IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スマートシール エーエスの特許一覧

特表2022-539207シーリング装置をハンドリングするための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】シーリング装置をハンドリングするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B67B 6/00 20090101AFI20220831BHJP
【FI】
B67B6/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577995
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 EP2020068284
(87)【国際公開番号】W WO2020260706
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】2023401
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521568579
【氏名又は名称】スマートシール エーエス
【氏名又は名称原語表記】SMARTSEAL AS
【住所又は居所原語表記】Kvitsoygata 10,4014 Stavanger,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルネ・クリスティアン・クヌートセン
(72)【発明者】
【氏名】イェルン・ヘリット・アントン・ゲビンク
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080AA20
3E080CC01
3E080CF01
3E080FF01
(57)【要約】
本開示は、シーリング装置のバルブ(4)の排出パイプ(10)を保管位置に配置するためにシーリング装置(1)をハンドリングするための装置(100)及び方法に関する。ハンドリング装置は、保護キャップ(61)の下流側に配置されるとともに、保護キャップを支持するように構成されたキャップ支持体(150)と、ベースの上流側に配置され、ベース(3)及び/又はバルブハウジング(25)に第1押圧力を加えて、ベース、バルブ及び保護キャップをキャップ支持体に対して付勢するとともに、バルブの排出パイプに第2押圧力を加えて、排出パイプをその保管位置に付勢するように構成された押圧装置(120)とを備えていてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルを密封するためのシーリング装置(1)をハンドリングするためのハンドリング装置(100)であって、
前記シーリング装置(1)は、
-前記レセプタクルに取り付けられるように構造化されたベース(3)であって、排出導管(8)を形成するスリーブ(6)を備えているベース(3)と、
-前記ベース(3)上に配置されたバルブハウジング(25)を含むバルブ(4)であって、前記ベース(3)が前記レセプタクルに取り付けられているとき、前記レセプタクルは前記バルブ(4)の上流に配置され、前記レセプタクルの排出方向は上流方向とは反対の下流方向を定義し、前記ベース(3)の前記スリーブ(6)内に少なくとも部分的に突出し、その中で、前記バルブが閉じている保管位置と前記バルブが閉じられているか又は開いているもう1つのユーティリティ位置との間で、上流及び下流方向に軸方向に移動可能な排出パイプ(10)を更に備えるバルブ(4)と、
を備え、
前記ハンドリング装置(100)は、前記シーリング装置(1)の前記バルブ(4)の前記排出パイプ(10)を保管位置に配置するように構成され、
前記ハンドリング装置は、
-前記ベース(3)の下流側に配置される支持体(150,152)であって、ハンドリング装置を支持するように構成された支持体(150,152)と、
-前記ベース(3)の上流側に配置される押圧装置(120)であって、前記ベース(3)及び/又は前記バルブハウジング(25)に第1押圧力を加えて、少なくとも前記ベース(3)及び前記バルブ(4)を前記支持体(150,152)に対して付勢するとともに、前記バルブ(4)の前記排出パイプ(10)に第2押圧力を加えて、前記排出パイプ(10)をその保管位置に付勢するように構成された押圧装置(120)と
を備える、
ハンドリング装置(100)。
【請求項2】
前記押圧装置(120)が、前記ベース(3)の前記保管位置への変位とは独立して、前記排出パイプ(10)に前記第2の力を加えて前記排出パイプ(130)を変位させることとは独立して、前記ベース(3)に前記第1の力を加えるように構成されている、
請求項1に記載のハンドリング装置。
【請求項3】
前記バルブ(4)を、好ましくは前記ベース(3)も、保護するために前記ベース(3)及び/又はバルブ(4)上に配置される保護キャップ(61)を更に備え、
前記支持体は、前記保護キャップ(61)の下流側に配置されるとともに、前記キャップ(61)を支持するように構成されたキャップ支持体(150)であり、
前記押圧装置(120)は、前記ベースの上流側に配置され、前記ベース(3)及び/又はバルブハウジング(25)に第1押圧力を加えて、前記ベース(3)、バルブ(4)及び保護キャップ(61)を前記キャップ支持体(150)に対して付勢するとともに、前記バルブ(4)の前記排出パイプ(10)に第2押圧力を加えて、前記排出パイプ(10)をその保管位置に付勢するように構成されている、
請求項1又は2に記載のハンドリング装置。
【請求項4】
前記支持体が、前記バルブ(4)の下流側に配置されるとともに、前記バルブ(4)を支持するように構成されたバルブ支持体(152)である、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項5】
前記バルブ支持体(152)が、クランピングリング(40)及び/又はバルブカラー(13)に接触するように配置されている、
請求項4に記載のハンドリング装置。
【請求項6】
前記ハンドリング装置が、前記保護キャップ(61)を前記バルブ及び/又はベースに取り付け、かつ、前記バルブを前記保管位置に配置するように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項7】
前記押圧装置が、前記ベース及び/又はバルブハウジング(25)に加えられる前記第1の力よりも大きい第2の力を前記排出パイプ(10)に加えるように構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項8】
前記排出パイプ(10)が下流方向に移動して前記スリーブ(6)の保管シールシート(18,20)に接触して前記排出導管(8)を閉じる保管位置と、前記排出パイプ(10)が上流方向に移動して前記排出導管(8)を開く開ユーティリティ位置と、前記保管位置と前記開ユーティリティ位置と間に配置され、前記排出パイプ(10)が移動して前記スリーブ(6)のユーティリティシール部分に接触して前記排出導管(8)を閉じる閉ユーティリティ位置との間で、軸方向に移動可能であるように前記シーリング装置(1)の前記排出パイプ(10)が構成されるとき、
前記ハンドリング装置が、前記開ユーティリティ位置又は前記閉ユーティリティ位置から前記保管位置に前記排出パイプ(10)を移動させるように構成され、及び/又は
前記バルブ及びベースが、閉保管位置と閉ユーティリティ位置との間の前記排出パイプの移動を可能にするように構成され、前記閉保管位置では前記閉ユーティリティ位置よりも前記バルブがより強固に閉じられる、
請求項1から7までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項9】
前記排出パイプ(10)が上流シール部材(12)を備えるとき、前記ハンドリング装置(100)が、前記上流シール部材(12)に接触し、前記排出パイプ(10)がその保管位置に到達するまで前記上流シール部材を下流方向に移動させるように構成されている、
請求項1から8までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項10】
前記押圧装置(120)が、
-前記排出パイプ(10)に対して、例えば前記排出パイプ(10)の上流シール部材(12)に対して、配置される第1接触面(123)を備える第1押圧要素(121)と、
-前記ベース(3)に対して配置される第2接触面(124)を含む第2押圧要素(122)と
を備え、
前記第1及び第2押圧要素(121,122)が、互いに対して前記軸方向に変位するように構成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のハンドリング装置。
【請求項11】
前記第1押圧要素(121)の動きを駆動するとともに、前記第2押圧要素(122)の動きを駆動するように構成された駆動装置(130)を備える、
請求項10に記載のハンドリング装置。
【請求項12】
前記駆動装置は、前記第1押圧要素(121)の動きを駆動するための第1駆動ユニット(131)と、前記第1押圧要素(121)を駆動することとは独立して、前記第2押圧要素(122)の動きを駆動するための第2駆動ユニット(132)とを備える、
請求項11に記載のハンドリング装置。
【請求項13】
前記駆動装置(130)が、
-前記第1押圧要素の動きを駆動するための第1駆動ユニット(131)と、
-前記第1及び第2押圧要素(121,122)の間に接続されるとともに、前記第1押圧要素の動きとともに前記第2押圧要素を移動させるように構成された少なくとも1つの弾性部材(135)と
を備える、
請求項11又は12に記載のハンドリング装置。
【請求項14】
前記弾性部材(135)が圧縮ばねを備える、請求項13に記載のハンドリング装置。
【請求項15】
前記駆動装置(130)が、
-第1段階において、前記第2押圧要素が前記ベース(3)に隣接するまで、前記第1押圧要素(121)の下流方向の軸方向の動きと一緒に前記第2押圧要素(122)を移動させ、
-第2段階において、前記第1押圧要素(121)を下流方向に移動させ続けながら、前記ベース(3)、バルブ(4)及び保護キャップ(61)を互いに対して配置するとともに、前記保護キャップ(61)を前記キャップ支持体(150)に対して付勢するために、前記第2押圧要素(122)が前記ベース(3)に押圧力を加え、
-第3段階において、前記バルブ(4)の前記排出パイプ(10)に対する押圧を前記第1押圧要素(121)が開始し、前記排出パイプを保管位置に至らせる
ように構成される、
請求項11から14までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項16】
前記第1押圧要素(121)が細長い押圧ロッドを備え、前記第2押圧要素(122)が、互いに対して軸方向に移動可能であるように、押圧ロッドの周りに同心に配置された管を備える、
請求項10から15までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項17】
前記第2押圧要素は、前記第1押圧要素にばね積載されている、請求項16に記載のハンドリング装置。
【請求項18】
第1押圧要素(121)を備え、前記第1押圧要素(121)が、第1押圧ロッド部分(127)と、交換可能な第2押圧ロッド部分(128)とを備え、前記交換可能な第2押圧ロッド部(128)が、前記シーリング装置(1)の前記排出パイプ(10)の形状、好ましくはその上流シール部材(12)に適合した接触面(123)を有する、
請求項1から17までのいずれか1項に記載のハンドリング装置。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項に記載のハンドリング装置(100)及び少なくとも1つのシーリング装置(1)とのアッセンブリ。
【請求項20】
ハンドリング装置(100)において、好ましくは請求項1から18までのいずれか1項に記載のハンドリング装置において、シーリング装置(1)をハンドリングする方法であって、
-キャップ支持体(150)と前記ハンドリング装置(100)の押圧装置(120)の間に前記シーリング装置(1)を配置することと、
-前記シーリング装置(1)の前記ベース(3)及び/又はバルブハウジング(25)に第1押圧力を加えて、前記ベース(3)、バルブ(4)及び保護キャップ(61)を前記キャップ支持体(150)に対して付勢することと、
-前記バルブ(4)の前記排出パイプ(10)に第2押圧力を加えて、前記排出パイプ(10)をその保管位置に付勢することと
を備える、方法。
【請求項21】
前記バルブ及び/又はベースに保護キャップ(61)を取り付けるとともに、前記バルブを前記保管位置に配置することを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ベース及び/又はバルブハウジング(25)に加えられる第1の力よりも大きい第2の力を前記排出パイプ(10)に加えることを備える、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記排出パイプ(10)が下流方向に移動して前記スリーブ(6)の保管シールシート(18,20)に接触して前記排出導管(8)を閉じる保管位置と、前記排出パイプ(10)が上流方向に移動して前記排出導管(8)を開く開ユーティリティ位置と、前記保管位置と前記開ユーティリティ位置と間に配置され、前記排出パイプ(10)が移動して前記スリーブ(6)のユーティリティシール部分に接触して前記排出導管(8)を閉じる閉ユーティリティ位置との間で、軸方向に移動可能であるように前記シーリング装置(1)の前記排出パイプ(10)が構成されるとき、
前記方法が、前記開ユーティリティ位置又は前記閉ユーティリティ位置から前記保管位置に前記排出パイプ(10)を移動させることを備える、
請求項20から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記排出パイプ(10)が上流シール部材(12)を備えるとき、前記方法が、前記上流シール部材(12)に接触することと、前記排出パイプ(10)がその保管位置に到達するまで下流方向に前記上流シール部材を移動させることとを備える、
請求項20から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記押圧装置(120)が、第1接触面(123)を備える第1押圧要素(121)と、第2接触面(12)を備える第2押圧要素(122)とを備え、
前記方法が、
-前記シーリング装置(1)の前記ベース(3)に向けて前記第2押圧要素(122)を移動させ、前記ベース(3)に対する押圧力を前記第2押圧要素(122)の前記第2接触面(124)に加えさせることと、
-前記シーリング装置(1)の前記排出パイプ(10)に向けて前記第1押圧要素(121)を移動させ、前記排出パイプ(1)に対する押圧力を前記第1押圧要素(121)の前記第1接触面(123)に加えさせることと
を備え、
前記第1押圧要素及び第2押圧要素(121,122)が、互いに対して軸方向に変位される、
請求項20から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記押圧装置(120)が、第1接触面(123)を備える第1押圧要素(121)と、第2接触面(124)を備える第2押圧要素(122)とを備え、
前記方法が、前記押圧装置に接続された駆動装置を使用して前記第1押圧要素(121)及び前記第2押圧要素(122)の動きを駆動することを備える、
請求項20から25までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記第2押圧要素(122)の動きを駆動することとは独立して、前記第1押圧要素(121)の動きを駆動することを備える、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1押圧力を加えることによって、前記ベース(3)及び前記バルブハウジング(25)を位置合わせすることを備える、請求項20から27までのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーリング装置をハンドリングするための方法及び装置に関する。本開示はまた、ハンドリング装置及び1つ又は複数のシーリング装置を含むアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
シーリング装置は、スパウト付きポーチ容器のスパウト(注ぎ口)等のレセプタクル、例えばボトル、カートン、カップ若しくは缶等の容器、又は飲用に適する(炭酸又は非炭酸)液体を維持するための同様のホルダーを密封するように構成されるタイプのものである。シーリング装置は、レセプタクルの排出開口部を開閉するように構成されてよい。より一般的には、シーリング装置は、レセプタクルに取り付けられるように構造化されたベースを備えていてよく、ベースは、排出導管を形成するスリーブ、ベース上に配置されたバルブハウジングを含むバルブを備え、ベースがレセプタクルに取り付けられたとき、レセプタクルはバルブの上流に配置され、レセプタクルの排出方向は、上流方向とは反対の下流方向を定義し、バルブは、ベースのスリーブ内に少なくとも部分的に突出し、その中で、バルブが閉じられている保管位置と、バルブが閉じられているか又は開かれているもう1つのユーティリティ位置との間で、上流及び下流方向に軸方向に移動可能な排出パイプと、バルブを保護するためにベース及び/又はバルブ上に配置される保護キャップとを更に備える。
【0003】
下記の特許文献1には、さまざまなモード又は位置:シーリング装置のバルブが開かれた開ユーティリティ位置と、(シーリング装置が使用されている状態で)シーリング装置のバルブが通常の方法で閉じられた閉ユーティリティ位置と、バルブが閉じたままになる可能性が高められることを確実するために、バルブが通常の方法よりも強固に閉じられた閉保管位置と、に配置され得るように構造化されたシーリング装置が記載されている。既知のシーリング装置は、(閉)保管位置で気密シーリングを提供する(一方、閉ユーティリティ位置では、シーリングは液密のみを必要とする)。閉保管位置は、本開示において、単に保管位置とも呼ばれる。閉保管位置は、本開示において、単に保管位置とも呼ばれる。例えば、シーリング装置が保管されているとき又は製造現場と充填現場との間を輸送されるとき、バルブは閉保管位置に配置されてよい。代替的又は追加的に、シーリング装置がレセプタクルに接続されるとともにレセプタクルが内容物で満たされた直後、例えば組立現場から店舗へのその輸送中、及びシーリング装置がエンドユーザーによって初めて開かれる前に、シーリング装置が保管位置に保持されてよい。
【0004】
下記の特許文献1は、保管モード/位置において、(飲用)レセプタクルへの飲料の充填、パッキング、輸送及び保管に関連して良好なシーリングとしてシーリングが機能するように、シーリング装置が構造化されることを更に開示している。閉ユーティリティモード/位置では、シーリング装置はまた、飲用レセプタクル内の飲料の消費に関連して良好なシールとして機能するように構造化され、以下、ユーティリティシールと呼ばれる。消費時に、バルブは通常、繰り返し開閉され、従って、シーリング装置は、このタイプのアプリケーションの文脈でも十分に機能できるように構造化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2040991号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、既知のシーリング装置では、レセプタクルが液体で満たされ、その後輸送されるとき、バルブが保管位置にあるべきであるという状況が発生する可能性がある。そうしないと、シーリング装置を有するレセプタクルが完全に液密にならないという小さなリスクがある。例えば、例外的な状況では、充填されたレセプタクルの輸送及び保管中に、シーリング装置から少量の液体が漏れる可能性がある。
【0007】
シーリング装置が接続されるレセプタクルが内容物で満たされた後のシーリング装置の漏れのリスクは、バルブが上記の閉保管位置にあることが確実である場合に更に低減できること、並びにシーリング装置が閉保管位置にないとき(すなわち、開ユーティリティ位置又は閉ユーティリティ位置にあるとき)のレセプタクルの輸送及び/又は保管は避けるべきであることが発明者によって見出された。
【0008】
更に、シーリング装置がレセプタクルに取り付けられる場所から、及び/又はレセプタクルが満たされる場所から離れて、バルブ、シート及びキャップが製造される場合がある。例えば、シーリング装置のバルブ及びシートは、第1地理的位置で1つの共通のシーリングユニットとして製造されることがあるが、第2地理的位置でのみシーリングユニット上にキャップを配置することによってシーリング装置が組み立てられる。これは、第1から第2位置への輸送を必要とする。輸送中(及び場合によっては保管中も)、シーリングユニットのバルブが意図せずに変位する可能性があるため、第2地理的位置に到着したときにシーリング装置が依然として保管位置にあるとともに、第2位置での更なるハンドリング中にシーリング装置が保管位置に留まっていることを保証できない。
【0009】
本開示の1つの目的は、上記の不利な点の1つ又は複数が低減又は除去された、シーリング装置をハンドリングするための方法及び装置を提供することである。
【0010】
漏れの可能性が低減されるシーリング装置をハンドリングするための方法及び装置を提供することもまた、本開示の1つの目的であり得る。
【0011】
本開示の1つの目的は、シーリング装置の効率的な組み立てを可能にするシーリング装置をハンドリングするための方法及び装置を提供することであり得る。
【0012】
本開示の1つの目的は、シーリング装置のバルブを信頼できる方法で完全に閉じた位置に配置するための方法及び装置を提供することであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
レセプタクルを密封するためのシーリング装置をハンドリングするためのハンドリング装置において、少なくとも1つの目的が少なくとも部分的に達成され得る。シーリング装置は、
-レセプタクルに取り付けられるように構造化されたベースであって、排出導管を形成するスリーブを備えたベースと
-ベース上に配置されたバルブハウジングを含むバルブであって、ベースがレセプタクルに取り付けられているとき、レセプタクルはバルブの上流に配置され、レセプタクルの排出方向は上流方向とは反対の下流方向を定義し、ベースのスリーブ内に少なくとも部分的に突出し、その中で、バルブが閉じられている保管位置とバルブが閉じられているか又は開かれているもう1つのユーティリティ位置との間で、上流及び下流方向に軸方向に移動可能な排出パイプを更に備えるバルブと
を備えるタイプのものであってよい。ハンドリング装置は、シーリング装置のバルブの排出パイプを保管位置に配置するように構成されていてよく、ハンドリング装置は、
-ベースの下流側に配置されているか又は配置される支持体であって、ハンドリング装置を支持するように構成された支持体と、
-ベースの上流側に配置されているか又は配置される押圧装置であって、ベース及び/又はバルブハウジングに第1押圧力を加えて、少なくともベース及びバルブを支持体に対して付勢するとともに、バルブの排出パイプに第2押圧力を加えて、排出パイプをその保管位置に付勢するように構成された押圧装置と
を備える。
【0014】
ハンドリング装置は、ベース及び/又はバルブハウジングに加えられる第1の力よりも大きいか又は小さい第2の力を排出パイプに加えるように構成されてよい。更に、押圧装置は、排出パイプに第2の力を加えることとは独立して、ベースに第1の力を加えるように構成されてよい。これは、ベースの変位とは独立して、排出パイプの変位を引き起こす場合がある。
【0015】
排出パイプが元々保管位置になかった場合、第2押圧力による付勢によって、バルブハウジング及びベースに対して排出パイプが下流方向に変位する可能性がある。
【0016】
押圧装置は、ベースに第1押圧力を加え、それによってベース及びバルブ(並びに幾つかの実施形態では保護キャップにも)を共に押し、それらを支持体に対して所定の固定位置に配置することができ、かつ、バルブ(の排出パイプ)が閉保管位置にあるだろうことを保証するために、バルブの移動可能な排出パイプに第2押圧力を加えることができる。
【0017】
シーリング装置が保護キャップを有しない場合、支持体はバルブを支持するように構成されたバルブ支持体である。バルブ支持体は、例えば、後で説明するように、シーリング装置のクランピングリング及び/又はバルブカラーに接触するように構成されてよい。シーリング装置が保護キャップを有する場合、支持体は、後に同様に説明するように、保護キャップを支持するように構成されたキャップ支持体である。
【0018】
ここで、シーリング装置に加えられる押圧力は、支持体を静止させたまま、押圧装置(の一部)をシーリング装置に向けて移動させることによって達成されてよいことに留意されたい。しかしながら、他の実施形態では、シーリング装置に加えられる押圧力は、支持体がシーリング装置に向けて動かされている間に、押圧装置の一部を静止状態に保つことによって達成される。更に他の実施形態では、押圧装置(の一部)と支持体との両方が互いに向けて動かされる。
【0019】
更に、押圧装置によって押されるバルブハウジングの位置とシーリング装置の寸法との両方が事前に知られているので、排出パイプの正しい保管位置も同様に知られており、正確に正しい位置に到達するまで押圧装置が排出パイプを押すことを可能にする。ハンドリング装置は、正確に正しい保管位置を決定するために、押圧操作の前後に、ベース及び/又はバルブの位置を決定するためのセンサー等を必要としないように、ベース及びバルブハウジングに対する排出パイプの非常に高い位置決め精度を提供することができる。ハンドリング装置は、比較的単純で信頼性の高い構造を有することができ、非常に高いハンドリング速度を可能にすることができる。
【0020】
本開示の実施形態では、保護キャップは取り付けられていないままである:ベースに第1の力を加えることは、バルブをより正確に保管位置に至らせることができるように、ベース、バルブ及びキャップが整列されることを確実にするためにのみ実行される。他の実施形態では、例えば保護キャップが1つ又は複数のスナップフィット要素を備える場合、保護キャップをバルブ及び/又はベースに自動的に取り付けるために、第1の力が代替的又は追加的に加えられる。キャップは、それをベース/バルブアセンブリ上でスライドさせることにより、ベース/バルブに取り付け/ロックされ、保護キャップはバルブカラーに適合するだろう機能を有するだろう。下向きに押すと、バルブカラーが圧縮され、保護キャップのスナップディテールがベースカラーの下にスナップするだろう。従って、保護キャップとバルブ上面との間のインターフェースは、バルブが柔らかい素材であるとき、スナップにプリテンションを生成し、キャップバルブとベースとの間にシールを生成するだろう。
【0021】
従って、ハンドリング装置は、保護キャップをバルブ及び/又はベースに取り付け、かつ、バルブを保管位置に配置するように構成されることができる。好ましくは、取り付け及び位置決めは同時に実行される。例えば、前の製造操作でベース及びバルブがすでに互いに接続されて共通のシーリングユニットを形成しているとき、押圧装置は、(以前の製造作業とは異なる地理的位置で実行される場合がある)更なる製造操作で保護キャップをシールユニットに取り付けることができる場合がある。同時に、結果として得られるシーリング装置(すなわち、ベース、バルブ及び保護キャップを有するシーリング装置)のバルブが保管位置にあることが保証される。従って、シーリング装置は、内容物で満たされるレセプタクルに取り付けられるのに適切な状態になる。
【0022】
本開示の一実施形態では、押圧装置は、ベース及び/又はバルブハウジングに加えられる第1の力よりも大きい第2の力を排出パイプに加えるように構成される。後に説明するように、圧縮ばね等の弾性部材を使用する実施形態では、(本質的に第1の力から独立して加えられる)第2の力は、プッシュ装置の動きを駆動する駆動装置によって決定される一方で、第1の力は、主に圧縮ばねのばね定数によって決定されるであろう。
【0023】
シーリング装置は、排出パイプが下流方向に移動してスリーブの保管シールシートに接触して排出導管を閉じる保管位置と、排出パイプが上流方向に移動して排出導管を開く開ユーティリティ位置と、保管位置と開ユーティリティ位置と間に配置され、排出パイプが移動してスリーブのユーティリティシール部分に接触して排出導管を閉じる閉ユーティリティ位置との間で、軸方向に移動可能であるように排出パイプが構成されるタイプのものであってよい。シーリング装置がこのタイプであるとき、ハンドリング装置は、開ユーティリティ位置から(閉ユーティリティ位置を介して)保管位置に、又は閉ユーティリティ位置から保管位置に、排出パイプを移動させるように構成されてよい。
【0024】
本開示の実施形態では、バルブ及びベースは、閉保管位置と閉ユーティリティ位置との間の排出パイプの移動を可能にするように構成され、閉保管位置では閉ユーティリティ位置よりもバルブがより強固に閉じられる。閉保管位置では、ハンドリング中、すなわち輸送中及び/又は保管中に、バルブが閉じられたままになる可能性が高められることを確実にするために、バルブが閉じられる。
【0025】
シーリング装置の排出パイプが上流シール部材を備えるとき、ハンドリング装置、例えば、ハンドリング装置の押圧装置の第1押圧要素は、上流シール部材に接触し、排出パイプがその保管位置に達するまで上流シール部材を下流方向に移動させるように構成されてよい。より一般的には、押圧装置は、
-排出パイプに対して、例えば排出パイプの上流シール部材に対して、配置される第1接触面を備える第1押圧要素と、
-ベースに対して配置される第2接触面を備える第2押圧要素と
を備え、第1及び第2押圧要素は、互いに対して軸方向に変位するように構成されてよい。
【0026】
静止ベース及び/又はバルブの静止部分(すなわち、バルブのハウジング上)にのみ力を加えるように第2押圧要素が構成される一方で、第1押圧要素は、バルブの移動可能な排出パイプにのみ(すなわち、直接的又は間接的に)押圧力を加えるように構成されてよい。
【0027】
上記のように、ハンドリング装置の駆動装置は、第1押圧要素の動きを駆動し、かつ、第2押圧要素の動きを駆動するように構成される。原則として、第1押圧要素は、第2押圧要素から独立して変位されることができる。特定の実施形態では、駆動装置は、第1押圧要素の動きを駆動するための第1駆動ユニットと、第1押圧要素を駆動することとは独立して、第2押圧要素の動きを駆動するための(別個の)第2駆動ユニットとを備える。代替的又は追加的に、駆動装置は、
-第1押圧要素の動きを駆動するための第1駆動ユニットと、
-第1及び第2押圧要素の間に接続されるとともに、第1押圧要素の移動とともに第2押圧要素を移動させるように構成された、少なくとも1つの弾性部材(例えば、圧縮ばね又は同様の弾性要素)と
を備えていてよい。これにより、ハンドリング装置は、単一の駆動ユニットを使用して、第1押圧要素を直接的に駆動するとともに、第2押圧要素を間接的に駆動するだけで、ベース及びバルブのそれぞれに加えられる力の適切な量を依然として確保することができる。
【0028】
本開示の実施形態の1つでは、駆動装置は、
-第1段階において、第2押圧要素がベースに隣接するまで、第1押圧要素の下流方向の軸方向の移動と一緒に第2押圧要素を移動させ、
-第2段階において、第1押圧要素を下流方向に移動させ続けながら、ベース、バルブ及び保護キャップを互いに対して配置するとともに、保護キャップをキャップ支持体に対して付勢するために、第2押圧要素がベースに押圧力を加え、
-第3段階において、バルブの排出パイプに対する押圧を第1押圧要素が開始し、排出パイプを保管位置に至らせる
ように構成される。
【0029】
本開示の実施形態では、ハンドリング装置の第1押圧要素は細長い押圧ロッドを備え、第2押圧要素は押圧ロッドの周りに同心円状に配置された管を備える。第1及び第2押圧要素は、互いに対して軸方向に移動可能であるように構成される。これらの実施形態の1つでは、第2押圧要素は、第1押圧要素にばね積載されている。第1及び第2押圧要素は、互いに独立して、ベース及びバルブの1つ又は複数の特定の部分に力を加えることができる。第1押圧要素は、一片の材料によって形成され得る。他の実施形態では、第1押圧要素は、第1押圧ロッド部分と、交換可能な第2押圧ロッド部分とを備える。第2押圧ロッド部分は、一般に、第1押圧ロッド部分と位置合わせされ、第1押圧ロッド部分に取り外し可能に取り付けられてよい。更に、2つ以上の交換可能な第2押圧ロッド部品が提供されてよく、第2押圧ロッド部分のそれぞれは、例えばバルブの上流シール部材に適合された、異なる排出パイプの形状に適合された異なる接触面を有する。従って、第1押圧要素の接触面は、特定のタイプのシーリング装置に合わせて調整されることができる。
【0030】
シーリング装置は、異なる方法でハンドリング装置上に配置することができる。ハンドリング装置上に、すなわち押圧装置とキャップ支持体との間にシーリング装置を配置するための手段(例えば、組立ライン、コンベヤー、自動システム、手動システム等)が提供されてよい。
【0031】
本開示の更なる態様によれば、本明細書で定義されるようなハンドリング装置及び少なくとも1つのシーリング装置のアセンブリが提供される。
【0032】
本開示の更に別の態様によれば、ハンドリング装置においてシーリング装置をハンドリングする方法であって、
-キャップ支持体とハンドリング装置の押圧装置との間にシーリング装置を配置することと、
-シーリング装置のベース及び/又はバルブハウジングに第1押圧力を加えて、ベース、バルブ及び保護キャップをキャップ支持体に対して付勢することと、
-バルブの排出パイプに第2押圧力を加えて、排出パイプをその保管位置に付勢することと
を備える、方法が提供される。
【0033】
この方法は、バルブ及び/又はベースに保護キャップを取り付けるとともに、バルブを保管位置に配置することを備えていてよい。
【0034】
この方法は、ベース及び/又はバルブハウジングに加えられる第1の力よりも大きい第2の力を排出パイプに加えることを備えていてよい。
【0035】
排出パイプが下流方向に移動してスリーブの保管シールシートに接触して排出導管を閉じる保管位置と、排出パイプが上流方向に移動して排出導管を開く開ユーティリティ位置と、保管位置と開ユーティリティ位置と間に配置され、排出パイプが移動してスリーブのユーティリティシール部分に接触して排出導管を閉じる閉ユーティリティ位置との間で、シーリング装置の排出パイプが軸方向に移動可能であるように構成された実施形態では、この方法は、開ユーティリティ位置又は閉ユーティリティ位置から保管位置に排出パイプを移動させることを備えていてよい。
【0036】
排出パイプが上流シール部材を備える実施形態では、この方法は、上流シール部材に接触することと、排出パイプがその保管位置に到達するまで下流方向に上流シール部材を移動させることとを備えていてよい。
【0037】
第1接触面を備える第1押圧要素と、第2接触面を含む第2押圧要素とを押圧装置が備える実施形態では、この方法は、シーリング装置のベースに向けて第2押圧要素を移動させ、ベースに対する押圧力を第2押圧要素の第2接触面に加えさせることと、シーリング装置の排出パイプに向けて第1押圧要素を移動させ、排出パイプに対する押圧力を第1押圧要素の第1接触面に加えさせることとを備えていてよい。
【0038】
この方法は、押圧装置に接続された駆動装置を使用して第1押圧要素及び第2押圧要素の動きを駆動すること、及び/又は第2押圧要素の動きを駆動することとは独立して第1押圧要素の動きを駆動することを更に備えていてよい。更に、この方法は、第1押圧力を加えることによって、ベース及びバルブハウジングを位置合わせすることを備えていてよい。
【0039】
本開示の更なる利点、特徴及び詳細は、その幾つかの例の説明を参照して解明されるであろう。説明では、添付の図を参照されたい。これらの図は概略図であり、構成要素の相対的な寸法及び位置に関して多少歪んでいるかもしれない。一般に、類似又は対応する図の詳細には、以下で同じ又は類似の参照番号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、シーリング装置の第1実施形態及びレセプタクル(の一部)上の、部分的に切り取られた、分解側面図である。
図2A図2Aは、シーリング装置の第2実施形態の斜視側面図を示す。
図2B図2Bは、図2Aの第2実施形態のそれぞれの切り取った側面図を示す。
図2C図2Cは、図2Aの第2実施形態のそれぞれの切り取った側面図を示す。
図3A図3A~Cは、それぞれ、保管モード、開ユーティリティモード、及び閉ユーティリティモードでの、シーリング装置の実施形態の縦断面図を示している。
図3B図3A~Cは、それぞれ、保管モード、開ユーティリティモード、及び閉ユーティリティモードでの、シーリング装置の実施形態の縦断面図を示している。
図3C図3A~Cは、それぞれ、保管モード、開ユーティリティモード、及び閉ユーティリティモードでの、シーリング装置の実施形態の縦断面図を示している。
図4A図4A~4Bは、それぞれ、シーリング装置の更なる実施形態の断面図及び分解図を示す。
図4B図4A~4Bは、それぞれ、シーリング装置の更なる実施形態の断面図及び分解図を示す。
図5図5は、シーリング装置の更に別の実施形態の切り取った側面図を示している。
図6A図6A~6Cは、シーリング装置の更なる実施形態の分解図を示している。図6A~6Cは、ベースへのバルブの固定の代替的な実施形態を示している。
図6B図6A~6Cは、シーリング装置の更なる実施形態の分解図を示している。図6A~6Cは、ベースへのバルブの固定の代替的な実施形態を示している。
図6C図6A~6Cは、シーリング装置の更なる実施形態の分解図を示している。図6A~6Cは、ベースへのバルブの固定の代替的な実施形態を示している。
図7A図7A及び7Bは、それぞれ第1及び第2位置にあるハンドリング装置の実施形態の縦断面図である。
図7B図7A及び7Bは、それぞれ第1及び第2位置にあるハンドリング装置の実施形態の縦断面図である。
図8図8は、保護カバーを有しないシーリング装置をハンドリングすることに特に適した、ハンドリング装置の別の実施形態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
<図面の具体的な説明>
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは明らかであろう。他の例では、本発明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造及び装置は余す所なく詳細には説明されていない。
【0042】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び図示される個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲からそれることなく他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴事項と容易に分離又は組み合わせることができる別個の構成要素及び特徴事項を有する。詳述された任意の方法は、詳述されたイベントの順序で、又は論理的に可能な他の任意の順序で実行することができる。
【0043】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示物を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するために起草される場合があることに更に留意されたい。従って、この声明は、請求要素の列挙に関連して「単独で」、「のみ」等の排他的な用語を使用する、又は「否定的な」制限を使用するための先行する基礎として機能することを目的としている。
【0044】
シーリング装置が保管される際に使用される保管位置、シーリング装置の排出通路を開くための開ユーティリティ位置、及びシーリング装置の排出通路を閉じるための閉ユーティリティ位置を有するシーリング装置の例が国際公開第2008/016307号において説明されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
図1は、容器のレセプタクル50のアセンブリの概略分解図(容器は、示されていないが、液体又は液体様媒体を運ぶことができる任意の容器又はホルダー、例えば可撓性のスパウト付きポーチ容器、ボトル、缶、飲用カートン等であり得る)及び本開示によるシーリング装置1の第1実施形態を示している。
【0046】
シーリング装置1は、レセプタクル50に接続されている(される)ベース3と、ベース3に取り付けられている(られる)バルブ4とを備える。ベース3は、少なくとも壁パーテーション31と管状ベース壁7とを備える静止ベースハウジング21を備える。更なる実施形態、例えば図2A~2Cの実施形態では、ベースハウジング5はまた、管状接続部分11を備え、一方、ベースハウジング5はまた、後述するように、円筒形フランジ39を備えていてよい。ベース3はまた、ベース通路(すなわちベース3を通る通路)が設けられる排出導管8を備える。このため、ベースハウジング21は、排出導管8の一部として管状本体6(ここではスリーブ6とも呼ばれる)を備えていてよい。
【0047】
同様に、バルブ4は、ベースハウジング21に取り付けられる静止バルブハウジング25を備える。静止バルブハウジング25は、管状取付壁37及びバルブカラー13を備えていてよい。バルブ4はまた、静止バルブハウジング25に対して移動可能なように構成された幾つかの部品を備える。例えば、バルブ4は、バルブ通路が設けられている排出パイプ10を備える。バルブ4がベース3上に配置されたとき、ベース3の排出導管内のベース通路とバルブ4の排出パイプ内のバルブ通路とが共に、シーリング装置1及び外部に接続されたレセプタクル50(の容器)の内部から閉鎖可能又は密封可能な通路を形成し、これによって、以下に説明するように、容器の内容物を分配することが可能となる。
【0048】
図示される実施形態では、壁パーテーション31は、排出導管8に対して少なくとも部分的に径方向に延びる。壁パーテーション31に接続されるか又はそれと一体的に形成されるのは、3つの同心軸方向管状壁:比較的大きな直径を有する管状ベース壁7、小径の円筒形フランジ39、及び中間径(すなわち、円筒形フランジ39の直径より大きく、管状ベース壁7の直径よりも小さい直径)を有するリング状接続部分56である。ベース3は更に、ベース3の管状ベース壁7のほぼリング状の径方向に突出する部分によって形成されたベースカラー15を備える。ベースカラー15は、好ましくは、管状ベース壁7の上流自由端に配置される。
【0049】
バルブ4は、排出パイプ10の内側管状壁34に上壁33を介して接続された外側管状壁32を更に備える。外側管状壁32は、排出パイプ10の内側管状壁34よりも大きな直径を有する管を規定し、内側及び外側管状壁34,32間のギャップ35を規定する。更に、外側壁32は、リング状の可撓性(弾性)壁36で形成され、一方、可撓性壁36は、次に、管状取付壁37で形成されるか又は管状取付壁37に接続される。可撓性壁36は、バルブ4の下流部分が、静止ベース3に対して軸方向上流方向又は軸方向下流方向に移動することを可能にする。管状取付壁37の自由端に、バルブカラー13が形成される。バルブカラー13は、バルブ4の管状取付壁37のほぼリング状の径方向に突出する部分として構成される。
【0050】
図示される実施形態では、レセプタクル50は、例えば可撓性フィルム材料の部分を互いに溶着することによって形成された容器等の可撓性容器の壁に任意の既知の方法で取り付ける(例えば溶着する)ことができる容器取付フランジ部分52を下端に設けた管状スパウト部材54を備えるスパウト51である。管状スパウト部材54にはまた、スパウトの軸方向に対して横方向に延びる横フランジ53が設けられており、フランジは、例えば、ラベル付け機及び/又は充填機におけるスパウト付き容器のより容易なハンドリングのために設けられている。管状スパウト部材54は、円周接続要素49を更に備える。図示の実施形態では、円周接続要素49は、管状スパウト部材54から径方向に突出するフランジ状突起を備える。同様に、ベース3は、リング状接続部分56を備えていてよい。リング状接続部分56は、管状スパウト部材54の円周接続部分49に係合するように構成された可撓性下縁を有していてよい。ベース3のリング状接続部分56は、ベース3を飲用レセプタクル50に強固に固定するために、管状スパウト部材54の円周接続部分49の外径と一致するか又はわずかに小さい内径を有していてよい。より具体的には、管状スパウト部材54の接続部分49の突起のようなフランジを接続部分56がクリックし、それによってシーリング装置1をレセプタクル50に固定するように、ベース3はレセプタクル50の排出端上を滑らされてよく、ベース3の可撓性接続部分56はレセプタクル50の接続部分49上で強制的にスライドされてよい。
【0051】
管状スパウト部材54の外面は、(接続部分49と排出端55との間の軸方向位置で)複数の外部軸方向リブ/溝48を備えていてよい。外部軸方向リブ/溝は、好ましくは、管状スパウト部材外面の円周にわたって均一に分布される。外部軸方向リブ48は、レセプタクル50に対するベース3の回転運動を防止するため、壁パーテーション31(図1を参照)に接続されるか又は壁パーテーション31(図1を参照)と一体的に形成された円筒形フランジ39の内面上のベース3の内側に設けられた対応するリブ/溝47と係合するように構成される。これは、レセプタクル50に対するベース3の回転による意図しない摩耗を低減する可能性があり、さもなければ、レセプタクル50へのシーリング装置1の接続の信頼性を低下させる虞がある。
【0052】
図2A~2C及び3A~3Bは、本開示によるシーリング装置1の第2実施形態を示している。図2A~2Cは、シーリング装置1の第2実施形態(の詳細)の様々な側面図を示す(図2B及び2Cは部分的に切り取られている)。第2実施形態は、リング状接続部分56及び円筒形フランジ39がないことを除いて第1実施形態に対応する。図3A~3Cは、更なる実施形態の概略断面図であり、図1及び2A~2Cのシーリング装置と共通であるシーリング装置の一部を示している。
【0053】
図1に示される第1実施形態では、スパウト付き容器の一部を形成するスパウト51であるようにレセプタクル50が示されるとともに、ベースの内側(より具体的には管状ベース壁7によって規定される容量の内側)に配置されたリング状接続部分56を使用してベース3がスパウト51に取り付けられていたが、レセプタクルはまた、ボトルのような、例えばガラス又はプラスチックボトル等の別のタイプの容器の一部であるか又はその容器を形成してよい。また、この場合、シーリング装置のベース3は、リング状接続部分によってレセプタクルに取り付けられてよい。しかしながら、ベース3は別の方法でレセプタクルに取り付けることもできる。例えば、図2A~2Cに示される第2実施形態を参照すると、シーリング装置1は、例えばボトルの排出端等の飲用レセプタクルに異なる方法で取り付けることができる。このため、シーリング装置1は、シーリング装置1がレセプタクルの排出端内にフィットされ得るように、飲用レセプタクルの排出端の内径と一致する外径を有する(例えば、ベース3の前述の管状ベース壁7の自由円筒形端によって形成される)管状接続部分11を備えていてよい。代替的に、後述するように、管状接続部分11は、シーリング装置1が飲用レセプタクルの排出端外にフィットされ得るように、飲用レセプタクルの排出端の外径と一致する内径を有していてよい。
【0054】
シーリング装置1の上部に、例えば輸送及び/又は保管中に、シーリング装置1の無菌特性を確保するために、オーバーキャップ60(本明細書では、カバー蓋、ダストキャップ又はエンドキャップとも呼ばれる、図5を参照)を配置することができる。更に、オーバーキャップ60は、例えばシーリング装置の製造業者から容器が充填される充填現場へのシーリング装置の輸送段階等における、バルブの望ましくない開放を防止し得る。
【0055】
通常、シーリング装置は、第1地理的位置で製造され、保管の準備ができてから、遠隔の第2地理的位置に輸送される。シーリング装置が第2位置に到着したときのみ、容器のレセプタクルにシーリング装置が取り付けられる。同じ位置又は更なる地理的位置で、容器は内容物で満たされ、使用できるようになる。上記の保管モード又はシーリング装置の位置は、バルブ4の製造直後のバルブ4の位置に対応している。次に、シーリング装置1は、製造現場から組み立て及び/又は充填現場に輸送されるように保管する準備ができており、そこでは、シーリング装置がレセプタクルに接続されるとともに、(任意選択で)関連する容器が充填される。容器が満たされると、バルブは保管位置に保持され、エンドユーザーによる最初の開放の備えでき得る。
【0056】
図2A~2Cを参照すると、第2実施形態によるシーリング装置1のバルブ4は、内側管状壁34を備える軸方向に移動可能な排出パイプ10を備える。排出パイプ10の内側管状壁34は、ベース3の短い移動不可能な管状体又はスリーブ6の内側に着座されており、スリーブ6は排出導管8の一部である。移動不可能な管状体/スリーブ6は、本明細書では、静止スリーブ6とも呼ばれる。図2Bは、壁パーテーション31の形で周囲支持構造に接続されているか又は周囲支持構造と一体的に形成された静止スリーブ6を示している。前述のように、壁パーテーション31は、ベース3がレセプタクル50に強固に接続されることを可能にするように構成された管状接続部分11に接続されるか、又はその管状接続部分11に一体形成されてよい。
【0057】
図3A~3Cに示されるように、排出パイプ10は、スリーブ6内で同軸に配置され、(少なくとも)3つの異なる軸方向位置間で静止スリーブ6に対して軸方向(図では上向き及び下向き)に移動可能である。排出パイプ10は、軸方向に移動可能であり、バルブ作動用に構成されている。より具体的には、排出パイプ10は、シーリング装置1を通る液体の通過を開閉することができるバルブステムの形態の操縦体を構成する。排出パイプ10は、その上流端に上流シール部材12を備える。上流シール部材は、端壁12によって形成されてよい。排出パイプ10のこの端壁は閉じているが、排出パイプ10の側面には、バルブが図3Bの開ユーティリティ位置にあるとき、液体が容器からベース通路及びバルブ通路を通して外部に流れることを可能とする1つ又は複数の径方向開口部16が存在する。
【0058】
図2Bに示されるように、排出パイプ10の内側管状壁34は、上壁33を介して外側管状壁32に接続されている。外側管状壁32は、内側及び外側管状壁34,32間にギャップ35を規定するために、排出パイプ10の内側管状壁34よりも大きな直径を有する管を規定する。更に、外側壁32は、軸方向に対して斜め又は横方向に延びる可撓性(弾性)壁36(図1,2A,2Bを参照)で形成され、一方で、可撓性壁36は、次に、管状取付壁37で形成されるか、又は管状取付壁37に接続される。一方、バルブ4の管状取付壁37は、後で説明するように、静止ベース3に強固に取り付けることができる。可撓性壁36は、バルブ4の移動不可能な(静止)管状取付壁37に対して(そしてもちろん、バルブ4が接続されている移動不可能な(静止)ベース3に対しても)、外側管状壁32(従って排出パイプ10も)が、保管位置、開ユーティリティ位置及び閉ユーティリティ位置の間で上向き又は下向きに移動可能であることを可能にする。
【0059】
排出通路を開閉するために、バルブ4は、シール体9、好ましくはスリーブ6に向けて外向きに延びる弾性リング状シールカラー14によって形成されたシール体9を備える。シール体9は、排出パイプ10の上流シール部材(上流端壁12)に位置される。シールカラー14は、本質的に弾性を有する適切なプラスチック材料から形成されてよい。上記のように、排出パイプ10には、幾つかの管壁径方向開口部16も設けられている。これらの径方向開口部16は、シールカラー14のすぐ下流に位置する。それによって、バルブが開ユーティリティモードにあるとき、管壁開口部16及び排出パイプ10を通して液体の排出が行われる。その内周に沿って、スリーブ6には、スリーブ6内に延びるリング状シールバルブ18(図2B、及びより詳細には図3A~3Cを参照)が設けられている。シールバルブ18は、図3Aに示されるように、バルブ4が保管モードにあるときに、前記シールカラー14のレセプションを密封するように構造化された、上流に向けられた保管シールシート20を含む。これが可能なのは、シールカラー14がシールバルブ18の上流領域に位置しているためである。
【0060】
更に、スリーブ6には、同様にシールバルブ18の上流に配置されるとともに、スリーブ6内の幾つかのユーティリティシールシートの1つである、上流に向けられたリング状エンドシート22が設けられている。この例示的な実施形態では、エンドシート22は、スリーブ6の上流端24に形成された上流に向けられた斜角エッジからなる。エンドシート22は、図3Cに示すように、バルブ4が閉ユーティリティモードにあるときに、シールカラー14のレセプションを密封するように構造化されている。従って、バルブ4は、図3Bに示すように、バルブ4が開ユーティリティモードにある場合に、バルブの排出方向に対するシールカラー14の上流に向けられた移動し、エンドシート22から離れるという効力により、排出導管8を開くように構造化されている。図3Bでは、排出方向は下流に向けられた矢印で示され、バルブ開放中のシールカラー14の移動方向は上流に向けられた矢印で示されている。
【0061】
シールバルブ18はまた、下流に向けられたリング状ストップシート26を含む。このストップシート26は、前記管壁開口部16の下流及びシールバルブ18の下流に位置する領域において排出パイプ10の周りに形成された外部ストップカラー28との動きを制限する接触のために構造化されている。図3Bは、上流に向けられるとともにバルブを開口する排出パイプ10の軸方向の移動に続いて、ストップシート26と接触しているストップカラー28を示している。
【0062】
スリーブ6はまた、前記エンドシート22とシールバルブ18との間の縦方向部分に位置された内部及び円筒形シール部分30を含む。この実施形態の例では、シール部分30全体が、シールカラー14に対してスライドシールするように構造化されている。その径方向に拡張された位置にあるとき、このシールカラー14は、図3Cに示されるように、内部円筒形シール部分30の直径よりわずかに大きい直径を有するように配置される。従って、円筒形シール部分30は、連続的な保管シールシート及びユーティリティシールシートの両方として機能することができ、シールカラー14は、シール部分30に配置されるときに径方向にいくらか圧縮される。従って、保管シールシート20,30及びユーティリティシールシート22,30のすべては、下流方向へのシールカラー14の移動中にシールカラー14に対して密封するように構造化されている。
【0063】
図2Bの上部は図2Aのシーリング装置1の部分的に切り取られた側面図を示し、図2Bの下部はシーリング装置1のベース3の下端の詳細な断面を示している。ベース3は、バルブ4を支持し、開ユーティリティモード、閉ユーティリティモード及び/又は保管モードにバルブ4が配置されることを可能にするように構成されている。このために、ベース1は、レセプタクル50に取り付けられるように構成された管状接続部分11を備える。管状接続部分11は、管状ベース壁7に接続されるか、又は管状ベース壁7と一体的に形成されている。管状ベース壁7は、壁パーテーション31に接続されるか、又は壁パーテーション31と一体的に形成されている。また、壁パーテーション31の上部は管状の形状を取り、スリーブ6を構成する。排出パイプ10は、そのスリーブ6に対して変位され得る。パーテーション壁31にはまた、排出パイプ10が軸方向に移動するのに十分なスペースを設けるように、ベース3のパーテーション壁31の外側と外側管状壁32及び可撓性(弾性)壁36の内側との間にギャップを形成する環状軸方向リム2が設けられている。例えばユーザがユーザの唇をバルブに押し付けること等によって、軸方向の力が上流端壁12の方向にバルブ4に加えられる場合、バルブ4の排出パイプ10が、保管モード又は閉ユーティリティモードから閉ユーティリティモード及び/又は開ユーティリティモードに動かされる。パーテーション31に面するバルブ4の壁部分36の弾性特性のために、前記力の作用が解放された後、バルブ4のスリーブ6が、開ユーティリティモードから閉ユーティリティモードにベース3に対して動かされることができる。
【0064】
例えば、図2B及び3Bでは、シーリング装置1が保管モードにあるように示され、前記力の作用は、上流方向の上流端壁12を閉ユーティリティモードに移動させることができ(図3Cを参照)、前記方向に力を更に加えることで、上流端壁12を前記方向に更に移動させることができ、それにより、シーリング装置1を開ユーティリティモード(図3Cを参照)とすることができ、それにより、シーリング装置1の上流に配置された飲用レセプタクルから流体が流れることが可能になる。
【0065】
原則として、第1又は第2実施形態のバルブ4は、固定されていない方法でベース3上に配置されることができる。例えば、バルブ4及びベース3は、キャップ、キャップ状カバー等に一緒に取り付けることができ、キャップは、クリックのような方法でベース3及びバルブ4をキャップ、キャップ状カバー等に取り付けるために、バルブカラー13及び/又はベースカラー15のシートとして機能する径方向に狭くなった部分を備える。しかしながら、そのような取り付け方法は信頼に欠ける場合があり、ベース3及びバルブ4が緩むか、又はそれらのシール特性が損なわれる虞がある。従って、バルブカラー13及びベースカラー15の少なくとも一部及び/又はその近くで、バルブ4及びベース3を固定的に接続する必要がある。
【0066】
シーリング装置1全体のより信頼性の高い密封を達成するために、本開示では、バルブ4及びベース3を互いに固定することが検討される。固定接続は、リング状取付要素を両方のカラー13、15上に配置するとともに、それをベース3のベースカラー15とバルブ4のバルブカラー13との両方に取り付けることによって、本開示の実施形態に従って達成することができる。他の実施形態では、リング状取付要素は、ベースカラー15又はバルブカラー13のいずれかの一体部分であってよい。これらの実施形態では、リング状取付要素は、他のカラー13、15に取り付けられるだけでよい。
【0067】
図1及び2A~2cを参照すると、バルブ4及びベース3は、クランピングリング40を使用して互いに接続されてよい。ベース壁7はベース3の径方向に突出する円周ベースカラー15を備え、一方でバルブ4の管状取付壁37は、同様の径方向に延びる円周方向バルブカラー13を備える。バルブカラー13をベースカラー15上に配置した後、バルブカラー13及びベースカラー15の両方に接触するように、ベースの周りにクランピングリング40を配置することができる。接着及び/又は溶着(例えば、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着又はスナップ)等の任意の取り付け技術によって、バルブカラー13及びベースカラー15の両方にクランピングリング40を接続してよい。好ましくは、クランピングリング40は、超音波溶着によってバルブカラー及び/又はベースカラー15に固定的に接続されている。クランピングリング40は、好ましくは、バルブ4のバルブカラー13の径方向に延びる部分を覆う少なくとも部分と、バルブカラー15に固定的に接続された少なくとも部分とを備える。それにより、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動(軸方向移動と回転移動との両方)が防止される。
【0068】
クランピングリングは、それらが互いの上に配置されると、カラー13,15の周りに配置される別個のリングであってよい。他の実施形態では、クランピングリング40は、ベースカラー15又はバルブカラー13のいずれかの一体的に形成された部分である。図2B及び2Cの実施形態では、クランピング40は、ベースカラー15と一体的に形成されている。クランピングリング40は、やはり接着及び/又は溶着によって、他のカラーに取り付ける(接着される及び/又は溶着される)だけでよい。
【0069】
再び図2B及び2Cに示される実施形態を参照すると、バルブ4及びベース3は、それらの接合前には別個の要素である。クランピングリング40はベースカラー15と一体的に形成され、それによりベースカラーギャップ17(図2Cを参照)がクランピングリング40の一部とベースカラー15の一部との間に形成され、ギャップ17の形状は、ギャップ17にフィットされるバルブカラー13の部分の形状に実質的に対応するようにされているとともに、バルブカラー13が前記ギャップ17にフィットされるとき、ベースカラー15に対するバルブカラー13の軸方向の移動が防止されるようにされている。このため、バルブカラー13がギャップ17に適用されるとき、クランピングリング40は、クランピングリング40の一部がバルブカラー13上にスナップするように構成されていてよく、それにより、ベースカラー15に対するカラー13の軸方向の移動が防止される。更に、クランピングリング40は、ベースカラー15及び/又はバルブカラー13に更に固定されていてよい。前述のように、クランピングリング40をバルブカラー13に固定することは、接着、熱シーリング、超音波シーリング、RFシーリング、圧力シーリング及び/又はインパクトシーリングによって行うことができる。好ましくは、クランピングリング40は、超音波シーリングによってバルブカラー13に固定的に接続されている。
【0070】
図2Bに戻ると、代替的又は追加的に、ベース3は、ベース壁7の内周で、より具体的にはベース3の管状接続部分11の内周で、(図1のスパウトシート51に対応する)スパウトシート5に取り付けられてよい。スパウトシート5は、管状接続部分11の内径を局所的に減少させる。管状接続部分11は、スパウトによって形成されるレセプタクル上に配置されるように構成されていてよく、スパウトは、管状接続部分11の内部形状に対応する外部形状を有する。例えば、管状接続部分11の内径は、接続部分が取り付けられるスパウトの外径に対応していてよい。スパウトは、例えば、実質的に円筒形の接続部分を有していてよい(図には示されていない)。このような接続部分は、好ましくは、フランジ状の突起を形成する径方向に突出する部分を備え、前記スパウトシート5は、前記フランジと協働してシーリング装置1をスパウトに取り付けるように構成される。例えば、シーリング装置1がスパウトに取り付けられているとき、スパウトシート5は、シーリング装置1がスパウトに対して移動することを防ぐためにフランジ上にスナップされていてよい。
【0071】
代替的又は追加的に、管状接続部分11は、飲用レセプタクルの外ねじ切りにねじ込まれるように構成された内ねじ切りを備えていてよい。更に代替的又は追加的に、上記のように、管状接続部分11の外面は、レセプタクルの接続部分の内周にフィットされるように構成されていてよい。
【0072】
図4A~4Bは、シーリング装置の別の実施形態の部分的に切り取られた斜視図を示している。同様の要素には同様の参照番号が付けられており、その個別の詳細な説明は省略されている。図4A及び4Bの実施形態と図1,2A~2Cの実施形態との違いは、主に、管状ベース壁7及び/又は接続部分11(図2A~2Cを参照)及び接続部分56(図4A~4Bを参照、図1に示されている接続部分と同様),11’及び対応するスパウトシート5’に関連する特徴事項にある。図1の実施形態と同様に、図4A~4Bの実施形態は、スパウト型レセプタクル50の管状スパウト部材54上の接続部分49にスナップフィットするための接続部分56を有する。
【0073】
更に、図4A~4Bの実施形態は、1つ又は複数のベース回転防止リブ及び/又は溝47を備え、これも図1に関連して説明される。リブ/溝47はまた、本明細書に記載される他の実施形態のそれぞれに適用されてよい。
【0074】
図4A~4Bの接続部分56は、その中にスパウトの接続部分を受け入れるように構成される。接続部分56は、管状ベース壁7に対して減少した内径を有する。このため、接続部分56は、パーテーション壁31の底面から始まり、下向きに延びる軸方向管状フランジによってベース3に接続される。この軸方向管状フランジの外端は、接続部分56によって形成される。接続部分56は、シーリング装置1が取り付けられるレセプタクル(例えば、限定はされないが、図1のレセプタクル)の接続部分の外径と一致する内径を有するように構成される。接続部分56の上流部分は、図1に示されるスパウトシート5と同様の目的を有するスパウトシート5’を備えていてよい。レセプタクル50のフランジ状突起49上でのスパウトシート5’のスナップロック動作を受け入れるために、接続部分56が一時的に変形するために、スパウトシート5’は、接続部分56の上流部分に沿って不連続であってよい。
【0075】
図4Bには、バルブ4をベース3に取り付けるための別の構造が示されている。ベース3は、バルブカラー13の外径に対して増加した外径を有する径方向に突出するベースカラー15を備えていてよい。ベースカラー15は、1つ又は複数の溶着リッジ46、すなわち、ベースカラー15の局所的に増加した厚さを備えていてよく、溶着リッジ46は、溶着操作を支援するように構成されている。図4Bの例示的な実施形態では、1つの連続溶着リッジ46が示されている。しかしながら、当業者は、複数の溶着線も適用できることを認識するであろう。溶着ライン46は、連続又は不連続の溶着線であってよく、バルブカラー13の径方向に最も外側の部分よりも径方向に更に延びるベースカラー15の部分に配置されていてよい。別個の要素として示されているクランピングリング40は、バルブ4及びベース3に設けられてよい。クランピングリング40は、溶着ライン46の位置でベースカラー15を介してベース3と接触するであろう。クランピングリング40は、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着によって、好ましくは超音波溶着によって、ベースカラー15に接続される。クランピングリング40は、シーリング装置1の軸方向にバルブカラー13の少なくとも一部を覆っている部分を備える。これにより、ベースカラー15に対するバルブカラー13の軸方向及び回転移動が防止される。
【0076】
図4Bでは、複数の選択的なキャップコネクタ23がクランピングリング40上に示されている。キャップコネクタ23は、クランピングリング40と一体的に形成され得るか、又はキャップをバルブ4及び/又はベースに接続できるように構成された別個の要素であり得る。代替的又は追加的に、キャップコネクタ23は、キャップ及びクランピングリング40が1つの相互接続されたユニットを形成するように、キャップ及びクランピングリング40の両方と一体的に形成されている。例えば、キャップコネクタ23は、図5に示されるようなダストキャップ60と接続するように構成されることができる。この図は、図4A及び4Bのシーリング装置1の斜視図である。図5において、シーリング装置1には、ほこり、固形物、流体、バクテリア又は他の望ましくない物質がシーリング装置1のバルブ4と接触することを防ぐことができるキャップ60が設けられている。更に、キャップ60は、シーリング装置1のバルブ4が意図せずに開ユーティリティモードに押し込まれないようにするか、又はシーリング装置1が保管モードにあるときに、シーリング装置1が意図せずに閉ユーティリティモードに押し込まれるのを防止することができる。キャップ60は、例えば、キャップコネクタ23を介して、取り外し可能な方法でクランピングリング40に取り付けられてよい。このために、キャップ60に対する引張動作がキャップ60へのキャップコネクタ23の接続を断つことができる方法で、キャップコネクタ23をキャップ60に接続することができる。代替的又は追加的に、ダストキャップは、クランピングリング40に反転可能な方法で取り付けられてもよいし、ダストキャップは、永久的又は取り外し可能にクランピングリングに接続された第1部分と、第1キャップ部分にヒンジで接続され、第2部分が閉位置と開位置との間で移動できるようにした第2部分との2つのダストキャップ部品を備えていてよい。
【0077】
図6A~6CCは、シーリング装置の更なる実施形態を示しており、そこではバルブをベースに取り付けるための異なる方法が説明されている。
【0078】
図6Aには、複数の溶着要素41が示されている。溶着要素41は、バルブ4へのベース3の接続前に、ベース3と一体的に形成されてる。ベース3及びバルブ4の接続中に、溶着要素41は、バルブ19の上流側に接続されてよく、これらの溶着要素41は、接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着によって、好ましくは超音波溶着によって、バルブ19の上流側に接続されてよい。そのような接続のために、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動が防止される。
【0079】
更に、幾つかの実施形態では、バルブ19の上流側は、溶着要素41の位置に対応する位置に複数の穴(図示せず)を備えていてよく、溶着先端45に面するベース3の部分でベース3にも溶着要素41が接続され得るように、溶着要素41の少なくとも溶着先端45をその穴を通して突出させることができる。
【0080】
当業者は、溶着要素41が代替的にバルブ4上に配置され得ること、例えば、バルブカラーの代わりにバルブ19の上流側に溶着要素が配置され得ることを認識するであろう。
【0081】
図6Bには、複数の接続要素42が示されている。接続要素42は、バルブ4へのベース3の接続前に、ベース3と一体的に形成される。ベース3及びバルブ4の接続中に、接続要素42は、バルブ19の上流側に接続されてよく、これらの接続要素42は、接続要素42の矢印形状のような端部を、バルブ19の上流側における対応する接続穴43に通すことによって、バルブ19の上流側に接続されてよい。好ましくは、接続要素42が接続穴43を通された後に、その反転を達成することが困難なように、接続要素42の矢印形状のような頭部は、同程度、しかしながら穴の直径よりも僅かに好ましく大きな最大直径を有する。そのような接続のために、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動が防止される。更に、幾つかの実施形態では、接続要素42は、バルブ4に溶着されてよい。
【0082】
当業者は、接続要素42が、代替的に、バルブカラー13及び/又はバルブ4に面するベースカラー15に、例えばベースカラー15に面するバルブカラー13に配置され得ることを認識するであろう。そのような実施形態では、接続穴は、バルブカラー13及び/又はベースカラー15の対応する位置に配置されるであろう。
【0083】
図6Cには、複数のクランピング要素44が示されている。クランピング要素44は、バルブ4へのベース3の接続前に、ベース3と一体的に形成される。ベース3及びバルブ4の接続中に、クランピング要素44は、バルブ19の上流側に接続されてよく、これらのクランピング要素44は、バルブカラー13がクランピング要素44の内向きに尖った突出部を通過するようすることによって、バルブ19の上流側に接続されてよい。その結果として、バルブカラー13は、クランピング要素44を介してベース3にクランプされる。これにより、ベースカラー15に対するバルブカラー13の移動が防止される。更に、幾つかの実施形態では、クランピング要素44はバルブ4に溶着されてよい。当業者は、クランピング要素44が、代替的に、ベースカラー15に面するバルブカラー13上に配置されてよいことを認識するであろう。
【0084】
好ましくは、シーリング装置及びバルブは、例えば適切なエンクロージャを介して、飲用レセプタクルへの解放可能な接続のために構造化されている。バルブの開閉は手動で行うことができるが、それ自体が知られているバルブ作動補助機構がこの目的に使用されてよい。
【0085】
図7A及び7Bは、本開示によるハンドリング装置100の実施形態を示している。図において、ハンドリング装置100は、図2A|~2Cの実施形態によるシーリング装置をハンドリングするように示されている。もちろん、同様のハンドリング装置を使用して、本明細書に記載されている他の実施形態のいずれかをハンドルすることができる。
【0086】
ハンドリング装置100は、シーリング装置1の上流シール部材12を閉保管位置(すなわち保管位置)に配置するように構成されている。ベース3及びバルブ4を備えるシーリング装置1は、例えば先に説明したように、第1位置(例えば工場)で事前に製造され、互いに接続されてシーリングユニットを形成してよい。次に、シーリングユニットは、保護キャップ61がシーリングユニットに接続される第2位置(例えば組み立て現場)に保管及び/又は輸送されてよい。同時に、保護キャップ61がシーリングユニットに接続され、バルブ4が強制的に保管位置に配置されよい。次に、(シーリングユニット及びそれに接続された保護キャップを備える)シーリング装置がレセプタクル50に接続される。同じ位置(又は第2位置から離れた別の場所)で、レセプタクル50が内容物で満たされている場合がある。
【0087】
ベース及びバルブが事前に製造され、(シーリング装置がレセプタクルに取り付けられる、及び/又はレセプタクルが内容物で満たされる第2位置から離れている)第1位置で既に互いに接続されている例示的な状況では、第1位置から第2位置へのシーリング装置の輸送中に、ベース3及びバルブ4が互いに僅かに変位するか、又は更には互いに外れたりする場合があるというリスクがある。これは、例えば、クランピングリング40が使用されていないか又は適切に使用されていないとき等、輸送中にシーリング装置1が大きな揺れ等を受けた結果、又はベース3及びバルブ4が適切に互いに結合されなかった結果である可能性がある。この状況が発生する可能性があるという事実は、シーリング装置の輸送後、シーリング装置がレセプタクルに取り付けられる段階、及び/又はレセプタクルが内容物(例えば液体)で満たされている段階で、満たされるレセプタクル及び満たされたレセプタクルが更にハンドリングされるための適切な位置又はモード(例えば保管位置)にバルブ(の排出パイプ)があるということが完全に確実ではないことを意味する。従って、バルブの排出パイプが正しい位置にあることを確認する必要がある。
【0088】
また、シーリング装置1の一部を形成するベース3及びバルブ4が異なる位置で製造され、シーリング装置1をレセプタクルに取り付ける及び/又はレセプタクルを内容物で満たす直前にのみシーリング装置が組み立てられる例示的な状況において、満たされるレセプタクル及び満たされたレセプタクルを更にハンドリングするための適切な位置又はモード(例えば保管位置)にバルブ(の排出パイプ)があるかどうかが定かではない。同じことが、ベース3及びバルブ4が第1位置で一体的に接続又は形成され、その後第2位置(例えば充填ステーションの位置)に輸送され得る例示的な状況に当てはまる。これらの状況では、満たされるレセプタクル及び満たされたレセプタクルが更にハンドリングするための適切な位置又はモード(例えば、保管位置)にバルブ4の排出パイプ10がないことが起こる場合がある。
【0089】
これらの例示的な状況のすべてにおいて、シーリング装置1への保護カバーの接続前、及び/又は飲用レセプタクル50上へのシーリング装置1の組立前に、シーリング装置1が保管モードにあることを保証する必要があり得る。実際、ベース3及びバルブ4を接合する前述の方法の間にも、ベース3、バルブ4及び/又はキャップ61がどのように接合されているか又は接合されるか、及びベース、バルブ及び/又はキャップがどのように第2位置で引き渡されるかに関係なく、上流シール部材12を保管位置に付勢する追加ステップを実行することが必要とされる場合がある。
【0090】
シーリングユニットへの保護キャップ61の適切な接続を提供するために、かつ、バルブが保管位置にあることを保証するとともに、ベース3及びバルブ4が互いに適切に位置合わせされていることを確保するために(特に、ベース3及びバルブ4が、例えば、輸送及び/又は保管中に、例えば、互いに対して僅かに変位するように、位置ずれを許容する場合)、本明細書で規定されるようなハンドリング装置100が提供され得る。図7A及び7Bを参照すると、シーリング装置1をハンドリングするためのハンドリング装置100が示されている。ハンドリング装置100は、シーリングユニットと、シーリングユニットの上部に緩く配置された保護キャップ61とを備える。図示の実施形態では、ハンドリング装置100は、保護キャップ61の下流側に配置されるとともに、保護キャップ61を支持するように構成された静止キャップ支持体150を備える。キャップ支持体150は、キャップ61がキャップ支持体150に安定して受け入れられるように、保護キャップ61の形状に適合した形状を有する接触面151を有する。
【0091】
ハンドリング装置100は、ベース3の上流側に配置された押圧装置120を更に備える。押圧装置120は、ベース3、ベース3に接続されたバルブ4、及びバルブ4上に配置された保護キャップ61をキャップ支持体150に対して付勢するために、ベース3に、例えばベース3のパーテーション壁31に、軸方向下流方向(Pd)に局所的に第1押圧力を加えるように構成されている。押圧装置120はまた、排出パイプ10を付勢してその保管位置に動く(又は留まる)ようにするために、バルブ4の排出パイプ10に同じ軸方向下流方向(Pd)に第2押圧力を加えるように構成されている。
【0092】
図7A及び7Bに示される実施形態では、押圧装置120は、第1押圧要素121及び第2押圧要素122を備え、第1及び第2押圧要素の両方は、互いに対して軸方向に移動されることができる。第1押圧要素112は中央の細長い押圧ロッドを備え、第2押圧要素122は押圧ロッドの周りに同心円状に配置された管を備える。押圧ロッド及び管は、互いに対して軸方向に移動できるように配置されている。
【0093】
図7Aを参照すると、管の形状の第2押圧要素122は、ベース3に対して配置される環状接触面124を備えていてよい。同様に、中央の押圧ロッドは、排出パイプ10の形状に、好ましくはその上流シール部材12に、適合された接触面123を備えていてよい。図7Aに示される特定の実施形態では、押圧ロッドは、第1押圧ロッド部分127及び交換可能な第2押圧ロッド部分128から構成される。交換可能な第2押圧ロッド部分128は、このハンドリング装置100によってハンドリングされる特定のタイプのシーリング装置によって、異なる形状の接触面を有する別の押圧ロッド部分と置き換えられ得る。
【0094】
第2押圧要素は、静止ベース及び/又はバルブ4の静止部分(すなわち、バルブのハウジング)にのみ力を加えるように構成される一方で、第1押圧要素121は、バルブ4の移動可能な排出パイプにのみ(すなわち、直接的又は間接的に)押圧力を加えるように構成される。このために、ハンドリング装置100は、駆動装置130を更に備える。駆動装置130は、第1押圧要素112の動きを駆動するとともに、第2押圧要素122の動きを駆動するように構成される。駆動装置130(図にのみ概略的に示される)は、1つ又は複数のリニアアクチュエータ、例えばラックアンドピニオンタイプのアクチュエータを備えることができる。本開示(図示せず)の実施形態では、駆動装置130は、第1押圧要素121の動きを駆動するためのリニアアクチュエータと、第2押圧要素122の動きを独立して駆動するための別個のリニアアクチュエータとを備える。しかしながら、図7A及び7Bにおいて、駆動装置130は、上流及び/又は下流方向に軸方向力161を加えて、第1押圧要素121の往復軸方向運動を引き起こすための第1駆動ユニット(例えばリニアアクチュエータ)を備え、一方で、第2駆動ユニットは、第1及び第2押圧要素121,122の間に接続されるとともに、第1押圧要素121の動きとともに第2押圧要素122を移動させるように構成された少なくとも1つの弾性部材135を備える。弾性部材135は、圧縮バネ又は類似のデバイスであってよい。
【0095】
動作中、シーリング装置1は、ハンドリング装置10内に配置される。本開示の実施形態では、保護キャップ61は、早い段階で互いに接続されたベース3及びバルブ4からなるシーリングユニットの上部に緩く配置され得る。他の実施形態では、ベース3及びバルブ4は、すでに保護キャップに取り付けられている。
【0096】
次に、第1段階において、駆動装置130は、第1押圧要素112がシーリング装置1の方向に移動するように、第1押圧要素121に力161を加える。第1及び第2押付要素121,122の間に弾性部材135が存在するため、第2押圧要素122の接触面124がベースに隣接するまで、第1押圧要素121の下流方向の軸方向の動きと一緒に第2押圧要素122が移動される。
【0097】
第2段階において、駆動装置130は、下流方向に第1押圧要素121に力を加え続ける。その時、弾性要素135のばね作用により、第2押圧要素122が第1の力でベース3に押され、ベース3、バルブ4及びキャップ61が互いに押し付けられ、保護キャップ61をキャップ支持体150に対して付勢する。
【0098】
第3の段階において、駆動装置によって第1要素121に加えられる力が増加する。これにより、第1押圧要素121の接触面123がバルブ4の排出パイプ10の端壁12に到達し排出パイプ10に対する押圧を開始するまで、弾性部材135によって提供される反力に逆らって、第1押圧要素121がシーリング装置に向けて移動する。バルブの現在の位置に応じて、排出パイプ10は、(バルブがまだ保管位置にない場合に)保管位置に向けて移動されるか、又は(既に保管位置にあるバルブの)保管位置に維持される。このようにして、バルブが保管位置に配置されることが確保される。
【0099】
前述のように、キャップ支持体150及び押圧装置120を同時に使用して、シーリングユニット(すなわち、相互接続されたベース3及びバルブ4)の上部に緩く配置された保護カバー61を少なくともに実際に取り付けることができる。本開示の実施形態では、ベース3及び/又はキャップ61は、クランピング手段(例えば、幾つかのスナップフィット要素を含む)を備え、それによって、例えばクリックのような方法で、キャップ61をシーリング装置1に取り付ける。
【0100】
更に、幾つかの実施形態では、ハンドリング装置100は、上記のように、バルブ4及びベース3の接着、熱溶着、超音波溶着、RF溶着、圧力溶着及び/又はインパクト溶着のために構成された他のデバイスと同時に使用されてよい。例えば、バルブ4及びベース3をハンドリング装置100内に入れ、ベース及びバルブをハンドリング装置100内で保持しながら、バルブ4の排出パイプ10の上流部材12を実質的に同時に保管モードとしつつ、バルブ4及びベース3を超音波溶着によって接合することが好ましい場合がある。
【0101】
第1要素121の接触面123は、少なくともその上方向の最も外側の部分において、上流シール部材12の周縁の近くでのみで、上流シール部材12に上方向(Pd)に力を加えるように構成された形状を有していてよい。例えば、図7A及び7Bに示されるような部品128は、概して中空の円筒形を有する外端(上方向)を有していてよい。これにより、上流シール部材12が円対称形状を有しているので、上流シール部材の中心に(直接的に)力が実質的に加えられない。このように、シーリング装置1のベース3のシールバルブ上を移動することを上流シール部材が強制されるように、上方向の力が上流のシール部材に加えられる。これは、更に信頼性の高い保管シールをもたらす可能性がある。一方、上流シール部材の中央に上向きの力が加えられた場合、シール部材の周縁がシールのシールバルブに押し付けられないようにシール部材の形状が変形するかもしれず、例えば、シール部材の周縁がシールバルブを超えるように強制しないようにしながら、シール部材の形状が上向シール部材12の中央部分において変形するかもしれない。
【0102】
図8は、本開示によるハンドリング装置の更なる実施形態を示している。この実施形態では、ハンドリング装置は、保護カバーが設けられていないシーリング装置をハンドリングすることを特に検討されている。図7A及び7Bの前述の実施形態は、ベース/バルブの上部に配置された取り外し可能な保護キャップを有するシーリング装置をハンドリングすることが特に検討されたハンドリング装置に関する。
【0103】
更なる実施形態では、ハンドリング装置は、バルブの下流側に配置されるとともに、バルブ4を支持するように構成された静止バルブ支持体152を備える。このために、バルブ支持体152は、シーリング装置がキャップ支持体152に安定して受け入れられて支持されることができるように、クランピングリング40及び/又はバルブ4のバルブカラー13に接触するように形作られた底部円周端部155を有する円周フランジ154を有するように形作られる。図8は、図7Bに示されたす第2位置に対応する第2位置にあるハンドリング装置を示す。ハンドリング装置は、図7Aに示す第1位置と同様の第1位置に配置されることもできる。
【0104】
上で表現したように、「下向き」及び「上向き」という用語は、図7A,7B及び8の向きのために説明のためにのみ使用され、限定するものではない。例えば、ハンドリング装置100は、シーリング装置1の上に配置されてよい。このような場合、下方向は重力の方向と反対である一方で、上方向は重力と同じ方向である場合がある。当業者は、重力の方向に関する任意の配向が、例えば水平、垂直、斜め、それらの任意の組み合わせ及び/又は任意の反転等、上記の開示に該当することを認識するであろう。
【0105】
本開示の実施形態では、保管シールが所定の位置にあることを確認するために、例えば組立ラインの端に配置されたカメラシステムが設けられる。より具体的には、カメラは、ハンドリング装置を上側から見るように配置されている。カメラは成形入口ポイントに向けられ、この円形ポイントをバルブの外側リム(円形リム)と比較する。これらの2つの円形の詳細が同心である場合、次にバルブが保管モードにあると判断される。それらが同心でない場合、バルブが保管モードにないと判断される。
【0106】
この開示は、記載された特定の態様に限定されるものではなく、そのため、変動する可能性があることを理解されたい。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】