽出されたセンサデータセグメントの指標、および1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための前記第1のMLモデルのセットを訓練するために、第1のML技術のセットに前記記憶されたセンサデータを入力することと、
抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の前記出力指標を、前記ラベル付きセンサデータセットの前記対応するセグメントと比較することに基づいて、前記ML技術を更新することと、
前記1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、前記入力するステップおよび前記更新するステップを繰り返すことと、
センサデータセグメントを抽出すること、および1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに使用するための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントを分類することに使用するように構成された前記対応する訓練されたMLモデルを出力することと、をさらに含む、
請求項47に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項49】
前記第1のラベル付きセンサ訓練データセットが、複数のセンサデータの一部分を含み、各センサデータの一部分が、1つ以上の臨床バイオマーカまたは臨床バイオマーカコンポーネントを評価することに関連付けられたラベルに関連付けられる、
請求項46~48のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項50】
対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのMLモデルのセットを訓練するためのコンピュータ実装方法であって、
臨床バイオマーカコンポーネントに関連して分類され、前記対象の計算された臨床バイオマーカでラベル付き抽出されたセンサデータの一部分を含むラベル付きセンサ訓練データセットを受信することと、
前記ラベル付きセンサ訓練データセットに基づいて前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための1つ以上のMLモデルを生成するためのML技術のセットに前記ラベル付きセンサ訓練データセットを入力することと、
前記評価された1つ以上の臨床バイオマーカを前記対象の前記対応する計算された臨床バイオマーカと比較することに基づいて、前記ML技術を更新することと、
前記ML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、前記入力するステップおよび前記更新するステップを繰り返すことと、
前記対応する臨床バイオマーカコンポーネントに分類されたセンサデータセグメントに基づいて、臨床バイオマーカを評価するように構成された前記対応する訓練されたMLモデルのセットを出力することと、を含む、
コンピュータ実装方法。
【請求項51】
前記ラベル付きセンサ訓練データセットが、
試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットを検索することであって、前記第1のラベル付きセンサデータセットが、臨床バイオマーカコンポーネントのセットに基づいて分類されたセンサデータセグメントを含む、検索することと、
前記試験対象の前記第1のラベル付きセンサデータセットおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、1つ以上のMLモデルを使用して評価されるように必要とされた前記試験対象の1つ以上の臨床バイオマーカおよび/または1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントを計算することと、
前記対応する計算された臨床バイオマーカで前記第1のラベル付きセンサデータセットの1つ以上のセグメントをラベル付けすることと、
センサデータの受信された抽出されたセグメントから関心のある1つ以上の対応する臨床バイオマーカを評価するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するために、1つ以上のML技術を訓練することに使用するための前記ラベル付きセンサ訓練データセットを保存することであって、各々が1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて分類される、保存することと、に基づいて生成される、
請求項50に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項52】
前記方法が、1つ以上の他の臨床バイオマーカ、バイオマーカ、および/または関連付けられた抽出されたセンサデータの一部分に基づいて、1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための前記第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することさらに含む、請求項50または51に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項53】
前記方法が、前記評価された臨床バイオマーカのうち1つ以上の組み合わせに基づいて、さらなる臨床バイオマーカを評価することをさらに含む、請求項50~52のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項54】
請求項46~53のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装することによって取得されるMLモデル。
【請求項55】
プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える装置であって、前記プロセッサユニットが、前記メモリユニットおよび通信インターフェースに結合され、前記装置が、請求項1~54のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように構成された、装置。
【請求項56】
対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのシステムであって、
前記対象に関連付けられた1つ以上のセンサからセンサデータを受信するための通信インターフェースと、
前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築することおよび評価することに関連する前記受信されたセンサデータの前記一部分を抽出するように構成された第1の機械学習(ML)モデルのセットを使用して、センサデータの一部分を抽出するためのセンサ信号事前処理ユニットと、
前記抽出されたセンサデータの一部分に基づいて前記対象の前記1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための臨床バイオマーカ評価ユニットと、を備える、
システム。
【請求項57】
前記第1の機械学習(ML)モデルのセットが、前記1つ以上の臨床バイオマーカを構築することおよび評価することに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、前記抽出されたセンサデータの一部分を分類するように構成されている、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第2のMLモデルのセットが、前記抽出されたセンサデータの一部分および対応する1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントを入力として受信することに基づいて、前記対象の1つ以上の臨床バイオマーカの評価値を構築するように構成されている、請求項56または57に記載のシステム。
【請求項59】
前記センサデータが、前記対象のリアルタイムセンサ測定値を含む、請求項56~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記通信インターフェース、前記センサ信号事前処理ユニット、または臨床バイオマーカ評価ユニットのうちの1つ以上が、請求項1~54のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法の前記対応するステップを実装するように構成されている、請求項56~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
請求項55に記載の装置を備えるシステム。
【請求項62】
プロセッサと、メモリと、通信インターフェースと、を備えるシステムであって、前記プロセッサが、前記メモリおよび通信インターフェースに結合され、前記装置が、請求項1~54のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように構成された、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、臨床成績尺度および/または臨床バイオマーカの自動検出および/または評価のためのシステム、装置、ならびに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
客観的成績尺度(OOM)または臨床成績尺度とも称される、患者または対象の臨床バイオマーカは、患者または対象の特定の身体系または身体部分における患者または対象のコンディションを定量的に示すために使用される。対象または患者は、限定ではなく例として、ヒト、動物などを含み得る、任意の生物または生物学的生命を含むか、または表し得る。対象または患者という用語は、本明細書では互換的に使用される。臨床医、医師、および研究者は、臨床決定の基礎を形成すること、コンディションを診断すること、および/または臨床バイオマーカによって示される患者または対象の基礎をなすコンディションの好適な治療を提案することを支援するために、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを使用し得る。臨床バイオマーカは、コンディションの診断、そのコンディションのための治療の種類の選択、および/または治療費に影響を及ぼす。
【0003】
臨床バイオマーカは、対象の特定の病状またはなんらかの他の生物学的もしくは生理学的状態のインジケータとして使用され得る、臨床または研究室環境において特定の試験を実施または受けている対象から計算された、測定基準または値を表すデータを含むか、または表し得る。患者または対象の臨床バイオマーカの例は、限定ではなく例として、OOM、バイオマーカなどを含み得る。臨床バイオマーカのいくつかの例は、限定ではなく例として、全体的な移動性のためのタイムアップアンドゴー(Timed Up and Go、TUG)、失禁についての尿排尿の頻度、およびてんかんの発作の重症度を含む。
【0004】
従来、臨床バイオマーカは、特定の臨床試験を実施する患者または対象の測定値から決定され、その各々が、対象の1つ以上の特定の臨床バイオマーカの評価または計算に対応する。典型的には、患者または対象は、臨床または研究室環境に移動し、これらの特定の臨床試験を実施することが必要とされる。専門家人員(例えば、臨床医、医師、研究者、技術者または科学者)は、1つ以上の臨床バイオマーカに対応する1つ以上の特定の臨床試験を実施するように患者に指示し得る。試験中、専門家人員は、非常に高度な観察および制御の下で、対象の必要とされた医学的測定を手作業で実行する。
【0005】
追加して、そのような診療所および/または研究室は、各々の特定の臨床試験に関連する必要な臨床バイオマーカを測定するための専門家機器を備えた非常に特殊な環境である。しかしながら、すべての診療所および/または研究室は、コンディションの診断/治療中に必要とされた特定の臨床検査のすべてを実行するための患者または対象のための専門家機器の区域を有し得ない。これは、患者または対象が異なる診療所/研究室間を移動するために必要とされ得ることを意味する。これはさらに、患者または対象を治療すること、リハビリすること、および/または快適さを維持することに、よりよく費やされ得る時間および資源を浪費する。
【0006】
本質的に、臨床バイオマーカの評価は、限定ではなく例として、少なくとも以下の、a)非常に限定されることができる、専門家人員の時間と、b)そのような測定の頻度が制限される、1つ以上の臨床バイオマーカの測定のために診療所/研究室に出入りする患者または対象と、c)患者が必要とされる検査を正しく実行し、専門家人員が検査中に患者または対象の必要とされる測定および/または観察を行えるようにするための、特殊な機器および制御された環境の高価/高コストとを必要とする。
【0007】
改善された有効性を提供し、上に記載のような上述の不利な点のうちの1つ以上を克服するために、どこでも、いつでも、および/またはリアルタイムで、患者または対象の臨床バイオマーカの測定を実行することができることが望ましい。
【0008】
以下に記載の実施形態は、上に記載の既知のアプローチの欠点のいずれかまたはすべてを解決する実装形態に限定されるものではない。
【発明の概要】
【0009】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに記載される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供されるものである。本概要は、特許請求された主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求された主題の範囲を決定するために使用されることも意図していない。
【0010】
本開示は、対象または患者が少なくとも通常の生活に関連付けられた日常の活動(または毎日の活動)を行っているとき、および/または1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた専門家臨床試験中に、対象または患者に関連付けられた1つ以上のセンサから継続的、定期的もしくは非定期的に、または時間間隔にわたって取られたセンサデータを分析するように構成されたMLモデル、ならびに、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために有用なセンサデータの一部分、セグメント、またはサブコンポーネントを識別、抽出、および分類するように構成されたMLモデルを使用して、臨床バイオマーカもしくは臨床成績測定値の自動検出、評価、および/または計算のための装置、システム、および/または方法を提供する。センサデータの一部分、セグメント、またはサブコンポーネントは、さらに、センサデータの識別、抽出、および/または分類された一部分、セグメント、またはサブコンポーネントに基づいて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されたMLモデルおよび/または数学的モデルを使用して、さらに分析および/または処理される。臨床バイオマーカの評価値は、対象に関連付けられた1つ以上のセンサデータセットで動作するMLモデルを使用して構築および計算される。出力された、評価/検出された臨床バイオマーカは、対象のコンディションのさらなる分析または診断、対象のコンディションを治療するための好適な健康摂生、治療および/または治療の種類の推奨および/または選択を支援するために、少なくとも専門家人員(例えば、臨床医、医師、研究者、科学者など)および/または対象に記憶、送信、および/または表示され得る。
【0011】
第1の態様では、本開示は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためにセンサデータの一部分を検出および/または抽出するためのコンピュータ実装方法であって、対象に関連付けられた複数のセンサからセンサデータを受信することと、対象の臨床バイオマーカを構築および評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された第1のMLモデルのセットにセンサデータを入力することによって、センサデータを処理することと、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するように構成された第2のMLモデルのセットに入力するための抽出されたセンサデータの一部分を出力することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
【0012】
好ましくは、コンピュータ実装方法は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットに、抽出されたセンサデータの一部分を入力することに基づいて、対象の臨床バイオマーカを評価することをさらに含む。
【0013】
第2の態様では、本開示は、対象の臨床バイオマーカを評価するためのコンピュータ実装方法であって、対象に関連付けられたセンサから抽出されたセンサデータの一部分を受信することであって、センサデータの一部分が、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するためのセンサデータの関連部分を抽出するように構成された第1のMLモデルのセットを使用して抽出される、受信することと、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、抽出されたセンサデータの一部分を処理することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
【0014】
好ましくは、コンピュータ実装方法は、対象の臨床バイオマーカを構築および評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された第1のMLモデルのセットにセンサデータを入力することに基づいて、センサデータの一部分を抽出することをさらに含む。
【0015】
第3の態様では、本開示は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのコンピュータ実装方法であって、対象に関連付けられた1つ以上のセンサからセンサデータを受信することと、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連するセンサデータの一部分を抽出するように構成された第1の機械学習(ML)モデルのセットを使用して、センサデータを処理することと、対象に関連付けられたセンサから抽出されたセンサデータの一部分を受信することと、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、受信された抽出されたセンサデータの一部分を処理することと、を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
【0016】
好ましくは、センサデータが、対象のリアルタイムセンサ測定値を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0017】
好ましくは、センサデータが、対象が日常の活動を行っている間に取られた対象のセンサ測定値を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0018】
好ましくは、センサデータが、対象への治療の投与中にデータを記録するデバイスから取られた対象のセンサ測定値を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0019】
好ましくは、センサデータが、対象が日常の活動を行っている間に継続的に取られた対象のセンサ測定値を含み、方法が、センサデータの一部分を抽出および分類するための第1のMLモデルのセットを使用して、センサデータを事前処理することと、第2のMLモデルのセットを使用して、抽出および分類されたセンサデータの一部分に存在する関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために、第2のコンピューティングデバイスまたはユニットに抽出および分類されたセンサデータの一部分を伝送することと、をさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0020】
好ましくは、第1のMLモデルのセットによって抽出されたセンサデータの一部分が、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットに抽出されたセンサデータの一出部分を入力する前に、1つ以上の事前処理アルゴリズムまたはさらなるMLモデルによってさらに処理される、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0021】
好ましくは、臨床バイオマーカが、対象の特定の病状またはなんらかの他の生理学的状態のインジケータとして使用され得る、臨床または研究室環境において特定の試験を実施または受けている対象によって計算された、測定基準または値を表すデータを含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0022】
好ましくは、方法は、対象が日常の活動を行っている間に対象から取られたセンサ測定値を含むセンサデータを受信することと、臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいてセンサデータの各関連セグメントを識別および分類するために、第1のMLモデルのセットを使用してセンサデータのセグメントを抽出することと、臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上に、臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられた抽出されたセグメントを入力することに基づいて、臨床バイオマーカの評価値を構築することと、に基づいて、臨床バイオマーカの評価値を構築することを含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0023】
好ましくは、第2のMLモデルのセットが、バイオマーカのセットを評価し、臨床バイオマーカの評価値を構築するステップが、臨床バイオマーカを評価するように構成された数学的モデルおよび/または第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上のMLモデルを使用するバイオマーカのセットを組み合わせることに基づいて臨床バイオマーカを評価することをさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0024】
好ましくは、第1の機械学習(ML)モデルのセットが、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、抽出されたセンサデータの一部分を分類するように構成されている、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0025】
好ましくは、第2のMLモデルのセットが、抽出されたセンサデータの一部分および対応する1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントを入力として受信することに基づいて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されている、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0026】
好ましくは、第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上のMLモデルが、第2のMLモデルのセットのうちの他のものから1つ以上の臨床バイオマーカを受信することに基づいて、1つ以上のさらなるバイオマーカまたはさらなる臨床バイオマーカを評価するようにさらに構成されている、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0027】
好ましくは、センサデータが、非構造化センサデータであり、方法が、1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連する非構造化センサデータの一部分を抽出するために第1のMLモデルのセットに非構造化センサデータを入力することをさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0028】
好ましくは、センサデータの一部分が、非構造化センサデータの関心のある複数のセグメントを含み、関心のある複数のセグメントが、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連付けられる、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0029】
好ましくは、第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上が、第2のMLモデルのセットへの入力のための1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられたセンサデータのラベル付きセットを形成するために、センサデータの一部分を分類する、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0030】
好ましくは、センサデータの一部分が、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために第2のMLモデルのセットに入力される、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0031】
好ましくは、第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上が、対象のバイオマーカデータセットに関連付けられたさらなる臨床バイオマーカを評価することのための第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上に入力するための対象に関連付けられた第1のバイオマーカデータセットを形成するために、センサデータの一部分を分類する、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0032】
好ましくは、対象のバイオマーカデータセットが、臨床バイオマーカコンポーネントとして機能的に有用なバイオマーカのセットを含み、臨床バイオマーカが、臨床バイオマーカコンポーネントのうちの1つ以上に基づいて評価される、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0033】
好ましくは、バイオマーカデータセットが、臨床バイオマーカコンポーネントを識別する複数の臨床バイオマーカコンポーネントラベルと、各臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられた対応する1つ以上のセンサデータの一部分とを含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0034】
好ましくは、臨床バイオマーカコンポーネントラベルの各々は、1つ以上のセンサデータの一部分に関連付けられ、1つ以上のセンサデータの一部分が、対応する臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられると分類される、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0035】
好ましくは、方法が、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた第1のラベル付きセンサ訓練データセットに基づいて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連付けられたセンサデータの一部分を抽出するための第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することをさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0036】
好ましくは、第1のラベル付きセンサ訓練データセットが、関心のある臨床バイオマーカに関連付けられた身体的状態における試験対象に関連付けられたセンサからセンサデータを受信することと、第1の1つ以上のMLモデルのセットを訓練することにおける使用のためにセンサデータを記憶することと、試験対象の身体的状態を追跡することであって、各異なる身体的状態が、対象の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のために異なる臨床バイオマーカコンポーネントを定義する、追跡することと、対象に関連付けられたセンサの各々のために、センサデータの各セグメントのために決定された追跡された身体的状態に対応する臨床バイオマーカコンポーネントで、試験対象のセンサデータの当該各セグメントにラベル付けすることと、受信されたセンサデータから関心のあるセンサデータの一部分を抽出するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するため、および/または臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、抽出されたセンサデータの一部分の各々を分類するために、1つ以上のML技術を訓練することにおける使用のためのラベル付きセンサデータセットを記憶することと、に基づいて生成される、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0037】
好ましくは、対象の身体的状態が、特定の時間における対象の生物学的または生理学的状態の指標を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0038】
好ましくは、対象の身体的状態が、対象によって行われた1つ以上の活動に基づいて変化する、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0039】
好ましくは、第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することが、1つ以上の試験対象の記憶されたセンサデータ、およびセンサデータに関連付けられた対応するラベル付きセンサデータセグメントを検索することと、抽出されたセンサデータセグメントの指標、および1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための第1のMLモデルのセットを訓練するために、第1のML技術のセットに記憶されたセンサデータを入力することと、抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の出力指標を、ラベル付きセンサデータセットの対応するセグメントと比較することに基づいて、ML技術を更新することと、1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、入力するステップおよび更新するステップを繰り返すことと、センサデータセグメントを抽出すること、および1つ以上の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントを分類することにおける使用のように構成された対応する訓練されたMLモデルを出力することと、をさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0040】
好ましくは、第1のラベル付きセンサ訓練データセットが、複数のセンサデータの一部分を含み、各センサデータの一部分が、1つ以上の臨床バイオマーカまたは臨床バイオマーカコンポーネントを評価することに関連付けられたラベルに関連付けられる、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0041】
好ましくは、方法が、ラベル付きセンサデータセットに関連して対応する1つ以上の臨床バイオマーカの評価に対応する第2のラベル付きセンサデータセットに基づいて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するため第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することをさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0042】
好ましくは、第2のラベル付きセンサデータセットが、第1のラベル付きセンサデータセットを含み、第1のラベル付きセンサデータセットに関連して計算された臨床バイオマーカの対応する評価値でさらにラベル付けされる、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0043】
好ましくは、第2のラベル付きセンサ訓練データセットが、試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットを検索することと、試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、1つ以上のMLモデルを使用して評価されるように必要とされた1つ以上の臨床バイオマーカを計算することと、対応する計算された臨床バイオマーカで第1のラベル付きセンサデータセットの1つ以上のセグメントをラベル付けすることと、センサデータの受信された抽出されたセグメントから関心のある1つ以上の対応する臨床バイオマーカを評価するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するために、1つ以上のML技術を訓練することにおける使用のための第2のラベル付きセンサデータセットとしてラベル付きセンサデータセットを保存することであって、各々が1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて分類される、保存することと、に基づいて生成される、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0044】
好ましくは、第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することが、1つ以上の試験対象の記憶された第1および第2のラベル付きセンサデータセットを検索することと、1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットを訓練するために、第2のML技術のセットに第1のラベル付きセンサデータセットを入力することと、評価された臨床バイオマーカを第2のラベル付きデータセットの対応する臨床バイオマーカと比較することに基づいて、第2のML技術のセットを更新することと、1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、入力するステップおよび更新するステップを繰り返すことと、1つ以上の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のように構成された対応する訓練されたMLモデルを出力することと、をさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0045】
好ましくは、方法が、1つ以上の他の臨床バイオマーカ、バイオマーカ、および/または関連付けられた抽出されたセンサデータの一部分に基づいて、1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0046】
好ましくは、方法が、評価された臨床バイオマーカのうち1つ以上の組み合わせに基づいて、さらなる臨床バイオマーカを評価することをさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0047】
好ましくは、評価された臨床バイオマーカのうちの1つ以上の組み合わせが、対象のさらなる臨床バイオマーカを評価することのための数学的モデル内に、1つ以上の評価された臨床バイオマーカおよび/または臨床バイオマーカコンポーネントを入力することをさらに含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0048】
好ましくは、対象に関連付けられた1つ以上のセンサが、対象の身体の内部にある1つ以上のセンサと、対象の身体の外部にある1つ以上のセンサと、対象の1つ以上の身体システムの慢性的に記録することのための1つ以上のセンサと、対象の身体に治療を提供するデバイスの一部としての1つ以上のセンサと、のうちの群からの少なくとも1つを備える、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0049】
好ましくは、対象に関連付けられた1つ以上のセンサが、末梢または中枢神経記録のためのセンサと、加速度センサと、ジャイロスコープセンサと、磁力計センサと、活動センサと、心電図(ECG)センサと、皮質脳波検査(ECoG)センサと、脳波(EEG)センサと、筋電図(EMG)センサと、血圧センサと、血管拡張センサと、血管または心臓容積測定センサと、流量センサと、血液粘度センサと、皮膚グルコースセンサと、酸素含有量センサと、気道内圧センサと、呼吸数センサと、血中グルコースセンサと、胸膜内圧力センサと、膀胱圧センサと、ガルバニック皮膚抵抗センサと、心拍数センサと、炎症マーカセンサと、温度センサと、電解濃度センサと、対象の生物学的または生理学的状態もしくはコンディションを測定するための任意のセンサと、のうちの群からの1つ以上のセンサを備える、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0050】
好ましくは、第1のMLモデルのセットが、線形回帰と、ロジスティック回帰と、ランダムフォレストと、ニューラルネットワーク(NN)と、オートエンコーダ、長短期記憶、畳み込みニューラルネットワーク、対象の臨床バイオマーカを決定することのために対象のセンサデータの一部分を抽出することにおける使用のための任意の他のNN構造のうちの1つ以上に基づくNNバリアントと、k近傍法と、k平均法と、サポートベクターマシンと、単純ベイズ分類器と、主コンポーネント分析と、AdaBoostと、勾配ブースティングと、ガウス過程と、対象の臨床バイオマーカを決定するために対象のセンサデータの関連部分を抽出することにおける使用のための任意の他のML方法または技術と、のうちの群からの1つ以上のML方法または技術に基づく、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0051】
好ましくは、1つ以上のMLモデルの第2のセットが、線形回帰;ロジスティック回帰;ランダムフォレスト;ニューラルネットワーク(NN);オートエンコーダ、長短期記憶、畳み込みニューラルネットワーク、対象の臨床バイオマーカを決定するために対象のセンサデータの一部分を処理することに使用するための任意の他のNN構造のうちの1つ以上に基づくNNバリアント;k近傍法;k平均法;サポートベクターマシン;単純ベイズ分類器;主コンポーネント分析;AdaBoost;勾配ブースティング;ガウス過程;対象の臨床バイオマーカを決定するために対象のセンサデータの一部分を処理することに使用するように構成された任意の他のML方法もしくは技術;ならびに/またはセンサデータセグメントを抽出および/もしくは分類する、かつ/またはそれから臨床バイオマーカを評価するためのMLモデルを生成するための任意の他のML技術の群からの1つ以上のML方法または技術に基づく、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0052】
好ましくは、臨床バイオマーカが、対象の客観的成績尺度と、対象の生理学的状態の指標と、対象の生物学的状態の指標と、対象の身体部分に関連付けられた状態の指標と、対象の身体部分に関連付けられた状態またはコンディションの指標と、対象の身体部分の特定の生理学的状態のインジケータと、生理学的活動を行っている対象の指標と、対象に関連付けられた1つ以上の特定の専門家臨床試験および/またはセンサデータから導出される対象の臨床バイオマーカと、対象に関連付けられた1つ以上の他の臨床バイオマーカおよび/またはセンサデータから導出される対象の臨床バイオマーカと、のうちの群からの少なくとも1つ以上を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0053】
好ましくは、臨床バイオマーカコンポーネントが、対象が歩くことの指標と、対象が立つことの指標と、対象が座ることの指標と、対象が座ることから立つことに移行することの指標と、対象が立つことから立つことに移行することの指標と、対象が回ることの指標と、対象が転倒することの指標と、対象がつまずくことの指標と、対象が走ることの指標と、対象が階段を上ることの指標と、対象が任意の他の生理学的活動を行うことの指標と、のうちの群からの少なくとも1つ以上の生理学的活動の指標を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0054】
好ましくは、臨床バイオマーカが、対象の歩行時間の指標と、対象のタイムアップアンドゴースコアまたは測定基準の指標と、対象の生理学的活動に関連付けられたリスクスコアと、対象の心血管の健康に関連付けられた健康スコアと、対象の神経学的活動に関連付けられたリスクスコアと、対象に関連付けられた任意の他のスコア、指標または測定基準と、のうちの少なくとも1つ以上の群からの対象の客観的成績尺度を含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0055】
好ましくは、臨床バイオマーカが、対象の心拍数と、対象の血圧と、対象の圧受容器感受性と、対象の心拍変動と、対象の1つ以上の鼓動事象と、対象の1つ以上の身体部分の状態フェーズと、対象の1つ以上の排尿作用事象と、対象の1つ以上の発作事象と、対象の1つ以上の神経学的事象と、対象の身体部分に関連付けられた任意の他の事象、測定値またはフェーズと、のうちの1つ以上の群に基づく対象の身体部分の生理学的状態を表すデータを含む、第1、第2、および/または第3の態様のコンピュータ実装方法。
【0056】
本発明の第4の態様によれば、対象の臨床バイオマーカコンポーネントに関連してセンサデータの一部分を抽出および分類するための第1のMLモデルのセットを、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために訓練するためのコンピュータ実装方法であって、1つ以上の試験対象のセンサデータ、およびセンサデータに関連付けられたセンサデータセグメントを含む対応するラベル付きセンサ訓練データセットを検索することであって、ラベル付きセンサデータセグメントが、臨床バイオマーカコンポーネントのセットに基づいてラベル付けされる、検索することと、抽出されたセンサデータセグメントの指標、および1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための第1のMLモデルのセットを訓練するために、第1のML技術のセットにセンサデータを入力することと、抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の出力指標を、対応するラベル付きセンサデータセグメントと比較することに基づいて、第1のML技術のセットを更新することと、ML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、入力するステップおよび更新するステップを繰り返すことと、センサデータセグメントを抽出することのように構成された対応する第1の訓練されたMLモデルのセットを出力することと、1つ以上の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各抽出されたセンサデータセグメントを分類することと、を含む、コンピュータ実装方法が提供される。
【0057】
好ましくは、ラベル付きセンサ訓練データセットが、関心のある臨床バイオマーカに関連付けられた活動を行う試験対象に関連付けられたセンサからセンサデータを受信することと、第1の1つ以上のMLモデルのセットを訓練することにおける使用のためにセンサデータを記憶することと、試験対象が行う活動の種類を追跡することであって、各活動の種類が、臨床バイオマーカを評価することにおける使用のために異なる臨床バイオマーカコンポーネントを定義する、追跡することと、対象に関連付けられたセンサの各々のために、センサデータの各セグメントのために決定された追跡された活動種類に対応する臨床バイオマーカコンポーネントで、試験対象のセンサデータの当該各セグメントにラベル付けすることと、受信されたセンサデータから関心のあるセンサデータの一部分を抽出するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するため、および/または臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、抽出されたセンサデータの一部分の各々を分類するために、1つ以上のML技術を訓練することにおける使用のためのラベル付きセンサデータセットを記憶することと、に基づいて生成される。
【0058】
好ましくは、第1のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することが、1つ以上の試験対象の記憶されたセンサデータ、およびセンサデータに関連付けられた対応するラベル付きセンサデータセグメントを検索することと、抽出されたセンサデータセグメントの指標、および1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための第1のMLモデルのセットを訓練するために、第1のML技術のセットに記憶されたセンサデータを入力することと、抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の出力指標を、ラベル付きセンサデータセットの対応するセグメントと比較することに基づいて、ML技術を更新することと、1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、入力するステップおよび更新するステップを繰り返すことと、センサデータセグメントを抽出すること、および1つ以上の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントを分類することにおける使用のように構成された対応する訓練されたMLモデルを出力することと、をさらに含む。
【0059】
好ましくは、第1のラベル付きセンサ訓練データセットが、複数のセンサデータの一部分を含み、各センサデータの一部分が、1つ以上の臨床バイオマーカまたは臨床バイオマーカコンポーネントを評価することに関連付けられたラベルに関連付けられる。
【0060】
本発明の第5の態様によれば、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのMLモデルのセットを訓練するためのコンピュータ実装方法であって、臨床バイオマーカコンポーネントに関連して分類され、対象の計算された臨床バイオマーカでラベル付き抽出されたセンサデータの一部分を含むラベル付きセンサ訓練データセットを受信することと、ラベル付きセンサ訓練データセットに基づいて対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための1つ以上のMLモデルを生成するためのML技術のセットにラベル付きセンサ訓練データセットを入力することと、評価された1つ以上の臨床バイオマーカを対象の対応する計算された臨床バイオマーカと比較することに基づいて、ML技術を更新することと、ML技術が有効に訓練されていると決定されるまで、入力するステップおよび更新するステップを繰り返すことと、対応する臨床バイオマーカコンポーネントに分類されたセンサデータセグメントに基づいて、臨床バイオマーカを評価するように構成された対応する訓練されたMLモデルのセットを出力することと、を含む、コンピュータ実装方法が提供される。
【0061】
好ましくは、ラベル付きセンサ訓練データセットが、試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットを検索することであって、第1のラベル付きセンサデータセットが、臨床バイオマーカコンポーネントのセットに基づいて分類されたセンサデータセグメントを含む、検索することと、試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、1つ以上のMLモデルを使用して評価されるように必要とされた試験対象の1つ以上の臨床バイオマーカおよび/または1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントを計算することと、対応する計算された臨床バイオマーカで第1のラベル付きセンサデータセットの1つ以上のセグメントをラベル付けすることと、センサデータの受信された抽出されたセグメントから関心のある1つ以上の対応する臨床バイオマーカを評価するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するために、1つ以上のML技術を訓練することにおける使用のためのラベル付きセンサ訓練データセットを保存することであって、各々が1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて分類される、保存することと、に基づいて生成される。
【0062】
好ましくは、方法が、1つ以上の他の臨床バイオマーカ、バイオマーカ、および/または関連付けられた抽出されたセンサデータの一部分に基づいて、1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットのうちの1つ以上を訓練することさらに含む。
【0063】
好ましくは、方法が、評価された臨床バイオマーカのうち1つ以上の組み合わせに基づいて、さらなる臨床バイオマーカを評価することをさらに含む。
【0064】
第6の態様によれば、第1、第2、第3、第4および/または第6の態様のいずれか1つによるコンピュータ実装方法を実装することによって取得されるMLモデルが提供される。
【0065】
第7の態様によれば、プロセッサと、メモリと、通信インターフェースと、含む装置が提供され、プロセッサが、メモリおよび通信インターフェースに結合され、装置が、第1、第2、第3、第4および/または第6の態様のいずれかによるコンピュータ実装方法を実施するように構成される。
【0066】
第8の態様によれば、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのシステムであって、対象に関連付けられた1つ以上のセンサからセンサデータを受信するための通信インターフェースと、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築することおよび評価することに関連する受信されたセンサデータの当該一部分を抽出するように構成された第1の機械学習(ML)モデルのセットを使用して、センサデータの一部分を抽出するためのセンサ信号事前処理ユニットと、抽出されたセンサデータの一部分に基づいて対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための臨床バイオマーカ評価ユニットと、を備える、システムが提供される。
【0067】
好ましくは、第1の機械学習(ML)モデルのセットが、1つ以上の臨床バイオマーカを構築することおよび評価することに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、抽出されたセンサデータの一部分を分類するように構成されている。
【0068】
好ましくは、第2のMLモデルのセットが、抽出されたセンサデータの一部分および対応する1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントを入力として受信することに基づいて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカの評価値を構築するように構成されている。
【0069】
好ましくは、センサデータが、対象のリアルタイムセンサ測定値を含む。
【0070】
好ましくは、通信インターフェース、センサ信号事前処理ユニット、または臨床バイオマーカ評価ユニットのうちの1つ以上が、第1、第2、第3、第4および/または第6のいずれかによるコンピュータ実装方法の対応するステップを実装するように構成されている、第8の態様のシステム。
【0071】
第9の態様によれば、第7の態様による装置を備えるシステムが提供される。
【0072】
第10の態様によれば、プロセッサと、メモリと、通信インターフェースと、含むシステムが提供され、プロセッサが、メモリおよび通信インターフェースに結合され、装置が、第1、第2、第3、第4および/または第6の態様、それらの組み合わせ、それらに対する修正、および/またはそれに対する特徴のいずれかによるコンピュータ実装方法を実装するように構成される。
【0073】
第11の態様によれば、コンピュータコードまたはその上に記憶された命令を含むコンピュータ可読媒体が提供され、これは、1つ以上のプロセッサユニット上で実行されたときに、第1、第2、第3、第4および/または第6の態様、それらの組み合わせ、それらに対する修正、および/またはそれに対する特徴のいずれかによって実施される方法を、1つ以上のプロセッサユニットにコンピュータを実装させる。コンピュータ可読媒体は、有形のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0074】
本明細書に記載された方法は、例えば、プログラムがコンピュータ上で実行され、コンピュータプログラムがコンピュータ可読媒体上に具現化されている場合に、本明細書に記載された方法のすべてのステップを実行するように適合されたコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムの形態で、有形記憶媒体上の機械可読形態のソフトウェアによって実行され得る。有形(または非一時的)記憶媒体の例には、ディスク、サムドライブ、メモリカードなどが含まれ、伝播信号は含まれない。ソフトウェアは、方法のステップを任意の好適な順序で、または同時に実行され得るように、並列プロセッサまたは直列プロセッサでの実行に好適であり得る。
【0075】
本出願は、ファームウェアおよびソフトウェアが価値を有し、個別に取引可能な商品である可能性があることを認めている。「ダム」または標準ハードウェアで実行または制御するソフトウェアを包含して、目的の機能を実行することを目的としている。また、シリコンチップの設計またはユニバーサルプログラマブルチップの構成に使用されるHDL(ハードウェア記述言語)ソフトウェアなどのハードウェアの構成を「記載」または定義して、目的の機能を実行するソフトウェアも包含することも目的としている。
【0076】
改善された有効性を提供するために、どこでも、いつでも、および/またはリアルタイムで、患者または対象の臨床バイオマーカの測定を実行することができることが望ましい。
【0077】
好ましい特徴は、当業者にとって明らかであるように、適切に組み合わせられ得、本発明の任意の態様と組み合わせられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明の実施形態は、例として、以下の図面を参照して記載される。
【0079】
図1a】第1の実施形態による臨床バイオマーカを評価するためのシステムの第1の実施例を図示する概略図である。
図1b図1aのシステムのデータ処理パイプラインのより詳細な図である。
図1c図1bのデータ処理パイプラインの第1および第2の処理段階の第1の実施例の詳細図である。
図1d図1bのデータ処理パイプラインの第1および第2の処理段階の第2の実施例の詳細図である。
図2a図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階における使用のためのラベル付き訓練データセットを生成するための方法の流れ図である。
図2b図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階における使用のための第1のMLモデルのセットを生成するために、第1の機械学習(ML)技術のセットを訓練するための方法の流れ図である。
図2c図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階の出力に基づいて、第2の処理段階のためにさらなるラベル付き訓練データセットを生成するための方法の流れ図である。
図2d図1bのデータ処理パイプラインの第2の処理段階における使用のための第2のMLモデルのセットを生成するために、第2のML技術のセットを訓練するための方法の流れ図である。
図2e図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階において、第1のMLモデルのセットを使用するための方法の流れ図である。
図2f図1bのデータ処理パイプラインの第2の処理段階において、第2のMLモデルのセットを使用するための方法の流れ図である。
図3a】タイムアップアンドゴーまたは転倒リスクに関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階のための第1のMLモデルの実施例の概略図である。
図3b】対象のタイムアップアンドゴーまたは転倒リスクに関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第2の処理段階のための第2のMLモデルのセットの実施例の概略図である。
図4図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階における使用のための第1のMLモデル、および対象のタイムアップアンドゴーまたは転倒リスクに関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第2の処理段階のための第2のMLモデルのセットの別の実施例の概略図である。
図5a】対象の排尿作用事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階における使用のための第1のMLモデルの実施例の概略図である。
図5b】対象の排尿作用事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第2の処理段階のための第2のML/数学的モデルのセットの実施例の概略図である。
図6a】対象の発作事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階における使用のための第1のMLモデルの実施例の概略図である。
図6b】対象の発作事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第2の処理段階のための第2のMLモデルのセットの実施例の概略図である。
図7a】第2の実施形態による臨床バイオマーカを評価するための例示的なコンピューティングシステムの概略図である。
図7b】第3の実施形態による臨床バイオマーカを評価するための別の例示的なシステムの概略図である。
【0080】
共通の参照符号は、同様の特徴を示すために図面全体を通して使用される。
【発明を実施するための形態】
【0081】
本発明の実施形態は、例としてのみ以下に記載される。これらの例は、これを達成することができる唯一の方式ではないが、出願人にとって現在既知の本発明を実施する最良の方式を表す。本明細書は、例の機能と、例を構築および操作するための一連のステップを説明する。しかしながら、同じまたは同等の機能および配列は、異なる例によって達成され得る。
【0082】
本発明の例示的な例、記載および/または実施形態が以下の記載で提供されることに留意されたい。疑義を避けるために、任意の実施形態に記載される特徴は、任意の他の実施形態の特徴と組み合わせ可能であり、および/または任意の実施形態は、反対の明示的な記載が本明細書に提供されない限り、任意の他の実施形態と組み合わせ可能である。簡単に言うと、本明細書に記載される特徴は、別個のまたは排他的であることを意図するものではなく、相補的および/または交換可能であることを意図する。
【0083】
本開示は、対象または患者が少なくとも通常の生活に関連付けられた日常の活動(または毎日の活動)を行っているとき、および/または1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた専門家臨床試験中に、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために有用なセンサデータの一部分、セグメント、またはサブコンポーネントを識別、抽出、および分類するために、対象または患者に関連付けられた1つ以上のセンサから継続的、定期的または非定期的に取られたセンサデータを分析するように構成されたMLモデルを生成するための機械学習(ML)技術を使用する臨床バイオマーカ評価システムを提供する。センサデータの一部分、セグメント、またはサブコンポーネントは、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されたMLモデルおよび/または数学的モデルが生成されために、さらにML技術を使用してさらに分析される。このようにして、臨床バイオマーカの評価値は、1つ以上のセンサデータセットで動作するMLモデルを使用して構築および計算され、これは、対象の様々な身体部分に関連付けられた異なるセンサデータセットであり得、そこから臨床バイオマーカの評価値を推測するためにセンサデータセットから関心のあるサブコンポーネントを抽出している。出力された、評価された臨床バイオマーカは、対象のコンディションのさらなる分析および/または診断、対象のコンディションを治療するための好適な健康摂生、治療および/または治療の種類の推奨および/または選択を支援するために、少なくとも専門家人員(例えば、臨床医、医師、研究者、科学者など)および/または対象に記憶、送信、および/または表示され得る。臨床バイオマーカは、典型的には、主題に関連して臨床医、専門家人員などによって解釈可能であるが、臨床バイオマーカはまた、グラフ、表または他の形式で臨床医、専門家人員、対象または患者に示され得る。臨床バイオマーカの表示は、母集団に関連するまたは母集団のサブセクションに関連する特定の既知の成績を示す、1つ以上の事前設定されたレベルまたはゾーンに関連して表示され得る。
【0084】
対象は、対象の身体的状態、生物学的または生理学的状態を測定するために、対象の身体または身体部分の内部および/または外部に1つ以上のセンサが組み込まれ、または提供され得る。対象の身体的状態は、限定ではなく例として、特定の時間における対象もしくは対象の一部またはサブシステムの生物学的または生理学的状態の指標として記載され得る。身体的状態は、場合によっては、対象に関する1つ以上のバイオマーカの群の値によって定義され得る。対象は、複数の身体的状態を有し得る。センサは、対象の1つ以上の身体的状態に関連付けられたセンサデータ測定コンポーネントを提供するために使用され得る。対象の身体の内部または外部にあり、対象の1つ以上の身体的状態を示すコンポーネントを測定するために、対象102の1つ以上の身体部分の中、上、または周囲に配置され得る他のセンサの例は、限定ではなく例として、末梢または中枢神経記録に関連付けられたセンサ、慣性センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、心電図検査(ECG)、皮質脳波検査(ECoG)、脳波記録(EEG)、筋電図(EMG)、血圧、血管拡張センサ、血管もしくは心臓容積測定センサ、流量センサ、血液粘度センサ、皮膚グルコースセンサ、酸素含有量センサ、気道内圧、呼吸数センサ、血糖センサ、血糖、胸膜内圧、心拍変動、膀胱圧、ガルバニック皮膚抵抗センサ、心拍数、炎症マーカセンサ、温度センサ、電解濃度センサ(例えば、ナトリウムもしくはカリウムイオンセンサ)、または対象102の身体部分に関連付けられた特徴もしくは信号を測定するための任意の他のセンサもしくは複数のセンサ、を含む。センサは、対象への治療の投与中の対象のセンサ測定値を記録するデバイスの一部であり得る。
【0085】
これは、センサが対象によって提供および使用され、本明細書に記載される対象の臨床バイオマーカの評価を可能にする、対象の1つ以上の身体的状態、生物学的状態、または生理学的状態に関連付けられたセンサデータを記録および/または分析する、自宅および/または職場で対象とともに「生活する」ことができることを意味する。センサは、臨床医などの専門家人員の監督なしに、対象が毎日の活動中に継続的に使用され、または毎日の活動中に一定期間継続して使用され得る。測定されたセンサおよびセンサデータはまた、対象が臨床医の監督下で専門家臨床試験を実施するときに、同じ程度の制御の対象ではない。したがって、対象の測定および記録されたセンサデータは、ラベル付けまたは分析されていない、非構造化センサデータまたは信号を含む。したがって、臨床バイオマーカ評価システムおよび方法は、この種の非構造化センサデータを使用することに焦点が当てられており、ML技術が、対象の活動中にセンサデータのサブコンポーネントを識別、分類し、臨床現場で測定および抽出され得る、同じもしくは類似の種類の測定基準、または臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて分類されたサブコンポーネントを抽出することが可能であるMLモデルを生成するために使用される。対象の継続的に測定または取得されるセンサデータは、ML技術/モデルの適用、および該当する場合は1つ以上の数学的モデル、アルゴリズム、および式を使用して、対象に関連付けられたセンサから取られたセンサデータ内で関心があると識別された特定の信号からの臨床バイオマーカ(客観的成績測定値(OOM)としても知られている)を推測する、長期の非構造化センサデータであり得る。
【0086】
広く認識されているように、バイオマーカは、特定の病状または対象のなんらかの他の生物学的および/または生理学的状態のインジケータとして使用されることができるものである。臨床バイオマーカまたは臨床成績測定値)は、対象の特定の病状またはなんらかの他の生物学的もしくは生理学的状態のインジケータとして使用され得る、臨床または研究室環境において特定の試験を実施または受けている対象から計算された、測定基準または値を表すデータを含むか、または表し得る。臨床バイオマーカは、バイオマーカがその疾患または生理学的状態に関連する測定基準であるなどとして、そうでなければ科学的および/または臨床コミュニティによって検証または受け入れられるため、臨床医または専門家人員が、健康摂生の決定、治療の決定、または医学的診断を行うための基礎として使用および解釈されることができるバイオマーカである。そのため、臨床バイオマーカは、手作業で計算するために、臨床または研究室環境で合意された試験を行う。したがって、臨床バイオマーカは、専門家および/または臨床人員によって医療現場での使用が合意されたバイオマーカのサブセットである。
【0087】
臨床バイオマーカ(または臨床転帰指標)の例は、限定ではなく例として、臨床または研究室環境における特定試験を実施する対象に基づいて対象の身体的状態、生物学的または生理学的状態もしくはコンディションを示す測定基準または値を表すデータと、対象によって取られた1つ以上の定性的試験から導出される指標、測定基準、または値を表すデータと、対象に対して行われた1つ以上の定量的テストから導出される指標、値、または測定基準を表すデータと、対象の心拍数と、対象の1つ以上の脳卒中事象と、対象の1つ以上の身体部分の状態フェーズと、対象の1つ以上の排尿作用事象と、対象の1つ以上の発作事象と、対象の1つ以上の神経学的事象と、対象の身体部分に関連付けられた任意の他の事象またはフェーズと、対象に関連付けられたセンサから測定されたセンサデータから導出される対象の生理学的または生物学的活動を表すデータと、対象の臨床成績尺度と、対象の客観的成績尺度(OOM)と、対象の歩行時間の指標と、対象のタイムアップアンドゴースコアの指標と、対象の起床までの時間の指標と、対象の生理学的活動に関連付けられたリスクスコアと、対象の神経学的活動に関連付けられたリスクスコアと、対象に関連付けられた任意の他のスコアまたは指標と、対象の生理学的状態の指標と、対象の生物学的状態の指標と、対象の身体部分に関連付けられた状態の表示と、対象の身体部分に関連付けられた状態またはコンディションの指標と、対象の身体部分の特定の生理学的状態の指標と、生理学的活動を行う対象の指標と、1つ以上の他の臨床バイオマーカおよび/またはセンサデータまたは対象に関連付けられた他の測定値から導出される対象の臨床バイオマーカと、臨床バイオマーカを決定することにおける使用のための対象の1つ以上の生理学的活動または副活動の指標を表すデータを含むまたは表す1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントと、臨床バイオマーカコンポーネントであって、対象が歩くことの指標、対象が立つことの指標、対象が座ることの指標、対象が座ることから立つことに移行することの指標、対象が立つことから立つことに移行することの指標、対象が回ることの指標、対象が転倒することの指標、対象が走ることの指標、対象が任意の他の生理学的活動を行うことの指標、のうちの群からの臨床バイオマーカコンポーネントと、の群から1つ以上を含み得る。
【0088】
本開示はまた、対象の臨床バイオマーカの評価を可能にする長期センサデータの効率的な収集および分析を提供する、臨床バイオマーカ評価システム、装置および方法を提供する。臨床バイオマーカ評価システムの利点は、限定ではなく例のみとして、専門家人員(臨床医など)によって評価された臨床バイオマーカのより頻繁な分析により、対象の日常の状態の忠実度が高くなり、対象のコンディションの変化に対するタイムリーな診断および/またはより効果的な治療が可能になる、臨床バイオマーカをより頻繁に測定および評価することと、対象の臨床バイオマーカを収集および測定するための時間、スペース、および専門家機器に専念する専門家人員(臨床医など)を削減、回避、および/または排除することと、センサデータおよび/または関心のあるセンサ信号を収集するために、限定ではなく例として、診療所、研究室または研究センターなどの専門家環境を訪れ、臨床バイオマーカを計算し、および/またはその解釈する対象によって、時間、移送リソース、リソースの浪費を削減、回避および/または排除することと、専門家人員などが、対象が存在することなく、評価された臨床バイオマーカを分析および解釈するのを可能にすることと、を含む。
【0089】
臨床バイオマーカの評価または推測に寄与し得る異なる身体部分からのセンサデータおよびセンサの数を考えると、当該臨床バイオマーカは、センサデータから直接計算されない可能性があるが、対象のセンサデータのサブコンポーネントの組み合わせ、または臨床医が計算または導出することができない対象のセンサデータのサブコンポーネントに一意の組み合わせから導出され得る。すなわち、臨床バイオマーカは、センサデータに直接存在しない可能性があるが、MLモデルおよび/または数学的モデル、式などに基づいて、センサデータから推測または導出され得る。
【0090】
例えば、臨床バイオマーカは、対象のTUGバイオマーカを提供する対象のタイムアップアンドゴー(TUG)臨床試験などの定量的試験に由来し得、これは、TUG臨床試験によって指定された特定の複合または連続するモーションのセット(例えば、TUGモーション)に由来する測定基準である。TUG臨床試験は、TUGモーションが臨床医の監督下で対象によって連続して実行される必要があり得る。しかしながら、臨床バイオマーカ評価システムは、必ずしも対象が特定の臨床試験を実施することを必要とせず、代わりに、対象のセンサデータが、対象の毎日の活動中に対象に関連付けられた1つ以上のセンサから測定および収集され得る。これを考えると、自宅または職場での1日の間のどの時点においても、または通常の毎日の活動を行うことで、対象が特定の複合または連続したTUG専門家モーションのセットを意図的に実行しなかった可能性がある。むしろ、対象の毎日の活動中に、対象は、一日を通して専門家モーションのTUGセットの一部分またはコンポーネントを実行した可能性があり、したがって、センサデータから専門家モーションのTUGセットのコンポーネントを識別するシステムは、TUG臨床バイオマーカを推測することができ得る。臨床バイオマーカ評価システムは、対象の毎日の活動から収集された長期センサデータのサブコンポーネント、セグメントまたは一部分を識別、分類および評価するために、第1のMLモデルのセットを使用し、TUG臨床バイオマーカを推測または評価するために、分類および抽出されたサブコンポーネントに基づく第2のMLモデルのセットを使用する。したがって、センサデータセットのサブコンポーネントは、データ内で定量的に検出され、TUG臨床バイオマーカの評価値(例えば、TUGスコア)に再構築される。
【0091】
別の例では、転倒のリスクスコアの臨床バイオマーカは、歩行セクションに対応するモーションデータの一部分を識別する第1の機械学習方法の組み合わせによって計算され得る。各セクションを高リスク対低リスクに特徴付ける第2の機械学習方法は、高リスクセグメントの数がセグメントの総数で除算されたリスクスコアで使用され得る。
【0092】
別の例では、臨床バイオマーカは、限定ではなく例のみとして、PHQ-9うつ病スコアを決定するために使用されるPHQ-9ポイント質問票などの質問票のような1つ以上の定性的試験に由来し得る。患者がうつ病に関するこの9点の質問票に回答した場合、合計された回答は、臨床バイオマーカと見なされる。質問票への回答は、対象に関連付けられた1つ以上のセンサからの生のセンサデータ(例えば、生の加速度計データ)に存在しないことは明らかであるが、1つ以上の第2のMLモデルが、センサデータセットの定量的特徴に基づくPHQ-9質問票への応答において、PHQ-9うつ病スコアの評価値を構築または推測するために、訓練されたセンサデータから定量的特徴を識別、分類、抽出、および計算するために、第1の1つ以上のMLモデルのセットを訓練することが可能である。
【0093】
臨床バイオマーカ評価システムのいくつかの潜在的な実施形態を例示するために、簡単にするために、限定ではなく例のみとして、対象のセンサデータセットに基づいて臨床バイオマーカを評価または推測する3つの例に基づいて記載する。しかしながら、当業者は、本明細書に記載の実施例および/または例示的な臨床バイオマーカが網羅的ではなく、用途が要求するように本明細書に記載されるように本発明を適合または改変し得ることが、当業者によって認識されたい。例えば、当業者は、対象または患者に関連する複数のセンサ(例えば、配置されたセンサが外部にある)によって出力された任意のセンサデータまたは信号を測定、分析、分類するために、本明細書に記載のような臨床バイオマーカ評価システムを適用し得、センサデータは、MLモデルおよび/または数学的モデルを使用して、任意の1つ以上の臨床バイオマーカを推測および/または評価するために本明細書に記載されるように使用される。特に、本明細書に記載の本発明が、対象または患者に関連付けられた1つ以上のセンサまたは複数のセンサからの任意のセンサデータを測定または記録し、1つ以上のMLモデルを使用して関心のあるセンサデータのサブコンポーネントまたはセグメントを識別、分類および抽出し、専門家人員などによって送信/レビューするための評価または推測された臨床バイオマーカを出力するためのセンサデータの抽出されたサブコンポーネント、セグメント、または一部分に基づいて1つ以上のMLモデルを使用して対象の関心のある任意の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されるように本明細書に記載の特徴を適合、変更、および/または組み合わせられ得ることが、当業者によって認識されたい。センサデータは、毎日または日常の活動中に対象または患者に関連付けられた複数のセンサから収集される長期センサデータであり得、センサデータのサブコンポーネントが臨床バイオマーカを形成するために組み合わされる。追加して、または代替的に、対象または患者が、対応する臨床バイオマーカを測定および/または決定する際に専門家を支援するために、臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の専門家臨床試験を実施するときに、対象のセンサデータは、収集され得る。
【0094】
図1aは、第1の実施形態による臨床バイオマーカ(例えば、OOMまたは臨床成績測定値)108を評価するためのシステム100の第1の実施例を図示する概略図である。臨床バイオマーカ評価システム100は、対象102に関連付けられた1つ以上、または複数のセンサ102a~102kから記録されたセンサデータまたはデータセットを受信するためのデータプロセッサシステム104(コンピューティングシステム)を含み得る。データプロセッサシステム104は、受信されたセンサデータセットに基づいて、対象102の1つ以上の臨床バイオマーカを評価または推測するように構成され得る。非構造化データは、対象102の身体の内部または外部にあるセンサ102a~102kから収集される。次いで、センサデータは、データ処理のためにデータ処理システム104のハードウェアに通信され得る。データ処理は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ108(例えば、OOM)が抽出され、臨床分析110のために利用可能になるまで、データ事前処理および数学的モデル適用の1つ以上の段階で起こり得る。例えば、データ処理システム104は、限定ではなく例として、センサデータ103を受信し、それを処理の1つ以上の段階に通すために、センサに対してローカルまたはリモートの1つ以上の計算デバイスを含み得る。処理の各段階は、入力データの事前処理、データから関心のあるセグメントおよび/または測定基準を抽出するための第1の選択されたMLモデル105の適用、および後処理、臨床バイオマーカを評価または推測するために抽出された関心のあるセグメント106を処理するための第2の選択されたMLモデル107の適用で、1つ以上の臨床バイオマーカ108の出力で終了する適用を含み得る。
【0095】
1つ以上のMLまたは数学的モデル(または複数のMLまたは数学的モデル)は、事前処理されたセンサを処理するため、および記録されたセンサデータの関連セクションから1つ以上の臨床バイオマーカ(または対応する複数の臨床バイオマーカ)を推測または評価するため、記録されたセンサデータの関連セクションを決定ために対象102に関連付けられたセンサ102a~102kから受信されたセンサデータを事前処理ために、使用され得る。1つ以上のMLモデルを生成するためのML技術の例は、限定ではなく例として、線形回帰、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク(および自動エンコーダ、強化学習、長短期記憶(LSTM)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などのバリアント)、k近傍法、k平均法、サポートベクターマシン、単純ベイズ分類器、主コンポーネント分析、AdaBoost、勾配ブースト、ガウス過程など、および/またはアプリケーションが要求する他のML技術、例えば、限定ではなく例のみとして、1つ以上の教師ありML技術、半教師ありML技術、教師なしML技術、線形および/または非線形ML技術、分類に関連付けられたML技術、回帰などに関連付けられたML技術、それらへの修正、および/またはそれらの組み合わせの群からの1つ以上を含むか、または基づき得る。センサデータを事前処理するため、および事前処理されたセンサデータに基づいて臨床バイオマーカを評価するためのいくつかのML技術および/またはMLモデルは、簡単にするために、限定ではなく例のみとして、本明細書に記載されているが、任意の好適なML技術および/またはMLモデル、1つ以上のML技術および/またはMLモデル(数学的モデルを含む)、修正および/または組み合わせが、センサデータの事前処理および/または臨床バイオマーカの評価/検出に使用され得、および/または臨床バイオマーカ評価および/または検出システム100において使用され得、および/またはアプリケーションが要求するように使用され得ることが、当業者によって認識されたい。
【0096】
この例では、対象または患者102は、複数のセンサ102a~102kが取り付けられ得、ここで、センサのうちの1つ以上は、対象102の身体の外部、対象102の身体の内部、および/または対象体102の身体に、または身体内にあり得る。この例では、対象102の身体に配置されるセンサ(例えば、対象102の身体の外部にある)は、限定ではなく例として、心拍数センサ102a、膝慣性センサ102b、および/または足/すね慣性センサ102dなどを含み得、対象102の身体に配置される(例えば、対象102の身体の内部にある)センサは、限定ではなく例として、神経学的トランシーバー/受信機および/または末梢または中枢神経記録センサ102cをなど含み得る。
【0097】
例えば、データプロセッサシステム104は、1つ以上の事前処理ユニットと、1つ以上の臨床バイオマーカ処理ユニットとを含む、いくつかの処理段階を含み得る。これらは、1つ以上のセンサ102a~102kから、または複数のセンサ102a~102kから受信されたセンサデータ103を事前処理し、前処理されたセンサデータ106から臨床バイオマーカ108を推論/評価するためのデータ処理パイプラインを形成するように構成されている。事前処理ユニットは、関心のあるセンサデータ106のサブコンポーネント、一部分またはセグメントを識別、分類、および/または抽出するために、対応するML技術を使用して訓練された第1の1つ以上のMLモデル105のセットを使用するように構成されている。第1のMLモデル105のセットによって抽出されたセンサデータの一部分は、対象102の1つ以上の臨床バイオマーカ108を評価するように構成された第2のMLモデル107のセットに抽出されたセンサデータ106の一出部分を入力する前に、1つ以上の事前処理アルゴリズムまたはさらなるMLモデルによってさらに処理され得る。センサデータ106の分類および抽出された一部分は、1つ以上の臨床バイオマーカ108を評価または推測するための1つ以上の数学的モデル、式またはアルゴリズムをも含み得る、第2の1つ以上のMLモデル107のセットを使用して臨床バイオマーカ処理ユニットによって処理される。1つ以上の臨床バイオマーカ108は、限定ではなく例として、必要に応じて、対象および/または患者などの診断および/または治療を支援するために、専門家人員(例えば、臨床医など)110に、および/または診断プログラムまたは装置などによって送信され、および/または査定され得る。
【0098】
別の例では、センサデータは、データ処理システム104に無線で伝送され得、これは、限定ではなく例のみとして、ローカルまたはリモートサーバ、分散コンピューティングプラットフォームまたはクラウドコンピューティング環境であり得る。無線伝送は、限定ではなく例のみとして、ブルートゥース(Bluetooth)、Wi-Fi、2G~5Gまたはそれ以上の無線伝送、セルラーデータ伝送、および/または他の任意の無線接続または伝送などの任意の無線規格に基づき得る。
【0099】
代替的に、別の例では、データプロセッサシステム104は、対象102上のウェアラブルプロセッサを含み得、センサデータは、対象102上のウェアラブルプロセッサへの有線または無線接続によって伝送され得る。対象102のウェアラブルプロセッサは、少なくともセンサデータの事前処理を実行し得、限定ではなく例のみとして、ローカルまたはリモートサーバ、分散コンピューティングプラットフォーム、またはクラウドコンピューティング環境によって処理される前に、関心のある抽出および分類されたセンサデータセグメントのみを記憶し得る。対象102のウェアラブルプロセッサが臨床バイオマーカ処理ユニットを有する場合、ウェアラブルプロセッサはまた、事前処理されたセンサデータを処理して、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを推測または評価するように構成され得る。
【0100】
図1bは、図1aのデータプロセッサシステム104のデータ処理パイプラインのより詳細な図であり、データ処理は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ(例えば、OOM)が抽出され、分析(例えば、臨床分析など)のために利用可能になるまで、データ事前処理およびMLモデル適用の1つ以上の段階105~107で起こる。対象102の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための臨床評価システム100のデータ処理システム104は、センサ信号事前処理ユニット105によって表される第1の処理段階と、臨床バイオマーカ処理ユニット107によって表される第2の処理段階とを含み得る。データ処理システム104はまた、対象102の1つ以上のセンサ102a~102dからセンサデータを受信するための通信インターフェースを含み得る。
【0101】
この例では、対象102に関連付けられたセンサは、心拍数センサユニット102aと、膝または脚慣性センサユニット102bと、末梢または中枢神経記録センサユニット102cと、足/すね慣性センサユニット102dと、を含む。センサ102a~102dは、対象102の1つ以上の身体的状態に関連して、対象102の身体または身体部分の測定可能なコンポーネントを測定するために使用される。心拍数センサユニット102aは、対象102の心臓体部分の心拍数を測定するために、対象102の胸部に配置され得る(例えば、Polar(RTM)H10心拍数モニター)。心拍数センサユニット102aは、対象102の心拍数センサデータ103aを出力し得、これは、対象102が毎日の活動、感情的活動、および/または作業活動などを行うにつれて変化し得る。対象102の心拍数は、限定ではなく例のみとして、対象102の動き、対象が経験する匂いおよび/またはノイズ、対象が経験する触覚および/または他の感覚、対象102が経験する感情および/またはストレス、対象102が受ける視覚刺激など、対象102の毎日の活動中の多くの要因によって影響を受け得る。膝慣性センサユニット102bは、対象102の膝体部分に配置され、対象102が膝を動かすときに(例えば、膝を曲げること、座ること、歩くこと、立つこと、走ることなど)、それらは、対象102の身体部分の膝の動きを測定し、膝慣性センサデータ103dを出力し、これは、限定ではなく例として、対象102が膝を曲げること、座ること、歩くこと、立つこと、および/または走ることに関連する測定基準、値および/またはパラメータを識別するために使用され得る。足/すね慣性センサユニット102dは、対象102の足および/またはすね体部分に配置され、対象102が動くとき、それらは、対象102の足および/またはすね体部分の動きを測定し、足/すね慣性センサデータ103dを出力し、これは、限定ではなく例として、対象102が足を曲げること、座ること、歩くこと、立つこと、および/または走ることなどの測定基準、値および/またはパラメータを識別するために使用され得る。尿センサユニット102eは、対象102の膀胱体部分の近くに配置され、対象102の膀胱圧を検出し、膀胱圧センサデータ103eを出力し得る。末梢または中枢神経記録センサユニット102cは、対象102の頭体部分上またはその内部に配置され、神経学的データ103cを出力する。複数のセンサ102a~102eからのセンサデータまたはデータセット103a~103eは、センサ信号事前処理ユニット105によって受信される。
【0102】
センサ信号事前処理ユニット105は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築することおよび評価することに関連する受信されたセンサデータの一部分を抽出するように訓練または適合/構成された第1の機械学習(ML)モデルのセットを使用して、受信されたセンサデータの一部分を抽出するように構成されている。第1のMLモデルのセットは、複数のMLモデルを含み得、それらの各々は、1つ以上の臨床バイオマーカを評価するのに有用であると決定された、対応するセンサのセンサデータの関連するセグメント/サブコンポーネントを識別、分類、および/または抽出するように構成され得る。センサデータの関連するセグメント/サブコンポーネントは、バイオマーカ、中間バイオマーカまたは臨床バイオマーカコンポーネント(例えば、1つ以上の臨床バイオマーカの評価、計算、および/または決定に使用され得るバイオマーカ)、および/または臨床バイオマーカコンポーネントとして機能し得る他のバイオマーカに対応するセンサデータの一部を含み得、これは、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために使用または組み合わせられ得る。
【0103】
例えば、第1のMLモデルのセットは、限定ではなく例として、関心のある心拍数センサデータ103aの関連するセグメント/サブコンポーネントを抽出および分類するために構成され得る、心拍数MLモデルと、膝の関連するセグメント/サブコンポーネント、関心のあるすね/足センサデータまたはデータセット103bもしくは103dを抽出および分類するために構成され得る、1つ以上の慣性運動MLモデルと、関心のある神経学的センサデータまたはデータセット103cの関連するセグメント/サブコンポーネントを抽出および分類するために構成され得る、1つ以上の神経学的MLモデルと、関心のある神経学的センサデータまたはデータセット103cの関連するセグメント/サブコンポーネントを抽出および分類するために構成され得る、1つ以上の神経学的MLモデルと、のうちの1つ以上を含み得る。センサ102a~102eからのセンサデータの抽出および分類されたセグメントは、バイオマーカデータセットに対応し得る抽出および分類されたセンサデータ106のセットを形成し、これは、1つ以上の臨床バイオマーカが1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて評価され得る、臨床バイオマーカコンポーネントとして機能的に有用なバイオマーカのセットであり得る。センサ102a~102eから抽出および分類されたセンサデータのセグメントは、対象102の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための臨床バイオマーカ評価ユニット107への入力のために使用される。第1のMLモデルのセットの各々は、限定ではなく例として、特定のセンサまたはセンサのセットからのセンサデータを操作することが記載され得るが、第1のMLモデルのセットの各々が、複数のセンサからセンサデータの関連するセグメントを抽出し、そこから臨床バイオマーカコンポーネント、バイオマーカなどを分類/評価して、第2のMLモデルのセットへの入力のために、および/またはアプリケーションの要求に応じて複数のセンサからのセンサデータが操作され得ることが、当業者によって認識されたい。
【0104】
データ処理ユニット104の臨床バイオマーカ評価ユニット107は、入力された、抽出および分類されたセンサデータ106に基づいて対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットを使用して、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成されている。第2のMLモデルのセットは、センサデータ106の受信された抽出および分類された一部分および/または入力としての対応する1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、対象102の関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ108の評価値を構築するように構成されている。臨床バイオマーカ評価ユニット107はまた、1つ以上の臨床バイオマーカの評価または決定に使用され得る、1つ以上のバイオマーカ(または中間バイオマーカ)を評価するためのバイオマーカ評価ユニットを含み得る。第2のMLモデルのセットのいくつかは、バイオマーカ(または中間バイオマーカ)のセットを評価するように構成され得、さらなる第2のMLモデルのセットは、臨床バイオマーカを評価するために構成された、数学的モデルまたは第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルを使用してバイオマーカのセットを組み合わせることに基づいて、臨床バイオマーカの評価を構築するように構成され得る。第2のMLモデルのセットは、1つ以上のバイオマーカ、1つ以上の臨床バイオマーカ、および/または関心のある複数の臨床バイオマーカを評価するために、一緒に構成および/または結合されている、1つ以上のMLモデル、複数のMLモデル、1つ以上の数学的モデル、および/または複数の数学的モデルなどを含み得る。
【0105】
対象102に関連付けられたセンサ102a~102eからのセンサデータ103a~103eは、対象102のリアルタイムセンサ測定に基づき得る。例えば、対象102は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを決定するために、臨床医の指示の下で専門家試験を実施し得る。別の例では、対象のセンサ測定値103a~103eは、好ましくは、対象102が日常または日々の活動を行っている間に行われ得る。センサデータ103a~103eは、対象102への治療の投与中にデータを記録するように構成されたデバイスから取られた対象102のセンサ測定値を含み得る。デバイスは、ウェアラブルデバイスなどであり得る。別の例では、センサデータ103a~103eは、対象が日常の活動を行っている間に継続的に行われる対象102のセンサ測定値を含み得る。
【0106】
センサ102a~102eからのセンサデータ103a~103eは、ローカルコンピューティングデバイス、ローカルサーバ、リモートコンピューティングデバイス、リモートサーバ、クラウドコンピューティングおよび/または分散コンピューティングプラットフォームなどに実装される場合、臨床バイオマーカ評価システム100による後のアップロードおよび分析のために記録され得る。代替的に、センサデータは、臨床バイオマーカ評価システム100またはその一部分、例えば、センサ信号事前処理ユニット105および/または臨床バイオマーカ評価ユニット107が、対象102によってウェアラブル装置に実装される場合に、その場で分析され得る。センサデータは、対象が日常の活動および/または臨床試験を行うときに、臨床バイオマーカ評価システム100によって継続的に記録および分析され得る。例えば、センサ信号事前処理ユニット105は、対象102の臨床バイオマーカ108を評価するためのリモートコンピューティングデバイス(例えば、ローカルコンピューティングデバイス、ローカルサーバ、リモートコンピューティングデバイス、リモートサーバ、クラウドコンピューティングおよび/または分散コンピューティングプラットフォーム)に伝送または送信され得る、センサデータ106の抽出および分類されたセグメントを記録するためのウェアラブルデバイスの一部であり得る。代替的または追加的に、ウェアラブルデバイスはまた、専門家人員などによるさらなる処理または分析のためのリモートコンピューティングシステムまたはデバイスに送信または伝送され得る、抽出および分類されたセンサデータ106を処理し、対象102の関心のある臨床バイオマーカを評価するための臨床バイオマーカ処理ユニット107を含み得る。
【0107】
図1cは、対象102に関連付けられた1つ以上のセンサ102a~102eのセンサデータ103a~103eから臨床バイオマーカ108a~108nを評価するための、図1bのデータ処理パイプラインの第1および第2の処理段階105および107の第1の実施例の詳細図である。第1の処理フェーズ/段階105では、第1のMLモデル/数学的モデルのセット105a~105jは、非構造化センサデータ103a~103eを受信し、非構造化センサデータ103a~103eから関心のあるセンサ信号112a~112dおよび113a~113dを識別するために使用される。対象102の臨床バイオマーカ108a~108nを評価するのに有用であり得る、関心のある関連するセンサ信号112a~112dおよび113a~113dを識別する。これは、非構造化センサデータ103a~103eからセンサデータ112a~113cの関連部分を抽出および/または分類するために、第1のMLモデル105a~105jのセットを使用することを含み得る。第1のMLモデルのセット105a~105jは、非構造化センサデータを関心のある関連センサ信号112a~112dおよび113a~113d内に抽出および/または分類するために、1つ以上のML技術を使用して訓練される。これは、関心のある臨床バイオマーカに関連する試験対象上の専門家臨床医試験中にセンサデータから複数の試験対象の身体的状態識別することに基づいて、ラベル付き訓練データセットを生成することに基づき得る。
【0108】
センサデータ112a~113cの抽出された一部分は、関心のある識別されたセンサ信号またはセンサデータ106a~106lの抽出および分類されたセグメントを生成するために、第1の1つ以上のモデルのセットを使用して分類され得る。識別された関心のあるセンサ信号106a~106lの各々は、同じ分類またはクラスに対応する複数のセンサデータ112a~113cの一部分を含む。例えば、識別された関心のある信号106a(例えば、識別された信号1)は、識別された信号1に関連付けられているものとして分類されている、関連する関心のあるセンサ信号112a~112dを含み、識別された関心のある信号106lは、識別された信号lに関連付けられているものとして分類されている、関連する関心のあるセンサ信号113a~113cを含む。識別されたセンサ信号106a~106は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ108a~108nを評価するための臨床バイオマーカコンポーネントとして機能的に有用である、関心のあるバイオマーカのセットおよび対応する関連するセンサ信号112a~112dまたは113a~113cを含む、バイオマーカセンサデータセットに対応する。例えば、識別された信号1は、第1の臨床バイオマーカコンポーネントに対応し得、識別された信号lは、センサデータ103から識別される第2の臨床バイオマーカコンポーネントに対応し得る。識別されたセンサ信号106a~106lは、バイオマーカセンサデータセット、すなわち、非構造化センサデータ103から抽出および分類されたセンサデータの関連部分/サブコンポーネントまたはセグメントとして、第1の段階105から出力される。
【0109】
第1の段階105は、対象102の臨床バイオマーカ108a~108mに関連するおよび/または評価するのに有用な非構造化センサデータ103a~103eからセンサデータ112a~112dおよび113a~113cの一部分を抽出および分類するように構成されている。これは、対象102に関連付けられた複数のセンサ102a~102eのうちの1つ以上から非構造化センサデータ103a~103eを受信することを含む。非構造化センサデータ103a~103eは、対象102の臨床バイオマーカ108a~108mを構築および評価することに関連するセンサデータ103a~103eの一部分112a~112dまたは113a~113cを抽出するように構成された第1のMLモデルのセットから1つ以上のMLモデルに非構造化センサデータ103a~103eを入力することによって処理され得る。
【0110】
例えば、センサ103a~103eの各々から出力される非構造化センサデータ103a~103eは、第1のMLモデルのセットの異なるMLモデルによって処理され得、ここで、各MLモデルは、対応するセンサデータの関連部分を識別、抽出および/または分類するために、構成または訓練される。別の例では、第1のMLモデルのセットの異なるMLモデルは、異なるMLモデルの各々が同じ非構造化センサデータ103cの異なる一部分を抽出および分類する、特定のセンサ102cからの同じ非構造化センサデータ103cを処理し得る。抽出されたセンサデータは、関心のある識別された第1のセンサ信号のセット112a~112dと、関心のある識別された第2のセンサ信号のセット113a~113cとを含み得る。関心のある識別された第1のセンサ信号のセット112a~112dは、関心のある識別された第1のセンサ信号のセット112a~112dを臨床バイオマーカコンポーネントを表す1つ以上のバイオマーカクラスまたはラベルで分類またはラベル付けする、第1のバイオマーカデータセット106aに関連付けられ、分類され得る。関心のある識別された第2のセンサ信号のセット113a~113cは、関心のある識別された第1のセンサ信号のセット112a~112dを臨床バイオマーカコンポーネントを表す1つ以上のバイオマーカクラスまたはラベルで分類またはラベル付けする、第2のバイオマーカデータセット106lに関連付けられ、分類され得る。第1および第2のバイオマーカデータセット106a~106lは、第2のMLモデル107のセットが対象102の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するように構成されている、第2の段階107への入力のためにセンサデータ106a~106lの抽出および分類されたセグメントを形成し得る。
【0111】
第2の処理フェーズ/段階107では、元の非構造化センサデータ103から抽出された臨床バイオマーカコンポーネント(または識別された関心のある信号)を表す一部分または関連するセンサデータ112a~112dまたは113a~113cを含む、センサデータ106a~106l(例えば、識別されたセンサ信号106a~106l)の抽出および分類されたセグメントは、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ108a~108nの評価値を出力経路116を介して出力するように構成された第2のMLモデル/数学的モデル107a~107mのセットを使用してさらに処理される。抽出および分類されたセンサデータ106a~106lのセグメントは、1つ以上の関心のある臨床バイオマーカ108a~108nを評価するように構成され得る、1つ以上の第2のMLモデルのセットへの入力経路114である。
【0112】
図1dは、図1cのデータ処理パイプライン104の第1および第2の処理段階105および107の第2の実施例の詳細図であり、第2の処理段階107は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ108a~108nを評価することにおける使用のためにフィードバック経路117を介してバイオマーカ(または中間バイオマーカ)を評価するための第2のMLモデルのセットの第1のMLモデルのサブセットと、1つ以上の関心のある臨床バイオマーカ108a~108nを評価するように構成され得る第2のMLモデルのサブセットとを含むようにさらに修正され、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルは、フィードバック経路117を介した1つ以上の評価バイオマーカ、フィードバック経路118を介した評価された関心のある1つ以上の臨床バイオマーカ108a~108n、入力経路114を介した抽出および分類された1つ以上のセンサデータ106a~106lのセグメントのうちの少なくとも1つ以上を入力として受信するように構成され得る。
【0113】
図2aは、図1bのデータ処理パイプライン100の第1の処理段階105における使用のためのラベル付き訓練データセットを生成するための方法200の流れ図である。第1の処理段階105は、関心のある臨床バイオマーカ108を評価するように構成された第2のMLモデルのセットを含む第2の処理段階107に入力するための好適な形態になる非構造化センサデータ103を抽出および/または分類するための第1のMLモデルのセットを含む。第1のMLモデルのセットは、1つ以上の対応するML技術を使用して訓練されるために必要とされる。対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価することに関連付けられたセンサデータの一部分を抽出するための第1のMLモデルのセットを訓練することは、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた第1のラベル付きセンサ訓練データセットに基づき得る。MLモデルのための第1のラベル付きセンサ訓練データセットは、以下のステップに基づく方法またはプロセス200に基づいて生成され得る。
【0114】
ステップ202では、関心のある臨床バイオマーカに関連付けられた身体的状態における試験対象に関連付けられたセンサからセンサデータが、受信される。対象の身体的状態は、限定ではなく例として、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた特殊な臨床試験に基づいて対象が行っている活動に関連する試験対象の1つ以上の身体部分の動き、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた特殊な臨床試験に基づく、試験対象の1つ以上の身体的システム、身体部分および/または器官の操作、などに基づき得る。生のセンサデータは、第1の1つ以上のMLモデルのセットを訓練することにおける使用のために記憶され得る。
【0115】
ステップ204では、試験対象の1つ以上の身体的状態が、追跡され、各異なる身体状態が、対象の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のために異なる種類の臨床バイオマーカコンポーネントを定義し得る。異なる臨床バイオマーカコンポーネントは、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために使用され得る。例えば、身体的状態は、対象の活動または動きに基づき得、したがって、ステップ204は、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた特殊な試験に関連して対象が行う活動の種類を追跡することを含み得、各種類の活動は、臨床バイオマーカを評価することにおける使用のための異なる臨床バイオマーカコンポーネントを定義する。
【0116】
ステップ206では、対象に関連付けられたセンサの各々のために、センサデータの当該各セグメントのために決定された追跡された身体的状態に対応する臨床バイオマーカコンポーネントで、試験対象のセンサデータの各セグメントにラベル付けする。例えば、これは、身体的状態が試験対象の活動または動きに基づき得る場合、限定ではなく例のみとして、対象に関連付けられたセンサの各々のために、センサデータの当該各セグメントのために決定された追跡された活動種類に対応する臨床バイオマーカコンポーネントで、試験対象のセンサデータの各セグメントにラベル付けすることを含み得る。
【0117】
ステップ208では、ラベル付きセンサ訓練データセットが、受信されたセンサデータから関心のあるセンサデータの一部分を抽出するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するため、および/または臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、抽出されたセンサデータの一部分の各々を分類するために、1つ以上のML技術を訓練することにおける使用のために記憶され得る。臨床バイオマーカコンポーネントは、臨床バイオマーカのサブコンポーネントであるという機能を有する対象のバイオマーカに基づいており、組み合わせられ、または処理されるときに、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために使用され得る。
【0118】
図2bは、図1bのデータ処理パイプライン100の第1の処理段階105における使用のための第1のMLモデルのセットを生成するために、第1の機械学習(ML)技術のセットを訓練するための方法230の流れ図である。訓練方法230は、図2aの方法200によって生成された記憶されたセンサ訓練データセットに基づき得る。ラベル付きセンサ訓練データセットは、複数のセンサデータの一部分/セグメントまたはサブコンポーネントを含み、各センサデータの一部分が、1つ以上の臨床バイオマーカまたは臨床バイオマーカコンポーネントを評価することに関連付けられたラベルに関連付けられる。方法230は、限定ではなく例として、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。
【0119】
ステップ232では、1つ以上の試験対象の記憶されたセンサデータおよび対応するラベル付きセンサ訓練データが、検索される。ラベル付きセンサ訓練データは、各センサデータセグメントが対応する臨床バイオマーカコンポーネントでラベル付けされているセンサデータに関連付けられた1つ以上のセンサデータセグメントを含み得る。センサデータおよびラベル付きセンサ訓練データセットの複数のセットが検索され得、各ラベル付きセンサ訓練データセットおよび対応する生のセンサデータは、1つ以上の臨床バイオマーカの同じまたは異なるものを評価することに関連付けられ得る。
【0120】
ステップ234では、1つ以上のML技術に基づく1つ以上のMLモデルが、検索された生のセンサデータを第1のML技術のセットに入力することによって訓練され得る。第1のML手法のセットは、抽出されたセンサデータセグメントの指標、および対象の1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントの分類を出力するための第1のMLモデルのセットを訓練するために構成される。各MLモデルの出力は、当該各MLモデルが抽出され、関連性があると見なすセンサデータのセグメントの指標、および/または1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに関連するセンサデータの各抽出されたセグメントの分類を含み得る。抽出および分類された出力センサデータセグメントは、MLモデルに入力された生のセンサデータに関連付けられた対応するラベル付きセンサ訓練データと比較され得る。これは、MLモデルが訓練されているかどうかを決定することにおける使用のためのML技術に関連付けられた誤差項または損失関数を生成するために使用され得る。例えば、誤差項または損失関数が特定の所定の誤差しきい値に達した場合、MLモデルは、訓練されていると見なされ得る。
【0121】
ステップ236では、第1のMLモデルのセットまたは各MLモデルが訓練されているかどうかが決定される。例えば、誤差項または損失関数が特定の所定の誤差しきい値に達した場合、MLモデルは、訓練されていると見なされ得る。すべてのMLモデルが訓練されている場合、プロセス230は、ステップ240に進み、そうでない場合、プロセス230は、ステップ238に進む。
【0122】
ステップ238では、訓練されていないと見なされる1つ以上のML技術が、抽出されたセンサデータセグメントおよび臨床バイオマーカコンポーネント分類の出力指標を、ラベル付きセンサデータセットの対応するセグメントと比較することに基づいて更新され得る。これは、対応するML技術を更新することにおける使用のためのML技術に関連付けられた誤差項または損失関数を生成するために使用され得る。
【0123】
ステップ234~238は、第1のMLモデルのセットの1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで繰り返され得る。
【0124】
ステップ240では、ML技術が、センサデータセグメントを抽出すること、および1つ以上の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のための臨床バイオマーカコンポーネントに関連して各セグメントを分類することにおける使用のように各々が構成された、対応する訓練されたMLモデルを出力する。
【0125】
図2cは、図1bのデータ処理パイプラインまたはシステム100の第1の処理段階105の出力に基づいて、第2の処理段階107のためにさらなるラベル付き訓練データセットを生成するための方法250の流れ図である。第2の処理段階107は、第1の処理段階105によって第2の処理段階107へ入力するための好適な形式に処理された抽出および/または分類された非構造化センサデータ103に基づいて、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットを含む。第2のMLモデルのセットは、1つ以上の対応するML技術を使用して訓練されるために必要とされる。関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットを訓練することは、第1のMLモデルのセットを訓練することのために使用される第1のラベル付き訓練センサデータセットに基づき得、これは、第2のMLモデルのセットへの入力として、および各MLモデルの出力と対応する第2のラベル付き訓練センサデータセットを比較することにおける使用のための第2のラベル付き訓練センサデータセット上で使用され得る。第2のラベル付きセンサデータセットは、第1のラベル付きセンサデータセットに関連する対応する1つ以上の臨床バイオマーカの評価値または計算に対応し得る。例えば、第2のラベル付きセンサデータセットは、第1のラベル付きセンサデータセットの各々が、対応する第1のラベル付きセンサデータセットに関連して計算/決定された臨床バイオマーカの対応する評価値または計算でさらにラベル付けされる、第1のラベル付きセンサデータセットを含み得る。MLモデルのための各第2のラベル付きセンサ訓練データセットは、以下のステップに基づく方法またはプロセス250を使用して生成され得る。
【0126】
ステップ252では、第1のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルを訓練するために使用される、試験対象(または1つ以上の試験対象)の第1のラベル付きセンサデータセットが、検索される。まだ行われていない場合は、評価されるように必要とされる試験対象の1つ以上の臨床バイオマーカは、第1のラベル付きセンサデータセットに基づいて計算され得る。代替的に、試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットが生成されたときに、評価されるように必要とされる対応する臨床バイオマーカは、従来の手段を使用して同時に計算され得る。さらに、バイオマーカ、臨床バイオマーカコンポーネント、および/または1つ以上のMLモデルまたは第2のMLモデルのセットの数学的モデルで使用されるように必要とされる他の臨床バイオマーカはまた、第1のラベル付きセンサデータセットが生成される時間で計算または生成され得る。
【0127】
ステップ254では、試験対象の第1のラベル付きセンサデータセットの1つ以上のセグメントを、対応する計算された臨床バイオマーカ、対応する計算されたバイオマーカ、対応する計算された臨床バイオマーカコンポーネント、などのうちの少なくとも1つでラベル付けする。
【0128】
ステップ256では、ラベル付きセンサデータセットが、第2のラベル付き訓練データセットに関連付けられた関心のある1つ以上の対応する臨床バイオマーカを評価するように構成された1つ以上のMLモデルを生成するために、1つ以上のML技術を訓練することにおける使用のための第2のラベル付きセンサデータセットとして記憶される。次いで、MLモデルは、センサデータの抽出および分類されたセグメントを含む第1のMLモデルのセットの出力を入力として受信し得、その各々は、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて分類されている。
【0129】
図2dは、図1bのデータ処理パイプラインまたはシステム100の第2の処理段階107における使用のための第2のMLモデルのセットを生成するために、第2のML技術のセットを訓練するための方法260の流れ図である。訓練方法260は、図2cの方法250によって生成された記憶された第2のラベル付きセンサ訓練データセットに基づき得る。第2のラベル付きセンサ訓練データセットは、複数のセンサデータの一部分/セグメントまたはサブコンポーネントを含み、1つ以上のセンサデータの一部分が、臨床バイオマーカ、バイオマーカ、臨床バイオマーカコンポーネントのうちの少なくとも1つのラベルまたは評価値に関連付けられている。方法250は、限定ではなく例として、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。
【0130】
ステップ262では、プロセス/方法200および250を使用して生成された1つ以上の試験対象の記憶された第1のラベル付きセンサデータセットおよび対応する第2のラベル付きセンサデータセットが、検索される。第1のラベル付きセンサデータセットは、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルを訓練するための1つ以上のML技術への入力として使用される。第2のラベル付きセンサデータセットは、第1のラベル付きセンサデータセットのセンサデータの1つ以上のセグメントに関連付けられた臨床バイオマーカの正しいまたは評価値を出力するためにML技術を訓練することのために使用される。
【0131】
ステップ264では、第1のラベル付きセンサデータセットが、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルを訓練するために、第2の1つ以上のML技術のセットに入力される。第2のMLモデルのセットは、1つ以上の臨床バイオマーカ、1つ以上のバイオマーカ(または中間バイオマーカ)、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントの少なくとも1つを評価するように構成されている。第2のMLモデルのセットの各MLモデルの出力は、1つ以上の臨床バイオマーカ、1つ以上のバイオマーカ、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントなどの評価値を含み得る。1つ以上の臨床バイオマーカの出力評価値、1つ以上のバイオマーカ、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントなどは、第1のラベル付きセンサ訓練データセットに関連付けられた対応する第2のラベル付きセンサ訓練データセットと比較され得る。すなわち、例えば、第1のラベル付きセンサ訓練データセットのセグメントおよびラベルに基づく1つ以上の臨床バイオマーカの出力評価値は、それらのセグメントの対応する臨床バイオマーカラベルと比較される。この比較は、MLモデルが訓練されているかどうかを決定することにおける使用のためのML技術に関連付けられた誤差項または損失関数を生成するために使用され得る。例えば、誤差項または損失関数が特定の所定の誤差しきい値に達した場合、MLモデルは、訓練されていると見なされ得る。
【0132】
ステップ266では、第2のMLモデルのセットまたは各MLモデルが訓練されているかどうかが決定される。例えば、誤差項または損失関数が特定の所定の誤差しきい値に達した場合、MLモデルは、訓練されていると見なされ得る。すべてのMLモデルが訓練されている場合、プロセス260は、ステップ270に進み、そうでない場合、プロセス260は、ステップ268に進む。
【0133】
ステップ268では、訓練されていないと見なされる1つ以上のML技術が、1つ以上の臨床バイオマーカの出力評価値、1つ以上のバイオマーカ、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントなどを、第2のラベル付きセンサ訓練データセットの対応する評価値または計算と比較することに基づいて更新され得る。これは、対応するML技術を更新することにおける使用のためのML技術に関連付けられた誤差項または損失関数を生成するために使用され得る。
【0134】
ステップ264~268は、第2のMLモデルのセットの1つ以上のML技術が有効に訓練されていると決定されるまで繰り返され得る。代替的または追加的に、ステップ264~268は、第2のMLモデルのセットの1つ以上のML技術がすべて有効に訓練されていると決定されるまで繰り返され得る。
【0135】
ステップ269では、MLモデルを訓練するために使用されるML技術は、訓練されたと見なされ、それで、訓練されたMLモデルを表す対応するデータは、出力され得る。訓練されたMLモデルの各々は、訓練されたMLモデルに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のために、第1のMLモデルのセットの対応するものから出力された抽出および分類されたセンサデータセグメントで使用するように構成され得る。
【0136】
ステップ264または269は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために、第2のMLモデルのセットの1つ以上の他のMLモデルへの入力として、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルの出力を使用することをさらに含み得、1つ以上の他のMLモデルへの入力は、1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上の評価された臨床バイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上のバイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントのうちの少なくとも1つに基づき得る。代替的または追加的に、ステップ264または269は、1つ以上のMLモデルによって出力される評価された1つ以上の臨床バイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力されるバイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力される臨床バイオマーカコンポーネント、評価するための数学的モデルへ入力することであって、対象のさらなる臨床バイオマーカ、1つ以上の別のMLモデルまたは第2のMLモデルのセットの数学的モデルに入力するための対象のさらなるバイオマーカ、1つ以上の別のMLモデルまたは第2のMLモデルのセットの数学的モデルに入力するための対象のさらなる臨床バイオマーカコンポーネントのうちの少なくとも1つを評価するための数学的モデルに入力することのうちの少なくとも1つを入力することによって、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルの1つ以上の評価された臨床バイオマーカの組み合わせをさらに含み得る。第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルおよび/または1つ以上の数学的モデル、アルゴリズムまたは式などの入力および/または出力が、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために組み合わせられ得ることが、当業者によって認識されたい。
【0137】
図2eは、図1bのデータ処理パイプラインの第1の処理段階において、第1のMLモデルのセットを使用するための方法270の流れ図である。方法270は、以下のステップを含み得る。ステップ272では、対象に関連付けられた1つ以上のセンサからの生のセンサデータが、受信され得る。ステップ274では、対象の1つ以上のセンサからの受信されたセンサデータは、第1のMLモデルのセットの1つ以上の対応するMLモデルに受信されたセンサデータを入力することによって処理され得、1つ以上のMLモデルの各々は、対象の関心のある臨床バイオマーカの構築および評価することに関連する、当該各MLモデルに対応するセンサデータの1つ以上の一部分/セグメントを抽出および分類するように構成され得る。1つ以上のMLモデルは、センサデータの抽出および分類された一部分/セグメントを出力することが可能であるMLモデルを生成するために、ML技術が訓練される方法230に基づいて訓練され得る。センサデータの部分/セグメントは、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントのバイオマーカデータセットに関連して分類され得、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントは、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために使用され得る。ステップ276では、第1のMLモデルのセットのMLモデルの各々は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するように構成された第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルに入力するために、センサデータの抽出および分類された一部分を出力し得る。
【0138】
図2fは、図1bのデータ処理パイプラインまたはシステム100の第2の処理段階107において、第2のMLモデルのセットを使用するための方法280の流れ図である。方法280は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための以下のステップを含み得る。ステップ282では、1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられた第1のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルによって抽出および分類されたセンサデータの一部分/セグメントが、受信される。センサデータの一部分は、図2gの方法270の第1のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルからの抽出および分類された出力であり得る。これらのMLモデルは、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築および評価するためのセンサデータの関連部分を抽出するように構成されている。抽出されたセンサデータセグメントは、第1のMLモデルのセットのMLモデルによって分類され得、抽出された各センサデータセグメントは、評価される1つ以上の臨床バイオマーカに関連付けられたバイオマーカのセットからの臨床バイオマーカコンポーネントでラベル付けされる。ステップ284では、評価される臨床バイオマーカに関連付けられた1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントでラベル付き、それらの抽出されたセンサデータセグメントは、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルへの入力のために選択され得る。ステップ286では、センサデータおよびラベルの選択されたセグメントは、対象の対応する1つ以上の臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルに入力される。
【0139】
ステップ286は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために、第2のMLモデルのセットの1つ以上の他のMLモデルへの入力として、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルの出力を使用することをさらに含み得、1つ以上の他のMLモデルへの入力は、1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上の評価された臨床バイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上のバイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネントのうちの少なくとも1つに基づき得る。代替的または追加的に、ステップ286は、1つ以上のMLモデルによって出力される評価された1つ以上の臨床バイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力されるバイオマーカ、1つ以上のMLモデルによって出力される臨床バイオマーカコンポーネント、評価するための数学的モデルへ入力することであって、対象のさらなる臨床バイオマーカ、1つ以上の別のMLモデルまたは第2のMLモデルのセットの数学的モデルに入力するための対象のさらなるバイオマーカ、1つ以上の別のMLモデルまたは第2のMLモデルのセットの数学的モデルに入力するための対象のさらなる臨床バイオマーカコンポーネントのうちの少なくとも1つを評価するための数学的モデルに入力することのうちの少なくとも1つを入力することによって、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルの1つ以上の評価された臨床バイオマーカの組み合わせをさらに含み得る。第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルおよび/または1つ以上の数学的モデル、アルゴリズムまたは式などの入力および/または出力が、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために必要とされる任意の方法で、および/またはアプリケーションが要求するように、組み合わせられ得ることが、当業者によって認識されたい。
【0140】
図3aは、タイムアップアンドゴー(例えば、TUG臨床バイオマーカ)または転倒リスク(例えば、転倒リスク臨床バイオマーカ)に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1a~1dのデータ処理パイプライン/段階104/105またシステム100の第1の処理段階300のための第1のMLモデル305aの実施例の概略図である。対象に関連付けられた慣性または移動度センサ302は、非構造化IMUデータ303の関連セグメントを抽出および分類するための第1のMLモデル305aを含む、第1のMLモデル305のセットに入力するための移動度センサデータ303(例えば、対象に関連付けられた慣性センサからの慣性測定値)を出力し得る。これは、移動度センサデータ303のセグメント303a~303nを抽出し、移動度臨床バイオマーカ(例えば、TUG臨床バイオマーカまたは転倒リスク臨床バイオマーカ)を評価することにおける使用のために対象のいくつかの臨床バイオマーカコンポーネント306a~306fに基づいて、抽出されたセグメント303a~303nを分類するために、第1のMLモデル305aを使用する実施例である。移動度センサデータ303は、対象に関連付けられた慣性センサ302から出力され得る。
【0141】
移動度/慣性センサ302は、限定ではなく例として、対象の身体的状態に基づいて生成された慣性測定値データ303を出力する慣性測定値ユニット(例えば、IMU)であり得る。例えば、対象は、限定ではなく例として、少なくとも座ること、歩くこと、回ること、座るから立つへの動き、立つから座るへの動き、走ること、転倒すること、またはその他の活動または動きを含む、一連の動きまたは毎日の活動を行い得る。対象によって実行された動きに基づく身体的状態は、対象に関連付けられたIMU302によって慣性測定値303として記録される。慣性測定値303は、タイムアップアンドゴー(TUG)と呼ばれる臨床バイオマーカを評価することにおける使用に関連する、IMU302の慣性測定値303のセグメント303aを抽出および分類するために、第1のMLモデル305aによって処理され得る。
【0142】
標準的臨床設定では、TUG臨床バイオマーカは、対象が次の試験、a)椅子から立ち上がる、b)3メートル歩く、c)ぐるりと回る、d)同じ椅子に戻るために3メートル歩く、e)座り込む、を実行するためにかかる時間としてストップウォッチで測定される。代わりに、データパイプラインまたはシステム104の第1および第2の段階は、TUG時間を評価または決定するように構成および使用され得、代わりに、対象がIMUデータ303のセグメントを抽出し、TUG臨床バイオマーカに関連付けられた臨床バイオマーカコンポーネントに基づいてこれらのセグメントを分類することによって、毎日の生活の典型的な活動を実行する間、対象のIMUセンサデータ303から推測されることができる。
【0143】
臨床バイオマーカコンポーネントは、IMUデータの関連する抽出されたセグメントからTUG臨床バイオマーカの評価値を計算するために使用され得る。これは、IMUデータのセグメントを抽出し、TUG試験の臨床バイオマーカコンポーネントによる各セグメントを分類することによって実現され得る。TUG臨床バイオマーカを評価することは、上記の試験を実行するのにかかる時間を計算することによって達成され得、これは、対象の通常の毎日の活動に起因され得、センサデータ303内で識別される必要とされる臨床バイオマーカコンポーネント306a~306fによって分類された複数のIМU測定値データセグメント303a~303nを選択してつなぎ合わせ、次いで、TUG時間を評価するためにこれらのセグメントに関連付けられた時間を合計している。
【0144】
この例では、移動度またはIMUセンサ302は、ベルトアタッチメントを使用して対象の腰に装着されることができる加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計を含む9軸IMUである。IMUセンサ302は、対象の身体的状態に基づいて、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計に関連付けられたIME測定値データを出力する。IMU測定センサデータ303は、正規化され、第1のMLモデル305aを通過され得、これは、TUG試験の臨床バイオマーカコンポーネントを認識するように設計および訓練された活動分類器305aであり、限定ではなく例のみとして、座るから立つ、歩くこと、回ること、および座るから立つへの臨床バイオマーカコンポーネントを含む自由に動くIMUデータを使用して測定された対象の毎日の活動を試験する。活動分類器305aは、変分オートエンコーダのエンコーダとして訓練された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)ML技術に基づき得る。活動分類器305aは、十分に高い確実性で分類されることができない(例えば、「未分類」)それらのIMUデータセグメントを破棄するように訓練され、そうでない場合、活動分類器305aは、IMUデータセグメント303a~303nを識別し、対応する臨床バイオマーカコンポーネントまたはそのラベルに基づいて識別された各IMUデータセグメント303a~303nを分類し、十分にまたは好適に高い確実性で、臨床バイオマーカコンポーネントの1つに関連して分類されたそれらの識別されたIMUデータセグメント303a~303nを抽出するように訓練される。第1のMLモデル305aは、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネント306a~306f(例えば、座るから立つへ、歩くこと、回ること、立つから座るへ、座ること、回ることなど)に関連して分類される、抽出されたIMUデータセグメント303a~303nを含むTUGコンポーネントデータセット306を出力する。
【0145】
図3bは、対象のタイムアップアンドゴー(TUG)または転倒リスクに関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1a~1dのデータ処理パイプライン/段階107またはシステム100とともに使用するための第2の処理段階310のための第2のMLモデルのセットの実施例の概略図である。図3aの第1のMLモデル305aは、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネント306a~306f(例えば、座るから立つへ、歩くこと、回ること、立つから座るへ、座ること、回ることなど)に関連して分類される、抽出されたIMUデータセグメント303a~303nを含むTUGコンポーネントデータセット306を出力する。第2の処理段階310は、TUG評価器モデル307aおよび転倒リスク分類器MLモデル307bを備える第2のMLモデルのセットを含む。TUG臨床バイオマーカを評価するために、第2の処理段階310は、TUGデータセット306から、TUG試験の「座るから立つへ」、「歩くこと」、「回ること」および「立つから座るへ」の身体的状態に関連付けられたTUG臨床バイオマーカコンポーネントラベルで分類されたそれらのIMUデータセグメントを選択するように構成されている。選択されたIMUデータセグメントおよび対応するTUG臨床バイオマーカコンポーネントラベルは、TUG評価モデル307aに入力される。TUG評価器モデル307aは、TUG臨床バイオマーカコンポーネントでラベル付き、抽出されたIMUデータセグメントを分析するように構成されている。対象のTUG臨床バイオマーカを評価することは、図3aを参照して記載された上記のTUG試験を実行するのにかかる時間を計算することによって達成され得、これは、対象の通常の毎日の活動に起因され得、センサデータ303内で識別される必要とされる臨床バイオマーカコンポーネント306a~306fによって分類された複数のIМU測定値データセグメント303a~303nを選択してつなぎ合わせることによって、次いで、TUG時間を評価するためにこれらのセグメントに関連付けられた時間を合計している。
【0146】
例えば、座るから立つへの臨床バイオマーカコンポーネント306bに関連付けられたIMUデータセグメントは、対象が座るから立つへにかかる時間をIMUデータセグメントの長さによって測定するために使用され得る。1つ以上の座るから立つへのIMUデータセグメントがある場合、これらは、対象の平均座るから立つへの時間を生成するために平均され得る。TUG評価器はまた、「歩く」臨床バイオマーカコンポーネント306cに関連付けられたIMUデータセグメントに由来する歩行速度を分析することによって対象が3メートル歩いたかどうかを決定し、対象が3メートル歩くのにかかる時間を査定し得る。回る臨床バイオマーカコンポーネント306dに関連付けられたIMUデータセグメントは、対象が回ることにかかる時間をIMUデータセグメントの長さによって測定するために使用され得る。1つ以上の回るIMUデータセグメントがある場合、これらは、対象の平均回る時間を生成するために平均され得る。これらのIMUデータセグメントは、対応する臨床バイオマーカコンポーネントで分類されたIMUデータセグメントに基づいて対象がかかる時間を決定するために、TUG評価器によって分析され得、その時間は、対象のTUG時間臨床バイオマーカ308aの推定値を出力するために合計され得る。
【0147】
1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネント306a~306f(例えば、座るから立つへ、歩くこと、回ること、立つから座るへ、座ること、回ることなど)に関連して分類される、抽出されたIMUデータセグメント303a~303nはまた、転倒リスク分類器MLモデル307bを使用して対象の転倒リスクを評価するために第2の処理段階310によって使用される。図3aを参照して記載されたIMU測定値データの活動分類に続いて、転倒リスク分類器MLモデル307bへの入力のために選択および抽出されたIMUデータセグメント303a~303nは、転倒リスクを評価することにおける使用のために、必要とされる信号特性/臨床バイオマーカコンポーネントを備えたものである。この例では、これらは、「歩行」臨床バイオマーカコンポーネント306cとして分類/識別されるIMUデータセグメント303a~303nを含む。歩行IMUデータセグメントは、第2のMLモデルのセットの転倒リスク分類器MLモデル307bへのための入力として使用される。この例では、転倒リスク分類器MLモデル307bは、限定ではなく例として、ランダムフォレスト分類器MLモデルである。ランダムフォレスト分類器MLモデルは、対応するランダムフォレストML技術に基づいて訓練され、これは、歩行臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられた1つ以上のIMUデータセグメントから転倒リスクを評価するように構成されている。ランダムフォレスト分類器モデル307aは、IMUデータセグメント303a~303nの「歩行」臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、対象(例えば、患者)が歩行パターンによって転倒するリスクが高いか低いかを識別するように構成されている。転倒リスク分類器MLモデル307bは、対象の転倒リスク臨床バイオマーカ308bとして転倒リスクスコアを出力し得る。
【0148】
図4は、図1a~1dのデータ処理パイプラインまたはシステム400、および/またはデータ処理パイプライン/段階105/107またはシステム100の、それぞれ、第1の処理段階405(例えば、段階I)および第2の処理段階407(例えば、段階II)における使用のための第1のMLモデル405aのセットおよび第2のMLモデル407a~407cのセットの別の実施例の概略図である。第1および第2の処理段階は、図1a~1dのいずれかのデータ処理パイプライン104、段階105/107またはシステム100において使用され得る。図4を参照すると、MLモデル405a、407a~407cは、それぞれ、対象のタイムアップアンドゴー(TUG)および転倒リスクに関連付けられた臨床バイオマーカ408bおよび408c(例えば、バイオマーカ1bおよび1c)を評価するように構成されている。この例では、対象に関連付けられた慣性またはIMUユニット402は、第1のMLモデル405aに入力するための非構造化慣性測定値ユニットデータ403を出力し得る。
【0149】
TUGおよび転倒リスクの臨床バイオマーカは、対象の可動性に関連しているが、これは単なる例であり、本発明はそれほど限定されないが、他の多くの臨床バイオマーカが、このシステムを使用して、またはアプリケーションの要求に応じるように、非構造化慣性測定値ユニット(IMU)データから抽出され得ることが、当業者によって認識されたい。IMU402は、限定ではなく例として、対象の身体的状態に基づいて生成されたIMUデータを出力するように構成されている、対象の身体に接続、取り付け、またはストラップで固定されたデバイスの装置の一部であり得る。例えば、対象は、限定ではなく例として、少なくとも座ること、歩くこと、回ること、座るから立つへの動き、立つから座るへの動き、走ること、転倒すること、またはその他の活動または動きのうちの1つ以上を含む、一連の動きまたは毎日の活動を行い得る。対象によって実行された動きに基づく身体的状態は、対象に関連付けられたIMU402からIMUデータ403として記録または出力される。
【0150】
データ処理パイプラインまたはシステム100で前述されたように、第1の処理段階405(例えば、段階I)は、第1のMLモデル405aを使用して、非構造化IMUデータ403から関心のあるIMUデータセグメント403a~403nを抽出し、1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fに関連して、関心のある抽出されたIMUデータセグメント403a~403nを分類することである。抽出された関心のあるIMUデータセグメント403a~403nおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fは、IMUデータセット406を形成する。IMUデータセット406からの1つ以上または複数の抽出された関心のあるIMUデータセグメント403a~403nおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fは、限定ではなく例のみとして、TUG臨床バイオマーカ408aおよび転倒リスク臨床バイオマーカ408bなどの1つ以上の臨床バイオマーカを評価ために選択され、適用または使用されることができる。
【0151】
この例では、第1のMLモデルのセットの第1のMLモデル405aは、限定ではなく例のみとして、対象の活動に関連する対象の身体的状態または非構造化IMUデータ403から導出可能な他の身体的状態に関連するIMUデータセグメント403a~403nを識別するために構成された活動分類器である。対象の活動は、限定ではなく例のみとして、非構造化IMUデータ403からの「歩くこと」406a、「回る」406b、「座るから立つへ」406c、「立つから座るへ」406d、「座ること」406eおよび「その他」406fなどの活動クラスまたは活動臨床バイオマーカ構成要素406a~406fを含み得る。「その他」406fとして分類されたIMUセグメントなど、十分な確実性で分類されることができないセグメントは、破棄される。残りのIMUセグメント403a~403nおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネント406a~406eは、1つ以上の臨床バイオマーカ408bおよび408cおよび/またはバイオマーカ408a(例えば、バイオマーカ1a)などを評価するように構成された第2のMLモデルのセットの1つ以上の第2のMLモデルへの入力のために使用される。
【0152】
第1のMLモデル405aは、限定ではなく例のみとして、図2a~2bを参照する方法200および210に基づくニューラルネットワーク構造に基づくML技術を訓練することから生成される活動分類器である。例えば、第1のMLモデル405は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用する変分オートエンコーダに基づくML技術の訓練に基づいて生成され得、ここで、変分オートエンコーダの訓練されたエンコーダは、第1のMLモデル405aに使用される。第1のMLモデル405aを生成するために使用されるML技術は、非構造化IMUデータ403に由来するラベル付き訓練データセットに基づいている。例えば、IMU402は、制御された環境において腰装着されたIMUから収集される慣性IMU測定値データ403の6つのチャネル(例えば、3軸加速度計から3つおよび3軸ジャイロスコープから3つ)を出力するように構成され得、一方、試験対象(例えば、参加者)は、図3aを参照して記載されたように、TUG試験の個々の臨床バイオマーカコンポーネントを含む一連の活動を繰り返し実行する。TUG試験の個々の臨床バイオマーカコンポーネントは、いわゆるTUG臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fであり得る。試験対象がこれらの活動を実行する間、専門家人員(例えば、実験者)は、複数の試験対象のうちの1つの試験対象が所与の時間に実行しているTUG臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fのセットに関連付けられた活動を追跡するために、グラフィカルユーザーインターフェースを使用し得る。IMUデータ403は、追跡および識別された臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fに基づいて収集されるときに、セグメント化およびラベル付けされることができる。次いで、ラベル付きIMUデータセットは、正規化され、より短いウィンドウに分割され得、収集された臨床バイオマーカコンポーネントラベルは、各TUG臨床バイオマーカコンポーネントに対応する対象の非構造化IMUデータから関連するIMUデータセグメント403a~403nを識別、認識する第1のMLモデルを訓練するために、グラウンドトゥルースとして使用される。
【0153】
第1のMLモデル405aが活動分類器として訓練されると、それは、対象に関連付けられたIMU402から非構造化IMUデータ403の関連するIMUデータセグメント403a~403nを抽出および分類するために使用される。非構造化IMUデータ403は、限定ではなく例として、対象(リモートユーザー)に腰装着されたIMUからの慣性測定値の6つのチャネル(例えば、3軸加速度計から3つおよび3軸ジャイロスコープから3つ)からのIMUデータに基づき得る。本発明のいくつかの例では、対象は、好ましくは、構造化されていないおよび/または自然な毎日の活動を実行しており、IMUデータは、対象の毎日の生活を通して生成されている。代替的または追加的に、対象は、IMUデータがTUG試験中に生成される専門家人員(例えば、臨床医)の監督下で、診療所における特定のTUG試験または構造化された活動/動きのセットを実行し得る。いずれにせよ、IMU402から出力された非構造化IMUデータ403は、IMUデータ403を処理し、識別されたIMUセグメント403a~403nおよびTUG臨床バイオマーカコンポーネント406a~406eに対応する、対応する臨床バイオマーカコンポーネント406a~406e(または活動クラス)を含むIMUデータセット406を出力するように構成されている、第1のMLモデル405aに入力される。事前定義されたしきい値を確実に超えるTUGコンポーネントに対応していないため、「未分類」または「その他」として分類されたIMUデータセグメントは、そのようにラベル付け、および/または破棄され得る。IMUデータセット406は、1つ以上のバイオマーカ408aおよび/または1つ以上の臨床バイオマーカ408bおよび408c(例えば、TUG臨床バイオマーカ408bおよび転倒リスク臨床バイオマーカ408c)などを評価するために構成された第2のMLモデルのセットの第2の1つ以上のMLモデル/数学的モデルへの入力に使用される。
【0154】
第1の処理段階405(例えば、段階I)に続いて、IMUデータセット406の異なる種類またはセグメントは、1つ以上のバイオマーカ、1つ以上の他のバイオマーカ、1つ以上の臨床バイオマーカおよび/または臨床バイオマーカコンポーネントなどのうちの少なくとも1つを決定および評価するための第2のMLモデルのセットおよび/または数学的方法407a~407cを含むさらなる処理ステップ、選択されたIMUデータセグメント403a~403nおよび対応する臨床バイオマーカを通すことによって、選択および/または抽出され、別々に分析されることができる。評価されたバイオマーカのいくつかのために、以前に計算されたまたは評価されたバイオマーカは、第2のMLモデル/数学的モデル407a~407cのセットのMLモデルまたは数学的モデルを含むさらなる処理ステップへの入力として使用され得る。第2のMLモデルのセットを使用する処理の種類は、バイオマーカごとに異なり、いくつかは、バイオマーカ408aおよび408cに関連してMLモデル407aおよび407cをそれぞれ生成するために追加の複雑なML技術を必要とし、一方、その他のバイオマーカは、抽出されたIMUデータセグメント403a~403nおよび対象の様々な身体的状態の対応する臨床バイオマーカコンポーネント406a~406fのより単純な処理を必要とし得る。例えば、対象の特定の活動クラス(例えば、対象の臨床バイオマーカコンポーネント)の頻度および長さの計算。例えば、能動的時間は、非休止として分類されるすべてのセグメントの全長として計算されることができ、または、座るから立つへの移行の平均時間は、ラベル付きの座るから立つへのセグメントの平均長である。1つ以上のバイオマーカは、臨床バイオマーカ408aおよび408b(例えば、TUG臨床バイオマーカおよび転倒リスク臨床バイオマーカ)を評価および出力するために、第2の処理段階407(例えば、段階II)のさらなる処理に組み合わせ、または入力され得る。
【0155】
第2の処理段階407(例えば、段階II)は、1つ以上のバイオマーカ、1つ以上の臨床バイオマーカが、第1のMLモデルのセットから出力されたIMUデータ406に基づいて評価または計算されている、第2のMLモデル/数学的モデル407a~407cのセットを含む。例えば、1つ以上のバイオマーカまたは臨床バイオマーカを評価するように構成された第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルの出力は、関心のある1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための第2のMLモデルのセットの1つ以上の他のMLモデルへの入力として使用され得る。1つ以上の他のMLモデルへの入力は、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上の評価された臨床バイオマーカ、第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上のバイオマーカ、第1のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデルによって出力される1つ以上の臨床バイオマーカコンポーネント、第2のMLモデルのセットの1つ以上の数学的モデルから出力される任意の他のバイオマーカまたは臨床バイオマーカなどのうちの少なくとも1つに基づき得る。第1のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデル405aの出力、および第2のMLモデルのセットの1つ以上のMLモデル407a~407cおよび/または1つ以上の数学的モデル、アルゴリズムまたは式などの入力および/または出力が、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するうるために組み合わせられ得ることが、当業者によって認識されたい。
【0156】
例示的なデータ処理パイプラインまたはシステム400では、処理407の第2の段階(例えば、段階II)は、第2のMLモデル/数学的モデル407a~407cのセットの複数のMLモデル407a~407cを含む。第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aは、対象の速度に関連付けられた臨床バイオマーカコンポーネントのそれらの種類に対応するIMUデータセット406から選択されたIMUデータセグメント403a~403nを受信する。この例では、IMUデータセグメント403a~403nは、「歩くこと」406aの臨床バイオマーカコンポーネントに対応するそれらのIMUデータセグメント403a~403nである。第2のMLモデルのセットのMLモデル407aは、バイオマーカの評価値、いわゆる6m歩行時間バイオマーカ408aを出力する。第2のMLモデルのセットの第2のMLモデル407bは、TUG時間臨床バイオマーカ408bを計算するための数学的モデルに基づき得、第2のMLモデル407bは、以下の、「回ること」406b、「座るから立つへ」406c、「立つから座るへ」の臨床バイオマーカコンポーネントに対応するIMUデータセット406のそれらのIMUデータセグメント403a~403n、第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aから評価された「6m歩行時間」のバイオマーカに基づいて入力データ受信する。これらの入力に基づいて、第2のMLモデル407bは、対象のTUG時間臨床バイオマーカ408aを評価するように構成されている。最後に、第2のMLモデルのセットの第3のMLモデル407cは、転倒リスク臨床バイオマーカを評価するように構成され、以下の、「歩くこと」406aの臨床バイオマーカコンポーネントに対応するIMUデータセット406のそれらのIMUデータセグメント403a~403n、第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aから評価された「6m歩行時間」のバイオマーカ、第2のMLモデル407bから評価されたTUG臨床バイオマーカ408aに基づいて入力データ受信する。これらの入力に基づいて、第2のMLモデルのセットの第3のMLモデル407cは、対象の転倒リスク臨床バイオマーカ408bとして出力される、転倒リスクスコアを評価するように構成されている。したがって、処理407の第2の段階(例えば、段階II)は、限定ではなく例として、対象のTUG臨床バイオマーカ408aおよび対象の転倒リスク臨床バイオマーカ408bを含む、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために、第2のMLモデルのセットのいくつかのMLモデル/数学的モデルを使用する。
【0157】
この例では、第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aは、IMUデータセット406からのIMU歩行データのセグメントが与えられたときに、その歩行期間中に移動した距離を評価し、したがって、対象の平均歩行速度に基づくバイオマーカ408aを推論するように構成されている歩行速度評価器である。第1のMLモデル407aは、IMU測定値データに基づく人間の位置の物理ベースのモデルに基づいており、ニューラルネットワークを使用して改良されている。ニューラルネットワークは、複数の試験対象のIMU測定値からのラベル付き訓練データセットを使用して訓練され得る。例えば、ラベル付き訓練データセットは、対象の身体的状態に関連付けられたIMU測定値を生成するために、対象に関連付けられたIMU402の9つのチャネル(3軸加速度計から3つ、3軸ジャイロスコープから3つおよび3軸磁力計から3つ)からのIMUデータを使用して生成され得る。IMUは、対象の活動を測定するために対象に取り付けられた、またはストラップで固定された装置の一部であり得る。例えば、IMUデータは、例として、歩様研究室におけるワイヤレス接続(例えば、Wi-Fi)を介して腰装着されたIMUユニットから収集されるため、試験対象の位置および動きは、歩行中に継続的に追跡され、収集されたIMUデータと整合されることができる。移動時間間隔またはウィンドウ(例えば、2秒ウィンドウ)中の試験対象の位置の変化は、正規化されたIMUデータのセグメントに参加者の歩行速度でラベル付けるために使用され得る。第1のMLモデルは、速度を評価するための物理数学的モデルと、速度評価を改良するためのニューラルネットワークモデルとを含む。例えば、歩行に関連するIMUデータセグメントは、物理ベースの数学的モデルを介して処理され、速度が評価され、その出力は、IMUデータに適用される真のラベルおよびニューラルネットワークと比較され、物理ベースモデルの中間出力は、出力を改善し、対象の歩行速度を評価するために使用される。したがって、第2のMLモデルのセットの第1のMLモデルは、「歩行」の臨床バイオマーカコンポーネントに関連付けられた入力IMUデータセグメント403a~403nに基づいて対象の歩行速度を評価するように構成されている。これらのIMUデータセグメントは、活動分類器405aとして構成された第1のMLモデルのセットによって「歩行」セグメントとしてラベル付けられた、正規化およびウィンドウ化されたIMUデータセグメント403a~403nの9つのチャネルからのIMU測定値を含み得る。第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aは、「歩行」臨床バイオマーカコンポーネントに対応する関連するIMUデータセグメントを処理し、各セグメント/ウィンドウの対象の歩行速度を表すデータ(例えば、速度は、m/sまたは他の任意の単位であり得る)を出力するように構成され、これは、次いで、限定ではなく例として、所与のユーザーが6メートル歩くのにかかる平均時間を示すTUG試験に関連付けられた第1のバイオマーカ408a(例えば、「6m歩行時間」バイオマーカ)を推定ために、平均化、変換、および/または計算され得る。第1のバイオマーカ408aは、限定ではなく例として、対象の6メートル歩行時間の評価値に基づいているが、図4の例は、異なるバイオマーカがシステム400または100にどのように追加され得るか、および任意の1つ以上の他のバイオマーカまたは臨床バイオマーカが、第2の1つ以上のMLモデルまたはMLモデルのセットの数学的モデルによって推定され得ることを例示し、これは、アプリケーションの要求に応じて、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを推定するために組み合わせられ、または使用されることができることが、当業者によって認識されたい。
【0158】
第2のMLモデルのセットの第2のMLモデル407bは、対象のTUG時間臨床バイオマーカ408bを計算または評価するための1つ以上の数学的モデルに基づき得る。第2のMLモデル407bは、以下の、「回る」406b、「座るから立つへ」406c、「立つから座るへ」の臨床バイオマーカコンポーネントに対応するIMUデータセット406のそれらのIMUデータセグメント403a~403n(例えば、ベルトアタッチメントを使用してユーザーの腰に装着された加速度計、ジャイロスコープ、磁力計を含有する9軸IMUであり得る、IMUセンサから)、および第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aから推定された「6m歩行時間」408aの第1のバイオマーカ(例えば、「6m歩行時間」バイオマーカ)に基づいて入力データ受信する。これらの入力に基づいて、第2のMLモデル407bは、対象のTUG時間臨床バイオマーカ408aを評価するように構成されている。バイオマーカ1b。タイムアップアンドゴー。第2のMLモデル407bは、「回る」、「座るから立つへ」、「立つから座るへ」TUGコンポーネントを評価するために、「回る」406b、「座るから立つへ」406c、「立つから座るへ」406dの臨床バイオマーカコンポーネントに対応する、抽出されたIMUデータセグメント403a~403nの各種類の長さを分析することによって、TUG臨床バイオマーカを評価し、これらは、例えば、これらのTUGコンポーネントと、対象のTUG時間臨床バイオマーカ408bの評価値を出力するための第1のバイオマーカ408aとを合計することによって、6メートル歩行時間の第1のバイオマーカ408a推定値と一緒に組み合わされる。
【0159】
典型的には、転倒リスクは、従来、一般的な可動性を反映する質問票を使用する対面スクリーニングを通じて、高齢患者のために査定される。第2のMLモデルのセットの第3のMLモデル407cは、次の定量的入力データ、「歩くこと」406aの臨床バイオマーカコンポーネントに対応するIMUデータセット406のそれらのIMUデータセグメント403a~403n、第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aから評価された第1のバイオマーカ408aまたは「6m歩行時間」バイオマーカ、第2のMLモデルのセットの第2のMLモデル407bから評価されたTUG臨床バイオマーカ408bに基づいて、転倒リスク臨床バイオマーカを評価するように構成されている。これらの入力に基づいて、第2のMLモデルのセットの第3のMLモデル407cは、対象の転倒リスク臨床バイオマーカ408bとして出力される、転倒リスクスコアを評価するように構成されている。バイオマーカ1c。転倒リスク
【0160】
転倒リスクを評価するための第3のMLモデル407cは、限定ではなく例として、ランダムフォレスト構造に基づくML技術に基づいて生成される。第3のMLモデル407cは、第2のMLモデルのセットの第1および第2のMLモデル407aおよび407bによって使用されるのと同じIMUデータセット406を使用する。活動分類および第1のMLモデルのセットによるIMUデータセット406の生成に続いて、信号特性は、臨床バイオマーカコンポーネント「歩くこと」(例えば、歩行セグメント)に対応するものとして識別されるIMUデータセグメント403a~403nから抽出され、「歩くこと」および/または、限定ではなく例のみとして、対象のTUG時間臨床バイオマーカ408bおよび第1のバイオマーカ408aとして分類されたIMUデータセグメントからの歩行パターンによる転倒の高いまたは低いリスクを有するとして、対象を識別するように構成されたランダムフォレスト分類器の形式で第2のモデルのセットの第3のMLモデル407cを生成するML技術へのための入力として使用される。
【0161】
ランダムフォレスト構造に基づくML技術は、対象の転倒リスクスコアまたは臨床バイオマーカを評価するためのランダムフォレスト分類器として第3のMLモデル407aを生成するために訓練される。ランダムフォレスト分類器を生成するためのML技術は、試験対象の6メートル歩行時間、試験対象のTUG時間、および試験対象の「歩行」として分類されたIMUデータセグメントから抽出された歩行特徴を表すデータ(例えば、慣性測定値の6/9チャネルは、試験対象が制御された環境を歩き回っている間に、腰装着されたIMUから収集される)を含むラベル付き訓練データセットを使用し得る。試験対象はまた、それらの転倒リスクの査定にも使用される臨床的に検証された質問票が与えられる。歩くことのIMUデータセグメントは、時間間隔またはウィンドウ(例えば、2秒ウィンドウ)に分割され、限定ではなく例のみとして、歩くことに関連付けられたIMUデータセグメントの各チャネルの平均、標準偏差および頻度領域特性を含む基本的統計および信号処理から生成された機能に変換される。歩行セグメントに各々が対応する、これらの機能のセットは、試験対象のリスクスコアでラベル付けされ、対象の転倒リスクを評価するためのランダムフォレスト分類器を生成するためのML技術への入力のためのラベル付き訓練データセットとして使用される。訓練されたランダムフォレスト分類器は、第2の処理段階407(例えば、段階II)の第2のモデルのセットの第3のMLモデル407cとして使用される。
【0162】
この例では、対象は、対象のIMU測定値403(例えば、対象に関連付けられた腰装着されたIMUから収集された6/9チャネル慣性測定値)を出力するためのIMU402を含む装置で提供される。第3のMLモデル407cは、第2のMLモデルのセットの第1のMLモデル407aから出力された対象の6メートル歩行時間、第2のモデルのセットの第2のMLモデル407bから出力された試験対象のTUG時間、第1のMLのセットの第1のMLモデル405aによって対象の「歩くこと」として分類されたIMUデータセグメントから抽出された歩行特徴に基づいて入力データを受信する。第2のMLモデルのセットの第3のMLモデル407cは、入力データを処理し、対象の転倒リスクスコア臨床バイオマーカ408cを出力する。
【0163】
図5aは、対象の排尿作用事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1a~1dいずれかのデータ処理パイプライン/段階104/105またはシステム100の第1の処理段階500/505における使用のためのMLモデルのセットの第1のMLモデル505aの実施例の概略図である。この例では、対象の排尿作用の頻度に基づく臨床バイオマーカは、対象の膀胱に埋め込まれた圧力センサ502の非構造化圧力センサデータ503から決定され得る。対象に関連付けられた圧力センサ502は、対象の排尿作用事象を監視するために使用される。これは、尿失禁を経験している対象または患者のために特に有用な臨床バイオマーカである。これは、対象に関連付けられた圧力センサ502から出力された非構造化圧力センサデータ503のセグメント503a~503dを抽出するように構成された第1のMLモデル505aを使用する例である。第1のMLモデル505aはまた、対象の排尿作用事象に関連付けられた臨床バイオマーカの評価に関連するか、または評価における使用のための、対象のいくつかの臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dに基づいて抽出されたセグメント503a~503nを分類するように構成されている。臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dは、限定ではなく例として、受動的ファイリング事象、収縮事象、排尿事象、および他の事象を含み得る。対象の非構造化圧力センサデータ503は、第1のMLモデル505aへの入力のために、対象に関連付けられた圧力センサ502から出力される。第1のMLモデル505aは、限定ではなく例として、圧力データ503a~503dの関連する抽出された一部分/セグメントを含む圧力センサデータセット506を出力するように構成され、各圧力データセグメント503a~503dは、臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dに基づいてラベル付け/分類される。
【0164】
この場合では、第1のMLモデル505aは、圧力センサデータ503から排尿事象を識別するための膀胱状態分類器として構成されている。膀胱状態分類器は、隠れマルコフモデルを生成するためのML技術の訓練に基づいている。隠れマルコフモデルは、典型的な受動的充填506a、収縮506b、排尿506cと、環境圧力などによる圧力506dの他の変化とを区別する。第1のMLモデル505aは、図2aおよび2bを参照して記載されるように、方法200および210に基づき得る、ラベル付き訓練データセットに基づくML技術の訓練に由来する。例えば、ラベル付き訓練データセットは、限定ではなく例のみとして、制御された環境における1つ以上の試験対象に関連付けられた埋め込まれた膀胱圧センサからの膀胱圧測定値から収集された非構造化圧力センサデータから生成され得る。専門家人員または熟練者は、構造化されていない圧力センサデータにおける膀胱排尿の段階に手作業でラベル付けし得る。これらのラベルは、膀胱圧力センサ測定値からフェーズを認識するML HMM技術を訓練するために、正規化され、平滑化され、単純な機能(例えば、平均、標準偏差など)に変換された、圧力センサデータの時間間隔、セグメント、またはウィンドウで使用される。ML HMM技術が訓練されると、HMMモデルは、非構造化圧力センサデータのセグメントを識別、抽出し、非構造化圧力センサデータの識別/抽出された各セグメントに関連してフェーズまたは関連する臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dを分類することが可能な、または構成された第1のMLモデル505a(例えば、膀胱状態分類器)として出力される。したがって、第1のMLモデルのセットの第1のMLモデル505aは、限定ではなく例のみとして、正規化され、ウィンドウ化された膀胱圧測定値の1チャネルから抽出された特徴に関連付けられた非構造化圧力センサデータに基づく入力データを受信するように構成され、事前定義された確実性の分類しきい値が満たされない場合、未定義の圧力データウィンドウのための膀胱フェーズの受動的充填506a、収縮506b、排尿506cおよび/またはその他506dに関連付けられた臨床バイオマーカコンポーネントを出力するように構成されている。
【0165】
第1のMLモデル505aは、圧力センサデータ503a~503dの抽出されたセグメントおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dを出力し得るが、第1のMLモデル505aが、評価される第2のMLモデルのセットおよび臨床バイオマーカの要件ならびに複雑さに応じて、圧力センサデータ503a~503dの各セグメントのための臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dの識別されたフェーズ/クラスのみを出力し得ることが、当業者によって認識されたい。時には、第2のMLモデルのセットは、圧力センサ測定値503a~503dの抽出されたセグメントと、臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dの対応するラベルの両方を含む圧力センサデータセット506の両方を必要とし得るが、他の臨床バイオマーカは、圧力センサ測定値503a~503dのセグメントに関連して、フェーズまたは臨床バイオマーカコンポーネント506a~506dの各々の指標のみを必要とする。例えば、排尿事象の頻度の指標である排尿頻度臨床バイオマーカは、限定ではなく例として、排尿事象506cに関連する圧力センサデータセット506の臨床バイオマーカーコンポーネント部分のみを必要とし得る。
【0166】
図5bは、対象の排尿作用事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1a~1dのデータ処理パイプライン/段階107での使用のための第2の処理段階510のための第2のML/数学的モデル507のセットの実施例の概略図である。この例では、第2のMLモデル507のセットは、排尿作用頻度計算数学的モデル507を含む。図5aの第1のMLモデル505aは、第2のMLモデル/数学的モデルのセットの排尿作用頻度計算数学的モデル507への入力のために、排尿事象506cに関連する圧力センサデータセット506の少なくとも臨床バイオマーカコンポーネント部分を出力する。排尿作用頻度計算数学的モデル507は、図5aの第1のMLモデル505aの圧力センサデータセット506から出力された排尿事象506cを受信するように構成されている。排尿作用頻度計算数学的モデル507は、対象の排尿事象506cが発生する頻度を決定するようにさらに構成され、対象の一日の過程にわたって計算/評価されることができる排尿作用頻度臨床バイオマーカ508を出力する。
【0167】
図6aは、対象の発作事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1a~1dのデータ処理パイプライン/段階104/105またはシステム100の第1の処理段階600/605のための別の第1のMLモデル605aの実施例の概略図である。対象に関連付けられた1つ以上の脳波(EEG)電極/センサ602は、非構造化EEGトレースデータ603の関連するセグメントを抽出および分類するための第1のMLモデル605aを含む、第1のMLモデル605のセットへの入力のためのEEGトレースデータ603を出力し得る。1つ以上のEEG電極/センサ602は、対象(例えば、患者)の皮質に埋め込まれ、一定期間、限定ではなく例のみとして、一日、数日もしくは一週間、または任意の期間もしくは時間間隔などの間にてんかん患者によって経験された発作の数および期間を検出するために、収集され得る。
【0168】
これは、EEGトレースデータ603のセグメント603a~603cを抽出し、EEG読み取り値に関連付けられ、対象の発作事象の臨床バイオマーカを評価することにおける使用のために関連する対象のいくつかの臨床バイオマーカコンポーネント606a~606fに基づいて、抽出されたセグメント603a~603cを分類するために、第1のMLモデル605aを使用する実施例である。EEGトレースデータ603は、いくつかの臨床バイオマーカコンポーネント606a~606fに基づいて分類された、抽出されたEEGトレースセグメント603a~603cを含むEEGトレースデータセット606を出力する、第1のMLモデル605aへの入力のために対象に関連付けられたEEG電極/センサ602から出力され得る。従来、専門家は、対象のEEGトレースにおけるてんかん期間を手作業で見つけて分析しなければならない。代わりに、データ処理パイプラインの第1のMLモデル605aは、限定ではなく例として、発作前606a、発作時606b、発作後606c、および発作間606d信号または他の信号606eなどの臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、生の、または非構造化EEGトレースデータ603のウィンドウ/セグメント603~603cを分類するように構成されている。
【0169】
第1のMLモデル605aは、発作フェーズ分類器として構成され、ニューラルネットワーク構造に基づいてML技術を訓練することによって生成される。この実施例では、ニューラルネットワーク構造は、限定ではなく例として、発作前606a、発作時606b、発作後606c、および発作間606d信号または他の信号606eなどの臨床バイオマーカコンポーネントラベルに基づいて、EEGトレースデータ630a~630cのセグメントを識別し、識別されたEEGトレースデータ630a~630cのセグメントを分類するように訓練された、長短期記憶(LSTM)リカレントニューラルネットワークに基づいている。第1のMLモデル605aの発作フェーズ分類器は、十分に高い確実性で分類されることができない(例えば、「その他」)それらのEEGトレースデータセグメントを破棄するように訓練され得、そうでない場合、第1のMLモデル605aの発作フェーズ分類器は、EEGトレースデータセグメント603a~603cを識別し、対応する臨床バイオマーカコンポーネントまたはそのラベルに基づいて識別された各EEGトレースデータセグメント603a~603nを分類し、十分にまたは好適に高い確実性で、臨床バイオマーカコンポーネント606a~606dの1つに関連して分類されたそれらの識別されたEEGトレースデータセグメント603a~603nを抽出するように訓練される。
【0170】
長短期記憶(LSTM)リカレントニューラルネットワーク構造に基づくML技術は、限定ではなく例として、発作前606a、発作時606b、発作後606c、および発作間606d信号または他の信号606eななどの臨床バイオマーカコンポーネントに基づいて、EEGトレースデータ603a~603cのセグメントを抽出および分類するための発作フェーズ分類器として第1のMLモデル605aを生成するために訓練される。発作フェーズ分類器を生成するためのML技術は、複数の試験対象の非構造化EEGトレースデータ603に由来するラベル付き訓練データセットを使用し得る。例えば、EEG電極/センサ602は、限定ではなく例のみとして、てんかんのある試験対象の皮質に埋め込まれ、制御された環境において収集された硬膜下EEG電極/センサ602から記録されたNチャネルのEEG測定値(例えば、16のチャネルEEG測定値)を出力するように構成され得る。専門家熟練者は、EEGトレースおよび観察された事象の専門的な理解に基づいて、発作フェーズに手作業でラベル付けする。発作フェーズラベル付けは、限定ではなく例のみとして、発作前606a、発作時606b、発作後606c、および発作間606d信号または他の信号606eなどの、限定ではなく例のみとして、臨床バイオマーカコンポーネントに基づき得る。EEGトレースデータ603は、収集されるときにセグメント化され、およびラベル付けされる。ラベル付けおよびセグメント化されたEEGトレースデータは、ウィンドウ処理され、臨床バイオマーカコンポーネントの熟練者ラベルは、通常の脳活動と比較して発作段階を認識するLSTM RNN ML技術を訓練するために使用されることができる。訓練されたLSTM RNN ML技術は、臨床バイオマーカコンポーネント606a~606eに関連して対象のEEGトレースデータ603を抽出および/または分類するための第1のMLモデル605aとして出力される。次いで、第1のMLモデル605aは、EEGトレースデータ603を受信し、発作フェーズ分類器LSTM RNNに基づいて処理するように構成され、これは、EEG訓練データセグメント603a~603cを含むEEGトレースデータセット606を出力し、各EEGトレースデータセグメントは、対応する臨床バイオマーカコンポーネント606a~606eによって分類され、発作フェーズを定義するか、または事前定義された確実性のしきい値が満たされない場合は未定義である。
【0171】
図6bは、対象の発作事象に関連付けられた臨床バイオマーカを評価するための、図1a~1dのデータ処理パイプライン/段階107またはシステム100とともに使用するための第2の処理段階610のための第2のMLモデル607のセットの実施例の概略図である。図6aの第1のMLモデル605aは、EEGトレースデータセグメント603a~603cを含むEEGデータセット606を出力し、ここで、各EEGトレースデータセグメントは、対応する臨床バイオマーカコンポーネント606a~606e(例えば、発作前606a、発作時606b、発作後606c、および発作間606d信号または他の信号606eなど)によって分類される。この例では、第2の処理段階610は、発作重症度スコア臨床バイオマーカ608を評価するように構成された発作重症度分類器を含む第2のMLモデル607を含む。この例では、第2の処理段階610は、限定ではなく例のみとして、発作前606a、発作時606b、発作後606cの身体的状態に関連付けられた臨床バイオマーカコンポーネントラベルで分類されたEEGトレースデータセグメントを、EEGデータセット606から、選択するように構成されている。選択されたEEGデータセグメントおよび対応する臨床バイオマーカコンポーネントラベルは、分析のために発作重症度分類器に入力され、選択されたEEGデータセグメントのこれらの期間/フェーズの頻度、期間、および生の信号特性は、限定ではなく例のみとして、リバプール発作重症度スコアに基づいて発作重症度スコアの臨床バイオマーカが評価するために使用される。
【0172】
第2のMLモデル607は、限定ではなく例のみとして、試行中に試験対象の発作時EEGトレース測定データのNチャネル(例えば、16チャネル)から抽出された特徴(特に頻度領域特性)を表すデータを含むラベル付き訓練データセットを使用して、k近傍法ML手法の訓練に基づく発作重症度分類器として構成されている。試験対象の発作時EEGトレース測定値データは、試行中に臨床バイオマーカリバプール発作重症度スコアを査定する熟練者とともに制御された環境において収集される。発作重症度分類器によって評価される臨床バイオマーカである、これらの発作重症度スコアは、ウィンドウ化されたデータから抽出された特徴と調整され、発作重症度分類器を生成するためのk近傍法ML技術を訓練するためのラベル付き訓練データセットとして使用される。訓練された発作重症度分類器は、第2の処理段階610の第2のMLモデル607として使用される。
【0173】
この例では、第2のMLモデル607は、限定ではなく例のみとして、第1のMLモデル605aによって出力された発作前606a、発作606b、発作後606cの身体的状態に関連付けられた臨床バイオマーカコンポーネントラベルで分類されたEEGトレースデータセグメントに基づく入力データを受信する。例えば、EEGトレースデータセグメントは、対象から記録され、第1のMLモデル605aによって発作信号としてラベル付けられた、16チャネルのEEG測定値であり得る。第2のMLモデル607は、入力データを処理し、限定ではなく例のみとして、対象のリバプール発作重症度スコア臨床バイオマーカ608を出力する。
【0174】
図7aは、本発明の態様による臨床バイオマーカを評価するための例示的なコンピューティングシステム700の概略図である。コンピューティングシステム700は、図1a~6bを参照して記載されたように、システムの1つ以上の態様、第1および第2の処理段階、ML技術、第1のMLモデルのセットおよび/または第2のMLモデルのセット、センサ事前処理ユニットおよび/または臨床バイオマーカ処理ユニットを実装するために使用され得る。コンピューティングシステム700は、1つ以上のプロセッサユニット704と、メモリユニット706と、通信インターフェース708とを含むコンピューティングデバイス702を含み、ここで、1つ以上のプロセッサユニット704は、メモリユニット706および通信インターフェース708に接続されている。通信インターフェース708は、本明細書に記載されるような臨床バイオマーカ評価/検出システムの1つ以上の態様、特徴を実装するために、対象、1つ以上のデバイス、1つ以上のセンサ、外部またはクラウドストレージまたは処理システム710などに関連付けられた1つ以上のセンサ712に、コンピューティングデバイス702を接続し得る。メモリユニット706は、限定ではなく例のみとして、コンピューティングデバイス702を操作するためのオペレーティングシステム706aおよび追加のデータを記憶するためのデータストア706b、センサデータなど、ラベル付けされた訓練データセット、および/またはさらなるプログラム命令、機能および/または1つ以上の機能または1つ以上のML技術に関連付けられた機能の実装に関連付けられたコードおよび/またはコンポーネント、ラベル付けおよび/または訓練データセットの生成、センサデータの1つ以上のセグメントを抽出および/または分類する1つ以上の方法および/またはプロセス、臨床バイオマーカの評価の方法および/またはプロセスの1つ以上、システム/プラットフォーム、それらの組み合わせ、そこに対する修正、および/または図1a~6bのうちの少なくとも1つを参照して本明細書に記載されるように、1つ以上のプログラム命令、コード、またはコンポーネントを記憶し得る。
【0175】
図7bは、第3の実施形態による臨床バイオマーカを評価するための別の例示的なシステム720の概略図である。対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するためのシステム720は、対象に関連付けられた1つ以上のセンサからセンサデータを受信するための通信インターフェース722を含む。システム720は、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを構築することおよび評価することに関連付けられた臨床バイオマーカコンポーネントに基づく受信されたセンサデータの一部分/セグメントを抽出および分類するように構成された第1の1つ以上の機械学習(ML)モデルのセットを使用して、センサデータの当該一部分/セグメントを抽出するためのセンサ信号事前処理ユニット724を含む。システム720は、抽出および分類されたセンサデータの一部分/セグメントに基づいて対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するために構成された第2の1つ以上のMLモデルのセットまたは数学的モデル/方法を使用して、対象の1つ以上の臨床バイオマーカを評価するための臨床バイオマーカ評価ユニット726をさらに含む。通信インターフェース722、センサ信号前処理ユニット724、および/または臨床バイオマーカ推定ユニット726は、1つまたは複数の方法、プロセス、第1および第2の処理段階、第1のMLモデルのセットおよび/または第2のMLモデルのセット、それらの組み合わせ、それらに対する修正、および/または図1a~7aのいずれか1つを参照して本明細書に記載されるものに関連する機能をさらに含み得る。
【0176】
上記の実施形態では、コンピューティングシステム、コンピューティングデバイス、リモートデバイス、または上記のシステムは、サーバを含み得、単一のサーバまたはサーバのネットワークを含み得る。いくつかの例では、サーバの機能は、サーバの世界的な分散ネットワークなどの地理的領域全体に分散されたサーバのネットワークによって提供されてもよく、ユーザーは、ユーザーの位置に基づいてサーバのネットワークの適切なネットワークのうちの1つに接続されてもよい。
【0177】
上述した説明は、明確にするために単一のユーザーを参照して本発明の実施形態を記載している。実際には、システムは、複数のユーザーによって共有されてもよく、非常に多数のユーザーによって同時に共有される可能性があることが理解されよう。
【0178】
上述した実施形態は、完全に自動である。いくつかの例では、システムのユーザーまたはオペレータは、実行される方法のいくつかのステップを手作業で指示することができる。
【0179】
本発明の説明されている実施形態では、システムは、任意の形態のコンピューティングデバイスおよび/または電子デバイスとして実装されることができる。そのようなデバイスは、ルーティング情報を収集および記録するためにデバイスの動作を制御するコンピュータ実行可能命令を処理するためのマイクロプロセッサ、コントローラまたは他の任意の好適な種類のプロセッサとすることができる1つ以上のプロセッサを含むことができる。いくつかの例では、例えば、システムオンチップアーキテクチャが使用される場合、プロセッサは、方法の一部をハードウェア(ソフトウェアまたはファームウェアではなく)で実装する1つ以上の固定機能ブロック(アクセラレータとも称される)を含んでもよい。オペレーティングシステムまたは任意の他の好適なプラットフォームソフトウェアを含むプラットフォームソフトウェアは、アプリケーションソフトウェアがデバイス上で実行されることを可能にするために、コンピューティングベースのデバイスに提供されてもよい。
【0180】
本明細書で説明される様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードに記憶または送信されることができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装される揮発性または不揮発性、取り外し可能または取り外し不可能媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な記憶媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリデバイス、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用されることができ、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むことができる。本明細書で使用されるディスクおよびディスクは、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスク(BD)を含む。さらに、伝播された信号は、コンピュータ可読記憶媒体の範囲内には含まれない。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体も含む。例えば、接続は、通信媒体とすることができる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブルを使用してウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、ラジオ、マイクロ波などの無線技術が通信媒体の定義に含まれる。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0181】
代替的に、または追加して、本明細書で説明される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実行されることができる。例えば、限定されるものではないが、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム固有集積回路(ASIC)、プログラム固有標準製品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、複雑プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などを含むことができる。
【0182】
単一のシステムとして示されているが、コンピューティングデバイスは、分散システムとすることができることを理解されたい。したがって、例えば、いくつかのデバイスは、ネットワーク接続を介して通信してもよく、コンピューティングデバイスによって実行されるものとして説明されているタスクを集合的に実行してもよい。
【0183】
ローカルデバイスとして示されているが、コンピューティングデバイスは、リモートに配置され、ネットワークまたは他の通信リンクを介して(例えば、通信インターフェースを使用して)アクセスされることができることが認識されよう。
【0184】
「コンピュータ」という用語は、本明細書では、命令を実行することができるような処理能力を備えた任意のデバイスを指すために使用される。当業者は、そのような処理能力が多くの異なるデバイスに組み込まれ、したがって「コンピュータ」という用語がPC、サーバ、携帯電話、携帯情報端末、および他の多くのデバイスを含むことを理解するであろう。
【0185】
当業者は、プログラム命令を記憶するために利用されるストレージデバイスがネットワークにわたって分散されることができることを認識するであろう。例えば、リモートコンピュータは、ソフトウェアとして説明されたプロセスの例を記憶することができる。ローカルまたはターミナルコンピュータは、リモートコンピュータにアクセスし、プログラムを実行するためにソフトウェアの一部またはすべてをダウンロードすることができる。代替的に、ローカルコンピュータは、必要に応じてソフトウェアの一部をダウンロードするか、ローカル端末でソフトウェア命令を実行するか、リモートコンピュータ(またはコンピュータネットワーク)でソフトウェア命令を実行し得る。当業者はまた、当業者に既知の従来の技術を利用することにより、ソフトウェア命令のすべてまたは一部がDSP、プログラム可能論理アレイなどの専用回路によって実行されてもよいことを認識するであろう。
【0186】
上述の利益および利点は、一実施形態に関係する場合もあれば、いくつかの実施形態に関係する場合もあることが理解されよう。実施形態は、述べられた課題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または述べられた利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されるものではない。
【0187】
「an」という項目への任意の言及は、それらの項目の1つ以上を指す。「備える(comprising)」という用語は、本明細書では、識別された方法ステップまたは要素を含むことを意味するために使用されるが、そのようなステップまたは要素は、排他的リストを含まず、方法または装置は、追加のステップまたは要素を含むことができる。
【0188】
本明細書で使用される場合、「コンポーネント」および「システム」という用語は、プロセッサによって実行されたときに特定の機能を実行させるコンピュータ実行可能命令によって構成されるコンピュータ可読データストレージを包含するものとする。コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、関数などを含むことができる。また、コンポーネントまたはシステムは、単一のデバイスにローカライズすることも、いくつかのデバイスに分散させることもできることを理解されたい。
【0189】
さらに、本明細書で使用される場合、「例示的」という用語は、「何らかの例証または例示としての役割を果たす」ことを意味することを意図している。
【0190】
さらに、「含む(includes)」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用されている限り、そのような用語は、「備える(comprising)」が請求項の中で経過語として用いられた場合に解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることが意図されている。
【0191】
図は、例示的な方法を示している。方法は、特定の配列で実行される一連の動作として示されて説明されているが、方法は、配列の順序によって限定されないことを理解および認識されたい。例えば、いくつかの動作は、本明細書に記載されているものとは異なる順序で発生する可能性がある。追加して、ある動作は、別の動作と同時に発生する可能性がある。さらに、いくつかの例では、本明細書で説明される方法を実装するためにすべての動作が必要とされるわけではない場合がある。
【0192】
さらに、本明細書で説明される動作は、1つ以上のプロセッサによって実装され、および/またはコンピュータ可読媒体に記憶されることができるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、サブルーチン、プログラム、実行スレッドなどを含むことができる。さらに、方法の動作の結果は、コンピュータ可読媒体に記憶され、表示デバイスに表示され、および/または同様のものとすることができる。
【0193】
本明細書に記載される方法のステップの順序は例示的なものであるが、ステップは、任意の好適な順序で、または必要に応じて同時に実行されてもよい。さらに、本明細書で説明される主題の範囲から逸脱することなく、ステップを追加または置換することができ、または個々のステップを任意の方法から削除することができる。上記の例のいずれかの態様を、記載された他の例のいずれかの態様と組み合わせて、求められる効果を失うことなく、さらなる例を形成することができる。
【0194】
好ましい実施形態の上記の説明は、限定ではなく例として、当業者によって様々な変更が行われることができることが理解されるであろう。上記で説明したものは、1つ以上の実施形態の例を含む。もちろん、前述の態様を説明する目的で、上記のデバイスまたは方法の考えられるすべての変更および代替を説明することは不可能であるが、当業者は、様々な態様の多くのさらなる変更および置換が可能であることを認識することができる。したがって、説明された態様は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるそのようなすべての変更、修正、および変形を包含することが意図されている。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
【国際調査報告】