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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】携帯型クーラー
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20220831BHJP
   F25D 16/00 20060101ALI20220831BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
F25D11/00 101G
F25D16/00
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577125
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 US2020038765
(87)【国際公開番号】W WO2020263710
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/866,398
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/887,453
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/955,696
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/970,029
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517360055
【氏名又は名称】エンバー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】リース ダレン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ティンペリ ミッコ ジュハニ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイカム クリストファー トマス
(72)【発明者】
【氏名】ムリンティ ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】エメルト ジェイコブ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ガーニー ポール トマス
【テーマコード(参考)】
3F522
3L045
【Fターム(参考)】
3F522BB15
3F522BB29
3F522DD26
3F522DD29
3F522DD34
3F522GG34
3F522GG37
3F522LL61
3F522LL62
3L045AA02
3L045AA04
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA04
3L045EA02
3L045FA02
3L045KA16
3L045LA18
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
(57)【要約】
携帯型クーラーコンテナシステム(1000’’)は、腐敗性品を受容するチャンバを有するコンテナ本体(100’’)と、チャンバの周りに配設され、相変化材料(135’’)又は蓄熱体を収容するスリーブ(130’’)と、スリーブを通って延在し、外面が相変化材料又は蓄熱体と熱連通する導管(140’’)と、チャンバにアクセスするようにコンテナ本体にヒンジ結合可能又は着脱可能に結合可能である蓋(400’’)と、温度制御システムと、を備え、温度制御システムは、導管の少なくとも一部分と熱連通する低温側ヒートシンク(210’’)と、高温側ヒートシンク(230’’)と、低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、当該ヒートシンクと熱連通する熱電モジュール(220’’)と、相変化材料又は蓄熱体がチャンバの少なくとも一部分を冷却するように、低温側ヒートシンクに対して流体を流して流体を冷却し、冷却流体をスリーブにおける導管に流して相変化材料又は蓄熱体を冷却するように動作可能なポンプ(146’’)と、熱電モジュール及びポンプの一方又は両方の動作を制御する回路と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型クーラーコンテナシステムであって、
一つ又は複数の腐敗性品を受容するように構成されたチャンバを有するコンテナ本体と、
前記チャンバの周りに配設され、相変化材料又は蓄熱体を収容するスリーブと、
前記スリーブを通って延在する導管であって、該導管の外面は前記相変化材料又は前記蓄熱体と熱連通する導管と、
前記チャンバにアクセスするように、前記コンテナ本体にヒンジ結合されるか又は着脱可能に結合される蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
前記温度制御システムは、
前記導管の少なくとも一部分と熱連通する低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと前記高温側ヒートシンクとの間に配置されて、前記低温側ヒートシンク及び前記高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記相変化材料又は前記蓄熱体が前記チャンバの少なくとも一部分を冷却するように、前記低温側ヒートシンクに対して流体を流して当該流体を冷却し、冷却された前記流体を前記スリーブにおける前記導管に流して前記相変化材料又は前記蓄熱体を冷却するように動作可能であるポンプと、
前記熱電モジュール及び前記ポンプの一方又は両方の動作を制御するように構成された回路と、
を備える、ことを特徴とする携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項2】
前記導管は、前記スリーブを通りコイル状経路に沿って延在する、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項3】
前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配設された表示画面を更に備え、
前記表示画面は、前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項4】
前記表示画面は、電気泳動インクディスプレイである、ことを特徴とする請求項3に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項5】
前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするように、ユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、ことを特徴とする請求項3に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項6】
前記チャンバ又は前記温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、検知した前記情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項7】
前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバにおける温度を検知し、検知した前記温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、
前記回路は、検知された前記温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項8】
前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点と接触するように積載可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項9】
前記温度制御システムの少なくとも一部分は、前記コンテナ本体の外側に配設され、前記コンテナ本体に結合されたときに前記相変化材料又は前記蓄熱体を冷却するように前記コンテナ本体に選択的に結合可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項10】
前記導管の前記外面から延在し、前記相変化材料又は前記蓄熱体と熱連通する一つ又は複数のフィンを更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項11】
前記コンテナ本体は真空断熱コンテナ本体である、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項12】
携帯型クーラーコンテナシステムであって、
一つ又は複数の温度感応性製品を受容するように構成されたチャンバを有するコンテナ本体と、
前記チャンバの周りに配設され、相変化材料又は蓄熱体を収容するスリーブと、
前記スリーブを通って延在する導管であって、該導管の外面は前記相変化材料又は前記蓄熱体と熱連通する導管と、
前記チャンバにアクセスするように、前記コンテナ本体にヒンジ結合されるか又は着脱可能に結合される蓋と、
温度制御システムと、
前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成された表示画面と、
を備え、
前記温度制御システムは、
前記導管の少なくとも一部分と熱連通する低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと前記高温側ヒートシンクとの間に配置されて、前記低温側ヒートシンク及び前記高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記相変化材料又は前記蓄熱体が前記チャンバの少なくとも一部分を冷却するように、前記低温側ヒートシンクに対して流体を流して当該流体を冷却し、冷却された前記流体を前記スリーブにおける前記導管に流して前記相変化材料又は前記蓄熱体を冷却するように動作可能であるポンプと、
前記熱電モジュール及び前記ポンプの一方又は両方の動作を制御するように構成された回路と、
を備える、ことを特徴とする携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項13】
前記導管は、前記スリーブを通りコイル状経路に沿って延在する、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項14】
前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするようにユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項15】
前記チャンバ又は前記温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、検知した前記情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項16】
前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバにおける温度を検知し、検知した前記温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、
前記回路は、検知された前記温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、ことを特徴とする請求項15に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項17】
前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点と接触するように積載可能である、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項18】
前記温度制御システムの少なくとも一部分は、前記コンテナ本体の外側に配設され、前記コンテナ本体に結合されたときに前記相変化材料又は前記蓄熱体を冷却するように前記コンテナ本体に選択的に結合可能である、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項19】
携帯型クーラーコンテナシステムであって、
一つ又は複数の腐敗性品を受容し、保持するように構成されたチャンバを有する二重壁型の真空断熱コンテナ本体と、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体にヒンジ結合されるか又は着脱可能に結合される蓋と、
前記コンテナ本体の電子システムと、
前記蓋及び前記コンテナ本体の一方に設けられ、前記携帯型クーラーコンテナのための電子出荷ラベルを選択的に表示するように構成された電子表示画面と、
を備え、
電子システムは、
一つ又は複数のバッテリと、
セル無線を介して、クラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスと無線通信を行うように構成された回路と、
を備える、ことを特徴とする携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項20】
前記一つ又は複数の腐敗性品を冷却するための一つ又は複数の除去可能な相変化材料又は蓄熱体を更に含む、ことを特徴とする請求項19に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項21】
a)前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にすること、
b)出荷業者に自動的に連絡して、新しい電子出荷ラベルが発行されたこと及び前記コンテナの集荷準備ができていることを前記出荷業者に警告すること、
の一方又は両方を行うように、ユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、ことを特徴とする請求項19に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項22】
前記チャンバの一つ又は複数のパラメータを検知し、検知した前記パラメータを前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、ことを特徴とする請求項19に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項23】
前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知するように構成された温度センサである、ことを特徴とする請求項22に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項24】
前記電子表示画面は電気泳動インク表示画面である、ことを特徴とする請求項19に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【請求項25】
前記蓋は真空断熱蓋である、ことを特徴とする請求項19に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(任意の優先出願への参照による援用)
本出願と共に出願された出願データシートにおいて外国又は国内の優先権主張が特定される任意かつ全ての出願は、37CFR1.57の下で参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とみなされるべきである。
【0002】
本発明は、携帯型クーラー、より具体的には、積載可能な携帯型クーラーに関する。
【背景技術】
【0003】
携帯型クーラーは、製品(液体、飲料、薬剤、臓器、食品など)を冷却状態で保管するために使用されている。その一部は、製品を冷却状態に保つために氷で充満されることが多い発泡スチロールコンテナである。しかし、氷は最終的に融解して製品を浸漬し、液体を除去する必要がある。かかるクーラーは輸送中にも液漏れする可能性があるため望ましくない。更に、かかるクーラーは、製品を冷却状態に維持することができないこと、氷の融解、及び/又はクーラーからの液体の漏れの可能性があることから、長距離にわたって物品を輸送するのに望ましくない。したがって、かかるクーラーは、温度感応性製品(食品、薬剤、臓器移植片、腐敗性材料など)と共に使用するには望ましくない。このため、クーラー内の製品が使用できなくなる可能性がある。例えば、薬剤(ワクチンなど)の効力は、一度失われると、元に戻すことができないため、その薬剤は効力を失い、かつ/又は使用できなくなる。既存のコンテナの別の欠点は、使い捨て型のコンテナであり、1回の使用で廃棄されることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、クーラーの内容物を所望の温度又は温度範囲に維持することができる改良された携帯型クーラーの設計(例えば、ワクチン、インスリン、エピネフリン、バイアル、カートリッジ、注射器ペン、臓器移植片、食品、他の腐敗性固体材料又は液体材料などの薬剤の輸送用)が必要とされている。更に、改良された携帯型クーラーの設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、改良された携帯型クーラーが提供される。クーラーは、所望により、蓋(例えば、真空断熱蓋)で封止され得る真空断熱二重壁チャンバを有し得る。これにより、チャンバ内の温度を長期間(例えば、2日間、1日間、12時間、8時間、6時間など)にわたって維持する(例えば、実質的に一定に維持する)ことができる。所望により、チャンバは、腐敗性内容物(例えば、薬剤、食品、他の腐敗性のものなど)をその中に保持することができ、相変化材料(例えば、一つ又は複数のアイスパック、相変化材料スリーブ)を腐敗性内容物と熱連通させる(例えば、熱接触させる)ことができる。所望により、クーラーは、断熱された(例えば、軽量発泡体などの発泡体で作製された)外側ハウジングを有する。
【0006】
所望により、コンテナは、冷却ファン及び一つ又は複数の空気取入開口部を有し得る。冷却ファンは、チャンバ及び/又はチャンバ内の相変化材料を冷却するように動作可能である。
【0007】
所望により、コンテナは、一つ又は複数のセンサを有し、当該一つ又は複数のセンサは、チャンバの温度及び/又はチャンバ内の内容物を検知し、その情報を回路に伝達する。所望により、検知された温度情報は、電子デバイス(例えば、スマートフォン、クラウドサーバ、リモートラップトップ又はデスクトップコンピュータ、USBドライブ)と(例えば、USBポートなどのコンテナ上のポートを介して無線で)伝達される。
【0008】
所望により、コンテナは、電子画面(例えば、デジタル画面)を有し、当該電子画面は、a)チャンバ内の温度センサによって検知された温度、b)コンテナの相手先の名前及び/又は出荷/配送住所、並びに/あるいはc)送り主の名前及び/又は荷主/送り主住所のうちの一つ又は複数を示し得る。
【0009】
所望により、コンテナは、ユーザインターフェース(例えば、ボタン)を有し、当該ユーザインターフェースは、ユーザによって、a)相手先の名前及び/又はコンテナの出荷/配送住所を変更すること、及び/又はb)コンテナの集荷を要求するためにパッケージ配達サービス(例えば、FedEx、DHL)に自動的に連絡することのうちの一つ又は複数について作動され得る。
【0010】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御システムを備えた携帯型クーラーコンテナが提供される。アクティブ温度制御システムは、ベッセルのチャンバを加熱又は冷却して、クーラーコンテナの内容物に適した温度設定点に近づくように動作する。
【0011】
本開示の別の態様によれば、積載可能な携帯型クーラーが提供され、これにより、積載されたクーラー間の電力伝達が可能となり、積載されたクーラー内の冷却システムが充電及び/又は電力供給される。
【0012】
本開示の別の態様によれば、積載可能な携帯型クーラーが提供され、これにより、上部クーラーが積載構造内の下部クーラーの冷却機能を妨げることなく、積載されたクーラーの各々から熱を除去することが可能となる。
【0013】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えた積載可能な携帯型クーラーコンテナが提供される。コンテナは、コンテナ本体を含み、当該コンテナ本体は、コンテナ本体のベース及び内周壁によって画定されるチャンバを有する。コンテナはまた、温度制御システムを含み、当該温度制御システムは、チャンバの少なくとも一部分をアクティブに加熱又は冷却するように構成された一つ又は複数の熱電要素と、チャンバの少なくとも一部分を所定の温度又は温度範囲まで加熱又は冷却するように一つ又は複数の熱電要素の動作を制御するように構成された回路と、を含む。
【0014】
所望により、コンテナは、回路及び一つ又は複数の熱電要素の一方又は両方に電力を供給するように構成された一つ又は複数のバッテリを含み得る。
【0015】
所望により、回路は、更に、クラウドベースのデータストレージシステム及び/又はリモート電子デバイスと無線通信を行うように構成される。
【0016】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えた携帯型クーラーコンテナが提供される。コンテナ本体の表面には、表示画面が配設されており、表示画面は、電子インクを使用して携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている。表示画面は、表示されている出荷住所を別の住所(例えば、携帯型クーラーを送り主に返送するための送り主の住所)に自動的に変更するように動作可能である。所望により、表示画面が作動して出荷住所(例えば、配送住所、携帯型クーラーが送り主に返却される際の送り主の住所)が表示されることにより、クーラー内の電子機器は、出荷ラベルが携帯型クーラーに割り当てられており、クーラーが集荷及び出荷の準備ができていることを出荷業者に通知する信号を出荷業者に無線で伝達する。
【0017】
本開示の別の態様によれば、携帯型クーラーコンテナシステムが提供される。クーラーコンテナシステムは、一つ又は複数の腐敗性品を受容するように構成されたチャンバを有するコンテナ本体を含む。スリーブがチャンバの周りに配設され、相変化材料又は蓄熱体を収容している。導管は、スリーブを通って延在しており、導管の外面は相変化材料又は蓄熱体と熱連通している。蓋は、チャンバにアクセスするために、コンテナ本体にヒンジ結合可能又は着脱可能に結合可能である。クーラーコンテナシステムは、温度制御システムも含んでいる。温度制御システムは、導管の少なくとも一部分と熱連通する低温側ヒートシンク、高温側ヒートシンク、及び低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に挿入されて、それらと熱連通する熱電モジュールを含む。ポンプは、低温側ヒートシンクに対して流体を流して流体を冷却し、冷却流体をスリーブ内の導管に流して相変化材料又は蓄熱体を冷却し、相変化材料又は蓄熱体がチャンバの少なくとも一部分を冷却するように動作可能である。回路は、熱電モジュールとポンプの一方又は両方の動作を制御するように構成されている。
【0018】
本開示の別の態様によれば、携帯型クーラーコンテナシステムが提供される。クーラーコンテナシステムは、一つ又は複数の温度感応性製品を受容するように構成されたチャンバを有するコンテナ本体を含む。スリーブがチャンバの周りに配設され、相変化材料又は蓄熱体を収容している。導管は、スリーブを通って延在しており、導管の外面は相変化材料又は蓄熱体と熱連通している。蓋は、チャンバにアクセスするために、コンテナ本体にヒンジ結合可能又は着脱可能に結合可能である。クーラーコンテナシステムは、温度制御システムも含んでいる。温度制御システムは、導管の少なくとも一部分と熱連通する低温側ヒートシンク、高温側ヒートシンク、及び低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に挿入されてそれらと熱連通する熱電モジュールを含む。ポンプは、低温側ヒートシンクに対して流体を流して流体を冷却し、冷却流体をスリーブ内の導管に流して相変化材料又は蓄熱体を冷却し、相変化材料又は蓄熱体がチャンバの少なくとも一部分を冷却するように動作可能である。回路は、一つ又は複数の熱電モジュール、ファン、及びポンプの動作を制御するように構成されている。電気泳動インク表示画面は、携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている。
【0019】
本開示の別の態様によれば、携帯型クーラーコンテナシステムが提供される。本システムは、一つ又は複数の腐敗性品を受容して保持するように構成されたチャンバを有する二重壁真空断熱コンテナ本体を含む。本システムはまた、チャンバにアクセスするためにコンテナ本体にヒンジ結合可能又は着脱可能に結合可能な蓋を含む。本システムはまた、電子システムを含み、当該電子システムは、セル無線を介してクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスと無線通信を行うように構成された一つ又は複数のバッテリ及び回路を含む。蓋及びコンテナ本体のうちの一方の表示画面は、携帯型クーラーコンテナの電子出荷ラベルを選択的に表示するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】クーラーコンテナの斜視正面及び上面図である。
図2図1の線2-2に沿ったクーラーコンテナの断面図である。
図3】フレームを除いた、図1のクーラーコンテナの部分組立図である。
図4】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図1のクーラーコンテナの部分組立図である。
図5図1の線2-2に沿った図4の部分アセンブリの断面図である。
図6図1の線6-6に沿った図4の部分アセンブリの断面図である。
図7】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図1のクーラーコンテナの部分アセンブリの斜視底面図である。
図8】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図1のクーラーコンテナの部分アセンブリの斜視図である。
図9】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図1のクーラーコンテナの部分アセンブリの斜視図である。
図10】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図9の部分アセンブリの断面図である。
図11】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図9の部分アセンブリの斜視底面図である。
図12】フレーム及び外側ベッセル壁を除いた、図9の部分アセンブリの部分斜視図である。
図13】フレーム及び外側ベッセル壁及び内側ライナー壁を除いた、図1のクーラーコンテナの構成要素の斜視上面図である。
図14】フレーム及び外側ベッセル壁及びライナー内壁を除いた、図13の構成要素の斜視透視図である。
図15】コンテナの表面上のディスプレイを示すクーラーコンテナの正面図である。
図16】パレット上に積載された複数のクーラーコンテナを示す概略図である。
図17】積載されたクーラーコンテナの概略図を示す。
図18】クーラーコンテナの概略斜視底面図を示す。
図19】充電ベースに積載されたクーラーコンテナの概略図を示す。
図20】クーラーコンテナの概略部分斜視上面図を示す。
図21】クーラーコンテナの概略斜視正面図を示す。
図22】クーラーコンテナとリモート電子デバイスとの間の伝達を示す概略ブロック図である。
図23】クーラーコンテナの表示画面の動作に関連するクーラーコンテナ内の電子機器を示す概略ブロック図である。
図24A図1のクーラーコンテナを操作するための方法のブロック図を示している。
図24B図1のクーラーコンテナを操作するための方法のブロック図を示している。
図25】クーラーコンテナの正面部分分解図である。
図26】クーラーコンテナシステムの概略図である。
図27A】クーラーコンテナシステムの概略図である。
図27B図27Aのクーラーコンテナシステムの部分断面図である。
図27C】例示的なクーラーコンテナシステムの部分断面図である。
図28】クーラーコンテナシステムの一部分の概略図である。
図29】クーラーコンテナシステムの導管の一部分の例の概略図である。
図30】クーラーコンテナシステムの導管の一部分の例の概略図である。
図31】クーラーコンテナシステムの導管の一部分の例の概略図である。
図32】クーラーコンテナシステムの一部分の例の概略図である。
図33】クーラーコンテナの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1~23は、クーラーコンテナアセンブリ1000(「アセンブリ」)又はその構成要素を示している。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’、1000’’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。アセンブリ1000は、コンテナベッセル100、コンテナベッセル100に結合されたフレーム300、及びコンテナベッセル100の上端Tに着脱可能に結合可能な蓋400を含み得る。所望により、蓋400は、二重壁の真空蓋にすることができる。
【0022】
一実装形態では、フレーム300は、2つ以上(例えば、4つ)のピラー301を備えた長方形状(例えば、正方形状)を有し得る。しかしながら、他の実装形態では、フレーム300は、他の適切な形状(例えば、円筒形状)を有し得る。フレーム300は、所望により、フレーム300とコンテナベッセル100との間に一つ又は複数の開口部又は開放空間302を画定し、(例えば、図16に示すように、複数のクーラーコンテナアセンブリ1000が互いの上及び横に積載される場合であっても)空気が該開口部又は空間302を通過又は流れることを可能にする。
【0023】
フレーム300の下面307は、一つ又は複数の空気取入開口部203(例えば、吸気グリル)を有し得る。図1に示すように、空気取入開口部203は、コンテナベッセル100の周囲の少なくとも一部分(例えば、全体)の周りに配置することができる。
【0024】
フレーム300の上面304は、一つ又は複数の遠位通気開口部205Aを有し得る。図1は、2つの遠位通気開口部205Aを示しているが、他の実装形態では、より多く又はより少ない開口部205Aを設けることができる。排気用の通気開口部(複数可)205Aは、所望により、湾曲形状(例えば、半円形状)を有し得る。フレーム300の上面304は、一つ又は複数の電気接点32(例えば、接点パッド、湾曲接点)を有し得る。所望により、電気接点32は、上面304に対して窪ませることができる。図1に示される実装形態では、フレーム300は、フレーム300の対向する角部の近傍に配設された2つの遠位通気開口部205Aと、フレーム300の対向する角部の近傍に配設された2つの電気接点32と、を有し、各電気接点32は、上面304を画定する平面に沿って2つの遠位通気開口部205Aの間に挿入されている。
【0025】
フレーム300は、底面(例えば、下面)306を有し、これはまた、遠位通気開口部(複数可)205Aと流体連通する一つ又は複数の近位通気開口部205B(図6を参照)を有する。底面306はまた、一つ又は複数の電気接点34を有する(図5を参照)。所望により、電気接点34(例えば、ピン接点、ポゴピン、接点パッド)は、底面306から突出し得る。有利には、クーラーコンテナアセンブリ1000が(一列に)積載されると、1つのフレーム300の底面306上の電気接点34は、隣接するフレーム300の上面304上の電気接点32と接触し、それによって、隣接するクーラーコンテナアセンブリ1000間の電気接続を提供する。同様に、積載されると、1つのフレームの底面306上の近位通気開口部205Bは、隣接するフレーム300の遠位通気開口部205Aと実質的に整列し、それによって、隣接するクーラーコンテナアセンブリ1000間に流体連通(例えば、流路、煙突経路)をもたらす(図17を参照)。
【0026】
図1を引き続き参照すると、クーラーコンテナアセンブリ1000はまた、表示画面188を含む。図1は、コンテナベッセル100上の表示画面188を示しているが、代替的に(又は追加的に)フレーム300及び/又は蓋400に組み込むことができる。表示画面188は、所望により、電子インク又はEインクディスプレイ(例えば、電気泳動インクディスプレイ)であり得る。別の実装形態では、表示画面188は、デジタルディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ又はLCD、発光ダイオード又はLEDなど)であり得る。所望により、表示画面188は、図15に示すように、ラベル189(例えば、送り主の住所、受領者(受取人)の住所、マキシコード機械可読シンボル、QRコード(登録商標)、ルーティングコード、バーコード、及び追跡番号のうちの一つ又は複数を有する出荷ラベル)を表示することができるが、所望により、追加的に又は代替的に、他の情報(例えば、温度履歴情報、コンテナベッセル100の内容物に関する情報)を表示することができる。別の実装形態では、表示画面188は、本明細書で更に説明するように、(例えば、コンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’のRFIDリーダによって読み取られたペイロード構成要素のうちの一つ又は複数についての)広告を表示することができる。
【0027】
クーラーコンテナアセンブリ1000はまた、所望により、ユーザインターフェース184を含み得る。図1では、ユーザインターフェース184は、フレーム300の上面304上にある。別の実装形態では、ユーザインターフェース184は、コンテナベッセル100及び/又は蓋400上に配設されている。ユーザインターフェース184は、所望によりボタン(例えば、「ホームに戻る」ボタン)である。一実装形態では、ユーザインターフェース184は、押下可能なボタンである。別の実装形態では、ユーザインターフェース184は、容量性センサ(例えば、タッチセンシティブセンサ、タッチセンシティブスイッチ)である。別の実装形態では、ユーザインターフェース184は、スライディングスイッチ(例えば、スライディングレバー)である。別の実装形態では、ユーザインターフェース184は、回転可能なダイヤルである。更に別の実装形態では、ユーザインターフェース184は、(例えば、表示画面188とは別個の、又はその一部として組み込まれた)タッチスクリーン部分であり得る。有利には、ユーザインターフェース184の作動により、Eインクディスプレイ188に示される出荷ラベルの形態など、ディスプレイ188に示される情報を変更することができる。例えば、ユーザインターフェース184の作動により、送り主及び受取人に関連付けられたテキストを切り替えることができ、一旦受領人がそれを用いて完了すると、クーラーコンテナアセンブリ1000が送り主に返送されることが可能となる。追加的又は代替的に、ユーザインターフェース184の作動は、以下で更に論じられるように、出荷ラベル(例えば、新しい出荷ラベル)が携帯型クーラーに割り当てられており、クーラーが集荷及び出荷の準備ができていることを出荷業者に知らせる信号を、アセンブリ1000内の回路によって出荷業者(例えば、UPS、FedEx、DHL)に送信させる。
【0028】
図2は、図1の線2-2に沿ったクーラーコンテナアセンブリ1000の断面図を示している。アセンブリ100は、所望により、底面306から突出する一つ又は複数の脚部303を有することができる。当該脚部は、それらを一緒に積載する際に、1つのアセンブリ1000を別のアセンブリ1000の上に位置決め及び/又はインターロックすることを容易にし得る。コンテナベッセル100は、内壁126A及びベース壁126Bによって画定され、冷却される一つ又は複数の材料又は製品(例えば、固体、液体、食品、飲料、薬剤、生物又は組織)を着脱可能に保持するようにサイズ設定されたチャンバ126を有し得る。チャンバ126は、一実装形態では円筒形状であり得る。
【0029】
アセンブリ1000はまた、冷却システム200を含む。冷却システム200は、所望により、コンテナベッセル100に少なくとも部分的に収容することができる。一実装形態では、冷却システム200は、チャンバ126の下に(例えば、ベース壁126Bとクーラーコンテナアセンブリ1000の下端Bとの間の一つ又は複数の空洞に)収容することができる。冷却システム200は、第1のヒートシンク210(例えば、低温側ヒートシンク)、一つ又は複数の熱電モジュール又はTEC(例えば、ペルチェ素子)220、及び第2のヒートシンク230(例えば、高温側ヒートシンク)を含み得る。一つ又は複数の熱電モジュール(例えば、ペルチェ素子)220は、第1のヒートシンク210と第2のヒートシンク230との間に(例えば、熱連通して、熱接触して、直接接触して)挿入することができる。
【0030】
冷却システム200は、所望により、第2のヒートシンク230と流体連通するファン280を含むことができる。ファン280は、第2のヒートシンク230を通して空気を流して、第2のヒートシンク230からの熱伝達をもたらす(例えば、高温側ヒートシンク230から熱を除去する)ように選択的に動作可能である。冷却システム200は、第1のヒートシンク210と流体連通する一つ又は複数のファン216を含むことができる。ファン(複数可)216は、第1のヒートシンク210を通して空気を流して、第1のヒートシンク210との熱伝達をもたらす(例えば、低温側ヒートシンク210がヒートシンク210を通って流れる空気から熱を除去することを可能にする)ように選択的に動作可能である。図2及び5に示される実装形態では、2つのファン216A、216Bは、第1のヒートシンク210と流体連通している。一例では、ファン216A、216Bは、同じ方向に空気を流すように動作可能である。しかしながら、より多く又はより少ないファン216を使用することができ、空気流を提供するために直列又は並列に動作することができる。一例では、ファン216A、216Bは、軸流ファンである。別の例では、ファン216A、216Bは、遠心ファン又はラジアルファンであり得る。他のタイプのファンを使用してもよい。以下で更に説明するように、冷却システム200は、第1のヒートシンク210によって冷却された冷却空気を、内壁126Aと第2の壁106(例えば、内側ライナー壁)との間に画定されたチャネル107内に流す(例えば、循環させる)ことができ、冷却空気は内壁126Aを冷却し、それによってチャンバ126及びチャンバ126内の内容物を冷却する。
【0031】
図6に示すように、冷却システム200は、空気通気アセンブリ202A、202Bを介して第2のヒートシンク230を通って流れる空気(例えば、高温側ヒートシンク230から熱を除去した加熱空気)を排出し、該空気は、一つ又は複数の開口部204A、204Bを介して排出アセンブリ202A、202B内のチャネル206A、206Bに入り、排出された空気は、チャネル206A、206Bに沿って上方に移動し、遠位通気開口部205Aを介してクーラーコンテナアセンブリ1000から流出する。更に、チャネル206A、206Bは、近位通気開口部205A、205Bまで延在し、それにより、下部アセンブリ1000からの空気もチャネル206A、206Bを通過し、遠位通気開口部205A、205Bを介して流出することができる。したがって、アセンブリ1000が互いに積載されると、チャネル206A、2016Bは、(高温の)空気が煙突状に積載されたアセンブリ1000から排出され得るように整列する(図17を参照)。図7に示されるように、吸気Iは、(例えば、開口部203を介して)アセンブリ1000内に流れ(例えば、ファン280の動作を介して)、第2のヒートシンク230と流体接触し、その後、排気Eは、チャネル206A、206B及び遠位通気開口部205Aを介して通気される。
【0032】
図2、6、9及び10を参照すると、コンテナベッセル100は、第3の壁132と第2の壁106(例えば、内側ライナー壁)との間に画定される一つ又は複数のスリーブ130を含み得る。一つ又は複数のスリーブ130は、所望により、第2の壁106の円周の少なくとも一部分の周りに配設された個別の容積であり得る。一つ又は複数のスリーブ130は、その中に相変化材料(PCM)135又は蓄熱体を収容することができる。一実装形態では、相変化材料135は、固体-液体PCMであり得る。別の実装形態では、相変化材料135は、固体-固体PCMであり得る。PCM135は、有利には、エネルギーを受動的に吸収及び放出することができる。可能なPCM材料の例は、水(凍結温度未満に冷却されると氷に転移し得る)、有機PCM(例えば、バイオ系若しくはパラフィン、又は炭水化物及び脂質由来)、無機PCM(例えば、塩水和物)、及び無機共晶材料である。ただし、PCM135は、エネルギーを蓄積及び放出できる任意の蓄熱体であり得る。
【0033】
動作中、冷却システム200は、第1のヒートシンク210を冷却してチャンバ126を冷却するように動作させることができる。冷却システム200はまた、所望により、(例えば、冷却された空気/冷却剤がチャネル107を通って流れるときに第2の壁106を介して)PCM135を冷却して、PCM135を予冷する(例えば、PCM135を、エネルギーを吸収することができる状態にする)ことができる。一例では、一つ又は複数のフィンは、例えば、PCM135への熱伝達を向上させるために、第2の壁106から(例えば、スリーブ(複数可)130の容積内に)延在することができる。有利には、PCM135は、チャンバ126及びチャンバ126内に配設された内容物のための受動的(例えば、バックアップ)冷却源として動作する。例えば、一つ又は複数の吸気口203が部分的に(若しくは完全に)遮断された場合(例えば、通気開口部203内のダスト又はデブリの蓄積により)、又は冷却システム200が低電力により、若しくは電力損失により効果的に動作していない場合、PCM135は、アクティブ冷却システムが再び動作してチャンバ126及びその中の内容物を冷却することができるようになるまで、チャンバ126及びチャンバ126内の内容物を冷却状態に維持することができる。
【0034】
図1~19を引き続き参照すると、コンテナベッセル100は、第2の壁106(例えば、内側ライナー壁)との間に環状チャネル105を画定する第4の壁104(例えば、外側ライナー壁)を含み得る。一実装形態では、環状チャネル105は、負圧(例えば、真空)下にあり得、それにより、環状チャネル105を通って流れる冷却空気による熱伝達を有利に抑制して、冷却力の損失を抑制(例えば、防止)し、かつ/又は冷却ループの効率を改善する。外側ベッセル壁102は、第4の壁104の周りに配設されている。入口ライン(例えば、冷気入口ライン、管、パイプ、又は導管)140は、冷気流体チャンバ215の一端215Aと流体連通する近位端142を有することができ、内壁126Aと第2の壁(例えば、内側ライナー壁)106との間のチャネル107と連通する遠位端144まで延在することができる。出口ライン(例えば、冷気排出ライン、管、パイプ、又は導管)150は、内壁126Aと第2の壁106との間のチャネル107と連通する近位端152を有し、冷気流体チャンバ215の反対端215Bと流体連通する遠位端154まで延在することができる。有利には、冷気流体チャンバ215、入口ライン140、出口ライン150及びチャネル107は、冷却流体(例えば、冷却された空気、冷却された液体冷却剤)が通過して内壁126Aを冷却し、それによってチャンバ126を冷却する閉鎖システムを画定する。空気通気アセンブリ202A、202Bは、第4の壁104(例えば、外側ライナー壁)の周りに配置され、間隙又はチャネル103が、空気通気アセンブリ202A、202B間に画定される(図3~4を参照)。
【0035】
動作中、ファン216A、216Bは、空気を第1のヒートシンク210(例えば、該空気を冷却するための低温側ヒートシンク)を通過させるように動作し、次いで、空気は、近位端142を介して入口ライン140内に(例えば、図2、12の方向Fに)導かれる。空気は、入口ライン140を上って流れ、遠位端144を介して、仕切り壁109の片側のチャネル107に出る(内壁126Aと第2の壁(例えば、内側ライナー壁)106との間に延在する図8を参照)。次に、空気は、内壁126Aの円周の周りのチャネル107内を、仕切り壁109に到達するまで移動し、そこで、空気は、出口ライン150の近位端152を介してチャネルを出る。空気は、遠位端154において出口ライン150を出て、冷気流体チャンバ215の反対端215B内に入り、そこで空気は、再びファン216A、216Bによって第1のヒートシンク210(例えば、空気を冷却するための低温側ヒートシンク210)上で駆動され、再び入口ライン140を介してチャネル107内に循環される。図示されていないが、アクティブ冷却モード中に冷却流体(例えば、空気、別の気体、液体)の流れを調節するために、並びにクーラー1000がパッシブ冷却モードで動作しているとき(例えば、ファン216A、216Bが動作していないとき、PCM135が冷却機能を提供しているときなど)に対流熱侵入を制御するために、バルブを使用することができる。仕切り壁109は、有利には、冷却された空気をチャンバ126の実質的に表面全体(例えば、実質的に周囲全体)に沿って(例えば、図14の経路Cに沿って)循環させ、それによってチャンバ126に冷却(例えば、内壁126Aの実質的に全ての部分への冷却、それにより、チャンバ126の実質的に全ての冷却)を提供し、チャンバ126の非効率的で不均一な及び/又はむらのある冷却を抑制する。一例では、一つ又は複数のフィンは、例えば、内壁126A及び/又はチャンバ126への熱伝達を向上させるために、第2の壁106からチャネル107内に(例えば、チャネル107内の空気流の方向に沿って)延在することができる。
【0036】
冷気流体チャンバ215は、熱気流体チャンバ218から分離されている(図5~6を参照)。一実装形態では、熱絶縁材料を、冷気流体チャンバ215と熱気流体チャンバ218との間に挿入することができる。アセンブリ1000は、ファン280、216A、216B、熱電モジュール(複数可)(TEC)220、及びディスプレイ188の動作を制御するように動作可能な電子機器(例えば、少なくとも部分的に、ベース壁126Bの下、ベース壁126Bとアセンブリ1000の底部Bとの間の空洞内にある)を含み得る。電子機器は、冷却システム200の動作を制御する回路(例えば、制御回路、プリント回路基板上の一つ又は複数のプロセッサ、CPU又は中央処理装置、センサ)と、所望により、回路、ファン280、216A、216B、調節バルブ、及び熱電モジュール(複数可)(TEC)220のうちの一つ又は複数に電力を提供するための一つ又は複数のバッテリと、を含み得る。一実装形態では、アセンブリ1000は、所望により、冷却システムをオン又はオフにするためにユーザによって作動可能な電源ボタン又はスイッチを有し得る。
【0037】
所望により、アセンブリ1000の底部Bは、電子機器にアクセスするために(例えば、一つ又は複数のバッテリを交換するために、PCBAなどの電子機器の保守を行うためになど)着脱可能なエンドキャップの少なくとも一部分を画定する。電源ボタン又はスイッチは、ユーザによってアクセス可能である(例えば、冷却システム200をオンにするために押下することができ、冷却システム200をオフにするために押下することができ、所望により、冷却システム200をモバイル電子デバイスとペアリングするために押下することができるなど)。所望により、電源スイッチは、概して、(例えば、それが、コンテナベッセル100の対称軸に沿って整列/伸長するように)エンドキャップの中心に位置し得る。
【0038】
図18は、クーラーコンテナアセンブリ1000の例示的な底面図を示しており、空気通気アセンブリ202A、202Bのチャネル206A、206Bと連通する近位通気開口部205Bを示している。図18はまた、クーラーコンテナアセンブリ1000の底面306上の電気接点34を示している。一例では、近位通気開口部205Bは、アセンブリ1000の底面306から突出し、アセンブリ1000の上面302上の対応する近位開口部205A内に延在することを可能にする。一例では、電気接点34は、アセンブリ1000の底面306から突出し、アセンブリ1000の上面302上の電気接点32の対応する開口部に延在することを可能にする。
【0039】
図19は、互いに積載された複数のクーラーコンテナアセンブリ1000を示している。一例では、アセンブリ1000の底部は、電力ベース又は充電ベース500上に配置することができる。アセンブリ1000の電気接点32、34は、電力が1つのアセンブリ1000からその上のアセンブリ1000に伝達されることを可能にし、積載構造内のアセンブリ1000の各々が単一の充電ベース500から電力を受け取ることを可能にし、有利には、アセンブリ1000が同時に給電される(例えば、それらのバッテリが充電される)ことを可能にする。
【0040】
充電ベース500は、(例えば、壁電源、又はトレーラ、トラック、ボート、飛行機若しくは他の輸送ユニット内の電源などの携帯型電源に接続され得る)電気コード512に所望により結合されたプラットフォーム又はベース510を有し得る。ベース510は、一つ又は複数の充電ユニット520(例えば、2つの充電ユニット520A、520B)を有し得る。充電ユニット520は、所望により、近位通気開口部205Bとインターフェースを有するようにサイズ設定及び/又は成形された一つ又は複数のコネクタ505を有し得る。充電ユニット520は、所望により、クーラーコンテナアセンブリ1000の底部にある電気接点34とインターフェースを有するようにサイズ設定及び/又は成形された一つ又は複数の電気接点534を有し得る。一例では、コネクタ505及び電気接点534は、湾曲形状を有し得る。一例では、コネクタ505及び電気接点534は共に、概して円形形状を画定する(例えば、概して、アセンブリ1000の底面306上の電気接点34及び近位通気開口部205Bによって画定される円形形状に概して対応する)。
【0041】
所望により、積載構造内のアセンブリ1000の各々のディスプレイ188は、対応するアセンブリ1000内の一つ又は複数のバッテリの充電状態(例えば、充電%、充電レベル、冷却システム200が動作できる残り時間など)を表示することができる。所望により、アセンブリ1000の各々のディスプレイ188は、対応するバッテリが完全に充電されたことを(例えば、視覚的及び/又は音声信号を介して)示すことができる。
【0042】
図20は、クーラーコンテナアセンブリ1000の上面302を示しており、これは、所望により、アセンブリ1000がオンであること、蓋400が(例えば、近接センサ、静電容量センサなどの一つ又は複数のセンサからアセンブリ1000の制御回路に送信される信号を介して)正確に閉じられていること、及び冷却システム200が(例えば、チャンバ126を冷却するために)動作中であることのうちの一つ又は複数を示すためのインジケータライト195を含み得る。
【0043】
図21は、アセンブリ1000の前面(例えば、ディスプレイ188の下に位置する)上のボタン187を示している。ボタン187は、(例えば、ユーザによって)作動されて、アセンブリ1000のバッテリレベル(例えば、%充電、充電レベル、冷却システム200が動作できる残り時間など)を表示することができる。ボタン187は、アセンブリ1000の他の場所に位置し得る。ボタン187は、押下可能なボタン又はタッチスイッチ(例えば、静電容量)センサであり得る。
【0044】
図22は、本明細書に記載のデバイス(例えば、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’)のための(例えば、その中に組み込まれる)制御システムのブロック図を示す。図示される実施形態では、回路EM(例えば、制御回路、マイクロコントローラユニットMCU、コンピュータプロセッサ(複数可)など)は、一つ又は複数のセンサS1~Sn(例えば、レベルセンサ、容積センサ、温度センサ、圧力センサ、ジャイロスコープなどの配向センサ、加速度計、バッテリ充電センサ、バイオメトリックセンサ、負荷センサ、全地球測位システム又はGPSセンサ、無線周波数識別又はRFIDリーダなど)から検知情報を受信することができる。
【0045】
一実装形態では、少なくとも1つの温度センサSn(例えば、Sn1、Sn2、及び/又はSn3)が、ベッセル100、100’、100’’’又は蓋400、400’、400’’’内にあり、チャンバ126、126’’’に露出されて、チャンバ126、126’’’内の温度を検知する。別の実装形態では、追加的又は代替的に、少なくとも1つの温度センサSn、Ta(図27A参照)が、ベッセル100、100’、100’’’又は蓋400、400’、400’’’上にあり、周囲温度を測定するためにコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の外側に露出される。一実装形態では、ベッセル100、100’、100’’’又は蓋400、400’、400’’’内のRFIDリーダは、チャンバ126、126’’’内に配置された構成要素(例えば、薬剤、バイアル、液体コンテナ、食品パッケージ)のRFIDタグを読み取ることができる。RFIDリーダは、所望により、ペイロード内容物がチャンバ126、126’’’内に挿入されたときに記録することができ、追加的又は代替的に、RFIDリーダは、所望により、一つ又は複数のペイロード内容物の各々がチャンバ126、126’’’から取り出されたときに記録して、ベッセル100、100’、100’’’に対するそれらの位置を追跡し、この情報を回路EM(例えば、回路EMのメモリ)に伝達することができる。
【0046】
一実装形態では、一つ又は複数のセンサS1~Snは、圧力センサを含み得る。圧力センサは、所望により、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の高度を示し得る周囲圧力を検知することができる。所望により、圧力センサは、検知された圧力情報を回路EMに伝達し、回路EMは、所望により、圧力センサからのデータをログ記録又は記録することができ、かつ/又は(例えば、チャンバ126、126’、126’’を所望の温度又は温度範囲に維持するために)圧力センサからの検知された圧力情報に少なくとも部分的に基づいて、TEC220、220’’及びファン(複数可)280、280’’などの冷却システム200、200’’の一つ又は複数の構成要素を動作させることができる。かかる圧力センサ(複数可)は、有利には、冷却システム200、200’’が、チャンバ126、126’、126’’が所望の温度又は温度範囲にある一方で、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’が飛行機又はトラック上などの輸送中(例えば、高地の場所)にあるように動作することを可能にし得る。
【0047】
一実装形態では、一つ又は複数のセンサS1~Snは、加速度計を含み得る。加速度計は、所望により、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の運動(例えば、突然の移動)を検知することができる。所望により、加速度計は回路EMと通信し、回路EMは、加速度計からのデータを所望によりログ記録又は記録することができ、かつ/又は加速度計から検知された情報に少なくとも部分的に基づいて、TEC220、220’’及びファン(複数可)280、280’’などの冷却システム200、200’’の一つ又は複数の構成要素を動作させることができる。かかる加速度計(複数可)は、例えば、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’が(例えば、危険な高さから)落下したとき、又は、例えば、飛行機又はトラック上などの輸送中に衝撃を受けたときを有利に検知することができる。一実装形態では、加速度計は、回路EMに、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の検知された配向情報を提供することもできる。別の実装形態では、別個の配向センサ(例えば、ジャイロスコープ)が、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の配向を検知し、検知された配向情報を回路EMに伝達することができ、回路EMは、所望により、配向センサからのデータをログ記録又は記録することができ、かつ/又は検知された配向情報に少なくとも部分的に基づいて、TEC220、220’’及びファン(複数可)280、280’’などの冷却システム200、200’’の一つ又は複数の構成要素を動作させることができる。
【0048】
回路EMは、コンテナベッセル100内に収容することができる。回路EMは、TEC220などの一つ又は複数の加熱又は冷却要素HCから情報を受信し、かつ/又はそれらに情報(例えば、命令)を送信することができ(例えば、加熱又は冷却要素の各々を加熱モード及び/又は冷却モードで動作させる、オフにする、オンにする、電力出力を変化させるなど)、所望により、一つ又は複数の蓄電デバイスPS(例えば、バッテリを充電する、又はバッテリによって一つ又は複数の加熱又は冷却要素に供給される電力を管理するなどのためのバッテリ)に情報を送信することができる。
【0049】
所望により、回路EMは、a)ユニット上(例えば、コンテナベッセル100又はフレーム300の本体上)のユーザインターフェースUI1、b)電子デバイスED(例えば、携帯電話、PDA、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電子時計、デスクトップコンピュータ、リモートサーバ、クラウドサーバなどのモバイル電子デバイス)、c)クラウドCLを介して、又はd)WiFi(登録商標)、ブロードバンドネットワーク及び/又はBluetooth BTなどの無線通信システムのうちの一つ又は複数を介して通信する(例えば、検知された温度及び/又は位置データなどの情報を送信し、ユーザ命令などの情報を受信する)ための無線送信機、受信機及び/又は送受信機を含むことができる。例えば、回路EMは、それを介して情報(例えば、GPS位置、チャンバ内の検知された温度、周囲温度など)を無線で(例えば、クラウドCL、スマートフォンなどの遠隔電子デバイスなどに)通信することができる、セル無線アンテナ又はセル無線を有し得る。次いで、ユーザは、(例えば、スマートフォン上のウェブサイト又はアプリを介して)コンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の場所を追跡することができる。コンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’が積載されると、それらは、MESHネットワーク(例えば、BLE5.0を介したメッシュネット)を設定することができ、これにより、積載構造の最上部にあるコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、積載されたコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の各々についてのGPS位置及び/又は検知された温度データを(セル無線又はセル無線アンテナを介して)通信することができる。例えば、MESHネットワークは、所望により、GPS位置及び/又は検知された温度データを通信するために最も利用可能な電力を有するコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’を識別することができる。電子デバイスEDは、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の動作に関連付けられた情報を表示することができ、ユーザから情報(例えば、命令)を受信し、(例えば、冷却システム200の動作を調整するために)該情報をクーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’に伝達することができるユーザインターフェースUI2を有し得る。
【0050】
動作中、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’は、コンテナベッセル100のチャンバ126を事前選択された温度又はユーザが選択した温度に維持するように動作することができる。冷却システムは、一つ又は複数のTEC220、220’’を動作させて、チャンバ126、126’’を冷却する(例えば、チャンバの温度が予め選択された温度よりも高い場合、周囲温度が予め選択されたよりも高い場合など、例えば、夏場又は気候が高温の場所に薬剤を輸送する場合など)か、あるいは、チャンバ126、126’’を加熱する(例えば、チャンバ126の温度が予め選択された温度未満である場合、例えば、周囲温度が予め選択された温度又は温度範囲未満である場合、例えば、冬季に又は非常に寒い気候の場所に薬剤を輸送する場合)ことができる。
【0051】
一実装形態では、回路EMは、TEC220、220’’の極性を反転させ、TEC220、220’’を動作させて(例えば、相変化材料又は蓄熱体と熱連通している導管を介して循環する流体を加熱してそれを加熱し、それによってチャンバ126、126’’を加熱することによって)チャンバ126、126’’を加熱することができる。有利には、(例えば、TEC220、220’’によって加熱される流体との熱連通を介した相変化材料又は蓄熱体の加熱によって)チャンバ126、126’’を加熱するためのTEC220、220’’の極性のかかる反転は、ペイロード構成要素(例えば、薬剤、ワクチン、腐敗性液体又は固体)のうちの一つ又は複数が凍結することを抑制する(例えば、防止する)。例えば、周囲温度が所定の温度(例えば、2℃)に近づくと、例えば、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’の温度センサ(例えば、図27AのTa)によって測定されるように、回路EMは、TEC220、220’’の極性を反転させ、前述のようにTEC220、220’’を動作させてチャンバ126、126’’を加熱することができる。周囲温度が所定の温度(例えば、3℃)を上回って上昇すると、回路EMは、TEC220、220’’の動作を停止して、チャンバ126、126’’を加熱し、かつ/又はTEC220、220’’の極性をそれらの元の状態(例えば、TEC220、220’’が動作してチャンバ126、126’’を冷却することができる状態)に反転させることができる。
【0052】
図27Bに示される一実装形態では、クーラーコンテナ1000’’は、一つ又は複数の着脱可能なバッテリPS’’を有することができ、バッテリPS’’は、TEC220、220’’に逆極性状態で電力を供給してチャンバ126、126’’を加熱するために、(例えば、開口部305’’を介して)クーラーコンテナ1000’’内に設置することができる。回路EM及びTEC220、220’’は、回路EMがTEC220を動作させてチャンバ126、126’’を加熱する必要があるとき(例えば、検知された周囲温度及び/又はチャンバ温度が所定の温度を下回るとき)にクーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’の他の構成要素に電力を供給する他のバッテリ(PS、PS’)の代わりに、一つ又は複数の着脱可能なバッテリPS’’からの電力で動作させることができる。有利には、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の出荷重量を低減するために、一つ又は複数のバッテリPS’’は、所望により、周囲温度が第1の所定の温度(例えば、2℃)未満に低下する可能性が高い気候地に出荷されるとき、及び/又は周囲温度が第2の所定の温度(例えば、15℃、20℃、30℃など)を超えて上昇する可能性が高い気候地に出荷されるときにのみ、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’に設置することができる。別の実装形態では、一つ又は複数のバッテリPS’’は、予想される周囲温度に関係なく、全ての出荷について、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’に設置することができる。
【0053】
一部の実装形態では、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’、1000’’’は、チャンバ126、126’’’と熱連通する(例えば、少なくとも部分的にチャンバ126、126’’’の周囲に巻き付けられる)別個の加熱器ユニット(例えば、抵抗加熱器)を有することができ、これは、冬季に又は非常に寒い気候の場所に薬剤を輸送するときなど、周囲温度がチャンバ126、126’’’内の事前選択された温度を上回るとき(例えば、所定の期間後)に動作され得る。所望により、個別のヒータユニット(抵抗膜式ヒータなど)及び/又は回路EMは、一つ又は複数のバッテリPS’’から電力を供給できる。事前選択された温度は、コンテナの内容物(例えば、特定の薬剤、特定のワクチン、食品、飲料、ヒト組織、動物組織、生物)に合わせて調整することができ、アセンブリ1000のメモリに保存することができる。冷却システム又は加熱システムは、温度制御システムの動作方法に応じて、TEC220を動作させて事前選択された温度又は設定温度に近づけることができる。
【0054】
所望により、クーラーコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の回路EMは、遠隔位置(例えば、クラウドベースのデータストレージシステム、リモートコンピュータ、リモートサーバ、スマートフォン若しくはタブレットコンピュータ又はラップトップ若しくはデスクトップコンピュータなどのモバイル電子デバイス)及び/又はコンテナを携行する個人に(例えば、それらの携帯電話を介して、コンテナ上の視覚インターフェースを介してなど)、使用可能な記録を提供する(例えば、コンテナ内の薬剤の有効性を評価するため、チャンバ126内の内容物が腐敗しているか否かを評価するためなど)ためのチャンバ126の温度履歴などの情報、及び/又はチャンバ126及び/又はチャンバ126内の内容物の状態に関する警告を(例えば、無線で)通信することができる。所望により、クーラーコンテナ1000、1000’、1000’’の温度制御システム(例えば、冷却システム、加熱システム)は、TEC220を自動的に動作させて、コンテナベッセル100のチャンバ126を加熱又は冷却して、事前選択された温度に近づける。一実装形態では、冷却システム200は、チャンバ126及びその中の内容物の一方又は両方を、摂氏15度以下、例えば摂氏10度以下(例えば、摂氏2度~摂氏8度の範囲内)、一部の例では摂氏略5度に冷却及び維持することができる。
【0055】
一実装形態では、一つ又は複数のセンサS1~Snは、吸気口203及び排気口205の一方又は両方を通り、低温側流体チャンバ215、入口ライン140及び/又は出口ライン150を通る空気流を監視し得るもう1つの空気流センサを含み得る。該一つ又は複数の流量センサが、吸気口203が空気流の減少に起因して(例えば、埃で)詰まっていることを検知した場合、(例えば、PCBA上の)回路EMは、所望により、一つ又は複数の所定の期間にわたってファン280の動作を反転させて、排気口205を通して空気を引き込み、吸気口203を通して空気を排出して、吸気口203を清掃する(例えば、詰まりを取り除き、そこから埃を除去する)ことができる。別の実装形態では、回路EMは、追加的又は代替的に、吸気口203の潜在的な詰まりをユーザに知らせるために、(例えば、アセンブリ1000上のユーザインターフェースを介して、ユーザの携帯電話などのリモート電子デバイスに無線で)ユーザに警告を送信することができ、それにより、ユーザは、アセンブリ1000を検査し、例えば、吸気口203を通して空気を排出するためにファン280を逆に動作させることによって、「清掃」動作を実行するように(例えば、ユーザの携帯電話上のアプリを介して)回路EMに命令することができる。一例では、エアフィルタは、所望により、吸気グリル/通気孔203の下に配置することができる。
【0056】
一実装形態では、クーラーコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の一つ又は複数のセンサS1~Snは、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の位置を追跡するための一つ又は複数の全地球測位システム(GPS)センサを含み得る。位置情報は、上述のように、回路EMに関連付けられた送信機(例えば、セル無線アンテナ又はセル無線)及び/又は送受信機によって、遠隔位置(例えば、モバイル電子デバイス、クラウドベースのデータストレージシステムなど)に通信することができる。一実装形態では、GPSの位置が一定の間隔(例えば、10分毎、15分毎など)で回路EMによって(例えば、自動ではなく、クエリ又は要求に応答して)伝達される。別の実装形態では、GPS位置は、(例えば、ユーザがクーラーコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の位置を追跡することができるアプリ又はウェブサイトを介して)ユーザからなどの要求又はクエリを受信すると、回路EMによって伝達される。
【0057】
図23は、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の電子機器180のブロック図を示している。電子機器180は、回路EM’(例えば、プリント回路基板上の一つ又は複数のプロセッサを含む)を含み得る。回路EM’は、一つ又は複数のバッテリPS’、表示画面188、188’’’、及びユーザインターフェース184、184’’’と通信する。所望により、メモリモジュール185は回路EM’と通信している。一実装形態では、メモリモジュール185は、所望により、回路EM’の他の構成要素と同じプリント回路基板上に配設することができる。回路EM’は、所望により、表示画面188、188’’’に表示される情報を制御する。情報(例えば、送り主アドレス、受領者アドレスなど)は、入力モジュール186を介して回路EM’に伝達することができる。入力モジュール186は、ワンド(例えば、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’上で、例えば、表示画面188、188’’’上で動作する無線周波数ワンド又はRFワンドであって、ワンドは、出荷情報が含まれるコンピュータシステムに接続される)を使用するなどして、かかる情報を無線で(例えば、無線周波数又はRF通信を介して、赤外線又はIR通信を介して、WiFi802.11を介して、BLUETOOTH(登録商標)を介してなど)受信することができる。入力モジュール186によって受信されると、情報(例えば、表示画面188に表示される出荷ラベルの出荷情報は、メモリモジュール185に電子的に保存することができる)。有利には、一つ又は複数のバッテリPS’は、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の複数回の使用のために(例えば、最大1000回のコンテナアセンブリ1000の出荷中に)、電子機器180、したがって、表示画面188に電力供給することができる。上述したように、電子機器180は、出荷ラベル(例えば、新しい出荷ラベル)が携帯型クーラーに割り当てられており、クーラーが集荷及び出荷の準備ができていること(例えば、ユーザインターフェース184がユーザによって作動されるとき)を出荷業者に通知する信号を出荷業者(例えば、UPS、FedEx、DHL)に無線で通信することができる。
【0058】
図24Aは、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’を出荷するための1つの方法800のブロック図を示している。工程810で、一つ又は複数の構成要素(例えば、食品(複数可)、飲料(複数可)、薬剤、生体組織又は生物)が、構成要素又は製品のための流通施設などにおいて、コンテナアセンブリ1000のコンテナベッセル100内に留置される。工程820で、蓋400は、内容物がその中に配置されると、コンテナベッセル100を覆って閉鎖される。所望により、蓋400は、(例えば、デジタルコード、ユーザの電話に提供されるコードなどのコードでオフにし得る、蓋400が閉じられたときに作動される電磁石を含む磁気作動式係止部を介して)コンテナベッセル100、100’、100’’’に係止される。工程830で、情報(例えば、出荷ラベル情報)は、コンテナアセンブリ1000に伝達される(例えば、ロードされる)。例えば、上述したように、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の電子機器180の入力モジュール186に出荷情報を転送するために、無線周波数(RF)ワンドをコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’上で動作させることができる。工程780で、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’が受領者に出荷される(例えば、表示画面188の出荷ラベル189に表示される)。
【0059】
所望により、アセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、図16に示すように、例えばパレットP上に積載することができ、上述のように(煙突効果を用いて)高温空気を積載されたアセンブリ100から排出することを可能にし、加熱された空気が積載されたアセンブリから出ることを可能にし、例えば、出荷コンテナ内の一つ又は複数の通気孔を介して出荷コンテナから排出されることを可能にする。更に、上述のように、(例えば、倉庫又は流通センターでの出荷前、又は出荷コンテナが、アセンブリ1000が積載される電力又は充電ベースを有する場合の出荷中など、全てのアセンブリが電力ベース又は充電ベース上に積載されるときに)積載されたアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、電気的に接続することができ、より低いアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’と、より高いアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’との間の電力伝達を可能にする。積載構造内のアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’(図16、19を参照)は、データ、例えば、温度履歴及びバッテリ消費データを送信するための双方向伝達リンクを確立することができる。一例では、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’のうちの1つが低電力である場合、それは、所望により、積載されると、その周囲(例えば、その上方、その下方)のアセンブリ1000のうちの一つ又は複数から電力を引き出すことができる。個々のクーラーコンテナアセンブリ1000内の冷却システム200は、所望により、アセンブリ1000が電力ベース又は充電ベース(図19における充電ベース500など)上に積載されると、アクティブのままであり、例えば、倉庫又は出荷施設、トラック、船、飛行機などにおいて、PCM135を同時に充電することができる。
【0060】
図24Bは、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’を返却するための方法800’のブロック図を示している。工程850で、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’を受容した後、蓋400、400’’は、コンテナベッセル100に対して開くことができる。所望により、蓋400、400’’を開ける前に、蓋400、400’’は、(例えば、ベッセル100、100’、1000’’又は蓋400、400’’、400’’’上のキーパッド及び/又はバイオメトリック識別を介して荷主から受領者に提供される、ユーザの携帯電話上のデジタルコード又はRFIDコードなどのコードを使用して)コンテナベッセル100に対して係止解除される。係止解除コードを有するユーザのスマートフォン又は他の電子デバイスは、例えば、Bluetooth又はRFIDを介してコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’に通信して、蓋400、400’’、400’’’を(例えば、ベッセル及び/又は蓋の近くにスマートフォン又は電子デバイスを位置決めするか、又は置くことによって)ベッセル100、100’、100’’’から係止解除することができる。工程860で、内容物(例えば、薬剤、食品、飲料、生物又は組織)がコンテナベッセル100から取り出される。工程870で、蓋400は、コンテナベッセル100上で閉じられる。工程880では、ユーザインターフェース184(例えば、ボタン)が、表示画面188内の送り主及び受領者の情報を互いに切り替えるように作動され、有利には、表示画面188、188’’’上の出荷情報を再入力する必要なく、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’を元の送り主に返却して再び使用することを可能にする。所望により、工程880におけるユーザインターフェース184、184’’’の作動は、出荷ラベル(例えば、新しい出荷ラベル)が携帯型クーラーに割り当てられており、クーラーが集荷及び出荷の準備ができていることを出荷業者に通知する信号を、出荷業者(例えば、UPS、FedEx、DHL)に(例えば、電子機器180によって)無線で通信させる。一例では、クーラーコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’又はアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の積載構造はまた、あるイベント中にエンドユーザ並びに起点施設の両方に通知を送信することができ、例えば、ペイロードが送達されるか、又は必要に応じて警告を送信することができる。
【0061】
表示画面188、188’’’及びラベル189は、コンテナアセンブリ1000のために別個のラベルを印刷する必要なく、コンテナアセンブリ1000の輸送を有利に容易にする。更に、表示画面188、188’’’及びユーザインターフェース184、184’’’は、有利には、(例えば、出荷情報を再入力する必要なく、いかなるラベルも印刷する必要なく)コンテナシステム1000を送り主に返却することを容易にし、コンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、同じ又は異なる受取人などに内容物を再び出荷するために再使用され得る。腐敗性材料(例えば、薬剤、食品、飲料、生体組織、又は生物)の配送のためのコンテナアセンブリ1000、1000’、1000’’、1000’’’の再使用は、コンテナベッセル100の再使用を可能にすることにより、(例えば、1回の使用後に廃棄される、一般的に使用される厚紙コンテナと比較して)出荷コストを有利に低減する。
【0062】
図25は、クーラーコンテナ1000’の部分分解図を示している。クーラーコンテナ1000’の特徴の一部は、図1~24Bのクーラーコンテナ1000の特徴に類似している。したがって、クーラーコンテナ1000’の種々の構成要素を指定するために使用される参照番号は、数値識別子に「’」が追加されていることを除いて、図1~24Bのクーラーコンテナ1000の対応する構成要素を識別するために使用されるものと同一である。したがって、クーラーコンテナ1000の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~24Bでどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図25のクーラーコンテナ1000’の対応する特徴にも当てはまると理解される。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000、1000’’、1000’’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0063】
クーラーコンテナ1000’は、一つ又は複数の蓄電デバイス(例えば、バッテリ)PS、PS’が、クーラーコンテナ1000’に着脱可能に結合され得るモジュール350’内にあるという点で、クーラーコンテナ1000とは異なる。一実装形態では、蓄電デバイスPS、PS’は、所望により、プラットフォーム352’上の一つ又は複数の積載構造に配置され、プラットフォーム352’の下の電気接点34’に電気的に接続され得る。モジュール350’は、蓄電デバイスPS、PS’がクーラーコンテナ1000’内の区画(例えば、フレーム300’内の区画)内に延在するように、かつプラットフォーム352’がフレーム300’の底面306’に隣接するか、又は概して同一平面上にあるように、クーラーコンテナ1000’に(例えば、クーラーコンテナ1000’のフレーム300’に)所望により結合することができる。
【0064】
モジュール350’は、(例えば、バネ荷重ラッチ機構、ネジ結合、磁気結合などのラッチ機構を介して)クーラーコンテナ1000’上の定位置に係止する。モジュール350’がクーラーコンテナ1000’に結合される(例えば、クーラーコンテナ1000’上の定位置に係止される)と、ディスプレイ188’は、モジュール350’が結合されたことを所望により登録(例えば、表示)し、モジュール350’の蓄電デバイスPS、PS’の充電レベルを所望により示すことができる。電力は、蓄電デバイスPS、PS’から、例えば、モジュール350’とクーラーコンテナ1000’との間の電気接点(例えば、モジュール350’の電気接点に接触するフレーム300’上の電気接点)を介して、クーラーコンテナ1000’内の電子機器(例えば、ペルチェ素子220、ファン280、回路EM)に提供され得る。別の実装形態では、電力は、モジュール350’内の蓄電デバイスPS、PS’から、誘導結合を介して、クーラーコンテナ1000’内の電子機器(例えば、ペルチェ素子220、ファン280、回路EM)に伝達される。
【0065】
有利には、モジュール350’は、蓄電デバイスPS、PS’を交換するために、又はモジュール350’を交換するために、クーラーコンテナ1000’から切り離して取り外すことができる。したがって、モジュール350’は交換可能及び/又は置換可能であり得る。モジュール350’内の蓄電デバイス(例えば、バッテリ)PS、PS’は、クーラーコンテナ1000’に結合されている間、所望により充電(又は再充電)することができる。別の実装形態では、モジュール350’は、上記で説明したようにクーラーコンテナ1000’に結合される前に、クーラーコンテナ1000’から取り外され、充電ステーション又はベース500上で別個に充電(又は再充電)され得る。
【0066】
図26は、クーラーコンテナ1000’’の概略図を示している。クーラーコンテナ1000’’の特徴の一部は、図1~24Bのクーラーコンテナ1000及び図25の冷却コンテナ1000’の特徴に類似している。したがって、クーラーコンテナ1000’’の種々の構成要素を指定するために使用される参照番号は、数値識別子に「’’」が追加されていることを除いて、図1~24Bのクーラーコンテナ1000及び図25のクーラーのコンテナ1000’の対応する構成要素を識別するために使用されるものと同一である。したがって、クーラーコンテナ1000’’の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~25でどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図26のクーラーコンテナ1000’’の対応する特徴に当てはまると理解される。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0067】
クーラーコンテナ1000’’は、温度感応性内容物(例えば、薬剤、ワクチン、組織)で充填され得る、コンテナ1000’’のチャンバ126’’の周りに配設された一つ又は複数のスリーブ130’’を有し得る。スリーブ(複数可)130’’は、所望により、チャンバ126’’の周りに配設された個別の容積であり得る。スリーブ130’’は、その中に相変化材料(PCM)又は蓄熱体135’’を収容することができる。一実装形態では、相変化材料135’’は、固体-液体PCMであり得る。別の実装形態では、相変化材料135’’は、固体-固体PCMであり得る。PCM135’’は、エネルギーを受動的に吸収及び放出できるという利点がある。可能なPCM材料の例は、水(凍結温度未満に冷却されると氷に転移し得る)、有機PCM(例えば、バイオ系若しくはパラフィン、又は炭水化物及び脂質由来)、無機PCM(例えば、塩水和物)、及び無機共晶材料である。ただし、PCM135’’は、エネルギーを蓄積及び放出できる任意の蓄熱体であり得る。
【0068】
クーラーコンテナ1000’’は、所望により、冷却システム200’’を含み得る。以下に説明する他の例では、冷却システム200’’の少なくとも一部分は、コンテナ1000’’の外部にあり得る。冷却システム200’’は、所望により閉ループシステムである。冷却システム200’’は、所望により、冷却流体(例えば、水などの冷却液)が流れる導管140’’を含む。一部の実装形態では、冷却流体は水であり得る。一部の実装形態では、冷却流体は、水混合物(例えば、水-アルコール混合物、水とエチレングリコールとの混合物など)であり得る。冷却システム200’’は、所望により、第1のヒートシンク210’’(例えば、固体液体熱交換器)、熱電モジュール(複数可)又はTEC(複数可)220’’、第2のヒートシンク230’’、ファン(複数可)280’’、ポンプ146’’及びリザーバ148’’のうちの一つ又は複数を含み得る。導管140’’は、第1のヒートシンク210’’とスリーブ(複数可)130’’との間に延在する第1の導管140A’’を含み得る。導管140’’はまた、スリーブ(複数可)130’’を通って延在し、第1の導管140A’’と流体連通する第2の導管140B’’を含む。リザーバ148’’は、第2の導管140B’’の反対端と流体連通している。導管140’’はまた、リザーバ148’’とポンプ146’’との間に延在する第3の導管140C’’を含む。導管140’’はまた、ポンプ146’’と第1のヒートシンク210’’との間に延在する第4の導管140D’’を含む。
【0069】
動作中、TEC(複数可)220’’は(冷却コンテナ1000、1000’に関連して上記のように)動作されて、第1のヒートシンク210’’から熱を除去し、該熱を第2のヒートシンク230’’に伝達する。ファン(複数可)280’’は、所望により、第2のヒートシンク230’’から熱を放散させるように動作され、それによって、TEC(複数可)220’’が第1のヒートシンク210’’から追加の熱を除去する(例えば、第1のヒートシンク210’’を冷却する)ことを可能にする。所望により、第1のヒートシンク210’’(例えば、固体液体熱交換器)は、第1の導管140A’’及び第4の導管140D’’と流体連通する一つ又は複数の流路(例えば、ヒートシンク210’’の本体内)を少なくとも部分的に画定することができる。ポンプ146’’は、(例えば、冷却システム200’’又はコンテナ1000’’のコントローラによって)選択的に動作して、冷却流体(例えば、液体)を導管140’’を通して流し、冷却流体が冷却される第1のヒートシンク210’’を通すか、又は通過させることができる。次いで、冷却された冷却流体は、第1の導管140A’’を通って、第2の導管140B’’を介してスリーブ(複数可)130’’内に導かれ、そこで冷却流体はPCM135’’から熱を除去し、それによってPCM135’’を予冷する(例えば、PCM135’’をエネルギーを吸収できる状態にする)。次に、流体はスリーブ(複数可)130’’を出て、リザーバ148’’に流入する。リザーバ148’’から、流体は、第3の導管140C’’を介してポンプ146’’に流れ、ここで、ポンプ146’’は、再び、第4の導管140D’’を介して第1のヒートシンク210’’を通るか、又は通過するように液体を圧送する。
【0070】
有利には、冷却流体(例えば、液体)は、スリーブ(複数可)130’’内のPCM135’’を急速に冷却して、PCM135’’を予冷する。所望により、スリーブ(複数可)130’’内の第2の導管140B’’は、スリーブ(複数可)130’’を通ってコイル状に(例えば、螺旋状に)延在し、それにより、PCM135’’と接触する第2の導管140B’’の表面積を増加させ、それにより、冷却流体とPCM135’’との間の熱伝達量を増加させる。第2の導管140B’’のこの構成は、有利には、PCM135’’のより迅速な冷却/予冷をもたらす。一例では、クーラーコンテナ1000’’のチャンバ126’’は、約2~約8℃(例えば、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃など)に冷却することができる。所望により、リザーバ148’’は、冷却流体を冷却システム200’’からブリード(抽気)し得るか、又は冷却流体を冷却システム200’’に導入し得るバルブ(例えば、ブリードバルブ)を有し得る。
【0071】
クーラーコンテナ1000’’は、所望により、バッテリ及び電子機器を除外することができ、その結果、冷却システム200’’は、クーラーコンテナ1000’’が輸送中(例えば、トレーラ、トラック、飛行機、ボート、車など)である間、動作しない。むしろ、輸送中、クーラーコンテナ1000’’のチャンバ126’’は、予冷されたPCM135’’によって冷却される(例えば、PCM135’’は、チャンバ126’’の主要な冷却機構である)。冷却システム200’は、クーラーコンテナ1000’’が電力ベース上に配置されたとき(例えば、自宅の出荷場所、病院など)に所望により動作し得る。例えば、クーラーコンテナ1000’’は、電気接点を有し、これは、クーラーコンテナ1000’’が電力ベース上に配置されたときに、電力ベース上の電気接点に選択的に接触する。電力ベースは、TEC(複数可)220’’、ポンプ146’’、及びファン(複数可)280’’のうちの一つ又は複数に電力を供給し、これらは、PCM135’’を予冷するために上述のように(例えば、コンテナ1000’’内の回路によって)動作する。PCM135’’が予冷されると、クーラーコンテナ1000’’を電力ベースから取り外し、チャンバ126’’を温度感応性内容物(例えば、薬剤、ワクチン、組織など)で満たすことができ、クーラーコンテナ1000’’は上記のように、目的地に出荷される。予冷されたPCM135’’は、クーラーコンテナ1000’’をその目的地に輸送する間、チャンバ126’’内の内容物を冷却状態に維持するように動作することができる。
【0072】
上述したように、クーラーコンテナ1000’’は、所望により互いに積載することができ、底部のクーラーコンテナ1000’’が電力ベース上に配設され、それにより、電力が電力ベースからクーラーコンテナ1000’’の積載構造を通って上方に伝達される(例えば、全ての積載されたコンテナ1000’’内のPCM135’’が実質的に同時に予冷される)。一例では、各クーラーコンテナ1000’’は、その閉ループ冷却システム200’’にある量の冷却流体を有し、電力は、その冷却システム200’’を動作させてそのPCM135’’を予冷するために、各コンテナ1000’’からその上方のコンテナに伝達される。しかし、これは、各コンテナ1000’’が常にその中にある量の冷却流体を有することを必要とする。
【0073】
別の例では、クーラーコンテナ(複数可)1000’’は、所望により、コンテナ1000’’が積載されたときに、積載された各コンテナ1000’’の導管140’’が互いに流体連通することを可能にするクイックディスコネクトコネクタを有することができる(例えば、各コンテナ1000’’は開ループ冷却システムを有する)。この例では、冷却システム200’’(例えば、第1のヒートシンク210’’、TEC(複数可)220’’、第2のヒートシンク230’’、ファン(複数可)280’’、ポンプ146’’、及びリザーバ148’’を含む)は、クーラーコンテナ(複数可)1000’’のベッセル100’’内ではなく、電力ベース内に連通して位置し得るか、又は収容され得る。電力ベースは、電力ベースに接続されたコンテナ1000’’上のクイックディスコネクトコネクタと着脱可能に結合するクイックディスコネクトコネクタ(例えば、導管140’’の異なるセクション間のクイックディスコネクトコネクタであり、140A’’、140C’’、140B’’などの一部のセクションはコンテナ1000’’’の外側にあり、導管セクション140B’’のみがコンテナ1000’’内にある)を有することができ、各コンテナ1000’’は、その上に配置されたコンテナ1000’’と流体接続することを可能にする(例えば、コンテナの導管140’’がその上に配置されたコンテナ1000’’の導管140’’と流体接続することを可能にする)クイックディスコネクトコネクタ又はバルブを有し得る。有利には、これにより、積載されたコンテナ1000’’の各々の中のPCM135’’が同時に予冷されることを可能にし、(例えば、コンテナ1000’’の輸送中に冷却システム200’’及び冷却流体がコンテナ1000’’内に収容されないため)クーラーコンテナ1000’’の重量及び/又はサイズの低減を可能にし、それによって、冷却コンテナ1000’’を出荷する運送費を低減する。
【0074】
図27A~27Bは、冷却コンテナ1000’’の変形例の概略図を示している。図27A~27Bは、スリーブ(複数可)130’’内の第2の導管140B’’にフィン149’’を追加し(例えば、フィン149’’は、スリーブ(複数可)130’’の壁の間に延在する)、それによって、PCM135’’と接触する表面積が増加し、それを介してPCM135’’と第2の導管140B’’との間で熱を伝達することができ、冷却流体がPCM135’’を予冷することが可能になる。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0075】
コンテナ1000’’は、導管140’’と(例えば、導管セクション140B’’と)連通する一つ又は複数の温度センサSn1、チャンバ126’’と連通する一つ又は複数の温度センサSn2、及び/又は(例えば、PCM135’’と熱連通する)スリーブ(複数可)130’’内の一つ又は複数の温度センサSn3を有し得る。一つ又は複数の温度センサSn1、Sn2、Sn3は、回路EMと通信することができ、回路EMは、センサSn1、Sn2、及び/又はSn3から検知された温度に少なくとも部分的に基づいて、TEC(複数可)220’’及びファン(複数可)280’’の一方又は両方を動作させることができる。コンテナ1000’’は、所望により、周囲温度を検知し、回路EMと通信する一つ又は複数のセンサTaを有し得る。センサTaから検知された温度は、回路EMに湿度レベルの指標を提供することができ、回路EMは、センサ(複数可)Taから検知された温度に少なくとも部分的に基づいて、TEC(複数可)220’’及びファン(複数可)280’’の一方又は両方を動作させることができる。クーラーコンテナ1000’’は、所望により遮断弁147’’を有することができ、これは、(例えば、ポンプ146’’又はTEC(複数可)220’’などのクーラーコンテナ1000’’の構成要素内に誤動作があるとき)導管140’’を通る液体の流動を阻止(例えば、防止)するように回路EMによって選択的に作動され得る。
【0076】
図27Bを参照すると、空気は、一つ又は複数の空気取入開口部203’’を介してベッセル100’’に入り、一つ又は複数のファン280’’によって、チャネル又は経路215’’を通って第1のヒートシンク230’’を通過して駆動され、そこで熱が第1のヒートシンク230’’から空気に伝達され得る。次に、空気は、一つ又は複数の排出開口部205’’を介してベッセル100’’から排出される。図27Bは、吸気開口部203’’及び排出開口部205’’を同じ平面又は表面内に示しているが、他の実装形態では、吸気開口部203’’及び排出開口部205’’は、別個の平面(例えば、180°離れて配向された別個の平面、90°離れて配向された別個の平面)上にあってもよい。例えば、排出開口部205’’は、コンテナ1000’’の前面(例えば、コンテナ1000’’のディスプレイを有する表面)上にあり得、吸気開口部203’’は、180°離れて配向されたコンテナ1000’’’の後面上にあり得る。別の実装形態では、排出開口部205’’は、コンテナ1000’’の後面上にあり得、吸気開口部203’’は、180°離れて配向されたコンテナ1000’’’の前面(例えば、コンテナ1000’’のディスプレイを有する面)上にあり得る。
【0077】
所望により、冷却システムは、図27Bに示すように、クーラーコンテナ1000’’の1つの角部に(例えば、一方の縁部に沿って)位置し得る。別の実装形態では、冷却システムは、チャンバ126’’の少なくとも一部分の周りに分散させることができる(例えば、チャンバ126’’の周りに完全に分散させることができる)。第1のヒートシンク230’’は、一つ又は複数のTEC(複数可)220’’と熱連通しており、これは、第2のヒートシンク210’’(例えば、固体液体熱交換器)と熱連通している。第2のヒートシンク210’’は、流体(例えば、水などの液体)を流す導管140’’と熱連通している。第2のヒートシンク210’’は、導管140’’内の流体が第2のヒートシンク210’’を通過して流れるときに流体を冷却し、熱をTEC220’’に伝達し、TECは、熱を第1のヒートシンク230’’に伝達し、これは、排出開口部(複数可)205’’を介して排出される空気に熱を伝達する。導管140’’内の冷却された液体は、フィン149’’を介してスリーブ(複数可)130’’内のPCM135’’を予冷する(例えば、相変化材料又はPCM135’’は、チャンバ126’’の少なくとも一部分を冷却するように、エネルギーを吸収することができる状態にある)。図27Cは、ペイロード内容物のうちの一つ又は複数が寒冷気候で凍結すること又は暑い気候で高温に露出されることを阻止(例えば、防止)するために、上述したように、回路EM及びTEC220、220’’の一方又は両方又は別個のヒータに電力供給するように所望により設置され得る一つ又は複数の着脱可能なバッテリPS’’を有するクーラーコンテナ1000’’の別の実装形態を示している。
【0078】
図28は、図26のクーラーコンテナ1000’’の変形例の概略図である。クーラーコンテナ1000’’の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~26でどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図28のクーラーコンテナ1000’’の対応する特徴に当てはまると理解される。図26は、水平方向に振動する第2の導管140B’’を示しているが、図28は、スリーブ(複数可)130’’内で垂直方向に振動する第2の導管140B’’’を示している。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0079】
図29は、図27A~27Bのクーラーコンテナ1000’’の変形例の概略図である。クーラーコンテナ1000’’の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~27Bでどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図29のクーラーコンテナ1000’’の対応する特徴に当てはまると理解される。図27A~27Bは、水平方向に振動する導管140B’’の周りに配設されたフィン149’’を有する第2の導管140B’’を示すが、図29は、スリーブ(複数可)130’’内で垂直方向に振動する導管140B’’’の周りに配設されたフィン149’’’を有する第2の導管140B’’’を示している。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0080】
図30は、図26のクーラーコンテナ1000’’の変形例の概略図である。クーラーコンテナ1000’’の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~26でどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図31のクーラーコンテナ1000’’の対応する特徴に当てはまると理解される。図26の第2の導管104B’’とは異なり、第2の導管140B’’’’は、スリーブ(複数可)130’’内で螺旋状に延在する(スリーブ130’’は、導管140B’’の形状をより明確に示すために除外されている)。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0081】
図31は、図26のクーラーコンテナ1000’’の変形例の概略図である。クーラーコンテナ1000’’の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~26でどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図31のクーラーコンテナ1000’’の対応する特徴に当てはまると理解される。図26の第2の導管140B’’とは異なり、第2の導管140B’’’’’は、スリーブ(複数可)130’’内で水平方向に振動するように延在する(スリーブ130’’は、導管140B’’の形状をより明確に示すために除外されている)。フィン149’’’’は、導管140B’’’’’の周りに配設され、上述のように放熱を助ける。第2の導管140B’’’’’は、入口INと出口OUTとの間に延在する。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0082】
図32は、図28のクーラーコンテナ1000’’の変形例の概略図である。クーラーコンテナ1000’’の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~28でどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図32のクーラーコンテナ1000’’の対応する特徴に当てはまると理解される。図28のクーラーコンテナ1000’’とは異なり、図32は、スリーブ(複数可)130’’の外面から外壁(例えば、第4の壁)104’まで延在するフィン131を追加する。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000’、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0083】
図33は、クーラーコンテナ1000’’’の概略断面図を示している。クーラーコンテナ1000’’’の特徴の一部は、図1~24Bのクーラーコンテナ1000の特徴に類似している。したがって、冷却コンテナ1000’’’の種々の構成要素を指定するために使用される参照番号は、数値識別子に「’’’」が追加されていることを除いて、図1~24Bの冷却コンテナ1000の対応する構成要素を識別するために使用されるものと同一である。したがって、冷却コンテナ1000の種々の特徴の構造及び説明、並びにそれが図1~24Bでどのように動作及び制御されるかは、以下に説明する場合を除いて、図33の冷却コンテナ1000’’’の対応する特徴にも当てはまると理解される。以下の特徴は、クーラーコンテナアセンブリ1000’’’に関連して説明されているが、これらの特徴は、本明細書に開示されるクーラーコンテナ1000、1000’’などの全てのクーラーコンテナにも適用される。
【0084】
クーラーコンテナ1000’’’は、種々の点でクーラーコンテナ1000とは異なる。例えば、クーラーコンテナ1000’’’は、ファン(ファン280など)も、空気取入開口部(吸気開口部203など)も含まない。クーラーコンテナ1000’’’はまた、熱電モジュール又はTEC(ペルチェ素子220など)を含まない。更に、クーラーコンテナ1000’’’は、コンテナを冷却するためにコンテナを通して空気又は別の流体を流すための流路を含まない。図33は、コンテナ1000’’’の断面を示しているが、当業者は、一実装形態におけるコンテナ1000’’’が、断面平面に関して対称であり(例えば、コンテナは、図33における断面平面に対する横断面に沿った正方形断面を有するなど、概して箱状又は立方体の外形を有する)、これにより、所与の容積(例えば、配送トラック)内に保管され得るコンテナ1000’’’の数を有利に最大化することができることを認識するであろう。コンテナ1000’’’は、他の適切な形状(例えば、円筒形状、長方形状など)を有し得る。
【0085】
クーラーコンテナ1000’’’は、ベッセル100’’’、外側ハウジング102’’’を有する。所望により、外側ハウジング102’’’は、一つ又は複数の部分を有する。図示の実装形態では、外側ハウジング102’’’は、所望により、第1の(例えば、外側)部分102A’’’及び第2の(例えば、内側)部分102B’’’を含む、2つの部分を有する。他の実装形態では、外側ハウジング102’’’は、より少ない(例えば、1つ)又はより多い(例えば、3つ、4つなど)部分を有し得る。
【0086】
第1の部分102A’’’は、所望により外殻部を提供する。図33に示すように、第1の部分102A’’’は、所望により、コンテナ1000’’’の外面の少なくとも一部分(例えば、全てではない)を覆う。例えば、一実装形態では、第1の部分102A’’’は、少なくともコンテナ1000’’’の縁部を覆う。一実装形態では、第1の部分102A’’’は、コンテナ1000’’’の縁部のみを覆う。一実装形態では、第1の部分102A’’’は、プラスチックなどの耐衝撃性材料から作製される。他の適切な材料を使用することができる。別の実装形態では、第1の部分102A’’’は、追加的又は代替的に、熱絶縁性材料から作製され得る。
【0087】
第2の部分102B’’’は、所望により、発泡材料などの熱絶縁材料から作製される。他の適切な材料を使用することができる。別の実装形態では、第2の部分102B’’’は、追加的又は代替的に、耐衝撃性(例えば、圧縮性)材料から作製され得る。
【0088】
一部の実装形態では、外側ハウジング102’’’は、第1の部分102A’’’のみを含み(例えば、ハウジング102’’’は第1の部分102A’’’のみによって画定される)、第2の部分102B’’’を除外する。一部の実装形態では、外側ハウジング102’’’は、第2の部分102B’’’のみを含み(例えば、ハウジング102’’’は第2の部分102B’’’のみによって画定される)、第1の部分102A’’’を除外する。
【0089】
コンテナ1000’’’はまた、外壁106A’’’と内壁106B’’’との間に画定された真空断熱チャンバ107’’’(例えば、二重壁断熱チャンバ)を含んでおり、壁106A’’’、106B’’’は、コンテナ1000’’’のチャンバ126’’’の周囲及びベースに沿って延在する。したがって、腐敗性内容物(例えば、薬剤、食品、他の腐敗性のものなど)を受容するチャンバ126’’’は、真空断熱チャンバ107’’’によってその外周及びベースの周りで囲まれ、これにより、その外周又はベースを介したチャンバ126’’’からの熱伝達(例えば、冷却の損失)が抑制(例えば、防止)される。
【0090】
クーラーコンテナ1000’’’は、所望により、コンテナ1000’’’内に配設され得る相変化材料135’’’を含む。一実装形態では、相変化材料(PCM)135’’’又は蓄熱体は、内壁106B’’’によって囲まれ、チャンバ126’’’の内壁126A’’’を画定するスリーブ130’’’内に設けられる(例えば、収容される)。別の実装形態では、相変化材料又は蓄熱体は、代替的に、チャンバ126’’’内の一つ又は複数のパック(例えば、一つ又は複数のアイスパック)内に配設され得、チャンバ126’’’は、内壁106B’’’によって画定される。別の実装形態では、相変化材料135’’’又は蓄熱体は、スリーブ130’’’内に、並びにチャンバ126’’’内に(例えば、腐敗性内容物の周りに)挿入された別個のパック(複数可)(例えば、一つ又は複数のアイスパック)内に設けることができる。
【0091】
チャンバ126’’’は蓋400’’’で封止され得る。所望により、蓋400’’’は、蓋400’’’で封止されたコンテナ1000’’’の上部の開口部を介したチャンバ126’’’からの熱伝達(例えば、冷却の損失)を抑制(例えば、防止)するために、断熱材料(例えば、発泡材料)で作製された少なくとも一部分410’’’を含む。蓋400’’’は、所望により、チャンバ126’’’からの冷却の損失を更に抑制(例えば、防止)することができる、断熱材料の一部分410’’’の側壁及び上壁を少なくとも部分的に包囲する(例えば、その全体を包囲する)二重壁真空断熱構造420’’’を含む。別の実装形態では、蓋40’’’は、所望により中空であり得、相変化材料を挿入して、チャンバ126’’’からの熱伝達を更に低減することができる空間を有し得る。
【0092】
コンテナ1000’’’は、(例えば、コンテナ1000’’’の側面上、上面上に)電子表示画面188’’’を含む。表示画面188’’’は、所望により、電子インク又はEインクディスプレイ(例えば、電気泳動インクディスプレイ)であり得る。別の実装形態では、表示画面188’’’は、デジタルディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ又はLCD、発光ダイオード又はLEDなど)であり得る。所望により、表示画面188’’’は、図15に示すように、ラベル(例えば、送り主の住所、受領者の住所、マキシコード機械可読シンボル、QRコード、ルーティングコード、バーコード、及び追跡番号のうちの一つ又は複数を有する出荷ラベル)を表示することができるが、所望により、追加的に又は代替的に、他の情報(例えば、温度履歴情報、コンテナ1000’’’の内容物に関する情報)を表示することができる。
【0093】
クーラーコンテナアセンブリ1000’’’はまた、所望により、ユーザインターフェース184’’’を含み得る。図33では、ユーザインターフェース184’’’はコンテナ1000’’’の側面にある。別の実装形態では、ユーザインターフェース184’’’は、コンテナ1000’’’のハウジング102’’’の上面(例えば、角部)及び/又は蓋400’’’の表面に配設される。ユーザインターフェース184’’’は、所望によりボタン(例えば、「ホームに戻る」ボタン)であり得る。一実装形態では、ユーザインターフェース184’’’は押下可能なボタンである。別の実装形態では、ユーザインターフェース184’’’は、容量性センサ(例えば、タッチセンシティブセンサ、タッチセンシティブスイッチ)である。別の実装形態では、ユーザインターフェース184’’’は、スライディングスイッチ(例えば、スライディングレバー)である。別の実装形態では、ユーザインターフェース184’’’は、回転可能なダイヤルである。更に別の実装形態では、ユーザインターフェース184’’’は、(例えば、表示画面188’’’とは別個の、又はその一部として組み込まれた)タッチスクリーン部分であり得る。有利には、ユーザインターフェース184’’’の作動により、Eインクディスプレイ188’’’に示される出荷ラベルの形態など、ディスプレイ188’’’に示される情報を変更することができる。例えば、ユーザインターフェース184’’’の作動により、送り主及び受取人に関連付けられたテキストを切り替えることができ、一旦受領人がそれを用いて完了すると、クーラーコンテナアセンブリ1000’’’が送り主に返送されることが可能となる。追加的又は代替的に、ユーザインターフェース184’’’の作動は、上述のように、出荷ラベル(例えば、新しい出荷ラベル)が携帯型クーラー1000’’’に割り当てられており、冷却器が集荷及び出荷の準備ができていることを出荷業者に知らせる信号を、アセンブリ1000’’’内の回路によって出荷業者(例えば、UPS、FedEx、DHL)に送信させる(例えば、自動的に送信させる)。
【0094】
有利には、クーラーコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、複数回(例えば、500回、1000回、1500回、20000回)再使用することができ、腐敗性材料(例えば、薬剤、食品、他の腐敗性のもの)の配送のための持続可能なクーラーコンテナを提供する。加えて、コンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、使用が容易であり、出荷プロセスを合理化する。例えば、ユーザインターフェース184’’’(例えば、ボタン)は、新しい出荷ラベルを印刷する必要なく、また、集荷のために出荷業者に別個にコンタクトする必要なく、コンテナを返却することを容易にし、それによって、パッケージを取り扱う担当者の生産性を向上させる。クーラーコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’は、例えば、6つのコンテナ1000、1000’、1000’’、1000’’’の列に積載することができ、ユーザは、梯子を必要とせずにそれらを積載及び解体することができる。
【0095】
追加の実施形態
本開示の実施形態では、携帯型クーラーコンテナシステムは、以下の条項のいずれかによるものとすることができる。
条項1.アクティブ温度制御を備えた携帯型クーラーコンテナであって、
チャンバを有するコンテナ本体と、
前記コンテナの下端及び上端に結合されたフレームであって、前記フレームは、空気が前記コンテナの周りを流れることを可能にする複数の開口部を有し、前記フレームが、一つ又は複数の通気チャネルを介して流体連通する一つ又は複数の空気取入開口部及び一つ又は複数の近位通気開口部及び一つ又は複数の遠位通気開口部と、一つ又は複数の近位電気接点と、一つ又は複数の遠位電気接点と、を有する、フレームと、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体に着脱可能に結合可能な蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記空気取入開口部を介して空気を引き込み、前記高温側ヒートシンクの上方で前記空気を加熱し、前記遠位通気開口部を介して前記加熱された空気を排出するように動作可能な高温側ファンと、
前記低温側ヒートシンクの上方に空気を流して前記空気を冷却し、前記チャンバと熱連通するチャネル内に流入させ、これにより前記チャンバを冷却するように動作可能な一つ又は複数の低温側ファンと、
一つ又は複数のバッテリと、
前記熱電モジュール、高温側ファン及び低温側ファンのうち一つ又は複数の動作を制御して、前記チャンバの少なくとも一部分を所定の温度又は温度範囲に冷却するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナ。
条項2.前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配設された表示画面を更に備え、前記表示画面は、電子インクを使用して前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、条項1に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項3.前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするようにユーザによって作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項1又は2に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項4.前記チャンバ及び前記チャネルと熱連通する相変化材料又は蓄熱体を更に含み、前記相変化材料又は前記蓄熱体は、前記チャネルを通って流れる冷却流体によって冷却されるように構成されている、条項1~3のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項5.前記チャンバ又は温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知した情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項1~4のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項6.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知した温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、検知された温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、条項1~5のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項7.前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点と接触するように積載可能であり、1つのコンテナ本体内の近位通気開口部は、隣接するコンテナ本体における遠位通気開口部と整列し、これにより前記積載されたコンテナから煙突状に加熱空気が排出されることを可能にする、条項1~6のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項8.アクティブ温度制御を備えた携帯型クーラーコンテナであって、
チャンバを有するコンテナ本体と、
前記コンテナの下端及び上端に結合されたフレームであって、前記フレームは、空気が前記コンテナの周りを流れることを可能にする複数の開口部を有し、前記フレームが、一つ又は複数の通気チャネルを介して流体連通する一つ又は複数の空気取入開口部及び一つ又は複数の近位通気開口部及び一つ又は複数の遠位通気開口部と、一つ又は複数の近位電気接点と、一つ又は複数の遠位電気接点と、を有する、フレームと、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体に着脱可能に結合可能な蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記空気取入開口部を介して空気を引き込み、前記高温側ヒートシンクの上方で前記空気を加熱し、前記遠位通気開口部を介して前記加熱された空気を排出するように動作可能な高温側ファンと、
前記低温側ヒートシンクの上方に冷却流体を流して前記流体を冷却し、前記チャンバと熱連通するチャネル内に流入させ、これにより前記チャンバを冷却するように動作可能な冷却ループと、
一つ又は複数のバッテリと、
前記熱電モジュール、高温側ファン及び低温側ファンのうち一つ又は複数の動作を制御して、前記チャンバの少なくとも一部分を所定の温度又は温度範囲に冷却するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナ。
条項9.アクティブ温度制御を備えた携帯型クーラーコンテナであって、
チャンバを有するコンテナ本体と、
前記コンテナの下端及び上端に結合されたフレームであって、前記フレームは、空気が前記コンテナの周りを流れることを可能にする複数の開口部を有し、前記フレームが、一つ又は複数の通気チャネルを介して流体連通する一つ又は複数の空気取入開口部及び一つ又は複数の近位通気開口部及び一つ又は複数の遠位通気開口部と、一つ又は複数の近位電気接点と、一つ又は複数の遠位電気接点と、を有する、フレームと、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体に着脱可能に結合可能な蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記空気取入開口部を介して空気を引き込み、前記高温側ヒートシンクの上方で前記空気を加熱し、前記遠位通気開口部を介して前記加熱された空気を排出するように動作可能な高温側ファンと、
前記低温側ヒートシンクの上方に空気を流して前記空気を冷却し、前記チャンバと熱連通するチャネル内に流入させ、これにより前記チャンバを冷却するように動作可能な一つ又は複数の低温側ファンと、
一つ又は複数のバッテリと、
前記熱電モジュール、高温側ファン及び低温側ファンのうちの一つ又は複数の動作を制御して、前記チャンバの少なくとも一部分を所定の温度又は温度範囲に冷却するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナ。
条項10.前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配設された表示画面を更に備え、前記表示画面は、電子インクを使用して前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、条項9に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項11.前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするようにユーザによって作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項9又は10に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項12.前記チャンバ及び前記チャネルと熱連通する相変化材料又は蓄熱体を更に含み、前記相変化材料又は前記蓄熱体は、前記チャネルを通って流れる冷却流体によって冷却されるように構成されている、条項9~11のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項13.前記チャンバ又は温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知した情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項9~12のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項14.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知した温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、前記検知された温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、条項9~13のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項15.前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点と接触するように積載可能であり、1つのコンテナ本体内の近位通気開口部は、隣接するコンテナ本体内の遠位通気開口部と整列し、これにより、前記積載されたコンテナから煙突状に加熱空気が排出されることを可能にする、条項9~14のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項16.アクティブ温度制御を備えた携帯型クーラーコンテナであって、
チャンバを有するコンテナ本体と、
前記コンテナの下端及び上端に結合されたフレームであって、前記フレームは、空気が前記コンテナの周りを流れることを可能にする複数の開口部を有し、前記フレームは、一つ又は複数の通気チャネルを介して流体連通する一つ又は複数の空気取入開口部及び一つ又は複数の近位通気開口部及び一つ又は複数の遠位通気開口部と、一つ又は複数の近位電気接点と、一つ又は複数の遠位電気接点と、を有する、フレームと、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体に着脱可能に結合可能な蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記空気取入開口部を介して空気を引き込み、前記高温側ヒートシンクの上方で前記空気を加熱し、前記遠位通気開口部を介して前記加熱された空気を排出するように動作可能な高温側ファンと、
前記低温側ヒートシンクの上方に冷却流体を流して前記流体を冷却し、前記チャンバと熱連通するチャネル内に流入させ、それによって前記チャンバを冷却するように動作可能な冷却ループと、
一つ又は複数のバッテリと、
前記熱電モジュール、高温側ファン及び低温側ファンのうちの一つ又は複数の動作を制御して、前記チャンバの少なくとも一部分を所定の温度又は温度範囲に冷却するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナ。
条項17.前記一つ又は複数のバッテリは、前記クーラーコンテナに着脱可能に結合可能なモジュールに設けられ、前記モジュールは交換可能である、条項1~16のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナ。
条項18.携帯型クーラーコンテナシステムであって、
チャンバを有するコンテナ本体と、
前記チャンバの周りに配設され、相変化材料又は蓄熱体を収容するスリーブと、
コイル状経路内で前記スリーブを通って延在する導管であって、前記導管の外面が、前記相変化材料又は蓄熱体と熱連通する導管と、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体に着脱可能に結合される蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
前記導管と熱連通する低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記空気取入開口部を介して空気を引き込み、前記高温側ヒートシンクの上方で前記空気を加熱し、前記遠位通気開口部を介して前記加熱された空気を排出するように動作可能な高温側ファンと、
前記相変化材料又は蓄熱体が前記チャンバの少なくとも一部分を冷却するように、前記低温側ヒートシンクに対して流体を流して、前記流体を冷却し、前記スリーブ内の前記導管を通して前記冷却流体を流して、前記相変化材料又は蓄熱体を冷却するように動作可能なポンプと、
前記熱電モジュール、高温側ファン及びポンプのうちの一つ又は複数の動作を制御するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナシステム。
条項19.前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配設された表示画面を更に備え、前記表示画面は、電子インクを使用して前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、条項18に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項20.前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするようにユーザによって作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項18又は19に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項21.前記チャンバ又は温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知した情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項18~20のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項22.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知した温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、前記検知された温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、条項18~21のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項23.前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点と接触するように積載可能であり、1つのコンテナ本体内の近位通気開口部は、隣接するコンテナ本体内の遠位通気開口部と整列し、それにより、前記積載されたコンテナから煙突状に加熱空気が排出されることを可能にする、条項18~22のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項24.前記温度制御システムは、前記コンテナ本体の外側に配設され、前記相変化材料又は蓄熱体を予冷又は冷却するために前記コンテナ本体に選択的に結合可能である、条項18~23のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項25.携帯型クーラーコンテナシステムであって、
チャンバを有するコンテナ本体と、
前記チャンバの周りに配設され、相変化材料を収容するスリーブと、
コイル状経路内で前記スリーブを通って延在する導管であって、前記導管の外面が、前記相変化材料と熱連通する、導管と、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体に着脱可能に結合可能な蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
前記導管と熱連通する低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記空気取入開口部を介して空気を引き込み、前記高温側ヒートシンクの上方で前記空気を加熱し、前記遠位通気開口部を介して前記加熱された空気を排出するように動作可能な高温側ファンと、
前記相変化材料が前記チャンバの少なくとも一部分を冷却するように、前記低温側ヒートシンクに対して流体を流して、前記流体を冷却し、前記スリーブ内の前記導管を通して前記冷却流体を流して、前記相変化材料を予冷するように動作可能なポンプと、
前記熱電モジュール、高温側ファン及びポンプのうちの一つ又は複数の動作を制御するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナシステム。
条項26.前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配設された表示画面を更に備え、前記表示画面は、電子インクを使用して前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、条項25に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項27.前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするようにユーザによって作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項25又は26に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項28.前記チャンバ又は温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知した情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項25~27のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項29.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知した温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、前記検知された温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、条項25~28のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項30.前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点と接触するように積載可能であり、1つのコンテナ本体内の近位通気開口部は、隣接するコンテナ本体内の遠位通気開口部と整列し、それにより、前記積載されたコンテナから煙突状に加熱空気が排出されることを可能にする、条項25~29のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項31.前記温度制御システムは、前記コンテナ本体の外側に配設され、前記相変化材料を予冷するために前記コンテナ本体に選択的に結合可能である、条項25~30のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項32.携帯型クーラーコンテナシステムであって、
一つ又は複数の腐敗性構成要素を受容するように構成されたチャンバと、
前記チャンバの周り及び前記チャンバのベースの下方に円周方向に配設された第1の壁と、
前記第1の壁の周り及び前記第1の壁のベース部分下方に円周方向に配設された第2の壁であって、前記第2の壁が、前記第1の壁から離間されて、それらの間に間隙を画定し、前記間隙が、真空下にあり、それにより、前記第1の壁を前記第2の壁から断熱し、それにより、前記チャンバを断熱する、第2の壁と、
前記第2の壁の周りに配設された外側ハウジングと、
前記チャンバを実質的に封止するように、前記チャンバの上方に着脱可能に結合可能な蓋と、
前記携帯型クーラーコンテナのための電子出荷ラベルを選択的に表示するように構成された電子表示画面と、
を備える、携帯型クーラーコンテナシステム。
条項33.前記電子表示画面と通信するように構成された回路を更に備える、条項32に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項34.前記チャンバと熱連通して、前記一つ又は複数の腐敗性構成要素を冷却する相変化材料又は蓄熱体を更に含む、条項32又は33に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項35.a)前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にすることと、b)出荷業者に自動的に連絡して、新しい電子出荷ラベルが発行されたこと、及び前記コンテナが集荷の準備ができていることを前記出荷業者に警告することと、の一方又は両方を行うようにユーザによって作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項32~34のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項36.前記チャンバの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知したパラメータを前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項32~35のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項37.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知するように構成された温度センサである、条項32~36のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項38.前記回路は、クラウドベースのサーバシステム又はリモート電子デバイスと通信するように構成されている、条項32~37のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項39.前記電子表示画面は、電子インク表示画面である、条項32~38のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項40.前記外側ハウジングは、熱絶縁材料を含む、条項32~39のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項41.前記蓋は、真空断熱蓋である、条項32~40のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項42.携帯型クーラーコンテナシステムであって、
一つ又は複数の腐敗性品を受容するように構成されたチャンバを有するコンテナ本体と、
前記チャンバの周りに配設され、相変化材料又は蓄熱体を収容するスリーブと、
前記スリーブを通って延在する導管であって、前記導管の外面が、前記相変化材料又は蓄熱体と熱連通する、導管と、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体にヒンジ結合可能又は着脱可能に結合可能な蓋と、
温度制御システムと、
を備え、
温度制御システムは、
前記導管の少なくとも一部分と熱連通する低温側ヒートシンクと、
高温側ヒートシンクと、
前記低温側ヒートシンクと高温側ヒートシンクとの間に配置されて、低温側ヒートシンク及び高温側ヒートシンクと熱連通する熱電モジュールと、
前記相変化材料又は蓄熱体が前記チャンバの少なくとも一部分を冷却するように構成されるように、前記低温側ヒートシンクに対して流体を流して、前記流体を冷却し、前記スリーブ内の前記導管を通して前記冷却流体を流して、前記相変化材料又は蓄熱体を予冷するように動作可能なポンプと、
前記熱電モジュール及びポンプの一方又は両方の動作を制御するように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナシステム。
条項43.前記導管は、コイル状経路に沿って、前記スリーブを通って延在する、条項42に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項44.前記コンテナ本体及び前記蓋の一方又は両方に配設された表示画面を更に備え、前記表示画面は、前記携帯型クーラーコンテナの出荷情報を選択的に表示するように構成されている、条項42又は43に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項45.前記表示画面は、電気泳動インクディスプレイである、条項42~44のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項46.前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にするようにユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項42~45のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項47.前記チャンバ又は温度制御システムの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知した情報を前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項42~46のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項48.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知した温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、前記検知された温度データをクラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスに伝達するように構成されている、条項42~47のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項49.前記コンテナ本体は、1つのコンテナ本体における電気接点が隣接するコンテナ本体における電気接点に接触するように積載可能である、条項42~48のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項50.前記温度制御システムの少なくとも一部分は、前記コンテナ本体の外側に配設され、前記相変化材料又は蓄熱体を冷却するために前記コンテナ本体に選択的に結合可能である、条項42~49のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項51.前記導管の外面から延在し、前記相変化材料又は蓄熱体と熱連通する一つ又は複数のフィンを更に備える、条項42~50のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項52.前記コンテナ本体は、真空断熱コンテナ本体である、条項42~51のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項53.携帯型クーラーコンテナであって、
一つ又は複数の腐敗性品を受容し、保持するように構成されたチャンバを有する二重壁型の真空断熱コンテナ本体と、
前記チャンバにアクセスするために前記コンテナ本体にヒンジ結合可能又は着脱可能に結合可能な蓋と、
前記コンテナ本体の電子システムと、
前記蓋及び前記コンテナ本体のうち一方に設けられ、前記携帯型クーラーコンテナのための電子出荷ラベルを選択的に表示するように構成された電子表示画面と、
を備え、
電子システムは、
一つ又は複数のバッテリと、
セル無線を介して、クラウドベースのデータストレージシステム又はリモート電子デバイスと無線通信を行うように構成された回路と、
を備える、携帯型クーラーコンテナ。
条項54.前記一つ又は複数の腐敗性品を冷却するための一つ又は複数の容積の相変化材料又は蓄熱体を更に含む、条項53の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項55.a)前記表示画面上で送り主情報及び受領者情報を自動的に切り替えて、前記携帯型クーラーコンテナの送り主への返却を容易にすることと、b)出荷業者に自動的に連絡して、新しい電子出荷ラベルが発行されたこと、及び前記コンテナが集荷の準備ができていることを前記出荷業者に警告することと、の一方又は両方を行うようにユーザによって手動で作動可能なボタン又はタッチスクリーンを更に備える、条項53又は54に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項56.前記チャンバの一つ又は複数のパラメータを検知し、前記検知したパラメータを前記回路に伝達するように構成された一つ又は複数のセンサを更に備える、条項53~55のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項57.前記一つ又は複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知するように構成された温度センサである、条項53~56のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項58.前記電子表示画面は電気泳動インク表示画面である、条項53~57のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
条項59.前記蓋は真空断熱蓋である、条項53~58のいずれか一項に記載の携帯型クーラーコンテナシステム。
【0096】
本発明の特定の実施形態が説明されているが、これらの実施形態は例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規の方法及びシステムは、他の種々の形態で具現化することができる。本明細書に開示される特徴は、あらゆる種類の腐敗性品(例えば、薬剤、食品、飲料、生体組織又は生物)を輸送するコンテナに適用可能であり、本発明は、かかる他のコンテナにも及ぶと理解される。更に、本明細書に記載のシステム及び方法の種々の省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができる。付随する請求項及びそれらの同等物は、開示の範囲及び精神に含まれるような形態又は修正を包含することを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0097】
特定の態様、実施形態、又は実施例に関連して説明される特徴、材料、特性、又は群は、矛盾しない限り、このセクション又は本明細書の他の場所に記載される他の任意の態様、実施形態、又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示された全ての特徴(付随する特許請求の範囲、要約及び図面を含む)、及び/又はそのように開示された任意の方法又はプロセスの全ての工程は、かかる特徴及び/又は工程の少なくともいくつかが相互に排他的である組み合せを除いて、任意の組み合せで組み合わせることができる。保護は、前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示される特徴の任意の新規なもの又は任意の新規な組み合せ、あるいはそのように開示される任意の方法又はプロセスの工程の任意の新規なもの又は任意の新規な組み合せに及ぶ。
【0098】
更に、別個の実装形態の文脈で本開示に記載されている特定の特徴は、単一の実装形態で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で説明されている種々の特徴は、複数の実装形態で個別に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。更に、特徴は、特定の組み合せで作用するものとして上記で説明され得るが、特許請求される組み合せからの一つ又は複数の特徴は、場合によっては、組み合せから削除され得、組み合せは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形形態として特許請求され得る。
【0099】
更に、動作は、特定の順序で図面に示されるか、又は本明細書で説明され得るが、かかる動作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、又は連続的な順序で実行される必要はなく、あるいは全ての動作が実行される必要はない。図示又は説明されていない他の動作は、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、一つ又は複数の追加の動作を、説明されている動作の前、後、同時に、又はそれらの間に実行できる。更に、他の実装形態では、動作を再構成したり、並べ替えたりすることができる。当業者は、一部の実施形態において、図示及び/又は開示されるプロセスにおいて行われる実際の工程が、図に示されるものとは異なる可能性があることを理解するであろう。実施形態に応じて、上記の特定の工程を削除することができ、他の工程を追加することができる。更に、上記で開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わせられてもよく、それらの全てが本開示の範囲内に入る。また、上記で説明した実装形態における種々のシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてかかる分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明した構成要素及びシステムは、一般に、単一の製品に一緒に統合されるか、複数の製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。
【0100】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書に記載されている。必ずしも全てのかかる利点が任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点のグループを達成する方法で具現化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0101】
「できる(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、「可能性がある(may)」などの条件付き言語は、別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で別様に理解されない限り、概して、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は工程を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることが意図される。したがって、かかる条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は工程が何らかの形で一つ又は複数の実施形態に必要とされること、あるいは一つ又は複数の実施形態が、ユーザ入力又はプロンプトを用いて又は用いずに、これらの特徴、要素、及び/又は工程が任意の特定の実施形態に含まれるか又は実行されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを暗示することを意図するものではない。
【0102】
「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という句などの接続語は、別段に具体的に述べられていない限り、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用される文脈で理解される。したがって、かかる接続語は、一般に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つの存在を必要とすることを暗示することを意図するものではない。
【0103】
本明細書で使用される「略」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語など、本明細書で使用される程度の言語は、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表し、依然として機能する望ましい機能又は望ましい結果を達成する。例えば、「略」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、及び0.01%未満内である量を指し得る。別の例として、特定の実施形態では、「概ね平行」及び「実質的に平行」という用語は、正確な平行から15度、10度、5度、3度、1度、又は0.1度以下だけ逸脱する値、量、又は特性を指す。
【0104】
本開示の範囲は、本セクション又は本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本セクション又は本明細書の他の箇所において提示されるか、又は将来提示される特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で使用される文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例又は本出願の審査中に記載された例に限定されず、これらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
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【国際調査報告】