(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】器具較正
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20220831BHJP
【FI】
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576979
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 IB2020055335
(87)【国際公開番号】W WO2020261003
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シューマン・ステファン
(72)【発明者】
【氏名】パルス・マーク
(57)【要約】
外科用器具の仮想表現を修正して、外科用器具の遠位先端の任意の変動を調整することを可能にする、外科用器具較正方法、システム、及び装置が提供される。例えば、外科用器具、較正器具、及び監視システムを有することができる、器具較正システムが提供される。外科用器具は、遠位先端と、その上の配向要素とを有することができ、較正器具は、その上の枢動点と、そこに取り付けられた較正基準要素とを有することができる。監視システムは、外科用器具の先端が較正器具の枢動点内に挿入されたときの較正器具に対する外科用器具の移動を記録し、記録された移動に基づいて、予め定義された理想的な先端からの外科用器具の先端のずれを計算するように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具較正システムであって、
近位端及び遠位端を備える細長いシャフトを有する外科用器具であって、前記遠位端は、最遠位先端を有し、前記近位端は、初期位置で固定された配向要素をその上に有する、外科用器具と、
周りで枢動させるために前記外科用器具の前記最遠位先端を受容するように構成された枢動点を上に有する較正器具であって、前記較正器具は、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準要素を有する、較正器具と、
前記外科用器具の前記最遠位先端が前記較正器具の前記枢動点に位置決めされた状態で、前記外科用器具を移動させる際に、前記配向要素の座標を前記較正基準要素に対してマッピングするように構成された監視システムであって、前記監視システムは、予め定義された理想的な最遠位先端を有する予め定義された外科用器具の少なくとも1つの所定の基準座標からの、前記配向要素のマッピングされた前記座標のずれを計算するように構成されており、また、計算された前記ずれに基づいて、ディスプレイ上の前記外科用器具の仮想表現を修正するように構成されている、監視システムと、
を備える、器具較正システム。
【請求項2】
前記外科用器具の前記遠位端は、湾曲した先端を有する、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項3】
前記外科用器具の前記遠位端は、内部に形成された空洞を有する、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項4】
前記監視システムは、前記配向要素が前記外科用器具に対して固定位置に留まっている間に、前記外科用器具に対する前記配向要素の初期の向きを判定するように構成されている、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項5】
前記監視システムは、前記近位端上の前記配向要素が、前記外科用器具上の前記初期位置とは異なる複数の第2の位置のうちの1つに移動される間に、前記較正器具に対する前記外科用器具の移動を再記録することを必要とせずに、前記外科用器具の実際の向きを判定するように構成されている、請求項4に記載の器具較正システム。
【請求項6】
前記較正器具上の前記枢動点は、複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点を備え、前記複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点の各々は、複数の異なる外科用器具の複数の異なる最遠位先端のうちの1つに対応するように構成されている、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項7】
前記監視システムは、前記複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点のうちのどの枢動点が使用されるかに応じて更新されるように構成されている、請求項6に記載の器具較正システム。
【請求項8】
前記配向要素及び前記較正基準要素の各々は、複数の追跡可能な標的を上に有するアレイ、電磁センサ、及びジャイロスコープのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項9】
前記監視システムは、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのディスプレイを備える、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項10】
前記外科用器具は、ねじ回し及び椎間板切除装置のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項11】
前記監視システムは、ロボット手術システムの一部であり、前記外科用器具は、前記ロボット手術システムによって制御されるように構成されている、請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項12】
前記配向要素は、前記外科用器具の周りを複数の既知の向きに回転するように構成されており、
前記監視システムは、前記複数の既知の向きの各々における前記較正基準要素に対する前記配向要素の相対位置を再記録することなく、前記配向要素の前記複数の既知の向きの各々に基づいて、ディスプレイ上の前記外科用器具の仮想表現を更新するように構成されている、
請求項1に記載の器具較正システム。
【請求項13】
外科用ナビゲーション中に使用するために外科用器具を較正する方法であって、
前記外科用器具の遠位端上の最遠位先端を、較正器具上の枢動点の上に挿入することであって、前記較正器具は、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準要素を有する、挿入することと、
監視システムが、前記較正器具上の前記較正基準要素の基準座標点に対して前記外科用器具上の第1の位置で固定された配向要素の基準座標点を記録する間に、前記較正器具の上方のほぼ円形の経路に沿って前記外科用器具の近位端が移動するように、前記枢動点の周りで前記外科用器具を枢動させることと、
前記監視システムにより、記録された前記基準座標点を、予め定義された理想的な外科用器具上の配向要素の少なくとも1つの記憶された基準座標点と比較して、前記比較に基づいて、予め定義された理想的な最遠位先端からの前記外科用器具の前記最遠位先端のずれを計算することと、
前記最遠位先端の前記ずれを求めた後に、前記監視システムにより、計算された前記ずれに基づいて、ディスプレイ上の前記外科用器具の仮想表現を修正することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記監視システムにより、前記配向要素が前記外科用器具に対して固定位置に留まっている間に、前記外科用器具に対する前記配向要素の初期の向きを判定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記枢動点は、前記較正器具の取り外し可能部分上に形成され、前記較正器具の前記取り外し可能部分を、前記外科用器具の前記最遠位先端に一致するように構成された異なる形状の、第2の枢動点を有する第2の取り外し可能部分と交換することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の枢動点に基づいて、前記監視システムを更新することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記計算されたずれに基づいて、前記外科用器具の前記仮想表現を修正した後に、前記外科用器具の前記配向要素を異なる既知の向きまで回転させることと、
前記監視システムにより、前記配向要素の前記異なる既知の向きに基づいて、前記ディスプレイ上の前記外科用器具の前記仮想表現を修正することと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
最遠位先端を備える外科用器具を較正するための方法であって、
監視システムにより、較正器具上の較正基準要素に対する前記外科用器具上の初期位置における配向要素の移動を記録することと、
前記監視システムに動作可能に連結されたプロセッサにより、前記外科用器具の前記配向要素の記録された前記移動を前記配向要素の予想される移動と比較することによって、前記外科用器具の前記最遠位先端の予め定義された仮想表現からの前記外科用器具の前記最遠位先端のずれを計算することであって、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現は、前記プロセッサによりアクセス可能なメモリに記憶された、前記外科用器具の表現を定義する複数のデータポイントを含む、計算することと、
前記プロセッサにより、前記最遠位先端の計算された前記ずれに基づいて、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現の前記複数のデータポイントのうち、前記メモリに記憶された1つ以上の第1のデータポイントを更新することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記プロセッサにより、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現の更新された前記1つ以上の第1のデータポイントを表示するように外科用ディスプレイを制御することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の第1のデータポイントを更新した後に、前記プロセッサにより、前記配向要素が前記外科用器具上の前記初期位置とは異なる第2の位置に移動されるときに、前記較正器具に対する前記外科用器具の前記移動を再記録することなく、使用中の前記外科用器具の向きを判定することと、
前記プロセッサにより、前記配向要素の前記第2の位置に基づいて、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現の前記複数のデータポイントのうち、前記メモリに記憶された1つ以上の第2のデータポイントを更新することと、
を更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
外科用器具に対して器具較正を実行するための外科用の装置、システム、及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援型手術及び/又はロボット支援型手術は、手術中の改善された視覚化、誘導、器具全体のより良好な制御などのような異なる様々な利益を外科医に提供することによって、より成功した手術結果を可能にしてきた。コンピュータシステム及び/又はロボットシステムは、処置中に外科用器具の移動を追跡し、患者のスキャンに関する器具の仮想表現を提供するために使用される。器具の移動を正確に追跡し、様々な仮想表現で器具を正確に表すことは、患者の安全性にとって重要である。したがって、使用前に、各器具を較正して、正確な測定及び正確な仮想表現を保証する必要がある。しかしながら、現在の方法は、器具の正確なモデル化などの課題を提示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、改善された器具較正技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
湾曲した遠位先端を有する器具などにおいて経時的に遠位先端で起こり得る任意の捩れ又は屈曲に適応するため器具の仮想表現を更新することができるように、器具を較正することを可能にする方法、装置、及びシステムが、本明細書に提供される。一態様において、器具較正システムは、近位端及び遠位端を備える細長いシャフトを有する外科用器具を備えている。遠位端は、最遠位先端を有し、近位端は、初期位置で固定された配向要素をその上に有する。本システムはまた、周りで枢動させるために外科用器具の最遠位先端を受容するように構成されている点を上に備える較正器具を有する。較正器具はまた、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準要素を有する。本システムはまた、較正基準要素に対する配向要素の相対位置を記録することによって、外科用器具の最遠位先端が較正器具の枢動点に位置決めされたときの外科用器具の移動を記録するように構成されている監視システムを有する。監視システムは、外科用器具の配向要素の記録された移動、外科用器具の予め定義された理想的な器具軸、及び外科用器具の予め定義された理想的な最遠位先端に基づいて、予め定義された理想的な最遠位先端からの外科用器具の最遠位先端のずれを計算するように構成されており、また、監視システムは、計算されたずれに基づいて、ディスプレイ上の外科用器具の仮想表現を修正するように構成されている。
【0005】
本システムは、多数の変形形態を有することができる。例えば、外科用器具の遠位端は、湾曲した先端とすることができる。別の例では、外科用器具の遠位端は、内部に形成された空洞を有することができる。一例では、監視システムは、配向要素が外科用器具に対して固定位置に留まっている間に、外科用器具に対する配向要素の初期の向きを判定するように構成することができる。別の例では、監視システムは、近位端上の配向要素が、外科用器具上の初期位置とは異なる複数の第2の位置のうちの1つに移動される間に、較正器具に対する外科用器具の移動を再記録することを必要とせずに、使用時の外科用器具の実際の向きを判定するように構成することができる。
【0006】
更に別の例では、較正器具上の枢動点は、複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点を含むことができ、複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点の各々は、複数の異なる外科用器具の複数の異なる最遠位先端のうちの1つに対応するように構成することができる。監視システムはまた、複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点のうちのどの枢動点が使用されるかに応じて更新されるように構成することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、配向要素及び較正基準要素の各々は、複数の追跡可能な標的をその上に有するアレイ、電磁センサ、及びジャイロスコープのうちの少なくとも1つを含むことができる。監視システムはまた、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのディスプレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、監視システムは、ロボット手術システムの一部とすることができ、外科用器具は、ロボット手術システムによって制御されるように構成することができる。例示的な外科用器具としては、例えば、ねじ回し及び椎間板切除装置が挙げられる。別の実施形態では、配向要素は、外科用器具の周りを複数の既知の向きに回転するように構成することができ、監視システムは、複数の既知の向きの各々における較正基準要素に対する配向要素の相対位置を再記録することなく、配向要素の複数の既知の向きの各々に基づいて、ディスプレイ上の外科用器具の仮想表現を更新するように構成することができる。
【0008】
別の態様において、外科用器具の遠位端上の最遠位先端を、較正器具上の枢動点の上に挿入することを含む一方で、較正器具は、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準要素を有する、外科用ナビゲーション中に使用するために外科用器具を較正する方法が提供される。本方法はまた、監視システムが、較正器具上の較正基準要素の基準座標点に対して外科用器具上の第1の位置で固定された配向要素の基準座標点を記録する間に、較正器具の上方のほぼ円形の経路に沿って外科用器具の近位端が移動するように、枢動点の周りで外科用器具を枢動させることを含む。本方法は更に、監視システムにより、記録された基準座標点を、予め定義された理想的な外科用器具上の配向要素の少なくとも1つの記憶された基準座標点と比較して、比較に基づいて、予め定義された理想的な最遠位先端からの外科用器具の最遠位先端のずれを計算することを含む。最遠位先端のずれを求めた後に、監視システムは、計算されたずれに基づいて、ディスプレイ上の外科用器具の仮想表現を修正する。
【0009】
本方法は、多数の変形形態を有し得る。例えば、本方法は、監視システムにより、配向要素が外科用器具に対して固定位置に留まっている間に、外科用器具に対する配向要素の初期の向きを判定することを更に含むことができる。
【0010】
別の実施形態では、枢動点は、較正器具の取り外し可能部分上に形成することができ、本方法は、較正器具の取り外し可能部分を、外科用器具の最遠位先端に一致するように構成された異なる形状の、第2の枢動点を有する第2の取り外し可能部分と交換することを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、第2の枢動点に基づいて、監視システムを更新することを含むことができる。
【0011】
他の態様において、本方法は、計算されたずれに基づいて、外科用器具の仮想表現を修正した後に、外科用器具の配向要素を異なる既知の向きまで回転させることと、監視システムにより、配向要素の異なる既知の向きに基づいて、ディスプレイ上の外科用器具の仮想表現を修正することと、を含むことができる。
【0012】
別の態様において、監視システムにより、較正器具上の較正基準要素に対する外科用器具上の初期位置における配向要素の移動を記録することを含む、最遠位先端を備える外科用器具を較正するための方法が提供される。本方法はまた、監視システムに動作可能に連結されたプロセッサにより、外科用器具の配向要素の記録された移動を配向要素の予想される移動と比較することによって、外科用器具の最遠位先端の予め定義された仮想表現からの外科用器具の最遠位先端のずれを計算することを含む。外科用器具の最遠位先端の予め定義された仮想表現は、プロセッサによりアクセス可能なメモリに記憶された、外科用器具の表現を定義する複数のデータポイントを含む。本方法はまた、プロセッサにより、最遠位先端の計算されたずれに基づいて、外科用器具の最遠位先端の予め定義された仮想表現の複数のデータポイントのうち、メモリに記憶された1つ以上の第1のデータポイントを更新することを含む。
【0013】
本方法の複数の変形形態が可能である。例えば、本方法は、プロセッサにより、外科用器具の最遠位先端の予め定義された仮想表現の更新された1つ以上の第1のデータポイントを表示するように外科用ディスプレイを制御することを含むことができる。別の例では、本方法は、1つ以上の第1のデータポイントを更新した後に、プロセッサにより、配向要素が外科用器具上の初期位置とは異なる第2の位置に移動されるときに、較正器具に対する外科用器具の移動を再記録することなく、使用中の外科用器具の向きを判定することを含むことができる。そのような例では、本方法はまた、プロセッサにより、配向要素の第2の位置に基づいて、外科用器具の最遠位先端の予め定義された仮想表現の複数のデータポイントのうち、メモリに記憶された1つ以上の第2のデータポイントを更新することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
上述した実施形態は、添付の図面と併せて説明する以下の詳細な説明から更に十分に理解されよう。図面は、一定の縮尺で描かれることを意図していない。説明を明瞭にするために、全ての図面では、構成要素全てが、必ずしも符号付けされていない場合がある。図面は、以下のとおりである。
【
図2A】
図1の較正器具の枢動点の断面側面図である。
【
図2B】
図1の較正器具と同様の較正器具の別の実施形態における枢動点の断面側面図である。
【
図5】患者及び監視システムの一実施形態を上から見下ろした図である。
【
図6】制御システムアーキテクチャの一実施形態を示す図である。
【
図7】
図1の較正器具に対して回転及び/又は枢動する
図3の外科用器具の較正プロセスの一実施形態のフロー図を示す。
【
図8】
図3の器具の較正プロセスの別のフロー図を示す。
【
図9】
図1の較正器具と相互作用する
図3の外科用器具の斜視図である。
【
図11】
図10の外科用器具及び較正器具の継続的な回転の斜視図である。
【
図12】
図11の外科用器具及び較正器具の継続的な回転の斜視図である。
【
図13A】
図3の器具の予め定義された又は理想的なバージョンに適合する仮想球を示すグラフィックインターフェースの画像である。
【
図13B】
図10~
図12の回転に基づいて作成された仮想追跡点を示すグラフィックインターフェースの画像である。
【
図13C】
図13Bの追跡点に基づいて、
図3の器具の仮想器具シャフトを示すグラフィックインターフェースの画像である。
【
図13D】
図13Bの追跡点に適合する仮想球を示すグラフィックインターフェースの画像である。
【
図13E】
図13Aの仮想球の上にマッピング又は転置された
図13Dの仮想球を示すグラフィックインターフェースの画像である。
【
図14】外科用器具の別の実施形態の斜視図である。
【
図18】外科用器具の別の実施形態の側面図である。
【
図19】較正器具の別の実施形態を備える
図18の外科用器具の遠位端の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態のうちの1つ以上の実施例が、添付の図面に例解される。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に図示される装置及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、並びに本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して例解又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0016】
更に、本開示においては、実施形態の同様の名称の構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の名称の各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、装置、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、装置、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及び装置、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも、システム及び装置が内部で使用される対象の解剖学的構造、システム及び装置が使用される構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及び装置が使用される方法及び処置に依存し得る。
【0017】
湾曲した遠位先端を備える外科用器具に対して器具較正を実行するための様々な例示的な方法、装置、及びシステムが提供される。コンピュータ支援型手術及び/又はロボット支援型手術中に、コンピュータシステム又はロボットシステムが器具の現在の場所を正しく評価し、支援、誘導などを外科医に正しく提供することができるようにするためには、手術中に任意の器具の正確な仮想表現が使用されることが必要である。湾曲した遠位先端を備える器具の仮想表現は、対応する外科用器具の実際の遠位先端が経時的に屈曲する又は歪む結果として不正確になることがあるので、湾曲した遠位先端を備える器具の仮想表現を、器具の遠位先端の現在の幾何学形状を正確に反映するように更新することにより、より良好な手術結果を可能にすることができる。例えば、コンピュータシステム又はロボットシステムによって使用される仮想表現は、遠位先端が理想的な状態であることをシステムが想定する必要なく、手術において使用される器具を正確に反映することができる。追加的に、これは、湾曲した遠位先端が完全な又はほぼ完全な状態ではないが、それ以外は外科用器具が外科的に許容可能であることのみを理由に、較正することができない任意の外科用器具を破棄する必要性を排除することによって、廃棄物の減少を可能にすることができる。したがって、コンピュータシステム又はロボットシステムが、繰り返し使用した後であっても、器具の正確な遠位先端の幾何学形状及び測定値を判定し、器具の仮想表現を正確に更新することができるように、本明細書で提供される方法、装置、及びシステムを使用して、湾曲した先端を備える器具を正確に較正することができる。
【0018】
第1の向きで外科用器具上に固定されたナビゲーションアレイを使用して、湾曲した遠位先端を備える外科用器具に対して器具較正を実行することができる。特定の実施形態では、ナビゲーションアレイは、ナビゲーションアレイの向きが変更される度に再較正することを外科用器具の要件とすることなく、外科用器具をコンピュータシステム又はロボットシステムによって継続的に追跡できることを保証するために、使用中に外科用器具上で1つ以上の異なる向きに回転及び/又は移動させることができる。この移動により、時間を節約し、システムにより器具が追跡されることを依然として保証しながら、使用中に外科用器具を回転又は操縦する際のより高い柔軟性を外科医に許容する。
【0019】
例示的な器具較正システムは、湾曲した遠位先端及びその上の配向アレイを有する細長いシャフトを備える、外科用器具を含むことができる。また、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準アレイを有する較正器具を提供することができる。較正器具内に、上記器具の湾曲した遠位先端を受容するように構成されている枢動点を形成することができる。また、外科用器具の湾曲した遠位先端が較正器具の枢動点内に挿入され、当該器具がその周りで回転されるときに、外科用器具の座標を記録するように構成されている監視システムを提供することができる。記録された座標に基づいて、監視システムは、予め定義された理想的な湾曲した先端からの外科用器具の湾曲した遠位先端のずれを計算し、仮想表現が、任意の屈曲又はずれが反映されている状態で器具の実際の湾曲した遠位先端を正確にミラーリングするように、計算されたずれに基づいて、ディスプレイ上の外科用器具の仮想表現を修正するように構成することができる。仮想表現は、本明細書で論じる器具及びシステムの一部を表す様々な異なる情報及び/又はデータを含むことができる。例えば、仮想表現は、本明細書で論じるシステムの様々な構成要素の形状、向き、場所などを定義する及び/又は表す複数のデータポイントを含むことができる。
【0020】
図1は、内部に形成された枢動点110、及びその上に取り付けられた較正基準アレイ120を備える較正器具100の一実施形態を表す。較正器具100は、以下で詳細に論じられる監視システム300による、湾曲した遠位先端210を備える外科用器具200の較正を可能にするように構成されている。較正器具100は、監視システム300に既知の予め定義された側部及び形状を有し、その一方の側部102に枢動点110が形成される。
【0021】
枢動点110は、外科用器具200の湾曲した遠位先端410を内部に受容するように構成されている。枢動点110は、湾曲した遠位先端210を補完するように、また、湾曲した遠位先端210の最遠位端212上に比較的しっかりした保持を提供して、遠位先端210が枢動点110内で摺動することを防止するようにサイズ決定及び成形することができる。同時に、枢動点210は、以下でより詳細に論じるように、外科用器具200がその周りで滑らかに回転又は枢動することができる固定点を提供する。したがって、枢動点110は、具体的には、特定の器具又は器具の群の遠位先端を受容するように構成することができ、空洞の深さのような枢動点110の寸法、側壁102上の円形開口部の直径、空洞の側壁の角度などは全て変更することができる。例えば、枢動点110は、円錐形の先端又はより丸みを帯びた先端を受容するために、
図2Aに示すように、逆円錐のような形状の空洞とすることができる。しかしながら、異なる実施形態は、その中に受容される遠位端の種類に応じて、逆円筒形、球体角錐、プリズムなどのような異なる形状の枢動点を有することができる。枢動点110は、較正器具100の一方の側部102に形成されているが、他の実施形態では、較正器具100上の様々な他の場所に形成することができる。追加的に、いくつかの実施形態では、枢動点110は、異なる種類の遠位先端を受け入れるように構成された異なる枢動点を、異なる種類の器具の較正中に挿入し、使用することを可能にするように、取り外し可能かつ交換可能であり得る。例えば、
図2Bは、器具100と同様の較正器具150内に挿入され、そこから除去され得る取り外し可能な枢動点機構152を示し、取り外し可能な枢動点機構152は、様々な異なる手段によって、例えばクリップ、係合、摩擦などによって、定位置に固定することができる。
【0022】
較正器具100はまた、監視システム300により追跡されるように構成されている、そこに取り付けられた較正基準アレイ120を有する。較正基準アレイ120は、較正中に、予め定義された3次元較正座標系130を監視システム300に提供することができるように、監視システム300に既知の予め定義された配置を有する。例えば、較正基準アレイ120は、枢動点110に対して器具200を枢動させることによって器具200が較正される際に、較正基準アレイ120を含む画像を監視システム300が撮像することを可能にするように構成されている。較正基準アレイ120自体及び較正器具100に対する較正基準アレイ120の寸法配置及び向きは、予め定義され、また監視システム300に既知であるので、較正基準アレイ120は、監視システム300が、各画像において較正基準アレイ120を使用して、各画像における較正基準アレイ120の位置及び視認性に基づいて画像内の他の物体の様々な向き及び測定値を判定することを可能にする。これにより、監視システム300は、較正座標系130のコンテキスト内でスケーリングするために、画像内の他の物体を効果的に配置することが可能になる。
【0023】
図示された較正基準アレイ120は、その上に3つの標的122a、122b、122cを有し、これらの標的は、較正座標系130を監視システム300及び/又は制御システム400に提供するために監視システム300により画像化し、追跡することができる。標的122a、122b、122cは、較正器具100の上面104と平行に、及び上面104の上方に延びる単一の平面内に、概ね三角形の構成で配置される。標的122a、122bは、較正器具100の上面104で、互いに横方向に離れて延びるウイング部124、126上に配置される。較正器具100は、ウイング部126上に載り、定義された一定の角度で較正器具100を維持するように、横向きに傾けることができる。したがって、較正中、枢動点110は、
図10~
図12に示すように、器具200の遠位先端をその中に挿入することができるようにアクセス可能である。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の標的122a、122b、122cの向き及び配置は、平坦な正方形、長方形など、又は3次元立方体、角錐体などで配置されるように変動することができ、また、ウイング部124、126を、較正器具100上の他の場所に配置すること、又は較正器具100から完全に除去することができる。また、較正器具100自体が、例えば、器具100の縁部に沿って器具100の1つ以上の側部に基準平面を提供する様々な標的をその上に有することができる。較正器具100は、
図1に示した特定の長方形のウイング構造体を有するが、他の実施形態では、較正器具は、1つ以上の較正基準要素と、1つ以上の枢動点とをその上に備える任意の3次元構造体とすることができる。
【0024】
様々な追跡手法を使用することができるが、標的122a、122b、122cは、画像に撮像され、画像における互いに対する相対位置に基づいて、向き、場所、及びスケール情報を提供するように構成される。例えば、画像が、較正器具100を真っ直ぐに見下ろすことによって見える三角配向において、標的122a、122b、122cを全て撮像した場合、較正器具100は、較正基準アレイ120が監視システム200に直接面するように配向されている。3つの標的が全て、共有線に沿って位置決めされるように標的122a、122b、122cが撮像された場合、較正器具100は、較正基準アレイ120が監視システム200に垂直になるように位置決めされる。したがって、較正器具100は、較正基準アレイ120が監視システム300の視野内にある間に3次元的に移動するので、標的122a、122b、122cは、互いに対する標的122a、122b、122cの既知の所定の座標を、撮像された画像内の標的122a、122b、122cの実際の座標にマッピングすることによって、較正器具100の画像内の場所、向き、及びスケールを判定することが可能になる。したがって、仮想表現上の標的122a、122b、122cの既知の予め定義された向きが、実際の画像化された標的122a、122b、122cと一致するように、較正器具100の仮想表現を回転し、配向することができる。較正器具の仮想表現は、較正器具100の形状を定義し、以下で論じるようにメモリに記憶される、複数の座標とすることができる。較正基準アレイ120は、既知の向きで較正器具100に取り付けられているので、また、較正器具100の形状及びサイズは既知であるので、較正器具の場所及び姿勢を正確に判定することができる。較正基準アレイ120の向きが判定されると、標的間の実際の距離は既知であり、予め定義されているので、実際の画像における標的122a、122b、122c間の相対距離をスケーリングに使用することができる。
【0025】
図1は、球体の形態の3つの標的122a、122b、122cを示しているが、任意の数の標的を使用することができ、標的は、平坦な画像、グリッド、幾何学的形状、パターン、様々な送信要素、ライトなどの様々な異なる形態をとることができる。標的122a、122b、122cは、パッシブな標的となるように構成されているが、発光ダイオード(LED)などの1つ以上の電力源を必要とするいくつかの実施形態では、アクティブな標的を使用することができ、又は、アクティブな追跡とパッシブな追跡の組み合わせを使用することができる。他の実施形態では、標的122a、122b、122cのうちの1つ以上の代わりに、若しくはそれらに加えて、又は、較正基準アレイ120全体の代わりに、磁センサ、ジャイロスコープ)、様々な無線周波数識別(RFID)タグ若しくは様々な送信タグなどの1つ以上の様々な異なるセンサを基準要素として使用することができる。較正基準アレイ120及び較正器具100は、医療グレードの金属、プラスチック、ポリマー、セラミックなどの様々な異なる材料から作製することができる。
【0026】
上記のように、較正器具100の枢動点110は、外科用器具を較正することを可能にするために、外科用器具上で先端を受容するように構成されている。
図3及び
図4は、その遠位端に湾曲した遠位先端210を備える、ハンドル202から延びる細長いシャフト204を有する外科用器具200の一実施形態を示す。少なくとも細長いシャフト204の軸及び湾曲した遠位先端210の正確な仮想表現を監視システム300により生成することができるように、外科用器具200を較正することができる。外科用器具200の仮想表現は、外科用器具200の形状を定義する際に役立つ複数のデータポイント、例えば座標とすることができる。以下で詳細に論じるように、本明細書で論じられる計算に基づいて、データポイントをメモリに記憶し、更新することができる。
【0027】
器具200は、較正器具100及び監視システム300との相互作用によって較正されるように構成されている。較正は、予め定義された又は理想的な器具軸250、及び予め定義された又は理想的な器具先端252に基づいて、測定されたデータを所定のデータと比較することによって達成することができる。予め定義された器具軸250及び予め定義された器具先端252は、必ずしも、細長いシャフト204の現在の構成及び器具200の最遠位端212を反映していなくてもよい。むしろ、それらは、器具の設計及び/又は製造パラメータに基づいて計算することができる。例えば、所定のデータは、理想的な器具上の1つ以上の基準アレイの理想的な場所を表す1つ以上の座標の形態でとすることができる。所定の器具座標と称される座標は、初期データ又は予想データを表し、このデータを監視システム300に提供して、器具200の初期仮想表現又は予想仮想表現を生成することができる。初期仮想表現又は予想仮想表現を使用して、新たに製造された器具及び/又は使用済みの器具を較正することができる。予め定義された器具軸250及び予め定義された器具先端252は、器具の種類に固有であり得、その値は、他の実施形態において異なる器具が使用されるときには異なり得る。予め定義された器具軸250及び予め定義された器具先端252を表すデータは監視システムに提供されるが、いくつかの実施形態では、器具の種類、使用回数などの様々な他のデータも提供することができる。
【0028】
非限定的な例として、図示された外科用器具200は、DePuy SynthesのConcorde Clear低侵襲性椎間板切除装置であるが、低侵襲性手術又はより伝統的な手術の両方のために構成された様々な器具を使用することができる。外科用器具200は、医療グレードの金属、プラスチック、ポリマー、セラミックなどの様々な異なる材料から作製することができる。図示された器具200は、湾曲した遠位先端210を有するが、他の実施形態では、鋭利な遠位先端又は尖った遠位先端を備える器具、ねじ回しなど、直線状の遠位先端を備える器具を使用することができる。
【0029】
較正器具100と同様に、外科用器具200はまた、較正中に、予め定義された3次元器具座標系230内の予め定義された器具座標を監視システム300に提供することができるように、監視システム300により追跡することができ、監視システム300に既知の予め定義された配置を有する、外科用器具に取り付けられた配向アレイ220を有する。
【0030】
配向アレイ220は、枢動点110内で枢動させることによって器具200が較正される際に、配向アレイ220を含む画像を監視システム300が撮像することを可能にする。配向アレイ220の寸法配置及び向きは、予め定義され、監視システム300に既知であるので、配向アレイ220は、監視システム300が、各画像において配向アレイ220を基準スケールとして使用して、各画像における配向アレイ220の位置及び視認性に基づいて外科用器具200など画像内の他の物体の様々な向き及び測定値を判定することを可能にする。したがって、監視システム300は、器具座標系230のコンテキスト内でスケーリングするために、画像内の他の物体を効果的に配置することができる。
【0031】
較正基準アレイ120と同様に、図示の実施形態では、配向アレイ220は、3つの標的222a、222b、222cを有し、これらの標的は、上記で論じた較正器具100の標的122a、122b、122cと同様に、器具座標系230を提供するために監視システム300により画像化し、追跡することができる。標的222a、222b、222cは、外科用器具200の長手方向軸に平行に延び、長手方向軸から外れている単一の平面内に、互いに概ね三角形の配置で配置される。配向アレイ220は、予め定義された長さの配向アーム224及び配向リング226によって、既知の予め定義された向きで外科用器具200に連結されるが、様々な異なる方法で配向アレイ220を器具200に連結することができる。
【0032】
較正基準アレイ120と同じ画像化手法を使用すると、外科用器具200は、3次元的に移動するが、配向アレイ220は、監視システム300の視野内にある。したがって、標的222a、222b、222cは、撮像された画像において標的222a、222b、222cの実際の画像化座標をマッピングすることによって、外科用器具200の画像内の場所、向き、及びスケールを判定することができる。本明細書で測定器具座標と称される器具200上の標的222a、222b、222cのマッピングされた座標を、理想的な器具に基づいて計算される所定の器具座標と比較することができる。システム300は、これらの座標を使用して、仮想表現上の標的222a、222b、222cの測定器具座標が、実際の画像化された標的222a、222b、222cの所定の器具座標をオーバーレイするように、外科用器具200の仮想表現を生成することができる。配向アレイ220は、既知の向きで外科用器具200に取り付けられているので、また、外科用器具200の形状及びサイズは既知であるので、次いで、湾曲した遠位先端210を備える外科用器具200の場所及び姿勢を判定することができる。配向アレイ220の向きが判定されると、標的間の実際の距離は、既知であり、予め定義されているので、実際の画像における標的222a、222b、222c間の距離をスケーリングに使用することができる。
【0033】
図3及び
図4には、3つの標的222a、222b、222cが示されており、標的222a、222b、222cは球体の形態である。しかしながら、任意の数の標的を使用することができ、標的は、平坦な画像、グリッド、幾何学的形状、パターン、様々な送信要素、ライトなどの様々な異なる形態をとることができる。標的222a、222b、222cは、パッシブな標的とすることができるが、発光ダイオード(LED)などの1つ以上の電力源を必要とするいくつかの実施形態では、アクティブな標的を使用することができ、又は、アクティブな追跡とパッシブな追跡の組み合わせを使用することができる。他の実施形態では、標的222a、222b、222cのうちの1つ以上の代わりに、若しくはそれらに加えて、又は、構成配向アレイ220全体の代わりに、電磁センサ、ジャイロスコープ)、様々な無線周波数識別(RFID)タグ若しくは様々な送信タグなどの1つ以上の様々な異なるセンサを配向要素として使用することができる。配向アレイ220は、医療グレードの金属、プラスチック、ポリマー、セラミックなどの様々な異なる材料から作製することができる。
【0034】
上記のように、較正器具100及び/又は外科用器具200は、
図5に示す監視システム300などの監視システムにより追跡することができる。具体的には、監視システム300は、外科用器具200の較正中に、監視システム300に対する構成基準アレイ120及び配向アレイ220の向き及び場所を追跡するように構成されており、また、使用中に、外科用器具200を追跡するように構成することができる。例えば、監視システム300は、上記で詳細に論じたように、較正器具100の標的122a、122b、122c、及び外科用器具200の標的222a、222b、222cを追跡するように構成されており、またこれは、上記で詳細に論じたように、外科用器具200の湾曲した遠位先端210が較正器具100の枢動点110内に挿入され、その周りで回転するときに、外科用器具200の移動を記録するように構成することができる。監視システム300は、記録された移動、例えば記録された座標に基づいて、予め定義された器具先端252から外科用器具200の湾曲した遠位先端210のずれを計算するように構成することができる。したがって、監視システム300は、仮想表現が、任意の屈曲又はずれが反映されている状態で、器具200の実際の湾曲した遠位先端210を正確にミラーリングするように、計算されたずれに基づいて、
図5における患者10の手術中に使用されるディスプレイ500上の外科用器具200の仮想表現275など、外科用器具200の仮想表現を外科用ディスプレイ上で修正することができる。以下で詳細に論じるように、これは、座標系230内の測定器具座標及び所定の器具座標を座標系130の上まで並進させることによって部分的に達成することができる。
【0035】
監視システム300は、様々な構成要素を有することができ、手術に使用されるナビゲーションカメラなどの様々な構成要素を含むことができる。使用される標的の種類に応じて、監視システム300は、1つ以上のカメラによって動作空間を直接視覚化するように構成することができ、監視システム300は、アクティブな追跡、パッシブな追跡、又はいくつかの組み合わせを使用することができる。またこれは、ロボット外科用システムの一部、コンピュータ支援型外科用システムの一部、又は独立型装置であり得る。
【0036】
制御システム又はプロセッサ400は、監視システム400によって収集されたデータに基づいて、監視システム400に対するアレイ120、220の向き及び場所を計算することを支援するように構成されている。制御システム400は、単一の時点にも、定期的にも、又は一定期間にわたって連続的にも、結果を両方計算するように構成することができる。制御システム400は、監視システム300の一部とすることも、ロボット外科用システムの一部とすることも、別個の構成要素とすることも、又は前述のいくつかの組み合わせとすることもできる。いくつかの実施形態では、これはまた、監視システム400、較正器具100及び/若しくはアレイ120、外科用器具200及び/若しくはアレイ220、又は進行するいくつかの組み合わせのうちの少なくとも1つと、直接若しくは間接的に、無線で若しくは有線接続を介して通信することができる。
図6は、制御システム400の例示的な装置アーキテクチャの概略図を示す。
【0037】
図6に示すように、制御システム400は、内部プロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)410)、メモリ420、有線又は無線通信ユニット430、1つ以上の入力ユニット440、及び1つ以上の出力ユニット450を含むが、これらに限定されない複数の構成要素を含んでもよい。
図6に示したアーキテクチャは、簡略化され、単に実証目的のために提供されることに留意されたい。制御システム400のアーキテクチャは、本出願の特許請求の範囲に従って、当業者によって理解されるような任意の好適な様式で修正することができる。更に、制御システム400の構成要素は、本出願の特許請求の範囲に従って、当業者によって理解されるような任意の好適な様式で修正することができる。したがって、
図6に示した装置アーキテクチャは、例示としてのみ扱われるべきであり、本開示の範囲を限定するものとして扱われるべきではない。
【0038】
内部プロセッサ410は、制御システム400とモニタシステム300とが組み合わされているか、又は別個であるかに応じて、制御システム400及び/又は監視システム300の動作を制御することが可能である。より具体的には、プロセッサ410は、
図6に示すように、制御システム400と関連付けられた複数の構成要素を制御し、それらと相互作用するように動作可能であり得る。例えば、メモリ420は、内部プロセッサ410により実行可能なプログラム命令、及びデータを記憶することができる。本明細書に記載するプロセスは、内部プロセッサ410による実行のために、プログラム命令の形態でメモリ420に記憶され得る。通信ユニット430により、制御システム400が、通信ネットワークを介して1つ以上の外部装置との間でデータを送受信することを可能にすることができる。入力ユニット440により、制御システム400は、音声/視覚入力、ユーザ入力、データ入力などの様々な種類の入力を受け入れることができるようになる。この目的のために、入力ユニット440は、例えば、1つ以上のカメラ442(すなわち、撮像装置)、タッチパネル(単数又は複数)444、マイクロフォン(単数又は複数)(図示せず)、センサ446、1つ以上のボタン又はスイッチ(図示せず)などを含む、様々な種類の入力を受け入れるための複数の入力装置で構成され得る。入力440に含まれる入力装置は、ユーザにより操作され得る。特に、画像取得ユニットという用語は、本明細書で使用される場合、カメラ442を指し得るが、これに限定されない。例えば、画像取得ユニットは、監視システム300又はその一部とすることができる。出力ユニット450は、ユーザが閲覧するためにディスプレイスクリーン452に情報を表示することができる。ディスプレイスクリーン452はまた、当該技術分野において既知の様々な機構によって、ユーザがスクリーン452をタップする又は押圧するなどの1つ以上の入力を受け入れるように構成することができ、出力ユニット450は、光源454を更に含み得る。いくつかの実施形態では、出力ユニット450は、ロボット外科用システム又はコンピュータ支援型外科用システムなどの様々なシステムに任意の処理結果を送信するように構成することができる。制御システム400及び/又は監視システム300はまた、アレイ120、220からの情報に基づいて、器具の向き、距離、座標系の並進などを計算するように構成することができる。
【0039】
上記のように、較正器具100と外科用器具200と監視システム300と制御システム400との相互作用により、監視システム300及び/又は制御システム400が、外科用器具200の湾曲した遠位先端210のずれを計算し、計算されたずれに基づいて、外科用ディスプレイ上の外科用器具200の仮想表現を修正することを可能にすることができる。
図7及び
図8のステップ600に示すように、最初に、監視システム300及び/又は制御システム400に、予め定義されたシャフト及び先端を備える外科用器具の形状及び向きを定義する複数のデータポイント(例えば、所定の器具座標)により全て表すことができる、予め定義された器具軸250、予め定義された器具先端252を備える外科用器具200の仮想表現、及び外科用器具200上の配向アレイ220の向き及び配置に関する情報、並びに、較正器具の形状及び向きを定義する複数のデータポイントにより全て表すことができる、既知の形状及びサイズを有する較正器具100の仮想表現、及び較正器具100上の較正基準アレイ120の向き及び配置に関する情報など、上記で論じたような、様々な既知の予め定義されたデータが提供される。この情報は、様々な手段によって、例えば、手動で入力すること、例えば識別情報をその上に有することができる器具100、200及び/若しくはアレイ120、220のうちの1つ以上をスキャン又は画像化することによって自動的にロードすること、システム300上にダウンロードすることによって提供することができる。監視システム300は、ステップ602において、較正器具100及び外科用器具200を追跡し始めることを開始し、例えば、各器具100、200及び/若しくは各アレイ120、220を監視システム300に表示することができ、又は監視システム300に追跡し始めるように手動で命令することができる。
【0040】
ステップ604及び
図9において、例えば、
図10~
図12に示すように較正器具100を定義された角度で傾け、最遠位端212を枢動点110内に挿入することによって、外科用器具200の湾曲した遠位先端210を較正器具100の枢動点110に挿入する。外科用器具200は、
図10~
図12に示すように、較正器具の上方でほぼ円運動で回転され、監視システム300は、較正器具100上の較正基準アレイ120の固定位置に対する外科用器具200の配向アレイ220の移動を記録する。外科用器具200が移動する際に、枢動点110は、外科用器具200が滑らかに回転し枢動することを可能にしながら、湾曲した遠位先端210の最遠位端212を内部に固定するようにサイズ決定及び成形されているので、最遠位端212は、枢動点110の空洞内に留まる。したがって、枢動点110は、外科用器具200がその周りで回転することができる固定された既知の点を提供する。したがって、監視システム300はステップ606において、外科用器具200が複数の異なる姿勢又は位置にあるときの画像を撮像し配向アレイ220の座標を記録する。例えば、
図10~
図12は、較正基準アレイ120に関する配向アレイ220の様々な画像を監視システム300が撮像する間の、外科用器具200の例示的な回転を示している。したがって、回転は、全般に、配向アレイ220の運動経路に対応する枢動点110の上方における移動の円形形状240を定義する。
【0041】
監視システム300及び/又は制御システム400は、固定された枢動点110及び較正基準アレイ120に対する配向アレイ220の撮像された移動(例えば、測定器具座標)を使用して、外科用器具200の仮想表現を更新することができる。システム300/400は、撮像された較正移動(例えば、測定器具座標)を、以下で論じる予め定義された器具軸250及び理想的な先端252を備える外科用器具200のモデルの予想される較正移動(例えば、所定の器具座標)と比較することによって、これを行うことができる。
【0042】
最初に、監視システム300及び/又は制御システム400に、予め定義された器具軸250及び理想的な先端252を備える外科用器具200のモデルを表すデータを提供することができる。また、システム300/400に、予め定義された器具軸250及び理想的な先端252を備える外科用器具200の予想される較正移動データ(例えば、所定の器具座標)を提供することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、システム300/400は、予め定義された器具軸250及び理想的な先端252データを使用して、予想される挙動自体をモデル化することもできる。新しい又は理想的な器具の場合、較正移動データは、器具の技術図に基づいてモデル化される。しかしながら、他の実施形態では、構成移動データを直接測定し、以前に使用されたことがない器具上に記録することができる。理想的な器具が器具200と同様に固定点256の周りで回転すると仮定することによって、予想される較正移動データをモデル化することができる。したがって、移動の円257は、
図13Aに示すように、固定された枢動点256の上方に定義され、配向アレイが理想的な器具に固定された場合の配向アレイの運動経路に対応する。例えば、複数の点258が、較正移動中に理想的な配向アレイの複数の座標を表すことができる。予め定義された器具軸250は、理想的な配向アレイが固定された枢動点256から離れて移動する距離を定義し、点258の各々は、固定点256から同じ距離に位置決めされる。したがって、理想的な先端252がその中に挿入されている状態での枢動点256の周りの理想的な外科用器具の移動は、半球体254を定義することができ、予め定義された器具軸250が球体254の半径として作用し、固定点256が半球体254の中心と理想的な外科用器具の最遠位先端の場所の両方を表す。したがって、半球体254は、予め定義された器具軸250及び理想的な先端252を備える理想的な外科用器具の較正移動データ(例えば、所定の器具座標)を表すことができ、半球体の中心256は、理想的な先端252の最遠位端の3次元空間における場所を表すことができる。このようなモデルを実際に作成するステップについて上記で論じたが、いくつかの実施形態では、理想的な外科用器具の広範なモデル化が必要とされないように、最初に較正移動データ(例えば、所定の器具座標)を提供することができる。
【0043】
外科用器具200に戻ると、枢動点110の上方における外科用器具200の移動の円形形状240は、外科用器具の理想的なバージョンの理想的な又は予め定義された運動を定義する、固定された枢動点256の上方での移動の円257と同様の運動を表す。外科用器具200の移動の円形形状240は、配向アレイ220の移動の、監視システム300により撮像されたデータポイント260によって定義される。
図13Bに示した点260は、較正中の枢動点110に対する配向アレイ220の(したがって、外科用器具200の)移動の座標を3次元空間に表している。したがって、データポイント260は、較正中の理想的な配向アレイの移動を定義する点258と同様の座標を表す。したがって、点260を使用して、
図13Cに示すように、実際の枢動中の細長いシャフト204の複数の姿勢に対応する複数の姿勢における外科用器具200の細長いシャフト204の仮想表現262をモデル化することができる。仮想表現262は、器具200の配向アレイ220の移動を表す点260から延び、枢動点110内で枢動するときの湾曲した遠位先端210を表す共通の仮想遠位先端264で終端するので、仮想表現262を判定することができる。器具200の細長いシャフト204の全長は較正中に変化しないので、記録された点260は全て、枢動中に、枢動点110から同じ距離だけ離れている。これは、点258が理想的な器具内で位置決めされる、固定された枢動点256から離れる距離を予め定義された器具軸250が定義する、理想的な外科用器具と同様である。次いで、監視システム300及び/又は制御システム400は、
図13Dに示すように、理想的な器具の半球体254と同様に、半球体266を記録された点260と数学的に一致させることができる。実際の動作設定で測定が行われ、また、湾曲した遠位先端210が歪んでいる又は屈曲していることがあるので、実際の外科用器具200の移動及び記録された点260は、完全な半球体を表さないことがある。したがって、半球体266は、点260に対する最良適合球とすることができ、予め定義された器具軸250を、必要に応じて、球体適合を判定するのを助けるために初期の球体半径として使用することができる。湾曲した遠位先端210の最遠位端212は、枢動点110内に静止していたが、器具200はその点の周りで枢動してので、半球体266の中心268は、湾曲した遠位先端210の最遠位端212の場所を表す。これは、理想的な半球体254の中心と理想的な外科用器具の最遠位先端の場所の両方を表す固定点256と同様である。したがって、中心268は、任意の歪み又は屈曲を有する実際の湾曲した遠位先端210に対応することができる。
【0044】
次いで、監視システム300及び/又は制御システム400は、
図13Eに示すように、実際の湾曲した遠位先端210の半球体266を理想的な先端252の理想的な半球体254の上にマッピング又は転置することができる。システム300、400は、半球体254、266の中心268、256を同じ座標点又は共有座標点に配置しながら、半球体254、266を互いに比較することができる。半球体254、266の中心268、256は、外科用器具200及び理想的な外科用器具がその周りで枢動された枢動点110及び固定点256を表すので、同じ座標点に配置することができる。半球体254、266が互いに対して完全に対応する場合、システム300、400は、半球体254と266との間にずれがないので、理想的な先端252からの遠位先端210の歪み又は屈曲がないと判定することができる。2つの半球体254と266との間に任意のずれがある場合、外科用器具200の較正運動が理想的な先端252を備える器具の較正運動に正確には対応しないので、監視システム300及び/又は制御システム400は、遠位先端210に屈曲又は歪みがあると判定することができる。追加的に、これらの球体254、266は同じ3次元座標系130においてモデル化されているので、ずれの量を判定することができる。したがって、理想的な半球体254(所定の器具座標を表す)からの測定された半球体266(測定器具座標を表す)の任意のずれは、それにより、理想的な遠位先端252からの実際の湾曲した遠位先端210の任意の屈曲又は歪みと相関する。次いで、較正中に測定された任意の屈曲又は歪みをより正確に表すために、この相関されたずれを使用して湾曲した遠位先端210の仮想モデルを更新することができる。1つの例示的な例として、理想的な半球体254は、
図13Eに示した測定された半球体266よりも大きい半径を有する。したがって、このずれは、湾曲した遠位先端210が配向アレイ220に向かって屈曲され、それにより、遠位先端210と配向アレイ220との間の距離が低減され、したがって、測定された半球体266の半径をより短く、又はより小さくする。理想的な半球体254の半径と測定された半球体266の半径との間のずれの量に基づいて、湾曲した遠位先端210が配向アレイ220に向かって屈曲した程度又は量を判定することができる。任意のずれが計算されると、システム300、400は、ステップ608において、任意の屈曲又は歪みを有する最遠位端212の3次元場所を正確に表すように、湾曲した遠位先端210の仮想モデルを更新することができる。更新された仮想モデルにより、外科用器具200の表現がより正確になり、器具200を正確に表すことができるので、外科医による手術結果がより良好になる一方で、わずかな屈曲を理由に外科的に許容可能な器具の廃棄も要件ではなくなる。また、更新された仮想モデルは、複数回の測定及び較正器具を伴う任意の多段階プロセスではなく、枢動点110内で外科用器具200を回転させる単一ステップのプロセスによって作成することができる。
【0045】
監視システム300及び/又は制御システム400は、ステップ610において、湾曲した遠位先端210の任意の歪みを有する外科用器具200の更新された仮想表現を、例えば、外科医のために様々なディスプレイ上に表示することによって、仮想3次元画像としてリアルタイムでモデル化することによって、コンピュータ支援型外科用システムに提供することによって、ロボット外科用システムに提供することによって、など、様々な手段によって、外科医及び/又は外科用システムに提供することができる。したがって、
図5に示したように、湾曲した遠位先端210の任意の歪みがある外科用器具200の仮想表現を更新することは、計算されたずれに基づく複数のデータポイントの新たな値を、制御システム400のメモリ420などのメモリに保存することによって、外科用器具200及び湾曲した遠位先端210の形状及び向きを定義する複数のデータポイントを用いて、外科用器具200の仮想表現275を更新することを含むことができる。上記のように、他の実施形態では、様々なコンピュータ支援型外科用システム及び/又はロボット外科用システムに監視システム300及び/又は制御システム400を直接組み込むことができる。いくつかの実施形態では、外科医は、次いで、外科用器具200の更新された仮想表現275を使用して、患者に対して低侵襲手術などの動作を実行することができる。本明細書で論じる較正プロセスは、必要に応じて繰り返すことができ、本明細書で論じる予め定義された及び/若しくは理想的な値は、任意の屈曲若しくは歪みを経ていない器具からの値、又は、いくつかの以前の屈曲若しくは歪みを表すが、継続的に正確に使用するために更新される必要があり得る以前に実行された較正プロセスからの値のいずれかを表すことができる。
【0046】
図14~
図17Bは、ハンドル702から延びる細長いシャフト704と、細長いシャフト704の遠位端の湾曲した遠位先端710とを備える、外科用器具200と同様の外科用器具700の別の実施形態を示す。外科用器具200と同様に、外科用器具700は、湾曲した遠位先端710の屈曲又は捩れを正確に反映する、少なくとも細長いシャフト704の軸及び実際の湾曲した遠位先端710の正確な仮想表現を生成し、それを監視システム300などのコンピュータ外科用システム又はロボット外科用システムに提供することができるように、較正することができる。器具700は、較正器具100及び監視システム300との相互作用によって較正することができる。
【0047】
外科用器具700は、上記で詳細に論じたアレイ120、220と同様の、監視システム300により追跡することができる、アレイ220と同様の、外科用器具に取り付けられた配向アレイ720を有し、座標系230と同様の予め定義された3次元器具座標系を提供することができるように、監視システム300に既知の予め定義された配置を有する。しかしながら、配向アレイ220が、較正後に1つの固定配向に留まるように構成されているのに対し、配向アレイ720は、監視システム300及び較正器具100による再較正を必要とせずに、使用中に予め定義された複数の異なる既知の向きまで回転させることができる。複数の異なる既知の向きは、初期較正中に監視システム300に提供されるので、監視システム300及び/又は制御システム400は、配向アレイ720が、複数の既知の向きのうちの、初期較正中に使用される向きとは異なる向きに移動されたときに、使用中に向きを判定し外科用器具700の仮想表現を更新するように構成することができる。したがって、外科用器具700は、複数の異なる配向で使用するように構成することができ、
図17A及び
図17Bに例示すように、視界を妨げることなく、また、器具700を再較正する必要なく、配向アレイ720が依然として監視システム300に見えていることを保証するために、手術中に、配向アレイ720を複数の異なる既知の向きのうちの1つまで回転させながら、必要に応じて、湾曲した遠位先端710が回転される。例えば、配向アレイ720は、標的122a、122b、122c及び標的222a、222b、222cと同様に画像化することができる3つの標的722a、722b、722cをその上に有する。配向アレイ720は、
図15に示すように反対側の端部に配設された配向リング726を有する予め定義された長さの配向アーム724の一端に、アレイインターフェース725を係合することによって、4つの既知の予め定義された向きのうちの1つで外科用器具700に連結される。配向リング726は、ハンドル702の近位端に配設されたリング連結部728との係合によって器具700の上に連結し、
図16に示すように、リング連結部728は、配向アレイ720のリング連結部728と相互作用するように構成されている概ね円形の係合面730を有し、かつ、内部に形成された4つのノッチ732a、732b、732c、732dを有する。配向リング726は、配向リング726が各ノッチと係合し、次いで、外科用器具700に対してノッチ732a、732b、732c、732dのうちの1つに対して一時的に固定された向きで留まることができるように、4つのノッチ732a、732b、732c、732dと相互作用する。例えば、これは4つのノッチ732a、732b、732c、732dに係合するように構成されている配向リング726の内面に、4つの対応する隆起(図示せず)を有することができる。また、所望に応じて、配向リング726を開放すること、回転させること、及びノッチと再係合させることができるように、係合機構726a及びヒンジ726bによってリング726を開放することができる。使用時には、配向リング726、ひいてはそこから延びる配向アレイ720は、
図17Aに示すように、配向アレイ720が監視システム300に見えるように、較正中及び初期使用中に、ノッチ732aと係合することができる。しかしながら、使用中、配向リング726をノッチ732aから係合解除することができ、また、リング連結部728をノッチ732cにおいて再係合するために、外科用器具700の細長いシャフト704の周りで180度回転させることができ、したがって、使用中、そこに連結された配向アレイ720を、
図17Bに示すように、外科用器具700の反対側まで回転させる。この回転を理由に、外科用器具700の湾曲した遠位先端710を患者の異なる骨構造に適用することができ、配向アレイ720は、継続的な追跡を可能にするために監視システム300に見えたままとすることができる。本明細書には4つのノッチ732a、732b、732c、732dが例示されているが、配向アレイが予め定義された複数の異なる既知の向きまで回転することを可能にするために、任意の数及び種類の係合点が可能である。
【0048】
器具700の較正は、外科用器具700及び湾曲した遠位先端710の正確な仮想表現を生成ための較正器具100の枢動点110の回転及び監視システム300の追跡を伴う、上記で論じた器具200と同じプロセスによって実行される。しかしながら、監視システム300及び/又は制御システム400は、例示された実施形態では4つなど、配向アレイ720の予め定義された複数の異なる既知の向きを含み、各向きは、ノッチ732a、732b、732c、732d内の向きなど、一意に識別される。
図17A及び
図17Bに示すように使用中に向きが変更されると、患者10の椎骨で器具700が使用されるときに、監視システム300及び/又は制御システム400は、新しい向きの一意の識別子が提供され、それにより、監視システム300及び/又は制御システム400は、配向アレイ720が
図17Aのノッチ732cの向きから
図17Bのノッチ732cの向きまで移動するときなどに、新しい指定された向きに基づいて、外科用器具700及びその湾曲した遠位先端710の新しい場所及び姿勢を判定することができる。監視システム300及び/又は制御システム400では、ノッチ732a、732bにおける固定された向きが既知なので、監視システム300及び/又は制御システム400は、例えば、外科用器具700を定義する仮想表現の複数のデータポイントを更新することによって、器具700を再較正する必要なしに、外科用器具700の全体的な向き又は姿勢の仮想表現を更新することができる。配向アレイ720の向きを変更した後、新しい指定された向きの同一性を、使用中に様々な方法で、監視システム300及び/又は制御システム400に提供することができる。例えば、器具700は、ハンドル702、シャフト704、配向リング726、リング連結部728などの上に、監視システム300及び/又は制御システム400に変更を電子的又は視覚的のいずれかで示すことができる様々なマーク、フラグ、センサ、係合、パターンなどを有することができる。また、外科医又は助手などによって、情報を手動で監視システム300及び/又は制御システム400に入力することができる。
【0049】
突出している最遠位先端を備える器具が例示されているが、他の実施形態では、上記で論じたものと同じ方法を使用するために、隆起、円錐、球体などを有する較正器具を用いて、遠位端に空洞又は空隙を有する器具を較正することもできる。
図18~
図20は、器具200、700と同様の外科用器具800を示す。外科用器具800は、ハンドル802から延びる細長いシャフト804と、細長いシャフト804の遠位端に内部に定義された空洞810aを有する直線状の遠位先端810と、を有する。空洞810aは、逆円錐の形状であるが、楕円形、半球形、円筒形、湾曲している、などの異なる空洞を備える様々な異なる器具を使用することができる。外科用器具800は、監視システム300により追跡することができる、アレイ220、720と同様の、外科用器具800に取り付けられた配向アレイ820を有する。したがって、外科用器具800は、外科用器具200、700と同様に、遠位先端810の任意の屈曲又は捩れを正確に反映する、少なくとも細長いシャフト804の軸及び実際の遠位先端810の正確な仮想表現を生成することができるように、また、監視システム300などのコンピュータ外科用システム又はロボット外科用システムに提供することができるように、較正することができる。
【0050】
更に、器具800は、較正器具100と同様の較正器具900との相互作用によって較正することができる。較正器具900はまた、監視システム300により追跡することができる、アレイ110と同様の較正基準アレイ920をその上に有する。器具900はまた、上記で論じた較正プロセスと同様に、較正のためにその周りで器具800を枢動させ、回転させることができる、枢動点110と同様の枢動点910を有する。枢動点910は、較正器具900の上面から突出しており、
図19の矢印によって例示されるように器具800上の遠位先端810の空洞810a内に挿入される、円錐の形状をしている。しかしながら、外科用器具上の特定の空洞に対応するために、半球体、円筒形、角錐などの任意の突出形状を使用することができる。外科用器具800の遠位先端810が較正器具900と係合されると、器具800は、
図20の矢印で示されるように、また、上記で論じたプロセスと同様に、較正のためにその周りで回転される。
【0051】
本明細書に開示される装置の全ては、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用の後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部品が洗浄及び/又は交換されると、続く使用のために装置を再調整施設において、又は外科手術の直前に外科チームによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0052】
本明細書に開示される装置は、使用前に滅菌されることが好ましい。これは、β線又はγ線放射、酸化エチレン、蒸気、及び液浴(例えば、低温浸漬)などの当業者には既知の様々な方法によって行うことができる。内部回路を含む装置を滅菌する例示的な実施形態は、「System And Method Of Sterilizing An Implantable Medical Device」と題して2008年2月8日に出願された米国特許出願公開第2009/0202387号に詳述されている。装置は、埋め込まれる場合、完全に密封されることが好ましい。これは、当業者に既知の様々な方法によって行うことができる。
【0053】
更に、本開示においては、実施形態の同様の名称の構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の名称の各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、装置、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、装置、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及び装置、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも、システム及び装置が内部で使用される対象の解剖学的構造、システム及び装置が使用される構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及び装置が使用される方法及び処置に依存し得る。
【0054】
追加的に、本明細書のシステム及び方法のうちの1つ以上、又はその態様は、少なくとも1つのプロセッサによって実行され得ることが理解される。プロセッサは、本明細書に記載するように、様々な装置に実装され得る。プログラム命令を記憶するように構成されたメモリはまた、装置(単数又は複数)内に実装されてもよく、その場合、プロセッサは、本明細書で更に説明される1つ以上のプロセスを実行するために、記憶されたプログラム命令を実行するように特にプログラムされ得る。更に、本方法は、本明細書で詳細に説明されるように、プロセッサを備える、特別に設計された装置、モバイル装置、コンピューティング装置などによって、1つ以上の追加の構成要素と連携して実行され得ることが理解される。
【0055】
更に、本開示のシステム及び方法、又はその態様は、プロセッサによって実行される実行可能なプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体として、コンピュータ可読媒体上で具現化され得る。コンピュータ可読媒体の例としては、ROM、RAM、コンパクトディスク(CD)-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、フラッシュドライブ、スマートカード、及び光学データ記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。また、ネットワーク連結コンピュータシステムにコンピュータ可読記録媒体を分散させることができ、それにより、コンピュータ可読媒体は、例えば、クラウドベースのシステム、テレマティクスサーバ、コントローラエリアネットワーク(CAN)などによって、分散して記憶され、実行される。
【0056】
上述の実施形態に基づいた前述の装置及び方法の更なる特徴及び利点が当業者には理解されよう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び文献は、それらの全容が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) 器具較正システムであって、
近位端及び遠位端を備える細長いシャフトを有する外科用器具であって、前記遠位端は、最遠位先端を有し、前記近位端は、初期位置で固定された配向要素をその上に有する、外科用器具と、
周りで枢動させるために前記外科用器具の前記最遠位先端を受容するように構成された枢動点を上に有する較正器具であって、前記較正器具は、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準要素を有する、較正器具と、
前記外科用器具の前記最遠位先端が前記較正器具の前記枢動点に位置決めされた状態で、前記外科用器具を移動させる際に、前記配向要素の座標を前記較正基準要素に対してマッピングするように構成された監視システムであって、前記監視システムは、予め定義された理想的な最遠位先端を有する予め定義された外科用器具の少なくとも1つの所定の基準座標からの、前記配向要素のマッピングされた前記座標のずれを計算するように構成されており、また、計算された前記ずれに基づいて、ディスプレイ上の前記外科用器具の仮想表現を修正するように構成されている、監視システムと、
を備える、器具較正システム。
(2) 前記外科用器具の前記遠位端は、湾曲した先端を有する、実施態様1に記載の器具較正システム。
(3) 前記外科用器具の前記遠位端は、内部に形成された空洞を有する、実施態様1に記載の器具較正システム。
(4) 前記監視システムは、前記配向要素が前記外科用器具に対して固定位置に留まっている間に、前記外科用器具に対する前記配向要素の初期の向きを判定するように構成されている、実施態様1に記載の器具較正システム。
(5) 前記監視システムは、前記近位端上の前記配向要素が、前記外科用器具上の前記初期位置とは異なる複数の第2の位置のうちの1つに移動される間に、前記較正器具に対する前記外科用器具の移動を再記録することを必要とせずに、前記外科用器具の実際の向きを判定するように構成されている、実施態様4に記載の器具較正システム。
【0058】
(6) 前記較正器具上の前記枢動点は、複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点を備え、前記複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点の各々は、複数の異なる外科用器具の複数の異なる最遠位先端のうちの1つに対応するように構成されている、実施態様1に記載の器具較正システム。
(7) 前記監視システムは、前記複数の取り外し可能かつ交換可能な枢動点のうちのどの枢動点が使用されるかに応じて更新されるように構成されている、実施態様6に記載の器具較正システム。
(8) 前記配向要素及び前記較正基準要素の各々は、複数の追跡可能な標的を上に有するアレイ、電磁センサ、及びジャイロスコープのうちの少なくとも1つを備える、実施態様1に記載の器具較正システム。
(9) 前記監視システムは、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つのセンサ、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのディスプレイを備える、実施態様1に記載の器具較正システム。
(10) 前記外科用器具は、ねじ回し及び椎間板切除装置のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の器具較正システム。
【0059】
(11) 前記監視システムは、ロボット手術システムの一部であり、前記外科用器具は、前記ロボット手術システムによって制御されるように構成されている、実施態様1に記載の器具較正システム。
(12) 前記配向要素は、前記外科用器具の周りを複数の既知の向きに回転するように構成されており、
前記監視システムは、前記複数の既知の向きの各々における前記較正基準要素に対する前記配向要素の相対位置を再記録することなく、前記配向要素の前記複数の既知の向きの各々に基づいて、ディスプレイ上の前記外科用器具の仮想表現を更新するように構成されている、
実施態様1に記載の器具較正システム。
(13) 外科用ナビゲーション中に使用するために外科用器具を較正する方法であって、
前記外科用器具の遠位端上の最遠位先端を、較正器具上の枢動点の上に挿入することであって、前記較正器具は、予め定義された幾何学的構造、及びそこに取り付けられた較正基準要素を有する、挿入することと、
監視システムが、前記較正器具上の前記較正基準要素の基準座標点に対して前記外科用器具上の第1の位置で固定された配向要素の基準座標点を記録する間に、前記較正器具の上方のほぼ円形の経路に沿って前記外科用器具の近位端が移動するように、前記枢動点の周りで前記外科用器具を枢動させることと、
前記監視システムにより、記録された前記基準座標点を、予め定義された理想的な外科用器具上の配向要素の少なくとも1つの記憶された基準座標点と比較して、前記比較に基づいて、予め定義された理想的な最遠位先端からの前記外科用器具の前記最遠位先端のずれを計算することと、
前記最遠位先端の前記ずれを求めた後に、前記監視システムにより、計算された前記ずれに基づいて、ディスプレイ上の前記外科用器具の仮想表現を修正することと、
を含む、方法。
(14) 前記監視システムにより、前記配向要素が前記外科用器具に対して固定位置に留まっている間に、前記外科用器具に対する前記配向要素の初期の向きを判定することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記枢動点は、前記較正器具の取り外し可能部分上に形成され、前記較正器具の前記取り外し可能部分を、前記外科用器具の前記最遠位先端に一致するように構成された異なる形状の、第2の枢動点を有する第2の取り外し可能部分と交換することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
【0060】
(16) 前記第2の枢動点に基づいて、前記監視システムを更新することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記計算されたずれに基づいて、前記外科用器具の前記仮想表現を修正した後に、前記外科用器具の前記配向要素を異なる既知の向きまで回転させることと、
前記監視システムにより、前記配向要素の前記異なる既知の向きに基づいて、前記ディスプレイ上の前記外科用器具の前記仮想表現を修正することと、
を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 最遠位先端を備える外科用器具を較正するための方法であって、
監視システムにより、較正器具上の較正基準要素に対する前記外科用器具上の初期位置における配向要素の移動を記録することと、
前記監視システムに動作可能に連結されたプロセッサにより、前記外科用器具の前記配向要素の記録された前記移動を前記配向要素の予想される移動と比較することによって、前記外科用器具の前記最遠位先端の予め定義された仮想表現からの前記外科用器具の前記最遠位先端のずれを計算することであって、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現は、前記プロセッサによりアクセス可能なメモリに記憶された、前記外科用器具の表現を定義する複数のデータポイントを含む、計算することと、
前記プロセッサにより、前記最遠位先端の計算された前記ずれに基づいて、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現の前記複数のデータポイントのうち、前記メモリに記憶された1つ以上の第1のデータポイントを更新することと、
を含む、方法。
(19) 前記プロセッサにより、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現の更新された前記1つ以上の第1のデータポイントを表示するように外科用ディスプレイを制御することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記1つ以上の第1のデータポイントを更新した後に、前記プロセッサにより、前記配向要素が前記外科用器具上の前記初期位置とは異なる第2の位置に移動されるときに、前記較正器具に対する前記外科用器具の前記移動を再記録することなく、使用中の前記外科用器具の向きを判定することと、
前記プロセッサにより、前記配向要素の前記第2の位置に基づいて、前記外科用器具の前記最遠位先端の前記予め定義された仮想表現の前記複数のデータポイントのうち、前記メモリに記憶された1つ以上の第2のデータポイントを更新することと、
を更に含む、実施態様18に記載の方法。
【国際調査報告】