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特表2022-539092低用量注射用の超低廃棄物の使い捨て安全注射器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】低用量注射用の超低廃棄物の使い捨て安全注射器
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
A61M5/32 510K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577015
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2020039464
(87)【国際公開番号】W WO2020264057
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/867,815
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/908,608
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521177038
【氏名又は名称】シャープス テクノロジー, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SHARPS TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(72)【発明者】
【氏名】バーラー, バリー ビー.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD07
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG16
4C066GG17
4C066HH12
4C066NN08
(57)【要約】
ニードルおよび注射器システム(10)であって、ニードルヘッド(12)は、注射器アセンブリ(14)に取り付けられる。注射器アセンブリ(14)は、注射器バレル(16)と、プランジャーヘッド(20)を持つプランジャーロッド(18)とを含む。ニードルベース(26)は、注射器バレル(16)に付加される。管状の空洞(40)がニードルベース(26)に形成され、支柱(44)は管状の空洞(40)を通って延在する。ニードル(24)は、支柱(44)を通って延在する。プランジャーヘッド(20)が前進されるときに、管状の空洞(40)の中へ移動するスペーサー(46)が設けられる。保護カバー(52)は、ニードルベース(26)の周りに配置される。スペーサー(46)が移動されるときに、スペーサー(46)は、保護カバー(52)を第1の位置と第2の位置との間で動かす。保護カバー(52)が動くと、ニードル(24)を取り囲み、ニードル(24)が危害を加えるのを防ぐ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルおよび注射器システムであって、
注射器バレルと、
前記注射器バレル内で相互に移動できるプランジャーヘッドを有するプランジャーロッドと、
前記注射器バレルに付加されたニードルベースとを備え、前記ニードルベースは、前記注射器バレル内に延在する第1の端部と、前記注射器バレルを超えて延在する遠位の第2の端部とを有し、前記ニードルベース内に空洞が形成され、前記空洞は、前記注射器バレル内からアクセス可能であり、前記ニードルベースにおいて前記第1の端部と前記第2の端部との間に形成された複数のスロットを通じてアクセス可能であり、
前記空洞内から前記複数のスロットを通って延在する複数のサポートと、
前記ニードルベースを囲み、前記複数のサポートに接触する保護カバーとを備え、
前記プランジャーロッドが前記注射器バレルで前進されるときに、前記プランジャーヘッドは、前記空洞の前記複数のサポートを前進させ、前記複数のサポートは、第1の位置から第2の位置に前記保護カバーを移動させる、ニードルおよび注射器システム。
【請求項2】
前記保護カバーが前記第2の位置にある場合に、前記ニードルが前記保護カバーによって保護されている場合に、前記ニードルベースの前記第2の端部からニードルが延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のサポートは、前記空洞内に配置された活性化リングから延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記空洞に配置されたスペーサーをさらに含み、前記プランジャーヘッドは前記スペーサーを移動させ、前記スペーサーは前記活性化リングを移動させる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記空洞は、前記ニードルベースの前記第1の端部から前記第2に向かう長さを有し、前記スペーサーおよび前記活性化リングのあわせた長さは、前記空洞の前記長さに等しい、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ニードルベースおよび前記保護カバーは、係合し、前記第1の位置および前記第2の位置において前記保護カバーを保持するように作用する、突起および複数の凹みを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ニードルベースは、前記空洞を通って延在する中央支柱を含み、前記中央支柱および前記空洞は同心である、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記ニードルは、前記中央支柱を通って延在する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ニードルおよび注射器システムであって、
注射器バレルと、
前記注射器バレル内で相互に移動可能なプランジャーヘッドを有するプランジャーロッドと、
前記注射器バレルに付加されたニードルベースとを備え、前記ニードルベースは、第1の端部と、中心軸に沿った反対の点にある第2の端部とを有し、前記ニードルベースに空洞が形成され、前記空洞を通って支柱が延在し、前記空洞は、前記ニードルベースの前記第1の端部からアクセス可能であり、前記空洞および前記支柱は、前記中心軸と同心であり、
前記中心軸に沿って前記ニードルベースの中へ延在するニードルを備え、前記ニードルは、前記支柱を通って延在し、前記ニードルベースの前記第1の端部で開口し、
前記プランジャーヘッドが前記注射器バレル内で前進されるときに、前記ニードルベース内の空洞の中へ移動されるスペーサーと、
前記ニードルベースの周りに配置された保護カバーとを備え、前記スペーサーが前記空洞の中へ移動されるときに、前記スペーサーは第1の位置と第2の位置との間で前記保護カバーを動かす、ニードルおよび注射器システム。
【請求項10】
前記複数のスロットは、前記空洞へのアクセスを提供する前記ニードルベースに形成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記空洞内から前記複数のスロットを通って延在する複数のサポートをさらに含み、前記複数のサポートは、前記スペーサーによって動かされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記保護カバーは前記複数のサポートに接触し、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記複数のサポートによって動かされる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のサポートは、前記空洞内に配置された活性化リングから延在する、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記プランジャーヘッドはスペーサーを動かし、前記スペーサーは前記活性化リングを動かす、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記空洞は、前記第1の端部から前記ニードルベースの前記第2に向かう長さを有し、前記スペーサーおよび前記活性化リングをあわせた長さは、前記空洞の前記長さに等しい、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ニードルベースおよび前記保護カバーは、係合し、前記第1の位置および前記第2の位置において前記保護カバーを保持するように作用する、突起および複数の凹みを有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
ニードルおよび注射器システムであって、
注射器バレルと、
前記注射器バレル内で相互に移動できるプランジャーヘッドを有するプランジャーロッドと、
前記注射器バレルに付加されたスロット付きニードルベースとを備え、前記スロット付きニードルベースは、複数のスロットと、前記注射器バレルの方を向く第1の端部と、前記注射器バレルとは逆の方を向いた第2の端部とを有し、前記注射器バレル内からアクセス可能な前記ニードルベースに空洞が形成され、
前記空洞内から上記の複数のスロットを通じて延在する複数のサポートと、
前記ニードルベースを囲む保護カバーとを備え、前記保護カバーは、前記保護カバーは、前記複数のスロットにおける前記複数のサポートの動きによって動き、
前記プランジャーロッドが前記注射器バレル内で前進される場合に、前記プランジャーヘッドは前記複数のサポートを前記空洞の中へ前進させ、前記複数のサポートは、第1の位置から第2の位置に前記保護カバーを動かす、ニードルおよび注射器システム。
【請求項18】
前記保護カバーが前記第2の位置にある場合に、前記ニードルが前記保護カバーによって保護されている場合に、前記ニードルベースの前記第2の端部からニードルが延在する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数のサポートは、前記空洞内に配置された活性化リングから延在する、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記空洞に配置されたスペーサーをさらに含み、前記プランジャーヘッドは前記スペーサーを動かし、前記スペーサーは前記活性化リングを動かす、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
【0002】
一般に、本発明は、ニードルまたはカニューレを介して注射を作成するために使用される注射器に関する。より具体的には、本発明は、使用後にニードルを遮蔽し、注射器の使用後に注射器内に保持される注射材料の量を最小限にするように設計された安全注射器に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
【0004】
医療専門家は毎年何百万もの注射を実行する。注射は通常、皮下注射ニードルおよび注射器を使用して行われる。皮下注射ニードルの長さおよびニードルのゲージは、用途と、注射が筋肉内、皮下、静脈内、または皮内のいずれであるかとによって異なる。注射される化合物もまた大きく異なる。生理食塩水などのいくつかの注射材料は、非常に安価である。しかし、特定の遺伝子治療化合物などの多くの医薬品化合物は、一注射ごとに数万ドルの費用がかかる可能性がある。そのため、医薬品の1ミリリットルの何分の一かは、数百ドルの価値がある。
【0005】
従来の皮下注射ニードルおよび注射器を使用して注射を行う場合、注射が完了した後、ニードルおよび注射器の内部に、必然的にある程度の体積の注射材料が残る。残った医薬品は、注射後ニードルおよび注射器とともに捨てられる。この無駄になる医薬品は、すべての注射を考慮すると、無駄になる医薬品に数十億ドルを追加する。
【0006】
従来技術では、本質的に皮下注射器およびニードルの内部に残る残留材料の体積についてはほとんど考慮されていない。いくつかのニードルおよび注射器のアセンブリは、注射器プランジャーとニードルヘッドとが面一で接触するように設計されている。そのような先行技術の設計は、リーの米国特許第6,616,636号およびジェンツェンの米国特許第5,902,270号によって例示されている。しかし、病院などの実際の医療環境では、様々な注射器が、具体的な医療用途に応じて、様々なニードルヘッドで使用される。いくつかのニードルヘッドと注射器との組み合わせは、医薬品化合物の排出に効率的あるが、そうでない組み合わせもある。
【0007】
ニードルヘッドおよび注射器が安全な注射器アセンブリの一部である場合、問題はさらに複雑になる。安全な注射器アセンブリは、注射を実行し、かつ針刺し(needle stick)損傷の可能性を最小限に抑えるためのメカニズムを提供するように設計されている。針刺し損傷は医療従事者の間で一般的である。米国国立労働安全衛生研究所によれば、針刺し損傷は、皮下ニードル、採血ニードル、静脈内(IV)スタイレット、およびIVデリバリーシステムの部品を接続するために使用されるニードルなどのニードルによって引き起こされる損傷として定義される。針刺し損傷は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および新型コロナウイルス感染症などの血液感染性病原体を感染させる可能性がある。医療従事者にとって、針刺し損傷は、医療従事者のこれらの病気のかなりの部分の原因となっている。
【0008】
米国疾病対策センターによると、アメリカ合衆国では、毎年300万人以上の医療従事者がニードル事故によって血液や体液にさらされていると推定されている。ほとんどの医療従事者は、使用済みのニードルを使用および廃棄するための手順の訓練を受けている。たとえば、針刺し損傷の可能性を防ぐために、使用済みのニードルに再度キャップを付けるべきではない。しかし、多くの研究により、再度キャップを付けることが医療従事者の間で依然として広く行われていることが明らかになっている。
【0009】
針刺し損傷の数を減らすために、ニードルが皮膚から引っ込められた瞬間にニードルを自動的にカバーするように機能する様々な安全ニードルが開発されている。これは通常、シースがニードルの先端を覆うまで、ニードルのシャフトに沿って管状シースを前進させることによって達成される。そのような先行技術は、米国特許第6,626,863号、米国特許出願公開第2007/0016140号、米国特許出願公開第2007/0016145号、および米国特許出願公開第2008/0009808号によって例示されている。しかし、ニードルヘッド内に安全メカニズムを統合すると、通常、ニードルヘッド内に追加のスペースが必要になる。ニードルヘッドのスペースが増えるということは、ニードルヘッドに残留した医薬化合物が集まり得るデットスペースが広いことを意味する。結果として、設計においてバランスをとらなければならない反対の懸念がしばしばある。デザインの安全機能は、安全機能のために保持されている無駄になる医薬品とのバランスが取られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,616,636号
【特許文献2】米国特許第5,902,270号
【特許文献3】米国特許第6,626,863号
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0016140号
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0016145号
【特許文献6】米国特許出願公開第2008/0009808号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、ニードルが注射後に自動的に遮蔽され、アセンブリが大きい体積の注射される材料を保持しない、皮下ニードルおよび注射器のアセンブリの改良の必要がある。これらの必要は、以下に記載および請求される本発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の開示
【0013】
本発明は、ニードルおよび注射器システムであり、ニードルヘッドは、注射器アセンブリに取り付けられている。注射器アセンブリは、注射器バレルを含む。プランジャーロッドには、注射器バレル内で相互に動くことのできるプランジャーヘッドが設けられる。
【0014】
注射器バレルにはニードルベースが付加される。ニードルベースは、中心軸に沿った反対の点にある第1および第2の端部を含む。ニードルベースには管状の空洞が形成され、管状の空洞を通って支柱が延在する。管状の空洞は、ニードルベースの第1の端部からアクセス可能である。
【0015】
ニードルは、中心軸に沿ってニードルベースの中へ延在する。ニードルは、支柱を通って延在し、注射器バレルの中身を受け入れるためにニードルベースの第1の端部で開いている。スペーサーが設けられる。プランジャーヘッドが注射器バレル内で前進されるときに、スペーサーは、ニードルベース内の管状の空洞の中へ移動される。
【0016】
保護カバーは、ニードルベースの周りに配置される。スペーサーが管状の空洞の中へ移動されるときに、スペーサーは、第1の位置と第2の位置との間で保護カバーを動かす。保護カバーが複数の位置の間で動くときに、保護カバーはニードルを囲み、ニードルが不注意によるニードル刺し怪我を引き起こすのを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面の簡単な説明
【0018】
本発明をよりよく理解するために、添付の図面と併せて検討される、その例示的な実施の形態の以下の説明が参照される。
図1】例示的なニードルおよび注射器システムのヘッドを、そのニードルが露出された状態で使用する準備ができている状態で示す。
図2図1の実施の形態の断面図である。
図3】例示的な実施の形態の分解図を示す。
図4】ニードルが保護カバーで部分的に覆われた例示的な実施の形態の断面図である。
図5】ニードルが保護カバーで完全に覆われた例示的な実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明を実施するためのベストモードの詳細な説明
【0020】
本発明のニードルおよび注射器システムは、様々な方法で構成することができ、多くのアプリケーションでの使用に適合させることができる。しかし、記述および説明の目的のために、1つの例示的な実施の形態のみが選択される。しかし、説明された実施の形態は、単なる例示であり、添付の特許請求の範囲を解釈する場合の限定であると考えられるべきでない。
【0021】
図1図2図3を参照して、本発明のニードルおよび注射器システム10が示されている。示される実施の形態では、ニードルおよび注射器システム10は、使用前に医療専門家によって選択的に結合される2つの主要なサブアセンブリを含む。主要なサブアセンブリは、ヘッドサブアセンブリ12と、注射器サブアセンブリ14とを含む。ヘッドサブアセンブリ12は、機械的接続を用いて注射器サブアセンブリ14を機械的に係合させる、または、接着剤もしくはプラスチック溶接を使用して、注射器サブアセンブリ14に接着されてもよい。注射器サブアセンブリ14とヘッドサブアセンブリ12との間の接続に関わらず、ヘッドアセンブリー12は流体不浸透性である。
【0022】
注射器サブアセンブリ14は、注射器バレル16と、注射器バレル16の中へ延在するプランジャーロッド18とを含む。プランジャーロッド18は、注射器バレル16を通ってヘッドサブアセンブリ12の方へ手動で前進されることができる。プランジャーロッド18は、エラストマーピストンヘッド20で終了する。注射器バレル16内でプランジャーロッド18が動くときに、エラストマーピストンヘッド20は、注射器バレル16の内部に対して遮蔽する。ピストンヘッド20は、注射器バレル16内においてピストンヘッド20に面する平坦な前面22を有する。
【0023】
ヘッドサブアセンブリ12は、ニードル24を保持する。ニードル24は、プラスチックニードルベース26によってヘッドサブアセンブリ12内で支持される。ニードルベース26は、複雑な形状を有する。ニードルベース26は、中心軸28の周りに対称的に形成され、ニードル24は、中心軸28に対して整列している。中心軸28に沿って、ニードルベース26は、第1の端部30と、反対の第2の端部32とを有する。ニードルベース26の第1の端部30は、注射器バレル16の中へ延在し、ピストンヘッド20に面している。
【0024】
フランジ34は、ニードルベース26の外部の第1の端部30の近くに形成される。フランジ34は、注射器バレル16に対して機械的に接続または接着される。これは、ニードルベース26を注射器バレル16に結合する。2つのロック凹み36、38は、ニードルベース26の外部に形成される。第1のロック凹み36は、ニードルベース26の第1の端部30の近くに位置づけられ、第2のロック凹み38は、ニードルベース26の第2の端部32の近くに位置づけられる。
【0025】
管状の空洞40は、ニードルベース26の第1の端部30に形成される。管状の空洞40は、ニードルベース26の対向する2つの側に形成される2つの側面スロット42を通じてアクセス可能である。複数のスロット42は、フランジ34から管状の空洞40の遠位の端部まで延在する。管状の空洞40は、注射器バレル16内からもアクセス可能である。管状の空洞40は、ニードルベース26内の中央支柱44を作り、中央支柱44は、中心軸28と同心である。ニードル24は、中央支柱44を通って延在し、その中で、ニードル24が注射器バレル16の中身にアクセスすることを可能にする。中央支柱44は、管状の空洞40の長さよりも長い長さを有する。その結果、中央支柱44は、注射器バレル16の中へ部分的に延在する。
【0026】
環状スペーサー46および活性化リング48が設けられる。示される実施の形態では、環状スペーサー46および活性化リング48は、別個の構成要素として示されている。これは任意の構成である。環状スペーサー46および活性化リング48は、単一の部品として成形されてもよい。示されているツーピース構造では、環状スペーサー46は管状の形状であり、ニードルベース26の管状の空洞40内に環状スペーサー46が適合することを可能にする内径および外径を有する。活性化リング48は、環状本体49と、環状本体49から外向きに延在する2つの放射状のサポート50とを有する。環状本体49は、環状スペーサー46と同じ内径および外径を有する。放射状のサポート50は、ニードルベース26の側面スロット42内に延在するのに十分な幅がある。環状スペーサー46および活性化リング48のあわせた長さは、中央支柱44の長さと正確に同じである。環状スペーサー46および活性化リング48は、側面スロット42の放射状のサポート50の動きによって制限されるときに、中央支柱44の長さに沿って自由にスライドする。
【0027】
ヘッドサブアセンブリ12は、ニードルベース26の上に配置された保護カバー52を含む。保護カバー52は、ニードル24の一部を取り囲む安全シース54を有する。保護カバー52は、ニードルベース26の外部に沿って相互に動くことができる。しかし、保護カバー52は、内部に延在するロック突起56を含んでおり、ロック突起56は、ニードルベース26の外部のロック凹み36、38と係合することができる。ロック凹み36、38のうち1つの中へロック突起56が動く場合、保護カバー52はセット位置に付勢されるようになる。
【0028】
使用前に、ヘッドサブアセンブリ12は図2に示す構成を有する。図3と併せて図4および図5を参照すると、使用前に注射器バレル16は、伝統的な方法で薬剤55によって満たされることが分かる。この第1の位置では、注射器バレル16は満杯であり、保護カバー52のロック突起56は、ニードルベース26の第1のロック凹み36に係合する。これにより、ニードルおよび注射器システム10の処理中に不注意な吐出が発生するのを防ぐことができる。プランジャーロッド18が手動で前進されるときに、ロック突起56は、第1のロック凹み36から移動されることができる。ピストンヘッド20がヘッドサブアセンブリ12に向かって前進するときに、ピストンヘッド20は環状スペーサー46に接触し、環状スペーサー46および活性化リング48の両方を、ニードルベース26の中央支柱44の周りの管状の空洞40の中へ押し込む。ピストンヘッド20が中央支柱44に接触するときに、環状スペーサー46および活性化リング48は、管状の空洞40を完全に満たす。ニードル24の内部に残る非常に小さい容積を除いて、全ての薬剤は、注射器サブアセンブリ14から移動される。この第2の位置では、ロック突起56は、ニードルベース26の第2のロック凹み38と係合する。
【0029】
プランジャーロッド18が前進されるときに、プランジャーロッド17は、環状スペーサー46に接触し、環状スペーサー46を動かす。環状スペーサー46は、活性化リング48を動かす。活性化リング48の複数の放射状のサポート50は、保護カバー52内の複数の側面スロット42の中へ延在する。前進する環状スペーサー46によって活性化リング48が前方に押されたときに、複数の放射状のサポート50は、保護カバー52をニードルベース26上で前方に前進させる。保護カバー52が前方に動くときに、安全シース54も前方に動き、安全シース54はニードル24の先端を覆う。活性化リング48および複数の放射状のサポート50は、注射の間、ニードル24に沿って動く。その結果、安全シース54もまた、注射の間に前方に動く。注射が完了するまでに、安全シース54は完全に前進され、ニードル24は完全に遮蔽される。結果として、注射の後に、医療提供者がニードル24の先端に接触する機会は無い。
【0030】
ニードルおよび注射器システム10がその充填された第1の位置から吐出した第2の位置まで動いたことを示す色分けされた表示を提供するために、ニードルベース26の外部に色付きのインジケータ60が設けられてもよい。
【0031】
図示および説明される本発明の実施の形態は単なる例示であり、当業者はその実施の形態に多くの変形を加えることができることが理解されよう。そのようなすべての実施の形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】