(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-09
(54)【発明の名称】フォトクロミック光学物品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/23 20060101AFI20220902BHJP
G02B 5/22 20060101ALI20220902BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20220902BHJP
G02C 7/10 20060101ALI20220902BHJP
B29C 39/10 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
G02B5/23
G02B5/22
G02B5/30
G02C7/10
B29C39/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577564
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2020069300
(87)【国際公開番号】W WO2021005127
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598142955
【氏名又は名称】エシロール アンテルナショナル
【氏名又は名称原語表記】ESSILOR INTERNATIONAL
【住所又は居所原語表記】147,rue de Paris,F-94277 Charenton-le-Pont,France
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ ラガージ
(72)【発明者】
【氏名】トニー ダンタス ドゥ モレ
(72)【発明者】
【氏名】エルビン エヌジー
【テーマコード(参考)】
2H006
2H148
2H149
4F204
【Fターム(参考)】
2H006BE02
2H148CA04
2H148CA09
2H148CA13
2H148CA20
2H148CA23
2H148CA24
2H148CA27
2H148CA29
2H148DA04
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2H149AA23
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2H149FA02X
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2H149FA13Z
4F204AA36A
4F204AC05
4F204AD05
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4F204AG03
4F204AH73
4F204EA03
4F204EB01
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4F204EB22
4F204EF01
4F204EF05
4F204EF27
4F204EK17
(57)【要約】
本発明は、フォトクロミック及び紫外線保護特性の両方を備えた、眼用レンズなどの光学物品を製造する方法、及び前記特性を備えた光学物品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学物品を製造する方法であって、
(a)少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、任意選択的に偏光フィルム、及び少なくとも1つの紫外線吸収体添加剤を含む紫外線放射保護フィルムをラミネートすることによって、ラミネートを形成することと、
(b)ステップ(a)で得られた前記ラミネート又はその一部を、2部分型アセンブリの型空洞に配置することと、
(c)少なくとも1つの重合性モノマーを含む重合性組成物を前記型空洞に注ぐことと、
(d)ステップ(c)で注がれた少なくとも1つの重合性モノマーを含む前記重合性組成物を硬化させて基材を形成することと、
(e)前記型空洞から前記光学物品を取り除くことと、を含み、
前記光学物品が、この順序で、
- 第1の基材層、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、
- 紫外線放射保護フィルム、
- 第2の基材層、及び
- 任意選択的に、前記第1の基材層と前記フォトクロミックフィルムとの間、前記フォトクロミックフィルムと前記紫外線放射保護フィルムとの間、又は前記紫外線放射保護フィルムと前記第2の基材層との間に含まれた機能性フィルム、例えば偏光フィルム、
を備える、光学物品を製造する方法。
【請求項2】
ステップ(a)で得られた前記ラミネートが、この順序で、少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、機能性フィルム、例えば偏光フィルム、及び紫外線放射保護フィルムを含む、請求項1に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項3】
前記機能性フィルムが、偏光フィルムであり、前記偏光フィルムが、ポリビニルアルコールフィルムである、請求項2に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルムが、少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むセルローストリアセテートフィルムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項5】
前記フォトクロミック染料が、ナフトピランである、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項6】
前記光学物品が、前記第1の基材層と、前記少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルムとの間に保護フィルムを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの紫外線吸収体添加剤を含む紫外線放射保護フィルムが、少なくとも1つの紫外線吸収体添加剤を含むセルローストリアセテートフィルムである、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項8】
前記紫外線吸収体添加剤が、ベンゾトリアゾールである、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項9】
前記重合性組成物に含まれる前記少なくとも1つの重合性モノマーが、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項10】
- 前記第1及び第2の基材層の前記基材が、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)ポリマー及びコポリマーからなる群から選択され、
- 前記少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルムが、少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むセルローストリアセテートフィルムであり、
- 前記紫外線放射保護フィルムが、UV400保護フィルムであり、
- 前記光学物品が、前記第1の基材層と、前記少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルムとの間に保護フィルムを含み、
- 任意選択的に機能性フィルム、例えば偏光フィルムが、前記フォトクロミックフィルムと前記紫外線放射保護フィルムとの間に含まれている、
請求項1~9のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項11】
前記光学物品が眼用レンズである、請求項1~9のいずれか一項に記載の光学物品を製造する方法。
【請求項12】
光学物品であって、この順序で
- 第1の基材層、
- 保護フィルム、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、
- 紫外線放射保護フィルム、
- 第2の基材層、及び
- 任意選択的に、前記第1の基材層と前記フォトクロミックフィルムとの間、前記フォトクロミックフィルムと前記紫外線放射保護フィルムとの間、又は前記紫外線放射保護フィルムと前記第2の基材層との間に含まれた機能性フィルム、例えば偏光フィルム、
を備える、光学物品。
【請求項13】
前記フォトクロミックフィルムと前記紫外線放射保護フィルムとの間に機能性フィルム、例えば偏光フィルムを含む、請求項12に記載の光学物品。
【請求項14】
前記偏光フィルムが、ポリビニルアルコールフィルムである、請求項13に記載の光学物品。
【請求項15】
前記保護フィルムが、セルローストリアセテートフィルムである、請求項12~14のいずれか一項に記載の光学物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトクロミック及び紫外線保護特性の両方を備えた、眼用レンズなどの光学物品を製造する方法、並びに前記特性を備えた光学物品に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、基材に埋め込まれた、少なくともフォトクロミックフィルム及び紫外線放射保護フィルムを含むラミネートを備える光学物品を製造する方法、及び前記構造を有する光学物品に関する。
【背景技術】
【0003】
フォトクロミックレンズは、色合いが変化する光学レンズである。フォトクロミックレンズは、当該技術分野で周知であり、それらの製造のための異なるプロセスが説明されてきた。フォトクロミックレンズなどの光学レンズの製造には、古典的に、それぞれが光学レンズに特定の特性を与えるいくつかの層の組み合わせが必要である。例えば、特定の層は、光学レンズに紫外線保護又は偏光を与えることができる。層スタックの製造には、古典的に、連続する堆積ステップを含む。
【0004】
熱硬化性基材を含むレンズに特定の層又はフィルムを埋め込むための既存の方法は、型アセンブリの型空洞に前記フィルムを挿入し、前記型空洞に重合性組成物を注ぎ、且つ前記重合性組成物を硬化することからなるステップを含む。このように、特定のフィルムが硬化レンズ材料内に埋め込まれているサンドイッチが得られる。そのような方法は、例えば、米国特許第4,873,029号明細書に開示されている。埋め込まれたフィルムは、国際出願第0191994号パンフレット及び国際出願第200796425号パンフレットに記載されているように、一般に偏光フィルムであるが、また、特許文献である欧州特許第2040099号明細書及び米国特許第7858001に記載されているように、フォトクロミックフィルムであってもよい。そのようなプロセスの1つの利点は、基材に埋め込まれたフィルムが、レンズ表面上に堆積されたフィルムよりもスクラッチなどの劣化を受けにくいことである。
【0005】
開示されたプロセスにより、2つの基材層間に1つの特定の特性(偏光、フォトクロミック)を有するフィルムの埋め込みが可能になる。しかしながら、同じ光学物品に付与される異なる特性の組み合わせには、硬化した基材/フィルム/基材サンドイッチの追加のコーティングステップ、又は液体硬化性組成物への特定の添加剤の含有(バルクキャスティング)が必要である。
【0006】
したがって、単一のステップにおいて鋳造光学物品にいくつかの機能を付与することを可能にする方法の必要性が依然として残っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の第1の目的は、光学物品を製造する方法であって、方法は、
(a)少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、任意選択的に偏光フィルム、及び紫外線放射保護フィルムをラミネートすることによって、ラミネートを形成することと、
(b)ステップ(a)で得られたラミネート又はその一部を、2部分型アセンブリの型空洞に配置することと、
(c)少なくとも1つの重合性モノマーを含む重合性組成物を前記型空洞に注ぐことと、
(d)ステップ(c)で注がれた少なくとも1つの重合性モノマーを含む重合性組成物を硬化させて基材を形成することと、
(e)型空洞から光学物品を取り除くことと、を含み、
光学物品は、この順序で、
- 第1の基材層、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、
- 紫外線放射保護フィルム、
- 第2の基材層、及び
- 任意選択的に、第1の基材層とフォトクロミックフィルムとの間、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間、又は紫外線放射保護フィルムと第2の基材層との間に含まれた機能性フィルム、例えば偏光フィルム、
を備える。
【0008】
本発明の方法は、プロセスステップ又は複雑さを追加することなく、フォトクロミック化と紫外線保護、及び任意選択的に偏光との組み合わせを提供するフォトクロミック光学物品の費用効果の高い製造方法である。
【0009】
特に、フォトクロミック化、紫外線保護、及び任意選択的に偏光は、鋳造ステップにおいて実施され、追加のステップは必要とされない。
【0010】
本発明の第2の目的は、光学物品であり、光学物品は、この順序で、
- 第1の基材層、
- 保護フィルム、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、
- 紫外線保護フィルム、
- 第2の基材層、及び
- 任意選択的に、第1の基材層とフォトクロミックフィルムとの間、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間、又は紫外線放射保護フィルムと第2の基材層との間に含まれた機能性フィルム、例えば偏光フィルム、
を備える。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明により、本発明が何からなるか、及びどのように達成され得るかが明らかになるであろう。
【0012】
方法
本発明の第1の目的は、光学物品を製造する方法であって、方法は、
(a)少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、任意選択的に偏光フィルム、及び紫外線放射保護フィルムをラミネートすることによって、ラミネートを形成することと、
(b)ステップ(a)で得られた前記ラミネート又はその一部を、2部分型アセンブリの型空洞に配置することと、
(c)少なくとも1つの重合性モノマーを含む重合性組成物を前記型空洞に注ぐことと、
(d)ステップ(c)で注がれた少なくとも1つの重合性モノマーを含む重合性組成物を硬化させて基材を形成することと、
(e)型空洞から光学物品を取り除くことと、を含み、
光学物品は、この順序で、
- 第1の基材層、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、
- 紫外線放射保護フィルム、
- 第2の基材層、及び
- 任意選択的に、第1の基材層とフォトクロミックフィルムとの間、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間、又は紫外線放射保護フィルムと第2の基材層との間に含まれた機能性フィルム、例えば偏光フィルム、
を備える。
【0013】
「この順序で」という用語は、光学物品上に到達する入射光がこの順序で層を通過することを意味する。特に、光学物品上の入射光は、紫外線放射保護フィルムを通過する前に、フォトクロミックフィルムを通過する。
【0014】
異なるフィルム又は層に対する「間」という用語は、層が互いに接触していることを必ずしも意味するわけではない。中間層は、関係する層の間に存在し得る。一実施形態では、「間」という用語は、関係する層が互いに接触しており、且つ中間層が存在しないことを意味する。
【0015】
ステップ(a)
本発明によるラミネートは、少なくとも1つのフォトクロミック染料、紫外線放射保護フィルム、及び任意選択的に機能性フィルム、例えば偏光フィルムを含むフィルムの積層によって得られる。ラミネートは、フォトクロミック及び紫外線放射保護フィルムで積層される追加のフィルム、及び任意選択的に、例えば追加の活性層、例えば色層などの偏光フィルムを含み得る。
【0016】
ラミネートは、従来のプロセスに従って製造され得る。例えば、ラミネートは、ブロー形成又は熱形成によって製造され得る。積層プロセスには、例えば、ラミネートの2つのフィルムの互いの接着を改善するため、又はラミネートの少なくとも1つの側面の基材に対する接着を改善するために、少なくとも1つの接着剤の使用が含まれ得る。本発明の積層プロセスで使用することができる接着剤又は粘着性物質は、当技術分野で周知である。接着剤の化学構造は、ラミネートすべきフィルム及び重合性組成物の性質、並びにそれらとの接着剤の適合性に依存することになる。好ましくは、接着剤は、光学的にクリア又は透明な接着剤である。接着剤は、特にラミネートが熱形成によって製造されるときに、熱硬化性の接着剤であり得る。接着剤は、例えば、(メタ)アクリレートベースの接着剤であり得る。
【0017】
層(フォトクロミックフィルム、紫外線放射保護フィルム、及び任意選択的に機能性フィルム、例えば偏光フィルム)は、任意の順序で積層される。好ましくは、存在する場合、機能性フィルム、例えば偏光フィルムは、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間に積層される。したがって、好ましい実施形態では、ステップ(a)において得られるラミネートは、この順序で、少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、偏光フィルム、及び紫外線放射保護フィルムを含む。
【0018】
本発明によれば、「フォトクロミック染料」は、任意の既知の光学フォトクロミック染料であり得る。例えば、ナフトピラン、フルギド、ベンゾピラン、フルギミド、スピロナフトピラン、スピロベンゾオキサジン、スピロナフトキサジン、スピロベンゾピラン、及びそれらの組み合わせが使用され得る。フォトクロミック染料をブレンドして、異なる性能及び/又はコスメティック特性を達成することができる。好ましくは、フォトクロミック染料は、ナフトピラン、特にインデノナフトピランである。
【0019】
「フォトクロミックフィルム」は、上記で定義された少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフィルムである。フォトクロミックフィルムは、例えば、セルローストリアセテートフィルム又はセルロースアセテートブチレートフィルム、好ましくは、少なくとも1つのフォトクロミック染料、好ましくはナフトピラン、特にインデノナフトピランを含むセルローストリアセテートフィルムであり得る。
【0020】
「フィルム」は、シンプルな単層、又は単一の機能性を有する複数の層を含む積層された又は層状のフィルム、好ましくはシンプルな単層を指す。
【0021】
「機能性フィルム」は、光学物品に少なくとも1つの特性又は機能性を付与するフィルムである。機能性フィルムは、例えば、偏光フィルム、赤外線保護フィルム、又はブルーライトカットフィルムであり得る。
【0022】
「偏光フィルム」は、当該技術分野で周知であり、眼用レンズなどの偏光光学物品を作製するために通常使用される任意の偏光フィルムであり得る。好ましくは、偏光フィルムは、典型的には5~200ミクロンの厚さを有するポリビニルアルコール(PVA)に基づく。特に、偏光フィルムは、一軸延伸されたPVAフィルムである。或いは、偏光フィルムは、典型的には50~500ミクロンの厚さを有するポリエチレンテレフタレート又はPETに基づき得る。高い偏光効率を有し得るそのような偏光フィルムは、市販されている。他の偏光フィルムは、薄い多層ポリマー材料、反射偏光子とダイクロイック偏光子との組み合わせ、又は米国特許第5,882,774号明細書、米国特許第6,096,375号明細書、及び米国特許第5,867,316号明細書に記載されているものなどの混合ポリマー相のフィルムを含み得る。一実施形態では、偏光フィルムは、ポリビニルアルコールフィルムである。
【0023】
「赤外線保護フィルム」は、少なくとも1つの赤外線吸収体添加剤を含むフィルムである。赤外線保護フィルムは、例えば750nm以上の赤外線範囲で光透過率を低減させることができる。好ましくは、赤外線保護フィルムは、近赤外線範囲、例えば780nm~1400nmで光透過を低減させることができる。本発明の赤外線保護フィルムに含まれ得る赤外線吸収体添加剤の典型的な例は、例えば、フタロシアニン、ナフタロシアニン、アゾ化合物、ポリメチン、ポルフィリン、トリフェニルメタン、イミニウム、スクアリン酸などのスクアリン酸化合物、クロコニウム、ニッケルジチオレンなどのジチオレン、アントラキノンなどのキノン、ポリペリレンなどのペリレン、ピリリウム、チオピリリウム、及びシアニンなどの、様々な化学ファミリーからの近赤外線吸収体である。近赤外線吸収体は、好ましくは、ポリメチン、フタロシアニン、ポルフィリン、トリフェニルメタン、イミニウム、スクアリリウム、クロコニウム、ジチオレン、キノン、ポリペリレン、ピリリウム、チオピリリウム、又はシアニン近赤外線吸収体である。追加の近赤外線吸収体の適切な例は、例えば、Matsuoka,M.による、Infrared Absorbing Dyes,Plenum Press,New York,1990、及びFabian,J.、Nakazumi,H.、Matsuoka,M.による、Near Infrared Absorbing Dyes,Chem. Rev.1992,92,1197~1226に記載されている。適切な近赤外線吸収体の具体例は、NIR-920A(登録商標)及びNIR-1031A(登録商標)であり、いずれも、QCR Solutions Corp.から入手可能である。
【0024】
「ブルーライトカットフィルム」は、特に高いリスクが存在する波長帯域に関して、少なくとも部分的に潜在的に有害なブルーライトを遮断するフィルムである(特に、B(λ)ブルーライトハザード機能を参照する、表B1,ISO 8980-3規格:2003(E)を参照)。そのようなブルーライトカットフィルムを製造するための多くの手段は、当該技術分野において既知であり、これらの手段は、吸収、反射、及び干渉技術、又はこれらの技術の組み合わせを含む。一実施形態では、ブルーライトカットフィルムは、ブルーライトの波長を吸収及び/又は反射及び/又は干渉する有機化合物又は無機化合物を含む。フィルムは、有機物質及び/又は無機物質の複数の薄いフィルムから作製され得る。各層は、他の層と組み合わせて、ブルーライトの波長を吸収、反射、又は干渉する特性を有し得る。ブルーライト遮断物質のうち、ペリレン、ポルフィリンに基づく分子、クマリン、及びアクリジンについて言及し得る。本発明の一実施形態では、ブルーライトカットフィルムは、SiO2及びTiO2などの低屈折率と高屈折率とを交互に有する薄い、好ましくは無機の、誘電体層の多層である、任意選択的に「ひだ状フィルタ」からなる。各薄層の厚さ、各層の屈折率、及び層の数などの設計パラメータによって、多層の性能を決定することができる。このタイプのフィルタは、とりわけ、米国特許第6,984,038号明細書及び第7,066,596号明細書に記載されている。一般に、ブルーライト遮断フィルタは、米国特許第8,360,574号明細書に記載されている。
【0025】
「紫外線放射保護フィルム」は、少なくとも1つの紫外線吸収体添加剤を含むフィルムである。紫外線保護フィルムは、例えば400nm以下の紫外線範囲で光透過を低減させることができる。好ましくは、紫外線放射保護フィルムは、UV400保護フィルムであり、これは、その透過曲線に基づいて、前記フィルムの紫外線カットオフが400nmであるか、又はフィルムが最大400nmまで1%未満の光を透過することを意味する。本発明の紫外線放射保護フィルムに含まれ得る紫外線吸収体添加剤の典型的な例は、オキサニリド、ベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ベンゾエート、フェニルベンゾエート、ベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルトリアジン、及び立体障害アミン(HALS)である。そのような紫外線吸収体は、特に、UVINUL(登録商標)(BASF)及びPARSOL(登録商標)(GIVAUDAN)の商品名で市販されている。好ましくは、紫外線吸収体添加剤は、ベンゾトリアゾールである。紫外線放射保護フィルムは、例えば、セルローストリアセテートフィルム又はセルロースアセテートブチレートフィルム、好ましくは、少なくとも1つの紫外線吸収体添加剤、特にベンゾトリアゾールを含むセルローストリアセテートフィルムであり得る。
【0026】
本発明のフォトクロミック染料及び/又は紫外線吸収体添加剤は、当該技術分野で説明されている様々な方法によって、それぞれのフィルムホスト材料に独立して組み込むことができる。そのような方法は、フォトクロミック染料又は紫外線吸収体添加剤の高温溶液にホスト材料を浸漬することによる、フォトクロミック染料又は紫外線吸収体添加剤のホスト材料への吸収を含む。一実施形態では、少なくとも1つのフォトクロミック染料が、80℃以下の温度でフォトクロミックフィルムに含まれる。いったんフォトクロミックフィルムに含まれると、少なくとも1つのフォトクロミック染料は、好ましくは、酸化環境及び/又は最大130℃までの温度への曝露に耐えることができる。
【0027】
一実施形態では、フォトクロミックフィルムは、フォトクロミック染料、例えばナフトピラン染料を含むセルローストリアセテートフィルムであり、紫外線放射保護フィルムは、紫外線吸収体添加剤、例えばベンゾトリアゾールを含むセルローストリアセテートフィルムである。この実施形態で得られたラミネートは、鋳造プロセスに耐えるラミネートの能力を強化する高い熱安定性を示した。
【0028】
更なる実施形態では、保護フィルムが、第1の基材層とフォトクロミックフィルムとの間に挿入される。前記保護フィルムは、フォトクロミックフィルムに含まれるフォトクロミックフィルム、特にフォトクロミック染料を、光学物品の製造中にフィルム内に含まれるフォトクロミック要素に損傷を与え得る重合性組成物(触媒、樹脂、及び/又は開始剤など)内に含まれる任意の酸化種から保護することを、特に目的としている。前記保護フィルムは、特に第1の基材層とフォトクロミックフィルムとの間に他の層が存在しない場合に挿入され得る。前記保護フィルムは、例えば、ステップ(a)において、任意選択的に上述のような接着剤又は粘着性物質の存在下で、フォトクロミックフィルム上に積層され得る。或いは、保護フィルムは、ステップ(b)において、ラミネートと接触して、好ましくはフォトクロミックフィルムを含むラミネートの側面と接触して、型空洞に配置され得る。
【0029】
保護フィルムに好ましい材料の例には、アクリレート樹脂、セルロースエステル、及びポリカーボネート樹脂が含まれる。特に、保護フィルムは、セルローストリアセテートフィルムを含み、好ましくはそれからなる。保護フィルム用の鋳造樹脂は、フォトクロミック染料の活性化波長を著しく吸収又は遮断することになるUV吸収体を含まないことが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法によって得られた光学物品への保護フィルムの挿入は、例えば、活性化及び/又は透過に関して、光学物品に興味深い特性を与えることができる。例えば、保護フィルムを含む本発明による光学物品は、そのような保護フィルムを含まない光学物品のものよりも、より良好な活性化特性、例えば、より短い活性化時間、及び/又は改善された透過率を有し得る。例えば、保護フィルム、例えばTAC保護フィルムを含む本発明の製造方法によって得られる光学物品は、保護フィルムを含まない同様の物品と比較した場合、活性化後に最大20%暗い透過率を有し得る。
【0031】
保護フィルム、フォトクロミックフィルム、及び/又は紫外線保護フィルムは、特にそれらがセルローストリアセテートを含む場合、独立して少なくとも80ミクロンの厚さを有し得る。当業者であれば、特に所望の特性及び/又は層に含まれる材料の機能において、各層に使用すべき適切な厚さを古典的に知っている。
【0032】
ステップ(b)
いくつかの実施形態では、例えば光学物品がレンズである場合、光学物品の鋳造型は、一般に、ガスケット又はテープ、好ましくはガスケットなどの環状閉鎖によって保持される2つの実質的に円盤状のガラス型を含む。ラミネートは、型の2つの対向する表面から一定の距離で、ラミネート表面が面する前面上の型の内面に平行になるように、型の空洞に取り付けることができる。
【0033】
ラミネートは、全体として型空洞に配置することができ、又は型空洞に配置する前に、ウェーハに切断して、型空洞内に適合するために、又は得るべき光学物品の所望の特性を考慮して、ウェーハに適切な形状及び/又はサイズを提供することができる。
【0034】
型空洞に配置する前に、ラミネート又はその一部は、所望の曲率に行われ得る。
【0035】
ステップ(c)
本発明による重合性組成物は、少なくとも1つの重合性モノマーを含む液体組成物である。好ましくは、重合性組成物は、熱硬化性材料を含む。一実施形態では、重合性組成物は、1つの重合性モノマーのみを含む。
【0036】
重合性組成物に含まれる重合性モノマーは、以下のステップ(d)の基材に関連するセクションで説明されている。一実施形態では、重合性組成物に含まれる少なくとも1つの重合性モノマーは、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、チオウレタン、及び熱硬化性ウレタンからなる群から選択される。特に、重合性モノマーは、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)である。
【0037】
本発明による重合性組成物はまた、光学物品、特に眼用レンズを従来の比率で鋳造することを意図する、重合性組成物に従来使用される添加剤、すなわち、抑制剤、染料、紫外線吸収体、香水、デオドラント、酸化防止剤、黄変防止剤、及び離型剤を含み得る。
【0038】
香料は、特に表面処理又はルーティング操作中に、組成物の臭気をマスクすることを可能にする。
【0039】
UV5411(登録商標)、UV9(登録商標)、Tinuvin400(登録商標)、TinuvinP(登録商標)、Tinuvin312(登録商標)、Seesorb701(登録商標)、及びSeesorb707(登録商標)の商品名で商品化されているような通常の紫外線吸収体は、一般に、重合可能なモノマーの総重量の最大2重量%までの量で使用することができる。好ましくは、重合性組成物に含まれる紫外線吸収体は、360nmを超える波長の光を実質的に吸収しない。
【0040】
離型剤は、重合性モノマーの総重量の最大0.1重量%までの量で重合性組成物に含まれ得る。離型剤の中には、モノ及びジアルキルホスフェート、シリコーン、フッ素化炭化水素、脂肪酸及びアンモニウム塩が挙げられ得る。好ましい離型剤は、モノ及びジアルキルホスフェート、並びにそれらの混合物である。そのような離型剤は、例えば、特許文献である米国特許第US4,975,328号明細書及び欧州特許第EP271839号明細書に開示されている。
【0041】
重合性組成物は、ステップ(d)において硬化されて、基材を形成する。好ましくは、重合性組成物は、2部分型アセンブリ(ガスケット又はテープ)の環状閉鎖が取り外されたときに、型アセンブリ内で自立型であり、すなわち変形することなくそれ自体の形状で耐えることができる。
【0042】
重合性組成物用のモノマー液は、ラミネートのいずれかの側面又はその一部上の型内に注がれる。
【0043】
ステップ(d)
「基材」は、本発明の意味において、未コーティングの基材を意味するものとして理解されるべきであり、一般に2つの主面を有する。基材は、特に、光学物品、例えばガラスに取り付けられる眼用レンズの形状を有する光学的に透明な材料であり得る。これに関連して、「基材」という用語は、光学レンズ、特に眼用レンズのベース成分材料を意味するものとして理解される。この材料は、1つ以上の機能性コーティング又は層のスタックのための支持体として機能することができる。
【0044】
第1及び第2の基材層は、好ましくは、同じ基材で作製される。
【0045】
基材は、熱硬化性(架橋)有機ガラスで作製され得る。適切な熱硬化性材料の中には、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)ポリマー及びコポリマー(特にPPG IndustriesのCR-39(登録商標)、EssilorOrma(登録商標)レンズ)、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリエポキシド、ポリエピスルフィド、ポリ(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリルポリマー及びビスフェノールA、ポリチオ(メタ)アクリレート、並びにそれらのコポリマー及びそれらのブレンドを含む基材から誘導されたコポリマーを含む基材などのコポリマーベースの基材、が挙げられる。
【0046】
本発明に適した基材の追加例は、Mitsui Toatsu Chemicals companyからMRシリーズとして販売されている熱硬化性ポリチオウレタン樹脂、特にMR6(登録商標)、MR7(登録商標)、及びMR8(登録商標)樹脂から得られるものである。これらの基材並びにそれらの製造に使用されるモノマーは、特に、米国特許第4,689,387号明細書、米国特許第4,775,733号明細書、米国特許第5,059,673号明細書、米国特許第5,087,758号明細書、及び米国特許第5,191,055号明細書に記載されている。本発明で使用され得るポリ(チオ)ウレタン樹脂を含む重合性組成物の例は、国際出願第2007096425号パンフレットに開示されている。
【0047】
基材に好ましい材料は、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)ポリマーである。好ましい実施形態では、基材は、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)ポリマーを含み、好ましくはそれで作製され、例えば、PPG IndustriesからCR-39(登録商標)として販売されている。
【0048】
重合性組成物の重合条件は、重合性組成物の組成、触媒のタイプ及び使用量、及び型の形状に応じて異なるが、重合は5℃~140℃の温度において1~50時間実行され得る。場合によっては、温度を5℃~130℃の温度範囲で維持又は徐々に増大させ、重合性組成物を1~25時間硬化させることが好ましい。当業者であれば、重合性組成物の組成、触媒のタイプ及び使用量、及び/又は型の形状に応じて、重合性組成物の重合用の適切な条件を決定することができる。例えば、重合すべき材料がジエチレングリコール-ビス(アリルカーボネート)である場合、重合は、型を約60℃~約90℃の最高温度に約20時間加熱することによって実行され得る。別段の指定がない限り、「約」値、という用語は、本発明では、前記値の±10%の間に含まれる間隔を指す。
【0049】
ステップ(e)
本発明の光学物品を得るために、重合により硬化した光学物品を型から解放する。光学物品は、フォトクロミックフィルム、紫外線保護フィルム、及び任意選択的に機能性フィルム、例えば偏光フィルムを、その厚さで耐久的に組み込むフォトクロミック及び紫外線保護物品である。一実施形態では、ステップ(e)で取り外される光学物品は眼用レンズである。
【0050】
特定の実施形態では、ステップ(e)で取り外される光学物品は、少なくとも1つ、好ましくは全て、以下の特徴を有する。
- 第1及び第2の基材層の基材は、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)ポリマー及びコポリマーからなる群から選択され、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルムは、少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むセルローストリアセテートフィルムであり、
- 紫外線放射保護フィルムは、UV400保護フィルムであり、
- 光学物品は、第1の基材層と、少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルムとの間に保護フィルムを含み、
- 任意選択的に機能性フィルム、例えば偏光フィルムが、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間に含まれている。
【0051】
光学物品
本発明の別の目的は、光学物品であり、光学物品は、この順序で、
- 第1の基材層、
- 保護フィルム、
- 少なくとも1つのフォトクロミック染料を含むフォトクロミックフィルム、
- 紫外線放射保護フィルム、
- 第2の基材層、及び
- 任意選択的に、第1の基材層とフォトクロミックフィルムとの間、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間、又は紫外線放射保護フィルムと第2の基材層との間に含まれた機能性フィルム、例えば偏光フィルム、
を備える。
【0052】
本発明の光学物品の異なる層の組成物及びその好ましい形態は、「方法」のセクションで上述されているようなものである。
【0053】
一実施形態では、光学物品は、フォトクロミックフィルムと紫外線放射保護フィルムとの間に機能性フィルム、例えば偏光フィルムを含む。好ましくは、偏光フィルムは、ポリビニルアルコールフィルムである。
【0054】
一実施形態では、光学物品に含まれる保護フィルムは、セルローストリアセテートフィルムである。
【0055】
一実施形態では、光学物品の第1及び第2の基材層の基材は、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)ポリマー及びコポリマーからなる群から選択される。
【0056】
一実施形態では、光学物品は、本発明による製造方法によって入手可能であるか、又は入手される。
【0057】
本発明による光学物品は、好ましくは透明光学物品、好ましくは光学レンズ又はレンズブランク、及びより好ましくは眼用レンズ又はレンズブランク、特に眼用レンズである。
【0058】
本明細書において、「レンズ」という用語は、様々な性質の1つ以上のコーティングでコーティングされ得るレンズ基材を含む、有機又は無機ガラスレンズを意味する。
【0059】
「眼用レンズ」という用語は、例えば目を保護し、及び/又は視力を矯正するために眼鏡フレームに適合されたレンズを意味するために使用される。前記レンズは、無限焦点、一焦点、二焦点、三焦点、累進レンズから選択することができる。眼用の光学系が本発明の好ましい分野であるものの、本発明は、例えば、写真又は天文学における光学機器用のレンズ、光学照準レンズ、眼用バイザー、照明系の光学系などの他のタイプの光学物品に適用できることが理解されるであろう。
【0060】
本明細書では、別段の明記がない限り、光学物品/材料は、前記光学物品を介した画像の観察がコントラストの有意な損失なく知覚される場合、すなわち前記光学物品を通した画像の形成が画像の品質に悪影響を及ぼすことなく得られる場合、透明であると理解される。「透明」という用語のこの定義は、別段の明記がない限り、説明においてそのように修飾された全てのものに対して適用され得る。好ましくは、本発明の各フィルム又は層は、透明である。
【0061】
以下の実施例は、本発明の例示であって、限定的ではない実施形態として提供される。
【実施例】
【0062】
実施例1
本発明の方法に従って、以下の構造を有するフォトクロミックレンズブランクを準備した。
- ジエチレングリコール-ビス(アリルカーボネート)CR-39(登録商標)樹脂の層
- フォトクロミックセルローストリアセテートの層
- ベンゾトリアゾールを含むUV400セルローストリアセテートの層
- ジエチレングリコール-ビス(アリルカーボネート)CR-39(登録商標)樹脂の層。
【0063】
実施例2
本発明の方法に従って、以下の構造を有するフォトクロミック極性レンズブランクを準備した。
- ジエチレングリコール-ビス(アリルカーボネート)CR-39(登録商標)樹脂の層
- フォトクロミックセルローストリアセテートの層
- ポリビニルアルコールの層
- ベンゾトリアゾールを含むUV400セルローストリアセテートの層
- ジエチレングリコール-ビス(アリルカーボネート)CR-39(登録商標)樹脂の層。
【0064】
実施例1及び実施例2の両方において、フォトクロミック染料は、インデノナフトピランに基づき、各セルローストリアセテート層は、80ミクロンの最小厚さを有する。
【国際調査報告】