(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】トルクセンサ、操舵角度センサおよび対応する統合型のセンサならびに監視システム
(51)【国際特許分類】
G01L 3/10 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
G01L3/10 301J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576951
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2020068180
(87)【国際公開番号】W WO2020260677
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910566822.9
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ シェーア
(72)【発明者】
【氏名】ガオフェン リャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー リー
(72)【発明者】
【氏名】グオタオ チェン
(57)【要約】
ステアリングコラムの操舵トルクを検出するためのトルクセンサであって、ステアリングコラムは、入力軸と、出力軸と、入力軸と出力軸との間に接続されたトーションバーとを備え、トルクセンサは、入力軸と共に回転可能であり、第1の伝導部材を備える入力回転構成要素と、出力軸と共に回転可能であり、第2の伝導部材を備える出力回転構成要素と、位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアとを備え、磁場発生手段は、第1の伝導部材と第2の伝導部材とを貫通する磁場を発生させるように構成されており、磁場検出手段は、ステアリングコラムがねじり応力下にあるときに、磁場内での第1の伝導部材と第2の伝導部材との位置の変化によって引き起こされる磁場の変化を検出するように構成されており、操舵トルクは、少なくとも磁場の検出された変化に基づいて決定される、トルクセンサが開示される。統合型のトルク・角度センサ、操舵角度センサおよび能動的な操舵状態監視システムも開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラムの操舵トルクを検出するトルクセンサであって、
前記ステアリングコラムは、
入力軸と、
出力軸と、
前記入力軸と前記出力軸との間に接続されたトーションバーと、
を備え、
前記トルクセンサは、
前記入力軸と共に回転可能であり、第1の伝導部材を備える入力回転構成要素と、
前記出力軸と共に回転可能であり、第2の伝導部材を備える出力回転構成要素と、
位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアと、
を備え、
前記磁場発生手段は、前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とを貫通する磁場を発生させるように構成されており、
前記磁場検出手段は、前記ステアリングコラムがねじり応力下にあるときに、前記磁場内での前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材との位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出するように構成されており、
前記操舵トルクは、少なくとも前記磁場の検出された変化に基づいて決定される、
トルクセンサ。
【請求項2】
前記出力軸に対する前記入力軸の相対的な回転角度は、前記磁場の検出された変化に基づいて決定され、前記操舵トルクは、少なくとも前記相対的な回転角度に基づいて決定される、請求項1記載のトルクセンサ。
【請求項3】
前記電磁キャリアは、プリント回路基板と、電気コネクタと、取付け貫通孔とを備え、前記ステアリングコラムは、使用時に前記取付け貫通孔を通過しており、前記磁場発生手段と前記磁場検出手段とは、前記プリント回路基板上に配置されている、請求項1または2記載のトルクセンサ。
【請求項4】
前記磁場発生手段は、好ましくは環状磁場発生コイルの形態で構成されており、かつ/または
前記磁場検出手段は、好ましくは環状磁場検出コイルの形態で構成されている、
請求項2または3記載のトルクセンサ。
【請求項5】
前記電磁キャリアに対する前記入力軸の第1の回転角度は、少なくとも、前記磁場内での前記第1の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の検出された変化に基づいて決定され、
前記電磁キャリアに対する前記出力軸の第2の回転角度は、少なくとも、前記磁場内での前記第2の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の検出された変化に基づいて決定され、
前記相対的な回転角度は、前記第1の回転角度と前記第2の回転角度とに基づいて決定される、
請求項2から4までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項6】
前記磁場検出手段は、前記磁場内での前記第1の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出する第1の磁場検出要素と、前記磁場内での前記第2の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出する第2の磁場検出要素と、を備え、
好ましくは、前記第1の磁場検出要素と前記第2の磁場検出要素とは、前記第1の磁場検出要素が前記第1の伝導部材に面し、前記第2の磁場検出要素が前記第2の伝導部材に面するように、前記電磁キャリアの異なる側に配置されている、
請求項5記載のトルクセンサ。
【請求項7】
前記第1の伝導部材は、前記ステアリングコラムの長手方向軸線に対して垂直な第1の平面に沿って半径方向に延在するように構成されており、前記第2の伝導部材は、前記ステアリングコラムの前記長手方向軸線に対して垂直な第2の平面に沿って半径方向に延在するように構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項8】
前記第1の伝導部材および/または前記第2の伝導部材は、金属インサートとして構成されている、または
前記第1の伝導部材は、第1の平形パターン構造として構成されており、かつ/または前記第2の伝導部材は、第2の平形パターン構造として構成されている、
請求項7記載のトルクセンサ。
【請求項9】
前記磁場発生手段は、少なくとも周方向の所定の角度範囲内で変化する電磁特性、例えば、位置が一意であるコイルトラックを有する、請求項8記載のトルクセンサ。
【請求項10】
前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とは、前記電磁キャリアに隣接するように前記電磁キャリアの同じ側に、好ましくは前記電磁キャリアの、前記入力軸に隣接する側に配置されている、請求項7から9までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項11】
前記第1の平面は、前記第2の平面よりも前記入力軸に近くなるように位置決めされており、これによって、前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とが、軸線方向で離間されている、または
前記第1の平面と前記第2の平面とは、同一平面上にあり、これによって、前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とが、互いに内外で挿入されていて、所定の回転角度範囲内で互いに相対的に回転可能である、
請求項7から10のいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項12】
前記第1の平形パターン構造は、好ましくは周方向に分布する複数の第1の歯を有するように構成されており、かつ/または前記第2の平形パターン構造は、好ましくは周方向に分布する複数の第2の歯を有するように構成されている、請求項11記載のトルクセンサ。
【請求項13】
前記第1の歯は、同一形状を有し、かつ/または前記第2の歯は、同一形状を有し、好ましくは、前記第1の歯と前記第2の歯とは、同一形状を有し、かつ/または
前記第1の歯の数は、前記第2の歯の数と等しく、かつ/または前記第1の歯と前記第2の歯とは、互いに互い違いになっている、
請求項12記載のトルクセンサ。
【請求項14】
前記第1の歯または前記第2の歯は、前記第1の歯または前記第2の歯の外側の半径方向の端部で外側リングに接続されており、かつ/または前記第1の歯または前記第2の歯は、内側リングから半径方向に延在している、請求項12または13記載のトルクセンサ。
【請求項15】
前記第2の歯は、複数の第3の歯と、複数の第4の歯と、を備え、前記第3の歯と前記第4の歯とは、交互に分布しており、前記第1の歯の数と、前記第3の歯の数と、前記第4の歯の数とは、互いに等しく、前記第1の歯は、前記第1の歯と前記第3の歯との間に半径方向のギャップを有して、前記第3の歯の半径方向外側に位置しており、前記第1の歯の半径方向の長さは、前記第4の歯の半径方向の長さよりも短く、
好ましくは、前記第1の歯と前記第4の歯とは、同じ程度に半径方向外向きに延在している、
請求項12記載のトルクセンサ。
【請求項16】
前記磁場発生手段は、前記半径方向のギャップの近くに配置されており、第1の磁場検出コイルが、前記磁場発生手段の半径方向内側に位置していて、前記出力軸の回転角度情報を検出するために使用され、第2の磁場検出コイルが、前記磁場発生手段の半径方向外側に位置していて、前記第1の歯と前記第4の歯との間の角度の変化を検出するために使用される、請求項15記載のトルクセンサ。
【請求項17】
前記ステアリングコラムの長手方向軸線に沿って見た場合、前記磁場発生手段は、前記第1の伝導部材および/または前記第2の伝導部材と少なくとも部分的に重畳している、請求項1から16までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項18】
ステアリングコラムの操舵トルクと操舵角度とを検出する統合型のトルク・角度センサであって、少なくとも、
前記操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
前記操舵角度を検出する角度検出手段と、
を備え、
前記トルク検出手段は、請求項1から17までのいずれか1項記載のトルクセンサを備えるように構成されている、統合型のトルク・角度センサ。
【請求項19】
前記角度検出手段は、カーソルの原理に基づいて前記操舵角度を検出するように構成されている、請求項18記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項20】
前記角度検出手段は、少なくとも、出力軸または入力軸に取り付けられるスリーブ歯車と、前記スリーブ歯車と噛合する第1の測定歯車と、前記第1の測定歯車の回転角度を測定する第1の角度検出器と、を備え、前記角度検出手段は、少なくとも、前記磁場内での前記第2の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化によって取得される前記出力軸または前記入力軸の回転角度情報と、前記第1の測定歯車の前記回転角度とに基づいて前記操舵角度を検出するように構成されている、請求項18または19記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項21】
前記角度検出手段は、前記スリーブ歯車と噛合する第2の測定歯車と、前記第2の測定歯車の回転角度を測定する第2の角度検出器と、をさらに備え、前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、互いに正確に割り切れないように選択され、前記操舵角度の検出には、前記第2の測定歯車の前記回転角度も使用される、請求項20記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項22】
前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、1つだけ異なる、請求項21記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項23】
前記第1の角度検出器は、前記第1の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第1の磁石と、前記第1の測定歯車の前記回転角度を検出する第1の検出要素と、を備え、
前記第2の角度検出器は、前記第2の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第2の磁石と、前記第2の測定歯車の前記回転角度を検出する第2の検出要素と、を備え、
前記第1の検出要素と前記第2の検出要素とは、前記電磁キャリア上に配置されている、
請求項21または22記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項24】
ステアリングコラムの操舵角度を検出する操舵角度センサであって、少なくとも、
前記ステアリングコラムに取り付けられるスリーブ歯車と、
前記スリーブ歯車と噛合する第1の測定歯車と、
前記第1の測定歯車の回転角度を測定する第1の角度検出器と、
前記ステアリングコラムと共に回転可能であり、伝導部材を備える回転構成要素と、
位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアと、
を備え、
前記磁場発生手段は、前記伝導部材を貫通する磁場を発生させるように構成されており、前記磁場検出手段は、前記ステアリングコラムが回転するときに、前記磁場内での前記伝導部材の位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出するように構成されており、前記ステアリングコラムの回転角度情報が、前記磁場の検出された変化に基づいて取得され、前記操舵角度センサは、少なくとも前記ステアリングコラムの前記回転角度情報と前記第1の測定歯車の前記回転角度とに基づいて前記操舵角度を検出するように構成されている、
操舵角度センサ。
【請求項25】
前記操舵角度センサは、前記スリーブ歯車と噛合する第2の測定歯車と、前記第2の測定歯車の回転角度を測定する第2の角度検出器と、をさらに備え、前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、互いに正確に割り切れないように選択され、前記操舵角度の検出には、第2の測定歯車の前記回転角度も使用される、請求項24記載の操舵角度センサ。
【請求項26】
前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、1つだけ異なる、請求項25記載の操舵角度センサ。
【請求項27】
前記第1の角度検出器は、前記第1の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第1の磁石と、前記第1の測定歯車の前記回転角度を検出する第1の検出要素と、を備え、
前記第2の角度検出器は、前記第2の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第2の磁石と、前記第2の測定歯車の前記回転角度を検出する第2の検出要素と、を備え、
前記第1の検出要素と前記第2の検出要素とは、前記電磁キャリア上に配置されている、
請求項25または26記載の操舵角度センサ。
【請求項28】
能動的な操舵状態監視システムであって、
請求項1から17までのいずれか1項記載のトルクセンサまたは
請求項18から23までのいずれか1項記載の統合型のトルク・角度センサまたは
請求項24から27までのいずれか1項記載の操舵角度センサ
を備える、能動的な操舵状態監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサと、車両の操舵状態を監視するように構成された統合型のトルク・角度センサ(TAS)と、操舵角度センサと、そのようなセンサを備える能動的な操舵状態監視システムとに関する。
【0002】
背景技術
既存の操舵システムおよび将来的な操舵システム、例えば、電子制御パワーステアリングシステム(EHPS)、電動パワーステアリングシステム(EPS)および適応型の電動パワーステアリングシステムと、特定の運転支援機能、例えば、車体電子安定化システム(ESP)および先進運転支援システム(ADAS)とは、高信頼性のかつ安価に入手可能な操舵トルクおよび/または角度情報を必要とする。操舵を検出するためのセンサは、極めて多くのアプリケーションのバリエーション(異なるステアリングコラム、独立した固定構造、組み合わせたスイッチへの統合など)を扱う必要があり、極めて安価であり、高信頼性であることが望ましい。従来技術で利用可能なセンサソリューションでは、これらの要件を同時に満たすことができない。
【0003】
発明の概要
上記の先行技術を考慮して、本発明の目的は、トルクセンサと、車両の操舵状態を監視するように構成された統合型のトルク・角度センサと、操舵角度センサと、そのようなセンサを備える能動的な操舵状態監視システムとを提供することである。
【0004】
本発明の第1の態様によれば、ステアリングコラムの操舵トルクを検出するためのトルクセンサであって、ステアリングコラムは、入力軸と、出力軸と、入力軸と出力軸との間に接続されたトーションバーとを備え、トルクセンサは、入力軸と共に回転可能であり、第1の伝導部材を備える入力回転構成要素と、出力軸と共に回転可能であり、第2の伝導部材を備える出力回転構成要素と、位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアとを備え、磁場発生手段は、第1の伝導部材と第2の伝導部材とを貫通する磁場を発生させるように構成されており、磁場検出手段は、ステアリングコラムがねじり応力下にあるときに、磁場内での第1の伝導部材と第2の伝導部材との位置の変化によって引き起こされる磁場の変化を検出するように構成されており、操舵トルクは、少なくとも磁場の検出された変化に基づいて決定される、トルクセンサが提供される。
【0005】
本発明の第2の態様によれば、ステアリングコラムの操舵トルクと操舵角度とを検出するための統合型のトルク・角度センサであって、統合型のトルク・角度センサは、少なくとも、操舵トルクを検出するためのトルク検出手段と、操舵角度を検出するための角度検出手段とを備え、トルク検出手段は、トルクセンサを備えるように構成されている、統合型のトルク・角度センサが提供される。
【0006】
本発明の第3の態様によれば、ステアリングコラムの操舵角度を検出するための操舵角度センサであって、少なくとも、ステアリングコラムに取り付けられるスリーブ歯車と、スリーブ歯車と噛合する第1の測定歯車と、第1の測定歯車の回転角度を測定するための第1の角度検出器と、ステアリングコラムと共に回転可能であり、伝導部材を備える回転構成要素と、位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアとを備え、磁場発生手段は、伝導部材を貫通する磁場を発生させるように構成されており、磁場検出手段は、ステアリングコラムが回転するときに、磁場内での伝導部材の位置の変化によって引き起こされる磁場の変化を検出するように構成されており、ステアリングコラムの回転角度情報は、磁場の検出された変化に基づいて取得され、操舵角度センサは、少なくともステアリングコラムの回転角度情報と第1の測定歯車の回転角度とに基づいて操舵角度を検出するように構成されている、操舵角度センサが提供される。
【0007】
本発明の第4の態様によれば、トルクセンサまたは統合型のトルク・角度センサまたは操舵角度センサを備える、能動的な操舵状態監視システムが提供される。
【0008】
本発明のセンサは、例えば、車体電子安定化システム、先進運転支援システム、高度自動運転(HAD)および故障保護ソリューションまたは故障操作ソリューションなど、車両の様々な機能に使用することができる。機械的な遅延がなく、センサの製造コストが低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上記態様および他の態様のより包括的な理解は、以下を含む図面と併せて以下の詳細な説明を通じて得られる。
【
図1】車両のステアリングコラムと、ステアリングコラムの操舵トルクを検出するように構成されたトルクセンサとを示す図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による、第1の伝導部材と、第2の伝導部材と、電磁キャリアとの構成を平面図として概略的に示す図である。
【
図3】磁場発生コイルの例示的な実施形態を部分図として概略的に示す図である。
【
図4】平面図として、本発明の別の例示的な実施形態による、入力回転構成要素と、出力回転構成要素と、電磁キャリアとの構成を示す図である。
【
図5】上記構成を
図4のA-A線に沿った側面断面図として示す図である。
【
図7】本発明の別の例示的な実施形態による、入力回転構成要素と、出力回転構成要素と、電磁キャリアとの構成を平面図として示す図である。
【
図8】上記構成を
図7のB-B線に沿った側面断面図として示す図である。
【
図11】操舵角度センサの例示的な実施形態を示す図である。
【
図12】2つの測定角度θおよびφの出力特性を例示的に示す図であり、点線はθを表している。
【
図13】本発明の例示的な実施形態による統合型のトルク・角度センサを分解図として示す図である。
【
図14】組み立てられた状態の統合型のトルク・角度センサを断面図として示す図である。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明の幾つかの例示的な実施形態は、本発明の基本的な思想および利点のより良い理解を提供するために、図面を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0011】
本発明の第1の態様は、車両のステアリングコラムの操舵トルクを検出するように構成されたトルクセンサに関する。
【0012】
トルクセンサは様々な構成で形成することができ、そのうちの1つを極めて概略的な図として
図1に示す。
図1は、車両のステアリングコラム1と、ステアリングコラム1の操舵トルクを検出するように構成されたトルクセンサ2とを示している。
【0013】
図1に示すように、ステアリングコラム1は、ステアリングホイール(図示せず)からの入力軸11と、ステアリングシャフトコネクタ(図示せず)への出力軸12と、入力軸11と出力軸12との間に接続されたトーションバー13とを備えるように例示的かつ概略的に構成されている。トルクセンサ2は、トーションバー13の近くに配置されている。
【0014】
当業者は、トーションバー13の材料の既知の機械的特性を利用して、トーションバー13のねじれ変形を特徴づけることができる、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度に基づいて、操舵トルクを決定することが可能であることを理解されたい。
【0015】
トルクセンサ2は、主に、ハウジング(図示せず)に固定されて取り付けられた電磁キャリア21と、入力軸11と共に回転可能である入力回転構成要素22と、出力軸12と共に回転可能である出力回転構成要素23とを備える。ハウジングは、例えば、独立した固定構造によって車両に固定することができる。
【0016】
例えば、入力回転構成要素22は入力軸11に固定されており、出力回転構成要素23は出力軸12に固定されている。
【0017】
本発明の例示的な実施形態によれば、入力回転構成要素22は、第1の伝導部材を備え、出力回転構成要素23は、第2の伝導部材を備え、電磁キャリア21は、磁場発生手段と磁場検出手段とを備え、明確にするために、第1の伝導部材、第2の伝導部材、磁場発生手段および磁場検出手段は、
図1には示されていない。磁場発生手段は、第1の伝導部材と第2の伝導部材とを貫通する磁場を発生させるように構成され、磁場検出手段は、ステアリングコラム1がねじり応力下にあるときに、磁場内での第1の伝導部材と第2の伝導部材との位置の変化によって引き起こされる磁場の変化を検出するように構成されている。操舵トルクは、少なくとも磁場の検出された変化に基づいて決定することができる。
【0018】
「伝導」という用語は、「磁気的な伝導および/または電気的な伝導」を意味する。
【0019】
本発明の例示的な実施形態によれば、磁場検出手段は、磁場内での第1の伝導部材の位置の変化によって引き起こされる磁場の変化を検出するための第1の磁場検出要素と、磁場内での第2の伝導部材の位置の変化によって引き起こされる磁場の変化を検出するための第2の磁場検出要素とを備えてもよい。この場合、第1の磁場検出要素および第2の磁場検出要素は、好ましくは、第1の磁場検出要素が第1の伝導部材に面し、第2の磁場検出要素が第2の伝導部材に面するように、電磁キャリア21の異なる側に配置されている。
【0020】
本発明の例示的な実施形態によれば、磁場発生手段は、第1の伝導部材を貫通する第1の磁場を発生させるための第1の磁場発生要素と、第2の伝導部材を貫通する第2の磁場を発生させるための第2の磁場発生要素とを備えてもよい。この場合、磁場検出手段は、第1の磁場内での第1の伝導部材の位置の変化によって引き起こされる第1の磁場の変化と、第2の磁場内での第2の伝導部材の位置の変化によって引き起こされる第2の磁場の変化とを検出する。
【0021】
しかしながら、好ましくは、磁場発生手段は、1つの磁場発生要素のみを備える。
【0022】
具体的には、少なくとも、磁場内での第1の伝導部材の位置の変化によって引き起こされる磁場の検出された変化に基づいて、入力軸11の第1の回転角度、特に電磁キャリア21に対する第1の伝導部材の第1の回転角度を決定することができ、同様に、少なくとも、磁場内での第2の伝導部材の位置の変化によって引き起こされる磁場の検出された変化に基づいて、出力軸12の第2の回転角度、特に電磁キャリア21に対する第2の伝導部材の第2の回転角度を決定することができ、これにより、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度、すなわち、第1の回転角度と第2の回転角度との間の角度差を決定することが可能となる。
【0023】
また、第1の回転角度および第2の回転角度を決定することなく、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度を直接的に決定することも可能であり、有利であり得ることに留意されたい。これは、幾つかの特定の実施形態を参照して以下でさらに説明され、それにより、より明白になる。
【0024】
本発明の例示的な実施形態によれば、電磁キャリア21は、プリント回路基板(PCB)を備え、磁場発生手段および磁場検出手段がプリント回路基板上に配置されるように構成されている。
【0025】
本発明の例示的な実施形態によれば、磁場発生手段は、使用中にトーションバー13を好ましくは取り囲む磁場発生コイルを備えるように構成されており、かつ/または磁場検出手段は、磁場検出コイルを備えるように構成されている。
【0026】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、第1の伝導部材221と、第2の伝導部材231と、電磁キャリア21との構成を平面図として概略的に示している。
【0027】
好ましくは、第1の伝導部材221および/または第2の伝導部材231は、金属インサートとして構成されていてもよい。
【0028】
図2に示すように、電磁キャリア21は、磁場発生コイル211と、取付け貫通孔212とを備え、磁場発生コイル211は、取付け貫通孔212を取り囲み、ステアリングコラム1は、使用中に非接触で貫通孔212を通過して延在していてもよい。磁場発生コイル211は、少なくとも周方向の所定の角度範囲内で変化する電磁特性、例えば変化するコイルトラック、特に位置が一意であるコイルトラックを有し、少なくとも出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度を最終的に検出することができるようになっている。
【0029】
図2は、磁場発生コイル211に対する第1の伝導部材221および第2の伝導部材231の例示的な相対位置を示している。第1の伝導部材221が入力軸11と共に現在の角度位置とは異なる角度位置まで回転すると、磁場検出手段は、磁場発生コイル211の周方向の電磁特性の変化によって引き起こされる対応する磁場変化信号を検出し、それにより、第1の伝導部材221の回転角度を検出することができる。同様に、第2の伝導部材231の回転角度も検出することができる。この場合、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度は、第1の伝導部材221の回転角度と第2の伝導部材231の回転角度とによって決定することができる。
【0030】
当業者は、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度が比較的小さく、ひいては、第1の伝導部材221の回転角および第2の伝導部材231の回転角度を別々に決定する必要がなく、第1の伝導部材221と第2の伝導部材231との組み合わせによって引き起こされる磁場の変化によって決定することができることを理解されたい。
【0031】
一般に、磁場発生手段、特に磁場発生コイル211は、磁場検出手段によって磁場の検出された変化に基づいて、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度を決定することができる限り、任意の適切な形態で構成されていてもよい。
【0032】
好ましくは、
図2に示されるように、貫通孔212の中心軸線、すなわち、ステアリングコラム1の長手方向軸線に沿って見た場合、第1の伝導部材221および/または第2の伝導部材231は、組み立てられた状態で磁場発生コイル211と少なくとも部分的に重畳している。
【0033】
当業者はまた、磁場発生コイル211を完全に閉じる必要がないことを理解されたい。例えば、
図3は、磁場発生コイル211の例示的な実施形態を部分図として概略的に示している。
図3に示されるように、磁場発生コイル211は、第1の伝導部材221によって覆うことができる小さなギャップ213を有してもよい。
【0034】
加えて、
図1に示すように、入力回転構成要素22および出力回転構成要素23は、電磁キャリア21の異なる側に配置されているが、これは、第1の伝導部材221および第2の伝導部材231を磁場発生コイル211の異なる側に配置しなければならないことを意味するのではなく、反対に、入力回転構成要素22および出力回転構成要素23は、第1の伝導部材221および第2の伝導部材231を磁場発生コイル211の同じ側に配置するように構成されていてもよい。この配置形態は、以下の他の態様の説明を通して明らかになる。
【0035】
ステアリングコラム1の操舵トルクを取得するために、プロセッサ(図示せず)によって磁場の変化を評価しかつ分析することができる。好ましくは、プロセッサは、電磁キャリア21、特にプリント回路基板上に配置することができる。
【0036】
入力回転構成要素22および出力回転構成要素23を適切に構成することにより、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度も検出することができることに留意されたい。これは、幾つかの例示的な実施形態を参照して以下に説明される。
【0037】
図4は、本発明の別の例示的な実施形態による、入力回転構成要素22と、出力回転構成要素23と、電磁キャリア21との構成を平面図として示している。
図5は、この構成を
図4のA-A線に沿った横断面図として示しており、
図6は、この構成を3次元図として示している。
【0038】
図4~
図6に示すように、入力回転構成要素22は、入力軸11に固定されるように適合された第1の固定体222と、第1の伝導部材としての第1の平形パターン構造223とを備えることができ、一方、出力回転構成要素23は、出力軸12に固定されるように適合された第2の固定体232と、第2の伝導部材としての第2の平形パターン構造233とを備えることができ、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233は、ステアリングコラム1の長手方向軸線に対して半径方向に延在し、磁場検出手段(ここでは図示しない)に対して平行に延在し、長手方向軸線に対して平行な方向から見たときに互いに互い違いになっていて、好ましくは共通平面14内にあるように構成されている。
【0039】
具体的には、
図4~
図6に示す実施形態では、第1の固定体222および第2の固定体232は両方とも中空体として、好ましくは円筒体として構成されており、使用中、ステアリングコラム1は中空体を通過して延在することができ、入力回転構成要素22および出力回転構成要素23をそれぞれ入力軸11および出力軸12に固定することができる。電磁キャリア21は、第2の固定体232が貫通して延在することを可能にする取付け貫通孔を備える。第1の平形パターン構造223は、トーションバー13に隣接する第1の固定体222の端部から半径方向外向きに延在し、第2の平形パターン構造233は、トーションバー13に隣接する第2の固定体232の端部から半径方向外向きに延在する。特に、
図5に示すように、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233は、電磁キャリア21の入力軸11に隣接する側の共通平面14に配置されている。当然ながら、当業者は、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233は、電磁キャリア21の出力軸12に隣接する側に配置することもできることを理解されたい。
【0040】
磁場発生手段は、好ましくは、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233の真下に配置されている。
【0041】
第1の平形パターン構造223は、ここでは、第1の固定体222から半径方向に延在する複数の第1の歯224を備えるように構成されており、第1の歯は、好ましくは、第1の収容開口225を任意の2つの隣接する第1の歯224の間に画定するように、周方向に均一に分布されている。好ましくは、第1の歯224は同一形状を有する。
【0042】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1の固定体222は、環状のプラットフォーム226と、複数の歯接続構造227とを備え、複数の歯接続構造227は、好ましくは、プラットフォーム226の外周からそれぞれ第1の歯224に対して軸線方向に延在し、第1の歯224は、プラットフォーム226から離れた、歯接続構造227の対応する端部に形成されている。
【0043】
好ましくは、プラットフォーム226は、ステアリングコラム1の長手方向軸線に対して垂直な平面内に延在する平坦部分として構成されている。
【0044】
第2の平形パターン構造233は、ここでは、第2の固定体232から半径方向に延在する複数の第2の歯234を備えるように構成されており、第2の歯は、好ましくは、第2の収容開口235を任意の2つの隣接する第2の歯234の間に画定するように、周方向に均一に分布される。好ましくは、第2の歯234は同一形状を有する。
【0045】
本発明の例示的な実施形態によれば、第2の歯234は、第2の歯234の外側半径方向端部で外側リング236に接続されており、かつ/または第2の歯234は、第2の固定体232の一部と見なすことができる内側リング237から延在している。この場合、第2の収容開口235のすべての側面が完全に閉じられている。
【0046】
組み立てられた状態では、第1の歯224と第2の歯234とは、互いに互い違いに配置されている。より好ましくは、第1の歯224および第2の歯234が共通平面14内にあるように、各第1の歯224が、対応する第2の収容開口235に挿入されており、各第2の歯234が、対応する第1の収容開口225に挿入されている。
【0047】
当業者は、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度が、第1の平形パターン構造223と第2の平形パターン構造233との組み合わせパターンの変化によって引き起こされる磁場の変化に基づいて検出されるように、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233が、少なくとも所定の回転角度範囲内で互いに相対的に回転することができなければならないことを理解されたい。これは、第1の歯224が第2の収容開口235よりも小さくなければならず、第2の歯234が第1の収容開口225よりも小さくなければならないことを意味する。
【0048】
上記のように、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度は比較的小さく、例えば3°以下であり、したがって、
図4~
図6に示す構成でこの要件を満たすことができる。歯の数は必要に応じて選択することができる。
【0049】
本発明の例示的な実施形態によれば、入力回転構成要素22は、一体形に形成されていてもよく、かつ/または出力回転構成要素23は、一体形に形成されていてもよい。好ましくは、入力回転構成要素22および/または出力回転構成要素23は、打ち抜き工程および/または曲げ工程によって形成されていてもよい。
【0050】
好ましくは、第1の歯224の数は、第2の歯234の数に等しく、かつ/または第1の歯224と第2の歯234とは、同一形状を有する。
【0051】
当業者は、磁場検出手段、例えば磁場検出コイルが、周方向で閉じるように、特に正弦曲線または余弦曲線の形状を有するように構成されている限り、第1の平形パターン構造223および/または第2の平形パターン構造233は所定の角度範囲のみ、例えば270°のみを覆うことを理解されたい。
【0052】
第1の平形パターン構造223と第2の平形パターン構造233との組み合わせは、誤差の原因を低減することができるので、差異の原理を実現することができ、それによって、測定精度を高めることができることに留意されたい。
【0053】
一般に、静電容量の原理および/または渦電流の原理の場合、エアギャップ特性は限られているが、
図4~
図6に示す構成により、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233を共通平面14内に位置決めすることができ、これは、共通平面14と、磁場検出手段、例えば磁場検出コイルとの間に必要なエアギャップを実現することができ、これにより、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度をより正確に決定することができる。
【0054】
当業者は、第1の平形パターン構造223が、
図4~
図6に示す第2の平形パターン構造233のパターン構造を有し、第2の平形パターン構造233が、
図4~
図6に示す第1の平形パターン構造223のパターン構造を有するように、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233の形状を反対の形態で構成することができることを理解されたい。
【0055】
本発明の例示的な実施形態によれば、磁場検出手段は、変化するコイルトラック形状、例えば、徐々に増加するトラック形状、または一意の位置を備えた別のトラック形状を有する磁場検出コイルを備えるように構成されており、これにより、検出精度を付加的に高めることができる。しかしながら、これは必須ではない。
【0056】
図7は、本発明の別の例示的な実施形態による、入力回転構成要素22と、出力回転構成要素23と、電磁キャリア21との構成を平面図として示している。
図8は、この構成を
図7のB-B線に沿った側面断面図として示しており、
図9は、この構成を3次元図として示しており、
図10は、この構成を分解図として示している。
【0057】
図7~
図10に示す構成は、
図4~
図6に示す構成と類似しているが、第1の平形パターン構造223および第2の平形パターン構造233は、歯のデザインが異なる。主な差異のみを以下に説明する。
【0058】
図7~
図10に示すように、第1の平形パターン構造223は、N個の第1の歯224を有し、第2の平形パターン構造233は、2×N個(Nは整数)の第2の歯234を有し、第1の歯224は、第1の半径方向の長さを有する歯として構成されており、第2の歯234は、第2の半径方向の長さを有するN個の第3の歯234’と、第3の半径方向の長さを有するN個の第4の歯234’’とを備えるように構成されており、第3の歯234’と第4の歯234’’とは、周方向に交互に配置されており、第1の歯224は、第1の歯224と第3の歯234’との間に半径方向のギャップ15を有して、第3の歯234’の半径方向の外側に位置しており、さらに、第3の半径方向の長さは、第2の半径方向の長さよりも大きい。好ましくは、第1の半径方向の長さは、第3の半径方向の長さよりも小さく、かつ/または第1の半径方向の長さと、第2の半径方向の長さと、半径方向のギャップ15の半径方向の幅との合計は、第3の半径方向の長さに等しく、第1の歯224および第4の歯234’’は、半径方向に同じ程度に延在している。
【0059】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1の歯224および第2の歯234は均一に分布している。
【0060】
本発明の例示的な実施形態によれば、磁場発生手段、特に磁場発生コイルは、半径方向のギャップ15に近い電磁キャリア21上に配置されており、磁場検出手段は、磁場発生手段の半径方向内側に位置していて、出力軸12の回転角度を検出するために使用される第1の磁場検出コイルと、磁場発生手段の半径方向外側に位置し、第1の歯224と第4の歯234’’との間の角度の変化を検出するために使用される第2の磁場検出コイルとを備える。したがって、出力軸12に対する入力軸11の相対的な回転角度と出力軸12の回転角度とを同時に検出することが可能である。第1の磁場検出コイルは、検出精度を高めるために、少なくとも角度検出を確認する目的で使用することができる。
【0061】
能動的な操舵状態監視システムもまた、ステアリングコラム1の操舵角度を必要とすることが多い。操舵角度の検出方法を以下に説明する。したがって、本発明の第2の態様は、ステアリングコラム1の操舵角度を検出するための操舵角度センサ(SAS)に関する。
【0062】
図11は、操舵角度センサ3の例示的な実施形態を示している。
図11に示すように、操舵角度センサ3は、主に、スリーブ歯車31と、第1の測定歯車32と、第2の測定歯車33と、第1の測定歯車32の回転角度を測定するための第1の角度検出器34と、第2の測定歯車33の回転角度を測定するための第2の角度検出器35とを備え、スリーブ歯車31は、ステアリングコラム1、特に出力軸12に取り付けられていて、操舵角度Φを表し、第1の測定歯車32は、n1個の歯を有し、スリーブ歯車31と噛合しており、第2の測定歯車33は、n2個の歯を有し、スリーブ歯車31と噛合している。第1の測定歯車32の回転角度はθで表され、第2の測定歯車33の回転角度はφで表され、n1とn2とは、互いに正確に割り切れないように選択される。例えば、第1の測定歯車32と第2の測定歯車33とは、歯1つ分だけ異なる。もちろん、適切な数の歯数分異なっていてもよい。
【0063】
したがって、この構成はカーソル(ノニウス)の原理を実現する。
図12は、測定された2つの角度θおよびφの出力特性を例示的に示している。点線はθを表している。
【0064】
この原理を使用して、ステアリングホイールの4回転以上の範囲内で明確な操舵角度を決定することが可能となる。さらに、始動または通電が行われるたびに、操舵角度センサは2つの角度θおよびφを有するので、ステアリングホイールの位置が把握される。
【0065】
第1の角度検出器34は、直径方向に磁化され、第1の測定歯車32の回転中心に固定されて配置される磁石と、磁石の回転による磁場の変化に基づいて回転角度θを検出するために使用される検出要素とを備える。第2の角度検出器35も同様のデザインを有することができる。この場合、待機電流は必要ない。
【0066】
当業者は、上記の実施形態が単なる例示であり、他の実施形態がカーソルの原理に基づいて概念化することができることを理解されたい。
【0067】
本発明の第3の態様は、ステアリングコラム1の操舵トルクと操舵角度とを同時に検出するように構成された統合型のトルク・角度センサに関する。この目的のために、統合型のトルク・角度センサは、操舵トルクを検出するためのトルク検出手段と、操舵角度を検出するための角度検出手段とを備える。トルク検出手段および角度検出手段は、単一のセンサとして統合されている。
【0068】
図13は、本発明の例示的な実施形態による統合型のトルク・角度センサを分解図として示している。
図14は、組み立てられた状態の統合型のトルク・角度センサを断面図として示している。
【0069】
図13に示すように、統合型のトルク・角度センサは、主に、上部カバー4と、下部カバー5と、トルク検出手段6と、角度検出手段7とを備える。
【0070】
トルク検出手段6は、
図4~
図6に示すトルクセンサ2と同様であり、ひいては、また、入力回転構成要素22’と、出力回転構成要素23’と、磁場発生コイル211’(
図13に概略的にのみ示されている)を備えた電磁キャリア21’とを備えるが、しかしながら、
図14に示されるように、入力回転構成要素22’の第1の平形パターン構造223’および出力回転構成要素23’の第2の平形パターン構造233’’は、共通平面にはなく、互いに平行である。
【0071】
角度検出手段7は、ここでは、
図11に示す操舵角度センサ3と同一になるように構成されており、第1の角度検出器の検出要素および第2の角度検出器の検出要素は、第1の測定歯車および第2の測定歯車に対応して面するように、電磁キャリア21’上の対応する位置に直接的に配置されている。
【0072】
上記から、トルク検出手段6および角度検出手段7は、1つの電磁キャリア、例えばPCBを共有し、したがって、構造と組み立て工程との更なる簡素化を可能にすることが分かる。
【0073】
下部カバー5の内側には、第1の測定歯車および第2の測定歯車をそれぞれ回転可能に収容するための2つの支柱51と、下部貫通孔52とが配置されている。この下部貫通孔52は、出力軸に固定されたスリーブ歯車のスリーブ311が下部貫通孔52を通過することができるように適合されている。
【0074】
電磁キャリアは、電気コネクタ214を備える。上部カバー4は、上部貫通孔41を備え、例えば、スナップ嵌めによって下部カバー5に接続可能である。
【0075】
組み立てられた状態では、入力回転構成要素全体および出力回転構成要素の第2の平形パターン構造は、上部カバー4の外側に位置しており、出力回転構成要素の第2の平形パターン構造は、上部カバー4の外面に隣接していて、好ましくは外面に形成された凹部42に位置している。
【0076】
当業者は、統合型のトルク・角度センサは上記の実施形態に限定されないが、任意の適切な形態で実現することができることを理解されたい。例えば、トルクセンサ2は、
図4~
図6または
図7~
図10に示されるように構成されていてもよい。
【0077】
図13および
図14に示されている統合型のトルク・角度センサは、ステアリングコラム1の操舵角度をより広い範囲、例えば最大±780°で検出することができる。したがって、統合型のトルク・角度センサは、軸バランスを有する電気機械式のステアリングシステムなどのシステムでの使用に適している。
【0078】
電動パワーステア・バイ・ワイヤシステムおよび将来的な電動パワーステアリングシステムなどの角度計測アプリケーションシナリオの場合、±360°の角度があれば十分であり、必要な測定歯車は1つだけであるが、これは、この範囲の操舵角度が、この単一の測定歯車によって取得された回転角度情報と、出力回転構成要素の第2の平形パターン構造によって取得された出力軸回転角度情報とに基づいて共同で検出することができるためである。この場合、そのような統合型のトルク・角度センサは、前述の統合型のトルク・角度センサから1つの測定歯車を除去し、電磁キャリアのハードウェアパッケージを変更することによって得ることができる。
【0079】
同様に、±360°を扱う操舵角度センサの場合、1つの測定歯車および出力回転構成要素の第2の平形パターン構造のみを使用するだけで十分であり、したがって、入力回転構成要素も除去することができる。もちろん、両方の測定歯車を保持することもできるため、出力回転構成要素の第2の平形パターン構造は、操舵角度の測定精度を高めるためにのみ使用される。
【0080】
したがって、1つ以上の構成要素を除去し、場合によってはハードウェアパッケージを変更するだけで、
図13および
図14に示す統合型のトルク・角度センサから、様々なアプリケーションシナリオ用の独立したトルクセンサ、独立した操舵角度センサおよび統合型のトルク・角度センサを得ることができ、これは極めて有利である。
【0081】
様々なサイズのステアリングコラムの場合、複雑な電気機器としての電磁キャリアは変更しないままでよく、対応するサイズを有する幾つかの適切な機械構成要素を選択するだけで事足りる。これも極めて有利である。
【0082】
本発明を特定の実施形態を参照して本明細書で説明および記述してきたが、本発明は、示された詳細に限定されるものではない。これらの詳細は、本発明の範囲内で様々な形式で修正されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラムの操舵トルクを検出するトルクセンサであって、
前記ステアリングコラムは、
入力軸と、
出力軸と、
前記入力軸と前記出力軸との間に接続されたトーションバーと、
を備え、
前記トルクセンサは、
前記入力軸と共に回転可能であり、第1の伝導部材を備える入力回転構成要素と、
前記出力軸と共に回転可能であり、第2の伝導部材を備える出力回転構成要素と、
位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアと、
を備え、
前記磁場発生手段は、前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とを貫通する磁場を発生させるように構成されており、
前記磁場検出手段は、前記ステアリングコラムがねじり応力下にあるときに、前記磁場内での前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材との位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出するように構成されており、
前記操舵トルクは、少なくとも前記磁場の検出された変化に基づいて決定される、
トルクセンサ。
【請求項2】
前記電磁キャリアは、プリント回路基板と、電気コネクタと、取付け貫通孔とを備え、前記ステアリングコラムは、使用時に前記取付け貫通孔を通過しており、前記磁場発生手段と前記磁場検出手段とは、前記プリント回路基板上に配置されている、請求項
1記載のトルクセンサ。
【請求項3】
前記磁場発生手段は、好ましくは環状磁場発生コイルの形態で構成されており、かつ/または
前記磁場検出手段は、好ましくは環状磁場検出コイルの形態で構成されている、
請求項
2記載のトルクセンサ。
【請求項4】
前記出力軸に対する前記入力軸の相対的な回転角度は、前記磁場の検出された変化に基づいて決定され、前記操舵トルクは、少なくとも前記相対的な回転角度に基づいて決定される、請求項1
から3のいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項5】
前記電磁キャリアに対する前記入力軸の第1の回転角度は、少なくとも、前記磁場内での前記第1の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の検出された変化に基づいて決定され、
前記電磁キャリアに対する前記出力軸の第2の回転角度は、少なくとも、前記磁場内での前記第2の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の検出された変化に基づいて決定され、
前記相対的な回転角度は、前記第1の回転角度と前記第2の回転角度とに基づいて決定される、
請求項
4記載のトルクセンサ。
【請求項6】
前記磁場検出手段は、前記磁場内での前記第1の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出する第1の磁場検出要素と、前記磁場内での前記第2の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出する第2の磁場検出要素と、を備え、
好ましくは、前記第1の磁場検出要素と前記第2の磁場検出要素とは、前記第1の磁場検出要素が前記第1の伝導部材に面し、前記第2の磁場検出要素が前記第2の伝導部材に面するように、前記電磁キャリアの異なる側に配置されている、
請求項5記載のトルクセンサ。
【請求項7】
前記第1の伝導部材は、前記ステアリングコラムの長手方向軸線に対して垂直な第1の平面に沿って半径方向に延在するように構成されており、前記第2の伝導部材は、前記ステアリングコラムの前記長手方向軸線に対して垂直な第2の平面に沿って半径方向に延在するように構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項8】
前記第1の伝導部材および/または前記第2の伝導部材は、金属インサートとして構成されてい
る、
請求項7記載のトルクセンサ。
【請求項9】
前記磁場発生手段は、少なくとも周方向の所定の角度範囲内で変化する電磁特性、例えば、位置が一意であるコイルトラックを有する、請求項8記載のトルクセンサ。
【請求項10】
前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とは、前記電磁キャリアに隣接するように前記電磁キャリアの同じ側に、好ましくは前記電磁キャリアの、前記入力軸に隣接する側に配置されている、請求項7から9までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項11】
前記第1の平面は、前記第2の平面よりも前記入力軸に近くなるように位置決めされており、これによって、前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とが、軸線方向で離間されている、または
前記第1の平面と前記第2の平面とは、同一平面上にあり、これによって、前記第1の伝導部材と前記第2の伝導部材とが、互いに内外で挿入されていて、所定の回転角度範囲内で互いに相対的に回転可能である、
請求項
7記載のトルクセンサ。
【請求項12】
前
記第1の伝導部材は、第1の平形パターン構造として構成されており、かつ/または前記第2の伝導部材は、第2の平形パターン構造として構成されている、
請求項11記載のトルクセンサ。
【請求項13】
前記第1の平形パターン構造は、好ましくは周方向に分布する複数の第1の歯を有するように構成されており、かつ/または前記第2の平形パターン構造は、好ましくは周方向に分布する複数の第2の歯を有するように構成されている、請求項1
2記載のトルクセンサ。
【請求項14】
前記第1の歯は、同一形状を有し、かつ/または前記第2の歯は、同一形状を有し、好ましくは、前記第1の歯と前記第2の歯とは、同一形状を有し、かつ/または
前記第1の歯の数は、前記第2の歯の数と等しく、かつ/または前記第1の歯と前記第2の歯とは、互いに互い違いになっている、
請求項1
3記載のトルクセンサ。
【請求項15】
前記第1の歯または前記第2の歯は、前記第1の歯または前記第2の歯の外側の半径方向の端部で外側リングに接続されており、かつ/または前記第1の歯または前記第2の歯は、内側リングから半径方向に延在している、請求項1
3または1
4記載のトルクセンサ。
【請求項16】
前記第2の歯は、複数の第3の歯と、複数の第4の歯と、を備え、前記第3の歯と前記第4の歯とは、交互に分布しており、前記第1の歯の数と、前記第3の歯の数と、前記第4の歯の数とは、互いに等しく、前記第1の歯は、前記第1の歯と前記第3の歯との間に半径方向のギャップを有して、前記第3の歯の半径方向外側に位置しており、前記第1の歯の半径方向の長さは、前記第4の歯の半径方向の長さよりも短く、
好ましくは、前記第1の歯と前記第4の歯とは、同じ程度に半径方向外向きに延在している、
請求項1
3記載のトルクセンサ。
【請求項17】
前記磁場発生手段は、前記半径方向のギャップの近くに配置されており、第1の磁場検出コイルが、前記磁場発生手段の半径方向内側に位置していて、前記出力軸の回転角度情報を検出するために使用され、第2の磁場検出コイルが、前記磁場発生手段の半径方向外側に位置していて、前記第1の歯と前記第4の歯との間の角度の変化を検出するために使用される、請求項1
6記載のトルクセンサ。
【請求項18】
前記ステアリングコラムの長手方向軸線に沿って見た場合、前記磁場発生手段は、前記第1の伝導部材および/または前記第2の伝導部材と少なくとも部分的に重畳している、請求項1から1
7までのいずれか1項記載のトルクセンサ。
【請求項19】
ステアリングコラムの操舵トルクと操舵角度とを検出する統合型のトルク・角度センサであって、少なくとも、
前記操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
前記操舵角度を検出する角度検出手段と、
を備え、
前記トルク検出手段は、請求項1から1
8までのいずれか1項記載のトルクセンサを備えるように構成されている、統合型のトルク・角度センサ。
【請求項20】
前記角度検出手段は、カーソルの原理に基づいて前記操舵角度を検出するように構成されている、請求項1
9記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項21】
前記角度検出手段は、少なくとも、出力軸または入力軸に取り付けられるスリーブ歯車と、前記スリーブ歯車と噛合する第1の測定歯車と、前記第1の測定歯車の回転角度を測定する第1の角度検出器と、を備え、前記角度検出手段は、少なくとも、前記磁場内での前記第2の伝導部材の前記位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化によって取得される前記出力軸または前記入力軸の回転角度情報と、前記第1の測定歯車の前記回転角度とに基づいて前記操舵角度を検出するように構成されている、請求項1
9または
20記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項22】
前記角度検出手段は、前記スリーブ歯車と噛合する第2の測定歯車と、前記第2の測定歯車の回転角度を測定する第2の角度検出器と、をさらに備え、前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、互いに正確に割り切れないように選択され、前記操舵角度の検出には、前記第2の測定歯車の前記回転角度も使用される、請求項2
1記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項23】
前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、1つだけ異なる、請求項2
2記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項24】
前記第1の角度検出器は、前記第1の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第1の磁石と、前記第1の測定歯車の前記回転角度を検出する第1の検出要素と、を備え、
前記第2の角度検出器は、前記第2の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第2の磁石と、前記第2の測定歯車の前記回転角度を検出する第2の検出要素と、を備え、
前記第1の検出要素と前記第2の検出要素とは、前記電磁キャリア上に配置されている、
請求項2
2または2
3記載の統合型のトルク・角度センサ。
【請求項25】
ステアリングコラムの操舵角度を検出する操舵角度センサであって、少なくとも、
前記ステアリングコラムに取り付けられるスリーブ歯車と、
前記スリーブ歯車と噛合する第1の測定歯車と、
前記第1の測定歯車の回転角度を測定する第1の角度検出器と、
前記ステアリングコラムと共に回転可能であり、伝導部材を備える回転構成要素と、
位置固定されて位置決めされ、磁場発生手段と磁場検出手段とを備える電磁キャリアと、
を備え、
前記磁場発生手段は、前記伝導部材を貫通する磁場を発生させるように構成されており、前記磁場検出手段は、前記ステアリングコラムが回転するときに、前記磁場内での前記伝導部材の位置の変化によって引き起こされる前記磁場の変化を検出するように構成されており、前記ステアリングコラムの回転角度情報が、前記磁場の検出された変化に基づいて取得され、前記操舵角度センサは、少なくとも前記ステアリングコラムの前記回転角度情報と前記第1の測定歯車の前記回転角度とに基づいて前記操舵角度を検出するように構成されている、
操舵角度センサ。
【請求項26】
前記操舵角度センサは、前記スリーブ歯車と噛合する第2の測定歯車と、前記第2の測定歯車の回転角度を測定する第2の角度検出器と、をさらに備え、前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、互いに正確に割り切れないように選択され、前記操舵角度の検出には、第2の測定歯車の前記回転角度も使用される、請求項2
5記載の操舵角度センサ。
【請求項27】
前記第1の測定歯車の歯の数と前記第2の測定歯車の歯の数とは、1つだけ異なる、請求項2
6記載の操舵角度センサ。
【請求項28】
前記第1の角度検出器は、前記第1の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第1の磁石と、前記第1の測定歯車の前記回転角度を検出する第1の検出要素と、を備え、
前記第2の角度検出器は、前記第2の測定歯車の回転中心に固定されて配置された第2の磁石と、前記第2の測定歯車の前記回転角度を検出する第2の検出要素と、を備え、
前記第1の検出要素と前記第2の検出要素とは、前記電磁キャリア上に配置されている、
請求項2
6または2
7記載の操舵角度センサ。
【請求項29】
能動的な操舵状態監視システムであって、
請求項1から1
8までのいずれか1項記載のトルクセンサまたは
請求項1
9から2
4までのいずれか1項記載の統合型のトルク・角度センサまたは
請求項2
5から2
8までのいずれか1項記載の操舵角度センサ
を備える、能動的な操舵状態監視システム。
【国際調査報告】