(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】パケット処理方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H04L 12/44 20060101AFI20220906BHJP
H04B 10/272 20130101ALI20220906BHJP
H04Q 11/04 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H04L12/44 200
H04B10/272
H04Q11/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576830
(86)(22)【出願日】2020-06-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 CN2020094800
(87)【国際公開番号】W WO2020259261
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】201910568044.7
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リン,リエンクイ
【テーマコード(参考)】
5K033
5K069
5K102
【Fターム(参考)】
5K033AA02
5K033CA11
5K033DA01
5K033DA15
5K033DB22
5K033EA03
5K033EB06
5K069CA06
5K069EA24
5K069EA30
5K102AL08
(57)【要約】
パケット処理方法は、光ネットワークユニットONUが、ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを受信するステップと、ONUが、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するステップであって、OTNの前記最小伝送単位の長さは、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である、ステップと、ONUが、光回線端末OLTにGPONカプセル化モードGEMフレームを送信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、GEMフレームとなり、スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、を含む。OLTの伝送においてネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって、イーサネットパケットスライスを処理する必要はなく、それにより、ネットワーク伝送の遅延を減少させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット処理方法であって、当該方法は、
ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを光ネットワークユニットONUによって受信するステップと、
前記ONUによって、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、前記イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するステップであって、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である、ステップと、
前記ONUによって、光回線端末OLTにGPONカプセル化モードGEMフレームを送信するステップであって、前記イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記イーサネットパケットスライスの前記長さの整数倍であるということを示す、ステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
当該方法は、
前記ONUによって、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するステップ、又は、
前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を前記ONUの中に構成するステップ、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該方法は、
前記ONUによって、キャッシュしきい値に基づいて、前記イーサネットパケットスライスをキャッシュするステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
パケット処理方法であって、当該方法は、
光ネットワークユニットONUが送信するGPONカプセル化モードGEMフレームを光回線端末OLTによって受信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記OLTによって、OTNデバイスに光トランスポンダユニットOTUフレームを送信するステップであって、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む、
方法。
【請求項5】
当該方法は、
前記OLTによって、前記スライス識別子に基づいて、ネットワーク処理NP又はトラフィック管理TM処理が、前記イーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、
前記OLTによって、前記イーサネットパケットスライスに対してOTUフレーミングを実行して、前記OTUフレームを生成するステップであって、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する、ステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
パケット処理方法であって、当該方法は、
光トランスポートネットワークOTNデバイスが送信する光トランスポンダユニットOTUフレームを光回線端末OLTによって受信するステップであって、前記OTUフレームは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記OLTによって、前記イーサネットパケットスライスをカプセル化して、GPONカプセル化モードGEMフレームとし、そして、光ネットワークユニットONUに前記GEMフレームを送信するステップであって、前記GEMフレームは、前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む、方法。
【請求項8】
パケット処理方法であって、当該方法は、
光回線端末OLTが送信するGPONカプセル化モードGEMフレームを光ネットワークユニットONUによって受信するステップであって、前記GEMフレームは、スライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記ONUによって、前記イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットに復元するステップと、を含む、
方法。
【請求項9】
前記GEMフレームは、さらに、前記イーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、当該方法は、
前記ONUによって、前記イーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべてのイーサネットパケットスライスが受信されているということを決定するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項4乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される前記光回線端末OLTと、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される光ネットワークユニットONUと、を含む受動光ネットワークPONシステム。
【請求項11】
前記ONUは、さらに、請求項8又は9に記載の方法を実行するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記OLTは、さらに、請求項7に記載の方法を実行するように構成される、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
ダウンストリームインターフェイスモジュール、処理モジュール、及びアップストリームインターフェイスモジュールを含む光ネットワークユニットONUであって、
前記ダウンストリームインターフェイスモジュールは、ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを受信するように構成され、
前記処理モジュールは、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、前記イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するように構成され、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であり、
前記アップストリームインターフェイスモジュールは、光回線端末OLTに第1のGPONカプセル化モードGEMフレームを送信するように構成され、前記第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子は、カプセル化されて、前記第1のGEMフレームとなり、前記第1のスライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記第1のイーサネットパケットスライスの前記長さの整数倍であるということを示す、
ONU。
【請求項14】
前記アップストリームインターフェイスモジュールは、さらに、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するように構成され、又は、
前記処理モジュールは、さらに、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を格納するように構成される、請求項13に記載のONU。
【請求項15】
前記処理モジュールは、さらに、キャッシュしきい値に基づいて、前記第1のイーサネットパケットスライスをキャッシュするように構成される、請求項13又は14に記載のONU。
【請求項16】
前記アップストリームインターフェイスモジュールは、さらに、前記OLTが送信する第2のGEMフレームを受信するように構成され、前記第2のGEMフレームは、第2のイーサネットパケットスライス及び第2のスライス識別子を搬送し、前記第2のスライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示し、
前記処理モジュールは、前記第2のスライス識別子に基づいて、前記第2のイーサネットパケットスライスを第2のイーサネットパケットに復元する、請求項13乃至15のうちのいずれか1項に記載のONU。
【請求項17】
前記第2のGEMフレームは、さらに、前記第2のイーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、
前記処理モジュールは、さらに、前記第2のイーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべての固定長のパケットスライスが受信されているということを決定するように構成される、請求項16に記載のONU。
【請求項18】
ラインカード及びアップストリーム構成要素を含む光回線端末OLTであって、
前記ラインカードは、光ネットワークユニットONUが送信する第1のGPONカプセル化モードGEMフレームを受信するように構成され、第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子は、カプセル化されて、前記第1のGEMフレームとなり、前記第1のスライス識別子は、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位の長さが、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示し、
前記アップストリーム構成要素は、OTNデバイスに第1の光トランスポンダユニットOTUフレームを送信するように構成され、前記OTUフレームは、前記第1のイーサネットパケットスライス及び前記第1のスライス識別子を搬送する、
OLT。
【請求項19】
前記ラインカードは、さらに、スライス情報に基づいて、ネットワーク処理又はトラフィック管理が、前記第1のイーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定するように構成される、請求項18に記載のOLT。
【請求項20】
前記アップストリーム構成要素は、さらに、前記第1のイーサネットパケットスライスに基づいて、前記OTUフレームを生成するように構成される、請求項18又は19に記載のOLT。
【請求項21】
前記アップストリーム構成要素は、さらに、光トランスポートネットワークOTNデバイスが送信する第2のOTUフレームを受信するように構成され、前記第2のOTUフレームは、第2のイーサネットパケットスライス及び第2のスライス識別子を搬送し、前記第2のスライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示し、
前記ラインカードは、前記第2のイーサネットパケットスライスをカプセル化して、第2のGEMフレームとし、そして、前記ONUに前記第2のGEMフレームを送信し、前記第2のGEMフレームは、前記第2のスライス識別子を搬送する、請求項18乃至20のうちのいずれか1項に記載のOLT。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2019年6月27日付で中国国家知的財産管理局に出願された"パケット処理方法及びデバイス"と題する中国特許出願第201910568044.7号に基づく優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
この出願は、受動光ネットワーク技術の分野に関し、特に、パケット処理方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
受動光ネットワーク(passive optical network, PON)は、ポイントトゥマルチポイントトポロジ構造を使用する光アクセス技術である。
図1は、PONシステムの構造を示す概略的な図である。
図1に示されているように、PONシステム100は、光回線端末(Optical Line Termination, OLT)104、光分配ネットワーク(Optical Distribution Network, ODN)102、及び光ネットワークユニット(Optical Network unit, ONU)又は光ネットワーク端末(Optical Network Terminal, ONT)101を含む。ODNは受動光スプリッティングデバイスであり、受動光スプリッタ(Splitter)103、フィーダーファイバ106、及び分配ファイバ107の3つの部分を含む。PONシステムにおいては、ODN102は、1つの光ファイバを複数の光ファイバに分割し、ONUは、帯域幅を共有する。OLT104からONU101への送信方向は、ダウンストリーム方向と称され、ONU101からOLT104への送信方向は、アップストリーム方向と称される。アップストリームサービスは、時分割多元アクセスモードでアクセスされ、各々のONU101は、OLT104が割り当てるタイムスロットの中でのみ、自身のアップストリームデータを送信することが可能である。ダウンストリームサービスは、時分割多重化ブロードキャストモードによって、各々のONU101に情報及びデータを送信する。ODN102は、各々のONU101にOLT104のダウンストリームデータを送信し、OLT104への送信のために、複数のONU101のアップストリームデータを収集する。ONU101の構成は、ONTの構成と同様である。この出願書類によって提供される解決方法において、光ネットワークユニット及び光ネットワーク端末は、相互に互換可能である。
【0004】
既存のPONシステムの伝送経路は、OLT104、ODN102、及びONU101を含む。OLT104は、アップストリーム構成要素、スイッチング及び転送構成要素、及び、PONラインカードを含む。アップストリーム構成要素及びPONラインカードの双方は、ネットワークプロセッサ(Network Processor, NP)又はトラフィック管理(Traffic Management, TM)モジュールを含む。TMモジュールは、主として、ネットワーク伝送帯域幅及びサービスフローの優先順位に基づいて、サービスフローのサービス品質(Quality of Service, QoS)を制御する。NPは、イーサネットサービスを処理するためのコアチップであり、例えば、イーサネットサービスデータに対してパケット処理、プロトコル分析、及びルートサーチを実行するといったように、主として、さまざまなイーサネットサービスのための転送処理タスクを実行する。ネットワーク側のイーサネットパケットがOLT104に入った後に、OLT104の中のアップストリーム構成要素のNP又はTMモジュールは、イーサネットパケット転送処理及びサービス品質の制御を完了し、PONラインカードにおけるNP又はTMモジュールは、PON入来パケットのPONインターフェイス側への転送処理及びサービス品質の制御を完了する。加えて、ONU101においては、ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールは、また、パケット転送処理及びサービス品質の制御に関与することを要求される。
【0005】
PONシステムの伝送経路において、各々のレベルにあるネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールがイーサネットパケットに対して実行する転送処理及びサービス品質の制御は、数マイクロ秒から数十マイクロ秒の範囲の遅延を引き起こす。モバイルフロントホール/バックホール等のいくつかのサービスの場合には、その遅延は、ユーザにとって許容可能ではない。ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによるパケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をどのようにして減少させ又は排除して、PONシステムにおいて低遅延伝送を実装するかは、解決されるべき緊急の問題である。
【発明の概要】
【0006】
この出願は、パケット処理方法及びデバイスを提供して、低遅延伝送を実装する。
【0007】
第1の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光ネットワークユニットONUが、ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを受信するステップと、前記ONUが、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、前記イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するステップであって、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である、ステップと、前記ONUが、光回線端末OLTにGPONカプセル化モード(GEM)フレームを送信するステップであって、前記イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記イーサネットパケットスライスの前記長さの整数倍であるということを示す。この出願のこの実施形態において、ONUは、受信したイーサネットパケットをスライシングし、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子をカプセル化して、第1のGEMフレームとし、そして、OLTに第1のGEMフレームを送信する。スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す。イーサネットパケットスライスの場合は、OLTは、パケット転送処理及びサービス品質の制御を実行する必要がなく、それによって、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をパケット伝送経路において減少させることが可能であり、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0008】
ある1つの可能な設計において、前記ONUは、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するか、又は、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報は、前記ONUの中に格納される。したがって、ユーザデバイスのパケットフレームを受信した後に、ONUは、OTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、パケットフレームをスライシングする。
【0009】
ある1つの可能な設計において、ONUは、キャッシュしきい値に基づいて、イーサネットパケットスライスをキャッシュし、それによって、イーサネットパケットスライスの送信が失敗するときに、キャッシュしたイーサネットパケットスライスに基づいて、さらなる送信を実行することが可能であり、それにより、リンク保護を実装する。
【0010】
第2の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光ネットワークユニットONUが送信するGEMフレームを受信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、前記OLTが、OTNデバイスに光トランスポンダユニットOTUフレームを送信するステップであって、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む。この出願のこの実施形態において、GEMフレームは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を搬送する。スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す。OLTは、イーサネットパケットスライスに対してパケット転送処理及びサービス品質の制御を実行する必要がなく、それによって、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をパケット伝送経路において減少させることが可能であり、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0011】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、前記スライス識別子に基づいて、NP又はTM処理が、前記イーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定する。この方法によれば、OLTは、イーサネットパケットスライスに対して、パケット転送処理及びサービス品質の制御を実行する必要はなく、それによって、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をパケット伝送経路において減少させることが可能であり、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0012】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、前記イーサネットパケットスライスに対してOTUフレーミングを実行して、前記OTUフレームを生成し、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する。この方法によれば、ピアOLTが、イーサネットパケットスライスに対して転送処理及びサービス品質の制御を実行しないということを保証することが可能であり、それにより、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延を減少させて、低遅延伝送を実装する。
【0013】
第3の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光トランスポートネットワークOTNデバイスが送信するOTUフレームを受信するステップであって、前記OTUフレームは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記OLTが、前記イーサネットパケットスライスをカプセル化して、GEMフレームとし、そして、光ネットワークユニットONUに前記GEMフレームを送信するステップであって、前記GEMフレームは、前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む。この方法によれば、OLTは、受信したイーサネットパケットスライスに対して転送処理及びサービス品質の制御を実行せず、それにより、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延を低減減少させて、低遅延伝送を実装する。
【0014】
第4の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光ネットワークユニットONUが、光回線端末OLTが送信するGEMフレームを受信するステップであって、前記GEMフレームは、スライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、前記ONUが、前記イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットに復元するステップと、を含む。この方法によれば、ONUは受信したイーサネットパケットスライスを復元して、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延を伝送経路全体で減少させるということを保証し、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0015】
ある1つの可能な設計において、前記GEMフレームは、さらに、前記イーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、当該方法は、
前記ONUが、前記イーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべてのイーサネットパケットスライスが受信されているということを決定するステップをさらに含む。この方法によれば、受信したイーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元するということを保証することが可能である。
【0016】
第5の態様によれば、この出願は、受動光ネットワークPONシステムを提供し、その受動光ネットワークPONシステムは、複数の選択的な方式のすべてによって、第2の態様にしたがった方法のいずれか1つを実行するように構成される光回線端末OLT、及び、複数の選択的な方式のすべてによって、第2の態様にしたがった方法のいずれか1つを実行するように構成される光ネットワークユニットを含む。
【0017】
ある1つの可能な設計において、ONUは、さらに、第4の態様にしたがった方法を実行するように構成される。
【0018】
ある1つの可能な設計において、OLTは、さらに、第3の態様にしたがった方法のために構成される。
【0019】
第6の態様によれば、この出願は、光ネットワークユニットONUを提供し、そのONUは、第1の態様及び第4の態様にしたがった方法を実装するONUの機能を有する。それらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく、又は、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、それらの機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0020】
第7の態様によれば、この出願は、光回線端末OLTを提供し、そのOLTは、第2の態様及び第3の態様にしたがった方法を実装するOLTの機能を有する。それらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく又は対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、それらの機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0021】
第8の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光ネットワークユニットONUが送信するGEMフレームを受信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記ONUは、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、イーサネットパケットをスライシングして、イーサネットパケットスライスを生成し、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であり、前記OLTは、OTNデバイスにOTUフレームを送信し、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス、前記イーサネットパケット識別子、及び前記イーサネットパケットスライスのスライスシーケンス番号を搬送する。
【0022】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、NP又はTM処理が、前記イーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定する。
【0023】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するか、又は、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報は、前記OLTの中に格納される。
【0024】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、キャッシュしきい値に基づいて、イーサネットパケットスライスをキャッシュする。
【0025】
第9の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光トランスポートネットワークOTNデバイスが送信するOTUフレームを受信するステップであって、前記OTUフレームは、イーサネットパケットスライス、イーサネットパケット識別子、及びイーサネットパケットスライスのスライスシーケンス番号を搬送し、前記イーサネットパケットスライスの長さは、前記OTNの最小伝送単位の長さによって正確に分割される、ステップと、前記OLTが、前記イーサネットパケット識別子及び前記スライスシーケンス番号に基づいて、前記イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットに復元するステップと、前記OLTが、前記イーサネットパケットをカプセル化して、GEMフレームとし、そして、光ネットワークユニットONUに前記GEMフレームを送信するステップと、を含む。
【0026】
ある1つの可能な設計において、前記OTUフレームは、さらに、前記イーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、当該方法は、前記OLTが、前記イーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべてのイーサネットパケットスライスが受信されているということを決定するステップをさらに含む。
【0027】
第10の態様によれば、この出願は、受動光ネットワークPONシステムを提供し、そのPONシステムは、複数の選択的な方式のすべてによって、第8の態様にしたがった方法のうちのいずれか1つを実行するように構成される光回線端末OLT、及び、イーサネットパケットを受信し、そして、OLTに、GEMフレームの中のイーサネットパケットを送信するように構成される光ネットワークユニットを含む。
【0028】
第11の態様によれば、この出願は、光回線端末OLTを提供し、そのOLTは、第8の態様及び第9の態様にしたがった方法を実装するOLTの機能を有する。それらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく又は対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、それらの機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0029】
第8の態様、第8の態様乃至第11の態様の複数の可能な設計、及び、第11の態様の複数の可能な設計によって提供されるパケット処理デバイスの有益な効果については、第2の態様及び第2の態様の可能な実装によってもたらされる有益な効果を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0030】
第12の態様によれば、この出願は、メモリ及びプロセッサを含むパケット処理デバイスを提供する。
【0031】
メモリは、プログラム命令を格納するように構成される。
【0032】
プロセッサは、メモリの中のプログラム命令を呼び出して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第8の態様又は第8の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法を実行するように構成される。
【0033】
第13の態様によれば、この出願は、読み取り可能な記憶媒体を提供し、その読み取り可能な記憶媒体は、実行可能命令を格納する。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサが、それらの実行可能命令を実行するときに、そのパケット処理デバイスは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第8の態様又は第8の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法を実行する。
【0034】
第14の態様によれば、この出願は、プログラム製品を提供する。そのプログラム製品は、実行可能な命令を含み、それらの実行可能な命令は、読み取り可能な記憶媒体の中に格納される。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、その読み出し可能な記憶媒体からそれらの実行可能な命令を読み出してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、それらの実行可能な命令を実行し、それによって、そのパケット処理デバイスは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第8の態様又は第8の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法を実装する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】PONシステムの構成を示す概略的な図である。
【
図2】この出願にしたがったパケット処理方法のある1つの実施形態のフローチャートである。
【
図3a】この出願にしたがったPONシステムの構成を示す概略的な図である。
【
図3b】この出願にしたがったPONシステムの構成を示す概略的な図である。
【
図4A】この出願にしたがったパケット処理方法のある1つの実施形態のフローチャートである。
【
図4B】この出願にしたがったパケット処理方法のある1つの実施形態のフローチャートである。
【
図5】この出願にしたがったパケット処理デバイスのある1つの実施形態の構成を示す概略的な図である。
【
図6】この出願にしたがったPONシステム600の構成を示す概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下は、本出願の実施態様における添付図面を参照して、本出願の実施態様における技術的解決策を説明する。本出願の説明において、別段の定めがない限り、「複数の」とは、2つ以上を意味する。また、本願の実施形態における技術的解決策を明確に説明するために、機能・目的が基本的に同一である同一の対象物又は類似の対象物を区別するために、「第1の」及び「第2の」のような用語を用いる。当業者には言うまでもなく、「第1の」、「第2の」等の用語は、数量及び実行順序を制限するものではなく、「第1の」、「第2の」等の用語は、明確な差異を示すものではない。本発明における「A及び/又はB」は、A又はBのいずれか、又はA及びBを含むものとして説明することができる。
【0037】
既存のPONシステムの伝送経路上では、イーサネットパケット転送処理及び各レベルにおいてネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって実行されるサービス制御の品質は、マイクロ秒から数十マイクロ秒の遅延を引き起こす。このアプリケーションは、PONシステムにおいて、ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによるパケット転送処理及びサービス品質制御に起因する遅延を低減又は排除し、それにより低遅延伝送を実現するためのパケット処理方法及び装置を提供する。本出願では、光ネットワークユニットONUにイーサネットパケットスライシング層とイーサネットパケットフレーミング層を追加する。イーサネットパケットスライシング層は、アップストリームイーサネットパケットをスライスし、イーサネットパケットスライスを生成、OTNの最小伝送ユニットの長さは、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。イーサネットパケットスライスは、OLTの送信においてネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって処理される必要はない。換言すれば、イーサネットパケットスライスは、ネットワークプロセッサ又はトラフィック・マネジメント・モジュールによる転送処理及びサービス品質制御の対象とならなくなる可能性がある。従って、ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって引き起こされる遅延は、パケット伝送経路上で低減され、それによって、低遅延伝送を実現することができる。以下に、添付の図面を参照して、本出願の技術的解決策を詳細に説明する。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態によるシステムの構造を示す概略図である。
図2に示すように、OLT104-1は、光トランスポートネットワーク(optical transport network,OTN)装置105-1と通信する。OLT104-1は、ONU(101-1、101-2、101-3)のパケットをOTN装置105-1に送信し、OTN装置105-2は、ONU(101-1、101-2、101-3)のパケットをピアONU(101-4、101-5、101-6)に送信する。OLT104-1はさらに、OTN装置105-1によって送信されたパケットを受信し、ODNネットワーク102を用いて、OTN装置105-1によって送信された受信パケットをONU(101-1、101-2、101-3)に送信する。OTNは、PONのベアラネットワークとして使用することができ、PONサービスの伝送距離を増加させるか、より良好なサービス保護を提供するように構成される。OTNシステムで送信されたOTNフレームのペイロード領域をバイト数で分割される。ペイロード領域は、少なくとも1つの固定長バイトブロックに分割される。バイトブロックは、OTNの最小伝送ユニットとみなしてもよい。一般に、PONシステムで送信されるデータフレームのコンテンツは、1つ以上の最小送信ユニットにマッピングされる。
【0039】
このアプリケーションの技術的解決策は、PONシステムに適用され、PONシステムは、ONU101、ODN102、及びOLT104を含む。
図3aは、本出願に係るPONシステムの一実施形態の構造を示す概略図である。
図3aに示すように、PONシステムは、OLT104、ODN102、及びONU101を含む。
【0040】
ONU101は、アップストリームインターフェースモジュール14と、処理モジュール15と、ダウンストリームインターフェースモジュール16とを含む。詳細は下記のとおりである。
【0041】
ダウンストリームインターフェースモジュール16は、ユーザ装置によって送信される第1のイーサネットパケットを受信するように構成される。
【0042】
処理モジュール15は、光トランスポートネットワークOTNの最小送信ユニットに関する情報に基づいて第1のイーサネットパケットをスライスし、第1のイーサネットパケットスライスを生成するように構成され、OTNの最小送信ユニットの長さは、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。
【0043】
アップストリームインタフェースモジュール14は、第1のギガビット対応受動光ネットワークカプセル化方法(GPON encapsulation method,GEM)フレームを光ライン端末OLT104に送信するように構成される。第1のイーサネットパケットスライスと第1のスライス識別子は第1のGEMフレームにカプセル化され、第1のスライス識別子はOTNの最小伝送ユニットの長さが第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0044】
任意的に、アップストリームインターフェースモジュール14はさらに、OTNの最小送信ユニットに関する情報を取得するように構成されるか、又は処理モジュール15はさらに、OTNの最小送信ユニットに関する情報を格納するように構成される。
【0045】
処理モジュール15はさらに、キャッシュしきい値に基づいて第1のイーサネットパケットスライスをキャッシュするように構成される。
【0046】
任意的に、アップストリームインターフェースモジュール14はさらに、OLT104によって送信された第2のGEMフレームを受信するように構成される。第2のGEMフレームは、第2のイーサネットパケットスライスと第2のスライス識別子を運び、第2のスライス識別子は、OTNの最小伝送ユニットの長さが、第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0047】
処理モジュール15は、第2のスライス識別子に基づいて、第2のイーサネットパケットスライスを第2のイーサネットパケットフレームに復元する。
【0048】
任意的に、第2のGEMフレームはさらに、第2のイーサネットパケットのスライスの総量を搬送し、処理モジュール15はさらに、第2のイーサネットパケットのスライスの総量に基づいて、イーサネットパケットのすべての固定長パケットスライスが受信されたことを判定するように構成される。
【0049】
OLT104は、アップストリームコンポーネント11とPONラインカード13とを含む。ラインカード13は、光ネットワークユニットONU101によって送信される第1のGEMフレームを受信するように構成され、第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子は、第1のGEMフレームにカプセル化され、第1のスライス識別子は、OTNの最小送信ユニットの長さが、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。アップストリームコンポーネント11は、第1のOTUフレームをOTN装置に送信するように構成され、OTUフレームは、第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子を運ぶ。
【0050】
任意的に、ラインカード13はさらに、スライス情報に基づいて、ネットワークプロセッサ処理又はトラフィック管理が第1のイーサネットパケットスライスに対して実行されないことを決定するように構成される。
【0051】
任意的に、アップストリームコンポーネント11はさらに、第1のイーサネットパケットスライスに基づいてOTUフレームを生成するように構成される。
【0052】
図3bは、本出願に係るPONシステムの一実施形態の構造を示す概略図である。
図3bに示すように、PONシステムは、OLT104、ODN102、及びONU101を含む。
【0053】
アップストリームコンポーネント11は、OTUフレーミング層/光チャネルデータユニット(Optical Channel Data Unit,略してODU)フレーミング層、第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層b、第2のイーサネット(Ethernet,ETH)MAC及び他のモジュールcを含む。PONラインカード13は、第1のETH MAC及び他のモジュールe、第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層f、及び第2のPON MAC層gを含む。
【0054】
ONU101は、アップストリームインターフェースモジュール14と、処理モジュール15と、ダウンストリームインターフェースモジュール16とを含む。アップストリームインタフェースモジュール14は、アップストリームインターフェース3と、第1のPON MAC層hとを含む。処理モジュール15は、イーサネットパケットスライス/イーサネットパケットフレーミング層iを含む。ダウンストリームインタフェースモジュール16は、ETH MAC及びPHY層jと、ダウンストリームインターフェース4とを含む。アップストリームインタフェースモジュール14は、アップストリームインターフェース3を介してOLT104とインターラクトし、第1のPON MAC層hによって生成された第1のGEMフレームをOLT 104に送り、第1のGEMフレームは第1のイーサネットパケットスライスと第1のスライス識別子を運ぶように構成される。第1のスライス識別子は、OTNの最小送信ユニットの長さが、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。アップストリームインターフェースモジュール14はさらに、アップストリームインターフェース3を介してOLT104によって送信された第2のGEMフレームを受信するように構成される。第1のPON MAC層hは、受信した第2のGEMフレームを構文解析して、第2のGEMフレーム内に担持された第2のイーサネットパケットスライスと、第2のスライス識別子とを取得する。第2のスライス識別子は、OTNの最小伝送ユニットの長さが、第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0055】
なお、前述の実施形態及び以下の実施形態を、ギガビット対応の受動光ネットワーク(Gigabit-capable Passive Optical Network,GPON)を例として説明する。GEMフレームは、GPONネットワークでは、OLTとONUの間で送信される。しかし、上述のGEMフレームが対応するフレームで置き換えられるならば、この方法は、代わりに、10GPONネットワーク、40GPONネットワーク、又は100GPONネットワークのような別のPONネットワークに適用されてもよい。
【0056】
ダウンストリームインターフェースモジュール16は、ダウンストリームインターフェース4を介してユーザ装置(図示せず)とインターラクトし、ユーザ装置によって送信された第1のイーサネットパケットフレームを受信するように構成される。ETH MAC及びPHY層jは、受信した第1のイーサネットパケットフレームを処理する。ダウンストリームインターフェースモジュール16はさらに、イーサネットパケットフレーミング層iによって復元された第2のイーサネットパケットフレームを、ダウンストリームインターフェース4を介してユーザ装置に送信するように構成される。なお、本実施形態で言及した層は、内部処理手順に対応する機能層である。
【0057】
処理モジュール15に含まれるイーサネットパケットスライシング層iは、光トランスポートネットワークOTNの最小送信ユニットに関する情報に基づいて第1のイーサネットパケットフレームをスライスし、第1のイーサネットパケットスライスを生成するように構成され、OTNの最小送信ユニットの長さは、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。処理モジュールに含まれるイーサネットパケットフレーミング層iは、第2のイーサネットパケットスライスを第2のイーサネットパケットフレームに復元するように構成される。
【0058】
本発明のこの実施形態では、「/」は、例えばOTUフレーム化/ODUフレーム化のように、アップストリームとダウンストリームを区別するために使用される。OTUフレーム化は、OTUフレームを生成するために、アップストリームイーサネットパケットスライス上でOTUフレーム化を実行するために使用される。ODUフレーム化は、ODUフレームを生成するために、ダウンストリームのイーサネットパケットスライス上でODUフレーム化を実行するために使用される。イーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミング層iは、イーサネットパケットスライシングがアップストリームに使用される場合、イーサネットパケットをスライスしイーサネットパケットスライスを生成し、イーサネットパケットフレーミングがダウンストリームに使用される場合、受信イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元する。
【0059】
図4Aおよび
図4Bは、本出願に係るパケット処理方法の一実施形態のフローチャートである。
図3aまたは
図3bを参照すると、この実施形態は、ONU 101-1がイーサネットパケットフレームをスライスしてイーサネットパケットスライスを生成し、同位のONU 101-4がイーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元する例を使用して説明される。イーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、ONU 101-1に配置される。イーサネットパケットスライスは、ONU 101-1からOLT 104-1へアップストリーム方向に送信され、OTNを使用して同位のONU 101-4へ送信される。ピアONU 101-4のイーサネットパケットフレーミングレイヤiは、イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元する。
図4Aおよび
図4Bに示すように、本実施形態の方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0060】
S401.ONU 101-1は、ユーザ装置から送信されたイーサネットパケットフレーム(図には示していない)を受信する。
【0061】
図3a又はb参照ONU 101-1は、ダウンストリームインターフェイスモジュール16のインターフェイス4を介してユーザ装置によって送信されたイーサネットパケットフレームを受信する。ダウンストリームのインターフェイスモジュール16またはダウンストリームのインターフェイスモジュール16のETH MACおよびPHYレイヤjは、受信したイーサネットパケットフレームを処理する。
【0062】
S402.ONU 101-1はイーサネットパケットフレームをスライシングし、イーサネットパケットスライスを生成する。
【0063】
処理モジュール内の処理モジュール15またはイーサネットパケットスライシング層iは、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送ユニットに関する情報に基づいて処理されたイーサネットパケットフレームをスライシングし、固定長イーサネットパケットスライスを生成する。OTNの最小伝送単位の長さは、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。
【0064】
S403.ONU 101-1は、イーサネットパケットスライスを最初のGEMフレームにカプセル化する。
【0065】
イーサネットパケットスライシング層iがイーサネットパケットをスライシングした後、アップストリームインターフェイスモジュール14またはアップストリームインターフェイスモジュール14の第1のPON MAC層は、イーサネットパケットスライスを第1のGEMフレームにカプセル化する。第1のGEMフレームは、さらにスライス識別子を含み、スライス識別子は、OTNの最小送信ユニットの長さがイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0066】
最初のGEMフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含むことができる。イーサネットパケットのスライス識別子とスライスの総量は、最初のGEMフレームのメッセージヘッダで運ばれる。
【0067】
最初のGEMフレームは、イーサネットパケットフレームのすべてのイーサネットパケットスライスを含むか、イーサネットパケットフレームの一部のイーサネットパケットスライスを含むことができる。これは、本発明のこの実施形態において限定されない。
【0068】
S404.ONU 101-1は、最初のGEMフレームをOLT 104-1に送信する。
【0069】
アップストリームインターフェイスモジュール14またはアップストリームインターフェイスモジュール14のアップストリームインターフェイス3は、第1のGEMフレームをOLT 104に送信する。例えば、最初のGEMフレームは、ONU 101-1のアップストリームインターフェイス3からOLT 104-1のダウンストリームインターフェイス2に送信される。
【0070】
S405.OLT 104-1のPONラインカード13は、最初のGEMフレームの固定長パケットスライスを取得する。
【0071】
OLT 104-1のPONラインカード13の第2のPON MAC層gは、変換により、第1のGEMフレームに基づくイーサネットパケットスライスを取得する。例えば、第2のPON MACレイヤgは、第1のGEMフレームのGEMポート(ポート)識別子およびPTY識別子を再構築することによって、イーサネットパケットスライスを取得することができる。
【0072】
S406.OLT 104-1のPONラインカード13は、取得した固定長パケットスライスを、スイッチング及び転送構成要素12を用いて、アップストリーム構成要素のOTU/ODUフレーム層に送信する。
【0073】
PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、第1のGEMフレーム内のスライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスが処理のために第1のネットワークプロセッサまたはトラフィック管理層fに入らないと判断する。第1のETH MACおよび他のモジュールeは、イーサネットパケットスライス上でタイムスロットマッピングを実行し、次いで、イーサネットパケットスライスをスイッチングおよび転送構成要素12に送信する。第1のETH MACおよび他のモジュールeは、ETH MACおよび次世代スイッチファブリック(次世代スイッチファブリック、NGSF)層eであってもよい。
【0074】
第1のETH MACおよび他のモジュールeは、固定長パケットスライスを、スイッチングおよび転送構成要素12を使用して、アップストリーム構成要素11の第2のETH MACおよび他のモジュールcに切り替える。アップストリーム構成要素11の第2のETH MAC及び他のモジュールcは、スライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスが処理のためにアップストリーム構成要素11の第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層bに入らないこと、及び固定長パケットスライスがOTU/ODUフレーミング層aに送られることを判断する。第2のETH MACおよび他のモジュールcは、ETH MACおよび次世代スイッチファブリック(次世代スイッチファブリック、NGSF)レイヤcであってもよい。
【0075】
S407.OLT 104-1のアップストリーム構成要素11のOTU/ODUフレーミングレイヤaは、イーサネットパケットスライス上でOTUフレーミングを実行する。
【0076】
アップストリーム構成要素11では、第2のETH MAC及び他のモジュールcは、スライス識別子に基づいて、固定長パケットスライスが処理のために第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層bに入らず、OTU/ODUフレーミング層aに直接入ると判断し、OTU/ODUフレーミング層aのOTUフレーミングは、イーサネットパケットスライス上でOTUフレーミングを行い、OTUフレームを生成する。
【0077】
OTUフレームは、1つ以上のイーサネットパケットスライスと、最初のGEMフレームで運ばれるスライス識別子を含むことができる。OTUフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含んでもよい。イーサネットパケットのスライス識別子とスライスの総量は、OTUフレームのメッセージヘッダで運ばれる。OTUフレームは、最初のGEMフレームから得られた全てのイーサネットパケットスライスを含むか、または最初のGEMフレームから得られた幾つかのイーサネットパケットスライスを含むことができる。
【0078】
S408.OLT 104-1は、OTNを使用してOTUフレームをOLT 104-2に送信する。
【0079】
S409.OLT 104-2は、OTUフレームを受信し、OTUフレームに基づいて第2のGEMフレームを生成する。
【0080】
OLT 104-2のアップストリーム構成要素11は、アップストリームインターフェイス1を介してOTUフレームを受信し、アップストリーム構成要素11またはアップストリーム構成要素11のODUフレーム層aは、受信したOTUフレームをODUフレームに変換する。ODUフレームは、イーサネットパケットスライスとスライス識別子を含む。ODUフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含むことができる。OTU/ODUフレーミングレイヤのODUフレーミングレイヤaは、スライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスがNPまたはTMレイヤbに入らないことを判断し、第2のETH MACおよび他のモジュールcを直接、スイッチングおよび転送構成要素12に通過する。スイッチングアンドフォワーディング構成要素12は、受信した固定長パケットスライスを、PONラインカード13の第1のETH MACおよび他のモジュールeに切り替える。PONラインカード13の第1のETH MACおよび他のモジュールeは、さらに、受信した固定長パケットスライスを第2のPON MACレイヤgに送信する。
【0081】
PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を取得する。PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、イーサネットパケットスライスを第2のGEMフレームにカプセル化する。第2のGEMフレームには、イーサネットパケットスライスとスライス識別子が含まれる。第2のGEMフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含むことができる。イーサネットパケットのスライス識別子とスライスの総量は、第2のGEMフレームのメッセージヘッダで運ばれる。
【0082】
S410.OLT 104-2は、第2のGEMフレームをONU 101-4に送信する。
【0083】
OLT 104-2のPONラインカード13の第2のPON MAC層gは、イーサネットパケットスライスによって要求される帯域幅に基づいてターゲットPONチャネルを割り当て、PONのダウンストリームDBAスケジューリングからターゲットPONチャネルによって占有される帯域幅を削除する。PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、ONUのアップストリームインターフェイス3からのODNを用いて、PONラインカードのダウンストリームインターフェイス2からターゲットPONチャネルを介してONU 101-4に第2のGEMフレームを送信する。
【0084】
S411.ONU 101-4は、第2のGEMフレームのスライス識別子とイーサネットパケットスライスに基づいて、イーサネットのスライスパケットをイーサネットパケットフレームに復元する。
【0085】
ONU 101-4のアップストリームインターフェイスモジュール14がアップストリームインターフェイス3を介して第2のGEMフレームを受信した後、アップストリームインターフェイスモジュール14の第1のPON MAC層は、変換により、第2のGEMフレームに基づくイーサネットパケットスライスを取得する。
【0086】
ONU 101-4がイーサネットパケットスライスを取得した後、イーサネットパケットスライス/イーサネットパケットフレーミングレイヤiのイーサネットパケットフレーミングレイヤiは、イーサネットパケットのスライスの総量に基づいて、イーサネットパケットのすべての固定長パケットスライスが受信されることを決定する。ONU 101-4のイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、スライス識別子に基づくイーサネットパケットスライスを使用してイーサネットパケットフレームを復元する。ONU 101-4は、ダウンストリームインターフェイスモジュール16のダウンストリームインターフェイス4を介して、イーサネットパケットフレームをユーザ装置に送信する。
【0087】
実施形態を簡単な説明で示すために、スライシングは主にイーサネットデータに対して行われ、イーサネットデータは次にGEMフレームにカプセル化されることに留意されたい。処理プロセスのカプセル解除およびカプセル化プロセスでは、フレームヘッダおよびパリティビットのようないくつかのオーバーヘッドバイトを削除または追加することができる。これらのオーバーヘッドバイトは、スライス長においても考慮されるべきである。例えば、データスライス長は、後続の処理中にカプセル化が実行されるときに追加される必要があるオーバーヘッドバイトに対応する予約長である。
【0088】
本実施形態で提供されるパケット処理方法では、ONU 101-1は、受信したイーサネットパケットをスライシングし、イーサネットパケットスライスとスライス識別子を第1のGEMフレームにカプセル化し、第1のGEMフレームをOLT 104-1に送信する。スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さがイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。最初のGEMフレームを受信した後、OLT 104-1は、スライス表示に基づいてイーサネットパケットスライスを取得し、OTUフレーム化を実行する。イーサネットパケットスライスについては、OLT 104-1のPONラインカード13と、アップストリーム構成要素11のNP又はTM層f及びbは、パケット転送処理及びサービス制御の品質を実行する必要がなく、その結果、NP又はTMモジュールによるパケット転送処理及びサービス制御の品質に起因する遅延を、パケット伝送経路上で低減し、低遅延伝送を実現することができる。
【0089】
オプションの解決策では、
図3aまたは
図3bのONUのイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、OLT 104のPONラインカード13に配置されてもよい。例えば、ONUのイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、第2のPON MACレイヤgと第1のネットワークプロセッサまたはトラフィック管理レイヤfとの間に配置されてもよい。PONラインカード13は、ダウンストリームインターフェイス2を介してONU 101から送信された第1のGEMフレームを受信した後、PONラインカード13の第2のPON MAC層は、第1のGEMフレームを処理し、イーサネットパケットフレームを取得する。PONラインカードスライスのEthernetパケットスライスレイヤは、OTNの最小伝送ユニット、すなわち、第2のPON MACレイヤによって処理されるEthernetパケットフレームに関する情報に基づいて、Ethernetパケットスライスを生成する。OTNの最小伝送単位の長さは、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。イーサネットパケットをスライスしてイーサネットパケットスライスを生成した後、イーサネットパケットスライス層は、イーサネットパケットスライスが第1のネットワークプロセッサまたはトラフィック管理層fによって処理される必要がないと判断し、イーサネットパケットスライスおよびスライス識別子を、PONラインカード13の第1のETH MACおよび他のモジュールdに送信する。第1のETH MACおよび他のモジュールdによって処理された後、イーサネットパケットスライスおよびスライス識別子は、スイッチングおよび転送構成要素12によって、アップストリーム構成要素11の第2のETH MACおよび他のモジュールcにルーティングされる。アップストリーム構成要素11の第2のETH MAC及び他のモジュールcは、スライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスがアップストリーム構成要素11の第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層bによって処理されないことを判断し、アップストリーム構成要素11のOTUフレーム化層aは、イーサネットパケットスライスに対してOTUフレーム化を実行する。さらに、OLT 104は、OTN装置によって送信された第2のOTNフレームを受信するようにさらに構成されてもよく、第2のOTNフレームは、第2のイーサネットネットワークスライスを含む。OLT 104のPONラインカード13のイーサネットパケットフレーミング層は、第2のイーサネットパケットスライスを、第2のスライス識別子に基づいてイーサネットパケットフレームに復元する。換言すれば、PONラインカード13のイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤは、ONUのイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiによって実行される機能を実行することができる。本発明のこの実施形態では、ここには詳細は記載していない。
【0090】
本実施形態におけるONUの各モジュールの実装動作については、さらに、本方法の実施形態における関連する説明を参照されたい。本実施形態におけるONUの各モジュールの実装原理および技術的効果は、本方法の実施形態のものと同様であり、本明細書では再度説明しない。代替的に、本明細書に記載のモジュールは、部品または回路と置き換えてもよい。
【0091】
図5は、本出願に係るパケット処理デバイスの構成を示す概略図である。パケット処理デバイスは、OLTまたはONTであってもよい。パケット処理デバイスは、前述の方法の実施形態に記載される対応する部分に一方法を実装するように構成されてもよい。詳細については、前述の方法の実施形態の説明を参照されたい。
【0092】
パケット処理デバイスは、1つ以上のプロセッサ501を含んでもよい。プロセッサ501はまた、プロセッシングユニットと呼ばれてもよく、特定の制御機能を実施することができる。プロセッサ501は、汎用プロセッサ、専用プロセッサなどであってもよい。例えば、プロセッサは、ベースバンドプロセッサまたは中央処理装置であってもよい。ベースバンドプロセッサは、通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成されてもよい。中央処理装置は、通信装置(例えば、基地局、ベースバンドチップ、DU、またはCU)を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラム内のデータを処理するように構成することができる。
【0093】
可能な設計では、プロセッサ501は、命令504をさらに記憶してもよい。命令504は、パケット処理デバイスが、前述の方法の実施形態で説明した光ネットワークユニットONUまたは光回線端末OLTに対応する方法を実行するように、プロセッサによって実行されることができる。
【0094】
別の可能な設計では、パケット処理デバイスは、回路を含んでもよい。回路は、上記方法の実施形態において、送信、受信、または通信機能を実現することができる。
【0095】
任意に、パケット処理デバイスは、1つ以上のメモリ502を含んでもよい。メモリ502は、命令505または中間データを記憶する。命令505は、パケット処理デバイスが前述の方法の実施形態に記載された方法を実行するように、プロセッサ501によって実行されてもよい。任意に、メモリ502は、他の関連データをさらに記憶してもよい。任意に、プロセッサ501はまた、命令および/またはデータを記憶してもよい。プロセッサ501およびメモリ502は、別々に配置されてもよく、または一緒に統合されてもよい。
【0096】
任意に、パケット処理デバイスは、トランシーバー503をさらに含んでもよい。トランシーバー503は、トランシーバーユニット、トランシーバー、トランシーバー回路、トランシーバーなどと称され、通信装置のトランシーバー機能を実装するように構成される。
【0097】
このアプリケーションは、読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。可読記憶媒体は実行可能な命令を記憶する。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサが実行可能命令を実行すると、パケット処理デバイスは、前述の実施形態において、パケット処理方法を実行する。
【0098】
このアプリケーションは、さらにプログラム製品を提供する。プログラム製品は、実行可能命令を含み、実行可能命令は、読み取り可能な記憶媒体に記憶される。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、読み出し可能な記憶媒体から実行可能な命令を読み出すことができる。少なくとも1つのプロセッサは、実行可能命令を実行し、パケット処理デバイスは、上記方法の実施形態において、パケット処理方法を実装する。
【0099】
図6は、本出願によるPONシステム600の構造を示す概略図である。PONシステムは、前述の実施形態において、OLT 104およびONU 101を含む。
【0100】
OLT 104は、前述の実施形態および
図3または
図5のOLT 104によって実行される任意のステップを実行することができる。ONU 101は、前述の実施形態および
図3または
図5のONU 101によって実行される任意のステップを実行することができる。本発明のこの実施形態では、詳細は、ここでは再度説明しない。
【0101】
本明細書における実施形態は、全て、実施形態における同一または類似の部分について漸進的に記載されており、各実施形態は、他の実施形態との差異に焦点を当てている。特に、デバイスの実施形態は、基本的には方法の実施形態に類似しているため、簡単に説明し、関連する部分については、方法の実施形態における部分的な説明を参照してもよい。
【0102】
当業者であれば、前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実施することができることを理解するであろう。ソフトウェアを使用して実施形態を実施する場合、実施形態は、コンピュータプログラム製品の形態で完全にまたは部分的に実施することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされ、コンピュータ上で実行される場合、本出願の実施形態による手順または機能は、完全にまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよく、またはコンピュータ読取可能な記憶媒体から別のコンピュータ読取可能な記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線)または無線(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターに送信され得る。コンピュータ読取可能記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能媒体、又は1つ以上の使用可能媒体を統合するサーバ又はデータセンターのようなデータ記憶装置であってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、固体ドライブソリッドステートディスク)などである。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット処理方法であって、当該
パケット処理方法は、
ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを光ネットワークユニット
(ONU
)によって受信するステップと、
前記ONUによって、光トランスポートネットワーク
(OTN
)の最小伝送単位に関する情報に基づいて、前記イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するステップであって、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である、ステップと、
前記ONUによって、光回線端末
(OLT
)にGPONカプセル化モード
(GEM
)フレームを送信するステップであって、前記イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記イーサネットパケットスライスの前記長さの整数倍であるということを示す、ステップと、を含む、
方法。
【請求項2】
当該方法は、
前記ONUによって、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するステップ、又は、
前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を前記ONUの中に構成するステップ、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該方法は、
前記ONUによって、キャッシュしきい値に基づいて、前記イーサネットパケットスライスをキャッシュするステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
パケット処理方法であって、当該
パケット処理方法は、
光ネットワークユニット
(ONU
)が送信するGPONカプセル化モード
(GEM
)フレームを光回線端末
(OLT
)によって受信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、光トランスポートネットワーク
(OTN
)の最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記OLTによって、OTNデバイスに光トランスポンダユニット
(OTU
)フレームを送信するステップであって、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む、
方法。
【請求項5】
当該方法は、
前記OLTによって、前記スライス識別子に基づいて、ネットワーク処理NP又はトラフィック管理TM処理が、前記イーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、
前記OLTによって、前記イーサネットパケットスライスに対してOTUフレーミングを実行して、前記OTUフレームを生成するステップであって、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する、ステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
パケット処理方法であって、当該
パケット処理方法は、
光トランスポートネットワーク
(OTN
)デバイスが送信する光トランスポンダユニット
(OTU
)フレームを光回線端末
(OLT
)によって受信するステップであって、前記OTUフレームは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記OLTによって、前記イーサネットパケットスライスをカプセル化して、GPONカプセル化モード
(GEM
)フレームとし、そして、光ネットワークユニット
(ONU
)に前記GEMフレームを送信するステップであって、前記GEMフレームは、前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む、方法。
【請求項8】
パケット処理方法であって、当該
パケット処理方法は、
光回線端末
(OLT
)が送信するGPONカプセル化モード
(GEM
)フレームを光ネットワークユニット
(ONU
)によって受信するステップであって、前記GEMフレームは、スライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、光トランスポートネットワーク
(OTN
)の最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記ONUによって、前記イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットに復元するステップと、を含む、
方法。
【請求項9】
前記GEMフレームは、さらに、前記イーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、当該方法は、
前記ONUによって、前記イーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべてのイーサネットパケットスライスが受信されているということを決定するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項4乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される前記光回線端末
(OLT
)と、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される光ネットワークユニットONUと、を含む受動光ネットワークPONシステム。
【請求項11】
前記ONUは、さらに、請求項8又は9に記載の方法を実行するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記OLTは、さらに、請求項7に記載の方法を実行するように構成される、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
ダウンストリームインターフェイスモジュール、処理モジュール、及びアップストリームインターフェイスモジュールを含む光ネットワークユニット
(ONU
)であって、
前記ダウンストリームインターフェイスモジュールは、ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを受信するように構成され、
前記処理モジュールは、光トランスポートネットワーク
(OTN
)の最小伝送単位に関する情報に基づいて、前記イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するように構成され、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であり、
前記アップストリームインターフェイスモジュールは、光回線端末
(OLT
)に第1のGPONカプセル化モード
(GEM
)フレームを送信するように構成され、前記第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子は、カプセル化されて、前記第1のGEMフレームとなり、前記第1のスライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記第1のイーサネットパケットスライスの前記長さの整数倍であるということを示す、
ONU。
【請求項14】
前記アップストリームインターフェイスモジュールは、さらに、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するように構成され、又は、
前記処理モジュールは、さらに、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を格納するように構成される、請求項13に記載のONU。
【請求項15】
前記処理モジュールは、さらに、キャッシュしきい値に基づいて、前記第1のイーサネットパケットスライスをキャッシュするように構成される、請求項13又は14に記載のONU。
【請求項16】
前記アップストリームインターフェイスモジュールは、さらに、前記OLTが送信する第2のGEMフレームを受信するように構成され、前記第2のGEMフレームは、第2のイーサネットパケットスライス及び第2のスライス識別子を搬送し、前記第2のスライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示し、
前記処理モジュールは、前記第2のスライス識別子に基づいて、前記第2のイーサネットパケットスライスを第2のイーサネットパケットに復元する、請求項13乃至15のうちのいずれか1項に記載のONU。
【請求項17】
前記第2のGEMフレームは、さらに、前記第2のイーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、
前記処理モジュールは、さらに、前記第2のイーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべての固定長のパケットスライスが受信されているということを決定するように構成される、請求項16に記載のONU。
【請求項18】
ラインカード及びアップストリーム構成要素を含む光回線端末
(OLT
)であって、
前記ラインカードは、光ネットワークユニット
(ONU
)が送信する第1のGPONカプセル化モード
(GEM
)フレームを受信するように構成され、第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子は、カプセル化されて、前記第1のGEMフレームとなり、前記第1のスライス識別子は、光トランスポートネットワーク
(OTN
)の最小伝送単位の長さが、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示し、
前記アップストリーム構成要素は、OTNデバイスに第1の光トランスポンダユニット
(OTU
)フレームを送信するように構成され、前記OTUフレームは、前記第1のイーサネットパケットスライス及び前記第1のスライス識別子を搬送する、
OLT。
【請求項19】
前記ラインカードは、さらに、スライス情報に基づいて、ネットワーク処理又はトラフィック管理が、前記第1のイーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定するように構成される、請求項18に記載のOLT。
【請求項20】
前記アップストリーム構成要素は、さらに、前記第1のイーサネットパケットスライスに基づいて、前記OTUフレームを生成するように構成される、請求項18又は19に記載のOLT。
【請求項21】
前記アップストリーム構成要素は、さらに、光トランスポートネットワーク
(OTN
)デバイスが送信する第2のOTUフレームを受信するように構成され、前記第2のOTUフレームは、第2のイーサネットパケットスライス及び第2のスライス識別子を搬送し、前記第2のスライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示し、
前記ラインカードは、前記第2のイーサネットパケットスライスをカプセル化して、第2のGEMフレームとし、そして、前記ONUに前記第2のGEMフレームを送信し、前記第2のGEMフレームは、前記第2のスライス識別子を搬送する、請求項18乃至20のうちのいずれか1項に記載のOLT。
【請求項22】
読み取り可能な記憶媒体であって、当該読み取り可能な記憶媒体は、実行可能な命令を格納し、パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサが前記実行可能な命令を実行するときに、前記パケット処理デバイスは、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法を実行する、読み取り可能な記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
この出願は、受動光ネットワーク技術の分野に関し、特に、パケット処理方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
受動光ネットワーク(passive optical network, PON)は、ポイントトゥマルチポイントトポロジ構造を使用する光アクセス技術である。
図1は、PONシステムの構造を示す概略的な図である。
図1に示されているように、PONシステム100は、光回線端末(Optical Line Termination, OLT)104、光分配ネットワーク(Optical Distribution Network, ODN)102、及び光ネットワークユニット(Optical Network unit, ONU)又は光ネットワーク端末(Optical Network Terminal, ONT)101を含む。ODNは受動光スプリッティングデバイスであり、受動光スプリッタ(Splitter)103、フィーダーファイバ106、及び分配ファイバ107の3つの部分を含む。PONシステムにおいては、ODN102は、1つの光ファイバを複数の光ファイバに分割し、ONUは、帯域幅を共有する。OLT104からONU101への送信方向は、ダウンストリーム方向と称され、ONU101からOLT104への送信方向は、アップストリーム方向と称される。アップストリームサービスは、時分割多元アクセスモードでアクセスされ、各々のONU101は、OLT104が割り当てるタイムスロットの中でのみ、自身のアップストリームデータを送信することが可能である。ダウンストリームサービスは、時分割多重化ブロードキャストモードによって、各々のONU101に情報及びデータを送信する。ODN102は、各々のONU101にOLT104のダウンストリームデータを送信し、OLT104への送信のために、複数のONU101のアップストリームデータを収集する。ONU101の構成は、ONTの構成と同様である。この出願書類によって提供される解決方法において、光ネットワークユニット及び光ネットワーク端末は、相互に互換可能である。
【0003】
既存のPONシステムの伝送経路は、OLT104、ODN102、及びONU101を含む。OLT104は、アップストリーム構成要素、スイッチング及び転送構成要素、及び、PONラインカードを含む。アップストリーム構成要素及びPONラインカードの双方は、ネットワークプロセッサ(Network Processor, NP)又はトラフィック管理(Traffic Management, TM)モジュールを含む。TMモジュールは、主として、ネットワーク伝送帯域幅及びサービスフローの優先順位に基づいて、サービスフローのサービス品質(Quality of Service, QoS)を制御する。NPは、イーサネットサービスを処理するためのコアチップであり、例えば、イーサネットサービスデータに対してパケット処理、プロトコル分析、及びルートサーチを実行するといったように、主として、さまざまなイーサネットサービスのための転送処理タスクを実行する。ネットワーク側のイーサネットパケットがOLT104に入った後に、OLT104の中のアップストリーム構成要素のNP又はTMモジュールは、イーサネットパケット転送処理及びサービス品質の制御を完了し、PONラインカードにおけるNP又はTMモジュールは、PON入来パケットのPONインターフェイス側への転送処理及びサービス品質の制御を完了する。加えて、ONU101においては、ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールは、また、パケット転送処理及びサービス品質の制御に関与することを要求される。
【0004】
PONシステムの伝送経路において、各々のレベルにあるネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールがイーサネットパケットに対して実行する転送処理及びサービス品質の制御は、数マイクロ秒から数十マイクロ秒の範囲の遅延を引き起こす。モバイルフロントホール/バックホール等のいくつかのサービスの場合には、その遅延は、ユーザにとって許容可能ではない。ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによるパケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をどのようにして減少させ又は排除して、PONシステムにおいて低遅延伝送を実装するかは、解決されるべき緊急の問題である。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、パケット処理方法及びデバイスを提供して、低遅延伝送を実装する。
【0006】
第1の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光ネットワークユニットONUが、ユーザデバイスが送信するイーサネットパケットフレームを受信するステップと、前記ONUが、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、前記イーサネットパケットフレームをスライシングして、第1のイーサネットパケットスライスを生成するステップであって、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である、ステップと、前記ONUが、光回線端末OLTにGPONカプセル化モード(GEM)フレームを送信するステップであって、前記イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、前記OTNの前記最小伝送単位の前記長さが、前記イーサネットパケットスライスの前記長さの整数倍であるということを示す。この出願のこの実施形態において、ONUは、受信したイーサネットパケットをスライシングし、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子をカプセル化して、第1のGEMフレームとし、そして、OLTに第1のGEMフレームを送信する。スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す。イーサネットパケットスライスの場合は、OLTは、パケット転送処理及びサービス品質の制御を実行する必要がなく、それによって、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をパケット伝送経路において減少させることが可能であり、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0007】
ある1つの可能な設計において、前記ONUは、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するか、又は、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報は、前記ONUの中に格納される。したがって、ユーザデバイスのパケットフレームを受信した後に、ONUは、OTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、パケットフレームをスライシングする。
【0008】
ある1つの可能な設計において、ONUは、キャッシュしきい値に基づいて、イーサネットパケットスライスをキャッシュし、それによって、イーサネットパケットスライスの送信が失敗するときに、キャッシュしたイーサネットパケットスライスに基づいて、さらなる送信を実行することが可能であり、それにより、リンク保護を実装する。
【0009】
第2の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光ネットワークユニットONUが送信するGEMフレームを受信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、前記OLTが、OTNデバイスに光トランスポンダユニットOTUフレームを送信するステップであって、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む。この出願のこの実施形態において、GEMフレームは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を搬送する。スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す。OLTは、イーサネットパケットスライスに対してパケット転送処理及びサービス品質の制御を実行する必要がなく、それによって、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をパケット伝送経路において減少させることが可能であり、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0010】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、前記スライス識別子に基づいて、NP又はTM処理が、前記イーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定する。この方法によれば、OLTは、イーサネットパケットスライスに対して、パケット転送処理及びサービス品質の制御を実行する必要はなく、それによって、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延をパケット伝送経路において減少させることが可能であり、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0011】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、前記イーサネットパケットスライスに対してOTUフレーミングを実行して、前記OTUフレームを生成し、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス及び前記スライス識別子を搬送する。この方法によれば、ピアOLTが、イーサネットパケットスライスに対して転送処理及びサービス品質の制御を実行しないということを保証することが可能であり、それにより、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延を減少させて、低遅延伝送を実装する。
【0012】
第3の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光トランスポートネットワークOTNデバイスが送信するOTUフレームを受信するステップであって、前記OTUフレームは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、
前記OLTが、前記イーサネットパケットスライスをカプセル化して、GEMフレームとし、そして、光ネットワークユニットONUに前記GEMフレームを送信するステップであって、前記GEMフレームは、前記スライス識別子を搬送する、ステップと、を含む。この方法によれば、OLTは、受信したイーサネットパケットスライスに対して転送処理及びサービス品質の制御を実行せず、それにより、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延を低減減少させて、低遅延伝送を実装する。
【0013】
第4の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光ネットワークユニットONUが、光回線端末OLTが送信するGEMフレームを受信するステップであって、前記GEMフレームは、スライス識別子を搬送し、前記スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さが、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であるということを示す、ステップと、前記ONUが、前記イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットに復元するステップと、を含む。この方法によれば、ONUは受信したイーサネットパケットスライスを復元して、パケット転送処理及びサービス品質の制御が引き起こす遅延を伝送経路全体で減少させるということを保証し、それにより、低遅延伝送を実装する。
【0014】
ある1つの可能な設計において、前記GEMフレームは、さらに、前記イーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、当該方法は、
前記ONUが、前記イーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべてのイーサネットパケットスライスが受信されているということを決定するステップをさらに含む。この方法によれば、受信したイーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元するということを保証することが可能である。
【0015】
第5の態様によれば、この出願は、受動光ネットワークPONシステムを提供し、その受動光ネットワークPONシステムは、複数の選択的な方式のすべてによって、第2の態様にしたがった方法のいずれか1つを実行するように構成される光回線端末OLT、及び、複数の選択的な方式のすべてによって、第2の態様にしたがった方法のいずれか1つを実行するように構成される光ネットワークユニットを含む。
【0016】
ある1つの可能な設計において、ONUは、さらに、第4の態様にしたがった方法を実行するように構成される。
【0017】
ある1つの可能な設計において、OLTは、さらに、第3の態様にしたがった方法のために構成される。
【0018】
第6の態様によれば、この出願は、光ネットワークユニットONUを提供し、そのONUは、第1の態様及び第4の態様にしたがった方法を実装するONUの機能を有する。それらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく、又は、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、それらの機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0019】
第7の態様によれば、この出願は、光回線端末OLTを提供し、そのOLTは、第2の態様及び第3の態様にしたがった方法を実装するOLTの機能を有する。それらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく又は対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、それらの機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0020】
第8の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光ネットワークユニットONUが送信するGEMフレームを受信するステップであって、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子は、カプセル化されて、前記GEMフレームとなり、前記ONUは、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送単位に関する情報に基づいて、イーサネットパケットをスライシングして、イーサネットパケットスライスを生成し、前記OTNの前記最小伝送単位の長さは、前記イーサネットパケットスライスの長さの整数倍であり、前記OLTは、OTNデバイスにOTUフレームを送信し、前記OTUフレームは、前記イーサネットパケットスライス、前記イーサネットパケット識別子、及び前記イーサネットパケットスライスのスライスシーケンス番号を搬送する。
【0021】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、NP又はTM処理が、前記イーサネットパケットスライスに対して実行されないということを決定する。
【0022】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報を取得するか、又は、前記OTNの前記最小伝送単位に関する前記情報は、前記OLTの中に格納される。
【0023】
ある1つの可能な設計において、前記OLTは、キャッシュしきい値に基づいて、イーサネットパケットスライスをキャッシュする。
【0024】
第9の態様によれば、この出願は、パケット処理方法を提供する。その方法は、光回線端末OLTが、光トランスポートネットワークOTNデバイスが送信するOTUフレームを受信するステップであって、前記OTUフレームは、イーサネットパケットスライス、イーサネットパケット識別子、及びイーサネットパケットスライスのスライスシーケンス番号を搬送し、前記イーサネットパケットスライスの長さは、前記OTNの最小伝送単位の長さによって正確に分割される、ステップと、前記OLTが、前記イーサネットパケット識別子及び前記スライスシーケンス番号に基づいて、前記イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットに復元するステップと、前記OLTが、前記イーサネットパケットをカプセル化して、GEMフレームとし、そして、光ネットワークユニットONUに前記GEMフレームを送信するステップと、を含む。
【0025】
ある1つの可能な設計において、前記OTUフレームは、さらに、前記イーサネットパケットのスライスの合計数を搬送し、当該方法は、前記OLTが、前記イーサネットパケットの前記スライスの前記合計数に基づいて、前記イーサネットパケットのすべてのイーサネットパケットスライスが受信されているということを決定するステップをさらに含む。
【0026】
第10の態様によれば、この出願は、受動光ネットワークPONシステムを提供し、そのPONシステムは、複数の選択的な方式のすべてによって、第8の態様にしたがった方法のうちのいずれか1つを実行するように構成される光回線端末OLT、及び、イーサネットパケットを受信し、そして、OLTに、GEMフレームの中のイーサネットパケットを送信するように構成される光ネットワークユニットを含む。
【0027】
第11の態様によれば、この出願は、光回線端末OLTを提供し、そのOLTは、第8の態様及び第9の態様にしたがった方法を実装するOLTの機能を有する。それらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく又は対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは、それらの機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0028】
第8の態様、第8の態様乃至第11の態様の複数の可能な設計、及び、第11の態様の複数の可能な設計によって提供されるパケット処理デバイスの有益な効果については、第2の態様及び第2の態様の可能な実装によってもたらされる有益な効果を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0029】
第12の態様によれば、この出願は、メモリ及びプロセッサを含むパケット処理デバイスを提供する。
【0030】
メモリは、プログラム命令を格納するように構成される。
【0031】
プロセッサは、メモリの中のプログラム命令を呼び出して、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第8の態様又は第8の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法を実行するように構成される。
【0032】
第13の態様によれば、この出願は、読み取り可能な記憶媒体を提供し、その読み取り可能な記憶媒体は、実行可能命令を格納する。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサが、それらの実行可能命令を実行するときに、そのパケット処理デバイスは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第8の態様又は第8の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法を実行する。
【0033】
第14の態様によれば、この出願は、プログラム製品を提供する。そのプログラム製品は、実行可能な命令を含み、それらの実行可能な命令は、読み取り可能な記憶媒体の中に格納される。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、その読み出し可能な記憶媒体からそれらの実行可能な命令を読み出してもよい。少なくとも1つのプロセッサは、それらの実行可能な命令を実行し、それによって、そのパケット処理デバイスは、第1の態様又は第1の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第2の態様又は第2の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第3の態様又は第3の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第4の態様又は第4の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第8の態様又は第8の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の可能な設計のうちのいずれか1つにしたがったパケット処理方法を実装する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】PONシステムの構成を示す概略的な図である。
【
図2】この出願にしたがったパケット処理方法のある1つの実施形態のフローチャートである。
【
図3a】この出願にしたがったPONシステムの構成を示す概略的な図である。
【
図3b】この出願にしたがったPONシステムの構成を示す概略的な図である。
【
図4A】この出願にしたがったパケット処理方法のある1つの実施形態のフローチャートである。
【
図4B】この出願にしたがったパケット処理方法のある1つの実施形態のフローチャートである。
【
図5】この出願にしたがったパケット処理デバイスのある1つの実施形態の構成を示す概略的な図である。
【
図6】この出願にしたがったPONシステム600の構成を示す概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下は、本出願の実施態様における添付図面を参照して、本出願の実施態様における技術的解決策を説明する。本出願の説明において、別段の定めがない限り、「複数の」とは、2つ以上を意味する。また、本願の実施形態における技術的解決策を明確に説明するために、機能・目的が基本的に同一である同一の対象物又は類似の対象物を区別するために、「第1の」及び「第2の」のような用語を用いる。当業者には言うまでもなく、「第1の」、「第2の」等の用語は、数量及び実行順序を制限するものではなく、「第1の」、「第2の」等の用語は、明確な差異を示すものではない。本発明における「A及び/又はB」は、A又はBのいずれか、又はA及びBを含むものとして説明することができる。
【0036】
既存のPONシステムの伝送経路上では、イーサネットパケット転送処理及び各レベルにおいてネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって実行されるサービス制御の品質は、マイクロ秒から数十マイクロ秒の遅延を引き起こす。このアプリケーションは、PONシステムにおいて、ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによるパケット転送処理及びサービス品質制御に起因する遅延を低減又は排除し、それにより低遅延伝送を実現するためのパケット処理方法及び装置を提供する。本出願では、光ネットワークユニットONUにイーサネットパケットスライシング層とイーサネットパケットフレーミング層を追加する。イーサネットパケットスライシング層は、アップストリームイーサネットパケットをスライスし、イーサネットパケットスライスを生成、OTNの最小伝送ユニットの長さは、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。イーサネットパケットスライスは、OLTの送信においてネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって処理される必要はない。換言すれば、イーサネットパケットスライスは、ネットワークプロセッサ又はトラフィック・マネジメント・モジュールによる転送処理及びサービス品質制御の対象とならなくなる可能性がある。従って、ネットワークプロセッサ又はトラフィック管理モジュールによって引き起こされる遅延は、パケット伝送経路上で低減され、それによって、低遅延伝送を実現することができる。以下に、添付の図面を参照して、本出願の技術的解決策を詳細に説明する。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態によるシステムの構造を示す概略図である。
図2に示すように、OLT104-1は、光トランスポートネットワーク(optical transport network,OTN)装置105-1と通信する。OLT104-1は、ONU(101-1、101-2、101-3)のパケットをOTN装置105-1に送信し、OTN装置105-2は、ONU(101-1、101-2、101-3)のパケットをピアONU(101-4、101-5、101-6)に送信する。OLT104-1はさらに、OTN装置105-1によって送信されたパケットを受信し、ODNネットワーク102を用いて、OTN装置105-1によって送信された受信パケットをONU(101-1、101-2、101-3)に送信する。OTNは、PONのベアラネットワークとして使用することができ、PONサービスの伝送距離を増加させるか、より良好なサービス保護を提供するように構成される。OTNシステムで送信されたOTNフレームのペイロード領域をバイト数で分割される。ペイロード領域は、少なくとも1つの固定長バイトブロックに分割される。バイトブロックは、OTNの最小伝送ユニットとみなしてもよい。一般に、PONシステムで送信されるデータフレームのコンテンツは、1つ以上の最小送信ユニットにマッピングされる。
【0038】
このアプリケーションの技術的解決策は、PONシステムに適用され、PONシステムは、ONU101、ODN102、及びOLT104を含む。
図3aは、本出願に係るPONシステムの一実施形態の構造を示す概略図である。
図3aに示すように、PONシステムは、OLT104、ODN102、及びONU101を含む。
【0039】
ONU101は、アップストリームインターフェースモジュール14と、処理モジュール15と、ダウンストリームインターフェースモジュール16とを含む。詳細は下記のとおりである。
【0040】
ダウンストリームインターフェースモジュール16は、ユーザ装置によって送信される第1のイーサネットパケットを受信するように構成される。
【0041】
処理モジュール15は、光トランスポートネットワークOTNの最小送信ユニットに関する情報に基づいて第1のイーサネットパケットをスライスし、第1のイーサネットパケットスライスを生成するように構成され、OTNの最小送信ユニットの長さは、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。
【0042】
アップストリームインタフェースモジュール14は、第1のギガビット対応受動光ネットワークカプセル化方法(GPON encapsulation method,GEM)フレームを光ライン端末OLT104に送信するように構成される。第1のイーサネットパケットスライスと第1のスライス識別子は第1のGEMフレームにカプセル化され、第1のスライス識別子はOTNの最小伝送ユニットの長さが第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0043】
任意的に、アップストリームインターフェースモジュール14はさらに、OTNの最小送信ユニットに関する情報を取得するように構成されるか、又は処理モジュール15はさらに、OTNの最小送信ユニットに関する情報を格納するように構成される。
【0044】
処理モジュール15はさらに、キャッシュしきい値に基づいて第1のイーサネットパケットスライスをキャッシュするように構成される。
【0045】
任意的に、アップストリームインターフェースモジュール14はさらに、OLT104によって送信された第2のGEMフレームを受信するように構成される。第2のGEMフレームは、第2のイーサネットパケットスライスと第2のスライス識別子を運び、第2のスライス識別子は、OTNの最小伝送ユニットの長さが、第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0046】
処理モジュール15は、第2のスライス識別子に基づいて、第2のイーサネットパケットスライスを第2のイーサネットパケットフレームに復元する。
【0047】
任意的に、第2のGEMフレームはさらに、第2のイーサネットパケットのスライスの総量を搬送し、処理モジュール15はさらに、第2のイーサネットパケットのスライスの総量に基づいて、イーサネットパケットのすべての固定長パケットスライスが受信されたことを判定するように構成される。
【0048】
OLT104は、アップストリームコンポーネント11とPONラインカード13とを含む。ラインカード13は、光ネットワークユニットONU101によって送信される第1のGEMフレームを受信するように構成され、第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子は、第1のGEMフレームにカプセル化され、第1のスライス識別子は、OTNの最小送信ユニットの長さが、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。アップストリームコンポーネント11は、第1のOTUフレームをOTN装置に送信するように構成され、OTUフレームは、第1のイーサネットパケットスライス及び第1のスライス識別子を運ぶ。
【0049】
任意的に、ラインカード13はさらに、スライス情報に基づいて、ネットワークプロセッサ処理又はトラフィック管理が第1のイーサネットパケットスライスに対して実行されないことを決定するように構成される。
【0050】
任意的に、アップストリームコンポーネント11はさらに、第1のイーサネットパケットスライスに基づいてOTUフレームを生成するように構成される。
【0051】
図3bは、本出願に係るPONシステムの一実施形態の構造を示す概略図である。
図3bに示すように、PONシステムは、OLT104、ODN102、及びONU101を含む。
【0052】
アップストリームコンポーネント11は、OTUフレーミング層/光チャネルデータユニット(Optical Channel Data Unit,略してODU)フレーミング層、第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層b、第2のイーサネット(Ethernet,ETH)MAC及び他のモジュールcを含む。PONラインカード13は、第1のETH MAC及び他のモジュールe、第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層f、及び第2のPON MAC層gを含む。
【0053】
ONU101は、アップストリームインターフェースモジュール14と、処理モジュール15と、ダウンストリームインターフェースモジュール16とを含む。アップストリームインタフェースモジュール14は、アップストリームインターフェース3と、第1のPON MAC層hとを含む。処理モジュール15は、イーサネットパケットスライス/イーサネットパケットフレーミング層iを含む。ダウンストリームインタフェースモジュール16は、ETH MAC及びPHY層jと、ダウンストリームインターフェース4とを含む。アップストリームインタフェースモジュール14は、アップストリームインターフェース3を介してOLT104とインターラクトし、第1のPON MAC層hによって生成された第1のGEMフレームをOLT 104に送り、第1のGEMフレームは第1のイーサネットパケットスライスと第1のスライス識別子を運ぶように構成される。第1のスライス識別子は、OTNの最小送信ユニットの長さが、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。アップストリームインターフェースモジュール14はさらに、アップストリームインターフェース3を介してOLT104によって送信された第2のGEMフレームを受信するように構成される。第1のPON MAC層hは、受信した第2のGEMフレームを構文解析して、第2のGEMフレーム内に担持された第2のイーサネットパケットスライスと、第2のスライス識別子とを取得する。第2のスライス識別子は、OTNの最小伝送ユニットの長さが、第2のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0054】
なお、前述の実施形態及び以下の実施形態を、ギガビット対応の受動光ネットワーク(Gigabit-capable Passive Optical Network,GPON)を例として説明する。GEMフレームは、GPONネットワークでは、OLTとONUの間で送信される。しかし、上述のGEMフレームが対応するフレームで置き換えられるならば、この方法は、代わりに、10GPONネットワーク、40GPONネットワーク、又は100GPONネットワークのような別のPONネットワークに適用されてもよい。
【0055】
ダウンストリームインターフェースモジュール16は、ダウンストリームインターフェース4を介してユーザ装置(図示せず)とインターラクトし、ユーザ装置によって送信された第1のイーサネットパケットフレームを受信するように構成される。ETH MAC及びPHY層jは、受信した第1のイーサネットパケットフレームを処理する。ダウンストリームインターフェースモジュール16はさらに、イーサネットパケットフレーミング層iによって復元された第2のイーサネットパケットフレームを、ダウンストリームインターフェース4を介してユーザ装置に送信するように構成される。なお、本実施形態で言及した層は、内部処理手順に対応する機能層である。
【0056】
処理モジュール15に含まれるイーサネットパケットスライシング層iは、光トランスポートネットワークOTNの最小送信ユニットに関する情報に基づいて第1のイーサネットパケットフレームをスライスし、第1のイーサネットパケットスライスを生成するように構成され、OTNの最小送信ユニットの長さは、第1のイーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。処理モジュールに含まれるイーサネットパケットフレーミング層iは、第2のイーサネットパケットスライスを第2のイーサネットパケットフレームに復元するように構成される。
【0057】
本発明のこの実施形態では、「/」は、例えばOTUフレーム化/ODUフレーム化のように、アップストリームとダウンストリームを区別するために使用される。OTUフレーム化は、OTUフレームを生成するために、アップストリームイーサネットパケットスライス上でOTUフレーム化を実行するために使用される。ODUフレーム化は、ODUフレームを生成するために、ダウンストリームのイーサネットパケットスライス上でODUフレーム化を実行するために使用される。イーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミング層iは、イーサネットパケットスライシングがアップストリームに使用される場合、イーサネットパケットをスライスしイーサネットパケットスライスを生成し、イーサネットパケットフレーミングがダウンストリームに使用される場合、受信イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元する。
【0058】
図4Aおよび
図4Bは、本出願に係るパケット処理方法の一実施形態のフローチャートである。
図3aまたは
図3bを参照すると、この実施形態は、ONU 101-1がイーサネットパケットフレームをスライスしてイーサネットパケットスライスを生成し、同位のONU 101-4がイーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元する例を使用して説明される。イーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、ONU 101-1に配置される。イーサネットパケットスライスは、ONU 101-1からOLT 104-1へアップストリーム方向に送信され、OTNを使用して同位のONU 101-4へ送信される。ピアONU 101-4のイーサネットパケットフレーミングレイヤiは、イーサネットパケットスライスをイーサネットパケットフレームに復元する。
図4Aおよび
図4Bに示すように、本実施形態の方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0059】
S401.ONU 101-1は、ユーザ装置から送信されたイーサネットパケットフレーム(図には示していない)を受信する。
【0060】
図3a又はb参照ONU 101-1は、ダウンストリームインターフェイスモジュール16のインターフェイス4を介してユーザ装置によって送信されたイーサネットパケットフレームを受信する。ダウンストリームのインターフェイスモジュール16またはダウンストリームのインターフェイスモジュール16のETH MACおよびPHYレイヤjは、受信したイーサネットパケットフレームを処理する。
【0061】
S402.ONU 101-1はイーサネットパケットフレームをスライシングし、イーサネットパケットスライスを生成する。
【0062】
処理モジュール内の処理モジュール15またはイーサネットパケットスライシング層iは、光トランスポートネットワークOTNの最小伝送ユニットに関する情報に基づいて処理されたイーサネットパケットフレームをスライシングし、固定長イーサネットパケットスライスを生成する。OTNの最小伝送単位の長さは、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。
【0063】
S403.ONU 101-1は、イーサネットパケットスライスを最初のGEMフレームにカプセル化する。
【0064】
イーサネットパケットスライシング層iがイーサネットパケットをスライシングした後、アップストリームインターフェイスモジュール14またはアップストリームインターフェイスモジュール14の第1のPON MAC層は、イーサネットパケットスライスを第1のGEMフレームにカプセル化する。第1のGEMフレームは、さらにスライス識別子を含み、スライス識別子は、OTNの最小送信ユニットの長さがイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。
【0065】
最初のGEMフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含むことができる。イーサネットパケットのスライス識別子とスライスの総量は、最初のGEMフレームのメッセージヘッダで運ばれる。
【0066】
最初のGEMフレームは、イーサネットパケットフレームのすべてのイーサネットパケットスライスを含むか、イーサネットパケットフレームの一部のイーサネットパケットスライスを含むことができる。これは、本発明のこの実施形態において限定されない。
【0067】
S404.ONU 101-1は、最初のGEMフレームをOLT 104-1に送信する。
【0068】
アップストリームインターフェイスモジュール14またはアップストリームインターフェイスモジュール14のアップストリームインターフェイス3は、第1のGEMフレームをOLT 104に送信する。例えば、最初のGEMフレームは、ONU 101-1のアップストリームインターフェイス3からOLT 104-1のダウンストリームインターフェイス2に送信される。
【0069】
S405.OLT 104-1のPONラインカード13は、最初のGEMフレームの固定長パケットスライスを取得する。
【0070】
OLT 104-1のPONラインカード13の第2のPON MAC層gは、変換により、第1のGEMフレームに基づくイーサネットパケットスライスを取得する。例えば、第2のPON MACレイヤgは、第1のGEMフレームのGEMポート(ポート)識別子およびPTY識別子を再構築することによって、イーサネットパケットスライスを取得することができる。
【0071】
S406.OLT 104-1のPONラインカード13は、取得した固定長パケットスライスを、スイッチング及び転送構成要素12を用いて、アップストリーム構成要素のOTU/ODUフレーム層に送信する。
【0072】
PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、第1のGEMフレーム内のスライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスが処理のために第1のネットワークプロセッサまたはトラフィック管理層fに入らないと判断する。第1のETH MACおよび他のモジュールeは、イーサネットパケットスライス上でタイムスロットマッピングを実行し、次いで、イーサネットパケットスライスをスイッチングおよび転送構成要素12に送信する。第1のETH MACおよび他のモジュールeは、ETH MACおよび次世代スイッチファブリック(次世代スイッチファブリック、NGSF)層eであってもよい。
【0073】
第1のETH MACおよび他のモジュールeは、固定長パケットスライスを、スイッチングおよび転送構成要素12を使用して、アップストリーム構成要素11の第2のETH MACおよび他のモジュールcに切り替える。アップストリーム構成要素11の第2のETH MAC及び他のモジュールcは、スライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスが処理のためにアップストリーム構成要素11の第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層bに入らないこと、及び固定長パケットスライスがOTU/ODUフレーミング層aに送られることを判断する。第2のETH MACおよび他のモジュールcは、ETH MACおよび次世代スイッチファブリック(次世代スイッチファブリック、NGSF)レイヤcであってもよい。
【0074】
S407.OLT 104-1のアップストリーム構成要素11のOTU/ODUフレーミングレイヤaは、イーサネットパケットスライス上でOTUフレーミングを実行する。
【0075】
アップストリーム構成要素11では、第2のETH MAC及び他のモジュールcは、スライス識別子に基づいて、固定長パケットスライスが処理のために第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層bに入らず、OTU/ODUフレーミング層aに直接入ると判断し、OTU/ODUフレーミング層aのOTUフレーミングは、イーサネットパケットスライス上でOTUフレーミングを行い、OTUフレームを生成する。
【0076】
OTUフレームは、1つ以上のイーサネットパケットスライスと、最初のGEMフレームで運ばれるスライス識別子を含むことができる。OTUフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含んでもよい。イーサネットパケットのスライス識別子とスライスの総量は、OTUフレームのメッセージヘッダで運ばれる。OTUフレームは、最初のGEMフレームから得られた全てのイーサネットパケットスライスを含むか、または最初のGEMフレームから得られた幾つかのイーサネットパケットスライスを含むことができる。
【0077】
S408.OLT 104-1は、OTNを使用してOTUフレームをOLT 104-2に送信する。
【0078】
S409.OLT 104-2は、OTUフレームを受信し、OTUフレームに基づいて第2のGEMフレームを生成する。
【0079】
OLT 104-2のアップストリーム構成要素11は、アップストリームインターフェイス1を介してOTUフレームを受信し、アップストリーム構成要素11またはアップストリーム構成要素11のODUフレーム層aは、受信したOTUフレームをODUフレームに変換する。ODUフレームは、イーサネットパケットスライスとスライス識別子を含む。ODUフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含むことができる。OTU/ODUフレーミングレイヤのODUフレーミングレイヤaは、スライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスがNPまたはTMレイヤbに入らないことを判断し、第2のETH MACおよび他のモジュールcを直接、スイッチングおよび転送構成要素12に通過する。スイッチングアンドフォワーディング構成要素12は、受信した固定長パケットスライスを、PONラインカード13の第1のETH MACおよび他のモジュールeに切り替える。PONラインカード13の第1のETH MACおよび他のモジュールeは、さらに、受信した固定長パケットスライスを第2のPON MACレイヤgに送信する。
【0080】
PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、イーサネットパケットスライス及びスライス識別子を取得する。PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、イーサネットパケットスライスを第2のGEMフレームにカプセル化する。第2のGEMフレームには、イーサネットパケットスライスとスライス識別子が含まれる。第2のGEMフレームは、イーサネットパケットのスライスの総量をさらに含むことができる。イーサネットパケットのスライス識別子とスライスの総量は、第2のGEMフレームのメッセージヘッダで運ばれる。
【0081】
S410.OLT 104-2は、第2のGEMフレームをONU 101-4に送信する。
【0082】
OLT 104-2のPONラインカード13の第2のPON MAC層gは、イーサネットパケットスライスによって要求される帯域幅に基づいてターゲットPONチャネルを割り当て、PONのダウンストリームDBAスケジューリングからターゲットPONチャネルによって占有される帯域幅を削除する。PONラインカード13の第2のPON MAC層gは、ONUのアップストリームインターフェイス3からのODNを用いて、PONラインカードのダウンストリームインターフェイス2からターゲットPONチャネルを介してONU 101-4に第2のGEMフレームを送信する。
【0083】
S411.ONU 101-4は、第2のGEMフレームのスライス識別子とイーサネットパケットスライスに基づいて、イーサネットのスライスパケットをイーサネットパケットフレームに復元する。
【0084】
ONU 101-4のアップストリームインターフェイスモジュール14がアップストリームインターフェイス3を介して第2のGEMフレームを受信した後、アップストリームインターフェイスモジュール14の第1のPON MAC層は、変換により、第2のGEMフレームに基づくイーサネットパケットスライスを取得する。
【0085】
ONU 101-4がイーサネットパケットスライスを取得した後、イーサネットパケットスライス/イーサネットパケットフレーミングレイヤiのイーサネットパケットフレーミングレイヤiは、イーサネットパケットのスライスの総量に基づいて、イーサネットパケットのすべての固定長パケットスライスが受信されることを決定する。ONU 101-4のイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、スライス識別子に基づくイーサネットパケットスライスを使用してイーサネットパケットフレームを復元する。ONU 101-4は、ダウンストリームインターフェイスモジュール16のダウンストリームインターフェイス4を介して、イーサネットパケットフレームをユーザ装置に送信する。
【0086】
実施形態を簡単な説明で示すために、スライシングは主にイーサネットデータに対して行われ、イーサネットデータは次にGEMフレームにカプセル化されることに留意されたい。処理プロセスのカプセル解除およびカプセル化プロセスでは、フレームヘッダおよびパリティビットのようないくつかのオーバーヘッドバイトを削除または追加することができる。これらのオーバーヘッドバイトは、スライス長においても考慮されるべきである。例えば、データスライス長は、後続の処理中にカプセル化が実行されるときに追加される必要があるオーバーヘッドバイトに対応する予約長である。
【0087】
本実施形態で提供されるパケット処理方法では、ONU 101-1は、受信したイーサネットパケットをスライシングし、イーサネットパケットスライスとスライス識別子を第1のGEMフレームにカプセル化し、第1のGEMフレームをOLT 104-1に送信する。スライス識別子は、OTNの最小伝送単位の長さがイーサネットパケットスライスの長さの整数倍であることを示す。最初のGEMフレームを受信した後、OLT 104-1は、スライス表示に基づいてイーサネットパケットスライスを取得し、OTUフレーム化を実行する。イーサネットパケットスライスについては、OLT 104-1のPONラインカード13と、アップストリーム構成要素11のNP又はTM層f及びbは、パケット転送処理及びサービス制御の品質を実行する必要がなく、その結果、NP又はTMモジュールによるパケット転送処理及びサービス制御の品質に起因する遅延を、パケット伝送経路上で低減し、低遅延伝送を実現することができる。
【0088】
オプションの解決策では、
図3aまたは
図3bのONUのイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、OLT 104のPONラインカード13に配置されてもよい。例えば、ONUのイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiは、第2のPON MACレイヤgと第1のネットワークプロセッサまたはトラフィック管理レイヤfとの間に配置されてもよい。PONラインカード13は、ダウンストリームインターフェイス2を介してONU 101から送信された第1のGEMフレームを受信した後、PONラインカード13の第2のPON MAC層は、第1のGEMフレームを処理し、イーサネットパケットフレームを取得する。PONラインカードスライスのEthernetパケットスライスレイヤは、OTNの最小伝送ユニット、すなわち、第2のPON MACレイヤによって処理されるEthernetパケットフレームに関する情報に基づいて、Ethernetパケットスライスを生成する。OTNの最小伝送単位の長さは、イーサネットパケットスライスの長さの整数倍である。イーサネットパケットをスライスしてイーサネットパケットスライスを生成した後、イーサネットパケットスライス層は、イーサネットパケットスライスが第1のネットワークプロセッサまたはトラフィック管理層fによって処理される必要がないと判断し、イーサネットパケットスライスおよびスライス識別子を、PONラインカード13の第1のETH MACおよび他のモジュールdに送信する。第1のETH MACおよび他のモジュールdによって処理された後、イーサネットパケットスライスおよびスライス識別子は、スイッチングおよび転送構成要素12によって、アップストリーム構成要素11の第2のETH MACおよび他のモジュールcにルーティングされる。アップストリーム構成要素11の第2のETH MAC及び他のモジュールcは、スライス識別子に基づいて、イーサネットパケットスライスがアップストリーム構成要素11の第2のネットワークプロセッサ又はトラフィック管理層bによって処理されないことを判断し、アップストリーム構成要素11のOTUフレーム化層aは、イーサネットパケットスライスに対してOTUフレーム化を実行する。さらに、OLT 104は、OTN装置によって送信された第2のOTNフレームを受信するようにさらに構成されてもよく、第2のOTNフレームは、第2のイーサネットネットワークスライスを含む。OLT 104のPONラインカード13のイーサネットパケットフレーミング層は、第2のイーサネットパケットスライスを、第2のスライス識別子に基づいてイーサネットパケットフレームに復元する。換言すれば、PONラインカード13のイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤは、ONUのイーサネットパケットスライシング/イーサネットパケットフレーミングレイヤiによって実行される機能を実行することができる。本発明のこの実施形態では、ここには詳細は記載していない。
【0089】
本実施形態におけるONUの各モジュールの実装動作については、さらに、本方法の実施形態における関連する説明を参照されたい。本実施形態におけるONUの各モジュールの実装原理および技術的効果は、本方法の実施形態のものと同様であり、本明細書では再度説明しない。代替的に、本明細書に記載のモジュールは、部品または回路と置き換えてもよい。
【0090】
図5は、本出願に係るパケット処理デバイスの構成を示す概略図である。パケット処理デバイスは、OLTまたはONTであってもよい。パケット処理デバイスは、前述の方法の実施形態に記載される対応する部分に一方法を実装するように構成されてもよい。詳細については、前述の方法の実施形態の説明を参照されたい。
【0091】
パケット処理デバイスは、1つ以上のプロセッサ501を含んでもよい。プロセッサ501はまた、プロセッシングユニットと呼ばれてもよく、特定の制御機能を実施することができる。プロセッサ501は、汎用プロセッサ、専用プロセッサなどであってもよい。例えば、プロセッサは、ベースバンドプロセッサまたは中央処理装置であってもよい。ベースバンドプロセッサは、通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成されてもよい。中央処理装置は、通信装置(例えば、基地局、ベースバンドチップ、DU、またはCU)を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラム内のデータを処理するように構成することができる。
【0092】
可能な設計では、プロセッサ501は、命令504をさらに記憶してもよい。命令504は、パケット処理デバイスが、前述の方法の実施形態で説明した光ネットワークユニットONUまたは光回線端末OLTに対応する方法を実行するように、プロセッサによって実行されることができる。
【0093】
別の可能な設計では、パケット処理デバイスは、回路を含んでもよい。回路は、上記方法の実施形態において、送信、受信、または通信機能を実現することができる。
【0094】
任意に、パケット処理デバイスは、1つ以上のメモリ502を含んでもよい。メモリ502は、命令505または中間データを記憶する。命令505は、パケット処理デバイスが前述の方法の実施形態に記載された方法を実行するように、プロセッサ501によって実行されてもよい。任意に、メモリ502は、他の関連データをさらに記憶してもよい。任意に、プロセッサ501はまた、命令および/またはデータを記憶してもよい。プロセッサ501およびメモリ502は、別々に配置されてもよく、または一緒に統合されてもよい。
【0095】
任意に、パケット処理デバイスは、トランシーバー503をさらに含んでもよい。トランシーバー503は、トランシーバーユニット、トランシーバー、トランシーバー回路、トランシーバーなどと称され、通信装置のトランシーバー機能を実装するように構成される。
【0096】
このアプリケーションは、読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。可読記憶媒体は実行可能な命令を記憶する。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサが実行可能命令を実行すると、パケット処理デバイスは、前述の実施形態において、パケット処理方法を実行する。
【0097】
このアプリケーションは、さらにプログラム製品を提供する。プログラム製品は、実行可能命令を含み、実行可能命令は、読み取り可能な記憶媒体に記憶される。パケット処理デバイスの少なくとも1つのプロセッサは、読み出し可能な記憶媒体から実行可能な命令を読み出すことができる。少なくとも1つのプロセッサは、実行可能命令を実行し、パケット処理デバイスは、上記方法の実施形態において、パケット処理方法を実装する。
【0098】
図6は、本出願によるPONシステム600の構造を示す概略図である。PONシステムは、前述の実施形態において、OLT 104およびONU 101を含む。
【0099】
OLT 104は、前述の実施形態および
図3または
図5のOLT 104によって実行される任意のステップを実行することができる。ONU 101は、前述の実施形態および
図3または
図5のONU 101によって実行される任意のステップを実行することができる。本発明のこの実施形態では、詳細は、ここでは再度説明しない。
【0100】
本明細書における実施形態は、全て、実施形態における同一または類似の部分について漸進的に記載されており、各実施形態は、他の実施形態との差異に焦点を当てている。特に、デバイスの実施形態は、基本的には方法の実施形態に類似しているため、簡単に説明し、関連する部分については、方法の実施形態における部分的な説明を参照してもよい。
【0101】
当業者であれば、前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実施することができることを理解するであろう。ソフトウェアを使用して実施形態を実施する場合、実施形態は、コンピュータプログラム製品の形態で完全にまたは部分的に実施することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がロードされ、コンピュータ上で実行される場合、本出願の実施形態による手順または機能は、完全にまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよく、またはコンピュータ読取可能な記憶媒体から別のコンピュータ読取可能な記憶媒体に送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線)または無線(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターに送信され得る。コンピュータ読取可能記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能媒体、又は1つ以上の使用可能媒体を統合するサーバ又はデータセンターのようなデータ記憶装置であってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、固体ドライブソリッドステートディスク)などである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】