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2022-539704動画像データをコーディングする装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】動画像データをコーディングする装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/503 20140101AFI20220906BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20220906BHJP
【FI】
H04N19/503
H04N19/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576585
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2020097121
(87)【国際公開番号】W WO2020259411
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/865,443
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/884,335
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】テン,チユ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユチァオ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ポハン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA05
5C159MA12
5C159NN10
5C159NN11
5C159NN28
5C159RC11
5C159RC16
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
電子装置によってビットストリームを復号する方法が提供される。ブロック単位は、ビットストリームから受信した画像フレームから決定される。第1の参照フレームを選択するための第1のリストフラグを有する第1の動き情報、及び第2の参照フレームを選択するための第2のリストフラグを有する第2の動き情報は、ブロック単位を再構成するための候補リストから受信される。第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、2つのリストフラグとは異なるフラグ値によって示される参照リストに、第1及び第2の参照フレームが含まれているかどうかを検査することなく、ブロック単位内で決定されたサブブロックのための第1及び第2の動き情報の内の予め定められた一方が格納される。後続ブロックがサブブロックに基づいて再構成されるとき、後続ブロックは、格納された動き情報に基づいて再構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置によってビットストリームを復号する方法であって、前記方法は、
前記ビットストリームの画像フレームを受信する工程、
前記受信した画像フレームからブロック単位を決定する工程、
候補リストから第1の動き情報及び第2の動き情報を受信し、前記ブロック単位を再構成する工程であって、前記第1の動き情報は、第1の参照フレームを選択するための第1のリストフラグを含み、前記第2の動き情報は、第2の参照フレームを選択するための第2のリストフラグを含む工程、
前記ブロック単位内のサブブロックを決定する工程、
前記第1のリストフラグを前記第2のリストフラグと比較する工程、
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと一致するとき、前記第1のリストフラグ及び前記第2のフラグとは異なる複数のフラグ値の内の特定の1つによって示された複数の参照リストの内の特定の1つに、前記第1の参照フレーム及び前記第2の参照フレームが含まれているかどうかを検査することなく、前記サブブロックのための格納された動き情報として、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納する工程、及び
前記サブブロックに基づいて後続ブロックが再構成されるとき、前記格納された動き情報に基づいて当該後続ブロックを再構成する工程、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記ブロック単位の分割線を決定する工程、及び
前記分割線に基づいて分割された複数のブロック領域の内の特定の1つに、前記サブブロックが含まれるかどうかを判定する工程、
を更に含み、
前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つは、前記分割線をカバーし、
前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記第1のリストフラグを前記第2のリストフラグと比較する工程が行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の動き情報に関連する前記複数のブロック領域の最初の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第1の動き情報を格納する工程、及び
前記第2の動き情報に関連する前記複数のブロック領域の2番目の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第2の動き情報を格納する工程、
を更に含み、
前記複数のブロック領域の前記最初の1つ及び前記複数のブロック領域の前記2番目の1つの各々は、前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つと異なる、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の内の前記予め定められた一方は、前記第2の動き情報である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと一致し、及び前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記2つのリストフラグとは異なる前記複数のフラグ値の前記特定の1つによって示される前記複数の参照リストの前記特定の1つに、前記2つの参照フレームが含まれるかどうかを検査することなく、前記サブブロックのための格納された動き情報として、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の前記予め定められた一方を格納する工程、並びに
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと異なり、及び前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記第1の動き情報と前記第2の動き情報を、前記サブブロックのための格納された動き情報として、共に格納する工程、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の参照リストの数が2に等しく、及び前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと一致するとき、前記複数のフラグ値の前記特定の1つによって示される前記複数の参照リストの前記特定の1つは、前記第1のリストフラグによって示される前記複数の参照リストの他の1つと異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ビットストリームを復号するための電子装置であって、前記電子装置は、
少なくとも1つのプロセッサ、並びに
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、及び前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記ビットストリームの画像フレームを受信すること、
前記受信した画像フレームからブロック単位を決定すること、
候補リストから、第1の動き情報及び第2の動き情報を受信し、前記ブロック単位を再構成することであって、第1の動き情報が第1の参照フレームを選択するための第1のリストフラグを含み、及び第2の動き情報が第2の参照フレームを選択するための第2のリストフラグを含むこと、
前記ブロック単位内のサブブロックを決定すること、
前記第2のリストフラグを用いて前記第1のリストフラグを比較すること、
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと一致するとき、前記第1のリストフラグ及び前記第2のフラグとは異なる複数のフラグ値の特定の1つによって示された複数の参照リストの予め定められた一方に、前記第1の参照フレーム及び前記第2の参照フレームが含まれているかどうかを検査することなく、前記サブブロックのための格納された動き情報として、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納すること、及び
後続ブロックが前記サブブロックに基づいて再構成されるとき、前記格納された動き情報に基づいて後続ブロックを再構成すること、
という命令である、複数の命令を格納する記録装置、
を含む電子装置。
【請求項8】
前記複数の命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、
前記ブロック単位の分割線を決定すること、及び
前記分割線に基づいて分割された複数のブロック領域の内の特定の1つに、前記サブブロックが含まれるかどうかを判定すること、
を前記少なくとも1つのプロセッサに更に引き起こし、
前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つは、前記分割線をカバーする、及び
前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記第1のリストフラグは、前記第2のリストフラグと比較される、
請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記複数の命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、
前記第1の動き情報に関連する前記複数のブロック領域の最初の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第1の動き情報を格納すること、及び
前記第2の動き情報に関連する前記複数のブロック領域の2番目の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第2の動き情報を格納すること、
を前記少なくとも1つのプロセッサに更に引き起こし、
前記複数のブロック領域の前記最初の1つ及び前記複数のブロック領域の前記2番目の1つの各々は、前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つとは異なる、
請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の内の前記予め定められた一方は、前記第2の動き情報である、請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記複数の命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと一致し、及び前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記2つのリストフラグとは異なる前記複数のフラグ値の前記特定の1つによって示される前記複数の参照リストの前記特定の1つに、前記2つの参照フレームが含まれるかどうかを検査することなく、前記サブブロックに格納された動き情報として、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の前記予め定められた一方を格納すること、並びに、
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと異なり、及び前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報を、前記サブブロックのための格納された動き情報として、共に格納すること、
を前記少なくとも1つのプロセッサに更に引き起こす、
請求項8に記載の電子装置。
【請求項12】
電子装置によってビットストリームを復号する方法であって、前記方法は、
前記ビットストリームの画像フレームを受信する工程、
前記受信した画像フレームからブロック単位を決定する工程、
前記ブロック単位の分割線を決定する工程、
第1の動き情報が第1のリストフラグを含み、及び第2の動き情報が第2のリストフラグを含み、候補リストから第1の動き情報及び第2の動き情報を受信し、前記ブロック単位を再構成する工程、
前記ブロック単位内のサブブロックを決定する工程、
前記複数のブロック領域の内の特定の1つが前記分割線をカバーし前記分割線に基づいて分割された複数のブロック領域の内の特定の1つの中に、前記サブブロックが含まれるかどうかを判定する工程、
前記第1のリストフラグと前記第2のリストフラグとの比較のみに基づき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報が共に格納されたかどうかを判定する工程、並びに、
後続ブロックが前記サブブロックに基づいて再構成されるとき、前記格納された動き情報に基づいて後続ブロックを再構成する工程、
を含む方法。
【請求項13】
前記方法は、
前記第1の動き情報に関連する前記複数のブロック領域の最初の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第1の動き情報を格納する工程、及び
前記第2の動き情報に関連する前記複数のブロック領域の2番目の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第2の動き情報を格納する工程、
を更に含み、
前記複数のブロック領域の前記最初の1つ及び前記複数のブロック領域の前記2番目の1つの各々は、前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つと異なる、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグに等しく、及び前記複数のブロック領域の内の前記特定の1つに、前記サブブロックが含まれるとき、前記サブブロックのための格納された動き情報として前記第2の動き情報を格納する工程、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ブロック単位は、前記後続ブロックを再構成する前に再構成される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと異なるとき、前記第1の動き情報と前記第2の動き情報を、共に前記サブブロックのための前記格納された動き情報として格納する工程、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のリストフラグが前記第2のリストフラグと等しいとき、前記第1のリストフラグに基づいて選択された前記第1の参照フレーム及び前記第2のリストフラグに基づいて選択された前記第2の参照フレームが、前記第1のリストフラグとは異なる複数のフラグ値の特定の1つによって示された複数の参照リストの特定の1つに含まれているかどうかを検査することなく、前記サブブロックのための前記格納された動き情報として、前記第1の動き情報及び前記第2の動き情報の内の予め定められた一方が格納される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本開示は、2019年6月24日に出願された米国仮特許出願第62/865443号”Motion Storing Process for Triangle Partition Prediction and Reference Sampling Process for Linear Model”(以下「’443仮」という)及び2019年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/884335号”High Level Syntax of Affine Related Mode and Sample Selection of Linear Model”(以下「’335仮」という)の利益及び優先権を主張する。’443仮及び’335仮の開示は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
〔分野〕
本開示は一般に、動画像コーディングに関し、より詳細には、複数の後続ブロックを予測するために、画像フレーム内のブロック単位の動き情報を格納するための技術に関する。
【0003】
〔背景〕
三角形分割モード及び幾何学的分割モードは、動画像コーディング方法におけるコーディングツールである。三角形分割モード及び幾何学的分割モードにおいて、エンコーダは、ブロック単位を予測するために複数のマージ候補の内の2つを選択し、選択されたマージ候補を認識するためのデコーダに2つのマージインデックスをビットストリーム内に提供することができる。
【0004】
エンコーダ及びデコーダは、画像フレーム内のブロック単位を分割し、複数のサブブロックを生成し、複数の後続ブロックを予測するためのそれらのバッファ内のサブブロックのそれぞれのための2つのマージ候補の内の少なくとも1つを格納することができる。しかしながら、三角形分割モード及び幾何学的分割モードにおいて、ブロック単位内の複数のブロックコンポーネントの内のいくつかは、2つのマージ候補の内の1つのみに基づいて予測され、他は、2つのマージ候補の両方に基づいて予測されることができる。2つのマージ候補の両方に基づいて予測されたサブブロックのそれぞれのために2つのマージ候補が格納される場合、格納された動作候補は、以下の予測にとって複雑すぎる可能性がある。
【0005】
〔概要〕
本開示は、少なくとも1つのコンポーネントベクトルを閾値と比較することによって、初期の予測結果への調節を無効にするための装置及び方法に関する。
【0006】
本開示の第1の態様において、ビットストリームを復号するための方法、及び本方法を実行するための電子装置は、提供される。本方法は、ビットストリームの画像フレームを受信する工程、受信した画像フレームからブロック単位を決定する工程、第1の動き情報は、第1の参照フレームを選択するための第1のリストフラグを含み、第2の動き情報は、第2の参照フレームを選択するための第2のリストフラグを含み、候補リストから第1の動き情報及び第2の動き情報を受信し、ブロック単位を再構成する工程、ブロック単位内のサブブロックを決定する工程、第1のリストフラグを第2のリストフラグと比較する工程、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、第1の参照フレーム及び第2の参照フレームが、第1のリストフラグ及び第2のリストフラグとは異なる複数のフラグ値の特定の1つによって示された複数の参照リストの予め定められた一方に含まれるかどうかを検査することなく、サブブロックのための格納された動き情報として、第1のリストフラグ及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納する工程、及び後続ブロックがサブブロックに基づいて再構成されるとき、格納された動き情報に基づいて後続ブロックを再構成する工程を備える。
【0007】
本開示の第2の態様において、ビットストリームを復号するための方法、及び本方法を実行するための電子装置は、提供される。本方法は、ビットストリームの画像フレームを受信すること、受信した画像フレームからブロック単位を決定すること、ブロック単位の分割線を決定すること、第1の動き情報が第1のリストフラグを含み、第2の動き情報が第2のリストフラグを含み、候補リストから第1の動き情報及び第2の動き情報を受信し、ブロック単位を再構成すること、ブロック単位内のサブブロックを決定すること、サブブロックが分割線に基づいて分割された複数のブロック領域の内の特定の1つに含まれるかどうかを判定することであって、ここで複数のブロック領域の内の特定の1つは、分割線をカバーすること、第1のリストフラグと第2のリストフラグとの間の比較のみに基づいて、サブブロックが複数のブロック領域の内の特定の1つに含まれるとき、第1の動き情報及び第2の動き情報がサブブロックのための格納された動き情報として共に格納されるかどうかを判定すること、後続ブロックがサブブロックに基づいて再構成されるとき、格納された動き情報に基づいて後続ブロックを再構成することを備える。
【0008】
〔図面の簡単な説明〕
本開示の態様は、添付の図面と共に読まれるとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。様々な特徴は、一定の縮尺で描かれておらず、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために任意に増減されてもよい。
【0009】
図1は、本開示の一例としての実装形態による、動画像データを符号化及び復号化するように構成された一例としての装置の構成図を示す。
【0010】
図2は、本開示の一例としての実装形態による、図1中の第2の電子装置の一例としてのデコーダモジュールの構成図を示す。
【0011】
図3は、本開示の一例としての実装形態による、ブロック単位を再構成するための一例としての再構成方法のフローチャートを示す。
【0012】
図4A~4Dは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分割された異なる予測領域を有するブロック単位の概略図である。
【0013】
図5A~5Cは、本開示の例としての実装形態による、異なるブロック領域に分類された複数のサブブロックを有するブロック単位の概略図である。
【0014】
図6は、本開示の一例としての実装形態による、ブロック単位を再構成するための別の一例としての再構成方法のフローチャートを示す。
【0015】
図7は、本開示の例としての実装形態による、ブロック単位及び複数の参照サンプルの概略図である。
【0016】
図8は、本開示の一例としての実装形態による、図1の第1の電子装置の一例としてのエンコーダモジュールの構成図を示す。
【0017】
〔詳細な説明〕
以下の記載は、本開示における例としての実装形態に関連する具体的な情報を含む。本開示の図面及び添付の詳細な説明は、単に例としての実装形態を対象とする。しかしながら、本発明は、単にこれらの例としての実装形態に限定されるものではない。本開示の他の変形例及び実装形態は、当業者には想起されるであろう。
【0018】
特に断らない限り、複数の図中の同様の又は対応する要素は、同様の又は対応する参照番号によって示され得る。更に、本開示における図面及び図示は、ほとんどの場合、一定の縮尺ではなく、実際の相対的な寸法に対応することを意図していない。
【0019】
一貫性及び理解を容易にするために、同様の特徴は、例としての図において同じ数字によって識別され得る(ただし、いくつかの例では、図示されていない)。しかしながら、異なる実装形態における特徴は、他の点で異なっていてもよく、従って、図面に示されるものに狭く限定されるものではない。
【0020】
この説明は、「1つの実装形態において」又は「いくつかの実装形態において」という語句を使用し、それぞれが同じ又は異なる実装形態の1つ以上を指してもよい。「結合された」という用語は、直接的又は間接的に介在する構成要素を介して接続されたものとして定義され、必ずしも物理的接続に限定されるものではない。「備える(comprising)」という用語は、「必ずしも限定されるものではないが、含む」を意味する。それは、そのように説明された組み合わせ、グループ、シリーズ、及び等価物におけるオープンエンドの包含又はメンバーシップを特に示す。
【0021】
更に、説明及び非限定の目的のために、機能エンティティ、技法、プロトコル、規格などの具体的な詳細が、説明される技術の理解を実現するために記載される。他の例において、不必要な詳細で説明を不明瞭にしないように、周知の方法、技術、システム、アーキテクチャなどの詳細な説明は、省略される。
【0022】
当業者は、本開示に記載されている任意のコーディング機能(複数可)又はアルゴリズム(複数可)が、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実装されてもよいことを直ちに理解するだろう。説明される機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせであり得るモジュールに対応し得る。
【0023】
ソフトウェアの実装形態は、メモリ又は他の種類の記憶装置などのコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を備えてもよい。例えば、通信処理能力を有する1つ以上のマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータを、対応する実行可能命令を用いてプログラムし、記述されたネットワーク機能(複数可)又はアルゴリズム(複数可)を実行することができる。
【0024】
マイクロプロセッサ又は汎用コンピュータは、特定用途向け集積回路(ASIC:applications specific integrated circuitry)、プログラマブルロジックアレイ、及び/又は1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processors)を使用して形成することができる。本明細書に記載されている例としての実装形態のいくつかは、コンピュータハードウェア上にインストールされ実行されるソフトウェアを指向しているが、それにもかかわらず、ファームウェアとして、又はハードウェアとして、又はハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装される代替の実施例は、本開示の範囲内に十分にある。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又はコンピュータ読み取り可能命令を記憶可能な他の任意の同等の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0025】
図1は、本開示の一例としての実装形態による、動画像データを符号化及び復号化するように構成されたシステム100の構成図を示す。システム100は、第1の電子装置110と、第2の電子装置120と、通信媒体130とを含む。第1の電子装置110は、動画像データを符号化し、符号化された動画像データを通信媒体130に送信するように構成された任意の装置を含むソース装置とすることができる。第2の電子装置120は、通信媒体130を介して符号化された動画像データを受信し、符号化された動画像データを復号するように構成された任意の装置を含む宛先装置であってもよい。
【0026】
少なくとも1つの実装形態において、第1の電子装置110は、通信媒体130を介して第2の電子装置120と有線又は無線で通信することができる。第1の電子装置110は、ソースモジュール112と、エンコーダモジュール114と、第1のインターフェース116とを含むことができる。第2の電子装置120は、表示モジュール122、デコーダモジュール124、及び第2のインターフェース126を含むことができる。第1の電子装置110は、動画像エンコーダであってもよく、第2の電子装置120は、動画像デコーダであってもよい。
【0027】
少なくとも1つの実装形態において、第1の電子装置110及び/又は第2の電子装置120は、携帯電話、タブレット、デスクトップ、ノートブック、又は他の電子装置であってよい。図1は単に、第1の電子装置110及び第2の電子装置120の1つの例を示すに過ぎない。他の実装形態における、第1の電子装置110及び第2の電子装置120は、図示されたものよりも多い又は少ないコンポーネントを含むことができ、又は様々なコンポーネントの異なる構成を有することができる。
【0028】
少なくとも1つの実装形態において、ソースモジュール112は、新しい動画像をキャプチャする動画像キャプチャ装置、以前にキャプチャされた動画像を格納する動画像アーカイブ、及び/又は動画像コンテンツ提供者から動画像を受信する動画像フィードインターフェースを含むことができる。ソースモジュール112は、ソース動画像としてコンピュータグラフィックスベースのデータを生成してもよく、又はソース動画像として、ライブ動画像、アーカイブ動画像、及びコンピュータ生成動画像の組み合わせを生成してもよい。動画像キャプチャ装置は、電荷結合素子(CCD:charge-coupled device)画像センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal-oxide-semiconductor)画像センサ、又はカメラであってもよい。
【0029】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114及びデコーダモジュール124はそれぞれ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU:central processing unit)、グラフィック処理ユニット(GPU:graphic processing unit)、システムオンチップ(SoC:system on chip)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processors)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate arrays)、ディスクリートロジック、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せなど、様々な適切なエンコーダ/デコーダ回路のいずれかとして実装され得る。ソフトウェアに部分的に実装されるとき、装置は、適切な一時的でないコンピュータ読み取り可能媒体にソフトウェアのための命令を格納し、開示された方法を実行するために1つ以上のプロセッサを使用してハードウェア内の命令を実行することができる。少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114及びデコーダモジュール124のそれぞれは、1つ又は複数のエンコーダ又はデコーダに含まれてもよく、これらのエンコーダ又はデコーダの内の任意のものは、装置内の複合されたエンコーダ/デコーダ(CODEC:combined encoder/decoder)の一部として統合されてもよい。
【0030】
少なくとも1つの実装形態において、第1のインターフェース116及び第2のインターフェース126は、カスタマイズされたプロトコルを利用する、又はイーサネット、IEEE 802.11、若しくはIEEE 802.15シリーズ、GSM、CDMA2000、TD-SCDMA、WiMAX、3GPP-LTE、若しくはTD-LTEを含むが、これらに限定されない無線USB又は電気通信規格を含む、既存の規格又は事実上の規格に従うことができる。少なくとも1つの実装形態において、第1のインターフェース116及び第2のインターフェース126は、通信媒体130を介して適合した動画像ビットストリームを送信し/又は格納するように構成され、及び通信媒体130を介して適合した動画像ビットストリームを受信するように構成された任意の装置を含むことができる。
【0031】
少なくとも1つの実装形態において、第1のインターフェース116及び第2のインターフェース126は、準拠した動画像ビットストリームを記憶装置に格納すること、又は記憶装置から受信することを可能にするコンピュータシステムインターフェースを含んでもよい。例えば、第1のインターフェース116及び第2のインターフェース126は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI:Peripheral Component Interconnect)及びペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe:Peripheral Component Interconnect Express)バスプロトコル、独自のバスプロトコル、ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)プロトコル、I2C、又はピア装置を相互接続するために使用することができる他の任意の論理及び物理構造をサポートするチップセットを含むことができる。
【0032】
少なくとも1つの実装形態において、表示モジュール122は、液晶表示(LCD:licuid crystal display)技術、プラズマ表示技術、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)表示技術、又は発光ポリマー表示(LPD:light emitting polymer display)技術を用いる表示を、他の実装形態において使用される他の表示技術と共に含んでもよい。表示モジュール122は、高精細表示又は超高精細表示を含むことができる。
【0033】
図2は、本開示の一例としての実装形態による、図1における第2の電子装置120のデコーダモジュール124の実装形態を表す構成図を示す。デコーダモジュール124は、エントロピーデコーダ(例えば、エントロピー復号ユニット2241)、予測プロセッサ(例えば、予測プロセスユニット2242)、逆量子化/逆変換プロセッサ(例えば、逆量子化/逆変換ユニット2243)、加算器(例えば、加算器2244)、フィルタ(例えば、フィルターユニット2245)、及び復号された画像バッファ(例えば、復号された画像バッファ2246)を含む。予測プロセスユニット2242は、イントラ予測プロセッサ(例えば、イントラ予測ユニット22421)と、インター予測プロセッサ(例えば、インター予測ユニット22422)と、を更に含む。デコーダモジュール124は、ビットストリームを受信し、ビットストリームを復号して、復号された動画像を出力する。
【0034】
エントロピー復号ユニット2241は、図1における第2のインターフェース126から複数のシンタックス要素を含んでいるビットストリームを受信し、構文解析動作を実行し、ビットストリーム上で構文要素を抽出してもよい。構文解析動作の一部として、エントロピー復号ユニット2241は、ビットストリームをエントロピー復号し、量子化変換係数、量子化パラメータ、変換データ、動作ベクトル、イントラモード、パーティション情報、及び他のシンタックス情報を生成することができる。
【0035】
少なくとも1つの実装形態において、エントロピー復号ユニット2241は、コンテキスト適応可変長符号化(CAVLC:context adaptive variable length coding)、コンテキスト適応バイナリ算術符号化(CABAC:context adaptive binary arithmetic coding)、シンタックスベースのコンテキスト適応バイナリ算術符号化(SBAC:syntax-based context-adaptive binary arithmetic coding)、確率間隔分配エントロピー(PIPE:probability interval partitioning entropy)コーディング、又は別のエントロピーコーディング技術を実行し、量子化変換係数を生成することができる。少なくとも1つの実装形態において、エントロピー復号ユニット2241は、量子化された変換係数、量子化パラメータ、及び変換データを逆量子化/逆変換ユニット2243に提供し、動作ベクトル、イントラモード、パーティション情報、及び他のシンタックス情報を予測プロセスユニット2242に提供することができる。
【0036】
少なくとも1つの実装形態において、予測プロセスユニット2242は、エントロピー復号ユニット2241から、動作ベクトル、イントラモード、パーティション情報、及び他のシンタックス情報といった、シンタックス要素を受信することができる。予測プロセスユニット2242は、パーティション情報を含むシンタックス要素を受信し、パーティション情報に従って画像フレームを分割することができる。
【0037】
少なくとも1つの実装形態において、画像フレームの各々は、パーティション情報による、少なくとも1つの画像ブロックに分割されてもよい。少なくとも1つの画像ブロックは、複数の輝度値サンプルを再構成するための輝度値ブロックと、複数のクロミナンスサンプルを再構成するための少なくとも1つのクロミナンスブロックとを含み得る。輝度値ブロック及び少なくとも1つのクロミナンスブロックは、マクロブロック、符号化ツリーユニット(CTU:coding tree units)、符号化ブロック(CB:coding blocks)、そのサブ分割、及び/又は別の同等の符号化ユニットを生成するために、更に分割されてもよい。
【0038】
少なくとも1つの実装形態において、復号プロセス中に、予測プロセスユニット2242は、画像フレームの内の特定の1つの現在の画像ブロックのイントラモード又は動作ベクトルを含む予測データを受信する。現在の画像ブロックは、輝度値ブロックであっても、特定の画像フレームの中のクロミナンスブロックの1つであってもよい。
【0039】
少なくとも1つの実装形態において、イントラ予測ユニット22421は、予測ブロックを生成するために、イントラモードに関連するシンタックス要素に基づいて、現在のブロック単位と同じフレーム内の1つ又は複数の隣接ブロックに対する現在のブロック単位のイントラ予測符号化を実行することができる。イントラモードは、現在のフレーム内の隣接ブロックから選択された参照サンプルの位置を指定することができる。少なくとも1つの実装形態において、彩度コンポーネントが予測プロセスユニット2242によって再構成されるとき、イントラ予測ユニット22421は、現在のブロック単位の複数の輝度コンポーネントに基づいて、現在のブロック単位の複数の彩度コンポーネントを再構成してもよい。
【0040】
少なくとも1つの実装形態において、現在のブロックの輝度コンポーネントが予測プロセスユニット2242によって再構成されるとき、イントラ予測ユニット22421は、現在のブロック単位の複数の輝度コンポーネントに基づいて、現在のブロック単位の複数の彩度コンポーネントを再構成してもよい。
【0041】
少なくとも1つの実装形態において、インター予測ユニット22422は、予測ブロックを生成するために、動作ベクトルに関連するシンタックス要素に基づいて、1つ又は複数の参照画像ブロック内の1つ又は複数のブロックに対する現在のブロック単位のインター予測コーディングを実行することができる。
【0042】
少なくとも1つの実装形態において、動作ベクトルは、参照画像ブロック内の参照ブロック単位に関連する現在の画像ブロック単位内の現在のブロック単位の変位を示すことができる。参照ブロック単位は、現在のブロック単位と密接に一致するように決定されたブロックである。
【0043】
少なくとも1つの実装形態において、インター予測ユニット22422は、復号された画像バッファ2246に格納された参照画像ブロックを受信し、受信した参照画像ブロックに基づいて現在のブロック単位を再構成する。
【0044】
少なくとも1つの実装形態において、逆量子化/逆変換ユニット2243は、画素領域内の残差ブロックを再構成するために、逆量子化及び逆変換を適用してよい。逆量子化/逆変換ユニット2243は、残差量子化変換係数に逆量子化を適用して残差変換係数を生成し、次いで残差変換係数に逆変換を適用し、画素領域内の残差ブロックを生成してもよい。
【0045】
少なくとも1つの実装形態において、逆変換は、離散コサイン変換(DCT:discrete cosine transform)、離散サイン変換(DST:discrete sine transform)、適応多重変換(AMT:adaptive multiple transform)、モード依存非分離二次変換(MDNSST:mode-dependent non-separable secondary transform)、ハイパーキューブ-ギブエンス変換(HyGT:hypercube-givens transform)、信号依存変換、Karhuen-Loeve変換(KLT)、ウェーブレット変換、整数変換、サブバンド変換、又は概念的に類似した変換といった、変換プロセスを逆に適用することができる。
【0046】
少なくとも1つの実装形態において、逆変換は、周波数領域といった変換領域からの残差情報を画素領域に戻すように変換することができる。少なくとも1つの実装形態において、逆量子化の度合いは、量子化パラメータを調整することによって修正されてもよい。加算器2244は、残差ブロックを予測プロセスユニット2242からの予測ブロックに追加して、再構成されたブロックを生成する。
【0047】
少なくとも1つの実装形態において、加算器2244は、再構成された残差ブロックを、予測プロセスユニット2242から提供される予測ブロックに追加して、再構成されたブロックを生成する。
【0048】
少なくとも1つの実装形態において、フィルターユニット2245は、再構成されたブロックからブロッキングアーチファクトを除去するために、デブロッキングフィルタ、サンプル適応オフセット(SAO:sample adaptive offset)フィルタ、バイラテラルフィルタ、及び/又は適応ループフィルタ(ALF:adaptive loop filter)を含むことができる。デブロッキングフィルタ、SAOフィルタ、バイラテラルフィルタ、及びALFに加えて、追加のフィルタ(ループ又はポストループ)を使用することもできる。このようなフィルタは、簡潔にするために明示的に示されていないが、加算器2244の出力をフィルタリングすることができる。
【0049】
フィルターユニット2245は、フィルターユニット2245が特定の画像フレームの再構成されたブロックに対するフィルタリング処理を実行した後、復号された動画像を表示モジュール122、又は他の動画像受信ユニットに出力することができる。
【0050】
少なくとも1つの実装形態において、復号された画像バッファ2246は、ビットストリームを復号する際に(インターコーディングモードにおいて)予測プロセスユニット2242によって使用される参照ブロックを格納する参照画像メモリとすることができる。復号された画像バッファ2246は、同期DRAM(SDRAM:synchronous DRAM)、磁気抵抗RAM(MRAM:magneto-resistive RAM)、抵抗RAM(RRAM:resistive RAM)、又は他のタイプのメモリ装置を含んでいる、ダイナミックランダムアクセスランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random-accessrandom-access memory)といった様々なメモリ装置のいずれかによって形成され得る。
【0051】
少なくとも1つの実装形態において、復号化された画像バッファ2246は、デコーダモジュール124の他のコンポーネントとオンチップであってもよく、又はそれらのコンポーネントに対してオフチップであってもよい。
【0052】
図3は、本開示の一例としての実装形態による、ブロック単位を再構成するための一例としての再構成方法300のフローチャートを示す。方法300は、方法を実行する様々な方法があるため、単なる一例である。
【0053】
方法300は、図1及び図2に示される構成を使用して実行されてもよく、これらの図の様々な要素は、方法300を説明する際に参照される。図3に示されるそれぞれのブロックは、実行される1つ又は複数のプロセス、方法、又はサブルーチンを表すことができる。
【0054】
更に、ブロックの順序は例示にすぎず、変更することができる。本開示から逸脱することなく、追加のブロックが追加されてもよく、又はより少ないブロックが利用されてもよい。
【0055】
ブロック310において、デコーダモジュール124は、動画像データの画像フレームを受信し、受信した動画像データに従って画像フレームからブロック単位を決定する。動画像データは、ビットストリームであってもよい。
【0056】
図1及び図2に関して、第2の電子装置120は、第1の電子装置110といったエンコーダから、又は第2のインターフェース126を介して他の映像提供者からビットストリームを受信することができる。第2のインターフェース126は、ビットストリームをデコーダモジュール124に提供することができる。
【0057】
デコーダモジュール124は、ビットストリームに基づいて画像フレームを決定し、画像フレームを分割して、ビットストリーム内の複数のパーティション表示に従ってブロック単位を決定することができる。例えば、デコーダモジュール124は、画像フレームを分割して複数の符号化ツリーユニットを生成し、更に、符号化ツリーユニットの内の1つを分割し、(例えば、動画像コーディング規格に基づき)パーティション表示に従ってブロック単位を決定することができる。
【0058】
少なくとも1つの実装形態において、エントロピー復号ユニット2241は、ビットストリームを復号し、ブロック単位のための複数の予測表示を決定することができ、デコーダモジュール124は、予測インディケーションに基づいてブロック単位を更に再構成することができる。予測インディケーションは、複数のフラグ及び複数のインデックスを含むことができる。
【0059】
ブロック320において、デコーダモジュール124は、候補リストから第1の動き情報及び第2の動き情報を決定し、ブロック単位を再構成するためにブロック単位の分割線を決定する。
【0060】
少なくとも1つの実装形態において、図2に関して、デコーダモジュール124は、ブロック単位を複数の予測領域に分割し、第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいてブロック単位の予測領域を再構成することができる。
【0061】
少なくとも1つの実装形態において、予測インディケーションは、ブロック単位の分割インデックスを含むことができる。分割インデックスは、ブロック単位の分割線を示すことができる。少なくとも1つの実装形態において、分割線は、分割インデックスが三角形分割インデックスであるとき、対角分割線及び反対角方向の内の1つとすることができる。少なくとも1つの実装形態において、分割インデックスは、分割インデックスが幾何学的分割インデックスであるとき、分割角度インデックス及び分割距離インデックスを示すことができる。分割角度インデックスは、分割ラインの傾斜角度を示し、分割距離インデックスは、分割線とブロック単位の中心点との間の線オフセットを示す。したがって、デコーダモジュール124は、分割インデックスによって示される傾斜角度及び線オフセットに基づいて分割線を決定することができる。
【0062】
少なくとも1つの実装形態において、予測インディケーションは、第1の動作候補インデックス及び第2の動作候補インデックスを含むことができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の動作候補インデックスは、マージ候補リスト内の第1の動き情報を示し得、第2の動作候補インデックスは、マージ候補リスト内の第2の動き情報を示し得る。少なくとも1つの実装形態において、マージ候補リスト内の複数のマージ候補モードは、ブロック単位に隣接する複数の隣接ブロックの複数の空間動作予測モード、複数のコロケートされたブロックの複数の時間動作予測モード、先入れ先出し(FIFO:first-in-first-out)表に格納された履歴ベース動作予測モード、複数のペアワイズ平均動作予測モード、及びゼロ動作モードから選択され得る。少なくとも1つの実装形態において、第1の動き情報は、第1の参照フレーム及び第1の参照ベクトルを示すことができ、第2の動き情報は、第2の参照フレーム及び第2の参照ベクトルを示すことができる。第1の参照フレーム及び第2の参照フレームは、ブロック単位の複数の参照リストから選択されてもよい。一実装形態において、第1の参照フレーム及び第2の参照フレームは、参照リストの同一の1つから選択されてもよい。他の実装形態において、第1の参照フレーム及び第2の参照フレームは、異なる参照リストから選択されてもよい。少なくとも1つの実装形態において、参照リストの数は、2に等しくてもよい。
【0063】
図4A~4Bは、本開示の例としての実装形態による、異なる分割線を有するブロック単位の概略図である。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位400のパーティション表示は、分割線420、第1の参照ベクトルV0、第2の参照ベクトルV1、第1の参照フレーム、及び第2の参照フレームを示すことができる。図4C~4Dは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分割された異なる予測領域を有するブロック単位の概略図である。本実装形態において、デコーダモジュール124は、分割線420に基づいてブロック単位400を分割し、予測領域441~443を決定することができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位は、複数のブロックコンポーネントを含むことができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の予測領域441内のブロックコンポーネントは、第1の参照ベクトル及び第1の参照フレームに基づいて再構成されてもよく、第2の予測領域442内のブロックコンポーネントは、第2の参照ベクトル及び第2の参照フレームに基づいて再構成されてもよい。その上、第3の予測領域443内のブロックコンポーネントは、第1の参照ベクトル、第2の参照ベクトル、第1の参照フレーム、及び第2の参照フレームに基づいて再構成されてもよい。第3の予測領域443内のブロックコンポーネントは、第1の参照ベクトル及び第1の参照フレームに基づいて決定された複数の第1の参照サンプルと、第2の参照ベクトル及び第2の参照フレームに基づいて決定された複数の第2の参照サンプルとを導出し、複数のブレンディングウェイトに基づいて第1の参照サンプル及び第2の参照サンプルをマージすることによって再構成され得る。少なくとも1つの実装形態において、ブレンディングウェイトは、分割線420と第3の予測領域443内のブロックコンポーネントとの間の複数のコンポーネント距離に基づいて導出することができる。
【0064】
ブロック330において、デコーダモジュール124は、ブロック単位内のサブブロックを決定する。
【0065】
少なくとも1つの実装形態において、図2に関して、デコーダモジュール124は、ブロック単位を分割し、複数のサブブロックを生成することができる。図5Aは、本開示の一例としての実装形態による、サブブロックインデックス(xSbIdx、ySbInx)に各々が対応する複数のサブブロック561~576を有するブロック単位の概略図である。少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、サブブロックの内の特定の1つを決定することができる。一実装形態において、第1の位置インデックスxSbIdxのための複数の第1の候補インデックスの数numSbXは、4に等しくてもよく、第2の位置インデックスySbIdxのための複数の第2の候補インデックスの数numSbYは、4に等しくてもよい。したがって、第1の位置インデックスxSbIdxは、ゼロとnumSbXとの間の数であってもよく、第2の位置インデックスySbIdxは、ゼロとnumSBYとの間の数であってもよい。
【0066】
ブロック340において、デコーダモジュール124は、分割線をカバーする複数のブロック領域の内の特定の1つに、サブブロックが含まれるかどうかを判定する。少なくとも1つの実装形態において、サブブロックが分割線をカバーする特定のブロック領域に含まれることをデコーダモジュール124が判定するとき、方法300は、ブロック350に進むことができる。デコーダモジュール124が、サブブロックが特定のブロック領域に含まれていないと判定したとき、本方法は、終了することができる。
【0067】
少なくとも1つの実装形態において、図2に関して、デコーダモジュール124は、ブロック単位を分割して、複数のブロック領域を生成することができる。図5B~5Cは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分離された異なるブロック領域を有するブロック単位の概略図である。
【0068】
少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、サブブロックインデックスに基づいて、サブブロック561~576をブロック領域に分類することができる。少なくとも1つの実装形態において、第3のブロック領域583は、分割線420をカバーすることができ、第1のブロック領域581及び第2のブロック領域は、分割線420をカバーしないことができる。第1のブロック領域581内のサブブロックのブロックコンポーネントの大部分は、第1の動き情報に基づいて再構成されてもよく、第2のブロック領域582内のサブブロックのブロックコンポーネントの大部分は、第2の動き情報に基づいて再構成されてもよい。したがって、第1の予測領域441に対応する第1のブロック領域581にサブブロックが含まれるとき、デコーダモジュール124は、サブブロックのための第1の動き情報を格納することができる。例えば、サブブロック562~564、567~568、及び572が第1のブロック領域581に含まれるため、デコーダモジュール124は、サブブロック562~564、567~568、及び572のための第1の動き情報を格納することができる。その上、サブブロックが第2の予測領域442に対応する第2のブロック領域582に含まれるとき、デコーダモジュール124は、サブブロックのための第2の動き情報を格納することができる。例えば、サブブロック562~564、567~568及び572が第2のブロック領域582に含まれるため、デコーダモジュール124は、サブブロック565、569~570及び573~575のための第2の動き情報を格納することができる。デコーダモジュール124は、分割線をカバーする特定ブロック領域583とは異なる他のブロック領域に含まれたサブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の対応する1つを直接、格納することができ、方法300は、他の手順なしに終了することができる。
【0069】
少なくとも1つの実装形態において、第3のブロック領域583内のサブブロックのブロックコンポーネントの大部分は、第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて再構成され得る。したがって、サブブロックが第3の予測領域443に対応する第3のブロック領域583に含まれるとき、方法300は、デコーダモジュール124がサブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の少なくとも1つをどのように格納するかを判定するために、ブロック350に進むことができる。
【0070】
ブロック350において、デコーダモジュール124は、第1の動き情報の第1のリストフラグが第2の動き情報の第2のリストフラグと一致するかどうかを判定する。少なくとも1つの実装形態において、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、方法300は、ブロック360に進むことができる。第1のリストフラグが第2のリストフラグと異なるとき、方法300は、ブロック370に進むことができる。
【0071】
少なくとも1つの実装形態において、図2及び図5Bに関して、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、デコーダモジュール124は、第1のリストフラグを第2のリストフラグと比較することができる。サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、サブブロック内のブロックコンポーネントの大部分は、第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて再構成され得る。したがって、第1のリストフラグが第2のリストフラグと異なるとき、特定のブロック領域583内のブロックコンポーネントは、2つの異なる参照リスト内の参照フレームに基づいて再構成されてもよい。その上、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、特定のブロック領域583内のブロックコンポーネントは、同一の参照リスト内の参照フレームに基づいて再構成されてもよい。
【0072】
ブロック360において、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、デコーダモジュール124は、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納する。
【0073】
少なくとも1つの実装形態において、図2及び図5Bに関して、ブロック単位400の第1のリストフラグがブロック単位400の第2のリストフラグと一致し、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、サブブロック内のブロックコンポーネントの大部分は、参照リストの内の1つから第1の参照サンプル及び第2の参照サンプルを導出することによって、再構成され得る。
【0074】
動き情報が格納された動き情報に基づいて再構成される複数の後続ブロックに格納されるため、格納された動き情報は、第1の参照サンプルと第2の参照サンプルとのブレンディング結果に基づいて生成された複数の残差コンポーネントに影響を及ぼさないことができる。したがって、図1に関して、エンコーダモジュール114及びデコーダモジュール124が第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納するために方法300を実行するとき、エンコーダモジュール114及びデコーダモジュール124は、サブブロックのための同じ動き情報を格納することができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の参照フレーム及び第2の参照フレームが同じ参照リストに含まれているとき、デコーダモジュール124は、バッファの使用量を減らすために、第1の動き情報と第2の動き情報の内の予め定められた一方を直接格納してもよい。したがって、デコーダモジュール124は、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納する。
【0075】
少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、2つの参照フレームと他の参照リストとの間の関係を更に検査することなく、サブブロックのための格納された動き情報として、第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を直接格納することができる。第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、デコーダモジュール124は、第1の参照フレーム及び第2の参照フレームの少なくとも1つが第1のリストフラグ及び第2のリストフラグとは異なる複数のフラグ値の特定の1つによって示される参照リストの特定の1つに含まれるかどうかを検査することなく、予め定められた動き情報を直接格納してもよい。例えば、参照リストの数は2に等しいため、フラグ値は、0と1を含むことができる。一実装形態において、第1のリストフラグと2番目のリストフラグがゼロに等しいとき、特定のフラグ値は、1に等しい。第1のリストフラグ及び第2のリストフラグは、第1の参照リストL0を示し、特定のフラグ値は、第2の参照リストL1を示すことができる。したがって、第1のリストフラグと第2のリストフラグがゼロに等しいとき、デコーダモジュール124は、第1の参照フレームと第2の参照フレームの少なくとも1つが、特定のフラグ値が1に等しいことによって示される第2の参照リストL1に含まれているかどうかを検査することなく、予め定められた動き情報を直接格納することができる。
【0076】
少なくとも1つの実装形態において、第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方は、第2の動き情報とすることができる。したがって、デコーダモジュール124は、サブブロックのための第2の動き情報を直接格納する。第2の動き情報はビットストリーム内のブロック単位の第2の候補インデックスから導出されるため、格納された動き情報は、ビットストリーム内の第2の候補インデックスから導出されてもよい。
【0077】
ブロック370において、デコーダモジュール124は、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の両方を格納する。
【0078】
少なくとも1つの実装形態において、図2及び図5Bに関して、ブロック単位400の第1のリストフラグがブロック単位400の第2のリストフラグと異なり、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、異なる参照リストから第1の参照サンプル及び第2の参照サンプルを導出することによって、サブブロック内のブロックコンポーネントの大部分は、再構成されることができる。
【0079】
少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位400の第1のリストフラグがブロック単位400の第2のリストフラグと異なり、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、サブブロック内のブロックコンポーネントの大部分は、第1の参照リストから第1の参照サンプルを導出し、第2の参照リストから第2の参照サンプルを導出することによって再構成され得る。したがって、デコーダモジュール124は、更なる決定なしに、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報を直接格納することができる。
【0080】
少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、第1の動き情報の内の予め定められた一方と、第2の動き情報とを、同じ参照リストを有するサブブロックに直接、格納し、異なる参照リストを有するサブブロックのための第1の動き情報と第2の動き情報の両方を直接、格納することができる。したがって、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、デコーダモジュール124は、第1のリストフラグと第2のリストフラグとの比較のみに基づいて、第1の動き情報と第2の動き情報とが、サブブロックのための格納された動き情報として共に格納されているかどうかを判定することができる。
【0081】
ブロック380において、後続ブロックがサブブロックに基づいて予測されるとき、デコーダモジュール124は、格納された動き情報に基づいて後続ブロックを再構成する。
【0082】
少なくとも1つの実装形態において、図2に関して、ブロック単位が再構成された後に、デコーダモジュール124は、画像フレーム及び複数の後続フレームを再構成し続けることができる。したがって、ブロック単位の格納された情報は、画像フレーム及び後続フレームにおける後続ブロックを再構成するために使用されてもよい。少なくとも1つの実装形態において、画像フレームの再構成後に、後続フレームは、再構成された複数の再構成されていないフレームを含むことができる。その上、後続ブロックは、画像フレーム及び後続フレーム内に複数の再構成されていないブロックを含んでいてもよい。ブロック単位の再構成後に、再構成されていないブロックは、再構成されてもよい。
【0083】
図6は、本開示の一例としての実装形態による、ブロック単位を再構成するための一例としての方法600のフローチャートを示す。方法600は、方法を実行する様々な方法があるため、単なる一例である。
【0084】
方法600は、図1及び図2に示される構成を使用して実行されてもよく、これらの図の様々な要素は、方法600を説明する際に参照される。図6に示される各ブロックは、実行される1つ又は複数のプロセス、方法、又はサブルーチンを表すことができる。
【0085】
更に、ブロックの順序は、例示にすぎず、変更することができる。本開示から逸脱することなく、追加のブロックが追加されてもよく、又はより少ないブロックが利用されてもよい。
【0086】
ブロック610において、デコーダモジュール124は、動画像データの画像フレームを受信し、受信した動画像データに従って画像フレームからブロック単位を決定する。動画像データは、ビットストリームであってもよい。
【0087】
図1及び図2に関して、第2の電子装置120は、第1の電子装置110といったエンコーダ、又は第2のインターフェース126を介して他の映像提供者からビットストリームを受信することができる。第2のインターフェース126は、ビットストリームをデコーダモジュール124に提供することができる。
【0088】
デコーダモジュール124は、ビットストリームに基づいて画像フレームを決定し、画像フレームを分割して、ビットストリーム内の複数のパーティション表示に従ってブロック単位を決定することができる。例えば、デコーダモジュール124は、画像フレームを分割して複数のコーディングツリーユニットを生成し、パーティション表示に従って(例えば、動画像コーディング規格に基づいて)コーディングツリーユニットの内の1つを更に分割してブロック単位を決定してもよい。
【0089】
少なくとも1つの実装形態において、エントロピー復号ユニット2241は、ビットストリームを復号して、ブロック単位に複数の予測表示を決定することができ、デコーダモジュール124は、予測表示に基づいてブロック単位を更に再構成することができる。予測表示は、複数のフラグ及び複数のインデックスを含むことができる。
【0090】
ブロック620において、デコーダモジュール124は、動画像データから決定された第1の予測モードによって、ブロック単位の複数の再構成されたコンポーネントを決定する。
【0091】
少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位は、複数の第1ブロックコンポーネント及び複数の第2ブロックコンポーネントを含むことができる。本実装形態において、第1のブロックコンポーネントは、複数の輝度ブロックコンポーネントであってもよく、第2のブロックコンポーネントは、複数の彩度ブロックコンポーネントであってもよい。少なくとも1つの実装形態において、予測表示は、ブロック単位の第1のブロックコンポーネントをどのように再構成するかを示すための少なくとも1つの第1の予測フラグを含むことができる。例えば、予測表示は、イントラ予測及びインター予測から第1の予測モードを選択するための予測モードフラグを含み得る。
【0092】
少なくとも1つの実装形態において、図2に関して、デコーダモジュール124は、ビットストリーム中の少なくとも1つの第1の予測フラグに基づいて第1の予測モードを決定し、第1の予測モードに基づいてブロック単位を再構成することができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の予測モードがイントラ予測モードであるとき、デコーダモジュール124は、ブロック単位に隣接する複数の隣接ブロックを決定し、ブロック単位の第1のブロックコンポーネントを再構成して、隣接ブロックに基づいて再構成されたコンポーネントを決定することができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の予測モードがインター予測モードであるとき、デコーダモジュール124は、画像フレームを再構成する前に再構成された複数の参照フレームを決定し、ブロック単位の第1のブロックコンポーネントを再構成して、参照フレームに基づいて再構成されたコンポーネントを決定することができる。したがって、再構成されたコンポーネントは、ブロック単位の輝度ブロックコンポーネントに導出される。
【0093】
ブロック630において、デコーダモジュール124は、少なくとも1つのサンプリングパラメータに基づいて、第2の予測モードのために、ブロック単位に隣接する複数の隣接ブロックから複数の参照サンプルを選択する。
【0094】
少なくとも1つの実装形態において、予測表示は、ブロック単位の第2のブロックコンポーネントをどのように再構成するかを示すための少なくとも1つの第2の予測フラグを含むことができる。例えば、予測表示は、第2のブロックコンポーネントが線形モデルモードに基づいて予測されるかどうかを判定するための線形モデルフラグを含むことができる。少なくとも1つの実装形態において、線形モデルフラグが1に等しいとき、予測表示は、複数の候補モデルモードから予測モデルモードを選択するための線形モデルインデックスを含むことができる。
【0095】
少なくとも1つの実装形態において、少なくとも1つのサンプリングパラメータは、開始パラメータ、間隔パラメータ、及び量パラメータの内の少なくとも1つを含むことができる。図7は、本開示の例としての実装形態による、ブロック単位及び複数の参照サンプルの概略図である。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の開始パラメータは、複数の開始候補から決定されてもよく、ブロック単位700の間隔パラメータは、複数の間隔候補から決定されてもよく、ブロック単位700の量パラメータは、複数の量候補から決定されてもよい。
【0096】
少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の開始パラメータは、ビットストリームから決定された開始候補の内の特定の1つに等しくてよい。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、ブロック単位700に決定された特定の開始候補に基づいて直接設定されてよい。開始候補の各々は、整数の候補Ciであってよい。例えば、特定の整数の候補Ciが開始整数Siに等しいとき、少なくとも1つの開始点は、二つの開始点(Si、-1)及び(-1、Si)を含むことができる。図7に関して、開始整数Siが2に等しいため、第1の参照線710及び第2の参照線720における2つの開始点712及び722は、(2、-1)及び(-1、2)に位置する。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、ブロックサイズW×H、及びブロック単位700の特定の開始候補に基づいて計算されてもよい。本実装形態において、開始候補の各々は、分数の候補Cfであってよい。例えば、特定の分数の候補Cfが開始分数Sfに等しいとき、2つの開始点は、(Sf×W、-1)及び(-1、Sf×H)に位置し得る。図7に関して、開始分数Sfは、1/2に等しい。別の実装形態において、開始候補の各々は、整数の候補Si及び分数の候補Sfを含むことができる。例えば、特定の整数の候補Ciが開始整数Siに等しく、特定の分数の候補Cfが開始分数Sfに等しいとき、2つの開始点は、(Si+Sf×W、-1)及び(-1、Si+Sf×H)に位置することができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、開始ベースSb及びブロック単位700の特定の開始候補に基づいて計算されてよい。本実装形態において、開始候補の各々は、整数候補Ciであってよい。例えば、特定の整数候補Ciが開始整数Siに等しいとき、2つの開始点は、(Sb×Si、-1)及び(-1、Sb×Si)に位置してよい。別の実装形態において、特定の整数候補Ciが開始整数Siに等しいとき、2つの開始点は、(Sb+Si、-1)及び(-1、Sb+Si)に位置することができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、開始ベースSb、間隔ベースIb及びブロック単位700の特定の開始候補に基づいて計算されてよい。本実装形態において、開始候補の各々は、整数候補Ciであってよい。例えば、特定の整数候補Ciが開始整数Siに等しいとき、2つの開始点は、(Sb+Ib×Si,-1)及び(-1、Sb+Ib×Si)に位置してよい。少なくとも1つの実装形態において、開始ベースSb及び間隔ベースIbは、以下のように導出することができる:
【0097】
【数1】
【0098】
【数2】
【0099】
【数3】
【0100】
ここで、numSampNは、上部及び上部右側numSampT上の利用可能な隣接している彩度サンプルの数、又は左及び左下numSampL上の利用可能な隣接している彩度サンプルの数を表し、availT及びavailLは、隣接ブロックの利用可能性を表し、predModeIntraは、ブロック単位のイントラ予測モードを表し、intra_LT_CCLMは、クロスコンポーネント線形モデルモード候補の1つである。
【0101】
少なくとも1つの実装形態において、間隔候補の各々は、整数の候補Iiとであってよい。2つの隣接している参照サンプルの間の距離は、整数の候補Iiから選択された間隔パラメータに等しく設定されてよい。図7に関して、間隔パラメータは、4に等しくてよく、したがって、第1の参照線710及び第2の参照線720内の2つの第2の参照サンプル714及び724は、(6、-1)及び(-1、6)に位置する。少なくとも1つの実装形態において、2つの隣接している参照サンプルの間の距離は、間隔ベースIb及びブロック単位700の間隔パラメータに基づいて計算され得る。本実装形態において、間隔候補の各々は、正の整数に等しいことがある。例えば、間隔パラメータが間隔整数Iiに等しいとき、2つの隣接している参照サンプルの間の距離は、Ib×Iiに等しくてよい。その上、間隔パラメータが間隔整数Iiに等しいとき、2つの隣接している参照サンプルの間の距離は、Ib+Iiに等しくてよい。少なくとも1つの実装形態において、2つの隣接している参照サンプルの間の距離は、間隔ベースIb、導出された開始ベースSd、及びブロック単位700の間隔パラメータに基づいて計算され得る。本実装形態において、間隔候補の各々は、正の整数に等しくてよい。例えば、間隔パラメータが間隔整数Iiに等しいとき、2つの隣接している参照サンプルの間の間隔は、Ib+Sd×Iiに等しくてよい。少なくとも1つの実装形態において、量候補は、複数の上部数量候補及び複数の左数量候補を含むことができる。ブロック単位700の上方の参照サンプルの数は、上部量候補から選択された量パラメータと等しくてよく、ブロック単位700の左側の参照サンプルの数は左量候補から選択された量パラメータと等しくてよい。図7に関して、量パラメータは、ブロック単位700の上方の参照サンプルの数が2に等しく、ブロック単位700の左側の参照サンプルの数が2に等しいことを示すために2に等しくてもよい。したがって、ブロック単位700に、4つの参照サンプル712、714、722、724のみが存在する。
【0102】
少なくとも1つの実装形態において、少なくとも1つのサンプリングパラメータは、開始パラメータであってもよい。一実装形態において、開始パラメータは、複数の候補モデルモードに設定されてよい。したがって、デコーダモジュール124が候補モデルモードから予測モデルモードを選択するとき、開始パラメータは、予測モデルモードから決定され得る。他の実装形態において、開始パラメータは、ビットストリームから決定された開始インデックスに基づいて決定されてよい。したがって、デコーダモジュール124は、開始インデックスの値に基づいて開始パラメータを決定する。
【0103】
少なくとも1つの実装形態において、少なくとも1つのサンプリングパラメータは、開始パラメータ、間隔パラメータ、及び量パラメータを含むことができる。少なくとも1つの実装形態において、開始パラメータ、間隔パラメータ、及び量パラメータは、複数の候補モデルモードに設定することができる。例えば、第1の候補モデルモードは、第1の開始候補S1、第1の間隔候補I1、及び第1の量候補Q1を含むことができ、第N番目の候補モデルモードは、第N番目の開始候補Sn、第N番目の間隔候補In、及び第N番目の量候補Qnを含むことができる。一実装形態において、候補モデルモードの数が4であるとき、開始候補S1~Snは、互いに等しくても異なっていてもよく、間隔候補I1~Inは、互いに等しくても異なっていてもよく、量候補Q1~Qnは、互いに等しくても異なっていてもよい。例えば、開始候補S1~S2は、互いに等しくてもよく、開始候補S3~S4は、互いに等しくてもよく、及び開始候補S1~S2とは異なってもよく、間隔候補I1~I4の各々は、互いに等しくてもよく、量候補Q1及びQ3は互いに等しくてもよく、量候補Q2及びQ4は、互いに等しくてもよく、及び量候補Q1及びQ3と異なってもよい。
【0104】
ブロック640において、デコーダモジュール124は、参照サンプルに基づいて第2の予測モードの複数のモデルパラメータを導出する。
【0105】
少なくとも1つの実装形態において、図2及び7に関して、デコーダモジュール124は、参照サンプル中の複数の第1の参照コンポーネント及び複数の第2の参照コンポーネントを決定することができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の参照コンポーネントは、複数の輝度参照コンポーネントとすることができ、第2の参照コンポーネントは、複数の彩度参照コンポーネントとすることができる。少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、第1の参照コンポーネントをダウンサンプリングして、複数のダウンサンプリングされた参照コンポーネントを生成することができる。少なくとも1つの実装形態において、ダウンサンプリングされた参照コンポーネントの各々は、N個の第1の参照コンポーネントに基づいて生成される。一実装形態において、数Nは、2×Kに等しくてよく、数Kは、整数であってもよい。例えば、数Kは、2に等しく、数Nは、4に等しくてよい。
【0106】
少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、参照サンプルに基づいてモデル方程式のモデルパラメータを導出することができる。一実装形態において、デコーダモジュール124は、第1の参照コンポーネント及び第2の参照コンポーネントに基づいてモデル方程式を導出することができる。他の実装形態において、デコーダモジュール124は、ダウンサンプリングされた参照コンポーネント及び第2の参照コンポーネントに基づいてモデル方程式を導出することができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位のモデル方程式は、以下のように導出されてもよい:
【0107】
【数4】
【0108】
ここで、Pred(x,y)は、ブロック単位内の複数の予測コンポーネントを表し、Rec’(x,y)は、同じブロック単位の複数のダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントを表す。少なくとも1つの実装形態において、モデルパラメータα及びβは、参照サンプルに基づいて導出される。
【0109】
少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、ダウンサンプリングされた参照コンポーネントの内の2つのより小さい値X a0とX a1、及び2つのより大きい値X b0とX b1を選択し、並びに4つの選択されたダウンサンプリングされた参照コンポーネントに対応する第2の参照コンポーネントであるY a0、Y a2、Y b0、及びY b1の内の4つを決定することができる。次に、デコーダモジュール124は、X a0及びX a1の第1の平均XA、X b0及びX b1の第2の平均XB、Ya0及びY a1の第3の平均YA、及びY b0及びY b1の第4の平均YBを決定する。モデルパラメータαは、(Ya-Yb)/(Xa-Xb)に等しくてもよく、モデルパラメータβは、Yb-α×Xbに等しくてもよい。少なくとも1つの実装形態において、モデルパラメータα及びβは、任意の他の導出方法によって、参照サンプルに基づいて導出され得る。
【0110】
ブロック650において、デコーダモジュール124は、第2の予測モードに従って、再構成されたコンポーネントに基づいて、ブロック単位の複数の予測されたコンポーネントを生成する。
【0111】
少なくとも1つの実装形態において、図2に関して、デコーダモジュール124は、再構成されたコンポーネントをダウンサンプリングして、ダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントを生成することができる。少なくとも1つの実装形態において、ダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントの各々は、第1の参照コンポーネントのMに基づいて生成される。1つの実装形態において、数Mは、2×Lに等しくてもよく、数Lは、整数であってもよい。例えば、数Lは、2に等しく、数Mは、4に等しくてもよい。少なくとも1つの実装形態において、数Kは、数Lに等しくてもよく、数Nは、数Mに等しくてもよい。
【0112】
少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、ダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントをモデル方程式に代入して、予測されたコンポーネントを生成することができる。したがって、予測されたコンポーネントは、ブロック単位の彩度ブロックコンポーネントに対して生成され得る。ブロック単位の彩度ブロックコンポーネントは、ビットストリームから決定されたブロック単位の複数の残差コンポーネントに予測されたコンポーネントを追加することによって再構成することができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位の残差コンポーネントは、複数の彩度の残差コンポーネントであってよい。少なくとも1つの実装形態において、デコーダモジュール124は、画像フレーム及び動画像を再構成するために、画像フレーム内の他のすべてのブロック単位を再構成することができる。
【0113】
図8は、図1におけるエンコーダモジュール114を示す。エンコーダモジュール114は、予測プロセッサ(例えば、予測プロセスユニット8141)、少なくとも第1の加算器(例えば、第1の加算器8142)及び第2の加算器(例えば、第2の加算器8145)、変換/量子化プロセッサ(例えば、変換/量子化ユニット8143)、逆量子化/逆変換プロセッサ(例えば、逆量子化/逆変換ユニット8144)、フィルタ(例えば、フィルターユニット8146)、復号された画像バッファ(例えば、復号された画像バッファ8147)、及びエントロピーエンコーダ(例えば、エントロピー符号化ユニット8148)を含み得る。エンコーダモジュール114の予測プロセスユニット8141は、パーティションプロセッサ(例えば、パーティションユニット81411)と、イントラ予測プロセッサ(例えば、イントラ予測ユニット81412)と、インター予測プロセッサ(例えば、インター予測ユニット81413)とを更に含んでよい。エンコーダモジュール114は、ソース動画像を受信し、ビットストリームを出力するためにソース動画像をエンコードすることができる。
【0114】
エンコーダモジュール114は、複数の画像フレームを含むソース動画像を受信し、次いで、コーディング構造に従って画像フレームを分割することができる。各画像フレームは、少なくとも1つの画像ブロックに分割されてよい。
【0115】
少なくとも1つの画像ブロックは、複数の輝度値サンプルを有する輝度値ブロックと、複数のクロミナンスサンプルを有する少なくとも1つのクロミナンスブロックとを含み得る。輝度値ブロック及び少なくとも1つのクロミナンスブロックは、マクロブロック、コーディングツリーユニット(CTU:coding tree units)、コーディングブロック(CB:coding blocks)、そのサブ分割、及び/又は別の同等のコーディングユニットを生成するために、更に分割されてもよい。
【0116】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、ソース動画像の追加のサブ分割を実行することができる。実装形態は、符号化の前及び/又は間にソース動画像がどのように分割されるかにかかわらず、一般に動画像コーディングに適用可能であることに留意されたい。
【0117】
少なくとも1つの実装形態において、符号化プロセスの間に、予測プロセスユニット8141は、符号化プロセスの間に画像フレームの内の特定の1つの画像フレームの現在の画像ブロックを受信することができる。現在の画像ブロックは、輝度値ブロックであっても、特定の画像フレームの中のクロミナンスブロックの1つであってもよい。
【0118】
パーティションユニット81411は、現在の画像ブロックを複数のブロック単位に分割する。イントラ予測ユニット81412は、空間予測を提供するために、現在のブロック単位フレーム内の1つ又は複数の隣接ブロックに関連する現在のブロック単位のイントラ予測コーディングを実行してもよい。インター予測ユニット81413は、1つ又は複数の参照画像ブロック内の1つ又は複数のブロックに関連する現在のブロック単位のインター予測コーディングを実行し、時間的予測を提供してもよい。
【0119】
少なくとも1つの実装形態において、予測プロセスユニット8141は、コスト関数といった、モード選択方法に基づいて、イントラ予測ユニット81412及びインター予測ユニット81413によって生成されるコーディング結果の内の1つを選択してもよい。モード選択方法は、レート歪み最適化(RDO:rate-distortion optimization)プロセスであってもよい。
【0120】
予測プロセスユニット8141は、選択されたコーディング結果を判定し、残差ブロックを生成するための第1の加算器8142と、符号化されたブロック単位を再構成するための第2の加算器8145とに、選択されたコーディング結果に対応する予測ブロックを提供してもよい。予測プロセスユニット8141は、動作ベクトル、イントラモードインジケータ、パーティション情報、及び他のシンタックス情報といったシンタックス要素をエントロピー符号化ユニット8148に更に提供することができる。
【0121】
少なくとも1つの実装形態において、イントラ予測ユニット81412は、現在のブロック単位をイントラ予測してもよい。イントラ予測ユニット81412は、現在のブロック単位を符号化するために、現在のブロック単位に隣接している再構成されたサンプルに向けられたイントラ予測モードを決定してもよい。
【0122】
少なくとも1つの実装形態において、イントラ予測ユニット81412は、様々なイントラ予測モードを使用して、現在のブロック単位を符号化してもよく、イントラ予測ユニット81412又は予測プロセスユニット8141は、選択されたモードから、適切なイントラ予測モードを選択してもよい。イントラ予測ユニット81412は、クロスコンポーネント予測モードを使用して、現在のブロック単位を符号化し、現在のブロック単位の輝度コンポーネントに基づいて、現在のブロック単位の2つの彩度コンポーネントの内の1つを予測してもよい。イントラ予測ユニット81412は、現在のブロック単位の2つの彩度コンポーネントの内の2番目に基づいて、現在のブロック単位の2つの彩度コンポーネントの内の1番目を予測してもよい。
【0123】
少なくとも1つの実装形態において、インター予測ユニット81413は、イントラ予測ユニット81412によって実行されるイントラ予測の代替として、現在のブロック単位をインター予測してもよい。インター予測ユニット81413は、動作推定を実行して、動作ベクトルを生成するための現在のブロック単位の動作を推定してもよい。
【0124】
動作ベクトルは、参照画像ブロック内の参照ブロック単位に関連する現在の画像ブロック単位内の現在のブロック単位の変位を示すことができる。インター予測ユニット81413は、復号された画像バッファ8147に格納された少なくとも1つの参照画像ブロックを受信し、受信された参照画像ブロックに基づいて動作を推定し、動作ベクトルを生成することができる。
【0125】
少なくとも1つの実装形態において、第1の加算器8142は、予測プロセスユニット8141によって決定される予測ブロックを、元の現在のブロック単位から差し引くことによって、残差ブロックを生成してもよい。第1の加算器8142は、この減算演算を実行するコンポーネント、又は複数のコンポーネントを表すことができる。
【0126】
少なくとも1つの実装形態において、変換/量子化ユニット8143は、残差変換係数を生成し、次いで、残差変換係数を量子化し、ビットレートを更に低減するために、残差ブロックに変換を適用してもよい。変換は、DCT、DST、AMT、MDNSST、HyGT、信号依存変換、KLT、ウェーブレット変換、整数変換、サブバンド変換、又は概念的に同様の変換の内の1つとすることができる。
【0127】
少なくとも1つの実装形態において、変換は、残差情報を画素値領域から周波数領域といった変換領域に変換することができる。量子化の度合いは、量子化パラメータを調整することによって修正されてもよい。
【0128】
少なくとも1つの実装形態において、変換/量子化ユニット8143は、量子化変換係数を含んでいるマトリックスの走査を行ってもよい。また、エントロピー符号化ユニット8148は、走査を行ってもよい。
【0129】
少なくとも1つの実装形態において、エントロピー符号化ユニット8148は、予測プロセスユニット8141及び変換/量子化ユニット8143から、量子化パラメータ、変換データ、動作ベクトル、イントラモード、パーティション情報、及び他のシンタックス情報を含む複数のシンタックス要素を受信することができ、エントロピー符号化ユニット8148は、シンタックス要素をビットストリームに符号化することができる。
【0130】
少なくとも1つの実装形態において、エントロピー符号化ユニット8148は、CAVLC、CABAC、SBAC、PIPEコーディング、又は別のエントロピーコーディング技術を実行することによって、量子化された変換係数をエントロピー符号化し、符号化されたビットストリームを生成し得る。符号化されたビットストリームは、別の装置(すなわち、図1内の第2の電子装置120)に送信されてもよく、又は後の伝送又は検索のためにアーカイブされてもよい。
【0131】
少なくとも1つの実装形態において、逆量子化/逆変換ユニット8144は、逆量子化及び逆変換を適用し、後に参照ブロックとして使用するために、画素領域内の残差ブロックを再構成してもよい。第2の加算器8145は、復号された画像バッファ8147に格納するための再構成されたブロックを生成するために、再構成された残差ブロックを、予測プロセスユニット8141から提供された予測ブロックに追加することができる。
【0132】
少なくとも1つの実装形態において、フィルターユニット8146は、再構成されたブロックからブロッキングアーチファクトを除去するために、デブロッキングフィルタ、SAOフィルタ、バイラテラルフィルタ、及び/又はALFを含むことができる。デブロッキングフィルタ、SAOフィルタ、バイラテラルフィルタ、及びALFに加えて、追加のフィルタ(ループ又はポストループ)を使用することができる。こういったフィルタは、簡潔にするために示されておらず、第2の加算器8145の出力をフィルタリングすることができる。
【0133】
少なくとも1つの実装形態において、復号された画像バッファ8147は、イントラ又はインターコーディングモードといった動画像を符号化するためのエンコーダモジュール114によって使用される参照ブロックを格納する参照画像メモリとすることができる。復号された画像バッファ8147は、SDRAM、MRAM、RRAM、又は他の種類のメモリ装置を含んでいる、DRAMといった様々なメモリ装置を含むことができる。復号された画像バッファ8147は、エンコーダモジュール114の他のコンポーネントとオンチップであってもよく、又はこれらのコンポーネントに対してオフチップであってもよい。
【0134】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、図3に示すようにブロック単位を再構成するための例としての再構成方法300を実行することができる。方法300は、図1及び図8に示される構成を使用して実行されてもよく、これらの図の様々な要素は、方法300を説明する際に参照される。図3に示される各ブロックは、実行される1つ又は複数のプロセス、方法、又はサブルーチンを表すことができる。更に、ブロックの順序は、例示にすぎず、変更することができる。本開示から逸脱することなく、追加のブロックは、追加されてもよく、又はより少ないブロックが利用されてもよい。
【0135】
ブロック310において、エンコーダモジュール114は、動画像データの画像フレームを受信し、受信した動画像データに従って画像フレームからブロック単位を決定する。動画像データは、動画像であってもよい。
【0136】
少なくとも1つの実装形態において、図1及び図8に関して、第1の電子装置110は、ソースモジュール112を介して動画像を受信することができる。エンコーダモジュール114は、動画像から画像フレームを決定し、画像フレームを分割してブロック単位を決定することができる。
【0137】
少なくとも1つの実装形態において、第1の電子装置110の予測プロセスユニット8141は、パーティションユニット81411を介して動画像からブロック単位を決定することができ、エンコーダモジュール114は、パーティションユニット81411のパーティション結果に基づいて、複数のパーティション表示をビットストリームに提供することができる。
【0138】
ブロック320において、エンコーダモジュール114は、候補リストから第1の動き情報及び第2の動き情報を決定し、ブロック単位を再構成するためにブロック単位の分割線を決定する。
【0139】
少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、エンコーダモジュール114は、イントラ予測単ユニット81412及びインター予測ユニット81413によって生成される複数のコーディング結果を生成してもよい。次に、エンコーダモジュール114は、コスト関数などのモード選択方法に基づいたコーディング結果の内の1つを選択することができる。モード選択方法は、レート歪み最適化(RDO)プロセスであってもよい。少なくとも1つの実装形態において、選択されたコーディング結果が分割線、第1の動き情報、及び第2の動き情報に基づいて生成されるとき、エンコーダモジュール114は、ブロック単位を複数の予測領域に分割し、第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいてブロック単位の予測領域を予測することができる。
【0140】
少なくとも1つの実装形態において、分割線が三角形分割モードに基づいて生成されるとき、分割線は、対角分割線及び反対角方向の内の1つとすることができる。少なくとも1つの実装形態において、分割線は、分割線の傾斜角度、及び分割線と、分割線が幾何学的分割モードに基づいて生成されるときのブロック単位の中心点と、の間の線オフセットによって決定されてもよい。したがって、エンコーダモジュール114は、傾斜角度及び線オフセットを示す分割線のパーティションインデックスをビットストリームに提供することができる。
【0141】
少なくとも1つの実装形態において、第1の動き情報及び第2の動き情報は、ブロック単位のマージ候補リストに含まれ得る。少なくとも1つの注入において、第1の動き情報は、第1の参照フレーム及び第1の参照ベクトルを示すことができ、第2の動き情報は、第2の参照フレーム及び第2の参照ベクトルを示すことができる。第1の参照フレーム及び第2の参照フレームは、ブロック単位の複数の参照リストから選択されてもよい。
【0142】
少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、第1の電子装置110内のエンコーダモジュール114の第1の加算器8142は、選択されたコーディング結果に基づいて残差ブロックを生成し、残差ブロック内の複数の残差コンポーネントに対応する複数の係数を含んでいる第2の電子装置120にビットストリームを提供することができる。
【0143】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、画像フレーム内の他のブロック単位を予測するために、選択されたコーディング結果に基づいてブロック単位を再び再構成することができる。ブロック単位は、選択されたコーディング結果をサブブロックの残差ブロックに追加することによって再構成され得る。
【0144】
ブロック330において、エンコーダモジュール114は、ブロック単位内のサブブロックを決定する。
【0145】
少なくとも1つの実装形態において、図5A及び8に関して、エンコーダモジュール114は、ブロック単位400を分割し、複数のサブブロック561~576を生成することができる。
【0146】
ブロック340において、エンコーダモジュール114は、サブブロックが分割線をカバーする複数のブロック領域の内の特定の1つに含まれるかどうかを判定する。少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114が、サブブロックが分割線をカバーする特定のブロック領域に含まれると判定するとき、方法300は、ブロック350に進むことができる。エンコーダモジュール114が、サブブロックが特定のブロック領域に含まれていないと判定したとき、本方法は、終了することができる。
【0147】
少なくとも1つの実装形態において、図5B~5C及び8に関して、エンコーダモジュール114は、ブロック単位を分割し、複数のブロック領域581~583を生成してもよい。少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、サブブロック561~576をブロック領域581~583に分類することができる。少なくとも1つの実装形態において、第3のブロック領域583は、分割線420をカバーすることができ、第1のブロック領域581及び第2のブロック領域は、分割線420をカバーしないことができる。第1のブロック領域581内のサブブロックのブロックコンポーネントの大部分は、第1の動き情報のみに基づいて予測されてもよく、第2のブロック領域582内のサブブロックのブロックコンポーネントの大部分は、第2の動き情報のみに基づいて予測されてもよい。したがって、サブブロックが第1の予測領域441に対応する第1のブロック領域581に含まれるとき、エンコーダモジュール114は、サブブロックのための第1の動き情報を格納することができる。その上、サブブロックが第2の予測領域442に対応する第2のブロック領域582に含まれるとき、エンコーダモジュール114は、サブブロックのための第2の動き情報を格納することができる。
【0148】
少なくとも1つの実装形態において、第3のブロック領域583内のサブブロックのブロックコンポーネントの大部分は、第1の動き情報及び第2の動き情報に基づいて予測され得る。したがって、サブブロックが第3の予測領域443に対応する第3のブロック領域583に含まれるとき、方法300は、エンコーダモジュール114がサブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の少なくとも1つをどのように格納するかを判定するために、ブロック350に進むことができる。
【0149】
ブロック350において、エンコーダモジュール114は、第1の動き情報の第1のリストフラグが第2の動き情報の第2のリストフラグと一致するかどうかを判定する。少なくとも1つの実装形態において、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、方法300は、ブロック360に進むことができる。第1のリストフラグが第2のリストフラグと異なるとき、方法300は、ブロック370に進むことができる。
【0150】
少なくとも1つの実装形態において、図5B~5C及び8に関して、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、エンコーダモジュール114は、第1のリストフラグを第2のリストフラグと比較することができる。第1のリストフラグが第2のリストフラグと異なるとき、特定のブロック領域583内のブロックコンポーネントは、2つの異なる参照リスト内の参照フレームに基づいて予測されてもよい。その上、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、特定ブロック領域583内のブロックコンポーネントは、同じ参照リスト内の参照フレームに基づいて予測されてもよい。
【0151】
ブロック360において、第1のリストフラグが第2のリストフラグと一致するとき、エンコーダモジュール114は、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納する。
【0152】
少なくとも1つの実装形態において、図5B~5C及び8に関して、ブロック単位400の第1のリストフラグがブロック単位400の第2のリストフラグと一致し、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、サブブロック内のブロックコンポーネントの大部分は、参照リストの内の1つから第1の参照サンプル及び第2の参照サンプルを導出することによって予測され得る。
【0153】
動き情報は、格納された動き情報に基づいて予測される複数の後続ブロックに格納されるため、格納された動き情報は、第1の参照サンプルと第2の参照サンプルとのブレンディング結果に基づいて生成されたブロック単位の複数の残差コンポーネントに影響を及ぼさないことがある。したがって、図1に関して、エンコーダモジュール114及びデコーダモジュール124が第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納するために方法300を実行するとき、エンコーダモジュール114及びデコーダモジュール124は、サブブロックのための同じ動き情報を格納することができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の参照フレーム及び第2の参照フレームが同じ参照リストに含まれるとき、エンコーダモジュール114は、バッファの使用を低減するために、第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を直接格納することができる。したがって、エンコーダモジュール114は、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を格納する。
【0154】
少なくとも1つの実装形態において、第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方は、第2の動き情報であってよい。したがって、エンコーダモジュール114は、サブブロックのための第2の動き情報を直接格納する。少なくとも1つの実装形態において、ビットストリームは、第1の動き情報を示す第1の候補インデックスと、第2の動き情報を示す第2の候補インデックスとを含むことができる。したがって、デコーダモジュール124は、ビットストリーム中のブロック単位の第2の候補インデックスから、第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を決定することができる。
【0155】
ブロック370において、エンコーダモジュール114は、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の両方を格納する。
【0156】
少なくとも1つの実装形態において、図5B~5C及び8に関して、ブロック単位400の第1のリストフラグがブロック単位400の第2のリストフラグと異なり、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、サブブロック内のブロックコンポーネントの大部分は、異なる参照リストから第1の参照サンプル及び第2の参照サンプルを導出することによって予測され得る。したがって、エンコーダモジュール114は、更なる決定なしに、サブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報を直接格納する。
【0157】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、同じ参照リストを有するサブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の内の予め定められた一方を直接格納し、異なる参照リストを有するサブブロックのための第1の動き情報及び第2の動き情報の両方を直接格納することができる。したがって、サブブロックが特定のブロック領域583に含まれるとき、エンコーダモジュール114は、第1のリストフラグと第2のリストフラグとの間の比較のみに基づいて、第1の動き情報と第2の動き情報とが、サブブロックのための格納された動き情報として共に格納されるかどうかを判定することができる。
【0158】
ブロック380において、後続ブロックがサブブロックに基づいて予測されるとき、エンコーダモジュール114は、格納された動き情報上で後続ブロックを再構成する。
【0159】
少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、ブロック単位が再構成される後、エンコーダモジュール114は、画像フレーム及び複数の後続フレームを予測し続けることができる。したがって、ブロック単位の格納された情報は、画像フレーム及び後続フレームにおける後続ブロックを予測するために使用されてもよい。少なくとも1つの実装形態において、後続フレームは、画像フレームの再構成後に予測される複数の予測されないフレームを含むことができる。その上、後続ブロックは、画像フレーム及び後続フレーム中の複数の予測されていないブロックを含んでもよい。予測されていないブロックは、ブロック単位の再構成後に予測されてもよい。
【0160】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、図6に示すようにブロック単位を再構成するための例としての再構成方法600を実行することができる。方法600は、図1及び図8に示される構成を使用して実行されてもよく、これらの図の様々な要素は、方法600を説明する際に参照される。図6に示される各ブロックは、実行される1つ又は複数のプロセス、方法、又はサブルーチンを表すことができる。更に、ブロックの順序は例示にすぎず、変更することができる。本開示から逸脱することなく、追加のブロックが追加されてもよく、又はより少ないブロックが利用されてもよい。
【0161】
ブロック610において、エンコーダモジュール114は、動画像データの画像フレームを受信し、受信した動画像データに従って画像フレームからブロック単位を決定する。動画像データは、動画像であってもよい。
【0162】
少なくとも1つの実装形態において、図1及び図8に関して、第1の電子装置110は、ソースモジュール112を介して動画像を受信することができる。エンコーダモジュール114は、動画像から画像フレームを決定し、画像フレームを分割してブロック単位を決定することができる。
【0163】
少なくとも1つの実装形態において、第1の電子装置110の予測プロセスユニット8141は、パーティションユニット81411を介して動画像からブロック単位を決定することができ、エンコーダモジュール114は、パーティションユニット81411のパーティション結果に基づいて、複数のパーティション表示をビットストリームに提供することができる。
【0164】
ブロック620において、エンコーダモジュール114は、動画像データから決定された第1の予測モードによって、ブロック単位の複数の再構成されたコンポーネントを決定する。
【0165】
少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位は、複数の第1のブロックコンポーネント及び複数の第2のブロックコンポーネントを含むことができる。第1のブロックコンポーネントは、複数の輝度ブロックコンポーネントであってもよく、第2のブロックコンポーネントは、複数の彩度ブロックコンポーネントであってもよい。少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、エンコーダモジュール114は、イントラ予測ユニット81412及びインター予測ユニット81413によって生成される複数のコーディング結果を生成してもよい。次に、エンコーダモジュール114は、コスト関数といったモード選択方法に基づいてコーディング結果の内の1つを選択することができる。モード選択方法は、レート歪み最適化(RDO)プロセスであってよい。選択されたコーディング結果のための輝度予測モードは、第1の予測モードとして設定されることができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の加算器8142は、第1のブロックコンポーネントからコーディング結果を減算することによって残差ブロックを生成することができる。少なくとも1つの実装形態において、残差ブロックは、変換/量子化ユニット8143によって変換及び量子化されてよい。少なくとも1つの実装形態において、逆量子化/逆変換ユニット8144は、逆量子化及び逆変換を適用して、参照ブロックとして後に使用するために、画素領域内の残差ブロックを再構成してよい。第2の加算器8145は、復号された画像バッファ8147内に格納するために再構成されたコンポーネントを生成するために、再構成された残差ブロックを予測プロセスユニット8141から提供されたコーディング結果に加算することができる。少なくとも1つの実装形態において、再構成されたコンポーネントは、ブロック単位の輝度ブロックコンポーネントについて導出される。
【0166】
ブロック630において、エンコーダモジュール114は、少なくとも1つのサンプリングパラメータに基づいて、第2の予測モードのために、ブロック単位に隣接している複数の隣接ブロックから複数の参照サンプルを選択する。
【0167】
少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、エンコーダモジュール114は、第2のコンポーネントのためのモード選択方法に基づいて、コーディング結果の内の1つを選択することができる。選択されたコーディング結果に対する彩度予測モードは、第2の予測モードとして設定されることができる。少なくとも1つの実装形態において、第2の予測モードは、複数の候補モデルモードから選択され得る。
【0168】
少なくとも1つの実装形態において、少なくとも1つのサンプリングパラメータは、開始パラメータ、間隔パラメータ、及び量パラメータの内の少なくとも1つを含むことができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の開始パラメータは、複数の開始候補から決定されてもよく、ブロック単位700の間隔パラメータは、複数の間隔候補から決定されてもよく、ブロック単位700の量パラメータは、複数の量候補から決定されてもよい。
【0169】
少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位700の開始パラメータは、ビットストリームから決定された開始候補の内の特定の1つに等しくてよい。一実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、ブロック単位700のために決定された特定の開始候補に基づいて、直接設定されてよい。実装形態において、開始候補の各々は、整数の候補Ciであってよい。一実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、ブロックサイズW×H及びブロック単位700の特定の開始候補に基づいて計算されてよい。本実装形態において、開始候補の各々は、分数候補Cfであってよく、又は整数の候補Ci及び分数候補Cfを含んでもよい。一実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、開始ベースSbを特定の開始候補に加算することによって、又は開始ベースSbに特定の開始候補を乗算することによって、ブロック単位700の開始ベースSb及び特定の開始候補に基づいて計算することができる。本実装形態において、開始候補の各々は、整数候補Ciであってもよい。一実装形態において、ブロック単位700の少なくとも1つの開始点は、開始ベースSb、間隔ベースIb及びブロック単位700の特定の開始候補に基づいて計算されてよい。本実装形態において、開始候補の各々は、整数候補Ciであってよい。少なくとも1つの実装形態において、間隔候補の各々は、整数の候補Iiであってよい。2つの隣接する参照サンプル間の距離は、整数の候補Iiから選択された間隔パラメータに等しく設定されてよい。一実装形態において、2つの隣接する参照サンプル間の距離は、間隔ベースIbを間隔パラメータに加算することによって、又は間隔ベースIbに間隔パラメータを乗算することによって、間隔ベースIb及びブロック単位700の間隔パラメータに基づいて計算され得る。一実装形態において、2つの隣接する参照サンプル間の距離は、間隔ベースIb、導出された開始ベースSd、及びブロック単位700の間隔パラメータに基づいて計算され得る。少なくとも1つの実装形態において、量候補は、複数の上部量候補及び複数の左量候補を含むことができる。ブロック単位700の上方の参照サンプルの数は、上部量候補から選択された量パラメータと等しくてもよく、ブロック単位700の左側の参照サンプルの数は、左量候補から選択された量パラメータと等しくてもよい。
【0170】
少なくとも1つの実装形態において、少なくとも1つのサンプリングパラメータは、開始パラメータであってよい。一実装形態において、開始パラメータは、複数の候補モデルモードに設定されてよい。
【0171】
少なくとも1つの実装形態において、少なくとも1つのサンプリングパラメータは、開始パラメータ、間隔パラメータ、及び量パラメータを含むことができる。少なくとも1つの実装形態において、開始パラメータ、間隔パラメータ、及び量パラメータは、候補モデルモードの各々に設定されてよい。
【0172】
ブロック640において、エンコーダモジュール114は、参照サンプルに基づいて、第2の予測モードの複数のモデルパラメータを導出する。
【0173】
少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、エンコーダモジュール114は、参照サンプル中の複数の第1の参照コンポーネント及び複数の第2の参照コンポーネントを決定することができる。少なくとも1つの実装形態において、第1の参照コンポーネントは、複数の輝度参照コンポーネントであってよく、第2の参照コンポーネントは、複数の彩度参照コンポーネントであってよい。少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、第1参照コンポーネントをダウンサンプリングして、複数のダウンサンプリングされた参照コンポーネントを生成することができる。
【0174】
少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、参照サンプルに基づいてモデル方程式のモデルパラメータを導出することができる。少なくとも1つの実装形態において、ブロック単位のモデル方程式は、以下のように導出されてもよい:
【0175】
【数5】
【0176】
ここで、Pred(x,y)は、ブロック単位内の複数の予測されたコンポーネントを表し、Rec’(x,y)は、同じブロック単位の複数のダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントを表す。少なくとも1つの実装形態において、モデルパラメータα及びβは、参照サンプルに基づいて導出される。
【0177】
ブロック650において、エンコーダモジュール114は、第2の予測モードに従って、再構成されたコンポーネントに基づいて、ブロック単位の複数の予測されたコンポーネントを生成する。
【0178】
少なくとも1つの実装形態において、図8に関して、エンコーダモジュール114は、ダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントを生成するために、再構成されたコンポーネントをダウンサンプリングすることができる。少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、ダウンサンプリングされた再構成されたコンポーネントをモデル方程式に代入し、予測されたコンポーネントを生成することができる。したがって、予測されたコンポーネントは、ブロック単位の彩度ブロックコンポーネントのために生成され得る。少なくとも1つの実装形態において、彩度残差ブロックは、第1の加算器8142において動画像内の元の第2のブロックコンポーネントから予測されたコンポーネントを減算することによって生成され、第2の加算器8145において複数のクロマ再構成されたコンポーネントを生成するために予測されたコンポーネントに追加されて戻され得る。少なくとも1つの実装形態において、エンコーダモジュール114は、画像フレーム内の他の全てのブロック単位を予測し、動画像を予測するためにコーディングされたブロック単位を再構成することができる。
【0179】
説明された実装形態は、全ての点において、例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。また、本出願は、上述の特定の実装形態に限定されるものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの再構成、修正、及び置換が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0180】
図1図1は、本開示の一例としての実装形態による、動画像データを符号化及び復号化するように構成された一例としての装置の構成図を示す。
図2図2は、本開示の一例としての実装形態による、図1中の第2の電子装置の一例としてのデコーダモジュールの構成図を示す。
図3図3は、本開示の一例としての実装形態による、ブロック単位を再構成するための一例としての再構成方法のフローチャートを示す。
図4A図4Aは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分割された異なる予測領域を有するブロック単位の概略図である。
図4B図4Bは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分割された異なる予測領域を有するブロック単位の概略図である。
図4C図4Cは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分割された異なる予測領域を有するブロック単位の概略図である。
図4D図4Dは、本開示の例としての実装形態による、分割線に基づいて分割された異なる予測領域を有するブロック単位の概略図である。
図5A図5Aは、本開示の例としての実装形態による、異なるブロック領域に分類された複数のサブブロックを有するブロック単位の概略図である。
図5B図5Bは、本開示の例としての実装形態による、異なるブロック領域に分類された複数のサブブロックを有するブロック単位の概略図である。
図5C図5Cは、本開示の例としての実装形態による、異なるブロック領域に分類された複数のサブブロックを有するブロック単位の概略図である。
図6図6は、本開示の一例としての実装形態による、ブロック単位を再構成するための別の一例としての再構成方法のフローチャートを示す。
図7図7は、本開示の例としての実装形態による、ブロック単位及び複数の参照サンプルの概略図である。
図8図8は、本開示の一例としての実装形態による、図1の第1の電子装置の一例としてのエンコーダモジュールの構成図を示す。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
【国際調査報告】