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特表2022-539432溶断ヒューズ指示システムを備える電気アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(54)【発明の名称】溶断ヒューズ指示システムを備える電気アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/30 20060101AFI20220901BHJP
【FI】
H01H85/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513231
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2020069079
(87)【国際公開番号】W WO2021037425
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】19194279.6
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラ-トッパリ,ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】ノロランピ,ミカ
(72)【発明者】
【氏名】ラウノネン,マルック
(72)【発明者】
【氏名】リッサネン,ヤンネ
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502BA04
5G502BC04
5G502BD03
5G502BE10
5G502CC25
5G502CC51
5G502DD04
5G502DD06
(57)【要約】
電気アセンブリは、その内部に液体タンクを形成する筐体(101)と、液体タンクの中の液体誘導体と、少なくとも1つのヒューズ(21,22,23)と、溶断ヒューズ指示システムとを備える。ヒューズ(21,22,23)の各々は、液体誘電体に浸漬され、ストライカーピンが設けられている。溶断ヒューズ指示システムは、ヒューズ(21,22,23)のうちのいずれか1つの溶断を指示信号によって示すように適合されている。溶断ヒューズ指示システムは、第1の指示部材(901)と第2の指示部材(902)とを含む。第1の指示部材(901)はストライカーピンによって移動させることができる。第2の指示部材(902)は、筐体(101)に不動状態で接続され、第1の指示部材(901)と第2の指示部材(902)との間の相対的な移動に応じて指示信号を生成するように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気アセンブリであって、前記電気アセンブリは、
その内部に液体タンクを形成する筐体(101)と、
前記液体タンクの中の液体誘電体と、
少なくとも1つのヒューズ(21,22,23)を含むヒューズシステムとを備え、前記ヒューズの各々に、前記液体誘電体に浸漬され支持構造によって前記筐体(101)に対して支持されたストライカーピン(206)が設けられており、前記電気アセンブリはさらに、
前記少なくとも1つのヒューズ(21,22,23)のうちのいずれか1つの溶断を、前記筐体(101)の外部で検出可能な指示信号によって示すように適合された溶断ヒューズ指示システムを備え、
前記溶断ヒューズ指示システムは、
アクチュエータ機構を含み、前記アクチュエータ機構は、前記少なくとも1つのヒューズ(21,22,23)のうちの各ヒューズごとに、対応するアクチュエータ部材旋回軸(556)を中心として通常位置と溶断位置との間で旋回可能なアクチュエータ部材(6)を含み、各アクチュエータ部材(6)は、対応するヒューズ(21,22,23)の前記ストライカーピン(206)によって前記通常位置から前記溶断位置に旋回させられるように適合され、前記アクチュエータ部材旋回軸(556)は互いに平行であり、前記溶断ヒューズ指示システムはさらに、
プッシュバー機構を含み、前記プッシュバー機構は、前記少なくとも1つのヒューズ(21,22,23)のうちの各ヒューズごとに、対応する前記アクチュエータ部材(6)に接続されたプッシュバー(71,72,73)を含み、前記プッシュバー(71,72,73)の各々は、前記アクチュエータ部材(6)のうちのいずれか1つが前記通常位置から前記溶断位置に旋回することによって第1の位置から第2の位置に移動させられるように適合され、前記プッシュバーのうちの1つはセンサプッシュバー(72)であり、前記プッシュバー機構は、前記センサプッシュバー(72)に接続された第1の指示部材(901)を含み、溶断ヒューズ指示システムはさらに、
第2の指示部材(902)と信号端子(988)とを含むセンサ装置(9)を含み、前記第2の指示部材(902)は、前記筐体(101)に不動状態で接続され、前記第1の指示部材(901)と前記第2の指示部材(902)との相対的な移動に応じて指示信号を生成するように適合され、前記信号端子(988)は、前記指示信号を前記センサ装置(9)から供給するように適合され、前記信号端子(988)は前記筐体(101)の外部に位置することを特徴とする、電気アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の指示部材(901)は、前記アクチュエータ部材旋回軸(556)に平行な指示部材旋回軸(951)を中心として旋回するために、前記センサプッシュバー(72)に旋回可能に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の指示部材(902)は近接センサであり、前記第1の指示部材(901)は、前記第2の指示部材(902)に対するセンサターゲットを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電気アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の指示部材(902)は誘導近接センサであることを特徴とする、請求項3に記載の電気アセンブリ。
【請求項5】
前記電気アセンブリは、前記第2の指示部材(902)と前記液体タンクとの間に液密分離部を形成する分離構成を備え、前記分離構成は、前記第1の指示部材(901)と前記第2の指示部材(902)との間において少なくとも一部が延在する分離部材(595)を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項6】
前記筐体(101)の壁(107)に指示開口部が設けられ、前記分離部材(595)は前記指示開口部を通って延在することを特徴とする、請求項5に記載の電気アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の指示部材(901)は円筒部分を含み、前記円筒部分は、前記センサプッシュバー(72)の前記第1の位置において、前記壁(107)に対して平行な面内で前記第2の指示部材(902)を取り囲むことを特徴とする、請求項6に記載の電気アセンブリ。
【請求項8】
前記センサプッシュバー(72)は長さ調整機構(727)を有し、前記長さ調整機構は、前記センサプッシュバー(72)と対応する前記アクチュエータ部材(6)との接続点と、第1の指示部材(901)との間の距離を、調整するように適合されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項9】
前記長さ調整機構(727)は、内ねじを有する前記センサプッシュバー(72)の第1の部分と、外ねじを有する前記センサプッシュバー(72)の第2の部分とを含み、前記内ねじおよび前記外ねじは、前記距離の調整を提供するために相互に協働するように適合されていることを特徴とする、請求項8に記載の電気アセンブリ。
【請求項10】
前記電気アセンブリは接続機構を備え、前記接続機構は接続シャフト(8)を含み、前記接続シャフトは、前記アクチュエータ部材旋回軸(556)に平行でありかつ前記アクチュエータ部材旋回軸から離間した回転軸を中心として回転するように適合されており、前記接続機構は、前記少なくとも1つのヒューズ(21,22,23)のうちの各ヒューズごとに、前記回転軸に垂直な方向に前記接続シャフト(8)から突出する接続突起(81,82,83)を含み、各プッシュバー(71,72,73)は、第1のピボット継手(651)によって対応する前記アクチュエータ部材(6)に接続され、前記第1のピボット継手(651)から離間された第2のピボット継手(652)によって対応する前記作動突起(81,82,83)に接続されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項11】
前記指示構造は、
ヒューズクリップシステムを含み、前記ヒューズクリップシステムは、前記ヒューズ(21,22,23)のうちの各ヒューズごとに、対応するヒューズの第1の端部に導電接続された第1のヒューズクリップ(31)と、前記対応するヒューズの第2の端部に導電接続された第2のヒューズクリップ(32)とを有し、前記指示構造はさらに、
前記筐体(101)に接続された第1のヒューズベース(120)および第2のヒューズベース(220)とを有するヒューズベースシステムと、
絶縁体システムとを含み、前記絶縁体システムは、前記ヒューズ(21,22,23)のうちの各ヒューズごとに、対応するヒューズの前記第1のヒューズクリップ(31)を前記第1のヒューズベース(120)に接続し前記第1のヒューズクリップ(31)を前記第1のヒューズベース(120)から電気的に絶縁する第1の絶縁体(51)と、対応するヒューズの前記第2のヒューズクリップ(32)を前記第2のヒューズベース(220)に接続し前記第2のヒューズクリップ(32)を前記第2のヒューズベース(220)から電気的に絶縁する第2の絶縁体(52)とを有し、
前記接続シャフト(8)は前記第1のヒューズベース(120)に旋回可能に接続されていることを特徴とする、請求項10に記載の電気アセンブリ。
【請求項12】
各アクチュエータ部材(6)は対応する第1のヒューズクリップ(31)に旋回可能に接続されていることを特徴とする、請求項11に記載の電気アセンブリ。
【請求項13】
前記アクチュエータ部材旋回軸(556)は互いに一致することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【請求項14】
前記電気アセンブリは、前記液体誘電体に浸漬された巻線システムを含む変圧器であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の電気アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、溶断ヒューズ指示システムを備える電気アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
溶断ヒューズ指示システムは、変圧器およびその他の電気装置において使用される。
本明細書において、変圧器は、筐体と、筐体の内部に配置された巻線システムとを含む静的電気装置であり、巻線システムは、一次巻線と二次巻線とを含み、変圧器は、一次巻線と二次巻線との間の導電性接続なしで、電気エネルギを一次巻線と二次巻線との間で伝達するように適合させたものである。
【0003】
周知の変圧器は、変圧器の筐体によって形成された液体タンクの内部の液体誘電体に浸漬されたヒューズと、上記ヒューズのうちのいずれか1つの溶断を指示信号によって示すように適合された溶断ヒューズ指示システムとを含む。溶断ヒューズ指示システムは、液体誘電体に浸漬され指示信号を生成するように適合されたマイクロスイッチと、指示信号をマイクロスイッチから筐体の外部に転送するように適合されたワイヤとを含む。
【0004】
上記周知の変圧器に関連する問題のうちの1つは、マイクロスイッチの交換が難しいことである。さらに、溶断ヒューズ指示システムのワイヤは、筐体内部の通電している構成要素の近くにガルバーニ接触経路を形成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の簡単な説明
本発明の目的は、上記問題を解決するための電気アセンブリを提供することである。本発明の目的は、独立請求項に記載されているものにより特徴付けられる電気アセンブリによって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示される。
【0006】
本発明は、第1の指示部材と第2の指示部材との間の相対的な移動に応じて指示信号を生成するように適合された溶断ヒューズ指示システムを、電気アセンブリに設けるというアイデアに基づいており、第1の指示部材は、接続機構を通してヒューズのストライカーピンにより移動させられるように適合され、第2の指示部材は、電気アセンブリの筐体に不動状態で接続されている。
【0007】
本発明の電気アセンブリの利点は、溶断ヒューズ指示システムが、筐体の内部の通電している構成要素の近くのガルバーニ接触経路を一切必要としないことである。
【0008】
以下、本発明を、好ましい実施形態を用い添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のある実施形態に係る電気アセンブリの一部の不等角投影図を示す。
図2図1の電気アセンブリの部分をアクチュエータ部材旋回軸に平行な方向から見た図を示す。
図3】第1の動作状態である図2の電気アセンブリの部分の詳細の断面図を示す。
図4】第2の動作状態である図2の電気アセンブリの部分の詳細の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
図1は、本発明のある実施形態に係る電気アセンブリの一部を示す。図1に示される部分は、ヒューズシステムと、支持構造と、溶断ヒューズ指示システムとを含む。図2は、図1の電気アセンブリの部分を異なる角度から示し、加えて、電気アセンブリの筐体101の一部を示す。図3および図4は、図2の電気アセンブリの部分の詳細の断面図を示す。図3において、電気アセンブリは、ヒューズシステムのヒューズを使用できる第1の動作状態である。図4において、電気アセンブリは、ヒューズシステムのヒューズが溶断された第2の動作状態である。
【0011】
ヒューズシステムは3つのヒューズ21、22および23を含み、これらのヒューズの各々に、図4の断面図に示されるストライカーピン206が設けられている。ヒューズ21~23は互いに電気的に絶縁されている。図2図4において、ヒューズ21~23の長手方向は水平方向である。ストライカーピン206は、ヒューズ溶断時に対応するヒューズの端部から直線的に外方向に移動するように適合されている。ストライカーピン206のこの直線移動は、対応するヒューズの長手方向に対して平行である。
【0012】
電気アセンブリの動作中、ヒューズ21、22および23は、電気アセンブリの筐体101によって形成された液体タンクの内部の液体誘電体に浸漬されている。ストライカーピンヒューズは、当該技術では周知であり、本明細書では詳細に説明しない。
【0013】
ヒューズシステムのヒューズ21、22および23は、支持構造によって筐体101に支持されている。支持構造は、ヒューズクリップシステムと、ヒューズベースシステムと、絶縁体システムとを含む。
【0014】
ヒューズクリップシステムは、ヒューズ21、22および23のうちの各ヒューズごとに、第1のヒューズクリップ31と第2のヒューズクリップ32とを含む。第1のヒューズクリップ31は、対応するヒューズの第1の端部に導電接続される。第2のヒューズクリップ32は、対応するヒューズの第2の端部に導電接続される。ヒューズクリップシステムは、第1のヒューズクリップ31および第2のヒューズクリップ32の各々について、バスバー303をさらに含む。各バスバー303は、対応するヒューズクリップに導電接続され、ケーブルをこのヒューズクリップに接続するように適合されている。
【0015】
ヒューズベースシステムは、筐体101に接続された第1のヒューズベース120と第2のヒューズベース220とを含む。
【0016】
絶縁体システムは、ヒューズ21、22および23のうちの各ヒューズごとに、第1の絶縁体51と第2の絶縁体52とを含む。第1の絶縁体51は、対応するヒューズの第1のヒューズクリップ31を第1のヒューズベース120に接続し、第1のヒューズクリップ31を第1のヒューズベース120から電気的に絶縁する。第2の絶縁体52は、対応するヒューズの第2のヒューズクリップ32を第2のヒューズベース220に接続し、第2のヒューズクリップ32を第2のヒューズベース220から電気的に絶縁する。
【0017】
溶断ヒューズ指示システムは、ヒューズシステムのヒューズ21~23のうちのいずれか1つの溶断を、筐体101の外部で検出可能な指示信号によって示すように適合されている。溶断ヒューズ指示システムは、アクチュエータ機構と、プッシュバー機構と、接続機構と、センサ装置9とを含む。アクチュエータ機構、プッシュバー機構、および接続機構は、筐体101の内部に配置されている。溶断ヒューズ指示システムは、図3および図4で見ると最もよくわかる。
【0018】
アクチュエータ機構は、ヒューズ21~23のうちの各ヒューズごとに、通常位置と溶断位置との間において、対応するアクチュエータ部材旋回軸556を中心として旋回可能な、アクチュエータ部材6を含む。アクチュエータ部材旋回軸556は互いに一致する。各アクチュエータ部材6は、対応するヒューズのストライカーピン206によって通常位置から溶断位置まで旋回させられるように適合されている。
【0019】
各アクチュエータ部材6は、対応する第1のヒューズクリップ31に旋回可能に接続される。この旋回可能な接続は、第1のヒューズクリップ31に固定的に接続された接続片346によって実現され、アクチュエータ部材旋回軸556は、接続片346を貫通している。代替実施形態において、各アクチュエータ部材は、アクチュエータ部材旋回軸が第1のヒューズクリップの一体部分を貫通するように、対応する第1のヒューズクリップに旋回可能に接続される。
【0020】
プッシュバー機構は、ヒューズ21~23のうちの各ヒューズごとに、対応するアクチュエータ部材6に接続されたプッシュバーを含み、アクチュエータ部材6のうちのいずれか1つが通常位置から溶断位置に旋回することにより、各プッシュバーが第1の位置から第2の位置に移動するようになっている。ヒューズ21に対応するプッシュバーを参照番号71で示し、ヒューズ22に対応するプッシュバーを参照番号72で示し、ヒューズ23に対応するプッシュバーを参照番号73で示す。ヒューズ22に対応するプッシュバー72は、センサプッシュバーである。
【0021】
図1図3において、プッシュバー71~73はその第1の位置にある。図4において、プッシュバー71~73はその第2の位置にある。
【0022】
センサプッシュバー72は、第1の指示部材901と、センサプッシュバー72と対応するアクチュエータ部材6との接続点との間の距離を調整するように適合された長さ調整機構727を有する。長さ調整機構727は、内ねじを有するセンサプッシュバー72の第1の部分と、外ねじを有するセンサプッシュバー72の第2の部分とを含み、内ねじおよび外ねじは、距離の調整を提供するために互いに協働するように適合されている。
【0023】
プッシュバー機構は、センサプッシュバー72に接続された第1の指示部材901を含む。第1の指示部材901は、アクチュエータ部材旋回軸556に対して平行な指示部材旋回軸951を中心として旋回するように、センサプッシュバー72に旋回可能に接続される。第1の指示部材901は、筐体101の内部に位置する。
【0024】
センサ装置9は、第2の指示部材902と信号端子988とを含む。第2の指示部材902は、筐体101の壁107に不動状態で接続される。壁107は、筐体101の上壁である。信号端子988は、センサ装置9から指示信号を供給するように適合されている。信号端子988は、筐体101の外部に位置する。
【0025】
第2の指示部材902は、センサプッシュバー72の第1の位置から第2の位置への移動によって与えられる、第1の指示部材901と第2の指示部材902との間の相対的な移動に応じて、指示信号を生成するように適合されている。
【0026】
第2の指示部材902は、第1の指示部材901がセンサプッシュバー72の第2の位置に対応する位置にあるときを検知するように適合されている。代替実施形態において、第2の指示部材は、センサプッシュバーの第1の位置と第2の位置との間の位置に対応する中間位置に第1の指示部材があるときを検知するように適合されており、この中間位置は、センサプッシュバーがその第1の位置から確実に離れた状況を示すように選択される。
【0027】
第2の指示部材902は、誘導近接センサであり、磁場に影響されない。第1の指示部材901は、第2の指示部材902のセンサターゲットとしてアルミニウムを含む。これに代えて、第1の指示部材は、誘導近接センサのセンサターゲットとして鉄またはその他の電気導電性材料を含み得る。
【0028】
代替実施形態において、第2の指示部材は、別の種類の近接センサを含む。近接センサは、物理的に接触せずに近傍の物体の存在を検出することができるセンサである。異なる種類の近接センサは、異なる種類のセンサターゲットを必要とする。
【0029】
ある実施形態において、第2の指示部材は容量性近接センサを含み、第1の指示部材は、導電性材料を含む必要はなく、たとえばプラスチック製であってもよい。代替実施形態において、第2の指示部材は磁気近接センサを含み、第1の指示部材は永久磁石を含む。
【0030】
電気アセンブリは、第2の指示部材902と液体タンクとの間に液密分離部を形成する分離構成を含む。分離構成は、分離部材595と封止部材179とを含む。分離部材595は、第1の指示部材901と第2の指示部材902との間の一部に延在する。分離部材595は、第1の指示部材901と第2の指示部材902との間に物理的な接触が生じないように、第1の指示部材901を第2の指示部材902から分離する。
【0031】
分離部材595は、管状部分とフランジ部分とを含む。分離部材595のフランジ部分は、管状部分の第1の端部に位置する。管状部分は、その第2の端部において閉塞されている。分離部材595は、電気的絶縁材料からなる。
【0032】
筐体101の壁107に指示開口部が設けられている。分離部材595のフランジ部分が壁107の第1の側にあり、かつ分離部材595の管状部分の一部が壁107の第2の側にあるように、分離部材595は指示開口部を通って延在している。壁107の第1の側は筐体101の外側に面し、壁107の第2の側は筐体101の内側に面する。第2の指示部材902は、第2の指示部材902の一部が壁107の第2の側に位置するように、部分的に分離部材595に収容されている。
【0033】
封止部材179は、分離部材595のフランジ部分と、指示開口部を囲む壁107の部分との間に位置する。封止部材179は、分離部材595のフランジ部分と壁107との間に液密封止を提供する。封止部材179はOリングである。
【0034】
この分離構成が液密分離を提供するので、第2の指示部材902は、指示開口部が液密封止された状態を保ちつつ、電気アセンブリの残りの部分から取り出されるように、適合されている。したがって、第2の指示部材902は、電気アセンブリの液体タンクを開かずに、修理または交換することができる。
【0035】
第1の指示部材901は円筒部分を含み、センサプッシュバー72が第1の位置にあるときに、この円筒部分は、壁107に平行な面内で第2の指示部材902を取り囲む。分離部材595は、センサプッシュバー72が第1の位置から第2の位置に移動する間、分離部材595の外面と第1の指示部材901の円筒部分の内面との接触によって第1の指示部材901を案内するように、適合されている。
【0036】
センサプッシュバー72の第1の位置から第2の位置への移動中に、第1の指示部材901は、筐体101の壁107によって画定される面に対して垂直な方向に、壁107から遠ざかるように移動する。第1の指示部材901のこの移動は、図3において矢印491で示されている。図2図4において、壁107によって画定される面は、像平面に対して垂直である。
【0037】
接続機構は、アクチュエータ部材旋回軸556に平行でありかつこの旋回軸から離間している回転軸を中心として回転するように適合された接続シャフト8を含み、さらに、ヒューズ21~23のうちの各ヒューズごとに、上記回転軸に垂直な方向に接続シャフト8から突出する接続突起を含む。ヒューズ21に対応する接続突起を参照番号81で示し、ヒューズ22に対応する接続突起を参照番号82で示し、ヒューズ23に対応する接続突起を参照番号83で示す。接続シャフト8は、第1のヒューズベース120に旋回可能に接続されている。
【0038】
接続シャフト8の回転軸は、壁107によって画定される面に対して平行である。接続シャフト8の回転軸は、ヒューズ21~23の長手方向に対して垂直である。
【0039】
図3の像平面は、指示部材旋回軸951、アクチュエータ部材旋回軸556および接続シャフト8の回転軸に対して垂直である。図3は、指示部材旋回軸951、第1のピボット継手651、および第2のピボット継手652が同一線上に位置し、第1のピボット継手651が指示部材旋回軸951と第2のピボット継手652との間に位置することを示す。
【0040】
プッシュバー71~73の各々は、対応するアクチュエータ部材6に、第1のピボット継手651によって接続され、かつ、対応する作動突起81~83に、第1のピボット継手651および接続シャフト8の回転軸から離間した第2のピボット継手652によって接続される。第1のピボット継手651は、アクチュエータ部材旋回軸556から離間されている。
【0041】
プッシュバー71~73は、アクチュエータ部材6を作動突起81~83から電気的に絶縁するために、電気絶縁材料を含む。代替実施形態において、溶断ヒューズ指示システムのその他の構成要素は、さらにまたは代わりに、電気アセンブリの電気が流れている構成要素を互いにおよび電気アセンブリの筐体から電気的に絶縁するための電気絶縁材料を含む。
【0042】
図1にその一部が示されている電気アセンブリは、中電圧変圧器である。変圧器の巻線システムは、図には示されていない。本明細書において、「中電圧」という表現は、2kV~35kVの電圧範囲を意味する。
【0043】
本発明の概念はさまざまな方法で実施可能であることが、当業者には明らかであろう。本発明およびその実施形態は、上記例に限定される訳ではなく、特許請求の範囲の中で異なっていてもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】