(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】金属加工流体中の亜硝酸塩含有量のインライン測定
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20220831BHJP
G01N 1/38 20060101ALI20220831BHJP
B23Q 11/10 20060101ALI20220831BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
G01N1/10 W
G01N1/38
B23Q11/10 Z
B23Q17/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577022
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 EP2020068586
(87)【国際公開番号】W WO2021001455
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501354624
【氏名又は名称】カストロール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】フイスティング,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ゲルツ,ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ルース,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
2G052
3C011
3C029
【Fターム(参考)】
2G052AA06
2G052AA08
2G052AB01
2G052AC19
2G052AC23
2G052AD09
2G052AD29
2G052AD49
2G052CA03
2G052CA12
2G052CA36
2G052GA11
2G052HC28
3C011EE00
3C029EE00
(57)【要約】
金属加工流体中の亜硝酸塩含有量をインライン監視するための装置であって、金属加工流体のサンプルを受け入れるためのサンプル注入口を備える装置が提供される。希釈流体を受け取るための希釈注入口と、フォト活性試薬を受け取るための試薬注入口と、サンプル注入口と流体連通するサンプル混合物を収容するための反応容積と、希釈注入口および試薬注入口と、サンプル混合物を監視するための光度計と、装置内の流体流を制御するための流量制御システムと、サンプルを選択的に導入するために、それぞれの注入口から反応容積にフォト活性試薬をおよび/またはする希釈流体を導入してサンプル混合物を形成し、サンプル混合物を反応容積内に保持し、反応容積からサンプル混合物を排出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属加工流体中の亜硝酸塩含有量をインライン監視するための装置であって、
金属加工流体のサンプルを受け入れるためのサンプル注入口と、
希釈流体を受け入れるための希釈注入口と、
フォト活性試薬を受け取るための試薬注入口と、
サンプル注入口、希釈注入口および試薬注入口と流体連通するサンプル混合物を収容するための反応容積と、
サンプル混合物を監視するための光度計と、および
前記装置内の流体の流れを制御するための流量制御システムであって、
(a)サンプル、希釈流体、および/またはフォト活性試薬をそれぞれの注入口から反応容器に選択的に導入し、サンプル混合物を形成すること、
(b)サンプル混合物を反応容積内に保持すること、
(c)サンプル混合物を反応容積から排出することと、
を含む装置。
【請求項2】
前記反応容積は、反応容器と、前記反応容器から前記光度計に前記サンプル混合物を供給するための光度計流路とを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流量制御システムは、前記サンプル混合物を前記反応容器から前記光度計流路に供給し、前記サンプル混合物を前記反応容器から排出するための第1のポンプを備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記流量制御システムは、前記第1のポンプが前記サンプル混合物を前記光度計流路に供給するか、または前記反応容積から前記サンプル混合物を排出するかを選択するための第1の弁を備える請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記流量制御システムは、前記サンプル混合物を前記反応容器および/または前記光度計流路から排出されるかどうかを選択するための第2の弁を備える請求項2~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流量制御システムは、前記サンプルを前記反応容積に導入するためのサンプルポンプと、前記希釈流体を前記反応容積内に導入するための希釈ポンプと、および/または前記フォト活性試薬を前記反応容積内に導入するための試薬ポンプとを備える請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記反応容積は、前記反応容積からから前記サンプル混合物を排出するための第1の排出流路と、前記反応容積内に所定の容積の前記サンプル混合物を残すために、前記反応容積から前記サンプル混合物を部分的にのみ排出するための第2の排出流路とを含む請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記流量制御システムは、前記サンプル混合物が前記第1または第2の排出流路を通って排出されるかどうかを選択するための第3の弁を備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のポンプは、前記第1および第2の排出流路を通って前記サンプル混合物を排出するように配置される請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記サンプルポンプは、前記サンプルおよび前記希釈流体を同時に前記反応容積に導入するためのマルチチャネルポンプを含み、例えば、前記サンプル注入口および前記希釈注入口と流体連通するデュアルチャネルポンプを備える請求項6~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、前記装置を動作させるために、
(i)試験する金属加工流体の前記サンプルの第1の容積を前記サンプル注入口から前記反応容積に供給し、
(ii)希釈サンプル混合物を形成するために、前記希釈流体の第2の容積を希釈注入口から前記反応容積に供給し、
(iii)活性化されたサンプル混合物を形成するために、前記フォト活性試薬の第3の容積を前記試薬注入口から前記反応容積内へ供給し、
(iv)光度計を使用して前記活性化されたサンプル混合物の測光測定値を取得し、ここで、前記測光測定値は、前記サンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供する
ように構成されたコントローラをさらに含む請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記第1の容積よりも大きい容積の前記サンプルを前記反応容積に導入し、および前記サンプルの第1の容積を残すように金属加工流体を前記反応容積から排出して、前記第1の容積を供給するように前記装置を動作させるように構成される請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記希釈されたサンプル混合物、および/または前記活性化されたサンプル混合物を、前記反応容積内で循環させるように前記装置を動作させるように構成される請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の容積の希釈流体を供給すること、および/または前記第3の容積のフォト活性試薬を供給することは、それぞれ、前記反応容積内の前記希釈されたサンプル混合物、および/または前記活性化されたサンプル混合物の循環と少なくとも部分的に同時に行われる請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記コントローラは、前記フォト活性試薬を導入する前に、前記希釈されたサンプル混合物の測光測定値を取得するように構成される請求項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記コントローラは、金属加工流体の異なるサンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供する測定値を定期的に取得するように構成される請求項11~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記コントローラは、測定と測定の間に、前記サンプル混合物の反応容積を空にする、および/または希釈流体および/またはサンプルで前記装置を洗浄するように前記装置を動作するように構成される請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記サンプルの測光測定値および/または亜硝酸塩含有量をデータベースに記録するように、および/またはサンプルの亜硝酸塩含有量が閾値範囲外であるときに指標を提供するように構成される請求項11~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記サンプルの亜硝酸塩含有量の指標に基づいて、前記金属加工流体の硝酸塩含有量を調整するための指標、および/または制御信号を提供するように構成される請求項11~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の装置を用いて金属加工流体中の亜硝酸塩含有量をインラインで監視する方法であって、前記方法は、
(i)金属加工流体流から試験される金属加工流体のサンプルを取り出し、サンプル注入口から反応容積内に前記サンプルの第1の容積を供給すること、
(ii)希釈されたサンプルを形成するために、前記希釈注入口から前記反応容積内への前記希釈流体の第2の容積を供給すること、
(iii)活性化サンプルを形成するために、前記フォト活性試薬を前記試薬注入口から前記反応容積内に供給すること、および
(iv)活性化されたサンプルの測光測定値を得ることであって、前記測光測定値は、前記サンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供すること
とを含む方法。
【請求項21】
希釈流体が水であり、金属加工流体が水性金属加工流体であり、および/またはここで、前記フォト活性試薬は、スルファニルアミドおよびN-(1-ナフチル)エチレンジアミンを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、請求項12~19のいずれか一項に記載の装置を動作させることを含む請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
請求項20~22のいずれか一項に記載の方法を実行するようにコンピュータシステムをプログラムするように構成されたプログラム命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
請求項23に記載のプログラム命令を含むプロセッサおよびコンピュータメモリを含む請求項1~11のいずれか一項に記載の装置のための制御システム。
【請求項25】
金属加工流体の亜硝酸塩含有量を定期的に自動的に監視し、任意に記録するための請求項1~19のいずれか一項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属加工流体中の亜硝酸塩含有量のインライン測定に関する。特に、本発明は、測光法によって金属加工流体の亜硝酸塩含有量を測定するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属加工流体は、金属の切断および成形のために世界中の工場で使用されている。それらの主な用途は、工具、加工製品、および機械を冷却および潤滑し、腐食を抑制し、切り屑の除去、金属の切断、研削および洗浄を補助することである。金属加工流体には様々な異なる種類がある。金属加工流体、特に水性金属加工流体は、しばしば亜硝酸塩を含有し、場合によっては、例えば規制要件を満たすために、そのような流体の亜硝酸塩含有量を測定することが必要である。
【0003】
金属加工流体中の亜硝酸塩のレベルの監視は、監視すべきシステムから流体のサンプルを採取し、実験室で亜硝酸塩含有量を評価することによって行うことができる。例えば、亜硝酸塩含有量は、実験室で試験紙を用いて監視することができる。しかしながら、このような手作業の方法は、労働集約的であり、従って、定期的な試験が必要とされる場合には非効率的である。
【0004】
より効率的な方法で亜硝酸塩含有量を測定することができ、サンプルを抽出し、実験室に搬送する必要なしに、金属加工流体の亜硝酸塩含有量の定期的でリアルタイムの測定を提供することができるシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、金属加工流体中の亜硝酸塩含有量をインライン監視するための装置を提供し、この装置は、
金属加工流体のサンプルを受け入れるためのサンプル注入口と、
希釈流体を受け入れるための希釈注入口と、
フォト活性試薬を受け取るための試薬注入口と、
サンプル注入口、希釈注入口および試薬注入口と流体連通するサンプル混合物を収容するための反応容積と、
サンプル混合物を監視するための光度計と、および
前記装置内の流体の流れを制御するための流量制御システムであって、
(a)サンプル、希釈流体、および/またはフォト活性試薬をそれぞれの注入口から反応容器に選択的に導入し、サンプル混合物を形成すること、
(b)サンプル混合物を反応容積内に保持すること、
(c)サンプル混合物を反応容積から排出すること、
とを含む。
【0006】
この装置は、金属加工流体のインライン監視を提供するために使用することができる。インライン監視は、金属加工プロセス、使用済み金属加工流体の流れ、またはそれらの組み合わせを同時に、またはその後に供給される金属加工流体から得られるサンプルに関する情報を取得することを含むことができることを理解されたい。例えば、この装置は、金属加工流体供給源中の亜硝酸塩含有量の自動監視に使用することができる。インライン監視は、金属加工流体のサンプルをプロセスフローから装置のサンプル注入口に方向転換することを含んでもよく、例えば、使用中、装置は、サンプル注入口が金属加工流体プロセスフローと流体連通するように配置されてもよい。金属加工流体プロセスフローのサンプルを方向転換することは、金属加工プロセスで活発に使用されている金属加工流体プロセスフローからサンプルを取得することを含んでもよく、または金属加工プロセスで使用される金属加工流体の供給源、例えば金属加工流体プロセスフローが引き出される金属加工流体の供給源からサンプルを取得することを含むことができる。
【0007】
金属加工流体のサンプルは、金属加工流体プロセスフローから直接得られてもよく、または、例えば、本装置に加えて他の1つまたはそれ以上の監視装置に金属加工流体のサンプルを提供するために予め収集した金属加工流体の量またはフローから間接的に得られてもよい。
【0008】
いくつかの実施例では、装置は、サンプル注入口で金属加工流体のサンプルを受け取り、出口を通って金属加工流体の流れを戻すように構成されてもよい。例えば、サンプル注入口は、金属加工流体の流れを通すことができるサンプリングループを備えることができ、サンプリングループでは、金属加工流体のサンプリング容積を、例えば、2つの弁の間に収容することができる。サンプリング容積は、定義された容積を含むことができ、サンプリング容積全体を含むサンプルは、反応容積内に提供される。代替的に、サンプリング容積は、反応容積内に提供されるサンプルの容積よりも大きくてもよい。
【0009】
サンプル注入口は、例えば、装置にダメージを与える可能性のある粒子状物質のようなサンプルの成分を除去するための、1つまたはそれ以上フィルタを含むことができる。サンプル注入口は、例えば、5~30μmのフィルタ、例えば、10μmのフィルタを含むことができる。
【0010】
金属加工流体は、以下のような、当技術分野で知られている任意の種類の金属加工流体:(1)非水混和性油、(2)水混和性油、および(3)全合成された油を含まない製品、とすることができる。したがって、金属加工流体は、油性、水性、油中水型エマルジョン、または水中油型エマルジョンであってもよい。金属加工流体が水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンである場合、金属加工流体は、水中油型エマルジョン、または油中水型エマルジョンの形成を補助するために乳化剤を含んでもよい。
【0011】
金属加工流体は、好適には、金属加工流体に典型的に含まれるような、1つまたはそれ以上の添加剤をさらに含んでもよい。このような添加剤は、当業者に知られており、馴染みがある。金属加工流体に使用するための典型的な添加剤には、腐食抑制剤、pH調整添加剤、殺生物剤、界面活性剤、酸化防止剤、黄色金属抑制剤、極圧(EP)添加剤、耐摩耗(AW)添加剤、界面潤滑添加剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0012】
金属加工流体は、研削油剤として研削およびホーニング用途、切削油剤またはブローチ油剤として、蒸発性スタンピング流体のような変形金属加工用途に使用されてもよい。金属加工流体は、水混和性金属加工流体として使用することができる。
【0013】
希釈注入口は、希釈流体源に適切に接続される。希釈流体の供給源は、例えば、使用時に外部供給源が希釈注入口に接続される場合、外部供給源であってもよい。いくつかの実施例では、希釈流体の供給源は、例えば、装置が希釈流体を貯蔵するための希釈流体貯蔵槽を備える場合、希釈流体の内部供給源を備えることができる。希釈流体は、任意の適切な流体であってもよく、特定の希釈流体は、監視される金属加工流体に基づいて適切に選択されてもよい。特に、希釈流体は水であってもよい。
【0014】
試薬注入口は、フォト活性試薬の、1つまたはそれ以上の外部または内部供給源に適切に接続されてもよく、ここで、フォト活性試薬は、1つまたはそれ以上成分の混合物を含んでもよい。試薬注入口は、フォト活性試薬を別々に提供するための、2つ以上の別個の注入口を含むことができる。装置は、フォト活性試薬、またはその1つまたはそれ以上の成分を保管するための、1つまたはそれ以上の貯蔵槽を含んでもよく、および/または使用中のフォト活性物質の、1つまたはそれ以上の成分は外部供給源から提供されてもよい。
【0015】
フォト活性試薬は、サンプル中の亜硝酸イオンと反応して、光度計を使用して観察され得る種を提供するための任意の適切な試薬を含み得る。フォト活性試薬と亜硝酸イオンとの反応は、光度計を使用して測定され得る色変化を生じ得る。例として、フォト活性試薬は、スルファニルアミドおよびN(1-ナフチル)エチレンジアミン(グリース試薬)を含んでもよく、これは、酸性媒体中でサンプルと組み合わせてもよく、サンプル混合物の亜硝酸塩含有量は、光度計を使用して525nmの波長での吸収を測定し、設定校正機能を使用してサンプル中の亜硝酸塩濃度を計算することによって監視されてもよい。試薬は、スルファニルアミドおよびN-(1-ナフチル)エチレンジアミンを、酸性媒体中、例えば、リン酸溶液などの酸性水溶液中に含むことができ、これは、単一の試薬注入口を通って反応容積に供給することができる。場合によっては、酸、スルファニルアミドおよびN-(1-ナフチル)エチレンジアミンのうちの少なくとも1つは、例えば別個の試薬注入口を介して、反応容積に別個に提供されてもよい。場合によっては、サンプルは、装置に導入し、フォト活性試薬と混合する前に好適に酸性であってもよい。
【0016】
反応容積は、装置内に流体を導入するためのそれぞれの注入口と、装置から流体を排出するための、1つまたはそれ以上出口との間の、1つまたはそれ以上流路によって画定される容積を含むことができる。反応容積は、反応容器と、反応容器と流体連通する、1つまたはそれ以上の流路とを含むことができる。部分(b)においてサンプル混合物を反応容積内に保持するための流量制御システムは、反応容積内に閉鎖流路を提供するように動作可能な弁を備えてもよく、反応容積内でサンプル混合物を循環させるように動作可能なポンプ、例えば本明細書に記載される第1のポンプを備えてもよい。
【0017】
装置内の流路は、任意の好適な方法によって提供されてもよく、例えば、装置内の流路は、サンプル混合物を収容するための、1つまたはそれ以上の導管によって提供されてもよいことが理解されるであろう。
【0018】
本明細書で言及されるサンプル混合物は、反応容積中に存在する流体の任意の組み合わせ、例えば、サンプル、希釈流体、もしくはフォト活性試薬のうちの1つ、または前記流体の1つまたはそれ以上の組み合わせを指すと理解される。
【0019】
反応容積は、反応容器と、反応容器から光度計にサンプル混合物を供給するための光度計流路とを含むことができる。光度計は、反応容器と流体連通する別個の光度計流路内のサンプル混合物を監視するように配置されてもよく、または光度計は、例えば反応容器が光度計流路を含む場合、反応容器内のサンプル混合物を監視するように配置されてもよい。光度計流路は、例えば、光度計が、反応容器で始まり、終わる流路に沿った位置でサンプル混合物を監視するように配置されるように、流路の両端で反応容器に流体接続された流路を備えてもよい。
【0020】
光度計は、サンプル混合物が監視される、光度計を通るサンプル混合物のための流路を画定する注入口および出口を備えることができる。いくつかの例では、光度計流路を画定する導管、または反応容器は、光度計がサンプル混合物を監視することができる窓を含むことができる。
【0021】
光度計は、フォト活性試薬とサンプル中の亜硝酸イオンとの反応のために吸収された波長での吸収を監視するための、任意の適切な光度計を含むことができ、このような光度計は、当業者に公知であることが理解される。
【0022】
流量コントローラは、装置内の流量を制御するように動作可能な、1つまたはそれ以上のポンプ、および1つまたはそれ以上の弁を含むことができる。
【0023】
流量制御システムは、サンプル混合物を反応容器から光度計流路に供給し、サンプル混合物を反応容器から排出するための第1のポンプを含むことができる。第1のポンプがサンプル混合物を光度計流路に供給する場合、これは、反応容積内でサンプル混合物を循環させることを含む。流量制御システムは、第1のポンプがサンプル混合物を光度計流路に供給するか、または反応容積からサンプル混合物を排出するかを選択するための第1の弁を備えてもよい。例えば、第1の弁は、第1のポンプの下流に配置され、第1のポンプからの流路を光度計流路に、または装置の出口に接続するように動作可能であってもよい。
【0024】
流量制御システムは、サンプル混合物を反応容器、および/また光度計流路から排出するかを選択するための第2の弁を含むことができる。例えば、第2の弁は、第1のポンプの上流に配置され、反応容器を光度計流路に、および/または第1のポンプの注入口に選択的に接続するように動作可能であってもよい。反応容器が、例えば、第2の弁の操作によって、第1のポンプの注入口に接続される場合、第1の弁は、サンプル混合物を反応容器から装置の出口に、または前述のように光度計流路に導くように動作可能であり得る。例えば、第1のポンプは、反応容器および光度計流路を通ってサンプル混合物を循環させるように配置されてもよい。
【0025】
流量制御システムは、サンプルを反応容積内に導入するためのサンプルポンプと、希釈流体を反応容積内に導入するための希釈ポンプと、および/またはフォト活性試薬を反応容積内に導入するための試薬ポンプとを含むことができる。サンプル注入口、希釈注入口、および試薬注入口は、それぞれ、それぞれの注入口から反応容積へ、および/またはのそれぞれのポンプへの流れを制御するための、1つまたはそれ以上の弁を任意に含んでもよい。
【0026】
試薬注入口が、フォト活性試薬の成分を別々に提供するための2つ以上の試薬注入口を含む場合、流体制御システムは、それぞれの注入口のための試薬ポンプ、または2つ以上の試薬注入口に接続されたマルチチャネルポンプを含んでもよい。
【0027】
装置の注入口への流体流入が、反応容積内の圧力よりも高い圧力で提供される場合、任意選択でポンプと組み合わせて弁を使用して、反応容積内への流体の供給を制御することができることを理解されたい。あるいは、装置の注入口への流体流入が加圧されない場合、ポンプを使用して、任意選択で弁と組み合わせて、反応容積への流体の供給を制御することができる。
【0028】
流体を反応容積に導入するための、2つまたはそれ以上のポンプは、ポンプを通る別個の流路を有する1つのマルチチャネルポンプ、例えばデュアルチャンネルポンプによって提供されてもよい。マルチチャネルポンプのチャネルは、予め規定された容積速度流量、例えば、各チャネルを等価容積速度流量を提供するように構成されてもよい。
【0029】
マルチチャネルポンプは、サンプルポンプ、希釈ポンプ、および試薬ポンプに追加のポンピング機能を提供してもよい。例えば、サンプルポンプはマルチチャネルポンプ、例えば、サンプルおよび希釈流体を同時に反応容積に導入するためのマルチチャネルポンプを含み、例えば、サンプル注入口および希釈注入口と流体連通するデュアルチャネルポンプを含んでもよい。
【0030】
反応容積は、反応容積からサンプル混合物を排出するための、第1の排出流路と、反応容積内に所定の容積のサンプル混合物を残すために、反応容積からサンプル混合物を部分的にのみ排出するための、第2の排出流路とを含むことができる。例えば、反応容器は、第1の出口および第2の出口を含むことができ、第2の出口は、反応容器からサンプル混合物を部分的にのみ排出するように配置される。したがって、反応容積に導入される流体の容積は、例えば、反応容積に流体の容積を導入し、サンプル混合物を排出することによって特定のレベルまで容積を減少させることによって制御され得る。
【0031】
流量制御システムは、サンプル混合物を反応容積の第1または第2の排出流路を通って排出させるかを選択するための第3の弁を備えてもよい。例えば、第1および第2の排出流路は、第3弁に接続されていてもよい。
【0032】
第1のポンプは、第1および第2の排出流路を通ってサンプル混合物を排出するように配置されてもよい。例えば、第1および第2の排出流路は、第1のポンプの注入口に流体的に接続されてもよい。例えば、第3の弁は、第1のポンプの注入口に流体的に接続されてもよく、第2の弁を介して第1のポンプの注入口に接続されてもよい。
【0033】
装置は、装置を校正するためのオフライン測定を実行するために、装置内に導入されたサンプルを抽出することができる校正出口を含んでもよい。流量制御システムは、サンプルを校正出口に導くか、または反応容積に導くかを選択するための弁を備えてもよい。
【0034】
装置は、装置を以下の動作をさせるように構成されたコントローラをさらに備えてもよい:
(i)試験する金属加工流体のサンプルの第1の容積をサンプル注入口から反応容積に供給する、
(ii)希釈サンプル混合物を形成するために、希釈流体の第2の容積を希釈注入口から反応容積内に供給する、
(iii)活性化されたサンプル混合物を形成するために、フォト活性試薬の第3の容積を試薬注入口から反応容積内に供給する、
(iv)光度計を使用して活性化されたサンプル混合物測光測定値を取得する、ここで、測光測定値は、サンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供する。
【0035】
コントローラは、装置内の流体流を制御するために、流体制御システムの、1つまたはそれ以上の弁、および1つまたはそれ以上のポンプの動作を同期させるように構成されてもよい。例えば、コントローラは、装置内の流れを制御するために、第1、第2、および/または第3の弁の動作と第1のポンプの動作を同期させるように構成されてもよい。
【0036】
第1、第2、および第3の容積のサンプル、希釈流体、およびフォト活性試薬は、それぞれ、例えば、各容積の流体を導入するために、それぞれの注入口に連結されたポンプの時間調整動作、例えば、サンプルポンプ、希釈ポンプ、または試薬ポンプの時間調整動作で、反応容積に導入されてもよい。ポンプの時間調整動作は、設定された時間だけポンプを作動させることを含むことができる。ポンプの時間調整動作は、例えば、ポンプによって提供される既知、または設定された容積流量に基づいてもよい。また、制御された容積の流体を、それぞれの注入口における弁の時間調整開放によって反応容積内に導入して、設定された容積の流体が弁を通って流れることを可能にしてもよい。流体を2つまたはそれ以上の弁の間の容積内に捕捉することによって、一定容積の流体を提供することができる。いくつかの例では、一定容積の流体を反応容積に導入し、次いで流体の設定容積を残すために、反応容積を部分的に排出して、一定容積の流体を提供することができる。
【0037】
装置内に存在する弁は、当技術分野で既知の任意の適切な弁を含むことができ、例えば、ソレノイド弁またはボール弁を含むことができる。弁は、必要に応じて、多方向弁、例えば、三方向弁、またはオン/オフ弁を備えることが好適である。弁は、好適には、通常閉または通常開の弁を備えることができ、三方向弁は、弁を通る通常開および通常閉の流路の両方を備えることができる。弁は、例えば、弁がソレノイド弁を備える場合、または弁が電子的に動作可能な弁アクチュエータを備える場合、自動的に動作可能であってもよい。例えば、弁は、コントローラによって作動可能であってもよく、これは、弁の開放の時間調整および持続時間を制御してもよい。
【0038】
装置内に存在するポンプは、任意の適切なポンプを含んでよく、1つのまたは複数のマルチチャンネルのポンプを含んでよい。ポンプは、回転ギアまたはベーンポンプ、ぜん動ポンプまたはダイヤフラムポンプのような容積式ポンプを備えることができる。ポンプは、例えば、弁の開放の時間調整および持続時間を制御することができるコントローラによって、動作可能であるように、自動的に動作可能であるのが好適である。
【0039】
ある機能を実行するための弁またはポンプとして記載された弁またはポンプは、好適には、前記機能を実行するように動作可能であるか、または配置されていると見なされてもよく、またはその逆であってもよい。本明細書に記載されるような特定の機能を実行するために、弁を動作させることは、いくつかの例では、以下を行うことを含んでもよい。例えば、弁を通る流れを変化させる動作はなく、例えば、弁が所望の構成で通常開の弁を有する場合と同様に、既に所望の構成にある場合である。
【0040】
本明細書に記載される弁、および/またはポンプは、第1、第2、第3などと呼ばれるが、これらは、単にラベルとして見なされてもよく、ある構成要素の順序または他への依存性を意味するものではない。装置は、適切には、他のものとは独立して記載される弁またはポンプのうちの、1つまたはそれ以上の任意の組み合わせを含み得る。
【0041】
コントローラは、マルチチャネルポンプを作動させて、それぞれの流体の第1、第2のおよび/または第3の容積の、少なくとも一部を反応容積に同時に導入するように適切に構成されてもよい。例えば、コントローラは、希釈流体の第2の容積の一部と同時に、サンプルの第1の容積を反応容積に導入するように、デュアルチャネルポンプを動作させ、希釈流体のみを導入して希釈流体の第2の容積の残りの部分を提供するように、別個の希釈ポンプを動作させるように構成されてもよい。
【0042】
コントローラは、第1の容積よりも大きい容積のサンプルを反応容積に導入し、およびサンプルの第1の容積を残すようにサンプル混合物を反応容積から排出して、第1の容積を供給するように、装置を動作させるように構成されてもよい。
【0043】
コントローラは、希釈されたサンプル混合物、および/または活性化されたサンプル混合物を、反応容積内で循環させるように装置を動作させるように構成されてもよい。例えば、反応容積内でサンプル混合物を循環させることは、サンプル混合物の成分物を混合し、反応容積を通る均一な分配を確実にするのに役立つ。
【0044】
いくつかの実施形態では、第2の容積の希釈流体を提供、および/または第3の容積のフォト活性試薬を提供することは、それぞれ、反応容積内の希釈サンプル混合物、および/または活性化サンプル混合物の循環と少なくとも部分的に同時に行われる。
【0045】
活性化されたサンプル混合物の測光測定値を得ることは、反応容積中の実質的に静止したサンプル混合物の測光測定値を得ることを含んでもよい。例えば、コントローラは、装置の1つまたはそれ以上のポンプのスイッチを切ることによって、サンプル混合物が光度計を能動的に流れないように、ポンプおよび/または弁を制御してもよい。
【0046】
コントローラは、フォト活性試薬を導入する前に、希釈されたサンプル混合物の測光測定値を取得するように構成されてもよい。例えば、サンプルの第1の容積、および希釈流体の第2の容積を反応容積に導入し、希釈サンプル混合物の測光測定値をバックグラウンド測定値として得ることができる。次に、コントローラは、活性化されたサンプルの測光測定値を得る前に、フォト活性試薬の第3の容積を反応容積に導入するように装置を操作することができる。次に、サンプルをバックグラウンド測定値と比較して、サンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供することができる。
【0047】
コントローラは、金属加工流体の異なるサンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供する測定値を定期的に取得するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、所定の時間間隔でサンプルの亜硝酸塩含有量の測定値を自動的に取得するように装置を動作させるように構成されてもよく、その結果、金属加工流体源の亜硝酸塩含有量の測定値を経時的に監視することができる。コントローラは、測定と測定の間に、サンプル混合物の反応容積を空にする、および/または、希釈流体および/またはサンプルで装置を洗浄するように装置を動作するように構成してもよい。
【0048】
コントローラは、以下のシーケンスを実行するように装置を動作させるように構成することができる:
任意選択で、反応容積または反応容器を空にすること、
金属加工流体のサンプルを希釈流体、および/または金属加工流体のサンプルを流し、反応容積から流体を排出して反応容積を空にすること、
サンプルを反応容積に導入し、任意選択でサンプルの容積を減少させて第1の容積を提供すること、
希釈流体を反応容積に導入してサンプルを希釈すること、
サンプル混合物を反応容積内で循環させること、
サンプル混合物のバックグラウンド測光測定を得ること、
フォト活性試薬を反応容積に導入し、およびサンプル混合物を反応容積内で循環させること、
サンプル混合物の測光測定値を取得すること、および
任意選択で、測光測定値をバックグラウンド測定値と比較して、サンプルの亜硝酸塩含有量を決定すること。
【0049】
コントローラは、サンプルの亜硝酸塩含有量、および/または測光測定をデータベースに記録し、例えば、測定時刻および亜硝酸塩含有量、または亜硝酸塩含有量の表示を提供するデータ、例えば測光測定データを示すデータベースへの入力を提供するように構成されてもよい。コントローラは、代替的にまたは追加的に、サンプルの亜硝酸塩含有量が閾値範囲外であるときに表示を提供するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、表示をディスプレイ上に視覚的に提供することによって、または、例えば、ワークステーションまたはモバイル装置に電子メールまたは通知を提供することによって、電子通知をユーザにリアルタイムで提供するように構成されてもよい。
【0050】
コントローラは、サンプルの金属加工流体の亜硝酸塩含有量の表示に基づいて、金属加工流体の硝酸塩含有量を調整するための表示、および/または制御信号を提供するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、フィードバックループに接続されてもよく、それによって、測定された亜硝酸塩含有量が閾値範囲外である場合、コントローラは、サンプルが得られる金属加工流体源の亜硝酸塩含有量を調整するための、制御信号を提供するように構成されてもよい。制御信号を提供することは、金属加工流体の亜硝酸塩含有量が閾値範囲外であるという2つ以上の個別の測定に基づいてもよい。
【0051】
本発明のさらなる態様は、本明細書で先に定義したような装置を使用して金属加工流体中の亜硝酸塩含有量をインライン監視するための方法を提供し、この方法は、
(i)金属加工流体流から試験される金属加工流体のサンプルを取り出し、サンプル注入口から反応容積内にサンプルの第1の容積を提供すること、
(ii)希釈されたサンプルを形成するために、希釈注入口から反応容積内への希釈流体の第2の容積を提供すること、
(iii)活性化サンプルを形成するために、フォト活性試薬を試薬注入口から反応容積内に供給すること、および
(iv)活性化されたサンプルの測光測定値を得ることを含み、測光測定値は、サンプルの亜硝酸塩含有量の指標を提供する。
【0052】
希釈流体、金属加工流体、およびフォト活性試薬は、実質的に、本明細書において前に定義されたとおりであってもよい。
【0053】
本方法は、本明細書で説明されるコントローラが構成されるステップを実行するように、装置を動作させるステップを含むことができることを理解されたい。
【0054】
本発のさらなる態様は、本明細書で説明される方法を実行するようにコンピュータシステムをプログラムするように構成された、プログラム命令を備えるコンピュータプログラム製品を提供する。
【0055】
本発明のさらなる態様は、本明細書で先に説明された装置のための制御システムであって、プロセッサと本明細書に記載された方法を実行するように、コンピュータシステムをプログラムするように構成された、前記プログラム命令を含むコンピュータメモリとを備える、制御システムを提供する。
【0056】
本発明のさらなる態様は、金属加工流体を金属加工工程に供給するための金属加工流体搬送システムであって、本明細書に記載の装置をおよび/またはする制御システムを含む、金属加工流体搬送システムを提供する。
【0057】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載された装置、および/または制御システムを備えることによって、金属加工流体搬送システムを改修する方法を提供する。
【0058】
本発明のさらなる態様は、金属加工流体の亜硝酸塩含有量を定期的に、例えば予め定められた時間間隔で自動的に監視し、任意選択で記録するための、本明細書に記載の装置の使用を提供する。
【0059】
次に、本発明を、添付の図面を参照して、例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】金属加工流体中の亜硝酸塩含有量をインライン監視するための装置の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、監視される金属加工流体の供給源に接続されて使用されているサンプル注入口2が、弁V5を介してサンプリング容積/流路42に接続されている例示的な装置の概略図を示しており、弁V6を介して、ベント4および排出口6に接続されており、これは、サンプルが得られる金属加工流体の供給源に流体を戻すための、戻りラインとして配置されてもよい。弁V5およびV6は、サンプル容積42内にサンプルの容積を保持するように動作可能である。
【0062】
インラインフィルタは、オフライン校正のために、流路16を介してサンプルを導くように、または流路14を介してサンプルを導くように動作可能である校正弁V4から弁V5を分離する。流路14は、デュアルチャンネルサンプルポンプP2を介して、反応容器18の注入口に接続されている。したがって、希釈流体は、ポンプP2によって、サンプルと同時に反応容器18内に導入されてもよい。
【0063】
希釈注入口8は、希釈流体、例えば水の供給源に接続され、希釈注入口8は、弁V7を操作することによって開閉され得る。希釈注入口8は、流路12およびデュアルチャネルサンプルポンプP2を介して、反応容器18の注入口に接続される。希釈注入口はまた、流路10および希釈ポンプP3を介して、反応容器の第1の出口20から流路30に接続され、それによって、希釈流体はサンプルとは独立して反応容積に導入され得る。
【0064】
試薬ポンプP4および任意選択の第2の試薬ポンプP5も、フォト活性試薬を反応容積内に導入するために流路30に接続される。試薬ポンプP4およびP5は、フォト活性試薬またはその成分を貯蔵するために、それぞれの試薬貯蔵槽に接続されてもよい。
【0065】
反応容器18は、流路30、第3の弁V3、流路34、および第2の弁V2を介して、第1のポンプP1の注入口に接続される出口20を備える。第1のポンプPlの出口は、流路38によって第1の弁Vlに接続され、ここで、第1の弁V1は、流路40を介して出口6に接続される。従って、第1のポンプを作動させて、反応容積から出口6を介してサンプル混合物を排出することができる。
【0066】
また、第1の弁V1は、光度計流路によって光度計26に供給される流体を監視するように配置された光度計26を含む光度計流路24に接続される。光度計流路24は、反応容器18の注入口に接続する流路28を含む。従って、第1ポンプP1は、サンプル混合物を反応容器18の出口20から光度計26を介して循環させ、流路28を介して反応容器18に戻すように作動させることができる。
【0067】
第2の弁V2は、追加的に、流路36を介して光度計流路24に直接接続される。したがって、光度計流路24は、第2の弁V2を介して第1のポンプPlの注入口に接続されてもよく、第1のポンプは、第1の弁Vlを介して出口6を通って光度計流路内のサンプル混合物を排出するように動作されてもよい。
【0068】
反応容器18は、流路32を介して第3の弁V3に接続された第2の出口22を含む。第2の出口22は、反応容器18内に存在するサンプル混合物を部分的にのみ取り出すように配置される。したがって、第3の弁V3は、反応容器18の第1の出口20、および第2の出口22のどちらが第1のポンプP1を介して出口6に接続されるかを選択するように動作可能である。
【0069】
図1には示されていないが、
図1に示された装置の成分は、装置内の流れを制御し、光度計の動作を制御するように構成されたコントローラに接続されてもよい。
図1の装置を参照して、使用中の装置の動作の一例を説明する。
【0070】
弁V5およびV6は、サンプル注入口2を出口6に接続して、サンプル採取容量42を通ってサンプルを流すように作動させてもよい。次に、弁V5およびV6を閉じて、監視すべきサンプルをサンプリング容積42内に保持する。
【0071】
サンプル混合物を反応容器18に導入する前に、まず、弁V1、V2およびV3を操作して、反応容器18の第1の出口20を流路30、34、38および40を介して出口6に接続し、第1のポンプP1を操作して、サンプル混合物を反応容器18から出口6に排出することによって、反応容器18を空にすることができる。
【0072】
次いで、弁V5およびV4ならびにサンプルポンプP2を操作することによって、流路14を介してサンプルをサンプリング容積42から反応容器に導入し、同時に弁V7およびポンプP2を操作することによって、希釈注入口8から流路12を介して希釈流体を導入することによって、装置を新鮮なサンプル混合物で流すことができる。一般に、サンプルがサンプル採取容積42から反応容器に導入されると、弁V6を作動させて通気口4に開くことができる。サンプル混合物はまた、操作弁Vl、V2およびV3、およびポンプPl、およびサンプル混合物によって、流路30、34、38、24および28を介して、第一の出口20から反応容器18に戻って循環され、および流路40を通って出口6に排出されてもよい。これに続いて、反応容器18は、前述のようにサンプル混合物を空にすることができる。
【0073】
部分的に希釈されたサンプル混合物は、弁V5およびV4ならびにサンプルポンプP2を操作してサンプルを流路14に沿って導入することによって、サンプル容積42から反応容器18に導入され、同時に、弁V7およびポンプP2を操作することによって、希釈注入口8から流路12を介して希釈流体を導入する。
【0074】
次いで、反応容器18内の部分希釈サンプル混合物の容量を、操作弁V3、V2およびV1によって制御し、流路32、34、38および40を介して第2の出口22を出口6に接続し、第1のポンプPlを操作して部分希釈サンプル混合物を反応容器から部分的に排出する。
【0075】
次いで、希釈注入口8からの希釈流体は、弁V7を開き、希釈ポンプP3を作動させることによって、流路10を介して導入される。希釈流体は、流路30、34、38、24および28を介して反応容器18に供給され、同時に、反応容器18内の希釈されたサンプルは、流路10から導入された希釈流体と同じ流路によって第1の出口20から流路28に循環されてもよい。
【0076】
次いで、希釈されたサンプル混合物を、反応容器18の第1の出口20から反応容積内で、光度計26を介して循環させ、流路30、34、38、24および28を介して反応容器18に戻すことによって、操作弁Vl、V2およびV3、およびポンプPlにより均質化することができる。
【0077】
ポンプP1をオフにして希釈サンプルの循環を停止し、実質的に静止したサンプルを光度計26に供給し、光度計26を作動させて希釈サンプルの発明の背景測光測定値を得る。
【0078】
次いで、試薬ポンプP4は、流路30にフォト活性試薬を提供するように操作され、サンプル混合物は、前述のように、第1の出口20から流路28に循環され、フォト活性試薬を反応容器18に提供する。存在する場合、試薬ポンプP5は、フォト活性試薬の第2の成分を導入するために実質的に同じ方法で操作され得、これは、ポンプP4を使用するフォト活性試薬の第1の成分の導入に関して同時にまたは連続して行われ得る。
【0079】
次いで、フォト活性試薬を含むサンプル混合物を、反応容器18の第1の出口20から反応容積内に光度計26を介して循環させ、流路30、34、38、24および28を介して反応容器18に戻すことにより、弁V1、V2およびV3、およびポンプP1を操作することにより、サンプル混合物を均質化して、活性化サンプル混合物を形成することができる。
【0080】
ポンプP1をオフにして活性化されたサンプル混合物の循環を停止し、光度計26を作動させて活性化されたサンプルの測光測定値を得る。
【0081】
測光測定値および背景測定値は、サンプリングされ、測定された金属加工流体のための別の識別子、例えばバッチ識別子を用いて、および/または測定された時間、例えば日付と共に、データベースに記録されてもよい。測光測定およびバックグラウンド測定は、サンプル中の亜硝酸塩濃度の指標を提供するために比較されてもよく、サンプル中の亜硝酸塩濃度は、測光測定の代わりに、または測光測定に加えて記録されてもよい。亜硝酸塩濃度は、測光測定値の収集と共にリアルタイムで決定することができ、亜硝酸塩濃度が閾値範囲外である場合には、警告信号をリアルタイムで記録またはユーザに送信することができる。閾値範囲外の亜硝酸塩濃度の表示は、代替的にまたは追加的に、サンプルが採取された金属加工流体源の亜硝酸塩含有量を調整するための制御信号をトリガすることができる。警告信号を発するための閾値範囲は、制御信号をトリガするための閾値範囲とは異なってもよく、例えば、警告を発するための閾値範囲は、制御信号を発するための閾値範囲よりも(および/または上限下限に関して)狭くてもよい。警告信号または制御信号は、場合によっては、2つ以上の測定値、例えば、連続して取得される少なくとも2つの測定値に基づいてのみ発せられてもよく、閾値範囲外の第1の亜硝酸塩含有量測定値は、第2の測定値をトリガしてもよく、警告または制御信号を発するトリガは、両方の測定値に依存する。代替的にまたは追加的に、2つ以上の測定値は、例えば、測定値を分析して、経時的に閾値範囲外の亜硝酸塩含有量のパターンの存在を決定することができるように、定期的な時間間隔で取得される2つ以上の測定値を含むことができる。
【0082】
反応容積に導入されるサンプル、希釈流体、およびフォト活性試薬の容積は、サンプル中の亜硝酸塩の濃度が、例えば、予め定められた校正機能を使用して、光度計によって測定される吸収度から計算され得るように設定されることが理解される。異なった成分の厳密な容積比率および総容積は、特定のシステムに基づいて適切に変化し得る。一例において、希釈流体が水であり、フォト活性試薬がスルファニルアミドおよびN-(1-ナフチル)エチレンジアミンを含み、約1~2mlのサンプル、約40mlの水、および約5mlのフォト活性試薬溶液が、測定のために反応容量に導入され得る。
【0083】
測定後、光度計26および流路28を含む光度計流路24は、第2の弁V2を操作して光度計流路24を、流路36を介して第1のポンプPlの注入口に接続し、第1の弁Vlを操作して流路38を流路40、および出口6に接続することによって、サンプル混合物を空にしてもよい。第1のものを接続するために、弁V1、V2およびV3を操作することによって、反応容器18からサンプル混合物を空にすることもできる。
【0084】
流路30、34、38、40を介して、反応容器18の出口20から出口6に至り、第1のポンプPlを作動させて、反応容器18から出口6にサンプル混合物を排出する。最後に、弁V7を開き、希釈ポンプP3を作動させることによって、流路10を介して希釈流体を導入することによって、反応容積を希釈流体で洗浄することができる。希釈流体は、流路30、34、38、24および28を介して、反応容器18に供給され、同時に、希釈流体は、流路10から反応容器18に導入された希釈流体と同じ流路によって、反応容器18の第1の出口20から流路28に循環される。次いで、反応容器18および光度計流路24を前述のように空にし、反応容積を洗浄し、空にするサイクルを、例えば3回繰り返し、最後の空にするステップを、直ちに、またはさらなるサンプル測定を実施する前に実施することができる。
【0085】
特定の例では、本明細書で説明されるコントローラは、方法のいずれか、または前記方法の特定のステップを実行するように構成され得る。本明細書で説明されるコントローラは、単一のコントローラ、および/またはプロセッサを指してもよく、または、制御は、プロセッサをおよび/または、多数のコントローラ間で分散されてもよく、プロセッサは、装置の一部を物理的に形成してもよく、または、装置に通信可能に結合されたリモートコントローラであってもよい。本明細書で概説されるアクティビティおよび装置は、論理ゲートのアセンブリなどの固定論理またはプロセッサによって実行されるソフトウェア、および/またはコンピュータプログラム命令などのプログラム可能な論理によって提供され得るコントローラ、および/またはプロセッサを使用して実装され得る。他の種類のプログラマブルロジックは、プログラム可能なプロセッサ、プログラム可能なデジタルロジック(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、消去可能プログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能なリードオンリメモリ(EEPROM))、特定用途向け集積回路、ASIC、または任意の他の種類のデジタルロジック、ソフトウェア、コード、電子命令、フラッシュメモリ、光ディスク、CD-ROM、DVD ROM、磁気または光カード、電子命令を格納するのに適した他の種類の機械可読媒体、またはそれらの任意の適切な組合せを含む。
【0086】
上記の実施形態は、例示的な実施例として理解されるべきである。さらなる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して説明される任意の特徴は、単独で、または説明される他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、本実施形態の任意の他のものの、1つまたはそれ以上の特徴、または本実施形態の任意の他のものの任意の組み合わせと組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明されていない均等物および修正を使用することもできる。
【0087】
装置の他の変形および改変は、本開示の文脈において当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】