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特表2022-539447多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法及び多重レーザーパルス発振装置
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  • 特表-多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法及び多重レーザーパルス発振装置 図1
  • 特表-多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法及び多重レーザーパルス発振装置 図2
  • 特表-多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法及び多重レーザーパルス発振装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-09
(54)【発明の名称】多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法及び多重レーザーパルス発振装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/11 20060101AFI20220902BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20220902BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20220902BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20220902BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
H01S3/11
A61N5/067
A61B18/20
H01S3/00 A
G02F1/01 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569103
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 KR2021001463
(87)【国際公開番号】W WO2021162339
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0017687
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521506962
【氏名又は名称】エルトラグローバル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LTRAGLOBAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Woolim Lions Valley 5cha), 1701-ho, 302, Galmachi-ro, Jungwon-gu Seongnam-si Gyeonggi-do 13201 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】メン チャンホ
(72)【発明者】
【氏名】ソ キルソン
【テーマコード(参考)】
2K102
4C026
4C082
5F172
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA11
2K102BB01
2K102BC04
2K102DB01
2K102EA21
2K102EB02
2K102EB11
2K102EB20
4C026AA02
4C026AA04
4C026BB07
4C026HH02
4C026HH15
4C082RA01
4C082RA05
4C082RC08
4C082RL02
4C082RL15
5F172AE03
5F172AE05
5F172AE06
5F172AE09
5F172AF02
5F172AF07
5F172AL01
5F172EE02
5F172NN13
5F172NQ23
5F172NQ48
5F172ZA02
5F172ZZ03
(57)【要約】
本発明は、レーザーのピークパワーを減少させ、エネルギー効率を向上させることができる多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を提供する。 本発明の一実施例に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法は、1サイクルの光エネルギーを形成するステップと、前記光エネルギーによって利得媒質の電子が励起されるステップと、前記光エネルギーの1サイクルの間に、第1Qスイッチを実行するステップと、前記第1Qスイッチによって第1レーザーパルスを発振するステップと、前記光エネルギーの1サイクルの間に、第2Qスイッチを実行するステップと、前記第2Qスイッチによって第2レーザーパルスを発振するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1サイクルの光エネルギーを形成するステップと、
前記光エネルギーによって利得媒質の電子が励起されるステップと、
前記光エネルギーの1サイクルの間に、第1Qスイッチを実行するステップと、
前記第1Qスイッチによって、前記利得媒質の励起された前記電子から第1レーザーパルスを発振するステップと、
前記光エネルギーの1サイクルの間に、第2Qスイッチを実行するステップと、
前記第2Qスイッチによって、前記利得媒質の励起された前記電子から第2レーザーパルスを発振するステップと、を含む、多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法。
【請求項2】
前記第1Qスイッチは、前記光エネルギーを形成した直後、80μs~150μs範囲の遅延時間を有する、多重Qスイッチを利用した、請求項1に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項3】
前記第2Qスイッチは、前記第1Qスイッチで10μs~30μs範囲の遅延時間を有する、多重Qスイッチを利用した、請求項1に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項4】
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第2Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第3Qスイッチを実行するステップと、
前記第3Qスイッチによって第3レーザーパルスを発振するステップと、をさらに含む、多重Qスイッチを利用した、請求項1に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項5】
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第3Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第4Qスイッチを実行するステップと、
前記第4Qスイッチによって第4レーザーパルスを発振するステップと、をさらに含む、多重Qスイッチを利用した、請求項4に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項6】
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第4Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第5Qスイッチを実行するステップと、
前記第5Qスイッチによって第5レーザーパルスを発振するステップと、をさらに含む、多重Qスイッチを利用した、請求項5に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項7】
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第5Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第6Qスイッチを実行するステップと、
前記第6Qスイッチによって第6レーザーパルスを発振するステップと、をさらに含む、多重Qスイッチを利用した、請求項6に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項8】
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第6Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第7Qスイッチを実行するステップと、
前記第7Qスイッチによって第7レーザーパルスを発振するステップと、をさらに含む、多重Qスイッチを利用した、請求項7に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項9】
前記光エネルギーの1サイクルは、200μs~350μs範囲である、多重Qスイッチを利用した、請求項1に記載の多重レーザーパルス発振方法。
【請求項10】
ミラー、波長部、Qスイッチ部、偏光部、利得媒質部、出力カプラー部、第1制御部および第2制御部を含む、多重レーザーパルス発振装置であり、
前記第1制御部が電気的制御信号を印加することによって、前記利得媒質部で1サイクルの光エネルギーを形成するステップと、
前記光エネルギーによって、前記利得媒質部の利得媒質の電子が励起されるステップと、
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第2制御部が電気的制御信号を印加することによって、前記Qスイッチ部で第1Qスイッチを実行するステップと、
前記第1Qスイッチによって、第1レーザーパルスを発振するステップと、
前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記Qスイッチ部で第2Qスイッチを実行するステップと、
前記第2Qスイッチによって第2レーザーパルスを発振するステップと、を実行する、多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的思想は、レーザー発生方法に関するものであり、より詳細には、多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発生方法及び多重レーザーパルス発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1960年に最初のレーザーであるルビーレーザーが開発され、医学界に登場して以来、Nd:YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザー及び色素レーザーが開発され、皮膚疾患の治療に優れた効果を示してきた。このようなレーザーの基本原理は、水、メラニン、オキシヘモグロビンなどのターゲットに固有の振動数があり、類似した振動数のレーザーを照射すると、特定のターゲットに反応を起こすものである。これは、ターゲットを選択的に施術できるというレーザーの最大の特徴であり、各ターゲットの吸収度と関連があるが、最大の違いは、一般的な光線は多くの波長を有するに比べ、レーザーは常に定められた一つの波長を有するということである。これらの波長の違いにより、各種レーザー物質は、独自の特定の波長を有し、レーザーの種類は、媒質によってエキシマ、ダイオード、CO2、Nd:YAGなどの様々な種類に分けられる。
【0003】
レーザーの適用範囲に応じて、一般病院では軟組織の手術部位に、切開、潰瘍、タトゥー除去、消毒などのために使用するレーザー、歯科では虫歯の除去、インプラント手術、神経過敏などのために硬組織と軟組織に使用するレーザーなどがあり、それぞれの適用用途に応じて種類も多様である。 時代別にみると、1963年、火炎状母斑の治療に初の試みとしてルビーレーザー及びアルゴンレーザーが使われ、1970年代半ばからは血管性病変、色素性疾患及び腫瘍の治療にアルゴンと二酸化炭素レーザーが本格的に利用され始めた。最近ではさらに多様なレーザーが開発され、過去には治療が不可能、又は困難であった様々な皮膚疾患の治療に利用されている。 現在、皮膚科領域で使われているレーザーは、大きく各種皮膚腫瘍、傷跡などの治療に使用されるレーザー、血管疾患の治療に使われるレーザー、タトゥー治療に使われるレーザーに分けられ、最近では肌の老化や皮膚の再生への関心の高まりに伴い、血管病変及び色素沈着病変、脱毛の目的で一般的に多く使用してきた既存のレーザー装置の機能が、皮膚のリフティング、弾力および再生機能にまで需要が増大され、幅広く拡大していく傾向にある。
【0004】
Qスイッチ(Q-switching)レーザーは、最も広く利用されている短いパルス幅のレーザーを発生させる代表的な技術である。Qスイッチレーザーは、5ナノ秒~15ナノ秒の短いパルス幅を有するレーザーで、高いパルスパワーを有する。 例えば、10ナノ秒のパルス幅を有して出力エネルギーが1Jである場合、レーザーパルスのパワーは100MWの高いパワーを有する。その高いパワーのため、皮膚の治療のような臨床への使用には、制限がある可能性がある。
【0005】
上記Qスイッチレーザーを発振するために、フラッシュランプを放電させ、フラッシュランプから発生した光エネルギーをレーザー媒質に注入し、前記レーザー媒質で電子を励起状態に、密度反転を生じさせ、これにより、レーザー共振が発生する。 上記フラッシュランプから発生される光エネルギーの幅が約250マイクロ秒(μs)で、上記パルスの時間に発生される光エネルギーによって、持続的にレーザー媒質から電子を励起させることになる。
【0006】
Nd:YAGレーザーは、励起状態で約230μs程度の持続時間を有する。 Qスイッチ信号は、最初のポンピングを開始してから約150μsが遅延されて注入され、短いパルス幅を有して高いピークパワーを有するレーザーが発振される。 ここで、レーザーが発振された後にも、フラッシュランプから持続的に光エネルギーが注入されるため、レーザー媒質であるNd:YAGで電子が継続的に励起されるが、上記レーザー発振に寄与することはできなくなる。 つまり、Qスイッチ信号を印加した後は、光エネルギーが使用されなくなるため、光エネルギー及び電気エネルギーの無駄な消費が発生することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1229111号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の技術的思想が解決しようとする技術的課題は、レーザーのピークパワーを減少させ、エネルギー効率を向上させることができる多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を提供することである。
【0009】
しかし、このような課題は、例示的なもので、本発明の技術的思想は、これに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を達成するための本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法は、1サイクルの光エネルギーを形成するステップと、前記光エネルギーによって利得媒質の電子が励起されるステップと、前記光エネルギーの1サイクルの間に、第1Qスイッチを実行するステップと、前記第1Qスイッチによって前記利得媒質の励起された前記電子から第1レーザーパルスを発振するステップと、前記光エネルギーの1サイクルの間に、第2Qスイッチを実行するステップと、前記第2Qスイッチによって、前記利得媒質の励起された前記電子から第2レーザーパルスを発振するステップと、を含む。
【0011】
本発明の一実施例において、前記第1Qスイッチは、前記光エネルギーを形成した直後、80μs~150μs範囲の遅延時間を有することができる。
【0012】
本発明の一実施例において、前記第2Qスイッチは、前記第1Qスイッチで10μs~30μs範囲の遅延時間を有することができる。
【0013】
本発明の一実施例において、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第2Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第3Qスイッチを実行するステップと、前記第3Qスイッチによって第3レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例において、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第3Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第4Qスイッチを実行するステップと、前記第4Qスイッチによって第4レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0015】
本発明の一実施例において、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第4Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第5Qスイッチを実行するステップと、前記第5Qスイッチによって第5レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一実施例において、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第5Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第6Qスイッチを実行するステップと、前記第6Qスイッチによって第6レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一実施例において、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第6Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第7Qスイッチを実行するステップと、前記第7Qスイッチによって第7レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一実施例において、前記光エネルギーの1サイクルは200μs~350μs範囲であることができる。
【0019】
本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振装置は、ミラー、波長部、Qスイッチ部、偏光部、利得媒質部、出力カプラー部、第1制御部および第2制御部を含む多重レーザーパルス発振装置であり、前記第1制御部が電気的制御信号を印加することによって、前記利得媒質部で1サイクルの光エネルギーを形成するステップと、前記光エネルギーによって、前記利得媒質部の利得媒質の電子が励起されるステップと、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記第2制御部が電気的制御信号を印加することにより、前記Qスイッチ部で第1Qスイッチを実行するステップと、前記第1Qスイッチにより、第1レーザーパルスを発振するステップと、前記光エネルギーの1サイクルの間に、前記Qスイッチ部で第2Qスイッチを実行するステップと、前記第2Qスイッチによって第2レーザーパルスを発振するステップとを実行する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法は、形成された光エネルギーの1サイクルの間に、多重Qスイッチを実行し、多重レーザーパルスを発振することができる。したがって、レーザーパルスの出力を希望するレベルに減少させる効果を提供することができる。 また、一回のQスイッチを実行する場合に使用されない励起された電子のエネルギーを利用し、レーザーパルスを発振することができるため、効率的なレーザー発振効果を提供することができる。
【0021】
上述した本発明の効果は、例示的に記載されたもので、これらの効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を実装する多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振装置を示す概略図である。
図2】本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施例に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を実行した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例を詳しく説明することにする。 本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明の技術的思想を更に完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の技術的思想の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示を更に充実かつ完全なものにし、当業者に本発明の技術的思想を完全に伝達するために提供されるものである。 本明細書で同じ符号は、終始同じ要素を意味する。さらに、図面での様々な要素と領域は、概略的に描かれたものである。したがって、本発明の技術的思想は、添付した図面に描かれた相対的な大きさや間隔によって制限されるものではない。
【0024】
本発明の技術的思想は、高いレーザー発振ピークパワーを減少させ、かつ高い出力エネルギーを維持するために、一回のパルス周期(例えば230μs~330μs)で、例として2回以上、例として3回以上Qスイッチを作動させ、Qスイッチレーザーにおいて、1サイクルで3回以上のレーザーパルスを生成させるものである。ここで、パルス周期とは、フラッシュランプを放電させるためのパルスパワー回路における、一回のフラッシュランプの光放出周期を意味する。 上記レーザーの一回のポンピング周期に、多重Qスイッチを一定の間隔をおいて作動させることで、多重Qスイッチパルスを注入するため、上記レーザーパルスを複数に、例えば3つ以上にすることができる。これらの結果として、上記レーザーパルスのピークパワーを下げることができる。また、Qスイッチ信号遅延時間を調整するため、励起された電子をレーザー発振に効率的に使用できるようになり、全体的なレーザー発振出力エネルギーを増加させることができる。 これにより従来の高いシングルパルスピークパワーによる問題を解決することができ、また総レーザー発振出力エネルギーを増加させるため、臨床適用の可能性を拡大することができる。
【0025】
図1は、本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を実装する、多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振装置100を示す概略図である。
【0026】
図1を参照すると、多重レーザーパルス発振装置100は、ミラー110、波長部120、Qスイッチ部130、偏光部140、利得媒質部150、出力カプラー部160、第1制御部170、及び第2制御部180を含む。 ミラー110、波長部120、Qスイッチ部130、偏光部140、利得媒質部150、及び出力カプラー部160は、上述した順で配置することができる。
【0027】
第1制御部170は、利得媒質部150と接続され電気的信号を印加することができる。 第2制御部180は、Qスイッチ部130と接続され電気的信号を印加することができ、Qスイッチ部用の駆動ドライバー及び高圧用トランスなどをさらに含むことができる。 利得媒質部150は、Nd:YAGロッド、YVO4、アレキサンドライト、チタンサファイアロッド等のような利得媒質とフラッシュランプを含むことができる。 出力カプラー部160は、ミラーを含むことができる。 波長部120及び偏光部140は、それぞれ平板形状を有することができる。
【0028】
多重レーザーパルス発振装置100によって発振するレーザーパルスは、下記のような方法で発生することができる。
【0029】
図2は、本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法S100を示すフローチャートである。
【0030】
図2を参照すると、多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法S100は、1サイクルの光エネルギーを形成するステップS110と、前記光エネルギーによって利得媒質の電子が励起されるステップS120と、上記光エネルギーの1サイクルの間に、第1Qスイッチを実行するステップS130と、前記第1Qスイッチによって、上記利得媒質の励起された上記電子から第1レーザーパルスを発振するステップS140と、上記光エネルギーの1サイクルの間に、第2Qスイッチを実行するステップS150と、前記第2Qスイッチによって、上記利得媒質の励起された上記電子から第2レーザーパルスを発振するステップS160と、を含む。
【0031】
図1に関連して具体的に記載すると、第1制御部170が利得媒質部150に電気的制御信号を印加すると、利得媒質部150に含まれた上記フラッシュランプに電圧及び電流が増加してから減少され、1サイクル(one period)の光エネルギーを形成する。上記光エネルギーによって利得媒質部150に含まれた上記利得媒質の電子が励起される。
【0032】
続いて、上記光エネルギーの1サイクルの間、第2制御部180がQスイッチ部130に電気的制御信号を印加し、第1Qスイッチを実行すると、上記利得媒質に励起された上記電子からレーザーパルスが外部に発振する。上記レーザーパルスは、ミラー110によって反対方向に反射され、波長部120、偏光部140、及び出力カプラー部160を通過して外部に発振することができる。必要な場合、上記レーザーパルスは出力カプラー部160によって反対方向に反射されることができる。また、必要な場合、上記レーザーパルスは、偏光部140によって偏光されることができ、方向を変更して発振することができる。
【0033】
続いて、上記光エネルギーの1サイクルの間、第2制御部180がQスイッチ部130に電気的制御信号を印加して第2Qスイッチを実行すると、上記利得媒質に励起された上記電子からレーザーパルスが再び外部に発振する。ここで、本発明の技術的思想は、上記第1Qスイッチと第2Qスイッチは上記光エネルギーの1サイクルの間に実行されるものである。
【0034】
続いて、同じ方法で上記光エネルギーの1サイクルの間、第3Qスイッチ~第7Qスイッチを実行して第3レーザーパルス~第7レーザーパルスをそれぞれ発振することができる。ここで、第7Qスイッチは例示的なものであり、任意のn回のQスイッチを実行することが本発明の技術的思想に含まれる。
【0035】
上記第1Qスイッチは、上記光エネルギーを形成した直後、80μs~150μs範囲の遅延時間を有することができる。
【0036】
上記第2Qスイッチは、上記第1Qスイッチで10μs~30μs範囲の遅延時間を有することができる。
【0037】
上記光エネルギーの1サイクルの間に、上記第2Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第3Qスイッチを実行するステップと、前記第3Qスイッチによって第3レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0038】
上記光エネルギーの1サイクルの間に、上記第3Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第4Qスイッチを実行するステップと、前記第4Qスイッチによって第4レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0039】
上記光エネルギーの1サイクルの間に、上記第4Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第5Qスイッチを実行するステップと、前記第5Qスイッチによって第5レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0040】
上記光エネルギーの1サイクルの間に、上記第5Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第6Qスイッチを実行するステップと、前記第6Qスイッチによって第6レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0041】
上記光エネルギーの1サイクルの間に、上記第6Qスイッチを実行した後、10μs~30μs範囲の遅延時間が経ってから第7Qスイッチを実行するステップと、前記第7Qスイッチによって第7レーザーパルスを発振するステップとをさらに含むことができる。
【0042】
ここで、上記遅延時間は例示的なものであり、様々な時間範囲を有することができる。
【0043】
また、上述した方法により、上記光エネルギーは、次の1サイクルとして繰り返して形成することができ、Qスイッチも同じ方法で繰り返して実行することができる。
【0044】
図3は、本発明の一実施例に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法を実行した結果を示すグラフである。
【0045】
図3を参照すると、フラッシュランプの電圧と電流が示されており、1サイクルの光エネルギーを提供していることがわかる。上記光エネルギーの1サイクルは約200μs~約350μs範囲である。上記光エネルギーの1サイクルの間に8回のQスイッチを示す8つのQスイッチパルスピークと、それによって発振した8つのレーザーパルス出力ピークが示されている。
【0046】
上記フラッシュランプの電圧が印加された時点から最初のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約80μs~約150μsの範囲である可能性がある。上記最初のQスイッチパルスを基準に、2回目のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約15μs~約35μsの範囲である可能性がある。上記最初のQスイッチパルスを基準に、3回目のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約40μs~約60μsの範囲である可能性がある。 上記最初のQスイッチパルスを基準に、4回目のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約65μs~約85μsの範囲である可能性がある。上記最初のQスイッチパルスを基準に、5回目のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約90μs~約110μsの範囲である可能性がある。上記最初のQスイッチパルスを基準に、6回目のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約115μs~約135μsの範囲である可能性がある。上記最初のQスイッチパルスを基準に、7回目のQスイッチパルスまでの遅延時間は、約140μs~約160μsの範囲である可能性がある。
【0047】
従来のQスイッチレーザーは、Qスイッチをオンにするまで利得媒質で電子が励起状態に蓄積され、Qスイッチがオンになると、それまで蓄積された励起状態の電子が刺激され、共振しながらレーザーを発振することになる。一回のQスイッチを実行する場合は、Qスイッチの遅延時間後にも持続的に光エネルギーを受け、電子が励起状態に継続的に変化するが、光エネルギーの1サイクル内でQスイッチをそれ以上実行しないため、上記光エネルギーの1サイクル内ではそれ以上レーザー発振をしない。
【0048】
しかし、本発明の技術的思想に係る多重Qスイッチを利用した多重レーザーパルス発振方法によると、1サイクルの光エネルギーで連続的にQスイッチを実行するため、励起された電子をより多く使用する効率性を有することができ、レーザーが持続的に発振するようになり、全体的にレーザーのポンピングエネルギーを効果的に使用することができる。
【0049】
以上で説明した本発明の技術的思想が、前述した実施例および添付された図面に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の技術的思想が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の技術的思想は、レーザー発生方法に利用することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】