(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】洗濯物品に幅方向の折り曲げを形成するための幅方向折り曲げシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
D06F 89/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
D06F89/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530320
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 IL2019051397
(87)【国際公開番号】W WO2020141506
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2018-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517054567
【氏名又は名称】フォールディメイト インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521231123
【氏名又は名称】サウディ ビラル
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】サウディ ビラル
(72)【発明者】
【氏名】ナオール イザック
(72)【発明者】
【氏名】ナイム アロン
(57)【要約】
幅方向折り曲げ機は、洗濯物品、特に洗濯物品の横方向の余分な部分を幅方向に折り曲げるように構成される。幅方向折り曲げ機は、垂直方向に沿って並んだ雄部材及び雌部材を含む。雄部材は、垂直方向に垂直な洗濯物品の移動方向に沿って延在する2つの対向する第1の折り曲げエッジと、各々が第1の折り曲げエッジの間に延在する互いに反対側に位置する雄上面及び底面を含む。雌部材は、雄部材の少なくとも部分的に下に位置し、移動方向に収束する2つの対向する第2の折り曲げエッジを含む。雌部材は、互いに反対側に位置する雌上面及び底面を更に含む。雌部材は、雌上面から離れる方向に外方に延びる対向する折り曲げ突出部を更に含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物品(58)、特にその余分な部分を幅方向に折り曲げるように構成された幅方向折り曲げシステムとしての幅方向折り曲げ機(20)であって、
前記幅方向折り曲げ機(20)は、垂直方向(VD)に沿って並んだ雄部材(26)及び雌部材(28)を含み、
前記雄部材(26)は、前記垂直方向(VD)に垂直な洗濯物品の移動方向(MD)に沿って少なくとも部分的に延在する2つの対向する第1の折り曲げエッジ(34)と、前記第1の折り曲げエッジ(34)の間に延在する、互いに反対側に位置する雄上面(30)及び底面(32)とを備え、
前記雌部材(28)は、少なくとも部分的に前記雄部材(26)の下に配置され、前記移動方向(MD)に沿って内側に収束する2つの対向する第2の折り曲げエッジ(48)を備え、
前記雌部材(28)は、互いに反対側に位置する雌上面(42)及び底面(44)を更に備え、前記垂直方向(VD)に沿った幅方向折り曲げ機(20)の平面視において、各第2の折り曲げエッジ(48)は、それぞれの隣接する第1の折り曲げエッジ(34)と交差しており、
前記雌部材は、対向する折り曲げ突出部(54)を更に備え、前記折り曲げ突出部(54)は、前記雌上面(42)から離れる方向に外側に延びており、また、前記洗濯物品(58)が前記雄上面(30)を進む間に、前記幅方向(WD)に前記洗濯物品(58)の余分な布地、又は肢部分を内側に押し込むように構成される、幅方向折り曲げ機。
【請求項2】
前記雄部材は、傾斜部分を更に備え、前記傾斜部分は、前記雄上面(30)の下で、前記垂直方向(VD)に沿って、前記移動方向(MD)とは反対の方向に下方に延びる、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項3】
前記雌部材及び前記雄部材は、互いに永久的かつ堅固に接続されている、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項4】
前記折り曲げ突出部(54)は、前記移動方向(MD)及び前記垂直方向(VD)と直交する幅方向(WD)に沿って視て、直線状のブレード形状を有する、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項5】
前記折り曲げ突出部(54)は、前記垂直方向(VD)に平行に延びる薄い形状を有する、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項6】
前記折り曲げ突出部(54)は、前記雌上面(42)から離れて、前記雄部材を越えて、垂直方向(VD)に延在する、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項7】
前記折り曲げ突出部(54)は、前記雌上面(42)から延びている、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項8】
各折り曲げ突出部(54)は、それぞれの前記第2の折り曲げエッジ(48)のそれぞれの端部から延在する、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項9】
前記幅方向折り曲げ機は、ちょうど2つの折り曲げ突出部(54)を含む、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項10】
前記雄上面(30)は、その外側に開口する2つの離れた平行な溝(24)を含む、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項11】
前記幅方向折り曲げ機(20)の上面視において、前記第1の折り曲げエッジ(34)の各々に対する接線は、前記移動方向(MD)とは反対の方向に収束する、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項12】
前記幅方向折り曲げ機(20)の底面視において、前記第2の折り曲げエッジ(48)の各々に対する接線は、前記移動方向(MD)に収束する、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項13】
各第2の折り曲げエッジ(48)は、折り曲げエッジ凹部(56)を備え、前記折り曲げエッジ凹部(56)は、折り曲げの形成、前記折り曲げの位置決め、及び長い肢部分、特に長いスリーブの再現性を向上させるように構成される、請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)。
【請求項14】
洗濯物品(58)の余分な部分を幅方向に折り曲げる方法であって、
a. 請求項1に記載の幅方向折り曲げ機(20)を提供するステップと、
b. 前記洗濯物品(58)の余分な肢部分が前記第1の折り曲げエッジ(34)の上にそれぞれ掛かっている間に、前記洗濯物品(58)を前記移動方向(MD)に雄上面(30)を横切って引っ張るステップと、
c. 前記洗濯物品(58)の余分な前記肢部分が前記折り曲げ突出部(54)に乗り、前記幅方向(WD)の内側に付勢される間に、前記洗濯物品(58)を更に引っ張るステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、洗濯物品(articles of laundry)を折り曲げる(fold)ように構成された折り曲げ装置に関する。具体的には、本発明は、洗濯物品の幅方向の折り曲げ(width-folding)を受動的に実行し、幅の広い物品又は幅の広い、膨らんだ、又は硬い肢部分(extremities)を有する物品の余分な布地(fabric)を取り扱うように構成された幅方向折り曲げ機構に関する。
【発明の概要】
【0002】
本出願の主題による第1の態様によれば、洗濯物品、特にその余分な部分を折り曲げるように構成された幅方向折り曲げシステム又は幅方向折り曲げ機(width folder)が提供され、幅方向折り曲げ機は、垂直方向に沿って並んだ(stacked)雄部材及び雌部材を備える。
雄部材は、前記垂直方向に垂直な洗濯物品の移動方向に沿って延びる2つの対向する第1の折り曲げエッジを含んでおり、また、前記第1の折り曲げエッジの間にそれぞれ延びる互いに反対側に位置する(opposite)雄上面及び底面を含む。
前記雌部材は、少なくとも部分的に前記雄部材の下に位置しており、また、移動方向に収束する(converge)2つの対向する第2の折り曲げエッジを含む。前記雌部材は、互いに反対側に位置する(opposite)雌上面及び底面を更に含む。前記垂直方向に沿った前記幅方向折り曲げ機の平面視において、各第2の折り曲げエッジは、それぞれ隣接する第1の折り曲げエッジと交差している。
雌部材は、対向する折り曲げ突出部を更に備える。折り曲げ突出部は、雌上面から離れる方向に外向きに延在しており、また、洗濯物品が雄上面を横切って進行する間に、幅方向(WD)に、洗濯物品の肢部分又は余分な布地を内向きに付勢するように構成される。
【0003】
本出願の主題による第2の態様によれば、以下のステップを含む、洗濯物品の余分な部分を幅方向に折り曲げる方法が提供される。
a. 幅方向折り曲げ機を提供するステップ。
b. 物品の肢部分が第1の折り曲げエッジの上にそれぞれ掛かっている(hang)間に、物品の両側に1つずつ、2つの折り曲げが形成されるまで、物品を移動方向に雄部材の上部上で引っ張るステップ。
【0004】
以下の特徴のいずれも、単独又は組合せのいずれかで、本出願の主題の上記態様のいずれかに適用可能であり得る。
【0005】
雄部材は、雄上面の下で、垂直方向に沿って、かつ移動方向とは反対の方向に下方に延在する傾斜部分を更に備えることができる。
【0006】
雄部材及び雌部材は、好ましくは互いに永久的かつ堅固に接続される。
【0007】
折り曲げ突出部は、移動方向及び垂直方向に垂直な幅方向に沿って見たときに直線状のブレード形状を有することができる。
【0008】
折り曲げ突出部は、垂直方向に平行に延びる薄い形状を有することができる。
【0009】
折り曲げ突出部は、好ましくは雌上面から離れて垂直方向に雄部材を越えて延在する。
【0010】
折り曲げ突出部は、雌上面から延びる。
【0011】
各折り曲げ突出部は、それぞれの雌の折り曲げエッジのそれぞれの端部から延びる。
【0012】
幅方向折り曲げ機は、ちょうど(exactly)2つの折り曲げ突出部を有することができる。
【0013】
幅方向折り曲げ機の上面図では、第1の折り曲げエッジの各々に対する接線は、移動方向とは反対の方向に収束する。
【0014】
雄上面は、その外側に開口する2つの平行な溝又は凹部を含むことができる。
【0015】
幅方向折り曲げ機の底面視において、第2の折り曲げエッジの各々に対する接線は、移動方向に収束する。
【0016】
各第2の折り曲げエッジは、長いスリーブ(袖、sleeve)用の折り曲げエッジ凹部を含むことができる。折り曲げエッジ凹部は、折り曲げの形成、スリーブの位置決め、再現性、及び一貫性(consistency)を改善させるために構成されてもよい。
【0017】
本出願の主題をより良く理解し、それが実際にどのように実行され得るかを示すために、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、洗濯物品を折り曲げるための、幅方向折り曲げ機を含む折り曲げ装置の等角図である。
【
図2】
図2は
図1の雄部材と雌部材とを含む幅方向折り曲げ機の等角図である。雄部材及び雌部材の両方は、洗濯物品に2つの幅方向の折り曲げを行うように構成されている。
【
図4】
図4は、
図2の幅方向折り曲げ機の移動方向に沿った正面図である。
【
図6】
図6は、
図2の幅方向折り曲げ機の、
図3の線VI-VIに沿った断面図であり、2つの特殊な突出部を利用して、硬い(stiff)又はかさばる(bulky)洗濯物品を折り曲げることを示している。
図6は、加えて、幅方向折り曲げ機がそのような物品を折り曲げるために必要な2つの突出部を欠いているシナリオ(状況、scenario)における同じ物品(破線)を示す。
【
図7】
図7は、幅方向折り曲げ機の第2の実施形態の底面等角図である。
【
図9】
図7の幅方向折り曲げ機の、
図8の線IX-IXに沿った断面図である。それは、洗濯物品の長い肢部分の各々に、特殊な折り曲げエッジ凹部で、かつ折り曲げエッジ凹部によって、第2の折り曲げが行われている洗濯物品の概要を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、本出願の主題の様々な態様を説明する。説明の目的のために、特定の構成及び詳細は、本出願の主題の完全な理解を提供するために十分に詳細に記載される。
しかしながら、本出願の主題が、本明細書に示されるいくつかの特定の構成及び詳細が無くても実施され得ることも、当業者には明らかであろう。
【0020】
図1を参照すると、折り曲げ装置10は、物品の供給又は装填システム12を含む。装填システム12は、物品クリップ18を有するハンガー16と幅方向折り曲げ機20とを含む引っ張り機構14を含む。ユーザは、物品58を掴んで保持するハンガークリップ18内に、物品58を供給し、又は配置する。引っ張り機構14は、物品58を、折り曲げ装置10内に、好ましくは折り曲げ装置10内の内側に配置されたコンベヤ上に引っ張る。幅方向折り曲げ機20は、例えば保管中に、折り曲げ装置10内に内側に折り曲げられ、又は挿入されることができ、動作状態中に折り曲げ装置10から外側に延在することができるという意味で、静止可能であっても(stationary)、取り外し可能(dismantlable)であっても、又は格納可能(retractable)であってもよい。
【0021】
物品58が引っ張られる内側方向、幅方向の折り曲げ機20及びコンベアは、搬送方向、すなわち物品の移動方向MDを規定する。幅方向WDは、移動方向MDに垂直に定義される。垂直方向VDは移動方向MDに垂直であり、幅方向WDにも垂直であると定義される。
【0022】
引っ張り機構14は、垂直方向VDにおいて幅方向折り曲げ機20と少なくとも同じ高さ、好ましくは上方に配置される。幅方向折り曲げ機20は好ましくはコンベアの前部又は前方に(in front of, or before)配置される。コンベアは、引っ張り機構14が物品58を解放すると、物品58を折り曲げ装置10内に更に搬送するように構成される。いくつかの実施形態によれば、引っ張り機構14、特にクリップ18は、以下で更に説明するように、幅方向折り曲げ機20の専用の溝24又は凹部に配置される。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、幅方向折り曲げ機20は、幅方向WDに平行な方向に沿って一定の幅を有することができる。
【0024】
図2~3に注目する。幅方向折り曲げ機20は、受動的(passive)又は半受動的な機構である。本明細書では、単語「受動的」が折り曲げ動作中の幅方向折り曲げ機20の静止状態又は剛性状態を表す意味で使用される。むしろ、「能動的(active)」であり、かつ、幅方向折り曲げ機20が受動的に折り曲げを形成するために、引っ張り機構14によってそれを横切って(又はそれを通って)移動方向MDに引っ張られるのは、布地である。
【0025】
図4~6に注目する。幅方向折り曲げ機20は、移動方向MDと垂直方向VDとが延在して交差する物品平面ACの両側で、1つの幅方向の折り曲げを行う又は形成するように構成されている。本実施形態によれば、幅方向折り曲げ機20は垂直方向VDに並んだ2つの部材、すなわち、雄部材26と、その下に配置された雌部材28とを含む。
【0026】
雄部材26は、雄上面30及び底面32と、対向する第1の折り曲げエッジ34とを有する。雄部材26は、一体のワンピース構造を有することができる。両方の第1の折り曲げエッジ34は、好ましくはほぼ平行であるか、又は公差(約2度の偏差)内でほぼ平行であり、それぞれが物品58の第1の折り曲げを規定するように構成される。雄部材26は移動方向MDに傾斜部分又は屈曲部36を含む(雄部材26に下向きの傾斜部分又は凸部を形成する)。その結果、屈曲部36に隣接して、雄部材26は垂直方向VDに沿って下向きに延びる。雄上面30の上面図において、又は垂直方向VDに沿って、第1の折り曲げエッジ34、又は少なくともそれに対する接線は、移動方向MDとは反対に、すなわち折り曲げ装置10から外向きに進むときに、互いに向かって収束することができる。雄上面30は、その外側に開口する2つの平行な溝24又は凹部を含むことができる。溝24は必須ではないが、引っ張り機構14の一部が、物品58と雄上面30との間に最小限のギャップしかない状態で、又はギャップが無い状態で、雄上面30に沿って物品58を引っ張ることを可能にするのに効果的である。このような溝24が無い場合には、引っ張り機構14が物品のエッジを、雄上面30から離れた状態で、僅かに高く保持し、前記ギャップを形成する。これにより、折り曲げの品質及び一貫性が低下する可能性がある。更に、実験によると、ユーザが誤って、フィーダ(送り装置)と上面(フィーダの下)との間のギャップに物品(item)を送ろうとすることがあることが、わかった。更に、引っ張り機構14を雄上面30内に下降させた結果として、物品58は引っ張り機構14から解放された後に落下する距離が小さくなる。したがって、幅方向折り曲げ機20によって折り曲げられた後に展開される可能性が低くなる。
【0027】
再び
図3に注目すると、雌部材28は、互いに反対側に位置する(opposite)雌前部38及び雌後部40を有する。その各々は、互いに反対側に位置する雌上面42と底面44との間に延在する。雌部材28は、その間に開口を形成する2つの対向する雌延長部46を含む。2つの雌延長部46の各々は、反対側の雌延長部46の別の第2の折り曲げエッジ48に対向する内側の第2の折り曲げエッジ48を含む。雌部材28の上面図では2つの第2の折り曲げエッジ48、又は少なくともそれに対する接線は、移動方向MDに進むときに互いに向かって収束する。
【0028】
雌後部40は、コンベア移行アダプタ(conveyor transition adapter)50を含むことができる。コンベア移行アダプタ50はアダプタ突出部52を有する。アダプタ突出部52は、折り曲げられた物品58が、雌部材28に隣接する移動方向MDに配置されたコンベアのコンベアベルト間で絡まったり、及び/又は固着したり(getting stuck)するのを防止するように、構成されている。更に、アダプタ突出部52は、隣接するコンベヤベルトが重なり合うこと、すなわち、互いの上に乗り上げることを防止する。アダプタ突出部52は、コンベア移行アダプタ50から延びる細長い指形状の延長部である。アダプタ突出部52は、移動方向MD、及び垂直方向VDの下方の両方に、延在することができる。各アダプタ突出部52は、2つのコンベヤベルトの間に嵌まる(fit)ように構成され、したがって、幅方向折り曲げ機20によって折り曲げられた物品58がコンベヤベルトの間に入ることを防止する。
【0029】
雌部材28は更に、雌上面42から離れる方向に外側に延びる折り曲げ突出部54を含む。折り曲げ突出部54は、物品58が雄上面30を横切って幅方向折り曲げ機20上に引っ張られたときに、物品58の余分な布地に、折り曲げを実行し、及び/又は、収束を誘発するように構成される。
【0030】
各折り曲げ突出部54は、直線状のブレード又はフィンの形状を有することができる。
言い換えれば、折り曲げ突出部54は、薄いデザインを有することができる。具体的には折り曲げ突出部54が幅方向WDに沿って測定された突出部幅PWを有する。この突出部幅PWは垂直方向VD又は移動方向MDのいずれかで測定された折り曲げ突出部54の寸法のいずれよりも小さい。
【0031】
図3に見られるように、幅方向折り曲げ機20の平面図において、又は垂直方向VDに沿った図において、折り曲げ突出部54は、移動方向MDに平行に延びる細長い形状を有することができる。折り曲げ突出部54は、雄部材26の上方、及び/又は、雄部材26と雌部材28との間に進入しなかった又は引っ張られた余分な布地の部分を「拾い上げ(pick up)」、収束させるように設計され、構成されている。
図6には、折り曲げ突出部54(破線)がない場合に、幅方向折り曲げ機20に対して、比較的短いが硬い肢部分を有する物品58の断面がどのように見えるかが示されている。同じ図において、同じ物品が、折り曲げ突出部54を含む幅方向折り曲げ機20において適切に折り曲げられる様子も示されている。
【0032】
各折り曲げ突出部54は、雌上面42から離れる垂直方向(VD)に、雌上面42から雄部材26を越えて延びることができる。
【0033】
各折り曲げ突出部54は、好ましくはそれぞれの第2の折り曲げエッジ48の入口端部から延びている。具体的には、各折り曲げ突出部54は、雌部材28の先端で第2の折り曲げエッジ48に面する(meet)ことができる。本実施形態によれば、幅方向折り曲げ機20は、ちょうど2つの折り曲げ突出部54を含む。
【0034】
幅方向折り曲げ機20の上面図で、その入口端部において、2つの第1の折り曲げエッジ34が幅方向WDにおいて2つの第2の折り曲げエッジ48の間に配置され、物品58が移動方向MDにおいて雄部材26を横切って引っ張られる場合を考える。その場合、物品58の中間部分が雄部材26上に乗り、雄部材26の各側部に位置する余分な布地は、下方に垂れ下がり、ほとんどの場合、各隣接する第1の折り曲げエッジ34と第2の折り曲げエッジ48との間に配置されることが分かる。
図6又は
図9に注目する。物品58が移動方向MDに更に引っ張られると、第2の折り曲げエッジ48の内側への収束により、余分な布地のこれらの部分は、雄部材26の下で、第1の折り曲げエッジ34を横切って、付勢されるか、又は折り曲げられる(したがって、折り曲げは、最初に、第1の折り曲げエッジ34の両方において、及び、第1の折り曲げエッジ34の両方によって作られる。)。しかしながら、洗濯物品58の幅が広すぎたり、膨らんでいたり、又は硬すぎる場合には、折り曲げ突出部54が無ければ、物品58のこれらの肢部分が雌部材28の外側、又はその上に進み、第2の折り曲げエッジ48の到達範囲外(out of the reach)に出そうになる。このような場合、折り曲げ突出部54は、このようなことが起こらないように構成され、余分な布地を第2の折り曲げエッジ48に向かって強制的に戻すことによって収束させる。
【0035】
幅方向折り曲げ機20の第2の実施形態が
図7~9に示されている。各第2折り曲げエッジ48は、それに沿って折り曲げエッジ凹部56を含むことができる。折り曲げエッジ凹部56は、特に長いスリーブのような物品58の長い部分において、折り曲げ部の配置及び折り曲げの形成を改善し、好ましくは確実にするために、物品の布地を補助し、及び/又は搬送するように構成される。これは、
図9に示されている。折り曲げエッジ凹部56は、物品58が第2折り曲げエッジ48によって幅方向WDに内側に付勢される際に、より予測可能な折り曲げを可能にすることもできる。また、折り曲げエッジ凹部56は、折り曲げの一貫性及び再現性を改善することができる。
【0036】
本出願の主題によれば、幅方向折り曲げ機20を介して物品58を幅方向に折り曲げる方法は、以下のステップを含む:
a. 幅方向折り曲げ機20を提供するステップ。
b. 物品58の余分な肢部分がそれぞれ第1の折り曲げエッジ34上に掛かっている間に、物品58の各側に1つずつ、2つの折り曲げが形成されるまで、物品58を雄部材26の上部上で移動方向MDに引っ張るステップ。
c.物品58の余分な肢部分が折り曲げ突出部54上に乗り(climb)、幅方向WDに内側に付勢されている間に、物品58を更に内側に引っ張るステップ。
【国際調査報告】