(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】機能性物質がコーティングされた喫煙物品用チップペーパーおよびこのチップペーパーのコーティング方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A24D1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530843
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 KR2021002106
(87)【国際公開番号】W WO2021241850
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0064712
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン、ハエ グン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン キュン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ヨウン クン
(72)【発明者】
【氏名】リー、スン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、イン ボム
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホ リム
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ハン ヒュン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AB14
(57)【要約】
本発明の一実施例によれば、喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部と、上流末端が喫煙物質部に結合され、フィルターラッパーで包まれたフィルター部と、喫煙物質部とフィルター部が結合されるように、喫煙物質部の少なくとも一部の領域とフィルター部を包むチップペーパーと、を含み、チップペーパーは、OPインクに少なくとも一つの機能性物質および少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加されたOPコーティング溶液でコーティングされた喫煙物品が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部と、
上流末端が前記喫煙物質部に結合され、フィルターラッパーで包まれたフィルター部と、
前記喫煙物質部と前記フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記フィルター部を包むチップペーパーと、を含み、 前記チップペーパーは、OPインク(over print インク)に少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加された、OPコーティング溶液でコーティングされた、喫煙物品。
【請求項2】
前記チップペーパー内に添加された前記OPインクの重量および前記チップペーパー内に添加された前記OP補助剤の重量の比は、1:2~2:1であり、
前記チップペーパー内に添加された前記少なくとも一つの機能性物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記少なくとも一つの機能性物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:1.5~1:600である、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記少なくとも一つの機能性物質は、甘味料物質および有害菌および口臭低減物質のうち少なくとも一つを含む、請求項1または2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記甘味料物質は、スクラロース、クエン酸、シナモン、ダークチョコおよびリンゴ酸のうち少なくとも一つを含み、
前記有害菌および口臭低減物質は、ローズマリーオイル、グレープフルーツ種子抽出物、前記スクラロースおよび前記リンゴ酸のうち少なくとも一つを含む、請求項3に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記少なくとも一つの機能性物質は、前記リンゴ酸、前記スクラロース、前記ローズマリーオイル、前記グレープフルーツ種子抽出物、または前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質のうちいずれか一つからなる、請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記少なくとも一つの機能性物質は、前記リンゴ酸からなり、前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:2~1:25である、請求項5に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:7~1:12である、請求項6に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記少なくとも一つの機能性物質は、前記スクラロース、前記ローズマリーオイルおよび前記グレープフルーツ種子抽出物のうちいずれか一つからなり、前記チップペーパー内に添加された前記機能性物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記機能性物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:2~1:25である、請求項5~7のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記機能性物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記グレープフルーツ種子抽出物の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:3~1:10である、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記少なくとも一つの機能性物質は、前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質からなり、
前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:2~1:12であり、
前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記スクラロースの重量の比は、1:0.006~1:1.25である、請求項5~9のいずれか一項に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記スクラロースの重量の比は、1:0.1~1:0.3である、請求項10に記載の喫煙物品。
【請求項12】
喫煙物品用ラッパーであり、
OPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加されたOPコーティング溶液でコーティングされた、喫煙物品用ラッパー。
【請求項13】
前記喫煙物品用ラッパーは、喫煙物質部と喫煙物品用フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記喫煙物品用フィルター部を包む喫煙物品用チップペーパーである、請求項12に記載の喫煙物品用ラッパー。
【請求項14】
チップペーパーのコーティング方法であり、
OPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加された、OPコーティング溶液を準備する段階と、
前記OPコーティング溶液を前記チップペーパーの表面にコーティングする段階と、を含む、チップペーパーのコーティング方法。
【請求項15】
前記少なくとも一つの機能性物質は、粉末状態の第1機能性物質およびオイル状態の第2機能性物質を含み、
前記OPコーティング溶液を準備する段階で、前記粉末状態の第1機能性物質および前記オイル状態の第2機能性物質は、前記OPコーティング溶液に順次にそれぞれ溶解する、請求項14に記載のチップペーパーのコーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品用チップペーパーおよびそのコーティング方法に関し、より詳細には、喫煙時の多様な味覚付与、異臭減少、有害菌低減作用および口臭低減作用などのための機能性物質がコーティングされたチップペーパーおよびそのコーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、タバコを製造するためには、まず葉タバコおよび板状葉など多様な種類のタバコ材料を配合および加工し、巻紙で包んだ後、フィルターを付着する。前記フィルターは、チップペーパー(tip paper)により前記タバコ材料が充填された喫煙物質部と連結され、前記チップペーパーの表面には、一般的に印刷工程および前記印刷工程で印刷されたインクの脱落防止のためのOP(over print)コーティングまたはOPV(Over print varnish)工程が行われる。
【0003】
一方、前記チップペーパーは、喫煙時に使用者の口部に接触する部分であって、場合によって印刷工程またはOPコーティングで使用された溶液内の特定成分により喫煙時に異臭発生などの問題が引き起こされることがあり、このような問題を解消するための多様な研究が進行されているが、印刷溶液またはOPコーティング溶液の成分を無分別に変更したり追加時に印刷用シリンダーの板詰まり、チップペーパーのカール(curl)発生、印刷時にインクの裏移りまたは印刷インクの脱落発生などの追加的問題が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、チップペーパーに印刷されたインクの脱落現象などの発生なしに喫煙時に異臭を最小化すると同時に、多様な味覚と機能性を付与できるチップペーパーおよびそのコーティング方法を提供することにある。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野における通常の技術者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明の一部の実施例によれば、喫煙物質ラッパーで包まれた喫煙物質部と、上流末端が前記喫煙物質部に結合され、フィルターラッパーで包まれたフィルター部と、前記喫煙物質部と前記フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記フィルター部を包むチップペーパーと、を含み、前記チップペーパーがOPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加されたOPコーティング溶液でコーティングされた喫煙物品が提供される。
【0007】
一部の実施例において、前記チップペーパー内に添加された前記OPインクの重量および前記チップペーパー内に添加された前記OP補助剤の重量の比は、1:2~2:1であり、前記チップペーパー内に添加された前記少なくとも一つの機能性物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記少なくとも一つの機能性物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:1.5~1:600でありうる。
【0008】
一方、前記少なくとも一つの機能性物質は、甘味料物質および有害菌および口臭低減物質のうち少なくとも一つを含むことができる。一例として、前記甘味料物質は、スクラロース、クエン酸、シナモン、ダークチョコ、リンゴ酸のうち少なくとも一つを含み、前記有害菌および口臭低減物質は、ローズマリーオイル、グレープフルーツ種子抽出物、前記スクラロースおよび前記リンゴ酸のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0009】
好ましくは、前記少なくとも一つの機能性物質は、前記リンゴ酸、前記スクラロース、前記ローズマリーオイル、前記グレープフルーツ種子抽出物、または前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質のうちいずれか一つからなり得る。
【0010】
具体的に、前記少なくとも一つの機能性物質は、前記リンゴ酸からなり、前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:2~1:25でありうる。好ましくは、前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:7~1:12でありうる。
【0011】
または、前記少なくとも一つの機能性物質は、前記スクラロース、前記ローズマリーオイルおよび前記グレープフルーツ種子抽出物のうちいずれか一つからなり、前記チップペーパー内に添加された前記機能性物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記機能性物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:2~1:25でありうる。好ましくは、前記機能性物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記機能性物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:3~1:10でありうる。
【0012】
また、前記少なくとも一つの機能性物質は、前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質からなり、前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質の重量と前記OPインクの重量の比、または前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸と前記スクラロースの混合物質の重量と前記OP補助剤の重量の比は、1:2~1:12であり、前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記スクラロースの重量の比は、1:0.006~1:1.25でありうる。好ましくは、前記チップペーパー内に添加された前記リンゴ酸の重量と前記スクラロースの重量の比は、1:0.1~1:0.3でありうる。
【0013】
本発明の一部の実施例によれば、OPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加されたOPコーティング溶液でコーティングされた喫煙物品用ラッパーが提供される。好ましくは、前記喫煙物品用ラッパーは、喫煙物質部と喫煙物品用フィルター部が結合されるように、前記喫煙物質部の少なくとも一部の領域と前記喫煙物品用フィルター部を包む喫煙物品用チップペーパーでありうる。
【0014】
また、本発明の一部の実施例によれば、OPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加された、OPコーティング溶液を準備する段階と、前記OPコーティング溶液を前記チップペーパーの表面にコーティングする段階と、を含むチップペーパーのコーティング方法が提供される。
【0015】
一部の実施例において、前記少なくとも一つの機能性物質は、粉末状態の第1機能性物質およびオイル状態の第2機能性物質を含み、前記OPコーティング溶液を準備する段階で、前記粉末状態の第1機能性物質および前記オイル状態の第2機能性物質は、前記OPコーティング溶液に順次にそれぞれ溶解することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によるチップペーパーによれば、印刷インクの脱落を防止すると同時に、コーティング溶液に含有された機能性物質による喫煙時に異臭発生の最小化および多様な味覚付与を通した喫煙官能特性の改善が可能である。
【0017】
また、前記機能性有害菌および口臭低減物質が含まれ得、使用者の口部が前記チップペーパーと接触する場合、使用者口腔内微生物減少効果も発現することができる。
【0018】
また、リンゴ酸およびスクラロースのうち一つ以上の物質が前記機能性物質に含まれる場合、上述した異臭の減少、味覚満足度の増進および有害菌の低減作用と共に、喫煙者の口臭低減効果まで確保することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一部の実施例によって機能性物質がコーティングされたチップペーパーを含む喫煙物品の例示的な構成を示す図である。
【
図2】本発明の一部の実施例によるチップペーパーのコーティング方法を例示的に示すフローチャートである。
【
図3】比較例1、実施例2および4においての有害菌低減作用を肉眼で確認できる写真である。
【
図4】実施例2、4、5、14、15に対する試験成績書である。
【
図5】実施例2、4、5、14、15に対する試験成績書である。
【
図6】実施例2、4、5、14、15に対する試験成績書である。
【
図7】実施例2、4、5、14、15に対する試験成績書である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施例を参照すれば明確になるだろう。しかしながら、本発明は、以下で掲示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、単に本実施例は、本発明の掲示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全般において同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0021】
別途の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味として使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解析されない。
【0022】
また、本明細書において単数型は、文章において特に言及しない限り、複数型も含まれ得る。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0023】
本明細書で使用される「第1」または「第2」などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語により限定されるべきものではない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0024】
明細書全般において、「喫煙物品」は、タバコ(巻きタバコ)、シガレットなどのように、エアロゾルを発生させることができる物を意味する。喫煙物品は、エアロゾル発生物質またはエアロゾル形成基質を含むことができる。また、喫煙物品は、板状葉タバコ、刻みたばこ、再構成タバコなどタバコ原料を基礎とする固体物質を含むことができる。喫煙物質は、揮発性化合物を含むことができる。
【0025】
図1は、本発明の一部の実施例によって機能性物質がコーティングされたチップペーパーを含む喫煙物品の例示的な構成を示す図である。
【0026】
本明細書では、喫煙物品100が燃焼型巻きタバコである場合を例にあげて説明したが、これに限定されず、喫煙物品100は、電子タバコ機器などのエアロゾル生成装置(不図示)とともに使用される加熱式巻きタバコなどでありうることはもちろんである。
【0027】
図1を参照すると、喫煙物品100は、フィルターラッパー110aで包まれたフィルター部110と、喫煙物質ラッパー120aで包まれた喫煙物質部120と、前記フィルター部110および喫煙物質部120を結合させるチップペーパー130とを含むことができる。
【0028】
フィルター部110は、喫煙物質部120の下流に配置されて、喫煙物質部120で発生したエアロゾル物質を使用者が吸入する直前に通過する領域でありうる。
【0029】
フィルター部110は、多様な材質で形成され得るが、例えばフィルター部110は、セルロースアセテートフィルターでありうる。フィルター部110は、香料物質が加香処理されないセルロースアセテートフィルターであってもよく、香料物質が加香処理されたTJNS(transfer jet nozzle system)フィルターであってもよい。
【0030】
一部の実施例において、フィルター部110は、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。また、フィルター部110は、内部(例えば、中空)に同じあるいは異なる材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造されることもできる。
【0031】
本実施例のフィルター部110は、単一フィルターからなるモノフィルターであることが示されたが、これに限定されない。例えば、フィルター部110は、フィルター効率を高めるために、2個のアセテートフィルターを具備したデュアルフィルターまたは三重フィルターなどで設けられ得ることは当然である。
【0032】
また、図示されてはいないが、フィルター部110の内部には、香料を含む内容液を皮膜で包んだ構造の破砕可能なカプセル(不図示)が含まれることもできる。
【0033】
上述したフィルター部110は、喫煙物質部120の下流に配置されて、喫煙物質部120で発生したエアロゾル物質を使用者が吸入する直前に通過するフィルターとしての役割を行うことになる。
【0034】
前記フィルター部110は、フィルターラッパー110aにより包装され得る。フィルターラッパー110aは、耐油性を有する巻紙で製作され得、フィルターラッパー110aの内側面には、アルミホイルがさらに含まれることもできる。
【0035】
喫煙物質部120は、原料葉タバコ、板状葉または葉タバコと板状葉が配合された混合物で充填され得る。前記混合物は、シート形態または刻み形態で喫煙物質部120に充填され得る。喫煙物質部120は、長く延びたロッド形態を有することができ、その長さ、周りおよび直径は、多様でありうる。また、喫煙物質部120は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つのエアロゾル発生物質を含むことができる。また、喫煙物質部120は、風味剤、湿潤剤および/またはアセテート化合物のような他の添加物質を含有することができる。
【0036】
喫煙物質部120は、喫煙物質ラッパー120aにより包装され得る。前記喫煙物質ラッパー120aは、二重巻紙構造を有することもでき、また、喫煙物質ラッパー120aは、一つ以上の低延焼性(Low Ignition Propensity,LIP)バンド(不図示)が形成された低延焼性巻紙であってもよい。
【0037】
フィルターラッパー110aにより包装されたフィルター部110および喫煙物質ラッパー120aにより包装された喫煙物質部120は、チップペーパー130により結合包装され得る。すなわち、チップペーパー130は、喫煙物質ラッパー120aの少なくとも一部分(例えば、下流の一部の領域)およびフィルターラッパー110aの外郭に囲まれることができる。換言すれば、喫煙物質部120の少なくとも一部分およびフィルター部110は、チップペーパー130によりさらに包装され、物理的に結合され得る。
【0038】
チップペーパー130は、また、不燃性物質を含むことによって、フィルター部110が燃焼する現象を防止することもできる。
【0039】
一部の実施例において、チップペーパー130は、耐油処理されない非多孔性巻紙で製作され得るが、これに制限されない。
【0040】
一方、チップペーパー130の表面には、印刷工程で印刷されたインクの脱落防止のためのOPコーティング層が具備され得、場合によって印刷インクまたはOPコーティング層内の特定成分により喫煙時に異臭が発現することができる。
【0041】
これにより、前記異臭発現問題を最小化すると同時に、使用者に多様な味覚と機能性を付与するために、本発明の実施例によるチップペーパー130の表面に形成されたOPコーティング層には、甘味料物質および/または有害菌および口臭低減物質で構成された少なくとも一つの機能性物質が含有され得る。
【0042】
具体的に、前記チップペーパー130の表面(すなわち、使用者の口部と接触する外側面)は、油性のOPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加されたOPコーティング溶液でコーティングされ得る。
【0043】
一方、前記OPインクは、ニトロセルロース(Nitrocellulose)、ポリアミド(Polyamide)、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol;IPA)およびエチルアセテート(Ethyl acetate)等の組合せで構成され得、前記OP補助剤は、イソプロピルアルコール、エチルアセテート、プロピルアセテート(Propyl acetate)等の組合せで構成され得るが、これに制限されないことはもちろんである。
【0044】
一部の実施例において、前記チップペーパー130にコーティングされる機能性物質は、甘味料物質および有害菌および口臭低減物質のうち少なくとも一つを含むことができる。前記甘味料物質は、チップペーパー130にコーティングされて使用者の口部とチップペーパー130の接触時に使用者に甘味、苦味、塩味、酸味などの多様な味覚を付与する役割を行うことができ、前記有害菌および口臭低減物質は、使用者の口腔内微生物を減少させる役割を行うことができる。
【0045】
好ましくは、前記甘味料物質は、スクラロース、クエン酸、シナモン、ダークチョコおよびリンゴ酸のうち少なくとも一つを含むことができ、前記有害菌および口臭低減物質は、ローズマリーオイル、グレープフルーツ種子抽出物、スクラロースおよびリンゴ酸のうち少なくとも一つを含むことができる。より好ましくは、前記機能性物質は、リンゴ酸、スクラロース、ローズマリーオイル、グレープフルーツ種子抽出物、またはリンゴ酸とスクラロースの混合物質のうちいずれか一つからなり得る。
【0046】
特に、羅列された前記機能性物質のうち、スクラロースおよびリンゴ酸などの成分は、後述する喫煙官能評価、口臭評価および有害菌低減試験評価で記述することのように、甘味料としての役割と共に、口臭低減効果および有害菌低減効果を同時に有することができる。
【0047】
図2は、本発明の一部の実施例によるチップペーパーのコーティング方法を例示的に示すフローチャートである。
【0048】
図2を参照すると、チップペーパーのコーティング方法は、OPインクに少なくとも一つの機能性物質および前記少なくとも一つの機能性物質の溶解性を増進させるOP補助剤が添加されたOPコーティング溶液を準備する段階(S10)と、前記OPコーティング溶液を前記チップペーパーの表面にコーティングする段階(S20)と、を含むことができる。
【0049】
OPコーティング溶液の準備段階(S10)で、OPインクおよびOP補助剤は、略1:2~2:1の重量比で混合され得る。例えば、前記OPインクおよびOP補助剤の投入量は、略1:1の比率を有することができるが、これに制限されない。
【0050】
OPコーティング溶液内には、約0.1重量%~20重量%の機能性物質が添加され得る。また、OPコーティング溶液内に添加された機能性物質とOPインク(またはOP補助剤)の重量比は、約1:1.5~1:600、好ましくは、約1:2~1:500でありうる。
【0051】
一方、上記した機能性物質が添加されたOPコーティング溶液をチップペーパーにコーティングする過程で発生しうる印刷シリンダーの板詰まり、チップペーパーのカール発生、印刷インクの裏移りまたは印刷インク脱落などの問題を解消すると同時に、上述した機能性物質の効果を確保するために、前記機能性物質は、その種類によってOPコーティング溶液内の添加量が異なってもよく、表1は、各機能性物質別に適正のOPコーティング溶液組成比を示す。
【0052】
【0053】
より具体的に、リンゴ酸が機能性物質として添加される場合、チップペーパーコーティングのためのOPコーティング溶液内に添加されたリンゴ酸とOPインク(またはOP補助剤)の重量比は、約1:2~1:25、好ましくは、約1:7~1:12(例えば、約1:9.5)でありうる。すなわち、OPインクとOP補助剤が1:1の割合で投入される場合の例をあげると、OPコーティング溶液内には、リンゴ酸が約0.1%~20%、好ましくは、約2%~8%、より好ましくは、約4%~7%(例えば、5%)添加され得る。グレープフルーツ種子抽出物が機能性物質として添加される場合、チップペーパーコーティングのためのOPコーティング溶液内に添加されたグレープフルーツ種子抽出物とOPインク(またはOP補助剤)の重量比は、約1:2~1:25、好ましくは、約1:3~1:10(例えば、約1:6.6)でありうる。すなわち、OPインクとOP補助剤が1:1の割合で投入される場合の例をあげると、OPコーティング溶液内には、グレープフルーツ種子抽出物が約0.1%~20%、好ましくは、約3%~11%、より好ましくは、約5%~14%(例えば、7%)添加され得る。
【0054】
一方、このようにグレープフルーツ種子抽出物が機能性物質として添加される場合、機能性物質がコーティングされたチップペーパー130には、アスコルビン酸(ascorbic acid)、トコフェロール(tocopherol)、パルミチン酸(palmitic acid)、アミノ酸(amino acid)、グルコース(glucose)、ナリンギン(naringin)およびシトラール(citral)のうち少なくとも一つ以上が有効成分として含有され得る。
【0055】
有害菌低減効果の極大化のためには、リンゴ酸とスクラロースの混合物質が機能性物質として添加されることが好ましい。この場合、チップペーパーコーティングのためのOPコーティング溶液内に添加された前記リンゴ酸およびスクラロースの混合物質とOPインク(またはOP補助剤)の重量比は、約1:2~1:25、好ましくは、約1:5~1:10(例えば、約1:7.8)でありうる。すなわち、OPインクとOP補助剤が1:1の割合で投入される場合の例をあげると、OPコーティング溶液内には、前記リンゴ酸およびスクラロースの混合物質が約0.1%~20%、好ましくは、約4%~9%(例えば、約6%)添加され得る。
【0056】
より具体的に、前記リンゴ酸とスクラロースの混合物質内リンゴ酸およびスクラロースの重量比は、約1:0.006~1:1.25、好ましくは、約1:0.1~1:0.3でありうる。すなわち、OPコーティング溶液内には、リンゴ酸が約4%~15%、スクラロースが約0.1%~5%(例えば、リンゴ酸約5%およびスクラロース約1%)でありうる。
【0057】
上記した機能性物質を上記した組成比で添加したOPコーティング溶液を活用してコーティング段階(S20)を行うとき、チップペーパー表面上のインク脱落防止、使用者の唇にチップペーパーがくっつく現象防止などOPコーティング層固有の役割を忠実に確保すると同時に、より有利な官能特性および有害菌低減、口臭低減効果を確保することができることになる。
【0058】
一方、一部の実施例では、粉末状態の第1機能性物質およびオイル状態の第2機能性物質が前記OPコーティング溶液に添加され得る。
【0059】
この場合、前記粉末状態の第1機能性物質および前記オイル状態の第2機能性物質は、前記OPコーティング溶液に順次にそれぞれ溶解することができる。
【0060】
好ましくは、粉末状態の第1機能性物質およびオイル状態の第2機能性物質それぞれの溶解性を極大化するために、粉末状態の第1機能性物質を先にOPコーティング溶液に添加して十分に溶解させ、その後、オイル状態の第2機能性物質をOPコーティング溶液に添加および溶解させることができる。
【0061】
以下、実施例と比較例を通じて本発明の構成およびそれによる効果をより詳細に説明することとする。しかし、本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものではない。
【0062】
実施例1
リンゴ酸約1.5%、OPインク約49.25%およびOP補助剤約49.25%からなるOPコーティング溶液で、実施例のために試験用で製造されたレギュラー巻きタバコのチップペーパーをコーティングした。
【0063】
実施例2
リンゴ酸約5.0%、OPインク約47.5%およびOP補助剤約47.5%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0064】
実施例3
グレープフルーツ種子抽出物約1.0%、OPインク約49.5%およびOP補助剤約49.5%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0065】
実施例4
グレープフルーツ種子抽出物約7.0%、OPインク約46.5%およびOP補助剤約46.5%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0066】
実施例5
リンゴ酸約5.0%、スクラロース約0.9%、OPインク約47.05%およびOP補助剤約47.05%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0067】
実施例6
スクラロース約0.5%、OPインク約49.75%およびOP補助剤約49.75%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0068】
実施例7
スクラロース約2.0%、OPインク約49.0%およびOP補助剤約49.0%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0069】
実施例8
クエン酸約0.5%、OPインク約49.75%およびOP補助剤約49.75%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0070】
実施例9
クエン酸約2.0%、OPインク約49.0%およびOP補助剤約49.0%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0071】
実施例10
シナモンオイル約0.1%、OPインク約49.95%およびOP補助剤約49.95%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0072】
実施例11
シナモンオイル約0.3%、OPインク約49.85%およびOP補助剤約49.85%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0073】
実施例12
ダークチョコ香約0.1%、OPインク約49.95%およびOP補助剤約49.95%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0074】
実施例13
ダークチョコ香約1.5%、OPインク約49.25%およびOP補助剤約49.25%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0075】
実施例14
ローズマリーオイル約5.0%、OPインク約47.5%およびOP補助剤約47.5%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0076】
実施例15
スクラロース約5.0%、OPインク約47.5%およびOP補助剤約47.5%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0077】
比較例1
OPインク約50.0%およびOP補助剤約50.0%からなるOPコーティング溶液を使用した点を除いて、実施例1と同じ巻きタバコを製造した。
【0078】
実験例1:機能性物質のコーティングによる喫煙官能評価
機能性物質のコーティングによる官能特性改質効果性を確認するために、実施例および比較例それぞれに対するタバコ味の他に味覚満足度、喉越しの柔らかさおよび異臭味特性に対する官能評価を実施した。官能特性評価は、実施例および比較例によって製造された巻きタバコそれぞれを利用して30人の評価パネルを対象に1日に1回で4日間ランダムで実施し、総7点満点を基準とした。
【0079】
表2は、比較例1および実施例1~15によって製造された喫煙物品の喫煙官能評価結果を示す。
【0080】
【0081】
表2に示されたように、実施例1~15の巻きタバコの全部で、比較例1の巻きタバコに比べて優れた味覚満足度、喉越しの柔らかさおよび異臭味特性が示された。具体的に、使用者の口部がチップペーパーと接触して発生する味覚満足度の特性は、特にリンゴ酸がコーティングされた実施例2、リンゴ酸とスクラロースがコーティングされた実施例5、スクラロースがコーティングされた実施例7、シナモンオイルがコーティングされた実施例11、ダークチョコ香がコーティングされた実施例13およびスクラロースが5%コーティングされた実施例15においてさらに優れていることが示され、主流煙の喉越しの柔らかさ特性は、リンゴ酸がコーティングされた実施例2およびシナモンオイルがコーティングされた実施例10においてさらに優れていることが示され、異臭低減効果は、リンゴ酸がコーティングされた実施例2、リンゴ酸とスクラロースがコーティングされた実施例5、スクラロースがコーティングされた実施例7、クエン酸がコーティングされた実施例9およびスクラロースが5%コーティングされた実施例15においてさらに優れていることが示された。
【0082】
一方、リンゴ酸が5%コーティングされた実施例2およびリンゴ酸5%とスクラロース0.9%がコーティングされた実施例5の場合、評価属性の全部において他の実施例に比べて最も優れていることが示されて、実施例2および5による巻きタバコが、喫煙官能の側面では最も有利であることを確認することができた。
【0083】
実験例2:機能性物質のコーティングによる口臭低減特性評価
機能性物質のコーティングによる口臭低減効果性を確認するために、実施例1~4および比較例1それぞれに対する口臭を捕集して分析した。
【0084】
口臭捕集は、総5人の喫煙者を対象に実施例別に4回ずつ行われ、一回当たりの間隔は、30分に設定して行われた。口臭捕集は、喫煙者それぞれが1本喫煙後に2分間口を閉じた後に行われ、捕集された煙を3Lテドラーバッグにサンプリング後、パルス型炎光光度検出器(pulsed flame photometric detector;PFPD)を利用したTD(thermal desorber)/GC(gas chromatography)分析を行った。
【0085】
分析は、口臭を誘発する主要成分である硫化水素(Hydrogen Sulfide;H2S)、メチルメルカプタン(Methyl Mercaptan;MM)、ジメチルスルフィド(Di-Methyl Sulfide;DMS)およびジメチルジスルフィド(Di-Methyl Di-Sulfide;DMDS)を対象に行われたが、DMDSの場合、閾値以下の水準の濃度で検出されるなど有意味な結果の導き出しに困難があるから、下記表3では除外した。
【0086】
表3には、実施例別の各成分の中位値、中位値を閾値インデックス(TI,Threshold Index)で割った値およびそれにより算出された成分別の増減率(%)が提示されている。
【0087】
【0088】
表3に示されたように、実施例の全部において、概して口臭誘発成分の減少傾向が現れた。具体的に、リンゴ酸がコーティングされた実施例1および2の場合、硫化水素およびジメチルスルフィドの成分減少効果は実質的にないことが示されたが、有意味な程度のメチルメルカプタン成分減少を確認することができた。
【0089】
閾値インデックスが低いほど臭い発生寄与度が高い一般的傾向を考慮するとき(メチルメルカプタン、硫化水素およびジメチルスルフィドそれぞれのTIは、0.07ppb、0.4ppbおよび3.0ppbである)、実質的にメチルメルカプタン低減特性のみが確認されたリンゴ酸コーティングの場合にも、実質的な口臭低減効果を期待できることが予想される。
【0090】
一方、グレープフルーツ種子抽出物がコーティングされた実施例3および4の場合、すべての口臭誘発成分が概して減少した傾向が現れ、特に硫化水素およびメチルメルカプタン成分は、非常に大きい減少率を示して、チップペーパーにスクラロースまたはグレープフルーツ種子抽出物がコーティングされることが、口臭低減効果の側面では最も優れていることを確認することができた。
【0091】
実験例3:機能性物質のコーティングによる有害菌低減試験結果
実施例別に有害菌低減効果を評価するために、実施例別に口腔内存在するミュータンス菌(Streptococcus mutans)の減少率試験を韓国標準試験研究院に依頼して進め、その結果を下記表4に要約した。
図3は、比較例1、実施例2および4においての有害菌低減作用を肉眼で確認できる写真であり、
図4~
図7それぞれは、実施例2、4、5、14、15に対する試験成績書である。
【0092】
一方、前記試験では、各機能性物質がコーティングされたチップペーパーにミュータンス菌を18時間吸収させた後、さらに回収および培養し、機能性物質をコーティングしない対照群に対するミュータンス菌減少率を測定した。
【0093】
【0094】
表4および
図3~
図7を相互参照すると、実施例2、4、5、14、15の全部において、優れたミュータンス菌減少率が示されたことを確認することができる.具体的に、リンゴ酸が5%コーティングされた実施例2の場合、80%以上のミュータンス菌減少効果が示され、グレープフルーツ種子抽出物が7%コーティングされた実施例4においても、約50%の減少率が示され、ローズマリーオイルが5%コーティングされた実施例14においても、約44%の減少率が示され、スクラロースが5%コーティングされた実施例15においても、約65%の減少率が示された。特に、リンゴ酸5%およびスクラロース0.9%がコーティングされた実施例5の場合、約98%の減少率が示されて、有害菌低減の側面で非常に優れた性能を確認することができた。
【0095】
上記した結果を通じて、上述した機能性物質がコーティングされたチップペーパーが使用者の唇に触れるとき、口腔内存在する菌に対する有害菌低減効果を期待することができる。
【0096】
本実施例と関連した技術分野における通常の知識を有する者は、上記した記載の本質的な特性を逸脱しない範囲で変形された形態に具現され得ることを理解することができる。したがって、開示された方法は、限定的な観点でなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明でなく、特許請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれたものと解すべきである。
【国際調査報告】