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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】家具駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 3/14 20060101AFI20220831BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20220831BHJP
   E05D 7/04 20060101ALN20220831BHJP
【FI】
E05D3/14 A
A47B55/00
E05D7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577033
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 AT2020060230
(87)【国際公開番号】W WO2020257833
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】A50582/2019
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シューラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ハメラー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フォーリエ
(72)【発明者】
【氏名】イルメラ マーラ ゲラー
【テーマコード(参考)】
2E030
3B067
【Fターム(参考)】
2E030AB02
2E030BB03
3B067AA05
3B067AA11
3B067DA00
(57)【要約】
家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)を動かすための家具駆動装置(4)であって、家具本体(2)に取り付けるための第1の金具部材(5)と、可動の家具部分(3)に取り付けるための第2の金具部材(6)と、第1の金具部材(5)に第1のジョイント軸(A)を介して、第2の金具部材(6)に少なくとも1つの第2のジョイント軸(B)を介して、枢着的に接続されている少なくとも1つのジョイントレバー(7)と、を含み、少なくとも1つのジョイントレバー(7)は、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に、オフセット(ΔX)ぶんだけ互いに離間している少なくとも2つの区分(18a,18b)を有しており、第1の金具部材(5)は第1の仮想中心平面(P1)を有していて、第2の金具部材(6)は第2の仮想中心平面(P2)を有しており、これらの中心平面(P1,P2)は、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に互いに離間している、家具駆動装置(4)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)を動かすための家具駆動装置(4)であって、
-前記家具本体(2)に取り付けるための第1の金具部材(5)と、
-前記可動の家具部分(3)に取り付けるための第2の金具部材(6)と、
-前記第1の金具部材(5)に第1のジョイント軸(A)を介して、前記第2の金具部材(6)に少なくとも1つの第2のジョイント軸(B)を介して、枢着的に接続されている少なくとも1つのジョイントレバー(7)と、を含み、
-前記少なくとも1つのジョイントレバー(7)が、前記ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に、オフセット(ΔX)ぶんだけ互いに離間している少なくとも2つの区分(18a,18b)を有している、家具駆動装置(4)において、
前記第1の金具部材(5)は第1の仮想中心平面(P1)を有していて、前記第2の金具部材(6)は第2の仮想中心平面(P2)を有しており、前記両中心平面(P1,P2)は、前記ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に互いに離間していることを特徴とする、家具駆動装置(4)。
【請求項2】
前記オフセット(ΔX)は、0.5mm~10.0mm、好適には、1.0mm~7.0mmである、請求項1記載の家具駆動装置。
【請求項3】
前記ジョイントレバー(7)の前記少なくとも2つの区分(18a,18b)は、それぞれ実質的に平坦に形成されていて、実質的に互いに平行に配置されている、請求項1または2記載の家具駆動装置。
【請求項4】
前記第1のジョイント軸(A)は第1のピンを、前記第2のジョイント軸(B)は第2のピンを有しており、前記第1のジョイント軸(A)の前記第1のピンと、前記第2のジョイント軸(B)の前記第2のピンとは、前記ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に互いにずらされている、請求項1から3までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項5】
前記第1の金具部材(5)は、第1の支持部分(17a)と、前記第1の支持部分から離間した少なくとも1つの第2の支持部分(17b)とを備えた支持装置(17)を有しており、前記少なくとも1つのジョイントレバー(7)は所定の領域で、前記両支持部分(17a,17b)の間に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項6】
前記両支持部分(17a,17b)のうちの少なくとも一方は、好適には両方は、屈曲したブラケット(12)を有しており、前記ブラケットには、前記少なくとも1つのジョイントレバー(7)とは異なる別のジョイントレバー(7a)が旋回可能に支持されていて、好適には、前記ブラケット(12)は、所定の領域で、前記第1の金具部材(5)のケーシング(5a)の外側に配置されている、請求項5記載の家具駆動装置。
【請求項7】
前記第1の金具部材(5)は、前記家具本体(2)表面に当接するための、または前記家具本体(2)内に導入されて当接するための第1の当接面(5b)を有していて、前記第2の金具部材(6)は、前記可動の家具部分(3)表面に当接するための、または前記可動の家具部分(3)内に導入されて当接するための第2の当接面(6b)を有しており、前記第1の当接面(5b)と前記第2の当接面(6b)とは、前記ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に第1の間隔(X1)ぶんだけ互いに離間している、請求項1から6までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項8】
前記第1の金具部材(5)は、前記家具本体(2)表面に当接するための、または前記家具本体(2)内に導入されて当接するための別の当接面(5c)を有していて、前記第2の金具部材(6)は、前記可動の家具部分(3)表面に当接するための、または前記可動の家具部分(3)内に導入されて当接するための別の当接面(6c)を有していて、前記別の当接面(5c,6c)は、前記ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に第2の間隔(X2)ぶんだけ互いに離間しており、前記第1の間隔(X1)と前記第2の間隔(X2)とは異なる大きさである、請求項7記載の家具駆動装置。
【請求項9】
前記第1の金具部材(5)と前記第2の金具部材(6)とは、前記少なくとも1つのジョイントレバー(7)を含むジョイントレバー装置(11)を介して互いに連結されており、前記ジョイントレバー装置(11)は少なくとも4つのジョイント軸(A,B,C,D)を有しており、好適には、前記少なくとも4つのジョイント軸(A,B,C,D)のうちの少なくとも3つは、前記両金具部材(5,6)の相互のすべての相対位置で、前記第1の金具部材(5)のケーシング(5a)の外側に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項10】
前記第1の金具部材(5)および/または第2の金具部材(6)は実質的に直方体状に形成されており、かつ/または少なくとも所定の領域で、好適には実質的に完全に、前記家具本体(2)または前記可動の家具部分(3)の凹部内に配置されるように形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の家具駆動装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の第1の家具駆動装置(4)と、請求項1から10までのいずれか1項記載の少なくとも1つの第2の家具駆動装置(4)とを含むセットであって、前記第1の家具駆動装置(4)の少なくとも1つのジョイントレバー(7)のオフセット(ΔX)と、前記第2の家具駆動装置(4)の少なくとも1つのジョイントレバー(7)のオフセット(ΔX)とは異なる大きさである、セット。
【請求項12】
家具本体(2)と、前記家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された少なくとも1つの家具部分(3)とを備えた家具(1)であって、前記少なくとも1つの可動の家具部分(3)は、請求項1から10までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具駆動装置(4)を介して前記家具本体(2)に連結されており、好適には、前記少なくとも1つの可動の家具部分(3)は、鉛直または水平に向けられた軸を中心として旋回可能であって、かつ/またはフレーム(21)と、前記フレーム内にまたは前記フレーム表面に支持される、好適にはガラス製の装飾板(22)とを含む、家具(1)。
【請求項13】
前記家具本体(2)は第1の上面(23)を有していて、前記少なくとも1つの可動の家具部分(3)は、前記第1の上面に対して実質的に平行に向けられた第2の上面(3a)を有しており、前記両上面(23,3a)は、隙間(15)によって、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に互いに離間させられており、好適には、前記隙間(15)の寸法は、少なくとも1つのジョイントレバー(7)の少なくとも2つの区分(18a,18b)のオフセット(ΔX)に相当している、請求項12記載の家具(1)。
【請求項14】
前記家具本体(2)の水平または鉛直に向けられた家具板(2a)内にまたは家具板(2a)表面に、第1の金具部材(5)が配置されていて、好適には少なくとも所定の領域で、好適には完全に、前記家具板(2a)の凹部内に配置されている、請求項12または13記載の家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具本体に対して相対的に可動に支持された家具部分を動かすための家具駆動装置であって、
-家具本体に取り付けるための第1の金具部材と、
-可動の家具部分に取り付けるための第2の金具部材と、
-第1の金具部材に第1のジョイント軸を介して、第2の金具部材に少なくとも1つの第2のジョイント軸を介して、枢着的に接続されている少なくとも1つのジョイントレバーと、を含み、
-少なくとも1つのジョイントレバーは、ジョイント軸に対して平行な方向に、オフセットぶんだけ互いに離間している少なくとも2つの区分を有している、家具駆動装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、上述した形式の少なくとも2つの家具駆動装置を備えたセットに関する。
【0003】
本発明はさらに、家具本体と、家具本体に対して相対的に可動に支持された少なくとも1つの家具部分とを備えた家具であって、少なくとも1つの可動の家具部分は、上述した形式の少なくとも1つの家具駆動装置を介して家具本体に接続されている家具に関する。
【0004】
このような形式の家具駆動装置は、例えば、独国特許出願公開第2829727号明細書に示されている。家具駆動装置は、家具フラップを動かすように形成されており、2つのレバーを有していて、これらのレバーは、一方では、家具本体に取り付けるべき第1の支持プレートに、他方では、家具フラップに取り付けるべき第2の支持プレートに、旋回可能に配置されている。両レバーは、それぞれ1つの屈曲部を有しており、これにより、両レバーは、そして場合によっては、ジョイントピンの突出する頭部は、互いに重なり合って位置することができる。
【0005】
別の家具駆動装置は、例えば、国際公開第2016/174071号により公知である。個々の特別な解決手段において、この場合、例えば、家具扉を、家具駆動装置を介して、キッチン作業台のすぐ下方に組み付けるべき場合に、困難な点が生じ得る。すなわち、このような場合、家具扉と、キッチン作業台との間の衝突を阻止するために、ひいては、閉鎖端部位置と開放端部位置との間で家具扉の問題ない旋回運動を可能にするために、家具扉の上面と、キッチン作業台の下面との間に隙間を設けなければならない。家具駆動装置の扉側の金具部材は、家具扉の凹部内に埋め込まれるが、この場合、家具扉の高さが減じられることにより、凹部と、家具扉の上面との間には僅かな壁厚さしか残されない。このような僅かしかない残留壁厚さにより、家具駆動装置の扉側の金具部材を家具扉に強度的に不十分にしか取り付けることができない、または全く取り付けることができないおそれがあり、この場合、扉側の金具部材が家具扉から引き抜かれるという危険が生じるおそれがある。さらなる問題となる組付け状態は、扉側の金具部材を、可動の家具部分のフレーム(例えば、アルミフレーム)に組み付けるべき場合に、このフレームが、例えばガラス製の装飾板を収容するため形成されている場合に生じ得る。この場合、フレームと、隣接する家具部分との間に隙間を形成しながら、扉側の金具部材をフレームに取り付けるために、適切な取付け手段は提供されていない。
【0006】
本発明の課題は、上述した欠点を回避する冒頭で述べた形式の家具駆動装置を提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、特許請求項1の特徴により解決される。本発明のさらなる実施例は、従属特許請求項に記載されている。
【0008】
本発明によれば、第1の金具部材は第1の仮想中心平面を有していて、第2の金具部材は第2の仮想中心平面を有しており、これらの中心平面は、ジョイント軸に対して平行な方向に互いに離間していることが想定されている。
【0009】
換言すると、両金具部材間の旋回可能な接続のために、家具扉に組み付けられた状態で、高さ方向に互いに離間している、ひいては家具駆動装置の両金具部材間に所望の高さオフセットをもたらす2つの区分を有した少なくとも1つのジョイントレバーが設けられている。このような高さオフセットは、例えば、ジョイントレバーの、屈曲したまたはクランク状の移行区分により実現することができる。
【0010】
ジョイントレバーによって、可動の家具部分に取り付けるための第2の金具部材を、可動の家具部分表面または可動の家具部分内のより低い位置に組み付けることができ、この場合、可動の家具部分の凹部と上面との間には十分な壁厚さが残され、ガラス板を収容するためのフレーム成形体に第2の金具部材を配置することもできる。
【0011】
オフセットは、例えば、0.5mm~10.0mm、好適には、1.0mm~7.0mmであってよい。
【0012】
ジョイントレバーの少なくとも2つの区分は、それぞれ実質的に平坦に形成されていてよく、実質的に互いに平行に配置されていてよい。
【0013】
第1のジョイント軸は第1のピンを、少なくとも1つの第2のジョイント軸は第2のピンを有していてよく、第1のジョイント軸の第1のピンと、第2のジョイント軸の第2のピンとは、ジョイント軸に対して平行な方向に互いにずらされて配置されていてよい。
【0014】
第1の金具部材は、家具本体表面に当接するための、または家具本体内に導入されて当接するための第1の当接面を有していてよく、第2の金具部材は、可動の家具部分表面に当接するための、または可動の家具部分内に導入されて当接するための第2の当接面を有していてよく、第1の当接面と第2の当接面とは、ジョイント軸に対して平行な方向に第1の間隔ぶんだけ互いに離間している。
【0015】
好適な実施形態によると、第1の金具部材および/または第2の金具部材は実質的に直方体状に形成されており、かつ/または少なくとも所定の領域で、好適には実質的に完全に、家具本体または可動の家具部分の凹部内に配置されるように形成されていることが想定されてよい。
【0016】
本発明による家具駆動装置のセットは、記載した形式の第1の家具駆動装置と、少なくとも1つの第2の家具駆動装置とを有しており、第1の家具駆動装置の少なくとも1つのジョイントレバーのオフセットと、第2の家具駆動装置の少なくとも1つのジョイントレバーのオフセットとは異なる大きさとなっている。
【0017】
本発明のその他の詳細および利点は、以下の図面の説明により明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】家具本体と、家具本体に対して相対的に可動な家具部分とを備えた家具を示す斜視図である。
図1b】家具駆動装置を示す斜視図である。
図2a】家具を前方から見た図である。
図2b】家具駆動装置の側面図である。
図3】家具駆動装置の分解図である。
図4】フレームと、このフレーム内に配置された装飾板とを有した可動の家具部分と共に使用する家具駆動装置の可能例を示す図である。
【0019】
図1aは、家具本体2と、家具本体2に対して相対的に可動の家具部分3とを備えた家具1の部分領域を示している。家具部分3を動かすために、少なくとも1つの家具駆動装置4が設けられており、この家具駆動装置によって、可動の家具部分3は、組み付けられた状態で、鉛直に延在する軸を中心として旋回可能である。家具本体2は、水平に延在する上面としての家具板2aと、鉛直に延在する側壁としての家具板2bとを有しており、家具駆動装置4の第1の金具部材5は、水平に延在する家具板2a内にまたは家具板2a表面に取り付けられている。もちろん、家具駆動装置4の第1の金具部材5を、家具本体2の、鉛直に延在する家具板2b内にまたは家具板2b表面に取り付けることもでき、このような場合は、可動の家具部分3は、水平に延在する軸線を中心として、家具本体2に対して相対的に旋回可能であり、すなわち家具本体2に対して相対的に持ち上げ可能である。家具駆動装置4は、可動の家具部分3に取り付けるための第2の金具部材6を有している。家具駆動装置4は、少なくとも1つの(図示されていない)蓄力器を含むことができ、第2の金具部材6(ひいては可動の家具部分3)は、蓄力器の力によって、完全な閉鎖位置へ閉鎖運動の終了まで、かつ/または完全な開放位置へ開放運動の終了まで移動可能である。家具駆動装置4は、金具部材5,6の相互の閉鎖運動および/または開放運動を減衰するために、好適には液圧的な減衰装置(例えば、ピストン・シリンダユニット)を有していてよい。
【0020】
示した図では、家具駆動装置4の第1の金具部材5は、家具本体2の板状の家具部分2a,2b内に、大部分が、好適にはほぼ完全に収容されている。家具板2aが水平方向に配置されている場合には、第1の金具部材5は、上面内にまたは上面表面に、下面内にまたは下面表面に、かつ/または上面と下面との間に配置された壁部分内にまたは壁部分表面に配置されていてよい。家具板2bが鉛直方向に向けられている場合には、第1の金具部材5は、鉛直に延在する側壁内にまたは側壁表面に配置されていてよい。これに対して、家具駆動装置4の第2の金具部材6は、可動の家具部分3の内側に、大部分が、好適にはほぼ完全に収容されている。両金具部材5,6は、ジョイントレバー装置11を介して互いに枢着的に接続されており、ジョイントレバー装置11は少なくとも1つの旋回可能なジョイントレバー7,7aを有している。
【0021】
第1の金具部材5は、少なくとも1つの取付け装置10を介して家具本体2に、好適には、家具本体2の水平の家具板2a内にまたは家具板2a表面に取り付けることができる。第1の金具部材5は、第1の調節ダイヤルを備えた側方調節装置8を有することができ、第1の調節ダイヤルを回すことにより、家具本体2に関して、第1の金具部材5の側方方向の位置を調節することができる。第2の調節ダイヤルを備えた奥行き調節装置9によって、家具本体2に関して、第1の金具部材5の奥行き方向の位置を調節することができる。
【0022】
図1bは、図1aの家具駆動装置4を斜視図で示している。第1の金具部材5はケーシング5aを有していて、第2の金具部材6はケーシング6aを有している。ケーシング5aおよび/またはケーシング6aは、実質的に直方体状に形成されていてよい。好適には、両ケーシング5a,6aは、少なくとも所定の領域で、好適には実質的に完全に、家具本体2または可動の家具部分3の凹部内に配置されるように形成されている。
【0023】
ジョイントレバー装置11のジョイントレバー7は、第1の金具部材5に第1のジョイント軸(A)を介して接続されていて、第2の金具部材6に少なくとも1つの第2のジョイント軸(B)を介して接続されている。第1のジョイント軸(A)と第2のジョイント軸(B)とは、ジョイントレバー7の屈曲したまたはクランク状の移行区分19(図3)を介して互いに接続されており、これによりこれらのジョイント軸(A,B)は高さ方向に互いにずらされて配置されている。このようにして、可動の家具部分3の残留壁厚さ13(図1a)を、より厚くし、したがってより安定的に強度的に余裕を持って形成することができ、これにより第2の金具部材6は、可動の家具部分3に改善された形式で組付け可能である。
【0024】
図示した実施例では、ジョイントレバー装置11は、別のジョイントレバー7aを有していて、この別のジョイントレバー7aは、第1の金具部材5のブラケット12に、ジョイント軸(C)を中心として支承されていて、第2の金具部材6に、ジョイント軸(D)を中心として支承されている。ジョイントレバー装置11はすなわち、4つのジョイント軸(A,B,C,D)を有していてよく、この場合、少なくとも3つのジョイント軸(B,C,D)は、金具部材5,6の相互のすべての相対位置で、第1の金具部材5のケーシング5aの外側に配置されている。
【0025】
図2aは、家具本体2を含む家具1を正面から見た図で示している。家具本体2の水平に延在する家具板2aの上方に作業プレート14が位置しているならば、可動の家具部分3は、旋回運動の際に、作業プレート14の下面14aに接触しないように、可動の家具部分3の上面3Aと、作業プレート14の下面14aとの間に隙間15を設けなければならない。ジョイントレバー7の屈曲した移行区分19(図3)により、ジョイントレバー7のジョイント軸(A,B)は、金具部材5,6のすべての相対位置で、互いに異なる高さ位置に位置している。ジョイント軸(A,B)の高さが互いにずらされていることにより、第2の金具部材6を収容するための凹部の上面と、可動の家具部分3の上面3aとの間に残される残留壁厚さ13(図1a)は、より厚く、したがって強度的に余裕を持ってより安定的に形成することができる。
【0026】
図2bは、家具駆動装置4を側面図で示しており、この場合、第2の金具部材6は、第1の金具部材5に対して開放位置に位置している。少なくとも1つのジョイントレバー7は、ジョイント軸Aを介して第1の金具部材5に、ジョイント軸Bを介して第2の金具部材6に接続されている。ジョイントレバー7の屈曲した移行区分19により、ジョイント軸(A,B)の両ピンは、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に、オフセット(ΔX)ぶんだけ互いに離間させられている。
【0027】
好適な実施形態:第1の金具部材5は、家具本体2表面に当接するための、または家具本体2内に導入されて当接するための第1の当接面5bを有していて、第2の金具部材6は、可動の家具部分3表面に当接するための、または可動の家具部分3内に導入されて当接するための第2の当接面6bを有しており、第1の当接面5bと第2の当接面6bとは、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に第1の間隔(X1)ぶんだけ互いに離間している。さらに、第1の金具部材5は、家具本体2表面にするための、または家具本体2内に導入されて当接するための別の当接面5cを有していて、第2の金具部材6は、可動の家具部分3表面に当接するための、または可動の家具部分3内に導入されて当接するための別の当接面6cを有している態様を想定することができ、別の当接面5c,6cは、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に第2の間隔(X2)ぶんだけ互いに離間しており、この場合、第1の間隔(X1)と第2の間隔(X2)とは異なる大きさである。
【0028】
第1の金具部材5は第1の仮想中心平面(P1)を有していて、第2の金具部材6は第2の仮想中心平面(P2)を有しており、これらの中心平面(P1,P2)は、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に互いに離間している。
【0029】
図3は、家具駆動装置4を分解図で示している。第1の金具部材5は、家具本体2に配置された凹部内に配置されるように形成されている直方体状のケーシング5aを有している。さらに、ケーシング部分16a,16b内に収容されている、互いに離間した2つの支持部分17a,17bを備えた支持装置17が設けられている。ケーシング部分16a,16bは、家具本体2に予め組み付けられたケーシング5aに、図示されていない取付け装置を介して取外し可能に結合可能である。ジョイントレバー7は、所定の領域で、両支持部分17a,17bの間に配置されていて、両支持部分17a,17bを通過してそれぞれジョイント軸(A)が延在している。支持部分17a,17bのうちの少なくとも1つが、好適には両方が、屈曲したブラケット12を有していて、このブラケット12には、少なくとも1つのジョイントレバー7とは異なる別のジョイントレバー7aが、ジョイント軸(C)を中心として旋回可能に支承されている。好適には、ブラケット12は、所定の領域で、第1の金具部材5のケーシング5aの外側に配置されている。
【0030】
少なくとも1つのジョイントレバー7は、ジョイント軸(A,B)に対して平行な方向に、オフセット(ΔX)ぶんだけ互いに離間している少なくとも2つの区分18a,18bを有している。ジョイントレバー7の少なくとも2つの区分18a,18bは、それぞれ実質的に平坦に形成されていてよく、実質的に互いに平行に向けられていてよい。ジョイントレバー7の両区分18a,18bは、例えば、1回、好適には複数回屈曲したまたは段付けされた移行区分19を介して互いに接続されていてよい。
【0031】
第2の金具部材6のケーシング6a内には、支持部20が配置可能であって、この支持部20を通って、ジョイントレバー7,7aを旋回可能に支承するためのジョイント軸(B,D)が延在している。
【0032】
図4は、フレーム21と、このフレーム21内に配置された少なくとも1つの装飾板22とを有した可動の家具部分3を含む家具駆動装置4の使用可能例を示している。フレーム21は、例えば、アルミニウム成形体から形成されていてよく、好適にはガラスから成る装飾板22を収容するように形成されている。家具本体2は第1の上面23を有していてよく、少なくとも1つの可動の家具部分3は、これに対して実質的に平行に向けられた第2の上面3aを有していてよく、これらの上面23,3aは、隙間15をおいて、ジョイント軸A,Bに対して平行な方向に互いに離間させられている。好適には、隙間15の寸法が、少なくとも1つのジョイントレバー7の少なくとも2つの区分18a,18bのオフセット(ΔX)に相当していることが想定される。
【0033】
本発明は、特に、例えば、キッチンメーカーが、それぞれ異なるオフセット(ΔX)を有する2つ以上の、好適にはちょうど3つのタイプの家具駆動装置4をセットにしてストックすることに適している。家具本体2の材料厚さ(M)(例えば、16mm、18mm、または19mm)に応じて、選択すべきオフセット(ΔX)(例えば、0.5mm~10mm)に応じて、さらには可動の家具部分3の材料特性(例えば、木製材料またはガラス製の装飾板22)に応じて、取付工は、現場で直接、適合する家具駆動装置4を、2つ以上の家具駆動装置4のセットから選択することができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
【国際調査報告】