IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】芳香族化合物による核酸重合の増強
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/10 20060101AFI20220906BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20220906BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20220906BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20220906BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20220906BHJP
   C07D 249/06 20060101ALI20220906BHJP
   C12P 19/34 20060101ALI20220906BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20220906BHJP
   C12N 9/12 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
C12N15/10 Z
C07D401/14 CSP
C07D403/14 ZNA
C07D401/04
C07D471/04 112T
C07D249/06 502
C12P19/34 A
C12Q1/6869 Z
C12N9/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576560
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 US2020038682
(87)【国際公開番号】W WO2020263703
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/867,049
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】509349026
【氏名又は名称】ストラトス ゲノミクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196243
【弁理士】
【氏名又は名称】運 敬太
(72)【発明者】
【氏名】ココリス,マーク・スタマティオス
(72)【発明者】
【氏名】タボネ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ナバビ,メルド
(72)【発明者】
【氏名】ジャコブス,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】オコンネル,ディラン
(72)【発明者】
【氏名】グッドマン,ドリュー
(72)【発明者】
【氏名】メリル,ラセイ
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカール,ジャガデエスワラン
【テーマコード(参考)】
4B050
4B063
4B064
4C063
4C065
【Fターム(参考)】
4B050CC07
4B050DD02
4B050KK11
4B050LL03
4B050LL05
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ28
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR62
4B063QS24
4B063QX02
4B064AF27
4B064BJ10
4B064CA21
4B064CD12
4B064DA13
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC42
4C063DD08
4C063DD12
4C063DD34
4C063EE10
4C065AA04
4C065AA19
4C065BB09
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH10
4C065JJ01
4C065KK10
(57)【要約】
本発明は、例えば、DNA鋳型のナノポアに基づく単一分子配列決定のためのポリマーを生成するためのインビトロプライマー伸長によるDNA複製を含む、核酸重合を改善するための化合物、方法及び組成物に関する。核酸ポリメラーゼ反応組成物には、ヌクレオチド類似体によるDNAポリメラーゼ活性の増強を可能にし、配列決定用途のためのプライマー伸長産物の長さの改善をもたらす重合増強部分が提供される。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸ポリメラーゼ反応を増強する方法であって、
a.
i.鋳型核酸と、
ii.核酸ポリメラーゼと、
iii.ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物と、
iv.式(I)の少なくとも1つの化合物と、
を含む核酸ポリメラーゼ反応組成物を形成すること;及び
b.核酸重合反応を可能にする条件下で前記核酸ポリメラーゼ反応組成物をインキュベートすること
を含み、前記式(I)の少なくとも1つの化合物が前記核酸ポリメラーゼ反応の処理能力、速度又は忠実度を増加させ;
式(I)の化合物は:
【化1】
によって表されるか、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、キレート若しくは塩であり、式中、
mは、1、2又は3であり;
m’は、1、2又は3であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
XがCであるときWはNであり、又はXがNであるときWはCであり;
【化2】
は、単結合又は二重結合であり、前記二重結合は、W又はXのいずれかが炭素であるところから始まり;
Lは連結基であり;
Mは、出現ごとに、水素、ハロゲン及びC-Cアルキルから独立して選択され;
Ar1は、出現ごとに、置換されていてもよい、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プリン及びカルバゾールから独立して選択され、
Ar1の置換基は、出現ごとに、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR,-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’、及び-NS(O)から独立して選択され;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;
及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール、-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化3】
から独立して選択され;
及びR1’は一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化4】
を含むがこれらに限定されない複素環式環を形成することができ;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、並びにグアニジンから独立して選択され;
は、出現ごとに、1つ以上のヘテロ原子で中断されたアルキレンから独立して選択され、前記ヘテロ原子はO、S、NH又はそれらの組み合わせであり;
Yは、出現ごとに、Ar2、-(CHPO(OEt)、又は-CH2COMeから独立して選択され;
Ar2は、出現ごとに、置換された5員及び6員の単環式芳香環、並びに、2つの単環式環を一緒に含んでいる9員及び10員の縮合二環式環から独立して選択され、前記2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環であり、
Ar2は、G、G、G、G及びGで置換されており、
Ar2が一置換されている場合、Gは、出現ごとに、オキソ、-NH、-COR、-E-COH、-C(O)NR1’、-E-PO(OR、並びに、G、G、G及びGで置換されたアリールから独立して選択され;
、G、G及びGは、出現ごとに、独立して、不存在から選択されるか、又は、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’及び-E-ORを含む群から選択され、
Eは、出現ごとに、直接結合及びC-Cアルキレンから独立して選択される、
方法。
【請求項2】
Ar1が単環式炭素環アリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Ar1が単環式複素環アリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
Ar1が二環式アリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Ar1が三環式アリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Ar1が非置換アリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
Ar1が置換アリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
Ar2が、チオフェン、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、フラン、1,2-オキサゾール、1,3-オキサゾール、1H-ピロール、1H-ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール及び1H-イミダゾールからなる群から選択される5員単環式芳香環である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
Ar2が、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる群から選択される6員単環式芳香環である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
Ar2が、ベンゾフラン、1,3-ベンゾオキサゾール、フロ[3,2-b]ピリジン、フロ[3,2-c]ピリジン、フロ[2,3-c]ピリジン、フロ[2,3-b]ピリジン、インドール、1H-ベンズイミダゾール、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、ベンゾチオフェン、1,3-ベンゾチアゾール、チエノール[3,2-b]ピリジン、チエノ[3,2-c]ピリジン、チエノ[2,3-c]ピリジン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾトリアゾール及びチエノ[2,3-b]ピリジンからなる群から選択される9員縮合二環式芳香環系である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
Ar2が、ナフチレン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、1,5-ナフチリジン、1,6-ナフチリジン、1,7-ナフチリジン、1,8-ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、2,6-ナフチリジン及び2,7-ナフチリジンからなる群から選択される10員縮合二環式芳香環系である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Ar2上の前記置換がカルボン酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
Ar2上の前記置換がカルボキサミドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
Ar2上の置換がトリフルオロメチルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
Ar2上の置換がヒドロキシルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
nが0であり、mが2であり、式(I)の少なくとも1つの化合物が、(III)又は(IV):
【化5】
から選択される式によって記載される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
Ar2上の置換がヒドロキシル、カルボン酸及びトリフルオロメチルのうちの少なくとも2つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記式(I)の少なくとも1つの化合物が、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、又は(IX):
【化6】
から選択される式によって記載される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記式(I)の化合物がキレートの形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記キレートが銅キレートである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記式(I)の化合物が、少なくとも4.9のlogPを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記式(I)の化合物が、
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピリジン-3,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4,4’-((4-メトキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-メチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピラジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-((3,5-ジメチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4l3-ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5-ヨード-1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-アセトアミドピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9-アセチル-9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(N,2-ジヒドロキシベンズアミド);
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシベンズアミド);
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((1,10-フェナントロリン-2,9-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((3-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((3-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
3,3’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(tert-ブトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4-(4-(4-シアノピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸;
5-(4-(6-(4-(3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸;
4,4’-((4-(ジメチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ブタ-3-イン-1-イルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(tert-ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(プロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(フェニルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-((2-アセトアミドエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(4-シクロプロピルピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(カルバムイミドイルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((1,10-フェナントロリン-3,8-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロペンチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジ-sec-ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ナフタレン-2,7-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ナフタレン-2,3-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロヘキシルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ベンジルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3,5,6-トリクロロピコリン酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
7,7’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-フルオロ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-フルオロ安息香酸);
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(アゼチジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチル(メチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
N-エチル-2,6-ビス(1-(4-(2,2,2-トリフルオロアセチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)イソニコチンアミド;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
5,5’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
5,5’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-(ピリダジン-3,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸);
3,3’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))ジプロピオン酸;
4,4’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))二酪酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジフタル酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メトキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジイソフタル酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-ヒドロキシ安息香酸);
ジエチル(3-(4-(6-(1-(3-(ジエトキシホスホリル)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)ホスホネート;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メチル安息香酸);
2,2’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ニトロ安息香酸);
4,4’-((4-((3,3,3-トリフルオロプロピル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
(4-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(4-ホスホノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)ホスホン酸;
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))二酢酸;
ジメチル2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジアセテート;
(2S,2’S)-2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジコハク酸;
2,2’-((2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル)ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ビス(アセチル))ビス(アザンジイル))二酢酸;
2,6-ビス(1-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-エチルイソニコチンアミド;
4,4’-(チオフェン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);及び
4,4’-(フラン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
3’-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-シアノ安息香酸);及び
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-クロロ安息香酸)から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記式(I)の化合物が、前記式(I)の化合物を欠く核酸ポリメラーゼ反応と比較して、得られる核酸産物の長さを増加させる、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの式(I)の化合物が、式(I)の複数の化合物を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記核酸ポリメラーゼがDNAポリメラーゼである、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記DNAポリメラーゼがDPO4又はそのバリアントである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物が、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含むヌクレオチド類似体の混合物であり、前記ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれが、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、前記ポリマーつなぎ鎖部分(moiet0y)の第1末端が前記核酸塩基に結合し、前記ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端が前記ヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によって前記ヌクレオチド類似体の拡張を提供する、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記核酸重合反応がヌクレオチド類似体の拡張可能なポリマーを生成し、前記拡張可能なポリマーが前記鋳型核酸の核酸塩基配列情報をコードする、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
核酸重合反応を可能にする条件が、適切な重合緩衝液及びオリゴヌクレオチドプライマーを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記適切な緩衝液が、トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒、ポリリン酸60、NMS及びMnClのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
反応混合物が一本鎖結合タンパク質をさらに含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
反応混合物が尿素をさらに含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物が、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記検出可能な標識が、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
DNA又はRNA鋳型を配列決定する方法であって、
a.
i.DNA又はRNA鋳型と、
ii.前記鋳型と複合体を形成する複製プライマーと、
iii.DNAポリメラーゼと、
iv.ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物と、
v.式(I)の少なくとも1つの化合物と、
を含むDNAポリメラーゼ反応組成物を形成する工程;
b.DNA重合反応を可能にする条件下で前記DNAポリメラーゼ反応組成物をインキュベートすることであって、前記式(I)の少なくとも1つの化合物が前記DNAポリメラーゼ反応の速度、忠実度又は処理能力を増加させる、インキュベートする工程;及び、
c.ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の得られたポリマー中のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の配列を決定する工程
を含み、
式(I)の化合物は:
【化7】
であるか、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、キレート若しくは塩であり、
[式中:
mは、1、2又は3であり;
m’は、1、2又は3であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
XがCであるときWはNであり、又はXがNであるときWはCであり;
【化8】
は、単結合又は二重結合であり、前記二重結合は、W又はXのいずれかが炭素であるところから始まり;
Lは連結基であり;
Mは、出現ごとに、水素、ハロゲン及びC-Cアルキルから独立して選択され;
Ar1は、出現ごとに、置換されていてもよい、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プリン及びカルバゾールから独立して選択され、
Ar1の置換基は、出現ごとに、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR,-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’、及び-NS(O)から独立して選択され;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;
及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール、-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化9】
から独立して選択され;
及びR1’は一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化10】
を含むがこれらに限定されない複素環式環を形成することができ;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、並びにグアニジンから独立して選択され;
は、出現ごとに、1つ以上のヘテロ原子で中断されたアルキレンから独立して選択され、前記ヘテロ原子はO、S、NH又はそれらの組み合わせであり;
Yは、出現ごとに、Ar2、-(CHPO(OEt)、又は-CH2COMeから独立して選択され;
Ar2は、出現ごとに、置換された5員及び6員の単環式芳香環、並びに、2つの単環式環を一緒に含んでいる9員及び10員の縮合二環式環から独立して選択され、前記2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環であり、
Ar2は、G、G、G、G及びGで置換されており、
Ar2が一置換されている場合、Gは、出現ごとに、オキソ、-NH、-COR、-E-COH、-C(O)NR1’、-E-PO(OR、並びに、G、G、G及びGで置換されたアリールから独立して選択され;
、G、G及びGは、出現ごとに、独立して、不存在から選択されるか、又は、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’及び-E-ORを含む群から選択され、
Eは、各存在において、直接結合及びC-Cアルキレンから独立して選択される、
方法。
【請求項36】
前記ヌクレオチド類似体の混合物がヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、前記ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれが、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、前記ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端が前記核酸塩基に結合し、前記ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端が前記ヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によって前記ヌクレオチド類似体の拡張を提供する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記DNAポリメラーゼがDPO4又はそのバリアントである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ヌクレオチド類似体の得られたポリマーが拡張可能なポリマーである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記拡張可能なポリマーをホスホルアミデート開裂剤と接触させて、ヌクレオチド類似体の拡張ポリマーを生成する工程をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ヌクレオチド類似体のそれぞれの前記ポリマーつなぎ鎖部分が、前記類似体の前記核酸塩基に固有のレポーター部分を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記レポーター部分が特徴的な電子シグナルを生じる、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記ヌクレオチド類似体の配列を決定する工程が、ヌクレオチド類似体の前記拡張ポリマーをナノポアを介してトランスロケーションする工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
式(I)
【化11】
[式中:
mは、1、2又は3であり;
m’は、1、2又は3であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
XがCであるときWはNであり、又はXがNであるときWはCであり;
【化12】
は、単結合又は二重結合であり、前記二重結合は、W又はXのいずれかが炭素であるところから始まり;
Lは連結基であり;
Mは、出現ごとに、水素、ハロゲン及びC-Cアルキルから独立して選択され;
Ar1は、出現ごとに、置換されていてもよい、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プリン及びカルバゾールから独立して選択され、
Ar1の置換基は、出現ごとに、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR,-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’、及び-NS(O)から独立して選択され;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;
及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール、-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化13】
から独立して選択され;
及びR1’は一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化14】
を含むがこれらに限定されない複素環式環を形成することができ;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、並びにグアニジンから独立して選択され;
は、出現ごとに、1つ以上のヘテロ原子で中断されたアルキレンから独立して選択され、前記ヘテロ原子はO、S、NH又はそれらの組み合わせであり;
Yは、出現ごとに、Ar2、-(CHPO(OEt)、又は-CHCOMeから独立して選択され;
Ar2は、出現ごとに、置換された5員及び6員の単環式芳香環、並びに、2つの単環式環を一緒に含んでいる9員及び10員の縮合二環式環から独立して選択され、前記2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環であり、
Ar2は、G、G、G、G及びGで置換されており、
Ar2が一置換されている場合、Gは、出現ごとに、オキソ、-NH、-COR、-E-COH、-C(O)NR1’、-E-PO(OR、並びに、G、G、G及びGで置換されたアリールから独立して選択され;
、G、G及びGは、出現ごとに、独立して、不存在から選択されるか、又は、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’及び-E-ORを含む群から選択され、
Eは、出現ごとに、直接結合及びC-Cアルキレンから独立して選択される]の化合物、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、キレート若しくは塩。
【請求項44】
Ar1が単環式複素環アリールである、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
Ar1が
【化15】
から選択され、
トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、請求項44に記載の化合物。
【請求項46】
Ar1が二環式アリールである、請求項43に記載の化合物。
【請求項47】
Ar1が
【化16】
から選択される二環式炭素環式アリールであり、
トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
Ar1が
【化17】
から選択される二環式複素環式アリールであり、
トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、請求項46に記載の化合物。
【請求項49】
Ar1が三環式アリールである、請求項43に記載の化合物。
【請求項50】
Ar1が
【化18】
から選択される三環式炭素環式アリールである、請求項49に記載の化合物。
【請求項51】
Ar1が
【化19】
から選択される三環式ヘテロアリールであり、
トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、請求項49に記載の化合物。
【請求項52】
Ar1が
【化20】
から選択される三環式ヘテロアリールであり、
前記トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、請求項49に記載の化合物。
【請求項53】
Ar2が、チオフェン、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、フラン、1,2-オキサゾール、1,3-オキサゾール、1H-ピロール、1H-ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール及び1H-イミダゾールからなる群から選択される置換5員単環式芳香環である、請求項43に記載の化合物。
【請求項54】
Ar2が、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる群から選択される6員単環式芳香環である、請求項43に記載の化合物。
【請求項55】
Ar2が、ベンゾフラン、1,3-ベンゾオキサゾール、フロ[3,2-b]ピリジン、フロ[3,2-c]ピリジン、フロ[2,3-c]ピリジン、フロ[2,3-b]ピリジン、インドール、1H-ベンズイミダゾール、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、ベンゾチオフェン、1,3-ベンゾチアゾール、チエノール[3,2-b]ピリジン、チエノ[3,2-c]ピリジン、チエノ[2,3-c]ピリジン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾトリアゾール及びチエノ[2,3-b]ピリジンからなる群から選択される9員縮合二環式芳香環系である、請求項43に記載の化合物。
【請求項56】
Ar2が、ナフチレン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、1,5-ナフチリジン、1,6-ナフチリジン、1,7-ナフチリジン、1,8-ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、2,6-ナフチリジン及び2,7-ナフチリジンからなる群から選択される10員縮合二環式芳香環系である、請求項43に記載の化合物。
【請求項57】
Ar2が
【化21】
から選択されるピリジニル環であり、
置換基Gは、前記ピリジニル環上に0、1又は2回存在する、請求項43に記載の化合物。
【請求項58】
Ar2が以下の式
【化22】
のフェニル環であり、
置換基Gは、前記フェニル環上に0、1又は2回存在する、請求項43に記載の化合物。
【請求項59】
Ar2が
【化23】
から選択されるフェニル環である、請求項43に記載の化合物。
【請求項60】
Ar2が置換フェニル基であり、前記フェニル基の置換基が、G、G、G及びGでさらに置換されたアリールである、請求項43に記載の化合物。
【請求項61】
Ar2上の前記置換がアミノを含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項62】
Ar2上の前記置換がメトキシを含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項63】
Ar2上の前記置換がカルボン酸を含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項64】
Ar2上の前記置換が-CH-CO-CHを含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項65】
Ar2上の置換がトリフルオロメチルを含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項66】
Ar2上の置換がヒドロキシルを含む、請求項43に記載の化合物。
【請求項67】
Ar2上の置換が、1つのカルボン酸及び1つのヒドロキシルである、請求項43に記載の化合物。
【請求項68】
Ar2上の置換が、1つのカルボン酸及び1つのトリフルオロメチルである、請求項43に記載の化合物。
【請求項69】
キレートの形態の、請求項43に記載の化合物。
【請求項70】
前記キレートが銅キレートである、請求項68に記載の化合物。
【請求項71】
少なくとも4.9のlogPを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項72】
nが0であり、mが2であり、以下の構造(III)又は(IV):
【化24】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項73】
ヒドロキシル、カルボン酸カルボキサミド及びトリフルオロメチルのうちの少なくとも2つを含む、Ar2上の置換を有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項74】
以下の構造(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、又は(IX):
【化25】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項75】
以下の構造(X)、(XI)又は(XII):
【化26】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項76】
以下の構造(XIII)、(XIV)又は(XV):
【化27】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項77】
以下の構造(XVI)、(XVII)、(XVIII)、(XIX)、(XX)、(XXI)又は(XXII):
【化28-1】
【化28-2】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項78】
以下の構造(XXIII)、(XXIV)又は(XXV):
【化29】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項79】
以下の構造(XXVI)、(XXVII)又は(XXVIII):
【化30】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項80】
以下の構造(XXIX)、(XXX)、(XXXI)又は(XXXII):
【化31】
のうちの1つを有する、請求項43に記載の化合物。
【請求項81】
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピリジン-3,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4,4’-((4-メトキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-メチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピラジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-((3,5-ジメチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4l3-ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5-ヨード-1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-アセトアミドピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9-アセチル-9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(N,2-ジヒドロキシベンズアミド);
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシベンズアミド);
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((1,10-フェナントロリン-2,9-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((3-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((3-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
3,3’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(tert-ブトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4-(4-(4-シアノピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸;
5-(4-(6-(4-(3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸;
4,4’-((4-(ジメチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ブタ-3-イン-1-イルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(tert-ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(プロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(フェニルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-((2-アセトアミドエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(4-シクロプロピルピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(カルバムイミドイルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((1,10-フェナントロリン-3,8-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロペンチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジ-sec-ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ナフタレン-2,7-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ナフタレン-2,3-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロヘキシルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ベンジルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3,5,6-トリクロロピコリン酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
7,7’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-フルオロ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-フルオロ安息香酸);
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(アゼチジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチル(メチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
N-エチル-2,6-ビス(1-(4-(2,2,2-トリフルオロアセチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)イソニコチンアミド;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
5,5’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
5,5’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-(ピリダジン-3,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸);
3,3’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))ジプロピオン酸;
4,4’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))二酪酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジフタル酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メトキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジイソフタル酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-ヒドロキシ安息香酸);
ジエチル(3-(4-(6-(1-(3-(ジエトキシホスホリル)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)ホスホネート;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メチル安息香酸);
2,2’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ニトロ安息香酸);
4,4’-((4-((3,3,3-トリフルオロプロピル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
(4-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(4-ホスホノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)ホスホン酸;
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))二酢酸;
ジメチル2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジアセテート;
(2S,2’S)-2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジコハク酸;
2,2’-((2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル)ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ビス(アセチル))ビス(アザンジイル))二酢酸;
2,6-ビス(1-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-エチルイソニコチンアミド;
4,4’-(チオフェン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);及び
4,4’-(フラン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
3’-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-シアノ安息香酸);及び
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-クロロ安息香酸)から選択される、請求項43に記載の化合物。
【請求項82】
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
3,6-ビス(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-9H-カルバゾール;
4,4’-(1,4-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
1,3-ビス(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ベンゼン;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4-(4-(3-(1-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-6-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-エチルイソニコチンアミド;
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((5-カルボキシ-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((5-カルボキシ-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);及び
4,4’-((5-(エチルカルバモイル)-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)から選択される、化合物。
【請求項83】
請求項43から82のいずれか一項に記載の化合物及び分子クラウディング剤を含む組成物。
【請求項84】
前記分子クラウディング剤がポリアルキレングリコールである、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
請求項43から82のいずれか一項に記載の化合物と、水性緩衝液とを含む組成物。
【請求項86】
前記水性緩衝液がトリスHClである、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
請求項43から82のいずれか一項に記載の化合物と、ポリヌクレオチドとを含む組成物。
【請求項88】
前記ポリヌクレオチドが20~60merのオリゴヌクレオチドである、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
請求項43から82のいずれか一項に記載の化合物と、タンパク質とを含む組成物。
【請求項90】
前記タンパク質がDNAポリメラーゼである、請求項89に記載の組成物。
【請求項91】
請求項43から82のいずれか一項に記載の化合物と、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物とを含む組成物。
【請求項92】
請求項43から82のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と、ヌクレオチド類似体の混合物とを含む、DNAポリメラーゼ反応の処理能力、忠実度、又は速度を向上させるための組成物。
【請求項93】
請求項43から82のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物と、ヌクレオチド類似体の混合物とを含む組成物であって、請求項43から82のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物が、鋳型依存性重合反応中に娘鎖に組み込まれるヌクレオチド類似体の数及び精度を、請求項43から82のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物が存在しない同一の重合反応と比較して増加させる、組成物。
【請求項94】
前記ヌクレオチド類似体の混合物がヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、前記ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれが、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、前記ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端が前記核酸塩基に結合し、前記ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端が前記ヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によって前記ヌクレオチド類似体の拡張を提供する、請求項92に記載の組成物。
【請求項95】
トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒、ポリリン酸60、NMS及びMnClのうちの少なくとも1つから選択される緩衝成分をさらに含む、請求項92に記載の組成物。
【請求項96】
一本鎖結合タンパク質をさらに含む、請求項92に記載の組成物。
【請求項97】
尿素をさらに含む、請求項92に記載の組成物。
【請求項98】
前記ヌクレオチド類似体の混合物が、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含む、請求項92に記載の組成物。
【請求項99】
前記検出可能な標識が、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
請求項83から99のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物を含む、核酸鋳型を配列決定するためのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に新規な化学的実体に関し、より具体的には、無機成分(その組成物を含む)を任意に有する新規な有機分子、並びに特に酵素の性能に影響を及ぼす際のその製造及び利用のための方法に関する。
配列表に関する記載
【0002】
本出願に関連する配列表は、紙のコピーの代わりにテキスト形式で提供され、本明細書に参照により組み込まれる。配列表を含むテキストファイルの名称は、870225_425WO_SEQUENCE_LISTING.txtである。テキストファイルは15KBで、2020年6月19日に作成され、EFS-Webを用いて電子的に提出されている。
【背景技術】
【0003】
生体分子の測定は、現代医学の基礎であり、医学研究、より具体的には診断及び治療、並びに薬物開発において広く使用されている。核酸は、生物が機能し、再生するために必要な情報をコードし、本質的に生命の設計図である。そのような設計図を決定することは、純粋な研究及び応用科学において有用である。医学では、配列決定は、癌、心疾患、自己免疫障害、多発性硬化症、及び肥満を含む様々な病状の診断及び処置の開発に使用することができる。業界では、配列決定を使用して、改良された酵素プロセス又は合成生物を設計することができる。生物学において、このツールは、例えば、生態系の健康を研究するために使用することができ、したがって、広範囲の有用性を有する。同様に、タンパク質及び他の生体分子の測定は、疾患及び病原性伝播のマーカー及び理解を提供している。
【0004】
個体の固有のDNA配列は、特定の疾患に対する感受性に関する貴重な情報を提供する。それはまた、早期検出のためのスクリーニング及び/又は予防処置を受ける機会を患者に提供する。さらに、患者の個々の設計図を考慮すると、臨床医は、薬物有効性を最大化するため、及び/又は薬物有害反応のリスクを最小化するために、個別化治療を投与することができるであろう。同様に、病原性生物の設計図を決定することは、感染性疾患の新しい処置及びよりロバストな病原体監視をもたらし得る。低コストの全ゲノムDNA配列決定は、現代医学の基礎を提供するであろう。この目的を達成するために、配列決定技術は、スループット、精度、及びリード長に関して前進し続けなければならない。
【0005】
過去10年間にわたって、多数の次世代DNA配列決定技術が、市販されるようになり、全ゲノムの配列決定のコストを劇的に削減した。これらには、合成による配列決定(「SBS」)プラットフォーム(Illumina,Inc.,454 Life Sciences,Ion Torrent,Pacific Biosciences)及び類似体連結ベースのプラットフォーム(Complete Genomics,Life Technologies Corporation)が含まれる。多種多様な試料処理及び検出方法を利用する多くの他の技術が開発されている。例えば、GnuBio,Inc.(マサチューセッツ州ケンブリッジ)は、ピコリットル反応容器を使用して数百万の目立たないプローブシーケンシング反応を制御するが、Halcyon Molecular(カリフォルニア州レッドウッドシティ)は、透過型電子顕微鏡を使用した直接DNA測定のための技術を開発しようと試みていた。
【0006】
ナノポアベースの核酸配列決定は、広く研究されてきた説得力のあるアプローチである。Kasianowiczら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:13770-13773,1996)は、脂質二重層に埋め込まれたアルファ溶血素ナノポアを介して電気的に移動した一本鎖ポリヌクレオチドを特徴付けた。ポリヌクレオチド移動の間、ナノポア開口部の部分的な遮断は、イオン電流の減少として測定できることが実証された。しかしながら、ナノポアにおけるポリヌクレオチド配列決定は、有意なバックグラウンドノイズに浸漬された小さなシグナル差を有する狭い間隔の塩基(0.34nm)を分解しなければならないことによって負担がかかる。ナノポアにおける単一塩基分解能の測定課題は、ポリヌクレオチドについて観察される急速な移動速度のために、より要求が厳しくなり、典型的にマイクロ秒当たり1塩基のオーダーである。いくつか例を挙げると、電圧、塩組成、pH、温度及び粘度などの実行パラメータを調整することによって、移動速度を低下させることができる。しかしながら、そのような調整は、単一塩基分解能を可能にするレベルまで移動速度を低下させることができなかった。
【0007】
Stratos Genomicsは、生化学的プロセスを使用してDNAの配列を「Xpandomer」と呼ばれる測定可能なポリマー上に転写する、拡張による配列決定(Sequencing by Expansion(SBX))と呼ばれる方法を開発した(Kokorisら、米国特許第7,939,259号、「High Throughput Nucleic Acid Sequencing by Expansion」)。転写された配列は、約10nm離れた高シグナル対ノイズレポーターにおいてXpandomer骨格に沿ってコード化され、高シグナル対ノイズ、高分化応答のために設計される。これらの違いは、ネイティブDNAと比較して、Xpandomerの配列リード効率及び精度の著しい性能向上を提供する。Xpandomerは、いくつかの次世代DNA配列決定検出技術を可能にすることができ、ナノポア配列決定によく適している。
【0008】
Xpandomerは、合成後にXpandomer骨格を拡張することを可能にする長い置換基を特徴とする、XNTPと呼ばれる非天然ヌクレオチド類似体から生成される(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、KokorisらによるPCT出願国際公開第2016/081871号パンフレットを参照されたい)。それらの非定型構造のために、XNTP並びに他のヌクレオチド類似体(例えば、検出可能な標識部分で修飾されたヌクレオチド類似体)は、現在利用可能なDNAポリメラーゼの基質として新規な課題を導入する。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Kokorisらの国際公開第2017/087281号パンフレット及び国際公開第2018/204717号パンフレットは、非天然のかさ高いヌクレオチド類似体を基質として利用してプライマー伸長活性が向上した操作されたDP04ポリメラーゼバリアントを記載している。
【0009】
DNA鋳型自体の中で、特定のヌクレオチド配列モチーフは、DNAポリメラーゼに対してさらなる複製課題を提示することが知られている。特に重要なのは、滑り鎖の誤対合、すなわち「複製滑り」を引き起こす可能性があるホモポリマーの連続、又は短い反復DNA配列である。複製滑りは、以下の工程を包含すると考えられる。(i)複製機構による第1のリピートのコピー、(ii)複製の一時停止及び新たに合成された末端からのポリメラーゼの解離、(iii)新たに合成された鎖のペアリング解除及び第2のリピートとのペアリング、並びに(iv)DNA合成の再開。したがって、反復領域内で複製機構が停止すると、プライマーと鋳型のミスアライメントが生じる。インビボにおいて、複製中の2つのDNA鎖のミスアライメントは、様々な長さの欠失又は重複などのDNA再編成をもたらし得る。インビトロでは、複製滑りは、滑り事象の部位での複製エラーをもたらす。ポリメラーゼの処理能力又は精度のそのような低下は、特定の用途又は所望の遺伝子操作を著しく損なう。
【0010】
したがって、非定型構造を有する1つ以上の試薬を含む条件下でポリメラーゼ反応を向上させるための新しい方法及び組成物が(例えば、拡張による配列決定(SBX)並びにDNA増幅、従来の配列決定、標識、検出、クローニングなどのバイオテクノロジー及び生物医学での他の用途において)必要であり、当技術分野で価値が見出されるであろう。本発明は、これらのニーズを満たし、さらに関連する利点を提供する。
【0011】
背景技術のセクションで説明した主題の全てが必ずしも先行技術ではなく、単に背景技術のセクションにおける説明の結果として先行技術であると仮定すべきではない。これらの道筋に沿って、背景技術のセクションで説明されているか、又はそのような主題に関連する先行技術の問題の認識は、先行技術であると明示的に述べられていない限り、先行技術として扱われるべきではない。代わりに、背景技術のセクションにおける任意の主題の議論は、それ自体もまた発明的であり得る特定の問題に対する発明者のアプローチの一部として扱われるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7,939,259号明細書
【特許文献2】国際公開第2016/081871号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2017/087281号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2018/204717号パンフレット
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Kasianowicz et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:13770-13773,1996
【発明の概要】
【0014】
手短に言えば、本開示は、核酸ポリメラーゼ活性を増強する化合物、組成物及びその使用を提供する。ある特定の実施形態において、ポリメラーゼ活性は、ポリメラーゼに1つ以上の課題を導く条件下、例えば、ポリメラーゼの処理能力を損なう非天然のヌクレオチド類似体基質又は鋳型モチーフを含む条件下での、重合反応において増強される。そのような増強は、重合反応に、本明細書においてポリメラーゼ増強分子又はPEMと任意に称され得る本開示の1つ以上の化合物を補うことによって達成される。
【0015】
一態様では、PEMは式(I)
【化1】
[式中:
mは、1、2又は3であり;
m’は、1、2又は3であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
XがCであるときWはNであり、又はXがNであるときWはCであり;
【化2】
は、単結合又は二重結合であり、二重結合は、W又はXのいずれかが炭素であるところから始まり;
Lは連結基であり;
Mは、出現ごとに、水素、ハロゲン及びC-Cアルキルから独立して選択され;
Ar1は、出現ごとに、置換されていてもよい、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プリン及びカルバゾールから独立して選択され、Ar1の置換基は、出現ごとに、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR、-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’、及び-NS(O)から独立して選択され;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;
及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C6アルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化3】
から独立して選択され;
及びR1’は一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化4】
を含むがこれらに限定されない複素環式環を形成することができ;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、並びにグアニジンから独立して選択され;
は、出現ごとに、1つ以上のヘテロ原子で中断されたアルキレンから独立して選択され、ヘテロ原子はO、S、NH又はそれらの組み合わせであり;
Yは、出現ごとに、Ar2、-(CHPO(OEt)、又は-CH2COMeから独立して選択され;
Ar2は、出現ごとに、置換された5員及び6員の単環式芳香環、並びに、2つの単環式環を一緒に含んでいる9員及び10員の縮合二環式環から独立して選択され、2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環であり、Ar2は、G、G、G、G及びGで置換されており、Ar2が一置換されている場合、Gは、出現ごとに、オキソ、-NH、-COR、-E-COH、-C(O)NR1’、-E-PO(OR、並びに、G、G、G及びGで置換されたアリールから独立して選択され;G、G、G及びGは、出現ごとに、独立して、不存在から選択されるか、又は、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’及び-E-ORを含む群から選択され、Eは、出現ごとに、直接結合及びC-Cアルキレンから独立して選択される]
の化合物、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、キレート若しくは塩である。
【0016】
一態様では、本開示は、核酸ポリメラーゼ反応を増強する方法であって、鋳型核酸、核酸ポリメラーゼ、ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド類似体の混合物、少なくとも1つのPEMを含む核酸ポリメラーゼ反応組成物を形成する工程と;核酸重合反応を可能にする条件下で核酸ポリメラーゼ反応組成物をインキュベートする工程とを含む方法を提供する。PEMは、核酸ポリメラーゼ反応の処理能力、速度、及び/又は忠実度を増加させる。一実施形態では、少なくとも1つのPEMは、PEMを欠く核酸ポリメラーゼ反応と比較して、得られる核酸産物の長さを増加させる。
【0017】
さらなる実施形態では、核酸ポリメラーゼはDNAポリメラーゼである。特定の実施形態では、DNAポリメラーゼは、DPO又はそのバリアントである。他の実施形態では、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物は、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含むヌクレオチド類似体の混合物であり、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれは、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端は核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端はヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する。いくつかの実施形態では、核酸重合反応は、ヌクレオチド類似体の拡張可能なポリマーを生成し、拡張可能なポリマーは、鋳型核酸の核酸塩基配列情報をコードする。他の実施形態では、核酸重合反応を可能にする条件は、適切な重合緩衝液及びオリゴヌクレオチドプライマーを含む。さらなる実施形態では、適切な緩衝液は、例えば、トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒(DMF、NMP及びアセトンなど)、ポリリン酸60、及びMnClのそれぞれのうちの1つ以上を含む。他の実施形態において、反応混合物は、核酸インターカレート剤をさらに含む。他の実施形態において、反応混合物は、ポリアニオン認識部分をさらに含む。さらなる実施形態において、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物は、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含む。さらに他の実施形態では、検出可能な標識は、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である。
【0018】
別の態様では、本開示は、少なくとも1つのPEM及びヌクレオチド類似体の混合物を含む組成物を提供する。この組成物は、例えばポリメラーゼと組み合わせた場合に有用であり、少なくとも1つのPEMが、鋳型依存性重合反応中に娘鎖に組み込まれるヌクレオチド類似体の数及び精度を、該少なくともPEMが存在しない同一の重合反応と比較して増加させる。他の実施形態では、少なくとも1つのPEMは複数のPEMを含む。
【0019】
任意に、ヌクレオチド類似体の混合物は、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれは、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端は核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端はヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する。他の実施形態では、組成物は、トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒(DMF及びNMPなど)、ポリリン酸60、N-メチルスクシンイミド(NMS)、及びMnClのうちの少なくとも1つ、例えば2つ、3つ、4つなど、又はそれぞれを含む緩衝液をさらに含む。他の実施形態では、組成物は、一本鎖結合タンパク質(SSB)をさらに含む。他の実施形態では、組成物は尿素をさらに含む。特定の実施形態では、ヌクレオチド類似体の混合物は、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である。
【0020】
別の態様では、本発明は、DNA又はRNA鋳型を配列決定する方法であって、DNA又はRNA鋳型、鋳型と複合体を形成する複製プライマー、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物、及び少なくとも1つのPEMを含むDNAポリメラーゼ反応組成物を形成する工程、DNA重合反応を可能にする条件下でDNAポリメラーゼ反応組成物をインキュベートする工程を含む方法を提供し、少なくとも1つのPEMは、DNAポリメラーゼ反応の速度、忠実度又は処理能力を増加させる。この方法は、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の得られたポリマー中のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の配列を決定することをさらに含んでよい。PEMは、式(I)の化合物として記載され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのPEMは、式(II)の化合物から選択される。他の実施形態では、ヌクレオチド類似体の混合物は、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれは、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端は核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端はヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する。他の実施形態では、DNAポリメラーゼはDPO4又はそのバリアントである。他の実施形態では、ヌクレオチド類似体の得られたポリマーは、拡張可能なポリマーである。他の実施形態では、この方法は、拡張可能なポリマーをホスホルアミデート開裂剤と接触させて、ヌクレオチド類似体の拡張ポリマーを生成する工程をさらに含む。特定の実施形態では、ヌクレオチド類似体のそれぞれのポリマーつなぎ鎖部分は、類似体の核酸塩基に固有のレポーター部分を含む。他の実施形態では、レポーター部分は、特徴的な電子シグナルを生じる。さらに他の実施形態では、ヌクレオチド類似体の配列を決定する工程は、ヌクレオチド類似体の拡張ポリマーをナノポアを介してトランスロケーションする工程を含む。
【0021】
したがって、一実施形態では、本開示は、PEM及びポリヌクレオチドを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本開示は、PEM及びポリペプチド、例えば酵素などのポリペプチドを含む組成物を提供し、酵素は核酸ポリメラーゼであり得る。
【0022】
以下は、本開示のいくつかの例示的な特定及び番号付けされた実施形態である。また、特に明記しない限り、化学式で特定される各原子は、その原子の同位体のいずれかであってもよい。例えば、名称C(炭素)は、12C、13C又は14C及びそれらの混合物、特に天然存在同位体混合物を含み、一方、H(水素)は、H、H及びH及びそれらの混合物を含み、O(酸素)は、16O及び18O及びそれらの混合物を含み、N(窒素)は、14N及び15N及びそれらの混合物などを含み、他の原子については:
【0023】
1)式(I)
【化5】
[式中:
mは、1、2又は3であり;
m’は、1、2又は3であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
XがCであるときWはNであり、又はXがNであるときWはCであり;
【化6】
は、単結合又は二重結合であり、二重結合は、W又はXのいずれかが炭素であるところから始まり;
Lは連結基であり;
Mは、出現ごとに、水素、ハロゲン及びC-Cアルキルから独立して選択され;
Ar1は、出現ごとに、置換されていてもよい、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プリン及びカルバゾールから独立して選択され:Ar1の置換基は、出現ごとに、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR、-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’、及び-NS(O)から独立して選択され;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;
及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C6アルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化7】
から独立して選択され;
及びR1’は一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化8】
を含むがこれらに限定されない複素環式環を形成することができ;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、並びにグアニジンから独立して選択され;
は、出現ごとに、1つ以上のヘテロ原子で中断されたアルキレンから独立して選択され、ヘテロ原子はO、S、NH又はそれらの組み合わせであり;
Yは、出現ごとに、Ar2、-(CHPO(OEt)、又は-CH2COMeから独立して選択され;
Ar2は、出現ごとに、置換された5員及び6員の単環式芳香環、並びに、2つの単環式環を一緒に含んでいる9員及び10員の縮合二環式環から独立して選択され、2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環であり、Ar2は、G、G、G、G及びGで置換されており、Ar2が一置換されている場合、Gは、出現ごとに、オキソ、-NH、-COR、-E-COH、-C(O)NR1’、-E-PO(OR、並びに、G、G、G及びGで置換されたアリールから独立して選択され;G、G、G及びGは、出現ごとに、独立して、不存在から選択されるか、又は、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’及び-E-ORを含む群から選択され、Eは、出現ごとに、直接結合及びC-Cアルキレンから独立して選択される]
の化合物、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、キレート若しくは塩。
【0024】
2)Ar1が単環式複素環アリールである、実施形態1の化合物。
【0025】
3)Ar1が
【化9】
から選択され、トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、実施形態2の化合物。
【0026】
4)Ar1が二環式アリールである、実施形態1の化合物。
【0027】
5)Ar1が
【化10】
から選択される二環式炭素環式アリールであり、トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、実施形態4の化合物。
【0028】
6)Ar1が
【化11】
から選択される二環式複素環式アリールであり、トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、実施形態4の化合物。
【0029】
7)Ar1が三環式アリールである、実施形態1の化合物。
【0030】
8)Ar1が
【化12】
から選択される三環式炭素環式アリールである、実施形態7の化合物。
【0031】
9)Ar1が
【化13】
から選択される三環式ヘテロアリールであり、トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、実施形態7の化合物。
【0032】
10)Ar1が
【化14】
から選択される三環式ヘテロアリールであり、トリアゾール環はAr1の位置kに位置する、実施形態7の化合物。
【0033】
11)Ar2が、チオフェン、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、フラン、1,2-オキサゾール、1,3-オキサゾール、1H-ピロール、1H-ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール及び1H-イミダゾールからなる群から選択される置換5員単環式芳香環である、実施形態1の化合物。
【0034】
12)Ar2が、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる群から選択される6員単環式芳香環である、実施形態1の化合物。
【0035】
13)Ar2が、ベンゾフラン、1,3-ベンゾオキサゾール、フロ[3,2-b]ピリジン、フロ[3,2-c]ピリジン、フロ[2,3-c]ピリジン、フロ[2,3-b]ピリジン、インドール、1H-ベンズイミダゾール、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、ベンゾチオフェン、1,3-ベンゾチアゾール、チエノール[3,2-b]ピリジン、チエノ[3,2-c]ピリジン、チエノ[2,3-c]ピリジン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾトリアゾール及びチエノ[2,3-b]ピリジンからなる群から選択される9員縮合二環式芳香環系である、実施形態1の化合物。
【0036】
14)Ar2が、ナフチレン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、1,5-ナフチリジン、1,6-ナフチリジン、1,7-ナフチリジン、1,8-ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、2,6-ナフチリジン及び2,7-ナフチリジンからなる群から選択される10員縮合二環式芳香環系である、実施形態1の化合物。
【0037】
15)Ar2が
【化15】
から選択されるピリジニル環であり、置換基G(上記に定義される、G、G、G、G及びG)は、ピリジニル環上に0、1又は2回存在する、実施形態1の化合物。
【0038】
16)Ar2が、式
【化16】
のフェニル環であり、置換基G(上記に定義される、G、G、G、G及びG)は、フェニル環上に0、1又は2回存在する、実施形態1の化合物。一実施形態では、Gは、G、G、G及びGで置換されたアリール(フェニルなど)である。
【0039】
17)Ar2が
【化17】
から選択されるフェニル環である、実施形態1の化合物。
【0040】
18)Ar2上の置換がアミノを含む、実施形態1の化合物。
【0041】
19)Ar2上の置換がメトキシを含む、実施形態1の化合物。
【0042】
20)Ar2上の置換がカルボン酸を含む、実施形態1の化合物。
【0043】
21)Ar2上の置換が-CH-CO-CHを含む、実施形態1の化合物。
【0044】
22)Ar2上の置換がトリフルオロメチルを含む、実施形態1の化合物。
【0045】
23)Ar2上の置換がヒドロキシルを含む、実施形態1の化合物。
【0046】
24)Ar2上の置換が、1つのカルボン酸及び1つのヒドロキシルである、実施形態1の化合物。
【0047】
25)Ar2上の置換が、1つのカルボン酸及び1つのトリフルオロメチルである、実施形態1の化合物。
【0048】
26)キレートの形態の、実施形態1の化合物。
【0049】
27)キレートが銅キレートである、実施形態26の化合物。
【0050】
28)少なくとも4.9のlogPを有する、実施形態1の化合物。
【0051】
29)nが0であり、mが2であり、以下の構造(III)又は(IV):
【化18】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0052】
30)ヒドロキシル、カルボン酸カルボキサミド及びトリフルオロメチルのうちの少なくとも2つを含む、Ar2上の置換を有する、実施形態1の化合物。
【0053】
31)以下の構造(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、又は(IX):
【化19】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0054】
32)以下の構造(X)、(XI)又は(XII):
【化20】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0055】
33)以下の構造(XIII)、(XIV)又は(XV):
【化21】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0056】
34)以下の構造(XVI)、(XVII)、(XVIII)、(XIX)、(XX)、(XXI)又は(XXII):
【化22】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0057】
35)以下の構造(XXIII)、(XXIV)又は(XXV):
【化23】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0058】
36)以下の構造(XXVI)、(XXVII)又は(XXVIII):
【化24】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0059】
37)以下の構造(XXIX)、(XXX)、(XXXI)又は(XXXII)
【化25】
のうちの1つを有する、実施形態1の化合物。
【0060】
38)
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピリジン-3,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4,4’-((4-メトキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-メチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピラジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-((3,5-ジメチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4l3-ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5-ヨード-1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-アセトアミドピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9-アセチル-9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(N,2-ジヒドロキシベンズアミド);
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシベンズアミド);
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((1,10-フェナントロリン-2,9-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((3-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((3-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
3,3’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(tert-ブトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4-(4-(4-シアノピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸;
5-(4-(6-(4-(3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸;
4,4’-((4-(ジメチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ブタ-3-イン-1-イルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(tert-ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(プロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(フェニルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-((2-アセトアミドエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(4-シクロプロピルピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(カルバムイミドイルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((1,10-フェナントロリン-3,8-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロペンチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジ-sec-ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ナフタレン-2,7-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(ナフタレン-2,3-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ジブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(シクロヘキシルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(ベンジルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3,5,6-トリクロロピコリン酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
7,7’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-フルオロ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-フルオロ安息香酸);
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(アゼチジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((4-(エチル(メチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
N-エチル-2,6-ビス(1-(4-(2,2,2-トリフルオロアセチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)イソニコチンアミド;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
5,5’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
5,5’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-(ピリダジン-3,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸);
3,3’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))ジプロピオン酸;
4,4’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))二酪酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジフタル酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メトキシ安息香酸);
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジイソフタル酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-ヒドロキシ安息香酸);
ジエチル(3-(4-(6-(1-(3-(ジエトキシホスホリル)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)ホスホネート;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メチル安息香酸);
2,2’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ニトロ安息香酸);
4,4’-((4-((3,3,3-トリフルオロプロピル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
(4-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(4-ホスホノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)ホスホン酸;
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))二酢酸;
ジメチル2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジアセテート;
(2S,2’S)-2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジコハク酸;
2,2’-((2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル)ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ビス(アセチル))ビス(アザンジイル))二酢酸;
2,6-ビス(1-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-エチルイソニコチンアミド;
4,4’-(チオフェン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);及び
4,4’-(フラン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)
のいずれか1つから選択される、実施形態1の化合物。
【0061】
39)
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
3,6-ビス(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-9H-カルバゾール;
4,4’-(1,4-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸;
1,3-ビス(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ベンゼン;
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリン;
4-(4-(3-(1-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸;
4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸;
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸);
2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-6-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-7-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-エチルイソニコチンアミド;
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((5-カルボキシ-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((5-カルボキシ-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸);
4,4’-((5-(エチルカルバモイル)-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸;
3’-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸;
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-シアノ安息香酸);及び
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-クロロ安息香酸)
のいずれか1つから選択される化合物。
【0062】
40)実施形態1から39のいずれか一つの化合物と、分子クラウディング剤とを含む組成物。
【0063】
41)分子クラウディング剤がポリアルキレングリコールである、実施形態41の組成物。
【0064】
42)実施形態1から39のいずれか一つの化合物と、水性緩衝液とを含む組成物。
【0065】
43)水性緩衝液がトリスHClである、実施形態43の組成物。
【0066】
44)実施形態1から39のいずれか一つの化合物と、ポリヌクレオチドとを含む組成物。
【0067】
45)ポリヌクレオチドが20~60merのオリゴヌクレオチドである、実施形態44の組成物。
【0068】
46)実施形態1から39のいずれか一つの化合物と、タンパク質とを含む組成物。
【0069】
47)タンパク質がDNAポリメラーゼである、実施形態46の組成物。
【0070】
48)実施形態1から39のいずれか一つの化合物と、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物とを含む組成物。
【0071】
49)実施形態1から39のいずれか一つの少なくとも1つの化合物と、ヌクレオチド類似体の混合物とを含む、DNAポリメラーゼ反応の処理能力、忠実度、又は速度を向上させるための組成物。
【0072】
50)実施形態1から39のいずれか一つの少なくとも1つの化合物と、ヌクレオチド類似体の混合物とを含む組成物であって、実施形態1から39のいずれかの少なくとも1つの化合物が、鋳型依存性重合反応中に娘鎖に組み込まれるヌクレオチド類似体の数及び精度を、実施形態1から39のいずれかの少なくとも1つの化合物が存在しない同一の重合反応と比較して増加させる、組成物。
【0073】
51)ヌクレオチド類似体の混合物がヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれが、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端が核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端がヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する、実施形態50の組成物。
【0074】
52)トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒、ポリリン酸60、NMS及びMnClのうちの少なくとも1つから選択される緩衝成分をさらに含む、実施形態51の組成物。
【0075】
53)一本鎖結合タンパク質をさらに含む、実施形態51の組成物。
【0076】
54)尿素をさらに含む、実施形態51の組成物。
【0077】
55)ヌクレオチド類似体の混合物が、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含む、実施形態51の組成物。
【0078】
56)検出可能な標識が、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である、実施形態55の組成物。
【0079】
57)実施形態40から56のいずれかの少なくとも1つの組成物を含む、核酸鋳型を配列決定するためのキット。
【0080】
58)核酸ポリメラーゼ反応を増強する方法であって、
a.
i.鋳型核酸と、
ii.核酸ポリメラーゼと、
iii.ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物と、
iv.実施形態1から39のいずれかの少なくとも1つの化合物と、を含む核酸ポリメラーゼ反応組成物を形成すること;及び
b.核酸重合反応を可能にする条件下で核酸ポリメラーゼ反応組成物をインキュベートすることを含み、実施形態1から39のいずれか一つの少なくとも1つの化合物が核酸ポリメラーゼ反応の処理能力、速度又は忠実度を増加させる、方法。
【0081】
59)実施形態1から39のいずれか一つの化合物が、実施形態1から39のいずれか一つの化合物を欠く核酸ポリメラーゼ反応と比較して、得られる核酸産物の長さを増加させる、実施形態58の方法。
【0082】
60)実施形態1から39のいずれか一つの化合物が、実施形態1から39のいずれか一つの複数の化合物を含む、実施形態58の方法。
【0083】
61)核酸ポリメラーゼが、DNAポリメラーゼである、実施形態58の方法。
【0084】
62)DNAポリメラーゼがDPO4又はそのバリアントである、実施形態61の方法。
【0085】
63)ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物が、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含むヌクレオチド類似体の混合物であり、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれが、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端が核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端がヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する、実施形態58の方法。
【0086】
64)核酸重合反応がヌクレオチド類似体の拡張可能なポリマーを生成し、拡張可能なポリマーが鋳型核酸の核酸塩基配列情報をコードする、実施形態58の方法。
【0087】
65)核酸重合反応を可能にする条件が、適切な重合緩衝液及びオリゴヌクレオチドプライマーを含む、実施形態58の方法。
【0088】
66)適切な緩衝液が、トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒、ポリリン酸60、NMS及びMnClの群から選択される成分を含む、実施形態58の方法。
【0089】
67)反応混合物が一本鎖結合タンパク質をさらに含む、実施形態58の方法。
【0090】
68)反応混合物が尿素をさらに含む、実施形態58の方法。
【0091】
69)ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物が、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含む、実施形態58の方法。
【0092】
70)検出可能な標識が、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である、実施形態69の方法。
【0093】
71)DNA又はRNA鋳型を配列決定する方法であって、
a.
i.DNA又はRNA鋳型と、
ii.鋳型と複合体を形成する複製プライマーと、
iii.DNAポリメラーゼと、
iv.ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物と、
v.実施形態1から39のいずれかの少なくとも1つの化合物と、を含むDNAポリメラーゼ反応組成物を形成する工程、
b.DNA重合反応を可能にする条件下でDNAポリメラーゼ反応組成物をインキュベートすることであって、実施形態1から39のいずれかの少なくとも1つの化合物がDNAポリメラーゼ反応の速度、忠実度又は処理能力を増加させる、インキュベートする工程;及び、
c.ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の得られたポリマー中のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の配列を決定する工程を含む方法。
【0094】
72)ヌクレオチド類似体の混合物がヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれが、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端が核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端がヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する、実施形態71の方法。
【0095】
73)DNAポリメラーゼがDPO4又はそのバリアントである、実施形態71又は72の方法。
【0096】
74)ヌクレオチド類似体の得られたポリマーが拡張可能なポリマーである、実施形態71又は72の方法。
【0097】
75)拡張可能なポリマーをホスホルアミデート開裂剤と接触させて、ヌクレオチド類似体の拡張ポリマーを生成する工程をさらに含む、実施形態74の方法。
【0098】
76)ヌクレオチド類似体のそれぞれのポリマーつなぎ鎖部分が、類似体の核酸塩基に固有のレポーター部分を含む、実施形態71又は72の方法。
【0099】
77)レポーター部分が特徴的な電子シグナルを生じる、実施形態72の方法。
【0100】
78)ヌクレオチド類似体の配列を決定する工程が、ヌクレオチド類似体の拡張ポリマーをナノポアを介してトランスロケーションする工程を含む、実施形態72の方法。
【0101】
本発明の上記及び追加の特徴並びにそれらを得る方法は明らかになり、本発明は以下のより詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。本明細書に開示される全ての参考文献は、それぞれが個別に組み込まれているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
この簡単な概要は、以下の詳細な説明でさらに詳細に説明される簡略化した形式における特定の概念を紹介するために提供されている。特に明記されている場合を除き、この簡単な概要は、特許請求される主題の重要な、又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0103】
1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載される。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は説明された特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。したがって、本明細書に記載の様々な実施形態のいずれかを組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。実施形態の態様は、必要に応じて、本明細書で特定される様々な特許、出願、及び刊行物の概念を使用して、さらに別の実施形態を提供するように修正することができる。他の特徴、目的、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0104】
本開示の例示的な特徴、その性質、及び様々な利点は、添付の図面及び様々な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。非限定的かつ非網羅的な実施形態は、添付の図面を参照して説明されており、特に明記しない限り、様々な図を通して同様のラベル又は参照番号は同様の部分を指す。図面のエレメントのサイズ及び相対位置は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、様々なエレメントの形状は、描画の視認性を改善するために選択され、拡大され、位置決めされる。描かれているエレメントの特定の形状は、図面における認識を容易にするために選択されている。
【0105】
図1A】一般化されたXNTPの主要な特徴及び拡張による配列決定(SBX)におけるそれらの使用を示す要約された概略図である。
図1B】一般化されたXNTPの主要な特徴及び拡張による配列決定(SBX)におけるそれらの使用を示す要約された概略図である。
図1C】一般化されたXNTPの主要な特徴及び拡張による配列決定(SBX)におけるそれらの使用を示す要約された概略図である。
図1D】一般化されたXNTPの主要な特徴及び拡張による配列決定(SBX)におけるそれらの使用を示す要約された概略図である。
図2】XNTPの一実施形態のさらなる詳細を示す概略図である。
図3】生物学的ナノポアを通過するXpandomerの一実施形態を示す概略図である。
図4】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図5】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図6A】ナノポア由来配列の整列されたリードの集団のヒストグラム表示である。
図6B】ナノポア由来配列の整列されたリードの集団のヒストグラム表示である。
図7A】ナノポア由来配列の整列されたリードの集団のヒストグラム表示である。
図7B】ナノポア由来配列の整列されたリードの集団のヒストグラム表示である。
図8】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図9】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図10】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図11】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図12】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図13】プライマー伸長産物を示すゲルである。
図14】プライマー伸長産物を示すゲルである。
【発明を実施するための形態】
【0106】
本発明は、本発明の好ましい実施形態及び本明細書に含まれる実施例の以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解され得る。別段の説明がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0107】
一態様では、本開示のPEMは式(I)
【化26】
[式中:
mは、1、2又は3であり;
m’は、1、2又は3であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1又は2であり;
XがCであるときWはNであり、又はXがNであるときWはCであり;
【化27】
は、単結合又は二重結合であり、二重結合は、W又はXのいずれかが炭素であるところから始まり;
Lは連結基であり;
Mは、出現ごとに、水素、ハロゲン及びC-Cアルキルから独立して選択され;
Ar1は、出現ごとに、置換されていてもよい、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フェナントロリン、プリン及びカルバゾールから独立して選択され、
Ar1の置換基は、出現ごとに、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR,-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’、及び-NS(O)から独立して選択され;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;
及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C6アルキニル、アリールアルキル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化28】
から独立して選択され;
及びR1’は一緒になって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化29】
を含むがこれらに限定されない複素環式環を形成することができ;
は、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;
は、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、並びにグアニジンから独立して選択され;
は、出現ごとに、1つ以上のヘテロ原子で中断されたアルキレンから独立して選択され、ヘテロ原子はO、S、NH又はそれらの組み合わせであり;
Yは、出現ごとに、Ar2、-(CHPO(OEt)、又は-CH2COMeから独立して選択され;
Ar2は、出現ごとに、置換された5員及び6員の単環式芳香環、並びに、2つの単環式環を一緒に含んでいる9員及び10員の縮合二環式環から独立して選択され、2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環であり、
Ar2は、G、G、G、G及びGで置換されており、
Ar2が一置換されている場合、Gは、出現ごとに、オキソ、-NH、-COR、-E-COH、-C(O)NR1’、-E-PO(OR、並びに、G、G、G及びGで置換されたアリールから独立して選択され;及び
、G、G及びGは、出現ごとに、独立して、不存在から選択されるか、又は、ハロゲン、-CN、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’及び-E-ORを含む群から選択され;
Eは、出現ごとに、直接結合及びC-Cアルキレンから独立して選択される]
の化合物、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、キレート若しくは塩である。
【0108】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、反対に指定されない限り、以下の用語は示される意味を有する。
【0109】
本明細書で命名された特定の化学基の前には、示された化学基に見られる炭素原子の総数を示す省略表記がある。例えば;C1-4アルキルと代わりに書かれてもよいC-Cアルキルは、少なくとも1個から4個までの炭素原子を有するアルキル基を表し、C-C12シクロアルキルアルキル(同様にC4-12シクロアルキルアルキルと書かれてもよい)は、合計4から12個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を表す。省略表記における炭素の総数は、記載される基の置換基に存在し得る炭素を含まない。例として、C-Cアルキルは、1~6個の炭素原子を含むアルキルラジカルを指し;C-Cハロアルキルは、1~6個の炭素原子を含むハロアルキルラジカルを指し;C-Cアルキレンは、1~6個の炭素原子を含むアルキレンジラジカルを指す。
【0110】
上記に加えて、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、反対に指定されない限り、以下の用語は示される意味を有する。
【0111】
「アルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、任意に、示された数の炭素原子を有し、例えば、1から12個の炭素原子、1から8個の炭素原子、又は1から6個の炭素原子、又は1から4個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りに結合している直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。例は、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシルなどである。不飽和がアルキル基に導入される場合、得られる基は不飽和アルキル基と呼ばれることがあり、不飽和アルキル基は一般にアルケニル基(少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する)及びアルキニル基(少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する)として知られている。1つの実施形態では、特定される場合、本開示の化合物中のアルキル基は、不飽和アルキル基であってもよく、又は不飽和アルキル基を含んでもよい。
【0112】
「アルケニル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含有し、任意に、示された数の炭素、例えば、2~12個の炭素原子、又は2~8個の炭素原子、又は2~6個の炭素原子、又は2~4個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りに結合している直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基、例えば、エテニル、プロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどを指す。
【0113】
「アルキニル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含有し、任意に、示された数の炭素、例えば、2から12個の炭素原子、又は2から8個の炭素原子、又は2から6個の炭素原子、又は2から4個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りに結合している直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基、例えば、エテニル、プロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどを指す。
【0114】
「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードを指す。
【0115】
「ハロアルキル」は、上で定義されているとおりの1つ以上のハロラジカルによって置換されている、上で定義されているとおりのアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1-ブロモメチル-2-ブロモエチルなどを指す。同様に、「ハロアルケニル」は、本明細書で定義されるとおりの1つ以上のハロラジカルによって置換されている本明細書で定義されるとおりのアルケニルラジカルを指し、「ハロアルキニル」は、本明細書で定義されるとおりの1つ以上のハロラジカルによって置換されている本明細書で定義されるとおりのアルキニルラジカルを指す。
【0116】
「アルキレン」又は「アルキレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、不飽和を含有せず、示された数の炭素原子を任意に有する、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖又は分枝二価炭化水素鎖を指す。例は、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどである。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残りの部分に結合し、単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残りの部分及びラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は、鎖内の1個の炭素又は任意の2個の炭素を介することができる。アルキル基と同様に、不飽和をアルキレン鎖に導入して、不飽和アルキレン鎖を提供することができる。不飽和がアルキレン鎖に導入される場合、得られる基は不飽和アルキレン基又は鎖と呼ばれることがあり、不飽和アルキレン鎖は一般にアルケニレン基(少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する)及びアルキニレン基(少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する)として知られている。1つの実施形態では、特定される場合、本開示の化合物中のアルキレン鎖は、不飽和アルキル基であってもよく、又は不飽和アルキレン鎖を含んでもよい。
【0117】
「アルケニレン」又は「アルケニレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含有し、示された数の炭素原子、例えば、2~12個の炭素原子を任意に有する、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖又は分枝二価炭化水素鎖を指す。アルケニレン基の例は、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレンなどである。アルケニレン鎖は、単結合を介して分子の残りの部分に結合し、二重結合又は単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残りの部分及びラジカル基へのアルケニレン鎖の結合点は、鎖内の1個の炭素又は任意の2個の炭素を介することができる。
【0118】
「アリール」は、少なくとも5個の環原子を含み、任意に、O、S及びNから選択される1~6個のヘテロ環原子と、少なくとも1個の芳香環とを含む環系ラジカルを指す。5員単環式芳香環は、炭素及びヘテロ原子から選択される5個の環原子を含み、6員単環式芳香環は、炭素及びヘテロ原子から選択される6個の環原子を含む。5員を有する例示的な単環式芳香環はピロールであり、6員を有する例示的な単環式芳香環はピリジンである。アリールラジカルは、例えば、縮合又は架橋環系を含んでもよい単環式、二環式、三環式又は四環式環系であり得る。炭素環式アリールラジカルは、環原子に炭素のみを含み、例としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン及びトリフェニレンから誘導されるアリールラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、アリールはフェニル又はナフチルであり、別の実施形態ではフェニルである。アリールラジカルが、非炭素環原子、例えば、酸素、硫黄及び窒素を含む場合、アリール基は、ヘテロアリール基と称され得る。ヘテロアリールラジカルは、例えば、縮合又は架橋環系を含んでもよい単環式、二環式、三環式又は四環式環系であり得る。ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素又は硫黄原子は任意に酸化されていてもよく、窒素原子は任意に四級化されていてもよい。
【0119】
「アリールアルキル」基は、その水素原子が上記に定義されるアリール基で置き換えられている上記に定義されるアルキル、アルケニル又はアルキニル基である。代表的なアラルキル基としては、ベンジル(-CHフェニル)、フェニルエチル(-CHCHフェニル)及びフェニルエチレン(-CH=CHフェニル)基並びに4-エチル-インダニルなどの縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が挙げられる。アラルキル基は、アリール部分、アルキル、アルケニル若しくはアルキニル部分、又はその両方で置換され得る。
【0120】
「縮合」は、環間の縮合を含む環系を指し、縮合は、2つの隣接する環原子を共有する環を指す。互いに縮合した2つの5及び/又は6員単環式環を含む縮合環は、各環が単環式であり、独立して5又は6個の環原子を有し、2つの環が2つの環原子を共有するという点で縮合している二環式環系を指す。例えば、ナフタレンは、互いに縮合した2つの6員単環式環(ベンゼン)から形成される10員縮合環系である。ナフタレンは、二個(bi=2)の環を含むという点で二環式である。別の例として、1つの6員環(ベンゼン)と1つの5員環(1,3-チアゾール)とが互いに縮合して形成された9員縮合環系である1,3-ベンゾチアゾールが挙げられる。1,3-ベンゾチアゾールは、二個の環を含むという点で二環式である。
【0121】
「カルボシクリル」は、3から18個の炭素原子からなる安定な3から18員の芳香族又は非芳香環ラジカルを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、カルボシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式又は四環式環系であってもよく、縮合又は架橋環系を含んでもよく、部分的又は完全に飽和していてもよい。非芳香族炭素環式ラジカルにはシクロアルキルが含まれ、芳香族炭素環式ラジカルにはアリールが含まれる。
【0122】
「シクロアルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、縮合又は架橋環系を含んでもよく、3から15個の炭素原子を有し、好ましくは3から10個の炭素原子を有し、飽和又は不飽和であり、単結合によって分子の残りに結合している安定な非芳香族単環式又は多環式炭化水素ラジカルを指す。単環式ラジカルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。多環式ラジカルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ-[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。
【0123】
「ヘテロシクリル」は、2から12個の炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1から6個のヘテロ原子とからなる安定な3から18員の芳香族又は非芳香環ラジカルを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式又は四環式環系であってもよく、縮合又は架橋環系を含んでもよく、ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素又は硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意に四級化されていてもよく、ヘテロシクリルラジカルは部分的又は完全に飽和していてもよい。非芳香族ヘテロシクリルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾロピリミジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリオキサニル、トリチアニル、トリアジナニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
任意に、特定される場合にのみであるが、本開示のPEM化合物中のアルキル、アルケニル、アルキレン、アルケニレン、カルボシクリル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールのそれぞれは、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1~2)、-R-N=C(OR)R、-R-S(O)OR(tは1~2)、-R-S(O)(sは0~2)、及び-R-S(O)N(R(tは1~2)(式中、各Rは独立して、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、各Rは独立して、直接結合又は直鎖若しくは分枝アルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、各Rは、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである)からなる群から選択される1つ以上の非置換の(例えば、アルキル基上のアルキル置換基はさらに置換されていない、すなわち、アルキル置換基は非置換アルキルである)置換基によって置換されてもよい。
【0125】
「アミノ」は、-NHラジカルを指す。「シアノ」は、-CNラジカルを指す。「ヒドロキシ」は、-OHラジカルを指す。「ニトロ」は、-NOラジカルを指す。「オキソ」は=O置換基を指す。「チオキソ」は=S置換基を指す。「トリフルオロメチル」は、-CFラジカルを指す。「トリフルオロメトキシ」は、-OCFラジカルを指す。チオールとしても知られるメルカプタンは、-SHラジカルを指す。
【0126】
「アシル」は、-C(=O)Rと書くこともできるラジカル-C(O)Rを指し、式中Rは、アルキル、アラルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。例えば、Rがメチルである場合、アシル基はアセチルと称され得る。
【0127】
「アルコキシ」は、Rがアルキル又はハロアルキルラジカルである式-ORのラジカルを指す。一実施形態において、アルコキシラジカルは、6個までの炭素原子を含む。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ及びエトキシが挙げられる。ハロで置換されたアルコキシは、本明細書ではハロアルコキシと呼ばれることがあり、例えばトリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシなどを含む。
【0128】
「ヘテロアルケニレン」又は「ヘテロアルケニレン鎖」は、炭素及び水素並びにN、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子からなる、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖又は分枝二価炭化水素鎖を指す。
【0129】
「ハロアルコキシ」は、上で定義されるとおりの1つ以上のハロラジカルによって置換されたアルコキシラジカル、例えば、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、3-ブロモ-2-フルオロプロピルオキシなどを指す。ハロアルコキシラジカルのアルコキシ部分は、アルコキシ基について上で定義したように置換されていてもよい。
【0130】
「N-ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含有するヘテロシクリルラジカルを指す。N-ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上記のように置換されていてもよい。
【0131】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは窒素原子でアルキルラジカルに結合していてもよい。ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について上で定義したように置換されていてもよい。ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について上で定義したように置換されていてもよい。
【0132】
「N-ヘテロアリール」は、少なくとも1個の窒素を含有し、ヘテロアリールラジカルの分子の残りへの結合点がヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する上記定義のヘテロアリールラジカルを指す。N-ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上記のように置換されていてもよい。
【0133】
「ヘテロアリールアルキル」は、式-Rのラジカルを指し、式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは本明細書で定義されるヘテロアリールラジカルである。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について本明細書で定義したように置換されていてもよい。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について本明細書で定義したように置換されていてもよい。同様に、アリールアルキル基は、ヘテロアリール部分が対応する炭素環式アリール基で置換されている、すなわち、ヘテロ原子が炭素で置換されており、水素置換に関して必要に応じて調整されているヘテロアリールアルキル基を指す。
【0134】
「ヒドロキシアルキル」は、式-ROHのラジカルを指し、式中、Rは、本明細書で定義されるアルキレン鎖である。-OH(ヒドロキシル、別名ヒドロキシ)基は、アルキレン鎖中の任意の炭素に結合することができる。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について上記で定義したように任意にさらに置換されていてもよい。
【0135】
酸性又は塩基性基を有する本明細書に記載のPEM化合物は、一般に、遊離酸又は遊離塩基として使用され得る。あるいは、酸性又は塩基性基を有するPEM化合物は、塩、例えば酸付加塩又は塩基付加塩の形態で使用されてもよい。遊離アミノ酸化合物の酸付加塩は、当技術分野で周知の方法によって調製され得、有機酸及び無機酸から形成され得る。適切な有機酸としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。適切な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸が挙げられる。塩基付加塩には、カルボキシレートアニオンと形成する塩が含まれ、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム及びカルシウム)並びにアンモニウムイオン及びその置換誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウムなど)から選択されるものなどの有機及び無機カチオンと形成される塩が含まれる。したがって、本明細書に記載のPEM化合物の「塩」という用語は、ありとあらゆる塩形態を包含することを意図している。
【0136】
本開示のPEM化合物は、キレートの形態であってもよい。キレートとは、中心の金属原子に2点以上で結合した有機配位子(トリアゾール-Ar基など)を含む化合物をいう。
【0137】
立体異性体に関して、本明細書に記載のPEM化合物は、1つ以上のキラル(又は不斉)中心を有していてもよく、したがって、絶対立体化学の観点から、(R)-又は(S)-として定義され得るエナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体を生じさせ得る。本明細書で記載される化合物が、オレフィン性二重結合、又は幾何学的非対称性による他の中心を含有する場合、及び別段定めがない限り、その化合物はE及びZ幾何異性体(例えば、シス又はトランス)の両方を含有するものと意図される。同様に、別段の指示がない限り、全ての可能な異性体、並びにそれらのラセミ及び光学的に純粋な形態、並びに全ての互変異性形態も含まれることが意図される。したがって、様々な立体異性体及びそれらの混合物は、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含むと考えられる。したがって、化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物を含む任意の異性体形態で、及び個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとして生じ得る。
【0138】
さらに、PEM化合物の結晶形態のいくつかは、本明細書で企図される多形として存在し得る。さらに、PEM化合物のいくつかは、水又は他の有機溶媒と溶媒和物を形成してもよい。そのような溶媒和物は、本明細書に記載される化合物の範囲内に同様に含まれる。
【0139】
当業者が理解するように、前述の化合物のいずれも放射性同位体を組み込むことができる。したがって、1つ以上の原子が、自然界に通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられている、本明細書に記載されるものと同一の同位体標識化合物の使用も企図される。これらの化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体が挙げられる。したがって、水素(H)又は炭素(C)などの元素への言及は、その全ての同位体を包含することを意図している。例えば、他の原子については、名称C(炭素)は、12C、13C又は14C及びそれらの混合物を含み、一方、H(水素)は、H、H及びH及びそれらの混合物を含み、O(酸素)は、16O及び18O及びそれらの混合物を含み、N(窒素)は、14N及び15N及びそれらの混合物などを含む。同位体標識されたPEM化合物は、アッセイなどでの使用中にPEM化合物又はその一部を追跡するのに有用であり得る。
【0140】
式(I)のPEM化合物では、Ar1はアリール基であり、芳香族部分とも呼ばれる。芳香族部分は、炭素環式又は複素環式芳香族部分であってもよく、芳香環原子の各々は、炭素環式芳香族部分の炭素であり、芳香環原子の少なくとも1つは、複素環式芳香族部分の窒素、酸素又は硫黄である。
【0141】
一実施形態では、Ar1は1~6個の環を含んでよく、環原子の最大6個は酸素、硫黄及び窒素から選択され得、残りは炭素原子である。任意に、Ar1部分は1~5個の環を含んでいてもよく、環原子の最大5個は酸素、硫黄及び窒素から選択されてもよい。別の選択肢としては、Ar1基は1~4個の環を含んでいてもよく、環原子の最大4個は酸素、硫黄及び窒素から選択されてもよい。さらに別の選択肢としては、Ar1部分は1~3個の環を含んでいてもよく、環原子の最大3個は酸素、硫黄及び窒素から選択されてもよい。さらなる例としては、Ar1は1~2個の環を含んでいてもよく、環原子の最大3個は酸素、硫黄及び窒素から選択されてもよい。いずれの場合も、各環は独立して5員環(すなわち5個の環原子が環を形成する)、又は6員環、又は7員環であり得るが、1つの選択肢では、各環は5員環又は6員環のいずれかである。
【0142】
例示的な芳香族部分は、炭素環式芳香族部分である。炭素環部分は、1個(例えば、ベンゼン)又は2個(例えば、ナフタレン、アズレン)又は3個(例えば、アセナフチレン、フルオレン)又は4個(例えば、フルオランテン、アセアントリレン)又は5個(例えば、ペンタセン、ピセン)又は6個(例えば、ヘキサセン)の芳香環を含有してもよく、便宜上、Ar1基は、その非置換型(例えば、ベンゼン)を命名することによって本明細書で例示され得るが、本開示の化合物において、Ar1基は対応するラジカルであり、例えば、mが2でありAr1がそれ以外は非置換である場合、2個の環水素はトリアゾール基で置換されている。例えば、芳香族部分は、単環式炭素環式部分、すなわちC芳香族部分とも呼ばれるフェニルであり得る。別の例として、芳香族部分は、二環式炭素環式部分、例えばC10芳香族部分であるナフチルであり得る。
【0143】
例示的なAr1芳香族部分は、ヘテロアリール基とも呼ばれ得る複素環式芳香族部分である。複素環部分は、窒素、硫黄及び酸素原子から選択される1又は2又は3又は4又は5又は6個のヘテロ原子、すなわち炭素以外の原子を含有することに加えて、1又は2又は3又は4又は5又は6個の芳香環を含有してもよい。任意に、ヘテロ原子は、存在する場合、窒素である。例えば、芳香族部分は、単環式複素環部分、例えば、6員C芳香族部分であるピリジニル、又は6員C芳香族部分であるピラジニルであり得る。別の例として、芳香族部分は、二環式複素環部分、例えば、10員C芳香族部分であるキノリニル若しくはイソキノリニル、又は、例示的な10員C芳香族部分である1,5-ナフチリジニル、2,6-ナフチリジニル若しくは2,7-ナフチリジニルであり得る。
【0144】
したがって、ヘテロアリール基は、5個以上の環員を含む芳香環化合物であり、そのうちの1つ以上は、N、O及びSなどであるがこれらに限定されないヘテロ原子である。C-ヘテロアリールと呼ばれるヘテロアリール基は、2個の炭素原子及び3個のヘテロ原子を有する5員環、2個の炭素原子及び4個のヘテロ原子を有する6員環などであり得る。同様に、C-ヘテロアリールは、1個のヘテロ原子を有する5員環、2個のヘテロ原子を有する6員環などであり得る。炭素原子の数+ヘテロ原子の数は、合計して環原子の総数に等しい。ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソオキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノキサリニル及びキナゾリニル基などの基が挙げられる。したがって、「ヘテロアリール」及び「ヘテロアリール基」という用語は、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル及び2,3-ジヒドロインドリルを含む、少なくとも1つの環が芳香族であるが必ずしも全ての環が芳香族であるとは限らないような縮合環化合物を含む。
【0145】
Ar1が2つのトリアゾール-Ar2部分で必ず置換されるように、mが2である場合、Ar1芳香族部分の任意の2つの炭素は、これらの2つのトリアゾール-Ar2部分の1つで置換されてもよい。例えば、Ar1が置換ベンゼンである場合、Ar1は、以下に示すように、オルト、メタ又はパラ位で置換されていてもよく、kは、置換が芳香族部分で起こり得る場所を示す。
【化30】
【0146】
別の例として、Ar1が置換ナフタレンであり、mが2である場合、Ar1は任意の2個のナフチル炭素原子で置換されていてもよく、以下の構造は置換選択肢を示し、kは(トリアゾール-Ar2)によって提供されるトリアゾール置換が芳香族部分で起こり得る場所を示す。
【化31】
【0147】
先の例は、例示的なAr1部分として炭素環式芳香族Ar1基を使用したAr1上のトリアゾール置換を示した。しかしながら、複素環式芳香族Ar1基上のトリアゾール置換にも同じ原理が適用される。例えば、Ar1が置換ピリジンであり、mが2である場合、(トリアゾール-Ar2)の2つのトリアゾール基は、ピリジン環上の以下の位置のいずれかに位置してもよく、kは、トリアゾール基が位置し得る位置を示すために使用される。
【化32】
【0148】
したがって、1つの例示的な実施形態では、Ar1は、
【化33】
及び
【化34】
から選択される単環式複素芳香族構造であり、トリアゾール環は、Ar1上のk位で置換されている。別の例示的な実施形態では、Ar1は、
【化35】

【化36】
、及び
【化37】
から選択される単環式炭素環式構造であり、トリアゾール環は、Ar1上の位置kで置換されている。別の例示的な実施形態では、Ar1は、
【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】
及び
【化43】
から選択される二環式炭素環式構造であり、トリアゾール環は、Ar1上の位置kで置換されている。別の実施形態では、Ar1は、2個の6員環及び1個の5員環、並びに1個の窒素環原子を有し、
【化44】

【化45】
、及び
【化46】
から選択される多環式複素環構造であり、トリアゾール環は、Ar1上の位置kで置換されている。さらに別の例示的な実施形態では、Ar1は、3個の6員環及び2個の窒素環原子を有し、
【化47】

【化48】

【化49】
、及び
【化50】
から選択される多環式複素環構造であり、トリアゾール環は、Ar1上の位置kで置換されている。
【0149】
Ar1は、本明細書に記載の置換及び非置換芳香族部分の両方を含む。一実施形態では、Ar1は置換芳香族部分である。一実施形態では、Ar1は非置換芳香族部分であり、これは非置換芳香族部分とも呼ばれ得る。置換芳香族部分では、環原子に結合していたであろう1つ以上の水素原子が置換基で置換されており、例えば、任意に、水素原子の1個、又は2個、又は3個、又は4個、又は5個、又は6個が置換基で置換されていてもよい。Ar1上の置換基は、mが1に等しいときに必ず存在するトリアゾール-Ar2部分、又はmが2に等しいときに必ず存在する2つのトリアゾール-Ar2部分、又はmが3に等しいときに必ず存在する3つのトリアゾールAr2部分を指すものではない。
【0150】
一実施形態では、Ar1上の置換基は、重水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、炭素、窒素、酸素及び硫黄から選択される原子からなり、任意に水素も含有し、存在する場合は対イオンを形成する追加の原子も含有する。重水素及びハロゲン化物は一価原子と考えられ、炭素、窒素、酸素及び硫黄は、それらが同時に2つ以上の共有結合を形成することができるので、多価原子と考えられる。一価原子に加えて、Ar1上の置換基は、複数の多価原子、例えば、1~25個の多価原子、又は1~22個の多価原子、又は1~15個の多価原子、又は1~10個の多価原子、又は1~5個の多価原子を有してもよく、原子は、炭素、窒素、酸素及び硫黄から任意に選択される。10個までの多価原子を有する置換基の例示を以下に提供する。最大25個の多価原子を有する置換基を含む他の置換基は、当業者と同様に公知である。
【0151】
一実施形態では、Ar1上の置換基は0個の多価原子を含む。この実施形態では、環原子に結合した水素は、重水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素などの別の一価原子で置き換えられる。
【0152】
一実施形態では、Ar1上の置換基は1個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子が単一の多価原子で置き換えられ、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされ、例は、ヒドロキシル(OH)、チオール(SH)、アミノ(NH)、メチル(CH)及びメチレン(=CH)(その完全又は部分的にハロゲン化及び重水素化型、例えばCFを含む)である。
【0153】
一実施形態では、Ar1上の置換基は2個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2の多価原子に結合し、したがって2つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知である。具体例としては、エチル(CHCH)、エチレン(CH=CH)、エチニル(C≡CH)、エチリデン(=CHCH)、アミノメチル(CHNH)、アミノメチレン(=CHNH)、チオメチレン(=CHSH)、ヒドロキシメチレン(=CHOH)、ヒドロキシメチル(CHOH)、チオメチル(CHSH)、N-メチルアミン(NHCH)、メチルスルフィド(SCH)、メトキシ(OCH)、ニトリル(CN)、ホルミル(C(O)H)、チオホルミル(C(S)H)、N-ヒドロキシ(N-OH)、ヒドロキシルアミン(ONH)、ヒドラジン(NHNH)、ジアジン(N=NH)、ジアゾニウム(N≡N)(これらの完全又は部分ハロゲン化及び重水素化型、例えば、OCF及びCHCDを含む)が挙げられる。
【0154】
一実施形態では、Ar1上の置換基は3個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子が第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子が第2及び第3の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって、第1の多価原子は第2の多価原子に結合し、第3の多価原子は第1及び第2の多価原子のいずれか又は両方に結合し、したがって3つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、ニトロ、メチルケトン、カルボキシルである。
【0155】
一実施形態では、Ar1上の置換基は4個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3及び第4の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって4つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、メチルエステル(COCH)、N-メチルカルボキサミド(C(O)NHCH)及びアセトアミド(NHC(O)CH)である。
【0156】
一実施形態では、Ar1上の置換基は5個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3、第4及び第5の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって5つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、エチルエステル(COCHCH)、S-エチルカルボチオエート(C(O)SCHCH)、N-エチルカルボキサミド(C(O)NHCHCH)及びN,N-ジメチルカルボキサミド(C(O)N(CH)である。
【0157】
一実施形態では、Ar1上の置換基は6個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3、第4、第5及び第6の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって6つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、N-シクロプロピルカルボキサミド(C(O)NH-シクロプロピル)、N-プロピルカルボキサミド(C(O)NHCHCHCH)、N-(2-ヒドロキシエチル)カルボキサミド(C(O)NHCHCHOH)及びN-カルバムイミドカルボキサミド(C(O)NHC(=NH)NH)である。
【0158】
一実施形態では、Ar1上の置換基は7個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3、第4、第5、第6及び第7の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって7つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、N-(n-ブチル)カルボキサミド(C(O)NHCHCHCHCH)、N-(t-ブチル)カルボキサミド(C(O)NHC(CH)、N,N-ジエチルカルボキサミド(C(O)N(CHCH)、及びN-シクロブチルカルボキサミド(C(O)NH(シクロブチル))である。
【0159】
一実施形態では、Ar1上の置換基は8個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3、第4、第5、第6、第7及び第8の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって8つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、N-シクロペンチルカルボキサミド(C(O)NH(シクロペンチル))、(ピペリジン-1-イル)メタノン(C(O)-ピペリジン-1-イル)及び(モルホリン-4-イル)メタノン(C(O)-モルホリン-4-イル)である。
【0160】
一実施形態では、Ar1上の置換基は9個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8及び第9の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって9つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書で提供されており、例えば、ジ(イソ-プロピル)エステル(C(O)O(CH(CH)、ジ(n-プロピル)エステル(C(O)O(CHCHCH)、N-シクロヘキシルカルボキサミド(C(O)NH(シクロヘキシル))、(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン(C(O)(4-メチルピペラジン-1-イル)、2-(アセチルアミノ)エチルカルボキサミド(C(O)NHCHCHNHC(O)CH)及びN-フェニルカルボキサミド(C(O)NH(フェニル))である。
【0161】
一実施形態では、Ar1上の置換基は10個の多価原子を含む。この実施形態では、Ar1の環原子に結合した1つ以上の水素原子は、第1の多価原子で置き換えられ、第1の多価原子は第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び第10の多価原子のそれぞれに直接又は間接的に結合し、したがって10つの多価原子から形成される置換基を提供し、多価原子上の開結合価は1つ以上の一価原子で満たされる。これらの置換基の例は当業者に周知であり、本明細書に提供されており、例えば、N-ベンジルカルボキサミド(C(O)NHCH(フェニル))である。
【0162】
一実施形態では、Ar1は、Ar1上の少なくとも1つの置換基がハロゲン、ヒドロキシル、メルカプタン、ニトロ及びニトリルからなる群から選択される置換アリールである。
【0163】
一実施形態では、Ar1は、Ar1上の少なくとも1つの置換基が、ハロゲン、-OH、-CN、-NO、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cシクロアルキル、-OR、-CONH、-C(O)NR1’、-NR1’、-NRC(O)R、-C(O)SR、-COR、-OC(O)R、-C(O)OR、メルカプタン、-R-H、-SOR、-S(O)、-S(O)NR1’及び-NS(O)から選択される置換アリールであり;(a)Rは、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;(b)R及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール、-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化51】
、及び
【化52】
から独立して選択され;及び(c)R及びR1’は一緒になって、限定されないがアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化53】
、又は
【化54】
を含む複素環を形成することができ;(d)Rは、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;及び、(e)Rは、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、及びグアニジンから独立して選択され;及び、(f)Rは、出現ごとに、ヘテロ原子がO、S、NH又はそれらの組み合わせである1つ以上のヘテロ原子によって中断されたアルキレンから独立して選択される。
【0164】
一実施形態では、Ar1は置換アリールであり、Ar1上の少なくとも1つの置換基は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、置換又は非置換アリールアルキル、置換又は非置換ヘテロアリールアルキル、置換又は非置換ハロアルキル、及び置換又は非置換ハロアルコキシからなる群から選択される。
【0165】
Ar1基は、本明細書で説明される芳香族部分を含み、その芳香族部分はまた本明細書に記載されるように任意に置換されていてもよく、その置換は、(トリアゾール-Ar2)基で置換されることに加えられる。一実施形態では、Ar1の例示的な置換基は、フッ化物、塩化物及び臭化物などのハロゲン化物、メチル及びエチルなどの1~6個の炭素原子を有するアルキル基、トリフルオロメチル、シアノ、ホルミル及びカルボキサミドなどの1~6個の炭素原子を有するハロアルキル基である。別の実施形態において、Ar1の例示的な置換基は、ニトロ(-NO)、シアノ(-CN)、カルボン酸(-COOH又はその塩)、カルボキサミド(-C(O)NH)、メトキシを含むC-Cアルコキシ、メチルを含むC-Cアルキル、トリフルオロメチルを含むC-Cハロアルキル、アミドを含むC-Cヘテロアルキル、例えば、-NHC(O)(C-Cアルキル)、-NHC(O)(C-Cヘテロアルキル)-C(O)NH(C-Cアルキル)、-C(O)NH(C-Cヘテロアルキル)、-C(O)N(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)、-C(O)N(C-Cアルキル)(C-Cヘテロアルキル)及び-C(O)N(C-Cヘテロアルキル)(C-Cヘテロアルキル)(以下を含む:-NHC(O)CH、C(O)NHCH、-C(O)N(CH、-NHC(O)CHCH、C(O)NHCHCH、-C(O)N(CH)CHCH、-C(O)N(CHCH、-C(O)NH(C-Cシクロアルキル)及び-NHC(O)(C-Cシクロアルキル))(例えば、C(O)NH(シクロプロピル)、-NHC(O)-シクロプロピル、C(O)NH(シクロヘキシル)、NHC(O)-シクロヘキシル)、C(O)NHCHCHCHCH、-C(O)NH(C(CH)、-C(O)NH(CHCHOH)、ケトン、例えば、-C(O)CHを含む-C(O)(C-Cアルキル)、-C(O)-シクロヘキシルを含む-C(O)(シクロアルキル)、及び、ヘテロシクロアルキルが例えばモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N-メチルピペラジニルであり得るC(O)-(ヘテロシクロアルキル)、-COCH、-COCHCH、-COCHCHCH、-COCH(CHを含む-CO-(C-Cアルキル)などのエステル、及び、-C(O)-S-CH及び-C(O)-S-CHCHを含むC(O)-S-(C-Cアルキル)などのチオエステル。
【0166】
一実施形態では、Ar1は、Ar1上の少なくとも1つの置換基が、-O-(C1-6アルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-CO-C1-6アルキル、-CONH-C1-6アルキル、-CONH、CN;及び-NOからなる群から選択される置換アリールである。
【0167】
nが1又は2である場合、式(I)の化合物は、リンカーLを含むであろう。一実施形態では、リンカーLは直接結合であり得る。別の実施形態では、リンカーは直接結合ではないが、代わりに、1つ以上の原子、特に炭素、窒素、酸素、硫黄から選択される原子である。別の実施形態では、リンカーは、アルキレン基(例えば、C-Cアルキレン)又は置換アルキレンであり得る。リンカーは、ヘテロアルキレンリンカーであってもよく、これは、酸素、窒素、又は硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、1、2、3又は4個のヘテロ原子)を親鎖内にさらに含む、及び/又は親鎖の1つ以上の末端位置に配置された置換又は非置換アルキレンを指す。一実施形態では、Lは、2から10個の炭素原子の長さのヘテロアルキレン基であって、1つ以上の炭素原子は、酸素、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子で置き換えられている。一実施形態では、Lは、少なくとも1個のN、O又はSヘテロ原子を有するヘテロアルキレンリンカーであってもよく、ヘテロアルキレンは、直鎖であってもよく、又は環化されていてもよく、任意に置換されていてもよく、例示的な置換基としては、オキソ、--OH、C1-4アルキル及びC1-4アルコキシが挙げられる。ヘテロアルキレンリンカー基の例としては、アミド含有ヘテロアルキレン基、例えば-C(O)NH-アルキレン-及び-C(O)NH-アルキレン-NHC(O)-が挙げられ、アルキレンは任意にC-Cアルキレンである。ヘテロアルキレン基の他の例としては、エステル含有ヘテロアルキレン基、例えば-C(O)O-アルキレン-及び-C(O)O-アルキレン-OC(O)-が挙げられ、一実施形態では、アルキレンは非置換C-Cアルキレンであり、別の実施形態では、アルキレンは置換C-Cアルキレンである。一実施形態では、リンカーは加水分解的に安定であるため、PEMが水中に置かれたときに分解又は劣化又は他の方法で破壊することはない。
【0168】
リンカーLは、典型的には、長すぎる必要はなく、一実施形態では、その原子数から水素及びハロゲンを除いて1~約25個の原子を含み、リンカーは、水素及びハロゲンに加えて、炭素、窒素、酸素及び硫黄から選択される原子で任意に構成されていてもよい。様々な他の実施形態では、リンカーは、25個未満の原子(水素及びハロゲンを除く)を有し、例えば、リンカーは、1~約20個の原子、又は1~約15個の原子、又は1~約10個の原子、又は1~約5個の原子を含み、それぞれの場合、その原子数から水素及びハロゲンを除外し、カウントされた原子は、炭素、酸素、窒素及び硫黄から任意に選択されてもよい。
【0169】
一実施形態では、式(I)の化合物中のトリアゾール環は、Ar1及びAr2に直接結合することに加えて置換されてもよい。一般に、本開示の化合物は、化学式
【化55】
を含むものとして任意に記載されていてもよく、式中、Ar1及びAr2は本明細書の他の場所で定義され、Mは水素(この場合、トリアゾール環はAr1及びAr2によってのみ置換されている)、C-Cアルキルであってもよく、又は、Mはハロゲン化物置換基、例えばフッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物であってもよい。一実施形態では、本開示の化合物は、Ar1及びAr2のみで置換されたトリアゾール環を有し、すなわち、Mは水素である。さらに別の実施形態では、本開示の化合物は、Ar1、Ar2及びC-Cアルキルで置換されたトリアゾール環を有する。別の実施形態では、本開示の化合物は、Ar1、Ar2及びハロゲン化物で置換されたトリアゾール環を有する。別の実施形態では、本開示の化合物は、ヨウ化物で置換された置換トリアゾール環を含み、すなわち、Mはヨウ化物である。別の実施形態では、本開示の化合物は、トリアゾール環上にM-置換基を有し、Mは水素及びヨウ化物から選択される。
【0170】
したがって、一実施形態では、本開示は、Ar1及びAr2が本明細書の他の箇所で定義され、Mが水素、C-Cアルキル、及びハロゲン化物から選択される式
【化56】
の化合物を提供する。任意に、上記のように、Mは水素であってもよく、又は別の選択肢では、Mは、例えば、化合物4,4’-((ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5-ヨード-1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)で例示されるようなヨウ化物などのハロゲン化物であってもよい。上記の構造のように、本開示の化合物が2つ以上のM-置換トリアゾール環を有する場合、Mは出現ごとに独立して選択される。しかし、一実施形態では、Mは、本開示の化合物中の出現ごとに同じ原子である。例えば、本開示は、Mの出現ごとにMが水素である化合物を提供する。別の例では、本開示は、Mの出現ごとにMがヨウ化物である化合物を提供する。
【0171】
式(I)の化合物は、少なくとも1つのトリアゾール-Ar2部分を含む。一実施形態では、本開示の化合物は、2個以上のトリアゾール-Ar2部分、例えば式
【化57】
の化合物を含む。本開示の化合物が2つ又は2つよりも多くのトリアゾール-Ar2部分を含む場合、Ar2部分は、出現ごとに同じ化学構造を任意に有していてもよい。しかしながら、本開示のPEM化合物が複数のトリアゾール-Ar2部分を含む場合、一実施形態では、それらのAr2部分は必ずしも互いに同一ではなく、実際、それらは同一でなくてもよい。Ar2部分は、Ar2環原子に関して及び/又はAr2環原子上の置換に関して互いに異なっていてもよい。例えば、一方のAr2基がフェニルであり、他方のAr2基がピリジニルである場合、2つのAr2基は、Ar2基を構成する環原子に関して異なる。別の例として、例えば4-(4-(3-(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)安息香酸のように、両方のAr2基がフェニルであるが、一方のフェニルがカルボキシルで置換され、他方のフェニルがメトキシで置換されている場合、化合物は2つの異なるAr2基を有すると考えられる。さらに別の例では、両方のAr2基がフェニルであり、両方のフェニル環がヒドロキシル及びカルボキシルで置換されている場合のように、2つのAr2基は互いに位置異性体であり得るが、ヒドロキシル及び/又はカルボキシル基の位置は2つのフェニル環上で異なり、例えば、一方のフェニル環上でトリアゾールがカルボキシル基に対して3位(メタ)に位置し、他方のフェニル環上でトリアゾールがカルボキシル基に対して4位(パラ)に位置する場合、2つのAr2基は位置異性体であり、非同一であると考えられる。一実施形態では、Ar2環は、本開示の化合物中の出現ごとに全ての点で同一である。一実施形態において、Ar2環原子は、Ar2の出現ごとに同一であるが、Ar2環上の置換は、Ar2の出現ごとに同一ではない。別の実施形態では、Ar2環原子は、Ar2の出現ごとに同一ではなく、Ar2環上の置換は同一であってもなくてもよい。
【0172】
式(I)の化合物は、少なくとも1つのAr2部分を含み、一実施形態では、Ar2は、フェニル及びピリジニルから選択される単環式芳香環であり、置換されていてもよい。一実施形態では、Ar2は単環式6員芳香環であり、例はフェニル、ピリジニル及びピラジニルであり、ここでもAr2基は環原子上の置換基を任意に含む。別の実施形態では、Ar2は、置換されていてもよい5員単環式芳香環である。別の実施形態では、Ar2は、置換されていてもよい5又は6員芳香環である。別の実施形態では、Ar2は、互いに縮合した2つの5及び/又は6員単環を含む9又は10員縮合二環式環であり、2つの単環式環の少なくとも1つは芳香環である。別の実施形態では、Ar2は、互いに縮合した2つの5及び/又は6員単環を含む9又は10員縮合二環式環であり、2つの単環式環の両方とも芳香環である。一実施形態では、Ar2はこれらの選択肢のいずれかであってもよく、すなわち、Ar2は、(a)5員単環式芳香環、(b)6員単環式芳香環、(c)2つの単環式環のうちの少なくとも1つ、及び任意に単環式環の両方が芳香環である、互いに縮合した1つの5員及び1つの6員単環式環を含む9員縮合二環、並びに、(d)2つの単環式環のうちの少なくとも1つ、及び任意に単環式環の両方が芳香環である、互いに縮合した2つの6員単環式環を含む10員縮合二環から選択され、
【0173】
式(I)の化合物では、任意に、Ar2は、チオフェン、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、フラン、1,2-オキサゾール、1,3-オキサゾール、1H-ピロール、1H-ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール及び1H-イミダゾールからなる群から選択される5員単環式芳香環である。
【0174】
式(I)の化合物では、任意に、Ar2は、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる群から選択される6員単環式芳香環である。
【0175】
式(I)の化合物では、任意に、Ar2は、ベンゾフラン、1,3-ベンゾオキサゾール、フロ[3,2-b]ピリジン、フロ[3,2-c]ピリジン、フロ[2,3-c]ピリジン、フロ[2,3-b]ピリジン、インドール、1H-ベンズイミダゾール、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、ベンゾチオフェン、1,3-ベンゾチアゾール、チエノール[3,2-b]ピリジン、チエノ[3,2-c]ピリジン、チエノ[2,3-c]ピリジン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾトリアゾール及びチエノ[2,3-b]ピリジンからなる群から選択される9員縮合二環式芳香環系である。
【0176】
式(I)の化合物では、任意に、Ar2は、ナフチレン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、1,5-ナフチリジン、1,6-ナフチリジン、1,7-ナフチリジン、1,8-ナフチリジン、イソキノリン、フタラジン、2,6-ナフチリジン及び2,7-ナフチリジンからなる群から選択される10員縮合二環式芳香環系である。
【0177】
上述のように、本開示の化合物は少なくとも1つのAr2基を含み、Ar2基は少なくとも1つの芳香環を含み、芳香環上に1つ以上の置換基を任意に含む。一実施形態では、Ar2は、芳香環上の少なくとも1つ、すなわち1つ以上の置換基、例えば1~5、又は1~4、又は1~3、又は1~2個の置換基を含む。任意に、Ar2は芳香環上に正確に1つの置換基を含む。別の選択肢では、Ar2は芳香環上に正確に2つの置換基を含む。さらに別の選択肢では、Ar2は芳香環上に正確に3つの置換基を含む。さらなる選択肢では、Ar2は芳香環上に正確に4つの置換基を含む。任意の一実施形態では、Ar2は芳香環上に2つ以上の置換基を含む。
【0178】
一実施形態では、Ar2の環原子上の1つ以上の置換基は、「G」と任意に命名される置換基から選択され、置換基は、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、-E-COH、-E-CHO、-E-C(O)R、-E-C(O)NH(OH)、-E-C(O)NHR、-E-CONR1’、-E-NR1’、及び-E-ORから選択され;(a)Eは、直接結合及びC-Cアルキレンから選択され;(b)Rは、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから独立して選択され;(c)R及びR1’は、出現ごとに、H、ヒドロキシル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換アリールアルキル、及び置換又は非置換ヘテロアリール、-C(=NH)NH、-CHCO、-CHC(O)NHCHCOH、-CHCHOH、-CHCHNHC(O)R、-CHC(O)NHCHCOH、
【化58】
、及び
【化59】
から独立して選択され;及び、(d)R及びR1’は一緒になって、限定されないがアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、
【化60】
、又は
【化61】
を含む複素環式環を形成することができ;(e)Rは、出現ごとに、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、及び置換若しくは非置換ハロアルコキシから独立して選択され;(f)Rは、出現ごとに、H、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヘテロアルキル、又は置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクリル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ハロアルコキシ、及びグアニジンから独立して選択される。
【0179】
一実施形態では、Ar2上の置換はアミノ(-NH)を含む。一実施形態では、Ar2上の置換は、アルコキシ、例えばC-Cアルコキシを含む。例えば、一実施形態では、Ar2上の置換はメトキシを含む。一実施形態において、Ar2上の置換は、カルボン酸又はアルキレンカルボン酸を含む。例えば、一実施形態では、式(I)のPEM化合物のAr2上の置換は、カルボン酸を含む。一実施形態において、Ar2上の置換は、カルボン酸エステル又はアルキレン-カルボン酸エステルを含む。例えば、一実施形態では、式(I)のPEM化合物のAr2上の置換は-CH-CO-CHを含む。一実施形態では、Ar2上の置換は、ハロアルキル基、例えばC-Cハロアルキル基を含む。例えば、一実施形態では、式(I)のPEM化合物のAr2上の置換は、トリフルオロメチルを含む。一実施形態では、Ar2上の置換は、ヒドロキシル又はヒドロキシル置換アルキル、例えばヒドロキシル置換C-Cアルキルを含む。例えば、一実施形態では、式(I)の化合物のAr2上の置換は、ヒドロキシル(-OH)を含む。
【0180】
一実施形態では、Ar2上の置換は、カルボン酸及びアルキレンカルボン酸、例えばC-Cアルキレンカルボン酸から選択される1つの基、並びにヒドロキシル及びヒドロキシル置換アルキル、例えば1つのヒドロキシルで置換されたC-Cアルキルから選択される別の基を含む。例えば、一実施形態では、Ar2上の置換は、1つのカルボン酸及び1つのヒドロキシルであるか、それらを含む。
【0181】
一実施形態では、Ar2上の置換は、カルボン酸及びアルキレンカルボン酸、例えばC-Cアルキレンカルボン酸から選択される1つの基、及びハロアルキル、例えばC-Cハロアルキルから選択される1つの基を含む。例えば、一実施形態では、Ar2上の置換は、1つのカルボン酸基及び1つのトリフルオロメチル基であるか、それらを含む。
【0182】
一実施形態では、Ar2上の置換は、ヒドロキシル及びヒドロキシル置換アルキル、例えば1つのヒドロキシルで置換されたC-Cアルキルから選択される1つの基、及びハロアルキル、例えばC-Cハロアルキルから選択される別の基を含む。例えば、一実施形態では、Ar2上の置換は、1つのヒドロキシル基及び1つのトリフルオロメチル基であるか、それらを含む。
【0183】
一実施形態では、式(I)のAr2環上の置換は、a)カルボン酸及びアルキレンカルボン酸、例えばC-Cアルキレンカルボン酸;b)ヒドロキシル及びヒドロキシル置換アルキル、例えば1つのヒドロキシルで置換されたC-Cアルキル;及びc)ハロアルキル、例えばC-Cハロアルキルのうちの少なくとも1つを含む。例えば、カルボン酸、ヒドロキシル及びトリフルオロメチルの少なくとも1つである。
【0184】
一実施形態では、式(I)のAr2環上の置換は、a)カルボン酸及びアルキレンカルボン酸、例えばC-Cアルキレンカルボン酸;b)ヒドロキシル及びヒドロキシル置換アルキル、例えば1つのヒドロキシルで置換されたC-Cアルキル;及びc)ハロアルキル、例えばC-Cハロアルキルのうちの少なくとも2つを含む。例えば、カルボン酸、ヒドロキシル及びトリフルオロメチルの少なくとも2つである。
【0185】
一実施形態では、式(I)のAr2環上の置換は、a)カルボン酸及びアルキレンカルボン酸、例えばC-Cアルキレンカルボン酸;b)ヒドロキシル及びヒドロキシル置換アルキル、例えば1つのヒドロキシルで置換されたC-Cアルキル;及びc)ハロアルキル、例えばC-Cハロアルキルのうちの少なくとも3つを含む。すなわち、Ar2は、カルボン酸、ヒドロキシル及びトリフルオロメチルで置換されていてもよい。
【0186】
例えば、一実施形態では、Ar2基は、
【化62】
から選択される置換フェニル基である。
【0187】
一実施形態では、Ar2基は置換フェニル基であり、フェニル基の置換基は、G、G、G及びGでさらに置換されたアリールであり、より具体的な実施形態では、フェニル基の置換基は、G、G、G及びGでさらに置換されたフェニル例えばG又はG及びGでさらに置換されたフェニルである。
【0188】
述べられたように、一実施形態では、本開示のPEM化合物は、Ar上にヒドロキシル及びカルボン酸置換を有し得る。これらの2つの基は、Ar環上の様々な位置に配置され得る。例えば、一実施形態では、本開示は、以下の式によって記載される式(I)のPEM化合物を提供する:
【化63】
【0189】
別の実施形態では、本開示の式(I)のPEM化合物は、以下の式において提供されるように、Ar上にヒドロキシル及びカルボン酸置換を有する:
【化64】
【0190】
さらに別の実施形態では、本開示の式(I)のPEM化合物は、以下の式において示されるように、Ar上にヒドロキシル及びカルボン酸置換を有する:
【化65】
【0191】
一実施形態では、本開示の式(I)のPEM化合物は、Ar上に少なくともヒドロキシル及びカルボン酸置換を有し、Ar上に他の置換を有してもよい。例えば、Arをヒドロキシル、カルボン酸及びアルキル、例えばC-Cアルキルで置換して、例えば、以下の式の化合物が提供される:
【化66】
【0192】
前述のように、一実施形態では、本開示の式(I)のPEM化合物は、上記の構造に示すようにヒドロキシル及びカルボン酸ではなく、Ar2上にハロアルキル及びカルボン酸置換を有し得る。一例として、本開示のPEM化合物は、以下の式によって記載され得る:
【化67】
【0193】
式(I)のPEM化合物は、その水和物、キレート、及び塩形態を含む溶媒和物を含む。一部の例では、PEM化合物は非晶質であり得るが、他の例では、PEM化合物は結晶性であり得る。さらに、化合物の結晶形態のいくつかは、本明細書で企図される多形として存在し得る。さらに、化合物のいくつかは、水又は他の有機溶媒と溶媒和物を形成してもよい。そのような溶媒和物は、本明細書に記載される化合物の範囲内に同様に含まれる。
【0194】
式(I)のPEM化合物は、銅キレートなどのキレートの形態であってもよい。銅キレートは、本開示のPEM化合物を硫酸銅と組み合わせることによって形成することができる。式(I)のPEM化合物は、Ar1及びAr2基上の置換基に応じて、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれかの塩の形態であり得る。
【0195】
PEM構造は、その全ての安定な立体異性体形態を含む。したがって、本明細書に記載のPEM化合物は、1つ以上のキラル(又は不斉)中心を有していてもよく、したがって、絶対立体化学の観点から、(R)-又は(S)-として定義され得るエナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体を生じさせ得る。本明細書で記載される化合物が、オレフィン性二重結合、又は幾何学的非対称性による他の中心を含有する場合、及び別段定めがない限り、その化合物はE及びZ幾何異性体(例えば、シス又はトランス)の両方を含有するものと意図される。同様に、別段の指示がない限り、全ての可能な異性体、並びにそれらのラセミ及び光学的に純粋な形態、並びに全ての互変異性形態も含まれることが意図される。したがって、様々な立体異性体及びそれらの混合物は、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含むと考えられる。したがって、化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物を含む任意の異性体形態で、及び個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとして生じ得る。
【0196】
本開示のPEM化合物は、一般に水溶性である。水溶性の1つの尺度は、化合物のlogP値である。LogP値は、化合物の化学構造に基づいて、市販のソフトウェアを使用して計算することができる。例えば、CHEMDRAW化学描画ソフトウェア(PerkinElmer Holdingsの子会社であるCambridgesoft Limited)は、描画された化学構造のlogP値を計算することができる。一実施形態では、本開示のPEM化合物は、少なくとも4.9のlogPを有する。
【0197】
本開示の化合物、例えば上記の式(I)のPEM化合物は、典型的には、Cu(I)触媒の存在下での式Ar1(C≡CH)のジエチニル化合物と式Ar2-Nのアジド化合物との反応によって合成することができる。Crowley J.D.,McMorran D.A.(2012)「Click-Triazole」Coordination Chemistry:Exploiting 1,4-Disubstituted-1,2,3-Triazoles as Ligands.In:Kosmrlj J.(eds.)Click Triazoles.Topics in Heterocyclic Chemistry,vol.28.Springer,Berlin,Heidelberg doi.org/10.1007/7081_2011_67も参照。
【0198】
特定の及び類似の反応物はまた、ほとんどの公共図書館及び大学図書館並びにオンラインデータベース(ワシントンD.C.のアメリカ化学会に、さらなる詳細について連絡することができる。)で入手可能な米国化学会のケミカル・アブストラクツ・サービスによって調製された既知の化学物質のインデックスを通じて特定され得る。既知であるがカタログで市販されていない化学物質は、カスタム化学合成ハウスによって調製することができ、標準的な化学物質供給ハウス(例えば、上に列挙したもの)の多くがカスタム合成サービスを提供する。本開示の医薬塩の調製及び選択のための参考文献は、P.H.Stahl&C.G.Wermuth「Handbook of Pharmaceutical Salts,」Verlag Helvetica Chimica Acta,Zurich,2002である。
【0199】
式Ar1(C≡CH)の化合物は、例えば、1,3-ジエチニルベンゼン、1,4-ジエチニルベンゼン、2,6-ジエチニルピリジン及び3,6-ジエチニルカルバゾールを販売しているTCI America(アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド)から市販されている。
【0200】
一般に、エチニル芳香族化合物は、MilliporeSigma Corp.(米国ミズーリ州セントルイス)から入手可能なジメチル(ジアザメチル)ホスホネートを使用して、アリールアルデヒドからのSeyferth-Gilbert同族体化によって調製され得る。あるいは、ジメチル(ジアゾメチル)ホスホネートは、ジメチル-1-ジアゾ-2-オキソプロピルホスホネート(Ohira-Bestmann試薬)からインサイチュで生成することができる。例えば、Seyforthら、J.Org.Chem.36(10):1379-1386(1971).doi:10.1021/jo00809a014及びBestmanら、Synlett.1996(06):521-522(1996).doi:10.1055/s-1996-5474を参照。
【0201】
エチニル芳香族化合物への別の経路は、パラジウム触媒の存在下でのハロ芳香族化合物と(t-ブチルジメチルシリル)アセチレンとの薗頭カップリングを伴う。エチニル芳香族は、その後の脱保護時にシリル基を形成する。例えば、Sonogashira,Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0を参照。
【0202】
以下の反応(I)、(II)及び(III)は、ジエチニル芳香族化合物の例示的な調製を示す。反応(I)において、2,6-ジブロモピリジン-4-アミンは、対応する2,6-ジエチニルピリジン-4-アミン化合物に変換される。反応(II)において、2,6-ジヨード-4-ニトロアニリーは、対応する2,6-ジエチニル-4-ニトロアニリンに変換される。反応(III)において、2-ヒドロキシ-3,5-ジヨード安息香酸は、対応する3,5-ジエチニル-2-ヒドロキシ安息香酸に変換される。いずれの場合も、変換は、示されるように中間体ジ-トリメチルシリル(TMS)化合物を介して進行する。
【化68】
【0203】
これらの反応生成物、すなわち2,6-ジエチニルピリジン-4-アミン、及び2,6-ジエチニル-4-ニトロアニリン、及び3,5-ジエチニル-2-ヒドロキシ安息香酸のそれぞれは、本開示のPEMを調製する際にAr1に対する前駆体として機能し得る。したがって、それらの各々は、Cu(I)触媒の存在下で式Ar2-Nのアジド化合物と反応してPEMを提供し得るAr1(C≡CH)化合物を表す。反応(I)、(II)及び(III)は、本開示の置換Ar1部分の前駆体の調製を示す。
【0204】
式Ar2-Nの化合物も同様に、例えばTCI America(アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド)、Synthonix(米国ノースカロライナ州ウェイクフォレスト)、SigmaAldrich(米国ミズーリ州セントルイス)、Toronto Research Chemicals(トロント、カナダ)及びAnaSpec(米国カリフォルニア州フレモント)から市販されている。一般に、式Ar2-Nのアジドは、アルキル、ベンジル又はアリルのヨウ化物又は臭化物などの求電子性化合物のアジ化ナトリウムによる求核置換によって調製され得る。
【0205】
一般に、本明細書中に記載される反応において使用される化合物は、市販の化学物質及び/又は化学文献に記載される化合物から出発して、当業者に公知の有機合成技術に従って作製され得る。「市販の化学物質」は、Across Organics(ピッツバーグ、ペンシルバニア州),Aldrich Chemical(ミルウォーキー、ウィスコンシン州、Sigma Chemical and Flukaを含む),Apin Chemicals Ltd.(ミルトンパークUK),Avocado Research(ランカシャーU.K.),BDH Inc.(トロント、カナダ),Bionet(コーンウォール、U.K.),Chemservice Inc.(ウェストチェスター、ペンシルベニア州),Crescent Chemical Co.(Hauppauge N.Y.),Eastman Organic Chemicals,Eastman Kodak Company(Rochester N.Y.),Fisher Scientific Co.(ピッツバーグ、ペンシルバニア州),Fisons Chemicals(レスターシャーUK),Frontier Scientific(ローガン、ユタ州),ICN Biomedicals,Inc.(コスタメサ、カリフォルニア州),Key Organics(コーンウォールU.K.),Lancaster Synthesis(Windham N.H.),Maybridge Chemical Co.Ltd.(コーンウォールU.K.),Parish Chemical Co.(オレム、ユタ州),Pfaltz&Bauer,Inc.(ウォーターベリー、コネチカット州),Polyorganix(ヒューストン、テキサス州),Pierce Chemical Co.(Rockford Ill.),Riedel de Haen AG(ハノーファー,ドイツ),Spectrum Quality Product,Inc.(ニュー・ブランズウィック、N.J.),TCI America(ポートランド、オレゴン州),Trans World Chemicals,Inc.(ロックビル、メリーランド州)、及び、Wako Chemicals USA,Inc.(リッチモンド、バージニア州).を含む標準的な商用ソースから入手可能である。
【0206】
一実施形態では、本開示のPEM化合物、例えば式(I)のPEM化合物は、組成物中に存在する。例えば、本開示のPEM化合物は、水性緩衝液も含む組成物中に存在してもよい。一実施形態では、本開示のPEM化合物は、ポリペプチド及び/又はポリヌクレオチドなどの生体分子を含む組成物中に存在する。ポリペプチドは、DNAポリメラーゼなどの酵素であってもよい。以下の定義は、これらの組成物及びその特定の使用の理解に役立ち得る。
【0207】
本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドとも呼ばれる「核酸」は、1つのヌクレオチドのペントースの3’位が、ホスホジエステル基によって次の5’位に連結されている、共有結合した一連のヌクレオチドである。核酸分子は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、又は両方の組み合わせであり得る。DNA(デオキシリボ核酸)及びRNA(リボ核酸)は、ヌクレオチド残基が、ホスホジエステル結合によって特定の配列で連結された生物学的に存在するポリヌクレオチドである。本明細書で使用される場合、用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、又は「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドの直鎖骨格を有する任意のポリマー化合物を包含する。オリゴマーとも呼ばれるオリゴヌクレオチドは、一般に、より短い鎖のポリヌクレオチドである。核酸は、配列決定を目的とする場合、一般に「標的核酸」又は「標的配列」と呼ばれる。
【0208】
本明細書中で使用されるとき、用語「鋳型依存方式」とは、プライマー分子(例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成)の鋳型依存性伸長を伴うプロセスのことを指すことが意図される。用語「鋳型依存方式」とは、RNA又はDNAのポリヌクレオチド合成のことを指し、ポリヌクレオチドの新しく合成された鎖の配列は、周知の相補的塩基対合の規則(例えば、Watson,J.D.et al.,In:Molecular Biology of the Gene,4th Ed.,W.A.Benjamin,Inc.,Menlo Park,Calif.(1987)を参照されたい。)によって決定される。
【0209】
本明細書中で使用されるとき、「核酸ポリメラーゼ」は、一般に、3’-OH 5’-三リン酸ヌクレオチド、オリゴマー、及びそれらの類似体を連結するための酵素である。ポリメラーゼには、DNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性RNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、T3 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ1、クレノウ断片、サーモフィルス・アクアティカス(Thermophilus aquaticus)DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)、Deep VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)、Bst DNA Polymerase Large Fragment、Stoeffel Fragment、9° N DNA Polymerase、9° N DNAポリメラーゼ、Pfu DNA Polymerase、Tfl DNA Polymerase、Tth DNA Polymerase、Phi29 Polymerase、Tli DNAポリメラーゼ、真核DNAポリメラーゼベータ、テロメラーゼ、Therminator(商標)ポリメラーゼ(New England Biolabs)、KOD HiFi(商標)DNAポリメラーゼ(Novagen)、KOD1 DNAポリメラーゼ、Q-ベータレプリカーゼ、ターミナルトランスフェラーゼ、AMV逆転写酵素、M-MLV逆転写酵素、Phi6逆転写酵素、HIV-1逆転写酵素が挙げられる。本発明によるポリメラーゼは、バリアント、突然バリアント、又はキメラポリメラーゼであり得る。
【0210】
本明細書で使用される場合、「DPO4型DNAポリメラーゼ」は、古細菌、Sulfolobus solfataricus、又は関連するYファミリーDNAポリメラーゼによって天然に発現されるDNAポリメラーゼであり、一般に損傷乗り越え合成(TLS)として知られるプロセスによる損傷DNAの複製で機能する。YファミリーDNAポリメラーゼは、DPO4ポリメラーゼと相同である。例としては、原核生物酵素、PolII、PolIV、PolV、古細菌酵素、Dbh、及び真核生物酵素、Rev3p、Rev1p、Pol η、REV3、REV1、Pol Ι及びPol κ DNAポリメラーゼ、並びにそれらのキメラが挙げられる。修飾された組換えDPO4型DNAポリメラーゼは、天然に存在する野生型DPO4型DNAポリメラーゼと比較して1つ以上の突然変異、例えば、基質又は別のポリメラーゼ特性としてかさ高いヌクレオチド類似体を利用する能力を高める1つ以上の突然変異を含み、野生型DPO4型DNAポリメラーゼに対する追加の変更又は改変、例えば、追加のペプチド又はタンパク質配列の1つ以上の欠失、挿入、及び/又は融合を(例えば、表面上にポリメラーゼを固定化するために、又はそうでなければポリメラーゼ酵素をタグ付けするために)含み得る。本発明によるバリアントポリメラーゼの例は、公開されたPCT特許出願国際公開第2017/087281A1号及びPCT特許出願番号PCTUS2018/030972及びPCTUS2018/64794に記載されているSulfolobus sulfataricus DPO4のバリアントであり、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0211】
本明細書で使用される場合、「核酸ポリメラーゼ反応」は、鋳型依存的に核酸の新しい鎖を作製するか、又は既存の核酸(例えば、DNA又はRNA)を伸長するためのインビトロ方法を指す。本発明による核酸ポリメラーゼ反応は、プライマー伸長反応を含み、これは、組み込まれたヌクレオチド又はヌクレオチド類似体が、標的ポリヌクレオチドの対応するヌクレオチドに相補的であるように、プライマーの3’末端にヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の組み込みをもたらす。核酸ポリメラーゼ反応のプライマー伸長産物は、単一分子配列決定のために、又はさらなる核酸分子を合成するための鋳型としてさらに使用することができる。
【0212】
プライマー伸長反応試薬は、典型的には、(i)ポリメラーゼ酵素;(ii)緩衝液;及び(iii)1つ以上の伸長可能なヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を含む。プライマー伸長反応を使用して、特定の実験条件下で得られた核酸産物の長さを測定し、例えばゲル電気泳動によって伸長されたプライマー産物の長さを比較することによってポリメラーゼ活性に対する様々なポリメラーゼ反応添加物(例えば、PEM)の効果を決定することができる。
【0213】
本明細書で使用される場合、「核酸ポリメラーゼ反応を増強する」とは、核酸ポリメラーゼが、PEMの非存在下である場合よりも少なくとも1つのサブユニット長いプライマー伸長産物を合成することを可能にする添加剤、例えばPEMの能力を指す。
【0214】
本明細書で使用される核酸ポリメラーゼ反応の速度は、核酸ポリメラーゼがポリマー鎖を伸長する平均速度を指す。本明細書で使用される場合、用語「速度」及び「伸長率」は、交換可能に使用される。Hogrefeらのヌクレオチド取り込みアッセイ(Enzymol.Vol.334,pp.91-116(2001)の方法)を使用して、重合速度を測定することができる。簡潔には、ポリメラーゼ活性を、活性化サケ精子DNAへの32P-dCTPの取り込み速度として測定することができるA(Pharmaciaから購入;活性化プロトコルについては、C.C.Richardson,Procedures、Nucl.Acid Res.(Cantoni and Davies,eds.),p.263-276(1966)p.264を参照のこと)。反応緩衝液は、例えば、50mMトリスHCl(pH8.0)、5mM MgCl、1mMジチオスレイトール(DTT)、50μg/mlウシ血清アルブミン(BSA)及び4%(v/v)グリセロールであり得る。ヌクレオチド基質及びDNAを大過剰で、典型的にはアッセイされるポリメラーゼのKmの少なくとも10倍で、例えば、dATP、dTTP及びdGTPをそれぞれ200μM、195μMのdCTPと5μIMの標識dCTP、及び250μg/mlの活性化DNAを使用する。反応物を氷上でクエンチし、反応混合物のアリコートをイオン交換フィルタ(例えば、Whatman DE81)にスポットする。組み込まれていないヌクレオチドを洗浄し、続いて、組み込まれた放射能を測定するためにシンチレーション計数する。
【0215】
本明細書で使用される場合、「速度を増加させること」は、本明細書で定義される速度を増加させるPEMを欠く重合反応と比較して、5~10%、10~50%、又は50~100%又はそれ以上の増加を指す。
【0216】
本明細書で使用される場合、「処理能力」は、ポリメラーゼとその鋳型との間の単一の接触中の核酸ポリメラーゼによる重合の程度、すなわち、そこから解離する代わりに基質に作用し続けるその特性を指す。重合の程度は、ポリメラーゼとその鋳型との間の単一の接触中にポリメラーゼによって付加されるヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の数を指す。処理能力は、ポリメラーゼの性質、鋳型の配列、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体基質の構造、及び反応条件、例えば塩濃度、温度又は特定の添加剤の存在に依存し得る。
【0217】
本明細書で使用される場合、「処理能力を増加させること」は、本明細書で定義される処理能力を増加させるPEMを欠く重合反応と比較して、5~10%、10~50%、又は50~100%又はそれ以上の増加を指す。核酸ポリメラーゼの処理能力を測定する方法は、例えば、Sambrookら、1989,In Molecular Cloning,2nd Edition,CSH Press,7.79-7.83及び13.8に記載されているように、一般に当該分野において公知であり、米国特許出願公開第2002/0119467号、公開されたPCT出願国際公開第01/92501号及び米国特許第5,972,603号明細書に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0218】
本明細書で使用される「忠実度」という用語は、鋳型依存性核酸ポリメラーゼによる核酸重合の精度を指す。DNAポリメラーゼの忠実度は、エラー率(不正確なヌクレオチド、すなわち鋳型依存的に組み込まれないヌクレオチドを組み込む頻度)によって測定される。DNAポリメラーゼの忠実度又はエラー率は、当技術分野で公知のアッセイを使用して測定することができる(例えば、Lundburgら、1991 Gene,108:1-6を参照のこと。)。本明細書で使用される場合、「忠実度を増加させること」は、本明細書で定義される忠実度を増加させる添加剤を欠く重合反応と比較して、5~10%、10~50%、又は50~100%又はそれ以上の増加を指す。
【0219】
本明細書で使用される「複数」という用語は、「少なくとも2つ」を指す。
【0220】
「XNTP」は、鋳型依存性酵素重合と適合する拡張可能な5’三リン酸修飾ヌクレオチド基質である。XNTPは、2つの異なる機能的構成要素を有する。すなわち、核酸塩基5’-トリホスホルアミデートと、各ヌクレオシドトリホスホルアミデート内で、ホスホルアミデート結合のヌクレオチド内切断による制御された拡張を可能にする位置に結合しているつなぎ鎖、である。本明細書で使用される場合、XNTPは、例示的な「非天然の高度に置換されたヌクレオチド類似体基質」である。例示的なXNTP及びそれを作製する方法は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、出願人が公開したPCT出願国際公開第2016/081871号に記載されている。
【0221】
「Xpandomer中間体」は、XNTPから集められた中間産物(本明細書では「娘鎖」とも呼ばれる)であり、標的核酸鋳型を使用したXNTPのポリメラーゼ媒介鋳型指向性集合体によって形成される。新しく合成されたXpandomer中間体は、拘束Xpandomerである。XNTPによって提供されるホスホルアミデート結合が切断されるプロセス工程の下では、拘束Xpandomerは、もはや拘束されず、つなぎ鎖が伸ばされるにつれて伸長するXpandomer産物である。
【0222】
「Xpandomer」又は「Xpandomer産物」は、それ自体がXNTP基質の鋳型指向性集合体によって合成される拘束Xpandomerの増殖によって生成される合成分子構築物である。Xpandomerは、それが生成された標的鋳型に対して伸長している。それは、サブユニットの連結から構成され、各サブユニットはモチーフであり、各モチーフは、配列情報、つなぎ鎖、及び任意に、基質の一部、又は全部を含むライブラリのメンバーであり、それらの全ては、形成性基質構築物に由来する。Xpandomerは、標的鋳型よりも長くなるように拡張するように設計され、それによって標的鋳型の配列情報の線密度をその長さに沿って低下させる。さらに、Xpandomerは、任意に、レポーターのサイズ及び存在量を増加させるためのプラットフォームを提供し、次いで、検出のためのシグナル対ノイズを改善する。より低い線情報密度及びより強い信号は、分解能を高め、鋳型鎖の配列を検出及び複合するための感度要件を低減する。
【0223】
「つなぎ鎖」又は「つなぎ鎖部材」は、ほぼ直線寸法を有し、2つの対向する末端のそれぞれに末端部分を有するポリマー又は分子構築物を指す。つなぎ鎖は、末端部分に結合を有するヌクレオシドトリホスホルアミデートに結合してXNTPを形成する。結合は、つなぎ鎖を「拘束された配置」に拘束するのに役立つ。つなぎ鎖は、「拘束された配置」及び「拡張された配置」を有する。拘束された配置は、XNTP及び娘鎖又はXpandomer中間体に見られる。つなぎ鎖の拘束された配置は、Xpandomer産物に見られるように、拡張された配置の前駆体である。拘束された配置から拡張された配置への移行は、選択的に切断可能なホスホルアミデート結合の切断をもたらす。つなぎ鎖は、その長さに沿って、基質の配列情報をコードすることができる1つ以上のレポーター又はレポーター構築物を含む。つなぎ鎖は、Xpandomerの長さを拡張し、それによって配列情報の線密度を低下させる手段を提供する。
【0224】
「つなぎ鎖エレメント」又は「つなぎ鎖セグメント」は、2つの末端を有するほぼ線形の寸法を有するポリマーであり、末端は、つなぎ鎖エレメントを連結するための末端連結を形成する。つなぎ鎖エレメントは、つなぎ鎖のセグメントである。そのようなポリマーには、ポリエチレングリコール、ポリグリコール、ポリピリジン、ポリイソシアネート、ポリイソシアネート、ポリ(トリアリールメチル)メタクリレート、ポリアルデヒド、ポリピロリノン、ポリ尿素、ポリグリコールホスホジエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリブチレート、ポリブタジエン、ポリブチロラクトン、ポリピロリジノン、ポリビニルホスホネート、ポリアセトアミド、多糖類、ポリヒアルラン酸塩、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリテレフタレート、ポリシラン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミノ酸、ポリグリシン、ポリプロリン、N-置換ポリリジン、ポリペプチド、側鎖N-置換ペプチド、ポリ-N-置換グリシン、ペプトイド、側鎖カルボキシル置換ペプチド、ホモペプチド、オリゴヌクレオチド、リボ核酸オリゴヌクレオチド、デオキシ核酸オリゴヌクレオチド、ワトソン-クリック塩基対合を防ぐために修飾されたオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、ポリシチジル酸、ポリアデニル酸、ポリウリジル酸、ポリチミジン、ポリリン酸塩、ポリヌクレオチド、ポリリボヌクレオチド、ポリエチレングリコール-ホスホジエステル、ペプチドポリヌクレオチド類似体、スレオシル-ポリヌクレオチド類似体、グリコール-ポリヌクレオチド類似体、モルホリノ-ポリヌクレオチド類似体、ロックされたヌクレオチドオリゴマー類似体、ポリペプチド類似体、分枝ポリマー、コームポリマー、スターポリマー、樹枝状ポリマー、ランダム、グラジエント及びブロックコポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、基部ループを形成するポリマー、剛体セグメントと可動性セグメントが、含まれ得るが、これらに限定されない。
【0225】
「レポーター」は、1つ以上のレポーターエレメントから構成される。レポーターは、標的核酸の遺伝情報を解析するのに役立つ。
【0226】
「レポーター構築物」は、検出可能なシグナルを生成することができる1つ以上のレポーターを含み、検出可能なシグナルは一般に配列情報を含む。この信号情報は、「レポーターコード」と呼ばれ、続いて遺伝的配列データに復号される。レポーター構築物はまた、つなぎ鎖セグメント又はポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー、アフィニティーリガンド、オリゴマー、ハプテン、アプタマー、デンドリマー、連結基又は親和性結合基(例えば、ビオチン)を含む他の構造的構成要素を含み得る。
【0227】
「レポーターコード」は、レポーター構築物の測定シグナルからの遺伝情報である。レポーターコードは、配列特異的な遺伝情報データを提供するために復号される。
【0228】
したがって、一実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるPEMと、緩衝液とを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるPEMと、複数のヌクレオチド及び/又はヌクレオチド類似体とを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるPEMと、ポリヌクレオチドとを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるPEMと、タンパク質とを含む組成物を提供し、任意に、タンパク質は、上記のポリメラーゼのいずれかを含むポリメラーゼである。
【0229】
一実施形態では、本開示は、本開示のPEM化合物、例えば式(I)のPEM化合物と、分子クラウディング剤とを含む組成物を提供する。一般に、分子クラウディング剤は、一連の大きな中性ポリマーを含む。有用な分子クラウディング試薬の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、フィコール、デキストラン又はポリビニルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な分子クラウディング試薬及び製剤は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,399,590号明細書に記載されている。一実施形態において、分子クラウディング剤は、4,000~10,000の数平均分子量を任意に有するポリアルキレングリコールである。一実施形態では、分子クラウディング剤は、ポリアルキレングリコールの誘導体であり、例えば、ポリアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基の一方又は両方は、エステル又はエーテル基の形態である。一実施形態では、分子クラウディング剤は、不活性な水溶性ポリマーである。
【0230】
一実施形態では、本開示は、本開示のPEM化合物と、水性緩衝液とを含む組成物を提供する。一実施形態では、PEM化合物は式(I)を有する。1つの選択肢では、組成物は約6から8.5のpHを有し、緩衝液は組成物のpHを安定化するのに役立つ。例示的な緩衝液はトリスHClである。他の適切な緩衝液としては、当技術分野で公知の緩衝液、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液などが挙げられる。
【0231】
一実施形態では、本開示は、本開示のPEM化合物、例えば式(I)のPEM化合物と、ポリヌクレオチドとを含む組成物を提供する。1つの選択肢では、ポリヌクレオチドは一本鎖、例えば一本鎖DNA又は一本鎖RNAである。ポリヌクレオチドがプライマーとして機能することを意図する場合、ポリヌクレオチドは一本鎖DNA分子である。プライマーとして機能することを意図する場合、ポリヌクレオチドは、約10~60merのオリゴヌクレオチド、例えば20~30オリゴヌクレオチドの長さを有し得る。あるいは、ポリヌクレオチドは鋳型として機能してもよく、その場合、一本鎖DNA又は一本鎖RNAであってもよく、30塩基~キロベース及びそれを超える値、例えば10k塩基及びそれを超える長さを有してもよい。
【0232】
一実施形態では、本開示は、本開示のPEM化合物、例えば式(I)のPEM化合物と、タンパク質とを含む組成物を提供する。例えば、タンパク質は、酵素、核酸ポリメラーゼ、DNAポリメラーゼであり得る。適切なDNAポリメラーゼの一例は、本明細書で論じるように、DPO4ポリメラーゼのバリアントである。
【0233】
一実施形態では、本開示は、本開示の少なくとも1つのPEM化合物、例えば式(I)のPEM化合物と、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の混合物とを含む組成物を提供し、少なくとも1つの化合物は、テンプレート依存性重合反応中に娘鎖に組み込まれるヌクレオチド類似体の数及び精度を、少なくとも1つの化合物が存在しない同一の重合反応と比較して増加させる。任意に、ヌクレオチド類似体の混合物は、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれは、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンから選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを有しており、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端は核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端はヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する。任意に、組成物は、トリスOAc、NHOAc、PEG、水混和性有機溶媒(ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)又はアセトンなど)、ポリリン酸60、NMS及びMnClのうちの1つ以上を含む緩衝液をさらに含む。任意に、組成物はまた、一本鎖結合タンパク質を含む。任意に、組成物は尿素を含む。任意に、ヌクレオチド類似体の混合物は、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含み、検出可能な標識は、任意に、発光性、化学発光性、蛍光性、蛍光発生性、発色団又は発色性のうちの1つである。一実施形態では、組成物は、これらの選択肢の2つ以上、例えばこれらの選択肢の全てを含む。
【0234】
本開示の一態様では、本明細書に開示されるPEM及びその組成物を使用して、核酸重合反応を増強するか、又は得られる核酸の特性、例えば反応産物の長さ又は精度を改善することができる。重合反応には、例えば、プライマー伸長反応、PCR、突然変異誘発、等温増幅、DNA配列決定及びプローブ標識が含まれる。そのような方法は当技術分野で周知である。増強は、ポリメラーゼ(すなわち、鋳型からのポリメラーゼの解離の低減)の処理能力の増加、基質結合又は酵素触媒の速度の増加、及びヌクレオチド取り込みの精度又は忠実度の増加などの機構を介してヌクレオチド取り込みを刺激することによって提供され得る。さらに、二次構造及び二重鎖DNAなどの核酸鋳型の障害を低減することによって増強を提供することができる。PEMの添加によってこのような障害を克服又は改善することにより、重合反応をより正確又は効率的に行うことができ、あるいはより低い変性/伸長温度又は等温温度を使用することができる。
【0235】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ反応を増強するために、PEMを別の添加剤クラスと組み合わせて使用することができる。添加剤の1つの例示的なクラスは、小溝結合タンパク質(MGB)である。一実施形態では、MGBは、ジスタマイシンA及びその合成類似体、ネトロプシン、(+)-CC-1065、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、トラベクチン及びその類似体、ヘキスト色素及びその誘導体、レキシトロプシン、チアゾトロプシンA、ジアミジン、並びにポリアミドからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、少なくとも1つの小溝結合部分は、Hoechst色素である。ポリメラーゼ反応を増強するためのMGBの使用に関するさらなる情報は、ENHANCEMENT OF NUCLEIC ACID POLYMERIZATION BY MGBSという名称の、出願人の同時出願に見出すことができる。
【0236】
PEMによって増強できる例示的なポリメラーゼ反応の1つは、Stratos Genomicsによって開発された「Sequencing by Expansion」(SBX)プロトコルの基礎を形成する「XNTP」として知られる非天然ヌクレオチド類似体の重合である(例えば、Kokorisら、米国特許第7,939,259号、「High Throughput Nucleic Acid Sequencing by Expansion」を参照のこと)。一般に、SBXは、この生化学的重合を使用して、DNA鋳型の配列を「Xpandomer」と呼ばれる測定可能なポリマー上に転写する。転写された配列は、約10nm離れた高シグナル対ノイズレポーターにおいてXpandomer骨格に沿ってコード化され、高シグナル対ノイズ、高分化応答のために設計される。これらの違いは、ネイティブDNAと比較して、Xpandomerの配列リード効率及び精度の著しい性能向上を提供する。SBXプロセスの一般化された概要を図1A図1B図1C、及び図1Dに示す。
【0237】
XNTPは、鋳型依存性酵素重合と適合する拡張可能な5’三リン酸修飾ヌクレオチド基質である。非常に単純化されたXNTPが、図1Aに示されており、これは、これらのヌクレオチド類似体の固有の特徴を強調する。XNTP100は、2つの異なる機能領域を有する。すなわち、5’α-ホスフェート115を核酸塩基105に連結する選択的に切断可能なホスホルアミデート結合110と、ホスホルアミデート結合のヌクレオチド内切断による制御された拡張を可能にする位置でヌクレオシドトリホスホルアミデート内に結合されるつなぎ鎖120である。XNTPのつなぎ鎖は、選択的に切断可能なホスホルアミデート結合によって分離されたリンカーアーム部分125A及び125Bから構成される。各リンカーは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Kokorisらによる米国特許第8,324,360号明細書に開示されているように、連結基(LG)を介してレポーター130の一末端に結合する。XNTP100は、重合後のXNTP基質及び娘鎖に特徴的な「拘束された配置」に示されている。重合XNTPの拘束された構成は、Xpandomer産物に見られるように、拡張された構成の前駆体である。拘束された構成から拡張された構成への移行は、娘鎖の一次骨格内のホスホルアミデートのP--N結合の切断時に起こる。
【0238】
Xpandomerの合成を図1B及び1Cに要約する。アセンブリ中、モノマーXNTP基質145(XATP、XCTP、XGTP、及びXTTP)は、ガイドとして一本鎖鋳型140を使用する鋳型指向性重合のプロセスによって新生娘鎖150の伸長可能末端上で重合される。一般的に、このプロセスは、プライマーから開始され、5’から3’方向に進行する。一般的に、DNAポリメラーゼ又は他のポリメラーゼを使用して娘鎖を形成し、鋳型鎖の相補的コピーが得られるように条件を選択する。娘鎖が合成された後、カップリングされたつなぎ鎖は、娘鎖をさらに含む拘束されたXpandomerを含む。娘鎖中のつなぎ鎖は、XNTP基質の「拘束された配置」を有する。つなぎ鎖の拘束された配置は、Xpandomer産物に見られるように、拡張された配置の前駆体である。
【0239】
図1Cに示されるように、拘束された構成160から、拡張された構成165への移行は、娘鎖の一次骨格内の選択的に切断可能なホスホルアミデート結合(単純化のために陰影のない楕円によって示す)の切断に起因する。この実施形態では、つなぎ鎖は、それらが連結されている核酸塩基に特異的な1つ以上のレポーター構築物又はレポーター構築物130A、130C、130G、又は130Tを含み、それによって鋳型の配列情報をコードする。このようにして、つなぎ鎖は、Xpandomerの長さを拡張し、親鎖の配列情報の線密度を低下させる手段を提供する。
【0240】
図1Dは、シスリザーバ175からトランスリザーバ185にナノポア180を通過して移動するXpandomer165を示す。ナノポアを通過すると、線形化Xpandomerのレポーター(この図では、「G」、「C」、及び「T」とラベル付けされている)のそれぞれは、それが連結されている核酸塩基に特異的な別個の再現性のある電子シグナル(重畳トレース190によって示される)を生成する。
【0241】
図2は、XNTPの一般化された構造をより詳細に示す。XNTP200は、選択的に切断可能なホスホルアミデート結合230によって分離されたリンカーアーム部分220A及び220Bを有する核酸塩基トリホスホルアミデート210から構成される。つなぎ鎖は、連結基250A及び250Bでヌクレオシドトリホスホルアミデートに連結され、第1のつなぎ鎖末端はヘテロ環260(ここではシトシンによって表されるが、複素環は、4つの標準的な核酸塩基、A、C、G又はTのいずれか1つであってもよい。)に連結され、第2のつなぎ鎖末端は、核酸塩基骨格のアルファリン酸270に連結される。当業者は、当技術分野で公知の多くの適切なカップリング化学物質を使用して最終的なXNTP基質産物を形成することができ、例えば、つなぎ鎖結合がトリアゾール結合によって達成され得ることを理解するであろう。
【0242】
この実施形態では、つなぎ鎖275は、エンハンサー280A及び280B、レポーターコード285A及び285B、並びに翻訳制御エレメント(TCE)290A及び290Bを含むいくつかの機能エレメントから構成される。これらの特徴のそれぞれは、ナノポアを通り抜けるXpandomerの転座、及び固有の再現性のある電子シグナルの生成中に独特の機能を果たす。つなぎ鎖275は、ハイブリダイゼーション(TCH)による転座制御のために設計されている。図示のように、TCEは、相補的オリゴマー(CO)に二重鎖化することができ、レポーターコードに隣接して配置されるハイブリダイゼーションの領域を提供する。異なるレポーターコードは、異なる測定可能なレベルでナノポアを通過するイオン流を遮断するようなサイズである。オリゴヌクレオチド合成に典型的に使用されるホスホラミダイト化学を使用して、特定のレポーターコードを効率的に合成することができる。レポーターは、市販のライブラリから特定のホスホラミダイトの配列を選択することによって設計することができる。そのようなライブラリには、1~12又はそれを超えるエチレングリコール単位の長さを有するポリエチレングリコール、1~12又はそれを超える炭素単位の長さを有する脂肪族、デオキシアデノシン(A)、デオキシシトシン(C)、デオキシグアノジン(G)、デオキシチミン(T)、脱塩基(Q)が含まれるが、これらに限定されない。レポーターコードに関連する二重鎖化TCEもイオン電流遮断に寄与するので、レポーターコードとTCEとの組み合わせは、「レポーター」と呼ぶことができる。レポーターコードに続いて、一実施形態ではスペルミンポリマーを含むエンハンサーが存在する。
【0243】
図3は、α-溶血素ナノポアを移動させるプロセスにおける切断されたXpandomerの一実施形態を示す。この生物学的ナノポアは、電解質の2つの貯蔵部を分離し電気的に隔離する脂質二重層膜に埋め込まれている。典型的な電解質は、pH7.0に緩衝された1モル濃度のKClを有する。典型的には100mVの小さい電圧が、二重層を通過して印加される場合、ナノポアは、イオン電流の流れを拘束し、回路内の一次抵抗である。Xpandomerレポーターは、特定のイオン電流遮断レベルを与えるように設計されており、レポーターの配列が、ナノポアを転座するときにイオン電流レベルの配列を測定することによって配列情報を読み取ることができる。
【0244】
α-溶血素ナノポアは、典型的には、移動が、前庭部側に入り、基部側から出ることによって起こるように配向されている。図3に示すように、ナノポアは、最初に基部側からXpandomerを捕捉するように配向されている。この配向は、TCH法を使用すると、最初に前庭部に入るときに発生する閉塞アーチファクトが少なくなるので有利である。特に指示しない限り、基部側が最初に想定される転座方向となるであろう。Xpandomerが転座すると、レポーターは、その二重鎖化されたTCEが基部入口で停止するまで基部に入る。二重鎖は直径が約2.4nmであるのに対して、基部入口は約2.2nmであるので、レポーターは、二本鎖の相補鎖395が解離する(放出される)まで基部に保持され、その後、転座が次のレポーターに進む。Xpandomerはまだ転座しており、ポアから拡散しているので、遊離相補的鎖がナノポアに入ることが非常に望ましくない。
【0245】
一実施形態では、(二重鎖に続く)レポーターコードの各メンバーは、多くの市販ライブラリから選択することができるホスホラミダイトの順序付き選択によって形成される。各構成成分ホスホラミダイトは、ナノポア内のその位置(二重鎖停止後に位置する)、その変位、その電荷、ナノポアとのその相互作用、その化学的及び熱的環境並びに他の要因に従って正味のイオン抵抗に寄与する。各ホスホラミダイト上の電荷は、部分的には、-1の公称電荷を有するが、対イオン遮蔽によって効果的に低減されるリン酸イオンに起因する。二重鎖を引っ張る力は、局所電場によって作用されるレポーターに沿ったこれらの有効電荷に起因する。各レポーターは異なる電荷分布を有することができるので、所与の印加電圧に対して二重鎖に異なる力を及ぼすことができる。レポーター骨格に沿って伝達される力はまた、レポーターを引き伸ばして反復可能なブロッキング応答を与えるのに役立つ。
【0246】
本発明者らによって開発された拡張による配列決定(SBX)方法論は、ネイティブDNAと比較して、Xpandomerの配列リード効率及び精度における著しい性能向上を提供する。しかしながら、天然のDNA鋳型の配列の測定可能なXpandomerへの最初の転写は、基質としてXNTPを利用するDNAポリメラーゼの能力に依存する(XNTPの一般化された構造が、図1A及び図2を参照して本明細書において論じられる)。本発明者らは、ほとんどのDNAポリメラーゼがXNTPを効率的に重合しないことを見出した。しかし、本開示のPEMなどの適切な添加剤を含めることにより、XpandomerへのXNTP重合の効率及び精度が改善される。したがって、本明細書に開示されるPEMは、基質としてXNTPを使用してDNAポリメラーゼプライマー伸長反応を増強するためのSBX方法論の文脈で使用され得る。
【0247】
代表的なプライマー伸長反応は、以下の試薬を含み得る。2pmolのプライマー、2.2pmolの45merのオリゴヌクレオチド鋳型、50pmolの各XNTP(XATP、XCTP、XGTP及びXTTP)、50mM Tris HCl(pH 6.79)、200mM NaCl、20% PEG、5% NMS、0.5nmolポリリン酸60.19、0.3mM MnCl及び0.6μgの精製組換えDNAポリメラーゼタンパク質。PEMは、典型的にはマイクロからミリモルの範囲の濃度でこの混合物に添加される。反応には、一本鎖結合タンパク質(SSB)、尿素、及びNMSなどの追加の添加剤も含まれ得る。反応を23℃で1時間行う。反応産物(すなわち、拘束されたXpandomer)を処理してホスホルアミデート結合を切断し、それにより、線状化Xpandomerを生成する。4~12%アクリルアミドゲル上でゲル電気泳動を使用して反応産物を分析して、異なる長さのXpandomer産物を分解及び可視化する。
【0248】
したがって、一実施形態では、本開示は、PEM及び緩衝液、特にDNA重合反応を行うのに適した緩衝液を含む水性(水含有)組成物を提供し、トリスHClはこのタイプの例示的な緩衝液である。一実施形態では、本開示は、PEMと、DNAポリメラーゼタンパク質とを含む組成物を提供する。一実施形態では、本開示は、PEMと、ポリヌクレオチド、例えば20~90mer、20~60mer、30~90mer又は30~60merのオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。一実施形態では、本開示は、これらの成分の各々を含む組成物、すなわち、PEMと、緩衝液と、DNAポリメラーゼタンパク質と、ポリヌクレオチドとを含む水性組成物を提供する。
【0249】
XNTP重合の増強の精度を調べるために、プライマー伸長産物を、SBXプロトコルを使用して配列決定することができる。簡潔には、XNTP重合の拘束されたXpandomer産物を切断して、線状化Xpandomerを生成する。これは、最初に、100mM EDTA、2mM THPTA及び2% Tween-20を含有する溶液で伸長反応をクエンチすることによって達成される。次いで、試料をDMF中の1M NaHCO及び1M無水コハク酸の溶液でアミン修飾する。ホスホルアミデート結合の切断を37% HClで行い、線状化XpandomerをQIAquickカラム(QIAGEN,Inc.)で精製する。
【0250】
配列決定のために、2M NHCl及び100mM HEPES(pH7.4)を含有する緩衝液B1中のDPhPE/ヘキサデカン二重層メンバーにα-溶血素を挿入することによって、タンパク質ナノポアを調製する。シスウェルを、0.4M NHCl、0.6M GuCl、及び100mM HEPES、pH7.4を含有する緩衝液B2で灌流する。Xpandomer試料を70℃に2分間加熱し、完全に冷却し、次いで、試料2μLをシスウェルに添加する。次いで、90mV/390mV/10μsの電圧パルスを印加し、Labview取得ソフトウェアを用いてデータを取得する。
【0251】
配列データは、単一のSBX反応からの配列リードの集団のヒストグラム表示によって分析される。解析ソフトウェアは、各配列リードを鋳型の配列に整列し、正しい鋳型配列と整列しないリードの末端の配列の範囲をトリミングする。
【0252】
一実施形態では、本開示は、XNTP重合の増強の精度を高める方法であって、本明細書に開示されるPEMを上記のDNA重合反応に添加することを含む方法を提供する。
【0253】
一実施形態では、本開示はキットを提供し、キットは本明細書に記載の方法で使用することができる。キットは、本開示の少なくとも1つの化合物、並びにa)分子クラウディング剤、b)水性緩衝液、c)ポリメラーゼなどのタンパク質、d)例えばプライマーとして機能し得るポリヌクレオチド、及び/又は、例えば鋳型として機能し得るポリヌクレオチドの1つ以上を含む。
【0254】
例えば、1つの実施形態において、本開示は、核酸鋳型を配列決定するためのキットを提供する。キットは、本開示の少なくとも1つの化合物及びヌクレオチド類似体の混合物を含む。本開示の化合物は、鋳型依存性重合反応中に娘鎖に組み込まれるヌクレオチド類似体の数及び精度を、本開示の少なくとも1つの化合物が存在しない同一の重合反応と比較して増加させるために使用され得る。任意に、ヌクレオチド類似体の混合物は、ヌクレオシドトリホスホルアミデートを含み、ヌクレオシドトリホスホルアミデートのそれぞれは、アデニン、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基と、ポリマーつなぎ鎖部分とを含み、ポリマーつなぎ鎖部分の第1末端は核酸塩基に結合し、ポリマーつなぎ鎖部分の第2末端はヌクレオシドトリホスホルアミデートのαリン酸に結合して、ホスホルアミデート結合の切断によってヌクレオチド類似体の拡張を提供する。任意に、ヌクレオチド類似体の混合物は、検出可能な標識を含むヌクレオチド類似体を含み、検出可能な標識は、発光、化学発光、蛍光、発蛍光、発色団又は発色性標識からなる群から選択される光学的に検出可能な標識である。任意に、キットは、トリスOAc、NH4OAc、PEG、水混和性有機溶媒(ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、アセトンなど)、ポリリン酸60、NMS及びMnClを含む水性緩衝液を含む。任意に、キットは一本鎖結合タンパク質を含む。任意に、キットは尿素を含む。任意に、キットは、これらの成分の2つ以上、例えば、3つ若しくは4つ、又は指定された成分の全てを含む。
【0255】
化合物は、当業者に公知の方法によって調製することができ、そのような方法は、様々な参考書及びデータベースによって特定することができる。本開示の化合物の調製において有用な反応物の合成を詳述する、又は調製を記載する論文への参考文献を提供する、適切な参考書及び論文は、例えば、「Synthetic Organic Chemistry」John Wiley&Sons,Inc.,New York;S.R.Sandlerら、「Organic Functional Group Preparations」2nd Ed.,Academic Press,New York,1983;H.O.House,「Modem Synthetic Reactions」2nd Ed.,W.A.Benjamin,Inc.Menlo Park,Calif 1972;T.L.Gilchrist,「Heterocyclic Chemistry」2nd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1992;J.March,「Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms and Structure」4th Ed.,Wiley-Interscience,New York,1992を含む。本開示の化合物の調製において有用な反応物の合成を詳述する、又は調製を記載する論文への参考文献を提供する、さらに適切な参考書及び論文としては、例えば、以下が挙げられる:Fuhrhop,J.and Penzlin G.「Organic Synthesis:Concepts,Methods,Starting Materials」Second,Revised and Enlarged Edition(1994)John Wiley&Sons ISBN:3-527-29074-5Hoffman,R.V.「Organic Chemistry,An Intermediate Text」(1996)Oxford University Press,ISBN 0-19-509618-5;Larock,R.C.「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations」2nd Edition(1999)Wiley-VCH,ISBN:0-471-19031-4;March,J.「Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure」4th Edition(1992)John Wiley&Sons,ISBN:0-471-60180-2;Otera,J.(editor)「Modern Carbonyl Chemistry」(2000)Wiley-VCH,ISBN:3-527-29871-1;Patai,S.「Patai’s 1992 Guide to the Chemistry of Functional Groups」(1992)Interscience ISBN:0-471-93022-9;Quin,L.Dら、「A Guide to Organophosphorus Chemistry」(2000)Wiley-Interscience,ISBN:0-471-31824-8;Solomons,T.W.G.「Organic Chemistry」7th Edition(2000)John Wiley&Sons,ISBN:0-471-19095-0;Stowell,J.C.,「Intermediate Organic Chemistry」2nd Edition(1993)Wiley-Interscience,ISBN:0-471-57456-2;「Industrial Organic Chemicals:Starting Materials and Intermediates:An Ullmann’s Encyclopedia」(1999)John Wiley&Sons,ISBN:3-527-29645-X(8巻);「Organic Reactions」(1942-2000)John Wiley&Sons(55巻以上);及び「Chemistry of Functional Groups」John Wiley&Sons(73巻)。
【実施例
【0256】
表1に示す化合物を、本明細書に開示される一般的な実施例に従って調製した。
【0257】
材料及び方法4-アジドサリチル酸及び2,6-ジブロモ-4-ピリジンカルボン酸は、Toronto Research Chemicals,Inc.(トロント、オンタリオ州、カナダ)から入手した。4-アジド-2-(トリフルオロメチル)安息香酸、3-アミノ-5-ヒドロキシ安息香酸及び4-アミノイソフタル酸は、Matrix Scientific(米国サウスカロライナ州コロンビア)から入手した。3-アミノ-6-(トリフルオロメチル)安息香酸塩酸塩、1-(4-アミノフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オン、メチルグリシルグリシネート塩酸塩、3,3,3-トリフルオロプロパン-1-アミン及びジエチル3-アミノプロパン-1-イルホスホネートは、Enamine LLC(米国ニュージャージー州のMonmouth Junction)から入手した。トリス[(1-ベンジル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル]アミン(TBTA)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1,3-ジエチニルベンゼン、2,6-ジエチニルピリジン、3,5-ジエチニルピリジン、3,6-ジエチニルカルバゾール、4-アジド安息香酸、シクロプロピルアミン、6-アミノ-2-ナフトエ酸、4-アミノフタル酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ安息香酸、4-アミノ-2-メチル安息香酸、4-アミノ-2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸、4-アミノ-2-ニトロ安息香酸、n-(2-アミノエチル)アセトアミド、4-(アミノフェニル)ホスホン酸、2,6-ジクロロ-9H-プリン、アスパラギン酸ジメチル塩酸塩、4-アミノ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、3,5-ジアミノ安息香酸及び2,5-ジブロモフランは、TCI America(アメリカ合衆国オレゴン州ポートランド)から入手した。4-メトキシ-2,6-ジブロモピリジン、4-ニトロ-2,6-ジブロモピリジン及び2,6-ジブロモ-4-ピリジンカルボン酸、メチルグリシネート塩酸塩は、Chem-Impex International,Inc.(Wood Dale、イリノイ州)から入手した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、エチニルトリメチルシラン、DMSO、DMF、MeOH、EtOAc、アスコルビン酸ナトリウム、硫酸銅、ジイソプロピルアミン、EDTA、モルホリン、ジエチルアミン、水酸化アンモニウム、エチルアミン、エタノール、アゼチジン、n-エチル-n-エチルアミン、メチル2,6-ジクロロピリジン-4-カルボキシレート、エチル2,6-ジブロモピリジン-4-カルボキシレート、4-メチル-2,6-ジクロロピリジン、2-クロロ-4-シアノピリジン、4-アミノ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸、2-ブロモ-4-シアノピリジン、メチルアジドアセテート、4-アジドアニリン塩酸塩、4-メトキシフェニルアジド4-アミノ-2-フルオロ安息香酸、n-ブチルアミン、3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸、3-(4-アミノフェニル)プロピオン酸、4-(4-アミノフェニル)-酪酸、4-アミノ-2-メトキシ安息香酸、2-アミノ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸、アミノエタノール、1,4-ジアミノブタン及び2,5-ジブロモチオフェンは、Sigma-Aldrich Corp.(米国ミズーリ州セントルイス)から入手した。TLC及びフラッシュクロマトグラフィ溶媒は、Sigma-Aldrich又はThermo Fisher Scientific Inc.(米国マサチューセッツ州ウォルサム)から入手した。
【0258】
フラッシュクロマトグラフィは、Buchi Corp.(ニューキャッスル、デラウェア州)製のReveleris Prep Purification Systemで行った。このシステムに、Sorbent Technologies,Inc(ノークロス、ジョージア州)からのC18球状シリカゲル(カタログ番号76646-01)が充填され、ポリプロピレンフリットでシールされた手充填カラム(直径2.3cm×高さ8cm)を取り付けた。1~1.5mLの試料をカラムのヘッドに直接ローディングした。移動相は、水(A)及びアセトニトリル(B)であった。2分で0~2%Bの勾配、続いて28ml/分の流量で20分で2~100%Bの勾配。UVを220nm、260nm及び280nmでモニターした。画分を0.1AUのUV閾値で収集した。薄層クロマトグラフィを、EMD Millipore Corp.(米国マサチューセッツ州ビリレカ)からのアルミニウムで裏打ちされたTLCシリカゲル60 F254(カタログ番号1.05534.0001)を用いて行った。ESI Mass Specは、Perkin Elmer PE-SCIEX API-150質量分析計を正モード及び負モードで使用して、Numega Resonance Lab(米国カリフォルニア州サンディエゴ)によって実施した。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【表1-26】
【表1-27】
【表1-28】
【表1-29】
【表1-30】
実施例1
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化69】
【0259】
DMSO(150μL)中、4-アジドサリチル酸B(1.79mg、10μmol)及び2,6-ジエチニルピリジンA(0.67mg、5μmol)を混合することによって、化合物1を調製した。この溶液を、DMSO(95μL)中のTBTA(5.1mg、0.96μmol)及びアスコルビン酸ナトリウム(6.4mg、32μmol)の溶液と混合した。撹拌しながら20Mmの硫酸銅(5μL)を添加することによってクリック反応を開始した。反応の程度をTLC(94:5:1酢酸エチル:メタノール:酢酸)によって分析し、アジド及びアルキンの消費に基づいて反応を5分で完了した。DMSO及び0.5M EDTA(100μL)を用いて反応混合物の体積を1Mlにした。固体を単離し、さらなるDMSOに溶解した。DMSO溶液を合わせ、材料及び方法において上記に記載したように、フラッシュクロマトグラフィによって精製した。産物は、回転蒸発時にガラス状固体を50~75%の収率で形成した。H NMR(300MHz,DMSO-d6)δppm 3.29(2H,br.S.,(O(18)H 及びO(33)H)),7.17-7.29(4H,m,(C(7)H,C(11)H,C(28)H,C(32)H))7.85(2H,d,J=8.11(C(10)H及びC(31)H)),8.06(3H,s,(C(15)H,C(16)H,C(17)H))9.36(2H,s,(C(5)H及びC(25)H))。
実施例2
4,4’-(ピリジン-3,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化70】
【0260】
実施例1の方法に従って、4-アジドサリチル酸B及び3,5-ジエチニルピリジンCを用いて化合物2を調製した。H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ ppm 3.29(2H,br.S.,(O(18)H及びO(33)H))7.17-7.29(4H,m,(C(7)H,C(11)H,C(28)H,C(31)H))7.85(2H,d,J=8.11Hz,(C(10)H及びC(31)H))8.06(3H,s,,(C(13)H,C(15)H,C(17)H))9.36(2H,s,(C(5)H及びC(25)H))。
実施例3
4,4’-(1,3-フェニレンビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化71】
【0261】
実施例1の方法に従って、4-アジドサリチル酸B及び1,3-ジエチニルベンゼンDを用いて化合物3を調製した。H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ ppm 3.29(2H,br.S.,(O(18)H及びO(33)H))7.16-7.27(4H,m,(C(7)H,C(11)H,C(28)H,C(32)H))7.57-7.67(1H,m,(C(16)H))7.80-7.88(2H,m,(C(10)H及びC(31)H))7.94(2H,d,J=7.63Hz,(C(15)H及びC(17)H)8.57(1H,s,(C(13)H))9.35(2H,s,(C(5)H及びC(25)H)。
実施例4
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化72】
【0262】
実施例1の方法に従って、4-アジドサリチル酸B及び3,6-ジエチニルカルバゾールEを用いて化合物4を調製した。H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ ppm 3.29(2H,br.S.,(O(25)H及びO(40)H))7.16-7.27(4H,m,(C(7)H,C(11)H,C(35)H,C(39)H))7.61(2H,d,J=8.34Hz,(C(10)H及びC(38)H))7.84(2H,d,J=7.87Hz,(C(22)H及びC(24)H))8.02(2H,d,J=8.34Hz,(C(21)H及びC(23)H))8.79(2H,s,(C(13)H及びC(19)H))9.28(2H,s,(C(5)H及びC(32)H))11.53(1H,s,(N(16)H)。
実施例5
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアニリンの合成
【化73】
【0263】
実施例1の方法に従って、4-アジドアニリン塩酸塩F及び3,6-ジエチニルカルバゾールEを用いて化合物5を調製した。
実施例6
4,4’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))二安息香酸の合成
【化74】
【0264】
実施例1の方法に従って4-アジド安息香酸G及び3,6-ジエチニルカルバゾールEを用いて化合物6を調製した。
実施例7
3,6-ビス(1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-9H-カルバゾールの合成
【化75】
【0265】
実施例1の方法に従って4-アジドアニソールH及び3,6-ジエチニルカルバゾールEを用いて化合物7を調製した。
実施例8
ジメチル2,2’-((9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジアセテートの合成
【化76】
【0266】
実施例1の方法に従って、メチルアジドアセテートI及び3,6-ジエチニルカルバゾールEを用いて化合物8を調製した。
実施例9
4,4’-((4-メトキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化77】
【0267】
化合物9の調製は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して4-メトキシ-2,6-ジブロモピリジン及びエチニルトリメチルシランから4-メトキシ-2,6-ジエチニルピリジンJを合成することによって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び化合物Jをクリックすることによって、化合物9の合成を完了した。
実施例10
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化78】
【0268】
化合物10の調製は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して4-シアノ-2,6-ジブロモピリジン及びエチニルトリメチルシランから4-シアノ-2,6-ジエチニルピリジンKを合成することによって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び化合物Kをクリックすることによって、化合物10の合成を完了した。
実施例11
4,4’-((4-ニトロピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化79】
【0269】
化合物11の調製は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して4-ニトロ-2,6-ジブロモピリジン及びエチニルトリメチルシランから4-ニトロ-2,6-ジエチニルピリジンLを合成することによって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び化合物Lをクリックすることによって、化合物11の合成を完了した。
実施例12
5,5’-((4-シアノピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化80】
【0270】
実施例10の方法に従って、5-アジドサリチル酸M及び4-シアノ-2,6-ジエチニルピリジンKを用いて化合物12を調製した。
実施例13
4,4’-((4-メチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化81】
【0271】
化合物13は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して4-メチル-2,6-ジエチニルピリジンNを4-メチル-2,6-ジクロロピリジン及びエチニルトリメチルシランから合成することによって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び4-メチル-2,6-ジエチニルピリジンNをクリックすることによって、化合物11の合成を完了した。
実施例14
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化82】
【0272】
化合物14は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して、エチル2,6-ジブロモピリジン-4-カルボキシレート及びエチニルトリメチルシランからエチル2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートOを合成することによって開始した。実施例1の方法に従って、4-アジドサリチル酸B及びエチル2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートOをクリックすることによって、化合物14の合成を完了した。
実施例15
5,5’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化83】
【0273】
実施例14の方法に従ってクリックした5-アジドサリチル酸M及びエチル2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートOを使用して、化合物15を調製した。
実施例16
4,4’-((4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化84】
【0274】
化合物16は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して、メチル2,6-ジクロロピリジン-4-カルボキシレート及びエチニルトリメチルシランからメチル2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートPを合成することによって開始した。実施例1の方法に従って、4-アジドサリチル酸B及びエチル2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートPをクリックすることによって、化合物16の合成を完了した。
実施例17
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化85】
【0275】
化合物17の合成を、2,6-ジブロモ-4-ピリジンカルボン酸(0.2g、0.71mmol)、DIPEA(0.18g、1.42mmol)及びHATU(0.27g、0.71mmol)をDMF(900μl)中で混合することによって開始した。エチルアミン(0.154ml、1.78mmol)を直ちに添加し、1時間混合した。反応をTLCによって完了させ、酢酸エチル/ヘキサンの勾配を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。N-エチル-2,6-ジブロモ-4-カルボキサミドを黄色固体として収率69%で単離した。実施例16に記載の薗頭法を使用して、エチルトリメチルシランを用いてN-エチル-2,6-ジエチニル-4-カルボキサミドQを調製した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及びN-エチル-2,6-ジエチニル-4-カルボキサミドQをクリックすることによって、化合物17の合成を完了した。
実施例18
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化86】
【0276】
メチルアミンを用いて化合物18を調製して、実施例17の方法に従ってアミドを形成した。
実施例19
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化87】
【0277】
アンモニアを用いて化合物19を調製して、実施例17の方法に従ってアミドを形成した。
実施例20
4,4’-(ピラジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化88】
【0278】
化合物20を、Bhowmick,S.ら(App.Organomet.Chem.31(12):e3824(2017))によって記載された薗頭法を使用して、2,6-ジクロロピラジン及びエチニルトリメチルシランからの2,6-ジエチニルピラジンTの合成によって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び2,6-ジエチニルピラジンTをクリックすることによって化合物20の合成を完了した。
実施例21
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化89】
【0279】
化合物73の合成は、4-アミノ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸の亜硝酸ナトリウム及び硫酸によるジアゾ化から開始し、続いてアジドによる求核置換(Org.Synth.1942,22,96)によって4-アジド-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(U)を形成し、これをフラッシュクロマトグラフィによって精製した。実施例1に従って4-アジド-2-(トリフルオロメチル)安息香酸U及びN-エチル-2,6-ジエチニル-4-カルボキサミドQをクリックすることによって、化合物73の合成を完了した。
実施例22
7,7’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸)の合成
【化90】
【0280】
化合物74の合成は、7-アミノ-2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸を亜硝酸ナトリウム及び硫酸でジアゾ化し、続いてアジドで求核置換して(Org.Synth.1942,22,96)、7-アジド-2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸(V)を形成し、これをフラッシュクロマトグラフィで精製して開始した。実施例1に従って7-アジド-2-ヒドロキシ-1,8-ナフチリジン-4-カルボン酸V及びN-エチル-2,6-ジエチニル-4-カルボキサミドQをクリックすることによって、化合物74の合成を完了した。
実施例23
4-(4-(3-(1-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸の合成
【化91】
【0281】
化合物28の合成を二工程で完了した。まず、実施例3の方法に従って、2,6-ジエチニルベンゼンDを、半分の140イリジン140エトリック量の4-アジドサリチル酸Bでクリックして、4-(4-(3-エチニルフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸を調製した。第2の工程は、実施例1の方法に従って4-アジド安息香酸Gをクリックして、4-(4-(3-(1-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸28を得た。
実施例24
4-(4-(4-シアノピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ安息香酸の合成
【化92】
【0282】
化合物43の調製は、薗頭(Organomet.Chem.,653:46-49(2002).doi:10.1016/s0022-328x(02)01158-0)によって記載される条件を使用して4-シアノ-2-クロロピリジン及びエチニルトリメチルシランから4-シアノ-2-エチニルピリジンWを合成することによって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び化合物Wをクリックすることによって、化合物43の合成を完了した。
実施例25
4,4’-((ピリジン-2,6-ジイル)ビス(5-ヨード-1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化93】
【0283】
化合物31の調製は、Tepperらの方法(Org.Lett.,2015,17(23),pp 5740-574)に従って2,6-ジエチニルピリジンAから2,6-ビス(ヨードエチニル)ピリジンXの合成から開始し、n-ヨードスクシンイミド及び硝酸銀による処理及びフラッシュクロマトグラフィによる単離を含んだ。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び化合物Xをクリックすることによって、化合物31の合成を完了した。
実施例26
4,4’-((3,5-ジメチルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化94】
【0284】
化合物30を、Bhowmick,S.ら(App.Organomet.Chem.31(12):e3824(2017))によって記載された薗頭法を使用して、2,6-ジブロモ-3,5-ジメチルピリジン及びエチニルトリメチルシランからの2,6-ジエチニル-3,5-ジメチルピリジンYの合成によって開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び2,6-ジエチニル-3,5-ジメチルピリジンYをクリックすることによって、化合物30の合成を完了した。
実施例27
4,4’-((9-アセチル-9H-カルバゾール-3,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化95】
【0285】
化合物33は、Bhowmick,S.ら(App.Organomet.Chem.31(12):e3824(2017))によって記載された薗頭法を使用して、9-アセチル-3,6-ジヨードカルバゾール及びエチニルトリメチルシランから9-アセチル-3,6-ジエチニルカルバゾールZを合成することによって開始した。化合物33の合成は、実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び9-アセチル-3,6-ジエチニルカルバゾールZをクリックすることによって完了した。
実施例28
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(N,2-ジヒドロキシベンズアミド)の合成
【化96】
【0286】
化合物34の合成は、DMF(72 ul)中、N-ヒドロキシスクシンイミド4-アジドサリチレート(40mg、0.145mmol)を混合することから開始し、これにヒドロキシルアミン塩酸塩(30mg、0.43mmol)を含む水(72 ul)を添加し、一晩混合した。生成物をTLCによって検出し、反応物を、塩化メチレン及びメチレン144イリジン-MeOHの勾配を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。4-アジド-N,2-ジヒドロキシベンズアミドAAを収率57%で単離した。実施例1の方法に従って4-アジド-N,2-ジヒドロキシベンズアミドAA及び2,6-ジエチニルピリジンAをクリックすることによって、化合物34の合成を完了した。
実施例29
5-(4-(6-(4-(3-カルボキシ-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸の合成
【化97】
【0287】
化合物44の合成は、5-アミノ-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸の亜硝酸ナトリウム及び硫酸によるジアゾ化から開始し、続いてアジドによる求核置換(Org.Synth.1942,22,96)によって5-アジド-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸(BB)を形成し、これをフラッシュクロマトグラフィによって精製した。実施例1に従って、5-アジド-2-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸BBを2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートPでクリックすることによって、化合物44の合成を完了した。
実施例30
4,4’-((4-(ブタ-3-イン-1-イルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化98】
【0288】
化合物47の合成を、2,6-ジブロモ-4-ピリジンカルボン酸(0.2g、0.71mmol)、DIPEA(0.18g、1.42mmol)及びHATU(0.27g、0.71mmol)をDMF(900μl)中で混合することによって開始した。ブチニルアミン(0.154ml、1.78mmol)を直ちに添加し、1時間混合した。反応をTLCによって完了させ、酢酸エチル/ヘキサンの勾配を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製した。N-(ブタ-3-イン-1-イル)-2,6-ジブロモイソニコチンアミドを固体として単離した。実施例16に記載の薗頭法を用いて、エチルトリメチルシランを用いてN-(ブタ-3-イン-1-イル)-2,6-ジエチニルイソニコチンアミドCCを作製した。実施例1の方法に従って、4-アジドサリチル酸B及びN-(ブタ-3-イン-1-イル)-2,6-ジエチニルイソニコチンアミドCCをクリックすることによって、化合物47の合成を完了した。
実施例31
4,4’-(ナフタレン-2,7-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化99】
【0289】
化合物63を、Bhowmick,S.ら(App.Organomet.Chem.31(12):e3824(2017))によって記載された薗頭法を使用して、2,7-ジブロモナフタレン及びエチニルトリメチルシランからの2,7-ジエチニルナフタレンDDの合成から開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び2,7-ジエチニルナフタレンDDをクリックすることによって、化合物63の合成を完了した。
実施例32
4,4’-(ナフタレン-2,3-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化100】
【0290】
化合物64を、Bhowmick,S.ら(App.Organomet.Chem.31(12):e3824(2017)によって記載された薗頭法を使用して、2,3-ジブロモナフタレン及びエチニルトリメチルシランからの2,3-ジエチニルナフタレンEEの合成から開始した。実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及び2,3-ジエチニルナフタレンEEをクリックすることによって、化合物64の合成を完了した。
実施例33
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化101】
【0291】
化合物71を、Bhowmick,S.ら(App.Organomet.Chem.31(12):e3824(2017))によって記載された薗頭法を使用して、2,6-ジブロモ-4-ピリジンカルボン酸及びエチニルトリメチルシランからの2,6-ジエチニル-4-ピリジンカルボン酸の合成によって開始した。2,6-ジエチニル-4-ピリジンカルボン酸をHATU、DIPEA及び1,4-ジアミノブタンで処理して、フラッシュクロマトグラフィによる単離後にN,N’-(ブタン-1,4-ジイル)ビス(2,6-ジエチニルイソニコチンアミド)(FF)を得た。化合物71の合成は、実施例1の方法に従って4-アジドサリチル酸B及びN,N’-(ブタン-1,4-ジイル)ビス(2,6-ジエチニルイソニコチンアミド)(FF)をクリックすることによって完了した。
実施例34
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3,5,6-トリクロロピコリン酸)の合成
【化102】
【0292】
化合物72の合成を、4-アミノ-3,5,6-トリクロロピリジン-2-カルボン酸の亜硝酸ナトリウム及び硫酸によるジアゾ化、引き続いてアジによる求核置換ド(Org.Synth.1942,22,96)によって開始して、4-アジド-3,5,6-トリクロロピリジン-2-カルボン酸(GG)を形成し、これをフラッシュクロマトグラフィによって精製した。実施例1に従って、4-アジド-3,5,6-トリクロロピリジン-2-カルボン酸GGをN-エチル-2,6-ジエチニル-4-カルボキサミドQでクリックすることによって、化合物72の合成を完了した。
実施例35
4,4’-((4-(メチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化103】
【0293】
N-メチル-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドHHを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とメチルアミンとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物79を、ジエチニルHH及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物79の質量分析(ESI負モード):C2716の計算値646.47;実測値:645[M-H]。
実施例36
4,4’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化104】
【0294】
N-モルホリノ-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドIIを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とモルホリンとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物80を、ジエチニルII及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物80の質量分析(ESI負モード):C30H20F6N8O6の計算値702.53;実測値:701.1[M-H+]
実施例37
4,4’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化105】
【0295】
N,N-ジエチルアミノ-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドJJを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とN,N-ジエチルアミンとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物81を、ジエチニルJJ及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物81の質量分析(ESI負モード):C3022の計算値688.55;実測値:687[M+H]
実施例38
4,4’-((4-カルバモイルピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化106】
【0296】
2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドKKを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とアンモニアとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物82を、ジエチニルKK及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物82の質量分析(ESI負モード):C2614の計算値632.44;実測値:631.1[M+H]
実施例39
4,4’-((4-(エトキシカルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化107】
【0297】
エチル-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキシレートO及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して化合物83を作製した。化合物83の質量分析(ESI負モード):C2817の計算値661.48;実測値:659.9[M-H]。
実施例40
4,4’-((4-(アゼチジン-1-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化108】
【0298】
N-アゼチジニル-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドLLを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とアゼチジンとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物84を、ジエチニルLL及びアジドBを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物84の質量分析(ESI負モード):C2720の計算値568.51;実測値:567[M-H]。
実施例41
4,4’-((4-(エチル(メチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化109】
【0299】
N-メチル-N-エチル-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドMMを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とN-メチル-N-エチルアミンとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物85を、ジエチニルMM及びアジドBを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物85の質量分析(ESI負モード):C2722の計算値570.52;実測値:569.1[M-H]。
実施例42
N-エチル-2,6-ビス(1-(4-(2,2,2-トリフルオロアセチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)イソニコチンアミドの合成
【化110】
【0300】
1-(4-アミノフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オンを亜硝酸ナトリウム及び硫酸でジアゾ化し、引き続いてアジドで置換して(Org.Synth.1942,22,96 DOI:10.15227/orgsyn.022.0096)、1-(4-アジドフェニル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-オンNNを形成し、これをフラッシュクロマトグラフィによって精製した。化合物86は、アジドNN及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物86の質量分析(ESI負モード):C2818の計算値628.5;実測値:627[M-H]。
実施例43
4,4’-(ピリジン-2,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化111】
【0301】
化合物87は、アジドU及び2,6-ジエチニルピリジンAを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物87の質量分析(ESI負モード):C2513の計算値589.41;実測値:588.1[M-H]。
実施例44
4,4’-((4-(シクロプロピルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化112】
【0302】
N-シクロプロピルアミド-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドOOを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とシクロプロピルアミンとのHATUカップリングを使用して、実施例17に従って調製した。化合物88を、ジエチニルOO及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物88の質量分析(ESI負モード):C2918の計算値672.50;実測値:671.1[M-H]。
実施例45
4,4’-((4-(ブチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化113】
【0303】
N-ブチルアミド-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドPPを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸と1-アミノブタンとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物89を、ジエチニルPP及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物89の質量分析(ESI負モード):C3022の計算値688.55;実測値:687.1[M-H]。
実施例46
5,5’-((4-(ジエチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化114】
【0304】
5-アミノ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、5-アジド-2-(トリフルオロメチル)安息香酸QQを作製した。化合物90は、アジドQQ及びジエチニルJJを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物90の質量分析(ESI負モード):C3022の計算値688.55;実測値:687.1[M-H]。
実施例47
5,5’-((4-(モルホリン-4-カルボニル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化115】
【0305】
化合物91は、アジドQQ及びジエチニルIIを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物91の質量分析(ESI負モード):C3020の計算値702.53;実測値:701[M-H]。
実施例48
4,4’-(ピリダジン-3,6-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化116】
【0306】
3,6-ジブロモピリダジンを用いて、実施例9に記載の薗頭法に従って、3,6-ジエチニルピリダジンを調製した。化合物92は、アジドB及び3,6-ジエチニルピリダジンを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物92の質量分析(ESI負モード):C2214の計算値486.1;実測値:485[M-H]。
実施例49
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化117】
【0307】
3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、3-アジド-5-(トリフルオロメチル)安息香酸RRを作製した。化合物93は、アジドRR及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物93の質量分析(ESI負モード):C2818の計算値660.49;実測値:659[M-H]。
実施例50
4,4’-((4-カルボキシピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化118】
【0308】
化合物94は、アジドU及び2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸を用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物94の質量分析(ESI負モード):C2613の計算値633.42;実測値:632[M-H]。
実施例51
3,3’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))ジプロピオン酸の合成
【化119】
【0309】
3-(4-アミノフェニル)プロパン酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、3-(4-アジドフェニル)プロパン酸SSを作製した。化合物95は、アジドSS及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物95の質量分析(ESI負モード):C3028の計算値580.61;実測値:579[M-H]。
実施例52
4,4’-(((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(4,1-フェニレン))二酪酸の合成
【化120】
【0310】
4-(4-アミノフェニル)ブタン酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-(4-アジドフェニル)ブタン酸TTを作製した。化合物96は、アジドTT及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物96の質量分析(ESI負モード):C3232の計算値608.66;実測値:607[M-H]。
実施例53
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジフタル酸の合成
【化121】
【0311】
実施例22に従って4-アミノフタル酸のジアゾ化を行い、4-アジドフタル酸UUを作製した。化合物97は、アジドUU及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物97の質量分析(ESI負モード):C2820の計算値612.52;実測値:611.1[M-H]。
実施例54
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メトキシ安息香酸)の合成
【化122】
【0312】
4-アミノ-2-メトキシ安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アジド-2-メトキシ安息香酸VVを作製した。化合物98は、アジドVV及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物98の質量分析(ESI負モード):C2824の計算値584.55;実測値:583[M-H]。
実施例55
5,5’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ジイソフタル酸の合成
【化123】
【0313】
実施例22に従って4-アミノイソフタル酸のジアゾ化を行い、4-アジドイソフタル酸WWを作製した。化合物99は、アジドWW及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物99の質量分析(ESI負モード):C2820の計算値612.52;実測値:611[M-H]。
実施例56
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-ヒドロキシ安息香酸)の合成
【化124】
【0314】
4-アミノ-3-ヒドロキシ安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アジド-3-ヒドロキシ安息香酸XXを作製した。化合物100は、アジドXX及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物100の質量分析(ESI負モード):C2620の計算値556.50;実測値:555.1[M-H]。
実施例57
ジエチル(3-(4-(6-(1-(3-(ジエトキシホスホリル)プロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-4-(エチルカルバモイル)167イリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)プロピル)ホスホネートの合成
【化125】
【0315】
O,O-ジエチル(3-アミノプロピル)ホスホネートのジアゾ化を実施例22に従って行い、O,O-ジエチル(3-アジドプロピル)ホスホネートYYを作製した。化合物101は、アジドYY及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物101の質量分析(ESI負モード):C2642の計算値640.62;実測値:639.3[M-H]。
実施例58
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-メチル安息香酸)の合成
【化126】
【0316】
4-アミノ-2-メチル安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アミノ-2-メチル安息香酸ZZを作製した。化合物102は、アジドZZ及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物102の質量分析(ESI負モード):C2824の計算値552.55;実測値:551.1[M-H]。
実施例59
4,4’-((5-カルボキシ-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化127】
【0317】
化合物103は、アジドQ及び3,5-ジエチニル安息香酸を用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物103の質量分析(ESI負モード):C2714の計算値632.44;実測値:631[M-H]。
実施例60
2,2’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(3-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化128】
【0318】
2-アミノ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、2-アジド-3-(トリフルオロメチル)安息香酸AAAを作製した。化合物104は、アジドAAA及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物104の質量分析(ESI負モード):C2818の計算値660.49;実測値:659[M-H]。
実施例61
4,4’-((4-((2-ヒドロキシエチル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化129】
【0319】
N-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドBBBを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸とアミノエタノールとのHATUカップリングを使用して実施例17に従って調製した。化合物105を、ジエチニルBBB及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物105の質量分析(ESI負モード):C2818の計算値676.49;実測値:675[M-H]。
実施例62
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-ニトロ安息香酸)の合成
【化130】
【0320】
4-アミノ-2-ニトロ安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アジド-2-ニトロ安息香酸CCCを作製した。化合物106は、アジドCCC及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物106の質量分析(ESI負モード):C261810の計算値614.49;実測値:613[M-H]。
実施例63
4,4’-((4-((3,3,3-トリフルオロプロピル)カルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化131】
【0321】
N-(3,3,3-トリフルオロプロピル)-2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボキサミドDDDを、2,6-ジエチニルピリジン-4-カルボン酸と3,3,3-トリフルオロプロパン-1-アミンとのHATUカップリングを用いて実施例17に従って調製した。化合物107を、ジエチニルDDD及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物107の質量分析(ESI負モード):C2917の計算値728.49;実測値:727[M-H]。
実施例64
4,4’,4’’,4’’’-((((ブタン-1,4-ジイルビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(ピリジン-4,2,6-トリイル))テトラキス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))テトラキス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化132】
【0322】
化合物108を、ジエチニルFF及びアジドUを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物108の質量分析(ESI負モード):C5634121610の計算値1318.97;実測値:1316.9[M-H]。
実施例65
(4-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(4-ホスホノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)174イリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)フェニル)ホスホン酸の合成
【化133】
【0323】
(4-アミノフェニル)ホスホン酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、(4-アジドフェニル)ホスホン酸EEEを作製した。化合物109は、アジドEEE及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物109の質量分析(ESI負モード):C2422の計算値596.44;実測値:595[M-H]。
実施例66
2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))二酢酸の合成
【化134】
【0324】
メチル(4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)グリシンFFFを、アジドUをメチルグリシネートとカップリングさせて実施例17に記載されるHATU縮合方法に従って調製した。メチルエステルFFFを1N NaOHでけん化した後、中和して、(4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)グリシンGGGを得た。化合物110を、ジエチニルQ及びアジドGGGを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物110の質量分析(ESI負モード):C322410の計算値774.60;実測値:773[M-H]。
実施例67
ジメチル2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジアセテートの合成
【化135】
【0325】
化合物111は、アジドFFF及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物111の質量分析(ESI負モード):C342810の計算値802.65;実測値:801.1[M-H]。
実施例68
(2S,2’S)-2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ジコハク酸の合成
【化136】
【0326】
(4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)アスパルテートHHHを、アジドUをジメチルアスパルテートとカップリングさせて実施例17に記載されるHATU縮合方法に従って調製して、ジメチル(4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)アスパルテートを得た。ジメチルエステルを1N NaOHでけん化した後、中和してHHHを得た。化合物112を、ジエチニルQ及びアジドHHHを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物112の質量分析(ESI負モード):C36281011の計算値890.67;実測値:889[M-H]。
実施例69
2,2’-((2,2’-((4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル)ビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル))ビス(アザンジイル))ビス(アセチル))ビス(アザンジイル))二酢酸の合成
【化137】
【0327】
(4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)グリシルグリシンIIIを、アジドUをメチル-グリシルグリシネートとカップリングさせて実施例17に記載のHATU縮合方法に従って調製した。メチルエステルを1N NaOHでけん化した後、中和して、(4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル)-グリシルグリシンIIIを得た。化合物113を、ジエチニルQ及びアジドIIIを用いて実施例1の銅クリック法を使用して、作製した。化合物113の質量分析(ESI負モード):C363012の計算値888.70;実測値:887[M-H]。
実施例70
2,6-ビス(1-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-エチルイソニコチンアミドの合成
【化138】
【0328】
4-アミノ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルのジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アジド-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルJJJを作製した。化合物114は、アジドJJJ及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物114の質量分析(ESI負モード):C281610Oの計算値622.50;実測値:621[M-H]。
実施例71
4,4’-((5-カルボキシ-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化139】
【0329】
3,5-ジアミノ安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、3,5-ジアジド安息香酸KKKを得た。4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸を用いて、実施例9に記載の薗頭法に従って、4-エチル-2-(トリフルオロメチル)安息香酸LLLを調製した。化合物115は、ビス-アジドKKK及びモノ-エチニルLLLを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物115の質量分析(ESI負モード):C2714の計算値632.44;実測値:631[M-H]。
実施例72
4,4’-((5-(エチルカルバモイル)-1,3-フェニレン)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-1,4-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
【化140】
【0330】
3,5-ジアジド-N-エチルベンズアミドMMMを、ビス-アジド酸KKKをエチルアミンとカップリングさせて実施例17に記載のHATU縮合方法に従って調製した。化合物116を、モノエチニルLLL及びビスアジドMMMを使用して、実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物116の質量分析(ESI負モード):C2919の計算値659.51;実測値:658.1[M-H]。
実施例73
4,4’-(チオフェン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化141】
【0331】
2,5-ジブロモチオフェンを用いて、実施例9に記載の薗頭法に従って、2,5-ジエチニルチオフェンNNNを調製した。化合物117は、アジドU及びジエチニルNNNを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物117の質量分析(ESI負モード):C2412の計算値594.45;実測値:593[M-H]。
実施例74
4,4’-(フラン-2,5-ジイルビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-(トリフルオロメチル)安息香酸)の合成
【化142】
【0332】
2,5-ジブロモフランを用いて、実施例9に記載の薗頭法に従って、2,5-ジエチニルフランOOOを調製した。化合物118は、アジドU及びジエチニルOOOを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物118の質量分析(ESI負モード):C2412の計算値578.39;実測値:577[M-H]。
実施例75
3’-(4-(4-(エチルカルバモイル)-6-(1-(3’-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸-二酸化炭素(1/1)の合成
【化143】
【0333】
メチル4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾアート(142mg、0.5mmol)、3-アミノフェニルボロン酸(137mg、1mmol)、Pd(PPhCl(35mg、0.1mmol)及びKCO(138mg、2mmol)を混合して3’-アミノ-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸の合成を開始し、メタノール(2ml)を添加した。溶液を45Cで1.5時間加熱した。メタノールを蒸発によって除去した。残留固体をジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、EtOAc/ヘキサン移動相で溶出するReveleris Prepを使用してシリカクロマトグラフィによって精製した。適切な画分をUVに基づいて回収し、蒸発させて、メチル3’-アミノ-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボキシレート(101mg、収率68%)を得た。
【0334】
メチル3’-アミノ-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボキシレートのジアゾ化を実施例22に従って行い、メチル3’-アジド-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボキシレートを作製した。メチルエステルをKOHでけん化し、0.25 HClで中和し、EtOAcで回収して、3’-アジド-3-(トリフルオロメチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボン酸PPPを得た。化合物119は、アジドPPP及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物119の質量分析(ESI負モード):C4026の計算値は812.69。
実施例76
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-シアノ安息香酸)の合成
【化144】
【0335】
4-アミノ-2-シアノ安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アジド-2-シアノ安息香酸QQQを作製した。化合物120は、アジドQQQ及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物120の質量分析(ESI負モード):C281810の計算値は574.50。
実施例77
4,4’-((4-(エチルカルバモイル)ピリジン-2,6-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2-クロロ安息香酸)の合成
【化145】
【0336】
4-アミノ-2-クロロ安息香酸のジアゾ化を実施例22に従って行い、4-アジド-2-クロロ安息香酸RRRを作製した。化合物121は、アジドRRR及びジエチニルQを用いて実施例1の銅クリック法を使用して作製した。化合物121の質量分析(ESI負モード):C2618Clの計算値は593.38。
実施例78
XNTP重合の増強のためのPEMのスクリーニング
【0337】
本発明者らによって開発された拡張による配列決定(SBX)方法論は、ネイティブDNAと比較して、Xpandomerの配列リード効率及び精度における著しい性能向上を提供する。しかしながら、天然のDNA鋳型の配列の測定可能なXpandomerへの最初の転写は、基質としてXNTPを利用するDNAポリメラーゼの能力に依存する(XNTPの一般化された構造が、図1A及び図2を参照して本明細書において論じられる)。本発明者らは、ほとんどのDNAポリメラーゼがXNTPを効率的に重合しないことを見出した。XpandomerへのXNTP重合の効率及び精度を改善するために、XNTPを基質として用いて、DNAポリメラーゼプライマー伸長反応を増強する能力について、いくつかのPEMをスクリーニングした。
【0338】
代表的なプライマー伸長反応は、以下の試薬を含み得る。2pmolのプライマー、2.2pmolの45merのオリゴヌクレオチド鋳型、50pmolの各XNTP(XATP、XCTP、XGTP及びXTTP)、50Mm Tris HCl(Ph 6.79)、200 Mm NaCl、20% PEG、5% NMS、0.5nmolポリリン酸60.19、0.3Mm MnCl2及び0.6μgの精製組換えDNAポリメラーゼタンパク質。反応は、23℃で1時間行ってもよい。反応産物(すなわち、拘束されたXpandomer)を処理してホスホルアミデート結合を切断し、それにより、線状化Xpandomerを生成する。異なる長さのXpandomer産物を分解及び可視化するために、反応産物は、4~12%アクリルアミドゲル上でゲル電気泳動を使用して分析され得る。上記のPEMスクリーニングのために、PEMを典型的にはマイクロからミリモルの範囲で試験した。
【0339】
驚くべきことに、いくつかのPEMは、XNTPによるDNAポリメラーゼ媒介プライマー伸長を有意かつ再現性よく増強することが観察された。この増強を実証する代表的なゲルを図4及び図5に示す。図4を参照すると、レーン1(PEM添加剤なし)で分かるように、DNAポリメラーゼは、これらの条件下で最大約14個のXNTPのみによって鋳型結合プライマーを伸長させる。しかし、プライマー伸長反応に特定のPEMを加えることにより、例えばレーン3(化合物4)7(化合物3)及び9(化合物1)で見られるように、ポリメラーゼがかなり長い伸長産物を合成することが可能になる。対照的に、いくつかの異なる芳香族化合物は、XNTP重合にほとんど又は全く影響を及ぼさず(例えば、レーン2、4~6、及び8を参照)、PEM活性が化合物1、3及び4に特異的であることを示した。
【0340】
同様に、図5を参照すると、PEM添加剤の非存在下では、DNAポリメラーゼはXNTPによる中程度のプライマー伸長活性を示す(レーン1、PEM添加剤なし)が、様々な濃度の化合物2の添加(レーン8~10)により、プライマー伸長活性が有意に増強される。やはり、このPEM活性は、他の無関係な芳香族化合物が影響を及ぼさなかったので(レーン2~7)、化合物2に特異的である。
実施例79
PEMは、拡張による配列決定(SBX)を増強する
【0341】
XNTP重合のPEM依存性の増強の精度を調べるために、プライマー伸長産物を、SBXプロトコルを使用して配列決定した。簡潔には、XNTP重合の拘束されたXpandomer産物を切断して、線状化Xpandomerを生成する。これは、最初に、100Mm EDTA、2 Mm THPTA及び2% Tween-20を含有する溶液で伸長反応をクエンチすることによって達成される。次いで、試料をDMF中の1M NaHCO及び1M無水コハク酸の溶液でアミン修飾する。ホスホルアミデート結合の切断を37% HClで行い、線状化XpandomerをQIAquickカラム(QIAGEN,Inc.)で精製する。
【0342】
配列決定のために、2M NHCl及び100Mm HEPES(Ph7.4)を含有する緩衝液B1中のDphPE/ヘキサデカン二重層メンバーにα-溶血素を挿入することによって、タンパク質ナノポアを調製する。シスウェルを、0.4M NHCl、0.6M GuCl、及び100Mm HEPES、Ph7.4を含有する緩衝液B2で灌流する。Xpandomer試料を70℃に2分間加熱し、完全に冷却し、次いで、試料2μLをシスウェルに添加する。次いで、90Mv/390Mv/10μsの電圧パルスを印加し、Labview取得ソフトウェアを用いてデータを取得する。
【0343】
配列データは、単一のSBX反応からの配列リードの集団のヒストグラム表示によって分析される。解析ソフトウェアは、各配列リードを鋳型の配列に整列し、正しい鋳型配列と整列しないリードの末端の配列の範囲をトリミングする。45mer鋳型のSBX配列決定の代表的なヒストグラムを図6A(添加剤なしの対照)及び図6B(PEM化合物1の存在下でのSBX)に示す。図から分かるように、化合物1の非存在下では、配列リードは、鋳型の塩基18付近を超えて正確ではない。注目すべきことに、化合物1のSBX反応への添加は、45mer鋳型の全長にわたって配列リードの精度を高めた。
【0344】
これらの結果は、PEM化合物1がさらに長い鋳型のSBXを増強する能力を試験するためのさらなる実験を着想させた。図7A及び7Bは、それぞれ60mer及び80mer鋳型のSBX配列決定のヒストグラムを示す。驚くべきことに、化合物1は、これらのより長い鋳型のそれぞれの最後まで正確な配列リードを完全に可能にした。これらの結果は、SBXがナノポアベースの核酸配列情報を提供する能力を強力に増加させる新規PEMによるXNTP重合活性のロバストかつ正確な増強を実証する。
実施例80
PEMは長鎖Xpandomer産物の合成を可能にする
【0345】
最大80ヌクレオチド長の鋳型をXpandomerに正確に複製することが成功した後、88、127、227及び277ヌクレオチド長からなる4つのより長い鋳型を使用してXNTP重合反応を行った。C4552(配列番号1)と呼ばれるDPO4 DNAポリメラーゼのバリアントをこれらの重合反応に使用し、反応条件をPEM化合物1の存在下でC4552活性に最適化した。他の適切なDPO4ポリメラーゼバリアントには、配列番号2~5のものが含まれるが、これらに限定されない。1Mmの化合物1に加えて、反応添加剤は、1Mmの尿素及び2.75μgの一本鎖結合タンパク質(Eco SSB)を含んだ。伸長反応を、0.85pmolの鋳型、0.5pmolのオリゴヌクレオチドプライマー及び1nmolの各XNTPを用いて10μLの最終容量で行った。反応は、5% NMSと、3又は4nmolのポリリン酸PP-60.20と、2Mm MnClとを補充した50MmトリスCl(Ph 8.84)、200Mm NHOac及び20% PEG8Kからなる緩衝液中で行われた。1.2μgの精製組換えDNAポリメラーゼタンパク質を各伸長反応に使用し、反応を23℃で1~2時間実行した。より長い鋳型を使用した代表的な伸長反応の結果を図8に示す。特に、化合物1の存在下で、ポリメラーゼはXNTPを重合して、88(レーン1及び6)~277(レーン5及び10)ヌクレオチド長の範囲で、それぞれ、より長い鋳型の完全なXpandomerコピーを生成することができた。レーン1~5及び6~10は、レーン1~5では3nmol、レーン6~10では4nmolであったPP-60.20添加剤の量を除いて、同一の伸長反応を表す。これらの結果は、DNAポリメラーゼによる非天然の高度に置換されたヌクレオチド類似体の重合を必要とする反応において化合物1によってもたらされる驚くべき利点を強調しており、この化合物並びに他のPEMが、SBX配列決定プロトコルの可能性を大幅に拡張することができることを示唆している。
実施例81
次世代PEMはXNTPの重合を増強し、長鎖Xpandomer産物を生成する
【0346】
PEM化合物1で観察された有利な特性に基づいて、分子の水溶性を含むがこれに限定されない特定の特性を改善する目的で、次世代のPEM化合物を設計した。代表的な次世代PEM構造は、実施例9~34及び表7に記載されている。
【0347】
化合物9~11のPEM活性を、HIV1、2及び3ゲノムに由来する3つの100mer鋳型を使用したプライマー伸長アッセイで試験した。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:75 MmのトリスCl(Ph 8.44)、175 MmのNHOac、20%のPEG8K、5%のNMS、0.8nmolのPP-60.20、0.6 MmのMnCl、2.3μgのTth一本鎖結合タンパク質(SSB)、0.5M又は1Mの尿素、200pmolの各XNTP、1.1pmolの鋳型、1pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μgの精製組換えC4552 DNAポリメラーゼ、及び0.5 MmのPEM。10μLのプライマー伸長反応を23℃で30分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。プライマー伸長産物を示す代表的なゲルを図9に示す。レーン1(HIV1鋳型)、レーン2(HIV2鋳型)及びレーン4(HIV3テンプレート、SSBなし及び1M尿素)に示されるように、化合物1は、3つの異なる100mer鋳型の全長XpandomerコピーへのXNTPの重合を可能にする(100merのゲル移動位置を矢印によって示した)。同様に、化合物9(レーン13~16)、化合物10(レーン9~12)及び化合物11(レーン5~8)のそれぞれは、3つの異なる100mer鋳型のそれぞれに対して、化合物1と少なくとも同程度に効率的にXNTP重合を可能にする。これらの結果は、PEM活性が、水溶性などの化合物の様々な物理化学的特性を増加させることによって最適化され得ることを示唆している。
【0348】
化合物12のPEM活性を、HIV2の100mer鋳型を使用したプライマー伸長アッセイで試験した。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:50 MmのトリスCl、200 MmのNHOac、20%のPEG8K、5%のNMS、0.6nmolのPP-60.20、0.6 MmのMnCl、2.75 μg/μlのEco一本鎖結合タンパク質(SSB)、1Mの尿素、50pmolの各XNTP、1.1pmolの鋳型、1pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μg/μlの精製組換えC4760 DNAポリメラーゼ(配列番号2)及び0.5、1又は1.5 MmのPEM。10μLのプライマー伸長反応を23℃で30分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。プライマー伸長産物を示す代表的なゲルを図10に示す。レーン5(0.5 MmのPEM)、レーン6(1 MmのPEM)及びレーン7(1.5 MmのPEM)に示されるように、化合物12は、化合物10(レーン1)のものに匹敵する様式で、100mer鋳型の全長XpandomerコピーへのXNTPの重合を可能にする(100merのゲル移動位置を矢印によって示した)。レーン2~4は、ロバストなPEM活性を欠いている構造的に関連する添加剤による反応からのプライマー伸長産物を示す。これらの結果は、PEM活性が非常に特異的な化学構造によって決定され得ることを示唆している。
【0349】
化合物13及び14のPEM活性を、HIV2の100mer鋳型を使用したプライマー伸長アッセイで試験した。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:50 MmのトリスCl、200 MmのNHOac、20%のPEG8K、5%のNMS、0.6nmolのPP-60.20、0.6 MmのMnCl、2.75 μg/μlのEco一本鎖結合タンパク質(SSB)、1Mの尿素、50pmolの各XNTP、1.1pmolの鋳型、1pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μg/μlの精製組換えC4760 DNAポリメラーゼ(DPO4のバリアント、配列番号2を参照)及び0.5、1、1.52又は2.5 MmのPEM。10μLのプライマー伸長反応を23℃で30分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。プライマー伸長産物を示す代表的なゲルを図11に示す(全長HIV2 100merの位置を矢印で示す)。レーン5~7(様々な濃度の化合物14)及び8~10(様々な濃度の化合物13)に示すように、これらの次世代PEMのそれぞれは、化合物10(レーン1~4)の様式に匹敵する様式で、100mer鋳型の全長XpandomerコピーへのXNTPの重合を可能にする。
【0350】
化合物15のPEM活性を、411merのアンプリコン鋳型を使用したプライマー伸長アッセイで試験した。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:50 MmのトリスCl、200 MmのNHOac、20%のPEG8K、5%のNMS、3nmolのPP-60.20、2 MmのMnCl、2μgのKod一本鎖結合タンパク質(SSB)、1Mの尿素、250pmolの各XNTP、1pmolの鋳型、1pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μgの精製組換えC4760 DNAポリメラーゼ(DPO4のバリアント、配列番号2を参照)、及び、2(レーン2)又は3(レーン3)MmのPEM。10μLのプライマー伸長反応を37℃で20分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。プライマー伸長産物を示す代表的なゲルを図12に示す(277merの位置を矢印で示す)。レーン2及び3(2つの異なる濃度の化合物15)に示すように、この次世代PEMは、化合物14(レーン1)のものに匹敵する方法で、411mer鋳型の長いXpandomerコピーへのXNTPの重合することを可能にする。注目すべきことに、ポリメラーゼは、これらの長いXpandomer産物を合成することができるように、反応へのPEMの添加に完全に依存している。様々な反応パラメータ、例えば、伸長時間及び/又は様々な添加剤の濃度を最適化することによって、さらに長い伸長産物を得ることができる。
【0351】
化合物16、17、及び18並びにそれらの組み合わせのPEM活性を、HIV2由来100mer鋳型を使用したプライマー伸長アッセイで試験した。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:50 MmのトリスCl、200 MmのNHOac、20%又は25%のPEG8K、5%のNMS、0.6nmolのPP-60.20、0.6 MmのMnCl、2μgのKod一本鎖結合タンパク質(SSB)、1Mの尿素、50pmolの各XNTP、1pmolの鋳型、1pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μgの精製組換えC4760 DNAポリメラーゼ(DPO4のバリアント、配列番号2を参照)及び0.5~2MmのPEM。10μLのプライマー伸長反応を37℃で30分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。プライマー伸長産物を示す代表的なゲルを図13に示す(100mer産物の位置を矢印で示す)。レーン2(2 Mmの化合物16)及びレーン3~6(0.5、1、2、3 Mmの化合物17)に示されるように、これらの次世代PEMは、化合物14(レーン1)のものに匹敵する様式で、100mer鋳型の長いXpandomerコピーへのXNTPの重合を可能にする。さらに、2 Mmの化合物14と0.1 Mm(レーン7)又は0.3 Mm(レーン8及び9)の化合物17の組み合わせもまた、100mer鋳型の長いXpandomerコピーへのXNTPの重合を可能にし、PEMの組み合わせがより低用量の各個々のPEMの使用を可能にし得ることを示している。同様に、2 Mmの化合物16と0.1 Mm(レーン10)又は0.3 Mm(レーン11及び12)の化合物18の組み合わせもまた、100mer鋳型の全長コピーへのXNTPSの重合を可能にするために、より低用量の各個々のPEMの使用を可能にするように見えた。
【0352】
化合物19のPEM活性を、411merのアンプリコン鋳型を使用したプライマー伸長アッセイで試験した。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:50 MmのトリスCl、200 MmのNHOac、20%のPEG8K、5%のNMS、3nmolのPP-60.20、2 MmのMnCl、2μgのKod一本鎖結合タンパク質(SSB)、1Mの尿素、250pmolの各XNTP、0.5pmolの鋳型、0.5pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μgの精製組換えC4760 DNAポリメラーゼ(DPO4のバリアント、配列番号2を参照)、及び、0.5(レーン2)、1(レーン3)、又は1.5 Mm(レーン4)のPEM。10μLのプライマー伸長反応を37℃で30分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。プライマー伸長産物を示す代表的なゲルを図14に示す(277mer産物の位置を矢印で示す)。レーン2~4に示すように、この次世代PEMは、化合物14(レーン1)よりも効率が低い方法ではあるが、411mer鋳型の長いXpandomerコピーへのXNTPの重合を可能にする。これらの結果は、PEM活性がPEMの構造及び/又は鋳型の長さに特異的であり得ることを示唆している。
実施例82
第3世代PEM化合物
【0353】
PEM構造とポリメラーゼ増強活性との間の関係をさらに調査するために、並びに様々な物理化学的特性を最適化するために、本明細書、例えば表1(化合物79~118)及び実施例35~74に記載されるように、PEM化合物の「第3世代」を合成した。これらのPEMを、以下の長さのDNA鋳型を使用してプライマー伸長反応において試験した:A)45mer;B)100mer;C)150mer;及びD)222mer。プライマー伸長反応を実施例77及び78に記載される条件に匹敵する条件下で行い、伸長産物をゲル電気泳動によって同様に分析した。PEM活性を示す第3世代化合物の予備的な機能的特徴を以下の表2に要約する。
【表2】
PEM活性の概要
実施例83
PEMはRNAテンプレートのXPANDOMERコピーの合成を可能にする
多様なポリメラーゼ反応を増強するPEMの可能性を調査し始めるために、DNAポリメラーゼがRNAを鋳型として利用することを可能にするPEMSの能力を試験した。表Iに示されるいくつかの化合物の初期スクリーニングを、HIV2ゲノム配列に由来する45merのRNA鋳型を使用して行った。プライマー伸長反応には以下の試薬が含まれていた:50 MmのトリスCl、200 MmのNHOac、20%のPEG8K、5%のNMS、0.6nmolのPP-60.20、0.6 MmのMnCl、2μgのKod一本鎖結合タンパク質(SSB)、1Mの尿素、50pmolの各XNTP、0.5pmolの鋳型、0.5pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、1.2μgの精製組換えC4760 DNAポリメラーゼ(DPO4のバリアント、配列番号2を参照)及び2MmのPEM。10μLのプライマー伸長反応を37℃で30分間行い、反応産物をゲル電気泳動によって分析した。驚くべきことに、いくつかの化合物がRNA鋳型に対してPEM活性を示すことが見出された。これらのRNA PEMには以下の化合物が含まれる:化合物51、73、49、17、75、76、93、105、106、110、116、及び118。これらの結果は、特定のPEMがRNA鋳型の拡張によって配列決定を可能にするのに有用であり得ることを示唆している。
【0354】
2019年6月26日に出願された米国仮特許出願第62/867,049号を含むがこれらに限定されない、本明細書で言及された及び/又は出願データシートに列挙された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許刊行物は全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。そのような文献は、例えば、本明細書に記載された発明に関連して使用され得る刊行物に記載された材料及び方法論を説明及び開示する目的で、参照により組み込まれ得る。上記及び本文全体で説明されている刊行物は、本出願の出願日より前の開示のためにのみ提供されている。本明細書中のいかなるものも、本開示が先行発明によってそのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【配列表】
2022539701000001.app
【国際調査報告】