(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(54)【発明の名称】スペーサ画定された浮遊ゲート及び離散的に形成されたポリシリコンゲートを有する分割ゲートフラッシュメモリセルを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20220901BHJP
H01L 27/11524 20170101ALI20220901BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L27/11524
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578096
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2020021454
(87)【国際公開番号】W WO2021002892
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】201910598339.9
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、グオ ヨング
(72)【発明者】
【氏名】ダオ、メルビン
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP24
5F083EP30
5F083ER02
5F083ER14
5F083GA27
5F083KA01
5F083NA01
5F083PR40
5F101BA02
5F101BB04
5F101BB09
5F101BC11
5F101BD35
5F101BE02
5F101BE05
5F101BE06
5F101BH01
5F101BH07
5F101BH09
5F101BH13
5F101BH16
5F101BH19
5F101BH23
(57)【要約】
半導体基板の上方での第1のポリシリコン堆積を使用して第1のポリシリコン層を形成するステップと、第1のポリシリコン層に絶縁スペーサを形成するステップと、第1のポリシリコン層の一部を除去して、絶縁スペーサの下に第1のポリシリコンブロックを残すステップと、を含む、メモリデバイスを形成する方法。ソース領域が、第1のポリシリコンブロックの第1の側面に隣接して基板内に形成される。第2のポリシリコン層が、第2のポリシリコン堆積を使用して形成される。第2のポリシリコン層は、部分的に除去されて、基板の上方に、かつ第1のポリシリコンブロックの第2の側面に隣接して、第2のポリシリコンブロックを残す。第3のポリシリコン層が、第3のポリシリコン堆積を使用して形成される。第3のポリシリコン層は、部分的に除去されて、ソース領域の上方に第3のポリシリコンブロックを残す。ドレイン領域が、第2のポリシリコンブロックに隣接して基板内に形成される。
【選択図】
図2E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスを形成する方法であって、
半導体基板から絶縁された、前記半導体基板の上方での第1のポリシリコン堆積を使用して第1のポリシリコン層を形成するステップと、
前記第1のポリシリコン層に絶縁スペーサを形成するステップと、
前記絶縁スペーサの下に前記第1のポリシリコン層のブロックを残すように前記第1のポリシリコン層の一部を除去するステップであって、前記第1のポリシリコン層の前記ブロックは、対向する第1の側面及び第2の側面を有する、除去するステップと、
前記第1の側面に隣接して前記基板内にソース領域を形成するステップと、
前記基板の上方での第2のポリシリコン堆積を使用して第2のポリシリコン層を形成するステップと、
前記基板から絶縁されて前記基板の上方にあり、かつ前記第2の側面から絶縁されて前記第2の側面に隣接している前記第2のポリシリコン層のブロックを残すように、前記第2のポリシリコン層の一部を除去するステップと、
前記基板の上方での第3のポリシリコン堆積を使用して第3のポリシリコン層を形成するステップと、
前記ソース領域から絶縁されて前記ソース領域の上方にある前記第3のポリシリコン層のブロックを残すように、前記第3のポリシリコン層の一部を除去するステップと、
前記第2のポリシリコン層の前記ブロックに隣接して前記基板内にドレイン領域を形成するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記絶縁スペーサを前記形成するステップは、
前記第1のポリシリコン層に絶縁材のブロックを形成するステップと、
前記第1のポリシリコン層に、かつ前記絶縁材のブロックに絶縁材の層を形成するステップと、
前記第1のポリシリコン層に配設され、かつ前記絶縁材のブロックの側面に当接する前記絶縁材の層の前記絶縁スペーサを残すように、前記絶縁材の層の一部を除去するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のポリシリコン層の一部を前記除去するステップは、
第1のポリシリコンエッチングを実行して、前記絶縁スペーサの第1の側と位置合わせされた前記第1の側面を画定する、実行するステップと、
前記第1のポリシリコンエッチング後に前記絶縁材のブロックを除去するステップと、
前記絶縁材のブロックを前記除去するステップの後に第2のポリシリコンエッチングを実行するステップであって、前記絶縁スペーサの第2の側と位置合わせされた前記第2の側面を画定する、実行するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のポリシリコン層の上面の一部分が前記絶縁材のブロックに近づくにつれて上向きに傾斜するように、前記第1のポリシリコン層にポリシリコン傾斜エッチングを実行するステップを更に含み、
前記絶縁スペーサは、上向きに傾斜する前記上面の前記一部分に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のポリシリコン層の前記ブロックは、前記第2の側面において鋭角の縁部で終端する前記上向きに傾斜する上面を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第3のポリシリコン層の前記ブロックは、前記鋭角の縁部から絶縁されて前記鋭角の縁部に面するノッチを有する側面を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のポリシリコン層の一部を前記除去するステップは、ポリシリコンのスペーサである前記第2のポリシリコン層の前記ブロックを形成するためのポリシリコンエッチングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ポリシリコンの前記第3の層を前記形成するステップの前に、前記第2の側面に沿って二酸化ケイ素の層を形成するステップであって、ポリシリコンの前記第3の層の前記ブロックは、前記二酸化ケイ素の層によってポリシリコンの前記第1の層の前記ブロックから絶縁される、形成するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のポリシリコン層の一部を前記除去するステップは、
前記絶縁スペーサの第1の側で前記第2のポリシリコン層の第1の部分を除去するために第1のポリシリコンエッチングを実行するステップであって、前記第1のポリシリコンエッチングは、ポリシリコンの前記第3の層を前記形成するステップの前に実行される、実行するステップと、
前記絶縁スペーサの第1の側の反対側の前記絶縁スペーサの第2の側で前記第2のポリシリコン層の第2の部分を除去するために第2のポリシリコンエッチングを実行するステップであって、前記第2のポリシリコンエッチングは、前記第3のポリシリコン層を前記形成するステップの後に実行される、実行するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のポリシリコン層の前記ブロックは、ポリシリコンのスペーサである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のポリシリコン層の一部を前記除去するステップ及び前記第3のポリシリコン層の一部を前記除去するステップは、
前記絶縁スペーサの上方に配設された前記第2のポリシリコン層及び前記第3のポリシリコン層の上部を除去するために化学機械研磨を実行するステップと、
前記第2のポリシリコン層の前記第1の部分に隣接する前記第2のポリシリコン層の第2の部分をフォトレジストによって露出されたままにすると同時に、前記第1の側面に隣接する前記第2のポリシリコン層の第1の部分に前記フォトレジストを形成するステップと、
前記第2のポリシリコン層の前記第2の部分を除去するためにポリシリコンエッチングを実行するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のポリシリコン層の一部を前記除去するステップは、
前記絶縁スペーサの上方に配設された前記第2のポリシリコン層の上部を除去するために前記第3のポリシリコン層を前記形成するステップの前に化学機械研磨を実行するステップと、
前記第3のポリシリコン層の一部を前記除去するステップの後に、前記第2のポリシリコン層の前記第1の部分に隣接する前記第2のポリシリコン層の第2の部分をフォトレジストによって露出されたままにすると同時に、前記第1の側面に隣接する前記第2のポリシリコン層の第1の部分に前記フォトレジストを形成するステップと、
前記第2のポリシリコン層の前記第2の部分を除去するためにポリシリコンエッチングを実行するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年7月4日に出願された「Method Of Forming Split-Gate Flash Memory Cell With Spacer Defined Floating Gate And Discretely Formed Polysilicon Gates」と題する中国特許出願第201910598339.9号、及び2020年2月20日に出願された「Method Of Forming Split-Gate Flash Memory Cell With Spacer Defined Floating Gate And Discretely Formed Polysilicon Gates」と題する米国特許出願第16/796,412号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、分割ゲート不揮発性メモリセルに関する。
【背景技術】
【0003】
3個のゲートを備える、分割ゲート不揮発性メモリセルアレイが知られている。例えば、間に延在するチャネル領域を備える、半導体基板内のソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の第1の部分の上方にある浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方にある制御ゲート(ワード線ゲートとも呼ばれる)と、ソース領域の上方にあるプログラム/消去(P/E)ゲートと、をそれぞれ有する、分割ゲートメモリセルを開示する米国特許第7,315,056号を参照されたい。
【0004】
メモリセルの様々な要素の形成をより良好に制御するためには、製造方法の改良が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
上述した問題及び必要性は、以下を含むメモリデバイスを形成する方法に対処され、該方法は、
半導体基板から絶縁された、半導体基板の上方での第1のポリシリコン堆積を使用して第1のポリシリコン層を形成するステップと、
第1のポリシリコン層に絶縁スペーサを形成するステップと、
絶縁スペーサの下に第1のポリシリコン層のブロックを残すように第1のポリシリコン層の一部を除去するステップであって、第1のポリシリコン層のブロックは、対向する第1の側面及び第2の側面を有する、除去するステップと、
第1の側面に隣接して基板内にソース領域を形成するステップと、
基板の上方での第2のポリシリコン堆積を使用して第2のポリシリコン層を形成するステップと、
基板から絶縁されて基板の上方にあり、かつ第2の側面から絶縁されて第2の側面に隣接している第2のポリシリコン層のブロックを残すように、第2のポリシリコン層の一部を除去するステップと、
基板の上方での第3のポリシリコン堆積を使用して第3のポリシリコン層を形成するステップと、
ソース領域から絶縁されてソース領域の上方にある第3のポリシリコン層のブロックを残すように、第3のポリシリコン層の一部を除去するステップと、
第2のポリシリコン層のブロックに隣接して基板内にドレイン領域を形成するステップと、を含む。
【0006】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を検討することによって明らかになるであろう。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
【
図1B】分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
【
図1C】分離領域の形成における工程を示す横断面図である。
【
図2A】メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図2B】メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図2C】メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図2D】メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図2E】メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図3A】分離領域を形成するための代替実施形態の工程を示す横断面図である。
【
図3B】分離領域を形成するための代替実施形態の工程を示す横断面図である。
【
図3C】分離領域を形成するための代替実施形態の工程を示す横断面図である。
【
図4A】第1の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図4B】第1の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図4C】第1の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図4D】第1の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図5A】第2の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図5B】第2の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図5C】第2の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図6A】第3の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図6B】第3の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図6C】第3の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【
図6D】第3の代替実施形態による、メモリセルの形成における工程を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、メモリセルごとに3個のゲートを有する不揮発性分割ゲートメモリセルの改善された形成方法である。図は、形成されている一対のメモリセルのみを示すが、このようなメモリセルのアレイがプロセス中に形成されることを理解されたい。プロセスは、最初に分離領域を形成することによって始まり、半導体基板10の上面に二酸化ケイ素(本明細書では「酸化物」とも呼ばれる)などの絶縁層12を形成することから始まる。ポリシリコン(本明細書では「ポリ」とも呼ばれる)などの導電層14は酸化物12に形成される。窒化ケイ素(本明細書では「窒化物」とも呼ばれる)などの絶縁層16はポリ層14に形成される。これらの層を
図1Aに示す。
【0015】
フォトレジストは、構造体の上方に形成され、フォトリソグラフィ(マスキング)プロセス(すなわち、フォトレジストの形成、フォトレジストの選択露光、フォトレジストの選択部分の除去を行って、下にある材料の一部を露出状態で残す)を使用してパターン化される。ここで、窒化物層16の一部は露出状態で残される。フォトレジストによって露出したままのそれらのエリアで一連のエッチングが実行され、窒化物層16、ポリ層14、酸化物層12を通って基板10内へと延在するトレンチが形成される。次いで、
図1B(フォトレジスト除去後)に示されるように、トレンチは、酸化物堆積によって及び酸化物化学機械研磨によって絶縁材18(例えば酸化物)で充填される。酸化物18の頂部を下げるために、酸化物乾式又は湿式エッチング研磨が使用される。次いで、
図1Cに示されるように、窒化物層16を除去するために、窒化物エッチングが使用される。酸化物18の頂部は、好ましくは、ポリ層14の頂面と同じ高さであるか、又はそれよりもわずかに低い。このようにしてトレンチ内に形成された酸化物18は、当該技術分野においてシャロートレンチアイソレーション(STI)として知られており、基板10のアクティブエリアの列を画定するために使用され、隣接するアクティブエリア列は、STI酸化物18によって互いに絶縁されている。
【0016】
絶縁材のブロック20(例えば窒化物)は、アクティブ領域の各々においてポリ層14に形成される。各ブロック20(一対のメモリセルを形成するために使用される)は、例えば、ポリ層14に窒化物の層を形成し、窒化物層の部分をフォトレジストで選択的に覆うと同時に他の部分を露出したままにするマスキング工程を実行し、異方性窒化物エッチングを使用して窒化物層の露出部分を除去し、ポリ層14にブロック20を残すことによって形成され得る。次いで、ポリシリコン傾斜エッチングが使用され、ポリ層14の上面をエッチングして、上面が窒化物20の各ブロックに近づくにつれて上向きに傾斜する、ポリ層14の傾斜上面を作る。次いで、所望により、浮遊ゲート閾値電圧を制御するために、ポリ層14の露出部分で注入が実行され得る。窒化物ブロックのうちの1つに対して結果として生じる構造体が
図2Aに示されており、これは、アクティブ領域のうちの1つの部分断面図である(すなわち、
図1A~
図1Cの直交断面図)。
【0017】
絶縁スペーサ22(例えば、酸化物から形成される)はポリ層14に形成される。スペーサの形成はよく知られており、材料の堆積とそれに続く材料の異方性エッチングを伴い、それによって、垂直に配向された構造体に当接する部分を除いて該材料は除去される。スペーサの上面は、典型的には丸みを帯びている。この場合、酸化物が堆積され、続いて異方性酸化物エッチングが行われ、窒化物ブロック20の側壁に当接する酸化物スペーサ22が残る。
図2Bに示されるように、酸化物スペーサ22及び窒化物ブロック20によって保護されないポリ層14の部分を除去するためにポリエッチングが実行される。ワード線閾値電圧を制御するために、窒化物ブロック20及び酸化物スペーサ22によって保護されていない基板10の部分への注入を、この時点で実行され得る(基板表面の酸化物層12をバッファ層として使用する)。
【0018】
絶縁スペーサ24はポリ層14の露出した端部に形成され、これは、最終的に、完成したメモリセルの浮遊ゲートとワード線ゲートとの間の主要な分離をもたらすものとなる。絶縁スペーサ24は、(高温酸化物(HTO)堆積などの酸化物堆積、及び異方性酸化物エッチングを実行することによって)酸化物から形成され得る。絶縁スペーサ24は、代わりに、(酸化物堆積及びエッチング後に窒化物堆積及びエッチングを実行することによって)酸化物と窒化物との組み合わせから形成され得る。絶縁スペーサ24は、ポリ層14の第1の端部に(すなわち、第1の側面15aに沿って)配設される。次いで、導電スペーサ26をスペーサ22/24の外側に、好ましくはポリシリコン堆積及びポリシリコンエッチングによって形成される。導電スペーサ26の形成は、ポリ層14の形成後、かつポリシリコンスペーサエッチングの前に、バッファ酸化物堆積及び酸化物エッチングを含むことができる。結果として生じる構造体は
図2Cに示される。
【0019】
窒化物エッチングが実行されて、窒化物ブロック20を除去し、酸化物スペーサ22の間にあるポリ層14の部分を露出状態にする。次いで、ポリエッチングが実行され、ポリ層14のその露出した部分を除去し、酸化物スペーサ22の下に別個のポリブロック14aを残す。各ポリブロック14aは、第1の側面15aの反対側の第2の側面15bの端部において鋭角の縁部14bで終端する上向きに傾斜する上面を有する。酸化物スペーサ22の間及びポリブロック14aの間で基板10内にソース領域28を形成するための注入プロセスが続く(すなわち、ソース領域28は、酸化物スペーサ22の間に存在する間隙及びポリブロック14aの間に存在する間隙の下に形成される)。この時点又は後でアニールが実行され、これにより、ソース領域28を、ポリブロック14aの下に部分的に延在させる。次いで、鋭角の縁部14bに隣接するポリブロック14aの露出した端部を含む、構造体に酸化物層30が堆積される。酸化物層30は、完成したメモリセルの消去動作中に電子がこの層を通ってトンネルするため、トンネル酸化物層と称され得る。結果として生じる構造体は
図2Dに示される。
【0020】
次いで、ポリシリコンの層を構造体の上方に形成される。このポリ層は、同じ基板の論理エリア(すなわち、論理デバイスが形成される、同じ基板のエリア)に同時に形成され得る。ポリ層の厚さが論理エリア内でよりも(メモリセルがある)メモリアレイエリア内で厚くなることが望ましい場合、ポリシリコン層にキャップ酸化物層が形成され、パターン化されて、デバイスのメモリエリアからキャップ酸化物層を除去し、続いて追加のポリシリコンを堆積させて、メモリエリア内のポリ層を厚くすることができる。論理エリア内のキャップ酸化物層の追加のポリシリコンは、後で、ポリ化学機械研磨(CMP)によって除去され得る。次いで、ポリエッチングが実行され、酸化物スペーサ22の間に配設されたポリ層のブロック32を除いて、メモリアレイエリア内のポリ層を除去する。次いで、
図2Eに示されるように、注入が実行され、ポリスペーサ26に隣接するドレイン領域34を基板内に形成する。
【0021】
図2Eに示されるように、上記の方法は、対のメモリセル36を形成する。各メモリセル対は、共有ソース領域28と、2個のドレイン領域34と、を有し、2個のチャネル領域38が、ソース領域28とドレイン領域34の一方との間にそれぞれ延在する。消去ゲート32は、酸化物層12及び30によってソース領域28から絶縁されてその上方に配設される。各メモリセル36は、チャネル領域38の第1の部分から絶縁されてその上方に配設された(及びその導電性を制御する)浮遊ゲート14aと、チャネル領域38の第2の部分から絶縁されてその上方に配設されたワード線ゲート26と、を含む。浮遊ゲート14aは、消去ゲート32に形成されたノッチ32aに面する鋭角先端部14b(傾斜する表面から生じる)を有する。鋭角先端部14bは、トンネル酸化物層30によって消去ゲート32から絶縁されている。消去ゲート32の下の全体的な絶縁(酸化物層12及び30)は、浮遊ゲート14aの下の全体的な絶縁(酸化物層12)よりも大きい。
【0022】
例示的な(非限定的な)動作電圧及び電流が以下の表1に要約されており、プログラムされる、消去される、又は読み出されるメモリセルに印加される電圧/電流(選択されている-SEL)、及び他のメモリセルに印加される電圧(選択されていない-UnSEL)が示されている。
【表1】
【0023】
メモリセル36の対を形成する上記のプロセスは、いくつかの利点を有する。浮遊ゲート14は、STI酸化物18に自己整合され、酸化物スペーサ22によって画定されるチャネル方向の寸法を有する(より良好な制御のため)。ワード線ゲート26は、浮遊ゲート14aに自己整合される。各メモリセル36は、各々が異なるポリシリコン層堆積を使用して形成される、3つの導電ゲート(14a、26、32)を有しており、そのため、各導電ゲートの高さは独立して最適化することができる。浮遊ゲート14aは、消去性能を高めるために、消去ゲート32に面する鋭角の縁部14bを有する。各ワード線ゲート26の長さ(チャネル領域の方向)は、より良好な寸法制御のためにゲート自体のスペーサ形成によって、別個のマスキング工程を必要とせずに、決定される。浮遊ゲート14aとワード線ゲート26との間の分離(酸化物又は酸化物/窒化物)は、スペーサ形成によって独立して最適化され得る。最後に、浮遊ゲート14aの鋭角先端部14bに巻き付いた単一層としてトンネル酸化物30が形成される。上記の方法を使用して、消去効率及びワード線ゲート性能を独立して最適化され得る。
【0024】
図3A~
図3Cは、STI酸化物18を形成するための代替実施形態を示す。このプロセスは、
図1Aに示したのと同じ層を形成することによって始まるが、
図3Aに示されるように、窒化物層16と酸化物層12との間にポリ層14はない。窒化物層16はパターン化され(フォトレジスト形成、露光、選択的除去、窒化物エッチング)、続いて酸化物及びシリコンエッチングが実行され、窒化物層16、酸化物層12を通って基板10内に延在するトレンチを形成する。次いで、
図3B(フォトレジスト除去後)に示されるように、トレンチは絶縁材18(例えば酸化物)で充填される。窒化物エッチングは窒化物層16を除去するために使用され、STI酸化物18の間の酸化物層12にポリ層14はポリ堆積及びエッチングによって形成される。酸化物エッチング及び/又は化学機械研磨が使用され、STI酸化物18の頂部を、
図3Cに示されるように、ポリ層14の頂面と同じ高さ又はそれよりもわずかに低い高さに下げ、これは、
図1Cに示された構造体と同等である。
【0025】
図4A~
図4Dは、メモリセル36を形成するための代替実施形態を示しており、
図2Cの同じ構造体から始まるが、
図4Aに示されるように、ポリスペーサ26を形成しない点が異なっている。ポリシリコンの層40は構造体の上方に形成される。マスキング工程が実行され、露出した状態で残される、窒化物ブロック20の上方にある部分、及び窒化物ブロック20に隣接する酸化物スペーサ22の一部の上方にある追加部分を除いて、ポリ層40をフォトレジストで覆う。
図4B(フォトレジスト除去後)に示されるように、ポリ層40のこの露出部分をポリエッチングによって除去される。次いで、窒化物エッチングが実行され窒化物ブロック20を除去し、酸化物スペーサ22の間にあるポリ層14の部分が露出状態で残る。次いで、ポリエッチングが実行され、ポリ層14のその露出した部分を除去し、酸化物スペーサ22の下に別個のポリブロック14aが残る。酸化物スペーサ22及びポリブロック14aの間で基板10内にソース領域28を形成するための注入プロセスが続く。この時点又は後でアニールは実行されることができ、これにより、ソース領域28を、ポリブロック14aの下に部分的に延在させる。次いで、鋭角の縁部14bに隣接するポリブロック14aの露出した端部、及びポリ層40の露出した表面を含む、構造体に酸化物層30が堆積される。次いで、ポリシリコン42の層が構造体の上方に形成される。結果として生じる構造体は
図4Cに示される。次いで、ポリシリコン及び酸化物エッチングが使用されて、酸化物スペーサ22の間にあるポリ層42の残りの部分としてのポリブロック42a、及びポリ層40の残りの部分としてのスペーサ22/24の外側のポリスペーサ40aを除いて、ポリシリコン層40及び42、並びに酸化物層30の部分を除去し、ドレイン注入のために基板の部分が露出状態で残る。酸化物層44が構造体の上方に形成される。次いで、注入が実行されて、ポリスペーサ40aに隣接するドレイン領域34を基板10内に形成する。最終構造体が
図4Dに示される。
【0026】
図5A~
図5Cは、メモリセル36を形成するための別の代替実施形態を示しており、
図4Cの構造体から始まる。
図5Aに示されるように、化学機械研磨(CMP)が使用され構造体の頂面を平坦にし、酸化物スペーサ22の頂面まで下げる(したがって、各酸化物スペーサ22の少なくとも一部分にポリシリコンは存在せず、これにより、酸化物スペーサ22の間にあるポリ層42の残りの部分として別個のポリブロック42aが画定される)。マスキング工程が実行されポリブロック42a、及びポリ層40の部分をフォトレジスト46で覆い、構造体の残り部分は露出状態のままにする。
図5Bに示されるように、ポリ及び酸化物エッチングが実行され、ポリ層42/40及び酸化物層30の露出部分を除去し、スペーサ22/24の外側にあるポリ層40の残りの部分としてポリブロック40bが残される。フォトレジスト除去後に、酸化物層48が構造体の上方に形成される。次いで、注入が実行され、ポリブロック40bに隣接するドレイン領域34を基板内に形成する。最終構造体が
図5Cに示される。この実施形態は、追加のマスキング工程を含むが、リソグラフィマスキングプロセスによって画定されるチャネル領域方向に長さを有するワード線ゲートを提供する。
【0027】
図6A~
図6Dは、メモリセル36を形成するための別の代替実施形態を示しており、
図4Aの構造体から始まる。ポリシリコンの層52が構造体の上方に形成される。酸化物層54がポリ層52に形成される。次いで、
図6Aに示されるように、化学機械研磨が使用され、窒化物ブロック20の上方及び酸化物スペーサ22の上方にある酸化物54及びポリ52の部分を除去する。この構造体は任意選択的に酸化されて、ポリ層52の露出した頂部部分に酸化物層56を形成し、後述するポリ層14の後続のエッチングからポリ層52を保護する。酸化物層56が省略される場合、ポリ層14のエッチングにより、ポリ層52の頂部部分が除去され、その結果、ポリ層52からより短いワード線ゲートがもたらされる。窒化物エッチングが実行されて窒化物ブロック20を除去し、酸化物スペーサ22の間にあるポリ層14の部分が露出状態で残る。次いで、ポリエッチングを実行して、ポリ層14のその露出した部分を除去し、酸化物スペーサ22の下に別個のポリブロック14aが残る。酸化物スペーサ22及びポリブロック14aの間で基板10内にソース領域28を形成するための注入プロセスが続く。この時点又は後でアニールを実行することができ、これにより、ソース領域28を、ポリブロック14aの下に部分的に延在させる。結果として生じる構造体が
図6Bに示される。
【0028】
次いで、鋭角の縁部14bに隣接するポリブロック14aの露出した端部を含む、構造体に酸化物層30が堆積される。次いで、
図6Cに示されるように、ポリシリコンの層が構造体の上方に形成され、続いて、スペーサ22の間に配設されたポリブロック58を除いて、このポリシリコン層を除去するポリエッチングが実行される。マスキング工程が実行されてポリブロック58、及びポリ層52の部分をフォトレジストで覆い、構造体の残り部分は露出状態のままにする。ポリ及び酸化物エッチングが実行されて、ポリ層52及び酸化物層56/54の露出部分を除去し、スペーサ22/24の外側にあるポリ層52の残りの部分としてポリブロック52aが残される。フォトレジスト除去後に、次いで、注入が実行され、ポリブロック52aに隣接するドレイン領域34が基板内に形成される。最終構造体が
図6Dに示される。
【0029】
浮遊ゲート14aの頂面の傾斜エッチングは、消去効率を高めるのに好ましいものであるが、消去効率の増強が望ましくない場合は、傾斜エッチングを省略できることに留意されたい。例えば、
図2Aに関して上述した傾斜エッチングが省略された場合、
図2Eに示される最終メモリセル構造体は、代わりに
図7に示されるものとなり、浮遊ゲート14aは、平面状の上面を有する。同様に、
図4Dに示される最終メモリセル構造体は、代わりに
図8に示されるものとなり、
図5Cに示される最終メモリセル構造体は、代わりに
図9に示されるものとなり、
図6Dに示される最終メモリセル構造体は、代わりに
図10に示されるものとなる。
【0030】
本発明は、本明細書に図示された上記実施形態に限定されるものではなく、任意の特許請求の範囲の範疇に収まるあらゆる変形例を包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、特許請求の範囲又は特許請求項の用語の限定を意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上記で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、全ての方法のステップが例示した、又は特許請求した順序で実施される必要はなく、むしろ、任意の順序で本発明の不揮発性メモリセルの適切な形成が可能である。単一の材料層は、かかる又は類似の材料から構成される多数の層として形成することができ、そして、逆もまた同様である。最後に、本明細書で使用される、「形成」及び「形成される」という用語は、材料堆積、材料化成、又は開示又は特許請求される材料を提供する際の任意の他の技法を含むものとする。
【0031】
本明細書で使用される、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は共に、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板にその要素を形成することも含み得る。
【国際調査報告】