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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】酸化作動式冷却流
(51)【国際特許分類】
   F01D 21/14 20060101AFI20220906BHJP
   F01D 25/12 20060101ALI20220906BHJP
   F01D 25/14 20060101ALI20220906BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
F01D21/14
F01D25/12 E
F01D25/14
F02C7/18 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576485
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 US2020040050
(87)【国際公開番号】W WO2021007056
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】16/504,865
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー、ザカリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハフナー、マシュー トロイ
(72)【発明者】
【氏名】キブラー、リンジー マリー
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071BA21
(57)【要約】
ガスタービンシステム(10)の構成要素の冷却システムに供給される冷却流体(140,202)の流量を増大させるための流量調整システム(200)が提供される。流量調整システム(200)は、構成要素のセクション内に埋め込まれた空気圧回路(206)であって、空気圧回路(206)は、相互接続された空気圧通路(208)のセットを含む、空気圧回路(206)と、空気圧回路(206)に流体結合された圧力作動スイッチ(204,304)とを含む。圧力作動スイッチ(204,304)は、構成要素のセクション内に破損箇所が形成されること、および構成要素のセクションに埋め込まれた空気圧回路(206)の空気圧通路(208)のうちの少なくとも1つが露出することに応答して作動する。圧力作動スイッチ(204,304)の作動は、構成要素の冷却システムに供給される冷却流体(140,202)の流量を増大させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンシステム(10)の構成要素の冷却システムに供給される冷却流体(140、202)の流量を増大させるための流量調整システム(200)であって、
前記構成要素のあるセクション内に埋め込まれた空気圧回路(206)であり、前記空気圧回路(206)は、相互接続された空気圧通路(208)のセットを含む、空気圧回路(206)と、
前記空気圧回路(206)に流体結合された圧力作動スイッチ(204、304)であり、前記圧力作動スイッチ(204、304)は、前記構成要素の前記セクションにおける破損箇所の形成および前記構成要素の前記セクション内に埋め込まれた前記空気圧回路(206)の前記空気圧通路(208)のうちの少なくとも1つの露出に応答して作動する、圧力作動スイッチ(204、304)と
を備え、
前記圧力作動スイッチ(204、304)の前記作動が、前記構成要素の前記冷却システム(92)に供給される前記冷却流体(140、202)の流量を増大させる、流量調整システム(200)。
【請求項2】
前記圧力作動スイッチ(204,304)は、前記構成要素の前記セクション内に埋め込まれた前記空気圧回路(206)の前記空気圧通路(208)のうちの少なくとも1つの前記露出に起因する前記空気圧回路(206)内の圧力の低下に応答して作動される、請求項1に記載の流量調整システム(200)。
【請求項3】
前記構成要素の前記冷却システムは、冷却流体(140,202)の流れを受け取り、前記圧力作動スイッチ(204,304)の前記作動は、冷却流体(140,202)の別個の補助流を前記構成要素の前記冷却システムに流入させる、請求項1に記載の流量調整システム(200)。
【請求項4】
前記圧力作動スイッチ(204,304)が、冷却流体(140,202)の加圧源に流体結合された流体入口(212)と、前記構成要素の前記冷却回路(92)に流体結合された流体出口(210)とを含む、請求項2に記載の流量調整システム(200)。
【請求項5】
前記冷却流体(140,202)の加圧源は、前記ガスタービンシステム(10)の圧縮機構成要素の圧縮機吐出チャンバ(910)を含む、請求項4に記載の流量調整システム(200)。
【請求項6】
前記圧縮機吐出チャンバ(910)内の圧力が、前記空気圧回路(206)内の圧力の低下に応答して前記圧力作動スイッチ(204,304)を作動させる、請求項5に記載の流量調整システム(200)。
【請求項7】
前記ガスタービンシステム(10)の前記構成要素が、タービンシュラウド(54)を含む、請求項1に記載の流量調整システム(200)。
【請求項8】
前記構成要素の前記冷却システム(900)(92)に供給される前記冷却流体(140,202)の流量の前記増大が、前記構成要素の前記破損箇所の近傍における酸化を妨げるかまたは阻止する、請求項1に記載の流量調整システム(200)。
【請求項9】
前記圧力作動スイッチ(204,304)は、
前記ガスタービンシステム(10)の圧縮機構成要素の圧縮機吐出チャンバ(910)内の圧力にさらされる圧縮可能チャンバ(910)と、
前記圧縮可能チャンバ(910)の第1の側にある第1の電気接点(310)と、
前記圧縮可能チャンバ(910)の第2の対向する側にある第2の電気接点(312)と
を含む、請求項2に記載の流量調整システム(200)。
【請求項10】
前記第1の電気接点(310)を通って延在するポート(308)をさらに含み、前記ポート(308)は、前記圧縮可能チャンバ(910)の内部を前記構成要素の前記セクション内に埋め込まれた前記空気圧回路(206)に流体結合する、請求項9に記載の流量調整システム(200)。
【請求項11】
前記圧縮機構成要素の前記圧縮機吐出チャンバ(910)内の圧力が、前記空気圧回路(206)内の圧力の低下に応答して、前記第2の電気接点(312)を前記第1の電気接点(310)に向かって変位させて接触させる、請求項10に記載の流量調整システム(200)。
【請求項12】
前記第2の電気接点(312)が前記第1の電気接点(310)に接触することに応答して、前記ガスタービンシステム(10)の前記圧縮機セクション(12)の抽出ポート(318)を通って前記構成要素の前記冷却システムに流入する冷却流体(140,202)の流量を増大させるためのコントローラ(316)をさらに含む、請求項11に記載の流量調整システム(200)。
【請求項13】
ガスタービンシステム(10)の構成要素の破損箇所の近傍の酸化を制御するための方法であって、
前記構成要素のあるセクション内に埋め込まれた空気圧回路(206)内の圧力を監視するステップであり、前記空気圧回路(206)は、相互接続された空気圧通路(208)のセットを含む、監視するステップと、
前記空気圧回路(206)内の圧力の低下に応答して、前記構成要素の冷却システムに冷却流体(140、202)の補助流または冷却流体(140、202)の増大した流量を提供するステップであり、前記冷却流体(140、202)の補助流または前記冷却流体(140、202)の増大した流量が、前記構成要素の前記破損箇所の近傍の酸化を妨げるかまたは阻止する、提供するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記空気圧回路(206)内の前記圧力の前記低下が、前記空気圧回路(206)の前記空気圧通路(208)のうちの少なくとも1つの露出によって引き起こされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記構成要素は、タービンシュラウド(54)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
システム(900)であって、
タービンシュラウド(54)と、
前記タービンシュラウド(54)を冷却するための冷却システムと、
前記タービンシュラウド(54)の前記冷却システムに供給される冷却流体(140、202)の流量を増大させるための流量調整システム(200)と
を備え、前記流量調整システム(200)は、
前記タービンシュラウド(54)のあるセクション内に埋め込まれた空気圧回路(206)であり、前記空気圧回路(206)は、相互接続された空気圧通路(208)のセットを含む、空気圧回路(206)と、
前記空気圧回路(206)に流体結合された圧力作動スイッチ(204、304)であり、前記圧力作動スイッチ(204、304)は、前記タービンシュラウド(54)の前記セクションにおける破損箇所の形成および前記タービンシュラウド(54)の前記セクション内に埋め込まれた前記空気圧回路(206)の前記空気圧通路(208)のうちの少なくとも1つの露出に応答して作動し、前記露出は、前記空気圧回路(206)内の圧力の低下を引き起こす、圧力作動スイッチ(204、304)と
を含み、
前記圧力作動スイッチ(204、304)の前記作動が、前記タービンシュラウド(54)の前記冷却システムに供給される前記冷却流体(140、202)の流量を増大させる、システム(900)。
【請求項17】
前記圧力作動スイッチ(204,304)が、冷却流体(140,202)の加圧源に流体結合された流体入口(212)と、前記タービンシュラウド(54)の前記冷却システムに流体結合された流体出口(210)とを含み、前記冷却流体(140,202)の加圧源が、ガスタービンシステム(10)の圧縮機構成要素の圧縮機吐出チャンバ(910)を含む、請求項16に記載のシステム(900)。
【請求項18】
前記圧力作動スイッチ(204,304)の前記作動が、冷却流体(140,202)の別個の補助流を前記圧縮機吐出チャンバ(910)から前記構成要素の前記冷却システムに流入させ、前記冷却流体(140,202)の補助流が、前記冷却システムへの冷却流体(140,202)の全流量を増大させる、請求項17に記載のシステム(900)。
【請求項19】
前記圧力作動スイッチ(204,304)は、
前記ガスタービンシステム(10)の圧縮機構成要素の圧縮機吐出チャンバ(910)内の圧力にさらされる圧縮可能チャンバ(910)と、
前記圧縮可能チャンバ(910)の第1の側にある第1の電気接点(310)と、
前記圧縮可能チャンバ(910)の第2の対向する側にある第2の電気接点(312)と、
前記第1の電気接点(310)を通じて延在するポート(308)であって、前記ポート(308)は、前記圧縮可能チャンバ(910)の内部を前記タービンシュラウド(54)の前記セクション内に埋め込まれた前記空気圧回路(206)に流体結合する、ポート(308)と、
を含む、請求項17に記載のシステム(900)。
【請求項20】
前記圧縮機構成要素の前記圧縮機吐出チャンバ(910)内の前記圧力は、前記空気圧回路(206)内の前記圧力の低下に応答して、前記第2の電気接点(312)を前記第1の電気接点(310)に向かって変位させて接触させ、前記システム(900)は、前記第2の電気接点(312)が前記第1の電気接点(310)に接触することに応答して、前記構成要素の前記冷却システムへの前記冷却流体(140,202)の流量を増大させるためのコントローラ(316)をさらに含む、請求項19に記載のシステム(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガスタービンシステムに関し、より詳細には、酸化を受けているガスタービンシステムの構成要素に冷却流体の補助流を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムは、発電などの分野で広く利用されているターボ機械の一例である。従来のガスタービンシステムは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼器セクションと、タービンセクションとを含む。ガスタービンシステムの動作中、タービンブレード、ノズル翼形部、およびシュラウドセグメントなどのシステム内の様々な構成要素が高温のガス流に曝され、構成要素を故障させる可能性がある。より高温の流れは、一般に、ガスタービンシステムの性能、効率、および出力の向上をもたらすため、高温のガス流に曝される構成要素を冷却し、ガスタービンシステムをより高い温度で動作させ、かつガスタービンシステムの構成要素の寿命を延ばすことが有益である。
【0003】
冷却(例えば、対流冷却、インピンジメント冷却など)は、ガスタービンシステムの構成要素に形成された内部通路を通して冷却流体の流れを導くことによって提供されることが多い。多くの場合、冷却流体は、ガスタービンシステムの圧縮機セクションによって放出された空気の一部を抽気することによって提供される。
【0004】
遮熱コーティング(TBC)が、保護熱シールドを提供し、高温による損傷を防止し、酸化および熱疲労を低減することによって構成要素寿命を延ばすために、ガスタービンシステムの部品に適用されることが多い。TBCの破砕は、ガスタービンシステムにおける共通の問題である。TBCが破砕すると、TBCの一部が割れて構成要素から分離し、下にある表面を高温にさらし、(例えば、酸化による)損傷を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
第1の実施形態は、ガスタービンシステムの構成要素の冷却システムに供給される冷却流体の流量を増大させるための流量調整システムであって、構成要素のあるセクション内に埋め込まれた空気圧回路であり、空気圧回路は、相互接続された空気圧通路のセットを含む、空気圧回路と、空気圧回路に流体結合された圧力作動スイッチであり、圧力作動スイッチは、構成要素の上記セクションにおける破損箇所の形成および構成要素の上記セクション内に埋め込まれた空気圧回路の空気圧通路のうちの少なくとも1つの露出に応答して作動する、圧力作動スイッチとを含み、圧力作動スイッチの作動が、構成要素の冷却システムに供給される冷却流体の流量を増大させる、流量調整システムに関する。
【0006】
別の実施形態は、ガスタービンシステムの構成要素の破損箇所の近傍の酸化を制御するための方法であって、構成要素のあるセクション内に埋め込まれた空気圧回路内の圧力を監視するステップであり、空気圧回路は、相互接続された空気圧通路のセットを含む、監視するステップと、空気圧回路内の圧力の低下に応答して、構成要素の冷却システムに冷却流体の補助流または冷却流体の増大した流量を提供するステップであり、冷却流体の補助流または冷却流体の増大した流量が、構成要素の破損箇所の近傍の酸化を妨げるかまたは阻止する、提供するステップとを含む、方法を提供する。
【0007】
さらなる実施形態は、システムであって、タービンシュラウドと、タービンシュラウドを冷却するための冷却システムと、タービンシュラウドの冷却システムに供給される冷却流体の流量を増大させるための流量調整システムとを備え、流量調整システムは、タービンシュラウドのあるセクション内に埋め込まれた空気圧回路であり、空気圧回路は、相互接続された空気圧通路のセットを含む、空気圧回路と、空気圧回路に流体結合された圧力作動スイッチであり、圧力作動スイッチは、タービンシュラウドの上記セクションにおける破損箇所の形成およびタービンシュラウドの上記セクション内に埋め込まれた空気圧回路の空気圧通路のうちの少なくとも1つの露出に応答して作動する、圧力作動スイッチとを含み、圧力作動スイッチの作動が、タービンシュラウドの冷却システムに供給される冷却流体の流量を増大させる、システムに関する。
【0008】
本開示の例示の態様は、本明細書に記載の問題および/または論じられない他の問題を解決する。
【0009】
本開示のこれらの特徴および他の特徴は、本開示の様々の態様の以下の詳細な説明を本開示の種々の実施形態を示す添付の図面と併せて検討することで、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態によるガスタービンシステムの概略図である。
図2】実施形態による、ガスタービンシステムのタービンセクションの一部分の側面図である。
図3】実施形態によるタービンシュラウドの等角図である。
図4】実施形態による、図3のタービンシュラウドの断面図である。
図5】実施形態による非作動状態の圧力作動スイッチを示す図である。
図6】実施形態による作動状態の圧力作動スイッチを示す図である。
図7】他の実施形態による非作動状態の圧力作動スイッチを示す図である。
図8】他の実施形態による作動状態の圧力作動スイッチを示す図である。
図9】本開示の実施形態による、タービンシュラウドを表すコードを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む、積層造形プロセスのブロック図である。
図10】本開示の実施形態による、酸化を妨げ、および/または阻止するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の図面が、必ずしも一定の縮尺ではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを図示することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、類似する符号は、図面間で類似する要素を表す。
【0012】
ここで、添付の図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、実施形態を1つの好ましい実施形態に限定するものではないことを理解されたい。それとは反対に、添付の特許請求の範囲によって規定される記載された実施形態の趣旨および範囲内に含まれ得る代替例、改変例、および均等例をカバーすることが意図される。
【0013】
最初の問題として、現在の開示を明確に説明するために、本開示の範囲内の関連する機械構成要素を参照して説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になる。これを行う場合、可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられた意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語には、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲の技術的範囲に矛盾しない広い解釈が与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書において説明される内容が、他の箇所で、単一の部品として言及されることもある。
【0014】
加えて、いくつかの記述用語が、本明細書において定期的に使用される可能性があり、この場の冒頭でこれらの用語を定義することが有用であることが明らかである。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、もしくはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前部または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後部またはタービン端部を指す。加えて、「先導する」および「後続する」という用語は、それぞれ、「前方」および「後方」という用語と同様の記述で使用され、および/または理解することができる。多くの場合、異なる半径方向、軸方向、および/または円周方向の位置にある部品を説明することが必要になる。「A」軸線は、軸方向の配向を表す。本明細書で使用する場合、「軸方向の」および/または「軸方向に」という用語は、ガスタービンシステム(特に、ロータセクション)の回転軸と実質的に平行な軸線Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指す。さらに本明細書で使用する場合、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸線Aと実質的に垂直でありかつただ1つの場所において軸線Aと交差する方向「R」(図1参照)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。最後に、「円周方向の」という用語は、軸線Aの周囲の移動または位置を指す(例えば、方向「C」)。
【0015】
様々な実施形態において、互いに「流体結合された」または「流体連通する」と記載された構成要素は、1つまたは複数の界面に沿って接合することができる。いくつかの実施形態では、これらの界面は、別個の構成要素の間の接合部を含むことができ、他の場合には、これらの界面は、強固におよび/または一体的に形成された相互接続を含むことができる。すなわち、いくつかの場合には、互いに「結合された」構成要素は、単一の連続した部材を画定するように同時に形成することができる。しかし、他の実施形態では、これらの結合された構成要素は、別々の部材として形成することができ、その後公知のプロセス(例えば、締結、超音波溶接、接着)により接合することができる。
【0016】
ある要素または層が、別の要素に対して「上に位置し」、「係合し」、「接続され」あるいは「結合し」ていると称される場合、他の要素に対して直接的に上に位置し、係合し、接続され、あるいは結合しても、介在の要素が存在してもよい。対照的に、ある要素が、別の要素に対して「直接的に上に位置し」、「直接的に係合し」、「直接的に接続され」あるいは「直接的に結合し」ていると称される場合、いかなる介在の要素または層も存在できないかもしれない。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0017】
図1は、様々な実施形態によるガスタービンシステム10の概略図を図示する。示すように、ガスタービンシステム10は、流入する空気流14を圧縮し、圧縮空気16の流れを燃焼器セクション18に送達するための圧縮機セクション12を含む。燃焼器セクション18は、圧縮空気16の流れを燃料20の加圧された供給物と混合し、混合物に点火して燃焼ガス22の流れを生み出す。単一の燃焼器セクション18のみが示されているが、ガスタービンシステム10は、任意の数の燃焼器セクション18を含むことができる。燃焼ガス22の流れは、次いでタービンセクション24に送達される。燃焼ガス22の流れは、タービンセクション24を駆動して機械的仕事を発生する。タービンセクション24で発生された機械的仕事は、シャフト26を介して圧縮機セクション12を駆動することができ、さらに発電機などの外部負荷28を駆動するために使用されてもよい。
【0018】
図2は、タービンブレード32の少なくとも1つの段30(1つを示す)およびタービンセクション24のケーシング38(「タービンケーシング38」)内に位置付けられたノズル36の少なくとも1つの段34(1つを示す)を含む、ガスタービンシステムのタービンセクション24の一部分の側面図を示す。タービンブレード32の各段30は、ロータ26に結合され、ロータ26の周りに円周方向に位置付けられており、燃焼ガス22によって駆動される複数のタービンブレード32を含む。ノズル36の各段34は、タービンセクション24のタービンケーシング38に結合され、その周りに円周方向に位置付けられた複数のノズル36を含む。
【0019】
図2に示す実施形態では、各ノズル36は、外側プラットフォーム42と内側プラットフォーム44との間に位置付けられた翼形部40を含む。ノズル36と同様に、タービンセクション24の各タービンブレード32は、ロータ26から半径方向に延在する翼形部46を含む。各翼形部46は、先端部分48と、先端部分48の反対側に位置付けられたプラットフォーム50とを含む。
【0020】
タービンブレード32およびノズル36は、タービンケーシング38内で互いに隣接して軸方向に位置付けることができる。図2では、例えば、軸方向においてタービンブレード32に隣接し、その下流に位置付けられたノズル36が示されている。タービンセクション24は、タービンケーシング38全体にわたって軸方向に位置付けられたタービンブレード32の複数の段30およびノズル36の複数の段34を含むことができる。
【0021】
ガスタービンシステム10のタービンセクション24は、タービンケーシング38全体にわたって軸方向に位置付けられたシュラウド54の複数の段52(図2に示す1つの段)を含むことができる。図2では、例えば、シュラウド54の段52が、タービンブレード32の段30に隣接して半径方向に位置付けられ、これを実質的に囲むかまたは包含するように示されている。シュラウド54の段52はまた、軸方向においてノズル36の段34に隣接して、および/またはその上流に位置付けられてもよい。さらに、シュラウド54の段52は、タービンブレード32の段30の対向する両側に位置するノズル36の2つの隣接する段34の間に位置付けることができる。シュラウド54の段52は、各々がシュラウド54の対応するセクションを受け入れるように構成された開口部58を含む拡張部56のセットを使用して、タービンケーシング38の周りに結合され得る。
【0022】
タービンシュラウド54の等角図が図3に示されており、タービンシュラウド54の断面図が図4に示されている。図示のように、タービンシュラウド54は、本体60を含む。タービンシュラウド54の本体60、ならびにタービンシュラウド54の様々な他の構成要素および/または特徴は、積層造形プロセスを含む任意の適切な技法を使用して形成することができる。例えば、本体60を含むタービンシュラウド54は、直接金属レーザ溶融(DMLM)(選択的レーザ溶融(SLM)とも呼ばれる)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、ステレオリソグラフィ(SLA)、バインダジェッティング、または任意の他の適切な積層造形プロセスによって形成されてもよい。
【0023】
タービンシュラウド54の本体60は、支持部分62と、中間部分64と、シール部分66とを含む。支持部分62は、タービンシュラウド54に直接結合され、かつ/またはタービンケーシング38および/もしくは拡張部56へのタービンシュラウド54の結合を支援する(図2参照)。支持部分62は、少なくとも1つの前方フック70を含む前方端部68と、少なくとも1つの後方フック74を含む後方端部72と、第1の表面76と、第2の表面78とを含む。中間部分64は、非直線セグメント84および前方セグメント86を含む、本体60の対向するスラッシュ面80、82の間の本体60の様々な特徴を含む。前方セグメント86は、例えば、タービンセクション24内にシールを形成し、タービンセクション24を通って流れる燃焼ガス22の高温ガス流路を画定し、および/またはタービンケーシング38内にノズル36を固定するために使用することができる。シール部分66は、タービンセクション24を通って流れる燃焼ガス22の流路を少なくとも部分的に画定することができる。シール部分66は、タービンセクション24内の燃焼ガス22の高温ガス流路に隣接して位置付けることができる高温ガス経路(HGP)表面88を含む。
【0024】
タービンシュラウド54の本体60は、本体60の前方端部68と後方端部72との間で、支持部分62の第1の表面76内におよび/またはそれを貫通して形成された少なくとも1つの入口開口部90をさらに含む。入口開口部90は、本体60の支持部分62、中間部分64、およびシール部分66を通して形成され、および/またはその中に含まれる冷却回路92(図4)と流体連通している。
【0025】
タービンシュラウド54はまた、本体60の支持部分62の第1の表面76に結合された計量板94のセット(図3に破線で示す)を含むこともできる。各計量板94(1つのみが示されている)は、それぞれの入口開口部90の上にあり、および/または少なくとも部分的にそれを覆うように、第1の表面76に取り付けることができる。計量板94は、所定流量の冷却流体が入口開口部90を介して冷却回路92に入ることを可能にする。
【0026】
タービンシュラウド54の様々なプレナム(複数可)および/または冷却通路(複数可)が図4に示されており、図4は、図3のタービンシュラウド54の断面図である。図示するように、タービンシュラウド54は、タービンシュラウド54の本体60の一部分を通って形成および/または延在することができる少なくとも1つのプレナム100を含む。より具体的には、プレナム100は、タービンシュラウド54の本体60の支持部分62、中間部分64、およびシール部分66の少なくとも一部分を通って(半径方向に)延在することができる。本体60の中間部分64およびシール部分66内に形成されたプレナム100の1つまたは複数の部分は、対向するスラッシュ面80、82の間に、および/またはそれに隣接して延在することができる。単一のプレナム100のみが示されているが、タービンシュラウド54は追加のプレナムを含んでもよいことが理解される。
【0027】
プレナム100は、本体60の支持部分62内に形成された入口開口部(複数可)90に流体結合および/または直接流体連通してもよい。本明細書で説明するように、プレナム100は、入口開口部(複数可)90を介して冷却流体140(例えば、圧縮機吐出空気)の供給を受けるように構成され、ガスタービンシステム10の動作中にタービンシュラウド54を冷却するためにタービンシュラウド54内に形成された別個の冷却通路に冷却流体140を提供することができる。
【0028】
図4に示すように、タービンシュラウド54は、タービンシュラウド54の本体60内に形成、配置、および/または延在し、プレナム100と流体連通する第1の冷却通路102を含む。より具体的には、第1の冷却通路102は、本体60の前方端部104と後方端部106との間でおよび/または隣接して、タービンシュラウド54の本体60のシール部分66内に位置付けられ、および/またはそこを通って延在することができる。加えて、第1の冷却通路102は、対向するスラッシュ面80、82の間でおよび/またはこれに隣接して本体60のシール部分66を通って延在することができる。第1の冷却通路102はまた、半径方向において、プレナム100とシール部分66のHGP表面88との間でシール部分66内に位置付けられ得る。
【0029】
第1の冷却通路102は、複数の別個のセグメント、セクション、および/または部分を含むことができる。例えば、第1の冷却通路102は、前方部110と、後方部112との間に位置決め付けられ、および/または延在する中央部108を含むものとして示されている。図4に示すように、第1の冷却通路102の中央部108は、シール部分66の前方端部104と後方端部106との間に中央に形成および/または位置付けられる。第1の冷却通路102の前方部110は、シール部分66の前方端部104に直接隣接して、かつ中央部108の軸方向に隣接しておよび/または軸方向上流に形成および/または位置付けられる。同様に、第1の冷却通路102の後方部112は、前方部110の反対側で、シール部分66の後方端部106に直接隣接して形成および/または位置付けられる。中央部108は、タービンセクション24の動作効率および/またはタービンセクション24内のタービンシュラウド54の動作寿命を改善するために、タービンシュラウド54内で最も冷却を必要とし、かつ/または最大の熱交換を要求するシール部分66のHGP表面88の軸方向部分と半径方向に整列することができる。
【0030】
プレナム100および第1の冷却通路102は、リブ114によって分離されている。リブ114は、タービンシュラウド54の本体60内で、対向するスラッシュ面80、82の間に延在することができる。リブ114を通じて、複数のインピンジメント開口部116が設けられている。インピンジメント開口部116は、プレナム100と第1の冷却通路102の中央部108とを流体結合する。ガスタービンシステム10の動作中、冷却流体140は、プレナム100から複数のインピンジメント開口部116を通って第1の冷却通路102の中央部108へと流れる。
【0031】
第1の冷却通路102に加えて、タービンシュラウド54の本体60はまた、第2の冷却通路118を含む。図4に示すように、第2の冷却通路118は、シール部分66の前方端部104に隣接してタービンシュラウド54の本体60内に延在し、対向するスラッシュ面80、82の間でシール部分66内に延在することができる。第2の冷却通路118は、第1の冷却通路102の中央部108に隣接してその上流に位置付けられ、第1の冷却通路102の前方部110から半径方向内向きに位置付けられる。さらに、第2の冷却通路118は、第1の冷却通路102の前方部110とシール部分66のHGP表面88との間に形成されまたは位置付けられる。
【0032】
リブ120が、第2の冷却通路118を第1の冷却通路102の前方部110から分離する。リブ120は、タービンシュラウド54の本体60内で、対向するスラッシュ面80、82の間に延在することができる。第2の冷却通路118は、第1の冷却通路102の前方部110と直接流体連通する。リブ120を通して形成された複数のインピンジメント開口部122は、第1の冷却通路102の前方部110と第2の冷却通路118とを流体結合する。ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、第1の冷却通路102の前方部110を通って流れる冷却流体140は、第1の冷却通路102の前方部110からインピンジメント開口部122を通過または流れて第2の冷却通路118に至る。
【0033】
タービンシュラウド54の本体60は、第2の冷却通路118と流体連通する複数の前方排気孔124をさらに含む。動作中、複数の前方排気孔124は、第2の冷却通路118から、ガスタービンシステム10のタービンセクション24を通って流れる燃焼ガス22の高温ガス流路に冷却流体140を放出する。
【0034】
タービンシュラウド54の本体60のシール部分66内には、第3の冷却通路126が設けられている。図4に示すように、第3の冷却通路126は、シール部分66の後方端部106に隣接して配置される。第1の冷却通路102および第2の冷却通路118と同様に、第3の冷却通路126もまた、対向するスラッシュ面80、82の間でシール部分66内に延在することができる。第3の冷却通路126は、第1の冷却通路102の中央部108に隣接してその下流に位置付けられ、シール部分66のHGP表面88に隣接して、第1の冷却通路102の後方部112から半径方向内向きに位置付けられる。
【0035】
リブ128が、第3の冷却通路126を第1の冷却通路102の後方部112から分離する。リブ128は、タービンシュラウド54の本体60内で、対向するスラッシュ面80、82の間に延在することができる。リブ128を通して形成された複数のインピンジメント開口部130は、第1の冷却通路102の後方部112と第3の冷却通路126とを流体結合する。ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、第1の冷却通路102の後方部112を通って流れる冷却流体140は、第1の冷却通路102の後方部112からインピンジメント開口部130を通過または流れて第3の冷却通路126に至る。
【0036】
タービンシュラウド54の本体60は、第3の冷却通路126と流体連通する複数の後方排気孔132をさらに含む。動作中、複数の後方排気孔132は、第3の冷却通路126から、ガスタービンシステム10のタービンセクション24を通って流れる燃焼ガス22の高温ガス流路に冷却流体140を放出するように構成されている。
【0037】
ガスタービンシステム10の動作中、冷却流体140(例えば、圧縮機吐出空気)は、タービンシュラウド54を冷却するために圧力下で本体60を通って流れる。より具体的には、タービンシュラウド54が、ガスタービンシステム10の動作中にタービンセクション24の高温ガス流路を通って流れる燃焼ガス22に曝されると、タービンシュラウド54を冷却するために本体60内の様々な冷却機構(例えば、プレナム100、冷却通路102,118,126、排気チャネル124,132など)に冷却流体140が供給される。非限定的な例では、冷却流体140は、タービンシュラウド54の本体60の支持部分62の第1の表面76内に形成された入口開口部(複数可)90を通ってタービンシュラウド54の本体60のプレナム100に流入する。加えて、タービンシュラウド54が入口開口部(複数可)90の上におよび/またはこれを少なくとも部分的に覆う第1の表面76に取り付けられた計量板(複数可)94を含む場合、計量板(複数可)90は、入口開口部(複数可)90を通ってプレナム(複数可)100に流れる冷却流体140の固定流の量および圧力を調整する。
【0038】
冷却流体140は、入口開口部(複数可)90からプレナム100を通って、タービンシュラウド54の本体60のシール部分66内に形成された冷却通路102,118,126に向かって半径方向に流れるように構成される。より具体的には、プレナム100に供給された冷却流体140は、半径方向において、プレナム100を通ってリブ114に向かって流れ、続いてリブ114内のインピンジメント開口部116を通って第1の冷却通路102の中央部108へと流れる。第1の冷却通路102の中央部108から、冷却流体140は、軸方向において、第1の冷却通路102の前方部110および後方部112に流入する。
【0039】
第1の冷却通路102の前方部110に流入する冷却流体140の一部は、リブ120内に形成されたインピンジメント開口部122を通って第2の冷却通路118に流入する。同様に、第1の冷却通路102の後方部112に流入する冷却流体140の一部は、リブ128内に形成されたインピンジメント開口部130を通って第3の冷却通路126に流入する。
【0040】
第2の冷却通路118から、冷却流体140の一部は、排気孔124を通ってタービンシュラウド54の本体60から流出することができる。さらに、第3の冷却通路126内の冷却流体140の一部は、排気孔132を通って本体60から流出することができる。排気孔124,132を介して排出されない残りの冷却流体140は、タービンシュラウド54の本体60内の他の冷却機構に供給することができる。
【0041】
TBC破砕後の酸化の結果として、タービンシュラウド54のHGP表面88内に破損箇所が生じる可能性がある。破損箇所は、破損箇所の近傍のHGP表面88の継続的な酸化に起因してサイズが増大し、タービンシュラウド54の動作寿命を短縮する可能性がある。
【0042】
実施形態によれば、HGP表面88に破損箇所が形成されたことに応答して、タービンシュラウド54の冷却回路92に冷却流体202の補助流を送達するための流量調整システム200が提供される。特に、HGP表面88内の破損箇所の形成に応答して、流量調整システム200は、タービンシュラウド54の本体60内の冷却回路92内に(例えば、プレナム100内に)冷却流体202の補助流を導くように構成される。流量調整システム200は、例えば図5および図6に示すように、ガスタービンシステム10の圧縮機セクション12(図1)の放出部(例えば、第1の段以上)から直接供給される冷却流体140を有するタービンシュラウド54の冷却回路92に冷却流体202の補助流を提供するために使用することができる。他の実施形態によれば、流量調整システム200は、例えば図7および図8に示すように、ガスタービンシステム10の圧縮機セクション12の抽出ポート(例えば、第2の段以上)を通じてその冷却流体140を受け取るタービンシュラウド54の冷却回路92への冷却流体140の流量を増大させるために使用することができる。本明細書ではタービンシュラウド54に関連して説明したが、流量調整システム200は、酸化を受ける可能性があるガスタービンシステム10の他の構成要素と共に使用するように構成することができることに留意されたい。例えば、流量調整システム200は、構成要素のHGP表面に破損箇所が形成されたことに応答して、タービンブレード、ノズルなどのような構成要素の冷却システムに冷却流体の補助供給(または冷却流体の増大した流量)を提供するように構成することができる。
【0043】
様々な実施形態によれば、流量調整システム200は、圧力作動スイッチ204(図5および図6)または304(図7および図8)と、HGP表面88内に完全に埋め込まれている、相互接続された空気圧通路208のセットを含む空気圧回路206(図3および図4)とを含む。空気圧通路208の少なくとも1つは、圧力作動スイッチ204,304に流体結合される。図3および図4に示すように、空気圧通路208は、HGP表面88内に格子状パターンで設けられてもよい。他の多くの構成も使用することができる。例えば、空気圧通路208は、正弦波構成、網目状構成、螺旋構成、矩形格子などで提供されてもよい。一般に、HGP表面88内の空気圧通路208の配置構成および間隔は、HGP表面88の比較的小さい破損箇所であっても、HGP表面88内の空気圧通路208のうちの1つまたは複数の露出をもたらすようなものである。破損箇所がない場合、空気圧回路206の空気圧通路208のいずれも露出していない。
【0044】
通常動作中(例えば、HGP表面88に破損箇所がない場合)、空気圧回路206の空気圧通路208内の圧力は、圧力作動スイッチ204,304を非作動状態に維持するのに十分である。HGP表面88に破損箇所が生じ、HGP表面88内に埋め込まれた空気圧回路206の空気圧通路208のうちの1つまたは複数が露出すると、空気圧回路206の空気圧通路208内の圧力が低下し、結果として圧力作動スイッチ204,304が作動する。作動されると、圧力作動スイッチ204,304は、冷却流体202の補助供給(または冷却流体140の増大した流量)がタービンシュラウド54の冷却システム92に流入することを可能にする。有利には、冷却システム92への冷却流体の増大した流量は、破損箇所の近傍のHGP表面88の酸化が妨げられるかまたは阻止されるようなものである。
【0045】
実施形態による圧力作動スイッチ204を、図5および図6に示す。圧力作動スイッチ204は、HGP表面88の破損箇所の形成に応答して、タービンシュラウド54の冷却システム92に冷却流体202の補助供給を選択的に提供するように構成されている。圧力作動スイッチ204は、流体出口210と、冷却流体の加圧源に流体結合された流体入口212とを含む。図5では、例えば、圧力作動スイッチ204の流体入口212は、圧縮機吐出チャンバ(CDC)に流体結合され、圧縮機吐出チャンバは、ガスタービンシステム10の圧縮機部分12から圧縮空気16(図1)の流れを受け取る。
【0046】
圧力作動スイッチ204は、ピストン214と、座部218と嵌合するように構成されている、ピストン214に結合されたディスク216とをさらに含む。ばねなどのような付勢要素220が、ディスク216を座部218に向かって付勢する。ピストン214の遠位端は、空気圧通路208のうちの1つまたは複数を介して空気圧回路206に流体結合される。
【0047】
HGP表面88に破損箇所がない場合、図5に示すように、付勢要素220によって加えられる付勢力を伴う空気圧通路208内の圧力は、圧縮機吐出チャンバ内の圧力よりも大きい。したがって、ピストン214に結合されたディスク216は、座部218に押し付けられ、圧力作動スイッチ204を閉じる。これにより、冷却流体202の補助供給が圧縮機吐出チャンバからタービンシュラウド54の冷却システム92に流れることが防止される。
【0048】
圧力作動スイッチ204は、HGP表面88における破損箇所(例えば、酸化に起因する)の形成およびHGP表面88内に埋め込まれた空気圧回路206の空気圧通路208の少なくとも一部の露出に応答して作動する。露出は、空気圧回路206の空気圧通路208内の圧力の損失を引き起こす。結果として、図6に示すように、圧縮機吐出チャンバ内の圧力は、この時点において付勢要素220によって加えられる付勢力よりも大きくなり、ピストン214に結合されたディスク216を座部218から遠ざけ、流体入口212を圧力作動スイッチ204の流体出口210に流体結合する。冷却流体202の補助供給は、この時点において圧縮機吐出チャンバから圧力作動スイッチ204を通じてタービンシュラウド54の冷却システム92に流れることができる。冷却システム92への冷却流体の増大した流量は、破損箇所の近傍のHGP表面88の酸化を妨げまたは阻止する。
【0049】
他の実施形態による圧力作動スイッチ304を、図7および図8に示す。圧力作動スイッチ304は、HGP表面88の破損箇所の形成に応答して、タービンシュラウド54の冷却システム92に提供される冷却流体140の流量の増大を選択的にトリガするように構成されている。圧力作動スイッチ304は、例えば、ガスタービンシステム10の圧縮機セクション12の抽出ポート(例えば、第2の段以上)を介してその冷却流体140を受け取るタービンシュラウド52において使用することができる。
【0050】
圧力作動スイッチ304は、タービンシュラウド54の本体60上に位置付けることができる。圧力作動スイッチ304は、ポート308を介して空気圧回路206の空気圧通路208のうちの1つまたは複数に流体結合された変形可能チャンバ306を含む。ポート308は、変形可能チャンバ306の第1の表面上に位置付けられた第1の電気接点310を通過する。第2の電気接点312が、変形可能チャンバ306の第2の対向する表面314上に設けられている。変形可能チャンバ306の第1の表面314は、圧縮機吐出チャンバ内の圧力にさらされ、圧縮機吐出チャンバは、ガスタービンシステム10の圧縮機部分12から圧縮空気16(図1)の流れを受け取る。
【0051】
HGP表面88に破損箇所がない場合、図7に示すように、空気圧通路208内の(および、変形可能チャンバ306内の)圧力は、圧縮機吐出チャンバ内の圧力よりも高い。変形可能チャンバ306内のより高い圧力は、変形可能チャンバ306を膨張させ、第2の電気接点312が第1の電気接点310と接触するのを防止する。したがって、圧力作動スイッチ304は非作動状態にある。第1の電気接点310および第2の電気接点312は、コントローラ316に電気的に接続されている。
【0052】
圧力作動スイッチ304は、HGP表面88における破損箇所(例えば、酸化に起因する)の形成およびHGP表面88内に埋め込まれた空気圧回路206の空気圧通路208の少なくとも一部の露出に応答して作動される。露出は、空気圧回路206の空気圧通路208内の圧力の損失を引き起こす。結果として、圧縮機吐出チャンバの圧力は、この時点において変形可能チャンバ306内の圧力よりも大きい。図8に示すように、これは変形可能チャンバ306をつぶれさせる。結果として、第1の電気接点310は、第2の電気接点312に向かって、かつそれに対向して変位し、電気回路を完成させ、圧力作動スイッチ304を作動させる。
【0053】
圧力作動スイッチ304の作動に応答して、コントローラ316は、抽出ポート318を通ってタービンシュラウド54の冷却システム92に流入する冷却流体140の量を増大させる。冷却流体140の増大した流量は、例えば、コントローラ316からの信号に応答して、図8に破線で示すように抽出ポート318の開口部のサイズを拡大することによって提供することができる。冷却システム92への冷却流体140の増大した流量は、破損箇所の近傍のHGP表面88の酸化を妨げまたは阻止する。
【0054】
実施形態による酸化を妨げ、および/または阻止するための方法の流れ図が図10に示されており、図3図8を参照して説明される。S1において、空気圧回路206の空気圧通路208内の圧力が、流れ監視システム200によって監視される。空気圧回路206内の圧力の低下に応答して(S2のはい)、フローはS3に進む。空気圧回路206内の圧力の低下がないことに応答して(S2のいいえ)、フローはS1に戻る。
【0055】
S3において、空気圧回路206内の圧力の低下に応答して、圧力作動スイッチ204,304が作動される。S4において、冷却流体202の補助流または冷却流体140の増大した流量が、タービンシュラウド54の冷却システム92に供給される。S5において、タービンシュラウド54のHGP表面88の破損箇所の近傍の酸化が、冷却流体202の補助流または冷却流体140の流量の増大に起因して妨げられるかまたは阻止される。
【0056】
上述したように、タービンシュラウド54の本体60、ならびに本明細書に開示された流量調整システム200の様々な構成要素/部分を含むタービンシュラウド54の様々な他の構成要素および/または特徴は、積層造形プロセスを含む任意の適切な技法を使用して形成することができる。積層造形プロセスは、動作中にガスタービンシステム10内のタービンシュラウド54が経験する動作特性(例えば、曝露温度、曝露圧力など)に耐えることが可能な任意の適切な材料を使用することができる。
【0057】
本明細書で使用する場合、積層造形(AM)は、従来のプロセスで行う材料の除去ではなく、材料の連続した層形成を通して物体を生成する任意のプロセスを含んでもよい。積層造形は、あらゆる種類のツール、金型、または器具を使用することなく、かつ廃棄材料をほとんどまたは全く伴わずに複雑な幾何学的形状を形成することができる。その多くは切り取られ廃棄されることになるプラスチックまたは金属の固体ビレットから構成要素を機械加工する代わりに、積層造形に使用される材料は、部品を成形するために必要とされる材料のみである。積層造形プロセスは、限定はしないが、3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、直接デジタル製造(DDM)、バインダジェッティング、選択的レーザ溶融(SLM)、および直接金属レーザ溶融(DMLM)を含むことができる。現在の設定では、DMLMまたはSLMが有利であることがわかっている。
【0058】
積層造形プロセスの例を説明するために、図9は、物体902を生成するための例示的なコンピュータ化された積層造形システム900の概略/ブロック図を示す。この例において、システム900は、DMLM用として構成されている。本開示の全体的な教示が、他の形態の積層造形にも同様に適用可能であることを、理解すべきである。物体902は、タービンシュラウド54として示されている(図2図8参照)。AMシステム900は、一般に、コンピュータ化された積層造形(AM)制御システム904と、AMプリンタ906とを含む。AMシステム900は、説明するように、AMプリンタ906を使用して物体902を物理的に生成するためにタービンシュラウド54を定義する一組のコンピュータ実行可能命令を含むコード920を実行する。各AMプロセスは、例えば、細粒粉末、液体(例えば、ポリマー)、シートなどの形態の様々な原材料を使用してもよく、そのストックは、AMプリンタ906のチャンバ910に保持されてもよい。この場合、タービンシュラウド54は、ガスタービンシステム10(図1参照)の環境に耐えることが可能な金属または金属化合物から作製することができる。図示されているように、アプリケータ912は、AMプリンタ906の構築プレート915上の空白キャンバスとして広がる原材料914の薄層を作成してもよく、これから最終物体の各連続スライスが作成される。他の場合では、アプリケータ912は、例えば、金属バインダジェッティングプロセスが使用される場合、コード920によって定義されるように先の層上に次の層を直接適用または印刷してもよい。示されている例では、レーザまたは電子ビーム916は、コード920によって定義されるように、各スライスの粒子を融合するが、これは迅速に硬化する液体プラスチック/ポリマーが採用される場合には必要ではない可能性がある。AMプリンタ906の様々な部品は、各新しい層の追加に対応するように移動してもよく、例えば、各層の後で、構築プラットフォーム918は降下してもよく、および/またはチャンバ910および/またはアプリケータ912が上昇してもよい。
【0059】
AM制御システム904は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ930に実装されて示されている。この点に関して、コンピュータ930は、メモリ932と、プロセッサ934と、入力/出力(I/O)インターフェース936と、バス938とを含むものとして示されている。さらに、コンピュータ930は、外部I/Oデバイス/リソース940および記憶システム942と通信するように示されている。一般に、プロセッサ934は、本明細書に記載のタービンシュラウド54を表すコード920からの命令の下で、メモリ932および/または記憶システム942に記憶されるAM制御システム904などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードの実行時に、プロセッサ934は、メモリ932、記憶システム942、I/Oデバイス940、および/またはAMプリンタ906からデータを読み出すことおよび/またはこれらにデータを書き込むことができる。バス938は、コンピュータ930の構成要素の各々の間の通信リンクを提供し、I/Oデバイス940は、ユーザのコンピュータとの相互作用を可能にする任意のデバイス940(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を備えることができる。コンピュータ930は、ハードウェアおよびソフトウェアの考えられる様々な組み合わせの代表に過ぎない。例えば、プロセッサ934は、単一のプロセッシングユニットを含むこと、または1つまたは複数の位置、例えばクライアントおよびサーバにおける1つまたは複数のプロセッシングユニットにわたって分散してもよい。同様に、メモリ932および/または記憶システム942は、1つまたは複数の物理的な場所に存在していてもよい。メモリ932および/または記憶システム942は、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含む、様々なタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組み合わせを備えることができる。コンピュータ930は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯デバイス、携帯電話、ポケットベル、携帯情報端末などの任意のタイプのコンピューティングデバイスを備えることができる。
【0060】
積層造形プロセスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ932、記憶システム942など)にタービンシュラウド54を表すコード920を記憶することによって始まる。例えば、コード920は、タービンシュラウド54の正確に定義された3Dモデルを含んでもよく、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのいずれかから生成することができる。これに関連して、コード920は、任意の現在知られているまたは後に開発されるファイルフォーマットとすることができる。例えば、コード920は、3DシステムのステレオリソグラフィCADプログラム用に生成された標準テッセレーション言語(STL)、または積層造形ファイル(AMF)によるものであってよく、積層造形ファイル(AMF)は、アメリカ機械学会(ASME)規格であり、これは実行可能なマークアップ言語(XML)ベースのフォーマットであり、任意のCADソフトウェアが、AMプリンタで製造されることになる任意の三次元物体の形状および構成を表現することができるように設計されている。コード920は、必要に応じて、異なるフォーマット間での転換、一組のデータ信号への変換および送信、一組のデータ信号としての受信およびコードへの変換、記憶などが可能である。コード920は、システム900への入力であってよく、部品設計者、知的財産(IP)プロバイダ、設計会社、システム900のオペレータもしくは所有者から、または他のソースからもたらされてもよい。いずれにしても、AM制御システム904は、コード920を実行し、タービンシュラウド54を連続した薄いスライスに分割し、タービンシュラウド54は、液体、粉末、シート、または他の材料の連続した層でAMプリンタ906を使用して組み立てられる。DMLMの例では、各層は、コード920によって定義された正確な幾何学的形状に溶融されて先行の層に融合される。その後、タービンシュラウド54は、任意の様々な仕上げプロセス、例えば、再輪郭加工または他の小規模の機械加工、シーリング、研磨などのための本明細書に記載される仕上げプロセスを受けることができる。
【0061】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。
【0062】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0063】
10 ガスタービンシステム
12 圧縮機セクション、圧縮機部分
14 流入する空気流
16 圧縮空気
18 燃焼器セクション
20 燃料
22 燃焼ガス
24 タービンセクション
26 ロータ、シャフト
28 外部負荷
30 段
32 タービンブレード
34 段
36 ノズル
38 タービンケーシング
40 翼形部
42 外側プラットフォーム
44 内側プラットフォーム
46 翼形部
48 先端部分
50 プラットフォーム
52 タービンシュラウド、段
54 タービンシュラウド
56 拡張部
58 開口部
60 本体
62 支持部分
64 中間部分
66 シール部分
68 前方端部
70 前方フック
72 後方端部
74 後方フック
76 第1の表面
78 第2の表面
80 スラッシュ面
82 スラッシュ面
84 非直線セグメント
86 前方セグメント
88 高温ガス経路(HGP)表面
90 入口開口部
92 冷却回路、冷却システム
94 計量板
100 プレナム
102 第1の冷却通路
104 前方端部
106 後方端部
108 中央部
110 前方部
112 後方部
114 リブ
116 インピンジメント開口部
118 第2の冷却通路
120 リブ
122 インピンジメント開口部
124 前方排気孔、排気チャネル
126 第3の冷却通路
128 リブ
130 インピンジメント開口部
132 後方排気孔
140 冷却流体
200 流量調整システム、流れ監視システム
202 冷却流体
204 圧力作動スイッチ
206 空気圧回路
208 空気圧通路
210 流体出口
212 流体入口
214 ピストン
216 ディスク
218 座部
220 付勢要素
304 圧力作動スイッチ
306 変形可能チャンバ
308 ポート
310 第1の電気接点
312 第2の電気接点
314 第1の表面
316 コントローラ
318 抽出ポート
900 積層造形システム、AMシステム
902 物体
904 積層造形(AM)制御システム
906 AMプリンタ
910 チャンバ
912 アプリケータ
914 原材料
915 構築プレート
916 レーザまたは電子ビーム
918 構築プラットフォーム
920 コード
930 コンピュータ
932 メモリ
934 プロセッサ
936 入力/出力(I/O)インターフェース
938 バス
940 外部I/Oデバイス/リソース
942 記憶システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】