(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(54)【発明の名称】携帯装置の圧力センサを使用して、判定されたコンテキストの信頼性を改善するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01L 7/00 20060101AFI20220901BHJP
H04M 1/72 20210101ALI20220901BHJP
【FI】
G01L7/00 K
G01L7/00 S
H04M1/72
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577428
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2020032526
(87)【国際公開番号】W WO2021002943
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513114825
【氏名又は名称】ネクストナヴ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ドーモディ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ガイユエン
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャン,バドリナート
(72)【発明者】
【氏名】ラグパティ,アルン
【テーマコード(参考)】
2F055
5K127
【Fターム(参考)】
2F055AA01
2F055FF25
2F055FF28
5K127AA36
5K127BA03
5K127JA06
5K127JA11
5K127JA15
5K127JA25
5K127JA31
(57)【要約】
携帯装置の圧力センサを使用することによって、判定されたコンテキストの信頼性を改善する。ここに記載される特定の実施の形態は、携帯装置のコンテキストを判定する機械を備え、前記携帯装置の前記圧力センサからの一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置の圧力センサを使用して、判定されたコンテキストの信頼性を改善する方法であって、前記方法は、
前記携帯装置の前記コンテキストを判定するステップと、
前記携帯装置の前記圧力センサからの一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、判定された前記コンテキストによって携帯装置が自動車両内にあると明示される場合、前記携帯装置の前記圧力センサからの前記一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定するステップは、
時間範囲内で前記携帯装置の前記圧力センサを使用した圧力測定値の数を判定するステップと、
前記圧力測定値の分布を計算するステップと、
前記分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップと、
前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量よりも大きい場合、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以下の場合、前記コンテキストを正確と判定せず、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記方法は、
風速を判定するステップと、
前記風速が、風速の閾値量未満であるか否かを判定するステップと、を備え、
前記広がりのパーセンテージ量が、前記圧力の閾値量より大きい場合に、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する前記出力を生成するステップは、
(i)前記風速が前記風速の閾値量未満の場合、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
(ii)前記風速が前記風速の閾値量以上の場合、前記コンテキストを正確と判定せず、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備えることを特徴とする。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記方法は、
(i)前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以下の場合、前記コンテキストが正確との判定ができないと判定し、前記コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップと、
(ii)前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以下の場合、前記コンテキストを不正確と判定し、前記コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップと、
(iii)前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以下の場合、前記コンテキストを不正確と判定し、前記携帯装置が歩行中の、または自転車に乗車中のユーザとともにあると明示する出力を生成するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、判定された前記コンテキストによって前記携帯装置が歩行中のユーザとともにあると明示される場合、前記携帯装置の前記圧力センサからの前記一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定するステップは、
前記携帯装置の前記圧力センサを使用して、ある時間範囲内で、前記時間範囲の始点またはその近傍で判定された第一の圧力測定値と、前記時間範囲の終点またはその近傍で判定された第二の圧力測定値とを含む、圧力測定値を生成するステップと、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップと、
前記特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記特徴が前記閾値条件を満たしている場合に、前記コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
前記特徴が前記閾値条件を満たしていない場合に、前記コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップが、前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との差を判定するステップを含んでおり、
前記特徴が前記閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との前記差が、前記圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、
前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との前記差が、前記圧力の閾値量より大きい場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしており、
前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との前記差が、前記圧力の閾値量以下である場合、前記特徴が閾値条件を満たしていない、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップが、前記時間範囲にわたって、前記圧力測定値の近似曲線を判定するステップを含んでおり、
前記特徴が前記閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、前記近似曲線の傾斜の大きさが、単位時間あたりの圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、
前記近似曲線の傾斜の大きさが、前記単位時間あたりの圧力の閾値量より大きい場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしており、
前記近似曲線の傾斜の大きさが、前記単位時間あたりの圧力の閾値量以下の場合、前記特徴が閾値条件を満たしていない、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法において、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップが、前記圧力測定値の分布を判定するステップを含んでおり、
前記特徴が前記閾値条件を満たすか否かを判定するステップが、前記分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量未満か否かを判定するステップを含んでおり、
前記分布の広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量未満である場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしており、
前記分布の広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以上の場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしていない、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項5に記載の方法であって、前記方法は、
(i)前記特徴が前記閾値条件を満たさない場合に、前記コンテキストが正確との判定ができないと判定し、前記コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップと、
(ii)前記特徴が前記閾値条件を満たしてない場合に、前記コンテキストを不正確と判定し、前記コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップと、を備えることを特徴とする。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、判定された前記コンテキストによって前記携帯装置が静止状態にあると明示される場合、前記携帯装置の前記圧力センサからの前記一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定するステップは、
前記携帯装置の前記圧力センサを使用して、ある時間範囲内で、前記時間範囲の始点またはその近傍で判定された第一の圧力測定値と、前記時間範囲の終点またはその近傍で判定された第二の圧力測定値とを含む、圧力測定値を生成するステップと、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップと、
前記特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記特徴が前記閾値条件を満たしている場合に、前記コンテキストを不正確と判定し、コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップと、
前記特徴が前記閾値条件を満たさない場合に、前記コンテキストが正確との判定ができないと判定し、前記コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップと、を備えることを特徴とする。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップが、前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との差を判定するステップを含んでおり、
前記特徴が前記閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との前記差が、前記圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、
前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との前記差が、前記圧力の閾値量より大きい場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしており、
前記第一の圧力測定値と前記第二の圧力測定値との前記差が、前記圧力の閾値量以下である場合、前記特徴が閾値条件を満たしていない、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップが、前記時間範囲にわたって、前記圧力測定値の近似曲線を判定するステップを含んでおり、
前記特徴が前記閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、前記近似曲線の傾斜の大きさが、単位時間あたりの圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、
前記近似曲線の傾斜の大きさが、前記単位時間あたりの圧力の閾値量より大きい場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしており、
前記近似曲線の傾斜の大きさが、前記単位時間あたりの圧力の閾値量以下の場合、前記特徴が閾値条件を満たしていない、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、
前記圧力測定値の特徴を判定するステップが、前記圧力測定値の分布を判定するステップを含んでおり、
前記特徴が前記閾値条件を満たすか否かを判定するステップが、前記分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、
前記分布の広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量より大きい場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしており、
前記分布の広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以下の場合、前記特徴が前記閾値条件を満たしていない、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、判定された前記コンテキストによって前記携帯装置が落とされたと明示される場合、前記携帯装置の前記圧力センサからの前記一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定するステップは、
前記携帯電話と別の物との間に衝撃が検出された期間にわたって、前記衝撃発生時の圧力測定値と、前記衝撃発生後の圧力測定値を含む圧力測定値を生成するステップと、
前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差を判定するステップと、
前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が圧力の第一の閾値量を超えるか否かを判定するステップと、
前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の前記圧力の第一の閾値量を超える場合、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第一の閾値量を超えない場合、前記コンテキストを正確と判定せず、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記方法は、
(i)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第一の閾値量を超えない場合、前記コンテキストが正確との判定ができないと判定し、前記コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップと、
(ii)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第一の閾値量を超えない場合、前記コンテキストを不正確と判定し、前記コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、前記方法は、
前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が前記圧力の第一の閾値量を超えない場合、
(i)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第一の閾値量より少ない圧力の第二の閾値量を超えるか否かを判定するステップと、
(ii)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第二の閾値量を超える場合、前記携帯電話が他の物により締め付けられている可能性が高いと判定され、前記携帯電話が前記他の物によって締め付けられている可能性が高いと明示する出力を生成するステップと、
(iii)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第二の閾値量を超えない場合、前記携帯電話が他の物によりタップされた可能性が高いと判定され、前記携帯電話が前記他の物によってタップされた可能性が高いと明示する出力を生成するステップと、を備えていることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、判定された前記コンテキストによって前記携帯装置が落とされたと明示される場合、前記携帯装置の前記圧力センサからの前記一以上の圧力測定値を使用して、判定された前記コンテキストが正確か否かを判定するステップは、
前記携帯電話と別の物との間に衝撃が検出された期間にわたって、前記衝撃発生前の圧力測定値と、前記衝撃発生後の圧力測定値を含む圧力測定値を生成するステップと、
前記衝撃前の圧力測定値と前記衝撃後の圧力測定値との差を判定するステップと、
前記衝撃前の圧力測定値と前記衝撃後の圧力測定値との差が圧力の閾値量を超えるか否かを判定するステップと、
前記衝撃発生前の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の閾値量を超える場合、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
前記衝撃発生前の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の閾値量を超えない場合、前記コンテキストを正確と判定せず、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記方法は、
(i)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第一の閾値量を超えない場合、前記コンテキストが正確との判定ができないと判定し、前記コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップと、
(ii)前記衝撃発生時の圧力測定値と前記衝撃発生後の圧力測定値との差が、前記圧力の第一の閾値量を超えない場合、前記携帯電話が他の物によりタップされた可能性が高いと判定され、前記携帯電話が前記他の物によってタップされた可能性が高いと明示する出力を生成するステップと、を備えていることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、
前記判定されたコンテキストによって、前記携帯装置が自動車両内であると明示される場合に、前記判定されたコンテキストが正確か否かを判定するステップは、
(i)時間範囲内で前記携帯装置の前記圧力センサを使用した圧力測定値の数を判定するステップと、
(ii)前記圧力測定値の分布を計算するステップと、
(iii)前記分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップと、
(iv)前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量よりも大きい場合、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
(v)前記広がりの前記パーセンテージ量が、前記圧力の閾値量以下の場合、前記コンテキストを正確と判定せず、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備え、
前記判定されたコンテキストによって、前記携帯装置が歩行中のユーザとともにあると明示される場合に、前記判定されたコンテキストが正確か否かを判定するステップは、
(i)前記携帯装置の前記圧力センサを使用して、ある時間範囲内で、前記時間範囲の始点またはその近傍で判定された第一の圧力測定値と、前記時間範囲の終点またはその近傍で判定された第二の圧力測定値とを含む、圧力測定値を生成するステップと、
(ii)前記圧力測定値の特徴を判定するステップと、
(iii)前記特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップと、
(iv)前記特徴が前記閾値条件を満たしている場合に、前記コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
(v)前記特徴が前記閾値条件を満たしていない場合に、前記コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備え、
前記判定されたコンテキストによって、前記携帯装置が静止状態にあると明示される場合に、前記判定されたコンテキストが正確か否かを判定するステップは、
(i)前記携帯装置の前記圧力センサを使用して、ある時間範囲内で、前記時間範囲の始点またはその近傍で判定された第一の圧力測定値と、前記時間範囲の終点またはその近傍で判定された第二の圧力測定値とを含む、圧力測定値を生成するステップと、
(ii)前記圧力測定値の特徴を判定するステップと、
(iii)前記特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップと、
(iv)前記特徴が前記閾値条件を満たしている場合に、前記コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、
(v)前記特徴が前記閾値条件を満たさない場合に、前記コンテキストが正確との判定ができないと判定し、前記コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップと、を備え、
前記判定されたコンテキストによって、前記携帯装置が落とされたと明示される場合に、前記判定されたコンテキストが正確か否かを判定するステップは、
(i)前記携帯電話と別の物との間に衝撃が検出された期間にわたって、前記衝撃発生前の圧力測定値と、前記衝撃発生時の圧力測定値と、前記衝撃発生後の圧力測定値を含む圧力測定値を生成するステップと、
(ii)前記圧力測定値間の差を判定するステップであって、前記差は、前記衝撃時の圧力測定値と前記衝撃後の圧力測定値との差、または前記衝撃前の圧力測定値と前記衝撃後の圧力測定値との差である、ステップと、
(iii)前記圧力測定値間の差が圧力の閾値量を超えるか否かを判定するステップと、
(iv)前記圧力測定値間の差が、前記圧力の閾値量を超える場合、前記コンテキストを正確と判定し、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成するステップと、
(v)前記圧力測定値間の差が、前記圧力の閾値量を超えない場合、前記コンテキストを正確と判定せず、前記コンテキストが正確であると明示する出力を生成しないステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
一以上の非一時的な機械可読媒体であって、一以上の機械によって実行されると、前記一以上の機械に、請求項1乃至19のいずれかに記載の方法を実施させるプログラム指示を具現化する一以上の非一時的な機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スマートフォン等の携帯装置のコンテキストは、携帯装置によって収集された様々な情報を用いて判定される。コンテキストの例としては、携帯装置が自動車両で移動している、建物内の階を移動するユーザとともにある、歩行するユーザとともにある、静止している、落とされた、または技術分野で知られる他のコンテキストと判定されることが挙げられるが、これらには限定されない。
【0002】
異なる種類の情報を携帯装置によって収集し、当該携帯装置のコンテキスト判定に使用することができる。例えば、歩行、運転、静止、落下、垂直軸上での上下動、または角度軸に沿った上下動など、特定の動きを示すベクトルの動きは、加速度計または他の慣性センサからの慣性センサ測定値を用いることによって、若しくは、これらの動きのいくつかは経時的な一連の計算された位置推定値を用いることによって推定可能である。
【0003】
コンテキスト判定を行う際に、コンテキストの信頼性または精度を推定する信頼値を判定できる。信頼値は異なる形式で表すことができる。通常、信頼値は50%の信頼度などのようにパーセンテージで提示されるが、高い信頼度、良好な信頼度、弱い信頼度、低い信頼度のように相対的な用語を用いるなどの他の方法で提示することも可能である。場合によっては、信頼値なしも利用可能である。その他にも、高い信頼値が利用不可の場合もある(例:慣性センサがドリフトし、正確な測定値を提示できなくなる。例:測位信号がマルチパス誤差を含む)。したがって、携帯装置のコンテキストをより確実に判定する改善された手法が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】携帯装置の圧力センサを用いて判定されたコンテキストの信頼性を改善するシステムおよび方法が動作し得る動作環境を示す図である。
【0005】
【
図2】携帯装置の圧力センサを用いて判定されたコンテキストの信頼性を改善する工程を示す図である。
【0006】
【
図3A】判定されたコンテキストによって、携帯装置が自動車両内であると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0007】
【
図3B】判定されたコンテキストによって、携帯装置が自動車両内であると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する別の工程を示す図である。
【0008】
【
図4】判定されたコンテキストによって、携帯装置が歩行中のユーザとともにあると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0009】
【
図5】判定されたコンテキストによって、携帯装置が静止状態にあると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0010】
【
図6】判定されたコンテキストによって、携帯装置が落とされたと明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0011】
【
図7】判定されたコンテキストによって、携帯装置が落とされたと明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する別の工程を示す図である。
【0012】
【
図8】送信機、携帯装置、およびサーバの構成要素を示す図である。
【詳細な説明】
【0013】
スマートフォンなどの携帯装置の状態を把握することにより、目的とする状況(例えば、携帯装置の特定の位置、携帯装置のいずれかの動き、携帯装置に影響を及ぼす環境条件、またはその他の状況)の識別に利用することができる。目的とする状況は、一旦識別されると、携帯装置の特定の動作を制御するために利用することができる。例えば、当該状況が、携帯装置の圧力センサからの圧力測定値の信頼度が、圧力センサを較正するために、または携帯装置の高度を推定するために十分であることを示していてもよい。また、当該状況が本技術分野で既知の他の動作に影響を及ぼすその他の事を示していてもよい。
【0014】
携帯装置の状態は、当該携帯装置のコンテキストとして表すことができる。コンテキストの信頼性は、コンテキストの判定に使用される基礎となる情報の精度に大きく依存する。コンテキストの判定に使用される基礎となる情報は、確実性のレベルが閾値条件を満たさない(例えば、信頼度の閾値レベルを超えない信頼値)コンテキストの判定結果となることがある。コンテキストの判定に使用される基礎となる情報はまた、当該コンテキストの可能性を不正確に誇張する確実性のレベルの(例えば、コンテキストの実際の可能性よりも高い信頼値の)コンテキストの判定結果となることがある。以下においてさらに記載するように、判定されたコンテキストの信頼性は携帯装置の圧力センサからの測定値を使用することにより改善できる。
【0015】
携帯装置の圧力センサからの圧力測定値は、圧力の測定値を考慮しない手法と比較して、判定されたコンテキストの精度にさらなる確実性を与えるために有効に利用できる。例として、圧力の測定値は、以前に判定されたコンテキストを確認するために、以前に判定されたコンテキストの可能性を減少させるために、コンテキストが真である可能性に対する調整が圧力測定値から認識できないことを示すために、または別の可能なコンテキストを識別するために使用することができる。以下に、携帯装置の圧力センサからの圧力測定値を使用して判定されたコンテキストを評価する様々な手法について要約する。
装置が自動車両内のユーザとともにある可能性:圧力センサからの圧力測定値を使用して、携帯装置が位置すると予想される自動車両にぶつかり、漏出することが予想される「乱流」空気を検出することができる。これを使用して、携帯装置が自動車両内にある可能性を確認または増加させることができる。参考のために、「乱流」である空気は、携帯装置が移動する自動車両内にない状況(例えば、歩行中のユーザとともにあるとき、または静止状態にあり動いていない場合)に関する圧力測定値の分布の広がりと比較して、圧力測定値の分布の広がりが増大している際に識別することができる。或いは、圧力センサからの圧力測定値を使用して、時間の尺度上で圧力の変化が殆どないまたは全くない(例えば、数分間にわたって変化が、圧力の閾値量未満である)ことを検出したり、携帯装置が自動車両内にある可能性を不確実にするか低減させることに利用可能な乱気流のない状態を検出したり、任意で新たなコンテキスト判定の結果を得ることができる。
装置が歩行中のユーザとともにある可能性:圧力センサの圧力測定値は、乱気流の検出に利用可能であり、これによって携帯装置が歩行中のユーザとともにある可能性を低減させることができ、さらに任意で新たなコンテキスト判定(例えば、携帯装置が自動車両内にある)の結果を得ることに利用できる。コンテキストが、携帯装置が階を移動していると特定した場合、短い時間の尺度上(例えば、1分未満)での圧力センサからの圧力測定値を使って、圧力の閾値範囲内にある一連の圧力測定値の差を検出したり、閾値条件を満たす時間の尺度上での一方向への圧力の変化量(例えば、上昇または下降に伴う予想量の範囲であること)を検出することができる。これにより、携帯装置が階を登っている、または降りている可能性を確認または増加させることができる。或いは、時間の尺度上での量の変化を検出しない場合に、携帯装置が階を登っている、または降りている可能性低減させることができる。コンテキストで、携帯装置が建物、車、またはその他の環境に出入りしたと明示された場合、圧力センサからの圧力測定値は、圧力の急激な変化を検出するために使用することができ、且つ(例えば、垂直アクセスに沿った移動距離を示す慣性センサの測定値が、1メートル以上等の垂直距離の閾値量を超えていないと判定することにより、または閾値率に達する時間の尺度上での圧力変化を検出しないことにより)携帯装置が階を移動していないことをさらに判定することができる。これにより、携帯装置がHVACシステムの稼働する環境を出入りした可能性を確認または増加させることができる。或いは、圧力の急速な変化が検出されない場合、携帯装置が、不正確で局所的な圧力を生成し得るHVACシステムの稼働する環境を出入りした可能性を低減させることができる。
装置が静止状態にある可能性:圧力センサからの圧力測定値を使用して、時間の尺度上での圧力変化が殆どない、または全くない(例えば、数分の間の変化が圧力の閾値量未満である)ことを検出できる。これにより、携帯装置が静止状態にあり動いていない可能性を確認または増加することができる。携帯装置が、(例えば、推定位置に基づいて)外にあるとわかっている場合、圧力センサからの圧力測定値を使用して、圧力のすべての急激な変化を検出することができる。これにより、携帯装置が静止状態である可能性を低減させ、さらに任意で新たなコンテキスト判定(例えば、携帯装置が落とされた)の結果を得ることに利用できる。圧力センサからの圧力測定値を使用して小さな時間の尺度上での定常変化を検出できる(例えば、数分間にわたって、測定圧力の、増減の閾値範囲内での30秒毎の増減の検出)。これにより携帯装置が静止状態である可能性を低減させ、さらに任意で新たなコンテキスト判定の(例えば、携帯装置が歩行中のユーザとともにある)結果を得ることに利用できる。
装置が落とされた可能性:圧力センサからの圧力測定値を使用して、急激な圧力変化を、急激な圧力変化前に維持されていた以前の圧力値と比較して、急激な圧力変化後に維持されている新しい圧力値とともに検出することができる。これにより、携帯装置がある高度から別の高度へ落下した可能性を確認または増加させることができる。圧力センサからの圧力測定値を使用して、急激な圧力変化を、急激な圧力変化前に維持されていた以前の圧力値と一致する、急激な圧力変化後に維持されている新しい圧力値とともに検出することができる。これにより、携帯装置が有意な距離を落下した可能性を低減させることができる(例えば、携帯装置が落下する物体に衝突したり、何かにぶつかったり、または表面から短い距離だけ(例えば、1インチ未満)持ち上げられて、ほぼ当該表面に戻されたりした可能性があり、これらは無視できる高度変化を表している)。
【0016】
以下に、携帯装置の圧力センサからの圧力測定値を使用して判定されたコンテキストを評価する様々な手法に関するさらなる詳細を、
図1に示される動作環境100について簡単に説明を行った後に記載する。
図1は、携帯装置の圧力センサを用いて判定されたコンテキストの信頼性を改善するシステムおよび方法が動作し得る動作環境を示す図である。
図1に示すように、環境100は、地上送信機110のネットワークと、少なくとも一つの携帯装置120と、サーバ130とを含んでいる。送信機110および携帯装置120のそれぞれは、様々な自然または人工の構造物(例えば、建物)190の内部または外部の異なる高度または深さに配置されてもよい。測位信号113および153は、既知の送信技術を使用してそれぞれ送信機110および衛星150から送信され、携帯装置120によって受信される。送信機110は、例えば、タイム・スロット、疑似ランダム・シーケンス、周波数オフセット、または当技術分野で既知の、またはここに開示される、一以上の一般的な多重化パラメータ信号113を使用して送信してもよい。携帯装置120は、携帯電話、その他の無線通信装置、携帯コンピュータ、ナビゲーション装置、追跡装置、受信機、または信号113および/または153を受信可能な別の好適な装置を含む様々な形態であってもよい。送信機110、携帯装置120、およびサーバ130の可能な構成要素の例としては
図8に示されるか、本開示における「その他の形態」セクションで議論される。特に、携帯装置120は、携帯装置120の判定されたコンテキストの信頼性を改善するのに使用される圧力測定値を生成する圧力センサを含んでいてもよい。
携帯装置の圧力センサを使用することによって、判定されたコンテキストの信頼性を改善
【0017】
携帯装置の圧力センサを用いて判定されたコンテキストの信頼性を改善する工程を
図2に示し、以下に記載する。前記工程は、以下のステップを含んでいる。携帯装置のコンテキストを判定するステップ(ステップ210)と、携帯装置の圧力センサからの一以上の圧力測定値を使用して、判定されたコンテキストが正確か否かを判定するステップ(ステップ220)。
【0018】
ステップ210における携帯装置のコンテキストの判定には、本技術分野での様々な手法が利用可能である。多くの手法において、携帯装置のアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を使用して、携帯装置の一以上の特徴から情報を取得し、その後、取得された情報を評価してコンテキストを判定する。取得された情報は、携帯装置の位置、携帯装置の動きまたは不動状態、携帯装置の動作状況、および携帯装置のその他の態様を識別するために利用できる。取得された情報の例としては、携帯装置の推定位置を明示する携帯装置の測位チップからの情報、携帯装置の動きと方向を明示する携帯装置の慣性センサからの情報、カメラによって撮影された画像を明示する携帯装置のカメラからの情報、カメラによって撮影された音声を明示する携帯装置のマイクからの情報、携帯装置が充電中か否かを明示する携帯装置のバッテリー状態からの情報、または携帯装置のその他の特徴からのその他の情報と、が含まれていてもよい。
【0019】
ステップ220において、携帯装置の圧力センサからの一以上の圧力測定値を使用して、特定のコンテキストについて、判定されたコンテキストが正確か否かを判定する様々な実施の形態を以下に記載する。
判定されたコンテキストで、携帯装置が自動車両内にあると明示される場合
【0020】
図3Aは、判定されたコンテキストによって、携帯装置が自動車両内であると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0021】
図3Aの工程において、携帯装置の圧力センサを使用して、ある時間範囲内で圧力測定値を生成し(ステップ321)、圧力測定値の数が判定される。ステップ321の一実施例として、測定値は少なくとも10秒の時間範囲にわたって判定される。勿論、他の実施例において異なる時間範囲が使われ、当該範囲内で様々な数の圧力測定値が生成されてもよい。
【0022】
圧力測定値の分布が判定され(ステップ322)、分布の広がりのパーセンテージ量が圧力の閾値量より大きいか否かが判定される(ステップ323)。ステップ323の一実施例として、広がりの四分位範囲など、広がりの50%が10%より大きいか否かが判定される。ステップ323の別の実施例において、広がりの95%が15%より大きいか否かが判定される。勿論、他の実施例において、広がりの異なるパーセンテージ量および圧力の異なる閾値量が使用されてもよい。
【0023】
広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量よりも大きい場合、コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成する(ステップ324)。コンテキストが正確であると明示する生成出力の例としては、コンテキスト内で「高い信頼度」を指定する値が挙げられる。
【0024】
広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量よりも以下の場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ325)。いくつかの実施の形態では、ステップ325がさらなる動作を含んでいる。一実施の形態において、ステップ325はさらに、コンテキストが正確との判定ができないと判定するステップと、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップとを含んでいる。コンテキストが正確との判定ができないと明示する生成出力の例としては、コンテキストの「精度不明」を指定する値が挙げられる。別の実施の形態において、ステップ325はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップが含まれている。コンテキストが不正確であると明示する生成出力の例としては、コンテキストが「不正確」と指定する値が挙げられる。さらに別の実施の形態において、ステップ325はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、携帯装置が歩行中または自転車に乗車中のユーザとともにあると明示する出力を生成するステップが含まれている。携帯装置が歩行中または自転車に乗車中のユーザとともにあると明示する生成出力の例としては、「別のコンテキストにおいて高い信頼度」を指定する値が挙げられる。
【0025】
図3Bは、判定されたコンテキストによって、携帯装置が自動車両内であると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する別の工程を示す図である。
【0026】
図3Bの工程において、携帯装置の圧力センサを使用して、ある時間範囲内で圧力測定値を生成する(ステップ321)。ステップ321の一実施例として、測定値は少なくとも10秒の時間範囲にわたって判定される。勿論、他の実施例において異なる時間範囲が使われ、当該範囲内で様々な数の圧力測定値が判定されてもよい。
【0027】
圧力測定値の分布が判定され(ステップ322)、分布の広がりのパーセンテージ量が圧力の閾値量より大きいか否かが判定される(ステップ323)。
【0028】
広がりのパーセンテージ量が圧力の閾値量より大きい場合、例えば、携帯装置の推定位置を判定し、推定位置を含むエリアの風速を(例えば、気象サービスAPIから)取得することにより、または風速判定の任意の既知の手法により、風速が判定される(ステップ324a)。風速が、風速の閾値量未満か否かが判定される(ステップ324b)。一実施例として、風の閾値量は10mphであるが、実施例に応じて他の値を使用することができる。風速が風速の閾値量未満の場合、コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成する(ステップ324c)。風速が風速の閾値量以上の場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ324d)。必要に応じて、ステップ324dの一実施の形態において、コンテキストが正確との判定ができないと判定し、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成する。
【0029】
広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量よりも以下の場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ325)。
判定されたコンテキストは、携帯装置が歩行中のユーザとともにあると明示する場合
【0030】
図4は、判定されたコンテキストによって、携帯装置が歩行中のユーザとともにあると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0031】
前記工程において、携帯装置の圧力センサを使用して、ある時間範囲内で圧力測定値を生成する(ステップ421)。圧力測定値は、時間範囲の始点またはその近傍(例えば、始点から閾値量の時間内)で判定された第一の圧力測定値と、時間範囲の終点またはその近傍(例えば、終点より閾値量の時間前)で判定された第二の圧力測定値とを含んでいる。ステップ421の一実施例として、時間範囲は少なくとも10秒である。勿論、他の実施例において異なる数の測定値および時間範囲が使用されてもよい。
【0032】
圧力測定値の生成後、圧力測定値の特徴が判定される(ステップ422)。前記特徴の例としては、(i)第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差、(ii)圧力測定値の近似曲線(例えば、圧力分布に最適な近似曲線)、(iii)圧力測定値の分布、が挙げられる。
【0033】
特徴の判定後、当該特徴が閾値条件を満たしているか否かが判定される(ステップ423)。
【0034】
特徴が閾値条件を満たしている場合、コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成する(ステップ424)。
【0035】
特徴が閾値条件を満たしてない場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ425)。いくつかの実施の形態では、ステップ425がさらなる動作を含んでいる。一実施の形態において、ステップ425はさらに、コンテキストが正確との判定ができないと判定するステップと、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップとを含んでいる。別の実施の形態において、ステップ425はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップが含まれている。
【0036】
図4に示す工程の第一の実施形態では、(i)ステップ422において圧力測定値の特徴を判定するステップが、第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差を判定するステップを含んでおり、(ii)ステップ423において特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差が、圧力の閾値量(例えば、20Paまたはその他の値)より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、(iii)第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差が、圧力の閾値量より大きい場合、ステップ424において特徴が閾値条件を満たしており、(iv)第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差が、圧力の閾値量以下である場合、ステップ425において特徴が閾値条件を満たしていない。
【0037】
図4に示す工程の第二の実施形態では、(i)ステップ422において圧力測定値の特徴を判定するステップが、時間範囲にわたって、圧力測定値の近似曲線を判定するステップを含んでおり、(ii)ステップ423において特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、近似曲線の傾斜の大きさ(例えば、絶対値)が、単位時間(例えば、2Pa/sまたはその他の値)あたりの圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、(iii)近似曲線の傾斜の大きさが、単位時間あたりの圧力の閾値量より大きい場合、ステップ424において特徴が閾値条件を満たしており、(iii)近似曲線の傾斜の大きさが、単位時間あたりの圧力の閾値量以下の場合、ステップ425において特徴が閾値条件を満たしていない。
【0038】
図4に示す工程の第三の実施形態は、(i)ステップ422において圧力測定値の特徴を判定するステップが、圧力測定値の分布を判定するステップを含んでおり、(ii)ステップ423において特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量未満(例えば、広がりの中央50%が10Pa未満、広がりの95%が15Pa未満、またはその他の値)であるか否かを判定するステップを含んでおり、(iii)分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量未満である場合、ステップ424において特徴が閾値条件を満たしており、(iii)分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量以上の場合、ステップ425において特徴が閾値条件を満たしていない。一実施の形態では、ステップ425はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、携帯装置が自動車両内にあると明示する出力を生成するステップとを含んでいる。別の実施の形態において、ステップ425はさらに、コンテキストが正確との判定ができないと判定するステップと、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップとを含んでいる。
判定されたコンテキストで、携帯装置が静止状態であると明示される場合
【0039】
図5は、判定されたコンテキストによって、携帯装置が静止状態にあると明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0040】
前記工程において、携帯装置の圧力センサを使用して、ある時間範囲内で圧力測定値を生成する(ステップ521)。圧力測定値は、時間範囲の始点またはその近傍で判定された第一の圧力測定値と、時間範囲の終点またはその近傍で判定された第二の圧力測定値とを含んでいる。ステップ521の一実施例として、時間範囲は少なくとも10秒である。勿論、他の実施例において異なる数の測定値および時間範囲が使用されてもよい。
【0041】
圧力測定値の生成後、圧力測定値の特徴が判定される(ステップ522)。前記特徴の例としては、(i)第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差、(ii)圧力測定値の近似曲線(例えば、圧力分布に最適な近似曲線)、(iii)圧力測定値の分布、が挙げられる。
【0042】
特徴の判定後、当該特徴が閾値条件を満たしているか否かが判定される(ステップ523)。
【0043】
特徴が閾値条件を満たしている場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ524)。いくつかの実施の形態では、ステップ524がさらなる動作を含んでいる。一実施の形態において、ステップ524はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップが含まれている。別の実施の形態では、ステップ524はさらに、携帯装置の別のコンテキスト(例えば、自動車両内にある、歩行中のユーザとともにある、階を移動するユーザとともにある、圧力に影響を及ぼす可能性のある過酷な気象条件下にある、HVACにより圧力が局所化されたゾーンが存在し得る環境にある)を明示する出力を生成するステップを含んでいる。さらに別の実施の形態では、ステップ524はさらに、携帯装置が、圧力に影響を及ぼす可能性のある過酷な気象条件下、またはHVACにより圧力が局所化されたゾーンが存在し得る環境にある可能性があり、コンテキストが正確との判定ができないと判定するステップと、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップとを含む。
【0044】
特徴が閾値条件を満たさない場合、コンテキストが正確との判定ができないと判定し、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成する。
【0045】
図5に示す工程の第一の実施形態では、(i)ステップ522において圧力測定値の特徴を判定するステップが、第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差を判定するステップを含んでおり、(ii)ステップ523において特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差が、圧力の閾値量(例えば、20Paまたはその他の値)より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、(iii)第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差が、圧力の閾値量より大きい場合、ステップ524において特徴が閾値条件を満たしており、(iv)第一の圧力測定値と第二の圧力測定値との差が、圧力の閾値量以下である場合、ステップ525において特徴が閾値条件を満たしていない。一実施例では、ステップ524はさらに、携帯装置が歩行中のユーザとともにある、または階を移動するユーザとともにあることを明示する出力を生成するステップを含む。別の実施例では、ステップ524はさらに、携帯装置が、過酷な気象にさらされる環境、またはHVAC条件が変化する環境にある可能性があると明示する出力を生成する(これにより、精度に関する結論を妨げる)ステップを含む。
【0046】
図5に示す工程の第二の実施形態では、(i)ステップ522において圧力測定値の特徴を判定するステップが、時間範囲にわたって、圧力測定値の近似曲線を判定するステップを含んでおり、(ii)ステップ523において特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、近似曲線の傾斜の大きさ(例えば、絶対値)が、単位時間(例えば、2Pa/sまたはその他の値)あたりの圧力の閾値量より大きいか否かを判定するステップを含んでおり、(iii)近似曲線の傾斜の大きさが、単位時間あたりの圧力の閾値量より大きい場合、ステップ524において特徴が閾値条件を満たしており、(iii)近似曲線の傾斜の大きさが、単位時間あたりの圧力の閾値量以下の場合、ステップ525において特徴が閾値条件を満たしていない。一実施例では、ステップ524はさらに、携帯装置が歩行中のユーザとともにあると明示する出力を生成するステップを含む。別の実施例では、ステップ524はさらに、携帯装置が、HVACシステムによって局所化された圧力ゾーンが形成されている、または形成されたと考えられる環境にあると明示する出力を生成するステップを含む。
【0047】
図5に示す工程の第三の実施形態は、(i)ステップ522において圧力測定値の特徴を判定するステップが、圧力測定値の分布を判定するステップを含んでおり、(ii)ステップ523において特徴が閾値条件を満たしているか否かを判定するステップが、分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量より大きい(例えば、広がりの中央50%が10Paより大きい、広がりの95%が15Paより大きい、またはその他の値)であるか否かを判定するステップを含んでおり、(iii)分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量よりおおきい場合、ステップ524において特徴が閾値条件を満たしており、(iii)分布の広がりのパーセンテージ量が、圧力の閾値量以下の場合、ステップ525において特徴が閾値条件を満たしていない。一実施の形態の実施例では、ステップ524はさらに、携帯装置が自動車両内にあると明示する出力を生成するステップとを含んでいる。一実施例では、ステップ525はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、携帯装置が自動車両内にあると明示する出力を生成するステップとを含んでいる。
判定されたコンテキストで、携帯装置が落とされたと明示される場合
【0048】
図6は、判定されたコンテキストによって、携帯装置が落とされたと明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する工程を示す図である。
【0049】
前記工程において、携帯装置の圧力センサを用いて、携帯電話と別の物との間に衝撃が検出された期間にわたって圧力測定値を生成する(ステップ621)。圧力測定値は、衝撃発生時の圧力測定値と、衝撃発生後の圧力測定値を含んでいる。例として、携帯装置と別の物との間の衝撃は、慣性センサの全方向への最大またはピーク加速度、または全方向の加速度を組み合わせた大きさを計測し、1000G等の閾値加速度を上回っているか否かを判定する事により検出できる。衝撃後の圧力測定は、いずれの時点で行ってもよいが、衝撃直後(例えば、衝撃後数秒以内)に行うことが好ましい。
【0050】
圧力測定値が生成された後、衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が判定され(ステップ622)、衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が、圧力の第一の閾値量を超えるか否かが判定される(ステップ623)。ステップ623の一実施例では、圧力の第一の閾値量は少なくとも100Paであるが、別の実施例において他の閾値量を使用してもよい。
【0051】
衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が、圧力の第一の閾値量を上回る場合、例えば、衝撃が圧力センサに大きな、過渡値として登録される可能性が高いため、コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成する(ステップ624)。
【0052】
衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が、圧力の第一の閾値量を上回らない場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ625)。いくつかの実施の形態では、ステップ625がさらなる動作を含んでいる。一実施の形態では、ステップ625はさらに、コンテキストが正確との判定ができないと判定するステップと、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップとを含む。別の実施の形態では、ステップ625はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップとを含む。ステップ625のさらに別の実施の形態では、衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が、圧力の第一の閾値量より少ない圧力の第二の閾値量を上回るか否かが判定される。圧力の第二の閾値量は、少なくとも50Paであるが、別の実施例において他の閾値量を使用してもよい。衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が、圧力の第二の閾値量を上回る場合、携帯電話が他の物により(例えば、荷物やポケットの中で、またはユーザの手によって)締め付けられている可能性が高いと判定され、携帯電話が他の物によって締め付けられている可能性が高いと明示する出力を生成する(または、この衝撃がかなり大きいものの、1メートル以上からの落下に対して予想される量ではないため、コンテキストが正確との判定ができないとの判定が代わりにされてもよく、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力が生成されてもよい)。衝撃発生時の圧力測定値と衝撃発生後の圧力測定値との差が、圧力の第二の閾値量を上回らない場合、他の物(例えば、ユーザの指、携帯装置がぶつかった壁や机、または携帯装置上に落下した物)が携帯電話に衝撃を加えた、またはタップした可能性が高いと判定され、他の物が携帯電話に衝撃を与えた可能性が高いと明示する出力が生成される。
【0053】
図7は、判定されたコンテキストによって、携帯装置が落とされたと明示される場合に、当該判定されたコンテキストが正確か否かを判定する別の工程を示す図である。
【0054】
前記工程において、携帯装置の圧力センサを用いて、携帯電話と別の物との間に衝撃が検出された期間にわたって圧力測定値を生成する(ステップ721)。圧力測定値は、衝撃発生前の圧力測定値と、衝撃が発生した後の圧力測定値を含んでいる。衝撃前後の圧力測定は、いずれの時点で行ってもよいが、衝撃直前または直後(例えば、衝撃前後の数秒以内)に行うことが好ましい。いくつかの実施例では、衝撃前の圧力測定値は、記憶された圧力履歴データから取得する必要があることもある。
【0055】
圧力測定値が生成された後、衝撃前の圧力測定値と衝撃後の圧力測定値との差が判定され(ステップ722)、衝撃前の圧力測定値と衝撃後の圧力測定値との差が、圧力の閾値量を超えるか否かが判定される(ステップ723)。ステップ723の一実施例では、圧力の閾値量は少なくとも10Paであるが、別の実施例において他の閾値量を使用してもよい。
【0056】
衝撃前の圧力測定値と衝撃後の圧力測定値との差が、圧力の閾値量を上回る場合、例えば、圧力の差が携帯装置の落下前の一と携帯装置の落下後の位置との高度差を表している可能性が高いため、コンテキストを正確と判定し、コンテキストが正確であると明示する出力を生成する(ステップ724)。
【0057】
衝撃前の圧力測定値と衝撃後の圧力測定値との差が、圧力の閾値量を上回らない場合、コンテキストを正確と判定せず、コンテキストが正確であると明示する出力を生成しない(ステップ725)。いくつかの実施の形態では、ステップ725がさらなる動作を含んでいる。一実施の形態では、ステップ725はさらに、コンテキストが正確との判定ができないと判定するステップと、コンテキストが正確との判定ができないと明示する出力を生成するステップとを含む。別の実施の形態において、ステップ725はさらに、コンテキストを不正確と判定するステップと、コンテキストが不正確であると明示する出力を生成するステップが含まれている。さらに別の実施の形態では、ステップ725はさらに、例えば、ユーザの指、携帯装置がぶつかった壁や机、または携帯装置上に落下した物等、他の物が携帯電話をタップした可能性が高いと判定するステップと、他の物が携帯電話をタップした可能性が高いと明示する出力を生成するステップとを含む。
ここに記載される工程の様々な機能を実行するための構成要素の例
【0058】
非限定的な例として、以下に示す構成要素を使用して、ここに記載される、圧力測定値を生成するステップ(例えば、圧力センサ)と、様々な値、結論、その他の項目を判定するステップ(例えば、プロセッサ)と、出力を生成するステップ(例えば、プロセッサ、および任意の信号発生器)と、を実行(例えば、使用して実行する、実行するように構成する、実行するように適合させる、または実行するように操作する)することができる。
技術的メリット
【0059】
ここに記載される工程は、判定されたコンテキストの精度を評価することにより、携帯装置のコンテキスト判定の分野を改善する。携帯装置のコンテキスト判定には、携帯装置の較正された圧力センサを用いることにより、携帯装置の圧力センサの較正、または携帯装置の高度を計算するために望ましい、または望ましくない状況を識別することの他、当技術分野で既知の他の用途を含む、多くの価値ある用途がある。ここに記載される工程は、判定されたコンテキストが正確であることを確認したり、判定されたコンテキストの精度が疑わしいため信用すべきでないと判定したり、元々の判定されたコンテキストに代わって、考慮されるべき別のコンテキストを判定することを可能とする。これらの可能性は、特定のコンテキストに基づいてさらなる動作を実行する(例えば、コンテキストで、圧力センサの位置が、領域全体で外部の圧力と一致しない局所化された圧力測定値を生成する局所的な圧力変動のない環境において、静止状態であると明示された場合に、圧力センサを較正、または、圧力センサを用いて高度を計算する)タイミングの評価に利用できる。
その他の形態
【0060】
ここに開示される方法、またはここに開示される内容によって可能とされるいずれかの方法(「工程」または「手法」とも称す)も、ハードウェア構成要素(例えば、機械)、ソフトウェア・モジュール(例えば、機械可読媒体に格納される)、またはこれらの組み合わせによって実施してもよい。具体的には、ここに開示される方法、またはここに開示される内容によって可能とされるいずれかの方法は、ここに記載されるいずれかの具体的かつ有形のシステムによって実施されてもよい。例として、機械は、一以上の演算装置、プロセッサ、コントローラ、集積回路、チップ、チップ上のチップ、サーバ、プログラム可能な論理装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、電子装置、専用回路、および/または、ここに記載される、または当技術分野で既知のその他の好適な装置を含んでいてもよい。一以上の機械によって実行されると、前記一以上の機械に、ここで記載されるいずれかの方法のステップを含む動作を実行または実施させるプログラム指示を具現化する一以上の非一時的な機械可読媒体がここで企図される。本明細書で使用されるように、機械可読媒体は、一以上の不揮発性または揮発性記憶媒体、着脱可能または非着脱可能媒体、集積回路媒体、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、またはRAM、ROM、およびEEPROMを含むその他の記憶媒体を含むが、これらに限定されず、本願が提出される法域の法律に基づいて特許可能な機械可読媒体すべての形態を含むが、本願が提出される法域の法律に基づいて特許を受けることができない機械可読媒体は含まない。ここに開示される方法は、実行される規則群を提供する。ここに記載するいずれかの方法を実施するための、一以上の機械および一以上の非一時的な機械可読媒体を含むシステムもここで企図される。本明細書に記載されるいずれかの方法のステップを含む動作を実行するか、実施するか、または実施するように構成されるか、操作可能であるか、または実施するように適合される一以上の機械もここに企図される。ここに記載する先行技術ではない各方法は、判定されたコンテキストの信頼性を改善させるために携帯装置の圧力センサを使用する分野において大きな利点を提供する工程フローにおける特定の規則群を表している。ここに記載される方法のステップは順序に依存しなくてもよく、可能であれば、並列に、または記載された順序とは異なる順序で実行することができる。ここに記載される様々な方法のステップを組み合わせて、当業者に理解される任意の数の方法を形成することができる。ここに開示されるいずれかの方法のステップは、何らかの理由で請求項から省略されることがある。本開示の概念が不明瞭となることを避けるために、ある程度周知の構造や装置は図示されていない。二つの物が互いに「結合」される場合、当該二つの物は直接接続されてもよく、一以上の介在物によって離間していてもよい。特定の二つのものが線または介在物によって接続されない場合、これらの結合については、特に明記されない限り、少なくとも一つの実施の形態において企図される。ある物の出力および別の物の入力が結合されている場合、前記出力から送出された情報は、一以上の中間物を通過したとしても、出力された形態で、またはその改変バージョンで前記入力に受信される。特に明記されない限り、ここに開示される情報(例えば、データ、コマンド、信号、ビット、シンボル、チップなど)を送信するために、任意の既知の通信経路およびプロトコルを使用することができる。「Comprise」、「comprising」、「include」、「including」などの文言は、排他的意味(即ち、~のみから成る)とは対照的に、包含的意味(即ち、限定されない)で解釈されるべきである。単数形または複数形の文言は、特に明記されない限り、それぞれ複数形または単数形も含む。詳細な説明において使用される「または」および「および」という文言は、特に明記されない限り、列挙されるいずれかの項目、およびすべての項目を包含する。「いくつかの」、「いずれかの」、および「少なくとも一つ」という文言は、一以上のものを指す。ここで使用される「may」または「can」という文言は、必要条件ではなく、一例であることを示している。例えば、各実施の形態において、物が動作を実行してもよい/実行可能である、特徴を有することがある/有することができるといった場合は、各実施の形態において当該動作を実行する必要、当該特徴を有する必要はなく、前記物が少なくとも一つの実施の形態において、当該動作を実行または当該特徴を有している。代替的な手法が記載されない限り、既知の技術(例えば、リクエストを行う構成要素が、クエリまたはその他の既知の手法を介して、ソースからのデータをリクエストし、ソースがデータを検索して位置を特定し、ソースが当該データを収集して前記リクエストを行う構成要素に送信する。または、その他の既知の技術)を使用して、データ・ソースのデータへのアクセスを行ってもよい。
【0061】
図8は、送信機、携帯装置、およびサーバの構成要素を示す図である。通信経路の例は構成要素間の矢印によって示されている。
【0062】
例として
図8に示すように、各送信機は、携帯装置と情報通信を行う携帯装置インタフェース11(例えば、既知の、またはここに開示するアンテナおよびRFフロント・エンド・コンポーネント)と、一以上のプロセッサ12と、情報、および/またはプログラム指示を記憶および取得するためのメモリ/データ・ソース13と、送信機の、または送信機近傍の環境条件(例えば、圧力、温度等)を計測する大気センサ14と、サーバと情報通信を行うサーバ・インタフェース15(例えば、アンテナ、ネットワーク・インタフェース等)と、当業者に既知のその他の任意の構成要素とを含んでいてもよい。メモリ/データ・ソース13は、実行可能な指示を有するソフトウェア・モジュールを記憶するメモリを含んでいてもよく、プロセッサ12は、モジュールからの指示を実行することによって、(i)ここに記載される、または送信機において実行可能であると当業者が理解する方法の一部または全部の実行、(ii)選択された時間、周波数、符号、および/または位相を使用して送信用の測位信号の生成、(iii)携帯装置、または他のソースから受信した信号の処理、(iv)本開示に記載される操作に求められるその他の処理を含む様々なアクションを実行してもよい。送信機によって生成され、送信される信号は、携帯装置またはサーバによって判定されると、送信機、送信機の位置、送信機の、または送信機近傍の環境条件、および/または当技術分野で既知の他の状況を識別する情報を伝達してもよい。大気センサ14は、送信機に統合されていてもよく、送信機とは別体で送信機ともに配置、または送信機の近傍(例えば、距離の閾値量以内)に配置されていてもよい。
【0063】
例として
図8に示すように、携帯装置は、送信機と情報通信を行う送信機インタフェース21(例えば、既知の、またはここに開示するアンテナおよびRFフロント・エンド・コンポーネント)と、一以上のプロセッサ22と、情報、および/またはプログラム指示を記憶および取得するためのメモリ/データ・ソース23と、携帯装置の、または携帯装置近傍の環境条件(例えば、圧力、温度等)を計測する大気センサ24と、その他の条件を計測する他のセンサ25(例えば、移動および方向を測定する慣性センサ)と、ユーザが入力を行い、出力を得ることを可能にするユーザ・インタフェース26(例えば、ディスプレイ、キーボード、マイク、スピーカ、等)と、サーバまたは携帯装置外部の他の装置と情報通信を行う別のインタフェース27(例えば、アンテナ、ネットワーク・インタフェース等)と、当業者に既知のその他の任意の構成要素とを含んでいてもよい。GNSSインタフェースおよび処理ユニット(図示せず)が企図され、これらは他の構成要素(例えば、インタフェース21およびプロセッサ22)、または独立型アンテナ、RFフロント・エンド、およびGNSS信号受信・処理専用のプロセッサと統合されてもよい。メモリ/データ・ソース23は、実行可能な指示を有するソフトウェア・モジュールを記憶するメモリを含んでいてもよく、プロセッサ22は、モジュールからの指示を実行することによって、(i)ここに記載される、または携帯装置において実行可能であると当業者が理解する方法の一部または全部の実行、(ii)携帯装置および送信機からの圧力測定値、送信機または別のソースからの温度測定値、および演算に必要となるその他の情報に基づいて、携帯装置の高度の推定、(iii)位置情報を判定するための受信信号の処理(例えば、信号の到着時間または移動時間、携帯装置と送信機との間の疑似距離、送信機の大気条件、送信機および/または位置、または他の送信機情報)、(iv)携帯装置の推定位置を演算するための位置情報の使用、(v)携帯装置の慣性センサからの測定値に基づく動きの判定と、(vi)GNSS信号の処理、または(iv)本開示に記載される操作に求められるその他の処理を含む様々なアクションを実行してもよい。
【0064】
例として
図8に示すように、サーバは、携帯装置と情報通信を行う携帯装置インタフェース31(例えば、アンテナ、ネットワーク・インタフェース等)と、一以上のプロセッサ32と、情報、および/またはプログラム指示を記憶および取得するためのメモリ/データ・ソース33と、送信機と情報通信を行う送信機インタフェース34(例えば、アンテナ、ネットワーク・インタフェース等)と、当業者に既知のその他の任意の構成要素とを含んでいてもよい。メモリ/データ・ソース33は、実行可能な指示を有するソフトウェア・モジュールを記憶するメモリを含んでいてもよく、プロセッサ32は、モジュールからの指示を実行することによって、(i)ここに記載される、またはサーバにおいて実行可能であると当業者が理解する方法の一部または全部の実行と、(ii)携帯装置の高度の推定、(iii)携帯装置の推定位置の演算、または(iv)本開示に記載される操作に求められるその他の処理を含む様々なアクションを実行してもよい。ここに記載のサーバによって実行されるステップは、企業のコンピュータまたは任意の他の適切な機械等、携帯装置から離れた他の機械上で実行されてもよい。
【0065】
ここに開示される特定の態様は、例えば、位置は緯度、経度および/または高度の座標、x、y、および/またはzの座標、角度座標または他の表現によって表される携帯装置の位置の推定に関連する。三辺測量を含む様々な技術を仕様して携帯装置の位置を推定することができる。三辺測量は、ジオメトリを使用して携帯装置の位置を推定する工程であって、異なるビーコン(例えば、地上送信機および/または衛星)から携帯装置によって受信された異なる「測位」(または「測距」)信号により、移動した距離を使用して携帯装置の位置を推定する。ビーコンからの測位信号の送信時間および受信時間等の位置情報が既知である場合、これらの時間の差と光速度とを乗算することによって、携帯装置で受信した当該ビーコンからの測位信号による移動した距離を得ることができる。異なるビーコンからの異なる測位信号に対応する異なる推定距離を、これらのビーコンの位置等の位置情報と共に使用して、携帯装置の位置を推定することができる。ビーコン(例えば、送信機および/または衛星)からの測位信号、および/または大気測定に基づいて、(緯度、経度、および/または高度の観点で)携帯装置の位置を推定する測位システムおよび方法は、2012年3月6日に発行された米国特許第8130141号および2012年7月19日に発行された米国特許第2012/0182180号に記載されている。「測位システム」という用語は、衛星システム(例えば、GPS、GLONASS、ガリレオ、Compass/Beidou等の全球測位衛星システム(GNSS))、地上送信機システム、およびハイブリッド衛星/地上システムを意味し得ることに留意されたい。
【国際調査報告】