(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(54)【発明の名称】畑農機テストプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20220901BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577373
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2019116404
(87)【国際公開番号】W WO2020258645
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910572381.3
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503342694
【氏名又は名称】華南農業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】王 在満
(72)【発明者】
【氏名】張 明華
(72)【発明者】
【氏名】羅 錫文
(72)【発明者】
【氏名】許 鵬
(72)【発明者】
【氏名】臧 英
(72)【発明者】
【氏名】楊 文武
(72)【発明者】
【氏名】劉 順財
(72)【発明者】
【氏名】蘇 ▲ミャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】裴 娟
(72)【発明者】
【氏名】何 思禹
(72)【発明者】
【氏名】叶 揚青
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD17
2G024CA11
2G024CA22
2G024DA06
(57)【要約】
本発明は、畑農機テストプラットフォームであって、畑土溝26と、走行ガイドレール25と、走行台車24と、ヒッチ台車29と、ヒッチ装置と、テストシステム31を含む。2本のガイドレール25は、畑土溝26内の両側に平行に設置されている。走行台車24は、ガイドレール25に設置される。横梁30は、2本のガイドレール25の間に設けられ、かつ横梁30の両端は、それぞれ走行台車24に接続される。ヒッチ台車は、横梁30に設けられ、ヒッチ台車にヒッチ装置が設けられている。テストシステム31は、ヒッチ台車、ヒッチ装置に設けられている。試験機具23は、ヒッチ装置に接続されている。テストシステム31に含まれる映像アセンブリ、力テストアセンブリ及び制御アセンブリは、すべてヒッチ台車に取り付けられ、かつ映像アセンブリ、力テストアセンブリは、すべて制御アセンブリに電気的に接続される。テストプラットフォームは、鋤耕、旋耕、溝開け、平地、播種、田植え、植保及び収穫などの一連の大中型農機のテストに適応でき、汎用性が高く、テストの正確性がより高いなどのメリットがある。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
畑農機テストプラットフォームであって、
畑土溝と、ガイドレールと、走行台車と、ヒッチ台車と、ヒッチ機構と、テストシステムとを含み、
2本のガイドレールは、畑土溝内の両側に平行に設置され、
走行台車は、ガイドレールに設置され、
走行台車は、横梁と台車駆動部分を含み、
横梁は、2本のガイドレールの間に設けられ、かつ横梁の両端は、それぞれ両側の台車駆動部分に接続され、
ヒッチ台車は、横梁に設置され、
ヒッチ台車には、ヒッチ機構が設けられ、
テストシステムは、ヒッチ台車、ヒッチ機構に設けられ、
試験機具は、ヒッチ機構に接続され、
テストシステムに含まれる映像アセンブリ、力テストアセンブリ及び制御アセンブリは、すべてヒッチ台車に取り付けられ、
映像アセンブリ、力テストアセンブリは、すべて制御アセンブリに電気的に接続されることを特徴とする、
畑農機テストプラットフォーム。
【請求項2】
ヒッチ台車は、モータと、軌道滑車と、サイド補助滑車と、パネルとを含み、
パネルの両側に2対の軌道滑車が対称に設けられ、
一方の軌道滑車の伝動軸は、モータに接続され、
軌道滑車の外側にサイド補助滑車が設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項3】
ヒッチ機構は、3点吊り下げ装置であり、
前後板は、パネルに設けられ、
ヒッチ機構は、前後板に固定され、
ヒッチ機構は、油圧リフト部材に接続され、
前記3点吊り下げ装置は、上リフト部と下リフト部を含み、
上リフト部と下リフト部は、共に前後板に設けられ、
下リフト部は、上リフト部の両側に対称に設けられ、
試験機具は、上リフト部と下リフト部により3点吊り下げを実現することを特徴とする、
請求項2に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項4】
前後板に微調整装置が設けられ、
微調整装置は、3点吊り下げ装置に接続され、
ヒッチ台車のパネルの前側には、試験機具を平衡にヒッチするための釣り合いおもりが設けられていることを特徴とする、
請求項3に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項5】
力テストアセンブリは、センサを含み、ガイドレールの方向をY軸方向とし、横梁の方向をX軸方向とし、垂直に上下にリフトする方向をZ軸方向とし、
2つのX軸引張力センサは、それぞれパネルの横梁方向の両側壁に左右対称に設けられ、
Y軸引張力センサは、パネルのガイドレール方向の側壁に前後対称に設けられ、
2つのZ軸引張力センサは、下リフト部のリフトアームに上下対称に設けられていることを特徴とする、
請求項3に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項6】
映像アセンブリは、高速カメラであり、
ヒッチ台車には、高速カメラが取り付けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項7】
畑に基礎梁が敷設され、
開放式の露天矩形状の試験農地は、基礎梁によって囲まれて形成され、かつ前記基礎梁の外面は、発泡サンドイッチ板で覆われ、
前記畑土溝は、試験農地に平行に設置され、畑土溝の前後2段は、緩衝エリアであることを特徴とする、
請求項1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項8】
ガイドレールの先端部及び末端部の両方に緩衝ストッパが設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項9】
台車駆動部分は、車輪と、フレームと、駆動装置と、伝動機構と、制動機構とを含み、
フレームの前後の両側に4つの車輪が設けられ、
駆動装置は、伝動機構を介して車輪に接続されるとともに、制動機構は、車輪に接続され、
動力機構は、伝動機構を介して動力を車輪に伝達することを特徴とする、
請求項1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【請求項10】
伝動機構は、減速機と、スプロケットアセンブリを含み、
スプロケットアセンブリは、スプロケット軸と、チェーンと、スプロケット軸に設けられ、チェーンと噛み合うスプロケット歯を含み、
駆動装置は、ベルトで減速機に接続されると共に、減速ボックスによってシート下方のスプロケット軸に接続されてスプロケット歯を回転させ、
チェーンをスプロケット歯と車輪に接続させることにより、チェーンを介して車輪に動力を出力して車輪を回転させることを特徴とする、
請求項9に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農機技術分野に属し、具体的には畑農機テストプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
畑農機テストプラットフォームは、畑作業機械をテストする有効な装置である。畑農機テストプラットフォームは、新型農機の研究開発及び性能パラメータのテストに正確で効果的なデータを提供でき、土壌耕作、種まき、収穫などの主要な部品の作業メカニズム、材料と土壌の分離方式の究明、及びレンタル料軽減・エネルギー消費低下、構造の簡略化及びコストの節約などについて重要な意義を持つ。畑農機テストプラットフォームは、主に耕作機械、播種機械、田植え機械、平地機械及び植保機械などの機械全体又は作業部品の試験研究と性能テストに用いられる。作業速度、作業抵抗、六分力、回転数、トルク、耕深(及び播種深、施肥深)などの性能又は状態パラメータの採集や、リアルタイムデータ処理の機能を有する。畑農機テストプラットフォームは、畑試験と比べ、条件が制御可能で、有効な作業幅が大きく、研究周期を短縮できるなどの利点がある。従来の畑農機テストプラットフォームは、テストシステムプラットフォームが移動し、試験部品が相対的に固定されるものと、テストプラットフォームが動かず、試験部品が一定の方向に移動するものの2種類ある。この2種類は、現段階で室内の小型テストプラットフォームであることが多く、以下の欠点が存在する。第1に、室内のテスト環境がリアルさに欠け、誤差を増大させている。第2に、いずれも小型テストプラットフォームであるため、大型農機をテストする際に適応せず、しかもテスト精度が低い。そのため、より正確性が高く、より汎用性の高い農機屋外の大きな畑のテストプラットフォームが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題に対して、本発明は、畑農機テストプラットフォームを提供し、大部分の大中型農機のテストに適応でき、畑の作業状況を模擬して栽培機械の作業性能テスト機能を実現でき、しかも屋外に設置されており、テストの精度がより高い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
畑農機テストプラットフォームは、畑土溝と、ガイドレールと、走行台車と、ヒッチ台車と、ヒッチ機構と、テストシステムとを含む。2本のガイドレールは、畑土溝内の両側に平行に設置されている。走行台車は、ガイドレールに設置される。走行台車は、横梁と台車駆動部分を含む。横梁は、2本のガイドレールの間に設けられ、かつ横梁の両端は、それぞれ両側の台車駆動部分に接続される。ヒッチ台車は、横梁に設置される。ヒッチ台車には、ヒッチ機構が設けられている。テストシステムは、ヒッチ台車、ヒッチ機構に設けられている。試験機具は、ヒッチ機構に接続される。テストシステムは、映像アセンブリと、力テストアセンブリと、制御アセンブリを含む。映像アセンブリと、力テストアセンブリと、制御アセンブリは、すべてヒッチ台車に取り付けられ、かつすべて制御アセンブリに電気的に接続される。
【0005】
好ましくは、ヒッチ台車は、モータと、軌道滑車と、サイド補助滑車と、パネルとを含み、パネルの両側に2対の軌道滑車が対称に設けられ、一方の軌道滑車の伝動軸は、モータに接続され、軌道滑車の外側に更にサイド補助滑車が設けられている。
【0006】
好ましくは、ヒッチ機構は、3点吊り下げ装置であり、前後板は、パネルに設けられ、ヒッチ機構は、前後板に固定され、ヒッチ機構は、油圧リフト部材に接続され、前記3点吊り下げ装置は、上リフト部と下リフト部を含み、上リフト部と下リフト部は、共に前後板に設けられ、下リフト部は、上リフト部の両側に対称に設けられ、試験機具は、上リフト部と下リフト部により3点吊り下げを実現する。
【0007】
好ましくは、前後板に微調整装置が設けられ、微調整装置は、3点吊り下げ装置に接続され、ヒッチ台車のパネルの前側には、試験機具を平衡にヒッチするための釣り合いおもりが設けられている。
【0008】
好ましくは、力テストアセンブリは、センサを含み、ガイドレールの方向をY軸方向とし、横梁の方向をX軸方向とし、垂直に上下にリフトする方向をZ軸方向とし、2つのX軸引張力センサは、それぞれパネルの横梁方向の両側壁に左右対称に設けられ、Y軸引張力センサは、パネルのガイドレール方向の側壁に前後対称に設けられ、2つのZ軸引張力センサは、下リフト部のリフトアームに上下対称に設けられている。
【0009】
好ましくは、映像アセンブリは、高速カメラであり、ヒッチ台車には、高速カメラが取り付けられている。
【0010】
好ましくは、畑に基礎梁が敷設され、開放式の露天矩形状の試験農地は、基礎梁によって囲まれて形成され、かつ前記基礎梁の外面は、発泡サンドイッチ板で覆われ、前記畑土溝は、試験農地に平行に設置され、畑土溝の前後2段は、緩衝エリアである。
【0011】
好ましくは、ガイドレールの先端部及び末端部の両方に緩衝ストッパが設けられている。
【0012】
好ましくは、台車駆動部分は、車輪と、フレームと、駆動装置と、伝動機構と、制動機構とを含み、フレームの前後の両側に4つの車輪が設けられ、駆動装置は、伝動機構を介して車輪に接続されるとともに、制動機構は、車輪に接続され、動力機構は、伝動機構を介して動力を車輪に伝達する。
【0013】
好ましくは、伝動機構は、減速機と、スプロケットアセンブリを含み、スプロケットアセンブリは、スプロケット軸と、チェーンと、スプロケット軸に設けられ、チェーンと噛み合うスプロケット歯を含み、駆動装置は、ベルトで減速機に接続されると共に、減速ボックスによってシート下方のスプロケット軸に接続されてスプロケット歯を回転させ、チェーンをスプロケット歯と車輪に接続させることにより、チェーンを介して車輪に動力を出力して車輪を回転させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の利点として、本発明の畑農機テストプラットフォームは、一定の、土溝を有する農地を設定し、走行台車にヒッチ台車を架設し、テスト対象の機具又は小型機械全体をヒッチ台車の後端の3点吊り下げ装置でヒッチすることによって、トラクタヒッチ機具の農地での走行作業状態をよりリアルに模擬できる。畑土溝に沿って移動するようにテスト対象の機具をけん引して駆動し、また、得られたデータを力テストアセンブリと映像アセンブリによって制御アセンブリに伝送して統合処理を行い、走行、テスト及びデータ処理の3つの機能を一体化し、大中型機械の畑テストデータをより正確に得ることができる。かつ本発明の畑農機テストシステムプラットフォームは、構造の設計が合理的であり、屋外で設計されており、試験効果がより正確であり、作業範囲がより広い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例によるヒッチ台車の概略図である。
【
図2】本発明の一実施例による台車駆動部分の軸測投影図である。
【
図3】本発明の一実施例による台車駆動部分の底面図である。
【
図4】本発明の一実施例による全体構造の構成図である。
【
図5】本発明の一実施例による作業室付きの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、添付の図面と併せて以下で更に詳細に説明される。
【0017】
畑農機テストプラットフォームは、畑土溝と、ガイドレールと、走行台車と、ヒッチ台車と、ヒッチ機構と、テストシステムとを含む。畑土溝は、屋外の実際の露天農作物植栽場であり、矩形状である。2本のガイドレールは、畑土溝内の両側に平行に設置されている。走行台車は、ガイドレールに設置される。走行台車は、台車駆動部分と横梁を含む。横梁は、2本のガイドレールの間に設けられ、かつ横梁の両端は、それぞれ両側の台車駆動部分に接続される。横梁は、2つの台車駆動部分のガイドレール上の摺動によってガイドレール方向に移動する。ヒッチ台車は、横梁に設置される。ヒッチ台車は、横梁を横梁方向に移動し、かつヒッチ台車は、横梁と共にガイドレール方向に移動する。ヒッチ台車には、ヒッチ機構が設けられている。テストシステムは、ヒッチ台車、ヒッチ機構に設けられている。試験機具は、ヒッチ機構に接続される。これにより、ヒッチ台車、走行台車によって試験機具の畑での走行テストを実現し、走行テスト中のデータ採集及びデータ処理をテストシステムによって行い、試験機具の畑農業テストを実現する。
【0018】
本実施例において、非軌道試験テストエリアに作業室が設けられている。畑土溝の前後2段は、緩衝エリアである。
【0019】
本実施例において、畑土溝は、矩形状の屋外の土溝である。畑に基礎梁が敷設され、開放式の露天矩形状の試験農地は、基礎梁によって囲まれて形成され、かつ前記基礎梁の外面は、発泡サンドイッチ板で覆われている。前記畑土溝は、試験農地に平行に設置されている。畑土溝は、長さ80m、幅20mである。畑土溝の前後2段は、緩衝エリアである。畑土溝は、実際の農地植栽土を使用する。この畑土溝の土壌は、有機質の含有量が少なく、微生物の繁殖による腐敗を防ぐことができるという利点がある。また、従来の大田試験作業環境が小さく、効率が低く、重複性が低いなどの欠点を改善する。また、農地土壌を模擬する度合い及びトラクタヒッチ機具の畑走行作業状態を更に改善して向上させる。畑土溝に進水口と排水口が設けられている。進水口は、畑土溝の片側に設けられ、取水ポンプなどの進水装置に接続されている。進水装置は、畑土溝のそばの溝に接続されることにより、進水装置によって溝から取水して畑土溝に供給することができる。畑土溝の両側に排水口が設けられている。排水口は、本実施例における水ポンプのような排水施設に接続されることにより、排水施設によって畑土溝内の水を排水口から排水することができる。従って、進水口及び排水口の設計により、畑土溝内の土壌の水含有量を調整することができ、試験条件に必要な土壌強度と土壌の凝集力及び付着力を保証し、試験に必要な模擬用水田又は乾田の土壌特性の調整が容易になる。
【0020】
本実施例において、ガイドレールは、畑土溝の左右両側に対称的に敷設され、かつ鉄筋コンクリート構造物に敷設される。ガイドレールの先端部及び末端部の両方に緩衝ストッパが設けられている。緩衝ストッパは、走行台車が作業中に限界位置に達したときに脱線するのを防ぎ、安全に事故を防ぐことができる。各ガイドレールの全長は、70メートル以上であり、片側ガイドレールプラットフォームの幅は、2メートル以上であり、ガイドレールの総耐力は、10トン以上であり、移動するヒッチ台車の通常の動作に適合し、セルフチェック機能が搭載されている。走行台車は、先端部の緩衝エリアから出発し、畑試験に必要な作業速度までゆっくりと速度を上げる。走行台車が所定の速度などのパラメータ条件に達すると、走行台車に接続されるセンサは、同時にデータ採集を行う。
【0021】
本実施例において、台車駆動部分は、車輪と、フレームと、駆動装置と、伝動機構と、制動機構とを含み、4輪駆動設計を採用している。フレームの前後の両側に計4つの車輪が設けられている。駆動装置は、伝動機構を介して車輪に接続されるとともに、制動機構は、車輪に接続される。動力機構は、伝動機構を介して動力を車輪に伝達する。これにより、車輪が動き、フレーム全体を移動させる。
【0022】
更に、駆動装置は、周波数可変速度調整双方向サーボモータである。周波数可変速度調整双方向サーボモータは、ベルトを経て減速機に伝送され、減速機は、無段変速に設計され、さまざまな実験条件に必要な回転数及び作動速度を可能な限り満たす。周波数可変速度調整双方向サーボモータに合わせた周波数可変調整は、低速、高速段間の無段階速度調整を実現することができる。また、トランスミッションケースの変速作用により、速度が遅くなると、その分トルクが増大するため、トランスミッションケースの伝達軸径は、高速から低速になるにつれて大きくなり、ギアのモジュールも大きくなる。
【0023】
伝動機構は、減速機と、スプロケットアセンブリを含む。スプロケットアセンブリは、スプロケット軸と、チェーンと、スプロケット軸に設けられ、チェーンと噛み合うスプロケット歯を含む。駆動装置は、ベルトで減速機に接続され、動力を伝達して減速機を作動させる。減速機をスプロケットアセンブリに接続させることにより、減速機の伝動軸は、力をシート下方のスプロケット軸に伝達してスプロケット歯を回転させる。チェーンをスプロケット歯と車輪に接続させることにより、チェーンを介して車輪に動力を出力して車輪を回転させ、走行台車を畑土溝内でガイドレール方向に移動させる。
【0024】
制動機構は、電磁式ブレーキを採用している。ブレーキの解放とクランプにより、走行台車の作動時の走行安全を保証する。走行台車は作業中、いつでも制動できる必要がある。大型屋外畑農機テストシステムプラットフォームの使用頻度が高く、かつ短距離の定速走行ではないため、選択したブレーキは、必ず構造が簡単で、取り付けや修理が便利で、交換が迅速で、相応の部品が摩耗した後に調整が簡単で、安全で確実でなければならない。
【0025】
本実施例において、ヒッチ台車は、モータと、軌道滑車と、サイド補助滑車と、パネルとを含み、パネルの両側に2対の軌道滑車が対称に設けられ、一方の軌道滑車の伝動軸は、モータに接続される。これにより、モータは、この軌道滑車を転動駆動し、更にヒッチ台車は、4つの軌道滑車によって横梁の軌道を移動する。軌道滑車の外側に更にサイド補助滑車が設けられている。サイド補助滑車は、動力支持として、ヒッチ台車とヒッチ台車の移動ずれのバランスをとることに寄与し、更にヒッチ台車の積載能力と安全係数を向上させる。
【0026】
ヒッチ台車の後ろ側にヒッチ機構が取り付けられ、ヒッチ台車のパネルの前側には、ヒッチ機具のバランスを取りための釣り合いおもりが設けられている。
【0027】
ヒッチ機構は、3点吊り下げ装置である。ヒッチ機構は、油圧リフト部材に接続されている。3点吊り下げ装置は、上リフト部と下リフト部を含む。上リフト部と下リフト部は、共に前後板に設けられている。下リフト部は、上リフト部の両側に対称に設けられている。試験機具は、上リフト部と下リフト部により3点吊り下げを実現する。
【0028】
上リフト部は、リフト軸と、リフトアームと、リフト棒と、引下げ棒とを含む。リフト軸は、前後板のリヤプレートに固定されている。リフトアームの一端は、リフト軸に固定連結され、リフトアームの他端は、リフト棒の上端にヒンジ連結される。引下げ棒は、前後板のリヤプレートに固定され、リフト棒の下端は、引下げ棒にヒンジ連結される。下リフト部は、引上げ棒を含む。引上げ棒は、前後板のリヤプレートに固定されている。
【0029】
油圧リフト部材は、油圧ポンプと、油圧オイルタンクを含む。油圧オイルタンクは、パネルに取り付けられ、油圧ポンプは、油圧オイルタンクに設けられている。3点吊り下げ装置によって吊り下げられた試験機具は、油圧ポンプ及び油圧オイルタンクによって昇降可能である。
【0030】
3点吊り下げ装置は、連結棒と、リフトアームと、連結体を含む。連結棒、リフトアーム及び連結体は、接続されている。連結体は、前後板のリヤプレートに固定され、前後板は、パネルに取り付けられる。連結体は、試験機具に可動に接続する。更に、油圧ポンプと油圧オイルタンクとを含む油圧リフト部材を含む。油圧オイルタンクは、パネルに取り付けられている。油圧ポンプは、油圧オイルタンクに設けられている。油圧ポンプによって3点吊り下げ装置の試験機具を昇降させることができる。前後板のフロントプレートに微調整装置が設けられている。微調整装置の原理は、天秤に似ている。このプレートは、前側が油圧リフト部材で持ち上げられると、対応するもう一方が下降し、同じように左右も同様である。これで、試験機具の俯仰横転10°以内の微調整が完了する。微調整装置は、3点吊り下げ装置に接続されている。
【0031】
微調整装置は、浮動ジョイントと、支持調整機構を含む。フロントプレートの後側は、支持調整機構を介してヒッチ台車に取り付けられる。フロントプレートの前側は、浮動ジョイントに接続される。浮動ジョイントは、油圧リフト部材に接続される。油圧部材で浮動ジョイントを上下に動かすことにより、前後板を昇降させ、かつ支持調節機構の係合により、前後板の上下左右の微調整を実現し、更にヒッチ台車の微調整を実現し、ヒッチ台車に接続するヒッチアセンブリの微調整を実現する。支持調整機構は、球カバー、球カバー軸、球カバー軸ベース、球形上蓋、球形下蓋を含む。球カバーは、球状であり、外径がフロントプレートの丸孔の内径より僅かに大きい。球カバー軸の下端は、ヒッチ台車のパネルに球カバー軸ベースを介して取り付けられる。球カバーは、球カバー軸に外嵌される。球カバーは、フロントプレートの丸孔を貫通し、フロントプレートは、丸孔によってフロントプレートに係止される。球形上蓋、球形下蓋は、フロントプレートの上、下にそれぞれ設けられ、かつ球形上蓋は、球カバー上部に外嵌され、球形下蓋は、球カバー下部に外嵌される。
【0032】
テストシステムは、映像アセンブリと、力テストアセンブリと、制御アセンブリを含む。映像アセンブリと、力テストアセンブリと、制御アセンブリは、すべてヒッチ台車に取り付けられる。かつ映像アセンブリ、力テストアセンブリは、すべて制御アセンブリに電気的に接続される。制御アセンブリは、6ES7214-1AD23-0XB8モデルのPLCとすることができる。
【0033】
映像アセンブリは、高速カメラである。ヒッチ台車には、高速カメラが取り付けられ、接続可能なカメラの個数は、2以上である。カメラセンサーは、C-MOSであり、センサのサイズは、5.12×5.12mmであり、撮影速度は、500FPSであり、512×512の解像度に達した時点で記録可能時間が30min以上である。録画されたコンテンツは、システム内蔵SSDソリッドステートドライブ(512G以上)に保存される。オペレーティングソフトウェアは、中国語システムに対応し、タッチスクリーンを手に持って操作できる。デバイス内蔵電源の駆動可能時間は、70min以上であり、カメラのサイズは、35×35×34mm以下であり、録画方式は、速度優先モード(データをメモリ4GBに直接保存し、フレームレートが最速である)と時間優先モード(データをSSDに転送し、撮影時間が最長である)を採用する。畑試験作業を行う場合、ヒッチされた試験機具部分又はセンサでテストしたデータを収集、表示、記憶してシステムに保存することができ、後の再生とデータ分析処理に便利である。
【0034】
力テストアセンブリは、センサを含む。ガイドレールの方向をY軸方向とし、横梁の方向をX軸方向とし、垂直に上下にリフトする方向をZ軸方向とする。センサ群は、横梁方向に配置された2つのX軸引張力センサと、けん引方向に配置された2つのY軸引張力センサと、縦方向に配置された2つのZ軸引張力センサを含む。2つのX軸引張力センサは、それぞれパネルの横梁方向の両側壁に左右対称に設けられている。Y軸引張力センサは、パネルのガイドレール方向の側壁に前後対称に設けられている。2つのZ軸引張力センサは、下リフト部のリフトアームに上下対称に設けられている。
【0035】
移動する高速カメラとセンサ及び制御アセンブリにより、各種大田試験テストのデータを収集し、表示し、記憶し、ライブビデオを撮影して自動保存、再生分析及び関連データ処理を行うことができる。
【0036】
動力出力機構は、ヒッチ台車を左右に移動させるX軸動力出力と、横梁とヒッチ台車全体を前後に移動させるY軸動力出力との2つの部分を含む。X軸動力出力は、周波数可変双方向速度調整サーボモータと、軌道滑車と、サイド補助滑車を含む。周波数可変双方向速度調整サーボモータは、出力動力を4つの軌道滑車のうちの1つの伝動軸に伝達し、主動輪として残りの従動輪を横梁上で左右に移動させると同時に、4つの軌道滑車は、いずれも動力支持としてサイド補助滑車を含み、ヒッチ台車と移動ずれのバランスを取ることに寄与し、積載能力と安全係数を高める。Y軸動力出力は、周波数可変双方向速度調整モータを含む。周波数可変双方向速度調整モータは、ベルトによってギアボックス伝動軸を駆動し、トランスミッションケースの作動を経て、出力動力は、トルク回転数センサを介して歯車軸上のスプロケット歯に伝達される。スプロケット歯は、チェーンと作動することで走行台車全体に動力を伝達し、両側に1つずつあり、作業部品の安定性と同期性を保証する。周波数可変双方向速度調整モータと一緒に作動するものには、ケーブルリールもあり、走行台車、ヒッチ台車に追従して移動し、移動設備全体に動力電源、制御電源、制御信号を供給する。
【0037】
畑農機テストプラットフォームは、畑試験の、前進方向(Y方向)に対する土壌抵抗又は台車牽引力、機具重力(Z方向)と土壌反力の合力及び土壌側方(X方向)反力などのパラメータの精確なテストを実現する。引張圧力センサの間隔と各センサによって測定された力から、制御アセンブリは、各センサのデータを受信した後、簡単な四則演算式により、機具に作用するX、Y、Z軸上の分力とトルクを計算して知ることができる。これにより力学パラメータの測量を実現し、従来の力測定装置の場合、試験前に被測定機具にひずみゲージを貼り付ける準備作業を回避し、機具の交換を容易にする。
【0038】
上記実施例は、発明の好適な実施形態であるが、本発明の実施形態は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の精神及び原理から逸脱することなく行われる他の任意の変更、修飾、置換、組み合わせ、簡略化は、本発明の範囲内に含まれる等価な置換であるべきである。
【0039】
(付記)
(付記1)
畑農機テストプラットフォームであって、
畑土溝と、ガイドレールと、走行台車と、ヒッチ台車と、ヒッチ機構と、テストシステムとを含み、
2本のガイドレールは、畑土溝内の両側に平行に設置され、
走行台車は、ガイドレールに設置され、
走行台車は、横梁と台車駆動部分を含み、
横梁は、2本のガイドレールの間に設けられ、かつ横梁の両端は、それぞれ両側の台車駆動部分に接続され、
ヒッチ台車は、横梁に設置され、
ヒッチ台車には、ヒッチ機構が設けられ、
テストシステムは、ヒッチ台車、ヒッチ機構に設けられ、
試験機具は、ヒッチ機構に接続され、
テストシステムに含まれる映像アセンブリ、力テストアセンブリ及び制御アセンブリは、すべてヒッチ台車に取り付けられ、
映像アセンブリ、力テストアセンブリは、すべて制御アセンブリに電気的に接続されることを特徴とする、
畑農機テストプラットフォーム。
【0040】
(付記2)
ヒッチ台車は、モータと、軌道滑車と、サイド補助滑車と、パネルとを含み、
パネルの両側に2対の軌道滑車が対称に設けられ、
一方の軌道滑車の伝動軸は、モータに接続され、
軌道滑車の外側にサイド補助滑車が設けられていることを特徴とする、
付記1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0041】
(付記3)
ヒッチ機構は、3点吊り下げ装置であり、
前後板は、パネルに設けられ、
ヒッチ機構は、前後板に固定され、
ヒッチ機構は、油圧リフト部材に接続され、
前記3点吊り下げ装置は、上リフト部と下リフト部を含み、
上リフト部と下リフト部は、共に前後板に設けられ、
下リフト部は、上リフト部の両側に対称に設けられ、
試験機具は、上リフト部と下リフト部により3点吊り下げを実現することを特徴とする、
付記2に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0042】
(付記4)
前後板に微調整装置が設けられ、
微調整装置は、3点吊り下げ装置に接続され、
ヒッチ台車のパネルの前側には、試験機具を平衡にヒッチするための釣り合いおもりが設けられていることを特徴とする、
付記3に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0043】
(付記5)
力テストアセンブリは、センサを含み、ガイドレールの方向をY軸方向とし、横梁の方向をX軸方向とし、垂直に上下にリフトする方向をZ軸方向とし、
2つのX軸引張力センサは、それぞれパネルの横梁方向の両側壁に左右対称に設けられ、
Y軸引張力センサは、パネルのガイドレール方向の側壁に前後対称に設けられ、
2つのZ軸引張力センサは、下リフト部のリフトアームに上下対称に設けられていることを特徴とする、
付記3に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0044】
(付記6)
映像アセンブリは、高速カメラであり、
ヒッチ台車には、高速カメラが取り付けられていることを特徴とする、
付記1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0045】
(付記7)
畑に基礎梁が敷設され、
開放式の露天矩形状の試験農地は、基礎梁によって囲まれて形成され、かつ前記基礎梁の外面は、発泡サンドイッチ板で覆われ、
前記畑土溝は、試験農地に平行に設置され、畑土溝の前後2段は、緩衝エリアであることを特徴とする、
付記1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0046】
(付記8)
ガイドレールの先端部及び末端部の両方に緩衝ストッパが設けられていることを特徴とする、
付記1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0047】
(付記9)
台車駆動部分は、車輪と、フレームと、駆動装置と、伝動機構と、制動機構とを含み、
フレームの前後の両側に4つの車輪が設けられ、
駆動装置は、伝動機構を介して車輪に接続されるとともに、制動機構は、車輪に接続され、
動力機構は、伝動機構を介して動力を車輪に伝達することを特徴とする、
付記1に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【0048】
(付記10)
伝動機構は、減速機と、スプロケットアセンブリを含み、
スプロケットアセンブリは、スプロケット軸と、チェーンと、スプロケット軸に設けられ、チェーンと噛み合うスプロケット歯を含み、
駆動装置は、ベルトで減速機に接続されると共に、減速ボックスによってシート下方のスプロケット軸に接続されてスプロケット歯を回転させ、
チェーンをスプロケット歯と車輪に接続させることにより、チェーンを介して車輪に動力を出力して車輪を回転させることを特徴とする、
付記9に記載の畑農機テストプラットフォーム。
【符号の説明】
【0049】
1:モータ、2:フロントプレート、3:微調整装置、4:連結体、5:連結棒、6:リフトアーム、7:リヤプレート、8:軌道滑車、9:パネル、10:サイド補助滑車、11:釣り合いおもり、12:油圧オイルタンク、13:油圧ポンプ、14:シートカバー、15:シート、16:伝動軸、17:減速機、18:スプロケット軸、19:スプロケット歯、20:モータープーリー、21:駆動装置、22:車輪、23:テスト機具、24:走行台車、25:ガイドレール、26:畑土溝、27:チェーン、28:ケーブルリール、29:ヒッチ台車、30:横梁、31:テストシステム、32:作業室、33:発泡サンドイッチ板、34:基礎梁、35:排水口。
【国際調査報告】