(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-12
(54)【発明の名称】バックラッシレスの遊星歯車機構
(51)【国際特許分類】
F16H 1/28 20060101AFI20220905BHJP
F16H 55/18 20060101ALI20220905BHJP
F16H 1/46 20060101ALI20220905BHJP
F16H 57/12 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
F16H1/28
F16H55/18
F16H1/46
F16H57/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021577028
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020062885
(87)【国際公開番号】W WO2020259906
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】102019117227.6
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ディアク レットウ
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン キアシュバウム
(72)【発明者】
【氏名】イェンス-ハウケ ミュラー
【テーマコード(参考)】
3J027
3J030
【Fターム(参考)】
3J027FA04
3J027GA01
3J027GB03
3J027GC13
3J027GC23
3J027GE05
3J030AA04
3J030AB01
3J030AB09
3J030BA01
3J030BB18
(57)【要約】
本発明は、遊星歯車機構であって、太陽歯車(2)と、環状歯車(1)と、少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)と、少なくとも1つの第2の遊星歯車(4)とを備え、第1の遊星歯車(3)と第2の遊星歯車(4)とが、遊星枠(7)に配置されており、太陽歯車(3)と、環状歯車(1)と、第1の遊星歯車(3)と、第2の遊星歯車(4)とが、互いに噛み合っている、遊星歯車機構に関する。この遊星歯車機構は、遊星枠(7)が、第1の遊星枠部材(8)と第2の遊星枠部材(9)とを有し、第1の遊星枠部材(8)と第2の遊星枠部材(9)とが、基本位置から出発して互いに相対的に回動させられて、所定の回動位置で互いに位置固定することができるように構成されており、少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)が、第1の遊星枠部材(8)に結合されており、少なくとも1つの第2の遊星歯車(4)が、第2の遊星枠部材(9)に結合されていることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車機構であって、太陽歯車(2)と、環状歯車(1)と、少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)と、少なくとも1つの第2の遊星歯車(4)とを備え、
- 前記第1の遊星歯車(3)と前記第2の遊星歯車(4)とは、遊星枠(7)に配置されており、
- 前記太陽歯車(3)と、前記環状歯車(1)と、前記第1の遊星歯車(3)と、前記第2の遊星歯車(4)とは、互いに噛み合っている、
遊星歯車機構において、
前記遊星枠(7)は、第1の遊星枠部材(8)と第2の遊星枠部材(9)とを有し、前記第1の遊星枠部材(8)と前記第2の遊星枠部材(9)とは、基本位置から出発して互いに相対的に回動させられて、所定の回動位置で互いに位置固定することができるように構成されており、
前記少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)は、前記第1の遊星枠部材(8)に結合されており、前記少なくとも1つの第2の遊星歯車(4)は、前記第2の遊星枠部材(9)に結合されている
ことを特徴とする、遊星歯車機構。
【請求項2】
前記第1の遊星枠部材(8)は、2つの外在のディスク(10,11)によって形成されており、前記第2の遊星枠部材(9)は、前記2つの外在のディスク(10,11)の間に実質的に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の遊星歯車機構。
【請求項3】
前記第2の遊星枠部材(9)は、前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)から前記第2の遊星枠部材(9)の方向に作用する保持力によって、前記第1の遊星枠部材(8)の位置と前記第2の遊星枠部材(9)の位置とが互いに確定されるように、前記2つの外在のディスク(10,11)の間に配置されていることを特徴とする、請求項2記載の遊星歯車機構。
【請求項4】
前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)は、前記少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)の軸(14)によって互いに結合されていることを特徴とする、請求項2または3記載の遊星歯車機構。
【請求項5】
前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)は、少なくとも1つの調整ねじ(18)、特に六角穴付きねじとして形成された少なくとも1つの調整ねじ(18)によって互いに結合されていることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載の遊星歯車機構。
【請求項6】
前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)を互いに結合する前記少なくとも1つの調整ねじ(18)は、前記第2の遊星枠部材(9)の少なくとも1つの孔を通って延在しており、前記第2の遊星枠部材(9)の前記少なくとも1つの孔は、前記調整ねじ(18)が前記第2の遊星枠部材(8)の前記少なくとも1つの孔を通って延在している間でも、前記少なくとも1つの調整ねじ(18)を緩めた際に前記第2の遊星枠部材(9)に対する前記第1の遊星枠部材(8)の回動が可能となるように、前記調整ねじ(18)の直径よりも大きく形成されていることを特徴とする、請求項5記載の遊星歯車機構。
【請求項7】
単段式の遊星歯車機構として形成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の遊星歯車機構。
【請求項8】
多段式の遊星歯車機構として形成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の遊星歯車機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊星歯車機構であって、太陽歯車と、環状歯車と、少なくとも1つの第1の遊星歯車と、少なくとも1つの第2の遊星歯車とを備え、第1の遊星歯車と第2の遊星歯車とは、遊星枠に配置されており、太陽歯車と、環状歯車と、第1の遊星歯車と、第2の遊星歯車とは、互いに噛み合っている、遊星歯車機構に関する。
【0002】
特に遊星歯車機構(または遊星歯車装置とも呼ばれる)に関連した伝動機構技術では、互いに係合するかもしくは噛み合う歯車同士の歯面バックラッシを調整するかまたは特に最小限に抑えることができるようにすることが所望されている。可能な限りバックラッシレスの遊星歯車機構を達成するために、先行技術に基づき、すでに種々異なる手段が公知である。この場合、これは、周方向バックラッシレスのまたはバックラッシレスの遊星歯車機構のことを云っている。
【0003】
欧州特許出願公開第2735767号明細書に基づき、例えば請求項1の前提部に記載の遊星歯車機構がすでに公知である。欧州特許出願公開第2735767号明細書に記載の遊星歯車機構は、太陽歯車と、環状歯車と、さらに、複数の遊星歯車とを有している。それぞれ1つの群の遊星歯車が、固有の遊星枠に配置されていて、この遊星枠に結合されている。歯面バックラッシを最小限に抑えるために、互いに分離された構成部材として設けられた両方の別体の遊星枠が、弾性的なばね要素によって再び互いに結合されている。これによって、遊星歯車機構の組立て時に、まず、一方の遊星枠に割り当てられた遊星歯車を、太陽歯車の歯面および環状歯車の歯面のうちの片面に一方の回動方向で当て付けることができる。その後、他方の遊星枠を、この遊星枠に割り当てられた遊星歯車と共に、結合用のばね要素の抵抗に抗して回動させることができる。その後、最後に、これらの回動させられた遊星歯車を、太陽歯車の歯面および環状歯車の歯面のうちの他面に逆回動方向で当て付けることができる。これによって、歯面バックラッシが最終的に最小限に抑えられている。
【0004】
しかしながら、欧州特許出願公開第2735767号明細書に基づき公知の遊星歯車機構には、歯面バックラッシを最小限に抑えるための記載された手段が、2つの遊星歯車セットと、互いに別体で設けられた2つの遊星枠とを備えた遊星歯車機構でしか可能とならないという欠点がある。つまり、2つの遊星歯車セットが、軸線方向の互いに異なる位置に設けられていなければならず、これによって、両方の遊星歯車セットの、軸線方向で互いに離間させられた遊星歯車が、互いに相対的に回動させられて、それぞれ環状歯車と太陽歯車とにアライメントされることになる。したがって、このような遊星歯車装置の構造上の手間が比較的増えてしまう。組立てのためには、まず、一方の遊星歯車セットがアライメントされて、太陽歯車と環状歯車とに係合されなければならず、次いで、他方の遊星歯車セットの回動後、この他方の遊星歯車セットがさらにアライメントされて、太陽歯車と環状歯車とに係合されなければならない。これに相応して、組立て手間もしくは歯面バックラッシを調整するための手間も比較的増えてしまう。さらに、第2の遊星歯車セットの遊星歯車が、組立て中にばね要素の戻し力に抗して回動させられ、太陽歯車および環状歯車との係合によって、この位置に固定されなければならない。このとき、遊星歯車が係合前に、調整されていない位置に再び戻ってしまい、ひいては、より大きな歯面バックラッシが生じてしまうリスクがある。さらに、第2の遊星歯車セットの過度に強力な回動が行われ、その結果、両方の遊星歯車セットに互いに相対的に過度に強い予荷重が加えられてしまうという対照的なリスクがある。
【0005】
本発明の課題は、複数の遊星歯車と、太陽歯車と、環状歯車との間の歯面バックラッシの調整可能性をより少ない手間で実現する遊星歯車機構を提供することである。その際、構造が可能な限り簡単であることが望ましい。
【0006】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する遊星歯車機構によって解決される。
【0007】
詳細には、本発明に係る遊星歯車機構は、遊星枠が、第1の遊星枠部材と第2の遊星枠部材とを有しており、第1の遊星枠部材と第2の遊星枠部材とが、基本位置から出発して互いに相対的に回動させられて、所定の回動位置で互いに位置固定することができるように構成されており、少なくとも1つの第1の遊星歯車が、第1の遊星枠部材に結合されており、少なくとも1つの第2の遊星歯車が、第2の遊星枠部材に結合されていることを特徴としている。
【0008】
本発明にとって重要なのは、少なくとも2つの遊星歯車を備えた遊星枠が二分割されて形成されていると、遊星枠の両方の部材を互いに相対的に回動させることができるという知見である。さらに、この場合それぞれ、遊星枠の一方の部材にそれぞれ1つ以上もの遊星歯車が割り当てられており、遊星枠の他方の部材に1つ以上の別の遊星歯車が割り当てられていることによって、遊星枠部材同士の回動により、遊星歯車の位置も互いに変化させることができる。したがって、遊星枠部材の回動によって、遊星歯車がその円軌道もしくは軌道曲線に沿って互いに逆方向に移動することができるのに対して、太陽歯車と環状歯車とは位置不変のままである。こうして、各々の遊星歯車を、互いに異なる回動方向で見て、環状歯車の歯面もしくは太陽歯車の歯面に当て付けることができる。
【0009】
「両方の遊星枠部材を互いに相対的に回動させる」とは、遊星枠の軸線を中心とした回動を意味している。つまり、このような回動の結果、各々の遊星枠部材に割り当てられた遊星歯車の運動もしくは各々の遊星歯車の運動が生じる。このことは、各々の遊星歯車もしくは複数の遊星歯車が太陽歯車および環状歯車との噛み合い中に移動する円軌道上もしくは軌道曲線上での遊星歯車の運動にも相当している。つまり、円軌道上もしくは軌道曲線上での遊星歯車の運動は、この遊星歯車に割り当てられた遊星枠部材の運動に結び付けられていて、遊星歯車が遊星枠部材の回動に従動するようになっている。
【0010】
「第1の遊星枠部材」および「第2の遊星枠部材」とは、本明細書では、確かに、互いに別体の構成部材であり得るが、しかしながら、両方の遊星枠部材は一緒に1つの遊星枠を形成していることを意味している。各々の遊星枠部材には、少なくとも1つの遊星歯車が割り当てられている。つまり、少なくとも1つの遊星歯車が各々の遊星枠部材に結合されており、これによって、組み立てられた状態において、第1の遊星枠部材と第2の遊星枠部材とから形成された遊星枠が、単段の少なくとも2つの遊星歯車を有している。これら2つの遊星歯車は、1つの軌道曲線上で太陽歯車と環状歯車とに沿って噛み合っている。本明細書では、「第1の遊星枠部材」および「第2の遊星枠部材」とは、互いに分離された別体の2つの遊星枠を意味するものではない。これら2つの遊星枠は、それぞれ異なる複数の遊星歯車セットを有しており、これらの遊星歯車セット自体は、それぞれ1つの軌道曲線上で太陽歯車と環状歯車とに沿って噛み合っている。したがって、本発明によって、同一の軌道曲線に沿って太陽歯車と環状歯車とに噛み合った遊星歯車の歯面バックラッシを調整することが可能となる。
【0011】
したがって、本発明に係る遊星歯車機構によって、第1の遊星歯車の位置と第2の遊星歯車の位置との互いに相対的な調整可能性が実現される。また、ただ1つの第1の遊星歯車よりも多くの第1の遊星歯車が設けられていてもよい。例えば、周転軌道もしくは軌道曲線で見て互いに向かい合って位置する2つの遊星歯車と、同じく周転軌道もしくは軌道曲線で見て互いに向かい合って位置する2つの更なる遊星歯車とが予め設けられていてよい。この場合、これは、本発明の範囲内では、2つの第1の遊星歯車と2つの第2の遊星歯車のことを云っている。この場合、例えば、両方の第1の遊星歯車を、これらが結合された第1の遊星枠部材と一緒に回動させることができ、ひいては、両方の第1の遊星歯車の位置を周転軌道上もしくは軌道曲線上で一緒に変化させることができるのに対して、両方の第2の遊星歯車は、例えば、これらに割り当てられ、これらに結合された第2の遊星枠部材と共に位置保持される。また、任意の個数の遊星歯車が設けられていてもよい。重要なのは、両方の遊星枠部材を互いに相対的に回動させることにより、それぞれ異なる遊星歯車をその位置に関して周転軌道上もしくは軌道曲線上で互いに相対的に調整することができることでしかない。
【0012】
さらに、本発明に係る遊星歯車機構は、単段式の遊星歯車機構であってもよいし、多段式の遊星歯車機構であってもよい。
【0013】
遊星歯車機構の第1の有利な改良形態によれば、第1の遊星枠部材は、2つの外在のディスクによって形成されており、第2の遊星枠部材は、2つの外在のディスクの間に実質的に配置されていてよい。これによって、特に構成スペースを節約した実施形態が達成される。「外在のディスク」とは、本明細書では、両方のディスクが、遊星歯車の互いに反対側に配置されていることを意味している。言い換えると、遊星歯車の軸線の方向で見て、遊星歯車が両方のディスクの間に配置されている。「2つの外在のディスクの間に実質的に配置されて」という表現は、本明細書では、このように配置された第2の遊星枠部材が、両方の外在のディスクの間に完全に延在している必要はないが、両者間にこの第2の遊星枠部材のメイン部分が配置されていることを意味している。
【0014】
遊星歯車機構の有利な一実施形態によれば、第2の遊星枠部材は、第1の遊星枠部材の2つの外在のディスクから第2の遊星枠部材の方向に作用する保持力によって、第1の遊星枠部材の位置と第2の遊星枠部材の位置とが互いに確定されるように、2つの外在のディスクの間に配置されていてよい。この実施形態では、遊星歯車機構の組み立てられた状態でもしくは遊星歯車機構が作動している際に、保持力を両方の外在のディスクから、これらの間に配置された第2の遊星枠部材に、例えば両方のディスクを結合する結合手段によって加えることができる。その後、例えば、この結合手段を緩めることによって、両方の遊星枠部材の互いに相対的な再度の回動可能性を達成することができる。両方のディスクを押し合わせるかもしくは結合する保持力がまた緩められると、第1の遊星枠部材と第2の遊星枠部材とを互いに相対的に回動させることができる。つまり、両方の遊星枠部材の互いに相対的な基本的に可能な回動可能性は、組付け状態もしくは作動状態において、保持力が外在のディスクによって維持されることにより阻止することができる。これに対して、その後、保持力もしくは保持力の結果として生じる押圧力を緩めることによって、両方の遊星枠部材の基本的な回動可能性が再度達成される。
【0015】
遊星歯車機構の有利な一実施形態によれば、第1の遊星枠部材の2つの外在のディスクは、少なくとも1つの第1の遊星歯車の軸によって互いに結合されていてよい。複数の第1の遊星歯車の場合には、ディスク同士が全ての第1の遊星歯車の軸によって互いに結合されていてもよい。これによって、構造的に簡単な実施形態が得られる。なぜならば、両方のディスクを結合するために、数少ない更なる構成部材しか必要とならないからである。
【0016】
遊星歯車機構の有利な一実施形態によれば、第1の遊星枠部材の2つの外在のディスクは、少なくとも1つの調整ねじによって互いに結合されていてよい。この調整ねじは、特に六角穴付きねじであってよい。また、両方のディスクを結合するために、複数の調整ねじが設けられていてもよい。好適には、1つ以上の調整ねじは、遊星歯車の軸から離間させられて、特に好適には、遊星歯車の軸と比較して全周にわたって均等に分配されて配置されていてよい。調整ねじは、この調整ねじのねじ頭が、2つの外在のディスクのうちの一方のディスクの外面を越えて突出しているのに対して、調整ねじの他端では、調整ねじのねじ山が、2つの外在のディスクのうちの他方のディスクに係合しているように配置されていてよい。この場合、1つ以上の調整ねじを固定することによって、第1の遊星枠部材の位置と第2の遊星枠部材の位置とを互いに固定もしくは確定することができるのに対して、1つ以上の調整ねじを緩めることによって、両方の遊星枠部材の回動可能性ひいては遊星歯車相互の調整および歯面バックラッシの調整が実現される。
【0017】
遊星歯車機構の有利な一実施形態によれば、第1の遊星枠部材の2つの外在のディスクを互いに結合する少なくとも1つの調整ねじは、第2の遊星枠部材の少なくとも1つの孔を通って延在しており、第2の遊星枠部材の少なくとも1つの孔は、調整ねじが第2の遊星枠部材の少なくとも1つの孔を通って延在している間でも、少なくとも1つの調整ねじを緩めた際に第2の遊星枠部材に対する第1の遊星枠部材の回動が可能となるように、調整ねじの直径よりも大きく形成されていてよい。複数の調整ねじと、第2の遊星枠部材への複数の調整ねじ用の複数の孔とを設ける場合にも同じことが云える。これによって、遊星歯車装置のすでに組み立てられた状態での遊星歯車相互の調整可能性も、簡単に取り扱える形で保証されている。環状歯車と、太陽歯車と、遊星枠に組み付けられた遊星歯車とがすでに互いに噛み合っていれば、1つ以上の調整ねじを簡単に緩めることができる。その後、これによって、外在の第1の遊星枠部材を、これに結合された遊星歯車ならびに第1の遊星枠部材の両方の外在のディスクを引き続き結合する調整ねじと共に回動させることができる。この回動は、各々の孔を通って延在する調整ねじに対して、より大きな孔が第2の遊星枠部材に提供するマージンによって可能となる。好適な一実施形態では、設けられた調整ねじが、例えばM5×24ねじであってよいのに対して、第2の遊星枠部材に設けられた孔は、6mmの直径を有していて、ひいては、少なくとも第2の遊星枠部材の孔の内部での調整ねじのある程度の移動用の十分な運動マージンを提供している。特に複数の孔が第2の遊星枠部材に設けられていてよい。この第2の遊星枠部材は、例えば、互いに反対側に位置する2つのディスクから形成されていてよい。これら2つのディスクの間に遊星歯車が配置されている。この場合、各々の調整ねじのために、すでに第2の遊星枠部材の両方のディスクの各々にそれぞれ1つの孔が設けられていてよい。つまり、この場合、調整ねじ1つにつき、第2の遊星枠部材がすでに2つの孔を有していてよい。
【0018】
本発明を以下の図面に基づき詳しく説明する。図面は単に例示的なものを意味するにすぎず、特に本発明のただ1つの好適な実施例を示しているにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】遊星枠の図示を省いた本発明に係る遊星歯車機構の概略的な正面図である。
【
図2】遊星歯車装置の環状歯車と太陽歯車との図示を省いた本発明に係る遊星歯車機構の遊星枠の斜視図である。
【
図3】
図2に示した遊星枠を反対側から見た別の斜視図である。
【
図4A】
図4に示したA-A切断線による本発明に係る遊星歯車機構の断面図である。
【
図4B】
図4に示したB-B切断線による本発明に係る遊星歯車機構の断面図である。
【
図4C】
図4に示したC-C切断線による本発明に係る遊星歯車機構の断面図である。
【
図4D】
図4に示したD-D切断線による本発明に係る遊星歯車機構の断面図である。
【0020】
図1には、本発明に係る遊星歯車機構が示してある。この遊星歯車機構は、環状歯車1と中央の太陽歯車2とを備えている。環状歯車1と太陽歯車2とに噛み合ってもしくは係合して、さらに、全部で4つの遊星歯車、つまり、2つの第1の遊星歯車3と2つの更なる遊星歯車4とが設けられている。両方の第1の遊星歯車3はその軌道曲線に関して互いに向かい合って配置されており、両方の第2の遊星歯車4についても同様のことが云える。
【0021】
第1の遊星歯車3と第2の遊星歯車4とは、
図1に示していない遊星枠に結合されている。そして、この遊星枠は、別図に関連する以下の説明において明らかとなるように、二分割されて形成されている。
【0022】
本発明において重要なのは、両方の遊星枠部材の相対的な調整を介して、各々の遊星枠部材に割り当てられた遊星歯車も調整され、こうして、第1の遊星歯車3と、第2の遊星歯車4と、太陽歯車2と、環状歯車1との間の歯面バックラッシを調整することができるかもしくは最小限に抑えることができるという知見である。
図1に実線の矢印5によって示したように、両方の第1の遊星歯車3をその軌道曲線に沿って、第1の遊星歯車3に割り当てられた遊星枠部材の回動を介して一緒に移動させることができる。実線の矢印5と逆方向への回動もしくは移動も可能である。また、
図1に破線の矢印6によって示したように、両方の第2の遊星歯車4もその軌道曲線に沿って、第2の遊星歯車4に割り当てられた遊星枠部材の回動を介して一緒に移動させることができる。破線の矢印6と逆方向への回動もしくは移動も可能である。
【0023】
第1の遊星歯車3および/または第2の遊星歯車4の上述した移動もしくは回動によって、これらの遊星歯車の歯面を環状歯車1の歯面もしくは太陽歯車2の歯面に当て付けることができる。これによって、バックラッシを最小限に抑えることができ、バックラッシレスの遊星歯車機構を得ることができる。
【0024】
図2および
図3には、本発明に係る遊星歯車機構の遊星枠7が斜視図で示してある。この遊星枠7は、第1の遊星枠部材8と第2の遊星枠部材9とを有している。第1の遊星枠部材8は、2つの外在のディスク10,11によって形成されており、第2の遊星枠部材9は、2つの外在のディスク10,11の間に実質的に配置されている。図示の構成では、特に
図3と一緒に参照することに基づき認めることができるように、第2の遊星枠部材9も、互いに反対側に位置する2つのディスク12,13によって形成されている。
【0025】
図示の構成では、第1の遊星歯車3が第1の遊星枠部材8に結合されており、第2の遊星歯車4が第2の遊星枠部材9に結合されていることが重要となる。このことは、軌道曲線上の位置に関して、第1の遊星歯車3の位置が第1の遊星枠部材8の位置に確実に関連しているのに対して、第2の遊星歯車4の位置は第2の遊星枠部材9の位置と相関関係にあることを意味している。このことは、第1の遊星歯車3の軸14が、第1の遊星枠部材8の2つの外在のディスク10,11にまで延在していることで認めることができる。軸14は、両方のディスク10,11の孔15内に支承されており、これによって、ディスク10,11もしくは第1の遊星枠部材8の回動の結果、第1の遊星歯車3がその軌道曲線に沿って運動させられる。これに対して、第2の遊星歯車4は、
図2には示していないものの
図3には認めることができる軸17を有している。この軸17は、第1の遊星枠部材8の外在のディスク10,11にまで延在していない。このことは、ディスク10,11に設けられた孔16に基づき認めることができる。この孔16内に第2の遊星歯車4の軸17は支承されていない。したがって、第2の遊星歯車4の位置は第1の遊星枠部材8の位置に左右されない。
【0026】
むしろ、第2の遊星歯車4の位置は第2の遊星枠部材9の位置に結び付けられている。
図3に基づき明らかであるように、第2の遊星歯車4の軸17は、確かに、ディスク10の孔16内(ならびに
図2に認めることができるようにディスク11の孔16内)にまで延在しておらず、軸17は第2の遊星枠部材9のディスク12;13に支承されている。こうして、第2の遊星枠部材9が位置不変のままである間、第1の遊星枠部材8が回動させられると、第1の遊星歯車3と第2の遊星歯車4とが、その軌道曲線上で互いに相対的に運動させられる。したがって、歯面バックラッシを調整することができると共に最小限に抑えることができる。
【0027】
第1の遊星枠部材8と第2の遊星枠部材9とは、基本位置から出発して互いに相対的に回動させられて、所定の回動位置で互いに位置固定することができるように構成されている。
【0028】
このためには、すでに前述したように、第1の遊星枠部材8の2つの外在のディスク10,11が、第1の遊星歯車3の軸14によって互いに結合されている。さらに、第1の遊星枠部材8の2つの外在のディスク10,11は、この限りにおいて好適な図示の実施例では、六角穴付きねじとして形成された2つの調整ねじ18によって互いに結合されている。
【0029】
調整ねじ18は、ディスク10,11の周に関して互いに向かい合って配置されている。さらに、調整ねじ18は、2つの隣り合った第1の遊星歯車の軸14と第2の遊星歯車4の軸17との中間に配置されている。しかしながら、この限りにおいて好適な図示の実施例では、調整ねじ18は、全ての隣り合った第1の遊星歯車3の軸14と第2の遊星歯車4の軸17との間には設けられていない。
【0030】
むしろ、さらに、第2の遊星枠部材9の、同じく六角穴付きねじとして形成された単純な結合ねじ19が設けられている。この結合ねじ19は、第2の遊星枠部材9の両方のディスク12,13を互いに結合し、ひいては、第2の遊星枠部材9を形成するために用いられるにすぎない。調整ねじ18と、結合ねじ19と、第1の遊星歯車3の軸14と、第2の遊星歯車4の軸17とは、ディスク10,11,12,13の全周にわたって均等に分配されて配置されている。
【0031】
調整ねじ18は、さらに、
図2と
図3とを一緒に参照することに基づき明らかであるように、調整ねじ18のねじ頭20が、2つの外在のディスク10,11のうちの一方のディスク10の外面を越えて突出しているのに対して、調整ねじ18の他端では、調整ねじ18のねじ山が、2つの外在のディスク10,11のうちの他方のディスク11に係合しているように配置されている。したがって、調整ねじ18を固定することによって、第1の遊星枠部材8の位置と第2の遊星枠部材9の位置とが互いに固定もしくは確定されるのに対して、調整ねじ18を緩めることによって、両方の遊星枠部材8,9の回動可能性ひいては第1の遊星歯車3と第2の遊星歯車4との相互の調整および歯面バックラッシの調整が実現される。
【0032】
歯面バックラッシを調整するかもしくは最小限に抑えるために、詳細には、本発明に係る遊星歯車機構の組立て後、以下のようなプロセスが行われてよい。まず、六角穴付きねじとしてディスク10の上側から容易にアクセスが可能となる調整ねじ18が緩められてよい。その後、第1の遊星枠部材8が、これに結合された第1の遊星歯車3と共に回動させられてよく、これによって、第1の遊星歯車3がその軌道曲線に沿って、位置不変のままの第2の遊星歯車4と、第2の遊星枠部材9とに対して相対的に運動させられる。最後に、調整ねじ18が再び締め付けられてよく、こうして、第1の遊星枠部材8と第2の遊星枠部材9との相互の位置ならびに第1の遊星歯車3と第2の遊星歯車4との位置を固定もしくは確定することができる。
【0033】
第2の遊星枠部材9は、第1の遊星枠部材8の2つの外在のディスク10,11から第2の遊星枠部材9の方向に作用する保持力によって、第1の遊星枠部材8の位置と第2の遊星枠部材9の位置とが互いに確定されるように、2つの外在のディスク10,11の間に配置されている。両方のディスク10,11を結合するかもしくは両方のディスク10,11の保持力を加えることは、調整ねじ18を締め付けることによって達成される。再度、調整ねじ18が緩められると、第1の遊星枠部材8と第2の遊星枠部材9とを再び互いに相対的に回動させることができる。
【0034】
結合ねじ19のねじ頭は、調整ねじ18のねじ頭と異なり、第1の遊星枠部材8のディスク10の外面を越えて突出していない。こうして、調整ねじ18を外側から一目で結合ねじ19と区別することができ、これによって、歯面バックラッシの所望の調整の場合に結合ねじ19を誤って緩めてしまうことを効果的に回避することができる。
【0035】
本発明の更なる詳細もしくは有利な構成は、
図4、相応の断面図である
図4A、
図4B、
図4Cおよび
図4Dならびに斜視図である
図5に基づき明らかとなる。図中、同じ特徴には同じ符号が付してある。この限りにおいて、前述した記載が、これらの更なる図面にも当てはまるため、説明の繰返しは避けることにする。
【0036】
図4を
図4Dと一緒に参照することに基づき特に明らかとなるように、第1の遊星枠部材8の2つの外在のディスク10;11を互いに結合する調整ねじ18は、第2の遊星枠部材9のそれぞれ1つの孔21を通って延在している。第2の遊星枠部材9の孔21はそれぞれ、調整ねじ18がさらに第2の遊星枠部材9の各々の孔21を通って延在している間でも、調整ねじ18を緩めた際に第2の遊星枠部材9に対する第1の遊星枠部材8の回動が可能となるように、調整ねじ18の直径よりも大きく形成されている。第2の遊星枠部材9における孔21は、各々のディスク12,13に設けられている。これらの孔21が調整ねじ18の直径よりも大きく形成されていることによって、第1の遊星枠部材8を第2の遊星枠部材9に対して回動させ、ひいては、第1の遊星歯車3を第2の遊星歯車4に対して相対的に移動させることができる運動マージンが提供される。この回動可能性もしくは回動可能性の結果として得られる歯面バックラッシの調整可能性は、調整ねじ18を緩めた際に実現される。ただし、調整ねじ18は、もはや、第1の遊星枠部材8の両方のディスク10,11が、両方の遊星枠部材8,9相互の相対運動を阻止するために予め必要となるほど強く押し合わされない程度に緩められていさえすればよい。つまり、両方の遊星枠部材8,9の互いに相対的な回動を可能にするためには、両方のディスク10,11から第2の遊星枠部材9に加えられる保持力が緩められなければならない。逆に、その後、調整ねじ18が再び締め付けられ、第1の遊星枠部材8のディスク10,11が、第2の遊星枠部材9の内在の更なるディスク12,13に向かって押圧されることにより、両方の遊星枠部材8,9の位置を再度固定することができ、これによって、遊星枠部材8,9相互の相対運動が再び効果的に阻止される。
【0037】
この限りにおいて好適な図示の実施例では、調整ねじ18が、例えばM5×24ねじであってよい。この場合、ディスク12,13に設けられた孔21は、6mmの直径を有する孔であってよく、これによって、調整ねじ18を緩めた際、この調整ねじ18が孔21ひいては第2の遊星枠部材9のディスク12,13を通って延在している場合でも、両方の遊星枠部材8,9の互いに相対的なある程度の回動可能性が保証されている。
【0038】
図4Cにさらに示したように、この限りにおいて好適な図示の実施例では、両方の遊星枠部材8,9の回動可能性は、さらに、ディスク10が、結合ねじ19のねじ頭よりも大きな直径を有する孔22を有していることによって保証されている。具体的には、本実施例では、結合ねじ19として、8.5mmの直径を有するねじ頭を備えたM5×16ねじが設けられていてよいのに対して、ディスク10に設けられた孔22は、10mmの直径を有していて、ひいては、第1の遊星枠部材8に対する、ディスク12,13と結合ねじ19とを含めた第2の遊星枠部材9の相対運動用のクリアランスとして働く。
【0039】
図4Bにさらに示したように、この限りにおいて好適な図示の実施例では、両方の遊星枠部材8,9の回動可能性は、さらに、ディスク12,13が、それぞれ第1の遊星歯車3の軸14用の孔23を有していることによって保証されている。この孔23は、軸14よりも大きな直径を有している。具体的には、本実施例では、4mmの直径を有する軸14が設けられていてよい。第2の遊星歯車4の軸17も4mmの直径を有している。これに対して、ディスク12,13に設けられた孔23は、5mmの直径を有しており、これによって、軸14が貫通した孔23を有するディスク12,13を含めた第2の遊星枠部材9に対する、ディスク10,11と第1の遊星歯車3およびその軸14とを含めた第1の遊星枠部材8の相対運動用のクリアランスが保証されている。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車機構であって、太陽歯車(2)と、環状歯車(1)と、少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)と、少なくとも1つの第2の遊星歯車(4)とを備え、
- 前記第1の遊星歯車(3)と前記第2の遊星歯車(4)とは、遊星枠(7)に配置されており、
- 前記太陽歯車(3)と、前記環状歯車(1)と、前記第1の遊星歯車(3)と、前記第2の遊星歯車(4)とは、互いに噛み合って
おり、
前記遊星枠(7)は、第1の遊星枠部材(8)と第2の遊星枠部材(9)とを有し、前記第1の遊星枠部材(8)と前記第2の遊星枠部材(9)とは、基本位置から出発して互いに相対的に回動させられて、所定の回動位置で互いに位置固定することができるように構成されており、
前記少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)は、前記第1の遊星枠部材(8)に結合されており、前記少なくとも1つの第2の遊星歯車(4)は、前記第2の遊星枠部材(9)に結合されて
おり、
前記第1の遊星枠部材(8)は、2つの外在のディスク(10,11)によって形成されており、前記第2の遊星枠部材(9)は、前記2つの外在のディスク(10,11)の間に実質的に配置されている、
遊星歯車機構において、
前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)は、少なくとも1つの調整ねじ(18)、特に六角穴付きねじとして形成された少なくとも1つの調整ねじ(18)によって互いに結合されていることを特徴とする、遊星歯車機構。
【請求項2】
前記第2の遊星枠部材(9)は、前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)から前記第2の遊星枠部材(9)の方向に作用する保持力によって、前記第1の遊星枠部材(8)の位置と前記第2の遊星枠部材(9)の位置とが互いに確定されるように、前記2つの外在のディスク(10,11)の間に配置されていることを特徴とする、請求項
1記載の遊星歯車機構。
【請求項3】
前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)は、前記少なくとも1つの第1の遊星歯車(3)の軸(14)によって互いに結合されていることを特徴とする、請求項
1または
2記載の遊星歯車機構。
【請求項4】
前記第1の遊星枠部材(8)の前記2つの外在のディスク(10,11)を互いに結合する前記少なくとも1つの調整ねじ(18)は、前記第2の遊星枠部材(9)の少なくとも1つの孔を通って延在しており、前記第2の遊星枠部材(9)の前記少なくとも1つの孔は、前記調整ねじ(18)が前記第2の遊星枠部材(8)の前記少なくとも1つの孔を通って延在している間でも、前記少なくとも1つの調整ねじ(18)を緩めた際に前記第2の遊星枠部材(9)に対する前記第1の遊星枠部材(8)の回動が可能となるように、前記調整ねじ(18)の直径よりも大きく形成されていることを特徴とする、請求項
1から3までのいずれか1項記載の遊星歯車機構。
【請求項5】
単段式の遊星歯車機構として形成されていることを特徴とする、請求項1から
4までのいずれか1項記載の遊星歯車機構。
【請求項6】
多段式の遊星歯車機構として形成されていることを特徴とする、請求項1から
4までのいずれか1項記載の遊星歯車機構。
【国際調査報告】