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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】身体サンプル採取器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A61B10/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559173
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 GB2020050893
(87)【国際公開番号】W WO2020201769
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1904853.7
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ジップロック
(71)【出願人】
【識別番号】513275355
【氏名又は名称】カラー リリー パーソナル ケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CALLA LILY PERSONAL CARE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フーイ, ユー シン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォ‐タ, ヴィン‐タン
(57)【要約】
本発明は、解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するための器具であって、該器具は、使用者の指を受容するように配置されかつ構成された不浸透性のシースを含み、該シースは、遠位端部および近位端部を含み、該シースは、該シースの遠位端部に位置された吸収体と、該シースの近位端部に位置された密閉可能なパッドとを含む、器具に関する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するための器具であって、前記器具は、
使用者の指を受容するように配置され、かつ構成された不浸透性シースであって、前記シースは、遠位端部および近位端部を備える、不透過性シースと、
前記シースの前記遠位端部に位置する吸収体と、
前記シースの近位端部に位置された気密封止可能なパッドと、
を備える、器具。
【請求項2】
前記パッドは、使用時に前記キャビティに面する第1の表面を備え、前記第1の表面は、接着層を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記パッドは、前記パッドを折り畳むことができる脆弱化ラインを備える、請求項1又は2に記載の器具。
【請求項4】
前記接着剤は、感圧接着剤である、請求項2又は3に記載の器具。
【請求項5】
前記接着剤は、再シール接着剤である、請求項2~5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
前記接着層は、取外し可能なフィルムで覆われる、請求項2~5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
使用時に前記キャビティに面する前記取外し可能なフィルムの表面は、吸収層を備える、請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記パッドは、使用時に前記キャビティから離れて面する第2の表面を備え、前記第2の表面は、不浸透層を備える、請求項2~7のいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記吸収体は、吸収層を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の器具。
【請求項10】
前記シースの前記遠位端部に結合された取外しストリングを更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の器具の解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するための使用。
【請求項12】
前記解剖学的キャビティは、膣腔、直腸腔または口腔である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
解剖学的キャビティからサンプルを採取する方法であって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の器具を用いて前記解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するステップと、
前記シースの前記近位端部を気密封止するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル採取器具に関し、より詳細には、本発明は、膣腔または直腸腔などの解剖学的キャビティからサンプルを採取するための器具に関する。
【0002】
スワブ検査では、綿のスワブを棒に取り付けた綿棒に似た器具で分泌物のサンプルを採取するステップを含む。このような器具の周知の使用は、DNA試験のために使用者の口から唾液を採取するためである。スワブは、口腔に擦り付けられ、滅菌したチューブまたはバッグに配置され、検査の為に検査室に送られる。しかしながら、サンプル採取中の汚染を避けるために、手袋を着用することが推奨される。
【0003】
膣スワブ検査は、真菌および細菌感染、ならびに性感染症および非性感染症の診断において重要な役割を果たす。なぜなら、このような状態は、しばしば異常な(例えば、過度の、異常な色の、悪臭のある)分泌物および/または出血を伴うからである。
【0004】
自己検査キットが利用可能であり、口腔スワブ検査で使用されるものと同様の硬性スワブ器具が含まれる。しかしながら、膣腔内での器具の自己位置決めは困難である。一般的な推奨は、快適な姿勢、例えばタンポンを挿入するために使用する姿勢である。柔らかい綿タンポンの挿入は寛容であるが、長い薄い硬質のスティックの盲目的挿入は寛容ではなく、そのため、膣スワブの採取物は、しばしば、傷、損傷、および/または出血を引き起こし、これは、感染および炎症を引き起こし得る。(直腸スワブ検査のために)直腸腔に同じタイプのスワブ器具を挿入することは、医療専門家によって更に繊細かつ良好に達成される。しかしながら、一部の患者は、これらのセンシティブな採取を自分で行うことを好む場合もある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点を少なくとも軽減し、既存の製品に対する代替物を提供することである。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するための器具が提供され、この器具は、使用者の指を受容するように構成された不浸透性シースであって、遠位端部および近位端部を備える、シースと、シースの遠位端部に位置する吸収体と、シースの近位端部に位置された気密封止可能なパッドと、を備える。
【0007】
本発明による器具は、サンプルを汚染することなく、解剖学的キャビティから身体サンプルを採取することを可能にする。使用者の指は、吸収体、解剖学的キャビティまたは患者と接触しないようにシースに封入される。パッドは、サンプルの採取後で気密封止されてもよく、これにより、別個の無菌で汚染されていないレセプタクル(従来のスワブスティックを有するチューブなど)の必要性がなくなる。
【0008】
また、この器具は、サンプルの衛生的な採取を可能にし、使用者の手を汚さない。使用者の指は、指が解剖学的キャビティの壁に直接接触しないように、不浸透性シースによって取り囲まれる。さらに、シースの近位端部に位置するパッドは、使用者の手と患者との間のシールドとして作用し、手が患者の身体に接触するのを防止する。したがって、器具を取り扱うために別個の手袋を使用する必要はない。
【0009】
本発明による器具は、従来のスワブスティック中の薄い剛性ロッドのような、いかなる鋭利な又は剛性の部品の使用も含まないので、非外傷性で損傷のないサンプルの採取を可能にする。出血のリスク(綿棒を使用したサンプル採取の一般的な副作用)も減少する。また、本発明に係る器具を用いたサンプルの採取も、吸収体を使用者の指で直接案内することで容易になる。硬質スワブスティックの場合、スワブがキャビティの解剖学的壁に接触することを確実にするために、スティック全体を患者のキャビティ内(膣または直腸)で傾ける必要がある。これは、使用者にとって困難な操作である場合があり、特に、サンプルが膣または直腸腔から採取される場合、患者にとって不快な操作である。対照的に、この器具の吸収体は、使用者の指を僅かに曲げたり傾けたりすることによって、解剖学的キャビティに現れ、接触させることができる。移動および操作の自由度が高くなり、この器具は自己採取に理想的である。
【0010】
吸収体は、シースの遠位端部に位置し、パッドは、シースの近位端部に位置する。本発明の文脈において、遠位端部は、解剖学的キャビティ内に最初に挿入されたシースの端部であり、これもまた、挿入ステップ中に使用者の指の先端に接触するシースの端部に対応する;そして、近位端部は、採取ステップの間に、キャビティ口に、または、キャビティ口に隣接して、または、解剖学的キャビティの外側に配置される。
【0011】
吸収体は、別のサンプル採取手段に置き換えられることが想定される。代替のサンプル採取手段は、非吸収性であってもよい。たとえば、吸収体は、スミア試験においてサンプルを採取するために使用されるような、擦過ブラシのような擦過手段に置き換えることができる。
【0012】
好ましくは、パッドは解剖学的キャビティの外側に配置される。それは、解剖学的キャビティに挿入されることを特に意図していない。
【0013】
好ましくは、パッドは2つの表面を含む;使用中(例えば、器具の挿入/サンプル採取プロセスの間)、第1の表面は、(サンプルが採取される)患者の解剖学的キャビティ口に面し、第2の表面は、解剖学的キャビティ口から離れて面する。あるいは、第1の表面は、使用者(患者と同一であっても異なっていてもよい、サンプルを採取する人)の指の先端に面し、第2の表面は、使用者の腕に面しているといえる。
【0014】
好ましい実施形態において、パッドは、使用時にキャビティに面する第1の表面を備え、前記第1の表面は接着層を備える。サンプルが採取された後、シースは、吸収体がシース内に置かれるように反転される。接着層は、シースを気密封止するようにパッドの第1の表面に置かれる。
【0015】
一体化されたパッドは、患者からサンプルを採取する医師にとって特に有利であるが、たとえば、外科医院又は病院のトイレでサンプルを採取する患者自身にとっても好都合である。従来のスワブスティックを使用すると、体液が使用者または患者の手に漏れる危険性がある。使用者または患者が手袋を使用する場合、手袋を着用した汚れた手でスティックを取り扱い、提供されたチューブに入れ、チューブを閉じる。したがって、チューブ自体も潜在的に汚れてしまう。あるいは、使用者または患者は、チューブを保持しながら、チューブにスティックを配置する前に汚れた手袋を取り除かなければならず、これは、サンプルを落とす(および汚染する)リスクを生じる。
【0016】
好ましくは、パッドは、シースの折り畳み、閉鎖およびシールを容易にするために、パッドを折り畳むことができる1つ以上の脆弱化ライン(より好ましくは脆弱化ライン)を備える。
【0017】
グリップシール及びジップロックのような機械的密封手段を含む他の密封手段が考えられるが、これらに限定されない。しかしながら、このような機械的密封手段は、患者を傷つけるおそれのある部品および/または汚染しやすい部品を含む傾向がある。したがって、一般的には、接着剤による封止手段が好ましい。
【0018】
好ましくは、接着剤は感圧接着剤である。この実施形態において、使用者は、パッドを二つ折りにし、接着層を、それ自体に押し付けて、シースを気密封止することができる。
【0019】
好ましくは、接着剤は再シール接着剤である。パッドが不適切に折り畳まれた場合、使用者のために、またサンプルを分析する技師のために、再シール可能な接着層を使用することが好都合である。検査技師は、複数の分析および/または測定を行う必要がある場合があり、その場合、サンプルは、幾つかのアリコートに分割される必要がある。吸収体は、シースから取り外され、アリコートに分割され、別々のアリコートとして保存可能である。あるいは、技師は、アリコートを取り出し、後で更なるアリコートを取り出すためにシースを再シールすることができる。
【0020】
好ましくは、接着層は、取外し可能なフィルムで覆われる。フィルムは、シースが閉じるまで接着層を保護する。したがって、接着層は、使用者による取り扱いまたは患者との接触によって汚染されない。フィルムは、好ましくは、接着層の表面全体を覆う。フィルムは、パッドからのフィルムの取外しを容易にするために、接着層の表面を越えて延びるタブを備えることができる。
【0021】
好ましくは、取外し可能なフィルムは、使用時に、サンプルが取り出される解剖学的キャビティに面する第1の表面と、パッドの接着層に面する第2の表面とを備える。
【0022】
好ましい実施形態において、取外し可能なフィルムの第1の表面は、吸収層を含む。吸収層は、解剖学的キャビティから漏出する体液を吸収することによって、サンプル採取プロセスの間に使用者に更なる保護を提供する。
【0023】
好ましい実施形態において、取外し可能なフィルムは、体液がパッドの接着層上に浸透するのを防ぐための不浸透層を含む。
【0024】
パッドは、実質的に円形、楕円形、長方形、または任意の他の適切な形状でもよい。パッドは、標準的な長方形のナプキンまたは小さな陰唇間パッドであってもよい。パッドの寸法および形状は、使用者の手と患者との実質的な直接接触を防止するのに十分であり、かつ使用者の動きを妨げない限り、その形状は限定されない。
【0025】
好ましい実施形態において、吸収体は、シースの遠位端部又は先端に固定された吸収層を備える又はその吸収層からなる。吸収性材料の層は、吸収体の操作を容易にする。しかしながら、吸収体は、シート、パッド、スワブまたは小さなタンポン型の本体を含むか又はそれらからなることが想定される。操作を容易にするために、層またはシートが好ましく、特に、通常、分析に必要なサンプルは少量である。
【0026】
また、吸収体がシースから外れ、それによって、感染(例えば、毒素性ショック症候群)またはサンプルの汚染のリスクが増大しないように、吸収体を該シースに固定することが重要である。また、吸収体が非シェディング吸収材料を含むことも有利である。
【0027】
吸収体は、サンプルに対して実施される分析のタイプに応じて、改変されてもよく、または添加剤を含んでもよい。たとえば、吸収体は、真菌または細菌感染の場合に特に有用なチャコール媒体を含むことができる。
【0028】
好ましい実施形態において、シースの遠位端部に結合された取外しストリングを更に備える。サンプルを採取した後、ストリングを引っ張ることによって採取機器を取り外す。シースは、シースの外側にあった吸収体がシースの内側に置かれる(外側が内になる)ように、それ自体が反転する。
【0029】
本発明の第2の態様において、上述の器具の解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するための使用が提供される。
【0030】
好ましくは、解剖学的キャビティは、膣腔、直腸腔または口腔である。また、本発明による器具を使用して、解剖学的キャビティの外側のサンプル、たとえば(吸収体に排尿することによって)尿サンプルまたは糞便サンプルを採取することも考えられる。
【0031】
本発明の第3の態様において、上述の器具を使用して前記解剖学的キャビティからサンプルを採取するステップと、シースの近位端部を気密封止するステップとを含む解剖学的キャビティから身体サンプルを採取する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下、図面を参照して本発明をさらに説明する。
図1図1は、挿入および採取構成における本発明による器具の概略図である。
図2図2は、サンプルの採取後で患者のキャビティから引き出される、図1の器具の概略図である。
図3図3は、図1の器具を抜き取った状態の概略図である。
図4図4は、パッドからカバーを取り外した状態の図1の器具の概略図である。
図5図5は、図1の器具を閉じた構成で示す概略図である。
【発明の詳細な説明】
【0033】
図1を参照すると、解剖学的キャビティから身体サンプルを採取するための器具1が示されており、この器具1は、使用者の指(図示せず)を受容するように構成された不浸透性シース2を備え、このシース2は、遠位端部Dおよび近位端部Pを備え、吸収体3は、シース1の遠位端部Dに位置され、気密封止可能なパッド4は、シース2の近位端部Pに位置される。
【0034】
シース2は、実質的に管状である。シース2は、その中に使用者が指を挿入することができるように、少なくとも径方向に可撓性を有する材料を備える、又は、そのような材料から成る。シース2は、体液が使用者の指を汚すのを防止するために、流体不浸透性材料を備える。
【0035】
シース2は、吸収体3によって吸収された体液が使用者の指によって汚れたり汚染されたりするのを防止するために、その遠位端部が閉じられていることが好ましい。その近位端部において、シース2は、使用者が自分の指をシース2に挿入できるように開かれる。シース2の近位端部における開口は、寸法および形状において、パッド4を貫通する開口に実質的に対応する。
【0036】
パッド4は、使用時には患者の解剖学的キャビティに面する第1の表面4aと、使用時には解剖学的キャビティから離れて面する第2の表面4bとを有する。第1の表面4aは、好ましくは感圧接着剤である接着剤の層を含む。接着剤の層は、取外し可能なフィルム5によって覆われる。
【0037】
パッド4の第2の表面4bは、好ましくは不浸透層を含む。好ましい実施形態において、シース2は、パッド4のアパーチャを貫通し、パッド4の第2の表面4bに沿って延びて、不浸透層を形成する。
【0038】
パッド4は、好ましくは、シース2を気密封止するためにパッドを折り畳むことができる脆弱化ライン7を備える。
【0039】
図4を参照すると、取外し可能なフィルム5は、使用時に患者の解剖学的キャビティに面する第1の表面5aと、パッド4の第1の表面4a上の接着剤層に面する第2の表面5bとを有する。
【0040】
取外し可能なフィルム5の寸法および形状は、パッド4の寸法および形状に対応するが、パッド4からのフィルム5の剥離を容易にするタブ(図示せず)を備えてもよい。フィルム5は、パッド4及びシース2の開口に実質的に対応する寸法及び形状の開口を備える。
【0041】
フィルム5の第1の表面5aは、解剖学的キャビティから漏れるあらゆる流体を吸収する吸収層を備えることができる。フィルム5は、接着剤によるサンプルの汚染またはサンプルによる接着剤の汚染を防止するために、たとえば、その第2の表面5b上に不浸透層を含むことができる。
【0042】
吸収体3は、シース2の遠位端部またはさ先端に固定される。示される器具1において、吸収性シートが、付着、接着、シール、縫合、溶接、または他の適切な固定方法によって、シース2の遠位端部に固定される。
【0043】
ストリングまたはコード6がシース2の遠位端部に結合され、解剖学的キャビティからの器具1の取外しを補助する。
【0044】
使用時には、使用前の汚染を避けるために、器具1は、好ましくは、シース2(図3の構成を参照)内側に位置された吸収体3と共に包装される。使用者(即ち、サンプルを採取する人)は、指をシース2の遠位端部に置き、パッド4のアパーチャ8を通して吸収体3を押し、その過程で、指をシース2に挿入する。ここで、吸収体3が露出され(図1参照)、器具1は患者の解剖学的キャビティに挿入する準備ができている。
【0045】
使用者は、解剖学的口を通して、解剖学的キャビティ、たとえば、膣腔内に、シース付き指を挿入する。いったん吸収体3が標的領域に位置すると、それは周囲の体液を吸収することができ、あるいは、使用者は指を曲げることによって吸収体3を膣壁に接触させることができる。
【0046】
いったんサンプルが採取されると、ストリング6を引っ張ることによって吸収体3が取り外される。シース2はそれ自体反転し、吸収体3はここでシース2内に戻る(図3参照))。
【0047】
図4を参照すると、フィルム5がパッド4から剥がされ、それによってパッド4の第1の表面4a上の接着層が露出する。パッド4は、脆弱化ライン7に沿って折り畳まれ、接着剤層がそれ自体に接触し、シース2を気密封止するようにパッド4の第2の表面4bに圧力が加えられる。この時点で、サンプルは、気密封止されたシース2内部に包含され、検査室に送るためにバッグに入れるか、または包み込むことができる。
【0048】
技師は、サンプルを露出させるために、パッド4を開き、同じ方法で指を挿入することができる。サンプルは、任意の適切な方法によって取り出すことができる。たとえば、技師は、適切な媒体中にシース付き指を直接配置して、吸収体3からサンプルを抽出、希釈または溶解することができる。複数回の分析を行う場合、技師は、アリコートを取り出し、将来の抽出のためにシース2を再シールすることができる。
【0049】
従って、上記の説明から、本発明は、患者の解剖学的キャビティからサンプルを安全に、滅菌して、衛生的に採取するための器具および方法を提供することが分かる。本発明による器具は、採取プロセスが痛みを伴わないように、患者を傷つけたり痛めたりする恐れのある剛性または鋭利な部品を備えない。この器具は、従来のスワブスティックよりも操作が容易であり、患者が自己採取を選択できるようにする。使用者が吸収体と接触しないので、汚染のリスクは最小限に抑えられる。また、サンプル採取プロセスは、使用者または患者の指を汚すリスクを最小にする。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】