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特表2022-539271陰圧創傷装置に近接してオストミー面板を設けるためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(54)【発明の名称】陰圧創傷装置に近接してオストミー面板を設けるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
A61F5/445
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519970
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 US2020041065
(87)【国際公開番号】W WO2021007247
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/871,670
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/849,909
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521537863
【氏名又は名称】サングィン・テクノロジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】グラネット、ローズマリー
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】グラネット、ポール
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC23
4C098CC31
4C098CD01
4C098CE02
4C098CE03
4C098CE14
(57)【要約】
一般に、本発明は、陰圧創傷装置に近接してオストミー面板を設けるためのシステム及び方法に向けられる。これは、例えば、バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジを有するオストミー器具又は面板の使用を通じて達成され得る。いくつかの実施形態によれば、この非円形フランジは、実質的に「D」字型であり得、及び/又は少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有し得る。いくつかの実施形態では、オストミー面板は、それ自体が非円形及び/又は「D」字型であり得、NPWDとともに使用される材料を切断するための切断案内部を含み得、非対称に位置する開口を含み得、及び/又は1つ以上のテーパー状の縁部を備え得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジを有するオストミー器具又は面板。
【請求項2】
前記非円形フランジは、実質的に「D」字型である、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項3】
前記非円形フランジは、少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有する、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項4】
前記オストミー器具又は面板は、非円形である、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項5】
前記オストミー器具又は面板は、実質的に「D」字型である、請求項4に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項6】
切断案内部を備える、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項7】
前記切断案内部は、ドレープ又は包帯材料を切断するときに、切断装置を案内するために使用される、請求項6に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項8】
前記ドレープ又は包帯材料は、NPWDとともに使用される、請求項7に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項9】
前記切断案内部は、チャネル又は溝を備える、請求項6に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項10】
前記切断案内部は、1つ以上の突出部を備える、請求項6に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項11】
テーパー状の縁部を更に備える、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項12】
テーパー状の縁部を更に備え、ここにおいて、前記テーパー状の縁部は、前記「D」字型の前記実質的に直線状の部分に沿って延びている、請求項5に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項13】
前記オストミー器具又は面板は、不透過性、実質的に不透過性、又は蒸気透過性の材料から構成されている、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項14】
バッグ又はパウチを取り付けるための前記非円形フランジは、前記オストミー器具又は面板の底面に対して、ある角度位置において配設されている、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項15】
前記オストミー器具又は面板にバッグ又はパウチを取り付けるための取付け装置を更に備える、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項16】
非円形のオストミー器具又は面板であって、
バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジと、前記非円形フランジは、少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有しており、
NPWDとともに使用される材料を切断するときに、切断装置を案内するための切断案内部と、前記切断案内部は、前記実質的に直線状の縁部と同一線上に配設されている、
を備える非円形のオストミー器具又は面板。
【請求項17】
前記非円形のオストミー器具は、少なくとも1つの実質的に直線状且つテーパー状の縁部を有する、請求項16に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
【請求項18】
ストーマを受容するように構成された開口を更に備える、請求項16に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
【請求項19】
前記開口は、非対称に位置し、前記開口は、前記フランジ内に位置している、請求項18に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
【請求項20】
前記フランジ内に配設された1つ以上の脆弱線を更に備え、このような脆弱線は、開口を形成するために、前記非円形のオストミー器具又は面板の一部を除去するために使用されている、請求項16に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
【請求項21】
切断装置を案内するための切断案内部を備えるオストミー器具又は面板。
【請求項22】
前記切断案内部は、NPWDとともに使用される切断装置を案内する、請求項21に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項23】
前記切断案内部は、前記オストミー器具又は面板の表面におけるチャネル又は溝を備える、請求項21に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項24】
前記切断案内部は、1つ以上の突出部を備える、請求項21に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項25】
実質的に平面状の表面と、フランジとを備えるオストミー器具又は面板において、前記フランジの外側の前記平面状の表面の少なくとも一部が、除去可能である、オストミー器具又は面板。
【請求項26】
実質的に直線状の縁部を有する、厚さを持つ実質的に平面状の表面を備えるオストミー器具又は面板において、実質的に平面状の縁部が、テーパー状の縁部を備え、前記実質的に平面状の表面の前記厚さを低減させている、オストミー器具又は面板。
【請求項27】
オストミー器具又は面板に取り付けられたオストミーバッグ又はパウチを、前記オストミー器具又は面板の特定の側に誘導するように構成されたオストミー器具又は面板。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[001]本願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年7月8日に出願された「Ostomy Appliance」と題する米国仮特許出願第62/871,670号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[002]緊急外科手術は、オストミー(回腸ストーマ(ileostomy)又は結腸ストーマ(colostomy)等)と、手術創傷との両方をもたらし得る。回腸ストーマ(小腸の最後の部分から作られるストーマ)は、一般に、患者の腹壁の右下腹部において、臍の高さより下であるが、陰毛の高さより上に設置される。結腸ストーマ(大腸の一部から作られるストーマ)は、一般に、左下腹部に設置されるが、それらは、他の位置にも設置され得る。しかしながら、ストーマは、腹部の前面に垂直に走る腹直筋の範囲内に位置させるべきであるので、オストミーの位置選択は、しばしば制限される。この筋肉の範囲内にストーマを設置することは、傍ストーマヘルニア等の後の合併症を防止するのに役立ち得る。
【0003】
[003]患者の皮膚に対してオストミー面板を密着させるために、ストーマの基部から円周方向に2~3インチの平坦面が推奨される。
【0004】
[004]緊急腹部手術は、一般に、手術創傷を必要とし、結果として手術創傷を生じる。皮膚閉鎖後に創傷感染を発症するリスクを低減させるために-及び細菌又は糞便物質が腹腔内汚染を引き起こし得る状況において-、多くの外科医は、二次治癒(healing by secondary intention)を促進する陰圧創傷装置(NPWD)を利用する。開放創の治療にNPWDを利用することは、当技術分野で知られている。例えば、テキサス州サンアントニオのKinetic Concepts,Inc.は、Vacuum Assisted Closure(登録商標)、即ち、V.A.C.(登録商標)製品ラインを市場に出して販売しており、これは、典型的に、過剰な液体の同時除去を伴う、創傷の機械的な収縮を伴い、多くの場合、陰圧源と連通しているポリマーフォーム及び閉鎖性ドレープドレッシング材を使用することによって達成される。同様に、イギリス・ロンドンのSmith & Nephew PLCは、PICO(登録商標)及びRENASYS(登録商標)装置等のNPWDを提供しており、これらは、その称するところによれば、治癒を促進し、ドレッシング材の交換を減らすことができるとされるシリコーン粘着ドレッシング材を利用する。
【0005】
[005]任意のNPWDが適切に機能するためには、患者の創傷上で十分な密閉が行われなければならない。適切な密閉を提供できないことは、適切な治癒を促進できないこと、又はNPWDが望ましくない液体及び物質を開放創傷及び/若しくは回復期創傷内に引き込むことをもたらし得る。
【0006】
[006]不都合なことに、緊急腹部手術を受ける患者は、多くの場合、ケアの一部として便流変更策(fecal diversion strategy)が用いられ得る。典型的に、これは、腹壁における別個の切開を通じて腸のセグメントを移動させ、便又は尿のストーマを作ることを含み、それを通じて、患者は、その腹部に取り付けられた容器内に排泄物を排出し得る。この容器は、典型的に、生体接着材料の面板又はウエハによって、ストーマの周囲の身体に取り付けられ得るバッグ又はパウチである。この面板又はウエハは、ストーマ周囲の皮膚をストーマ排出物(stomal effluent)から保護し、感染、疼痛、及び/又は他の合併症を防止し得る。
【0007】
[007]しかしながら、このようなストーマは、多くの場合、手術創傷に近接して位置される。手術創傷とオストミー開口部との間の短い距離-これは、わずか数センチメートルであり得る-は、NPWDの配置の成功を妨げ得る。これは、多くの場合、NPWDの最適以下の機能、計画外のドレッシング材の交換、多数の医療提供者の訪問(多くの場合、夜中)、NPWD治療の放棄、並びに患者の増大された不快感又は苦痛を含む、追加の又は過剰な資源利用をもたらし得る。
【0008】
[008]従って、NPWDの適切な密閉は、オストミーからの任意の排出物が創傷内に引き込まれることを防止するために、非常に望ましい。しかしながら、既存のオストミー器具又は面板の形状及びサイズは、腹部創傷が近くにある場合の使用には適しておらず、しばしばNPWDの設置又は使用を妨げる。
【0009】
[009]従って、NPWDと相乗的に併せて使用され得るオストミー器具を提供することが望ましくあり、これは、この目的を達成するために、追加の資源利用を最小限に抑えながら、患者がNPWD治療の恩恵を十分に受けることを可能にし得る。
【0010】
[0010]例えば、オストミー器具又は面板を、NPWDにおいて使用されるドレープのすぐ近くに位置させることは、しばしば困難である。従って、NPWDを可能な限りオストミー器具の近くに位置させるように使用され得るオストミー器具を提供することが望ましい。同様に、両方の機構の有効性を維持するような方法で、NPWDの重なるドレープを受け入れるように構成されたオストミー器具を有することが望ましい。
【0011】
[0011]上述の困難に加えて、オストミーと手術創傷が近接している場合、オストミーバッグ又はパウチは、しばしば手術創傷上に垂れ下がる。これは、不快感を引き起こし得、また、医療提供者が手術創傷を適切にチェック及び診ることをより困難にし得る。従って、-このバッグを通じて、又はオストミー面板を通じて-手術創傷の反対側に垂れ下がるように構成されたオストミーパウチ又はバッグを有することが望ましい。
【発明の概要】
【0012】
[0012]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジを有するオストミー器具又は面板を備え得る。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、追加の特徴を含み得、追加の特徴は、実質的に「D」字型のフランジ;少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有する非円形フランジ;非円形及び/又は実質的に「D」字型であるオストミー器具又は面板;オストミー器具又は面板上に配設された切断案内部;例えば、NPWDとともに使用されるドレープ又は包帯材料等の、ドレープ又は包帯材料を切断するときに、切断装置を案内するために使用され得る切断案内部;チャネル又は溝を備え得る切断案内部;1つ以上の突出部を備え得る切断案内部;オストミー器具又は面板上のテーパー状の縁部;テーパー状の縁部は、「D」字型の実質的に直線状の部分に配設されている;不透過性(又は、実質的に不透過性、蒸気透過性等)の材料から構成されるオストミー器具又は面板;オストミー器具又は面板の底面に対して、ある角度位置において配設されている、オストミー器具又は面板上にバッグ又はパウチを取り付けるためのフランジ;オストミー器具又は面板にバッグ又はパウチを取り付けるための取付け装置;及び/又は、面板/フランジの縁部と、オストミー自体との間の空間を最小限にするために、面板/フランジ内に非対称に位置する開口、を含み得る。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、非円形面板と、バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジと、非円形フランジは、少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有しており、NPWDとともに使用される材料を切断するときに、切断装置を案内するための切断案内部と、切断案内部は、実質的に直線状の縁部と同一線上(co-linearly)に配設されている、を含む非円形オストミー器具を備え得る。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、少なくとも1つの実質的に直線状及びテーパー状の縁部を有する非円形オストミー器具;ストーマを受容するように構成された開口;非対称に位置する開口、開口は、フランジ内に位置している;フランジ内に配設された1つ以上の脆弱線(lines of weakness)、このような脆弱線は、開口を形成するために、非円形のオストミー器具又は面板の一部を除去するために使用されている;切断装置を案内するための切断案内部;NPWDとともに使用される材料を切断する間、切断装置を案内するための切断案内部;及び/又は、オストミー器具若しくは面板におけるチャネル若しくは溝、又は1つ以上の突出部を備え得る切断案内部、等の追加の特徴を含み得る。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、実質的に平面状の表面と、フランジと、を備えるオストミー器具又は面板を含み得、ここで、フランジの外側の平面状の表面の少なくとも一部は、除去可能である。
【0017】
[0017]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、実質的に直線状の縁部を有する、厚さを持つ実質的に平面状の表面を備えるオストミー器具又は面板を含み得、ここで、実質的に平面状の縁部が、テーパー状の縁部を備え、実質的に平面状の表面の厚さを低減させている。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態によれば、本発明のいくつかの態様は、オストミー器具又は面板に取り付けられたオストミーバッグ又はパウチを、オストミー器具又は面板の特定の側に誘導するように構成されたオストミー器具又は面板を含み得る。
【0019】
[0019]これら及び他の態様は、以下の図面とともに本発明の以下の説明から明らかになるが、変形及び修正が、本発明の新規な概念の範囲から逸脱することなく実施され得る。
【0020】
[0020]本発明は、以下の発明を実施するための形態を添付の図面とともに読むことによって、より完全に理解され得、ここで、同様の参照インジケータが、同様の要素を示すために使用されている。添付の図面は、ある特定の例示的な実施形態を図示しており、以下の発明を実施するための形態の理解に役立ち得る。本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載される又は図面に例示される構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。図示される実施形態は、例示的なものとして理解されるべきであり、決して本発明の全体的な範囲を限定するものではない。また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明を目的としており、限定するものとして見なされるべきではないことを理解されたい。発明を実施するための形態は、以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[0021]図1は、先行技術においてしばしば見られるオストミー器具とNPWDとの間の典型的な干渉(interaction)を例示する。
図2】[0022]図2は、本発明のいくつかの実施形態による、「D」字型のフランジを有する例示的な「D」字型のオストミー器具を図示する。
図3】[0023]図3は、本発明のいくつかの実施形態による、典型的な円形フランジを有する例示的な「D」字型のオストミー器具を図示する。
図4】[0024]図4は、本発明のいくつかの実施形態による、円形フランジを有する例示的な「D」字型のオストミー器具と、非対称に位置するストーマとを例示する。
図5】[0025]図5は、本発明のいくつかの実施形態による、「D」字型のフランジを有する例示的な「D」字型のオストミー器具と、非対称に位置するストーマとを例示する。
図6】[0026]図6は、本発明のいくつかの実施形態による、チャネルを有する例示的なオストミー器具を図示する。
図7】[0027]図7は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具とNPWDドレープとを例示する。
図8】[0028]図8は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
図9】[0029]図9は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具及びNPWDの断面を図示する。
図10】[0030]図10は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具及びNPWDの断面を例示する。
図11】[0031]図11は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
図12】[0032]図12は、本発明のいくつかの実施形態による、バッグ又はパウチが取り付けられた例示的なオストミー器具及びNPWDの断面を例示する。
図13】[0033]図13は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具及びNPWDの断面を図示する。
図14】[0034]図14は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具を例示する。
図15】[0035]図15は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具を例示する。
図16】[0036]図16は、本発明のいくつかの実施形態による、取付け装置を有する例示的なオストミー器具を例示する。
図17】[0037]図17は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
図18】[0038]図18は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
図19】[0039]図19は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
図20】[0040]図20は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
図21】[0041]図21は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なオストミー器具の断面を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0042]本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載される又は図面に例示される構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、また、様々な方法で実施又は行われることが可能である。また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明を目的としており、限定するものとして見なされるべきではないことを理解されたい。
【0023】
[0043]本明細書に例示される事項は、添付の図面を参照して、開示される様々な例示的な実施形態を包括的に理解するのに役立つように提供される。従って、当業者であれば、本明細書で説明される例示的な実施形態の様々な変更及び修正が、請求項に係る発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることを認識するであろう。周知の機能及び構造の説明は、明確さ及び簡潔さのために省略される。更に、本明細書で使用される場合、単数形は、複数形で解釈され得、また、代わりに、複数形の任意の用語が、単数形であると解釈され得る。
【0024】
[0044]一般に、本発明は、改良されたオストミー器具のシステム及び方法に向けられる。特に、本発明は、NPWDとの干渉のために特に構成されたオストミー面板に向けられる。
【0025】
[0045]本発明は、いくつかの特徴のうちの1つ以上を含み得るオストミー器具及び/又はシステムを記載しており、いくつかの特徴は、限定はしないが、NPWDのドレープ又は他の構成要素と位置合わせされ得る直線状の縁部を有していること;ドレープ材料を切断するための1つ以上のチャネル;ドレープ材料を切断するための1つ以上の突出部又はレール;「D」字型のオストミー器具;オストミーバッグ又はパウチを取り付けるための「D」字型のフランジ;NPWDのドレープ材料又は他の構成要素による重なりを容易にするためのテーパー状の縁部;ストーマ用の非対称及び/又は非中心の開口を有するオストミー器具;非創傷側に垂れ下がるように構成された非対称のオストミーバッグ又はパウチ;オストミーバッグ又はパウチ用の取付け装置;及び/又は、任意のストーマ排出物がNPWDによって創傷内に引き込まれることを低減又は防止するためのブレークアウェイ部(breakaway)又はサンプ(sump)、を含む。
【0026】
[0046]いくつかの実施形態によれば(及び以下でより詳細に説明されるように)、設計は、オストミー面板の一部としての直線状の縁部と、「D」字型のフランジと、正中線に向かって侵入し得ない非対称の排出バッグと、を備え得る。面板にはチャネルが存在し得、その結果、不透過性(又は、実質的に不透過性、蒸気透過性等)の陰圧包帯の組織化された直線状の切断が、それが排出バッグと絡まる(enmeshed)ことになる直前に行われ得る。面板の(創傷に最も近い)直線状側の端部(straighter end)は、陰圧包帯での適切な密閉を容易にするために、テーパー状の端部を含み得る。オストミー器具はまた、1つ以上のタイプのNPWDと適合し得る、面板を取り囲む不透過性(又は、実質的に不透過性、蒸気透過性等)の包帯を有し得る。
【0027】
[0047]オストミー器具のバッグ自体もまた、通気/サンプシステム及び/又はスナップを備え得る。より具体的には、本発明のいくつかの実施形態によれば、逆流を防止するためのブレークアウェイ式フラップ(break-away flap)等の、排出物が陰圧によって創傷内に引き込まれるという時折生じる厄介な問題を防止し得る通気/サンプシステムが存在し得る。加えて、いくつかの実施形態によれば、スナップが含まれ得る。例えば、スナップ(又は、限定はしないが、機械的な取付け具(面ファスナー、ジッパー、ラッチ、ねじ接続等)、磁気取付け具、若しくはその他任意のタイプの好適な取付け具を含む、他の取付け装置)は、非対称バッグを面板に固定することを補助するように配置され得る。スナップの位置は、異なり得る。スナップの雄部は、面板に埋め込まれ得、雌部は、バッグに埋め込まれ得、又はその逆も同様であり得る。いくつかの実施形態によれば、他の取付け装置は、面板及び/又はバッグに埋め込まれ得るか又は取り付けられ得、或いは、他のバッグが利用され得るように、面板及び/又はバッグに取付け可能であり得る。
【0028】
[0048]図1を参照して、先行技術の重なっているシステム100が説明される。システム100は、オストミー器具110及びNPWD120の使用を示す。NPWD120は、ストーマ130と創傷131との間が近接していることにより、オストミー器具110の一部と重なっていることに留意されたい。オストミー器具110は、実質的に円形であり、ストーマ130上に中心を合わせられ、それと実質的に同心であり得る。オストミー器具は、バッグ又はパウチ(図示せず)を取り付けるための円形フランジ111を更に含み得る。NPWD120は、創傷120上に配置され得るドレープ又はドレッシング材121を備え得、真空システム等の陰圧装置への導管又は管122を含み得る。
【0029】
[0049]図1に示される先行技術から、創傷がオストミーの近くにある又はそれに隣接している場合、オストミー器具とNPWDとの間に意図しない干渉が存在し得ることが分かり得る。
【0030】
[0050]次に、図2を参照して、本発明のいくつかの実施形態による、「D」字型のフランジを有する例示的な「D」字型のオストミー器具が説明される。図2は、「D」字型のオストミー器具210を例示し、これは、バッグ又はパウチを取り付けるためのフランジ211を含み得、ストーマ231上に位置し得る。「D」字型のオストミー器具210は、直線状の縁部212を含み得、これは、NPWD220とほとんど又は全く干渉しないように配置され得る。NPWD220は、創傷232の上に配置され得、陰圧装置(図示せず)に接続された導管又は管222を有するドレープ材料221を備え得る。オストミー器具の直線状の縁部は、NPWDとオストミー器具との両方の機構が互いに干渉することなく、それぞれ独立して効果を発揮することを可能にすることが分かる。
【0031】
[0051]また、オストミー器具は、「D」字型であり得るが、円形又は実質的に円形のフランジを維持し得ることが企図される。図3を参照すると、オストミー器具310は、直線状の縁部312を含み得るが、従来の及び/又は標準的な円形フランジ311を含み得、これは、ストーマ331上に実質的に中心を合わせられ得る。このようにして、標準的なオストミーバッグ又はパウチが、フランジ311に取り付けるために使用され得る。
【0032】
[0052]本発明は、「D」字型等の用語を使用しているが、この特定の形状は必須ではないことに留意されたい。むしろ、不要な又は望ましくない干渉なしの同時使用を提供するのは、NPWDに隣接して又は当接してさえも位置し得る、オストミー器具の直線状側の縁部である。従って、本発明は、この厳密な配置に限定されるべきではない。
【0033】
[0053]オストミー器具の位置は、ストーマに中心を合わせられなくてもよいことが更に企図される。図4を参照すると、オストミー器具410は、フランジ411と、直線状の縁部412とを含み得る。直線状の縁部412は、NPWD420に近接して配置され得、NPWD420は、順に、陰圧装置(図示せず)に接続された導管又は管422を有する、創傷432の上に配置されたドレープ421を備え得る。ストーマ431と創傷432とが近接しているため、オストミー器具410は、可能な限りストーマの近くに-及び可能な限り創傷から離れて-配置され得る。これは、ストーマが非同心位置に配置されることをもたらし得る。これは、排液の観点からは理想的ではないかもしれないが、一旦創傷が適切に治癒し、NPWDが不要になった場合に、オストミー面板が、ストーマ上でより中央に配置され得ることに留意されたい。
【0034】
[0054]図5を参照すると、切欠きを有する例示的なオストミー面板510が示されている。先と同様に、オストミー面板510は、バッグ又はパウチへの取付けのためのフランジ511を含み得る。オストミー面板510は、2つの直線状の縁部512A、512Bを更に含み得、これは、面板510を、可能な限りNPWD520のためのドレープ材料521の近く配置するために使用され得る。先と同様に、NPWD520は、創傷532を覆い得、陰圧を発生させるための陰圧装置(図示せず)に取り付けられ得る。オストミー面板510は、4分の1が除去されて示されているが、様々な設計、配置、又は構成が、NPWD又はその関連するドレープ若しくはドレッシング材に対するオストミー器具の近い設置を達成するために利用され得ることが予想されることに留意されたい。
【0035】
[0055]また、オストミー器具510は、約4分の1が除去されて示されているが、器具510は、面板の一部を除去するために使用され得る1つ以上の脆弱線513を含み得ることも予想されることに留意されたい。例えば、オストミー器具510は、実質的に円形又は矩形の形状で販売され得るが、1つ以上の脆弱線513を含み得る。脆弱線513は、オストミー器具又は面板の一部を除去するために使用され得る。例えば、実質的に円形のオストミー面板は、少なくとも2つの脆弱線を含み得る。これら脆弱線は、面板の一部が除去され得るように、互いに実質的に垂直であり得る。バッグ又はパウチの取付けのために一貫性があるフランジを維持するために、フランジは、非対称(例示される「D」字型等)であり得るか、又は面板の1つ以上の側面にオフセットされ得る。このようにして、面板の一部は、NPWDに近い設置を可能にするために除去され得る。
【0036】
[0056]本発明のいくつかの実施形態によれば、オストミー器具又は面板が、NPWDドレープ若しくはドレッシング材-又は、実際には任意の近接したドレッシング材-の切断を補助するための特徴を含み得る。以下でより詳細に説明されるように、このような特徴は、チャネル、1つ以上の突条部若しくは突出部、切断装置を案内するための継ぎ目(joint)若しくは接合部、又は他のそのような位置合わせ若しくは案内特徴を備え得る。
【0037】
[0057]図6を参照すると、オストミー器具610が例示されている。オストミー器具610は、「D」字型であるように例示されているが、上記で説明されたように、それは様々な形状をとり得ることに留意されたい。オストミー器具610は、フランジ611を備え得、これもまた、「D」字型であるように例示されているが、上記で説明されたようなその他任意の形状又は構成であり得る。オストミー器具610に隣接して又はその近くに、NPWD621があり得る。陰圧創傷装置620は、ドレープ又はドレッシング材621を含み得、これは、真空等の陰圧を発生させる装置(図示せず)に取り付けられ得る。オストミー器具621は、ストーマ631の上又は周囲に配置され得、一方、NPWD620は、創傷632の上又は周囲に配置され得る。オストミー器具610は、チャネル又は溝613を更に備え得る。チャネル又は溝613は、オストミー器具610の表面における窪みによって、又は1つ以上の突条部若しくは突出部によって等、任意の数の方法で作製され得る。このようにして、NPWDとともに使用されるドレープ又はドレッシング材は、オストミー器具の可能な限り近くで切断され得る。
【0038】
[0058]図6から分かるように、ドレープ又はドレッシング材621がオストミー器具又は面板610の一部と重なる、いくらかの重なりが存在し得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、オストミー器具又は面板が、NPWDとともに使用されるドレープ又はドレッシング材の密閉を補助するための特徴を含み得る。例えば-及び、以下でより詳細に説明されるように-オストミー器具又は面板の1つ以上の側面は、その通常の厚さからより薄い厚さへとテーパー状になり得、ドレープ又はドレッシング材と、オストミー器具との間のより緩やかな移行を提供し、それによって、ドレープ又はドレッシング材の適切な密閉を得ること及び維持することを補助している。
【0039】
[0059]図7は、上記の図6に示されたものと同様の配置を例示するが、実質的に正方形又は長方形であるオストミー器具又は面板710におけるチャネルの向きを例示する。オストミー器具又は面板710は、円形、「D」字型、正方形、又はその他任意の変形であり得るフランジ711を含み得、縁部712と実質的に平行又は同一線上に延び得るチャネル又は案内部713を更に含み得る。ドレープ又はドレッシング材721は、創傷732の上及び/又は周囲に構成され得、(上記で説明されたように)器具又は面板710の一部に重なるか又は当接し得る。
【0040】
[0060]次に、図8を参照して、本発明のいくつかの実施形態によるオストミー器具800の断面が説明される。オストミー器具800は、面板810と、ストーマが突出し得る穴又は開口820と、フランジ830(これは、オストミーバッグ又はパウチに取り付けるのに十分な任意のサイズ又は形状であり得る)と、チャネル又は溝840と、チャネル又は溝840に近接したテーパー部分850と、を含み得る。
【0041】
[0061]次に、図9を参照して、オストミー器具910と、NPWDのためのドレープ又はドレッシング材960との間の干渉が説明される。上記で例示されたように、オストミー器具910は、ストーマが突出し得る穴又は開口920と、フランジ930(これは、オストミーバッグ又はパウチに取り付けるのに十分な任意のサイズ又は形状であり得る)と、チャネル又は溝940と、チャネル又は溝940に近接したテーパー部分950と、を含み得る。NPWDと併せて使用されるドレープ又はドレッシング材960が、創傷970の上に配置され得、オストミー器具910のテーパー部分950の上に延在する部分を有し得る。ドレープ又はドレッシング材960は、チャネル又は溝940まで延在し得ることが分かる。装着(installation)中、チャネル又は溝940は、不透過性(又は、実質的に不透過性、蒸気透過性等)の陰圧包帯又はドレープの組織化された直線状の切断が行われるように、ガイダンスを提供し得る。
【0042】
[0062]オストミー器具と、NPWDのためのドレッシング材又は包帯との間には、様々な他の配置又は干渉が存在し得ることが企図される。例えば、図10に例示されるように、オストミー器具面板1010が、不透過性の材料(又は、実質的に不透過性、蒸気透過性等)を備え得、NPWDのためのドレープ又は包帯1040に一体的に接続され得るか、又はその一部であり得ることが企図される。一体型装置1000の面板部分1010は、ストーマのための開口部又は開口1020と、バッグ又はパウチを接続するためのフランジ1030と、を含み得る。いくつかの実施形態によれば、面板部分1010は、1つの材料から構成され得、一方、ドレープ部分1040は、第2の材料から構成され得る。例えば、面板部分1010は、剛性材料で作製され得、一方、ドレープ部分1040は、典型的に包帯又はドレープのために使用される可撓性材料で作製され得る。
【0043】
[0063]本発明のいくつかの実施形態によれば、ある特定の機構、装置、又は配置が、オストミーバッグ又はパウチを、手術(又はその他の)創傷から離れた患者の側に垂れ下がるように誘導するために使用され得る。例えば、図11に例示されるように、オストミー面板又は器具1110は、ストーマ1120のための典型的な開口を設けるように構成され得るが、オストミーバッグ又はパウチを取り付けるためのフランジを、ある角度で配置させるように構成され得、その結果、フランジが単一の平面内に置かれながら、フランジ支持体の一部分1160は、患者の皮膚からより遠くに(即ち、Y軸においてより遠くに)配置され、一方、フランジ支持体の別の部分1170は、患者の皮膚のより近くに配置される。
【0044】
[0064]引き続き図11を参照すると、チャネル又は溝1140が、NPWDに関連付けられた又はNPWDとともに使用されるドレープ又は他の材料を切断することを補助するために、オストミー器具1110において配置され得る。同様に、上記でより詳細に説明されたように、オストミー器具1110はまた、ドレープ材料とオストミー器具1110との間に密閉を作ることを補助し得るテーパー状の部分1150を備え得る。
【0045】
[0065]いくつかの代替では、外科医がフランジ支持体の高くなった部分1160と、面板の他の部分との間の継ぎ目1180を利用し得るので、チャネル又は溝1140は、省略され得ることに留意されたい。
【0046】
[0066]図12を参照すると、オストミーバッグ又はパウチ1280と併せて角度付きオストミー器具1210を使用することが例示されている。先と同様に、オストミー器具1210は、ストーマのための開口部又は開口1220と、第2のフランジ支持体1270よりも患者の皮膚から遠くに配置され得る第1のフランジ支持部分1260の上に載置されていることによって、傾いて(on an angle)配置され得るフランジ1230と、を含み得る。オストミー器具1210は、チャネル又は溝1240と、テーパー状の部分1250とを更に備え得る。使用中、NPWDのドレープ又は包帯1290が、創傷1295を覆い得、オストミー器具のテーパー状の部分1250の上へと延在し得る。
【0047】
[0067]図11及び図12を参照した上記の説明が、第1及び第2のフランジ支持体を説明している一方で、このような支持体は、必ずしも互いに別個ではないことに留意されたい。換言すれば、フランジ自体は、単一の平面内に置かれ得、前記平面は、患者の皮膚表面と比較して傾いて構成されている。断面図において、これは、第1のフランジ支持部分と、第2のフランジ支持部分とに見えることをもたらし得る。しかしながら、これは、1つの部分から次の部分への滑らかな移行を有する、傾いた状態になっている単一の表面を提示し得る。上記の文言は、装置を2つのそのような部分又はそれらの配置に限定するためではなく、オストミーバッグ又はパウチが、フランジ及びバッグの支持体に角度を付けることによって、ある特定の方向に置かれるように強いられ得ることを例示するために含まれている。
【0048】
[0068]次に、図13を参照して、オストミー面板又は器具1310と、NPWDのためのドレープ材料1340との間の干渉が説明される。先と同様に、オストミー面板1310は、ストーマのための開口部又は開口1320と、バッグ又はパウチを取り付けるためのフランジ1330と、を備え得る。フランジは、任意の形状、例えば、円形、正方形、「D」字型等であり得る。ドレープ材料1340は、創傷1350の上に配置され得る。ドレープ材料1340とオストミー器具1310との間の圧力連通を防止するために、接合障壁1360が利用され得る。接合障壁1360は、陰圧装置(図示せず)によって引き込まれ且つドレープ材料1340の下に適用される陰圧が、ストーマから、例えば、フランジ1330の周囲から(潜在的に、バッグ若しくはパウチが完全に係合されていないこと、又はそれらの間の漏れのある密閉に起因して)、任意の排出物を引き込むこと、又はオストミー面板1310の下から排出物を引き込むことを防止するために、不透過性(又は、実質的に不透過性、蒸気透過性等)の材料から構成され得る。この接合障壁1360は、例えば、「T」字型であり得、接合障壁がオストミー面板1310及びドレープ材料1340の一方又は両方に取り付けられ得るように、「T」のアームの下に接着剤を備え得る。
【0049】
[0069]次に、図14を参照して、四辺形形状のオストミー器具1400の上面図が説明される。オストミー器具1400は、フランジ1420と、1つ以上のテーパー状の部分1430と、を含み得る面板1410を備え得る。フランジ1420(これは、円形又は「D」字型等の任意の形状のものであり得る)内には、ストーマのための開口が、フランジ1430内の(ストーマの所要の位置及び外科医の選好に基づく)最も望ましい位置に配置され得るように、様々な脆弱線1440が存在し得る。図14と同様に、図15は、フランジ1520と、面板1510の全ての縁部上に存在し得るテーパー状の部分1530とチャネル又は溝1540との両方と、を含むオストミー器具1500を例示する。先と同様に、フランジ1520内には、ストーマのための開口がフランジ1530内の任意の数の位置に配置され得るように、様々な脆弱線1550が存在し得る。
【0050】
[0070]次に、図16を参照して、「D」字型のオストミー器具1600が説明される。オストミー器具1600は、面板1610と、フランジ1620と、ストーマのための開口1630と、「D」字型の直線状の縁部に沿って配置された、チャネル若しくは溝1640、及び/又は、テーパー状の部分1650と、を備え得る。オストミー器具1600は、バッグ又はパウチをオストミー器具1600に接続するために、スナップ、フック、又は他の取付け装置1660を更に備え得る。このような取付け装置1660は、7時、9時及び11時の位置において例示されているが、面板1610上の任意の位置に存在し得る。
【0051】
[0071]図17を参照すると、オストミー器具1700が、面板1710と、フランジ1720と、ストーマのための開口1730と、テーパー状の部分1740と、切断案内部1750と、を備え得る。この実施形態では、完全なチャネル又は溝ではなく、突出したレール1750が、オストミー器具1700の縁部に沿って直線状に切断を行うために、外科医の切断装置(例えば、ナイフ、外科用メス、鋏又は鋏ブレード等)を案内するために使用され得る。例えば、外科医は、切断装置を案内するために、突出したレールと、テーパー状の部分との接合部1760に切断装置の刃(edge)を配置し得る。
【0052】
[0072]図17と同様に、図18は、面板1810と、フランジ1820と、ストーマのための開口1830と、テーパー状の部分1840と、を備え得るオストミー器具1800を例示する。しかしながら、この実施形態では、テーパー状の部分は、段差1850において、オストミー面板1810の本体まで段を上がる。テーパー状の部分1840と段差1850との間の接合部1860は、外科医の切断装置を案内するために使用され得る。いくつかの実施形態では、段差1850の厚さが、NPWDで使用されるドレープの厚さに匹敵し得、その結果、装着時に、オストミー器具とドレープとの間に比較的滑らかな表面が存在することに留意されたい。
【0053】
[0073]図19を参照すると、NPWDを可能な限りオストミーの近くに配置するための異なるアプローチが示されている。ここで、オストミー器具1900は、面板1910と、フランジ1920と、ストーマのための開口1930と、を備え得る。オストミー面板1910は、脆弱線によって接合された除去可能な1つ以上の部分1940を備え得る。このようにして、部分1940A、1940B、1940C等は、オストミー器具1910が、NPWD及び/又はその関連するドレープ若しくは包帯に可能な限り近くに設置され得るように、必要に応じて除去され得る。
【0054】
[0074]図20及び図21は、切断案内部の代替の実施形態を示す。図20は、突出部2020と、チャネル、スロット、又は溝2030との組合せを有する面板2010を例示する。このようにして、チャネル2030の深さは、面板2010の剛性を脅かさずに、切断装置を案内するのに十分な深さに維持され得る。図21は、2つの突出部2130の間に形成されたチャネル、スロット、又は溝2120を有するオストミー面板2110を例示する。これもまた、面板2110の構造又は構造的剛性を脅かすことなく、面板2110上のチャネル又は溝の存在を許容し得る。
【0055】
[0075]本発明のいくつかの実施形態によれば、本発明のフランジと嵌合又は接続するオストミーバッグ又はパウチは、対応する形状又は取付け機構を有し得ることに留意されたい。換言すれば、オストミー器具又は面板上の「D」字型のフランジは、対応する嵌合する「D」字型の取付け装置を有するオストミーバッグ又はパウチを必要とし得ることが予想される。
【0056】
[0076]以下の説明は例示的であるが、NPWDと併せた改良されたオストミー器具の装着及び使用への背景情報を提供することを意図している。患者が創傷とオストミーとの両方を呈する場合、オストミー器具が、最初にストーマの上又は周囲に装着され得る。その際に、オストミー器具は、前もって存在する開口を有し得るか、又は開口が器具に切り込まれ得る。オストミー器具は、典型的にオストミー器具の底面に付着した接着剤を使用して、患者に取り付けられ得る。
【0057】
[0077]NPWDの装着中、ドレープ又は包帯が、創傷の上に設置され得、例えば、オストミー器具の縁部に配設された切断案内部を使用することによって、可能な限りオストミー装置の近くで切断され得る。いくつかの実施形態によれば、オストミー器具の縁部は、テーパー状であり得、その結果、ドレープ又は包帯は、オストミー器具の小部分に重なり得るが、適正又は適切な密閉を維持するように構成され得る。オストミー器具-又は、ドレープ若しくは包帯が重なることが予想されるオストミー器具の部分-は、非透過性材料、ハイドロコロイドフィルム、シリコーン層及びアクリル接着剤コーティングを有するドレープ等から作製され得ることが企図される。
【0058】
[0078]本明細書に示され、説明された本発明の特定の実施形態は、例示的なものにすぎないことが理解されよう。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には今や、多数の変形、変更、置換及び等価物が想到されるであろう。従って、本明細書で説明され、添付の図面に示される全ての主題は、例示的であるにすぎず、限定的な意味で見なされるものではないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグ又はパウチを取り付けるための非円形の実質的に「D」字型フランジを備えるオストミー器具又は面板であって、
前記フランジは、前記バッグ又はパウチを前記器具又は面板に接続する可撓性材料である、オストミー器具又は面板。
【請求項2】
前記非円形フランジは、少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有する、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項3】
前記オストミー器具又は面板は、非円形である、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項4】
前記オストミー器具又は面板は、実質的に「D」字型である、請求項に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項5】
前記オストミー器具又は面板は陰圧創傷装置(NPWD)とともに使用され、前記NPWDは、前記オストミー器具又は面板の実質的に直線状の縁部と位置合わせされ、又は当接される、請求項4に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項6】
前記オストミー器具又は面板は、不透過性、実質的に不透過性、又は蒸気透過性の材料から構成されている、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項7】
バッグ又はパウチを取り付けるための前記非円形フランジは、前記オストミー器具又は面板の底面に対して、ある角度位置において配設されている、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項8】
前記オストミー器具又は面板にバッグ又はパウチを更に取り付けるための取付け装置を更に備える、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項9】
ストーマを受容するように構成された開口を更に備える、請求項1に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項10】
前記開口は、非対称に位置する、請求項9に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項11】
バッグ又はパウチを取り付けるための非円形の実質的に「D」字型フランジを備えるオストミー器具又は面板であって、
前記フランジは、前記バッグ又はパウチを前記器具又は面板に接続する可撓性材料であり、前記オストミー器具又は面板は、そこに取り付けられた前記バッグ又はパウチを、前記オストミー器具又は面板の特定の側に誘導するように構成されている、オストミー器具又は面板。
【請求項12】
少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有する非円形のフランジを有するオストミー器具又は面板であって、前記非円形のフランジは、バッグ又はパウチを取り付けるためのものである、オストミー器具又は面板。
【請求項13】
前記オストミー器具又は面板は、非円形である、請求項12に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項14】
前記オストミー器具又は面板は、不透過性、実質的に不透過性、又は蒸気透過性の材料から構成されている、請求項12に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項15】
ストーマを受容するように構成された開口を更に備える、請求項12に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項16】
前記開口は、非対称に位置し、前記開口は、前記フランジ内に位置する、請求項15に記載のオストミー器具又は面板。
【請求項17】
バッグ又はパウチを取り付けるための実質的に直線状の縁部を有する非円形のフランジを備えるオストミー器具又は面板であって、
前記フランジは、前記バッグ又はパウチを前記器具又は面板に接続する可撓性材料である、オストミー器具又は面板。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
[0078]本明細書に示され、説明された本発明の特定の実施形態は、例示的なものにすぎないことが理解されよう。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には今や、多数の変形、変更、置換及び等価物が想到されるであろう。従って、本明細書で説明され、添付の図面に示される全ての主題は、例示的であるにすぎず、限定的な意味で見なされるものではないことが意図される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジを有するオストミー器具又は面板。
[2] 前記非円形フランジは、実質的に「D」字型である、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[3] 前記非円形フランジは、少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有する、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[4] 前記オストミー器具又は面板は、非円形である、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[5] 前記オストミー器具又は面板は、実質的に「D」字型である、[4]に記載のオストミー器具又は面板。
[6] 切断案内部を備える、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[7] 前記切断案内部は、ドレープ又は包帯材料を切断するときに、切断装置を案内するために使用される、[6]に記載のオストミー器具又は面板。
[8] 前記ドレープ又は包帯材料は、NPWDとともに使用される、[7]に記載のオストミー器具又は面板。
[9] 前記切断案内部は、チャネル又は溝を備える、[6]に記載のオストミー器具又は面板。
[10] 前記切断案内部は、1つ以上の突出部を備える、[6]に記載のオストミー器具又は面板。
[11] テーパー状の縁部を更に備える、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[12] テーパー状の縁部を更に備え、ここにおいて、前記テーパー状の縁部は、前記「D」字型の前記実質的に直線状の部分に沿って延びている、[5]に記載のオストミー器具又は面板。
[13] 前記オストミー器具又は面板は、不透過性、実質的に不透過性、又は蒸気透過性の材料から構成されている、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[14] バッグ又はパウチを取り付けるための前記非円形フランジは、前記オストミー器具又は面板の底面に対して、ある角度位置において配設されている、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[15] 前記オストミー器具又は面板にバッグ又はパウチを取り付けるための取付け装置を更に備える、[1]に記載のオストミー器具又は面板。
[16] 非円形のオストミー器具又は面板であって、
バッグ又はパウチを取り付けるための非円形フランジと、前記非円形フランジは、少なくとも1つの実質的に直線状の縁部を有しており、
NPWDとともに使用される材料を切断するときに、切断装置を案内するための切断案内部と、前記切断案内部は、前記実質的に直線状の縁部と同一線上に配設されている、 を備える非円形のオストミー器具又は面板。
[17] 前記非円形のオストミー器具は、少なくとも1つの実質的に直線状且つテーパー状の縁部を有する、[16]に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
[18] ストーマを受容するように構成された開口を更に備える、[16]に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
[19] 前記開口は、非対称に位置し、前記開口は、前記フランジ内に位置している、[18]に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
[20] 前記フランジ内に配設された1つ以上の脆弱線を更に備え、このような脆弱線は、開口を形成するために、前記非円形のオストミー器具又は面板の一部を除去するために使用されている、[16]に記載の非円形のオストミー器具又は面板。
[21] 切断装置を案内するための切断案内部を備えるオストミー器具又は面板。
[22] 前記切断案内部は、NPWDとともに使用される切断装置を案内する、[21]に記載のオストミー器具又は面板。
[23] 前記切断案内部は、前記オストミー器具又は面板の表面におけるチャネル又は溝を備える、[21]に記載のオストミー器具又は面板。
[24] 前記切断案内部は、1つ以上の突出部を備える、[21]に記載のオストミー器具又は面板。
[25] 実質的に平面状の表面と、フランジとを備えるオストミー器具又は面板において、前記フランジの外側の前記平面状の表面の少なくとも一部が、除去可能である、オストミー器具又は面板。
[26] 実質的に直線状の縁部を有する、厚さを持つ実質的に平面状の表面を備えるオストミー器具又は面板において、実質的に平面状の縁部が、テーパー状の縁部を備え、前記実質的に平面状の表面の前記厚さを低減させている、オストミー器具又は面板。
[27] オストミー器具又は面板に取り付けられたオストミーバッグ又はパウチを、前記オストミー器具又は面板の特定の側に誘導するように構成されたオストミー器具又は面板。
【国際調査報告】