(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-09
(54)【発明の名称】抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7024 20060101AFI20220902BHJP
A61K 33/30 20060101ALI20220902BHJP
A61K 33/26 20060101ALI20220902BHJP
A61K 33/06 20060101ALI20220902BHJP
A61K 33/24 20190101ALI20220902BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20220902BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220902BHJP
A61K 33/18 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A61K31/7024
A61K33/30
A61K33/26
A61K33/06
A61K33/24
A61P31/14
A61P43/00 121
A61K33/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510808
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2020114432
(87)【国際公開番号】W WO2022036774
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202010826586.2
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522061899
【氏名又は名称】サントラップ・ライフ・テクノロジーズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNTRAP LIFE TECHNOLOGIES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】フゥ,ジュン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA03
4C086HA02
4C086HA04
4C086HA08
4C086HA11
4C086HA17
4C086HA20
4C086HA24
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA52
4C086MA57
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明はバイオ医薬品の技術分野に属し、具体的には、抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用に関する。本発明では、生ウイルス実験により、タンニン酸はSARS-CoV-2を含むコロナウイルス、A型H1N1インフルエンザウイルスなどの呼吸器ウイルスに対して顕著な抑制効果があり、治療効果が確実であり、抗呼吸器ウイルス薬の製造分野において将来性が期待できることを示している。また、タンニン酸は多くの植物に存在し、自然界に存在する天然活性化合物であり、食品添加物としても応用されており、安全性が高く、医薬品開発の基礎が良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用。
【請求項2】
抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸誘導体又はタンニン酸構造類似体の使用。
【請求項3】
前記抗呼吸器ウイルスはコロナウイルス科ウイルス及びオルソミクソウイルス科ウイルスを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記コロナウイルス科ウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS-CoV、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1を含むコロナウイルス属ウイルスである、ことを特徴とする請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記オルソミクソウイルス科ウイルスは、A型インフルエンザウイルス属、B型インフルエンザウイルス属、C型インフルエンザウイルス属を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の使用。
【請求項6】
タンニン酸を含む、ことを特徴とする抗呼吸器ウイルス薬。
【請求項7】
タンニン酸誘導体、タンニン酸構造類似体のいずれか1種又は2種をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の医薬品。
【請求項8】
ポリフェノール系化合物、抗ウイルス金属塩のうちの1種又は2種をさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の医薬品。
【請求項9】
前記抗ウイルス金属塩は、亜鉛塩、鉄塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、タングステン塩及びルビジウム塩を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の医薬品。
【請求項10】
経口剤、スプレー剤、エアゾール剤又は注射剤である、ことを特徴とする請求項9に記載の医薬品。
【請求項11】
タンニン酸を有効成分として含む、ことを特徴とする抗ウイルススプレー剤。
【請求項12】
タンニン酸5~20重量部、ポリフェノール系化合物1~50重量部、添加剤1~15重量部、残部の水を成分として含む、ことを特徴とする請求項11に記載の抗ウイルススプレー剤。
【請求項13】
タンニン酸を有効成分として含む、ことを特徴とする抗ウイルスエアゾール剤。
【請求項14】
タンニン酸1~20重量部、抗ウイルス金属塩0~10重量部、添加剤1~15重量部及び残部の推進剤を成分として含む、ことを特徴とする請求項13に記載の抗ウイルスエアゾール剤。
【請求項15】
タンニン酸を有効成分として含む、ことを特徴とする抗ウイルス経口剤。
【請求項16】
タンニン酸3~20重量部、抗ウイルス金属塩1~15重量部、添加剤1~15重量部、残部の水を成分として含む、ことを特徴とする請求項15に記載の抗ウイルス経口剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオ医薬品の技術分野に属する。より具体的には、抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスによる疾患はほとんど一定の伝染性を持っており、その爆発や流行はすべて人間の健康と生活に巨大な影響をもたらす。現在、ウイルス感染の予防治療は主にワクチン接種及び/又は抗ウイルス薬により治療される。しかし、臨床応用において、ワクチンの価格は高く、低温貯蔵が必要であり、広く応用することが困難であり、一方、現在の多くのウイルスは変異性があり、特に呼吸器ウイルス(例えばコロナウイルス、オルソミクソウイルス科ウイルスなど)は更に変異が発生しやすく、ワクチンの研究開発はウイルスの変異に追いつくことが難しい。そのため、抗ウイルス薬はすでにウイルス性伝染病を治療する主要な手段になりつつある。
【0003】
その中で、呼吸器ウイルスのうちコロナウイルスは系統分類でニドウイルス目(Nidovirales)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、コロナウイルス属(Coronavirus)に属する。コロナウイルス属のウイルスはエンベロープ(envelope)を有し、ゲノムが線形一本鎖プラス鎖のRNAウイルスであり、自然界に広く存在する1種類のウイルスである。コロナウイルスは直径が約80~120nmであり、ゲノムの5’末端にメチル化されたキャップ構造を有し、3’末端にpoly(A)テールを有し、ゲノム全長が約27~32kbであり、現在知られているRNAウイルスの中で最大のゲノムを有するウイルスである。コロナウイルスはヒトを含め脊椎動物にしか感染できず、現在、ヒトに感染し、極めて大きな流行をもたらすコロナウイルスとしてSARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS-CoV、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1が知られており、呼吸器、消化管、肝臓や神経系の病気を引き起こすことがある。ヒトコロナウイルスは1965年に単離されたが、現在までそれらに対する認識はまだかなり限られており、コロナウイルスの血清型と抗原変異性はまだ明確ではない。また、コロナウイルスは重複感染を発生することができ、多種の血清型(少なくとも4種類が知られている)が存在し、抗原の変異があることを表明し、その免疫は困難であり、まだ予防治療の特効薬がない。
【0004】
現在、実験的な研究でしか発見されていないが、アザウラシル(αzauracil)及びリバビリン(ウイルスゾール、ribavirin、Virazole)、スピロアダマンタン(spiroadamantane)はコロナウイルスに対して明らかな抑制作用がある(向倩、王叡、コロナウイルス感染の特徴と予防・治療[J].中華病院感染学雑誌,2003,013(011):1097-1100.)。しかし、上記医薬品は下痢、貧血、めまい、頭痛、虚弱、無力などの副作用が現れやすい。また、臨床研究では、レムデシビル(Remdesivir、CAS:1809249-37-3)は非典型性肺炎(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)などのコロナウイルス科ウイルス病原体に対して一定の活性があるが、レムデシビルはどの国でも発売が承認されておらず、その安全性と有効性も確認されていない。現在の抗コロナウイルス薬には一定の安全上の危険性が存在していることがわかり、また、ウイルスの変異や新株の出現に伴い、これらの化学薬の抗ウイルス効果は大幅に低下しており、例えば2019年末に出現した新型コロナウイルス2019-nCoV(SARS-CoV-2)については、現在まで治療効果の確実な薬は発見されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の抗呼吸器ウイルス薬の欠点及び不備を克服し、新たな抗呼吸器ウイルス薬、すなわちタンニン酸(Tannicacid、CAS:1401-55-4)を提供することである。発明者らは多くの探索と研究を行った結果、タンニン酸が呼吸器ウイルス、特にコロナウイルス、ノルマルミクソウイルス科のインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果が顕著であることを見出した。また、このような物質は多種の植物中に存在し、自然界に存在する天然活性化合物であり、食品添加物としても応用されており、安全性が高いため、呼吸器ウイルスに対する抗ウイルス薬の製造・開発において将来性が期待できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用を提供することを目的とする。
本発明は、抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸誘導体又はタンニン酸構造類似体の使用を提供することを別の目的とする。
本発明は、タンニン酸を含む抗呼吸器ウイルス薬を提供することを他の目的とする。
【0007】
本発明の上記目的は、以下の技術的解決手段によって実現される。
本発明の研究により、タンニン酸は呼吸器ウイルスに対して顕著な抗ウイルス作用があり、特に新型コロナウイルス2019-nCoV(SARS-CoV-2)に対する抑制効果は陽性対照薬のレムデシビルより顕著に高く、ノルマルミクソウイルス科のインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果も非常に顕著であることが示された。以上の結果に基づいて、本発明は、抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用の保護を請求する。
【0008】
本発明の前記タンニン酸は、自由形態であるか、又は適切であり、薬学的に許容される誘導体が存在する。本発明によれば、薬学的に許容される誘導体は、薬学的に許容されるプロドラッグ、塩、エステル、エステル類の塩、又は患者のニーズに応じて直接又は間接的に投与可能な他の付加体又は誘導体、本発明の他の態様で説明される化合物、その代謝産物、又はその残留物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0009】
したがって、本発明はまた、抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸誘導体又はタンニン酸構造類似体の使用の保護を請求する。
【0010】
さらに、タンニン酸、タンニン酸誘導体、タンニン酸構造類似体の立体異性体、幾何異性体、水和物、溶媒和物、又は薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグも、発明の保護範囲に含まれる。
【0011】
本発明の「溶媒和物」とは、1つ又は複数の溶媒分子と本発明の化合物とで形成される会合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒としては、水、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、及びアミノエタノールが含まれるが、これらに限定されるものではない。「水和物」という用語は、溶媒分子と水とで形成された会合物であることを意味する。
【0012】
さらに、前記抗呼吸器ウイルスは、コロナウイルス科ウイルス及びノルマルミクソウイルス科ウイルスを含む。
【0013】
またさらに、前記コロナウイルス科ウイルスは、コロナウイルス属ウイルスである。
具体的には、現在確認された前記コロナウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS-CoV、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1を含む。
好ましくは、前記コロナウイルス属ウイルスは、SARS-CoV-2である。
【0014】
さらに、前記ノルマルミクソウイルス科ウイルスは、A型インフルエンザウイルス属、B型インフルエンザウイルス属、及びC型インフルエンザウイルス属を含む。
好ましくは、前記ノルマルミクソウイルス科ウイルスは、A型インフルエンザウイルス属のA型インフルエンザH1N1ウイルスである。
【0015】
以上に基づいて、本発明は、タンニン酸を含む抗呼吸器ウイルス薬をさらに提供する。
【0016】
またさらに、前記医薬品は、タンニン酸誘導体、タンニン酸構造類縁体のいずれか1種又は2種をさらに含む。
【0017】
さらに、前記医薬品は、ポリフェノール系化合物、抗ウイルス金属塩の1種又は2種をさらに含む。
【0018】
またさらに、前記抗ウイルス金属塩は、亜鉛塩、鉄塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、タングステン塩、及びルビジウム塩を含む。
【0019】
好ましくは、前記亜鉛塩は硫酸亜鉛又はグルコン酸亜鉛であり、前記鉄塩はグルコン酸第一鉄であり、前記カルシウム塩はグルコン酸カルシウムであり、前記タングステン塩はタングステン酸ナトリウムであり、前記ルビジウム塩はヨウ化ルビジウムである。
【0020】
さらに、前記タンニン酸、タンニン酸誘導体又はタンニン酸構造類縁体と抗ウイルス金属塩との質量比が1:0.05~1:50である。
【0021】
またさらに、前記ポリフェノール系化合物は、フラボノイド、スチルベン、フェノール酸、及びリグノシン等を含む。
【0022】
さらに、前記タンニン酸、タンニン酸誘導体又はタンニン酸構造類縁体とポリフェノール系化合物との質量比が1:0.05~1:50である。
【0023】
本発明で保護を請求する化合物又は組成物は、抗呼吸器ウイルス薬の製造に使用されるが、本発明の化合物又は医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、呼吸器ウイルスによって誘発される疾患の予防又は治療、呼吸器ウイルスによって誘発される疾患の症状の軽減、又は呼吸器ウイルスによって誘発される疾患の発症又は発展の遅延のための医薬品を製造するための使用に限定されるものではない。
【0024】
本発明で保護を請求する化合物又は医薬品は、人間の治療に有益であることに加えて、動物獣医師によるペット、哺乳動物、げっ歯類、鳥類等を含む導入された品種の動物や農場の動物の治療にも応用することができる。他のいくつかの動物の例には、馬、犬、猫、豚などが含まれる。
【0025】
またさらに、前記医薬品は、薬学的に許容される補助材料、担体、賦形剤、希釈剤、媒質などをさらに含み、注射剤、経口剤、スプレー剤、吸入剤、エアゾール剤などの各種の医薬剤形にされる。
【0026】
薬学的に許容される担体として有用な物質には、イオン交換剤、アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清蛋白例えばヒト血清タンパク質、緩衝物質例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドけい素、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロッカー重合体、ラノリン、糖例えば乳糖、グルコース及びショ糖、スターチ例えばコーンスターチ及びポテトスターチ、セルロース及びその誘導体例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース等;ゴム粉;麦芽;ゼラチン;タルク;補助材料例えばカカオ豆脂や座薬ワックス;油例えば落花生油、綿実油、ベニバナ油、麻油、オリーブ油、トウモロコシ油や豆油;ジオール系化合物例えばプロピレングリコール及びポリエチレングリコール;エステル類例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤例えば水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム;アルギン酸;熱源のない水;等張塩;リンガー溶液;エタノール、リン酸緩衝液、及び他の毒性のない適切な潤滑剤例えばラウリン硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム;着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤と香料、防腐剤、及び抗酸化剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
錠剤のような固形組成物を製造するために、本発明の化合物の均一な混合物を含む固形の予備調合組成物を形成するために、主要な活性成分を医薬賦形剤(又は担体)と混合する。これらの予備調合組成物を均一とすると、活性成分が組成物全体に均一に分散され、組成物が錠剤、丸薬及びカプセル剤のような同一の有効な単位剤型に容易に細分化されることを指す。
【0028】
本発明の錠剤又は丸薬は、作用を延長する利点を有する剤形を提供するために、又は胃内の酸性状態から錠剤又は丸薬を保護するために、塗布又は他の方法で配合することができる。例えば、錠剤又は丸薬は、内部用量成分及び外部用量成分を含んでもよく、後者は、前者の上における外皮の形態を有する。2つの成分は腸溶性層を用いて分離することができ、腸溶性層は胃内での崩壊を阻止し、内部成分が十二指腸に完全に入るか、又は遅延放出されることを可能にするためのものである。様々な材料は、このような腸溶性層又はコーティングに使用することができ、上記材料は、多くの高分子酸、及び高分子酸とシェラック、セタンアルコール、及び酢酸セルロースなどのこのような材料との混合物を含む。
【0029】
吸入法又は吹き込み法に用いられる組成物は、薬学的に許容される水性溶媒又は有機溶媒、又はそれらの混合物中の溶液及び懸濁液、ならびに散剤を含む。液状又は固形組成物は、適切な薬用賦形剤を含んでもよい。好ましくは、これらの組成物は、経口又は鼻呼吸経路を介して投与され、局所的又は全身的効果を得る。この組成物は、好ましくは薬学的に許容される溶媒中で不活性ガスを使用して噴霧することができる。霧化溶液は霧化装置から直接吸引することができ、又は霧化装置はマスクのような帳状物又は間欠陽圧呼吸器に接続することができる。溶液、懸濁剤、又は散剤組成物は、適切な方法で剤形を送達する装置、好ましくは経口又は鼻経路によって投与することができる。
【0030】
以上に基づいて、本発明は、タンニン酸を有効成分として含む抗ウイルススプレー剤をさらに提供する。
【0031】
さらに、前記抗ウイルススプレー剤は、タンニン酸5~20重量部、ポリフェノール系化合物1~50重量部、添加剤1~15重量部及び残部の水を成分として含む。
【0032】
本発明は、タンニン酸を有効成分として含む抗ウイルスエアゾール剤をさらに提供する。
【0033】
さらに、タンニン酸1~20重量部、抗ウイルス金属塩0~10重量部、添加剤1~15重量部及び残部の推進剤を成分として含む。
【0034】
さらに、前記推進剤は、テトラフルオロエタン(HFA-134a)又はセボフルオロプロパン(HFA-227)である。
【0035】
本発明は、タンニン酸を有効成分として含む抗ウイルス経口剤をさらに提供する。
【0036】
さらに、タンニン酸3~20重量部、抗ウイルス金属塩1~15重量部、添加剤1~15重量部、及び残部の水を成分として含む。
【0037】
さらに、前記添加剤は、抗酸化剤及び薬学的に添加可能な他の補助材料を含む。
【0038】
またさらに、前記抗酸化剤はビタミンCとローズマリー酸とを含む。
【0039】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明の研究結果により、タンニン酸はSARS-CoV-2を含むコロナウイルス、A型H1N1インフルエンザウイルスなどの呼吸器ウイルスに対して顕著な抑制効果があり、治療効果が確実であり、抗呼吸器ウイルス薬の製造分野において将来性が期待できることを示している。また、タンニン酸は多くの植物に存在し、自然界に存在する天然活性化合物であり、食品添加物としても応用されており、安全性が高く、医薬品開発の基礎が良い。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、実施例は本発明をいかなる形でも限定しない。特に明記されていない限り、本発明に採用される試薬、方法及び設備は、当技術分野における従来の試薬、方法及び設備である。
【0041】
本発明の活性ウイルス実験はすべて広東省疾患予防コントロールセンターに依頼して行い、微生物材料は広東省疾患予防コントロールセンターから提供さる。
【0042】
特に明記されていない限り、以下の実施例で使用される試薬及び材料は市販品である。
【0043】
実施例1 アフリカ緑猿腎細胞(Vero-E6細胞)に対するタンニン酸の毒性の測定
1、実験材料
(1)医薬品:実験群、タンニン酸;対照群、レムデシビル(上海陶素生化科技有限公司より購入)。
(2)細胞株:アフリカ緑猿腎細胞(Vero-E6細胞)
(3)その他:MEM培地;96穴培養板。
【0044】
2、実験ステップ
(1)微量培養法を用いて細胞培養を行った。
(2)医薬品希釈:それぞれ12本の遠心分離管内でタンニン酸、レムデシビルを細胞培養液[成分要求:MEM培地(Gibco Invitrogen)、1%二重抗体(Gibco Invitrogen)、2%胎児牛血清(FBS;Gibco Invitrogen)]で倍比希釈して、合計12濃度のタンニン酸、レムデシビル溶液とした。
(3)濃度ごとに3つの平行複孔を設け、同時に細胞対照孔を設けた(医薬品は添加せず、培養液のみを添加する)。
(4)48時間後に細胞培養液100μlごとにCCK-8を10μl加え、37℃で1時間インキュベートした後、分光光度計でOD450を測定し、タンニン酸とレムデシビルの最大無毒濃度(TC0)と半数毒性濃度(TC50)を算出した。
【0045】
3、実験結果
【0046】
【0047】
実施例2 SARS-CoV-2ウイルスに対するタンニン酸の薬効試験
1、実験材料
(1)医薬品:実験群、タンニン酸;対照群、レムデシビル(上海陶素生化科技有限公司より購入)。
(2)細胞株:アフリカ緑猿腎細胞(Vero-E6細胞)
(3)ウイルス:SARS-CoV-2ウイルス。
(4)その他:MEM培地;96穴培養板。
【0048】
2、実験ステップ
(1)Vero-E6細胞をあらかじめ96穴培養板を用いて単層細胞(細胞数:2×104細胞/孔))に培養しておいた。
(2)検査対象医薬品として最大無毒用量(TD0)薬液を、細胞維持液で12濃度ずつ倍比希釈し、ウイルス感染力価は100 TCID50とした。
(3)医薬品について濃度ごとに3孔として、ウイルス吸着1時間後、ウイルス液を棄却し、PBSで1回洗浄した後、各孔に医薬品を含む維持液を0.2ml添加した。同時に細胞対照(維持液のみ添加)、医薬品対照(ウイルスを添加しない)、ウイルス対照(薬液を添加しない)を設け、37℃、5%CO2のインキュベータに入れて培養した。
(4)48時間後に細胞培養上清を回収してウイルス核酸抽出に用い、COVID-19蛍光定量PCRキット(臨床医療機器登録証を取得済み)を用いてウイルスの相対定量を行い、タンニン酸がSARS-CoV-2ウイルスの抑制に与える影響を算出した。半数抑制濃度(IC50)や選択指数(SI)などのパラメータを算出した。
選択指数(SI)=TC50/IC50
TC50(50%毒性濃度):Reed-Muench式を用いて算出
IC50(半数抑制濃度):Reed-Muench式を用いて算出
【0049】
3、実験結果
表2に示すように、タンニン酸は高い抗SARS-CoV-2ウイルス活性を示し、SARS-CoV-2ウイルスに対するIC50値は0.0032μM、SIは7343.75であり、陽性対照群のレムデシビルの抗ウイルス活性よりも有意に高く、選択指数も高かった。
【0050】
【0051】
実施例3 イヌ腎上皮細胞(MDCK細胞)に対するタンニン酸の毒性の測定
1、実験材料
(1)医薬品:実験群、タンニン酸;対照群、リバビリン(諾徳薬業(江蘇)有限公司より購入)。
(2)細胞株:イヌ腎上皮細胞(MDCK細胞);
(3)その他:DMEM培地;96穴培養板。
【0052】
2、実験ステップ
(1)微量培養法を用いて細胞培養を行った。
(2)医薬品希釈:それぞれ12本の遠心分離管内でタンニン酸、リバビリンを細胞培養液[成分要求:DMEM培地(GibcoInvitrogen)、1%二重抗体(GibcoInvitrogen)、10%ウシ胎児血清(FBS;GibcoInvitrogen)]で倍比希釈して、合計12濃度のタンニン酸、リバビリン溶液とした。
(3)各希釈度の医薬品をそれぞれMDCK細胞の孔に加え、希釈度ごとに3個の複孔を設け、1孔当たり100μLとし、同時に正常細胞対照孔を設け、37℃、5%CO2インキュベータで培養した。
(4)細胞病変を毎日観察、記録した。(-)、細胞病変なし;(+)、0~1/4の細胞病変;(++)、1/4~1/2の細胞病変;(+++)、1/2~3/4の細胞病変;(++++)、3/4~1の細胞病変。細胞病変が発生しない医薬品の最小希釈倍数を医薬品の最大無毒濃度(TC0)とし、Reed-Muench式を用いて医薬品の半数有毒濃度(TC50)を算出した。
【0053】
3、実験結果
【0054】
【0055】
実施例4 A型インフルエンザH1N1ウイルスに対するタンニン酸の薬効試験
1、実験材料
(1)医薬品:実験群、タンニン酸;対照群、リバビリン(諾徳薬業(江蘇)有限公司より購入);
(2)細胞株:イヌ腎上皮細胞(MDCK細胞)。
(3)ウイルス:新型インフルエンザH1N1ウイルス;
(4)その他:DMEM培地、96穴培養板。
【0056】
2、実験ステップ
(1)0.25%パンクレアチンで単層MDCK細胞を消化し、1×105個/mLの細胞濃度で接種して培養し、細胞が必要な密度(80~90%)になるまで培養液を吸引し、PBSで2回洗浄した。
(2)細胞群、ウイルス群、リバビリン群、及びタンニン酸群に分け、検査対象医薬品を最大無毒用量(TD0)の薬液で倍比希釈し、12濃度の医薬品含有血清をした。
(3)100 TCID50/100μLのA型H1N1インフルエンザウイルスを各群の細胞に感染させ(細胞群は感染せず、維持液を100μL加えて)、インキュベータ吸着、PBS洗浄などの操作を行った後、リバビリン血清、タンニン酸血清、細胞維持液をそれぞれ加え、医薬品について濃度ごとに3孔とし、100μL/孔とし、37℃、5%CO2インキュベータに入れて培養した。
(4)48時間後に細胞培養上清を回収し、ウイルス核酸抽出に用い、A型H1N1インフルエンザウイルス蛍光定量PCRキットを用いてウイルス相対定量を行い、A型H1N1ウイルス抑制に対するタンニン酸の影響を算出し、半数抑制濃度(IC50)や選択指数(SI)などのパラメータを算出した。
選択指数(SI)=TC50/IC50
TC50(50%毒性濃度):Reed-Muench式を用いて算出
IC50(半数抑制濃度):Reed-Muench式を用いて算出
【0057】
3、実験結果
表4に示すように、タンニン酸は新型インフルエンザウイルスに対して高い抗活性を示し、新型インフルエンザウイルスに対するIC50値は0.0032μM、SIは7343.75であり、陽性対照群のリバビリンの抗ウイルス活性より有意に高く、選択指数も高かった。
【0058】
【0059】
実施例5 アフリカ緑猿腎細胞(Vero-E6細胞)に対するタンニン酸組成物の毒性の測定
1、実験材料
(1)医薬品:実験群、タンニン酸とカテキン、レスベラトロール、グルコン酸亜鉛のそれぞれとを質量比1:1で混合し、3種類の医薬組成物を作製した。対照群、レムデシビル(上海陶素生化科技有限公司より購入)。
(2)その他の実験材料は実施例1と同様であった。
2、実験ステップ:実施例1を参照。
3、実験結果
【0060】
【0061】
実施例6 SARS-CoV-2ウイルスに対するタンニン酸組成物の薬効試験
1、実験材料
(1)医薬品:実施例5と同様。
(2)その他の実験材料は実施例2と同様であった。
2、実験ステップ:実施例2を参照。
3、実験結果
表6に示すように、タンニン酸組成物は高い抗SARS-CoV-2ウイルス活性を示し、陽性対照群のレムデシビルの抗ウイルス活性よりも有意に高く、選択指数も高かった。
【0062】
【0063】
実施例7 イヌ腎上皮細胞(MDCK細胞)に対するタンニン酸組成物の毒性の測定
1、実験材料
(1)医薬品:実施例5と同様。
(2)その他の実験材料は実施例3と同様であった。
2、実験ステップ:実施例3を参照。
3、実験結果
【0064】
【0065】
実施例8 A型H1N1インフルエンザウイルスに対するタンニン酸組成物の薬効試験
1、実験材料
(1)医薬品:実施例5と同様。
(2)その他の実験材料は実施例4と同様であった。
2、実験ステップ:実施例4を参照。
3、実験結果
表8に示すように、タンニン酸組成物は高い抗A型H1N1インフルエンザウイルス活性を示し、陽性対照群のリバビリンの抗ウイルス活性より有意に高く、選択指数も高かった。
【0066】
【0067】
実施例9 抗ウイルススプレー剤
タンニン酸10重量%、カテキン5重量%、ビタミンC 3重量%、及び残部の脱イオン水を成分として含む抗ウイルススプレー剤。
【0068】
実施例10 抗ウイルススプレー剤
タンニン酸5重量%、レスベラトロール5重量%、ローズマリー酸重量3%、残部の脱イオン水を成分として含む抗ウイルススプレー剤。
【0069】
実施例11 抗ウイルスエアゾール剤
タンニン酸5重量%、グルコン酸亜鉛1重量%、脱イオン水8重量%、エタノール2重量%、残部の放出剤としてテトラフルオロエタンを成分として含む抗ウイルスエアゾール剤。
【0070】
実施例12 抗ウイルス経口剤
タンニン酸10重量%、グルコン酸亜鉛10重量%、補助材料2重量%、残部の蒸留水を成分として含む抗ウイルス経口剤。
【0071】
上記の実施例は本発明の優れた実施形態であるが、本発明の実施形態は上記の実施例によって限定されるものではなく、本発明の本質及び原理から逸脱しない他のいかなる変更、修飾、代替、組み合わせ、簡略化も、等価な置換であり、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンニン酸を含む、ことを特徴とする抗新型コロナウイルスSARS-CoV-2薬。
【請求項2】
タンニン酸と抗ウイルス金属塩とを含む、ことを特徴とする抗新型コロナウイルスSARS-CoV-2薬であって、前記抗ウイルス金属塩は、亜鉛塩、鉄塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、タングステン塩又はルビジウム塩であり、前記亜鉛塩は硫酸亜鉛又はグルコン酸亜鉛であり、前記鉄塩はグルコン酸第一鉄であり、前記カルシウム塩はグルコン酸カルシウムであり、前記タングステン塩はタングステン酸ナトリウムであり、前記ルビジウム塩はヨウ化ルビジウムである、医薬。
【請求項3】
薬学的に許容される補助材料をさらに含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医薬。
【請求項4】
経口剤である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬。
【請求項5】
スプレー剤である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬。
【請求項6】
エアゾール剤である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬。
【請求項7】
注射剤である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
さらに、前記呼吸器ウイルスは、コロナウイルス科ウイルス及びノルマルミクソウイルス科ウイルスを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
実施例8 A型H1N1インフルエンザウイルスに対するタンニン酸組成物の薬効試験
1、実験材料
(1)医薬品:実験群について実施例5と同様。対照群について実施例4と同様
(2)その他の実験材料は実施例4と同様であった。
2、実験ステップ:実施例4を参照。
3、実験結果
表8に示すように、タンニン酸組成物は高い抗A型H1N1インフルエンザウイルス活性を示し、陽性対照群のリバビリンの抗ウイルス活性より有意に高く、選択指数も高かった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
上記の実施例は本発明の優れた実施形態であるが、本発明の実施形態は上記の実施例によって限定されるものではなく、本発明の本質及び原理から逸脱しない他のいかなる変更、修飾、代替、組み合わせ、簡略化も、等価な置換であり、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
本発明の実施態様には、以下の態様が含まれる。
1. 抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸の使用。
2. 抗呼吸器ウイルス薬の製造におけるタンニン酸誘導体又はタンニン酸構造類似体の使用。
3. 前記抗呼吸器ウイルスはコロナウイルス科ウイルス及びオルソミクソウイルス科ウイルスを含む、ことを特徴とする項1又は2に記載の使用。
4. 前記コロナウイルス科ウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS-CoV、HCoV-229E、HCoV-NL63、HCoV-OC43、HCoV-HKU1を含むコロナウイルス属ウイルスである、ことを特徴とする項3に記載の使用。
5. 前記オルソミクソウイルス科ウイルスは、A型インフルエンザウイルス属、B型インフルエンザウイルス属、C型インフルエンザウイルス属を含む、ことを特徴とする項3に記載の使用。
6. タンニン酸を含む、ことを特徴とする抗呼吸器ウイルス薬。
7. タンニン酸誘導体、タンニン酸構造類似体のいずれか1種又は2種をさらに含む、ことを特徴とする項6に記載の医薬品。
8. ポリフェノール系化合物、抗ウイルス金属塩のうちの1種又は2種をさらに含む、ことを特徴とする項6に記載の医薬品。
9. 前記抗ウイルス金属塩は、亜鉛塩、鉄塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、タングステン塩及びルビジウム塩を含む、ことを特徴とする項8に記載の医薬品。
10. 経口剤、スプレー剤、エアゾール剤又は注射剤である、ことを特徴とする項9に記載の医薬品。
11. タンニン酸を有効成分として含む、ことを特徴とする抗ウイルススプレー剤。
12. タンニン酸5~20重量部、ポリフェノール系化合物1~50重量部、添加剤1~15重量部、残部の水を成分として含む、ことを特徴とする項11に記載の抗ウイルススプレー剤。
13. タンニン酸を有効成分として含む、ことを特徴とする抗ウイルスエアゾール剤。
14. タンニン酸1~20重量部、抗ウイルス金属塩0~10重量部、添加剤1~15重量部及び残部の推進剤を成分として含む、ことを特徴とする項13に記載の抗ウイルスエアゾール剤。
15. タンニン酸を有効成分として含む、ことを特徴とする抗ウイルス経口剤。
16. タンニン酸3~20重量部、抗ウイルス金属塩1~15重量部、添加剤1~15重量部、残部の水を成分として含む、ことを特徴とする項15に記載の抗ウイルス経口剤。
【国際調査報告】