(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】難燃性を有する断熱モジュール
(51)【国際特許分類】
E04B 1/80 20060101AFI20220831BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20220831BHJP
E04C 2/26 20060101ALI20220831BHJP
E04C 2/20 20060101ALI20220831BHJP
B32B 3/24 20060101ALI20220831BHJP
C08L 23/06 20060101ALI20220831BHJP
C08L 31/04 20060101ALI20220831BHJP
C08K 5/00 20060101ALI20220831BHJP
C08K 5/14 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
E04B1/80 100P
E04B1/94 V
E04C2/26 V
E04C2/20 N
B32B3/24 Z
C08L23/06
C08L31/04 S
C08K5/00
C08K5/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578214
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2019016411
(87)【国際公開番号】W WO2021002544
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0080354
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517404186
【氏名又は名称】イルシン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジョンゴン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ギョンミン
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001DE01
2E001GA42
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2E162GB05
4F100AK06A
4F100AK06B
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4J002EW138
4J002EW158
4J002FD138
4J002FD147
4J002FD326
4J002GT00
(57)【要約】
【課題】
本発明の一実施例に係る難燃性を有する断熱モジュールは、互いに少なくとも一部がオーバーラップされないように配置される第1空気層形成部および前記第1空気層形成部の下側に配置される第2空気層を具備する空気層形成部;前記第2空気層形成部の下端をカバーして外部空間と分離させる下側カバー部;および前記第1空気層と前記第2空気層を分離させる中間分離部;を含むものであり、断熱性能を最大化して火災発生時にも難燃性を有することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性を有する断熱モジュールにおいて、
第1空気層を形成する第1空気層形成部および前記第1空気層形成部の下側に配置されて第2空気層を形成する第2空気層形成部を具備する空気層形成部;
前記第1空気層形成部の上端をカバーして前記第1空気層を外部空間と分離させる上側カバー部;
前記第2空気層形成部の下端をカバーして前記第2空気層を外部空間と分離させる下側カバー部;および
前記第1空気層形成部と前記第2空気層形成部との間に配置されて前記第1空気層と前記第2空気層とを分離させる中間分離部;を含み、
前記第1空気層形成部と前記第2空気層形成部は、
前記第1空気層と前記第2空気層との互いに少なくとも一部がオーバーラップされないように配置され、
前記空気層形成部は、
低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートまたはこれらから選択された一つ以上の樹脂100重量部を基準として、
アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヘキサメチレンテトラミン、炭酸水素ナトリウムまたはこれらから選択された一つ以上の発泡剤20~35重量部および
架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.5~1.5重量部を含む、難燃性を有する断熱モジュール。
【請求項2】
前記空気層形成部は、
デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモフタリックアンハイドライド、アンチモントリオキシド、マグネシウムヒドロキシド、アルミニウムヒドロキシドまたはこれらから選択された一つ以上のハロゲン難燃剤8~30重量部、
メラミンシアヌレート、メラミンポリホスフェート、ホスファゼン、メタルヒドロキシメチルフェニルホスフィネートまたはこれらから選択された一つ以上の非ハロゲン難燃剤30~120重量部または
マグネシウムヒドロキシド、アルミニウムヒドロキシド、アンチモニトリオキシド、ジンクボレートまたはこれらから選択された一つ以上の無機難燃剤50~150重量部をさらに含む、請求項1に記載の難燃性を有する断熱モジュール。
【請求項3】
前記上側カバー部は、
前記第1空気層形成部の上端に接着されて断熱を実現する第1断熱部、
前記第1断熱部と離隔して離隔空間を形成し断熱を実現する第2断熱部および
前記離隔空間上に配置される状態変化部を具備し、
前記状態変化部は、
所定の温度で気体に状態変化して所定の温度以上で前記離隔空間を増加させて断熱を実現する、請求項1に記載の難燃性を有する断熱モジュール。
【請求項4】
第1断熱部は、
前記離隔空間上の圧力が所定の圧力に到達する場合、
前記第2断熱部の破断を防止するように前記第2断熱部より先に破断して前記離隔空間上の気体を前記第1空気層に誘導する、請求項3に記載の難燃性を有する断熱モジュール。
【請求項5】
前記中間分離部は、
前記第1断熱部が破断して前記離隔空間と前記第1空気層とが連通した連通空間上の圧力が所定の圧力に到達する場合、
前記第2断熱部の破断を防止するように前記第2断熱部より先に破断して前記連通空間上の気体を前記第2空気層に誘導する、請求項4に記載の難燃性を有する断熱モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃性を有する断熱モジュールに関し、さらに詳細には空気層を通じて断熱性能を有し、火災発生時にも難燃性を有して燃焼しにくい断熱モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に広く使われている建築用断熱材のうち、熱伝導による熱伝達現象のみを対象とする代表的な断熱材としては、ポリスチレン発泡体とポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリウレタン発泡体およびゴム発泡体などのような各種有機物からなる発泡体断熱材と、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレン繊維などを利用した有機繊維系の不織布形態乃至はフェルト型断熱材およびグラスウールとロックウールおよびガラス長繊維などのような無機繊維系の不織布型乃至はフェルト型断熱材などを例に挙げることができ、このような既存の建築用断熱材は構造的な特性上熱伝導度が低くまた、厚さが厚いほど優秀な断熱性を示す特性のため、体積断熱材という用語で区分したりもする。
【0003】
一方、本出願人の先行登録特許である大韓民国登録特許第10-1558953号(2015.10.02.登録)には断熱性が改善された反射型断熱材を開示している。
【0004】
前記登録特許で公知となっている断熱材は内部空気層12、14を有する複層の体積断熱材16、18の上下に表面放射率が低いアルミニウム材質の上下表面フィルム20、22を形成し、また、上下体積断熱材16、18の間には同様に表面放射率が低いアルミニウム材質からなる内部フィルムを形成した後に差し込んで構成されることを特徴とする。
【0005】
しかし、火災発生時、高温および高圧によって上下表面フィルム20、22が容易に破断して上下体積断熱材16、18が火気に直接露出されることによって難燃性が低い問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような問題を解決するためのもので、断熱性能を最大化し難燃性を高めた断熱モジュールを提供しようとするものである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は前述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る難燃性を有する断熱モジュールは、第1空気層を形成する第1空気層形成部および前記第1空気層形成部の下側に配置されて第2空気層を形成する第2空気層形成部を具備する空気層形成部;前記第1空気層形成部の上端をカバーして前記第1空気層を外部空間と分離させる上側カバー部;前記第2空気層形成部の下端をカバーして前記第2空気層を外部空間と分離させる下側カバー部;および前記第1空気層形成部と前記第2空気層形成部の間に配置されて前記第1空気層と前記第2空気層とを分離させる中間分離部;を含み、前記第1空気層形成部と前記第2空気層形成部とは前記第1空気層と前記第2空気層との互いに少なくとも一部がオーバーラップされないように配置され、前記空気層形成部は低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートまたはこれらから選択された一つ以上の樹脂100重量部を基準として、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヘキサメチレンテトラミン、炭酸水素ナトリウムまたはこれらから選択された一つ以上の発泡剤20~35重量部および架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.5~1.5重量部を含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施例に係る難燃性を有する断熱モジュールによると、断熱性能が最大化され、火災発生時にも難燃性を有する長所がある。
【0010】
本発明の効果は前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例に係る断熱モジュールの概略分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る断熱モジュールの概略部分断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る断熱モジュールの難燃性を説明するための概略部分断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る断熱モジュールの難燃性を説明するための概略部分断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る断熱モジュールの難燃性を説明するための概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除等を通じて、退歩的な他の発明や本発明思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案できるであろうが、これもまた本願発明思想範囲内に含まれるものと言える。
【0013】
本発明の一実施例に係る難燃性を有する断熱モジュールは、第1空気層を形成する第1空気層形成部および前記第1空気層形成部の下側に配置されて第2空気層を形成する第2空気層形成部を具備する空気層形成部;前記第1空気層形成部の上端をカバーして前記第1空気層を外部空間と分離させる上側カバー部;前記第2空気層形成部の下端をカバーして前記第2空気層を外部空間と分離させる下側カバー部;および前記第1空気層形成部と前記第2空気層形成部との間に配置されて前記第1空気層と前記第2空気層を分離させる中間分離部;を含み、前記第1空気層形成部と前記第2空気層形成部とは前記第1空気層と前記第2空気層との互いに少なくとも一部がオーバーラップされないように配置され、前記空気層形成部は低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートまたはこれらから選択された一つ以上の樹脂100重量部を基準として、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヘキサメチレンテトラミン、炭酸水素ナトリウムまたはこれらから選択された一つ以上の発泡剤20~35重量部および架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.5~1.5重量部を含むことができる。
【0014】
また、前記空気層形成部はデカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモフタリックアンハイドライド、アンチモントリオキシド、マグネシウムヒドロキシド、アルミニウムヒドロキシドまたはこれらから選択された一つ以上のハロゲン難燃剤8~30重量部、メラミンシアヌレート、メラミンポリホスフェート、ホスファゼン、メタルヒドロキシメチルフェニルホスフィネートまたはこれらから選択された一つ以上の非ハロゲン難燃剤30~120重量部、またはマグネシウムヒドロキシド、アルミニウムヒドロキシド、アンチモニトリオキシド、ジンクボレートまたはこれらから選択された一つ以上の無機難燃剤50~150重量部をさらに含むことができる。
【0015】
また、前記上側カバー部は前記第1空気層形成部の上端に接着されて断熱を実現する第1断熱部、前記第1断熱部と離隔して離隔空間を形成し断熱を実現する第2断熱部、および前記離隔空間上に配置される状態変化部を具備し、前記状態変化部は所定の温度で気体に状態変化して所定の温度以上で前記離隔空間を増加させて断熱を実現することができる。
【0016】
また、第1断熱部は前記離隔空間上の圧力が所定の圧力に到達する場合、前記第2断熱部の破断を防止するように前記第2断熱部より先に破断して前記離隔空間上の気体を前記第1空気層に誘導することができる。
【0017】
また、前記中間分離部は前記第1断熱部が破断して前記離隔空間と前記第1空気層とが連通した連通空間上の圧力が所定の圧力に到達する場合、前記第2断熱部の破断を防止するように前記第2断熱部より先に破断して前記連通空間上の気体を前記第2空気層に誘導することができる。
【0018】
各実施例の図面に示される同一思想の範囲内の機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を使って説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施例に係る断熱モジュールの概略分解斜視図であり、
図2は本発明の一実施例に係る断熱モジュールの概略部分断面図である。
【0020】
図3~
図5は本発明の一実施例に係る断熱モジュールの難燃性を説明するための概略部分断面図である。
【0021】
添付された図面は本発明の技術的思想をより明確に表現するために、本発明の技術的思想と関連性が薄いか当業者から容易に導き出され得る部分は簡略化したり省略した。
【0022】
図1~
図5に図示した通り、本発明の一実施例に係る難燃性を有する断熱モジュール10は、建築物の壁体、防火扉などに設置されて断熱を実現することができる。
【0023】
一例として、前記断熱モジュール10は第1空気層S1を形成する第1空気層形成部110および前記第1空気層形成部110の下側に配置されて第2空気層S2を形成する第2空気層形成部120を具備する空気層形成部100を含むことができる。
【0024】
前記空気層形成部100は前記第1空気層S1および前記第2空気層S2を形成して熱の移動を最小化することができる。
【0025】
ここで、一例として、前記第1空気層形成部110と前記第2空気層形成部120とは前記第1空気層S1と前記第2空気層S2との互いに少なくとも一部がオーバーラップされないように配置され得る。
【0026】
これをより詳しく説明すると、
図2~
図5に図示した通り、前記第1空気層S1と前記第2空気層S2は高さ方向に並んで配列されるものではなく、高さ方向に少なくとも一部が互いにオーバーラップされないように入れ違いに配列され得る。
【0027】
一例として、前記第1空気層形成部110および前記第2空気層形成部120はそれぞれ前記第1空気層S1および前記第2空気層S2を形成するように全体的にメッシュ状であり得る。
【0028】
ここで、一例として、前記断熱モジュール10は前記第1空気層形成部110の上端をカバーして前記第1空気層S1を外部空間と分離させる上側カバー部200および前記第2空気層形成部120の下端をカバーして前記第2空気層S2を外部空間と分離させる下側カバー部300をさらに含むことができる。
【0029】
一例として、前記上側カバー部200および前記下側カバー部300は前記空気層形成部100の上側および下側をそれぞれカバーすることによって外部の環境から前記空気層形成部100を保護することができ、ひいては熱の移動を制限して断熱機能を実現することもできる。
【0030】
場合により、前記上側カバー部200および/または前記下側カバー部300は前記空気層形成部100の上側および下側だけでなく、横側も包囲して前記空気層形成部100を外部の環境から保護することもできる。
【0031】
ここで、一例として、前記断熱モジュール10は前記第1空気層形成部110と前記第2空気層形成部120との間に配置されて前記第1空気層S1と前記第2空気層S2を分離させる中間分離部400を含むことができる。
【0032】
一例として、前記中間分離部400は前記第1空気層S1と前記第2空気層S2とが互いに連通しないように前記第1空気層S1と前記第2空気層S2の間に配置される構成であり得る。
【0033】
その結果、前記第1空気層S1から前記第2空気層S2への熱の移動を制限して断熱機能を最大化することができる。
【0034】
一例として、前記上側カバー部200は前記第1空気層形成部110の上側に接着され得、前記下側カバー部300は前記第2空気層形成部120の下側に接着され得る。
【0035】
また、一例として、前記中間分離部400は前記第1空気層形成部110の下側および前記第2空気層形成部120の上側それぞれに接着され得る。
【0036】
一例として、前記上側カバー部200または前記下側カバー部300が壁体、扉などに接触設置され得る。
【0037】
ここで、一例として、前記空気層形成部100は低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートまたはこれらから選択された一つ以上の樹脂100重量部を基準として、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヘキサメチレンテトラミン、炭酸水素ナトリウムまたはこれらから選択された一つ以上の発泡剤20~35重量部および架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.5~1.5重量部を含むことができる。
【0038】
前記樹脂に前記発泡剤を添加することによって前記空気層形成部100の重さを軽量化することができる。
【0039】
また、前記樹脂に前記架橋剤を添加することによって前記空気層形成部100の弾性率、耐熱性などが優れるようにすることができる。
【0040】
ここで、一例として、前記空気層形成部100は前記樹脂100重量部を基準として、デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモフタリックアンハイドライド、アンチモントリオキシド、マグネシウムヒドロキシド、アルミニウムヒドロキシドまたはこれらから選択された一つ以上のハロゲン難燃剤8~30重量部、メラミンシアヌレート、メラミンポリホスフェート、ホスファゼン、メタルヒドロキシメチルフェニルホスフィネートまたはこれらから選択された一つ以上の非ハロゲン難燃剤30~120重量部、またはマグネシウムヒドロキシド、アルミニウムヒドロキシド、アンチモニトリオキシド、ジンクボレートまたはこれらから選択された一つ以上の無機難燃剤50~150重量部をさらに含むことができる。
【0041】
すなわち、前記空気層形成部100は難燃性能を最大化するために、前記ハロゲン難燃剤または前記非ハロゲン難燃剤または前記無機難燃剤を含むことができる。
【0042】
場合により、前記ハロゲン難燃剤、前記非ハロゲン難燃剤、および前記無機難燃剤は選択的に一つ以上が前記空気層形成部100に含まれ得る。
【0043】
以下では、
図1~
図5を参照して、前記断熱モジュール10が断熱性を有して難燃性能を最大化する構造について詳しく説明する。
【0044】
一例として、前記上側カバー部200は前記第1空気層形成部110の上端に接着されて断熱を実現する第1断熱部210および前記第1断熱部210と離隔して離隔空間S3を形成して断熱を実現する第2断熱部230を具備することができる。
【0045】
すなわち、前記上側カバー部200は単一の構成ではなく複数のレイヤで形成され得る。
【0046】
一例として、前記第1断熱部210は前記第1空気層形成部110の上端に接着されて配置され得、前記第2断熱部230は前記第1断熱部210の上側に配置され得る。
【0047】
ここで、前記第1断熱部210と前記第2断熱部230とは少なくとも部分的に離隔して前記離隔空間S3を形成することができる。
【0048】
その結果、熱の移動を制限して断熱の機能を最大化することができる。
【0049】
ここで、一例として、前記上側カバー部200は前記離隔空間S3上に配置される状態変化部220をさらに具備することができる。
【0050】
すなわち、前記状態変化部220は前記第1断熱部210と前記第2断熱部230との間に配置され得る。
【0051】
一例として、前記状態変化部220は所定の温度で気体に状態変化して、所定の温度以上で前記離隔空間S3を増加させて断熱を実現することができる。
【0052】
これをより詳しく説明すると、前記断熱モジュール10の上側に火災が発生した場合、前記上側カバー部200は火災によって発生する熱を伝達し得る。
【0053】
このとき、
図3に図示した通り、前記状態変化部220は火災によって所定の温度に到達する場合、前記第1断熱部210および前記第2断熱部230が破断される前に固体状態および/または液体状態から気体状態に状態変化して前記離隔空間S3を増加させることができる。
【0054】
すなわち、所定の温度に到達する場合、前記第1断熱部210および前記第2断熱部230は破断せず、前記状態変化部220が先に気体状態に状態変化して前記離隔空間S3を増加させることができる。
【0055】
すなわち、前記第1断熱部210および前記第2断熱部230は相対的に前記状態変化部220より難燃性および/または耐熱性が大きいため、所定の温度に到達しても破断および気体に状態変化せず、前記状態変化部220は所定の温度に到達時に前記離隔空間S3上で固体状態および/または液体状態から気体に状態変化して前記離隔空間S3を増加させることができる。
【0056】
その結果、前記離隔空間S3の増加により前記断熱モジュール10の上側から前記空気層形成部100への熱の伝達を制限することができる。
【0057】
前記状態変化部220は常温では固体状態であって、前記第1断熱部210および前記第2断熱部230の間に配置されて外力から抵抗して耐久性を高め、火災によって所定の温度に到達するときには気体状態に変化して前記離隔空間S3を増加させて熱の伝達を制限することができる。
【0058】
一例として、前記状態変化部220は前記第1断熱部210および前記第2断熱部230それぞれに接着され得る。
【0059】
一例として、前記状態変化部220は所定の温度で気体状態に変化され得る材質であり得、一例として、樹脂および/またはプラスチック材質であり得る。
【0060】
ここで、一例として、第1断熱部210は前記離隔空間S3上の圧力が所定の圧力に到達する場合、前記第2断熱部230の破断を防止するように前記第2断熱部230より先に破断して前記離隔空間S3上の気体を前記第1空気層S1に誘導することができる。
【0061】
これをより詳しく説明すると、
図4に図示した通り、前記断熱モジュール10の上側での火災発生によって前記離隔空間S3上の圧力が継続して上昇し得る。
【0062】
この時、前記第1断熱部210および前記第2断熱部230は前記離隔空間S3上の圧力によって加圧され得る。
【0063】
ここで、もし、前記第2断熱部230が圧力によって破断される場合、前記離隔空間S3は火災が発生した空間とすぐに連通され得、その結果、前記状態変化部220および前記第1断熱部210は火災に直接的に影響を受ける問題が発生し得る。
【0064】
これを解決するために、前記第1断熱部210は前記離隔空間S3上の圧力が所定の圧力に到達する場合、相対的に前記第2断熱部230より先に破断して前記離隔空間S3上の気体を前記第1空気層S1に誘導し、前記離隔空間S3上の圧力を低くすることができる。
【0065】
その結果、前記第2断熱部230は圧力によって破断されるまでに時間を稼ぐことができる。
【0066】
前記離隔空間S3上の所定の圧力状態で、相対的に前記第2断熱部230より前記第1断熱部210が先に破断される方法は、前記第1断熱部210の材質が前記第2断熱部230の材質より相対的に加圧に対する抵抗性が少ない(容易に破断され得る)材質であり得る。
【0067】
または前記第1断熱部210と前記第2断熱部230の材質は同一であるが、相対的に前記第1断熱部210の厚さが前記第2断熱部230の厚さより小さくてもよい。
【0068】
前記第1断熱部210と前記第2断熱部230とは金属フィルムであり得、銀、アルミニウムおよび/または炭素材料から選択され得る。
【0069】
ここで、一例として、前記中間分離部400は前記第1断熱部210が破断して前記離隔空間S3と前記第1空気層S1とが連通した連通空間上の圧力が所定の圧力に到達する場合、前記第2断熱部230の破断を防止するように前記第2断熱部230より先に破断して前記連通空間上の気体を前記第2空気層S2に誘導することができる。
【0070】
これをより詳しく説明すると、
図5に図示した通り、前記断熱モジュール10の上側での火災によって前記連通空間上の圧力が継続して増加し得る。
【0071】
ここで、前記連通空間は前記第1断熱部210の破断によって前記離隔空間S3と前記第1空気層S1が互いに連通した状態での前記離隔空間S3と前記第1空気層S1を含む空間であり得る。
【0072】
この時、前記中間分離部400および前記第2断熱部230は前記連通空間上の増加する圧力によって加圧され得る。
【0073】
ここで、もし、前記第2断熱部230が前記連通空間上の圧力によって破断される場合、前記連通空間は火災が発生した空間とすぐに連通され得、その結果、前記状態変化部220、前記第1断熱部210および前記第1空気層形成部110は火災に直接的に影響を受ける問題が発生し得る。
【0074】
これを解決するために、前記中間分離部400は前記連通空間上の圧力が所定の圧力に到達する場合、相対的に前記第2断熱部230より先に破断して前記連通空間上の気体を前記第2空気層S2に誘導し、前記連通空間上の圧力を低くすることができる。
【0075】
その結果、前記第2断熱部230は圧力によって破断されるまでに時間を稼ぐことができる。
【0076】
前記連通空間上の所定の圧力状態で、相対的に前記第2断熱部230より前記中間分離部400が先に破断される方法は、前記中間分離部400の材質が前記第2断熱部230の材質より相対的に加圧に対する抵抗性が少ない(容易に破断され得る)材質であり得る。
【0077】
または前記中間分離部400と前記第2断熱部230の材質は同一であるが、相対的に前記中間分離部400の厚さが前記第2断熱部230の厚さより小さくてもよい。
【0078】
前記中間分離部400は金属フィルムであり得、銀、アルミニウムおよび/または炭素材料から選択され得る。
【0079】
一例として、前記第1断熱部210、前記第2断熱部230および前記中間分離部400がアルミニウムフィルムであって同一材質である場合、前記第1断熱部210の厚さが最も大きく、前記第2断熱部230の厚さが最も小さいこともある。
【0080】
前述した通り、前記断熱モジュール10は上側に火災が発生した場合、上側から下側に熱の伝達を最小化することができ、前記第2断熱部230の破断をできるだけ遅らせて前記状態変化部220、前記空気層形成部100が火災に直接的に接触することを防止して難燃の機能を最大化することができる。
【0081】
一例として、前記下側カバー部300は前記上側カバー部200と対応する(同じ機能を実現する)構成であり得る。
【0082】
これをより詳しく説明すると、前記下側カバー部300は前記第1断熱部210と対応する第3断熱部310、前記第2断熱部230と対応する第4断熱部330、前記状態変化部220と対応する下側状態変化部320を具備することができる。
【0083】
その結果、前記断熱モジュール10の下側に火災が発生する場合にも、前記下側カバー部300は前述した前記上側カバー部200と同一の機能を実現することができる。
【0084】
前記では本発明に係る実施例を基準として本発明の構成と特徴を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の思想と範囲内で多様に変更または変形できることは本発明が属する技術分野の当業者には自明なものであり、したがって、このような変更または変形は添付された特許請求の範囲に属することを明らかにする。
【国際調査報告】