(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220906BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220906BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220906BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220906BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220906BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220906BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/14 A
H05B33/10
H05B33/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020551343
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(85)【翻訳文提出日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 CN2020085628
(87)【国際公開番号】W WO2020259030
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201920973397.0
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 学光
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 新▲銀▼
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 勇
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC31
3K107CC45
3K107DD39
3K107EE04
5C094AA21
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA25
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA09
5C094DB04
5C094EA01
5C094FA10
5C094GB01
5C094HA05
5C094HA08
5G435AA17
5G435BB04
5G435BB05
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL09
5G435LL17
(57)【要約】
ディスプレイパネル及びその製造方法、表示装置を提供する。該ディスプレイパネルは、少なくとも1つのフィレットを備える表示領域(100)と、前記表示領域(100)の外周に位置する非表示領域(200)とを備え、前記非表示領域(200)は、ゲート駆動回路と、前記表示領域(100)の前記少なくとも1つのフィレットの外側に位置する複数の第1ダミー画素(400)とを備え、各前記第1ダミー画素(400)の第1電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルであって、
少なくとも1つのフィレットを備える表示領域と、
前記表示領域の外周に位置する非表示領域と、を備え、
前記非表示領域は、
ゲート駆動回路と、
前記表示領域の前記少なくとも1つのフィレットの外側に位置する複数の第1ダミー画素と、を備え、
各前記第1ダミー画素の第1電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されるディスプレイパネル。
【請求項2】
各前記第1ダミー画素は前記ゲート駆動回路と前記表示領域との間に位置し、各前記第1ダミー画素は発光しないように構成される、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記複数の第1ダミー画素は段差状に配列される、請求項1又は2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記複数の第1ダミー画素は第1方向において少なくとも1列を含み、第2方向において少なくとも1行を含み、前記第1方向と前記第2方向が互いに直交する、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
ボンディング領域をさらに備え、前記ボンディング領域は前記表示領域の一方側に位置し、前記表示領域の前記ボンディング領域とは反対側に複数の第2ダミー画素が設けられ、各前記第2ダミー画素は発光しないように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
各前記第2ダミー画素の第2電源線が前記ゲート駆動回路の前記高レベル信号線に接続される、請求項5に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記複数の第2ダミー画素は第1方向及び第2方向のうちの少なくとも1つの方向における間隔が同じであり、前記第1方向と前記第2方向が互いに直交する、請求項5又は6に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記複数の第2ダミー画素は前記第1方向において少なくとも1列を含み、前記第2方向において少なくとも1行を含む、請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記ボンディング領域に近い第1フィレット及び第2フィレットを備え、前記複数の第1ダミー画素は前記第1フィレット及び前記第2フィレットの外側に設けられる、請求項5~8のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記ボンディング領域から遠い第3フィレット及び第4フィレットを備え、前記複数の第1ダミー画素は前記第3フィレット及び前記第4フィレットの外側に設けられる、請求項5~9のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
各前記ダミー画素は少なくとも画素駆動回路を備え、前記画素駆動回路は第1走査線、第2走査線及び第3走査線を備え、前記第1走査線、第2走査線及び第3走査線が前記ゲート駆動回路に接続され、又はサスペンド状態である、請求項1~10のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項12】
各前記ダミー画素は発光ユニットをさらに備え、前記画素駆動回路は駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタはドレイン電極を備え、前記発光ユニットは陽極を備えるが、発光層を備えず、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極が前記発光ユニットの前記陽極に電気的に接続される、請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項13】
各前記ダミー画素は発光ユニットをさらに備え、前記画素駆動回路は駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタはドレイン電極を備え、前記発光ユニットは陽極、発光層及び陰極を備え、前記駆動トランジスタのドレイン電極が前記発光ユニットの陽極と電気的に絶縁する、請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項14】
各前記ダミー画素は、
基板と、
前記基板上に設けられるバッファ層と、
バッファ層上に設けられる活性層と、
前記活性層を被覆する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に同層に設けられる前記第1走査線、前記第2走査線、前記第3走査線及び第1ゲート電極と、
前記第1走査線、前記第2走査線、前記第3走査線及び前記第1ゲート電極を被覆する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に同層に設けられる初期電圧線及び第2ゲート電極と、
前記初期電圧線及び前記第2ゲート電極を被覆し、前記第2ゲート電極を露出させる第1ビア、第2ビア及び第3ビアと、前記活性層を露出させる第4ビア、第5ビア及び第6ビアと、前記初期電圧線を露出させる第7ビアとを含む複数のビアが設けられる第3絶縁層と、
前記第3絶縁層上に同層に設けられるデータ線、電源線、接続線及び前記ドレイン電極であって、前記ドレイン電極の一端が前記第1ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記ドレイン電極の他端が前記第5ビアを介して前記活性層に接続され、前記データ線が前記第4ビアを介して前記活性層に接続され、前記電源線が前記第2ビア及び前記第3ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記接続線の一端が前記第6ビアを介して前記活性層に接続され、前記接続線の他端が前記第7ビアを介して前記初期電圧線に接続される前記データ線、前記電源線、前記接続線及び前記ドレイン電極と、
前記データ線、前記電源線、前記接続線及び前記ドレイン電極を被覆し、前記ドレイン電極を露出させる第8ビアが設けられる第4絶縁層と、
前記第4絶縁層上に設けられ、画素開口を画定し、前記第8ビアが前記画素開口内に位置する画素画定層と、
画素開口内に設けられ、前記第8ビアを介して前記ドレイン電極に接続される前記陽極と、を備える、請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のディスプレイパネルを備える表示装置。
【請求項16】
ディスプレイパネルの製造方法であって、
表示領域及び前記表示領域の外周に位置する非表示領域を備え、前記表示領域が少なくとも1つのフィレットを備える基板を提供するステップと、
前記非表示領域内にゲート駆動回路を形成するステップと、
前記表示領域の前記少なくとも1つのフィレットの外側に複数の第1ダミー画素を形成し、それぞれの前記複数の第1ダミー画素の第1電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されるステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記表示領域内に複数の画素ユニットを形成するステップをさらに含み、各前記画素ユニットは発光するように構成され、各前記ダミー画素は発光しないように構成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の第1ダミー画素を形成するステップは、
前記基板上にバッファ層及び活性層を順に形成するステップと、
前記活性層上に第1走査線、第2走査線、第3走査線及び第1ゲート電極を形成するステップと、
第2絶縁層を形成するステップと、
前記第2絶縁層上に初期電圧線及び第2ゲート電極を形成するステップと、
前記初期電圧線及び前記第2ゲート電極を被覆し、前記第2ゲート電極を露出させる第1ビア、第2ビア及び第3ビアと、前記活性層を露出させる第4ビア、第5ビア及び第6ビアと、前記初期電圧線を露出させる第7ビアとを含む複数のビアが設けられる第3絶縁層を形成するステップと、
前記第3絶縁層上にデータ線、電源線、接続線及びドレイン電極を形成し、前記ドレイン電極の一端が前記第1ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記ドレイン電極の他端が前記第5ビアを介して前記活性層に接続され、前記データ線が前記第4ビアを介して前記活性層に接続され、前記電源線が前記第2ビア及び前記第3ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記接続線の一端が前記第6ビアを介して前記活性層に接続され、前記接続線の他端が前記第7ビアを介して前記初期電圧線に接続されるステップと、
前記ドレイン電極を露出させる第8ビアが設けられる第4絶縁層を形成するステップと、
前記第4絶縁層上に画素開口を画定する画素画定層を形成し、前記第8ビアが前記画素開口内に位置するステップと、
前記画素開口内に、前記第8ビアを介して前記ドレイン電極に接続される陽極を形成するステップと、を含む、請求項16又は17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年6月26日に提出された名称が「ディスプレイパネル及び表示装置」である中国特許出願第201920973397.0号に基づいてなされ、その優先権を主張し、ここで上記中国特許出願に開示されている全内容が引用により本願の一部として組み込まれている。
【0002】
本開示の実施例はディスプレイパネル及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード表示装置(Organic Light Emitting Diode、OLED)は様々な電子製品に幅広く適用されている。たとえば、OLEDディスプレイパネルは長方形スクリーンを利用してもよく、該OLEDディスプレイパネルは一般にGOA(Gate on Array)回路を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例はディスプレイパネル及びその製造方法、表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様によれば、
少なくとも1つのフィレットを備える表示領域と、
前記表示領域の外周に位置する非表示領域と、を備え、
前記非表示領域は、
ゲート駆動回路と、
前記表示領域の前記少なくとも1つのフィレットの外側に位置する複数の第1ダミー画素と、を備え、
各前記第1ダミー画素の第1電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されるディスプレイパネルを提供する。
【0006】
たとえば、各前記第1ダミー画素は前記ゲート駆動回路と前記表示領域との間に位置し、各前記第1ダミー画素は発光しないように構成される。
【0007】
たとえば、前記複数の第1ダミー画素は段差状に配列される。
【0008】
たとえば、前記複数の第1ダミー画素は第1方向において少なくとも1列を含み、第2方向において少なくとも1行を含み、前記第1方向と前記第2方向が互いに直交する。
【0009】
たとえば、前記ディスプレイパネルはボンディング領域をさらに備え、前記ボンディング領域は前記表示領域の一方側に位置し、前記表示領域の前記ボンディング領域とは反対側に複数の第2ダミー画素が設けられ、各前記第2ダミー画素は発光しないように構成される。
【0010】
たとえば、各前記第2ダミー画素の第2電源線が前記ゲート駆動回路の前記高レベル信号線に接続される。
【0011】
たとえば、前記複数の第2ダミー画素は第1方向及び第2方向のうちの少なくとも1つの方向における間隔が同じであり、前記第1方向と前記第2方向が互いに直交する。
【0012】
たとえば、前記複数の第2ダミー画素は前記第1方向において少なくとも1列を含み、前記第2方向において少なくとも1行を含む。
【0013】
たとえば、前記ディスプレイパネルは前記ボンディング領域に近い第1フィレット及び第2フィレットを備え、前記複数の第1ダミー画素は前記第1フィレット及び前記第2フィレットの外側に設けられる。
【0014】
たとえば、前記ディスプレイパネルは前記ボンディング領域から遠い第3フィレット及び第4フィレットを備え、前記複数の第1ダミー画素は前記第3フィレット及び前記第4フィレットの外側に設けられる。
【0015】
たとえば、各前記ダミー画素は少なくとも画素駆動回路を備え、前記画素駆動回路は第1走査線、第2走査線及び第3走査線を備え、前記第1走査線、第2走査線及び第3走査線が前記ゲート駆動回路に接続され、又はサスペンド状態である。
【0016】
たとえば、各前記ダミー画素は発光ユニットをさらに備え、前記画素駆動回路は駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタはドレイン電極を備え、前記発光ユニットは陽極を備えるが、発光層を備えず、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極が前記発光ユニットの前記陽極に電気的に接続される。
【0017】
たとえば、各前記ダミー画素は発光ユニットをさらに備え、前記画素駆動回路は駆動トランジスタを備え、前記駆動トランジスタはドレイン電極を備え、前記発光ユニットは陽極、発光層及び陰極を備え、前記駆動トランジスタのドレイン電極が前記発光ユニットの陽極と電気的に絶縁する。
【0018】
たとえば、各前記ダミー画素は、
基板と、
前記基板上に設けられるバッファ層と、
バッファ層上に設けられる活性層と、
前記活性層を被覆する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に同層に設けられる前記第1走査線、前記第2走査線、前記第3走査線及び第1ゲート電極と、
前記第1走査線、前記第2走査線、前記第3走査線及び前記第1ゲート電極を被覆する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に同層に設けられる初期電圧線及び第2ゲート電極と、
前記初期電圧線及び前記第2ゲート電極を被覆し、前記第2ゲート電極を露出させる第1ビア、第2ビア及び第3ビアと、前記活性層を露出させる第4ビア、第5ビア及び第6ビアと、前記初期電圧線を露出させる第7ビアとを含む複数のビアが設けられる第3絶縁層と、
前記第3絶縁層上に同層に設けられるデータ線、電源線、接続線及び前記ドレイン電極であって、前記ドレイン電極の一端が前記第1ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記ドレイン電極の他端が前記第5ビアを介して前記活性層に接続され、前記データ線が前記第4ビアを介して前記活性層に接続され、前記電源線が前記第2ビア及び前記第3ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記接続線の一端が前記第6ビアを介して前記活性層に接続され、前記接続線の他端が前記第7ビアを介して前記初期電圧線に接続されるデータ線、電源線、接続線及び前記ドレイン電極と、
前記データ線、前記電源線、前記接続線及び前記ドレイン電極を被覆し、前記ドレイン電極を露出させる第8ビアが設けられる第4絶縁層と、
前記第4絶縁層上に設けられ、画素開口を画定し、前記第8ビアが前記画素開口内に位置する画素画定層と、
画素開口内に設けられ、前記第8ビアを介して前記ドレイン電極に接続される前記陽極と、を備える。
【0019】
本開示の第2態様によれば、前記ディスプレイパネルを備える表示装置を提供する。
【0020】
本開示の第3態様によれば、
表示領域及び前記表示領域の外周に位置する非表示領域を備え、前記表示領域が少なくとも1つのフィレットを備える基板を提供するステップと、
前記非表示領域内にゲート駆動回路を形成するステップと、
前記表示領域の前記少なくとも1つのフィレットの外側に複数の第1ダミー画素を形成し、それぞれの前記複数の第1ダミー画素の第1電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されるステップと、を含むディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【0021】
たとえば、上記方法は、前記表示領域内に複数の画素ユニットを形成するステップをさらに含み、各前記画素ユニットは発光するように構成され、各前記ダミー画素は発光しないように構成される。
【0022】
たとえば、前記複数の第1ダミー画素を形成するステップは、
前記基板上にバッファ層及び活性層を順に形成するステップと、
前記活性層上に第1走査線、第2走査線、第3走査線及び第1ゲート電極を形成するステップと、
第2絶縁層を形成するステップと、
前記第2絶縁層上に初期電圧線及び第2ゲート電極を形成するステップと、
前記初期電圧線及び前記第2ゲート電極を被覆し、前記第2ゲート電極を露出させる第1ビア、第2ビア及び第3ビアと、前記活性層を露出させる第4ビア、第5ビア及び第6ビアと、前記初期電圧線を露出させる第7ビアとを含む複数のビアが設けられる第3絶縁層を形成するステップと、
前記第3絶縁層上にデータ線、電源線、接続線及びドレイン電極を形成し、前記ドレイン電極の一端が前記第1ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記ドレイン電極の他端が前記第5ビアを介して前記活性層に接続され、前記データ線が前記第4ビアを介して前記活性層に接続され、前記電源線が前記第2ビア及び前記第3ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記接続線の一端が前記第6ビアを介して前記活性層に接続され、前記接続線の他端が前記第7ビアを介して前記初期電圧線に接続されるステップと、
前記ドレイン電極を露出させる第8ビアが設けられる第4絶縁層を形成するステップと、
前記第4絶縁層上に画素画定層を形成し、前記画素画定層が画素開口を画定し、前記第8ビアが前記画素開口内に位置するステップと、
前記画素開口内に、前記第8ビアを介して前記ドレイン電極に接続される陽極を形成するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の実施例の技術案をさらに明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかなように、以下説明される図面は単に本開示のいくつかの実施例に関するが、本開示を限定するものではない。
【0024】
【
図1】
図1は本開示の実施例におけるディスプレイパネルの構造模式図である。
【
図2a】
図2aは本開示の実施例における段差状のダミー画素の構造模式図である。
【
図2b】
図2bは本開示の実施例における段差状のダミー画素の構造模式図である。
【
図2c】
図2cは本開示の実施例における段差状のダミー画素の構造模式図である。
【
図3a】
図3aは本開示の実施例におけるダミー画素の構造模式図である。
【
図4a】
図4aは本開示の実施例における活性層パターン形成後の模式図である。
【
図5a】
図5aは本開示の実施例における第1ゲート電極パターン形成後の模式図である。
【
図6a】
図6aは本開示の実施例における第2ゲート電極パターン形成後の模式図である。
【
図7a】
図7aは本開示の実施例における第3絶縁層パターン形成後の模式図である。
【
図8a】
図8aは本開示の実施例のドレイン電極パターン形成後の模式図である。
【
図9a】
図9aは本開示の別の実施例におけるダミー画素の構造模式図である。
【
図10】
図10は本開示の実施例における電源線が高レベル信号線に接続される模式図である。
【
図11】
図11は本開示の実施例における走査線がゲート駆動回路に接続される模式図である。
【
図12】
図12は本開示の別の実施例におけるディスプレイパネルの構造模式図である。
【
図13】
図13は本開示のさらに別の実施例におけるディスプレイパネルの構造模式図である。
【
図14】
図14は本開示の実施例におけるディスプレイパネルの製造方法のフローチャートである。
【
図15】
図15は本開示の実施例における画素駆動回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をさらに明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力をせずに想到し得る他の実施例はすべて本開示の保護範囲に属する。
【0026】
別途定義しない限り、ここで使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解する一般的な意味を有するべきである。本開示の明細書及び特許請求の範囲に使用される「第1」、「第2」及び類似する単語は順序、数量又は重要性を示すものではなく、単に異なる構成要素を区別する。「備える」又は「含む」等の類似する単語は、「備える」又は「含む」の前にある素子又は物品が「備える」又は「含む」の後に列挙される素子又は物品及びその同等体をカバーするが、他の素子又は物品を除外しない意味を有する。「接続」又は「連結」等の類似する単語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接及び間接を問わず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対位置関係のみを示し、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もその分変わる可能性がある。
【0027】
従来、OLEDディスプレイパネルのフィレット設計(すなわち、パネルのコーナーがフィレットに設計されているもの、OLED異形スクリーンと略称する)はますます普及しており、それによってスクリーンが電子製品の外郭形状とマッチングするようなフルスクリーンの概念が実現される。しかしながら、OLED長方形スクリーンに比べて、従来のフィレット設計を有するOLEDは表示品質、信頼性及び歩留まりが低い問題がある。従って、どのようにOLEDの表示品質、信頼性及び歩留まりを向上させるかは解決を急ぐべき技術的課題である。
【0028】
本開示の発明者は研究したところ、従来のOLED異形スクリーンの表示品質、信頼性及び歩留まりが低いという問題の理由として、フィレットの位置がエッチング均一性に悪影響を与えることを見出した。具体的には、フィレットの位置がゲート駆動回路及び画素駆動回路の配置に不利であるため、フィレットの外側に大きなブランク領域が設けられ、その結果、フィレット付近の表示領域の画素ユニットのエッチング均一性が低くなり、信頼性及び歩留まりが低下してしまう。また、エッチング均一性が低くなるため、データ線、電源線、ゲート線等の信号線の線幅及び厚さに大きな偏差が生じ、信号線の抵抗が実際の設計値からずれ、信号遅延が増え、更に信号伝送速度及び伝送能力が損なわれ、表示領域の画素駆動回路の動作安定性が低下し、それにより、表示品質が低下する。
【0029】
少なくとも1つの上記問題を解決するために、本開示の実施例はディスプレイパネルを提供する。本開示のディスプレイパネルは表示領域、及び前記表示領域の外周に位置する非表示領域を備え、前記表示領域は少なくとも1つのフィレットを備え、前記非表示領域はゲート駆動回路、及び前記表示領域の該少なくとも1つのフィレットの外側に位置する複数のダミー画素を備え、各前記ダミー画素の電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続される。
【0030】
本開示の実施例に係るディスプレイパネルでは、非表示領域にダミー画素が設けられ、ダミー画素が表示領域のフィレットの外側に位置することで、フィレットの位置でのエッチング均一性を効果的に向上させるとともに、ダミー画素の電源線がゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されることで、ゲート駆動回路の負荷を低減させ、表示領域の画素回路の電気的特性を向上させ、従来のOLED異形スクリーンの表示品質、信頼性及び歩留まりが低いという問題を効果的に解決する。
【0031】
上記ディスプレイパネルは有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLEDと略称する)ディスプレイパネル、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diodes、QLEDと略称する)ディスプレイパネル、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diodes、Micro LEDと略称する)ディスプレイパネル等であってもよいが、本開示では、それを特に限定しない。以下、上記ディスプレイパネルがOLEDディスプレイパネルであることを例に、本開示の実施例の技術的解決手段を詳細に説明する。
【0032】
図1は本開示の実施例におけるディスプレイパネルの構造模式図である。
図1に示すように、本実施例のディスプレイパネルは、表示領域100と、表示領域100の外周に位置する非表示領域200(たとえば、表示領域100の四周を囲む)と、表示領域100の一方側に位置するボンディング領域300とを備える。表示領域100は第1側辺L1及び第2側辺L2を備え、第1側辺L1と第2側辺L2がフィレット(又は、面取りともいう)を介して接続される。たとえば、本開示のディスプレイパネルの表示領域100に少なくとも1つのフィレットが設けられる。上記第1側辺L1と第2側辺L2がフィレットを介して接続され、すなわち、第1側辺L1がフィレットに対応する円弧を介して第2側辺L2に移行する。更に、少なくとも一例では、表示領域100は複数のフィレットを備えてもよい。
図1に示すように、表示領域100は対向して設けられる1組の2つの第1側辺(L1及びL1’)、及び対向して設けられる1組の2つの第2側辺(L2及びL2’)を備え、2つの第1側辺(L1及びL1’)が両端でそれぞれフィレットを介して2つの第2側辺(L2及びL2’)に接続されるようにしてもよい。この場合、表示領域100は4つのフィレットを備える。ほかの実施例では、表示領域100は対向して設けられる1組の2つの第1側辺(L1及びL1’)、及び1つの第2側辺(L2)を備え、2つの第1側辺(L1及びL1’)が第2側辺(L2)の両端でそれぞれフィレットを介して該第2側辺(L2)に接続されるようにしてもよい。この場合、表示領域100は2つのフィレットを備える。以下、
図1に示される表示領域100が4つのフィレットを備えることを例に詳しく説明する。
図1に示すように、表示領域100内に複数のゲート線SL及び複数のデータ線DLが設けられ、ゲート線SLとデータ線DLが交差して行列状に配列される複数の画素ユニットPを形成し、複数の画素ユニットPは正常表示を実現する。複数の画素ユニットPは少なくとも第1色の画素ユニット、第2色の画素ユニット及び第3色の画素ユニットを備える。第1色、第2色及び第3色は三原色(たとえば、赤色、緑色及び青色)である。
【0033】
図1に示すように、非表示領域200は表示領域100の外周に位置し、非表示領域200内にゲート駆動回路、電源信号回路VDD及び複数のダミー(Dummy)画素400が設けられ、たとえば、表示領域内のゲート線が前記ゲート駆動回路に接続され、ゲート駆動回路がゲート線に駆動電圧を供給する。少なくとも一例では、表示装置の狭額縁化、製造コストの削減のために、ゲート駆動回路がGOA回路として設けられ、すなわち、上記ゲート駆動回路がディスプレイパネル中のアレイ基板に直接集積される。
図1に示すように、GOA回路は表示領域100の両側に位置し、電源信号回路VDDは表示領域100の下側に位置し、ダミー画素400はそれぞれ表示領域100の左下フィレットの外側及び表示領域100の右下フィレットの外側に設けられ、且つGOA回路と表示領域100との間の領域に位置し、複数のダミー画素400は、フィレット位置におけるエッチング均一性を向上させることに用いられ、発光不能である。本実施例では、ボンディング領域300は表示領域100の一方側(たとえば、下側)に位置し、ボンディングパッド301を備え、GOA回路が第1リード302を介してボンディングパッド301に接続され、電源信号回路VDDが第2リード303を介してボンディングパッド301に接続される。
【0034】
少なくともいくつかの実施例では、各ダミー画素400は少なくとも画素駆動回路を備える。たとえば、
図1に示すように、表示領域100の画素ユニットPに対するダミー画素400の相違点は、ダミー画素400では、画素ユニットPと同じ構造の画素駆動回路のみが設けられ、発光ユニットが設けられず、すなわち、ダミー画素400が表示を実現できないことである。従って、ダミー画素400の画素駆動回路がそれぞれ走査線、データ線及び電源線に電気的に接続され、且つ電源線がGOA回路の高レベル信号線VGHに接続される。たとえば、
図15に示すように、表示領域の各画素ユニットPの画素駆動回路は駆動ユニット及び発光ユニット(たとえば、有機発光ダイオードOLED)を備える。駆動ユニットはトランジスタ及びコンデンサを備え、
図15には、該画素駆動回路中の駆動ユニットが2T1C(1つの駆動トランジスタT1、1つのスイッチングトランジスタT2、1つのストレージコンデンサCst)構造であることを例に説明するが、本開示の実施例はこれに限定されず、いくつかの実施例では、駆動ユニットは3T1C、4T1C等の回路構造を利用してもよい。
図15に示すように、駆動トランジスタT1の第1電極が電源線VDD及びストレージコンデンサCstの第1電極板に接続され、駆動トランジスタT1の第2電極がOLEDに接続され、駆動トランジスタT1のゲート電極がスイッチングトランジスタT2の第1電極及びストレージコンデンサCstの第2電極板に接続され、スイッチングトランジスタT2のゲート電極が走査線SLに接続され、スイッチングトランジスタT2の第2電極がデータ線DLに接続される。たとえば、OLEDは陰極、陽極、及び陰極と陽極との間に位置する発光機能層を備える。発光機能層は有機発光層と、有機発光層と陽極との間に位置する正孔輸送層と、有機発光層と陰極との間に位置する電子輸送層と、を備える。勿論、必要に応じて、いくつかの実施例では、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられ、電子輸送層ETLと陰極との間に電子注入層が設けられるなどのようにしてもよく、本開示ではこれを限定しない。
【0035】
少なくともいくつかの実施例では、表示領域100の左下フィレットの外側における複数のダミー画素400は、GOA回路と表示領域100との間の領域に位置し、段差状に配列される。同様に、表示領域100の右下フィレットの外側における複数のダミー画素400は、GOA回路と表示領域100との間の領域に位置し、段差状に配列され、複数のダミー画素400をフィレットの向きに従って配列する。このように、垂直方向において、段差状に配列されるダミー画素400は少なくとも1列を含み、水平方向において、段差状に配列されるダミー画素400は少なくとも1行を含む。
図2a、
図2b及び
図2cは本開示の第1実施例における段差状のダミー画素の構造模式図である。
図2aに示される段差状に配列されるダミー画素400は6行3列を含み、
図2bに示される段差状に配列されるダミー画素400は3行6列を含み、
図2cに示される段差状に配列されるダミー画素400は6行6列を含む。
【0036】
少なくともいくつかの実施例では、表示領域100のボンディング領域300から遠い一方側(上側)の外側にも複数のダミー画素400が設けられ、すなわち、ボンディング領域300とは反対側の非表示領域200内に複数のダミー画素400が設けられ、複数のダミー画素400が規則的に配列される。垂直方向において、規則的に配列されるダミー画素400は少なくとも1列を含み、水平方向において、規則的に配列されるダミー画素400は少なくとも1行を含む。
【0037】
上記実施例におけるディスプレイパネルでは、表示領域の左下フィレットの外側及び右下フィレットの外側に段差状のダミー画素が設けられ、ダミー画素がフィレットの向きに従ってゲート駆動回路と表示領域との間の領域を充填することで、フィレット領域のおけるエッチングむらの問題を解決し、フィレット領域のエッチングの均一性を向上させ、ディスプレイパネルの信頼性及び歩留まりを向上させる。また、ダミー画素の電源線がゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されることで、高レベル信号線をダミー画素の電源線に並列接続し、高レベル信号線の抵抗を低減させ、ゲート駆動回路の負荷を効果的に低減させ、パネルの動作安定性を向上させ、消費電力を削減させることができた。
【0038】
図3aは本開示の実施例におけるダミー画素の構造模式図、
図3bは
図3aのA-A線断面図である。
図3a及び
図3bに示すように、本実施例のディスプレイパネルのダミー画素は、
基板10と、
基板10上に設けられるバッファ層11と、
バッファ層11に設けられる活性層12と、
活性層12を被覆する第1絶縁層13と、
第1絶縁層13上に設けられる第1走査線GN1、第2走査線GN2、第3走査線GN3及び第1ゲート電極14と、
第1走査線GN1、第2走査線GN2、第3走査線GN3及び第1ゲート電極14を被覆する第2絶縁層15と、
第2絶縁層15上に設けられる初期電圧線VI及び第2ゲート電極16と、
初期電圧線VI及び第2ゲート電極16を被覆し、第2ゲート電極16を露出させる第1ビア、第2ビア及び第3ビアと、活性層12を露出させる第4ビア、第5ビア及び第6ビアと、初期電圧線VIを露出させる第7ビアと、を含む複数のビアが設けられる第3絶縁層17と、
第3絶縁層17上に設けられるデータ線DA、電源線VD、接続線LI及びドレイン電極18であって、ドレイン電極18の一端が第1ビアを介して第2ゲート電極に接続され、ドレイン電極18の他端が第5ビアを介して活性層12に接続され、データ線DAが第4ビアを介して活性層12に接続され、電源線VDが第2ビア及び第3ビアを介して第2ゲート電極16に接続され、接続線LIの一端が第6ビアを介して活性層12に接続され、接続線LIの他端が第7ビアを介して初期電圧線VIに接続されるデータ線DA、電源線VD、接続線LI及びドレイン電極18と、
データ線DA、電源線VD、接続線LI及びドレイン電極18を被覆し、ドレイン電極18を露出させる第8ビアが設けられる第4絶縁層19と、
第4絶縁層19上に設けられ、画素開口を画定し、第8ビアが画素開口内に位置する画素画定層20と、
画素開口内に設けられ、第8ビアを介してドレイン電極18に接続される陽極21と、を備える。
【0039】
図1及び
図14に示すように、本開示の実施例は上記ディスプレイパネルの製造方法をさらに提供し、
表示領域及び前記表示領域の外周に位置する非表示領域を備え、前記表示領域が少なくとも1つのフィレットを備える基板を提供するステップと、
前記非表示領域内にゲート駆動回路を形成するステップと、
前記表示領域の前記少なくとも1つのフィレットの外側に複数の第1ダミー画素を形成し、それぞれの前記複数の第1ダミー画素の第1電源線が前記ゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されるステップと、を含む。
【0040】
本開示の実施例に係るディスプレイパネルの製造方法では、非表示領域内にダミー画素を形成し、ダミー画素が表示領域のフィレットの外側に位置することで、フィレット位置におけるエッチング均一性を効果的に向上させ、また、ダミー画素の電源線がゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されることで、ゲート駆動回路の負荷を低減させ、表示領域の画素回路の電気的特性を向上させ、従来のOLED異形スクリーンの表示品質、信頼性及び歩留まりが低いという問題を効果的に解決する。
【0041】
少なくともいくつかの実施例では、上記方法は前記表示領域内に複数の画素ユニットを形成するステップをさらに含み、各前記画素ユニットは発光するように構成され、各前記ダミー画素は発光しないように構成される。
【0042】
少なくともいくつかの実施例では、前記複数の第1ダミー画素を形成することは、
前記基板上にバッファ層及び活性層を順に形成するステップと、
前記活性層上に第1走査線、第2走査線、第3走査線及び第1ゲート電極を形成するステップと、
第2絶縁層を形成するステップと、
前記第2絶縁層上に初期電圧線及び第2ゲート電極を形成するステップと、
前記初期電圧線及び前記第2ゲート電極を被覆し、前記第2ゲート電極を露出させる第1ビア、第2ビア及び第3ビアと、前記活性層を露出させる第4ビア、第5ビア及び第6ビアと、前記初期電圧線を露出させる第7ビアとを含む複数のビアが設けられる第3絶縁層を形成するステップと、
前記第3絶縁層上にデータ線、電源線、接続線及びドレイン電極を形成し、前記ドレイン電極の一端が前記第1ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記ドレイン電極の他端が前記第5ビアを介して前記活性層に接続され、前記データ線が前記第4ビアを介して前記活性層に接続され、前記電源線が前記第2ビア及び前記第3ビアを介して前記第2ゲート電極に接続され、前記接続線の一端が前記第6ビアを介して前記活性層に接続され、前記接続線の他端が前記第7ビアを介して前記初期電圧線に接続されるステップと、
前記ドレイン電極を露出させる第8ビアが設けられる第4絶縁層を形成するステップと、
前記第4絶縁層上に画素画定層を形成し、前記画素画定層が画素開口を画定し、前記第8ビアが前記画素開口内に位置するステップと、
前記画素開口内に、前記第8ビアを介して前記ドレイン電極に接続される陽極を形成するステップと、を含む。
【0043】
以下、例を挙げてディスプレイパネルの製造方法を更に説明する。本開示に係る「パターニングプロセス」は、膜層堆積、フォトレジスト塗布、マスク露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離等の処理を含む。堆積はスパッタリング、蒸着、化学気相堆積等の公知のプロセスを利用してもよく、塗布は公知の塗布プロセスを利用してもよく、エッチングは公知の方法を利用してもよいが、ここでは特に限定しない。本開示の説明では、「薄膜」とは、ある材料を用いて堆積又はほかのプロセスによって基板上に1層の薄膜を製造することである。全製造方法では、該「薄膜」にパターニングプロセスが不要である場合、該「薄膜」は「層」とも呼ばれてもよい。全製造過程では、該「薄膜」にさらにパターニングプロセスを必要とする場合、該「薄膜」はパターニングプロセス前では「薄膜」と呼ばれ、パターニングプロセス後では「層」と呼ばれる。パターニングプロセス後の「層」は少なくとも1つの「パターン」を含む。
【0044】
(1)基板上にバッファ層パターン及び活性層パターンを形成する。基板上に活性層パターンを形成することは、基板10上にバッファ薄膜及び活性層薄膜を順に堆積させ、パターニングプロセスによって活性層薄膜をパターニングし、基板10全体を被覆するバッファ層11パターン及びバッファ層11上に設けられる活性層12パターンを形成するステップを含み、
図4a及び
図4bに示すように、
図4bは
図4aのA-A線断面図である。基板はフレキシブル基板であってもよく、ポリイミドPI、ポリエチレンテレフタレートPET又は表面処理された重合体ソフトフィルム等の材料を利用する。バッファ薄膜は窒化ケイ素SiNx又は酸化ケイ素SiOx等を利用してもよく、単層であってもよく、窒化ケイ素/酸化ケイ素の多層構造であってもよく、活性層は単結晶シリコン、多結晶シリコン又は酸化物半導体材料を利用してもよい。
【0045】
(2)第1走査線、第2走査線、第3走査線及び第1ゲート電極パターンを形成する。第1走査線、第2走査線、第3走査線及び第1ゲート電極パターンを形成することは、
図5a及び
図5bに示されるように、上記構造を形成した基板上に、第1絶縁薄膜及び第1金属薄膜を順に堆積させ、パターニングプロセスによって第1金属薄膜をパターニングし、活性層12及びバッファ層11を被覆する第1絶縁層13と、第1絶縁層13上に設けられる第1走査線GN1、第2走査線GN2、第3走査線GN3及び第1ゲート電極14のパターンとを形成するステップを含み、
図5bは
図5aのA-A線断面図である。
【0046】
(3)初期電圧線VI及び第2ゲート電極パターンを形成する。初期電圧線VI及び第2ゲート電極パターンを形成することは、
図6a及び
図6bに示されるように、上記構造を形成した基板上に、第2絶縁薄膜及び第2金属薄膜を順に堆積させ、パターニングプロセスによって第2金属薄膜をパターニングし、第1走査線GN1、第2走査線GN2、第3走査線GN3及び第1ゲート電極14を被覆する第2絶縁層15と、第2絶縁層15上に設けられる初期電圧線VI及び第2ゲート電極16パターンとを形成するステップを含み、
図6bは
図6aのA-A線断面図である。
【0047】
(4)第3絶縁層パターンを形成する。第3絶縁層パターンを形成することは、
図7a及び
図7bに示されるように、上記構造を形成した基板上に、第3絶縁薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって第3絶縁薄膜をパターニングし、第2ゲート電極16を露出させる第1ビアH1、第2ビアH2及び第3ビアH3と、活性層12を露出させる第4ビアH4、第5ビアH5及び第6ビアH6と、初期電圧線VIを露出させる第7ビアH7とを含む複数のビアが設けられる第3絶縁層17パターンを形成するステップを含み、
図7bは
図7aのA-A線断面図である。
【0048】
(5)データ線、電源線、接続線及びドレイン電極パターンを形成する。データ線、電源線、接続線及びドレイン電極パターンを形成することは、
図8a及び
図8bに示されるように、上記構造を形成した基板上に、第3金属薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって第3金属薄膜をパターニングし、データ線DA、電源線VD、接続線LI及び駆動トランジスタのドレイン電極18パターンを形成するステップを含み、ドレイン電極18の一端が第1ビアH1を介して第2ゲート電極16に接続され、ドレイン電極18の他端が第5ビアH5を介して活性層12に接続され、データ線DAが第4ビアH4を介して活性層12に接続され、電源線VDが第2ビアH2及び第3ビアH3を介して第2ゲート電極16に接続され、接続線LIの一端が第6ビアH6を介して活性層12に接続され、接続線LIの他端が第7ビアH7を介して初期電圧線VIに接続され、
図8bは
図8aのA-A線断面図である。
【0049】
(6)画素画定層及び陽極パターンを形成する。画素画定層及び陽極パターンを形成することは、
図3a及び
図3bに示されるように、上記構造を形成した基板上に、まず、データ線DA、電源線VD、接続線LI及びドレイン電極18を被覆する第4絶縁層19と、第4絶縁層19上に設けられる画素画定層20とを形成し、画素画定層20が画素開口を画定し、画素開口内の第4絶縁層19上にドレイン電極18を露出させる第8ビアが設けられ、続いて、上記パターンを形成した基板上に透明導電性薄膜を堆積させ、パターニングプロセスによって透明導電性薄膜をパターニングし、画素画定層20により画定された画素開口内に陽極21パターンを形成するステップを含み、陽極21が第8ビアを介してドレイン電極18に接続される。画素画定層はポリイミド、アクリル又はポリエチレンテレフタレート等を利用してもよく、透明導電性薄膜は酸化インジウムスズITO又は酸化インジウム亜鉛IZOを利用してもよい。
【0050】
少なくともいくつかの実施例では、ダミー画素の上記構造は表示領域の画素ユニットと同期して形成され、第1走査線、第2走査線、第3走査線、初期電圧線、データ線、電源線、接続線の構造及び作用は表示領域の画素駆動回路中の対応する線の構造及び作用と同じである。第1絶縁層及び第2絶縁層はゲート絶縁層(GI)とも呼ばれ、第3絶縁層は層間絶縁層(ILD)とも呼ばれ、第4絶縁層は平坦化層(PLN)とも呼ばれる。本実施例では、ダミー画素は発光ユニットをさらに備える。ダミー画素は、表示領域中の画素ユニットのOLED発光ユニットとの相違点については、OLED画素ユニットは後続で陽極上に形成される発光層を備えるが、ダミー画素の位置には、発光層が形成されず、すなわち、陽極及び陰極のみを備え、従って、ダミー画素は発光しない。別の実施形態では、ダミー画素は陽極、陰極及び発光層を備えてもよいが、陽極がドレイン電極に電気的に接続されず、従って、該発光層は同様に発光しない。
【0051】
図9aは本開示の別の実施例におけるダミー画素の構造模式図、
図9bは
図9aのA-A線断面図である。
図9a及び
図9bに示すように、本実施構造は上記
図3a及び
図3bに示されるダミー画素の変形であり、上記実施構造との相違点について、本実施構造のダミー画素の画素画定層20に画素開口が画定されず、第4絶縁層19上にビアが設けられていない。本実施例では、後続で陽極、発光層及び陰極を表示領域の画素ユニットに形成する時に、ダミー画素の位置には、同様に陽極、発光層及び陰極が形成されてもよく、それによって、フィレット位置におけるエッチング均一性をさらに向上させることができる。一方、ダミー画素の画素駆動回路が発光層に電気的に接続されず、すなわち、ダミー画素の陽極がダミー画素のドレイン電極に接続されず、ドレイン電極が陽極と電気的に絶縁し、従って、ダミー画素は発光しない。
【0052】
本実施例のディスプレイパネルの製造プロセスからわかるように、本実施例のダミー画素の画素駆動回路の構造は表示領域の画素ユニットの画素駆動回路の構造とほぼ同じであり、且つ同期して形成され、このように、フィレットの内側に表示領域の画素ユニットを形成すると同時にフィレットの外側に非表示領域のダミー画素を形成する過程では、フィレットの内側及びフィレットの外側にほぼ同じ膜層構造が同時に形成され、それによってフィレットの内側及びフィレットの外側の構造の連続性を確保し、フィレット位置におけるエッチング均一性を効果的に向上させることができる。フィレット付近の表示領域の画素ユニットのエッチング均一性によって、データ線、電源線、ゲート線等信号線の線幅及び厚さが設計値を満たすことを確保し、信号伝送速度及び伝送能力を損なうことがない。また、ダミー画素のデータ線がデータ駆動回路に接続され、ダミー画素の電源線がゲート駆動回路の高レベル信号線に接続されるように設けられることは、ゲート駆動回路の高レベル信号線配線に電源線が並列接続されることに相当し、高レベル信号線の抵抗を低減させ、ゲート駆動回路の負荷を効果的に低減させ、表示領域の画素駆動回路の動作安定性を向上させることができる。更に、ダミー画素の第1走査線、第2走査線及び第3走査線が「サスペンド」状態であるように設けられてもよく、すなわち、いずれの駆動回路にも電気的に接続されないことで、ダミー画素の画素駆動回路による表示領域の画素駆動回路の動作の影響を回避する。実際に実施する際に、ダミー画素の第1走査線、第2走査線及び第3走査線がゲート駆動回路の出力に接続されるように設けられもよく、ゲート駆動回路の出力が安定した電位を有するため、ダミー画素の画素駆動回路は電気的安定性を向上させることができる。更に、本開示の実施例では、ディスプレイパネルを製造するときのパターニング回数は従来の製造方式のパターニング回数とほぼ同じであり、本開示を実施する際に、従来のプロセスを変更する必要がなく、従来のプロセス機器を変更する必要もなく、プロセスの互換性に優れ、実用性が高く、将来性が期待できる。以上のように、本開示のディスプレイパネルは従来のOLED異形スクリーンの表示品質、信頼性及び歩留まりが低いという問題を効果的に解決する。
【0053】
図10は本開示の実施例における電源線が高レベル信号線に接続される模式図である。
図10に示すように、GOA回路及び高レベル信号線VGHがダミー画素と同期して製造されるため、データ線DA及び電源線VDを形成するパターニングプロセスでは、電源線VD及び高レベル信号線VGHが同時に形成され、相互に接続された一体構造となる。
図11は本開示の実施例における走査線がゲート駆動回路に接続される模式図である。
図11に示すように、具体的な実施形態として、第1走査線GN1が第1GOAユニット(GOA1)に接続され、第2走査線GN2が第2GOAユニット(GOA2)に接続され、第3走査線GN3が第1制御回路EMG1に接続されるが、第3GOAユニット(GOA3)に接続されないように設けられてもよい。実際に実施する際に、上記接続は1回のパターニングプロセスで相互に接続された一体構造を形成してもよく、ビアを介して実現されてもよい。
【0054】
図12は本開示の別の実施例におけるディスプレイパネルの構造模式図である。本実施例は
図1のディスプレイパネルの変形であり、構造がほぼ同様であり、
図12のディスプレイパネルは表示領域100と、表示領域100の外周に位置する非表示領域200と、ボンディング領域300とを備える。
図1のディスプレイパネルとの相違点について、
図12に示される本実施例では、ダミー画素400はそれぞれ表示領域100の左上フィレットの外側及び表示領域100の右上フィレットの外側に設けられ、且つGOA回路と表示領域100との間の領域に位置し、また、ボンディング領域300の反対側に位置する非表示領域200内に複数のダミー画素400が設けられる。
【0055】
たとえば、GOA回路と表示領域100との間の領域に設けられる複数のダミー画素400は段差状に配列される。更に、少なくとも一例では、垂直方向において、段差状のダミー画素400は少なくとも1列を含み、水平方向において、段差状のダミー画素400は少なくとも1行を含む。ボンディング領域300の反対側に設けられる複数のダミー画素400は規則的に配列され、たとえば、複数のダミー画素400は等間隔に配列され、このように、製造難度の低下に有利である。少なくとも一例では、垂直方向において、規則的に配列されるダミー画素400は少なくとも1列を含み、水平方向において、規則的に配列されるダミー画素400は少なくとも1行を含む。
【0056】
本実施例も、上記
図1の実施例の技術的効果を実現し、つまり、フィレット位置におけるエッチング均一性を向上させ、ゲート駆動回路の負荷を低減させ、電気的安定性等を向上させることができる。
【0057】
図13は本開示のさらに別の実施例のディスプレイパネルの構造模式図である。本実施例は
図1実施例の変形であり、構造が上記第1実施例とほぼ同様である。
図13のディスプレイパネルは表示領域100と、表示領域100の外周に位置する非表示領域200と、ボンディング領域300とを備える。
図1の実施例との相違点について、
図13に示される本実施例では、ダミー画素400はそれぞれ表示領域100の4つのフィレットの外側に設けられ、4つのフィレットがそれぞれ左上角、右上角、左下角及び右下角であり、且つGOA回路と表示領域100との間の領域に位置し、また、ボンディング領域300の反対側に位置する非表示領域200内に複数のダミー画素400が設けられる。
【0058】
たとえば、GOA回路と表示領域100との間の領域に設けられる複数のダミー画素400は段差状に配列される。少なくとも一例では、垂直方向において、段差状のダミー画素400は少なくとも1列を含み、水平方向において、段差状のダミー画素400は少なくとも1行を含む。ボンディング領域300の反対側に設けられる複数のダミー画素400は規則的に配列される。たとえば、複数のダミー画素400は等間隔に配列され、このように、製造難度の低下に有利である。少なくとも一例では、垂直方向において、規則的に配列されるダミー画素400は少なくとも1列を含み、水平方向において、規則的に配列されるダミー画素400は少なくとも1行を含む。
【0059】
本実施例も上記
図1の実施例の技術的効果を実現し、つまり、フィレット位置におけるエッチング均一性を向上させ、ゲート駆動回路の負荷を低減させ、電気的安定性等を向上させることができる。
【0060】
上記実施例では、表示領域が4つのフィレットを有することを例に説明したが、本開示は表示領域が1つのフィレット、2つのフィレット、3つのフィレット又は複数のフィレットを有する場合にも適用できる。表示領域が4つのフィレットを有する場合、ダミー画素が1つのフィレット又は3つのフィレットの外側のみに設けられてもよく、たとえば、左上フィレット及び左下フィレットの外側に設けられたり、右上フィレット及び右下フィレットの外側に設けられたり、左上フィレット及び右下フィレットの外側に設けられたり、左下フィレット及び右上フィレットの外側に設けられたりする。
【0061】
本開示の実施例は、上記ディスプレイパネルを備える表示装置をさらに提供する。表示装置は携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなど表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。該表示装置は上記ディスプレイパネルの技術的効果を有し、ここでは詳細説明を省略する。
【0062】
本明細書では、なお、以下の点について説明する。
【0063】
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に係る構造のみを示しており、ほかの構造は通常の設計を参照すればよい。
【0064】
(2)視認し易さの点から、本開示の実施例を説明するための図面では、層又は領域の厚さが拡大又は縮小されており、すなわち、これらの図面は実際の縮尺で作成されるものではない。
【0065】
(3)矛盾しない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせて、新たな実施例を得ることができる。
【0066】
以上、本開示の例示的な実施形態を説明したが、本開示の保護範囲を限定するものではなく、本開示の保護範囲は添付した特許請求の範囲により定められる。
【符号の説明】
【0067】
10 基板
11 バッファ層
12 活性層
13 第1絶縁層
14 第1ゲート電極
15 第2絶縁層
16 第2ゲート電極
17 第3絶縁層
18 ドレイン電極
19 第4絶縁層
20 画素画定層
21 陽極
100 表示領域
200 非表示領域
300 ボンディング領域
301 ボンディングパッド
302 第1リード
303 第2リード
400 ダミー画素
【国際調査報告】