(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】統合型光ファイバを有するチューブ、医療機器、およびその方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A61M25/00 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575477
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 US2020041692
(87)【国際公開番号】W WO2021011408
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511300891
【氏名又は名称】バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン、チェイス
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267BB03
4C267BB09
4C267BB10
4C267CC29
(57)【要約】
チューブ壁と、1つまたは複数の管腔と、1つまたは複数の光ファイバが内部に配置された統合型チューブの縦ビードとを含む統合型チューブが開示される。1つまたは複数の管腔の各管腔は、少なくとも部分的にチューブ壁によって画定される。統合型チューブの縦ビードは、チューブ壁の対向する両側の間に位置する。カテーテルチューブおよび統合型スタイレットを含む医療機器も開示される。カテーテルチューブは、カテーテルチューブ壁およびカテーテルチューブの1つまたは複数の管腔を含む。1つまたは複数の管腔の各管腔は、少なくとも部分的にカテーテルチューブ壁によって画定される。統合型スタイレットは、1つまたは複数の光ファイバを含む。また、カテーテル管は、カテーテルチューブの対向する両側の間に縦ビードを含み、該縦ビードはその中に配置された前記1つまたは複数の光ファイバを有する。上記の製造方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合型チューブであって、
前記統合型チューブのチューブ壁と、
前記統合型チューブの1つまたは複数の管腔であって、前記1つまたは複数の管腔の各管腔は、少なくとも部分的に前記チューブ壁によって画定されている、1つまたは複数の管腔と、
前記統合型チューブの縦ビードであって、該縦ビードは、前記チューブ壁の対向する両側の間に位置して、前記縦ビードの中に配置された1つまたは複数の光ファイバを含む縦ビードと
を備える統合型チューブ。
【請求項2】
前記統合型チューブは1つの管腔を有する、請求項1に記載の統合型チューブ。
【請求項3】
前記縦ビードは、前記チューブ壁に組み込まれている、請求項2に記載の統合型チューブ。
【請求項4】
前記統合型チューブは2つ以上の管腔を有する、請求項1に記載の統合型チューブ。
【請求項5】
前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記統合型チューブの任意の長さの前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と実質的に同じ容積を有する、請求項4に記載の統合型チューブ。
【請求項6】
前記2つ以上の管腔のうちの少なくとも1つの管腔は、前記統合型チューブの任意の長さにおいて前記2つ以上の管腔のうちの別の管腔と異なる容積を有する、請求項4に記載の統合型チューブ。
【請求項7】
請求項4乃至6の何れか一項に記載の統合型チューブは、前記統合型チューブの1つ又は複数の隔壁をさらに含み、前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記1つ又は複数の隔壁によって少なくとも部分的に画定されている、統合型チューブ。
【請求項8】
前記縦ビードは、前記チューブ壁に組み込まれている、請求項7に記載の統合型チューブ。
【請求項9】
前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁のうちの少なくとも1つの隔壁に組み込まれている、請求項7に記載の統合型チューブ。
【請求項10】
前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁の各隔壁に組み込まれている、請求項7に記載の統合型チューブ。
【請求項11】
前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された1つの光ファイバを有する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の統合型チューブ。
【請求項12】
前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された光ファイバ束を有する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の統合型チューブ。
【請求項13】
前記統合型チューブはバンプチューブである、請求項1乃至12の何れか一項に記載の統合型チューブ。
【請求項14】
医療機器であって、
カテーテルチューブであって、
前記カテーテルチューブのカテーテルチューブ壁と、
前記カテーテルチューブの1つまたは複数の管腔とを含み、前記1つまたは複数の管腔の各管腔が少なくとも部分的に前記カテーテルチューブ壁によって画定される、カテーテルチューブと、
1つまたは複数の光ファイバなる統合型スタイレットであって、前記カテーテルチューブは、前記カテーテルチューブの対向する両側の間に位置する縦ビードを含み、前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された前記1つまたは複数の光ファイバを有する、統合型スタイレットと
を備える医療機器。
【請求項15】
前記カテーテルチューブが1つの管腔を有する、請求項14に記載の医療機器。
【請求項16】
前記縦ビードは、前記カテーテルチューブに組み込まれている、請求項15に記載の医療機器。
【請求項17】
前記カテーテルチューブが2つ以上の管腔を有する、請求項15に記載の医療機器。
【請求項18】
前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記カテーテルチューブの任意の長さにある前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と実質的に同じ容積を有する、請求項17に記載の医療機器。
【請求項19】
前記2つ以上の管腔のうち少なくとも1つの管腔は、前記カテーテルチューブの任意の長さにある前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と異なる容積を有する、請求項17に記載の医療機器。
【請求項20】
前記カテーテルチューブの2つ以上の隔壁をさらに備え、前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記1つ又は複数の隔壁によって少なくとも部分的に画定されている、請求項17乃至19の何れか一項に記載の医療機器。
【請求項21】
前記縦ビードは、前記カテーテルチューブ壁に組み込まれている、請求項20に記載の医療機器。
【請求項22】
前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁のうちの少なくとも1つの隔壁に組み込まれている、請求項20に記載の医療機器。
【請求項23】
前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁の各隔壁に組み込まれている、請求項20に記載の医療機器。
【請求項24】
前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された1つの光ファイバを有する、請求項14乃至23の何れか一項に記載の医療機器。
【請求項25】
前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された光ファイバ束を有する、請求項14乃至23の何れか一項に記載の医療機器。
【請求項26】
前記カテーテルチューブの遠位端部分は、前記カテーテルチューブの近位端部分よりも小さい直径を有し、前記カテーテルチューブの前記遠位端部分は、患者の解剖学的構造とインターフェースするように構成され、前記カテーテルチューブの前記近位端部分は、処置装置または器具とインターフェースするように構成される、請求項14乃至25の何れか一項に記載の医療機器。
【請求項27】
前記医療機器は、末梢挿入中心静脈カテーテルまたは中心静脈カテーテルである、請求項14乃至26の何れか一項に記載の医療機器。
【請求項28】
統合型チューブを製造するための方法であって、
押出機のダイに少なくとも1つの光ファイバを通すことと、
前記光ファイバが前記統合型チューブの縦ビード内に配置された統合型チューブを形成するように、前記光ファイバの周囲の前記ダイを通して溶融ポリマ材料を強制的に押し出すことと、
冷却槽内で前記統合型チューブをプーラーで引っ張ることにより前記統合型チューブを冷却することと
を含む方法。
【請求項29】
前記統合型チューブをコイラで前記統合型チューブのスプールに巻き付けることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記プーラーで前記統合型チューブを引っ張る速度は、前記統合型チューブの直径のより小さい部分を形成すべく増大されるか、あるいは前記統合型チューブの直径のより大きい部分を形成すべく低減される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記統合型チューブをカッターで所定の長さに切断することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記カッターは、前記統合型チューブの各所定の長さが、前記所定の長さの第2端部分よりも小さい直径を有する前記所定の長さの第1端部分を含むように、前記プーラーと同期している、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記統合型チューブの各所定の長さはカテーテルチューブであり、前記統合型チューブの前記所定の長さの前記第1端部分は、患者の解剖学的構造とインターフェースするように構成された前記カテーテルチューブの遠位端部分であり、前記統合型チューブの前記所定の長さの前記第2端部分は、処置装置または器具とインターフェースするように構成された前記カテーテルチューブの近位端部分である、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
統合型光ファイバを有するチューブ、医療機器、およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC:peripherally inserted central catheter)または中心静脈カテーテル(CVC:central venous catheter)の先端が動いて、患者の上大静脈(SVC:superior vena cava)の理想的な位置からずれることがある。そのようなPICCまたはCVCが変位したと信じている臨床医は、通常、胸部X線で変位を確認し、必要に応じてPICCまたはCVCを交換する。しかしながら、X線は患者を電離放射線にさらすことになる。したがって、臨床医は、PICCおよびCVCの変位を簡単かつ安全に確認して、必要に応じて交換するというニーズがある。
【0003】
本明細書に開示されるのは、上述したことに対処する、統合型光ファイバを備えた統合型チューブ、医療機器、およびそれらの方法である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示されるのは統合型チューブであって、いくつかの実施形態では、統合型チューブは、チューブ壁と、1つまたは複数の管腔と、統合型チューブの縦ビード(longitudinal bead)とを含み、該縦ビードはその中に配置された1つまたは複数の光ファイバを含む。1つまたは複数の管腔の各管腔は、少なくとも部分的にチューブ壁によって画定される。統合型チューブの縦ビードは、チューブ壁の対向する両側の間に位置する。
【0005】
いくつかの実施形態では、前記統合型チューブは1つの管腔を有する。
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記チューブ壁に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、前記統合型チューブは2つ以上の管腔を有する。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記統合型チューブの任意の長さの前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と実質的に同じ容積を有する。
いくつかの実施形態では、前記2つ以上の管腔の少なくとも1つの管腔は、前記統合型チューブの任意の長さの前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と異なる容積を有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記統合型チューブは、前記統合型チューブの1つ又は複数の隔壁をさらに含む。前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記1つ又は複数の隔壁によって少なくとも部分的に画定される。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記チューブ壁に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁のうちの少なくとも1つの隔壁に組み込まれている。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁の各隔壁に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された1つの光ファイバを有する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された光ファイバ束を有する。
いくつかの実施形態では、前記統合型チューブはバンプチューブである。
【0011】
いくつかの実施形態では、カテーテルチューブおよび統合型スタイレットを含む医療機器も本明細書に開示される。前記カテーテルチューブは、カテーテルチューブ壁および前記カテーテルチューブの1つまたは複数の管腔を含む。前記1つまたは複数の管腔の各管腔は、少なくとも部分的に前記カテーテルチューブ壁によって画定される。前記統合型スタイレットは、1つまたは複数の光ファイバを含む。また、前記カテーテル管は、前記カテーテルチューブの対向する両側の間に縦ビードを含み、該縦ビードはその中に配置された前記1つまたは複数の光ファイバを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記カテーテルチューブは1つの管腔を有する。
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記カテーテルチューブに組み込まれている。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記カテーテルチューブは2つ以上の管腔を有する。
いくつかの実施形態では、前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記カテーテルチューブの任意の長さの前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と実質的に同じ容積を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記2つ以上の管腔の少なくとも1つの管腔は、前記カテーテルチューブの任意の長さの前記2つ以上の管腔のうち別の管腔と異なる容積を有する。
いくつかの実施形態では、前記医療機器は、前記カテーテルチューブの1つまたは複数の隔壁をさらに含む。前記2つ以上の管腔の各管腔は、前記1つ又は複数の隔壁によって少なくとも部分的に画定される。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記カテーテルチューブに組み込まれている。
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁のうちの少なくとも1つの隔壁に組み込まれている。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、前記1つ又は複数の隔壁の各隔壁に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された1つの光ファイバを有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記縦ビードは、該縦ビードの中に配置された光ファイバ束を有する。
いくつかの実施形態では、前記カテーテルチューブの遠位端部分は、前記カテーテルチューブの近位端部分よりも小さい直径を有する。前記カテーテルチューブの前記遠位端部分は、患者の解剖学的構造とインターフェースするように構成されている。前記カテーテルチューブの前記近位端部分は、処置装置または器具とインターフェースするように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記医療機器は、PICCまたはCVCである。
また、本明細書では、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光ファイバを押出機のダイに通すことと、前記光ファイバが前記統合型チューブの縦ビード内に配置された統合型チューブを形成するように、前記光ファイバの周囲の前記ダイを通して溶融ポリマ材料を強制的に押し出すことと、冷却槽内で前記統合型チューブをプーラーで引っ張ることにより前記統合型チューブを冷却することとを含む統合型チューブの製造方法が開示されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、この方法は、前記統合型チューブをコイラで前記統合型チューブのスプールに巻き付けることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、プーラーで前記統合型チューブを引っ張る速度は、前記統合型チューブの直径のより小さい部分を形成すべく増大されたり、あるいは前記統合型チューブの直径のより大きい部分を形成すべく低減されたりする。
【0020】
いくつかの実施形態では、この方法は、前記統合型チューブをカッターで所定の長さに切断することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、前記カッターは、前記統合型チューブの各所定の長さが、所定の長さの第2端部分よりも小さい直径を有する所定の長さの第1端部分を含むように、プーラーと同期している。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記統合型チューブの各所定の長さは、カテーテルチューブである。前記統合型チューブの前記所定の長さの前記第1端部分は、患者の解剖学的構造とインターフェースするように構成された前記カテーテルチューブの遠位端部分である。前記統合型チューブの前記所定の長さの前記第2端部分は、処置装置または器具とインターフェースするように構成された前記カテーテルチューブの近位端部分である。
【0022】
本明細書で提供される概念のこのよう特徴および他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に説明する添付の図面および以下の説明を考慮して、当業者にとってより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバを備えた単一ルーメン統合型チューブの断面を示す。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバを備えた2ルーメン統合型チューブの断面を示す。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバを備えた3ルーメン統合型チューブの断面を示す。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバを備えた別の3ルーメン統合型チューブの断面を示す。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバを備えた2ルーメンカテーテルチューブを含むCVCを示す。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバを備えた統合型チューブの製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、または置換することができる特徴を有することができることも理解されたい。
【0025】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、一般に、複数の特徴または複数のステップのグループ内の異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、連続的な限定または数値制限を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴またはステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」等の用語などのラベルは、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、および「前記」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0026】
「近位」に関しては、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0027】
「遠位」に関しては、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0028】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
PICCまたはCVCの先端が動いて、患者のSVCの理想的な位置からずれることがある。そのようなPICCまたはCVCが変位したと信じている臨床医は、通常、胸部X線で変位を確認し、必要に応じてPICCまたはCVCを交換する。しかしながら、X線は患者を電離放射線にさらすことになる。したがって、臨床医は、PICCおよびCVCの変位を簡単かつ安全に確認して、必要に応じて交換するというニーズがある。
【0029】
本明細書に開示されるのは、上述したことに対処する、統合型光ファイバを備えた統合型チューブ、医療機器、およびそれらの方法である。
統合型チューブ
図1は、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバ110を備えた単一ルーメン統合型チューブ100の断面を示す。
図2は、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバ110を備えた2ルーメン統合型チューブ200の断面を示す。
図3Aは、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバ110を備えた3ルーメン統合型チューブ300Aの断面を示す。
図3Bは、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバ110を備えた別の3ルーメン統合型チューブ300Bの断面を示す。
【0030】
図1に示すように、統合型チューブ100は、チューブ壁104と、管腔102と、1つまたは複数の光ファイバ110が内部に配置された統合型チューブ100の縦ビード106とを含む。同様に、
図2に示されるように、統合型チューブ200は、チューブ壁104と、2つの管腔202aおよび202bと、1つまたは複数の光ファイバ110が内部に配置された統合型チューブ200の縦ビード206とを含む。
図3Aに示されるように、統合型チューブ300Aは、チューブ壁104と、3つの管腔202、302aおよび302bと、1つまたは複数の光ファイバ110が内部に配置された統合型チューブ300Aの縦ビード306とを含む。同様に、
図3Bに示されるように、統合型チューブ300Bは、チューブ壁104と、3つの管腔303a、303bおよび303cと、1つまたは複数の光ファイバ110が内部に配置された統合型チューブ300Bの縦ビード306とを含む。従って、本明細書に開示される統合型チューブは、少なくとも1つのチューブ壁と、1つまたは複数の管腔と、1つまたは複数の光ファイバが内部に配置された統合型チューブの縦ビードとを含む。
【0031】
図1の統合型チューブ100に関して、管腔102は、少なくとも部分的に、チューブ壁104、特にチューブ壁104の内面によって画定される。
統合型チューブ100の縦ビード106は、チューブ壁104の対向する両側の間に位置する。即ち、縦ビード106は、統合型チューブ100の内側にある。実際、縦ビード106は、チューブ壁104に組み込まれており、特にチューブ壁104の内面に組み込まれている。従って、管腔102は、さらに縦ビード106によって少なくとも部分的に画定されている。
【0032】
図2の統合型チューブ200に関して、2つの管腔202aおよび202bの各管腔は、少なくとも部分的に、チューブ壁104によって画定され、特にチューブ壁104の内面によって画定されている。
【0033】
統合型チューブ200は、統合型チューブ200の隔壁208をさらに含む。2つの管腔202aおよび202bの各管腔は、さらに隔壁208によって少なくとも部分的に画定されている。図示のように、隔壁208は、統合型チューブ200の2つの管腔202aおよび202bの各管腔が、統合型チューブ200の任意の長さについて2つの管腔202aおよび202bの他方の管腔と実質的に同じ容積を有するように統合型チューブ200を2つに分離している。しかしながら、隔壁208は、前述のように、統合型チューブ200を2つの等しい半分に分離する必要はない。例えば、
図2の統合型チューブ200の断面が時計の文字盤である場合のように、隔壁208が3時方向から9時方向へ延びる代わりに、隔壁208は2時方向から10時方向へ延びることが可能である。そのような構成により、統合型チューブ200の2つの管腔202a、202bの各管腔は、統合型チューブ200の任意の長さについて、2つの管腔202a、202bの他方の管腔と異なる容積を有することになる。
【0034】
統合型チューブ200の縦ビード206は、チューブ壁104の対向する両側の間に位置する。即ち、縦ビード206は、統合型チューブ200の内側にある。実際、縦ビード206は、縦ビード206が統合型チューブ200の中心軸と同軸になるように、隔壁208、特に隔壁208の内側部分に組み込まれる。しかしながら、縦ビード206は、代替的に、隔壁208の内側部分とチューブ壁104との間の隔壁208に組み込まれてもよい。とは言うものの、縦ビード206は、隔壁208に全く組み込まれる必要はない。代わりに、縦ビード206は、統合型チューブ100のそれと同様に、チューブ壁104に組み込まれてもよい。縦ビード206が統合型チューブ200にどのように組み込まれるかに関わらず、統合型チューブ200の2つの管腔202aおよび202bのうちの少なくとも1つの管腔は、少なくとも部分的に縦ビード206によってさらに画定される。
【0035】
図3Aの統合型チューブ300Aに関して、3つの管腔202、302aおよび202bの各管腔は、少なくとも部分的に、チューブ壁104によって画定され、特にチューブ壁104の内面によって画定されている。
【0036】
統合型チューブ300Aは、統合型チューブ300Aの2つの隔壁208および308をさらに含む。3つの管腔202、302aおよび302bの各管腔は、さらに隔壁208によって少なくとも部分的に画定されている。2つの管腔302aおよび302bの各管腔は、さらに隔壁308によって少なくとも部分的に画定されている。図示されるように、隔壁208は、統合型チューブ300Bを2つの半割体からなる第1の組に分離し、隔壁308は、2つの半割体からなる第1の組の片方をさらに2つの半割体からなる第2の組に分離する。その結果、統合型チューブ300Aの2つの管腔302aおよび302bの各管腔が、統合型チューブ200の任意の長さについて2つの管腔302aおよび302bの他方の管腔と実質的に同じ容積を有し、管腔202は、統合型チューブ200の任意の長さについて2つの管腔302aおよび302bの容積の少なくとも二倍の容積を有している。しかしながら、隔壁208は、統合型チューブ300Bを2つの半割体からなる第1の組に分離する必要はなく、隔壁308は、上述したように2つの半割体からなる第1の組の片方をさらに2つの半割体からなる第2の組に分離する必要はない。例えば、
図3Aの統合型チューブ300Aの断面が時計の文字盤である場合のように、隔壁208が12時方向から6時方向へ延びる代わりに、隔壁208は11時方向から7時方向へ延びることが可能である。同様に、隔壁308が3時方向から隔壁208の内側部分まで延びる代わりに、隔壁308は2時方向から隔壁208の内側部分まで、または2時方向から隔壁208の内側部分とチューブ壁104の間まで延びることができる。そのような構成により、統合型チューブ300Aの3つの管腔202、302a、302bの各管腔は、統合型チューブ300Aの任意の長さについて、3つの管腔202、302a、302bの別の管腔と異なる容積を有することになる。
【0037】
統合型チューブ300Aの縦ビード306は、チューブ壁104の対向する両側の間に位置する。即ち、縦ビード306は、統合型チューブ300Aの内側にある。実際、縦ビード306は、縦ビード306が統合型チューブ300Aの中心軸と同軸になるように、隔壁208および308に組み込まれ、特に隔壁208の内側部分および隔壁308の端部に組み込まれる。しかしながら、縦ビード306は、代替的に、隔壁208の内側部分とチューブ壁104との間の隔壁208または隔壁308の内側部分に組み込まれてもよい。とは言うものの、縦ビード306は、隔壁208、308の何れの隔壁にも全く組み込まれる必要はない。代わりに、縦ビード306は、統合型チューブ100のそれと同様に、チューブ壁104に組み込まれてもよい。縦ビード306が統合型チューブ300Aにどのように組み込まれるかに関わらず、統合型チューブ300Aの3つの管腔202、302aおよび302bのうちの少なくとも1つの管腔は、少なくとも部分的に縦ビード306によってさらに画定される。
【0038】
図3Bの統合型チューブ300Bに関して、3つの管腔303a、303bおよび303cの各管腔は、少なくとも部分的に、チューブ壁104によって画定され、特にチューブ壁104の内面によって画定されている。
【0039】
統合型チューブ300Bは、統合型チューブ300Bの3つの隔壁309a、309b、および309cをさらに含む。3つの管腔303a、303bおよび300cの各管腔は、さらに3つの隔壁309a、309b、309cのうちの2つによって少なくとも部分的に画定されている。図示のように、隔壁309a、309b、309cは、統合型チューブ300Bの3つの管腔303a、303bおよび300cの各管腔が、統合型チューブ200の任意の長さについて3つの管腔303a、303bおよび300cの別の管腔と実質的に同じ容積を有するように統合型チューブ300Bを3つに分離している。しかしながら、隔壁309a、309b、309cは、前述のように、統合型チューブ300Bを3つの等しい部分に分離する必要はない。例えば、
図3Aの統合型チューブ300Aおよび上述した関連する説明を参照されたい。上述した例のような構成により、統合型チューブ300Bの3つの管腔303a、303bおよび303cの各管腔は、統合型チューブ300Bの任意の長さについて、3つの管腔303a、303bおよび303cの別の管腔と異なる容積を有することになる。
【0040】
統合型チューブ300Bの縦ビード306は、チューブ壁104の対向する両側の間に位置する。即ち、縦ビード306は、統合型チューブ300Bの内側にある。実際、縦ビード306は、縦ビード306が統合型チューブ300Bの中心軸と同軸になるように、隔壁309a、309bおよび309cに組み込まれ、特に隔壁309a、309bおよび309cの各隔壁の端部に組み込まれる。しかしながら、縦ビード306は、代替的に、隔壁309a、309bおよび309cの任意の隔壁の内側部分に組み込まれてもよい。とは言うものの、縦ビード306は、隔壁309a、309bおよび309cの何れにも組み込まれる必要はない。代わりに、縦ビード306は、統合型チューブ100のそれと同様に、チューブ壁104に組み込まれてもよい。縦ビード306が統合型チューブ300Bにどのように組み込まれるかに関わらず、統合型チューブ300Bの3つの管腔203a、303bおよび303Cのうちの少なくとも1つの管腔は、少なくとも部分的に縦ビード306によってさらに画定される。
【0041】
統合型チューブ100、200、300A、または300Bは、その長さに沿って変化する直径を有する統合型バンプチューブであり得る。統合型バンプチューブの直径がその長さに沿ってどのように変化するかに応じて統合型バンプチューブを所定の長さに切断する場合、統合型バンプチューブの各所定の長さは、統合型バンプチューブの所定の長さの第1の端部が、例えば、哺乳類の解剖学的構造とインターフェースするように構成されるとともに、統合型バンプチューブの所定の長さの第2の端部が、医療機器または器具とインターフェースするように構成されるように、第2の端部より小さい直径を有する第1の端部を有することが可能である。
【0042】
チューブ壁104、隔壁208、308、または309a~c、および縦ビード106、206、または306を含む統合型チューブ100、200、300A、または300Bは、シリコーンのような無機ポリマまたはポリウレタンのような有機ポリマのいずれかである。
【0043】
統合型チューブ100、200、300A、または300Bの縦ビード106、206、または306に配置された光ファイバ110は、1つの光ファイバ、またはシリカガラスもしくは有機ポリマからなる2つ以上の光ファイバ束を含み、光ファイバのものよりも低い屈折率を有する別のシリカガラスもしくは有機ポリマからなるクラッド、さらに別の有機ポリマのバッファコーティング、またはそれらの組合せで任意に被覆される。前述の光ファイバの各光ファイバは、約8μmから約25μmの間の直径を有する。
【0044】
医療機器
図4Aは、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバスタイレット110を備えた2ルーメンカテーテルチューブ402を含むCVC400を示している。
図4Bは、
図4AのCVC400のカテーテルチューブ402の近位端部分の詳細図を示している。再び、
図2は、いくつかの実施形態による統合型された光ファイバ110を有する2ルーメン統合型チューブ200の断面を示すが、カテーテルチューブ402は統合型チューブ200の所定の長さであるので、統合型チューブ200の特徴は、以下に示すようにカテーテルチューブ402に組み込まれる。
【0045】
図4Aに示すように、CVC400は、カテーテルチューブ402を含み、このカテーテルチューブ402は、以下でより詳細に述べるように、2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bと、該2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bに対応して流体接続された2つのハブ管腔を有する分岐したハブと、2つの延長レッグであって、各延長レッグが2つのハブルーメンのうちの1つのハブルーメンに流体接続する延長レッグと、2つの延長レッグの各延長レッグに接続するルアコネクタとを含む。CVC400は、任意選択で、カテーテルチューブ402の統合型光ファイバスタイレット110を処置装置または器具とインターフェースするために、CVC400のハブから延びるスタイレット延長部404を含む。スタイレット延長部404は、光ファイバスタイレット110を含むカテーテルチューブ402の削り取られた部分、または別のチューブ(例えば、延長チューブ)に配置されたカテーテルチューブ402の削り取られた部分であり得る。
【0046】
図2、
図4Aおよび
図4Bの統合型チューブ402に関して、2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bの各管腔は、少なくとも部分的に、カテーテルチューブ壁104によって画定され、特にチューブ壁104の内面によって画定されている。
【0047】
カテーテルチューブ402は、カテーテルチューブ402の隔壁208をさらに含む。2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bの各管腔は、さらに隔壁208によって少なくとも部分的に画定されている。図示のように、隔壁208は、カテーテルチューブ402の2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bの各管腔が、カテーテルチューブ402の任意の長さについて2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bの他方の管腔と実質的に同じ容積を有するようにカテーテルチューブ402を2つに分離している。しかしながら、隔壁208は、前述のように、カテーテルチューブ402を2つの等しい半分に分離する必要はない。例えば、
図2のカテーテルチューブ402の断面が時計の文字盤である場合のように、隔壁208が3時方向から9時方向へ延びる代わりに、隔壁208は2時方向から10時方向へ延びることが可能である。そのような構成により、カテーテルチューブ402の2つのカテーテルチューブ管腔202a、202bの各管腔は、カテーテルチューブ402の任意の長さについて、2つのカテーテルチューブ管腔202a、202bの他方の管腔と異なる容積を有することになる。
【0048】
統合型光ファイバスタイレット110が配置されているカテーテルチューブ402の縦ビード206は、カテーテルチューブ壁104の対向する両側の間にある。即ち、縦ビード206は、カテーテルチューブ402の内側にある。実際、縦ビード206は、縦ビード206がカテーテルチューブ402の中心軸と同軸になるように、隔壁208、特に隔壁208の内側部分に組み込まれる。しかしながら、縦ビード206は、代替的に、隔壁208の内側部分とチューブ壁104との間の隔壁208に組み込まれてもよい。とは言うものの、縦ビード206は、隔壁208に全く組み込まれる必要はない。代わりに、縦ビード206は、統合型チューブ100のそれと同様に、カテーテルチューブ壁104に組み込まれてもよい。縦ビード206がカテーテルチューブ402にどのように組み込まれるかに関わらず、カテーテルチューブ402の2つのカテーテルチューブ管腔202aおよび202bのうちの少なくとも1つの管腔は、少なくとも部分的に縦ビード206によってさらに画定される。
【0049】
カテーテルチューブ402の遠位端部分が、カテーテルチューブ402の近位端部分よりも小さい直径を有するように、カテーテルチューブ402は統合型チューブ200を所定の長さに切断したものである。カテーテルチューブ402の遠位端部分は、患者の解剖学的構造とインターフェースするように構成されている。カテーテルチューブ402の近位端部分は、処置装置または器具とインターフェースするように構成されている。
【0050】
統合型チューブ100、200、300A、または300Bのように、チューブ壁104、隔壁208、および縦ビード206を含むカテーテルチューブ402は、シリコーンのような無機ポリマまたはポリウレタンのような有機ポリマのいずれかである。
【0051】
カテーテルチューブ402の縦ビード206に配置された統合型光ファイバ110は、1つの光ファイバ、またはシリカガラスもしくは有機ポリマからなる2つ以上の光ファイバ束を含み、光ファイバのものよりも低い屈折率を有する別のシリカガラスもしくは有機ポリマからなるクラッド、さらに別の有機ポリマのバッファコーティング、またはそれらの組合せで任意に被覆される。前述の光ファイバの各光ファイバは、約8μmから約25μmの間の直径を有する。
【0052】
上記のCVC400は、2ルーメンカテーテルチューブ402を有する2ルーメンCVCであるが、CVC400に類似した2ルーメンPICCのような他の医療装置であってもよい。さらに、1ルーメンまたは3ルーメンのCVCまたはPICCが可能であり、各1ルーメンCVCまたはPICCは、統合型チューブ100に対応するカテーテルチューブおよび統合型光ファイバスタイレット110を有し、各3ルーメンCVCまたはPICCは、統合型チューブ300Aまたは300Bに対応するカテーテルチューブおよび統合型光ファイバスタイレット110を有する。
【0053】
製造
図5は、いくつかの実施形態による、統合型光ファイバ110を備えた統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの製造方法を示す。
【0054】
統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの製造方法は、少なくとも1つの光ファイバ110(一つずつまたはスプールに巻かれた光ファイバ)を押出機500のダイ502に通すことと、光ファイバ110が統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの縦ビード106、206または306内に配置された統合型チューブを形成するように、光ファイバ110の周囲のダイ502を通してシリコーンまたはポリウレタンのような溶融ポリマ材料504を強制的に押し出すことと、冷却槽内で統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bをプーラーで引っ張ることにより統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bを冷却することとを含む。プーラーで統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bを引っ張る速度は、統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの直径のより小さい部分を形成すべく増大されたり、あるいは統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの直径のより大きい部分を形成すべく低減されたりする。
【0055】
この方法は、統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bをコイラで統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bのスプールに巻き付けることをさらに含んでもよい。
【0056】
この方法は、統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bをカッターで所定の長さに切断することをさらに含んでもよい。カッターは、統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの各所定の長さが、所定の長さの第2端部分よりも小さい直径を有する所定の長さの第1端部分を含むように、プーラーと同期してもよい。上述したように、統合型チューブ100、200、300Aまたは300Bの各所定の長さは、所定の長さの統合型チューブ200から形成されるカテーテルチューブ402のようなカテーテルチューブであってもよい。統合型チューブ200のそのような所定の長さの第1端部分は、患者の解剖学的構造とインターフェースするように構成されたカテーテルチューブ402の遠位端部分である。統合型チューブ200のそのような所定の長さの第2端部分は、処置装置または器具とインターフェースするように構成されたカテーテルチューブ402の近位端部分である。
【0057】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されており、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書で提供される概念の範囲を制限することは意図されていない。当業者は、より広い態様において、付加的な適応をおこなったり、および/または改変を行ったりすることを理解することができ、これらの適応および/または改変も包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から外れて実施されてもよい。
【国際調査報告】