(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-09
(54)【発明の名称】安定化剤としてのフェノール置換糖誘導体の使用、プラスチック組成物、プラスチック材料の安定化方法およびフェノール置換糖誘導体
(51)【国際特許分類】
C07C 69/732 20060101AFI20220902BHJP
C08K 5/134 20060101ALI20220902BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20220902BHJP
C09K 15/08 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
C07C69/732 Z
C08K5/134
C08L101/00
C09K15/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501007
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2020069153
(87)【国際公開番号】W WO2021005075
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】102019210040.6
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515230084
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツゥア フェアデルング デア アンゲヴァンドテン フォァシュング エー.ファウ.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】プフェンダー ルドルフ
【テーマコード(参考)】
4H006
4H025
4J002
【Fターム(参考)】
4H006AA03
4H006AB51
4H006BJ50
4H006BN30
4H025AA15
4H025AC01
4J002AA021
4J002EJ026
4J002EJ036
4J002FD036
4J002FD040
4J002FD200
4J002GB00
4J002GC00
4J002GG02
4J002GL00
4J002GN00
4J002GQ00
(57)【要約】
本発明は、酸化的、熱的および/または化学的分解に対する、有機材料、特にプラスチック材料の安定化剤としての少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体の使用に関する。さらに、本発明は、対応するプラスチック組成物、プラスチック材料の安定化方法、成形化合物または成形部品、およびフェノール置換糖誘導体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体の使用であって、
糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の基体(base body)は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する場合、
有機材料、特にプラスチック材料の酸化的、熱的および/または化学的分解に対する安定化剤としての使用:
【化1】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化2】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合している。
【請求項2】
糖由来の前記本体が、少なくとも4つの炭素を有する単糖、オリゴ糖または多糖であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記フェノール置換された糖が、式Iによる置換基を、最大10、好ましくは最大5つ、より好ましくは最大3つ、特に好ましくは1つまたは2つ含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
糖由来の前記本体が、少なくとも1つの、アルジトール、シクリトール、糖酸、または少なくとも4つの炭素原子を有するアミノ糖であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
少なくとも1つの前記アルジトールが、下記実験式を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用:
HOCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH,
R
1-OCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH,または
HOCH
2[CH(OH)]
n[CH(OR
1)]CH
2OH
ここで、n=2~6、好ましくはn=3~5、R
1は任意に置換された糖残基である。
【請求項6】
少なくとも1つの前記アルジトールが、トレイトール(threitol)、エリスリトール、ガラクチトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マルトトリトール(maltotritol)、ポリオール末端基を有する水素化オリゴ糖および多糖、ならびにそれらの混合物からなる群から選択され、ここで、少なくとも1つの前記アルジトールは、好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルト、マルチトールおよびこれらの混合物からなる群から選択され、
少なくとも1つの前記シクリトールが、イノシトール、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンズリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、クエブラキトール(quebrachitol)、シケリトール(ciceritol)、キナ酸、シキミ酸およびバリエノールからなる群から選択され、ここで、少なくとも1つの前記シクリトールは、好ましくはミオイノシトールであり、
少なくとも1つの前記糖酸が、アルドン酸、例えば、アロン酸、アルトロン酸、グルコン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸、リボン酸、アラボン酸、キシロン酸、リキソン酸、エリスロン酸(erythronic acid)またはトレオン酸、またはアルダル酸、例えば、ムチン酸またはグルカル酸、およびこれらの混合物および組合せであり、ならびに/あるいは
少なくとも1つの前記アミノ糖が、モノまたはジアミノ糖であり、特に、1-アミノ-1-デオキシ-アルジトール、例えば、1-アミノ-1-デオキシ-ガラクチトール、1-アミノ-1-デオキシ-マンニトール、1-アミノ-1-デオキシ-ソルビトール、1-アミノ-1-デオキシ-マルチトール、またはα,ω-ジアミノ-α,ω-ジデオキシアルジトール、例えば、1,6-ジアミノ-1,6-ジデオキシソルビトールからなる群から選択される、
ことを特徴とする、請求項4または5に記載の使用。
【請求項7】
R
1およびR
2が同一または異なるものであり、tert-ブチルおよびメチルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記フェノール置換糖誘導体が、以下の分子、ならびにその混合物および組合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
【化3】
【化4】
【化5】
【請求項9】
少なくとも1つの前記フェノール置換糖誘導体が、前記プラスチック材料を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、特に好ましくは0.1~3重量%の合計量で使用されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
少なくとも1つの前記フェノール置換糖誘導体が、少なくとも1つの前記フェノール置換糖誘導体とは異なる一次および/または二次酸化防止剤と組み合わせて使用され、ここで、
少なくとも1つは、好ましくは、フェノール系酸化防止剤、アミン類、ラクトン類およびこれらの混合物からなる群から選択され、
少なくとも1つの二次酸化防止剤は、リン化合物、特にホスファイトおよびホスホナイト、有機硫黄化合物、特にスルフィドおよびジスルフィド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、
ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
少なくとも1つの前記一次および/または二次酸化防止剤が、少なくとも1つの前記フェノール置換糖誘導体の合計量を基準として、0.01~5重量部、好ましくは0.02~3重量部、特に好ましくは0.05~2重量部の合計量で使用されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記プラスチック材料91~99.94重量部、好ましくは98.5~99.91重量部を基準として、
(A) 少なくとも1つの前記フェノール置換糖誘導体0.02~3重量部、好ましくは0.03~0.5重量部、ならびに
(B) 少なくとも1つの前記一次酸化防止剤および/または少なくとも1つの前記二次酸化防止剤0.04~6重量部、好ましくは0.06~1重量部
を導入することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記プラスチック材料が、熱可塑性であり、特に、以下からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用:
a) 以下から作られるポリマー:オレフィンまたはジオレフィン、例えば、ポリエチレン、特にLDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDPE、HDPEおよびUHMWPE、メタロセンPE(m-PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ-4-メチル-ペンテン-1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン-一酸化炭素コポリマー、ならびに、ランダムまたはブロック構造の形態における対応するコポリマー、例えば、ポリプロピレン-ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、エチレン-アクリル酸エステル、例えば、エチレン-ブチルアクリレート、エチレンアクリル酸グリシジルアクリレート、ならびに、対応するグラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン-g-無水マレイン酸、ポリプロピレン-g-アクリル酸およびポリエチレン-g-アクリル酸、
b) ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルナフタレン、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン、スチレンイソプレン、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル(ABS)、スチレン-アクリロニトリル-アクリレート(ASA)、スチレン-エチレン、以下を含むスチレン-無水マレイン酸ポリマー、対応するグラフトコポリマー、例えば、ブタジエン上のスチレン、SBSまたはSEBS上の無水マレイン酸、および、以下から作られるグラフトコポリマー、メチルメタクリレート、スチレン-ブタジエンおよびABS(MABS)、
c) 不飽和エステルのポリマー、例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、および対応するコポリマー、例えば、ポリアクリロニトリル-ポリアルキルアクリレート、
d) ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどの不飽和アルコールおよび誘導体から作られるポリマー、
e) ポリオキシメチレン(POM)などのポリアセタール、およびブタナールとのコポリマーなどの対応するコポリマー、
f) ポリフェニレンオキシドおよびこれらとポリスチレンまたはポリアミドとのブレンド、
g) ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどの環状エーテルのポリマー、
h) ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステルと芳香族または脂肪族イソシアネート、特に直鎖状ポリウレタン、ポリ尿素、から作られるポリウレタン、
i) ポリアミド、例えば、ポリアミド-6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12、および(部分的に)芳香族ポリアミド、例えば、ポリフタルアミド、例えば、テレフタル酸および/またはイソフタル酸および脂肪族ジアミンから作られる、または、アジピン酸もしくはセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、および1,4-または1,3-ジアミノベンゼンなどの芳香族ジアミンから作られる、
j) ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリヒダントイン、
k) 脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸およびジオールから作られる、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-1,4-ジメチロシクロヘキサンフタレート、ポリヒドロキシ安息香酸、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸などのヒドロキシカルボン酸から作られるポリエステル、
l) PC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBTなどの、ポリカルボネート、ポリエステルカルボネート、およびそれらのブレンド、
m) 硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロースなどのセルロース誘導体、
n) ならびに、上記の2つ以上のポリマーの混合物、組合せまたはブレンド、
ここで、前記ポリマーは、フレッシュまたはリサイクル可能である。
【請求項14】
以下を含む、または、以下からなるプラスチック組成物:
少なくとも1つのプラスチック材料、および
糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体
【化6】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化7】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、
ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する。
【請求項15】
前記プラスチック組成物が、UV吸収剤、光安定化剤、金属不活性化剤、共安定化剤、充填剤不活性化剤、抗オゾン剤、核形成剤、抗核形成剤、衝撃強度改善剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤、チキソトロピー剤、鎖延長剤、光増白剤、抗菌剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、架橋剤、抗架橋剤、親水化剤、疎水化剤、接着促進剤、分散剤、相溶化剤、酸素除去剤、酸除去剤、発泡剤、分解剤、消泡剤、臭気除去剤、マーキング剤、防曇剤、充填剤、補強剤及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とする、請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項16】
前記プラスチック組成物が、さらに、以下からなる群から選択される、少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とする、請求項14または15に記載のプラスチック組成物:
a) 酸捕捉剤、好ましくは、一価、二価、三価または四価の金属の塩、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムまたは亜鉛、特に、以下の脂肪酸から形成される、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウム、ハイドロタルサイト、特に、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛に基づく合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、特に、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム、アルカリ土類炭酸塩、特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびドロマイト、ならびに水酸化物、特にブルサイト、
b) 光安定化剤、好ましくはヒンダードアミンの群からの光安定化剤、
c) 分散剤、ならびに
d) これらの混合物。
【請求項17】
糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体をプラスチック材料に組み込む、酸化的、熱的および/または化学的分解に対するプラスチック材料の安定化方法:
【化8】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化9】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、
ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する。
【請求項18】
特に、射出成形部品の形態での、フォイル、フィルム、塗料、コーティング、フォーム、繊維、ケーブル、パイプ、プロファイル、中空体、テープ、メンブレン、例えば、ジオメンブレン、潤滑剤、着色剤および/または接着剤、それらは以下を経て製造される、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダ加工、プレス加工、紡糸工程および/または回転成形、例えば、電気産業用、建設産業用、輸送産業用、医療用途用、家庭用および電気器具用、車両部品用、消費者記事用(consumer articles)、包装用、家具および/またはテキスタイル用の、請求項14~16のいずれか一項に記載のプラスチック組成物から製造可能な、成形化合物または成形部品。
【請求項19】
以下を含む、酸化的、熱的および/または化学的分解に対して、プラスチック材料を安定化するための安定化剤組成物:
糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体
【化10】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化11】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、
ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有し、
ならびに、
少なくとも1つの一次酸化防止剤および/または少なくとも1つの二次酸化防止剤。
【請求項20】
糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、フェノール置換糖誘導体:
【化12】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化13】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、
ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化的、熱的および/または化学的分解に対する、有機材料、特にプラスチック材料の安定化剤としての少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体(phenolically substituted sugar derivative)の使用に関する。さらに、本発明は、対応するプラスチック組成物、プラスチック材料の安定化方法、成形化合物または成形部品、およびフェノール置換糖誘導体に関する。
【0002】
プラスチック材料などの有機材料は、機械的特性などの所望の特性の損失を最終的にもたらす経時変化プロセスの影響を受ける。自動酸化と呼ばれるこのプロセスは、メカノケミカルプロセスによるラジカル鎖の開裂、または酸素の存在下でのUV照射によって開始され、例えば分子量に関するポリマー鎖の変化または新しい化学基の形成をもたらす。したがって、この老化を防止するか、または、少なくとも遅らせるために安定化剤が使用される。安定化剤の重要な代表は、酸化防止剤であり、自動酸化中に形成されるラジカルを妨害し、したがって、分解過程を妨害する。一般に、酸素含有フリーラジカルまたはCラジカルと直接反応することができる、一次酸化防止剤と、中間体として形成されるヒドロペルオキシドと反応する、二次酸化防止剤とは区別される(C.Krohnkeら.Antioxidants in Ullmann’s encyclopedia of industrial chemistry, Wiley-VCH Verlag, Weinheim 2015参照)。一次酸化防止剤の典型的な代表は、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン類、およびラクトン類である。二次酸化防止剤のクラスは、ホスファイトおよびホスホナイトなどのリン化合物であるが、硫化物およびジスルフィドなどの有機硫黄化合物でもある。一次および二次酸化防止剤は通常、実際にはしばしば併用され、相乗効果をもたらす。
【0003】
今日使用されている安定化剤のいくつかには不利益(例えば、ホスファイトの加水分解安定性とフェノールの放出、硫黄含有安定化剤からの臭気、アミンの変色など)もあるため、新しい安定化剤の解決策がまだ模索されている。
【0004】
フェノール系酸化防止剤は、一般的に立体障害のあるフェノール基からなり、エステルの形態で存在し、分子量を増加させ、相溶性を改善し、揮発性を低下させる。有効性を高め、同時に低濃度の分子の無効成分を持つフェノール基を高濃度にするために、ペンタエリスリトールなどの4つのアルコール基が完全にエステル化されたポリオールを用いた。ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートは、例えば、Irganox(登録商標)1010の商品名で入手可能であり、最も重要な標準安定化剤の一つとなっている。六置換マンニトールまたは六置換シクリトールなどの多数のフェノール系酸化防止剤を含む置換生成物も原理的に知られている。これらの構造はすべて共通しており、述べた理由により、完全なエステル化が有効な構造で達成される。
【0005】
既に述べたように、フェノール系酸化防止剤は、通常、他の安定化剤と相乗的に組み合わせられる。しかし、例外的な場合には、一分子内に一次および二次抗酸化構造の両方を有する安定化剤も知られている。
【化1】
【0006】
別の出願(WO2019063550)において、アルジトールまたはシクリトールと、一次または二次酸化防止剤との組み合わせが、リサイクルプラスチック材料を安定化するのに特に適していることが見出された。ここでも、前記発明によれば、異なる安定化剤の混合物を用いることが有利である。
【0007】
従って、本発明の目的は、少なくとも部分的に、高い安定化効果を示す再生可能原料に基づく安定化剤を提供することにある。
【0008】
前記目的は、請求項1に記載の特徴を有する使用に関して、請求項14に記載の特徴を有する安定化されたプラスチック組成物に関して、請求項17に記載の特徴を有するプラスチック材料を安定化させる方法に関して、請求項18に記載の特徴を有する成形化合物に関して、請求項19に記載の特徴を有するプラスチック材料を安定化させる安定化剤組成物に関して、および請求項20に記載の特徴を有する安定化された糖誘導体に関して、達成される。それぞれの従属請求項は有利な発展を示す。
【0009】
したがって、本発明は、糖に由来する本体(body)を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体の使用に関する。
【化2】
【0010】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに(on each occurrence)同一または異なり(各々独立して)、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピング(grouping)からなる群から選択されたグルーピングであり
【化3】
【0011】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の基体(base body)は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有し、有機材料、特にプラスチック材料の酸化的、熱的および/または化学的分解に対する安定化剤として使用される。
【0012】
本発明の文脈における「安定化剤(stabillizer)」または「安定化(stabilizing)」は、例えば、酸化、熱および/または活性条件下で、式Iによる糖誘導体と混合される、適切に提供された有機材料は、対応する添加剤なしで提供された成形化合物と比較して、機械的および/または視覚的特性の保持など、より長い耐久性を有することが理解される。驚くべきことに、本発明によれば、上記のような安定化効果は、再生可能な原料に基づく基本構造を有する物質で達成できることがわかった。
【0013】
特に、糖由来の前記本体は、炭素数4以上の単糖、オリゴ糖または多糖である。
【0014】
前記フェノール置換糖誘導体は、式Iで示される置換基を、最大10個、好ましくは最大5個、より好ましくは最大3個、特に好ましくは1個または2個有することが好ましい。
【0015】
特に、糖に由来する前記本体は、少なくとも1つのアルジトール、シクリトール、糖酸または少なくとも4個の炭素を有するアミノ糖であり得る。
【0016】
例えば、アルジトールは、以下の実験式(empirical formula)を有することができる。
HOCH2[CH(OH)]nCH2OH,
R1-OCH2[CH(OH)]nCH2OH,または
HOCH2[CH(OH)]n[CH(OR1)]CH2OH
ここで、n=2~6、好ましくはn=3~5、R1は任意に置換された糖残基である。
【0017】
少なくとも1つのアルジトールは、特に好ましくは、トレイトール、エリスリトール、ガラクチトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マルトトリトール、およびポリオール末端基を有する水素化オリゴ糖および多糖、ならびにこれらの混合物からなる群から選択され、ここで、少なくとも1つのアルジトールは、好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルト、マルチトールおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0018】
少なくとも1つのシクリトールは、イノシトール(ミオ(myo)、シロ(scyllo)-、D-キロ(chiro)-、L-キロ-、ムコ(muco)-、ネオ-、アロ-、エピ-、およびシス(cis)-イノシトール)、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンデュリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、シセリトール、クエブラキトール、キナ酸、シキミ酸およびバリエノールからなる群から選択されることができ、ここで、少なくとも1つのシクリトールは、好ましくは、ミオイノシトールである。
【0019】
好ましい糖酸は、例えば、アルドン酸、例えば、特に、アロン酸、アルトロン酸、グルコン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸、リボン酸、アラボン酸、キシロン酸、リキソン酸、エリトロン酸またはトレオン酸、またはアルダル酸、例えば、ムチン酸またはグルカル酸、およびこれらの混合物および組合せである。
【0020】
アミノ糖が式Iに示す本発明の化合物の基本構造を形成する場合、少なくとも1つのアミノ糖は、例えば、モノまたはジアミノ糖であり、特に好ましくは、1-アミノ-1-デオキシ-ガラクチトール、1-アミノ-1-デオキシ-マンニトール、1-アミノ-1-デオキシ-ソルビトール、1-アミノ-1-デオキシ-マルチトールなどの1-アミノ-1-デオキシ-アルジトール、または、1,6-ジアミノ-1,6-ジデオキシソルビトールなどのα,ω-ジアミノ-α,ω-ジデオキシアルジトールからなる群から選択される。
【0021】
残基R1およびR2は同一または異なり、特に好ましくは同一である。残基R1およびR2は、特に、tert-ブチルおよびメチルからなる群より選択されることができる。
【0022】
特に好ましいフェノール置換糖誘導体は、以下の分子、ならびに、これらの混合物および組合せからなる群から選択される。
【化4】
【化5】
【化6】
【0023】
少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体は、好ましくは、プラスチック材料に対して、0.01~10重量%、好ましくは0.05~5重量%、特に好ましくは0.1~3重量%の総量で用いることができる。
【0024】
特に、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体を、前記少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体とは異なる一次および/または二次酸化防止剤と組み合わせて使用すると、高い安定化効果が得られ、ここで、少なくとも1つの酸化防止剤は、好ましくは、フェノール酸化防止剤、アミン、ラクトンおよびこれらの混合物からなる群から選択され、少なくとも1つの二次酸化防止剤は、リン化合物、特に、ホスファイトおよびホスホナイト、有機硫黄化合物、特に、スルフィドおよびジスルフィド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0025】
適切な一次酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン類およびラクトン類である。
【0026】
適切な合成フェノール系酸化防止剤は、例えば、以下の通りである:
アルキル化モノフェノール、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、直鎖状または分岐状ノニルフェノール、例えば、2,6-ジノニル-4-メチルフェノール,2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデカ-1’-イル)フェノールおよびこれらの混合物;
【0027】
アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール;
【0028】
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアリン酸、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジピン酸塩;
【0029】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;
【0030】
アルキリドビスフェノール、例えば、2,2’メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール-ビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン;
【0031】
O-,N-およびS-ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、シクタデシル(cctadecyl)-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート;
【0032】
ヒドロキシベンジル化マロン酸塩、例えば、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロン酸塩、ジオクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロン酸塩、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロン酸塩、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロン酸塩;
【0033】
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール;
【0034】
トリアジン化合物、例えば、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート;
【0035】
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩;
【0036】
アシルアミノフェノール、例えば、4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチル-N-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート;
【0037】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チオウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンなどの一価または多価アルコールとのエステル;
【0038】
β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの一価または多価アルコールとのエステル;
【0039】
β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンなどの一価または多価アルコールとのエステル;
【0040】
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と、1価または多価アルコールとのエステル、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;
【0041】
N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(SI社製ノーガード(登録商標)XL-1)などのβ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド;
【0042】
アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0043】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は以下の構造である:
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0044】
ここで、上記の化合物中のnは、整数であり、2~10の間である。
【0045】
さらに好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下のような再生可能原料に基づくフェノール系酸化防止剤である:例えば、α-,β-,γ-,δ-トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)、トコトリエノール、トコモノエノール、ユビキノール、ヒドロキシチロソール、フラボノイドおよびフラボノール、例えば、クリシン、ケルシチン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン、ナリンギン、モリン、ケンフェロール(kaempferol)、フィセチン、ダチセチン、ルテオリン、アピゲニン、タキフォリン、イソフラボン、例えば、ゲニステイン、ゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、ホルモノネチン、アントシアニン、例えば、デルフィニジンおよびマルビジン、クルクミン、カルノシン酸、カルノソール、ロスマリン酸、タンニンおよびレスベラトロールおよび、β-クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチンまたはアスタキサンチンなどのアルコール性基を有するカロテノイド。
【0046】
さらなる安定化剤、特にポリアミドの安定化剤は、銅-Iハロゲン化物、例えば、CuJ、CuBrであり、任意に、KJもしくはKBrなどのハロゲン化アルカリまたはCu(I)錯体、例えば、トリフェニルホスフィンとの混合物中におけるものである。
【0047】
適切なアミン酸化防止剤は、例えば、以下の通りである:
N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラ-メチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチル-フェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ-およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル-ジフェニルアミンの混合物、モノ-およびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ-およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ-およびジアルキル化tert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブタ-2-エン、ならびに、これらの混合物あるいは組合せ。
【0048】
好ましいアミン系酸化防止剤は、以下の通りである:N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン。
【0049】
特に好ましいアミン系酸化防止剤は、以下の構造である:
【化11】
【0050】
ここで、nは整数であり、3~100の間である。
【0051】
さらに好ましいアミン系酸化防止剤は、以下の式に従う、ヒドロキシルアミンまたはN-オキシド(ニトロン)、例えば、N,N-ジアルキルヒドロキシルアミン、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジステアリルヒドロキシルアミン、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、およびGenox(登録商標)EP(SIグループ)である:
【化12】
【0052】
適切なラクトン類は、ベンゾフラノン類およびインドリノン類であり、例えば、3-(4-(2-アセトキシエトキシ)-フェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン,3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-(2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン)、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチル-ベンゾフラン-2-オンおよび以下などのホスファイト基をまた含むラクトン類である。
【化13】
【0053】
酸化防止剤のさらなる適切な群は、以下などのイソインドロール[2,1-A]キイナゾリンである。
【化14】
【0054】
適切な二次酸化防止剤(B)は、ホスファイトおよびホスホナイトなどのリン化合物、ならびにスルフィドおよびジスルフィドなどの有機硫黄化合物である。
【0055】
適切なホスファイト/ホスホナイトは、例えば、以下の通りである:
トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2、4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’2’’-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル))ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン。
【0056】
特に好ましいホスファイト/ホスホナイトは、以下の通りである:
【化15】
【化16】
【0057】
ここで、n=3-100である。
【0058】
好ましいホスホナイトは、以下の通りである:
【化17】
【0059】
適切な硫黄化合物は、例えば、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート;ジトリデシルジチオプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、3-(ドデシルチオ)-1、1’-[2,2-ビス[[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]プロパン酸エステルである。次の構造が好ましい:
【化18】
【0060】
前記一次および/または二次酸化防止剤は、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体の合計量を基準として、0.01~5重量部、好ましくは0.02~3重量部、特に好ましくは0.05~2重量部の合計量(すなわち、一次および/または二次酸化防止剤の合計として)で用いることができる。
【0061】
特に、91~99.94重量部、好ましくは98.5~99.91重量部のプラスチック材料を基準として、
(A) 少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体0.02~3重量部、好ましくは0.03~0.5重量部、および
(B) 少なくとも1つの一次酸化防止剤および/または少なくとも1つの二次酸化防止剤0.04~6重量部、好ましくは0.06~1重量部
を導入するときに、以下のようなときに、有利であることが証明されている。
【0062】
プラスチック材料は、特に熱可塑性、熱硬化性またはエラストマーポリマーである。適切な熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂は、特に以下の通りである:
【0063】
a) 以下などのオレフィンまたはジオレフィンから作られるポリマー、例えば、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDPE、HDPE、UHMWPE)、メタロセンPE(m-PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ-4-メチル-ペンテン-1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、例えば、天然ゴム(NR)、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン-一酸化炭素コポリマー、および、以下などのランダムまたはブロック構造の形態でのコポリマー、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネンをコモノマーとして用いる、例えば、ポリプロピレン-ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン-アクリル酸エステル、例えば、エチレン-アクリル酸ブチル、エチレン-アクリル酸およびその塩(アイオノマー)、および、ターポリマー、例えば、エチレン-アクリル酸-グリシジル(メタ)アクリレート、グラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン-グラフト-無水マレイン酸、ポリプロピレン-グラフト-アクリル酸、ポリエチレン-グラフト-アクリル酸、ポリエチレン-ポリブチルアクリレート-グラフト-無水マレイン酸およびブレンド、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは1-オクタデセンなどのα-オレフィンをコモノマーとして用いて製造される、LDPE/LLDPEまたは長鎖分岐ポリプロピレン共重合体、
b) ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルトルエン、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン、スチレン-イソプレン、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、スチレン-アクリロニトリル-アクリレート(ASA)、スチレン-エチレン、スチレン-無水マレイン酸ポリマーなど、対応するグラフトコポリマー、例えば、ブタジエン上のスチレン、SBSまたはSEBS上の無水マレイン酸、およびメチルメタクリレート、スチレン-ブタジエンおよびABS(MABS)、ならびにポリビニルシクロヘキサンなどの水素化ポリスチレン誘導体で作られるグラフトコポリマー、
c) ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリクロロプレンおよびポリ塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンから作られるコポリマー、または塩化ビニルおよび酢酸ビニルから作られるコポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エピクロロヒドリンホモ、および特にエチレンオキシド(ECO)とのコポリマー、
d) 不飽和エステルのポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル-ポリアルキルアクリレートなどのコポリマー、
e) 不飽和アルコールおよび誘導体から作られるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン、
f) ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン(POM)、または、例えばブタナールとのコポリマー、
g) ポリフェニレンオキシド、および、ポリスチレンまたはポリアミドとの混合物、
h) 環状エーテルのポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン、
i) ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステル、および、2、4-または2、6-トリレンジイソシアネートまたはメチレンジフェニルジイソシアネートなどの芳香族または脂肪族イソシアネートから作られるポリウレタン、特に直鎖状ポリウレタン(TPU)、ポリ尿素、
j) ポリアミド、例えば、ポリアミド-6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、10.10、10.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12、および(部分的に)芳香族ポリアミド、例えば、テレフタル酸および/またはイソフタル酸およびヘキサメチレンジアミンまたはm-キシリレンジアミンなどの脂肪族ジアミンから作られるポリフタルアミド、またはアジピン酸またはセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸および1,4-または1,3-ジアミノベンゼンなどの芳香族ジアミンから作られるポリフタルアミド、PA-6およびPA6.6などの異なるポリアミドのブレンド、またはPA/PPなどのポリアミドおよびポリオレフィンのブレンド、
k) ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリヒダントイン、
l) 脂肪族または芳香族のジカルボン酸およびジオールから作られるポリエステル、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシ安息香酸、ポリヒドロキシナフタレート、ポリヒドロキシ酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリエチレンスクシネート、ポリテトラメチレンコハク酸、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸から作られるポリエステル、
m) PC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、PC/PAなどの、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびブレンド、
n) 硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロースなどのセルロース誘導体、
о) 例えば、アミン、無水物、ジシアンジアミド、メルカプタン、イソシアネートに基づく硬化剤、または触媒活性硬化剤と組み合わせた二官能または多官能エポキシ化合物からなるエポキシ樹脂、
p) フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂などのフェノール樹脂、
q) 不飽和ジカルボン酸およびジオールと、ビニル化合物とから作られる不飽和ポリエステル樹脂、例えば、スチレン、アルキド樹脂、
r) シリコーン、例えば、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサンまたはジフェニルシロキサンに基づくシリコーン、例えばビニル基で終端されているもの、
s)ならびに、上記の2つ以上のポリマーの混合物、組合せまたはブレンド。
【0064】
a)~r)の下で特定されるポリマーがコポリマーである場合、これらは統計的(statistical)(「ランダム」)、ブロックまたは「テーパ(tapered)」構造の形態で存在することができる。さらに、記載されたポリマーは、直線状、分岐状、星状または超分岐状構造の形態で存在することができる。
【0065】
a)~r)の下で特定されるポリマーが立体規則性ポリマーである場合、それらは、アイソタクチック、ステレオタクチックの形態で存在し得るが、アタクチック形態でも、またはステレオブロックコポリマーとしても存在し得る。
【0066】
さらに、a)~r)の下で特定されるポリマーは、非晶質および(部分的)結晶形態の両方を有することができる。
【0067】
任意に、a)に記載されたポリオレフィンは、架橋されることもでき、例えば、架橋ポリエチレンであり、そのとき、X-PEと称される。
【0068】
本発明の化合物はさらに、ゴムおよびエラストマーを安定化するために使用することができる。これは、天然ゴム(NR)または合成ゴム材料であることもできる。
【0069】
ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸またはポリブチレンサクシネートなどの再生可能原料から作られるポリマーがさらに好ましい。
【0070】
前記ポリマーは、フレッシュまたはリサイクルされることができる。
【0071】
本発明はまた、少なくとも1つのプラスチック材料と、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体とを含むか、または、これらからなるプラスチック組成物に関し、前記糖誘導体は、糖に由来する本体と、一般式Iによる少なくとも1つの置換基とを有する。
【化19】
ここで、R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化20】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する。
【0072】
式Iによるフェノール置換糖誘導体については、本発明のプラスチック組成物に限定されることなく適用される上記実施形態を参照されたい。
【0073】
プラスチック組成物は、好ましくは、UV吸収剤、光安定化剤、金属不活性化剤、共安定化剤、充填剤不活性化剤、抗オゾン剤、核形成剤、抗核形成剤、衝撃強度改善剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤、チキソトロピー剤、鎖延長剤、光増白剤、抗菌剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、架橋剤、抗架橋剤、親水化剤、疎水化剤、接着促進剤、分散剤、相溶化剤、酸素除去剤、酸除去剤、発泡剤、分解剤、消泡剤、消臭剤、マーキング剤、防曇剤、充填剤、補強剤およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含むこともできる。
【0074】
可能性のある添加剤を以下に挙げるが、それらは網羅的(exhaustive)であると理解すべきではない。
【0075】
前記プラスチック組成物は、好ましくは、さらに、以下からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む:
a) 酸捕捉剤(scavenger)(「制酸薬」)は、1、2、3または4価金属の塩であり、好ましくは、アルカリ、アルカリ土類金属、アルミニウムまたは亜鉛の塩であり、特にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウムなどの脂肪酸で形成されるものである。適切な酸捕捉剤のさらなるクラスは、ハイドロラクタイト、特に、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛に基づく合成ハイドロラクタイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、特に、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛、アルカリ土類炭酸塩、特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、および水酸化物、特にブルサイト(水酸化マグネシウム)である、
b) 光安定化剤、好ましくは、ヒンダードアミンの群からの光安定化剤、
c) 分散剤、および
d) それらの混合物。
【0076】
適切な光安定化剤は、例えば、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、オキサミド、および2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,-5-トリアジンに基づく化合物である。
【0077】
適切な2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールとしては、例えば、以下のものである:2-(2’-ヒドロキシ-5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-sec-ブチル-5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ビス(α、α-ジメチルベンジル)-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-ドデシル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールと、ポリエチレングリコール300とのエステル交換反応の生成物;[R-CH2CH2-COO-CH2CH2-]-2、ここで、R=3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-5’-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(α,α-ジメチルベンジル)-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5’-(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0078】
適切な2-ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノンの、4-ヒドロキシ-、4-メトキシ-、4-オクチルオキシ-、4-デシルオキシ-4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2’,4’-トリヒドロキシ-および2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメチルオキシ誘導体である。
【0079】
適切なアクリレートは、例えば、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-α-カルボメトキシ桂皮酸、メチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシ桂皮酸、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシ桂皮酸、メチル-α-カルボメトキシ-p-メトキシ桂皮酸、およびN-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリンである。
【0080】
安息香酸の適切なエステルは、例えば、4-tert-ブチルフェニルサリチル酸、フェニルサリチル酸、オクチルフェニルサリチル酸、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸である。
【0081】
適切なオキサミドは、例えば、4,4’-ジオクチルオキシオキサアニリド、2,2’-ジエトキシオキサアニリド、2,2’-ジオクチルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキシアニリド、2,2’-ジドデシルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキシアニリド、2-エトキシ-2’-エチルオキサニリド、N,N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2’-エトキシアニリドおよび2-エトキシ-2’-エチル-5,4’-ジ-tert-ブトキシアニリドとのその混合物、o-およびp-メトキシ-二置換オキサアニリドの混合物、ならびにo-およびp-エトキシ-二置換オキシアニリドの混合物である。
【0082】
適切な2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンは、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチロキシプロポキシ)-フェニル]-4,6-ビス-(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル-1,3,5-トリアジンである。
【0083】
適切な金属不活性化剤は、例えば、N,N’-ジフェニルオキサミド、N-サリチル-N’-サリチロイルヒドラジン、N,N’-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイル-ビス-フェニルヒドラジド、N,N’-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)オキシルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドである。
【0084】
金属不活性化剤として特に以下のものが好ましい:
【化21】
【0085】
適切なヒンダードアミンは、例えば、1,1-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロン酸、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合生成物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン、N,N’‐ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4‐モルホリノ‐2,6‐ジクロロ‐1,3,5-トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、7,7,9,9-テトラメチル‐2‐シクロウンデシル‐1‐オキサ‐3,8‐ジアザ‐4‐オキソスピロ‐[4,5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物である。
【0086】
N-メチルまたはN-オクチルなどの立体障害のあるN-H,N-アルキル、N-メトキシまたはN-オクチルオキシなどのN-アルコキシ誘導体、N-シクロヘキシルオキシなどのシクロアルキル誘導体およびN-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)類似体もまた、それぞれ本明細書において上記の構造に含まれる。
【0087】
好ましいヒンダードアミンはさらに以下の構造を有する:
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0088】
好ましいオリゴマーおよびポリマーのヒンダードアミンは、以下の構造を有する:
【化26】
【化27】
【化28】
【0089】
上記化合物において、nはそれぞれ3~100を意味する。
【0090】
さらなる適切な光安定化剤は、以下の一般的な構造を有するHostanox NOW(製造業者Clariant SE)である:
【化29】
【0091】
適切な分散剤とは、例えば、以下の通りである:
ポリアクリレート、例えば、長鎖側基を有するコポリマー、ポリアクリレートブロックコポリマー、アルキルアミド:例えば、N,N’-1,2-エタンジイルビスオクタデカンアミドソルビタンエステル、例えば、モノステアリルソルビタンエステル、チタネートおよびジルコネート、官能基を有する反応性コポリマー、例えば、ポリプロピレン-コ-アクリル酸、ポリプロピレン-コ-マレイン酸無水物、ポリエチレン-コ-グリシジルメタクリレート、ポリスチレン-alt-マレイン酸無水物-ポリシロキサン:例えば、ジメチルシランジオール-エチレンオキシドコポリマー、ポリフェニルシロキサンコポリマー、両親媒性コポリマー:例えば、ポリエチレン-ブロック-ポリエチレンオキシド、デンドリマー、例えば、以下の構造のヒドロキシル含有デンドリマー:
【化30】
【0092】
適切な共安定化剤はさらにポリオール、特にアルジトールまたはシクリトールである。ポリオールは、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、短鎖ポリエーテルポリオールまたは短鎖ポリエステルポリオール、および例えば、アルコール基を有する超分岐ポリマー/オリゴマーまたはデンドリマーである。
【0093】
少なくとも1種のアルジトールは、好ましくは、トレイトール、エリスリトール、ガラクチトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、アルトリトール、イジトール、マルトトリトール、およびポリオール末端基を有する水素化オリゴ糖類および多糖類ならびにそれらの混合物からなる群より選択される。少なくとも1種の好ましいアルジトールは、特に、エリスリトール、マンニトール、イソマルトール、マルチトール、およびそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0094】
さらに適切な糖アルコールの例は、ヘプチトールおよびオクチトールである:メソ-グリセロ-アロ-ヘプチトール、D-グリセロ-D-アルトロ-ヘプチトール、D-グリセロ-D-マンノヘプチトール、メソ-グリセロ-グロ-ヘプチトール、D-グリセロ-D-ガラクト-ヘプチトール(ペルセイトール)、D-グリセロ-D-グルコ-ヘプチトール、L-グリセロ-D-グルコ-ヘプチトール、D-エリトロ-L-ガラクト-オクチトール、D-スレオ-L-ガラクト-オクチトール。
【0095】
特に、イノシトール(myo、scyllo-、D-chiro-、L-chiro-、muco-、neo-、allo-、epi-、およびcis-イノシトール)、1,2,3,4-テトラヒドロキシシクロヘキサン、1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシシクロヘキサン、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンズリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、ケブラキトール、シセリトール、キナ酸、シキミ酸及びバリエノールからなる群から少なくとも1種のシクリトールを選択することができる。この場合、myo-イノシトールが好ましい。
【0096】
適切な核剤は、例えば、安息香酸、コハク酸、アジピン酸などの単官能および多官能カルボン酸のタルク、アルカリ塩またはアルカリ土類塩、例えば、安息香酸ナトリウム、グリセロール酸亜鉛、ヒドロキシ-ビス(4-tert-ブチル)安息香酸アルミニウム、1.3:2.4-ビス(ベンジリデン)ソルビトールまたは1,3:2,4-ビス(4-メチルベンジリデン)ソルビトールなどのベンジリデンソルビトール、2,2’-メチレン-ビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)リン酸塩、ならびにトリアミドおよびジアミド、例えば、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリ(4-メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリ(tert-ブチルアミド)、N,N’,N’’-1,3,5-ベンゼントリルトリス(2,2-ジメチルプロパンアミド)または2,6-ナフタレンジカルボン酸ジシクロヘキシルアミドである。
【0097】
適切な抗核剤は、ニグロシンなどのアジン染料である。
【0098】
適切な難燃剤とは、例えば、以下の通りである:
a) Al(OH)3、Mg(OH)2、AlO(OH)、MgCO3などの無機難燃剤、モンモリロナイトやセピオライトなどのシートシリケート、Mg-Alシリケートなどの非変性または有機変性の複塩、POSS(多面体オリゴマーシルセスキオキサン)化合物、ハンタイトハイドロマグネサイトやハロイサイト、およびSb2O3、Sb2O5、MoO3、スズ酸亜鉛、ヒドロキシステン酸亜鉛、
b) メラミン、メレム、メラム、メロン、メラミン誘導体、メラミン縮合生成物またはメラミン塩、ベンゾグアナミン、ポリイソシアヌレート、アラントイン、ホスファゼン、特にメラミンシアヌレート、メラミンリン酸塩、ジメラミンリン酸塩、メラミンピロリン酸塩、メラミンポリリン酸塩、メラミンアルミニウムリン酸塩、メラミン亜鉛リン酸塩、メラミンマグネシウムリン酸塩などのメラミン金属リン酸塩、および対応するピロリン酸塩およびポリリン酸塩、ポリ-[2,4-(ピペラジン-1,4-イル)-6-(モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン]、ポリリン酸アンモニウム、メラミンホウ酸塩、メラミン臭化水素塩などの窒素含有難燃剤、
c) アルコキシアミン、ヒドロキシルアミンエステル、アゾ化合物、ジクミルまたはポリクミル、ヒドロキシイミドおよびそれらの誘導体、例えばヒドロキシイミドエステルまたはヒドロキシイミドエーテルなどのラジカル形成剤、
d) 赤リンなどのリン、レゾルシンジホスファイトなどのリン酸、ビスフェノールAジホスフェートおよびそれらのオリゴマー、トリフェニルホスフェート、エチレンジアミンジホスフェート、次亜リン酸の塩などのホスフェートおよびそれらの誘導体、例えばアルキルホスフェート塩、例えば、ジエチルホスフィナートアルミニウムまたはジエチルホスフィネート亜鉛またはアルミニウムホスフィネート、アルミニウムホスファイト、アルミニウムホスホネート、ホスホネートエステル、メタンホスホン酸のオリゴマーおよびポリマー誘導体、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスホリルフェナントレン-10-オキシド(DOPO)およびそれらの置換化合物を含む難燃剤、
e) デカブロモジフェニルオキシドなどのポリ臭素化ジフェニルオキシド、トリス(3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル-ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモフタル酸、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ジフェニルエタン、トリス-(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、エチレン-ビス-(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリブタジエンまたはポリスチレン臭素化ポリブタジエンコポリマー、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、ポリペンタブロモベンジルアクリレートなどの塩素および臭素をベースとするハロゲン化難燃剤であり、任意に、Sb2O3および/またはSb2O5と組み合わせてもよい。
f) ホウ酸亜鉛またはホウ酸カルシウムなどのホウ酸塩、任意に、シリカなどの担体材料上のもの。
g) 硫黄化合物、例えば、元素状硫黄、ジスルフィドおよびポリスルフィド、硫化チウラム、ジチオカルバメート、メルカプトベンゾチアゾール、スルフェンアミド、
h) ポリテトラフルオロエチレンなどの防滴剤、
i) ポリフェニルシロキサンなどのケイ素含有化合物、
j) カーボンナノチューブ(CNT)またはグラフェンなどの炭素修飾物
ならびに、これらの組み合わせまたは混合物。
【0099】
特に適切な難燃剤は、N-アルコキシアミン類、-CC-ラジカル発生剤、アゾ基(-N=N-)を有するラジカル発生剤、ヒドラジン基(-NH-NH-)を有するラジカル発生剤、ヒドラゾン基(>C=N-NH-)を有するラジカル発生剤、アジン基(>C=NN=C<)を有するラジカル発生剤、トリアゼン基(-N=NN<)を有するラジカル発生剤またはイミノキシトリアジン類からなる群から選択されるラジカル発生剤であることが好ましい。
【0100】
適切なアゾ化合物の調製は、例えば、M.Aubertら、Macromol.Sci.Eng.2007,292,707-714またはWO2008101845において記載され、ヒドラゾンおよびアジンの製造は、M.Aubertら、Pol.Adv.Technol.2011、22、1529-1538に記載され、トリアゼンの製造は、W.Pawelecら、Pol.Degr.Stab.2012、97、948-954に記載されている。イミノキシトリアジン類の合成は、WO2014/064064に記載されている。
【0101】
特に、使用されるラジカル形成剤は以下からなる群から選択される:
a) 下記構造式によるN-アルコキシアミン類:
【化31】
ここで、
R
3は、水素または任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアシル残基、特にC1~C4アルキル残基を表し、
R
4は、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルコキシ、アラルコキシまたはアシルオキシ残基を表し、
Zは、水素または置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアシル残基を表し、ここで2つの残基Zは閉じた環を形成することもでき、これはエステル、エーテル、アミン、アミド、カルボキシまたはウレタン基で置換されていてもよく、
Eは、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキルオキシ、アラルコキシまたはアシルオキシ残基を表し、
b) 下記構造式によるアゾ化合物:
または
【化32】
ここで、
R
5は、アルキル、シクロアルキルまたはアリール残基を表し、
R
6は、出現するたびに同一または異なり、直鎖状または分岐状のアルキル残基を表し、
R
7は、出現するたびに同一または異なり、水素または直鎖状もしくは分岐状のアルキル残基を表し、
R
8は、出現するたびに同一または異なり、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アラルコキシ基又はアシルオキシ基を表し、
c) 下記構造式によるジクミル:
【化33】
ここで、R
7は上記の意味を有し、好ましくはメチルであり、
d)および/または下記構造式によるポリクミル:
【化34】
ここで、R
7は上記の意味を有し、好ましくはメチルであり、2<n<100である。
【0102】
上記特定構造のN-アルコキシアミン類の代表例を以下に示す:
1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-オクタデシルアミノピペリジン;セバシン酸ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル);2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ-S-トリアジン;アジピン酸ビス(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル);2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-S-トリアジン;1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;セバシン酸ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル);アジピン酸ビス(1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル);2,4-ビス{N-[1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル]-N-ブチルアミノ}-6-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-S-トリアジン);4-ピペリジノール、2,2,6,6-テトラメチル-1-(ウンデシロキシ)-4,4’-カーボネート;2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-S-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピルエチレンジアミン)との反応生成物;4,4’-ヘキサメチレン-ビス(アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)と2,4-ジクロロ-6-[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-イル)ブチルアミノ]-S-トリアジンの縮合生成物であり、末端が2-クロロ-4,6-ビス(ジブチルアミノ)-S-トリアジンで閉じているオリゴマー化合物;以下などの脂肪族ヒドロキシルアミン:
【化35】
式中、n=1~15であり、例えばジステアリルヒドロキシルアミンである。
【0103】
上記化合物のいくつかは市販品であり、以下の商品名で取引されている:BASF SEのFLAMESTAB NOR 116(RTM)、TINUVIN NOR 371 (RTM)、IRGATEC CR 76 (RTM)、ClariantのHostavin NOW (RTM)、またはAdekaのADK Stab LA 81(RTM)。ジクミルおよびポリクミルは、例えば、United Initiatorsから入手可能な市販製品である。
【0104】
a) リン含有難燃剤、例えば、以下の構造のホスフィン酸塩:
【化36】
【0105】
ここで、R1およびR2は好ましくは同一または異なるものであり、直鎖または分枝鎖のC1~C6アルキルおよび/またはアリールから選択される;Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K、Znおよび/またはプロトン化窒素塩基、好ましくはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンおよび/または亜鉛イオンからなる群から選択される;およびm=1~4、好ましくは2または3;n=1~4、好ましくは1または3;x=1~4、好ましくは1または2。特に好ましい態様において、R1=アルキル、R2=アルキルおよびM=AlまたはZnである。
【0106】
ホスフィネートの特に好ましい例は、Clariant SEから市販されているExolit OP(RTM)製品である。
【0107】
さらに好ましいリン含有難燃剤は、下記式による構造を有する次亜リン酸の金属塩である:
【化37】
【0108】
ここで、Metは元素周期表のI、II、III及びIV族から選ばれる金属であり、nは対応する金属イオンMetの電荷に対応する1~4の数である。Metn+は、例えば、Na+、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Ti4+またはAl3+であり、Ca2+、Zn2+およびAl3+が特に好ましい。
【0109】
上記の次亜リン酸塩のいくつかは、例えば、Italmatch ChemicalsからPhoslite(RTM)という名称で市販されている。
【0110】
リン含有難燃剤のさらに好ましいグループは、下記式に従う構造を有するホスホネート類またはホスホン酸ジアリールエステル類である:
【化38】
ここで、R
8およびR
10=H、アルキル、好ましくはC1~C4、R
9=C1~C4アルキル、u=1~5およびv=1~5である。
【0111】
対応する構造は、ホスホネートオリゴマー、ポリマーおよびコポリマーの形態でも存在し得る。直鎖状または分岐状ホスホネートオリゴマーおよびポリマーは、先行技術から公知である。分岐ホスホネートオリゴマーおよびポリマーについては、米国特許第US2716101号、US3326852号、US4328174号、US4331614号、US4374971号、US4415719号、US5216113号、US5334692号、US3442854号、US6291630B1号、US6861499B2号およびUS7816486B2号を参照されたい。ホスホネートオリゴマーについては、米国特許出願US2005/0020800A1、US2007/0219295A1およびUS2008/0045673A1を参照されたい。直鎖ホスホネートオリゴマーおよびポリマーに関しては、米国特許文献US3946093、US3919363、US6288210B1、US2682522およびUS2891915を参照されたい。
【0112】
フォホネートは、例えば、FRX PolymersからNofia(RTM)という商品名で入手可能である。
【0113】
リン含有難燃剤のさらに好ましいグループは、例えば以下の構造を有する、オキサホスホリンオキシドに基づく化合物およびそれらの誘導体である:
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【0114】
ここで、Mは元素周期表の第2、第3、第12または第13族から選択される金属であり、x=2または3、n≧10、m=0~25、R=H、ハロゲンまたは炭素数1~32の脂肪族若しくは芳香族残基であり、R1=H、C1~C6のアルキルまたはフェニルである。
【0115】
オキソホスホリンオキシドに基づく製品は、例えば、SchillおよびSeilacher GmbHからUkanol(RTM)の商品名で入手可能である。さらなる化合物は、例えば、特許明細書WO2013020696、WO2010135398、WO03070736、WO2006084488、WO2006084489、WO2011000019、WO2013068437、WO2013072295に従って製造することができる。
【0116】
さらに適切なリン含有難燃剤は、下記式のいずれかに従う構造を有する環状ホスホネートである:
【化44】
【0117】
ここで、A1およびA2は、独立に、1~4個の炭素原子を有する置換または非置換、直鎖または分枝アルキル基、置換または非置換ベンジル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチルを表し、A3およびA4は独立に、メチルまたはエチルを表し、A5は、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、またはフェニルまたはベンジル基であり、それぞれ3個までのメチル基を有し得る。
【0118】
環状ホスホネートは、例えば、Thor GmbHからAflammit(RTM)の商品名で市販されているか、またはEP2450401に従って製造することができる。
【0119】
さらに相乗的なリン含有難燃剤はホスファセン類、特に高分子ホスファセン類である。対応する製品は、例えば、SPB-100の名称で大塚化学から市販されている。
【0120】
b) 窒素含有難燃剤
好ましい窒素含有難燃剤は、ポリリン酸メラミン、シアヌレートメラミン、金属リン酸メラミン、ポリ[2,4-(ピペラジン-1,4-イル)-6-(モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン]およびポリリン酸アンモニウムである。これらの化合物は市販品であり、BASF SEからはMelapur(RTM)、Budenheim Chemische FabrikからはBudit(RTM)、ClariantからはExolit(RTM)、Huber ChemicalsからはSafire(RTM)、またはMCA Technologies GmbHからはMCA PPM Triazineの商品名で入手可能である。
【0121】
c) 好ましい硫黄含有難燃剤は、例えば、以下の化合物である:
【化45】
【化46】
【0122】
以下の化合物はハロゲンを含まず、非常に好ましい難燃剤である:
Al(OH)
3、Mg(OH)
2
【化47】
【化48】
【化49】
【0123】
適切な充填剤および補強材料は、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラス球(固体または中空)、タルク、雲母、カオリン、硫酸バリウム、金属酸化物および金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、木粉、またはセルロースまたは合成繊維などの天然物からの繊維などの合成材料または天然材料である。さらに適切な充填剤は、ハイドロタルサイトまたはゼオライトまたはフィロケイ酸塩、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、雲母、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、レダイカイト、マガダイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイトである。
【0124】
適切な顔料は、無機または有機の性質のものであり得る。無機顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、ウルトラマリン、ブラックカーボンである。有機顔料は、例えば、アントラキノン類、アントラトロン類、ベンズイミダゾロン類、チナクリドン類、ジケトプチロロピロール類、ジオキサジン類、イナントロン類、イソインドリン類、アゾ化合物、ペリレン類、フタロシアニン類またはピラントロン類である。さらに適切な顔料としては、金属ベースの効果顔料または金属酸化物ベースのパール光沢顔料が挙げられる。
【0125】
適切な鋳型潤滑剤および加工助剤は、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸の塩、またはモンタンワックスの塩、エルカ酸アミドまたはオレイン酸アミドなどのアミドワックス、フルオロポリマー、シリコーン、またはネオアルコキシチタネートおよびジルコネートである。
【0126】
適切な光増白剤は、例えば、ビス-ベズンゾキサゾール、フェニルクマリン、またはビス(スチリル)ビフェニル、および特に下記式の光増白剤である:
【化50】
【0127】
適切な充填剤不活性化剤は、例えば、ポリシロキサン、ポリアクリレート、特に、ポリメタクリル酸ポリアルキエンオキシドまたはポリグリシジル(メタ)アクリレートなどのブロックコポリマーおよびそれらのコポリマーであって、例えば、以下の構造のスチレンおよびエポキシドを有するものである:
【化51】
【0128】
適切な帯電防止剤は、例えば、エトキシル化アルキルアミン、脂肪酸エステル、アルキルスルホネート、およびポリエーテルアミドなどのポリマーである。
【0129】
適切な抗オゾン剤は、N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミンなどの上述したアミンである。
【0130】
適切なレオロジー改質剤、例えば、制御レオロジーポリプロピレン(CR-PP)の調製のためのものは、例えば、過酸化物、アルコキシアミノエステル、オキシミドスルホン酸エステル、および特に以下の構造である:
【化52】
【0131】
重縮合ポリマー(鎖延長剤)の分子量を増加させるのに適した添加剤は、ジエポキシド、ビス-オキサゾリン、ビス-オキサゾロン、ビス-オキサジン、ジイソシアネート、二無水物、ビス-アシルラクタム、ビス-マレイミド、ジシアナート、カルボジイミドである。更に適切な鎖延長剤は、ポリスチレン-ポリアクリレート-ポリグリシジル(メタ)アクリレートコポリマー、ポリスチレン-無水マレイン酸コポリマーおよびポリエチレン-無水マレイン酸コポリマーなどのポリマー化合物である。
【0132】
導電性を増大させるための適切な添加剤は、例えば、上述の静的阻害剤、黒色炭素、およびカーボンナノチューブおよびグラフェンなどの炭素化合物、銅粉末などの金属粉末、ならびにポリピロール、ポリアニリン、およびポリチオフェンなどの導電性ポリマーである。熱伝導率を増大させるのに適した添加剤は、例えば、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素である。
【0133】
適切な赤外線活性添加剤は、例えば、ケイ酸アルミニウムまたはフタロシアニンもしくはアントラキノンなどの染料である。
【0134】
適切な脱型剤は、例えば、シリコーン、石鹸、およびモンタンワックスなどのワックスである。
【0135】
適切な衝撃改質剤は、例えば、全体的にまたは部分的に亜鉛で中和することができるアクリレート、メタクリレートおよび/またはエチレン性不飽和カルボン酸とのエチレンコポリマー、または例えば、エチレン、プロピレンおよびジエンとのコポリマー、および例えば、ポリブチルアクリレートおよびポリメチルメタクリレートのコアシェル粒子である。
【0136】
相溶化剤は、例えば、熱力学的に非混和性のブレンドまたはリサイクル材料混合物において使用され、混合された各ブレンド成分の構造要素を含む。ポリオレフィン混合物のための適切な相溶化剤は、例えば、エチレン、プロピレンおよびα-オレフィン、例えば1-オクテンから構成されるオレフィンブロック共重合体である。他の相溶化剤、特に、PETまたはポリアミドなどの極性の相溶化剤およびPPまたはPEポリマーなどの非極性の相溶化剤は、例えば、ポリプロピレン-g-無水マレイン酸、ポリエチレン-g-無水マレイン酸、ポリプロピレン-g-アクリル酸、ポリエチレン-g-アクリル酸、ポリ(エチレン-コ-無水マレイン酸)、SBS-g-無水マレイン酸またはSEBS-g-無水マレイン酸である。
【0137】
適切な架橋剤は、例えば、ジアルキルペルオキシド、アルキルアリールペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ジアシルプロキシド、ペルオキシケタールなどのペルオキシド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、またはエチレン-ビニルシランコポリマーなどのシランである。
【0138】
適切な分解促進剤とは、環境中のポリマーの分解を特異的に促進または制御する添加剤である。例は、例えばポリオレフィンの酸化および/または光酸化分解を促進するマンガンまたは鉄の遷移金属脂肪酸エステル、又は例えば脂肪族ポリエステルの加水分解分解を誘導する酵素である。
【0139】
適切な化学発泡剤は、例えば、アゾジカルボン酸ジアミドなどのアゾ化合物、p-トルエンスルホニルセミカルバジドなどのスルホニルセミカルバジド、5-フェニルテトラゾールなどのテトラゾール、p-トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジドなどのヒドラジド、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのN-ニトロソ化合物、または炭酸水素ナトリウムや炭酸亜鉛などの炭酸塩である。
【0140】
適切なスリップ剤は、例えば、エルカ酸アミドまたはオレイン酸アミドなどのアミド系ワックスである。
【0141】
適切なブロッキング防止剤は、例えば、シリカ、タルクまたはゼオライトである。
【0142】
適切な防曇添加剤は、例えば、エトキシル化ソルビタンエステル、エトキシル化脂肪酸アルコールまたはエトキシル化アルキルアミンエステルである。
【0143】
適切な殺生物剤は、例えば、第四アンモニウム塩または銀塩、コロイド銀または銀錯体、またはキトサンなどの天然物誘導体である。
【0144】
適切なアルデヒドスカベンジャーは、アミン、ヒドロキシルアミン、ポリビニルアルコール、ゼオライトまたはシクロデキストリンであり、適切なホルムアルデヒドスカベンジャーは、ベンゾグアナミンなどのメラミン誘導体またはアラントインなどの尿素誘導体である。
【0145】
適切な臭気結合物質または臭気防止物質とは、ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩、ゼオライト、またはリセンオレイン酸亜鉛などのヒドロキシ脂肪酸の塩である。
【0146】
適切なマーキング剤は、例えば、蛍光染料または希土類である。
【0147】
本発明はさらに、糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体を、プラスチック材料に組み込む、酸化的、熱的および/または化学的分解に対するプラスチック材料の安定化方法に関する。
【化53】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化54】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する。
【0148】
一般式Iのフェノール置換糖誘導体については、上記の記載を参照されたい。
【0149】
本発明による添加剤は、粉体、液体、油として、キャリア材料上に、顆粒、溶液またはフレークとして、圧縮されて存在することができ、好ましくは、ポリマーと混合されて安定化され、ポリマーマトリックスが溶融物中に移動され、次いで冷却される。これに代えて、溶融状態のポリマーメルトに添加剤を導入することも同様に可能である。
【0150】
さらに成分がポリマー組成物に添加される場合には、これらは、液体、粉末、顆粒または圧粉体の形態で、または上記のように本発明による添加剤組成物と共に、ポリマーに別々に添加することができる。
【0151】
上記の添加剤組成物および任意に追加の添加剤は、通常の加工方法によってプラスチック材料に組み込まれ、ポリマーは溶融され、本発明の添加剤組成物および任意に追加の添加剤と混合され、好ましくはミキサー、ニーダーおよび押出機を使用する。単軸押出機、二軸押出機、遊星歯車押出機、リング押出機、コニーダなどの押出機は好ましい加工機であり、好ましくは真空脱ガス手段を備えている。この処理は、ここで空気中で、または任意に不活性ガス条件下で行うことができる。
【0152】
さらに、本発明による添加剤組成物は、ポリマー中に、例えば、本発明による組成物の10~90%を含有する、いわゆるマスターバッチまたは濃縮物の形態で製造し、組み込むことができる。
【0153】
本発明はさらに、上記のように、本発明によるプラスチック組成物から製造可能な成形化合物または成形部品、特に射出成形部品、フォイル、フィルム、塗料、コーティング、フォーム、繊維、ケーブル、パイプ、プロファイル、中空体、テープ、膜、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダ加工、プレス加工、紡糸加工および/または回転成形を介して製造されるジオメンブレン、潤滑剤、着色剤および/または接着剤の形態の成形化合物または成形部品、例えば、電気産業、建設産業、運輸産業、医療用途、家庭および電気機器、車両用部品、消費財用、包装用、家具用および/または織物用に関する。他の応用分野は、塗料、着色剤およびコーティング、ならびに油脂である。
【0154】
有機材料が油脂である場合、これらは鉱油、植物性油脂又は動物性油脂、または例えば合成エステルに基づく油脂もしくはワックスに基づくことができる。植物油および脂肪は、例えば、パーム油、オリーブ油、菜種油、亜麻仁油、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油である。動物性脂肪には、魚油や牛脂などがある。
【0155】
本発明による化合物はまた、潤滑剤、作動油、モーター油、タービン油、ギア油、金属作動油の安定化剤として、または潤滑グリースとして使用することができる。これらの鉱物または合成潤滑剤は、主に炭化水素に基づいている。
【0156】
さらに、本発明による酸化防止剤は、例えば、スチレンまたはアクリレートのための、またはポリウレタン合成におけるポリオールの安定化のための、任意選択での早すぎる重合または酸化を防止するために、モノマーを安定化するために使用することができる。
【0157】
本発明はまた、糖由来の本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、少なくとも1つのフェノール置換糖誘導体から構成される、プラスチック材料を酸化的、熱的および/または化学的分解に対して安定化するための安定化剤組成物に関する。
【化55】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化56】
【0158】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基、ならびに、少なくとも1つの一次酸化防止剤および/または少なくとも1つの二次酸化防止剤を有する。
【0159】
最後に、本発明は、糖に由来する本体を有し、一般式Iによる少なくとも1つの置換基を有する、フェノール置換糖誘導体に関する。
【化57】
ここで
R
1およびR
2は、出現するたびに同一または異なり、水素および直鎖または分岐アルキルラジカルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つの残基R
1またはR
2は水素でないことを条件とし、
Xは、炭素数1~18のアルキレン基または化学結合であり、
Yは、以下のグルーピングからなる群から選択されたグルーピングであり
【化58】
【0160】
ここで、グルーピングXは、上記のグルーピングYの左側に示されている終端に結合しており、ならびに、糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも3つの非置換水酸基を有し、および/または糖由来の前記フェノール置換糖誘導体の前記本体は、少なくとも4つの炭素原子を有し、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの非置換水酸基を有する。
【0161】
本発明によるフェノール置換糖誘導体の特別な好ましい実施形態に関して、上記の記載を参照する。
【0162】
本発明は、本発明を限定することなく、以下の例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
【0163】
本発明に係る実施例
本発明による安定化剤の効果を試験するために、市販のポリプロピレン(Moplen HP 500 N, Lyondell Basell Industries)を、指示された安定化剤を含む粉末-粉末混合物中で均質化し、200℃で30分間、毎分90回転で、二軸マイクロ押出機(MC 5、製造元DSM)中で循環させ、力の減少を記録した。この力はポリプロピレンの分子量の直接的な尺度であり、減少が小さいほど安定化効果は大きい。
【0164】
3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルとマンニトールとのエステル交換により生成したマンニトールの3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル(>90%一置換)の0.1~0.3%の添加は、添加剤を含まないポリプロピレンまたはマンニトールのみを含むポリプロピレンと比較して、加工安定性の増大、すなわち高い残留強度をもたらす。加工安定性のさらなる改善は、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステルの0.2%に0.1%の一次酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート)または0.1%の二次酸化防止剤(トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト)を添加することによって達成される。
【0165】
同様にして、メチル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステルをエリスリトール、ミオイノシトールおよびソルビトールでエステル交換することにより、80%を超える単置換を有する単官能誘導体を得る。
【0166】
マンニトールの3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル(>90%一置換)を、特定の処理温度、0.2%の濃度で、以下のポリマーにさらに添加し、30分間処理し、力曲線を測定した:
HDPE、230℃
LLDPE、200℃
ポリスチレン、230℃
ABS、230℃
PC/ABS、250℃
PET、260℃(myo-イノシトール誘導体)
PA-6.6、260℃(myo-イノシトール誘導体)
PE/PP混合物から構成されるポリオレフィンリサイクル、210℃。
【0167】
いずれの場合においても、添加剤を含まない出発ポリマーとは対照的に、本発明による添加剤による安定化効果は、試験時間にわたって一定の力プロファイルによって実証することができる。
【国際調査報告】