IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 愛易成技術(天津)有限公司の特許一覧

特表2022-539638車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置
<>
  • 特表-車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置 図1
  • 特表-車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置 図2
  • 特表-車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置 図3
  • 特表-車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/08 20060101AFI20220906BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
G08G1/08 A
G08G1/09 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544854
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2020082570
(87)【国際公開番号】W WO2020156597
(87)【国際公開日】2020-08-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519324983
【氏名又は名称】愛易成技術(天津)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】李 春明
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB13
5H181BB15
5H181DD02
5H181FF33
5H181JJ06
5H181JJ10
(57)【要約】
本出願は、交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出し、各移動体が交差点に到着するまでの時間に基づいて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を取得し、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定し、上記の情報を車載端末に送信し、これに基づいて、車載端末により誘導速度範囲をリアルタイムで算出する、車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置を提供する。したがって、調整車両が道路状況及び誘導速度範囲を参照して車速を調整すれば、青信号期間内に交差点に到着できて、交差点での停車による通行遅延が避けられ、交差点全体の通行効率を向上させ、エネルギー消費を低減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定するステップと、
各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得するステップと、
前記各現示における前記各移動体のそれぞれの現在速度と前記現在位置とに基づいて、前記各現示における前記各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するステップと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間を昇順で並べて、前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列を得るステップと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するステップと、
前記各現示の時間的序列における最小値に基づいて、前記各現示の青信号開始時刻を確定するステップと、
前記各現示の時間的序列の幅に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するステップと、
前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間を移動体車載端末に送信することにより、前記移動体車載端末が、前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間に基づいて、誘導速度範囲を算出して、車両制御ユニットが前記誘導速度範囲に基づいて車速を調整するステップとを含み、
前記交差点の範囲は、交差点での交通量の比較的多いエリアと交差点での交通量の比較的少ないエリアとを含み、車両が来る方向のそれぞれに沿って拡張することは、前記交差点での交通量の比較的多いエリアとして、車両が来る方向に沿って上流側の交差点まで拡張し、前記交差点での交通量の比較的少ないエリアとして、車両が来る方向に沿って2*Cmax*Vの距離の位置まで拡張し、ただし、Vが道路の制限速度であり、Cmaxが最大信号周期であり、
前記各現示の時間的序列の幅に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するステップは、前記各現示の時間的序列における最大値と最小値との差に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定することを含み、ただし、既定最短青信号持続時間≦前記現示の青信号持続時間≦既定最長青信号持続時間を満たすことを特徴とする
車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項2】
前記各現示における前記各移動体のそれぞれの現在速度と前記現在位置とに基づいて、前記各現示における前記各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するステップは、
前記各移動体のそれぞれの現在位置に基づいて、前記各移動体の前記交差点までの距離を算出するステップと、
前記各移動体の前記交差点までの距離及び前記各移動体の現在速度に基づいて、前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するステップとを含むことを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項3】
前記各移動体の前記交差点までの距離及び前記各移動体の現在速度に基づいて、前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するステップは、
式t=s/vにより前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出することを含み、
ただし、tは前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間であり、sは前記各移動体の前記交差点までの距離であり、vは前記各移動体の現在速度であることを特徴とする
請求項2に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項4】
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するステップは、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列における最小値による先着順で前記各現示の通行順序を確定するステップを含み、
ただし、前記移動体の速度が道路の制限速度以下であることを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項5】
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するステップは、
前記現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、前記現示の終了時刻を得るステップを含み、
現在の現示の青信号開始時刻が、順番で1つ前の現示の通行終了時刻の後の時刻とされることを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項6】
前記各現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、前記黄信号持続時間及び前記全赤信号持続時間に基づいて、前記各現示の点灯時間情報を得るステップを更に含むことを特徴とする
請求項5に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項7】
前記点灯時間情報に基づいて、前記各現示における全ての移動体を監視するステップと、
前記各現示における全ての移動体が前記交差点を通過したとき、残り時間を算出するステップと、
前記残り時間を次の現示に割り当てるステップとを更に含むことを特徴とする
請求項6に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項8】
前記移動体車載端末から送信された通行要求を受信するステップと、
前記通行要求に基づいて通過期間に全赤状態を設定して、前記移動体車載端末のディスプレイに前記全赤現示が表示されるように、前記全赤現示を前記移動体車載端末に送信するステップとを更に含み、
前記移動体車載端末が緊急車両車載端末であることを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項9】
前記誘導速度範囲を車線の上方に設置されたLEDディスプレイに送信することにより、前記LEDディスプレイに前記誘導速度範囲を表示するステップを更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項10】
前記既定最短青信号持続時間は、前記移動体が交差点を通過することを確保できる時間であり、前記既定最短青信号持続時間が15sであり、前記既定最長青信号持続時間が道路交通量に基づいて設定され、前記既定最長青信号持続時間が90s以下であることを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項11】
前記移動体は、歩行者及び車両のうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項12】
前記各現示のいずれにおいても通行要求が検出されていない場合、前記時間的序列が空となり、交通信号を黄色点滅状態で出力することを更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項13】
前記各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示することを更に含むことを特徴とする
請求項6に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御方法。
【請求項14】
交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定するように構成される現示確定ユニットと、
各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得するように構成される取得ユニットと、
前記各現示における前記各移動体のそれぞれの現在速度と前記現在位置とに基づいて、前記各現示における前記各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するように構成される算出ユニットと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間を昇順で並べて、前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列を得るように構成される配列ユニットと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するように構成される通行確定ユニットと、
前記各現示の時間的序列における最小値に基づいて、前記各現示の青信号開始時刻を確定するように構成される青信号開始時刻確定ユニットと、
前記各現示の時間的序列の幅に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するように構成される青信号持続時間確定ユニットと、
前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間を移動体車載端末に送信することにより、前記移動体車載端末が、前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間に基づいて、誘導速度範囲を算出して、車両制御ユニットが前記誘導速度範囲に基づいて車速を調整するように構成される送信ユニットとを備え、
前記交差点の範囲は、交差点での交通量の比較的多いエリアと交差点での交通量の比較的少ないエリアとを含み、車両が来る方向のそれぞれに沿って拡張することは、前記交差点での交通量の比較的多いエリアとして、車両が来る方向に沿って上流側の交差点まで拡張し、前記交差点での交通量の比較的少ないエリアとして、車両が来る方向に沿って2*Cmax*Vの距離の位置まで拡張し、ただし、Vが道路の制限速度であり、Cmaxが最大信号周期であり、
前記青信号持続時間確定ユニットは、前記各現示の時間的序列における最大値と最小値との差に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するように構成され、
ただし、既定最短青信号持続時間≦前記現示の青信号持続時間≦既定最長青信号持続時間を満たすことを特徴とする
車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項15】
前記算出ユニットは、
前記各移動体のそれぞれの現在位置に基づいて、前記各移動体の前記交差点までの距離を算出し、
前記各移動体の前記交差点までの距離及び前記各移動体の現在速度に基づいて、前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するように構成されることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項16】
前記算出ユニットは、
式t=s/vにより前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するように構成され、
ただし、tは前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間であり、sは前記各移動体の前記交差点までの距離であり、vは前記各移動体の現在速度であることを特徴とする
請求項15に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項17】
前記通行確定ユニットは、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列における最小値による先着順で前記各現示の通行順序を確定するように構成され、
ただし、前記移動体の速度が道路の制限速度以下であることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項18】
前記通行確定ユニットは、
前記現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、前記現示の終了時刻を得るように構成され、
現在の現示の青信号開始時刻が、順番で1つ前の現示の通行終了時刻の後の時刻とされることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項19】
前記各現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、前記黄信号持続時間及び前記全赤信号持続時間に基づいて、前記各現示の点灯時間情報を得るように構成される点灯時間情報取得ユニットを更に備えることを特徴とする
請求項18に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項20】
前記点灯時間情報に基づいて、前記各現示における全ての移動体を監視するように構成される監視ユニットと、
前記各現示における全ての移動体が前記交差点を通過したとき、残り時間を算出するように構成される残り時間算出ユニットと、
前記残り時間を次の現示に割り当てるように構成される割当ユニットとを更に備えることを特徴とする
請求項19に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項21】
前記移動体車載端末から送信された通行要求を受信するように構成される通行要求受信ユニットと、
前記通行要求に基づいて通過期間に全赤状態を設定して、前記移動体車載端末のディスプレイに前記全赤現示が表示されるように、前記全赤現示を前記移動体車載端末に送信するように構成される設定ユニットとを更に備え、
前記移動体車載端末が緊急車両車載端末であることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項22】
前記誘導速度範囲を車線の上方に設置されたLEDディスプレイに送信することにより、前記LEDディスプレイに前記誘導速度範囲を表示するように構成される誘導速度範囲送信ユニットを更に備えることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項23】
前記既定最短青信号持続時間は、前記移動体が交差点を通過することを確保できる時間であり、前記既定最短青信号持続時間が15sであり、前記既定最長青信号持続時間が道路交通量に基づいて設定され、前記既定最長青信号持続時間が90s以下であることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項24】
前記移動体は、歩行者及び車両のうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項25】
前記各現示のいずれにおいても通行要求が検出されていない場合、前記時間的序列が空となり、交通信号を黄色点滅状態で出力するように構成される通行要求検出ユニットを更に備えることを特徴とする
請求項14に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項26】
前記各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示するように構成される表示ユニットを更に備えることを特徴とする
請求項19に記載の車両-道路インタラクティブ信号制御装置。
【請求項27】
プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムが記憶されるメモリとプロセッサとを備える電子設備において、
前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行するときに請求項1~13のいずれか1項に記載の方法のステップを実現することを特徴とする
電子設備。
【請求項28】
プロセッサ実行可能なプログラムコードを有するコンピュータ読取可能な不揮発性記憶媒体において、
前記プログラムコードにより、前記プロセッサが請求項1~13のいずれか1項に記載の方法を実行することを特徴とする
プロセッサ実行可能なプログラムコードを有するコンピュータ読取可能な不揮発性記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本出願は、2019年02月03日に中国専利局に提出された、出願番号がCN201910106898.3であり、名称が「車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その全ての内容が、参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、交通制御の技術分野に属し、特に車両-道路間の双方向(インタラクティブ)での信号制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の道路網構成は、大部分が平面交差路であり、異なる方向からの車両流れが同時に交差点を通過するとき、衝突が発生するおそれがあり、交通信号制御システムが、その制御方式により、衝突の可能性がある車両流れを時間的に分離させることができる。
【0004】
現在の交通信号制御方式は、主に定周期制御と交通感応制御とを含む。定周期制御は、周期的な車両流れ流量規則に基づいて、1日をいくつかの時間帯に分け、分けられた時間帯に基づいて、異なる周期、青信号比などの制御パラメータを相応に設定する。交通感応制御は、交差点の上流又は交差点に近い位置に検出部を設置することにより、交通量に基づいて点灯時間を設定する。上記の制御方式は、主に交差点での待ち行列の長さに基づいて青信号持続時間を調整するものであり、交差点での停車による通行遅延を招くおそれがあり、通行効率が低い。
【発明の概要】
【0005】
上記の事情を鑑みて、本出願は、交差点での停車による通行遅延が避けられ、交差点での全体的な通行効率を向上させ、エネルギー消費を低減することができる車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
第1局面において、本出願の実施例は車両-道路インタラクティブ信号制御方法を提供する。前記方法は、
交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定するステップと、
各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得するステップと、
前記各現示における前記各移動体のそれぞれの現在速度と前記現在位置とに基づいて、前記各現示における前記各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するステップと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間を昇順で並べて、前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列を得るステップと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するステップと、
前記各現示の時間的序列における最小値に基づいて、前記各現示の青信号開始時刻を確定するステップと、
前記各現示の時間的序列の幅に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するステップと、
前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間を移動体車載端末に送信することにより、前記移動体車載端末が、前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間に基づいて、誘導速度範囲を算出して、車両制御ユニットが前記誘導速度範囲に基づいて車速を調整するステップとを含む。
【0007】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第1の実施可能な実施形態を提供する。前記各現示における前記各移動体のそれぞれの現在速度と前記現在位置とに基づいて、前記各現示における前記各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するステップは、
前記各移動体のそれぞれの現在位置に基づいて、前記各移動体の前記交差点までの距離を算出するステップと、
前記各移動体の前記交差点までの距離及び前記各移動体の現在速度に基づいて、前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するステップとを含む。
【0008】
第1局面の第1の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第1局面の第2の実施可能な実施形態を提供する。前記各移動体の前記交差点までの距離及び前記各移動体の現在速度に基づいて、前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するステップは、
式t=s/vにより前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出することを含み、
ただし、tが前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間であり、sが前記各移動体の前記交差点までの距離であり、vが前記各移動体の現在速度である。
【0009】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第3の実施可能な実施形態を提供する。前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するステップは、前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列における最小値による先着順で前記各現示の通行順序を確定するステップを含み、ただし、前記移動体の速度が道路の制限速度以下である。
【0010】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第4の実施可能な実施形態を提供する。前記各現示の時間的序列の幅に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するステップは、
前記各現示の時間的序列における最大値と最小値との差に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定することを含み、
ただし、既定最短青信号持続時間≦前記現示の青信号持続時間≦既定最長青信号持続時間を満たす。
【0011】
第1局面の第4の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第1局面の第5の実施可能な実施形態を提供する。前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するステップは、
前記現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、前記現示の終了時刻を得るステップを含み、
現在の現示の青信号開始時刻が、順番で1つ前の現示の通行終了時刻の後の時刻とされる。
【0012】
第1局面の第5の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第1局面の第6の実施可能な実施形態を提供する。前記方法は、
前記各現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、前記黄信号持続時間及び前記全赤信号持続時間に基づいて、前記各現示の点灯時間情報を得るステップを更に含む。
【0013】
第1局面の第6の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第1局面の第7の実施可能な実施形態を提供する。前記方法は、
前記点灯時間情報に基づいて、前記各現示における全ての移動体を監視するステップと、
前記各現示における全ての移動体が前記交差点を通過したとき、残り時間を算出するステップと、
前記残り時間を次の現示に割り当てるステップとを更に含む。
【0014】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第8の実施可能な実施形態を提供する。前記方法は、
前記移動体車載端末から送信された通行要求を受信するステップと、
前記通行要求に基づいて通過期間に全赤状態を設定して、前記移動体車載端末のディスプレイに前記全赤現示が表示されるように、前記全赤現示を前記移動体車載端末に送信するステップとを更に含み、
前記移動体車載端末が緊急車両車載端末である。
【0015】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第9の実施可能な実施形態を提供する。前記方法は、
前記誘導速度範囲を車線の上方に設置されたLEDディスプレイに送信することにより、前記LEDディスプレイに前記誘導速度範囲を表示するステップを更に含む。
【0016】
第1局面の第4の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第1局面の第10の実施可能な実施形態を提供する。前記既定最短青信号持続時間は、前記移動体が交差点を通過することを確保できる時間であり、前記既定最短青信号持続時間が15sであり、前記既定最長青信号持続時間が道路交通量に基づいて設定され、前記既定最長青信号持続時間が90s以下である。
【0017】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第11の実施可能な実施形態を提供する。前記移動体は、歩行者及び車両のうちの1種又は複数種を含む。
【0018】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第12の実施可能な実施形態を提供する。前記方法は、
前記各現示のいずれにおいても通行要求が検出されていない場合、前記時間的序列が空となり、交通信号を黄色点滅状態で出力することを更に含む。
【0019】
第1局面において、本出願の実施例は第1局面の第13の実施可能な実施形態を提供する。前記方法は、
前記各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示することを更に含む。
【0020】
第2局面として、本出願の実施例は車両-道路インタラクティブ信号制御装置を提供する。前記装置は、
交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定するように構成される現示確定ユニットと、
各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得するように構成される取得ユニットと、
前記各現示における前記各移動体のそれぞれの現在速度と前記現在位置とに基づいて、前記各現示における前記各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するように構成される算出ユニットと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間を昇順で並べて、前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列を得るように構成される配列ユニットと、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、前記各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するように構成される通行確定ユニットと、
前記各現示の時間的序列における最小値に基づいて、前記各現示の青信号開始時刻を確定するように構成される青信号開始時刻確定ユニットと、
前記各現示の時間的序列の幅に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定するように構成される青信号持続時間確定ユニットと、
前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間を移動体車載端末に送信することにより、前記移動体車載端末が、前記各現示の青信号開始時刻及び前記各現示の青信号持続時間に基づいて、誘導速度範囲を算出して、車両制御ユニットが前記誘導速度範囲に基づいて車速を調整するように構成される送信ユニットとを備える。
【0021】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第1の実施可能な実施形態を提供する。前記算出ユニットは、
前記各移動体のそれぞれの現在位置に基づいて、前記各移動体の前記交差点までの距離を算出し、
前記各移動体の前記交差点までの距離及び前記各移動体の現在速度に基づいて、前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するように構成される。
【0022】
第2局面の第1の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第2局面の第2の実施可能な実施形態を提供する。前記算出ユニットは、
式t=s/vにより前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間を算出するように構成され、
ただし、tは前記各移動体が前記交差点に到着するまでの時間であり、sは前記各移動体の前記交差点までの距離であり、vは前記各移動体の現在速度である。
【0023】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第3の実施可能な実施形態を提供する。前記通行確定ユニットは、
前記各現示における移動体が前記交差点に到着するまでの時間による時間的序列における最小値による先着順で前記各現示の通行順序を確定するように構成され、
ただし、前記移動体の速度が道路の制限速度以下である。
【0024】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第4の実施可能な実施形態を提供する。前記青信号持続時間確定ユニットは、
前記各現示の時間的序列における最大値と最小値との差に基づいて、前記各現示の青信号持続時間を確定することを含み、
ただし、既定最短青信号持続時間≦前記現示の青信号持続時間≦既定最長青信号持続時間を満たす。
【0025】
第2局面の第4の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第2局面の第5の実施可能な実施形態を提供する。前記通行確定ユニットは、
前記現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、前記現示の終了時刻を得るように構成され、
現在の現示の青信号開始時刻が、順番で1つ前の現示の通行終了時刻の後の時刻とされる。
【0026】
第2局面の第5の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第2局面の第6の実施可能な実施形態を提供する。前記装置は、
前記各現示の青信号開始時刻、前記青信号持続時間、前記黄信号持続時間及び前記全赤信号持続時間に基づいて、前記各現示の点灯時間情報を得るように構成される点灯時間情報取得ユニットを更に備える。
【0027】
第2局面の第6の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第2局面の第7の実施可能な実施形態を提供する。前記装置は、
前記点灯時間情報に基づいて、前記各現示における全ての移動体を監視するように構成される監視ユニットと、
前記各現示における全ての移動体が前記交差点を通過したとき、残り時間を算出するように構成される残り時間算出ユニットと、
前記残り時間を次の現示に割り当てるように構成される割当ユニットとを更に備える。
【0028】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第8の実施可能な実施形態を提供する。前記装置は、
前記移動体車載端末から送信された通行要求を受信するように構成される通行要求受信ユニットと、
前記通行要求に基づいて通過期間に全赤状態を設定して、前記移動体車載端末のディスプレイに前記全赤現示が表示されるように、前記全赤現示を前記移動体車載端末に送信するように構成される設定ユニットとを更に備え、
前記移動体車載端末が緊急車両車載端末である。
【0029】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第9の実施可能な実施形態を提供する。前記装置は、
前記誘導速度範囲を車線の上方に設置されたLEDディスプレイに送信することにより、前記LEDディスプレイに前記誘導速度範囲を表示するように構成される誘導速度範囲送信ユニットを更に備える。
【0030】
第2局面の第4の実施可能な実施形態において、本出願の実施例は第2局面の第10の実施可能な実施形態を提供する。前記既定最短青信号持続時間は、前記移動体が交差点を通過することを確保できる時間であり、前記既定最短青信号持続時間が15sであり、前記既定最長青信号持続時間が道路交通量に基づいて設定され、前記既定最長青信号持続時間が90s以下である。
【0031】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第11の実施可能な実施形態を提供する。前記移動体は、歩行者及び車両のうちの1種又は複数種を含む。
【0032】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第12の実施可能な実施形態を提供する。前記装置は、
前記各現示のいずれにおいても通行要求が検出されていない場合、前記時間的序列が空となり、交通信号を黄色点滅状態で出力するように構成される通行要求検出ユニットを更に備える。
【0033】
第2局面において、本出願の実施例は第2局面の第13の実施可能な実施形態を提供する。前記装置は、
前記各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示するように構成される表示ユニットを更に備える。
【0034】
第3局面として、本出願の実施例は、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムが記憶されるメモリとプロセッサとを備える電子設備を提供し、前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行するときに上記第1局面及び第1局面のいずれか1種の実施可能な実施形態に記載の方法のステップを実現する。
【0035】
第4局面として、本出願の実施例はプロセッサによって実行可能なプログラムコードを有するコンピュータ読取可能な不揮発性記憶媒体を更に提供し、プログラムコードにより、プロセッサが第1局面及び第1局面のいずれか1種の実施可能な実施形態に記載の方法のステップを実行する。
【0036】
本出願の実施例による車両-道路インタラクティブ信号制御方法及び装置は、交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出し、各移動体が交差点に到着するまでの時間に基づいて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を取得し、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定し、上記の情報を車載端末に送信し、これに基づいて、車載端末により誘導速度範囲をリアルタイムで算出する。したがって、調整車両が道路状況及び誘導速度範囲を参照して車速を調整すれば、青信号期間内に交差点に到着できて、交差点での停車による通行遅延が避けられ、交差点全体の通行効率を向上させ、エネルギー消費を低減することができる。
【0037】
本出願の他の特徴及び利点について、このあとの部分で説明し、また、その一部が、明細書の説明又は本出願を実施することにより明白になる。本出願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面に特に示した構造により実現、獲得できる。
【0038】
本出願の上記の目的、特徴及び利点をより明瞭にするため、以下、好ましい実施例を挙げて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本出願の具体的な実施形態又は従来技術における技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は本出願のいくつかの実施形態にすぎず、当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに他の図面を得ることが可能である。
図1】本出願の実施例1による車両-道路インタラクティブ信号制御方法のフローチャートである。
図2】本出願の実施例1による複数の現示の区分の模式図である。
図3】本出願の実施例2による車両-道路インタラクティブ信号制御装置の模式図である。
図4】本出願の実施例3による電子設備の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本出願の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするため、以下、図面を参照しながら、本出願の技術案を明瞭かつ完全に説明し、説明される実施例が本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは無論である。本出願における実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得た全ての他の実施例も、本出願の保護範囲に属する。
【0041】
現在の道路網構成は、大部分が平面交差路であり、異なる方向からの車両流れが同時に交差点を通過するとき、衝突が発生するおそれがあり、交通信号制御システムが、その制御方式により、衝突の可能性がある車両流れを時間的に分離させることができる。
【0042】
制御方式は、定周期制御と交通感応制御とを含む。定周期制御は、周期的な車両流れ流量規則に基づいて、1日をいくつかの時間帯に分け、分けられた時間帯に基づいて、異なる周期、青信号比などの制御パラメータを相応に設定する。交通感応制御は、交差点の上流又は交差点に近い位置に検出部を設置することにより、車両の到着状況に基づいて、点灯時間を設定する。
【0043】
上記の制御方式は、異なる方向からの車両流れに対する点灯時間の割り当てが不合理であるため、交差点での停車による通行遅延を招くおそれがあり、通行効率が低い。
【0044】
本出願の実施例は、交差点の範囲を車両が来る(流入する)方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出し、各移動体が交差点に到着するまでの時間に基づいて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を取得し、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定し、上記の情報を車載端末に送信し、これに基づいて、車載端末により誘導速度範囲をリアルタイムで算出する車両と道路とのインタラクティブな信号制御方法及び装置を提供する。したがって、車両が道路状況及び誘導速度範囲を参照して車速を調整すれば、青信号期間内に交差点に到着できて、交差点での停車による通行遅延が避けられ、交差点全体の通行効率を向上させ、エネルギー消費を低減することができる。
【0045】
本実施例を容易に理解するため、本出願の実施例を詳細に説明する。
【0046】
実施例1
図1は、本出願の実施例1による車両-道路インタラクティブ信号制御方法のフローチャートである。
【0047】
図1に示すように、この方法は、下記のステップを含む。
【0048】
ステップS101では、交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定する。
【0049】
ここで、現示とは、交通信号の交差点で、1組又は複数組の車両の流れに対して同一期間内に同じ信号灯色サイクル現示(赤信号、青信号、黄信号)が与えられた状態である。このため、最小信号周期がCminに、最大信号周期がCmaxに設定される。車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張することにより、交通流の状況によって各方向における移動体に対して現示の区分を行い、各現示に対して必要に応じて時間を割り当てて、通行効率を向上させる。
【0050】
現示の区分は、図2に示すように、東、西、南、北の4つの方向を有する十字路交差点を例にし、4つの現示にしたが、十字路交差点に限定されず、2つの現示又は3つの現示にした他の形式の交差点であってもよい。
【0051】
北から南への走行において、北の移動体が上流側の交差点から交差点へ走行する通行方向を、第1現示Iと定義する。
【0052】
西から東への走行において、西の移動体が上流側の交差点から交差点へ走行する通行方向を、第2現示IIと定義する。
【0053】
南から北への走行において、南の移動体が上流側の交差点から交差点へ走行する通行方向を、第3現示IIIと定義する。
【0054】
東から西への走行において、東の移動体が上流側の交差点から交差点へ走行する通行方向を、第4現示IVと定義する。
【0055】
ステップS102では、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得する。
【0056】
ここで、道路の制限速度の最小値をVminとし、最大値をVmaxとする。交差点制御範囲は、交差点での交通量の比較的多いエリアと交差点での交通量の比較的少ないエリアとを含み、交差点での交通量の比較的多いエリアとして、車両が来る方向に沿って上流側の交差点まで拡張し、交差点での交通量の比較的少ないエリアとして、車両が来る方向に沿って2*Cmax*Vまで拡張する。ただし、Vは、道路の制限速度である。
【0057】
交差点制御範囲を取得した後、交差点制御範囲に基づいて、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得する。
【0058】
ステップS103では、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各現示における各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出する。
【0059】
ステップS104では、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間を昇順で並べて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を得る。
【0060】
具体的に、各上流側の交差点から交差点までの各方向における移動体を区分して、それぞれ第1現示Iと、第2現示IIと、第3現示IIIと、第4現示IVとの4つの現示にする。ここでは4つの現示のものを例にしたが、4つの現示に限定されず、2つの現示又は3つの現示のものであってもよい。
【0061】
第1現示I、第2現示II、第3現示III及び第4現示IVのそれぞれにおける各移動体の交差点に到着する時間を取得し、昇順で並べて、4つの現示のそれぞれに対応する移動体序列を得て、通行順序を取得し、通行順序に基づいて各現示に対して順に通行させ、必要に応じて点灯時間を割り当てれば、通行効率を向上させ、交差点での停車による通行遅延を避けることができる。
【0062】
具体的に、
第1現示Iに対応する移動体序列がrank(It1,It2,It3,Iti)であり、
第2現示IIに対応する移動体序列がrank(IIt1,IIt2,IIt3,IIti)であり、
第3現示IIIに対応する移動体序列がrank(IIIt1,IIIt2,IIIt3,IIIti)であり、
第4現示IVに対応する移動体序列がrank(IVt1,IVt2,IVt3,IVti)である。
【0063】
ステップS105では、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定する。
【0064】
ステップS106では、各現示の時間的序列における最小値に基づいて、各現示の青信号開始時刻を確定する。
【0065】
ステップS107では、各現示の時間的序列の幅に基づいて、各現示の青信号持続時間を確定する。
【0066】
ステップS108では、各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間を移動体車載端末に送信し、移動体車載端末が各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間に基づいて誘導速度範囲を算出し、車両制御ユニットが誘導速度範囲に基づいて車速を調整する。
【0067】
さらに、ステップS103は、下記のステップを含む。
【0068】
ステップS201では、各移動体のそれぞれの現在位置に基づいて、各移動体の交差点までの距離を算出する。
【0069】
ステップS202では、各移動体の交差点までの距離及び各移動体の現在速度に基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出する。
【0070】
さらに、ステップS202は、
式(1)により各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出することを含み、
=s/v (1)
ただし、tは各移動体が交差点に到着するまでの時間であり、sは各移動体の交差点までの距離であり、vは各移動体の現在速度である。
【0071】
さらに、ステップS105は、下記のステップを含む。
【0072】
ステップS301では、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列における最小値による先着順で各現示の通行順序を確定し、
ただし、移動体の速度が道路の制限速度以下である。
【0073】
具体的に、第1現示Iに対応する移動体序列から時間の最小値及び時間の最大値を取得し、すなわち、Imin=min(It1,It2,It3,Iti)であり、Imax=max(It1,It2,It3,Iti)であり、
第2現示IIに対応する移動体序列から時間の最小値及び時間の最大値を取得し、すなわち,IImin=min(IIt1,IIt2,IIt3,IIti)であり、IImax=max(IIt1,IIt2,IIt3,IIti)であり、
第3現示IIIに対応する移動体序列から時間の最小値及び時間の最大値を取得し、すなわち,IIImin=min(IIIt1,IIIt2,IIIt3,IIIti)であり、IIImax=max(IIIt1,IIIt2,IIIt3,IIIti)であり、
第4現示IVに対応する移動体序列から時間の最小値及び時間の最大値を取得し、すなわち,IVmin=min(IVt1,IVt2,IVt3,IVti)であり、IVmax=max(IVt1,IVt2,IVt3,IVti)である。
【0074】
ここで、各現示に対応する移動体序列から時間の最小値を選択して昇順で並べ、先着順で各現示の通行順序を確定する。例えば並べた序列の順序が第1現示I、第2現示II、第3現示III及び第4現示IVとなる場合、並べた後、まず第1現示における移動体を通行させ、そして、第2現示における移動体、第3現示における移動体及び第4現示における移動体を順に通行させる。
【0075】
さらに、ステップS107は、下記のステップを含む。
【0076】
ステップS401では、各現示の時間的序列における最大値と最小値との差に基づいて、各現示の青信号持続時間を確定し、
ただし、既定最短青信号持続時間≦現示の青信号持続時間≦既定最長青信号持続時間を満たす。
【0077】
具体的に、各現示に対応する移動体序列から時間の最小値を選択して昇順で並べ、並べた各現示の移動体序列が、第1現示に対応する時間的序列、第2現示に対応する時間的序列、第3現示に対応する時間的序列及び第4現示に対応する時間的序列を含み、そして、第1現示に対応する時間的序列における最大値、第2現示に対応する時間的序列の最大値、第3現示に対応する時間的序列の最大値及び第4現示に対応する時間的序列の最大値をそれぞれ取得する。
【0078】
第1現示に対応する時間的序列における最大値及び最小値に基づいて、第1現示の青信号持続時間を取得し、
第2現示に対応する時間的序列における最大値及び最小値に基づいて、第2現示の青信号持続時間を取得し、
第3現示に対応する時間的序列における最大値及び最小値に基づいて、第3現示の青信号持続時間を取得し、
第4現示に対応する時間的序列における最大値及び最小値に基づいて、第4現示の青信号持続時間を得る。
【0079】
具体的に、式(2)を参照する。
【0080】
=Imax-Imin
II=IImax-IImin
III=IIImax-IIImin (2)、
IV=IVmax-IVmin
ただし、Iが第1現示の青信号持続時間であり、Imaxが第1現示に対応する時間的序列における最大値であり、Iminが第1現示に対応する時間的序列における最小値であり、IIが第2現示の青信号持続時間であり、IImaxが第2現示に対応する時間的序列における最大値であり、IIminが第2現示に対応する時間的序列における最小値であり、IIIが第3現示の青信号持続時間であり、IIImaxが第3現示に対応する時間的序列における最大値であり、IIIminが第3現示に対応する時間的序列における最小値であり、IVが第4現示の青信号持続時間であり、IVmaxが第4現示に対応する時間的序列における最大値であり、IVminが第4現示に対応する時間的序列における最小値である。
【0081】
なお、第1現示の青信号持続時間が既定最短青信号持続時間よりも小さい場合、既定最短青信号持続時間を第1現示の青信号持続時間とし、第1現示の青信号持続時間が既定最長青信号持続時間よりも大きい場合、既定最長青信号持続時間を第1現示の青信号持続時間とする。
【0082】
第2現示の青信号持続時間が既定最短青信号持続時間よりも小さい場合、既定最短青信号持続時間を第2現示の青信号持続時間とし、第2現示の青信号持続時間が既定最長青信号持続時間よりも大きい場合、既定最長青信号持続時間を第2現示の青信号持続時間とする。
【0083】
第3現示の青信号持続時間が既定最短青信号持続時間よりも小さい場合、既定最短青信号持続時間を第3現示の青信号持続時間とし、第3現示の青信号持続時間が既定最長青信号持続時間よりも大きい場合、既定最長青信号持続時間を第3現示の青信号持続時間とする。
【0084】
第4現示の青信号持続時間が既定最短青信号持続時間よりも小さい場合、既定最短青信号持続時間を第4現示の青信号持続時間とし、第4現示の青信号持続時間が既定最長青信号持続時間よりも大きい場合、既定最長青信号持続時間を第4現示の青信号持続時間とする。
【0085】
さらに、ステップS105は、下記のステップを含む。
【0086】
ステップS501では、現示の青信号開始時刻、青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、現示の終了時刻を取得し、
現在の現示の青信号開始時刻が、順番で1つ前の現示の通行終了時刻の後の時刻とされる。
【0087】
さらに、この方法は、下記のステップを更に含む。
【0088】
ステップS601では、各現示の青信号開始時刻、青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、各現示の点灯時間情報を得る。
【0089】
さらに、この方法は、下記のステップを更に含む。
【0090】
ステップS701では、点灯時間情報に基づいて、各現示における全ての移動体を監視する。
【0091】
ステップS702では、各現示における全ての移動体が交差点を通過したとき、残り時間を算出する。
【0092】
ステップS703では、残り時間を次の現示に割り当てる。
【0093】
具体的に、現在青信号下の通行状態を監視し、システムが、確認済みの点灯時間情報と移動体との適合状況を継続的に監視し、全ての移動体が交差点を通過したとき、残り時間を算出して次の現示に割り当てる。
【0094】
さらに、この方法は、下記のステップを更に含む。
【0095】
ステップS801では、移動体車載端末から送信された通行要求を受信する。
【0096】
ステップS802では、通行要求に基づいて通過期間に全赤状態を設定して、移動体車載端末のディスプレイに全赤現示が表示されるように、全赤現示を移動体車載端末に送信する。
【0097】
ここで、移動体車載端末は、緊急車両車載端末である。
【0098】
具体的に、緊急車両が赤信号通行の特権を有し、システムが緊急車両車載端末から送信された通行要求を受信したとき、他の車両との衝突を防ぐように、上記の方法により、緊急車両の通過期間に全赤状態を設定し、緊急車両の車載端末に全赤現示を表示させる。
【0099】
さらに、この方法は、下記のステップを更に含む。
【0100】
ステップS901では、誘導速度範囲を車線の上方に設置されたLEDディスプレイに送信することにより、LEDディスプレイに誘導速度範囲を表示する。
【0101】
ここで、誘導速度範囲は、移動体が青信号期間内に交差点を通過できる速度範囲である。
【0102】
具体的に、移動体は車両とすることができる。各現示には複数の車両が含まれ、各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間を取得した後、各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間を該当現示における各車載端末に送信し、車載端末が、各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間に基づいて、誘導速度範囲を算出して、車両に搭載された車両制御ユニットは、青信号期間内に交差点に到着して迅速に通過することができるように、車速をこの誘導速度範囲内に収めるように制御することができる。
【0103】
さらに、既定最短青信号持続時間は、移動体が交差点を通過することを確保できる時間であり、既定最短青信号持続時間が15sであり、既定最長青信号持続時間が道路交通量に基づいて設定され、既定最長青信号持続時間が90s以下である。
【0104】
さらに、移動体は、歩行者及び車両のうちの1種又は複数種を含む。
【0105】
さらに、この方法は、各現示のいずれにおいても通行要求が検出されていない場合、時間的序列が空となり、交通信号を黄色点滅状態で出力することを更に含む。
【0106】
さらに、この方法は、各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示することを更に含む。
【0107】
ここで、各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示することにより、移動体が交差点から遠く離れているときに車両が交差点に到着するときの点灯時間情報をタイムリーに取得することができて、移動体の交差点に近い場所での混雑を避けて、交差点全体の通行効率を向上させ、エネルギー消費を低下させることができる。
【0108】
本出願の実施例による車両-道路インタラクティブ信号制御方法は、交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出し、各移動体が交差点に到着するまでの時間に基づいて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を取得し、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定し、上記の情報を車載端末に送信し、これに基づいて、車載端末により誘導速度範囲をリアルタイムで算出する。したがって、車両が道路状況及び誘導速度範囲を参照して車速を調整すれば、青信号期間内に交差点に到着できて、交差点での停車による通行遅延が避けられ、交差点全体の通行効率を向上させ、エネルギー消費を低減することができる。
【0109】
実施例2:
図3は、本出願の実施例2による車両-道路インタラクティブ信号制御装置の模式図である。
【0110】
図3に示すように、この装置は、現示確定ユニット10と、取得ユニット20と、算出ユニット30と、配列ユニット40と、通行確定ユニット50と、青信号開始時刻確定ユニット60と、青信号持続時間確定ユニット70と、送信ユニット80とを備える。
【0111】
現示確定ユニット10は、交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定するように構成される。
【0112】
取得ユニット20は、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得するように構成される。
【0113】
算出ユニット30は、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各現示における各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出するように構成される。
【0114】
配列ユニット40は、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間を昇順で並べて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を得るように構成される。
【0115】
通行確定ユニット50は、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定するように構成される。
【0116】
青信号開始時刻確定ユニット60は、各現示の時間的序列における最小値に基づいて、各現示の青信号開始時刻を確定するように構成される。
【0117】
青信号持続時間確定ユニット70は、各現示の時間的序列の幅に基づいて、各現示の青信号持続時間を確定するように構成される。
【0118】
送信ユニット80は、各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間を移動体車載端末に送信し、移動体車載端末が、各現示の青信号開始時刻及び各現示の青信号持続時間に基づいて誘導速度範囲を算出し、車両制御ユニットが誘導速度範囲に基づいて車速を調整するように構成される。
【0119】
さらに、算出ユニット30は、
各移動体のそれぞれの現在位置に基づいて、各移動体の交差点までの距離を算出し、
各移動体の交差点までの距離及び各移動体の現在速度に基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出する。
【0120】
さらに、算出ユニット30は、
式t=s/vにより各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出し、
ただし、tは各移動体が前記交差点に到着するまでの時間であり、sは各移動体の交差点までの距離であり、vは各移動体の現在速度である。
【0121】
さらに、通行確定ユニット50は、
各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列における最小値による先着順で各現示の通行順序を確定し、
ただし、移動体の速度が道路の制限速度以下である。
【0122】
さらに、青信号持続時間確定ユニット70は、
各現示の時間的序列における最大値と最小値との差に基づいて、各現示の青信号持続時間を確定し、
ただし、既定最短青信号持続時間≦現示の青信号持続時間≦既定最長青信号持続時間を満たす。
【0123】
さらに、通行確定ユニット50は、
現示の青信号開始時刻、青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、現示の終了時刻を取得し、
その中で、現在の現示の青信号開始時刻が、順番で1つ前の現示の通行終了時刻の後の時刻とされる。
【0124】
さらに、この装置は、
各現示の青信号開始時刻、青信号持続時間、黄信号持続時間及び全赤信号持続時間に基づいて、各現示の点灯時間情報を得るように構成される点灯時間情報取得ユニット(図示しない)を更に備える。
【0125】
さらに、この装置は、
点灯時間情報に基づいて、各現示における全ての移動体を監視するように構成される監視ユニット(図示しない)と、
各現示における全ての移動体が交差点を通過したとき、残り時間を算出するように構成される残り時間算出ユニット(図示しない)と、
残り時間を次の現示に割り当てるように構成される割当ユニット(図示しない)とをさらに備える。
【0126】
さらに、この装置は、
移動体車載端末から送信された通行要求を受信するように構成される通行要求受信ユニット(図示しない)と、
通行要求に基づいて通過期間に全赤状態を設定して、移動体車載端末のディスプレイに全赤現示が表示されるように、全赤現示を移動体車載端末に送信するように構成される設定ユニット(図示しない)とを更に備え、
ここで、移動体車載端末は、緊急車両車載端末である。
【0127】
さらに、この装置は、
誘導速度範囲を車線の上方に設置されたLEDディスプレイに送信することにより、LEDディスプレイに誘導速度範囲を表示するように構成される誘導速度範囲送信ユニットを更に備える。
【0128】
さらに、既定最短青信号持続時間は、移動体が交差点を通過することを確保できる時間であり、既定最短青信号持続時間が15sであり、既定最長青信号持続時間が道路交通量に基づいて設定され、既定最長青信号持続時間が90s以下である。
【0129】
さらに、移動体は、歩行者又は車両のうちの1種又は複数種を含む。
【0130】
さらに、この装置は、
各現示のいずれにおいても通行要求が検出されていない場合、時間的序列が空となり、交通信号を黄色点滅状態で出力するように構成される通行要求検出ユニットを更に備える。
【0131】
さらに、この装置は、
各現示の割り当てられた点灯時間情報を電子地図における該当道路に表示するように構成される表示ユニットを更に備える。
【0132】
本出願の実施例による車両-道路インタラクティブ信号制御装置は、交差点の範囲を車両が来る方向のそれぞれに沿って上流側の交差点まで拡張し、交通流の状況に基づいて信号現示を確定し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とを取得し、各現示における各移動体のそれぞれの現在速度と現在位置とに基づいて、各移動体が交差点に到着するまでの時間を算出し、各移動体が交差点に到着するまでの時間に基づいて、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列を取得し、各現示における移動体が交差点に到着するまでの時間による時間的序列に基づいて、各現示の通行順序と通行持続時間とを確定し、上記の情報を車載端末に送信し、これに基づいて、車載端末により誘導速度範囲をリアルタイムで算出する。したがって、車両が道路状況及び誘導速度範囲を参照して車速を調整すれば、青信号期間内に交差点に到着できて、交差点での停車による通行遅延が避けられ、交差点全体の通行効率を向上させ、エネルギー消費を低減することができる。
【0133】
実施例3:
図4は、本出願の実施例による電子設備を示す。この電子設備は、プロセッサ110と、メモリ111と、バス112と、通信インタフェース113とを備え、プロセッサ110、通信インタフェース113及びメモリ111がバス112により接続され、プロセッサ110がメモリ111に記憶されたコンピュータプログラムのような実行可能なモジュールを実行するように構成される。プロセッサがコンピュータプログラムを実行するときに方法の実施例に記載の方法のステップを実現する。
【0134】
ここで、メモリ111は、高速ランダムアクセスメモリ(RAM、RandomAccessMemory)を含んでもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば少なくとも1つの磁気ディスクメモリメを更に含んでもよい。
【0135】
少なくとも1つの通信インタフェース113(有線であってもよく無線であってもよい)を介してこのシステムのネットワーク要素と少なくとも1つの他のネットワーク要素との通信接続を実現し、インターネット、広域ネットワーク、ローカルネットワーク又はメトロポリタンエリアネットワーク等を利用することができる。
【0136】
バス112は、ISAバス、PCIバス又はEISAバスなどであることが可能である。前記バスは、アドレスバス、データバス又はコントロールバスなどに分類することができる。
【0137】
表示を簡単にするため、図4では1つの両矢印だけで示したが、これは、1本のバス又は1タイプのバスしか有しないことを意味するものではない。
【0138】
ここで、メモリ111はプログラムを記憶するように構成され、前記プロセッサ110が実行コマンドを受信した後、前記プログラムを実行する。上記の本出願の実施例のいずれか1つの実施例に開示されたプロセスに定義された装置によって実行される方法は、プロセッサ110に適用することができ、又はプロセッサ110によって実現することができる。
【0139】
プロセッサ110は、信号処理能力を有する集積回路チップとすることができる。実現プロセスにおいて、上記方法の各ステップはプロセッサ110におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェアタイプのコマンドにより達成することができる。
【0140】
上記のプロセッサ110は、本出願の実施例に開示される各方法、ステップ及び論理ブロックを実現又は実行可能な、中央処理装置(Central Processing Unit、CPUと略称する)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NPと略称する)などを含む汎用プロセッサであってもよく、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processing、DSPと略称する)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASICと略称する)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGAと略称する)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又はいかなる従来のプロセッサなどとすることができる。
【0141】
本出願の実施例に開示される方法のステップは、直接ハードウェアデコードプロセッサによって実行されるものとして具現化するか、又はデコードプロセッサのハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせによって実行されるものとして具現化することができる。
【0142】
ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ又は電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ、レジスタなどの当該技術分野で成熟した記憶媒体に位置することができる。当該記憶媒体はメモリ111に位置し、プロセッサ110はメモリ111における情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを完了する。
【0143】
本出願の実施例によるコンピュータプログラム製品は、プログラムコードが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体を有する。前記プログラムコードに含まれたコマンドを前記の方法の実施例に記載の方法を実行するために用いることができ、具体的な実現方法は実施例を参照できるため、ここでは説明を省略する。
【0144】
当業者は、上記で説明したシステムと装置の具体的な作業プロセスについて、上記の方法の実施例における該当プロセスを参照できるため、説明を簡単及び簡潔にするため、ここでは説明を省略する。
【0145】
また、本出願の実施例の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語「取付」、「連係」及び「接続」を、広義的に理解すべきである。例えば固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0146】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納することが可能である。
【0147】
このような理解から、本出願の技術案のそのもの、あるいは従来技術に寄与できる部分、あるいはこの技術案の一部は、ソフトウェア製品の形式で実現できる。このコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ設備(パソコン、サーバあるいはネットワーク設備などであってもよい)により本出願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行するための複数のコマンドを含む。
【0148】
上記の記憶媒体は、USBディスク、携帯型ハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random-Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等の各種の、プログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0149】
本出願の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等の用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、本出願を簡単及び簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたりすることを明示又は暗示するものではないため、本出願を限定するものではないと理解すべきである。
【0150】
また、用語である「第1」、「第2」、「第3」は、説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではないと理解すべきである。
【0151】
最後に注意すべきことは、上記の実施例が、本出願の技術案を説明するための具体的な実施形態にすぎず、本出願を限定するものではないので、本出願の保護範囲はこれに限定されない。上記の実施例を用いて本出願を詳しく説明したが、当業者は、本出願に開示された技術の範囲において、上記の実施例に記載された技術案に対して改良又は変更をすることができ、あるいはその中の技術的特徴の一部に対して均等置換を行うこともできることが無論である。これらの改良、変更又は置換の該当する技術案の本質は、本出願の実施例による技術案の主旨や範囲から逸脱せず、いずれも本出願の保護範囲に属するものである。このため、本出願の保護範囲は特許請求の範囲に準ずるべきである。
【符号の説明】
【0152】
10…現示確定ユニット
20…取得ユニット
30…算出ユニット
40…配列ユニット
50…通行確定ユニット
60…青信号開始時刻確定ユニット
70…青信号持続時間確定ユニット
80…送信ユニット
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】