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特表2022-539115製品吐出デバイスを含む製品容器及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】製品吐出デバイスを含む製品容器及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 55/02 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
B65D55/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577122
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 NL2020050432
(87)【国際公開番号】W WO2021002748
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】19183832.5
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505310426
【氏名又は名称】フリースランドカンピーナ ネーデルランド ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロース、アルフォンサス ヴィルヘルムス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ブルシンク、ダーク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイユデンリユク、ヤコブス コンスタンティユン
(72)【発明者】
【氏名】クナペン、フランシスカス ヨハンネス
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KA01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
特に食品のための製品容器(1)であって、容器(1)から製品を放出するための製品吐出デバイス(2)を含み、吐出デバイスは、製品吐出のためのスパウトユニット(3)であって、スパウト回転軸(K)の周りで第1の位置から動作位置に回転可能であり、好ましくはスパウトユニット(3)を第1の位置から動作位置に回転させるためのハンドル(4)を含み、ハンドル(4)は、好ましくは、スパウト回転軸(K)から実質的に半径方向外向きに延びる、スパウトユニット(3)と、密封状態から開封状態に入るように構成されるシールユニット(5)であって、密封状態において、吐出デバイス(2)の第1の製品流動チャネル(6)を実質的に気密に密閉するように構成され、開封状態において、第1の製品流動チャネル(6)を通した製品の流れを可能にするように構成されるシールユニット(5)とを含み、吐出デバイス(2)は、スパウトユニット(3)を第1の位置から動作位置に回転させることにより、シールユニット(5)が密封状態から開封状態にされ得るように構成される、製品容器(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に食品のための製品容器(1)であって、前記容器(1)から製品を放出するための製品吐出デバイス(2;202)を含み、前記吐出デバイスは、
- 製品吐出のためのスパウトユニット(3;203)であって、前記スパウトユニット(3)は、スパウト回転軸(K)の周りで第1の位置から動作位置に回転可能であり、前記スパウトユニット(3;203)は、好ましくは、前記スパウトユニット(3;203)を前記第1の位置から前記動作位置に回転させるためのハンドル(4)を含み、前記ハンドル(4)は、好ましくは、前記スパウト回転軸(K)から実質的に半径方向外向きに延びる、スパウトユニット(3;203)と、
- 密封状態から開封状態に入るように構成されるシールユニット(5;205)であって、前記密封状態において、前記吐出デバイス(2;202)の第1の製品流動チャネル(6;206)を実質的に気密に密閉するように構成され、前記開封状態において、前記第1の製品流動チャネル(6;206)を通した製品の流れを可能にするように構成されるシールユニット(5;205)と
を含み、前記吐出デバイス(2;202)は、前記スパウトユニット(3;203)を前記第1の位置から前記動作位置に回転させることにより、前記シールユニット(5;205)が前記密封状態から前記開封状態にされ得るように構成される、製品容器(1)。
【請求項2】
前記スパウト回転軸(K)は、前記吐出デバイス(2;202)の第2の製品流動チャネル(7)の中心軸(L)に実質的に一致し、前記第2の製品流動チャネル(7)は、前記第1の製品流動チャネル(6;206)の下流にあり、且つ好ましくは前記シールユニット(5;205)から前記スパウトユニット(3;203)に延びる、請求項1に記載の製品容器。
【請求項3】
前記スパウトユニット(3;203)の前記第1の位置と、前記スパウトユニット(3;203)の前記動作位置とは、前記スパウト回転軸(K)の周りで10~275度、好ましくは30~185度、好ましくは45~130度、好ましくは70~110度、好ましくは約90度の回転角だけ異なり、前記第1の位置と比較して、前記動作位置において、前記スパウトユニット(3;203)は、好ましくは、前記製品容器(1)の側から実質的に更に外向きに延びる、請求項1又は2に記載の製品容器。
【請求項4】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記第1の位置から前記動作位置への前記スパウトユニット(3;203)の回転を従動要素(8、10;208、211)のそれぞれの並進に変換するように構成され、前記シールユニット(5;205)は、前記従動要素(8、10;208、210)の前記並進により、前記密封状態から前記開封状態に入るように構成され、前記従動要素(8、10;208、210)の前記並進の方向(T)は、好ましくは、前記スパウト回転軸(K)から実質的に半径方向外向きに延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項5】
前記スパウトユニット(3;203)は、前記シールユニット(5;205)を前記密封状態から前記開封状態にするためにカム(9;209)、特にディスクカム(9;209)を含み、前記カム(9;209)は、前記スパウト回転軸(K)の周りでの前記スパウトユニット(3;203)の回転により、前記スパウト回転軸(K)の周りで回転可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項6】
前記シールユニット(5)は、プラグ(10)を含み、前記プラグ(10)は、前記密封状態において、前記シールユニット(5)のシャフト(11)によって受け入れられて、前記吐出デバイス(2)の前記第1の製品流動チャネル(6)を実質的に気密に密閉し、
前記シールユニット(5)は、前記シールユニット(5)を前記開封状態にするために、前記プラグ(10)が前記シャフト(11)から少なくとも部分的に取り外し可能であるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項7】
前記シールユニット(205)は、前記吐出デバイスの前記第1の製品流動チャネル(206)を実質的に気密に密閉するための切断可能なシール材(212)を含み、前記シールユニット(205)は、前記シール材(212)を切断するためのカッター(213)を含み、
前記シールユニット(205)は、前記カッター(213)が前記シール材(212)を通して切断しながら移動可能であるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項8】
前記吐出デバイス(202)は、例えば、前記スパウトユニット(203)から受け取られた前記カッター(213)の作動を前記カッター(213)の実質的に螺旋状の運動に変換するように構成され、前記シールユニット(205)は、前記カッター(213)の各係合構造体(215)と係合するための係合構造体(214)を含み、前記相互係合構造体(214、215)の少なくとも1つは、実質的に螺旋状のプロファイル、例えばスピンドルねじなどを含む、請求項7に記載の製品容器。
【請求項9】
前記スパウトユニット(3;203)は、製品を供給するための製品入口(17)を備える精密濾過デバイス(16)を含み、前記精密濾過デバイス(16)は、製品吐出中、前記製品にガス、例えば空気を供給するための流体供給部(18)に接続可能であり、前記スパウトユニット(3)は、好ましくは、前記精密濾過デバイス(16)の下流に配置される、ガスを提供された前記製品に対して混合処理及び/又は減圧処理を実施するための処理デバイス(19)を含み、前記スパウトユニット(3;203)は、好ましくは、前記精密濾過デバイス(16)を含み、前記精密濾過デバイス(16)は、好ましくは、濾過壁(20)を備え、前記濾過壁(20)は、0.1~10ミクロンの範囲の孔径、特に少なくとも0.1ミクロン且つ2ミクロン未満の孔径を有するガス透過孔を有し、前記壁(20)に沿って前記壁(20)と平行に流れる、使用中の製品の製品流れ方向(F)において測定される前記濾過壁(20)の長さは、好ましくは、最大で5cmであり、特に約0.5~5cmの範囲、例えば約2cmであり、前記孔径は、好ましくは、0.2ミクロン~1.5ミクロンの範囲である、請求項1~8のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項10】
分注マシン(M)によって交換可能に受け入れられるように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項11】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記精密濾過デバイス(16)の上流に混合デバイス(21)を含み、前記混合デバイス(21)は、前記製品に希釈剤、好ましくは水を混合するように構成され、前記混合デバイス(21)は、前記希釈剤を受け入れるために希釈剤供給部(22)に接続可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項12】
前記混合デバイス(21)は、前記希釈剤を前記混合デバイス(21)に供給することが、製品が前記混合デバイス(21)に注入されることを引き起こすように構成され、前記混合デバイス(21)は、好ましくは、前記混合デバイス(21)に製品を注入するための吸引ポンプを形成するために、前記希釈剤の流路(7)内に流れ絞り部(23)を含む、請求項11に記載の製品容器。
【請求項13】
前記混合デバイス(21)は、前記混合デバイス(21)への製品の流れを選択的に遮断するための弁部材(24)を含み、前記弁部材(24)は、製品の流れが遮断される遮断状態と、前記混合デバイス(21)に製品が流れるための通路が提供される通路提供状態との間で移動可能であり、前記弁部材(24)は、好ましくは、前記弁部材(24)を通して希釈剤の流れを運ぶための希釈剤流動チャネル(25)を含み、前記弁部材(24)は、好ましくは、前記希釈剤供給部(22)に接続可能であり、前記弁部材(24)は、好ましくは、前記希釈剤供給部(22)によって移動可能である、請求項11又は12に記載の製品容器。
【請求項14】
前記スパウトユニット(3;203)は、前記スパウトユニット(3;203)を前記第1の位置から前記動作位置に回転させるためのハンドル(4)、特にツイストハンドル(4)を含み、前記ハンドル(4)は、前記スパウト回転軸(K)から半径方向外向きに1cmを超えて、好ましくは2cmを超えて延び、より好ましくは、前記ハンドル(4)は、前記スパウト回転軸(K)から半径方向外向きに少なくとも4cm延びる、請求項1~13のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項15】
前記スパウトユニット(3;203)は、前記スパウトユニット(3;203)の製品出口(35)に製品を運ぶための出口チャネル(34)を含み、前記出口チャネル(34)は、前記ハンドル(4)が延びる方向に実質的に延びる、請求項1~14のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項16】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記スパウト回転軸(K)の周りでの前記スパウトユニット(3;203)の角度位置が、前記第1の位置から、前記動作位置を含む前記動作位置までの範囲の角度位置に実質的に限定されるように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項17】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記スパウトユニット(3;203)が前記動作位置にあるとき、前記スパウトユニット(3;203)の位置が前記動作位置に実質的に固定されるように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項18】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記スパウトユニット(3;203)を実質的に前記第1の位置にロックする、例えばクランプするように構成される輸送ロック(30)を備え、前記輸送ロック(30)は、好ましくは、前記吐出デバイス(2;202)から手動で取り外すことができる、例えば引き抜くことができる、請求項1~17のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項19】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記スパウトユニット(3;203)が前記第1の位置を離れるとユーザフィードバック、好ましくはハプティックユーザフィードバックを提供するように構成され、好ましくは、前記吐出デバイス(2;202)は、前記スパウトユニット(3;203)が前記動作位置に到達するとユーザフィードバック、好ましくはハプティックユーザフィードバックを提供するように更に構成される、請求項1~18のいずれか一項に記載の製品容器。
【請求項20】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記シールユニット(5)を前記密封状態から前記開封状態にするために、前記カム(9)が前記従動要素(8)に係合するように構成される、請求項4又は5に記載の製品容器。
【請求項21】
前記吐出デバイス(2;202)は、前記シールユニット(5;205)を前記密封状態から前記開封状態にするために、前記カム(9;209)が前記プラグ(10;210)に係合するように構成される、請求項4又は6に記載の製品容器。
【請求項22】
前記スパウトユニットの前記カム(9;209)は、1~6mm、好ましくは2~4mm、例えば約3mmのストローク(S)を有する、請求項6に記載の製品容器。
【請求項23】
前記シールユニット(205)は、前記従動要素(208)の並進により、前記カッター(213)が前記シール材(212)を通して切断しながら移動可能であるように構成され、前記従動要素は、好ましくは、前記カッターに係合するように構成され、前記スパウトユニットの前記カムは、好ましくは、2~10mm、好ましくは4~8mm、例えば約6mmのストロークを有する、請求項4又は7に記載の製品容器。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の製品容器の製品吐出デバイス(2;202)。
【請求項25】
請求項1~23のいずれか一項に記載の製品容器と、前記製品容器(1)を受け入れ、且つ前記容器(1)から製品を吐出するために前記製品容器(1)と協働するように構成される製品分注マシン(M)とを含む製品分注システムであって、前記製品分注マシン(M)は、
- 前記製品吐出デバイス(2;202)にガス、例えば空気を好ましくは過圧で供給するための流体供給部(18)、
- 前記製品吐出デバイス(2;202)に、希釈剤、好ましくは水を、好ましくは室温を超える温度で供給するための希釈剤供給部(22)、及び
- 前記製品吐出デバイス(2;202)の弁部材を移動させるための弁アクチュエータ(27)
の少なくとも1つ、好ましくは2つ、より好ましくは全てを含む、製品分注システム。
【請求項26】
製品容器(1)の製品吐出デバイス(2;202)のシールユニット(5;206)を密封状態から開封状態にする方法であって、
- 請求項1~23のいずれか一項に記載の製品容器(1)を提供することであって、前記シールユニット(5;205)は、前記密封状態であり、及び前記スパウトユニット(3)は、前記第1の位置にある、提供することと、
- 前記スパウトユニット(3;203)を前記スパウト回転軸(K)の周りで前記第1の位置から前記動作位置に回転させ、したがって前記シールユニット(5)を前記密封状態から前記開封状態にすることと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に食品のための製品容器であって、容器から製品を放出するための製品吐出デバイスを含む製品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような製品容器は、慣習により周知であり、Lattiz(登録商標)システムの一部として本出願人により販売されている。既知の製品容器としては、製品を収容するための可撓性バッグが挙げられる。製品は、例えば、液体食品又はその濃縮物、例えばミルク濃縮物であり得る。吐出デバイスは、容器から製品を制御可能に放出するための弁部材などを含む。
【0003】
既知の容器の吐出デバイスは、製品を注ぐためのスパウトユニットを含み、スパウトユニットは、第1の位置、例えば輸送位置から動作位置に回転可能である。第1の位置と比較して、動作位置において、スパウトユニットは、容器の下面から更に外向きに延びる。このようにして、スパウトユニットが第1の位置にあるとき、容器がコンパクトに、安全に且つ容易に輸送され得る一方、実質的に容器から距離を開けて製品を注ぐことができる。
【0004】
使用前(例えば、輸送及び保管中)に、収容された製品をバクテリアなどの環境的脅威から保護するために、吐出デバイスは、容器の内部の製品を収容する空間を吐出デバイスの下流部分から気密に密閉するように構成される開封可能なシールユニットを含む。一般的に、例えば、輸送中のシールユニットの偶発的な開封は、防止されることが望ましい。更に、例えば所望のときに製品を初めて放出することを可能にするために、シールユニットをユーザが容易に開封可能であることが望ましい。
【0005】
偶発的なシールの開封を防止することと、ユーザによる簡単な開封を可能にすることという相反する要件を満たすことは、困難であることが分かっている。例えば、シールユニットは、ユーザが開封しづらいものであるべきではない。シールユニット構造の剥離又は破壊に過剰な力が必要となることは、阻止されるべきである。シールユニットは、ユーザがアクセスしにくい場合もある。更に、ユーザがシールユニットを開封する労力により、製品容器を誤って破損するべきではなく、且つ/又は他の意図しない不利益な結果が生じるべきではない。
【0006】
米国特許出願公開第2019/0152657A1号明細書は、液体容器のための分注アセンブリを開示している。この容器は、開口部を有する弾性膜を備えた開封構成を有する。開口部は、静止位置では自動的に閉じるが、開封位置に付勢されて容器の内部へのアクセスを提供することができる。
【0007】
米国特許出願公開第2019/053210A1号明細書は、液体食品に含気させるためのシステムを開示している。システムは、液体食品流中に泡を発生させるための泡発生器を含む。
【0008】
米国特許出願公開第2013/0213493A1号明細書は、少なくとも1つの「バッグインボックス」包装のためのタップデバイスを開示している。タップデバイスは、タップ弁を備え、タップ弁は、「バッグインボックス」包装のための少なくとも1つの収容領域を含む。
【0009】
米国特許出願公開第2017/0273500A1号明細書は、液体製品を調製するためのアセンブリにおける使用に適した排除器を開示している。
【0010】
一般に、使いやすく、特にユーザが容器の取り扱い及び操作に必要とする労力が最小限であり、特に必要なユーザのアクション数が最小限である製品容器を提供することが望ましい。また、信頼性の高いシール開封及び耐久性のあるシールが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、特に食品のための改良された製品容器であって、ユーザによって効率的に、容易に、安全に且つ確実に使用され得、コンパクトに輸送され得、容器内に収容された製品は、少なくとも最初の使用前にバクテリアなどの環境的脅威から保護され得る、製品容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、特に食品のための製品容器であって、容器から製品を放出するための製品吐出デバイスを含み、吐出デバイスは、製品吐出のためのスパウトユニットであって、スパウト回転軸の周りで第1の(アイドル)位置から動作位置に回転可能であり、好ましくはスパウトユニットを第1の位置から動作位置に回転させるためのハンドルを含み、ハンドルは、好ましくは、スパウト回転軸から実質的に半径方向外向きに延びる、スパウトユニットと、密封状態から開封状態に入るように構成されるシールユニットであって、密封状態において、吐出デバイスの第1の製品流動チャネルを実質的に気密に密閉するように構成され、開封状態において、第1の製品流動チャネルを通した製品の流れを可能にするように構成されるシールユニットとを含み、吐出デバイスは、スパウトユニットを第1の位置から動作位置に回転させることにより、シールユニットが密封状態から開封状態にされ得るように構成される、製品容器が提供される。
【0013】
スパウトユニットを第1の位置において使用することにより、容器は、コンパクトに輸送することができる。スパウトユニットを動作位置において使用することにより、容器から各スパウトユニット吐出方向に(例えば、製品受入部、カップなどに)製品を注ぐことができる。シールユニットは、バクテリアなどの環境的脅威からの、容器内に収容された製品の保護を提供する。1つの簡単なユーザのアクション、即ちスパウトユニットの回転により、簡単で十分に制御された信頼性の高い手法でスパウトユニットを動作位置に移動させ、且つシールユニットを開封する。したがって、容器は、ユーザによって効率的に、容易に、安全に且つ確実に使用され得る。容器の残りの部分に対するスパウトユニットの運動(即ち回転)は、好ましくは、特に機械的な伝達手段(以下に説明する実施形態から、以下の通り)により、シールユニットの開封に機械的に伝達又は変換される。
【0014】
スパウト回転軸は、好ましくは、吐出デバイスの(例えば、実質的に管状の)第2の製品流動チャネルの中心軸に実質的に一致し、第2の製品流動チャネルは、第1の製品流動チャネルの下流にあり、且つ好ましくはシールユニットからスパウトユニットに延びる。
【0015】
これにより、効率的な製造を可能にする。また、このようにして、前記製品流動チャネルの漏れが防止され得る。
【0016】
スパウトユニットの第1の位置と、スパウトユニットの動作位置とは、スパウト回転軸の周りで10~275度、好ましくは30~185度、好ましくは45~130度、好ましくは70~110度、好ましくは約90度の回転角だけ異なり得る。例えば、第1の位置と比較して、動作位置において、スパウトユニットは、好ましくは、製品容器の側から実質的に更に外向きに延びる。
【0017】
このような回転角は、第1の位置から動作位置への回転がユーザによって容易に実現され得る一方、上述の第1の位置及び動作位置の利点が提供され得ることを可能にし得る。
【0018】
スパウトユニットの回転の機械的な伝達は、様々な手法で達成され得る。例えば、好適な実施形態において、吐出デバイスは、第1の位置から動作位置へのスパウトユニットの回転を従動要素のそれぞれの並進に変換するように構成され、シールユニットは、従動要素の並進により、密封状態から開封状態に入るように構成され、従動要素の並進の方向は、好ましくは、スパウト回転軸から実質的に半径方向外向きに延びる。
【0019】
このような構成は、回転を並進に変換するための堅牢且つシンプルな解決策を提供することができ、並進は、シールユニットの開封に影響を及ぼし得る。
【0020】
スパウトユニットは、シールユニットを密封状態から開封状態にするためにカム、特にディスクカムを含み得、カムは、スパウト回転軸の周りでのスパウトユニットの回転により、スパウト回転軸の周りで回転可能である。
【0021】
このようにして、比較的シンプル且つ堅牢な伝達が提供される。
【0022】
シールユニットは、プラグを含み得、プラグは、密封状態において、シールユニットのシャフトによって受け入れられて、吐出デバイスの第1の製品流動チャネルを実質的に気密に密閉し、シールユニットは、シールユニットを開封状態にするために、プラグがシャフトから少なくとも部分的に取り外し可能であるように構成される。
【0023】
有利には、このような実施形態において、信頼性の高いシールユニットを、例えば射出成形を使用して容易に製造することができるシンプル且つ堅牢な解決策が提供される。
【0024】
シールユニットは、吐出デバイスの第1の製品流動チャネルを実質的に気密に密閉するための切断可能なシール材を含み得、シールユニットは、シール材を切断するためのカッターを含み、シールユニットは、カッターがシール材を通して切断しながら移動可能であるように構成される。
【0025】
このような実施形態において、有利には、信頼性が高く且つ耐久性のある密封解決策は、使いやすく且つ信頼性の高い、シール、即ち切断可能なシール材を開封、即ち破壊する手段と組み合わされる。
【0026】
吐出デバイスは、例えば、スパウトユニットから受け取られたカッターの作動をカッターの実質的に螺旋状の運動に変換するように構成され得、シールユニットは、カッターの各係合構造体と係合するための係合構造体を含み、相互係合構造体の少なくとも1つは、実質的に螺旋状のプロファイル、例えばスピンドルねじなどを含む。
【0027】
カッターの螺旋運動は、(例えば、材料の穿穴又は引裂きとは対照的に)切断可能な材料のスムーズ且つ実質的に完全な切断を確実にすることができる。
【0028】
スパウトユニットは、製品を供給するための製品入口を備える精密濾過デバイスを含み得、精密濾過デバイスは、製品吐出中、製品にガス、例えば空気を供給するための流体供給部(即ちガス供給部)に接続可能であり、スパウトユニットは、好ましくは、前記精密濾過デバイスの下流に配置される、ガスを提供された製品に対して混合処理及び/又は減圧処理を実施するための処理デバイスを含み、スパウトユニットは、好ましくは、精密濾過デバイスを含み、精密濾過デバイスは、好ましくは、濾過壁を備え、濾過壁は、0.1~10ミクロンの範囲の孔径、特に少なくとも0.1ミクロン且つ2ミクロン未満の孔径を有するガス透過孔を有し、その壁に沿ってその壁に平行に流れる、使用中の製品の製品流れ方向において測定される濾過壁の長さは、好ましくは、最大で5cmであり、特に約0.5~5cmの範囲、例えば約2cmであり、孔径は、好ましくは、0.2ミクロン~1.5ミクロンの範囲である。
【0029】
上述の構成を使用して、均一に泡立てられた製品を得ることができることが判明した。
【0030】
製品容器は、分注マシンによって交換可能に受け入れられるように構成され得る。
【0031】
このようにして、有利には、実質的に空の(使用済み)容器を新たな製品充填済みの容器と交換することができ、そのため、各分注マシンを複数回使用することができる。
【0032】
吐出デバイスは、精密濾過デバイスの上流に混合デバイスを含み得、混合デバイスは、製品に希釈剤、好ましくは水を混合するように構成され、混合デバイスは、希釈剤を受け入れるために希釈剤供給部に接続可能である。
【0033】
このような構成により、吐出される製品の量を増加させることができ、且つ/又は1つ以上の製品原材料の濃度を低下させることができる。例えば、効率的な輸送及び保管が提供されるように、製品容器は、製品濃縮物を収容し得る。
【0034】
混合デバイスは、希釈剤を混合デバイスに供給することが、製品が混合デバイスに注入されることを引き起こすように構成され得、混合デバイスは、好ましくは、混合デバイスに製品を注入するための吸引ポンプを形成するために、希釈剤の流路内に流れ絞り部を含む。
【0035】
このようにして、複数の機能(希釈剤を供給すること及び製品を注入すること)が組み合わされた比較的シンプル且つ堅牢な構成が得られる。特に、これらの機能を組み込むことにより、注入される製品に対する、供給される希釈剤の比較的安定した且つ予測可能な比率が得られ得る。
【0036】
混合デバイスは、混合デバイスへの製品の流れを選択的に遮断するための弁部材を含み得、弁部材は、製品の流れが遮断される遮断状態と、混合デバイスに製品が流れるための通路が提供される通路提供状態との間で移動可能である。
【0037】
したがって、このような弁部材は、吐出デバイス、特に混合デバイスを通した製品の流れを選択的に遮断するために使用され得る。
【0038】
弁部材は、好ましくは、弁部材を通して希釈剤の流れを運ぶための希釈剤流動チャネルを含み、弁部材は、好ましくは、希釈剤供給部に接続可能であり、弁部材は、好ましくは、希釈剤供給部によって移動可能である。
【0039】
このようにして、弁アクチュエータは、希釈剤供給部の作動により、特に希釈剤供給部のコネクタの作動により弁部材を作動させることができる。このような構成は、吐出デバイスに対する接続部の数を有利に低減することができるとともに、コンパクト且つ堅牢なシステムを提供することができる。更なる利点として、希釈剤は、したがって、弁部材の状態を実質的に問わず、例えば前記下流部分をクリーニングするために、例えば吐出デバイスの下流部分が希釈剤で洗い流され得るように、吐出デバイスに及び/又は吐出デバイスを通して供給され得る。
【0040】
スパウトユニットは、スパウトユニットを第1の位置から動作位置に回転させるためのハンドル、特にツイストハンドルを含み得、ハンドルは、スパウト回転軸から半径方向外向きに1cmを超えて、好ましくは2cmを超えて、より好ましくは少なくとも4cm(例えば、少なくとも5cm又は少なくとも6cm)延びる。
【0041】
そのようなハンドルは、特にハンドルの形態のレバーを提供することにより、ユーザがスパウトユニットの回転の抵抗を克服するための手段を提供する。
【0042】
スパウトユニットは、スパウトユニットの製品出口に製品を運ぶための出口チャネルを含み得、出口チャネルは、ハンドルが延びる方向に実質的に延びる。
【0043】
このようにして、製品容器の側から距離を開けて製品を注ぐという利点と、スパウトユニットを回転させるためのレバーを提供するという利点とをコンパクトな形態で組み合わせたコンパクト且つ効率的な構成が提供される。
【0044】
吐出デバイスは、スパウト回転軸の周りでのスパウトユニットの角度位置が、第1の位置から、動作位置を含む動作位置までの範囲の角度位置に実質的に限定されるように構成され得る。
【0045】
このような構成は、輸送及び使用中の破損の可能性を制限することができる。
【0046】
吐出デバイスは、スパウトユニットが動作位置にあるとき、スパウトユニットの位置が動作位置に実質的に固定されるように構成され得る。
【0047】
これにより、シールユニットが開封された吐出デバイスと、シールユニットが密封状態であるデバイスとを視覚的に混同する可能性を防止することができる。これは、製品の安全な取り扱いを一層向上させること、特に食品の安全性を向上させることに役立ち得る。
【0048】
吐出デバイスは、スパウトユニットを実質的に第1の位置にロックする、例えばクランプするように構成される輸送ロックを備え得、輸送ロックは、好ましくは、吐出デバイスから手動で取り外すことができる、例えば引き抜くことができる。
【0049】
したがって、このような輸送ロックは、輸送中の吐出デバイスの追加的な保護を提供することができる。
【0050】
吐出デバイスは、スパウトユニットが第1の位置を離れるとユーザフィードバック、好ましくはハプティックユーザフィードバックを提供するように構成され得、好ましくは、吐出デバイスは、スパウトユニットが動作位置に到達するとユーザフィードバック、好ましくはハプティックユーザフィードバックを提供するように更に構成される。
【0051】
このようなユーザフィードバックは、デバイスの適切な使用法をユーザに案内することにより、更なる使いやすさ及び安全性を提供することができる。
【0052】
吐出デバイスは、シールユニットを密封状態から開封状態にするために、カムが従動要素に係合するように構成され得る。
【0053】
このようにして、比較的シンプル且つ堅牢な伝達が提供される。
【0054】
吐出デバイスは、シールユニットを密封状態から開封状態にするために、カムがプラグに係合するように構成され得る。
【0055】
このようにして、比較的シンプル且つ堅牢な伝達が提供される。
【0056】
スパウトユニットのカムは、特にシールユニットがプラグを含む場合、1~6mm、好ましくは2~4mm、例えば約3mmのストロークを有し得る。
【0057】
このようにして、比較的シンプル且つ堅牢な伝達が提供される。
【0058】
シールユニットは、従動要素の並進により、カッターがシール材を通して切断しながら移動可能であるように構成され得、従動要素は、好ましくは、カッターに係合するように構成され、スパウトユニットのカムは、好ましくは、2~10mm、好ましくは4~8mm、例えば約6mmのストロークを有する。
【0059】
このような実施形態において、有利には、信頼性が高く且つ耐久性のある密封解決策は、使いやすく且つ信頼性の高い、シール、即ち切断可能なシール材を開封、即ち破壊する手段と組み合わされる。
【0060】
本発明は、本明細書に記載される製品容器と、製品容器を受け入れ、容器から製品を吐出するために製品容器と協働するように構成される製品分注マシンとの組み合わせも提供し、特に、製品容器は、製品分注マシンによって受け入れられる。マシンは、製品吐出デバイスにガス、例えば空気を好ましくは過圧で供給するための流体供給部、製品吐出デバイスに、希釈剤、好ましくは水を、好ましくは室温を超える温度で供給するための希釈剤供給部及び製品吐出デバイスの弁部材を移動させるための弁アクチュエータの少なくとも1つ、より好ましくは2つ、より好ましくは全てを好ましくは含む。
【0061】
このような組み合わせにおけるこのような製品分注マシンは、製品、特に泡立てられた製品、例えば泡立てられ、希釈された製品濃縮物を製品容器から分注するために有利に使用され得る。マシンの信頼性が高く且つ効率的な操作は、上述の製品容器の特徴によって提供される。
【0062】
本発明は、製品容器の製品吐出デバイスのシールユニットを密封状態から開封状態にする方法であって、製品容器を提供することであって、シールユニットは、密封状態であり、及びスパウトユニットは、第1の位置にある、提供することと、スパウトユニットをスパウト回転軸の周りで第1の位置から動作位置に回転させ、したがってシールユニットを密封状態から開封状態にすることとを含む方法も提供する。
【0063】
このような方法は、上述の利点を提供する。本発明の更なる有利な詳細は、従属請求項の特徴によって提供される。
【0064】
例示的な実施形態及び図面を参照して本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】製品分注システムの概略断面図を示す。
図2】弁部材が開放状態にある、特に製品吐出デバイスを含む図1の製品分注システムの細部の概略断面図を示す。
図3】弁部材が流れ遮断状態にある、図2に類似する概略断面図を示す。
図4】弁部材が開放状態にある製品吐出デバイスの断面図をより詳細に示す。
図5】弁部材が遮断状態にある、図4に類似する断面図を示す。
図6a図4の製品吐出デバイスの斜視図を示す。
図6b図6aの製品吐出デバイスの斜視図を、図6aと比べて異なる視点で示す。
図7】従動要素を図示しない更なる実施形態による製品吐出デバイスの断面図を示す。
図8a】スパウトユニットが第1の位置にある、図7の線VIII-VIIIに沿って取った、従動要素を含む製品吐出デバイスの切欠図を示す。
図8b】スパウトユニットが動作位置にある、図8aに類似する切欠図を示す。
図9a図8aのスパウトユニットの切欠図を示す。
図9b図8aのスパウトユニットの部分斜視図を示す。
図10a】シールユニットのプラグを図示しない、一実施形態によるシールユニットの切欠図を示す。
図10b図10aのシールユニットのプラグの切欠図を示す。
図11a】スパウトユニットが第1の位置にあり、シールユニットが密封状態にある、カッターを含む製品吐出デバイスの切欠図を示す。
図11b】スパウトユニットが動作位置にあり、シールユニットが開封状態にある、図11aに類似する切欠図を示す。
図12a図11aのスパウトユニットの切欠図を示す。
図12b図11aのスパウトユニットの部分斜視図を示す。
図13】従動要素及びシールユニットのカッターを図示しない図11aのシールユニットの切欠図を示す。
図14a図11aのシールユニットのカッターの斜視図を示す。
図14b図11aのシールユニットの従動要素の斜視図を示す。
図15a】輸送ロックを備える製品吐出デバイスの斜視図を示す。
図15b図15aの輸送ロックの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図面では、類似又は対応する特徴は、類似又は対応する参照符号を用いて示される。
【0067】
図1は、マシンMと、容器1から製品を放出するための製品吐出デバイス2を有する交換可能な容器1とを含む例示的な製品分注システム26を示す。システム26は、吐出デバイス2から入れ物28に分注された製品を受け入れるために、入れ物28、例えばカップ又はジャーが吐出デバイス2の近辺、好ましくは下に配置され得るように構成され得る。分注される製品は、食品、例えば泡立てられた食品、例えば泡立てられた乳製品、例えば泡立てられたミルクであり得る。本発明は、他の製品において実施され得、その製品は、泡立てられていても又はいなくてもよいことが理解されるであろう。
【0068】
図1は、国際出願PCT/オランダ特許出願公開第2010/050556号明細書(参照によりその全体が本特許出願に組み込まれる)に本質的に記載されている製品分注システム26の一例を概略的に示す。システム26は、分注される製品Pを収容するホルダ/容器1と、容器1から到来する製品Pを吐出するための製品吐出手段6(例えば、製品吐出チャネルを備える)とを含む。図1のものに対応又は類似するシステムは、例えば、以下に記載する分注システムにおいて用いられ得、その場合、製品処理手段は、「製品処理ユニットCPU」、即ち製品吐出デバイス2としてホルダ(即ち容器)と一体化される。
【0069】
ホルダ/容器1は、異なる手法で設計及び形成され得る。例えば、ホルダ1の外壁は、例えば、金属、合金、プラスチックなどから製造され得る。外壁は、剛性又は可撓性の設計のものであり得る。容器1は、例えば、円筒状若しくは角のある設計のもの又は異なる設計のものであり得る。好適な実施形態において、容器は、外部筐体(箱)内に配置された可撓性バッグ内に製品が保持されるバッグインボックス型のホルダである。
【0070】
容器1は、例えば、容器1が推進剤を備える場合(以下を参照されたい)、例えば12bar、特に10barの最大内圧に耐えるように設計され得る。有利な実施形態によれば、容器を比較的軽量な(及び例えば、比較的シンプルで低コストの)設計(バッグインボックス設計など)のものにすることができるように、容器1は、大幅に低い最大圧力、例えば最大で2barに耐えるように設計される。
【0071】
有利な形態によれば、容器内に存在する製品Pは、均一に泡立て可能な製品、特に食品、ミルク、クリーム、カプチーノミルク、スプレークリーム、(果実)ジュース/飲料、アルコール含有飲料又は飲料ベース、例えばビール又はワイン、乳飲料又は乳ベースの飲料、例えばホエー飲料又は透過液ベースの飲料、(ミルク)シェイク、チョコレート飲料、(ドリンク)ヨーグルト、ソース、アイスクリーム又はデザート、ジュース、特にミルク製品である。製品Pは、例えば、クリームであり得る。
【0072】
製品は、例えば、製品の混合物、例えば前述の製品のいくつかの混合物、前述の製品の1つと液体(例えば、水)との混合物、濃縮製品(例えば、濃縮ミルク)と液体(例えば、水)との混合物又は異なる混合物であり得る。このような混合物を得るために、各製品をシステムの下流部分(即ち製品吐出手段6)に供給する前に混合するために、様々な製品容器が利用可能であり得る。代わりに、例えば、システムは、製品容器1及び製品/液体の混合物の吐出手段への供給を実現するための1つ以上の液体供給部(例えば、希釈剤供給部22、例えば給水部)を含み得る。
【0073】
製品Pは、任意選択的に、例えば推進剤又は発泡剤(例えば、製品に少なくとも一部溶解した状態における)、特に空気、N2、N2O及び/又はCO2の1つ以上からなる推進剤を含有し得る。このような推進剤又は発泡剤は、特に、食品技術に関して安全なものである。推進剤又は発泡剤は、容器1の内部空間を、例えば、特定の初期過圧に維持することができる。
【0074】
更に、製品Pは、例えば、均一に泡立て可能な及び/又は消費可能な製品Pを含まなくてもよい。
【0075】
システムは、交換可能な製品容器1を受け入れるように構成される分注マシンMを含み得る。この例では、製品容器1は、箱1内に配置された可撓性バッグ内に製品Pが保持されるバッグインボックス型のホルダである。分注マシンMは、例えば、図示される操作位置に容器1を受け入れ、保持するための製品容器受け入れベイを含む。
【0076】
容器1は、例えば、製品Pをバッグから下流の製品処理ユニット2に供給するための製品出口、即ち第1の製品流動チャネル6を含む。処理ユニット2は、各製品容器1に一体接続することができ、特に製品容器1とともにマシンMに設置され、(使用後に)マシンMから取り外され得る。
【0077】
製品処理ユニット2は、容器1から到来する製品を処理し、吐出する、特に製品Pにガスを注入するように構成される。
【0078】
製品容器1は、製品濃縮物、例えばミルク濃縮物を収容し得、システム26は、分注中に製品濃縮物を希釈するように構成される。この目的のために、システム26は、製品吐出デバイス2、特に吐出デバイス2の混合デバイス21に、希釈剤、好ましくは水を、好ましくは室温を超える温度で供給するための希釈剤供給部22を含み得、吐出デバイス2、特に混合デバイス21は、希釈剤と製品濃縮物とを混合して、製品濃縮物を希釈するように構成される。
【0079】
システムは、吐出デバイス2の第1の製品流動チャネル6を制御可能に密閉するために、希釈剤供給部22の作動、例えば回転作動により、吐出デバイス2、特に混合デバイス21の弁部材24を移動させるための弁アクチュエータ27を含み得る。この目的のために、弁部材24は、第1の流動チャネル6を通して流れるための通路が提供される通路提供状態(図2図4を参照されたい)と、製品の流れが遮断される遮断状態(図3図5を参照されたい)との間で移動可能であり得る。したがって、このような弁部材24は、吐出デバイス2、特に混合デバイス21を通した製品の流れを選択的に遮断するために使用され得る。
【0080】
弁部材24は、好ましくは、弁部材24を通して希釈剤の流れを運ぶための希釈剤流動チャネル25を含み、弁部材24は、好ましくは、希釈剤供給部22に接続可能であり、好ましくは希釈剤供給部22によって移動可能である。
【0081】
このようにして、弁アクチュエータ27は、希釈剤供給部22の作動により、特に希釈剤供給部22のコネクタ29の作動により弁部材24を作動させることができる。このような構成は、吐出デバイス2に対する接続部の数を有利に低減することができるとともに、コンパクト且つ堅牢なシステム26を提供することができる。更なる利点として、希釈剤は、したがって、弁部材24の状態を実質的に問わず、例えば前記下流部分をクリーニングするために、例えば吐出デバイス2の下流部分が希釈剤で洗い流され得るように、吐出デバイス2に及び/又は吐出デバイス2を通して供給され得る。
【0082】
吐出デバイス2、特に混合デバイス21は、好ましくは、吐出デバイス2に希釈剤を供給することにより、容器1から吐出デバイス2、特に混合デバイス21に製品が注入され得るように構成され、希釈剤は、好ましくは、過圧で供給される。この目的のために、混合デバイス21は、好ましくは、特に第1の流動チャネル6を通して混合デバイス21に製品を注入するための吸引ポンプを形成するために、希釈剤の流路内(特に第2の流動チャネル7内)に流れ絞り部23を含む。
【0083】
例示的なシステム26は、特に、製品、例えば希釈した製品濃縮物を泡立て、且つ/又は起泡させるために、製品吐出中、製品にガス、例えば空気を供給するための流体供給部18を更に含む。この目的のために、吐出デバイス2は、好ましくは、混合デバイス21の下流に配置された精密濾過デバイス16を含み得、精密濾過デバイス16は、製品を供給するための製品入口17を備える。精密濾過デバイス16は、好ましくは、流体供給部18からガス、例えば空気を受け入れるために流体供給部18に接続可能である。
【0084】
精密濾過デバイス16は、好ましくは、ガス透過孔を有する濾過壁20を備える。製品が壁20に沿って流れる際、流体、例えば空気が濾過壁20を通して製品に導入され得、流体は、好ましくは、流体供給部18から過圧で供給される。
【0085】
ガス透過孔は、0.1~10ミクロンの範囲の孔径、特に少なくとも0.1ミクロン且つ2ミクロン未満の孔径を有し得、その壁に沿ってその壁に平行に流れる、使用中の製品の製品流れ方向Fにおいて測定される濾過壁の長さは、最大で5cm、特に約0.5~5cmの範囲、例えば約2cmであり、孔径は、好ましくは、0.2ミクロン~1.5ミクロンの範囲である。
【0086】
処理デバイス19は、泡立てられた製品を処理するために、ガスを提供された製品、即ち泡立てられた又は起泡された製品に対して混合処理及び/又は減圧処理を実施するために精密濾過デバイス16の下流に設けられ得る。
【0087】
上述の構成を使用して、均一に泡立てられた製品を得ることができることが判明した。
【0088】
製品吐出デバイス2は、製品吐出のためのスパウトユニット3を含み得る。精密濾過デバイス16及び/又は処理デバイス19を含み得るスパウトユニット3は、スパウト回転軸Kの周りで第1の位置と動作位置との間において回転可能であり得る。スパウト回転軸Kは、好ましくは、スパウトユニット3、例えば第2の製品流動チャネル7に延びる製品流動チャネルの中心線Lに一致する。このようにして、前記製品流動チャネルの漏れが防止され得る。
【0089】
スパウトユニット3の簡単な手動回転を可能にするために、スパウトユニット3は、好ましくは、スパウト回転軸Kから実質的に半径方向外向きに延びるハンドル4(図6a~図6bを参照されたい)を好ましくは含む。ハンドル4は、ユーザに対してハンドル4のグリップの向上を提供するための1つ以上のプロファイル面33を含み得る。
【0090】
スパウトユニット3の第1の位置は、輸送位置(図8a、図11a、図15aを参照されたい)であり得、吐出デバイス2を含む製品容器1は、スパウトユニット3が動作位置(図4図7図8b、図11bを参照されたい)にある場合と比較してよりコンパクトな形態を有する。例えば、第1の位置と比較して、動作位置において、スパウトユニット3は、製品容器1の側から実質的に更に外向きに延び得る。
【0091】
スパウトユニット3の第1の位置とスパウトユニット3の動作位置とは、スパウト回転軸Kの周りで10~275度、好ましくは30~185度、好ましくは45~130度、好ましくは70~110度、好ましくは約90度の回転角だけ異なり得る。
【0092】
このような回転角は、第1の位置から動作位置への回転がユーザによって容易に実現され得る一方、上述の第1の位置及び動作位置の利点が提供され得ることを可能にし得る。
【0093】
スパウトユニット3は、スパウトユニット3を第1の位置から動作位置に回転させるためのハンドル4、特にツイストハンドル4を含み得、ハンドル4は、スパウト回転軸Kから半径方向外向きに1cmを超えて、好ましくは2cmを超えて(図7の矢印Qにより示される距離にわたって)延びる。
【0094】
そのようなハンドルは、特にハンドルの形態のレバーを提供することにより、ユーザがスパウトユニット3の回転の抵抗を克服するための手段を提供する。ハンドル4がスパウト回転軸から半径方向外向きに少なくとも約4cm、例えば少なくとも5cm又は少なくとも6cm(即ち前記距離Qにわたって)延びる場合に良好な結果が得られ、比較的高モーメントを可能にするとともに、ハンドルを操作するときのユーザの比較的低い圧力/力で高トルクをもたらすことが判明した。
【0095】
スパウトユニット3は、好ましくは、スパウトユニット3の製品出口35に製品を運ぶための出口チャネル34を含み、出口チャネル34は、ハンドル4が延びる方向に実質的に延びる。
【0096】
このようにして、製品容器の側から距離を開けて製品を注ぐという利点と、スパウトユニットを回転させるためのレバーを提供するという利点とをコンパクトな形態で組み合わせたコンパクト且つ効率的な構成が提供される。
【0097】
本発明による一実施形態において、製品吐出デバイス2は、密封状態(図8a、図11aを参照されたい)から開封状態(図8b、図11bを参照されたい)に入るように構成されるシールユニット5であって、密封状態において、吐出デバイス2の第1の製品流動チャネル6を実質的に気密に密閉するように構成されるシールユニット5を含む。開封状態において、シールユニット5は、第1の製品流動チャネル6を通した製品の流れを可能にするように構成される(即ち、シールユニット5は、もはやチャネル6を密封しない)。本実施形態において、吐出デバイス2は、スパウトユニット3を第1の位置から動作位置に回転させることにより、シールユニット5を密封状態から開封状態にするように構成される。
【0098】
したがって、ユーザのアクション数を低減することができ、シールユニット5を開封状態にするための使いやすく効率的且つ堅牢な解決策が提供され得る。
【0099】
これらの態様の更なる改善を提供するために、特に輸送及び使用中の破損の可能性を制限するために、吐出デバイス2は、スパウト回転軸Kの周りでのスパウトユニット3の角度位置が、第1の位置から、動作位置を含む動作位置までの範囲の角度位置に実質的に限定されるように構成され得る。
【0100】
シールユニット5が開封された吐出デバイス2と、シールユニットが密封状態であるデバイス2とが視覚的に混同される可能性を防止するために、吐出デバイス2は、スパウトユニット3が動作位置にあるとき、スパウトユニット3の位置が実質的に動作位置に固定されるように構成され得る。これは、製品の安全な取り扱いを一層向上させること、特に食品の安全性を向上させることに役立ち得る。
【0101】
吐出デバイス2は、スパウトユニット3が第1の位置を離れるとユーザフィードバック、好ましくはハプティックユーザフィードバックを提供するように構成され得、好ましくは、吐出デバイス2は、スパウトユニット3が動作位置に到達するとユーザフィードバック、好ましくはハプティックユーザフィードバックを提供するように更に構成される。
【0102】
このようなユーザフィードバックは、デバイス2の適切な使用法をユーザに案内することにより、更なる使いやすさ及び安全性を提供することができる。
【0103】
上述の角度位置の制約、動作位置における固定及び触覚フィードバックの提供は、図面に明示的に示されない吐出デバイス2の適切な遮断構造及び/又は抵抗構造によって様々な手法で実現され得ることが理解されるであろう。
【0104】
吐出デバイス2は、第1の位置から動作位置へのスパウトユニット3の回転を従動要素8(いくつかの実施形態ではプラグ10であり得、図8a~図8bを参照されたい)のそれぞれの並進に変換するように構成され得、シールユニット5は、従動要素8、10の並進により、密封状態から開封状態に入るように構成され、従動要素8、10の並進の方向Tは、好ましくは、スパウト回転軸Kから実質的に半径方向外向きに延びる。
【0105】
このような構成は、回転を並進に変換するための堅牢且つシンプルな解決策を提供することができ、並進は、シールユニット5の開封に影響を及ぼし得る。
【0106】
スパウトユニットは、シールユニット5を密封状態から開封状態にするためにカム9、特にディスクカム9を含み得、カム9は、スパウト回転軸Kの周りでのスパウトユニット3の回転により、スパウト回転軸Kの周りで回転可能である。
【0107】
図8a~図8b及び図11a~図11bに示されるように、吐出デバイス2は、シールユニット5を密封状態から開封状態にするために、カム9が従動要素8、10に係合するように構成され得る。
【0108】
このようにして、比較的シンプル且つ堅牢な伝達が提供される。
【0109】
本発明による2つの例示的な実施形態は、少なくともシールユニット5の構成が異なる。
【0110】
図8図10に示されるような第1のこのような例示的な実施形態において、シールユニット5は、従動要素としても機能し得る(しかし、これは、厳密に必要なわけではない)プラグ10を含む。密封状態において、プラグ10は、シールユニット5のシャフト11によって受け入れられて、流出デバイス2の第1の製品流動チャネル6を実質的に気密に密閉し、シールユニット5は、シールユニット5を開封状態にするために、プラグ10をシャフト11から少なくとも部分的に取り外し可能であるように構成される。この実施形態において、スパウトユニット3のカム9は、好ましくは、1~6mm、好ましくは2~4mm、例えば約3mmのストロークSを有する。
【0111】
有利には、このような実施形態において、信頼性の高いシールユニットを、例えば射出成形を使用して容易に製造することができるシンプル且つ堅牢な解決策が提供される。
【0112】
図11図14に示されるような第2のこのような例示的な実施形態において、シールユニット205は、好ましくは、吐出デバイス202の第1の製品流動チャネル206を実質的に気密に密閉するための、例えばアルミニウムの層及びPET(ポリエチレンテレフタレート)の層を含むアルミニウム及び/又はプラスチックを含む切断可能なシール材212を含み、シールユニット205は、シール材212を切断するためのカッター213を含み、シールユニット205は、カッター213が例えば従動要素208の並進によってシール材212を通して切断しながら移動可能であるように構成される。この実施形態において、従動要素208は、好ましくは、カッター213に係合するように構成され、スパウトユニットのカム209は、好ましくは、2~10mm、好ましくは4~8mm、例えば約6mmのストロークSを有する。
【0113】
このような実施形態において、有利には、良好な密封解決策は、使いやすく且つ信頼性の高い、シール、即ち切断可能なシール材を開封、即ち破壊する手段と組み合わされる。
【0114】
前記第2の例示的な実施形態において、従動要素208は、シャフト211内に少なくとも部分的に受け入れられ得、吐出デバイス202、特にシールユニット205は、例えば、スパウトユニット203から受け取られたカッター213の作動をカッター213の実質的に螺旋状の運動に変換するように構成され、シールユニットは、カッター213の各係合構造体215と係合するための係合構造体214を含み、相互係合構造体214、215の少なくとも1つは、カッター213の実質的に螺旋状の運動への移動を制限するための実質的に螺旋状のプロファイル、例えばスピンドルねじなどを含む。
【0115】
カッターの螺旋運動は、(例えば、材料の穿穴又は引裂きとは対照的に)切断可能な材料のスムーズ且つ実質的に完全な切断を確実にすることができる。
【0116】
図15a~図15bを参照すると、吐出デバイス2は、シールユニット5が誤って開封状態にされることを防止するために、スパウトユニット3の各受入構造体31に係合する、例えばクランプすることにより、スパウトユニット3の回転を阻止するように構成される輸送ロック30を備え得る。輸送ロック30は、弁部材24の運動を阻止するように更に構成され得る。この目的のために、輸送ロック30は、弁部材係合構造体32を備え得る。輸送ロック30は、好ましくは、ユーザによって吐出デバイス2から手動で取り外すことができる、例えば引き抜くことができる。
【0117】
したがって、このような輸送ロックは、輸送中の吐出デバイスの追加的な保護を提供することができる。
【0118】
したがって、特に食品のための改良された製品容器であって、ユーザによって効率的に、容易に、安全に且つ確実に使用され得、製品は、容器の側から実質的に距離を開けて注がれ得、容器は、コンパクトに輸送され得、容器内に収容された製品は、バクテリアなどの環境的脅威から保護され得る、製品容器が提供される。
【0119】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、特許請求の範囲内にある変形形態及び代替形態を使用して本発明を実施し得ることが理解されるであろう。
【0120】
例えば、スパウトユニットの回転は、上述した以外の手段により、例えば歯車、例えばラックアンドピニオン構成を使用して又ははすば歯車を使用してシールユニットの開封に変換され得る。
【0121】
吐出デバイスは、精密濾過デバイスを含んでも又は含まなくてもよく、且つ混合デバイスを含んでも又は含まなくてもよい。
【0122】
製品Pは、例えば、食用又は非食用タンパク質、タンパク質混合物又はタンパク質溶液を含み得る。食用タンパク質溶液は、例えば、乳タンパク質、ホエータンパク質及びカゼイン、卵白タンパク質、酵母分離物、大豆タンパク質、ヘモグロビン、植物タンパク質分離物、肉タンパク質、コラーゲン、ゼラチンなどを含み得る。
【0123】
製品は、例えば、均一に又は不均一に泡立てられ得る。
【0124】
製品は、食品若しくは化粧品、クリーナー及び/又は異なるタイプの製品であり得る。
【0125】
製品は、様々な物質、例えば増粘剤、着色剤、香料などを更に含有し得る。
【0126】
更に、製品は、特に、食品、例えばミルク、クリーム、カプチーノミルク、スプレークリーム、(果実)ジュース/飲料、アルコール含有飲料又は飲料ベース、例えばビール又はワイン、乳飲料又は乳ベースの飲料、例えばホエー飲料又は透過液ベースの飲料、(ミルク)シェイク、チョコレート飲料、(ドリンク)ヨーグルト、ソース、アイスクリーム、デザートなどである。製品は、例えば、植物性又は動物性脂肪又は油、増粘剤、砂糖、甘味料、香料、着色料など、及び/又は当業者に明らかな他の様々な原材料を更に含み得る。製品は、例えば、非消費製品、ボディケア製品、毛髪処理剤なども含み得る。
【0127】
更に、分注される製品は、例えば、高温の製品であり得る。このため、製品は、容器内に入れられる前に、その目的において知られる手段(例えば、マイクロ波、水蒸気、電気、対流又は他の手段)によって既に加熱されていることができる。また、本発明による方法及びシステムは、例えば、製品を加熱するための加熱手段(例えば、加熱システム)を用いるか又は備え得る。
【0128】
更なる形態によれば、製品の加熱は、例えば、製品容器1に及び/若しくは製品容器1内に熱を供給することにより、且つ/又は製品容器と精密濾過デバイスとの間の位置で製品を加熱することにより、精密濾過デバイスに対して上流で実施される。この加熱は、例えば、20℃~90℃、好ましくは40℃~75℃であり得る。更に、製品の加熱は、精密濾過デバイスに対して下流、例えば流出ライン66内及び/又は流出ライン66に対して上流で実施され得る。加熱手段は、例えば、製品吐出手段6を通して流れる製品を加熱し、且つ/又は製品に供給されるガスを加熱し、且つ/又は任意の混合デバイス及び/若しくは精密濾過デバイスなどを加熱するように設計され得る。更なる形態によれば、加熱手段は、例えば、精密濾過デバイスを、それを通り過ぎて流れる製品を加熱する(即ち温度を上昇させる)のに適した温度にするように設計され得る。更なる形態によれば、加熱手段は、処理デバイス又は製品処理ユニットを、それを通り過ぎて流れる製品を加熱するのに適した温度にするように設計され得る。
【0129】
更に、方法(及びシステム)は、少なくとも2つの製品流れ(2つの製品部分)を用いることができ、第1の製品部分は、本方法(及びシステムそれぞれ)によって泡立てられ、その後、第2の泡立てられていない製品部分と(それぞれ方法及びシステムによって)組み合わされる(且つ例えば、これと混合される)。製品吐出手段又は製品処理ユニットは、分岐部を備え得、この分岐部から、第1の製品流れと、それとは別個の第2の製品流れとを提供する。その後、第1の製品流れは、泡立てられ、第2の製品流れと再び組み合わされる(且つ例えば、それと混合される)。製品の加熱において、例えば、言及した第1の製品流れ若しくはこれとは逆に言及した第2の製品流れ又はこれらの両方が加熱され得る。
【0130】
更に、製品処理ユニットに下流混合デバイスが存在する場合、好ましくは静的手段、例えば静的精密濾過フィルタ及び任意選択的に静的膜が用いられる。代替的な実施形態において、例えば、可動フィルタ(及び/又は任意選択的に動的膜)が用いられ得る。
【0131】
本発明(方法及びシステム)は、様々な製品、例えばミルク、クリーム、カプチーノミルク、スプレークリーム、(果実)ジュース/飲料、アルコール含有飲料又は飲料ベース、例えばビール又はワイン、乳飲料又は乳ベースの飲料、例えばホエー飲料又は透過液ベースの飲料、(ミルク)シェイク、チョコレート飲料、(ドリンク)ヨーグルト、ソース、アイスクリーム、デザート又は他の製品を提供するために使用され得る。
【0132】
本発明は、注ぐことが可能な高温の泡、例えばカプチーノ、ラテマキアート、チョコレート飲料及び他のホット(ミルク)飲料を、風味を添加して又は添加することなく調製することができる。更に、非乳製品飲料又は消費することを意図した製品を調製することができる。更なる形態において、この目的のため、製品は、10%の最低オーバーランで泡立てられ、分注直後、20~90℃、好ましくは40~70℃の温度を得る/有する。製品は、例えば、主として注ぐことが可能であり得る(例えば、オーバーランが100%未満である)。言及した加熱手段を使用して、注ぐことが可能な温かい製品を分注することができる。注ぐことが可能な製品は、例えば、泡立てられていない製品部分と、泡立てられた製品部分とを組み合わせることによって得ることができる。
【0133】
代わりに、本発明は、低温飲料及びよく冷えた飲料、例えばミルク飲料、ミルクシェイク、チョコレート飲料、ランチ飲料、ヨーグルト飲料、果実飲料、ビール又はワインなどのアルコール含有飲料などを調製することができる。この場合、製品は、例えば、10%の最低オーバーラン及び20℃未満の温度、好ましくは-5~10℃の温度を有し得る。分注される低温の製品は、主に注ぐことが可能であり得、甘味の又はその逆に塩味の製品、発酵ミルク製品、果汁又は他の製品を含み得る。
【0134】
更に、本発明は、高温及び低温の泡立てられたソース、例えば甘味のソース、酸味のソース、塩味のソース及び/又は他のソースを提供するために使用され得る。本発明によって得られるこのようなソースは、1%の最低オーバーラン及び-20℃~80℃の範囲の温度を有し得る。
【0135】
本発明によって調製されるデザート、例えばムース、フラ又はヨーグルトは、10%の最低オーバーラン及び例えば1℃~40℃の温度(好ましくは10℃未満の温度)を有し得る。スプレークリームは、従来の製品よりも高いオーバーラン(好ましくは300%を超える)を有し、安定性が向上したクリームが実現される特定の用途である。
【0136】
本発明は、アイスクリーム又は(ミルク)シェイクを調製するのに特に適している。アイスクリーム又は(ミルク)シェイク製品は、10%~200%の範囲のオーバーラン及び0℃以下の温度(好ましくは-10℃~-2℃の範囲の温度)を有し得る。
【0137】
本発明(方法、システム又はこれらの両方)は、比較的低い圧力(特に言及したガス供給空間に供給されるガスの圧力)、例えば2bar未満の圧力を用いて、例えば言及した製品が100%を超える(特に約150%以上、特に約200%以上の)オーバーランを経るように使用され得る。本発明(方法、システム又はこれらの両方)は、例えば、言及した製品が100%を超える(特に約150%以上、特に約200%以上の)オーバーランを経る一方、分注される製品が比較的低い温度、例えば約0℃以下の温度を有するように使用され得る。
【0138】
更に、本発明(方法、システム又はこれらの両方)は、精密濾過デバイスの下流の製品Pが混合処理を経ず、且つ制御された減圧を経ないように構成され得る。例えば、セミスキムミルク製品又はその濃縮物が使用され得る場合である。また、精密濾過デバイスの下流の製品Pが混合処理を経ず、且つ制御された減圧を経ないように構成される方法に従い(及び/又はシステムにより)、他の製品、例えば食品、クリーム、カプチーノミルク、スプレークリーム、(果実)ジュース/飲料、アルコール含有飲料又は飲料ベース、例えばビール又はワイン、乳飲料又は乳ベースの飲料、例えばホエー飲料又は透過液ベースの飲料、(ミルク)シェイク、チョコレート飲料、(ドリンク)ヨーグルト、ソース、アイスクリーム又はデザート、特に乳製品又は消費を意図しない製品を処理することができる。
【0139】
好適な実施形態によれば、上記から続くように、システムは、精密濾過デバイス16に対して下流に処理デバイスを備えない(そのため、システムは、ガスを提供された製品に対して混合処理及び減圧処理を実施しない)。しかしながら、代替的な実施形態では、そのような追加的な下流処理デバイスがシステム内に設けられる。
【0140】
更に、製品処理ユニット2は、複数の精密濾過デバイス16を含み得、例えば処理能力を高めるために各処理空間内に少なくとも2つ以上の管状精密濾過要素20を含む。
【符号の説明】
【0141】
1 製品容器
2、202 製品吐出デバイス
3、203 スパウトユニット
4、204 ハンドル
5、205 シールユニット
6、206 第1の製品流動チャネル
7 第2の製品流動チャネル
8、208 従動要素
9、209 カム
10 プラグ
11 シャフト
212 切断可能な材料
213 カッター
214 シールユニットの係合構造体
215 カッターの係合構造体
16 精密濾過デバイス
17 精密濾過デバイスの製品入口
18、218 流体(ガス)供給部
19 処理デバイス
20 濾過壁
21 混合デバイス
22 希釈剤供給部
23 流れ絞り部
24 弁部材
25 希釈剤流動チャネル
26 製品分注システム
27 弁アクチュエータ
28 入れ物
29、229 希釈剤供給部コネクタ
30 輸送ロック
31 スパウトユニットの輸送ロック係合構造体
32 輸送ロックの弁部材係合構造体
33 ハンドルのプロファイル面
34 スパウトユニットの出口チャネル
35 スパウトユニットの製品出口
F 製品流れ方向
P 製品
K スパウト回転軸
L 第2の製品流動チャネルの中心軸
M 分注マシン
S カムのストローク
T 従動要素の並進の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図15a
図15b
【国際調査報告】