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特表2022-539755ワイヤレスリンクを確立するためのシステム、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ワイヤレスリンクを確立するためのシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220906BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20220906BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220906BHJP
   A61B 5/06 20060101ALI20220906BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20220906BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20220906BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220906BHJP
   A61N 1/378 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
A61B8/14
A61B5/00 C
A61B5/06
A61B5/0215
A61B5/026 110
H02J50/10
A61N1/378
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577438
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020041696
(87)【国際公開番号】W WO2021007555
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/872,256
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/929,684
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/036,298
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521565464
【氏名又は名称】ユーリンク ラブス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャーサド,ジャヤント
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー,マーカス
【テーマコード(参考)】
4C017
4C053
4C117
4C601
5G503
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA04
4C017AA08
4C017AA14
4C017AA19
4C017AC01
4C017BC16
4C053JJ18
4C053JJ23
4C053KK02
4C053KK03
4C053KK04
4C053KK07
4C117XA01
4C117XC21
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE16
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE24
4C117XE27
4C117XE52
4C117XE62
4C117XH02
4C117XH12
4C117XR09
4C601FF01
4C601GB04
4C601GB06
4C601GD04
4C601GD06
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
本明細書において、組織を通じてワイヤレス電力、データ、または信号を交換するためなど、ワイヤレスリンクを確立するためのシステム、装置、および方法について説明する。いくつかの変形例では、システムは、ワイヤレス信号を生成するように構成された第1の装置を備えることができる。第2の装置は、プロセッサと、第1の装置からワイヤレス信号を受信するように構成された1つ以上のトランスデューサアレイと、を備えることができる。プロセッサは、受信されたワイヤレス信号に基づいて第1の装置データを生成するように構成することができる。第2のトランスデューサアレイは、第1の装置データに基づいて、第1の装置と、ワイヤレス信号のうちの1つ以上を交換するように構成することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成されたシステムであって、
ワイヤレス信号を生成するように構成された第1の装置と、
第1のトランスデューサアレイ、第2のトランスデューサアレイ、およびプロセッサを備える第2の装置であって、
前記第1のトランスデューサアレイが、前記第1の装置から前記ワイヤレス信号を受信するように構成されており、
前記プロセッサが、受信された前記ワイヤレス信号に基づいて第1の装置データを生成するように構成されており、
前記第2のトランスデューサアレイが、前記第1の装置データに基づいて、前記第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている、第2の装置と、を備える、システム。
【請求項2】
前記第1の装置が、埋め込み型医療装置を含み、前記第2の装置が、患者の身体の外部に配置されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のトランスデューサアレイおよび前記第2のトランスデューサアレイが、各々、超音波トランスデューサアレイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のトランスデューサアレイが、一次元線形アレイまたは二次元アレイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のトランスデューサアレイが、少なくとも3つの非共線トランスデューサ素子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のトランスデューサアレイおよび前記第2のトランスデューサアレイが、別個のトランスデューサ素子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のトランスデューサアレイおよび前記第2のトランスデューサアレイが、少なくとも1つの同じトランスデューサ素子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のトランスデューサアレイが、前記第2のトランスデューサアレイのサブセットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の装置が、前記第1の装置に質問信号を送信するように構成された第3のトランスデューサアレイを備え、前記ワイヤレス信号が、前記質問信号に応答して生成されたフィードバック信号を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のトランスデューサアレイが、前記第1のトランスデューサアレイおよび前記第2のトランスデューサアレイの各々とは別個のトランスデューサ素子を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のトランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子が、前記第1の装置から前記ワイヤレス信号を受信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ワイヤレス信号が、ワイヤレスデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のトランスデューサアレイおよび前記第2のトランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子が、交互配置されているか、または、散在している、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のトランスデューサアレイが、前記ワイヤレス信号の補間および外挿のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の装置と、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
ワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成されたシステムであって、
第1の装置と、
プロセッサ、および、複数のサブアレイを含むトランスデューサアレイを備える第2の装置であって、
第1のサブアレイが、前記第1の装置に質問信号を送信するように構成されており、
第2のサブアレイが、前記第1の装置からフィードバック信号を受信するように構成されており、
前記プロセッサは、受信された前記フィードバック信号が所定の条件を満たすまで、前記複数のサブアレイのうちの1つ以上のサブアレイを循環するように構成されている、第2の装置と、を備える、システム。
【請求項16】
前記第1の装置が、埋め込み型医療装置を含み、前記第2の装置が、患者の身体の外部に配置されるように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記トランスデューサアレイが、超音波トランスデューサアレイを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記サブアレイが、前記トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のサブアレイおよび前記第2のサブアレイが同じ前記トランスデューサ素子を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記所定の条件が、前記第2のサブアレイの1つ以上のトランスデューサ素子について計算される、受信された前記フィードバック信号の強度を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサが、前記所定の条件を満たす受信された前記フィードバック信号に基づいてトランスデューサ構成を選択するように構成されており、前記トランスデューサ構成が、前記第1の装置と、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記トランスデューサ構成が、前記トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
ワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成されたシステムであって、
第1の装置と、
プロセッサ、および、複数のサブアレイを含むトランスデューサアレイを備える第2の装置であって、
第1のサブアレイが、前記第1の装置に質問信号を送信するように構成されており、
第2のサブアレイが、前記第1の装置からフィードバック信号を受信するように構成されており、前記フィードバック信号が、デジタルの第1の装置のエネルギーデータおよびデジタル質問信号強度データのうちの1つ以上を含み、
前記プロセッサが、前記フィードバック信号に基づいてトランスデューサ構成を選択するように構成されており、前記トランスデューサ構成が、前記第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている、第2の装置と、を備える、システム。
【請求項24】
前記第1の装置が、埋め込み型医療装置を含み、前記第2の装置が、患者の身体の外部に配置されるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記トランスデューサアレイが、超音波トランスデューサアレイを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記サブアレイが、前記トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のサブアレイおよび前記第2のサブアレイが同じ前記トランスデューサ素子を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記トランスデューサ構成が、前記トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の装置が、再充電可能な電池、コンデンサ、スーパーキャパシタ、および再充電不可能な電池のうちの1つ以上を含む電源を備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項30】
前記デジタルの第1の装置のエネルギーデータが、電圧、エネルギーレベル、充電電圧、および充電電流のうちの1つ以上を含む電源パラメータを含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記トランスデューサ構成が、前記電源をワイヤレスで再充電するように構成されている、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記質問信号が、第1の周波数を含み、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの前記1つ以上が、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の装置が、前記第1の周波数に対応する第1のインピーダンスおよび前記第2の周波数に対応する第2のインピーダンスを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサを備え、前記第1のインピーダンスが、前記第2のインピーダンスよりも大きい、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1の装置が、前記第1の周波数に対応する第1のインピーダンスを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサと、前記第2の周波数に対応する第2のインピーダンスを含む第2の超音波トランスデューサと、を備え、前記第1のインピーダンスが、前記第2のインピーダンスよりも大きい、請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
前記質問信号が、広い超音波ビームを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1の装置が、超音波トランスデューサを備え、前記第1の装置からの放出時の前記広い超音波ビームの直径が、前記超音波トランスデューサの寸法よりも大きい直径を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記質問信号が、識別子、コード、およびコマンドのうちの1つ以上を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項38】
前記質問信号が、無線周波数(RF)信号を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項39】
前記フィードバック信号が、1つ以上のアナログパルスを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項40】
前記フィードバック信号が、アナログパルスと、確認応答信号と、デジタルの第1の装置のエネルギー状態と、デジタル質問信号強度と、識別番号と、コードと、コマンドと、前記第1の装置、前記ワイヤレス電力信号、および前記データ信号のうちの1つ以上のパラメータと、のうちの1つ以上を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項41】
前記フィードバック信号が、前記質問信号に対応する1つ以上の超音波反射信号を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項42】
前記フィードバック信号が、前記質問信号に対応する1つ以上の超音波後方散乱信号を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の装置が、前記超音波後方散乱信号を変調するように構成されている、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の装置が、1つ以上の周波数で前記フィードバック信号を送信するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項45】
前記プロセッサが、前記フィードバック信号に基づいて、前記第1の装置にワイヤレス電力およびダウンリンクデータのうちの1つ以上を送信するための前記トランスデューサ構成の周波数を識別するように構成されている、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記トランスデューサ構成の識別された前記周波数が、最大振幅における前記フィードバック信号の周波数に対応する、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記フィードバック信号が、アナログフィードバック信号およびデジタルフィードバック信号のうちの1つ以上の周期的送信を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項48】
前記トランスデューサ構成が、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの1つ以上を前記第1の装置に集束させるように構成された1つ以上のトランスデューサ素子を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項49】
前記トランスデューサ構成が、信号をビームフォーミングするように構成された1つ以上のトランスデューサ素子を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項50】
前記トランスデューサ構成が、受信された前記フィードバック信号の強度に基づいて、前記トランスデューサアレイのトランスデューサ素子のセットを機能停止するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項51】
前記トランスデューサ構成が、前記フィードバック信号の時間反転、三角測量、および強度の推定のうちの1つ以上に基づいて選択される、請求項23に記載のシステム。
【請求項52】
前記トランスデューサ構成が、前記1つ以上のアナログパルスの時間反転、三角測量、および強度の推定のうちの1つ以上に基づいて選択される、請求項39に記載のシステム。
【請求項53】
前記プロセッサが、前記フィードバック信号に基づいて、前記トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項54】
前記プロセッサが、前記第2の装置の時間平均出力電力、前記第2の装置のピーク出力電力、前記第2の装置および皮膚のうちの1つ以上の加熱、前記第1の装置の加熱、組織構造の加熱、組織内の音響強度、ならびに前記第2の装置のエネルギーレベルのうちの1つ以上を監視するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の装置が、前記第1の装置の加熱、および、前記第1の装置に入射する音響強度のうちの1つ以上を監視するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項56】
前記プロセッサが、前記第2の装置の時間平均出力電力、前記第2の装置のピーク出力電力、前記第2の装置および皮膚のうちの1つ以上の加熱、前記第1の装置の加熱、組織構造の加熱、組織内の音響強度、ならびに前記第2の装置のエネルギーレベルのうちの1つ以上に基づいて、前記トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項57】
前記プロセッサが、前記第1の装置を位置特定し、前記フィードバック信号に基づいて、前記トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項58】
前記プロセッサが、前記1つ以上のアナログパルスに基づいて前記第1の装置を位置特定し、デジタルの第1の装置のエネルギーデータおよびデジタル質問信号強度データのうちの1つ以上に基づいて、前記トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成されている、請求項39に記載のシステム。
【請求項59】
ワイヤレス信号を交換する方法であって、
第2の装置の第1のサブアレイを使用して、第1の装置に質問信号を送信することと、
前記第2の装置の第2のサブアレイを使用して、前記第1の装置からフィードバック信号を受信することと、
前記フィードバック信号に基づいて、前記第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することと、
複数の間隔中に、前記第2の装置の前記1つ以上のトランスデューサ構成を使用して、前記第1の装置と1つ以上のワイヤレス信号を交換することであって、前記ワイヤレス信号が、電力信号、データ信号、質問信号、フィードバック信号、ダウンリンク信号、およびアップリンク信号のうちの1つ以上を含む、交換することと、を含む、方法。
【請求項60】
前記複数の間隔のうちの1つ以上の間に前記第1の装置によって受信された1つ以上のワイヤレス信号に応答して、前記第1の装置から前記フィードバック信号を送信することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
1つ以上のワイヤレス信号の立ち下がりエッジと、前記第1の装置によって受信された1つ以上のワイヤレス信号に対応するコードと、のうちの1つ以上を検出することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することが、前記フィードバック信号の遅延、位相、到着時間、飛行時間、振幅、周波数、および符号化データのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、選択された前記1つ以上のトランスデューサ素子の周波数、遅延、位相、振幅、および利得のうちの1つ以上を決定することのうちの1つ以上を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
受信された前記フィードバック信号に応答して、電力信号、質問信号、データ信号、およびダウンリンク信号のうちの1つ以上を前記第1の装置に送信することを決定することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
受信された前記フィードバック信号に応答して、前記ワイヤレス信号を前記第1の装置に送信することを抑制することを決定することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
後続の間隔に対応するトランスデューサ構成が、1つ以上の以前の間隔中の1つ以上の以前に受信されたフィードバック信号に基づいて選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
前記複数の間隔のうちの少なくとも1つの間隔の継続時間が、前記第1の装置によって決定される、請求項59に記載の方法。
【請求項67】
前記複数の間隔のうちの少なくとも1つの間隔の継続時間が、前記第2の装置によって決定される、請求項59に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の装置が、前記間隔のうちの1つ以上の間に前記フィードバック信号を周期的に送信するように構成されている、請求項59に記載の方法。
【請求項69】
前記1つ以上のトランスデューサ構成が、時間反転に基づいて選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項70】
フィードバック信号の周波数を識別することをさらに含み、前記1つ以上のトランスデューサ構成が、識別された前記周波数を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記フィードバック信号の周波数を識別することをさらに含み、前記1つ以上のトランスデューサ構成が、識別された前記周波数とは異なる周波数を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することが、三角測量を使用して前記第1の装置の空間座標のセットを推定することを含み、前記1つ以上のトランスデューサ構成を使用して前記ワイヤレス電力信号および前記ワイヤレスデータ信号のうちの1つ以上を交換することが、推定された前記空間座標に少なくとも部分的に基づく、請求項59に記載の方法。
【請求項73】
前記第1のサブアレイおよび前記第2のサブアレイが同じ前記トランスデューサ素子を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項74】
前記第2の装置の前記トランスデューサ構成のうちの1つ以上を選択することが、
前記第2の装置の前記第2のサブアレイによって受信された前記フィードバック信号の強度を推定することと、
受信された前記フィードバック信号の推定された前記強度に基づいて、前記1つ以上のトランスデューサ構成を使用して前記ワイヤレス電力信号およびデータ信号のうちの1つ以上を交換することと、を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項75】
前記フィードバック信号が、前記第1の装置によって受信された前記質問信号のデジタル振幅を含み、前記第2の装置の前記1つ以上のトランスデューサ構成を選択することが、前記質問信号の最大デジタル振幅に対応する前記サブアレイのうちの1つ以上を選択することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項76】
前記フィードバック信号が、第1のフィードバック信号を含み、前記方法が、
第1の電力間隔中に第1の電力信号を送信することによって前記第1の装置に給電することと、
前記第1の電力間隔の後に、前記第1の装置から第2のフィードバック信号を受信することと、をさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項77】
前記第1の装置に断続的に給電することをさらに含み、前記第2の装置が、前記フィードバック信号に基づいて前記第1の装置の給電を抑制するように構成されている、請求項59に記載の方法。
【請求項78】
前記質問信号が、第1の質問信号であり、ある時間遅延後に、前記第1の装置に第2の質問信号を送信することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
ある時間遅延後に前記第1の装置から第2のフィードバック信号を受信することをさらに含む、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記第1の装置が、ある時間遅延後に前記フィードバック信号を送信するように構成されている、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記第1の装置のロケーションに基づいて前記トランスデューサ構成を選択することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の装置の前記ロケーションに対応する前記トランスデューサ構成を前記第2の装置のメモリに記憶することをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の装置と、前記ワイヤレス電力信号および前記ワイヤレスデータ信号のうちの1つ以上を交換するために、記憶された前記トランスデューサ構成を選択することをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記間隔の継続時間が予め定められている、請求項59に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の装置が、前記質問信号の受信時に複数のフィードバック信号を送信するように構成されている、請求項59に記載の方法。
【請求項86】
前記複数のフィードバック信号が、前記第1の装置によって周期的に送信されたパルスを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記複数のフィードバック信号に基づいて前記第1の装置の空間経路を推定することをさらに含む、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
推定された前記空間経路に基づいて、前記第1の装置の前記空間経路に対応する前記トランスデューサ構成を選択することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第2の装置の空間調整に対応するロケーション通知を生成することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項90】
前記ロケーション通知を生成することが、前記第1の装置の推定された空間経路に基づく、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
空間調整が、前記第2の装置の軸を前記第1の装置の前記空間経路と位置整合させることを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記第2の装置が、一次元線形超音波トランスデューサアレイを備え、前記空間調整が、前記アレイの開口および仰角のうちの1つ以上を前記第1の装置の前記空間経路と位置整合させることを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記ロケーション通知が、前記第2の装置の中心、縁部、および所定のロケーションのうちの1つ以上に対する前記トランスデューサ構成の位置に基づく、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記ロケーション通知を生成することが、前記フィードバック信号に基づく、請求項89に記載の方法。
【請求項95】
前記第1の装置および前記第2の装置のうちの1つ以上の電力状態を含む電力通知を生成することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項96】
前記第1の装置から受信されたデータと、生理学的パラメータデータと、前記第1の装置および前記第2の装置のうちの1つ以上のパラメータデータと、のうちの1つ以上に対応する通信通知を生成することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項97】
システムであって、
ダウンリンク信号を受信するように構成された複数のトランスデューサを備える第1の装置と、
前記ダウンリンク信号を送信するように構成された第2の装置であって、前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上が、受信された前記ダウンリンク信号に基づいて、前記第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている、第2の装置と、を備える、システム。
【請求項98】
前記第1の装置が、埋め込み型医療装置を含み、前記第2の装置が、患者の身体の外部に配置されるように構成されている、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記複数のトランスデューサが、複数の超音波トランスデューサを含む、請求項97に記載のシステム。
【請求項100】
受信された前記電力をDC結合するように構成された電力回路をさらに備える、請求項97に記載のシステム。
【請求項101】
前記ダウンリンク信号が、質問信号、電力信号、およびダウンリンクデータのうちの1つ以上を含む、請求項97に記載のシステム。
【請求項102】
前記第1の装置の前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上が、受信された前記ワイヤレス電力の第2の周波数とは異なる第1の周波数で、前記第2の装置とワイヤレスデータを交換するように構成されている、請求項97に記載のシステム。
【請求項103】
前記第1の装置が、プロセッサをさらに備える、請求項97に記載のシステム。
【請求項104】
前記プロセッサが、受信された前記ダウンリンク信号に基づいて、前記第2の装置と、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成された前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成されている、請求項103に記載のシステム。
【請求項105】
前記プロセッサが、受信された前記ダウンリンク信号のうちの1つ以上に基づいて前記選択を周期的に更新するように構成されている、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記プロセッサが、前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上の前記ダウンリンク信号の受信信号強度を計算し、前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上の前記受信信号強度を互いに比較するように構成されている、請求項103に記載のシステム。
【請求項107】
前記プロセッサが、前記第2の装置と、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するために、所定の閾値を超える前記受信信号強度に対応する前記複数のトランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成されている、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記プロセッサが、前記第2の装置にアップリンク信号を送信するための最大受信信号強度に対応する1つのトランスデューサを選択するように構成されている、請求項106に記載のシステム。
【請求項109】
前記プロセッサが、前記ダウンリンク信号に基づいて1つ以上のダウンリンクコマンドを復号化するように構成されている、請求項103に記載のシステム。
【請求項110】
前記プロセッサが、前記ダウンリンクコマンドのうちの1つ以上の復号化に基づいて、前記第2の装置と、前記ワイヤレス電力および前記ワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための1つ以上のトランスデューサを選択するように構成されている、請求項109に記載のシステム。
【請求項111】
システムであって、
伝送媒体を通じて質問信号を送信するように構成された第1の装置であって、前記伝送媒体内の前記質問信号が、反射質問信号を生成するように構成された、第1の装置と、
前記第1の装置から前記質問信号を受信し、前記反射質問信号とは異なる少なくとも1つのパラメータを含むフィードバック信号を送信するように構成された第2の装置と、を備える、システム。
【請求項112】
前記第1の装置が、患者の身体の外部に配置されるように構成されており、前記第2の装置が、埋め込み型医療装置を含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項113】
前記少なくとも1つのパラメータが、振幅、信号強度、位相、周波数、時間遅延、および信号変調のうちの1つ以上を含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項114】
前記第2の装置が、アクティブ信号送信および後方散乱変調のうちの1つ以上を使用してフィードバック信号を送信するように構成されている、請求項111に記載のシステム。
【請求項115】
前記少なくとも1つのパラメータが、時間遅延を含み、前記第2の装置が、前記質問信号の受信および前記時間遅延の後に前記フィードバック信号を送信するように構成されている、請求項111に記載のシステム。
【請求項116】
前記時間遅延が、少なくとも約10マイクロ秒である、請求項115に記載のシステム。
【請求項117】
前記質問信号が、第1の変調を含み、前記フィードバック信号が、前記第1の変調とは異なる第2の変調を含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項118】
前記質問信号が、超音波信号を含み、前記フィードバック信号が、無線周波数信号を含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項119】
前記質問信号が、無線周波数信号を含み、前記フィードバック信号が、超音波信号を含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項120】
前記フィードバック信号が、コードと、前記反射質問信号のうちの1つ以上とは異なる波形特徴と、のうちの1つ以上を含む、請求項111に記載のシステム。
【請求項121】
ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法であって、
前記身体上の所望のロケーションに対応するユーザプロンプトを生成することと、
前記ワイヤレス装置の方向付け特徴部および方向付け信号のうちの1つ以上に従って、前記ワイヤレス装置を方向付けすることと、を含む、方法。
【請求項122】
前記ユーザプロンプトを提供することが、身体ロケーション画像、視覚的指示、および音響指示のうちの1つ以上を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記ワイヤレス装置の前記方向付け特徴部が、前記ワイヤレス装置のマーキング、構造、および形状のうちの1つ以上を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
前記ワイヤレス装置の前記方向付け信号が、方向センサ、加速度計、ジャイロスコープ、および位置センサのうちの1つ以上からの信号を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項125】
ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法であって、
前記ワイヤレス装置および前記身体のうちの1つ以上のパラメータを測定することと、
測定された前記パラメータに基づいて、前記身体上の前記ワイヤレス装置の位置を推定することと、
前記身体上の前記ワイヤレス装置の推定された前記位置に対応するユーザプロンプトを生成することと、を含む、方法。
【請求項126】
前記パラメータが、心音、肺音、呼吸音、埋め込み型医療装置から入来するワイヤレス信号、およびワイヤレス反射信号のうちの1つ以上を含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記ユーザプロンプトが、前記身体上の前記ワイヤレス装置の推定された前記位置に関する通知と、前記身体上における前記ワイヤレス装置の再位置付けおよび医療専門家への連絡のうちの1つ以上を含む推奨と、のうちの1つ以上を含む、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
前記身体上における前記ワイヤレス装置の再位置付けが、前記ワイヤレス装置を動かすこと、調整すること、および回転させることのうちの1つ以上を含む、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
超音波装置を患者の身体に結合する方法であって、
前記超音波装置および前記身体のうちの1つ以上のパラメータを測定することと、
測定された前記パラメータに基づいて前記超音波装置と前記身体との間の結合状態を推定することと、
前記超音波装置と前記身体との間の前記結合状態に対応するユーザプロンプトを生成することと、を含む、方法。
【請求項130】
前記超音波装置が、1つ以上の超音波トランスデューサを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記パラメータが、前記超音波トランスデューサの電気インピーダンス、前記超音波トランスデューサの反射係数、心音、肺音、埋め込み型医療装置から送信される超音波信号、超音波反射信号、圧力、力、接触、静電容量、組織の電気インピーダンス、熱、および温度のうちの1つ以上を含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記結合状態を推定することが、前記超音波装置と前記身体との間の結合の妥当性および程度のうちの1つ以上を推定することを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
前記ユーザプロンプトが、前記結合状態と、前記超音波装置の前記身体に対する再位置付け、超音波結合剤の適用、前記超音波装置の締結具の前記身体に対する調整、および、医療専門家への連絡のうちの1つ以上を含む推奨と、のうちの1つ以上を含む、請求項129に記載の方法。
【請求項134】
埋め込み型医療装置からアップリンク信号を周期的に送信することをさらに含み、前記結合状態を推定することが、前記超音波装置によって受信された前記アップリンク信号のうちの1つ以上の強度の測定に基づく、請求項129に記載の方法。
【請求項135】
前記超音波装置から質問信号を送信することと、埋め込み型医療装置から1つ以上のフィードバック信号を受信することと、をさらに含み、前記結合状態を推定することが、前記超音波装置によって受信された前記フィードバック信号のうちの1つ以上の強度の測定に基づく、請求項129に記載の方法。
【請求項136】
ノイズを低減する方法であって、
超音波トランスデューサ、圧力トランスデューサ、流量センサ、力センサ、およびMEMS装置のうちの1つ以上によって受信された超音波信号のパラメータを測定することと、
前記圧力トランスデューサによって測定された圧力信号、および前記超音波信号の測定された前記パラメータに基づいて圧力データを生成することと、を含む、方法。
【請求項137】
前記圧力データを生成することが、前記圧力信号から前記超音波信号を分離することを含む、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記圧力信号から前記超音波信号を分離することが、平均化、デジタル信号処理、およびアナログ信号処理のうちの1つ以上を含む、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記圧力データを生成することが、
前記超音波信号の測定された前記パラメータを含む前記圧力データの1つ以上の圧力サンプルを識別することと、
識別された前記1つ以上の圧力サンプルを拒否またはフラグ立てすることと、を含む、請求項136に記載の方法。
【請求項140】
ある時間遅延後に前記圧力トランスデューサを使用して圧力信号を測定することをさらに含む、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記時間遅延が予め定められている、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記時間遅延が、前記超音波信号の散逸に基づいて決定される、請求項140に記載の方法。
【請求項143】
前記圧力データを生成することが、前記超音波トランスデューサおよび前記圧力トランスデューサを備える第1の装置のプロセッサによって実行される、請求項136に記載の方法。
【請求項144】
前記圧力データを生成することが、前記超音波トランスデューサおよび前記圧力トランスデューサを備える第1の装置とワイヤレス通信する第2の装置のプロセッサによって実行される、請求項136に記載の方法。
【請求項145】
ノイズを低減する方法であって、
装置の圧力トランスデューサを使用して超音波信号を受信することと、
前記圧力トランスデューサに結合されたフィルタを使用して前記超音波信号をフィルタリングすることと、を含む、方法。
【請求項146】
前記超音波信号をフィルタリングすることが、アナログフィルタリングと、デジタルフィルタリングと、アナログ後処理と、デジタル後処理と、増幅器、プロセッサ、積分器、平均器、およびボックスカーサンプラのうちの1つ以上の使用と、のうちの1つ以上を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
心拍数を推定する方法であって、
第1の装置を使用して血圧サンプルを測定することと、
測定された前記血圧サンプルを使用して血圧データを生成することと、
前記血圧データを使用して、1つ以上の心周期にわたる心拍数を推定することと、を含む、方法。
【請求項148】
前記第1の装置が、埋め込み型装置を含む、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記心拍数を推定することが、前記第1の装置のプロセッサによって実行される、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記心拍数を推定することが、第2の装置のプロセッサによって実行され、前記第2の装置が、前記第1の装置とワイヤレス通信する、請求項147に記載の方法。
【請求項151】
前記心拍数を推定することが、
前記血圧サンプルのうちの1つ以上を所定の閾値と比較することと、
前記血圧サンプルが前記所定の閾値と交差する2つ以上の交差点を識別することと、
識別された前記交差点間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含む、請求項147に記載の方法。
【請求項152】
前記心拍数を推定することが、
前記血圧サンプルの極大点または極小点を識別することと、
2つ以上の極大点または極小点の間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含む、請求項147に記載の方法。
【請求項153】
前記心拍数を推定することが、
前記血圧サンプルの最大変化率点または最小変化率点を識別することと、
2つ以上の前記最大変化率点または最小変化率点の間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含む、請求項147に記載の方法。
【請求項154】
前記心拍数を推定することが、前記血圧サンプルの周波数領域表現に基づく、請求項147に記載の方法。
【請求項155】
ワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成されたシステムであって、
患者内の空間経路をトラバースするように構成された第1の装置と、
アクセス期間中にのみ、前記第1の装置とワイヤレス信号を交換するように構成された第2の装置と、を備える、システム。
【請求項156】
前記第1の装置または前記第2の装置が、
前記患者の1つ以上の生理学的パラメータを測定するように構成されたセンサと、
測定された前記1つ以上の生理学的パラメータに基づいて前記アクセス期間を識別するように構成されたプロセッサと、を備える、請求項155に記載のシステム。
【請求項157】
前記1つ以上の生理学的パラメータが、血圧、心拍数、呼吸数、心音、肺音、およびECGのうちの1つ以上を含む、請求項156に記載のシステム。
【請求項158】
パラメータ追跡の方法であって、
第1の装置および第2の装置を備えるワイヤレスシステムに対応する1つ以上のパラメータを追跡することと、
前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の装置のトランスデューサ構成を選択することと、
選択された前記トランスデューサ構成を使用して、前記第1の装置と、1つ以上のワイヤレス信号を交換することと、を含む、方法。
【請求項159】
前記パラメータが、前記第1の装置と前記第2の装置との間のワイヤレスリンク利得、前記第2の装置の送信電力、前記第2の装置の送信周波数、前記トランスデューサ構成の1つ以上のパラメータ、前記第1の装置の1つ以上のパラメータ、前記第1の装置のエネルギー状態、前記第1の装置の電池寿命、前記第1の装置のセンサに対応するパラメータ、前記第1の装置のトランスデューサに対応するパラメータ、前記第1の装置の送信周波数、前記第1の装置の送信電力、前記第1の装置の1つ以上の位置、前記第1の装置の1つ以上の向き、および身体の生理学的パラメータのうちの1つ以上を含む、請求項158に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月10日付で出願された米国仮特許出願第62/872,256号、2019年11月1日付で出願された米国仮特許出願第62/929,684号、および、2020年6月8日付で提出された米国仮特許出願第63/036,298号の優先権を主張し、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の装置、システム、および方法は、外部ワイヤレス装置および患者内に配置された内部装置などのワイヤレス装置間でワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換することに関する。
【背景技術】
【0003】
生理学的センサおよび刺激装置(例えば、ペースメーカ)などの装置は、患者の体内に配置することができ、患者を監視、診断、および処置するように構成することができる。これらの従来の装置は、身体の外部に配置された別の装置とワイヤレス電力および/またはデータリンクを形成することができる。ただし、外部装置と内部装置との間にロバストで信頼性の高いリンクを確立して維持することは、使用中の体内の組織の干渉および内部装置の動きに起因して困難な場合がある。例えば、患者の呼吸、動き、および心臓の活動は、体内の内部装置のロケーションおよび/または向きを変えて、内部装置と外部装置との間のワイヤレスリンクの効率を低下させる可能性がある。したがって、ワイヤレスリンクを確立するための追加の装置、システム、および方法が望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書において、組織を通じて電力またはデータを交換するなど、ワイヤレスリンクを確立するためのシステム、装置、および方法を説明する。概して、システムは、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための閉ループリンクを確立するように構成することができる。いくつかの変形例では、システムは、ワイヤレス信号を生成するように構成された第1の装置(例えば、埋め込み型医療装置)と、第1のトランスデューサアレイ、第2のトランスデューサアレイ、およびプロセッサを備える第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)と、を備えることができ、第1のトランスデューサアレイは、第1の装置からワイヤレス信号を受信するように構成することができ、プロセッサは、受信されたワイヤレス信号に基づいて第1の装置データを生成するように構成することができ、第2のトランスデューサアレイは、第1の装置データに基づいて、第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。
【0005】
いくつかの変形例では、第1の装置は、埋め込み型医療装置を備えることができ、第2の装置は、患者の身体の外部に配置されるように構成することができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイは、各々、超音波トランスデューサアレイを含むことができる。いくつかの変形例では、第2のトランスデューサアレイは、一次元線形アレイまたは二次元アレイを含むことができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイは、少なくとも3つの非共線トランスデューサ素子を含むことができる。
【0006】
いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイは、別個のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイは、少なくとも1つの同じトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイは、第2のトランスデューサアレイのサブセットを含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置に質問信号を送信するように構成された第3のトランスデューサアレイを備えることができ、ワイヤレス信号は、質問信号に応答して生成されたフィードバック信号を含むことができる。いくつかの変形例では、第3のトランスデューサアレイは、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイの各々とは別個のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第2のトランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子は、第1の装置からワイヤレス信号を受信するように構成することができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデータを含むことができる。
【0007】
いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子は、交互配置することができ、または、散在することができる。いくつかの変形例では、第2のトランスデューサアレイは、ワイヤレス信号の補間および外挿のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。
【0008】
また、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための閉ループリンクを確立するように構成されたシステムも説明する。いくつかの変形例では、システムは、第1の装置と、プロセッサ、および、複数のサブアレイを含むトランスデューサアレイを備える第2の装置と、を備えることができ、第1のサブアレイは、第1の装置に質問信号を送信するように構成することができ、第2のサブアレイは、第1の装置からフィードバック信号を受信するように構成することができ、プロセッサは、受信フィードバック信号が所定の条件を満たすまで、複数のサブアレイのうちの1つ以上のサブアレイを循環するように構成することができる。
【0009】
いくつかの変形例では、第1の装置は、埋め込み型医療装置を含むことができ、第2の装置は、患者の身体の外部に配置されるように構成することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサアレイは、超音波トランスデューサアレイを含むことができる。いくつかの変形例では、サブアレイは、トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第1のサブアレイおよび第2のサブアレイが同じトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、所定の条件は、第2のサブアレイの1つ以上のトランスデューサ素子について計算される、受信フィードバック信号の強度を含むことができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、所定の条件を満たすことができる、受信フィードバック信号に基づいてトランスデューサ構成を選択するように構成することができ、トランスデューサ構成は、第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含むことができる。
【0010】
また、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための閉ループリンクを確立するように構成されたシステムも説明する。いくつかの変形例では、システムは、第1の装置と、プロセッサ、および、複数のサブアレイを含むトランスデューサアレイを備える第2の装置と、を備えることができ、第1のサブアレイは、第1の装置に質問信号を送信するように構成することができ、第2のサブアレイは、第1の装置からフィードバック信号を受信するように構成することができ、フィードバック信号は、デジタルの第1の装置のエネルギーデータおよびデジタル質問信号強度データのうちの1つ以上を含み、プロセッサは、フィードバック信号に基づいてトランスデューサ構成を選択するように構成することができ、トランスデューサ構成は、第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されている。
【0011】
いくつかの変形例では、第1の装置は、埋め込み型医療装置を含むことができ、第2の装置は、患者の身体の外部に配置されるように構成することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサアレイは、超音波トランスデューサアレイを含むことができる。いくつかの変形例では、サブアレイは、トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第1のサブアレイおよび第2のサブアレイは、同じトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、トランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、再充電可能な電池、コンデンサ、スーパーキャパシタ、および再充電不可能な電池のうちの1つ以上を含む電源を備えることができる。いくつかの変形例では、デジタルの第1の装置のエネルギーデータは、電圧、エネルギーレベル、充電電圧、および充電電流のうちの1つ以上を含む電源パラメータを含むことができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、電源をワイヤレスで再充電するように構成することができる。
【0012】
いくつかの変形例では、質問信号は、第1の周波数を含むことができ、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の周波数に対応する第1のインピーダンスおよび第2の周波数に対応する第2のインピーダンスを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサを備えることができ、第1のインピーダンスは、第2のインピーダンスよりも大きい。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の周波数に対応する第1のインピーダンスを含む第1の超音波トランスデューサと、第2の周波数に対応する第2のインピーダンスを含む第2の超音波トランスデューサと、を備えることができ、第1のインピーダンスは、第2のインピーダンスよりも大きい。
【0013】
いくつかの変形例では、質問信号は、広い超音波ビームを含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、超音波トランスデューサを備えることができ、第1の装置からの放出時の広い超音波ビームの直径は、超音波トランスデューサの寸法よりも大きい直径を含むことができる。いくつかの変形例では、質問信号は、識別子、コード、およびコマンドのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、質問信号は、無線周波数(RF)信号を含むことができる。
【0014】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、1つ以上のアナログパルスを含むことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、アナログパルスと、確認応答信号と、デジタルの第1の装置のエネルギー状態と、デジタル質問信号強度と、識別番号と、コードと、コマンドと、第1の装置、ワイヤレス電力信号、およびデータ信号のうちの1つ以上のパラメータと、のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号に対応する1つ以上の超音波反射信号を含むことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号に対応する1つ以上の超音波後方散乱信号を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、超音波後方散乱信号を変調するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、1つ以上の周波数でフィードバック信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、フィードバック信号に基づいて、第1の装置にワイヤレス電力およびダウンリンクデータのうちの1つ以上を送信するためのトランスデューサ構成の周波数を識別するように構成することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成の識別された周波数は、最大振幅におけるフィードバック信号の周波数に対応してもよい。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、アナログフィードバック信号およびデジタルフィードバック信号のうちの1つ以上の周期的送信を含むことができる。
【0015】
いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を第1の装置に集束させるように構成された1つ以上のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、信号をビームフォーミングするように構成された1つ以上のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、受信フィードバック信号の強度に基づいて、トランスデューサアレイのトランスデューサ素子のセットを機能停止するように構成することができる。
【0016】
いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、フィードバック信号の時間反転、三角測量、および強度の推定のうちの1つ以上に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、1つ以上のアナログパルスの時間反転、三角測量、および強度の推定のうちの1つ以上に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、フィードバック信号に基づいて、トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第2の装置の時間平均出力電力、第2の装置のピーク出力電力、第2の装置および皮膚のうちの1つ以上の加熱、第1の装置の加熱、組織構造の加熱、組織内の音響強度、ならびに第2の装置のエネルギーレベルのうちの1つ以上を監視するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の装置の加熱、および、第1の装置に入射する音響強度のうちの1つ以上を監視するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第2の装置の時間平均出力電力、第2の装置のピーク出力電力、第2の装置および皮膚のうちの1つ以上の加熱、第1の装置の加熱、組織構造の加熱、組織内の音響強度、ならびに第2の装置のエネルギーレベルのうちの1つ以上に基づいて、トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第1の装置を位置特定し、フィードバック信号に基づいて、トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、1つ以上のアナログパルスに基づいて第1の装置を位置特定し、デジタルの第1の装置のエネルギーデータおよびデジタル質問信号強度データのうちの1つ以上に基づいて、トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成することができる。
【0017】
また、1つ以上のワイヤレス信号を交換するための閉ループリンクを確立する方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、第2の装置の第1のサブアレイを使用して、第1の装置に質問信号を送信するステップと、第2の装置の第2のサブアレイを使用して、第1の装置からフィードバック信号を受信するステップと、フィードバック信号に基づいて、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択するステップと、複数の間隔中、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を使用して、第1の装置と1つ以上のワイヤレス信号を交換するステップであって、ワイヤレス信号は、電力信号、データ信号、質問信号、フィードバック信号、ダウンリンク信号、およびアップリンク信号のうちの1つ以上を含む、交換するステップと、を含むことができる。
【0018】
いくつかの変形例では、方法は、複数の間隔のうちの1つ以上の間に第1の装置によって受信された1つ以上のワイヤレス信号に応答して、第1の装置からフィードバック信号を送信することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、1つ以上のワイヤレス信号の立ち下がりエッジと、第1の装置によって受信された1つ以上のワイヤレス信号に対応するコードと、のうちの1つ以上を検出することをさらに含むことができる。
【0019】
いくつかの変形例では、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することは、フィードバック信号の遅延、位相、到着時間、飛行時間、振幅、周波数、および符号化データのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、選択された1つ以上のトランスデューサ素子の周波数、遅延、位相、振幅、および利得のうちの1つ以上を決定することのうちの1つ以上を含むことができる。
【0020】
いくつかの変形例では、方法は、受信フィードバック信号に応答して、電力信号、質問信号、データ信号、およびダウンリンク信号のうちの1つ以上を第1の装置に送信することを決定することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、受信フィードバック信号に応答して、ワイヤレス信号を第1の装置に送信することを抑制することを決定することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、後続の間隔に対応するトランスデューサ構成は、1つ以上の以前の間隔中の1つ以上の以前に受信されたフィードバック信号に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、複数の間隔のうちの少なくとも1つの間隔の継続時間は、第1の装置によって決定され得る。いくつかの変形例では、複数の間隔のうちの少なくとも1つの間隔の継続時間は、第2の装置によって決定され得る。いくつかの変形例では、第1の装置は、間隔のうちの1つ以上の間にフィードバック信号を周期的に送信するように構成することができる。
【0021】
いくつかの変形例では、1つ以上のトランスデューサ構成は、時間反転に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、方法は、フィードバック信号の周波数を識別することをさらに含むことができ、1つ以上のトランスデューサ構成は、識別された周波数を含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、フィードバック信号の周波数を識別することをさらに含むことができ、1つ以上のトランスデューサ構成は、識別された周波数とは異なる周波数を含むことができる。
【0022】
いくつかの変形例では、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することは、三角測量を使用して第1の装置の空間座標のセットを推定することを含むことができ、1つ以上のトランスデューサ構成を使用してワイヤレス電力信号およびデータ信号のうちの1つ以上を交換することは、推定された空間座標に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0023】
いくつかの変形例では、第2の装置のトランスデューサ構成のうちの1つ以上を選択することは、第2の装置の第2のサブアレイによって受信されたフィードバック信号の強度を推定することと、受信フィードバック信号の推定された強度に基づいて、1つ以上のトランスデューサ構成を使用してワイヤレス電力信号およびデータ信号のうちの1つ以上を交換することと、を含むことができる。
【0024】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、第1の装置によって受信された質問信号のデジタル振幅を含むことができ、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することは、質問信号の最大デジタル振幅に対応するサブアレイのうちの1つ以上を選択することを含むことができる。
【0025】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、第1のフィードバック信号を含むことができ、方法は、第1の電力間隔中に第1の電力信号を送信することによって第1の装置に給電することと、第1の電力間隔後に第1の装置から第2のフィードバック信号を受信することと、をさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置に断続的に給電することをさらに含むことができ、第2の装置は、フィードバック信号に基づいて第1の装置の給電を抑制するように構成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、第1の質問信号とすることができ、方法は、ある時間遅延後に、第1の装置に第2の質問信号を送信することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、ある時間遅延後にフィードバック信号を送信するように構成することができる。
【0026】
いくつかの変形例では、方法は、第1の装置のロケーションに基づいてトランスデューサ構成を選択することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置のロケーションに対応するトランスデューサ構成を第2の装置のメモリに記憶することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置と、ワイヤレス電力信号およびデータ信号のうちの1つ以上を交換するために、記憶されたトランスデューサ構成を選択することをさらに含むことができる。
【0027】
いくつかの変形例では、間隔の継続時間は、予め定めることができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、質問信号の受信時に複数のフィードバック信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、複数のフィードバック信号は、第1の装置によって周期的に送信されるパルスを含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、複数のフィードバック信号に基づいて第1の装置の空間経路を推定することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、推定された空間経路に基づいて、第1の装置の空間経路に対応するトランスデューサ構成を選択することをさらに含むことができる。
【0028】
いくつかの変形例では、方法は、第2の装置の空間調整に対応するロケーション通知を生成することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、ロケーション通知を生成することは、第1の装置の推定された空間経路に基づくことができる。いくつかの変形例では、空間調整は、第2の装置の軸を第1の装置の空間経路と位置整合させることを含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、一次元線形超音波トランスデューサアレイを備えることができ、空間調整は、アレイの開口および仰角のうちの1つ以上を第1の装置の空間経路と位置整合させることを含むことができる。いくつかの変形例では、ロケーション通知は、第2の装置の中心、縁部、および所定のロケーションのうちの1つ以上に対するトランスデューサ構成の位置に基づくことができる。いくつかの変形例では、ロケーション通知を生成することは、フィードバック信号に基づくことができる。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置および第2の装置のうちの1つ以上の電力状態を含む電力通知を生成するステップを含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置から受信されたデータと、生理学的パラメータデータと、第1の装置および第2の装置のうちの1つ以上のパラメータデータと、のうちの1つ以上に対応する通信通知を生成することを含むことができる。
【0029】
また、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されたシステムも説明する。いくつかの変形例では、システムは、ダウンリンク信号を受信するように構成された複数のトランスデューサを備える第1の装置と、ダウンリンク信号を送信するように構成された第2の装置であって、複数のトランスデューサのうちの1つ以上は、受信されたダウンリンク信号に基づいて、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる、第2の装置と、を備えることができる。
【0030】
いくつかの変形例では、第1の装置は、埋め込み型医療装置を含むことができ、第2の装置は、患者の身体の外部に配置されるように構成することができる。いくつかの変形例では、複数のトランスデューサは、複数の超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの変形例では、システムは、受信された電力をDC結合するように構成された電力回路をさらに備えることができる。いくつかの変形例では、ダウンリンク信号は、質問信号、電力信号、およびダウンリンクデータのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置の複数のトランスデューサのうちの1つ以上は、受信されたワイヤレス電力の第2の周波数とは異なる第1の周波数で、第2の装置とワイヤレスデータを交換するように構成することができる。
【0031】
いくつかの変形例では、第1の装置は、プロセッサをさらに備えることができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、受信されたダウンリンク信号に基づいて、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成された複数のトランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、受信されたダウンリンク信号のうちの1つ以上に基づいて選択を周期的に更新するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、複数のトランスデューサのうちの1つ以上のダウンリンク信号の受信信号強度を計算し、複数のトランスデューサのうちの1つ以上の受信信号強度を互いに比較するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するために、所定の閾値を超える受信信号強度に対応する複数のトランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第2の装置にアップリンク信号を送信するための最大受信信号強度に対応する1つのトランスデューサを選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、ダウンリンク信号に基づいて1つ以上のダウンリンクコマンドを復号化するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、ダウンリンクコマンドのうちの1つ以上の復号化に基づいて、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための1つ以上のトランスデューサを選択するように構成することができる。
【0032】
また、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されたシステムも説明する。いくつかの変形例では、システムは、伝送媒体を通じて質問信号を送信するように構成された第1の装置であって、伝送媒体内の質問信号は、反射質問信号を生成するように構成された、第1の装置と、第1の装置から質問信号を受信し、反射質問信号とは異なる少なくとも1つのパラメータを含むフィードバック信号を送信するように構成された第2の装置と、を備えることができる。
【0033】
いくつかの変形例では、第1の装置は、患者の身体の外部に配置されるように構成することができ、第2の装置は、埋め込み型医療装置を含むことができる。いくつかの変形例では、少なくとも1つのパラメータは、振幅、信号強度、位相、周波数、時間遅延、および信号変調のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、アクティブ信号送信および後方散乱変調のうちの1つ以上を使用してフィードバック信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、少なくとも1つのパラメータは、時間遅延を含むことができ、第2の装置は、質問信号の受信および時間遅延の後にフィードバック信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、時間遅延は、少なくとも約10マイクロ秒とすることができる。いくつかの変形例では、質問信号は、第1の変調を含むことができ、フィードバック信号は、第1の変調とは異なる第2の変調を含むことができる。いくつかの変形例では、質問信号は、超音波信号を含むことができ、フィードバック信号は、無線周波数信号を含むことができる。いくつかの変形例では、質問信号は、無線周波数信号を含むことができ、フィードバック信号は、超音波信号を含むことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、コードと、反射質問信号のうちの1つ以上とは異なる波形特徴と、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0034】
また、ワイヤレスを身体上に位置付ける方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、身体上の所望のロケーションに対応するユーザプロンプトを生成するステップと、ワイヤレス装置の方向付け特徴部および方向付け信号のうちの1つ以上に従ってワイヤレス装置を方向付けるステップとを含むことができる。
【0035】
いくつかの変形例では、ユーザプロンプトを提供することは、身体ロケーション画像、視覚的指示、および音響指示のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置の方向付け特徴部は、ワイヤレス装置のマーキング、構造、および形状のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置の方向付け信号は、方向センサ、加速度計、ジャイロスコープ、および位置センサのうちの1つ以上からの信号を含むことができる。
【0036】
いくつかの変形例では、方法は、ワイヤレス装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定するステップと、測定されたパラメータに基づいて身体上のワイヤレス装置の位置を推定するステップと、身体上のワイヤレス装置の推定された位置に対応するユーザプロンプトを生成するステップと、を含むことができる。
【0037】
いくつかの変形例では、パラメータは、心音、肺音、呼吸音、埋め込み型医療装置から入来するワイヤレス信号、およびワイヤレス反射信号のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、ユーザプロンプトは、身体上のワイヤレス装置の推定された位置に関する通知と、身体上におけるワイヤレス装置の再位置付け、および医療専門家への連絡のうちの1つ以上を含む推奨と、のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、身体上におけるワイヤレス装置の再位置付けは、ワイヤレス装置を動かすこと、調整すること、および回転させることのうちの1つ以上を含むことができる。
【0038】
また、超音波装置を患者の身体に結合する方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、超音波装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定するステップと、測定されたパラメータに基づいて超音波装置と身体との間の結合状態を推定するステップと、超音波装置と身体との間の結合状態に対応するユーザプロンプトを生成するステップと、を含むことができる。
【0039】
いくつかの変形例では、超音波装置は、1つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの変形例では、パラメータは、超音波トランスデューサの電気インピーダンス、超音波トランスデューサの反射係数、心音、肺音、埋め込み型医療装置から送信される超音波信号、超音波反射信号、圧力、力、接触、静電容量、組織の電気インピーダンス、熱、および温度のうちの1つ以上を含むことができる。
【0040】
いくつかの変形例では、結合状態を推定することは、超音波装置と身体との間の結合の妥当性および程度のうちの1つ以上を推定することを含むことができる。いくつかの変形例では、ユーザプロンプトは、結合状態と、超音波装置の身体に対する再位置付け、超音波結合剤の適用、超音波装置の締結具の身体に対する調整、および医療専門家への連絡のうちの1つ以上を含む推奨と、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0041】
いくつかの変形例では、方法は、埋め込み型医療装置からアップリンク信号を周期的に送信することをさらに含むことができ、結合状態を推定することは、超音波装置によって受信されたアップリンク信号のうちの1つ以上の強度の測定に基づくことができる。いくつかの変形例では、方法は、超音波装置から質問信号を送信することと、埋め込み型医療装置から1つ以上のフィードバック信号を受信することと、をさらに含むことができ、結合状態を推定することは、超音波装置によって受信フィードバック信号のうちの1つ以上の強度の測定に基づくことができる。
【0042】
また、圧力信号から超音波信号を分離するためのノイズを低減する方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、超音波トランスデューサ、圧力トランスデューサ、流量センサ、力センサ、およびMEMS装置のうちの1つ以上によって受信された超音波信号のパラメータを測定するステップと、力トランスデューサによって測定された圧力信号および超音波信号の測定されたパラメータに基づいて圧力データを生成するステップと、を含むことができる。
【0043】
いくつかの変形例では、圧力データを生成することは、圧力信号から超音波信号を分離することを含むことができる。いくつかの変形例では、圧力信号から超音波信号を分離することは、平均化、デジタル信号処理、およびアナログ信号処理のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、圧力データを生成することは、超音波信号の測定されたパラメータを含む圧力データの1つ以上の圧力サンプルを識別することと、識別された1つ以上の圧力サンプルを拒否またはフラグ付けすることと、を含むことができる。
【0044】
いくつかの変形例では、方法は、ある時間遅延後に圧力トランスデューサを使用して圧力信号を測定することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、時間遅延は、予め定めることができる。いくつかの変形例では、時間遅延は、超音波信号の散逸に基づいて決定することができる。
【0045】
いくつかの変形例では、圧力データを生成することは、超音波トランスデューサおよび圧力トランスデューサを備える第1の装置のプロセッサによって実行することができる。いくつかの変形例では、圧力データを生成することは、超音波トランスデューサおよび圧力トランスデューサを備える第1の装置とワイヤレス通信する第2の装置のプロセッサによって実行することができる。
【0046】
また、圧力信号から超音波信号を分離するためのノイズを低減する方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、装置の圧力トランスデューサを使用して超音波信号を受信するステップと、圧力トランスデューサに結合されたフィルタを使用して超音波信号をフィルタリングするステップと、を含むことができる。いくつかの変形例では、超音波信号をフィルタリングすることは、アナログフィルタリングと、デジタルフィルタリングと、アナログ後処理と、デジタル後処理と、増幅器、プロセッサ、積分器、平均器、およびボックスカーサンプラのうちの1つ以上の使用と、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0047】
また、心拍数を推定する方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置を使用して血圧サンプルを測定するステップと、測定された血圧サンプルを使用して血圧データを生成するステップと、血圧データを使用して1つ以上の心周期にわたって心拍数を推定するステップと、を含むことができる。
【0048】
いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、第1の装置のプロセッサによって実行することができる。いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、第2の装置のプロセッサによって実行することができ、第2の装置は、第1の装置とワイヤレス通信する。いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプルのうちの1つ以上を所定の閾値と比較することと、血圧サンプルが所定の閾値と交差し得る2つ以上の交差点を識別することと、識別された交差点間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含むことができる。
【0049】
いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプル内の極大点または極小点を識別することと、2つ以上の極大点または極小点の間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含むことができる。いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプル内の最大変化率点または最小変化率点を識別することと、2つ以上の最大変化率点または最小変化率点の間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含むことができる。いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプルの周波数領域表現に基づくことができる。
【0050】
また、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成されたシステムも説明する。いくつかの変形例では、システムは、患者内の空間経路をトラバースするように構成された第1の装置と、アクセス期間中にのみ、第1の装置とワイヤレス信号を交換するように構成された第2の装置と、を備えることができる。
【0051】
いくつかの変形例では、第1の装置または第2の装置は、患者の1つ以上の生理学的パラメータを測定するように構成されたセンサと、測定された1つ以上の生理学的パラメータに基づいてアクセス期間を識別するように構成されたプロセッサと、を備えることができる。いくつかの変形例では、1つ以上の生理学的パラメータは、血圧、心拍数、呼吸数、心音、肺音、およびECGのうちの1つ以上を含むことができる。
【0052】
また、パラメータ追跡の方法も説明する。いくつかの変形例では、方法は、第1の装置および第2の装置を備えるワイヤレスシステムに対応する1つ以上のパラメータを追跡するステップと、パラメータに少なくとも部分的に基づいて第2の装置のトランスデューサ構成を選択するステップと、選択されたトランスデューサ構成を使用して、第1の装置と、1つ以上のワイヤレス信号を交換するステップと、を含むことができる。
【0053】
いくつかの変形例では、パラメータは、第1の装置と第2の装置との間のワイヤレスリンク利得、第2の装置の送信電力、第2の装置の送信周波数、トランスデューサ構成の1つ以上のパラメータ、第1の装置の1つ以上のパラメータ、第1の装置のエネルギー状態、第1の装置の電池寿命、第1の装置のセンサに対応するパラメータ、第1の装置のトランスデューサに対応するパラメータ、第1の装置の送信周波数、第1の装置の送信電力、第1の装置の1つ以上の位置、第1の装置の1つ以上の向き、および身体の生理学的パラメータのうちの1つ以上を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】ワイヤレスシステムの例示的な変形例の概略ブロック図である。
図2】ワイヤレスシステムの変形例の例示的な断面概略図である。
図3A】質問信号を送信するように構成されたサブアレイを備えるワイヤレスシステムの変形例の例示的な断面概略図である。
図3B】第1の装置から生成されたフィードバック信号を含むワイヤレスシステムの変形例の例示的な断面概略図である。
図3C】第1の装置にワイヤレス電力を送信するように構成されたトランスデューサ構成を備えるワイヤレスシステムの変形例の例示的な断面概略図である。
図4】単一の超音波トランスデューサおよび組織内の超音波ビームの例示的な断面概略図である。
図5】IMDなどの第1の装置の例示的な変形例の概略ブロック図である。
図6】装置とワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換する方法の例示的な変形例のフローチャートである。
図7A】間隔ベースの給電の方法の例示的な変形例のタイミング図である。
図7B】間隔ベースの給電の方法の例示的な変形例のタイミング図である。
図7C】間隔ベースの給電の方法の例示的な変形例のタイミング図である。
図8】断続的な給電の方法の例示的な変形例のタイミング図である。
図9】複数のアレイを備える外部ワイヤレス装置を備えるワイヤレスシステムの例示的な変形例を示す図である。
図10】第1の装置(例えば、IMD)の空間経路の例示的な概略図、および、対応するアクセス期間タイミング図である。
図11】アクセス期間を決定するために使用される生理学的信号の例示的な変形例のタイミング図である。
図12】動作のためのトランスデューサを選択するように構成された第1の装置(例えば、IMD)の例示的な変形例の概略ブロック図である。
図13】ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法の例示的な変形例のフローチャートである。
図14】ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法の別の例示的な変形例のフローチャートである。
図15】超音波装置を患者の身体に結合する方法の例示的な変形例のフローチャートである。
図16】ノイズを低減する方法の例示的な変形例のフローチャートである。
図17】ノイズを低減する方法の別の例示的な変形例のフローチャートである。
図18】心拍数を推定する方法の例示的な変形例のフローチャートである。
図19】圧力信号から心拍数を推定する方法の例示的な変形例のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
I.システム
A.概説
本明細書においては、概して、患者の体内に配置された少なくとも1つの装置を含む装置のセットと、患者の外部に配置された装置などのワイヤレス装置との間にワイヤレスリンクを確立するためのシステム、装置、および方法を説明する。本明細書に記載のシステムは、患者の体内に配置された1つ以上のワイヤレス装置(例えば、埋め込み型医療装置、摂取可能な装置、センサ、刺激装置など)と、例えば、患者の皮膚上に配置されるように構成された外部装置と、を備えることができる。体内に配置されたワイヤレス装置は、心不全、人工弁機能不全、心臓弁膜症、再狭窄などの疾患の監視、診断、および処置のうちの1つ以上に有用であり得る。例えば、体内に配置されたワイヤレス装置による患者の生理学的パラメータ(例えば、血圧)の監視は、心不全および/または他の心臓血管(CV)疾患の診断および/または監視に使用することができる。
【0056】
いくつかの変形例では、ワイヤレスシステムは、埋め込み型医療装置(IMD)および外部ワイヤレス装置などの1つ以上のワイヤレス装置を備えることができる。いくつかの変形例では、IMDは、生理学的信号またはパラメータ(例えば、血圧、血流量、神経作用電位など)の監視、および、組織(例えば、神経、筋肉など)の刺激などの、1つ以上の機能を実施するために、患者の体内に埋め込むことができる。いくつかの変形例では、IMDは、別のワイヤレス装置からワイヤレス電力を受信するように構成することができる。付加的に、または代替的に、IMDは、外部ワイヤレス装置によって再充電されるように構成された電源(例えば、コンデンサ、電池など)を備えることができる。いくつかの変形例では、IMDは、データおよび/またはコマンドを別のワイヤレス装置と双方向的にワイヤレス通信するように構成することができる。このようなシステムでは、電力および/またはデータ転送のための信頼性の高いおよび/または効率的なワイヤレスリンクを確立することは、IMDおよび外部ワイヤレス装置のエネルギー使用(例えば、散逸)を最小限に抑え、組織の加熱を最小限に抑え、正確な疾患監視および治療のためのエラーのないデータ転送を実現するために重要であり得る。
【0057】
いくつかの変形例では、ワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するためのシステムは、各々が別個の機能を実行するように構成された複数のトランスデューサアレイを備える外部ワイヤレス装置を含むことができる。それぞれのトランスデューサ構成を最適化することができるように、トランスデューサアレイを互いに分離することによって、システム効率を改善することができる。例えば、外部装置の第1のトランスデューサアレイは、IMDからワイヤレス信号を受信するように構成することができ、プロセッサは、受信されたワイヤレス信号に基づいてデータを生成するように構成することができる。第2のトランスデューサアレイは、IMDと、電力およびデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。
【0058】
いくつかの変形例では、内部装置(例えば、第1の装置)と外部装置(例えば、第2の装置)との間のワイヤレス電力またはワイヤレスデータの交換は、内部装置が体内で動くか、または外部装置に対して位置がずれているときに中断することができる。例えば、心臓内に配置されたIMDが心臓の鼓動に伴って動く場合、外部装置はフィードバック信号を確実に受信することができず、IMDは一貫性なく質問信号を受信する可能性がある。本明細書に記載のシステム、装置、および方法のいくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置のサブアレイは、受信されたフィードバック信号が所定の条件を満たすまで、質問信号を1つずつ送信するように循環させることができる。
【0059】
いくつかの変形例では、IMDによって生成されたフィードバック信号は、デジタルの第1の装置のエネルギーデータおよびデジタル質問信号データのうちの1つ以上を含むことができる。フィードバック信号を受信する外部装置は、フィードバック信号に基づいてワイヤレス電力およびワイヤレスデータの交換のためのトランスデューサ構成を選択するように構成することができる。フィードバック信号内のこのデータは、第1の装置を位置特定することと、第1の装置との効率的なワイヤレスリンクを確立することと、第1の装置の電源を効率的に再充電し、それによって充電時間を短縮し、組織の加熱を最小限に抑えることと、のうちの1つ以上を可能にすることができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、1つ以上のアナログパルスをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、フィードバック信号の時間反転、三角測量、および推定強度のうちの1つ以上に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、フィードバック信号に基づいて、トランスデューサ構成の送信電力および送信継続時間のうちの1つ以上を調整するように構成することができる。
【0060】
いくつかの変形例では、患者の体内に配置されたIMDは、間隔ベースの給電方法または断続的な給電方法に基づいて、より効率的に給電することができる。これらの方法は、心臓に埋め込まれたIMDなどの、動くIMDとの効率的なワイヤレスリンクを確立することができる。いくつかの変形例では、1つ以上のトランスデューサ構成は、時間反転に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択することは、三角測量を使用して第1の装置の空間座標のセットを推定することを含むことができる。
【0061】
いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置との最高のリンク利得を有するIMDの1つ以上のトランスデューサを識別することによって、ワイヤレスリンクの効率および信頼性を改善することができる。例えば、システムは、外部ワイヤレス装置からダウンリンク信号を受信するように構成されたIMDを備えることができる。第1の装置の複数のトランスデューサのうちの1つ以上は、受信されたダウンリンク信号に基づいて、第2の装置と第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。
【0062】
組織などの伝送媒体を通じて送信された質問信号は、フィードバック信号などの他の信号と干渉する可能性のある反射を生成し得る。いくつかの変形例では、IMDによって送信された受信フィードバック信号を、質問信号の反射と区別することができ、それにより、IMDの正確な位置特定およびその後のワイヤレスリンクの確立を可能にする。
【0063】
いくつかの変形例では、ユーザ(例えば、患者)は、IMDへのワイヤレスリンクを確立するために(例えば、IMDから生理学的データを回復するために)、自身の身体上に外部ワイヤレス装置(例えば、ハンドヘルド装置、ウェアラブル装置)を位置付けることができる。外部ワイヤレス装置とIMDの間の位置整合は、リンク効率、および、信頼性の高い(例えばロバストな)ワイヤレスリンクを確立する能力に対応し得る。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法は、身体上の所望のロケーションに対応するユーザプロンプトを生成することと、ワイヤレス装置の方向付け特徴部および方向付け信号のうちの1つ以上に従ってワイヤレス装置を方向付けることと、を含むことができる。これらの方法および他の方法は、疾患の監視および/または治療のためにワイヤレス装置を位置付ける方法について患者などのユーザに指示する(例えば、案内する)ことによって、在宅監視を可能にすることができる。
【0064】
いくつかの変形例では、身体の外面に配置されたワイヤレス装置の位置を推定することができ、ワイヤレス装置を内部装置(例えば、IMD)に対して手動で位置整合させるためのユーザプロンプトをユーザに提供することができる。ワイヤレス装置を内部装置に対して位置整合させることによって、それらの間に確立されたワイヤレスリンクを改善することができる。例えば、ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法は、ワイヤレス装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定することと、測定されたパラメータに基づいて身体上のワイヤレス装置の位置を推定することと、身体上のワイヤレス装置の推定された位置に対応するユーザプロンプトを生成することと、を含むことができる。
【0065】
いくつかの変形例では、患者の外面(例えば、皮膚)に配置された超音波装置を使用して、超音波信号を使用してIMDにワイヤレスで給電および/または通信することができる。超音波信号を身体の内外で効率的に交換するために、超音波装置と皮膚または組織との間の適切な結合が所望される場合がある。いくつかの変形例では、超音波装置を患者の身体に結合する方法は、超音波装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定することと、測定されたパラメータに基づいて超音波装置と身体との間の結合状態を推定することと、を含むことができる。推定された結合状態に基づいて、超音波装置と身体との間の結合状態に対応するユーザプロンプトを生成することができる。これにより、超音波装置と身体との間の自動結合状態検出を可能にすることができる。超音波装置と身体との間に適切な結合を提供し、それによって患者の転帰を改善する方法について、ユーザに指示することができる。
【0066】
いくつかの変形例では、圧力を測定するように構成されたIMDは、外部ワイヤレス装置と、電力および/またはデータなどの超音波信号を交換するように構成することができる。超音波信号は圧力波の形態で伝播し、IMDの圧力信号と結合または干渉する可能性があり、それによって生理学的圧力データが損なわれる可能性がある。いくつかの変形例では、ノイズを低減する方法は、超音波トランスデューサ、圧力トランスデューサ、流量センサ、力センサ、および微小電気機械(MEMS)装置のうちの1つ以上によって受信された超音波信号のパラメータを測定することを含むことができる。圧力トランスデューサによって測定される圧力信号、および超音波信号の測定されたパラメータに基づいて、圧力データを生成することができる。いくつかの変形例では、圧力信号から超音波信号を分離することができ、それによって、生理学的圧力データの正確な回復が可能になる。
【0067】
いくつかの変形例では、ノイズを低減する方法は、装置(例えば、IMD)の圧力トランスデューサを使用して超音波信号を受信することと、圧力トランスデューサに結合されたフィルタを使用して超音波信号をフィルタリングすることと、を含むことができる。これによって、超音波信号を減衰させることにより、圧力信号の測定を改善することができる。
【0068】
いくつかの変形例では、システムは、肋骨または肺などの組織構造によって妨害されない第1の装置(例えば、IMD)の空間経路の一部分に対応する所定のアクセス期間中にのみ、ワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成することができる。これは、外部ワイヤレス装置および/またはIMDのエネルギーを節約し、組織の加熱を最小限に抑えるのに有用であり得る。
【0069】
図1は、1つ以上の装置(110、114)を備えるワイヤレスシステム(100)の例示的な変形例の概略ブロック図である。システム(100)は、第1の装置(110)(例えば、ワイヤレス装置、埋め込み型医療装置(IMD))と、第2の装置(114)(例えば、ワイヤレス装置、外部装置)と、を備えることができる。いくつかの変形例では、第2の装置(114)は、患者の身体の外部に配置することができ、または、完全にもしくは部分的に(例えば、皮膚の下に)埋め込むことができる。いくつかの変形例では、ダウンリンク信号(140)およびアップリンク信号(150)などの1つ以上のワイヤレス信号を、第2の装置(114)と第1の装置(110)との間で交換することができる。ダウンリンク信号(140)は、第2の装置(114)によって第1の装置(110)に送信された電力、データ、および他の信号のうちの1つ以上を含むことができる。アップリンク信号(150)は、第1の装置(110)から第2の装置(114)によって受信されたデータおよび他の信号のうちの1つ以上を含むことができる。
【0070】
いくつかの変形例では、ダウンリンク信号(140)およびアップリンク信号(150)は、機械的波(例えば、音響、超音波、振動)、磁場(例えば、誘導性)、電場(例えば、容量性)、電磁波(例えば、RF、光)、流電結合、表面波などのうちの1つ以上を使用して送信することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(110)および第2の装置(114)は、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成されたトランスデューサ(120)を備えることができる。
【0071】
いくつかの変形例では、第1の装置(110)(例えば、IMD)は、電池、コンデンサ、それらの組み合わせなどのような電源(例えば、エネルギー貯蔵能力を備える)を備える電力回路(160)を備えることができる。いくつかの変形例では、第1の装置の電源は、第2の装置(114)によって送信されたワイヤレス電力を使用して再充電することができる。いくつかの変形例では、1つ以上の第1の装置(110)は、振動エネルギーハーベスティング、心臓の動き、血管壁の動き、血流、熱エネルギーハーベスティング、化学エネルギーハーベスティング、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むエネルギーハーベスティング技法によって部分的または完全に給電または再充電することができる。
【0072】
いくつかの変形例では、第1の装置(110)および第2の装置(114)は、トランスデューサ(120)を介して信号を送信/受信すること、信号および/またはデータを処理すること、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を実施するように構成することができるプロセッサ(130)を備えることができる。いくつかの変形例では、第1の装置(110)は、生理学的パラメータなどのパラメータを感知するように構成されたセンサ、および、組織を刺激するように構成された刺激装置のうちの1つ以上をさらに備えることができる。
【0073】
いくつかの変形例では、第1の装置(110)は、心臓構造(例えば、心腔、心臓弁)、血管構造(例えば、肺動脈、任意の他の血管)などのうちの1つ以上の中または上に埋め込むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置(110)は、別の埋め込み型装置(例えば、人工心臓弁、ステントなど)に結合する(例えば、取り付ける)ことができる。いくつかの変形例では、第1の装置(110)は、心臓のポンプ運動、呼吸、咳、くしゃみ、肺の動き、他の身体器官または構造の動き、埋め込み型装置の動き、第1の装置の任意の動き、第2の装置を取り扱うユーザ(例えば、患者、看護師、医師)の動き、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に起因して、第2の装置(114)に対して動き、および/または、回転する可能性がある。いくつかの変形例では、ワイヤレスシステム(100)は、複数の第1の装置(110)および/または複数の第2の装置(114)を備えることができる。
【0074】
B.内部装置
概して、本明細書に記載の患者の体内に配置された装置(例えば、埋め込み型医療装置、ワイヤレスモニタ、第1の装置)は、感知、監視、刺激、治療送達などのうちの1つ以上を実行するように構成することができ、本明細書に記載の構成要素のうちの1つ以上を備えることができる。いくつかの変形例では、装置は、トランスデューサ、電力回路、マルチプレクサ、プロセッサ、メモリ、センサ、通信装置(例えば、ワイヤレス装置)などのうちの1つ以上を備えることができる。
【0075】
a.トランスデューサ
概して、ここで説明するトランスデューサ(120)は、ワイヤレスエネルギーモダリティと電気信号との間で信号を変換するように構成することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ(120)は、アップリンク信号および/またはダウンリンク信号を送信および/または受信するように構成することができる。本明細書に記載されるように、トランスデューサ(120)は、第1の装置(110)および第2の装置(114)のうちの1つ以上の構成要素とすることができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ(120)は、複数のトランスデューサ素子を備えることができる。トランスデューサ(120)は、別個のトランスデューサ素子とすることができ、または共通のトランスデューサ素子を共有することができる、1つ以上のアレイ(例えば、サブアレイ)を含むことができる。
【0076】
いくつかの変形例では、トランスデューサ(120)は、超音波トランスデューサ、無線周波数(RF)トランスデューサ(例えば、コイル、RFアンテナ)、容量性トランスデューサ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、超音波トランスデューサは、圧電装置、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、超音波トランスデューサは、圧力および力のうちの1つ以上を電気信号に変換することができ、その逆も可能である。いくつかの変形例では、トランスデューサ(120)は、ピストン(例えば、ロッド、プレート)、円筒形、リング、球形(例えば、シェル)、屈曲性(例えば、バー、ダイアフラム)、屈曲弾性、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上のタイプのものとすることができる1つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの変形例では、圧電装置は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、PMN-PT、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、それらの任意の誘導体などのうちの1つ以上から作製することができる。いくつかの変形例では、超音波トランスデューサは、約20kHz~約20MHzの周波数で電力を受信するように構成することができる。本明細書に記載の周波数範囲は、超音波トランスデューサがミリメートルまたはサブミリメートルの寸法を含むことを可能にすることができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ(120)は、電力、データ、および他の信号のうちの1つ以上を送信および/または受信するように構成することができるコイルまたはアンテナなどのRFトランスデューサを含むことができる。
【0077】
いくつかの変形例では、トランスデューサ(120)は、ダウンリンク信号を受信し、および/またはアップリンク信号を送信するように構成された1つ以上のトランスデューサ素子(例えば、トランスデューサ素子の1つ以上のアレイまたはサブアレイ)を含むことができる。例えば、第2の装置(114)のトランスデューサ(120)は、超音波信号を送信および/または受信するように構成された超音波トランスデューサ素子の1つ以上のアレイ(例えば、サブアレイ)を含むことができる。
【0078】
いくつかの変形例では、複数のトランスデューサ素子を含むトランスデューサ(120)は、所定の機能セットを実行するように構成することができる。例えば、第1のトランスデューサ素子を、ワイヤレス電力を回復するように構成することができ、第2のトランスデューサ素子を、データまたは信号を受信するように構成することができ、第3のトランスデューサ素子を、データまたは信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサは、約10cm未満の体積を含むことができる。そのようなトランスデューサのサイズは、コンパクトな(例えば、小型化された)第1の装置ハウジングが、第1の装置の、経皮的または経カテーテル技法を介した体内への低侵襲送達を支援することを可能にすることができる。いくつかの変形例では、第1の装置のトランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ)は、第2の装置のトランスデューサに向かって物理的に方向付けされ(例えば、角度付けられた)、位置付けられることができる。これにより、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータの交換の一貫性、信頼性、およびエネルギー効率を向上させることができる。
【0079】
i.超音波トランスデューサビーム
いくつかの変形例では、ワイヤレス装置(例えば、第1の装置、第2の装置)の超音波トランスデューサ(120)は、広い受容角(例えば、3dBビーム幅)を有する集合放射パターン(例えば、ビーム)を達成するように構成された複数の超音波トランスデューサ素子を備えることができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置の1つ以上の超音波トランスデューサ素子は、広い受容角を有する放射パターンを集合的に形成する、互いに対して異なる特性のセットを有することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置に対する第1の装置の向きまたは位置についての正確な知識なしに、体内に埋め込むことができる。例えば、第1の装置の1つ以上の超音波トランスデューサの向き、または超音波トランスデューサの1つ以上の放射パターンのメインローブの向きは、第2の装置には知られていなくてもよい。例えば、第1の装置は、第2の装置に対する第1の装置の動き(例えば、心拍、呼吸などに起因する)に起因して埋め込み後に一時的に回転するか、または、第1の装置は、組織に対して経時的に(例えば、数ヶ月間または数年間で)ゆっくりと回転するか、のいずれかまたは両方であり得る。本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、電力および/またはダウンリンク信号を確実に転送するために、第2の装置を第1の装置に対して位置整合させる際に、これらの課題を克服することができる。
【0080】
いくつかの変形例では、特性のセットは、他の素子(例えば、平坦な基板上のトランスデューサ素子または互いに対して所定の角度において特定の構造に取り付けられたトランスデューサ素子)に対するトランスデューサ素子の位置、向き、または角度、トランスデューサ素子の寸法、トランスデューサ素子の材料、圧電素子の分極方向、電極ロケーション(例えば、側面電極構造)に対する分極方向、それらの組み合わせなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0081】
いくつかの変形例では、超音波トランスデューサは、互いに対して非ゼロの角度(例えば、直交、互いに対して30°の角度など)で方向付けされた3つの超音波トランスデューサ素子を備えることができる。例えば、3つのトランスデューサ素子を互いに直交させることにより、各トランスデューサ素子は、好ましくは、3つの直交する方向のうちの1つからワイヤレス電力を受信し、それにより、複数の方向からの電力回復(例えば、相対的に全方向性の電力回復)、および、広い受容角を有する集合放射パターンのうちの1つ以上を可能にすることができる。いくつかの変形例では、3つの超音波トランスデューサ素子からなるセットを、(例えば、3Dアセンブリを使用して)コンパクトなモジュール内の基板(例えば、PCB)上に配置することができる。
【0082】
b.電力回路
いくつかの変形例では、第1の装置の1つ以上の超音波トランスデューサ素子は、本明細書においてさらに詳細に説明するように、電力を受信するために電力回路にインターフェースすることができる。概して、図1に示される電力回路(160)は、第1の装置(110)のトランスデューサ(120)に結合することができ、受信されたワイヤレス電力を回復(例えば、調節)し、エネルギーを貯蔵し、第1の装置の種々の動作のための電力を供給するように構成することができる。いくつかの変形例では、電力回路(160)は、トランスデューサによって受け取られたエネルギーを貯蔵するように構成された1つ以上のエネルギー貯蔵素子(例えば、電池、コンデンサ)を備えることができる。電力回路は、第1の装置の1つ以上の構成要素に提供される電力を制御(例えば、調整、制限)するように構成することができる。
【0083】
いくつかの変形例では、電力回路(160)は、トランスデューサの端子における交流(AC)電圧を(例えば、整流器を使用して)DC電圧に変換するように構成することができる。いくつかの変形例では、電力回路(160)は、第1の装置上に配置された複数のトランスデューサ素子によって受信されたワイヤレス電力を回復するように構成することができる。例えば、複数のトランスデューサ素子に結合された電力回路は、AC電力結合、DC電力結合、DC電圧結合、DC電流結合、それらの任意の組み合わせなどのうちの1つ以上を実行することができる。
【0084】
いくつかの変形例では、電力回路(160)は、コンデンサ、スーパーキャパシタ、再充電可能な電池または二次電池、再充電不可能な電池または一次電池、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含む電源を含んでもよい。いくつかの変形例では、電力回路(160)は、エネルギー貯蔵のための再充電可能な電池を、電池と並列なコンデンサとともに備えることができ、ここで、コンデンサは、再充電可能な電池の充電/放電過渡中に電流の少なくとも一部分をシンク/供給することができる。
【0085】
いくつかの変形例では、電力回路(160)は、エネルギーを貯蔵するための装置を含まなくてもよく、第1の装置は、第1の装置がその機能を実行している間に、別の装置(例えば、第2の装置、別のIMDなど)によって同時に給電されてもよい。いくつかの変形例では、第1の装置がその機能を完了するまで電力を供給することができ、第1の装置は、再び電力が供給されるまで非アクティブのままであり得る。
【0086】
いくつかの変形例では、本明細書に開示されるシステム、装置、および方法は、2014年5月13日付で出願された米国特許第9,544,068号、2016年9月30日付で出願された米国特許第10,177,606号、2016年12月7日付で出願された米国特許第10,014,570号、および2013年11月13日付で出願された米国特許第9,774,277号に記載されている1つ以上のシステム、装置、および方法を含み得、その各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0087】
c.マルチプレクサ回路
概して、ここで説明するマルチプレクサ(例えば、マルチプレクサ回路)は、第1の装置内の電力信号、データ信号、および他の信号のうちの1つ以上を分離するように構成することができる。信号を分離することによって、信号間の干渉を回避し、第1の装置が適切に機能することを保証することができる。例えば、第1の装置のマルチプレクサは、電力信号が電力回復および調整のために電力回路に提供され、一方でデータ信号がデータ回復のためにプロセッサに提供されるように、第2の装置から受信されたデータ信号から電力信号を分離するように構成することができる。
【0088】
いくつかの変形例では、マルチプレクサは、送信/受信スイッチ、受動装置(例えば、ダイオード、リレー、MEMS回路、遮断器、受動スイッチ)、サーキュレータ、周波数選択(例えば、フィルタ、インピーダンス整合ネットワークを使用する)、直接有線接続、それらの組み合わせなどを含んでもよい。
【0089】
d.プロセッサ
概して、本明細書において説明するプロセッサ(例えば、CPU)は、データおよび/もしくは他の信号を受信、送信、および/もしくは処理し、ならびに/または、システム(例えば、IMD)の1つ以上の構成要素を制御することができる。プロセッサは、データおよび/または他の信号を受信、処理、コンパイル、計算、記憶、アクセス、読み出し、書き込み、および/または送信するように構成することができる。付加的にまたは代替的に、第1の装置のプロセッサの1つ以上の素子(例えば、本明細書において考察されるような感知および処理回路)は、プロセッサの他の1つ以上の素子(例えば、マルチプレクサ回路、デマルチプレクサ回路など)および/または第1の装置の1つ以上の構成要素(例えば、トランスデューサ、電力回路、メモリ、センサなど)を制御するように構成されてもよい。本明細書に記載されるように、プロセッサは、第1の装置、第2の装置などのうちの1つ以上に含まれ得る。
【0090】
いくつかの変形例では、プロセッサは、データ受信機であり得るデータ通信回路を含むことができ、これは、トランスデューサ、センサ(例えば、圧力センサ)、および記憶媒体(例えば、メモリ、フラッシュドライブ、メモリカード)のうちの1つ以上からのデータおよび/または他の信号にアクセスまたは受信するように構成することができる。例えば、プロセッサは、トランスデューサを通じてデータおよび/または信号を受信するように構成された、信号受信機(例えば、質問信号の検出)、包絡線検出器回路、増幅器(例えば、低雑音増幅器またはLNA)、フィルタ、周波数検出器回路、位相検出器回路、比較器回路、デコーダ回路、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を備えることができる。いくつかの変形例では、第1の装置のプロセッサは、第1の装置の電圧、電流、電力、およびエネルギーのうちの1つ以上を監視するように構成された監視回路を備えることができる。
【0091】
いくつかの変形例では、プロセッサは、命令またはコードのセットを作動および/または実行するように構成された任意の好適な処理装置を含んでもよく、1つ以上のデータプロセッサ、画像プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、物理処理ユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、アナログ信号プロセッサ、混合信号プロセッサ、機械学習プロセッサ、深層学習プロセッサ、有限状態マシン(FSM)、圧縮プロセッサ(例えば、データレートやメモリ要件を低減するためのデータ圧縮)、暗号化プロセッサ(例えば、安全なワイヤレスデータおよび/または電力転送のための)、および/または中央処理装置(CPU)を含んでもよい。プロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プロセッサボードなどを含んでもよい。プロセッサは、アプリケーションプロセスおよび/または他のモジュール、システムと関連するプロセスおよび/または機能を作動および/または実行するように構成することができる。基礎となる装置技術は、様々な構成要素タイプ(例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合型論理(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマーおよび金属共役ポリマー-金属構造)、混合アナログ・デジタルなどにおいて提供されてもよい。
【0092】
本明細書に記載のシステム、装置、および/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによって実行されてもよい。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ(またはマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、C、C++、Java(登録商標)、Python、Ruby、Visual Basic(登録商標)、および/または他のオブジェクト指向、手続き型、もしくは他のプログラミング言語および開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)において表現されてもよい。コンピュータコードの例は、これらに限定されるものではないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、およびインタープリタを使用するコンピュータによって実行される高レベル命令を含むファイルを含む。コンピュータコードの追加の例は、これらに限定されるものではないが、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードを含む。
【0093】
いくつかの変形例では、プロセッサは、信号(例えば、質問信号)を処理し、アクションを行う(例えば、フィードバック信号を生成する)ように構成することができる。例えば、プロセッサは、本明細書に詳細に説明されるような感知および処理回路を備えることができる。いくつかの変形例では、第1の装置のプロセッサは、第1の装置の識別(ID)番号を符号化し、ID番号を復号化することができる質問信号を処理するように構成することができる。そのような変形例では、プロセッサは、受信された質問信号からID番号を復号化または抽出し、質問信号内のIDが第1の装置のIDと一致するか否かに応じてアクションを実行する(例えば、フィードバック信号を生成する、何もアクションを行わないなど)ように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置のプロセッサは、第2の装置から受信された質問信号を処理してフィードバック信号を生成するための、包絡線検出回路、エネルギー検出器回路、電力検出器回路、電圧センサ、時間-デジタル変換器(TDC)回路、積分器回路、サンプリング回路、アナログ-デジタル変換器(ADC)回路、タイマ回路、クロック、カウンタ、発振器、位相ロックループ(PLL)、周波数ロックループ(FLL)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を備えることができる。
【0094】
いくつかの変形例では、ワイヤレス装置のプロセッサは、本明細書に詳細に説明されるように、信号(例えば、フィードバック信号)を処理し、データ(例えば、フィードバック信号データ)を生成し、第1の装置に給電するためのワイヤレス装置のトランスデューサ構成(例えば、サブアレイ)を決定するように構成することができる。例えば、プロセッサは、そのような計算を実行するために、増幅器、位相検出器、周波数検出器、デジタル信号プロセッサ、積分器、加算器回路、乗算器回路、有限状態マシン、それらの組み合わせなどを備えることができる。
【0095】
いくつかの変形例では、プロセッサは、データ送信機であり得るデータ通信回路を備えることができ、これは、トランスデューサ、記憶媒体などのうちの1つ以上を通じてデータおよび/または他の信号を生成または送信するように構成することができる。例えば、第1の装置のプロセッサは、トランスデューサを介してデータおよび/または信号を生成または送信するための、信号送信機、アップリンクデータ送信機、発振器、電力増幅器、ミキサ、インピーダンス整合回路、スイッチ、ドライバ回路、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を備えることができる。
【0096】
いくつかの変形例では、プロセッサは、第1の装置および/または第2の装置内の1つ以上の素子を制御するように構成することができる。例えば、プロセッサは、ダウンリンク信号を介して第2の装置から受信されたコマンドに応じて、フィードバック信号を生成するか、または感知機能を実行するように第1の装置を制御するように構成することができる。
【0097】
いくつかの変形例では、第1のプロセッサは、第1の装置の構成要素とすることができ、第2のプロセッサは第2の装置の構成要素とすることができる。そのような変形例では、第1の装置は、質問信号を受信するように構成することができ、第1のプロセッサは、質問信号を処理し、フィードバック信号を生成するように構成することができる。第2のプロセッサは、第2の装置によって受信されたフィードバック信号を処理し、フィードバック信号データを生成し、本明細書に詳細に説明するように第2の装置のトランスデューサ構成を決定するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置の第1のプロセッサは、1つ以上の質問信号を処理し、質問信号に基づいてトランスデューサ構成(例えば、第1の装置において質問信号の最大電力をもたらした第2の装置のトランスデューサ構成)を決定するように構成することができる。
【0098】
e.メモリ
概して、本明細書において説明される第1の装置および/または第2の装置は、データおよび/または情報を記憶するように構成されたメモリを備えることができる。いくつかの変形例では、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、抵抗性ランダムアクセスメモリ(ReRAMまたはRRAM)、磁気抵抗性ランダムアクセスメモリ(MRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)、スタンダードセルベースのメモリ(SCM)、シフトレジスタ、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(例えば、NOR、NAND)、組み込みフラッシュ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ワンタイムプログラマブル(OTP)メモリ、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上のタイプを含む。
【0099】
いくつかの変形例では、メモリは、プロセッサに、第1の装置および/または第2の装置と関連するモジュール、プロセス、および/または機能(例えば、検索アルゴリズムの実行)を実行させる命令および/またはデータを記憶するように構成することができる。本明細書に記載のいくつかの変形例は、様々なコンピュータ実装動作を実行するための命令またはコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体と称される場合もある)を有するコンピュータ記憶製品に関連し得る。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝播信号(例えば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上で情報を搬送する伝播電磁波)を含まないという意味で非一時的であり得る。媒体およびコンピュータコード(コードまたはアルゴリズムと称される場合もある)は、特定の1つ以上の目的のために設計および構築されたものとすることができる。
【0100】
いくつかの変形例では、メモリは、センサデータ、受信データ、ならびに/または第1の装置および/もしくは第2の装置によって生成されたデータを記憶するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置のメモリは、センサによって感知された信号の処理時に生成されたデータ(例えば、第1の装置に含まれ得る圧力センサによって感知された血圧データ)を記憶するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置のメモリは、質問信号のパラメータ、フィードバック信号のパラメータ、第1の装置によって受信された電力に関連するパラメータ、移動するIMDの動きおよび/もしくは回転または軌道に関するパラメータなどのうちの1つ以上を記憶するように構成することができる。
【0101】
いくつかの変形例では、第2の装置のメモリは、質問信号のパラメータ、フィードバック信号のパラメータ、フィードバック信号データ、トランスデューサ構成に対応するデータ、患者データ、ワイヤレスシステムデータ(例えば、IMDの数および/またはロケーション、1つ以上のIMDの空間経路、1つ以上のIMDに対応する1つ以上の識別(ID)番号)、それらの組み合わせおよび派生物などのうちの1つ以上を記憶するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置および/または第2の装置のメモリは、2D、3D、ドプラ、および患者の画像化から生成された任意の他のデータ(例えば、胸郭または組織の画像、心エコー検査画像、MRI画像)を含む画像データを記憶するように構成することができる。いくつかの変形例では、メモリは、データを一時的または恒久的に記憶するように構成することができる。
【0102】
f.センサ
概して、ここで説明するセンサは、限定ではないが患者の生理学的パラメータなどの1つ以上のパラメータを感知または測定するように構成することができる。いくつかの変形例では、センサは、圧力センサ、流量センサ、トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ、赤外線/光フォトダイオード、赤外線/光LED、RFアンテナ、RFコイル)、温度センサ、電気センサ(例えば、インピーダンス、筋電図すなわちEMG、心電図すなわちECGなどを測定するための電極を使用する)、磁気センサ(例えば、RFコイル)、電磁センサ(例えば、赤外線フォトダイオード、光フォトダイオード、RFアンテナ)、神経センサ(例えば、神経作用電位を感知するための)、力センサ(例えば、歪みゲージ)、流量または速度センサ(例えば、熱線風速計、渦流量計)、加速センサ(例えば、加速度計)、活動センサ(例えば、患者の活動レベルを監視するための)、化学センサ(例えば、pHセンサ、タンパク質センサ、グルコースセンサ)、酸素センサ(例えば、パルスオキシメトリセンサ、心筋酸素消費センサ)、オーディオセンサ(例えば、心雑音、人工弁雑音を検出するためのマイクロフォン、聴診)、他の生理学的パラメータを完治するためのセンサ(例えば、心拍数、呼吸数、不整脈、心臓壁の動きを感知するためのセンサ)、刺激装置(例えば、刺激および/またはペーシング機能のための)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0103】
いくつかの変形例では、心不全などの心臓血管疾患を監視するために、1つ以上の圧力センサ(圧力トランスデューサとも称される)を使用することができる。いくつかの変形例では、1つ以上の圧力センサは、絶対圧力センサ、ゲージ圧力センサ、密封圧力センサ、差圧センサ、大気圧センサ、それらの組み合わせなどを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの変形例では、1つ以上の圧力センサは、抵抗性(例えば、歪みゲージまたは膜を使用して圧力感応抵抗を生成するピエゾ抵抗性)、容量性(例えば、ダイヤフラムまたは膜を使用して圧力感応静電容量を作成する)、圧電、光学、共振(例えば、構造の圧力感応共振周波数)、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上の圧力感知技術に基づいてもよい。いくつかの変形例では、圧力センサは、微小電気機械システム(MEMS)技術を使用して製造されてもよい。
【0104】
いくつかの変形例では、センサは、身体の筋肉および/またはニューロンもしくは神経を刺激するために使用される刺激装置(例えば、電気刺激装置)を含んでもよい。例えば、1つ以上の刺激装置は、ペーシングおよび/または心臓再同期のために心室壁を刺激するように構成することができる。
【0105】
g.空間経路
第1の装置(例えば、IMD)の空間経路は、概して、第1の装置が第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)に対してトラバースする位置のセット(例えば、経路、軌道)および/または向きのセットを参照することができる。例えば、第1の装置は、第2の装置に対して動きおよび/または回転する場合がある。第1の装置の空間経路は、線、湾曲した経路、回転、傾斜、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含み得る。第1の装置が心臓組織または心臓血管構造の中または付近に埋め込まれ得るいくつかの変形例では、第1の装置の空間経路はまた、心臓経路と称される場合もある。第1の装置の動きは、心臓のポンプ運動、呼吸、肺の動き、他の身体器官または構造の動き、外部ワイヤレス装置の動き、第1の装置の任意の動き、外部ワイヤレス装置を取り扱うユーザ(例えば、患者、看護師、医師)の動き、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に起因する場合がある。
【0106】
h.動作モード
本明細書において説明される第1の装置(例えば、IMD)は、刺激モード、感知モード、ワイヤレスダウンリンクモード、ワイヤレスアップリンクモード、スリープモード、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上のモードで動作するように構成することができる。感知モードは、センサ信号を生成するためのパラメータの(例えば、周期的な)感知またはサンプリング、センサ信号の調整、デジタル化信号を生成するためのセンサ信号のデジタル化、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。ワイヤレスダウンリンクモードは、第1の装置が、電力、データ、1つ以上の信号(例えば、質問信号)、1つ以上のコマンド、それらの組み合わせなどを受信するように構成され得るモードを含むことができる。ワイヤレスアップリンクモードは、第1の装置が、アップリンクデータ(例えば、処理されたデータ)、1つ以上のワイヤレス信号(例えば、アクティブアップリンク信号、反射信号、変調後方散乱信号など)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を送信または生成するように構成され得るモードを含むことができる。スリープモードでは、第1の装置は、いかなる積極的な機能(例えば、感知、刺激など)も実行せず、第2の装置からの命令または質問信号を待つように構成することができる。
【0107】
i.体内における第1の装置の配置
概して、ここで説明する埋め込み型装置は、患者または動物の体内に配置される(例えば、埋め込まれる)ように構成することができる。いくつかの変形例では、本明細書において説明されるように、第1の装置は、スタンドアロン装置であってもよい。いくつかの変形例では、本明細書において説明されるように、第1の装置は、体内に配置された別の装置に結合(例えば、取り付け)されてもよい。例えば、1つ以上の第1の装置は、人工心臓弁またはステントに結合されてもよい。別の例として、1つ以上の第1の装置は、パルス発生器と、ペースメーカ、埋め込み型除細動器、および/または心臓再同期療法装置の1つ以上のリード線と、のうちの1つ以上に結合されてもよい。
【0108】
いくつかの変形例では、第1の装置は、人工心臓弁、人工心臓弁導管、弁尖接合装置、環状形成リング、弁修復装置(例えば、クリップ、ステント)、中隔閉鎖器、付属器官閉塞器、心室補助装置、ペースメーカ(例えば、リード線、パルス発生器を含む)、埋め込み型除細動器(例えば、リード線、パルス発生器を含む)、心臓再同期療法装置(例えば、リード線、パルス発生器を含む)、挿入可能心臓モニタ、ステント(例えば、冠状動脈ステントまたは末梢ステント、ファブリックステント、金属ステント)、ステントグラフト、スキャフォールド、塞栓保護装置、塞栓コイル、血管内プラグ、血管パッチ、血管閉鎖装置、心房間シャント、心不全を処置するためのパラシュート装置、心臓ループレコーダ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に結合されてもよい。例えば、人工心臓弁は、経カテーテル心臓弁(THV)、自己拡張型THV、バルーン拡張型THV、外科的生体人工心臓弁、機械的弁などのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0109】
概して、ここで説明する埋め込み型装置は、心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁)、心腔(例えば、左心室、左心房、右心室、右心房)、血管(例えば、肺動脈、大動脈、浅大腿動脈、冠状動脈、肺静脈など)、心臓組織(例えば、心筋または心臓壁、中隔)、胃腸管(例えば、胃、食道)、膀胱、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない、体内の任意の領域内またはその付近に配置することができる。
【0110】
C.第2の装置
概して、本明細書において使用される場合、第2の装置(例えば、ワイヤレス装置、外部ワイヤレス装置)は、1つ以上の第1の装置(例えば、IMD)から物理的に分離された任意の装置を指すことができる。いくつかの変形例では、第2の装置(114)は、例えば図1に示されるように、トランスデューサ(120)およびプロセッサ(130)を備えることができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、本明細書に記載されるようなメモリを備えることができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、1つ以上の第1の装置にワイヤレスで給電および/もしくは通信するため、ならびに/または、1つ以上の他の第2の装置(例えば、タブレット、電話機、ラップトップ、コンピュータ、サーバ、データベース、ネットワーク)と通信するために使用することができるエネルギーを貯蔵するための電池を備えることができる。
【0111】
いくつかの変形例では、第2の装置(114)のトランスデューサ(120)は、本明細書において詳細に説明されるように、1つ以上のIMDとワイヤレス信号を交換(送信および/または受信)するための複数の構成を含むことができる複数の超音波トランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、1つ以上のトランスデューサアレイ(例えば、サブアレイ、トランスデューサ素子)を備えることができる。いくつかの変形例では、第2の装置の1つ以上のトランスデューサまたはトランスデューサ素子は、超音波トランスデューサ、無線周波数(RF)トランスデューサ(例えば、コイル、RFアンテナ)、容量性トランスデューサ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置(114)のプロセッサ(130)は、第1の装置から受信されたワイヤレス信号(例えば、フィードバック信号)を処理するように構成することができる。
【0112】
いくつかの変形例では、第2の装置は、ワイヤレス電力、データ、および他の信号(例えば、質問信号)を1つ以上の第1の装置(例えば、IMD)に送信すること、1つ以上の第1の装置からワイヤレスデータおよび他の信号(例えば、フィードバック信号)のうちの1つ以上を受信すること、データおよび/または信号を処理すること(例えば、フィードバック信号を処理すること)、感知および/または作動を実施すること(例えば、血圧、心拍数、心拍数の変動、ECG、EKG、胸郭インピーダンス、呼吸速度または呼吸、患者の活動レベル、心音、肺音、温度、体重、血糖、血中酸素を測定すること)、データまたは情報をメモリに記憶すること、有線でおよび/またはワイヤレスリンク(例えば、Bluetooth)を使用して他のワイヤレス装置(例えば、タブレット、電話機、コンピュータ)と通信すること、データまたは情報を表示または提供すること(例えば、画面またはモニタ上の視覚的表示、オーディオ信号)、ユーザ(例えば、患者、医師)への警告/通知(例えば、視覚、オーディオ、振動)を生成すること、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない1つ以上の機能を実施するように構成されてもよい。
【0113】
いくつかの変形例では、第2の装置は、身体の外側(例えば、ウェアラブル装置、ストラップ、ベルト、ハンドヘルド装置、測定セットアップに結合されたプローブ、皮膚上に配置された装置、接着剤を使用して皮膚に付着された装置、他の技法を使用して皮膚に付着された装置、患者に触れない装置、ラップトップ、コンピュータ、携帯電話機、スマートウォッチなど)、体内に恒久的に埋め込まれる(例えば、皮膚の下に、臓器の外壁に沿って埋め込まれる)、一時的に体内に埋め込まれる(例えば、血管、食道、または胸壁を通して挿入されるカテーテルまたはプローブに配置される、手術中または手技中に使用される)、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上のロケーションに配置されてもよい。いくつかの変形例では、第2の装置は、平面、身体または器官に共形、可撓性、伸縮性、平坦、プローブのような形状などを含むがこれらに限定されない、異なる形状または形態を有してもよい。いくつかの変形例では、第2の装置は、別の第2の装置のための機能を実行する(例えば、フィードバック信号を処理する)ことができる。例えば、患者の身体上に配置された(例えば、胸部上に配置された)第2の装置は、1つ以上のIMDから受信された、フィードバック信号から生成されたフィードバック信号データを、ラップトップ、タブレット、携帯電話機などの別の第2の装置に通信することができる。この別の第2の装置は、フィードバック信号データを処理し、検索アルゴリズムを実行し、および/または計算を実行する(例えば、第1の装置に給電するためのトランスデューサ構成を決定する)ことができる。
【0114】
いくつかの変形例では、第2の装置は、ユーザおよび/または医療専門家がワイヤレスシステムの装置のうちの1つ以上を制御することを可能にするように構成された通信装置をさらに備えることができる。通信装置は、有線またはワイヤレス接続によって第2の装置を別のシステム(例えば、インターネット、リモートサーバ、データベース)に接続するように構成されたネットワークインターフェースを備えることができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、1つ以上の有線および/またはワイヤレスネットワークを介して他の装置(例えば、携帯電話機、タブレット、コンピュータ、スマートウォッチなど)と通信することができる。いくつかの変形例では、ネットワークインターフェースは、1つ以上の装置および/またはネットワークと通信するように構成された、無線周波数(RF)受信機、RF送信機、光(例えば、赤外線)受信機、光送信機、音響または超音波受信機および送信機などのうちの1つ以上を含んでもよい。ネットワークインターフェースは、有線および/またはワイヤレスで、ワイヤレス装置、ネットワーク、データベース、およびサーバのうちの1つ以上と通信することができる。
【0115】
ネットワークインターフェースは、RF信号を受信および/または送信するように構成されたRF回路を備えることができる。RF回路は、電気信号を電磁信号に(およびその逆に)変換し、電磁信号を介して通信ネットワークおよび他の通信装置と通信することができる。RF回路は、アンテナシステム、RFトランシーバ、1つ以上の増幅器、チューナ、1つ以上の発振器、ミキサ、デジタル信号プロセッサ、CODECチップセット、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリなどを含むがこれらに限定されない、これらの機能を実行するための周知の回路を含んでもよい。
【0116】
本明細書に記載の装置のいずれかを通じたワイヤレス通信は、汎欧州デジタル移動通信システム(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、エボリューションデータオンリー(EV-DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC-HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離場通信(NFC)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)(例えば、IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11nなど)、ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)、Wi-MAX、電子メール用プロトコル(例えば、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)および/またはポストオフィスプロトコル(POP))、インスタントメッセージング(例えば、拡張可能メッセージングおよびプレゼンスプロトコル(XMPP)、インスタントメッセージングおよびプレゼンス活用拡張のためのセッション開始プロトコル(SIMPLE)、インスタントメッセージングおよびプレゼンスサービス(IMPS))、および/もしくはショートメッセージサービス(SMS)、または任意の他の好適な通信プロトコルを含むがこれらに限定されない、複数の通信モダリティ、規格、プロトコル、および技術のいずれかを使用してもよい。いくつかの変形例では、本明細書の装置は、ネットワークを通じて(例えば、NFC、Bluetooth、WiFi、RFIDなどを通じて)データを送信することなく、互いに直接通信することができる。
【0117】
通信装置は、ユーザ(例えば、患者、被験者、パートナー、家族、医療専門家など)が第2の装置を制御することを可能にするように構成されたユーザインターフェースをさらに備えることができる。通信装置は、ユーザが第2の装置と直接および/または遠隔で対話および/または制御することを可能にすることができる。例えば、第2の装置のユーザインターフェースは、ユーザがコマンドを入力し、ユーザが出力(例えば、表示装置上の血圧読み値)を受信するための入力装置を含むことができる。
【0118】
いくつかの変形例では、第2の装置は、出力装置およびユーザインターフェースを備えることができる。ユーザインターフェースの出力装置は、第2の装置の組織または皮膚への結合に対応するデータ、第2の装置と第1の装置との間のワイヤレスリンクに対応するデータ(例えば、信頼性の高いリンクが確立されている)、1つ以上のIMDなどの動き、回転、および/または軌道などのうちの1つ以上を出力することができ、表示装置およびオーディオ装置のうちの1つ以上を含んでもよい。サーバによって生成されたデータ分析は、第2の装置の出力装置(例えば、ディスプレイ)によって表示することができる。トランスデューサ構成の選択、または第2の装置が組織に最適に結合されていることの保証に使用されるデータは、通信装置を通じて受信することができ、第2の装置の1つ以上の出力装置を通じて視覚的および/または聴覚的に出力することができる。いくつかの変形例では、出力装置は、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、電子発光ディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機発光ダイオード(OLED)、電子ペーパ/電子インクディスプレイ、レーザディスプレイ、および/またはホログラフィックディスプレイのうちの少なくとも1つを含む表示装置を含んでもよい。
【0119】
オーディオ装置は、任意のデータ、コマンド、命令、プロンプト、警告、通知などのうちの1つ以上を可聴出力することができる。例えば、オーディオ装置は、第1の装置と第2の装置との間のリンクが妨害または切断され、ユーザによる手動調整が促されるときに、可聴警告を出力することができる。いくつかの変形例では、オーディオ装置は、スピーカ、圧電オーディオ装置、磁歪スピーカ、および/またはデジタルスピーカのうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの変形例では、ユーザは、オーディオ装置および通信チャネルを使用して他のユーザと通信することができる。例えば、ユーザは、第2の装置および別の装置を使用して、遠隔した医療専門家とのオーディオ通信チャネル(例えば、VoIP通話)を形成することができる。
【0120】
いくつかの変形例では、ユーザインターフェースは、入力装置(例えば、タッチスクリーン)および出力装置(例えば、表示装置)を含むことができ、第1の装置、第2の装置、ネットワーク、データベース、およびサーバのうちの1つ以上から入力データを受信するように構成することができる。例えば、入力装置(例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン)のユーザ制御を、ユーザインターフェースによって受信することができ、次いで、ユーザインターフェースが第1の装置に制御信号を出力するために、プロセッサおよびメモリによって処理することができる。入力装置のいくつかの変形例は、制御信号を生成するように構成された少なくとも1つのスイッチを備えることができる。例えば、入力装置は、ユーザが制御信号に対応する入力(例えば、タッチ面への指の接触)を提供するためのタッチ面を備えることができる。タッチ面を備える入力装置は、容量性、抵抗性、赤外線、光学イメージング、分散信号、音響パルス認識、および弾性表面波技術を含む複数のタッチ感応技術のいずれかを使用して、タッチ面上の接触および動きを検出するように構成することができる。少なくとも1つのスイッチを備える入力装置の変形例では、スイッチは、例えば、ボタン(例えば、ハードキー、ソフトキー)、タッチ面、キーボード、アナログスティック(例えば、ジョイスティック)、方向パッド、マウス、トラックボール、ジョグダイヤル、ステップスイッチ、ロッカースイッチ、ポインタ装置(例えば、スタイラス)、運動センサ、画像センサ、マイクロフォンのうちの少なくとも1つを含んでもよい。運動センサは、光学センサからユーザ運動データを受信し、ユーザのジェスチャを制御信号として分類することができる。マイクロフォンはオーディオデータを受信し、ユーザの声を制御信号として認識することができる。
【0121】
追加の感覚出力(例えば、力フィードバック)をユーザに提供するために、触覚装置を入力装置および出力装置のうちの1つ以上に組み込むことができる。例えば、触覚装置は、入力装置(例えば、タッチ面)へのユーザ入力を確認するために、触覚応答(例えば、振動)を生成することができる。別の例として、触覚フィードバックは、ユーザ入力が第2の装置によって無効化されることを通知してもよい。
【0122】
a.サブアレイ
サブアレイは、概して、第2の装置の複数のトランスデューサ素子の任意のサブセットを指すことができる。いくつかの変形例では、サブアレイは、トランスデューサアレイの隣接するトランスデューサ素子のセット、交互のトランスデューサ素子のセット(例えば、1つおきの素子)、「n個」ごとに1つのトランスデューサ素子のセット、またはトランスデューサ素子の任意のサブセットを含んでもよい。例えば、サブアレイは、本明細書において詳細に説明されるように、フィードバック信号に基づいてワイヤレス電力を第1の装置に効率的に転送するために選択されたトランスデューサ素子のセットを含むことができる。いくつかの変形例では、サブアレイは、第2の装置の単一のトランスデューサ素子を含んでもよい。いくつかの変形例では、サブアレイは、第2の装置のすべてのトランスデューサ素子を含んでもよい。
【0123】
いくつかの変形例では、サブアレイは、トランスデューサ素子の互いに素なセットを含んでもよい。例えば、第2の装置は、1、2、3などとラベル付けされたアレイ素子を備える線形1Dアレイを含んでもよく、サブアレイは、素子番号1~8、9~16、17~24などから構成されてもよい。いくつかの変形例では、サブアレイは、トランスデューサ素子の重複するセットを含んでもよい。例えば、線形1Dアレイの例では、サブアレイは要素番号1~8、2~9、3~10などから構成されてもよい。いくつかの変形例では、サブアレイのサイズは異なってもよい。例えば、同じ第2の装置の異なるサブアレイが、異なる数のトランスデューサ素子(例えば、いくつかのサブアレイが、4つのトランスデューサ素子を含んでもよく、いくつかのサブアレイが、16個のトランスデューサ素子を含んでもよい)、サイズの異なるトランスデューサ素子、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの変形例では、第2の装置の所定のサブアレイのためのトランスデューサ素子の選択は、本明細書において詳細に説明されるように、フィードバック信号データに基づくことができる。
【0124】
b.トランスデューサ構成
トランスデューサ構成は、概して、(例えば、第1の装置の電源を再充電するために)第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成された第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子を指すことができる。トランスデューサ構成はまた、信号送信(例えば、これによって1つ以上のトランスデューサ素子が信号を送信するように構成され得る周波数、振幅、位相、時間遅延、継続時間など)および信号受信(例えば、これによって1つ以上のトランスデューサ素子が信号を受信するように構成され得る位相シフト、時間遅延、利得など)を駆動するように構成された1つ以上のトランスデューサ素子のパラメータおよび設定も指すことができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、第1の装置から受信されたフィードバック信号に基づいて、第2の装置のプロセッサによって選択することができる。
【0125】
いくつかの変形例では、第1の装置にワイヤレス信号を送信するように構成されたトランスデューサ構成が、送信トランスデューサ構成(TTC)と称される場合がある。いくつかの変形例では、第1の装置からワイヤレス信号を受信するように構成されたトランスデューサ構成が、受信トランスデューサ構成(RTC)と称される場合がある。いくつかの変形例では、第1の装置から受信されたフィードバック信号に基づいて第2の装置のプロセッサによって選択されるトランスデューサ構成が、デフォルトのトランスデューサ構成と比較して改善されている場合がある最適なトランスデューサ構成(OTC)と称される場合があるが、これは必ずしも最も適切なトランスデューサ構成であるとは限らない。いくつかの変形例では、ワイヤレスモニタに給電し、および/または他のダウンリンク信号をワイヤレスモニタに送信するように選択的に構成することができるワイヤレス装置のトランスデューサ素子のセットは、それらのトランスデューサ素子の各々の駆動信号とともに、まとめてサブアレイ電源スナップショットと称される場合がある。いくつかの変形例では、IMDからアップリンク信号(例えば、データ)を受信するように構成されたワイヤレス装置のトランスデューサ素子のセットは、利得、位相シフト、遅延、フィルタリング、信号を受信するための時間窓などのような、信号の受信および受信信号の調整に関連するパラメータとともに、まとめてサブアレイアップリンクデータスナップショットと称される場合がある。
【0126】
c.ユーザプロンプト
ユーザプロンプト(ユーザフィードバックとも称される)は、概して、第2の装置によってユーザに提供される1つ以上の指示、通知、推奨、警告などを指すことができる。ユーザプロンプトは、第1の装置および/または第2の装置の電池の充電状態(SoC)および/または放電深度(DoD)に関するデータを通信すること、第2の装置の電池を再充電するようにユーザに求めること、第1の装置と第2の装置との間のデータ転送に関するデータ(例えば、データ転送完了率)を通信すること、第2の装置を患者の身体上で手動で調整しまたは位置付けし直すようにユーザに求めること、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない、多くの目的を果たすことができる。いくつかの変形例では、ユーザプロンプトは、視覚的指示、オーディオ指示、振動、通知(例えば、電話機、コンピュータなどにおける警告、プッシュ通知、電子メールなど)、それらの組み合わせなどを使用して提供されてもよい。本明細書において説明されるように、通信装置、ユーザインターフェース、入力装置、出力装置などの変形例を、ユーザプロンプトを提供するために使用することができる。
【0127】
いくつかの変形例では、ユーザプロンプト(例えば、視覚的指示)は、患者の胸部(例えば、胸部、腕、首、頭部のうちの1つ以上を示す)の画像、写真、および図案化された表現(例えば、図解、漫画、略図)、第2の装置の現在の装置構成(例えば、位置、角度、傾斜など)、第2の装置の目標装置構成(例えば、位置、角度、回転、傾斜など)、現在/目標位置を示すマップ、テキスト形式で表示される指示(例えば、第2の装置を患者の左腕、右腕、頭部などに向かって動かすようにユーザに求める文、第1の装置によって受信された電力を表す数値または百分率、電池のSoCおよび/またはDoDなど)、第2の装置を動かし、回転させ、および/または調整するようにユーザを誘導する矢印、LED(例えば、定常、点滅)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、ワイヤレス装置の現在位置および目標位置は、胸部の画像に重ね合わせることができる。ユーザには、第2の装置が目標位置に到達するまで第2の装置を動かすように指示することができる。
【0128】
いくつかの変形例では、オーディオ指示は、音声コマンド(例えば、第2の装置を患者の左腕に向かって動かすようにユーザに求めること、第2の装置の電池を再充電するようにユーザに求めること、第1の装置から第2の装置へデータ転送が完了したことをユーザに通知すること)、ビープ音、警報、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0129】
d.ネットワーク
いくつかの変形例では、本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、例えば、各々が任意のタイプのネットワーク(例えば、有線ネットワーク、ワイヤレスネットワーク)であってもよい1つ以上のネットワークを介して他のワイヤレス装置と通信することができる。通信は、暗号化されていてもよく、または、されていなくてもよい。ワイヤレスネットワークとは、いかなる種類のケーブルによっても接続されていないあらゆるタイプのデジタルネッワークを指すことができる。ワイヤレスネットワークにおけるワイヤレス通信の例は、セルラ、無線、衛星、およびマイクロ波通信を含むが、これらに限定されない。ただし、インターネット、他のキャリア音声およびデータネットワーク、ビジネスネットワーク、およびパーソナルネットワークとインターフェースするために、ワイヤレスネットワークが有線ネットワークに接続されてもよい。有線ネットワークは典型的には、銅線ツイストペア、同軸ケーブル、および/または光ファイバーケーブルを介して搬送される。広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットエリアネットワーク(IAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、インターネットのようなグローバルエリアネットワーク(GAN)、および仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む、多くの異なるタイプの有線ネットワークが存在する。以下、ネットワークは、典型的にはインターネットを通じて相互接続されて、統合されたネットワークおよび情報アクセスシステムを提供する、ワイヤレス、有線、パブリック、およびプライベートのデータネットワークの任意の組み合わせを指す。
【0130】
セルラ通信には、GSM、PCS、CDMAまたはGPRS、W-CDMA、EDGEまたはCDMA2000、LTE、WiMAX、および5Gネットワーク規格などの技術を包含してもよい。一部のワイヤレスネットワーク展開は、複数のセルラネットワークのネットワークを組み合わせ、または、セルラ、Wi-Fi、および衛星通信の混合を使用する。いくつかの変形例では、ネットワークは、本明細書において説明されるワイヤレスシステムによって使用される任意のデータまたは情報の遠隔処理に使用することができる。例えば、ワイヤレスシステムに関連する任意のデータまたは情報を処理することができるプロセッサは、第1の装置と同じハウジング内、および/または第2の装置と同じハウジング内、第1の装置と同じ部屋または建造物内の別個のハウジング内、第1の装置および第2の装置から遠隔したロケーション(例えば、異なる建造物、都市、国)内、それらの任意の組み合わせなどに配置されてもよい。ワイヤレスシステムに関連するデータまたは情報の処理は、データ(例えば、フィードバック信号データ、生理学的データ)が受信または記録されるときにリアルタイムで実行されてもよく、または異なる時点に実行されてもよい。
【0131】
D.ワイヤレス信号
本明細書において使用されるワイヤレス信号は、概して、第1の装置および第2の装置などの少なくとも2つの装置間で交換される任意のワイヤレス信号を指すことができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス信号は、電力信号、ダウンリンクデータ信号、質問信号、フィードバック信号、アップリンクデータ信号、反射信号、後方散乱信号などのうちの1つ以上を含むことができる。例えば、いくつかの変形例では、第1の装置によって生成されたワイヤレス信号は、第1の装置への質問信号などのダウンリンク信号の入射時に生成される、第1の装置からの反射信号または後方散乱信号を含むことができる。
【0132】
a.質問信号
質問信号は、概して、本明細書においてより詳細に説明されるように、第1の装置の質問プロセス中に第2の装置によって、または1つ以上の他の方法によって送信された任意の信号を指すことができる。例えば、質問信号は、第1の装置からフィードバック信号を引き出すように構成された第2の装置のサブアレイによって送信された任意の信号を指すことができる。いくつかの変形例では、質問信号は、ワイヤレス電力を第1の装置に転送するように構成された電力信号、データ/コマンドを第1の装置に転送するように構成されたダウンリンクデータ信号、および第1の装置からフィードバックを引き出すように構成された任意の他の信号、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上とすることができる。
【0133】
いくつかの変形例では、質問信号は、機械的波(例えば、超音波、音響、振動)、磁場(例えば、誘導性)、電場(例えば、容量性)、電磁波(例えば、RF、光学)、流電結合、表面波などのうちの1つ以上を使用して生成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、連続波(CW)信号またはパルス波(PW)信号の形態で生成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、ASK、FSK、PSK、AM、FM、PM、パルス変調、PAM、PIMD、PPM、PCM、PDMなどのような任意の既知のデジタルまたはアナログ変調技法を使用して生成することができる。いくつかの変形例では、超音波質問信号は、約20kHz~約20MHzの搬送波周波数を含むことができる。
【0134】
いくつかの変形例では、質問信号は、1つ以上のワイヤレス装置(例えば、IMD)に対応する一意の識別(ID)番号またはコードを符号化することができる。例えば、ID番号は、質問信号に応答するように1つ以上の所定のIMDに命令するように構成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、第1の装置の1つ以上の機能に対応するコマンドを符号化することができる。例えば、いくつかの変形例では、質問信号は、コマンドを符号化することができ、コマンドを受信すると、第1の装置は、第2の装置にフィードバック信号を送信するようにそれ自体を構成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、コマンドを符号化することができ、コマンドを受信すると、第1の装置は、第2の装置からワイヤレス電力を受信するように、および/または電池もしくはコンデンサなどのその電源を再充電するようにそれ自体を構成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、コマンドを符号化することができ、コマンドを受信すると、第1の装置は、アップリンク信号を介して第2の装置にデータを送信するようにそれ自体を構成することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、コマンドを符号化することができ、コマンドを受信すると、第1の装置は、感知モード、刺激モード、スリープモード、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上の動作モードで動作するようにそれ自体を構成することができる。
【0135】
b.フィードバック信号
フィードバック信号は、概して、第1の装置から第2の装置によって受信された任意の信号を指すことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、別の信号(例えば、質問信号)に応答して生成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、第2の装置によって質問されることなく、1つ以上のフィードバック信号を送信するように構成することができる。例えば、第1の装置は、フィードバック信号を周期的に送信するように構成することができ、この信号は、いくつかの変形例ではビーコン信号と称される場合もある。
【0136】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号に関して説明されたものと同様のパラメータ(例えば、タイプ、波形形状、変調など)を含むことができる。例えば、フィードバック信号は、約20kHz~約20MHzの搬送波周波数を有する超音波パルスを含むことができる。
【0137】
いくつかの変形例では、質問信号の受信に応答して、第1の装置によって送信されたフィードバック信号は、1つ以上のパルスを含むことができる。例えば、いくつかの変形例では、質問信号を受信した後、第1の装置は、単一の超音波パルスを送信することができ(例えば、搬送波周波数の1つ以上のサイクルを含む)、または第1の装置は、複数の超音波パルスを周期的に送信することができる。そのような超音波パルスは、本明細書においてより詳細に説明されるように、第1の装置の三角測量もしくは位置特定、および/または第2の装置と第1の装置との間のリンク利得の推定のために、第2の装置によって使用することができる。
【0138】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、任意の変調技法(例えば、デジタル変調)を使用して符号化されたデータを含むことができる。例えば、いくつかの変形例では、第1の装置は、(例えば、電力または電圧のデジタル化後に)質問信号に起因して第1の装置の1つ以上のトランスデューサによって受信された電力または電圧、第1の装置の電池および/またはコンデンサの電圧、第1の装置のエネルギー状態、第1の装置の電源(例えば、電池、コンデンサ)に蓄積されたエネルギー、電池充電電流、質問信号を整流した後に第1の装置の電力回路によって生成されたDC電圧、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されないものをフィードバック信号に符号化することができる。別の例として、いくつかの変形例では、第1の装置は、一意のIDまたはコードをフィードバック信号に符号化することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は時間遅延を符号化することができる。例えば、いくつかの変形例では、フィードバック信号は、第2の装置からの質問信号の受信と第2の装置へのフィードバック信号の送信との間の時間遅延(例えば、デジタル化後)を符号化することができる。
【0139】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、反射信号および後方散乱信号のうちの1つ以上を含むことができる。これらの信号は、質問信号、または第2の装置によって送信された他の信号の、1つ以上の第1の装置および/または1つ以上の組織構造(肋骨、肺、2つの組織タイプ間の境界など)からの反射または後方散乱時に生成することができる。第1の装置からの反射は、第1の装置のハウジング、コーティングまたは封止材、第1の装置トランスデューサ(例えば、超音波トランスデューサ)、第1の装置の表面(例えば、前面、背面、側面、外側、内側)、第1の装置の任意の部分、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上からの1つ以上の反射を含んでもよい。いくつかの変形例では、反射信号は、第2の装置のサブアレイによって組織に送信された超音波信号の反射時に生成された超音波反射信号を含むことができる。
【0140】
c.フィードバック信号データ
フィードバック信号データは、概して、第2の装置によって受信されたものとしてのフィードバック信号の任意の特性、および/または第2の装置のプロセッサによるフィードバック信号の処理時に生成される任意のデータを指すことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号のそのような特性は、位相、到着時間、時間遅延、振幅、強度、電力またはエネルギー、周波数、パルス数、フィードバック信号に符号化することができる任意のデータまたは情報(例えば、第1の装置のデジタル化された電池電圧、第1の装置の一意のIDなど)、それらの組み合わせまたは派生物などのうちの1つ以上を含んでもよい。フィードバック信号データは、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子に対応して生成することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号データは、現時点および/または過去に受信されたフィードバック信号を処理することから得られるデータを含むことができる。
【0141】
E.ワイヤレス電力およびワイヤレスデータの交換
埋め込み型医療装置(IMD)と第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)との間など、2つの装置間でワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成されたシステムが、本明細書において説明される。第1の装置の位置特定(すなわち、組織内の第1の装置のロケーションの推定)は、埋め込み後に第1の装置の正確なロケーションがわからない可能性があるため、2つの装置が電力またはデータを確実かつ効率的に交換するのに役立つ可能性がある。第1の装置のロケーションが決定されると、ワイヤレス信号は、第1の装置のロケーションに集束することができる。これは、組織内の超音波の波長が短いため、超音波パワーまたはデータを交換する場合に特に重要であり得るが、RFパワーまたはデータを使用するシステムなどの他のワイヤレスシステムにも有用であり得る。
【0142】
図2は、組織(270)および肋骨(272)に囲まれた心臓に埋め込まれた第1の装置(210)を、トランスデューサ素子(222)の1つ以上のアレイ(220)を備える外部の第2の装置(214)とともに備えるシステムの例示的な変形例である。いくつかの変形例では、第2の装置(214)は、患者の胸部上に配置することができる。第2の装置(214)は、質問信号(242)などのダウンリンク信号を第1の装置(210)に送信するように構成することができる。第1の装置(210)は、第1の装置(210)によって送信されたアップリンク信号、第1の装置(210)からの反射信号、第1の装置(210)からの後方散乱信号などのうちの1つ以上を含むフィードバック信号(252)などのワイヤレス信号を生成するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(210)は、空間経路(280)または周期的な軌道に沿って第2の装置(214)に対して動く場合がある。
【0143】
図3A図3B、および図3Cは、第1の装置(310)と第2の装置(314)との間でワイヤレス電力またはワイヤレスデータを交換するように構成されたシステムの例示的な変形例を示す。システムは、第1の装置(310)と、第2の装置(314)とを備えることができ、第2の装置(314)は、プロセッサ(図示せず)と、複数のサブアレイを含むトランスデューサアレイ(320)とを備えることができる。いくつかの変形例では、トランスデューサアレイ(320)は、超音波トランスデューサアレイを含んでもよい。いくつかの変形例では、第1の装置(310)は、組織(370)および肋骨(372)によって囲まれている(例えば、包囲されている)場合がある。いくつかの変形例では、トランスデューサアレイ(320)の第1のサブアレイ(324)は、図3Aに示されるように、第1の装置(310)に質問信号(342)を送信するように構成することができる。例えば、第1のサブアレイ(324)は、図3Aにおいて強調表示されているような単一のトランスデューサ素子、またはトランスデューサアレイ(320)のトランスデューサ素子のサブセットを含んでもよい。いくつかの変形例では、第2のサブアレイ(326)は、図3Bに示されるように、第1の装置(310)からフィードバック信号(352)を受信するように構成することができる。例えば、第2のサブアレイ(326)は、図3Bにおいて強調表示されているように、トランスデューサアレイ(320)のトランスデューサ素子の各々、またはトランスデューサアレイ(320)のトランスデューサ素子のサブセットを含んでもよい。いくつかの変形例では、図3Cに示されるように、第2の装置のプロセッサは、第2のサブアレイ(326)によって受信されたフィードバック信号(352)に基づいて、トランスデューサ構成(328)を選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、図3Cに示されるように、トランスデューサ構成(328)は、第1の装置(310)に電力信号(344)を送信するように構成することができる。概して、トランスデューサ構成(328)は、第1の装置(310)とワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。そのようなシステムおよびプロセスは、第1の装置と第2の装置との間の電力およびデータの転送のリンク効率および信頼性を最適化するのに有用であり得る。
【0144】
a.質問信号
第1の装置の質問に使用される質問信号の異なる変形例が本明細書に記載されている。いくつかの変形例では、限られた期間内に第1の装置の質問を実行することは、電力/データ転送プロセスを迅速に完了するために有利であり得る。これらの変形例のいくつかでは、第1の装置は、第2の装置が質問信号を第1の装置に送信するときを迅速かつ確実に検出することができるように、ワイヤレスシステムを構成することができる。ただし、第1の装置の正確なロケーションが、最初は不明である可能性があるため、かつ、不均質な組織構造および組織損失が存在することに起因して、第1の装置における質問信号の強度は、第1の装置の検出閾値を下回る可能性がある。例えば、第1の装置が患者の心臓の中または付近にあり、超音波信号が第1の装置の質問のために構成されている場合、超音波質問信号は、肋骨、肺、それらの組み合わせなどのような組織構造に起因して部分的または完全な減衰または散乱を受ける可能性がある。付加的に、または代替的に、第1の装置は、以前の位置および/または向きに対して空間内で動いており、および/または回転している可能性がある。所定の組織ボリュームをスキャンし、第1の装置を位置特定するための従来の画像化またはビームフォーミング技法は、時間がかかる可能性があり、実行のために高い電力、設計の複雑さの増大、および/または専門知識をさらに必要とする可能性がある。例えば、第1の装置の周囲をスキャンするように構成されたフェーズドアレイを含む従来の超音波ビームフォーミング技法は、そのような手法が小型IMDの探索において大きい領域(例えば、3つの寸法すべてにおいて数センチメートル)をスキャンするためにビームの小さい焦点サイズ(例えば、約1ミリメートルの寸法)を使用し得るため、時間がかかる可能性がある。
【0145】
i.広いビームの質問
いくつかの変形例では、質問信号は、広いビーム直径を有する広い超音波ビーム(例えば、空間的に集束されていないビーム、平面波、または近似平面波)を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は超音波トランスデューサを備えることができ、組織内の第1の装置の深さにおける、広い超音波ビームの直径(例えば、半値ビーム直径)は、超音波トランスデューサの寸法よりも大きいものであり得る(例えば、第1の装置の超音波トランスデューサの最大横方向寸法よりも約4倍大きい)。一例として、いくつかの変形例では、質問信号の半値ビーム直径は約10cmであり得、一方、第1の装置のトランスデューサは、各寸法において約1mmの幅を有し得る。そのような設計は、質問信号によって大きい組織ボリュームにかかるのに有用であり得、したがって、質問信号が第1の装置によって検出される可能性を最大化する。
【0146】
いくつかの変形例では、質問信号は、本明細書において詳細に説明されるように、第2の装置によって、1つ以上の超音波トランスデューサ素子を含むサブアレイを使用して送信することができる。いくつかの変形例では、1つ以上の超音波トランスデューサ素子は、1つ以上のフィードバック信号を受信すること、電力、データ、コマンドまたは他の信号を第1の装置に送信すること、第1の装置からデータ、コマンドまたは他の信号を受信すること、それらの組み合わせなどのような追加の動作のために構成されてもよい。いくつかの変形例では、別個の超音波トランスデューサ素子を、質問信号を送信する目的で、および第1の装置に電力を送信するために設計することが有利である場合がある。例えば、外部ワイヤレス装置は、2つの別個のトランスデューサアレイを備えることができ、第1のアレイの1つ以上の素子は、質問信号を送信するように構成することができ、第2のアレイの1つ以上の素子は、電力を送信するために使用することができる。いくつかの変形例では、2つの別個のアレイは、異なる寸法および/または異なる材料のトランスデューサ素子を含むことができる。
【0147】
第1の装置の質問のための広いビームを生成するための超音波トランスデューサ素子の1つの変形例が本明細書に記載されている。本明細書に提示される例示的な計算は、一例として円形ディスク超音波トランスデューサ素子を使用する。同様の計算は、他のトランスデューサ形状(例えば、正方形、長方形の断面など)に対しても実行され得る。例えば、他のトランスデューサ形状(例えば、正方形の断面を有する)について当該技術分野で知られている式を、本明細書に提示される円形ディスクの式の代わりに使用することができる。本明細書に提示されるトランスデューサ素子設計は、トランスデューサ材料、厚さ、素子間の間隔、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含む、他のトランスデューサパラメータの設計によって補完することができる。
【0148】
外部ワイヤレス装置から超音波質問信号を受信するように構成された超音波トランスデューサを備える第1の装置を考慮する。いくつかの変形例では、質問信号は、低い周波数が大きい波長に対応するため、広いビーム直径による質問を可能にするように構成された低い周波数(例えば、100kHz、200kHzなど)を有し得る。いくつかの変形例では、質問信号の周波数は、第1の装置の超音波トランスデューサの1つ以上の共振周波数(例えば、開回路共振周波数、短絡共振周波数、共振周波数の高調波など)にあるか、またはその付近にあり得る。そのような周波数でまたはその付近で、超音波トランスデューサのインピーダンスは実数またはほぼ実数であり得、Rによって示され得る。いくつかの変形例では、質問信号周波数は、超音波トランスデューサのオフレゾナンス周波数であり得、超音波トランスデューサのインピーダンスは複素数であり得る。一例として、小型超音波トランスデューサ(例えば、mmサイズ)は、そのRがその共振周波数の1つ以上において約0.5kΩ~約500kΩであり得るように設計され得る。第1の装置による質問信号の検出を成功させるために、質問信号に起因して、第1の装置の超音波トランスデューサにおいて生成される開回路電圧(VOC)は、所定の検出閾値以上である必要があり得る。例えば、第1の装置は、約0.2V(ピーク電圧)のVOC検出閾値を使用するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置が、その動作および/またはフィードバック信号の生成のためにエネルギーを提供するために、例えば電池などの貯蔵エネルギーを含む場合、そのような低い検出閾値が可能であり得る。第1の装置が十分な貯蔵エネルギーを有しない(例えば、電池がない)可能性があるいくつかの変形例では、第1の装置は、典型的な整流回路の閾値電圧を克服し、フィードバック信号を生成するためのエネルギーを収集するために、より高い検出閾値(例えば、約0.5V)を使用するように構成することができる。第1の装置の超音波トランスデューサのVOCの検出閾値を設定することは、ここでは一例としての役割を果たすように意図されている。いくつかの変形例では、検出閾値は、質問信号の整流時に生成されるDC電圧、質問信号の包絡線、質問信号を通じて第1の装置によって受信された電力/エネルギー、質問信号の継続時間、質問信号に符号化されたデータ(例えば、コードまたは一意のID)、それらの組み合わせなどに対して設定することができる。
【0149】
第1の装置の超音波トランスデューサにおいて必要とされる利用可能な電力(PAV)は、以下によって与えられ得る。
【数1】
【0150】
したがって、0.2V(ピーク電圧)のVOCおよび約500kΩ~約0.5kΩの範囲内のRについて、必要なPAVは約10nW~約10μWであり得る。さらに、第1の装置の超音波トランスデューサは、一例として、Aによって示される約1mmの面積、および、一例として、ηapによって示される約0.5の開口効率(または音響-電力変換効率)を有することができると仮定することができる。第1の装置の超音波トランスデューサにおいて必要な音響強度(Iwm)は、以下によって与えられ得る。
【数2】
【0151】
したがって、必要なIwmは、約0.02μW/mm~約20μW/mmであり得る。第2の装置のサブアレイは、第1の装置のロケーションにおいて、そのような推定最小必要強度よりも高いものであり得るIwmを生成し得る。
【0152】
次に、図4に示されるように、第2の装置に含まれ得る半径「a」を有する円形ディスク超音波トランスデューサ素子(424)を考察する。このトランスデューサ素子(424)は、第1の装置(図示せず)に質問信号を送信することができる。図4は、トランスデューサ素子によって送信された超音波ビーム(450)の概略表現を示している。Z方向の「d」の組織深さにおける、XまたはY方向のこの超音波ビーム(450)の半径(例えば、半値ビーム半径または音響強度がビームの中心の強度より3dB低くなり得る半径)が、「R」によって示され得る。図4に示されるように、対応する半値ビーム角θは、以下によって与えられ得る。
【数3】
【0153】
半径「a」は、以下によって半値ビーム角度「θ」に関連付けることができる。
ka sinθ=1.6 (4)
【0154】
式中、kは、以下によって組織内の超音波の波長(λ)、周波数(f)、および速度(c)に関連付けられる角波数である。
【数4】
【0155】
d、Rおよびfの所定の選択について、必要な素子半径の推定値を得ることができる。一例として、5cmの組織深さ(d)、この組織深さにおける7.5cmのビーム半径(R)(すなわち、15cmのビーム直径)、および0.5MHzの超音波周波数(f)について、トランスデューサ素子の半径(a)は、式に基づいて、約0.92mm(すなわち、素子の幅または約1.84mmの直径)であると計算することができる。この例では、kaの値は約1.92である。この素子サイズについて、半値ビーム角度θは約56.3°であり、任意の組織深さにおけるビーム直径は、組織深さの約3倍であり得る(単純にするために均質な組織媒体を想定)。したがって、約20cmの組織深さについて、ビーム直径は約60cmであり得、これは、この深さに配置された第1の装置の質問のために十分な大きさであり得る。別の例として、20cmの組織深さにおいて、7.5cmのビーム半径が所望される場合、上記の式は、約2.18mmのトランスデューサ素子半径(a)(すなわち、素子の幅または約4.35mmの直径)を推定するように構成することができる。ここでは、単純にするために均質な組織媒体を想定している。肋骨/肺などの不均質な組織層および/または構造の存在は、本明細書に提示されている分析を根本的に変更することなく、より高度な計算および/またはシミュレーションに含めることができる。
【0156】
次に、外部のワイヤレス装置に含まれるトランスデューサ素子は、PTXによって示される電力を送信すると仮定することができる。ビームの中心(すなわち、トランスデューサ素子の軸上)の深さdにおける音響強度は、Iによって示され、以下によって与えられ得る。
【数5】
【0157】
式中、Dは、トランスデューサ素子の指向性関数を示し、これは、トランスデューサ素子が、均一な全方向性送信機と比較して超音波ビームを集束させることができる量を表すことができる。dB単位の超音波の組織減衰係数はadBによって示される。例えば、軟組織について、adBの値は1dB/(cm・MHz)であってもよく、その結果、5cmの組織深さおよび1MHzの周波数について、総減衰は約5dBになる。
【0158】
指向性関数はkaで記述することができ、以下によって与えられ得る。
【数6】
【0159】
式中、Jは、第1種の一次ベッセル関数である。例えば、上記で推定された約1.92のka値について、Dの値は約3.69になり得る。
【0160】
半値ビーム半径Rにおける音響強度は、(I/2)によって与えられ得る。したがって、第1の装置は、半値ビーム半径上または半値ビーム半径内の任意の場所に配置される場合、(I/2)以上の音響強度を受信し得る。上記で推定されている、必要な音響強度Iwm以上の(I/2)を達成するために、必要なPTXは、以下によって与えられ得る。
【数7】
【0161】
一例として、上記の式、および上記の例において考慮されている値を使用すると、約5cmの組織深さにおいて約7.5のビーム半径内で0.02μW/mm(500kΩのRについて上記で推定されるように)以上の音響強度を達成するために、外部ワイヤレス装置のトランスデューサ素子において必要なPTXは約0.6mWであり得る。別の例として、約20cmの組織深さおよび約30cmのビーム半径(これに対して、必要なトランスデューサ素子のサイズは同じであり得る、すなわち、上記のように約0.92mmの素子半径)について、必要なPTXは約54.5mWであり得る。別の例として、約20cmの組織深さおよび約7.5cmのビーム半径について、必要なPTXは約9.2mWであり得る。
【0162】
したがって、上記の例に示されるように、第1の装置が組織内の対応する領域内、例えば、所定の組織深さにおけるビーム半径内)に配置されている場合、フィードバック信号が第1の装置から生成され得るように、組織内の所定の領域をスキャンするためのトランスデューサ素子サイズ(例えば、素子半径a)および最小必要送信電力(PTX)が推定され得る。
【0163】
いくつかの変形例では、身体の安全限界によって許容されるような、高いPTXを使用することができる。第1の装置の質問のために、ほぼ最大許容送信電力もしくは強度、またはその画分(例えば、最大許容送信電力または強度の半分または1/5)を使用するように第2の装置を構成することによって、第1の装置が、身体組織に一切損害を及ぼすことなく、質問信号を検出する可能性を最大化することを助けることができる。質問信号のそのような1つ以上の送信電力または強度レベルは、事前に決定し、外部の第2の装置のプロセッサにハードコードすることができ、または、組織温度もしくは組織加熱などのリアルタイムフィードバックを通じて動的に決定することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、本明細書において説明されるように、一意の識別(ID)番号またはコマンドを符号化することができる。
【0164】
いくつかの変形例では、超音波質問信号の代わりに、またはそれに加えて、RFまたは磁気質問信号を使用することができ、外部ワイヤレス装置および第1の装置のトランスデューサは、そのようなRFまたは磁気質問信号を送信および/または受信するための1つ以上のコイルまたはアンテナを備えることができる。RFまたは磁気質問信号を使用することの利点は、質問信号のエネルギーを(波長が大きいことに起因して)大きい組織体積にわたって拡散させることができることであり得る。さらに、胸郭または肺に起因して、RFまたは磁気質問信号は、大幅な減衰を受け得ない。そのようなRFまたは磁気質問信号の周波数は、約100kHz~約10GHzであり得る。
【0165】
ii.質問周波数
いくつかの変形例では、質問信号は、第1の周波数を含むことができ、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上は、第1の周波数とは異なる第2の周波数を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、第1の周波数に対応する第1のインピーダンスおよび第2の周波数に対応する第2のインピーダンスを含む少なくとも1つの超音波トランスデューサを備えることができる。第1のインピーダンスは、第2のインピーダンスよりも大きくあり得る。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の周波数に対応する第1のインピーダンスを含む第1の超音波トランスデューサと、第2の周波数に対応する第2のインピーダンスを含む第2の超音波トランスデューサと、を備えることができる。第1のインピーダンスは、第2のインピーダンスよりも大きくあり得る。これにより、質問信号の所定の強度に対して、第1の装置の超音波トランスデューサにおいて高電圧を生成することを可能にすることができる。例えば、第1の装置における所定の音響強度(Iwm)、ならびに第1の装置の超音波トランスデューサの固定面積(A)および開口効率(ηap)について、高いRは、大きいVOCをもたらす(式(1)および(2)参照)。これは、第1の装置が特定の電圧検出閾値(例えば、最小VOCまたは質問信号の整流時に生成されるDC電圧など)を有するように構成されている場合に有利である可能性がある。
【0166】
質問周波数選択の1つの変形例が本明細書に記載されている。第1の装置は、ミリメートル(mm)またはサブmmサイズの圧電体を含むことができる。トランスデューサは、約2kΩの短絡共振(RSC)におけるインピーダンスによる約1MHzの短絡共振周波数(fSC)、および、約200kΩの開回路共振(ROC)におけるインピーダンスによる約1.3MHzの開回路共振周波数(fOC)を含むことができる。本明細書において考察されるように、第1の装置は、質問信号を検出するための約0.2V(ピーク電圧)のVOC検出閾値を有するように構成することができる。質問信号が、上記式(1)に基づいて、約1MHz(fSCに近い)の周波数を有する場合、VOC検出閾値を克服するのに必要な最小のPAVは、約2.5μWであり得る(RSCが約2kΩであるため)。同様に、質問信号が、約1.3MHz(fOCに近い)の周波数を有する場合、VOC検出閾値を克服するのに必要な最小のPAVは、約0.025μWであり得(RSCが約200kΩであるため)、これは、約1MHzにおいて必要なPAVよりも約100倍低い。その結果、第1の装置における質問信号の必要な強度、および外部ワイヤレス装置が送信する必要がある可能性のある必要な電力(PTX)は、この例では約100倍低くすることができ、これにより、外部ワイヤレス装置のエネルギー消費を低減し、不要な組織の加熱を低減することができる。したがって、この変形例では、第1の装置の質問のために、fOCに近いまたは等しい周波数を選択することが有利であり得る。上記の計算は、例としてfSCおよびfOC、ならびにこれらの周波数およびインピーダンスの特定の値において提示されているが、本概念は、一般的に適用され、第1の装置のトランスデューサのインピーダンスの実数部が高くなり得る任意の周波数(必ずしも共振周波数であるとは限らない)を選択することの利点を強調する。
【0167】
いくつかの変形例では、質問信号は、(質問信号の信頼性の高い検出のために)第1の装置のトランスデューサが高いインピーダンスを有することができる周波数を使用することができるが、電力転送は、異なる周波数で実行されてもよい。これは、効率的な電力転送の制約が、質問信号の信頼性の高い検出の制約とは異なる可能性があるためであり得る。例えば、上記で提示されている例において、質問信号は、高いVOCを生成する利点に起因してfOCに近い周波数を使用することができるが、例えば、外部ワイヤレス装置から第1の装置へのワイヤレス電力転送は、fSCで実施することができ、これは、より低い組織損失、および、トランスデューサのインピーダンスと第1の装置の電気的負荷との間のより良好なインピーダンス整合に関して有利であり得る。
【0168】
いくつかの変形例では、第1の装置のトランスデューサは、複数のトランスデューサ素子を含むことができ、すべてのトランスデューサ素子が、それらのインピーダンスが低電力による質問を可能にするのに十分に高いものであり得る同じ周波数または周波数範囲を有しなくてもよい。そのような変形例では、外部ワイヤレス装置は、第1の装置が質問信号を首尾よく検出することを可能にするために、異なる周波数で(例えば、順次または同時に)第1の装置に質問することができる。
【0169】
iii.信頼性の高い質問
いくつかの変形例では、第2の装置は、その送信された質問信号に応答して、第1の装置からのフィードバック信号を一切検出しなくてもよい。これは、第1の装置が質問信号のビームの外側にある(例えば、質問が広いビームを使用して実行される場合であっても)こと、質問信号が肋骨、肺などの組織構造によって部分的または完全に減衰または散乱されること、第1の装置が質問信号に一時的にアクセスできなくなること(例えば、心周期または呼吸周期の一部の間にIMDが肺の後ろのロケーションに動いた)、第1の装置が大幅に回転したことなどを含むがこれらに限定されない1つ以上の理由に起因し得る。
【0170】
いくつかの変形例では、電力またはデータを交換するように構成されたシステムは、第1の装置(例えば、IMD)と、プロセッサおよびトランスデューサアレイを備える第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)とを備えることができる。トランスデューサアレイは、複数のサブアレイを含むことができ、第1のサブアレイは、第1の装置に質問信号を送信するように構成することができ、第2のサブアレイは、第1の装置からフィードバック信号を受信するように構成することができ、プロセッサは、受信フィードバック信号が所定の条件を満たすまで、質問信号を送信した後、複数のサブアレイのうちの1つ以上のサブアレイを循環するように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、所定の条件は、受信フィードバック信号の強度を閾値と比較することができる。いくつかの変形例では、1つ以上のトランスデューサ素子における受信フィードバック信号の絶対強度を、所定の閾値と比較することができる。いくつかの変形例では、2つ以上のトランスデューサ素子間の受信フィードバック信号の相対強度を比較することができる(例えば、2つ以上のトランスデューサ素子にわたる受信フィードバック信号の強度の間の差)。プロセッサは、フィードバック信号強度が閾値を下回る場合に、質問信号を送信するために1つ以上のサブアレイを循環するように構成することができる。
【0171】
一例として、第2の装置は、質問信号を送信するための複数のトランスデューサ素子を備えることができる。フィードバック信号が所定の条件を満たさない場合、外部ワイヤレス装置は、第2のトランスデューサ素子を通じて質問信号を送信することができ、以下同様である。例えば、いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置は、中央にあるトランスデューサ素子、および、その周縁に沿った1つ以上のトランスデューサ素子を備えることができる。外部ワイヤレス装置は、最初に中央の素子を通じて質問信号を送信することができ、フィードバック信号が受信されない場合、次に、その周縁近くの素子を通じて質問信号を送信することができる。外部ワイヤレス装置は、フィードバック信号が第1の装置から受信されるまで、質問信号を送信するために、所定の順序で複数のトランスデューサ素子を1つずつ循環することができる。複数のトランスデューサ素子を通じたそのような循環は、1回または2回以上実行されてもよい。所定の順序で素子を循環することの利点は、外部ワイヤレス装置の実装態様が単純である(複雑度が低い)ことであり得る。第1の装置の質問のために複数のトランスデューサ素子を循環するためのアルゴリズムは、外部ワイヤレス装置のプロセッサ内に実装され得る(例えば、二分探索アルゴリズム)。
【0172】
いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置は、フィードバック信号を見込んで、質問信号を送信した後、所定の継続時間にわたって受信モードで動作するように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、そのような継続時間は、約50μs~約1msであり得る。この継続時間は、ワイヤレス装置と第1の装置との間の信号の往復移動時間、および、質問信号の受信とフィードバック信号の送信との間の、第1の装置において実施され得る任意の待機時間に基づいて決定され得る。一例として、外部ワイヤレス装置は、受信フィードバック信号が所定の条件を満たすまで、約1msおきに複数のトランスデューサ素子を1つずつ循環することができる。このような迅速な質問スキームは、心臓の動きや呼吸に起因する第1の装置の自然な動きが低速であり得るために(例えば、1秒ほどの周期)、肋骨や肺などの組織構造によって一時的に遮蔽される場合であっても、第1の装置からフィードバック信号を迅速に(例えば、数秒以内に)引き出すのに役立つことができる。
【0173】
いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置は、質問のステータス、および第1の装置からのフィードバック信号が受信されたか否かに対応するユーザプロンプトを提供することができる。ユーザプロンプトは、外部ワイヤレス装置の手動調整または再位置付けに有用であり得る。上で考察されたように、ユーザプロンプトまたはフィードバックの種々の変形例が、本明細書において適用可能である。例えば、1つ以上のトランスデューサ素子からの質問信号の送信時にフィードバック信号が受信されない場合、外部ワイヤレス装置は、視覚的および/またはオーディオ通知を介して、患者の胸部上で外部ワイヤレス装置を動かす(例えば、左肩に向かって動かす)ようにユーザに通知することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号が受信されない場合、ユーザは、外部ワイヤレス装置を患者の胸部上の異なる所定のロケーションに動かすように求められ得る(例えば、ユーザに指示するために胸部の現実的または図案化された画像を表示している間)。
【0174】
いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置は、質問信号の反射を処理するか、または画像化を実行するように構成することができる。質問信号は、皮膚、肋骨、肺、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上において反射を受ける場合がある。質問信号の反射を処理すること、または画像化は、現在送信されている質問信号に応答してフィードバック信号が受信されない場合に、質問信号を送信する次のトランスデューサ素子を決定するのに有用であり得る。
【0175】
いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置は、心拍数、呼吸数、血圧、心音、それらの組み合わせなどのようなパラメータを含むがこれらに限定されない、外部ワイヤレス装置がそれを測定するように構成され得る1つ以上の生理学的パラメータに基づいて質問信号を送信するための時間窓を決定することができる。これは、心周期または呼吸周期の一部の間に、第1の装置が肋骨または肺などの組織構造によって一時的に遮蔽される可能性があるシナリオにおいて有利であり得る。
【0176】
いくつかの変形例では、第1のトランスデューサ素子を介して送信される質問信号に応答して外部ワイヤレス装置によってフィードバック信号が検出されない場合、外部ワイヤレス装置は、周波数、振幅、継続時間、位相、時間遅延、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない質問信号の1つ以上のパラメータを変更し、同じまたは異なるトランスデューサ素子を介して質問信号を再送信するように構成することができる。
【0177】
いくつかの変形例では、技法の任意のサブセットもしくは組み合わせ、または上記の技法の任意のサブセットの組み合わせが使用されてもよい。そのような技法は、フィードバック信号が所定の条件を満たすまで、実行可能な任意の順序で適用することができる。例えば、いくつかの変形例では、外部ワイヤレス装置は、最初に、質問信号パラメータの所定のセット(例えば、固定周波数、振幅、継続時間など)を用いて複数のトランスデューサ素子を循環し、次いで、任意選択的に、質問信号の1つ以上のパラメータ(例えば、周波数、振幅、継続時間など)の修正を試行し、次いで、外部ワイヤレス装置を手動で調整するためのプロンプトをユーザに提供し、任意選択的に、フィードバック信号が検出されるまでこのプロセスを繰り返すように構成することができる。
【0178】
iv.フィードバック信号
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号の受信に応答して、第1の装置(例えば、IMD)によって送信することができる。しかしながら、第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置、ワイヤレス装置)によるフィードバック信号の受信は、第1の装置の回転、第1の装置のトランスデューサの準最適な放射パターン、リンクにおけるフィードバック信号の減衰または散乱、フィードバック信号と第2の装置によって受信された質問信号の反射との間の干渉、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない、1つ以上の要因のために一貫性がない場合がある。本明細書において提供されるソリューションは、このような課題を克服するのに有用であり得る。
【0179】
いくつかの変形例では、第1の装置のトランスデューサは、本明細書に記載されるように、広い受容角を有する集合放射線パターンを可能にするように構成された2つ以上のトランスデューサ素子を含んでもよい。アップリンク信号が第1の装置によって2つ以上のトランスデューサ素子を使用して同時に送信される場合、結果として生じる波は、部分的または完全な信号相殺(例えば、ヌルローブ)をもたらす可能性がある干渉を受ける可能性がある。いくつかの変形例では、アップリンク信号(例えば、フィードバック信号)を送信するための1つのトランスデューサ素子を選択することにより、アップリンク信号を第2の装置に確実に伝播させることができる。いくつかの変形例では、そのようなトランスデューサ素子は、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された質問信号電力および/または電圧に基づいて選択することができる。例えば、第1の装置のプロセッサは、異なるトランスデューサ素子によって受信された質問信号を処理し、次いで、それらのそれぞれの信号振幅、電力、および/または電圧(例えば、VOCの振幅、または各トランスデューサ素子から生成された整流されたDC電圧)を比較することができる。次いで、プロセッサは、フィードバック信号を送信するために使用されるトランスデューサ素子として、最高の電力および/もしくは電圧、または所定の閾値よりも高い電力および/もしくは電圧を受信したトランスデューサ素子を選択することができる。質問信号の最高の電力および/または電圧を受信していると識別されたトランスデューサ素子は、(相互関係に基づいて)第2の装置と信号(例えば、電力、データ)を交換するための、トランスデューサ素子の間での最高のリンク利得、または最も好ましい放射パターンを含み得る。いくつかのトランスデューサ素子(それらのいくつかは第2の装置との十分なリンク利得を有しない場合がある)の間でその所定の電力信号を分配する代わりに、最高のリンク利得を有するトランスデューサ素子を通じて所定の電力信号を送信することによって、全体的なリンク利得および対応する第2の装置におけるアップリンク信号の信号対雑音比(SNR)を最大化することができる。さらに、第1の装置のエネルギー消費は、選択的なトランスデューサ素子の選択によって最小化することができ、それにより、電池駆動のIMDの電池寿命を延ばす。いくつかの変形例では、第2の装置は、アップリンク信号(例えば、フィードバック信号)の送信のために特定のトランスデューサ素子を構成するように(ダウンリンクコマンド、質問信号に符号化されたコマンドなどを介して)第1の装置をプログラムすることができる。
【0180】
いくつかの変形例では、第1の装置は、アップリンク信号の信頼性の高い検出および/または復号化のために第2の装置において必要とされるSNRを最小にするのに十分であり得る電力レベルでアップリンク信号(例えば、フィードバック信号)を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、身体の所定の安全限界、送信機回路の所定の電圧制限(例えば、集積回路の絶縁破壊電圧によって設定される)、第1の装置の所定のエネルギー収支に基づく限界、それらの組み合わせなどによって制限され得る第1の電力(例えば、SNR要件を満たすために必要とされるよりも大きい)でアップリンク信号を送信するように構成することができる。より高い電力レベルでアップリンク信号を送信することにより、第2の装置は、組織ベースの損失、組織構造に起因する散乱、第1の装置と第2の装置との間の相対的な動きおよび/または回転、それらの組み合わせなどにかかわらず、フィードバック信号または任意のアップリンク信号を確実に受信することができる。いくつかの変形例では、アップリンク信号のために第1の装置によって送信された電力レベルは、質問信号に起因してそのトランスデューサ素子のうちの1つ以上によって受信された電力または電圧に基づいて第1の装置によって決定され得る。これは、そのような電力または電圧が、リンク利得の代わりになり得るか、または、リンク利得を推定するために使用され得るためである。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の装置からの受信フィードバック信号に基づく第2の装置によるリンク利得の推定に基づき得る、アップリンク信号の所定の電力レベルを送信するように、ダウンリンク信号(例えば、コマンド)を介して第2の装置によってプログラムされ得る。
【0181】
いくつかの変形例では、質問信号は、組織境界、肋骨、肺、およびそれらの組み合わせから反射し得る。第1の装置によって送信されたフィードバック信号は、質問信号のそのような反射と干渉する可能性がある。負荷的または代替的に、第2の装置は、第1の装置と第2の装置との間の分離距離を含む、第1の装置のロケーションについての正確な知識を有しなくてもよい。従来、第2の装置は、フィードバック信号が到着し得る時間または時間窓を知らない場合があり、第2の装置は、受信信号が質問信号の反射であるかまたはフィードバック信号であるかを区別できない場合がある。
【0182】
いくつかの変形例では、受信信号の干渉は、質問信号の受信とフィードバック信号の送信との間の所定の時間遅延(例えば、約10μsよりも大きい)を待つように第1の装置を構成することによって低減することができる。例えば、第2の装置は、約20cmの組織深さまたは最大分離までの分離に配置され得る第1の装置に(超音波信号を使用して)質問するように構成することができ、第2の装置は、この分離距離を事前に知らなくてもよい。任意の組織構造または組織境界が第2の装置からのこの最大分離距離内に位置する場合、そのような構造または境界からの反射は、質問信号のその送信後、約267μs(最大分離が約20cmであり、組織内の音速が約1500m/秒であると仮定して)の時間までに第2の装置に到達し得る。したがって、第1の装置は、質問信号の受信とフィードバック信号の送信との間で少なくとも約267μsの時間遅延を待つように構成することができる。いくつかの変形例では、時間遅延は、第1の装置が配置されていると想定され得る所定の組織深さに基づいて選択することができる。そのような技法は、質問信号の潜在的な反射がフィードバック信号に干渉しないように十分に消散または消滅するのに十分な時間を可能にすることができる。
【0183】
いくつかの変形例では、第1の装置は、弛張発振器、RC発振器、リング発振器、容量性充電または放電、周波数ロックループ、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上の回路または技法を含むタイマ(例えば、待機タイマ)を備えることができる。いくつかの変形例では、回路は低消費電力のために設計することができる。例えば、超低電力弛張発振器は、必要に応じて、第1の装置の貯蔵エネルギー(例えば、小型電池に貯蔵されたエネルギー)を十分に下回ることができるエネルギー消費量を有する約数百μs、および最大数msの時間遅延を生成するように構成することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置が設定された時間遅延の後にフィードバック信号を受信するように構成することができる。このようにして、第2の装置は、組織反射とフィードバック信号とを区別することが可能であり得る。
【0184】
いくつかの変形例では、フィードバック信号と質問信号からの反射とは、フィードバック信号と質問信号との間でワイヤレスモダリティ(例えば、変調)が異なるように、本明細書に記載のシステムを構成することによって区別することができる。例えば、質問信号は、RFもしくは磁気信号を含んでもよく、一方、フィードバック信号は、超音波もしくは音響信号を含んでもよく、またはその逆であってもよい。
【0185】
いくつかの変形例では、フィードバック信号と質問信号とに対して異なる周波数によってワイヤレスシステムを構成することによって、フィードバック信号を質問信号の反射と区別することができる。例えば、質問信号は、第1の装置のトランスデューサのfOCに近い周波数(例えば、本明細書において考察されるように約1.3MHz)を含むことができる。フィードバック信号は、fSCに近い周波数(例えば、本明細書において考察されるように約1MHz)を含むことができる。別の例として、いくつかの変形例では、質問信号は、(波長が大きいことに起因して)広いビーム直径による質問を可能にするように、(例えば、100kHz、200kHzなど)比較的低い周波数を含むことができる。電力転送(および/またはダウンリンク信号の転送)は、比較的高い周波数(例えば、1MHz)で実行されて、より高い電力転送効率のためにほぼ1ミリメートルのビーム直径によって第1の装置にビームを集束させることを可能にすることができる。質問信号の反射は、質問信号の周波数を含み得、それにより、フィードバック信号が質問信号と区別されることを可能にする。
【0186】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、フィードバック信号内に含まれるデータに基づいて、質問信号と区別することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号の反射と比較することができる、コード、一意のID、一意の波形特徴(例えば、特定の変調方式を有するデータビット)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。そのような変形例では、第2の装置のプロセッサは、受信信号を処理して、フィードバック信号を識別し、質問信号の反射から区別することができる。いくつかの変形例では、信号処理技法は、コードもしくはテンプレートの存在を検出するように構成された整合フィルタ、またはより一般的には、フィードバック信号にのみ存在し、質問信号の反射などの一切の他の信号には存在しない特徴を含み得る。いくつかの変形例では、プロセッサは、この処理をリアルタイムで実行することができる。
【0187】
いくつかの変形例では、比較的高い電力(依然として安全限界を下回り得る)によるフィードバック信号の送信は、組織の減衰、不完全な反射、および組織構造からの散乱に起因して反射が比較的低い電力を有する可能性があるため、質問信号の反射と区別可能であるのにそれ自体十分であり得る。本明細書において説明されるように、技法の任意のサブセットもしくは組み合わせ、または上記の技法の任意のサブセットの組み合わせがともに使用されてもよい。
【0188】
v.質問信号検出
いくつかの変形例では、第1の装置による、質問信号、ダウンリンクデータなどのようなダウンリンク信号の信頼性の高い検出は、ワイヤレスリンクが効率的に確立され維持されることを可能にし得る。いくつかの変形例では、質問信号は、第2の装置によって1つ以上のIMDに送信されたダウンリンクデータまたはコマンドなどのダウンリンク信号を含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置トランスデューサのトランスデューサが比較的高いインピーダンスを含み得る周波数で質問信号を送信するように構成することができる。高いインピーダンスは、トランスデューサの端子において所定の電力に対して比較的大きい電圧を生成することを可能にすることができ、それによって第1の装置の感度を増大させ、低電力質問信号の検出を可能にする。例えば、質問信号は、第1の装置の超音波トランスデューサの開回路共振周波数(fOC)に等しい周波数を含むことができる。電力信号および/またはデータ信号などの他の信号は、短絡共振周波数(fSC)、または超音波トランスデューサの誘導帯域の周波数(すなわち、fSCとfOCとの間の周波数)などの異なる周波数で第1の装置に送信することができる。付加的または代替的に、いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の装置の1つ以上の超音波トランスデューサに結合された1つ以上のインピーダンス変換ネットワークを備えることができる。インピーダンス変換ネットワークは、超音波トランスデューサのインピーダンスまたはその受信電圧をより高い値に変換することができる。例えば、インピーダンス変換ネットワークは、容量性ネットワークを含んでもよい。第1の装置は、包絡線検出器回路と、受信した包絡線を所定の閾値電圧(例えば、固定基準電圧)と比較するように構成された比較器回路とを備えることができる。
【0189】
いくつかの変形例では、第1の装置は、質問信号および/またはダウンリンクデータを検出するように構成された第1の超音波トランスデューサと、電力を受信するように構成された第2の超音波トランスデューサとを備えることができる。第1の超音波トランスデューサ、第2の超音波トランスデューサ、または第3の超音波トランスデューサは、アップリンクデータを送信するために使用することができる。例えば、質問信号を検出するように構成された第1の超音波トランスデューサは、圧電トランスデューサ、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)などを含んでもよい。第1の超音波トランスデューサは、質問またはダウンリンクデータ周波数で高いインピーダンスを含むことができ、および/または、そのインピーダンスおよび受信電圧を上方変換するためにインピーダンス変換ネットワークに結合することができる。第2の超音波トランスデューサは、高効率の電力回復および/またはデータ送信のために独立して構成することができる。
【0190】
いくつかの変形例では、第1の装置の超音波トランスデューサを使用するアップリンクデータ送信は、第1の装置の超音波トランスデューサのfOCにおいて実行することができる。電力は、第2の装置によって、第1のトランスデューサの超音波トランスデューサのfSCにおいて送信することができる。fSCにおいて電力を受信することにより、第1の装置の超音波トランスデューサと電力回復回路との間の効率的なインピーダンス整合を可能にすることができ、したがって、より高い全体的な電力回復効率を提供する。いくつかの変形例では、第1の装置は、トランスデューサ素子がその周波数でより高いインピーダンスを有し得るため、第2の装置の超音波トランスデューサ素子のfOCにおいてアップリンクデータを送信することができる。したがって、第2の装置の超音波トランスデューサ素子は、アップリンクデータの所定の受信電力レベルに対してより高い電圧を生成するように構成することができ、それにより、アップリンクデータの信頼性の高い検出を可能にする。
【0191】
b.トランスデューサ構成選択
いくつかの変形例では、トランスデューサ構成は、受信フィードバック信号に基づいて選択することができる。例えば、図3A図3B、および図3Cは、フィードバック信号(352)に基づくトランスデューサ構成(328)の選択を説明している。いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、質問信号の受信時に、第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)にフィードバック信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、アナログパルスと、確認応答信号と、デジタルの第1の装置のエネルギー状態と、デジタル質問信号強度と、識別番号と、コードと、コマンドと、第1の装置、ワイヤレス電力信号、およびデータ信号のうちの1つ以上のパラメータと、のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、本明細書において説明されるような質問信号に対応する1つ以上の超音波反射信号および超音波後方散乱信号を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、超音波後方散乱信号を変調するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、1つ以上の周波数でフィードバック信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、フィードバック信号に基づいて、第1の装置にワイヤレス電力およびダウンリンクデータのうちの1つ以上を送信するためのトランスデューサ構成の周波数を識別するように構成することができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成の識別された周波数は、最大振幅におけるフィードバック信号の周波数に対応してもよい。識別された周波数は、異なる患者が異なる組織深さおよび組織組成(例えば、脂肪含量、肋骨構造など)を有する可能性があるため、各患者の最適な電力周波数に対応することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、1つ以上のアナログフィードバック信号およびデジタルフィードバック信号の送信を含むことができる。
【0192】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号の受信を確認応答する信号、アナログフィードバック信号(例えば、搬送波周波数の1つ以上の周期を含む1つ以上の超音波パルス)、任意の変調技法(例えば、デジタル変調)を使用して符号化されたデータ、それらの組み合わせなどを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの変形例では、第1の装置は、質問信号の受信を確認応答するために異なる信号を明示的に送信しなくてもよく、アナログフィードバック信号および/またはデータの送信自体が、質問信号の受信の確認応答として機能することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、フィードバック信号のそのような構成要素を任意の順序で送信するように構成することができる。例えば、第1の装置は、最初にデジタルデータビットを送信し、続いてアナログフィードバック信号を送信するように、またはその逆に構成することができる。
【0193】
いくつかの変形例では、第2の装置のトランスデューサ構成のうちの1つ以上を選択することは、第2の装置の第2のサブアレイによって受信されたフィードバック信号の強度を推定することと、受信フィードバック信号の推定された強度に基づいて、1つ以上のトランスデューサ構成を使用してワイヤレス電力信号およびデータ信号のうちの1つ以上を交換することと、を含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、アナログフィードバック信号を処理して、第2の装置のトランスデューサ素子によって受信されたフィードバック信号の電力および/または電圧振幅を含むフィードバック信号データを生成するように構成することができる。プロセッサは、フィードバック信号の受信強度と所定の閾値との比較に基づいて、第2の装置のトランスデューサ構成を選択するように構成することができる。例えば、所定の閾値を上回るフィードバック信号電力および/または電圧振幅を受信するように構成されたトランスデューサ素子を、第1の装置と電力および/またはデータを交換するためのトランスデューサ構成として選択することができる。所定の閾値は、絶対閾値、相対閾値、または調整可能な閾値を含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、RTCのすべてのトランスデューサ素子の間で受信された最大フィードバック信号振幅がAである場合、A/3(または
【数8】
など)以上の振幅を受信するトランスデューサ素子のみを、選択されたトランスデューサ構成を含むものとして選択することができる。
【0194】
いくつかの変形例では、トランスデューサ素子の選択的給電は、エネルギー効率、組織加熱、およびリンク効率のうちの1つ以上を改善することができる。いくつかの変形例では、選択されたトランスデューサ構成を含むトランスデューサ素子のみが、動作(例えば、送信、受信)中に電源を入れられ得、選択されていないトランスデューサ素子は、オフにされ得る。例えば、肋骨、肺などのような組織構造は、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された超音波フィードバック信号を減衰または妨害し得、その結果、フィードバック信号がそのような組織構造によって減衰または妨害されない他のトランスデューサ素子と比較して、そのようなトランスデューサ素子における受信電力および/または電圧が低くなる。相互関係に基づいて、トランスデューサ素子の妨害されたセットを通じて送信された信号は、組織構造によって減衰され得、第1の装置においてより低い受信電力をもたらす可能性がある。さらに、そのような組織構造においてまたはその付近で不必要な加熱を引き起こす可能性がある。したがって、そのようなトランスデューサ素子を通じて電力を送信しないことは有益であり得、それにより、不必要な組織加熱が最小限に抑えられ、第2の装置のエネルギーが節約され、全体的な高いリンク効率が達成される(例えば、リンク効率は、第1の装置において利用可能な総電力を、第2の装置によって送信された総電力で除算した値として定義され得る)。図3Cに示されるように、1つ以上のトランスデューサ素子は、肋骨および/またはトランスデューサ素子によって遮蔽され得、結果、遮蔽されたトランスデューサ素子は、フィードバック信号から低い電力を受信する場合がある(例えば、他のトランスデューサ素子と比較して、第1の装置からはるかに遠く離れている場合があり、したがって、組織を通じたより多くの伝播損失を受ける可能性があるトランスデューサ素子)。遮蔽されたトランスデューサ素子は、選択されたトランスデューサ構成を含まない場合がある。
【0195】
いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、少なくとも、選択されたトランスデューサ構成を含むトランスデューサ素子によって受信されたフィードバック信号を処理して、それらのトランスデューサ素子の各々によって受信されたフィードバック信号の周波数、位相(および/または時間遅延)および振幅、それらの組み合わせなどを含む1つ以上のパラメータを含むフィードバック信号データを生成するように構成することができる。これらのパラメータの決定は、時間反転またはビームフォーミングなどの技法を使用して、選択されたトランスデューサ構成を含むトランスデューサ素子の各々の駆動信号を決定するのに有用であり得る。時間反転は、トランスデューサ素子のセットにおいて受信されているフィードバック信号の位相または遅延に関して反対のまたは反転されたものであり得る位相または遅延を有するトランスデューサ素子のセットを駆動することを含み得る。
【0196】
いくつかの変形例では、第1の装置のフィードバック信号(または一般的に任意のアップリンク信号)の周波数は、第1の装置のプロセッサに結合された発振器回路によって構成することができる。周波数は、第2の装置に事前に正確に知られていない場合がある。例えば、いくつかのIMDの周波数は、プロセス変動、回路の不一致、それらの組み合わせなどのような、集積回路製造において典型的であり得る影響に基づいた分布(例えば、平均が約1MHz、標準偏差が約50kHz、または平均が約5%のガウス分布)にあり得る。第2の装置は、フィードバック信号の周波数(例えば、1.15MHzまたは平均よりも3標準偏差高い周波数)とは異なる周波数(例えば、1MHz)を使用して、受信フィードバック信号の位相に基づいて反転された位相によって、選択されたトランスデューサ構成の対応するトランスデューサ素子を駆動するように構成することができる。トランスデューサ素子によって生成された波は、第1の装置のロケーションとは異なる位置において建設的に干渉し得、その結果、第1の装置のロケーションにおけるエネルギーの集束が最適ではないか、または集束しなくなる。
【0197】
いくつかの変形例では、第2の装置は、受信フィードバック信号の周波数を識別するように構成することができ、受信フィードバック信号の位相または遅延に基づく反転された位相または遅延とともに、第1の装置に給電するために同じ周波数を使用することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、受信フィードバック信号の周波数のスケーリングされたバージョンである周波数で第1の装置にワイヤレスで給電するように構成することができる。例えば、受信フィードバック信号の周波数は、あるスケーリング係数(例えば、整数スケーリング係数)で乗算または除算され得る。いくつかの変形例では、第1の装置に電力および/またはデータを送信するために選択された1つ以上のトランスデューサ構成は、識別された周波数とは異なる周波数を含み得る。
【0198】
付加的または代替的に、第2の装置のプロセッサは、受信されたアナログフィードバック信号に基づいて、第2の装置に対する組織内の第1の装置のロケーションまたは空間座標のセットを推定するためのフィードバック信号データを生成することができる。例えば、プロセッサは、第2の装置の3つ以上のトランスデューサ素子におけるフィードバック信号の相対的な到着時間または飛行時間に基づいて三角測量を実行するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、2つ以下のトランスデューサ素子(または2つ以下の空間座標)のフィードバック信号の相対的な到着時間を処理して、第1の装置のおおよそのロケーションを推定するように構成することができる。いくつかの変形例では、三角測量を使用して決定された第1の装置の推定ロケーションをさらに使用して、選択されたトランスデューサ構成のトランスデューサ素子の適切な駆動信号を決定することができる。例えば、第2の装置に対する第1の装置のロケーションまたは空間座標のセットの推定は、選択されたトランスデューサ構成の各トランスデューサ素子が、フィードバック信号の周波数(例えば、約1.15MHz)とは異なるワイヤレス給電の任意の周波数(例えば、約1MHz)について駆動され得る位相の決定を可能にすることができる。
【0199】
いくつかの変形例では、第1の装置におけるエネルギーの集束は、第1の装置の1つ以上のトランスデューサの寸法よりも大きい焦点サイズに対応し得る。エネルギーの集束は、集束の不正確さ、第1の装置の小さい相対運動または回転、他のリンク収差、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に起因して、受信電力の感度を低下させる可能性がある。例えば、選択されたトランスデューサ構成(位相など)の駆動信号は、ワイヤレス電力を受信するように構成された第1の装置の超音波トランスデューサの幅の約2倍であり得る超音波焦点直径を達成するように調整することができる。
【0200】
いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、第2の装置のトランスデューサ素子または選択されたトランスデューサ構成の各々によって受信されたフィードバック信号の電力および/または電圧振幅を含むフィードバック信号データを生成することができる。フィードバック信号データは、受信されたアナログフィードバック信号に基づいて生成することができる。フィードバック信号データを使用して、リンク利得を推定し、第1の装置において所定の受信電力を提供するために選択されたトランスデューサ構成の各トランスデューサ素子を通じて送信された電力を決定することができる。
【0201】
いくつかの変形例では、ダウンリンクベースのサブアレイ検索は、第2の装置の異なるサブアレイから第1の装置へのダウンリンク信号伝搬経路の効率を比較することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、質問信号のデジタル振幅を含むことができる。第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成は、質問信号の最大デジタル振幅に対応するサブアレイのうちの1つ以上を選択することができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号は、デジタルの第1の装置のエネルギーデータおよびデジタル質問強度データのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、再充電可能な電池、コンデンサ、スーパーキャパシタ、および再充電不可能な電池のうちの1つ以上を含む電源を備えることができる。いくつかの変形例では、デジタルの第1の装置のエネルギーデータは、電圧、エネルギーレベル、充電電圧、および充電電流のうちの1つ以上を含む電源パラメータを含むことができる。デジタル質問強度データは、第1の装置によって受信された質問信号の強度(例えば、電圧振幅、電力など)を表す1つ以上のデジタル信号を含むことができる。
【0202】
いくつかの変形例では、フィードバック信号内の第1の装置によって符号化されたデータは、質問信号(例えば、電力または電圧のデジタル化後、または電力または電圧を所定の閾値と比較した結果)に起因して第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された電力または電圧(例えば、VOC)、第1の装置の電池および/またはコンデンサの電圧、電池充電電流、質問信号を整流した後(例えば、DC結合または電力結合後)に第1の装置の電力回路によって生成されたDC電圧、それらの組み合わせなどを含んでもよいが、これらに限定されない。符号化データを使用して、選択されたトランスデューサ構成を含む各駆動信号の電力または振幅(例えば、電圧)、および/または電力を第1の装置に転送する必要があり得る継続時間を決定することができる。
【0203】
例えば、質問信号に起因して第1の装置の1つ以上のトランスデューサによって受信された電力もしくは電圧、および/または質問信号を整流した後に第1の装置の電力回路によって生成されたDC電圧に対応するデータは、リンク利得(例えば、第1の装置によって受信された電力を第2の装置によって送信される電力で除算した値)の推定に直接的に有用であり得る。これにより、所定量の電力またはエネルギーを第1の装置に転送するために、選択されたトランスデューサ構成を含む各駆動信号の振幅もしくは電力、および/または給電継続時間の推定が可能になり得る。第1の装置の電力回路が再充電可能な電池を備えるいくつかの変形例では、電池に関連するパラメータ(例えば、電池および/またはコンデンサ電圧、電池充電電流など)は、電池のDoDおよび/または電池を所定のSoCに再充電するために必要な電力もしくはエネルギーを推定するのに有用であり得る。
【0204】
図5は、第2の装置(図示せず)から、質問信号などのダウンリンク信号(540)を受信するように構成されたトランスデューサ(520)を備える第1の装置(510)のブロック図である。第1の装置(510)の電力回路は、電力回復回路(552)と、電池充電回路(554)と、電池(556)と、供給生成回路(558)と、を備えることができる。電力回復回路(552)は、整流器、DC-DC変換器などのような回路を含んでもよい。電池充電回路(554)は、定電流(CC)充電回路、定電圧(CV)充電回路、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。電池(556)は、再充電可能なリチウムイオン電池などの再充電可能な電池または二次電池であってもよい。供給生成回路(558)は、電池(556)から給電され得、他の回路ブロックによって必要とされる1つ以上のDC供給電圧および/または電流を生成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(510)は、圧力センサなどのセンサ(560)を備えることができる。第1の装置(510)のプロセッサは、感知および処理回路(532)およびデータ通信回路(534)を備えることができる。感知および処理回路(532)は、センサ(560)によって生成された信号、トランスデューサによって受信された電圧(VまたはVOC)、電池電圧(VBAT)、電池充電電流(ICHARGE)、それらの組み合わせなどを感知するように構成することができる。感知および処理回路(532)は、感知、信号調整、デジタル化、デジタルおよび/またはアナログ信号の処理、メモリ(感知および処理回路532内に含まれてもよく、またはその外部にあってもよい)から/へのデータの読み出し/書き込み、1つ以上の回路ブロックの制御、データ通信回路(534)への/からのデータの提供/回復、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。データ通信回路(534)は、トランスデューサ(520)を使用して第2の装置とデータを送信および/または受信するように構成することができる。
【0205】
いくつかの変形例では、フィードバック信号内に第1の装置によって符号化されたデータは、第1の装置の温度に対応するデータを含むことができる。例えば、第1の装置は、温度データを測定するように構成された温度センサを備えることができる。温度データはデジタル化することができる。測定された温度は閾値と比較することができ、結果はフィードバック信号に符号化することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、温度(例えば、皮膚温度)を測定するように構成することができる。温度データは、第2の装置によって、温度を安全限界内に維持するために、選択されたトランスデューサ構成を含む各駆動信号の電圧および/もしくは電力、ならびに/または給電継続時間を調整するために使用することができる。
【0206】
いくつかの変形例では、第1の装置によって送信されたフィードバック信号は、広範囲の周波数にまたがるブロードバンドまたは超広帯域(UWB)信号を含むことができる。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、受信フィードバック信号を処理して(例えば、高速フーリエ変換すなわちFFTを実行することができる)、第1の装置に電力を転送するための1つ以上の周波数を決定するように構成することができる。例えば、第1の装置のワイヤレス給電に使用することができる1つ以上の周波数は、最高電力、十分に高い電力、または高いリンク利得(相互関係に起因する)を含む受信フィードバック信号に対応することができる。これらの変形例のいくつかでは、第1の装置は、ブロードバンドフィードバック信号を送信するために、広い誘導帯域(トランスデューサのインピーダンスが誘導性であり得る周波数範囲)を有する1つ以上の超音波トランスデューサ素子、構成可能なインピーダンス整合ネットワーク(例えば、1つ以上のコンデンサおよびスイッチを備える)、それらの組み合わせなどを備えることができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、異なる搬送波周波数で異なる超音波パルスを送信するように構成することができる。
【0207】
いくつかの変形例では、第1の装置の1つ以上のトランスデューサによって受信された電力または電圧に対応するデータは、質問信号から受信することができる。第2の装置は、第2の装置に対する第1の装置の向きもしくは回転を決定し、および/またはデータに基づいて経時的な第1の装置の向きもしくは回転の変化を監視するように構成することができる。例えば、第1の装置は、各超音波トランスデューサが好ましくは他の超音波トランスデューサの好ましい方向に直交する方向から超音波信号を受信することができるように、互いに直交して位置付けられ得る3つの超音波トランスデューサを備えることができる。例えば、第2の装置からの超音波信号(例えば、質問信号)が特定の方向から第1の装置に到達するように構成され、経時的な第1の3つの超音波トランスデューサにおける受信電力または電圧の変化がある場合、時間の経過に伴う装置、それは第1の装置の相対的な回転を示すことができる。いくつかの変形例では、データは、第2の装置によって、心周期または呼吸周期中、および/または長期間(例えば、数週間、数ヶ月または数年間にわたって)にわたって第1の装置の回転を推定するために使用することができる。いくつかの変形例では、データは、心臓、心臓壁、心腔(例えば、左心室すなわちLV)、血管、または第1の装置が中または付近に埋め込まれ得る任意の組織構造のうちの1つ以上の動きを検出するように処理することができる。付加的または代替的に、データは、心不全などの状態を診断または監視するために処理されてもよい。いくつかの変形例では、第2の装置は、データの検出時にユーザプロンプトが生成されると、ユーザおよび/または医師に警告することができる。
【0208】
いくつかの変形例では、フィードバック信号に基づいて選択されたトランスデューサ構成を決定することにより、リンク効率および第1の装置への電力転送の信頼性を最大化することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、2つ以上のトランスデューサ素子(例えば、第1の装置のすべてのトランスデューサ素子)を使用してフィードバック信号(例えば、少なくともアナログフィードバック信号)を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、複数のトランスデューサ素子を使用してフィードバック信号を順次(例えば、一定の遅延の後)、もしくは同時に(例えば、同じ周波数または異なる周波数で)、またはそれらの組み合わせなどで送信するように構成することができる。第2の装置は、フィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、第2の装置によって受信された最高の全体的な電力を有する、選択されたトランスデューサ構成を決定するように構成することができる。例えば、第1の装置は、第2の装置から質問信号を受信した後、各トランスデューサ素子を使用して(例えば、各トランスデューサ素子に対して同じ送信電力で)フィードバック信号を1つずつ送信するように構成することができる。第2の装置のプロセッサは、各フィードバック信号から第2の装置によって受信された全体的な電力または総電力(例えば、そのすべての素子によって受信された電力の合計)を計算することができる。第2の装置による最高の総受信電力を有するフィードバック信号が、第2の装置との最高のリンク利得を有する第1の装置のトランスデューサ素子に対応することができる。
【0209】
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、本明細書において考察されるように、RFまたは磁気などのエネルギーモダリティを含むことができる。第2の装置のプロセッサは、本明細書において説明されるのと同様の様式で、受信されたRFフィードバック信号(例えば、アナログフィードバック信号、デジタルデータビットなど)を処理するように構成することができる。例えば、プロセッサは、三角測量を実行して第1の装置のロケーションを推定し、選択されたトランスデューサ構成ための駆動信号(例えば、各トランスデューサ素子の位相、遅延、電力または振幅)、それらの組み合わせなどを決定するように構成することができる。RFフィードバック信号の処理時、第2の装置は、超音波、RF、磁気などのような任意のエネルギーモダリティを使用して第1の装置に電力を転送するように構成することができる。
【0210】
いくつかの変形例では、第2の装置は、質問信号の特徴(例えば、質問信号を送信するために使用されるトランスデューサ素子)、受信フィードバック信号の特徴(例えば、1つ以上のトランスデューサ素子における受信フィードバック信号の振幅)、選択されたトランスデューサ構成に対応するデータ(例えば、選択されたトランスデューサ構成に対していずれの素子が選択されたか)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を出力するように構成することができる。いくつかの変形例では、ユーザは、アクションを行う(例えば、選択されたトランスデューサ構成の1つ以上の構成要素を手動で選択する、第2の装置を手動で調整または動かすなど)ようにユーザプロンプトによって指示され得る。例えば、選択されたトランスデューサ構成のトランスデューサ素子が第2の装置の片側にあるときに、第2の装置の手動の再位置付けを指示するためのユーザプロンプトを生成することができる。第2の装置の再位置付けによって、トランスデューサ素子を第2の装置のトランスデューサアレイの中心近くに動かすことができる。
【0211】
図6は、第1の装置に質問し、ワイヤレス電力を送信するための、本明細書に記載の方法の例示的な変形例のフローチャートの例を示している。図示されるように、いくつかの変形例では、質問信号(IS)は、第2の装置によって第1の装置に送信することができる(602)。第2の装置は、フィードバック信号(FS)が第1の装置から受信されたか否かをチェックすることができる(604)。フィードバック信号が受信されない場合(または受信フィードバック信号が所定の条件を満たさなかった場合)、第2の装置は、本明細書において詳細に説明されるように、質問信号を送信し、トランスデューサ素子の所望のセットを1回以上循環するように、異なるトランスデューサ素子(または異なるサブアレイ)を構成することができる(606および608)。フィードバック信号が第2の装置によって受信されない場合、本明細書に記載される他の解決策もまた使用されてもよい。
【0212】
いくつかの変形例では、第2の装置が質問信号を送信する異なる変形例を試行し得た後(例えば、第2の装置が質問信号を送信するように構成されたすべてのサブアレイを循環し得た後、606)、本明細書において詳細に説明されるように、ユーザプロンプトを提供することができ(610)、ユーザは、第2の装置を再位置付けするように指示され得る(612)。次いで、これらのステップは、第2の装置が第1の装置から1つ以上のフィードバック信号を首尾よく受信し得るまで(または受信フィードバック信号が所定の条件を満たすことができるまで)繰り返すことができる。第2の装置がフィードバック信号を首尾よく受信した場合(604)、第2の装置のプロセッサは、本明細書において詳細に説明するように、フィードバック信号を処理すること(614)によってフィードバック信号データ(FSD)を生成することができる。同じく本明細書で考察されるように、いくつかの変形例では、第2の装置は、フィードバック信号データに基づいて、第1の装置に対して十分に中心合わせされているか否かをチェックすることができる(616)。第2の装置が第1の装置に対して十分に中心合わせされていないと判断された場合、ユーザプロンプトを提供することができる(610)。ユーザは、第2の装置を手動で調整または再位置付けすることができる(612)。このステップは、第2の装置が第1の装置に対して十分に中心合わせされ得るまで繰り返すことができる。いくつかの変形例では、図6の破線の矢印によって示されるように、ユーザプロンプトおよび手動調整または再位置付けに基づいて第1の装置に対して第2の装置を中心合わせするプロセスをスキップまたはバイパスすることができる。次いで、第2の装置のプロセッサは、本明細書において詳細に考察されるように、フィードバック信号に基づいてトランスデューサ構成を選択し(618)、第1の装置に電力を送信するようにトランスデューサ構成を構成することができる(620)。前述のように、図6は、一連のステップの例を示しているに過ぎず、いくつかの変形例では、これらのステップは、異なる順序で実行され得るか、または本明細書に記載された方法の他の組み合わせもしくはサブセットが、第1の装置に質問し、ワイヤレス電力を第1の装置に提供するためのステップの一連のステップ、またはフローチャートを決定するために使用されてもよい。
【0213】
c.ワイヤレス信号の間隔ベースの交換
いくつかの変形例では、ワイヤレス信号の間隔ベースの交換を使用して、体内の空間経路をたどる第1の装置(例えば、IMD)に効率的に給電し、および/または通信することができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス信号は、複数の間隔中に、第1の装置(例えば、IMD)と第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)との間で交換することができる。方法は、第2の装置の第1のサブアレイを使用して、第1の装置に質問信号を送信するステップと、第2の装置の第2のサブアレイを使用して、第1の装置からフィードバック信号を受信するステップと、フィードバック信号に基づいて、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を選択するステップと、複数の間隔中に、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成を使用して、第1の装置と1つ以上のワイヤレス信号を交換するステップであって、ワイヤレス信号は、電力信号、データ信号、質問信号、フィードバック信号、ダウンリンク信号、およびアップリンク信号のうちの1つ以上を含む、交換するステップと、を含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、複数の間隔のうちの1つ以上の間に第1の装置によって受信された1つ以上のワイヤレス信号(例えば、電力信号、質問信号、データ信号)に応答して、第1の装置からフィードバック信号を送信することをさらに含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、1つ以上のワイヤレス信号の立ち下がりエッジと、第1の装置によって受信された1つ以上のワイヤレス信号(例えば、電力信号、質問信号、データ信号)に対応するコードと、のうちの1つ以上を検出することをさらに含むことができる。
【0214】
いくつかの変形例では、方法は、受信フィードバック信号に応答して、電力信号、質問信号、データ信号、およびダウンリンク信号のうちの1つ以上を第1の装置に送信することを決定することを含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、受信フィードバック信号に応答して、ワイヤレス信号を第1の装置に送信することを抑制することを決定することを含むことができる。例えば、いくつかの変形例では、受信フィードバック信号の強度が所定の閾値よりも大きいと測定された場合、第2の装置と第1の装置との間のリンク効率が良好であると判定することができ、第2の装置は、第1の装置に電力信号を送信することを決定することができる。いくつかの変形例では、受信されたフィードバックの強度が所定の閾値を下回ると測定された場合、第2の装置は、第1の装置にワイヤレス信号を一切送信しないこと、および/または一定の待機時間の後にワイヤレス信号(例えば、質問信号)を送信することを決定することができる。
【0215】
いくつかの変形例では、後続の間隔に対応するトランスデューサ構成は、1つ以上の以前の間隔中の1つ以上の以前に受信されたフィードバック信号に基づいて選択することができる。いくつかの変形例では、複数の間隔のうちの少なくとも1つの間隔の継続時間は、第1の装置によって決定することができる。いくつかの変形例では、複数の間隔のうちの少なくとも1つの間隔の継続時間は、第2の装置によって決定することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、間隔のうちの1つ以上の間にフィードバック信号を周期的に送信するように構成することができる。
【0216】
ワイヤレス信号の間隔ベースの交換の例の一例として、間隔ベースの給電の変形例が本明細書において説明されており、電力信号は、複数の電力間隔中に第2の装置によって第1の装置に送信することができる。しかしながら、そのような方法は、概して、複数の間隔中の第1の装置と第2の装置との間の任意のタイプのワイヤレス信号の交換に適用することができることが理解される。
【0217】
いくつかの変形例では、間隔ベースの給電は、体内の空間経路をたどる第1の装置に効率的に給電することができる。例えば、心臓に埋め込まれた小型(例えば、ミリメートルサイズ)のIMDは、心臓壁の動きおよび/または呼吸に起因して動く/回転する可能性がある。トランスデューサ構成は、効率的な電力転送のために構成された所定の期間において第1の装置にワイヤレス電力を送信するために選択され得る。
【0218】
いくつかの変形例では、間隔ベースの給電の方法は、異なる時間間隔(電力間隔と称される)において第1の装置に電力を転送することを含むことができる。トランスデューサ構成は、前述のように、電力間隔ごとに個別に決定することができる。心臓または心腔内またはその近くに埋め込まれた動くIMDに給電するための例が本明細書に提示されている。
【0219】
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置に質問信号を送信し、第1の装置から第1のフィードバック信号を受信し、第1のフィードバック信号を処理して第1のフィードバック信号データを生成し、少なくとも第1のフィードバック信号データに基づいて第1の選択されたトランスデューサ構成を決定するように構成することができる。第2の装置は、第1の電力間隔中に第1の装置に電力を転送するように、第1の選択されたトランスデューサ構成を構成することができる。第1の電力間隔の終わりに、第1の装置は、第2の装置に第2のフィードバック信号を送信するように構成することができる。第2の装置は、第2のフィードバック信号を処理して第2のフィードバック信号データを生成し、少なくとも第2のフィードバック信号データに基づいて、第2の選択されたトランスデューサ構成を決定することができる。次の電力間隔のための選択されたトランスデューサ構成を決定するために電力間隔の後にフィードバック信号を送信するプロセスは、1つ以上の所定の条件が満たされる(例えば、十分な量の電力またはエネルギーが第1の装置に転送される)まで繰り返すことができる。本明細書に記載されるような、フィードバック信号、フィードバック信号データ、および選択されたトランスデューサ構成の異なる変形例が、本明細書で適用可能である。
【0220】
いくつかの変形例では、第1の電力間隔の終わりに第1の装置によって送信された第2のフィードバック信号は、第1の電力間隔中に第1の装置によって受信された電力信号に対応するデータを符号化することができる。第2のフィードバック信号は、本明細書において説明されるような質問信号のデータを符号化するのと同様の様式でデータを符号化することができる。例えば、いくつかの変形例では、第2のフィードバック信号は、第1の電力間隔中の電力の受信を確認応答する信号、アナログフィードバック信号、第1の電力間隔の間および/または終わりに(例えば、電力もしくは電圧のデジタル化後、または電力もしくは電圧を所定の閾値と比較した結果)第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された電力または電圧に対応するデータ、第1の電力間隔の間および/または終わりの第1の装置の電池電圧、第1の電力間隔の間および/または終わりの電池充電電流、第1の電力間隔の間および/または終わりに第1の装置の電力回路によって生成されたDC電圧、それらの組み合わせなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0221】
いくつかの変形例では、単一の電力間隔の継続時間は、予め定められてもよく、または、第1の装置のワイヤレス給電中にリアルタイムで決定されてもよい。いくつかの変形例では、電力間隔の継続時間は、第1の装置および/または第2の装置によって決定されてもよい。例えば、所定の継続時間は、第1の装置の動きまたは速度、およびそのような動きを引き起こす効果または要因に関する事前の知識に基づくことができる。例えば、心臓壁に付着された小型の第1の装置(例えば、IMD)は、約60拍/分の心拍数にわたって、約1秒の期間で周期的に動く場合がある(単純にするために呼吸の影響は無視する)。一例として、第1の装置が1周期で約10cmの総経路長(往復)をトラバースすると仮定し、第1の装置の速度が経時的に一定であり得る可能性があると仮定すると、約10msの継続時間内に、第1の装置は約1mm動く可能性があると推定することができる。第1の装置の超音波トランスデューサが約1mmの幅を含み、電力ビームが約4mmの半値ビーム直径を含む場合、電力間隔の継続時間は約10msに設定することができ、その後、新しい位置にある第1の装置に確実に給電するために、新しいトランスデューサ構成を決定することができる。いくつかの変形例では、第1の装置の動き、経路、または軌道は、アナログフィードバック信号に基づく画像化または三角測量などのような任意の技法を使用してマッピングすることができる。空間経路を使用して、電力間隔の継続時間を決定することができる。いくつかの変形例では、電力間隔の継続時間は、約1ms~約100msであり得る。いくつかの変形例では、第1の装置に給電するための電力間隔のセットは、同じ継続時間を有してもよく、または異なる継続時間を有してもよい。いくつかの変形例では、電力間隔の継続時間のセットは、第1の装置の動きの知識に基づいて決定することができる。例えば、第1の装置が心周期(例えば、拡張期)内の大きい時間窓(例えば、約300ms)の間に大幅に動かない可能性があることが知られているかまたは決定されている場合、第2の装置は(例えば、心拍数またはECGを測定することによって)心周期のそのような時間窓を推定することができ、その時間窓の間に電力間隔のより長い継続時間(例えば、約300ms)を使用することができる。
【0222】
いくつかの変形例では、第1の装置は、電力間隔の終わりにフィードバック信号を送信するように構成することができる(例えば、質問信号を受信した後にフィードバック信号を送信するように構成されることに加えて)。この変形例は、図7Aに示され、第1の装置(例えば、IMD)における異なる信号が、タイミング図上に概念的に表されている。異なる信号間に有限の非ゼロ時間遅延が存在する可能性があること、ならびに/または、信号の振幅および/もしくは継続時間が図に概念的に示されているものとは異なる可能性があることに留意されたい。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された電圧包絡線の立ち下がりエッジ、または概して所定の閾値未満のその受信電力もしくは電圧の低下を検出するように構成することができる。第1の装置の受信電力または電圧の立ち下がりエッジまたは低下は、第2の装置が電力間隔を終了すること、または、第2の装置が電力館核内で依然として電力を送信している間に第1の装置の位置もしくは向きが大幅に変化すること、あるいはその両方に起因する可能性がある。いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置によって送信された1つ以上のワイヤレス信号(例えば、質問信号、電力信号、データ信号)のコードを検出するように構成することができる。
【0223】
いくつかの変形例では、図7Bに示されるように、第2の装置は、電力間隔の後に質問信号を送信することができる。第1の装置は、次の電力間隔のための選択されたトランスデューサ構成を決定するために第2の装置によって受信および処理することができるフィードバック信号を送信することによって、質問信号に応答することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、電力間隔の間および/また終わりに、第1の装置に特定のダウンリンクコードまたはコマンドを送信するように構成することができる。図7Cに概念的に示されるように、コマンドは、フィードバック信号を送信するように第1の装置を特にトリガすることができ、第1の装置は、コードまたはコマンドの検出時にフィードバック信号を送信することができる。
【0224】
いくつかの変形例では、第2の装置は、フィードバック信号データに基づいて、第1の装置へのワイヤレス電力の送信を停止することができる。例えば、第1の装置からのフィードバック信号は、第1の装置の電池の電圧を符号化することができ、第2の装置のプロセッサは、符号化された電圧を復号化することができる。プロセッサは、第1の装置の電池のSoCを決定し、所望のまたは最大のSoCに達している場合、第1の装置へのワイヤレス電力転送を停止することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、特定の条件が満たされたとき(例えば、第1の装置の電池が所望のまたは最大のSoCに達したとき)、ワイヤレス電力の送信を停止するコマンドを第2の装置に送信することができる。
【0225】
いくつかの変形例では、本明細書に記載の1つ以上の方法の実行中の任意のまたはすべての時点において、第2の装置がユーザプロンプト(例えば、ユーザフィードバック)を生成することができる。ユーザプロンプトは、第1の装置のSoC、第2の装置のSoC、第1の装置の充電が完了しているか否か、第1の装置の充電が何らかの理由で中断されたか否か、それらの組み合わせなどを含んでもよいが、これらに限定されない。第1の装置の充電またはワイヤレス給電の中断は、ユーザが第2の装置を患者の身体から動かすか、または取り外すこと、第2の装置が脱落するか、または、ずれるもしくは接続切断されつつあること、第2の装置の電池が少なくなったこと、それらの組み合わせなどを含むが、これらに限定されない理由に起因し得る。ユーザは、ユーザプロンプトに応じて、第2の装置の電池が少なくなっている場合は第2の装置の電池を再充電すること、第2の装置がずれている場合は第2の装置を再位置付けすること、IMDの充電が完了している場合は第2の装置をオフにして取り外すこと、それらの組み合わせなどのようなアクションを行うことができる。
【0226】
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置の動きに対応するデータ、および/または第1の装置のロケーションに対応する選択されたトランスデューサ構成を第2の装置のメモリに保存し、データを1つ以上の後続の電力間隔に使用するように構成することができる。データは、第1の装置の位置(例えば、第1の装置の1つ以上の空間座標および/または向きもしくは回転、時間の関数としての第1の装置の位置)、選択されたトランスデューサ構成のパラメータ(例えば、トランスデューサ素子の選択、トランスデューサ素子の駆動信号など)、第1の装置の動きに関連する時間的パラメータ(例えば、心拍数、呼吸数など)、第2の装置に対する第1の装置の速度および/または加速度、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、1つ以上の心周期/呼吸周期にわたる時間の関数としての第1の装置の空間座標、または選択されたトランスデューサ構成は、第2の装置のメモリに保存することができる。空間座標は、1つ以上の次の心周期/呼吸周期において第1の装置に確実に給電するために第2の装置によって使用することができる。これらの変形例のいくつかでは、第2の装置は、電力間隔ごとに新しい選択されたトランスデューサ構成をリアルタイムで決定する必要がない場合があり(計算時間およびエネルギーの節約に役立つ場合がある)、以前に決定された選択されたトランスデューサ構成に依拠して第1の装置に確実に給電することができる。いくつかの変形例では、選択されたトランスデューサ構成は、第1の装置の1つ以上のトランスデューサの寸法よりも大きい可能性がある焦点サイズを第1の装置において生成することができる(例えば、焦点スポット直径は、第1の装置のトランスデューサの直径の4倍であり得る)。これは、第1の装置の受信電力の、選択されたトランスデューサ構成が第2の装置のメモリに保存されている可能性のあるその軌道からの小さい偏差、他のリンク収差、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に対する感度を低減することができる。
【0227】
i.ワイヤレス信号の断続的な交換
いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置、ワイヤレス装置)と第1の装置との間のリンク利得が、第1の装置の空間経路(例えば、軌道)の一部分にわたって低下し得るように、一時的に動くまたは回転する場合がある。例えば、一定の心拍中に(または呼吸に起因して)、心臓壁に付着された第1の装置は、第2の装置から第1の装置への超音波ビームが部分的または完全に閉塞または減衰され得るように、一時的に肺または肋骨の後ろの位置まで動く場合がある。そのような時間の間に第1の装置とワイヤレス信号(例えば、電力、データまたは他の信号)を交換することは非効率的である場合がある。例えば、リンク利得が低いことに起因して、第2の装置からの大きい送信電力が必要になる場合があり、結果として組織が不必要に加熱される可能性がある。本明細書において提供されるソリューションは、このような課題を克服するのに有用であり得る。
【0228】
いくつかの変形例では、本明細書に記載されるような、ワイヤレス信号を断続的に交換する方法が使用され得る。いくつかの変形例では、第2の装置は、ワイヤレス信号の間隔ベースの交換の方法中に、フィードバック信号に応答して第1の装置へのワイヤレス信号(例えば、電力、データ、質問信号)の転送を抑制するように構成することができる。断続的な給電の例が本明細書に記載されており、第2の装置は、1つ以上の間隔中、第1の装置への給電を抑制するように構成することができる。しかしながら、そのような方法は、概して、複数の間隔中の第1の装置と第2の装置との間の任意のタイプのワイヤレス信号の交換に適用されてもよいことが理解される。
【0229】
いくつかの変形例では、以前に受信されたフィードバック信号と比較して大幅に低いアナログフィードバック信号の受信電力および/または電圧(例えば、以前に受信されたフィードバック信号の電力と比較して6dB低い電力)は、リンク利得が大幅に低い、好ましくない位置/構成への第1の装置の動きおよび/または回転に対応する可能性がある。これらの変形例のいくつかでは、リンク利得がより有利である異なる時点における第1の装置の給電が、低いリンク利得を補償するために第2の装置から大きい電力を送信するよりも好ましい場合がある。いくつかの変形例では、第2の装置は、アナログフィードバック信号、第1の電力間隔の間および/または終わりに第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された電力または電圧を符号化するデジタルデータビットを含むフィードバック信号、第1の電力間隔の間および/または終わりに第1の装置の電力回路によって生成されたDC電圧、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を処理することに基づいて、ワイヤレス電力を転送しないという決定を行うように構成することができる。
【0230】
いくつかの変形例では、フィードバック信号データの1つ以上の構成要素(例えば、第1の装置のトランスデューサ素子によって受信された電力)は、間隔ベースの給電中に以前に生成されたフィードバック信号データの対応する構成要素と比較することができ、または、フィードバック信号データの1つ以上の構成要素は、次の電力間隔内にワイヤレス電力を転送するか否かを決定するために、1つ以上の所定の(例えば、絶対)閾値と比較することができる。この方法は、断続的な給電と称される場合がある。断続的な給電は、エネルギーを効率的に使用し、第2の装置の電池寿命を延ばし、組織の不必要な加熱を回避することができる。
【0231】
いくつかの変形例では、第2の装置は、特定の電力間隔中に第1の装置に電力を転送しないことを決定し、次いで、第1の装置のワイヤレス給電が再開され得る方法および時期を決定することができる。いくつかの変形例では、電力を転送しないという決定に応答して、第2の装置は、第1の装置に1つ以上の質問信号を送信する前に、所定の時間遅延を待つことができる。第1の装置によるこの質問信号の受信および第2の装置による対応するフィードバック信号の受信に応じて、第2の装置は、前述のように、第1の装置への電力転送を再開する(例えば、間隔ベースの給電を再開する)ことができる。図8に示されるように、第2の装置は、約1ms~約500msの時間遅延(例えば、待機時間)の後に質問信号を送信するように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、待機時間は約100msであり得、これは、第1の装置が第2の装置とのリンク利得が好ましいまたは十分に高い可能性がある位置/向きに動き/回転して戻るのに十分であり得る。いくつかの変形例では、第2の装置は、好ましいリンク利得を示すフィードバック信号を第1の装置から受信するまで、第1の装置に質問信号を送信し続けることができる(例えば、周期的に10msおきまたは100msおきになど)。
【0232】
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置に電力を転送しないことを決定することができる。次いで、第1の装置は、第2の装置によって明示的に質問されることなく、所定の時間遅延(例えば、周期的に10msおきまたは100msおきになど)を待った後、第2の装置に1つ以上のフィードバック信号を送信するように構成することができる。これらの変形例のいくつかでは、第2の装置は、第1の装置からフィードバック信号を受信するのを待つことができる。これらの変形例のいくつかでは、第1の装置は、(例えば、電池からの)貯蔵されたエネルギーを使用して、1つ以上のフィードバック信号を送信することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の装置が次の電力間隔において第2の装置から電力を受信すること、第2の装置がフィードバック信号の送信を停止するコマンドを第1の装置に送信すること、第1の装置がフィードバック信号を所定の数だけまたは所定の継続時間にわたって送信すること、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない条件のうちの1つ以上が満たされるまで、1つ以上のフィードバック信号を送信するように構成することができる。
【0233】
d.反射信号に基づくトランスデューサ構成
いくつかの変形例では、フィードバック信号は、第1の装置などの第1の装置によって(例えば、質問信号の検出時)送信されたアクティブなアップリンク信号を含むことができる。アクティブなアップリンク信号は、第2の装置における大きい受信信号または信号対雑音比、アップリンク信号の周波数を選択する際の柔軟性、および質問信号に対する継続時間などのいくつかの利点を提供することができる。ただし、一部の用途では、質問信号を検出するには、低い質問信号レベルを検出することが可能なウェイクアップ受信機が必要になる場合がある。いくつかの変形例では、ウェイクアップ受信機は大量のエネルギーを消費する可能性がある。したがって、ウェイクアップ受信機を含む第1の装置は、より大きい電池を必要とし得る。
【0234】
いくつかの変形例では、超音波イメージングを使用して、第1の装置を位置特定することができる。例えば、超音波イメージングは、組織の領域またはボリュームにわたって集束ビームを掃引またはスキャンするためのビームフォーミングを含むことができる。ただし、超音波イメージングは、小さい焦点サイズ(例えば、1ミリメートルの直径)を使用して大きい組織領域(例えば、3つすべての寸法において数センチメートル)をスキャンするための相対的に長い時間、複雑な処理能力、および/または第2の装置の高い電力消費を必要とする場合がある。
【0235】
いくつかの変形例では、第2の装置のサブアレイは、組織に超音波質問信号を送信するように構成することができる。対応するフィードバック信号は、1つ以上の第1の装置からの1つ以上の超音波反射信号を含むことができる。受信された反射信号は、フィードバック信号データを生成し、反射信号のいずれの部分または特徴が第1の装置に対応し得るかを識別するために、第2の装置のプロセッサによって処理することができる。これは、時間反転技法またはその他の検索/ビームフォーミング技法を使用してトランスデューサ構成を決定するために使用することができる。トランスデューサ構成は、電力、データ、および/もしくは他の信号を第1の装置に送信するため、ならびに/または、データおよび/もしくは他の信号を第1の装置から受信するために、第1の装置のロケーションに焦点を合わせるために使用することができる。
【0236】
いくつかの変形例では、質問信号を送信するように構成することができるサブアレイは、第2の装置の1つ以上の超音波トランスデューサ素子を含むことができる。第2の装置は、低利得送信と称される、組織内に空間的に広いまたは集束されていないビーム(例えば、平面波、近似平面波)を生成するように構成することができる。例えば、第1の装置の近くの質問信号の半値ビーム直径は、質問信号を受信する第1の装置のトランスデューサの最大横方向寸法の約2倍を超え得る。集束されていないビームは、第1の装置を位置特定するために大きい組織ボリュームの迅速なスキャンを可能にすることができる。いくつかの変形例では、トランスデューサ構成が所定の基準に従って決定されるまで、組織をスキャンするために、第2の装置のトランスデューサ素子またはサブアレイを循環させる(例えば、サブアレイとして1つずつ構成する)ことができる。いくつかの変形例では、1つ以上のトランスデューサ素子は、送信電力要件を低減するために、比較的集束されたビーム(例えば、高利得送信)によって質問信号を送信するように構成することができる。いくつかの変形例では、質問は、(例えば、種々の角度でビームをスキャンするためにサブアレイの1つ以上のトランスデューサ素子の位相を調整する)完全なビームフォーミングスキャンを使用して実行することができる。
【0237】
いくつかの変形例では、超音波質問信号は、質問信号の反射に基づいて第1の装置、肋骨、肺などのような異なる構造を区別するのに十分な分解能(例えば、ミリメートル~センチメートルほど)を可能にする短いパルス幅(例えば、数マイクロ秒~数十マイクロ秒)を含む。短いパルス幅は広い帯域幅に対応し、広帯域トランスデューサ素子を必要とし、(広い帯域幅にわたるノイズの融合に起因して)第2の装置が受信する反射信号に対する大きい最小検出可能信号(MDS)要件をもたらす可能性がある。したがって、いくつかの変形例では、より長いパルス幅(例えば、数百マイクロ秒、ミリ秒、またはそれ超ほど)を有する超音波質問信号を使用して、帯域幅要件を緩和することができる(例えば、より低い帯域幅を有するトランスデューサ素子の使用を可能にする)。いくつかの変形例では、反射信号のパルスの終了または立ち下がり過渡を処理して、トランスデューサ構成を決定することができる。
【0238】
いくつかの変形例では、質問信号の搬送波周波数は、電力またはデータ転送周波数と同じであり得、これは、リンクの正確なモデリングおよび効率的な電力またはデータ転送のためのトランスデューサ構成の決定を可能にし得る。いくつかの変形例では、異なる搬送波周波数が質問に使用されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、より高い搬送波周波数を使用して、第1の装置を識別する際により高い分解能を達成するためにより短いパルスを送信することができる。いくつかの変形例では、より低い搬送波周波数を使用して、組織を通じた質問信号の伝播損失を低減し、それにより、第1の装置からの反射信号の強度を増加させ、および/または送信電力要件を低減することができる。この方法に必要な送信電力は、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子におけるMDS、組織ベースの損失、第1の装置のレーダー断面積、およびレーダー距離方程式に基づいて推定することができる。いくつかの変形例では、質問信号の搬送波周波数は、第1の装置からの(例えば、第1の装置のトランスデューサからの)反射信号の強度を増加させるように選択することができ、および/または、非線形後方散乱に起因して第1の装置からの反射信号内の一意に識別可能な異なる周波数成分をもたらすことができる。
【0239】
いくつかの変形例では、第2の装置のサブアレイによって組織に送信された質問信号は、1つ以上の反射信号を含む1つ以上のフィードバック信号を生成することができる。反射信号は、1つ以上の第1の装置、および/または、肋骨、肺、2つのタイプの組織間の境界、それらの組み合わせなどのような1つ以上の組織構造からの反射を含むことができる。いくつかの変形例では、組織内の超音波の伝播速度に基づく時間窓または時間遅延を使用して、所望の組織深さ、または組織深さのセットまたは範囲からの反射信号を記録することができる。いくつかの変形例では、第2の装置の3つ以上のトランスデューサ素子を、フィードバック信号の処理に基づいて第1の装置のロケーションの三角測量に使用することができる。
【0240】
いくつかの変形例では、第2の装置は、トランスデューサ素子の1つのアレイを含むことができ、ここで説明される方法の所定の反復のために、TTCおよびRTCを含むトランスデューサ素子をこのアレイから選択することができる。いくつかの変形例では、アレイの第1のサブセットを、送信のみのために構成することができ、TTCを含む1つ以上のトランスデューサ素子を、第1のサブセットから選択することができる。いくつかの変形例では、アレイの第2のサブセットを、受信のみのために構成することができ、RTCを含む1つ以上のトランスデューサ素子を、第2のサブセットから選択することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は2つのアレイを備えることができる。所定のアレイは、信号を送信または受信するように構成することができる。これらの変形例のいくつかでは、TTCを含むトランスデューサ素子は、RTCを含むトランスデューサ素子から分離する(例えば、別個の)ことができる。
【0241】
いくつかの変形例では、反射信号を含むフィードバック信号は、反射源の形状および/またはサイズを推定するために、フィードバック信号データを生成するために第2の装置のプロセッサによって処理することができる。フィードバック信号は、反射信号のいずれの部分が、肋骨、肺などの組織構造とは対照的に、第1の装置に対応し得るかを識別するためにさらに使用することができる。処理は、1つ以上の方式で実行することができる。例えば、質問信号が超音波パルスの形態である場合、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子によって受信された反射信号は、1つ以上の超音波パルスを含むことができる。1つ以上のパルスのパルス数、振幅、位相、遅延、および/または周波数などの受信反射信号の波形特徴、および/または第2の装置の異なるトランスデューサ素子にわたる波形特徴の変動は、反射源の位置、形状、サイズ、および/または特性に依存し得る。
【0242】
いくつかの変形例では、異なる反射源を区別するために、反射信号および/または反射信号内の1つ以上のパルスの振幅、位相、および/または遅延の特徴を、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子にわたって比較することができる。第1の装置からの反射は組織内の単一の小さいスポットから発生し得、一方、肋骨からの反射は複数のスポット(または周期的な格子)から発生し得、肺からの反射は大きい表面積から発生し得る。いくつかの変形例では、第1の装置のおおよその組織深さまたは組織深さの範囲の知識を使用して、反射信号のいずれの部分が第1の装置に対応するかを識別することができる。例えば、肋骨は浅い組織深さ(例えば、約2cm未満)に位置し得、第1の装置は、より深い組織深さ(例えば、約2cmを超える)に位置し得るため、肋骨からの反射は、第1の装置からの反射と比較して早い時点において第2の装置に到着し得る。いくつかの変形例では、n番目の反射イベント(nは整数である)、または複数のパルスを含む受信反射信号のn番目のパルスが、第1の装置からのものであることが分かっている場合がある。例えば、受信反射信号の第4の反射または第4のパルスが、第1の装置に対応することが分かっている場合があり、一方、第1の反射、第2の反射、および第3の反射が、皮膚、肋骨および/または他の構造からの反射に対応することが分かっている場合がある。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、反射信号を処理して追加の周波数(質問信号の周波数とは別)を検出し、反射信号のいずれの部分または反射信号のいずれのパルスが第1の装置からの反射に対応するかを識別するように構成することができる。例えば、第1の装置に入射する質問信号は、非線形後方散乱を受け、その反射に異なる周波数成分が生じ得る。非線形後方散乱は、第1の装置を識別するための受信反射信号の有用なシグニチャであり得る。
【0243】
第1の装置に対応する受信反射信号の部分の識別を使用して、第1の装置とワイヤレス信号を効率的に交換する(例えば、送信する、受信する)ためのトランスデューサ構成を決定することができる。いくつかの変形例では、他のトランスデューサ素子と比較して大幅に低い反射信号振幅を第1の装置から受信する第2の装置の所定のトランスデューサ素子は、第1の装置に電力を送信するためのトランスデューサ構成の一部分として使用されない場合がある。例えば、トランスデューサ素子から第1の装置までの経路は、肋骨によって遮蔽される場合がある。いくつかの変形例では、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子において受信された第1の装置の反射信号の相対的な時間遅延および/または振幅は、電力を送信している間に反転され得る。これにより、送信ビームが第1の装置のロケーションに集束され得る。いくつかの変形例では、第2の装置の3つ以上のトランスデューサ素子における第1の装置の反射信号の相対時間遅延を使用して、組織内の第1の装置の相対位置もしくは範囲または位置を(例えば、三角測量を使用して)推定することができる。いくつかの変形例では、組織内の第1の装置のおおよその位置を推定した後、トランスデューサ構成が、サブアレイ給電/データスナップショットを含むように決定され得る。例えば、サブアレイ給電スナップショットは、それらの駆動信号(例えば、振幅、周波数、位相)とともに、第1の装置のロケーションに電力を選択的に集束させるように構成された、第2の装置のトランスデューサ素子の選択されたセット(例えば、サブアレイ)を参照し得る。いくつかの変形例では、組織内の第1の装置のおおよその位置を推定した後、第2の装置のトランスデューサ素子のサブセットまたは第2の装置のすべてのトランスデューサ素子を使用するフェーズドアレイビームフォーミングを使用して、ワイヤレス信号を効率的に交換するために第1の装置のロケーションに焦点を合わせることができる。
【0244】
いくつかの変形例では、トランスデューサ構成のダウンリンクベースの検索は、1つ以上の第1の装置または組織からの1つ以上の超音波反射信号を含むフィードバック信号を用いて実行することができる。例えば、サブアレイは、組織に質問信号を送信するように構成されたサブアレイを含むことができ、第2の装置は、第1の装置のおおよそのロケーションを識別するために、組織および/または第1の装置からの反射信号を受信および処理するように構成することができる。第2の装置は、Aスキャン(振幅スキャン)またはBスキャン(輝度モードスキャン)などを実行して、第1の装置からの反射を識別し、組織内におけるそのロケーションを推定することができる。このプロセスは、第1の装置との超音波リンク利得が最も高いトランスデューサ構成を検索するために、所定の数の異なるサブアレイに対して繰り返すことができる。例えば、所定のサブアレイに対応するAスキャンにおけるより大きい振幅またはエコーは、そのサブアレイが第1の装置とのより高い超音波リンク利得を有し、選択されたトランスデューサ構成として指定され得ることを示すことができる。
【0245】
いくつかの変形例では、本明細書に記載のステップを周期的に繰り返して、呼吸、心臓の鼓動などに起因して第2の装置に対して動く第1の装置を追跡することができる。例えば、いくつかの変形例では、方法は、間隔ベースの電力およびデータ転送に適用することができる。トランスデューサ構成は、ある時間間隔中に動いている第1の装置とワイヤレス信号を交換するために周期的に決定または更新することができる。いくつかの変形例では、質問信号は、間隔ベースの電力およびデータ転送中に後続の間隔にわたって変更され得る。例えば、1つ以上の異なるトランスデューサ素子は、異なる間隔において質問信号を送信するためのサブアレイとして構成することができる。いくつかの変形例では、質問信号がすべての間隔にわたって送信されない場合があり、代わりに、前の間隔のトランスデューサ構成によって送信された電力信号の反射を処理して、次の間隔のトランスデューサ構成を決定することができる。
【0246】
いくつかの変形例では、受信反射信号を処理して、反射信号のいずれの部分が複数の第1の装置に対応するかを識別することができる。ワイヤレス信号を複数の第1の装置と、同時にまたは異なる時点において効率的に交換するための1つ以上のトランスデューサ構成を決定することができる。
【0247】
広い周波数帯域にまたがる短いパルスの形態の質問信号は、組織内で分散を受ける可能性があり、反射フィードバック信号に、平滑化される(すなわち、漸進的な立ち上がり/立ち下がり過渡を有する)1つ以上のパルスを生じさせる。これは、サブアレイ利得の周波数依存性(例えば、制限された帯域幅)、第1の装置のレーダー断面積、および/またはリンク分散に起因する可能性がある。短いパルスは高い軸方向分解能を提供し得るが、分散により、第1の装置に対応する反射信号の部分を識別すること、組織内の第1の装置のロケーションを推定すること、および/または時間反転もしくは他の検索/ビームフォーミング技法を使用してトランスデューサ構成を決定することが困難になる場合がある。
【0248】
いくつかの変形例では、フィードバック信号データは、相対位相、振幅、および/または時間遅延、すなわち、第2の装置のトランスデューサ素子全体にわたる、受信反射信号のこれらの波形特徴の差を含むことができる。これは、異なるトランスデューサ素子によって受信されたフィードバック信号が同様のレベルの分散を受けた可能性がある場合に有用であり得る。例えば、第2の装置のトランスデューサ素子によって受信された、平滑化されたパルス(第1の装置からの反射に対応する)間の相対時間遅延は、立ち上がり/立ち下がりエッジ検出器回路(例えば、包絡線検出器および比較器またはシュミットトリガを備える)を使用し、エッジ検出回路の出力パルス間の時間差を計算することによって、正確に決定することができる。いくつかの変形例では、相対時間遅延を使用して、第1の装置に効率的に給電するためのトランスデューサ構成を、時間反転に基づいて決定することができる。いくつかの変形例では、分散に対処するために、長いパルス幅(例えば、数百マイクロ秒、数ミリ秒など)または低帯域幅を有する質問信号が使用され得る。しかしながら、これは軸方向分解能の低下をもたらす可能性があり、したがって、いくつかの用途では、第1の装置から入来する反射信号を、肋骨、肺などの組織構造の信号から区別することが困難になる。
【0249】
いくつかの変形例では、第2の装置は、1つ以上の時間窓において、または所定の時間遅延後にフィードバック信号を受信して、第1の装置からの反射に対応する長い受信パルスの最後の数サイクルまたは立ち下がりエッジを捕捉するように構成することができる。例えば、心臓内/心臓の近くに埋め込まれた第1の装置の場合、所定の時間遅延後にフィードバック信号を受信するように第2の装置を構成することによって、肋骨または皮膚などの浅い組織構造による反射を無視し、第1の装置および任意のより深い組織構造からの反射信号のみを処理してフィードバック信号データを生成することを可能にすることができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、すべての反射を受信または記録するように構成することができ、アナログおよび/またはデジタル後処理を使用して、第1の装置からの反射に対応する長いパルスの最後の数サイクルまたは立ち下がりエッジを識別することができる。異なるトランスデューサ素子にわたる最後の数サイクル、または立ち下がりエッジの相対的な時間遅延を使用して、第1の装置とワイヤレス電力/データを効率的に交換するためのトランスデューサ構成を決定することができる。
【0250】
いくつかの変形例では、質問信号は、ある範囲の周波数(例えば、チャープ信号)を含むことができる。超音波質問信号のいくつかの変形例では、周波数の範囲は、第1の装置および/または第1の装置の構成要素(例えば、第1の装置の1つ以上の超音波トランスデューサ)のサイズが波長(または波長の倍数)ほどであり得る周波数(例えば、その周波数を中心とする範囲)を含むことができる。第1の装置および/または第1の装置の構成要素(例えば、超音波トランスデューサ)のレーダー断面積(RCS)は、共振効果に起因して周波数にわたって大幅に変化する可能性がある(例えば、RCSはこの周波数範囲内で極大値を有する場合がある、極小値を有する場合がある、この周波数で振動する場合がある、など)。この現象は、受信フィードバック信号内でmmサイズの第1の装置の固有のシグニチャをもたらすことができ、これは、肋骨、肺などのようなより大きいcmサイズの組織構造から第1の装置を区別するのに有用であり得る。
【0251】
e.後方散乱信号に基づくトランスデューサ構成
いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)からのフィードバック信号は、超音波後方散乱信号などの後方散乱信号を含み得る。いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)が第1の装置に質問信号を送信する前に、感知モードなどの第1のモードにあり得る。いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の質問信号を第1の装置に送信し得、これを受信すると、第1の装置は、第1の装置とワイヤレス電力/データを効率的に交換するためのトランスデューサ構成を決定するのに有用であり得る第2のモードにそれ自体を構成し得る。ここで説明する方法の変形例では、そのような第2のモードは後方散乱モードであり得る。第1の装置は、ここで詳細に説明されるように、入来する質問信号を後方散乱するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、電池またはコンデンサ)に貯蔵されたエネルギーが、後方散乱のために(例えば、ここで説明する負荷回路を変調するために)第1の装置を構成するのに有用であり得る。第2の装置は、第2のモードにある第1の装置によって受信され得る第2の質問信号を送信し、第1の装置からの対応するフィードバック信号(例えば、第2の質問信号に対応する第1の装置からの後方散乱信号)を使用して、トランスデューサ構成を決定することができる。いくつかの変形例では、第2のモードは必要とされない場合があり、第1の装置は、入来する質問信号を後方散乱するように常に構成することができる。
【0252】
いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置によって送信される1つ以上の質問信号に応答して第1の装置からの超音波後方散乱信号に影響を与えるかまたは変調するために使用することができる1つ以上の回路に結合された1つ以上の超音波トランスデューサを備えることができる。一般に、第1の装置からの後方散乱信号に影響を与えるかまたは変調する結果として、フィードバック信号において第1の装置の固有のシグニチャをもたらすことができ、および/または、第1の装置から入来するフィードバック信号の信号対雑音比(SNR)を改善することができる。これは、第1の装置を確実に位置特定するのに有用であり得る。
【0253】
いくつかの変形例では、超音波トランスデューサに結合された回路は、負荷回路、整流器または電力回復回路、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの変形例では、回路は、後方散乱信号の振幅、位相、および/または1つ以上の周波数成分を変調するように構成することができる(例えば、質問信号に対して後方散乱信号に新しい周波数成分を追加する)。
【0254】
いくつかの変形例では、第1の装置の超音波トランスデューサに結合された負荷回路は、短絡、開放、1つ以上のスイッチ、1つ以上の抵抗器、1つ以上の抵抗性インピーダンス(例えば、コンデンサ)、1つ以上の変調インピーダンス、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、超音波トランスデューサの端子間で小さいインピーダンスを短絡または接続すると、後方散乱信号の振幅が増大し、第2の装置のプロセッサが第1の装置を確実に検出することを可能にすることができる。いくつかの変形例では、短絡の代わりに、所定のインピーダンスが超音波トランスデューサの両端に結合されてもよい。これは、第1の装置によって受信された質問信号の強度(例えば、超音波トランスデューサによって受信された電圧または電力)を測定するため、および/または第1の装置からの後方散乱信号の振幅を依然として増大させながら質問信号からいくらかの電力を回復するために有用であり得る。
【0255】
いくつかの変形例では、負荷回路は、変調され得るか、または時間の関数として変化し得る任意のインピーダンスを含み得る変調インピーダンスを含んでもよい。変調インピーダンスの変化は、第2の装置のプロセッサによって検出することができ、第1の装置を位置特定するために使用することができる後方散乱信号(変調後方散乱信号と呼ばれ得る)の変調をもたらすことができる。後方散乱信号の変調は、入来する質問信号に対する振幅、周波数、および/もしくは位相のうちの1つ以上の変化、ならびに/または、時間の関数としての振幅、周波数、および/もしくは位相の1つ以上の変動を含んでもよい。例えば、いくつかの変形例では、第1の装置のプロセッサは、超音波トランスデューサによって見られるインピーダンスを2つ以上の値の間で(例えば、開回路と短絡との間などで)、周期的にまたは1つ以上の変調周波数で切り替えることができる。この結果として、変調周波数および/またはその高調波に等しい周波数成分またはトーンを有する変調後方散乱信号をもたらすことができ、これは、第2の装置のプロセッサによって検出されて、第1の装置を位置特定し、および/または第1の装置に効率的に給電するためのトランスデューサ構成を決定することができる。
【0256】
いくつかの変形例では、変調周波数は、第1の装置の給電または第1の装置へのダウンリンクデータの送信に使用される周波数にほぼ等しくてもよい。これは、給電周波数で受信フィードバック信号の時間遅延または位相を測定することを可能にし得るため、時間反転に有用であり得る。例えば、超音波リンクにおける所望の給電周波数が約1MHzである場合、質問信号は、より高い周波数(例えば、約2MHz)で送信され得、後方散乱信号は、約1MHzの変調周波数で変調され得る。第2の装置のプロセッサは、約1MHzでフィードバック信号の成分の時間遅延または位相を測定し、それらの時間遅延または位相を時間反転に使用して、約1MHzで第1の装置に効率的に給電することができる。
【0257】
いくつかの変形例では、変調周波数は、第1の装置に電力またはデータを送信するために使用される周波数とは異なってもよい。例えば、いくつかの変形例では、変調周波数は、組織を通じて受ける伝播損失が低い低周波数(例えば、約100kHz)であってもよく、それにより、第2の装置による変調後方散乱信号の信頼性の高い検出が可能になる。いくつかの変形例では、変調周波数は、給電周波数の倍数であってもよく、またはその逆であってもよい。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、変調周波数で受信フィードバック信号の時間遅延または位相を処理することができる。プロセッサは、さらに、時間反転を使用して、給電周波数で第1の装置に電力を送信するために必要な時間遅延または位相を決定することができる。
【0258】
いくつかの変形例では、負荷回路を変調して、デジタルデータを符号化することができ、これにより、第2の装置が第1の装置を一意に識別および/または位置特定することが可能になり得る。デジタルデータは、IDコード、コマンド、第1の装置による質問信号の受信を確認応答するコード、第1の装置のデジタル化エネルギー状態(例えば、その電池電圧)を表すコード、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0259】
いくつかの変形例では、負荷回路は、第1の装置からの後方散乱信号に1つ以上のヌルまたはノッチを生成するように変調され得る。ヌルまたはノッチは、フィードバック信号の振幅が低いかまたはゼロに近い、第2の装置によって受信されたフィードバック信号の一部分を含み得る。いくつかの変形例では、後方散乱信号のヌルまたはノッチは、負荷回路インピーダンスを開回路と短絡との間で切り替えることによって生成することができる。第2の装置のプロセッサは、受信フィードバック信号のヌルまたはノッチを検出して、第1の装置を一意に識別および/または位置特定するように構成することができる。例えば、第2の装置は、異なるトランスデューサ素子上のノッチの相対的な時間遅延を測定し、時間反転または三角測量などを使用してトランスデューサ構成を決定するために時間遅延を処理することができる。
【0260】
いくつかの変形例では、超音波トランスデューサに結合された整流器回路または電力回復回路は、整流器または電力回復回路の非線形インピーダンス(例えば、ダイオード)に起因して、質問信号周波数の高調波(例えば、第三高調波)を有する後方散乱信号をもたらすことができる。追加の周波数成分は、質問信号の他の反射とは対照的に、第1の装置から入来する後方散乱信号にのみ存在し得、第2の装置のプロセッサによって第1の装置を位置特定するために使用され得る。
【0261】
いくつかの変形例では、トランスデューサ構成のダウンリンクベースの検索は、1つ以上の後方散乱信号を含むフィードバック信号を用いて実行され得る。例えば、サブアレイは、組織に質問信号を送信するように構成することができ、第2の装置は、第1の装置から後方散乱信号を受信し、処理するように構成することができる。このプロセスは、第1の装置との超音波リンク利得が最も高い最適なサブアレイを検索するために、複数の異なるサブアレイに対して繰り返すことができる。例えば、所定のサブアレイについて、受信フィードバック信号の包絡線検出を使用して、変調後方散乱信号を検出することができる。検出された信号は、サブアレイが第1の装置との十分な超音波リンク利得を有することを示し得る。さらに、サブアレイを、第1の装置と電力/データを効率的に交換するためのトランスデューサ構成として選択することができる。
【0262】
f.第2の装置のアレイ構成
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、第1の装置(例えば、IMD)と第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)との間でワイヤレス信号を交換するように構成される。超音波イメージングなどの用途では、信号の送信と受信の両方を行うように構成された1つ以上のトランスデューサ素子を含む単一のトランスデューサアレイを使用することが一般的であり得る。しかしながら、第2の装置は、2つ以上の別個のアレイを備えてもよく、各アレイが、1つ以上のトランスデューサ素子を含む。1つ以上のアレイは、信号を送信するように構成することができ(送信アレイ)、1つ以上のアレイは、信号を受信するように構成することができる(受信アレイ)。例えば、いくつかの変形例では、第2の装置は、1つ以上の送信アレイと、1つ以上の受信アレイと、信号の送信と受信の両方を行うように構成することができる1つ以上のアレイと、を備えてもよい。本明細書に記載のアレイ構成は、第2の装置の設計複雑度および/または電力損失を低減するために、信号の送信と受信の両方のためにトランスデューサ素子を構成するために典型的に使用される送信および受信スイッチの使用を排除または低減することができる。アレイ構成は、さらに、送信および受信機能を実現するためのトランスデューサ素子および電子機器に対する設計制約を切り離すことにより、設計を柔軟にすることができる。いくつかの変形例では、送信アレイおよび受信アレイのトランスデューサ素子は、同じまたは異なるタイプ、形状、材料、寸法などであってもよい。別個の送信アレイと受信アレイとを備えるシステムの場合、第1の装置にダウンリンク信号(電力、データなど)を送信するためのトランスデューサ構成を決定することは困難である場合がある。例えば、受信アレイ上で受信されたフィードバック信号は、第1の装置にワイヤレス信号を送信するように構成されないトランスデューサ素子を含む。
【0263】
一般に、送信アレイの素子と受信アレイの素子との間の幾何学的関係は、受信アレイ素子上の受信フィードバック信号に基づいて送信アレイ素子の駆動信号を決定するために、第2の装置のプロセッサによって使用され得る。いくつかの変形例では、送信アレイおよび受信アレイは、部分的または完全に交互配置されるか、または互いに散在してもよい。例えば、送信アレイのトランスデューサ素子は、周期的に、受信アレイの1つ以上のトランスデューサ素子おきに位置付けられてもよく、またはその逆に構成されてもよい。いくつかの変形例では、すべての交互のトランスデューサ素子が、1つのタイプのアレイ(送信または受信)に属してもよい。いくつかの変形例では、送信アレイおよび受信アレイは、互いに交互配置されなくてもよい(すなわち、空間的に重複しなくてもよい)。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、受信アレイの1つ以上のトランスデューサ素子によって受信されたフィードバック信号を処理してフィードバック信号データを生成することができ、送信および受信アレイ素子の相対的な空間位置または幾何形状に基づいて、フィードバック信号データの補間および/または外挿を使用して、第1の装置に電力/データを効率的に送信するためのトランスデューサ構成を決定することができる。
【0264】
図9は、各交互のトランスデューサ素子が送信アレイまたは受信アレイのいずれかに属し得る変形例を示している。第1の装置(910)から生成されたフィードバック信号(952)は、1つ以上の反射信号、第1の装置によって送信されたアクティブなアップリンク信号などを含んでもよい。いくつかの変形例では、受信アレイ(例えば、R~R)のトランスデューサ素子によって受信されたフィードバック信号(952)の振幅、位相、および/または時間遅延を処理して、送信アレイ(例えば、T~T)のいずれのトランスデューサ素子がトランスデューサ構成およびその駆動信号を含むように選択され得るかを推定することができる。例えば、第1の装置から入来してRおよびRに向かうフィードバック信号(952)は、肋骨(972)によって減衰または散乱され得るため、RおよびRは、非常に小さい振幅のフィードバック信号(952)を受信し得る。この例では、TがRとRとの間にあるため、第2の装置のプロセッサは、Tと第1の装置との間のリンクも肋骨(972)によって遮蔽され得ると決定し得る。したがって、Tは、信号を第1の装置(910)に送信するために選択されない場合がある。
【0265】
いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、第1の装置の推定位置、受信アレイの1つ以上の素子の位置、および送信アレイの1つ以上の素子の位置の間の幾何学的関係を使用して、1つ以上の送信アレイ素子の駆動信号を決定することができる。例えば、RおよびRにおけるフィードバック信号(952)の受信位相、時間遅延および/または振幅、ならびにR、RおよびTの間の幾何学的関係に基づいて、第2の装置のプロセッサは、Tのロケーションにおける正確な推定することができるフィードバック信号の正確なまたはおおよその位相、時間遅延、および/または振幅を推定し(例えば、平均値を計算し)、(例えば、時間反転を使用して)第1の装置に電力を送信するときに適切な位相、遅延および/または振幅でTを駆動するためにそれを使用することができる。
【0266】
いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、ワイヤレス信号(例えば、アクティブなアップリンクまたはフィードバック信号、反射信号、変調後方散乱信号など)を生成するように構成することができ、第2の装置は、第1のトランスデューサアレイ、第2のトランスデューサアレイ、およびプロセッサを備えることができる。第1のトランスデューサアレイは、第1の装置からワイヤレス信号を受信するように構成することができ、プロセッサは、受信されたワイヤレス信号に基づいて第1の装置データを生成するように構成することができ、第2のトランスデューサアレイは、第1の装置データに基づいて、第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。例えば、第1のトランスデューサは、第1の装置の場所を見つける(例えば、位置特定する)ように構成することができ、一方、第2のトランスデューサアレイは、第1の装置と電力および/またはデータを効率的に交換するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置データは、第1の装置に関連するパラメータ(例えば、第1の装置の空間位置)、および第1の装置によって生成されたワイヤレス信号に関連するパラメータ(例えば、ワイヤレス信号の位相、時間遅延、振幅、周波数、符号化データ)のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、位置特定のために構成された第1のトランスデューサアレイのトランスデューサ素子は、第1の装置に電力を送信するために使用される第2のトランスデューサアレイ素子と比較して、動作周波数で(例えば、受信ワイヤレス信号に対する感度を高めるために)高いインピーダンスを含むことができる。
【0267】
いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイは、各々、超音波トランスデューサアレイを含むことができる。いくつかの変形例では、第2のトランスデューサアレイは、一次元線形アレイまたは二次元アレイを含むことができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイは、少なくとも3つの非共線トランスデューサ素子を含むことができる。非共線トランスデューサ素子は、第1の装置によって生成されたワイヤレス信号に基づいて第1の装置の三角測量を実行するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイは、別個のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイは、少なくとも1つの同じ(例えば、共有される)トランスデューサ素子を含んでもよい。例えば、第2のトランスデューサアレイは、1D線形アレイを含んでもよく、第1のトランスデューサアレイは、1D線形アレイの端部にある2つのトランスデューサ素子と、第2のトランスデューサアレイの一部分でなくてもよく、2つの端部トランスデューサ素子と同一直線上になくてもよい第3のトランスデューサ素子と、を含んでもよい。対照的に、1D線形アレイの各素子は同一線上にあり、三角測量が第1の装置を位置特定することを可能にしない。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイは、長方形の第2のトランスデューサアレイの四隅にまたはその近くに位置付けられたトランスデューサ素子を含んでもよい。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイは、第2のトランスデューサアレイのサブセットを含むことができる。
【0268】
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置に質問信号を送信するように構成された第3のトランスデューサアレイを備えることができる。第1の装置によって生成されたワイヤレス信号は、質問信号に応答して生成されるフィードバック信号を含むことができる。いくつかの変形例では、第3のトランスデューサアレイは、第1のトランスデューサアレイまたは第2のトランスデューサアレイのいずれかのサブセットであってもよく、1つ以上のトランスデューサ素子を含んでもよい。いくつかの変形例では、第3のトランスデューサアレイは、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイの各々とは別個のトランスデューサ素子を含むことができる。いくつかの変形例では、第2のトランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子は、第1の装置からワイヤレス信号を受信するように構成することができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデータ(例えば、生理学的データ)を含むことができる。いくつかの変形例では、第1のトランスデューサアレイおよび第2のトランスデューサアレイの1つ以上のトランスデューサ素子は、交互配置することができ、または、散在することができる。いくつかの変形例では、第2のトランスデューサアレイは、受信ワイヤレス信号の1つ以上のパラメータの補間および外挿のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、第1の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。例えば、(例えば、時間反転を使用して)電力を送信するための第2のトランスデューサアレイ素子の位相を決定するために、第1のトランスデューサアレイ素子上の受信ワイヤレス信号に対応する位相は、第1のトランスデューサアレイ素子および第2のトランスデューサアレイ素子の相対的な空間位置に基づいて補間または外挿することができる。
【0269】
g.ユーザプロンプト
いくつかの変形例では、第1の装置の正確な位置が知られていないため、患者は、患者の体内に配置された第1の装置に対して、身体上の外部の第2の装置を位置整合させる際に課題に直面する可能性がある。例えば、第1の装置(例えば、IMD)は、1つ以上の生理学的パラメータを監視するために、患者の体内に埋め込まれ得る。患者は、ワイヤレスで第1の装置を再充電し、第1の装置と通信するための第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)を提供され得る。
【0270】
いくつかの変形例では、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子は、本明細書において説明されるように、第1の装置の質問のために質問信号を送信するように構成することができる。第2の装置の1つ以上のトランスデューサ素子は、質問信号に応答して第1の装置によって送信され得るフィードバック信号を受信するように構成することができる。いくつかの変形例では、受信フィードバック信号は、フィードバック信号データを生成するために第2の装置のプロセッサによって処理することができ、フィードバック信号データに基づいて第2の装置の調整(例えば、再位置付け)のためのユーザプロンプトを提供することができる。
【0271】
いくつかの変形例では、ロケーション通知を含むユーザプロンプトが、フィードバック信号に基づいて第2の装置を再位置付けするようにユーザに指示するために生成され得る。いくつかの変形例では、ロケーション通知を生成することは、第1の装置の空間経路の推定に基づくことができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、異なるトランスデューサ素子上の受信フィードバック信号の強度を測定するように構成することができる。第2の装置は、第2の装置が第1の装置と位置整合されているか否かを決定するように構成することができる。例えば、第2の装置の左側に向かうトランスデューサ素子が、第2の装置の右側と比較して、第1の装置からより強い(高振幅の)フィードバック信号を受信した場合、第2の装置の中心は、第2の装置が左に動かされている場合に、第1の装置とより良好に位置整合され得る。これらの変形例のいくつかでは、第2の装置がより有利に中心合わせされるか、または第1の装置に電力を供給するように位置付けられ、それによってワイヤレスリンク効率を改善することができるように、第2の装置を左に向かって空間的に調整するようにユーザに指示するユーザプロンプトまたはロケーション通知を生成することができる。
【0272】
いくつかの変形例では、第2の装置の異なるトランスデューサ素子によって受信されたものとしてのフィードバック信号の相対的な電力および/または電圧振幅を比較することができる。比較の結果に基づいて、ユーザプロンプトは、第2の装置の再位置付けにおいて、第2の装置のトランスデューサアレイの中心により近い素子、または第2の装置の好ましいトランスデューサ素子(例えば、効率が高いことが知られているか、または適切に機能することが知られている)が、第1の装置に中心合わせされ得るか、またはより近くに位置付けられ得るように、ユーザに指示することができる。
【0273】
いくつかの変形例では、第2の装置は、いくつかの変形例の所定の順序を含む任意の順序で質問信号を送信するために、異なるトランスデューサ素子を循環するように構成することができる。いくつかの変形例では、第2の装置の3つ以上のトランスデューサ素子によって受信されたフィードバック信号を処理して、第2の装置に対する第1の装置の三角測量およびおおよそのロケーションの決定を実行することができる。これらの変形例のいくつかでは、フィードバック信号データは、第1の装置のロケーション(例えば、第1の装置のX、Y、および/またはZ座標)に対応するデータを含むことができる。いくつかの変形例では、フィードバック信号から導出された第1の装置のロケーションに対応するデータを使用して、ユーザプロンプトを通じて、第2の装置を第1の装置に対して空間的に調整するかまたは中心合わせする(例えば、第1の装置が第2の装置の中心軸の近くに位置する場合)ようにユーザに指示することができる。
【0274】
いくつかの変形例では、第1の装置が第2の装置のトランスデューサ素子の所定のセットに対して有利に位置付けられるように、第2の装置を空間的に調整するようにユーザに指示するためのユーザプロンプトを生成することができる。例えば、第2の装置の異なるトランスデューサ素子が異なる効率(例えば、電気-音響変換効率)および/またはインピーダンス特性を含む場合、トランスデューサ素子の所定のセットは、第1の装置との高い全体的なリンク効率を達成するために、より高い効率および有利なインピーダンスプロファイルを含むことができる。
【0275】
いくつかの変形例では、空間調整は、第2の装置の軸を第1の装置の空間経路と位置整合させることを含むことができる。例えば、いくつかの変形例では、第2の装置は、一次元(1D)線形超音波トランスデューサアレイを備えることができ、空間調整は、アレイの開口および仰角のうちの1つ以上を第1の装置の空間経路と位置整合させることを含むことができる。主に第1の装置の空間経路に沿って1Dアレイの仰角を位置整合させることにより、仰角方向に沿ったビーム幅をより大きくする(例えば、数センチメートルほど)ことを可能にすることができる。ビーム幅が十分に大きいことによって、動作中であっても、第1の装置の焦点がほぼ合ったままになることを保証することができる。1Dアレイの開口を主に第1の装置の空間経路に沿って位置整合させることの利点は、アレイ素子を位相調整することによってビームをその方向にステアリングし、したがって運動中の第1の装置の追跡を可能にすることであり得る。
【0276】
いくつかの変形例では、第1の装置および第2の装置のうちの1つ以上の電力状態を含む電力通知を生成することができる。いくつかの変形例では、ユーザは、電力通知に基づいて、第1の装置および/または第2の装置を再充電することができる。いくつかの変形例では、第1の装置から受信されたデータと、生理学的パラメータデータと、第1の装置および第2の装置のうちの1つ以上のパラメータデータと、のうちの1つ以上に対応する通信通知を生成することができる。データは医療専門家に提供することができ、患者の治療を案内するために使用することができる。
【0277】
h.アクセス期間
いくつかの変形例では、心臓に埋め込まれた第1の装置(例えば、IMD)は、第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)に対して、空間経路(例えば、軌道)に沿って動き、および/または回転する場合がある。例えば、これは心臓のポンプ作用および/または呼吸に起因し得る。そのような動きに起因して、第1の装置は、空間経路の一部分中のみ、第2の装置からワイヤレス信号を効率的に受信および送信することが可能であり得る。第1の装置が空間経路の効率的な部分に存在する継続時間は、アクセス期間と称され、図10に関連して説明される。
【0278】
いくつかの変形例では、アクセス期間(1092)は、図10に示されるように、心周期(1090)に対して短いものであり得る。超音波ビームのスポットサイズがミリメートルスケールであり得、一方で第1の装置またはIMD(1010)の空間経路(1080)が数センチメートルに及び得るため、これは、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータ転送に超音波エネルギーを使用することができるシステムに当てはまり得る。いくつかの変形例では、第1の装置の空間経路は、第2の装置によって追跡することができ、第2の装置の1つ以上のトランスデューサ構成は、空間経路に沿った第1の装置の複数の異なる位置について決定することができる。この技法は、空間経路全体にわたってワイヤレスリンクを維持するのに有用であり得る。いくつかの変形例では、本明細書において説明されるような異なる手法を使用して、動いている第1の装置とワイヤレス信号を交換することができる。いくつかの変形例では、そのような手法は、1つ以上のアクセス期間中にのみ、第1の装置とワイヤレス信号を交換することに関与することができる。
【0279】
いくつかの変形例では、アクセス期間予測技法を使用して、アクセス期間を求め、および/または予測することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、生理学的パラメータ(例えば、圧力、心拍数などのような心臓パラメータ、および/または呼吸数など)を測定するように構成することができ、このパラメータに基づいてアクセス期間を予測または決定するように構成することができる。例えば、左心室(LV)に埋め込まれた第1の装置は、LV内の血圧波形を測定することができる。LV内の圧力が比較的安定または一定である継続時間は、第1の装置が第2の装置に対して比較的静止している継続時間に対応し得、アクセス期間に対応する。
【0280】
いくつかの変形例では、図11に示すように、第2の装置は、生理学的パラメータ(例えば、ECG、心拍数、心音、血圧などのような心臓パラメータ、および/または呼吸数など)を測定するように構成することができ、このパラメータに基づいてアクセス期間を予測または決定するように構成することができる。例えば、外部ワイヤレス装置などの第2の装置は、心拍数またはECG信号(1110)を測定するように構成することができる。付加的に、または代替的に、第2の装置は、図11に示されるように、聞こえた音(1120)を測定することができる。測定されたECGおよび/または聞こえた音の信号に基づいて、第2の装置は、心周期中のアクセス期間の開始時間(1130)を決定するように構成することができる。例えば、アクセス期間(1192)の開始時間(1130)は、心音(例えば、S2)の検出後の、所定の時間遅延(例えば、約100ms)に設定され得る。いくつかの変形例では、アクセス期間は拡張期中に発生し得る。
【0281】
いくつかの変形例では、アクセス期間は、1つ以上の心臓パラメータまたは他のデータの現在の測定値に基づいて予測または決定され得る。いくつかの変形例では、アクセス期間は、1つ以上の心臓パラメータまたは他のデータの以前の測定値に基づいて予測され得る。
【0282】
いくつかの変形例では、第1の装置および/または第2の装置は、いかなる心臓パラメータ測定にも依拠することなくアクセス期間を予測または決定するために、別の装置に周期的に質問するように構成することができる。例えば、第2の装置は、第1の装置に周期的なビーコンを送信し、第1の装置がビーコンの受信を確認応答するのを待つことができる。確認応答の受信時に、第2の装置は、第1の装置との信号交換を実行するように構成することができる(例えば、第1の装置にワイヤレス電力を転送する)。
【0283】
i.アップリンクデータ転送
第1の装置(例えば、IMD)から第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)への信頼性の高いアップリンクデータ転送は、治療で使用するための身体からの生理学的データの正確な回復を可能にすることができる。いくつかの変形例では、心臓に隣接して埋め込まれた第1の装置から送信される超音波アップリンク信号は、1つ以上の方向における種々の組織構造または境界(例えば、肋骨、肺など)からの反射(例えば、マルチパス伝播)を受ける可能性がある。反射は、第2の装置によって受信されたアップリンクデータに干渉する可能性があり、第2の装置によって復号化されるデータにエラーをもたらす可能性がある。
【0284】
いくつかの変形例では、第2の装置のトランスデューサ構成(例えば、サブアレイ)は、本明細書に記載の任意の技法を使用する第1の装置の位置特定に基づいて、第1の装置のロケーションへのビームフォーミングを受信するために選択することができる。いくつかの変形例では、アップリンクデータは、本明細書において説明されるように、間隔ベースの給電と同様に、1つ以上のアップリンクデータ間隔において第1の装置から第2の装置に転送することができる。これは、時間の経過とともに第2の装置に対して動く/回転する可能性がある第1の装置にとって有益であり得る。いくつかの変形例では、第2の装置は、アップリンクデータ間隔におけるデータの受信を確認応答する信号(例えば、デジタルデータビットを含む)を第1の装置に送信することができる。例えば、第2の装置は、受信されたアップリンクデータビットの数と、アップリンクデータ間隔に対応する予測されるアップリンクデータビットの数との比較に基づいて、データの受信を確認応答することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置によって受信が確認応答されるまで第1の装置が第2の装置から確認応答信号を受信しなかったときに、次のアップリンクデータ間隔において対応するデータビットを再送信するように構成することができる。
【0285】
いくつかの変形例では、第1の装置と第2の装置との間のワイヤレスリンクは、肋骨または肺などの組織構造によって妨害される(例えば、遮蔽される)可能性がある。これらの変形例のいくつかでは、断続的なアップリンクデータ転送が、断続的な給電に類似した様式で実行され得る。第1の装置と第2の装置との間のリンク利得が好ましくないと判定された場合、アップリンクデータは、1つ以上のアップリンクデータ間隔において転送されなくてもよい。いくつかの変形例では、アップリンクデータ転送は、所定の時間遅延の後に再開することができる。例えば、所定の時間遅延の後、第2の装置は、第1の装置に質問信号を送信するように構成することができる。第1の装置から受信されたフィードバック信号に基づいて、第1の装置からアップリンクデータを効率的に受信するためのトランスデューサ構成を選択することができる。
【0286】
いくつかの変形例では、第2の装置の異なるトランスデューサ素子によって受信されたデジタルアップリンク信号が、アップリンク信号データを復号化するために、第2の装置のプロセッサによって処理され得る。例えば、いくつかの変形例では、第2の装置の少なくとも第1のトランスデューサ素子が、第1の装置の空間経路の第1の部分に対して十分なSNRを有するアップリンク信号を受信することができる。第2の装置の少なくとも第2のトランスデューサ素子が、第1の装置の空間経路の第2の部分に対して十分なSNRを有するアップリンク信号を受信することができる。いくつかの変形例では、第2の装置のプロセッサは、少なくとも第1のトランスデューサ素子および第2のトランスデューサ素子によって受信されたアップリンク信号を処理して、データビットを復号化するように構成することができる。プロセッサは、第1の装置によって送信されたすべてのデータビットを回復するために、データビットをともに合成または結合することができる。この技法は、第2の装置の任意の数のトランスデューサ素子に拡張することができる。
【0287】
いくつかの変形例では、プロセッサは、第1の装置から第2の装置へのアップリンクデータ転送がいつ完了するか、および/または、(例えば、電力転送が中断される可能性がある理由と同様の)何らかの理由で中断されるか否かを判定することができる。第1の装置および/または第2の装置は、データが失われないように適切に構成することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、(例えば、以前のアップリンクデータ間隔において)第1の装置によって第2の装置に以前に送信されたデータの受信を確認応答する信号を第1の装置に送信することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、データパケットが第2の装置に首尾よく送信され、受信が第2の装置によって確認応答された後にのみ、メモリ内のデータパケットを消去または上書きすることができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、以前に送信されたデータパケットについて第2の装置から確認応答を受信しなかった場合、そのデータパケットをメモリに保持し、第2の装置から確認応答信号が受信されるまで再送信することができる。
【0288】
いくつかの変形例では、一例として、第1の装置は、そのメモリ内の1つ以上のポインタ(例えば、メモリアドレスポインタ)を追跡することができる。ポインタは、第2の装置にすでに送信されており、および/もしくは第2の装置によって確認応答されている可能性のあるデータブロックのアドレスもしくは開始アドレス、ならびに/または、まだ第2の装置に送信されていない可能性のあるデータブロックのアドレスもしくは開始アドレスを符号化することができる。第2の装置から受信した確認応答に基づいて、第1の装置は、ポインタのうちの1つ以上を更新することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、フィードバック信号またはアップリンクデータを使用して、1つ以上のポインタの値を第2の装置にアップリンクするように構成することができる。
【0289】
いくつかの変形例では、第2の装置は、アップリンクデータ転送が、中断された場合、または、所定の時点までに完了した可能性があるデータ転送の一定の割合である場合、ユーザプロンプトに基づいてユーザに通知することができる。例えば、本明細書において説明する2つのポインタの差(例えば、送信済み/確認済みのデータブロックを指す1つのポインタ、および、第2の装置にまだ送信されていないデータブロックを指す別のポインタ)は、第2の装置によって首尾よく受信されたデータの割合を示すことができる。
【0290】
いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置へのアップリンクデータの送信を停止するように構成することができる。例えば、第1の装置からのフィードバック信号は、本明細書において説明されるように、そのメモリへのポインタの値を符号化することができ、これに基づいて、第2の装置は、第1の装置のメモリ内のデータのすべてが第2の装置によって首尾よく読み出された場合に、アップリンクデータの送信を停止するコマンドを第1の装置に送信することができる。いくつかの変形例では、記憶されたデータが第2の装置によって送信および確認応答された場合、第1の装置は、第2の装置へのアップリンクデータの送信を自動的に停止することができる。
【0291】
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置のデータが第2の装置によって首尾よく受信された割合、アップリンクデータ転送が完了しているか否か、アップリンクデータ転送が何らかの理由で中断されたか否か、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されないユーザプロンプトを生成することができる。ユーザは、ユーザプロンプトに基づいて、第2の装置の電池が少なくなっている場合は第2の装置の電池を再充電すること、第2の装置がずれている場合は第2の装置を再位置付けすること、アップリンクデータ転送が完了している場合は第2の装置をオフにして取り外すこと、それらの組み合わせなどのようなアクションを行うことができる。
【0292】
j.第1の装置のトランスデューサの選択
いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、アップリンク信号(例えば、フィードバック信号、データ)の送信、電力の受信、ダウンリンク信号(例えば、ダウンリンクデータ、コマンド)の受信、それらの組み合わせなどを含む異なる動作のために個別に選択することができる複数のトランスデューサ素子(例えば、複数の超音波トランスデューサ素子)を備えることができる。第1の装置のトランスデューサの選択は、第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置、ワイヤレス装置)とのロバストでエラーのないデータ通信を可能にすることができる。
【0293】
いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、ダウンリンク信号を受信するように構成された複数のトランスデューサを備えることができる。第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)は、ダウンリンク信号を送信するように構成することができる。複数のトランスデューサのうちの1つ以上は、受信されたダウンリンク信号に基づいて、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子の選択は、第1の装置によって、質問信号、電力、ダウンリンクコマンド、他のダウンリンク信号などのうちの1つ以上を含む、第2の装置から受信された1つ以上のダウンリンク信号を処理することによって実行することができる。いくつかの変形例では、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子の選択は、第2の装置によってフィードバック信号、アップリンクデータなどのうちの1つ以上を含む、第1の装置から受信した1つ以上のアップリンク信号を処理し、ダウンリンクコマンドを使用して第1の装置にこのデータを通信することによって実行することができる(例えば、第2の装置は、動作のために1つ以上の特定のトランスデューサ素子を動作に使用するように第1の装置をプログラムすることができる)。
【0294】
いくつかの変形例では、動作のための第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子の選択は、質問信号などのダウンリンク信号から、最高の電力もしくは電圧、または所定の閾値を上回る電力もしくは電圧を受信した1つ以上のトランスデューサ素子を決定することに基づくことができる。第1の装置のトランスデューサ素子の選択は、本明細書において説明される受信フィードバック信号に基づく第2の装置のトランスデューサ素子の選択に類似し得る。
【0295】
いくつかの変形例では、第1の装置の1つのトランスデューサ素子のみが、動作(例えば、電力の受信、ダウンリンク信号の受信、アップリンク信号の送信)のために選択され得る。例えば、第1の装置のプロセッサは、トランスデューサ素子の各々によって受信された質問信号を処理し、質問信号から最高の電力または電圧を受信したトランスデューサ素子を決定し、アップリンクデータなどのアップリンク信号を送信するためにそのトランスデューサ素子を選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、トランスデューサ素子に結合することができるスイッチまたはスイッチネットワークを備えるマルチプレクサおよび/またはデマルチプレクサ回路を備えることができる。いくつかの変形例では、スイッチは、選択されたトランスデューサ素子のみを使用してアップリンク信号を送信するために、選択されたトランスデューサ素子のみをアップリンクデータ送信機に接続するように構成することができる。これにより、第2の装置との最良リンク利得を有するトランスデューサ素子の選択を可能にすることができ、SNRが高くビットエラーレートが低いロバストなデータリンクが得られる。いくつかの変形例では、第1の装置の複数のトランスデューサのうちの1つ以上は、受信されたワイヤレス電力の第2の周波数とは異なる第1の周波数で、第2の装置とワイヤレスデータを交換するように構成することができる。
【0296】
いくつかの変形例では、第1の装置は、プロセッサをさらに備えることができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、受信されたダウンリンク信号に基づいて、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するように構成された複数のトランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、受信されたダウンリンク信号のうちの1つ以上に基づいて選択を周期的に更新するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、複数のトランスデューサのうちの1つ以上のダウンリンク信号の受信信号強度を計算し、複数のトランスデューサのうちの1つ以上の受信信号強度を互いに比較するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するために、所定の閾値を超える受信信号強度に対応する複数のトランスデューサのうちの1つ以上を選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、第2の装置にアップリンク信号を送信するための最大受信信号強度に対応する1つのトランスデューサを選択するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、ダウンリンク信号に基づいて1つ以上のダウンリンクコマンドを復号化するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、ダウンリンクコマンドのうちの1つ以上の復号化に基づいて、第2の装置と、ワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための1つ以上のトランスデューサを選択するように構成することができる。
【0297】
図12は、このシステムの例示的な変形例による第1の装置(1210)のブロック図を示している。第1の装置(1210)のトランスデューサ(1220)は、複数のトランスデューサ素子(1222、1224、1226)を備えることができる。第1の装置(1210)は、第2の装置(図示せず)から、質問信号、電力などのようなダウンリンク信号(1240)を受信するように構成することができる。各トランスデューサ素子(1222、1224、1226)は、ダウンリンク信号から(例えば、第2の装置に対するトランスデューサ素子の向きに起因して)異なる電圧または電力を受信することができる。複数のトランスデューサ素子(1222、1224、1226)によって受信された電圧(1250)を比較することができる。図12に示されるように、1つのトランスデューサ素子(1224)は、他のトランスデューサ素子(1222、1226)と比較して最も高い電圧振幅を受信し得る。第1の装置(1210)のプロセッサは、複数のトランスデューサ素子が受信する電圧振幅(VP1、VP2、VP3、その各々は開回路電圧であり得る)を比較して、デマルチプレクサ回路(1236)に提供される選択信号(1つ以上のデジタル制御ビットを含む)を生成することができる感知および処理回路(1232)を備えることができる。デマルチプレクサ回路(1236)への入力は、アップリンクデータ送信のための電力増幅回路の出力などのデータ通信回路(1234)の出力であり得る。デマルチプレクサ回路(1236)は、アップリンクデータ送信のために、他のトランスデューサ素子(1222、1226)ではなく、1つのトランスデューサ素子(1224)をデマルチプレクサ回路(1236)の入力に接続するように選択信号によって構成することができる1つ以上のスイッチまたはスイッチネットワークを含むことができる。(スイッチを使用して)ここで考察されるデマルチプレクサ回路の特定の回路実装態様は一例であり、周波数ベースの選択(例えば、フィルタを使用)、振幅ベースの選択、サーキュレータ、ダイオードまたは受動装置などを使用するなど、他の変形例が可能であり得ることを理解されたい。付加的または代替的に、電力またはダウンリンク信号(例えば、データ、コマンド)を受信するなどの動作のためにトランスデューサ素子が選択され得るいくつかの変形例では、第1の装置(1210)は、アップリンクデータ送信のためのデマルチプレクサ回路に類似し得る、マルチプレクサ回路(図示せず)を備えることができる。マルチプレクサ回路は、感知および処理回路(1232)によって構成または制御することができる。
【0298】
いくつかの変形例では、選択されるトランスデューサ素子のみを整流器またはAC-DC変換器などの電力回路に構成または接続することによって、第2の装置から電力を受信するなどの動作のために、選択されるトランスデューサ素子を選択することができる。例えば、スイッチは、各トランスデューサ素子と電力回復回路(例えば、整流器)との間に実装されてもよい。電力回復中、選択されるトランスデューサ素子と電力回復回路との間の1つ以上のスイッチがオンになり得、他のトランスデューサ素子と電力回復回路との間の1つ以上のスイッチがオフになり得る。
【0299】
いくつかの変形例では、選択されるトランスデューサ素子は、ダウンリンク信号(例えば、ダウンリンクデータ、コマンドなど)を受信するなどの動作のために選択することができる。例えば、第1の装置のプロセッサは、ダウンリンクデータおよび/またはコマンドを復号化するために、選択されるトランスデューサ素子(例えば、質問信号またはダウンリンク信号から最高の電圧または電力を受信するトランスデューサ素子)のみによって受信されたダウンリンク信号を処理することができる。
【0300】
いくつかの変形例では、第1の装置の2つ以上のトランスデューサ素子を、動作のために選択することができる。例えば、いくつかの変形例では、第1の装置のプロセッサは、そのトランスデューサ素子によって受信されたダウンリンク信号(例えば、質問信号)の相対的な位相または遅延を測定するように構成することができる。測定データは、アップリンク信号を送信するための適切な位相、遅延、および/または振幅によってトランスデューサ素子を駆動するために使用することができる。これは、2つ以上のトランスデューサ素子を使用して信号を送信しているときに、望ましくない信号相殺(ヌルローブなど)を回避するのに有益であり得る。いくつかの変形例では、第1の装置は、望ましくない信号相殺が生じ得ないことが知られているかもしくは予測可能である場合、(設計の複雑さを最小限にするために)同じ位相でまたは適切な位相で、複数のトランスデューサ素子(例えば、すべてのトランスデューサ素子)上でアップリンク信号を送信することができる。別の例として、いくつかの変形例では、第1の装置の2つ以上のトランスデューサ素子は、電力またはDC結合などの技法を使用することによって、第2の装置から電力を受信するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置の各トランスデューサ素子が、電力の受信、ダウンリンク信号の受信、および/またはアップリンク信号の送信などの動作のために選択され得る。
【0301】
いくつかの変形例では、動作のために第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子を選択することに加えて、駆動信号、または信号がそれらのトランスデューサ素子から受信される方式も構成することができる。例えば、第1の装置および/または第2の装置は、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子を選択することに加えて、アップリンク信号を送信するための、アップリンク信号の周波数、位相、遅延、振幅、電力、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を決定することができる。
【0302】
いくつかの変形例では、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子(および/またはそれらの対応する駆動信号、もしくはそれらから信号が受信される方式)の選択は、本明細書において説明される方法のいずれかの実行中にいつでも実行することができる。例えば、第1の装置の1つ以上のトランスデューサ素子の選択、および/またはそれらの駆動信号(例えば、周波数、振幅など)の決定は、間隔ベースのアップリンクデータ転送中のすべてのアップリンクデータ間隔の開始時に実行されてもよい。
【0303】
k.トランスデューサが単一の第1の装置
いくつかの用途では、第1の装置(例えば、IMD)は、質問信号の受信、電力の受信、ダウンリンクデータ信号の受信およびアップリンク信号の送信などの複数の異なるワイヤレス機能を実行するように構成された単一のトランスデューサ(例えば、単一の超音波トランスデューサ)を備えることができる。これにより、第1の装置の小型化を可能にすることができる。第1の装置は、単一のトランスデューサを使用して送信/受信される様々な信号を分離するように構成されたマルチプレクサ回路をさらに備えることができる。いくつかの変形例では、マルチプレクサ回路は、いくつかの変形例では第1の装置のプロセッサの構成要素であり得るコントローラ回路によって制御することができる。マルチプレクサ回路は、第2の装置から質問信号および電力/ダウンリンクデータを受信すること、ならびに、第2の装置にアップリンク信号を送信することなどの複数の異なる動作のために構成することができる。下記に提示される解決策は、スイッチを含むマルチプレクサ回路に関して考察されるが、前述のようなマルチプレクサ回路の他の変形例がここで適用可能であり得る。
【0304】
いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置から第1の装置によって受信された質問信号を検出するように構成されたウェイクアップ受信機回路を備えることができる。ウェイクアップ受信機回路は、包絡線検出器回路、コード検出器またはデコーダ回路、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの変形例では、ウェイクアップ受信機回路は、マルチプレクサ回路に結合することができる。マルチプレクサ回路は、コントローラ回路によって、デフォルトの動作モードでウェイクアップ受信機回路をトランスデューサに結合する(例えば、スイッチを使用して接続する)ように制御することができる。例えば、デフォルトの動作モードは、所定の質問信号を受信する前の第1の装置のモードであり得る。例えば、デフォルトモードでは、第1の装置は、感知などの機能を自律的に実行してもよく、または、いかなる機能も実行しなくてもよい(すなわち、スリープ状態にあってもよい)。マルチプレクサ回路のこの構成は、第1の装置が、第2の装置によって送信される任意のアドホック質問信号を検出するための準備ができている(例えば、スタンバイ状態にある)ことを可能にすることができる。
【0305】
いくつかの変形例では、マルチプレクサ回路は、電力回復回路(例えば、整流器)がデフォルトモードでトランスデューサから接続切断されたままになるように構成することができる。質問信号が受信されると、ウェイクアップ受信機回路は、質問信号を(例えば、包絡線検出を介して)検出し、コントローラ回路に提供することができるウェイクアップ信号を生成することができる。いくつかの変形例では、ウェイクアップ受信機回路は、質問信号の振幅が閾値を超えるか、または特定のコードもしくは埋め込まれたコマンドを有し、またはその両方であるときにウェイクアップ信号を生成することができる。
【0306】
いくつかの変形例では、コントローラ回路は、ウェイクアップ信号を受信すると、電力回復回路をトランスデューサに接続するようにマルチプレクサ回路を制御することができる。これにより、第1の装置が、その後第2の装置によって第1の装置に送信される電力信号から電力を回復することを可能にすることができる。
【0307】
いくつかの変形例では、コントローラ回路は、第2の装置にアップリンク信号(例えば、フィードバック信号)を送信するために、ウェイクアップ信号を受信すると、トランスデューサを送信機回路に結合するようにマルチプレクサ回路を制御することができる。例えば、第1の装置は、受信された質問信号の振幅をサンプリングし、それをデジタル化し、次いで、このデジタル化振幅をフィードバック信号として第2の装置に送信するように構成することができる。付加的または代替的に、フィードバック信号は、第1の装置による質問信号の受信を第2の装置に対して確認応答するための、1つ以上のアナログパルス、および/または1つ以上のデジタルビットを含んでもよい。フィードバック信号のうちの1つ以上を受信すると、第2の装置は、第1の装置の位置特定を実行し、および/または第1の装置との効率的なリンクを確立するためのトランスデューサ構成を選択することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、次いで、第1の装置に電力を送信することができる。いくつかの変形例では、第1の装置のコントローラ回路は、フィードバック信号の送信時にトランスデューサ回路をトランスデューサから分離するように、マルチプレクサ回路を制御することができる。いくつかの変形例では、送信機回路の分離と同時にまたはその後に、コントローラ回路は、トランスデューサをウェイクアップ受信機回路と結合するように(すなわち、デフォルトモードに戻って、第2の装置からの別の質問信号を待つ)、または、または電力回復回路と結合するように(第2の装置から送信される電力を回復するために)、マルチプレクサ回路を制御することができる。
【0308】
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置からフィードバック信号を受信した後、次に電力信号を送信することを示すためのコマンドまたはコードを第1の装置に送信することができる。いくつかの変形例では、ウェイクアップ受信機回路は、そのようなコードを検出し、対応する信号をコントローラ回路に提供することができる。次いで、コントローラ回路は、電力回復回路をトランスデューサに結合して、電力を受信するように第1の装置を構成することができる。
【0309】
いくつかの変形例では、コントローラ回路は、給電の終了後にトランスデューサを電力回復回路から接続切断するように、マルチプレクサ回路を制御することができる。次いで、コントローラ回路は、トランスデューサをウェイクアップ受信機回路に再接続することができる(すなわち、デフォルトモードに戻る)。いくつかの変形例では、コントローラ回路は、給電の終了後にトランスデューサを電力回復回路から分離するように、マルチプレクサ回路を制御することができる。次いで、トランスデューサを送信機回路に結合して、第2の装置にフィードバック信号を送信することができる(例えば、第1の装置のエネルギー状態を伝達する)。次いで、トランスデューサをウェイクアップ受信機回路に結合することができる(すなわち、デフォルトモードに戻る)。いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置に給電の終了を伝達することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、受信電力信号の立ち下がりエッジの後に(例えば、タイムアウトに基づいて)これらのステップを自動的に実行することができる。
【0310】
いくつかの変形例では、マルチプレクサ回路は、ウェイクアップ受信機回路と電力回復回路の両方をデフォルトモードでトランスデューサに結合したままにするように構成することができる。これにより、第1の装置は、電力を回復し、および/または質問信号からそのエネルギー貯蔵装置を充電することが可能になり得る。
【0311】
l.ダウンリンク信号振幅検出
いくつかの変形例では、第2の装置は、第1の装置データを使用して、送信電力を第1の装置向けに調整し、および/または第1の装置とワイヤレス電力/データを効率的に交換するためのトランスデューサ構成を選択することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、質問信号、電力信号、ダウンリンクデータなどのような受信ダウンリンク信号の振幅を検出するように構成することができる。例えば、第1の装置は、第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)から受信されたダウンリンク信号(例えば、超音波トランスデューサのピーク電圧)の振幅を検出するように構成することができる。振幅は、閾値と比較するか、またはデジタル化することができる。デジタル化された振幅または比較結果を含むフィードバック信号を、第2の装置に送信することができる。
【0312】
いくつかの変形例では、第1の装置は、超音波トランスデューサによって受信されたダウンリンク信号の電圧振幅に対応する第1の出力電圧を生成するために、第1の装置の超音波トランスデューサに結合された第1の包絡線検出器回路を備えることができる。第1の包絡線検出器回路は、ピーク検出器回路、整流器などを含んでもよい。いくつかの変形例では、第1の出力電圧は、第1の装置の超音波トランスデューサによって受信された電圧の振幅、またはその電圧の最大値に比例してもよく、または等しくてもよい。例えば、第1の包絡線検出器回路は、コンデンサ(C)および抵抗器(R)の並列の組み合わせと直列のダイオードを含むことができる。いくつかの変形例では、Rは非常に大きいか無限大であり得る(すなわち、抵抗器がない)。
【0313】
いくつかの変形例では、第1の装置が第1の出力電圧をサンプリングすることを可能にするような時間またはサンプリングトリガを決定することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、超音波トランスデューサによって受信された電圧振幅を推定するために、第1の包絡線検出器回路の第1の出力電圧をサンプリングするように構成することができる。
【0314】
いくつかの変形例では、第1の装置は、サンプリングトリガを決定するために、第1の装置の超音波トランスデューサに結合された第2の包絡線検出器回路を備えることができる。第2の包絡線検出器回路は、超音波トランスデューサによって受信されたダウンリンク信号の電圧振幅に対応する第2の出力電圧を生成するように構成することができる。いくつかの変形例では、第2の包絡線検出器回路は、第1の包絡線検出器回路よりも応答時間が速くなるように構成することができる。例えば、第2の包絡線検出器回路は、コンデンサCおよび抵抗器Rの並列の組み合わせと直列のダイオードを含むことができ、その結果、出力時定数Cは第1の包絡線検出器回路の出力時定数Cよりよりも小さくなる(例えば、10倍超小さい)。したがって、第2の出力電圧は、ダウンリンク信号の立ち下がりエッジ時に第1の出力電圧よりも速く降下し得る。いくつかの変形例では、第2の出力電圧の立ち下がり遷移を直接使用するか、または処理して(例えば、1つ以上のインバータを使用して)、第1の出力電圧をサンプリングするためのサンプリングトリガを生成することができる。サンプリングされた第1の出力電圧は、第1の装置の超音波トランスデューサによって受信されたダウンリンク信号の振幅を表すことができる。
【0315】
いくつかの変形例では、タイマまたは遅延発生器回路が、第1の装置によるダウンリンク信号の受信(または立ち上がりエッジ)後の所定の継続時間にわたって第1の出力電圧をサンプリングするように構成され得る。これらの変形例のいくつかでは、第2の包絡線検出器回路は必要ない。
【0316】
m.第1の装置のモード質問
システムが適切に機能するために、第1の装置は、質問イベントを検出し、質問に適切に応答するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、デフォルトで第1のモードで動作することができる。例えば、第1のモードは、第1の装置が生理学的パラメータを周期的に感知するように構成され得る感知モードであってもよい。第1のモードは、第1の装置が休止中であり、第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)からの質問信号を待つことができるスリープモードであってもよい。第1のモード中、第1の装置は、第1の装置のエネルギー貯蔵装置(例えば、電池)を再充電するため、および/またはデータを交換するために、第2の装置によって質問され得る。
【0317】
いくつかの変形例では、第1の装置は、第1の装置の1つ以上の超音波トランスデューサによって受信された超音波信号を監視するように構成されたウェイクアップ受信機回路を備えることができる。いくつかの変形例では、ウェイクアップ受信機回路は、第2の装置によって質問信号に符号化されたシグニチャまたはコードを検出して、質問の目的を決定するように構成することができる(例えば、第2の装置は第1の装置を再充電することを意図しているか、または、第2の装置は、第1の装置に記憶されているデータを復元することを意図している)。いくつかの例では、ウェイクアップ受信機回路は、包絡線検出器、比較器、およびデコーダ回路を備えることができる。
【0318】
いくつかの変形例では、第1の装置は、フィードバック信号を使用して第2の装置の質問信号に応答することができる。付加的に、または代替的に、1つ以上の信号のうちの1つのハンドシェイクが、第2の装置と第1の装置との間で交換され得る。いくつかの変形例では、第1の装置は、質問信号の検出時、第1のモードを停止し、第2の動作モードを開始するようにそれ自体を構成することができる(すなわち、質問信号により、第1の装置がその第1の動作モードを無効にし、第2のモードに入ることができる)。例えば、第2のモードは、第1の装置が少なくとも1つのアップリンク信号を使用してその記憶されたデータを送信するようにそれ自体を構成することができるワイヤレスアップリンクモードを含んでもよい。いくつかの変形例では、第1の装置は、質問信号の検出時、第1のモードに加えて第2のモードで動作するようにそれ自体を構成することができる。例えば、第2のモードはワイヤレスアップリンクモードであってもよく、第1のモードは感知モードであってもよい。第1の装置は、2つのモードに対応する機能を時分割多重化し、またはそれらを同時に実行するように構成することができる。いくつかの変形例では、アップリンクデータ転送は、1つ以上の間隔にわたって起こり得(例えば、間隔ベースの給電と同様の間隔ベースのデータ転送)、これは、動いている第1の装置からのデータ復元を支援することができる。データ転送が完了した後、第1の装置は自動的に第1のモードに戻ってもよい。いくつかの変形例では、第2の装置は、ダウンリンク信号を使用して第1の装置にコマンドを送信して、アップリンクデータ転送の完了前または完了後に第1の装置を第1のモードに戻すように構成することができる。
【0319】
いくつかの変形例では、付加的または代替的に、1つ以上のフィードバック信号に基づいて、第2の装置は、そうすることによって第2のモードで信号(電力、データ)の交換を改善することができる場合に、第2の装置を手動で調整するようにユーザに指示するユーザプロンプト(例えば、フィードバック)を生成することができる。いくつかの変形例では、質問時にフィードバック信号が受信されない場合、または1つ以上の受信フィードバック信号に基づいて、第2の装置は、医療専門家に相談するようにユーザに指示するユーザプロンプトを生成することができる。
【0320】
F.ゲージ圧推定
いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、心腔または血管中などの、血圧に対応する絶対圧を直接測定するように構成することができる。例えば、絶対圧力値は、真空または既知の圧力を参照することができる。ゲージ圧を、絶対圧力測定値から推定することができる。ゲージ圧は、周囲空気圧または大気圧を参照することができる。ゲージ圧は、第1の装置によって測定された絶対圧から大気圧を減算することによって事前に決定することができる。したがって、いくつかの変形例では、第1の装置による絶対圧測定に加えて、対応する大気圧の測定により、疾患の監視および治療のためのゲージ圧の正確な決定を可能にすることができる。測定された絶対圧からゲージ圧を推定するためのシステム、装置、および方法が本明細書に記載されている。
【0321】
いくつかの変形例では、患者の心不全の進行を監視するために、左心室拡張末期圧(LVEDP)を測定することができる。LVEDP値(ゲージ圧値であってもよい)は、典型的には低く、例えば、約0mmHg~約40mmHgの範囲内にあり得る。患者のロケーションにおける大気圧または周囲圧力は変動する可能性があり、気象条件、周囲温度、患者が飛行機に乗っているか否か、海面に対する患者の高度、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されないいくつかの要因に依存し得る。例えば、海面における大気圧は約760mmHgであり得、一方、高度約500mでは約720mmHgであり得る(海面と比較して、LVEDPほどである40mmHgの差)。したがって、大気圧の正確な決定は、この例のLVEDP、および一般的な血圧の正確な推定にとって重要であり得る。いくつかの変形例では、第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)は、大気圧を測定するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置とは独立して)、すなわち、第2の装置によって圧力を測定するように同時に質問または命令されることなく、体内の絶対圧力を測定することができる。例えば、埋め込まれた第1の装置は、1日を通して連続的に血圧を監視するように構成することができる(例えば、第1の装置は、電池によって給電することができる)。第2の装置は、患者の胸部上に配置されなくてもよく、または患者によって常に携帯されなくてもよい。
【0322】
いくつかの変形例では、第2の装または任意の外部装置は、大気圧を測定するように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、第1の装置に給電および/または通信するように構成された第2の装置はまた、大気圧を測定するように構成された気圧センサまたは圧力センサも備えることができる。いくつかの変形例では、気圧センサは、電話機、スマートウォッチ、タブレットなどの外部装置上に配置されてもよい。付加的に、または代替的に、モバイルアプリなどのアプリケーションが、外部装置上で作動して大気圧値を記録および/または処理するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、第2の装置または任意の外部装置は、インターネットまたは別の装置から大気圧値を取得することができる。いくつかの変形例では、患者は、大気圧/周囲圧力値を取得、記録、および/または処理するように構成された第2の装置または外部装置を携帯することができる。例えば、大気圧を測定するように構成された第2の装置は、患者の携帯電話機に取り付けられてもよく、または患者とともに携帯され得る財布もしくはバッグに入れられてもよい。いくつかの変形例では、第2の装置は身体に装着されてもよい(例えば、パッチ、スリーブ、ストラップ、ベルトなどの形態で)。
【0323】
いくつかの変形例では、第1の装置によって測定された絶対圧測定値は、ゲージ圧を推定するために第2の装置によって後処理(例えば、ソフトウェア処理)することができる。後処理により、絶対圧データ内の大気圧または大気圧変動の特徴またはシグニチャを識別することができる。これらの特徴または変動を差し引いて、ゲージ圧を決定することができる。例えば、後処理は、絶対圧力データから大気圧変動を排除するために、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタを使用することを含むことができる。いくつかの変形例では、大気圧は血圧と比較してより遅い速度で変化し得る。いくつかの変形例では、絶対圧において大幅な偏差が検出された場合、ソフトウェア処理によってこれを大気圧の変化に帰することができる。いくつかの変形例では、後処理は、大気圧を推定し、その後ゲージ圧を推定するために、患者の移動履歴(例えば、移動時間/ロケーション)などのデータに基づくことができる。
【0324】
いくつかの変形例では、第1の装置は、大気圧を測定または推定するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、関心のある絶対圧(例えば、LV内の血液の絶対圧、関心のある組織または器官内の任意の生理学的圧力変化)と、大気圧の推定値または代理の両方を測定することによって、ゲージ圧および/またはゲージ圧と相関付けられる圧力を測定または決定するように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、第1の装置は、心腔または血管の内腔に配置された第1の圧力トランスデューサを備えることができる。第1の圧力トランスデューサは、血圧によって直接影響を受けるか、または血圧を直接感知することができる。第1の装置は、血圧によって直接影響を受け得ないか、または血圧を直接感知し得ないロケーション(例えば、心臓壁または中隔の内側)に位置付けまたは配置された第2の圧力トランスデューサをさらに備えることができる。いくつかの変形例では、第1の圧力トランスデューサおよび第2の圧力トランスデューサによって測定された信号の処理(例えば、一方を他方から差し引くこと)によって、所望のゲージ圧、ゲージ圧の代理、またはゲージ圧と相関付けることができる圧力のうちの1つ以上を提供することができる。いくつかの変形例では、単一の圧力トランスデューサが、心腔または血管の内腔の内側に位置する第1の部分と、血圧によって直接影響を受け得ないか、または血圧を直接感知し得ないロケーション(例えば、心臓壁または中隔の内側)に配置された第2の部分と、を備えることができる。いくつかの変形例では、異なる第1の装置(例えば、別のIMD)が、大気圧を測定するように構成されてもよい。例えば、第1の装置を皮膚のすぐ下(例えば、腕の皮膚の下数mm)に埋め込んで、大気圧、または、別の第1の装置によって測定される絶対血圧からゲージ圧を決定するために使用することができる基準圧力を測定することができる。
【0325】
いくつかの変形例では、絶対血圧の測定と大気圧の測定との間の時間同期を使用して、絶対血圧データから大気圧データを正確に差し引いてゲージ圧を推定することができる。例えば、異なる装置によって(例えば、第2の装置、任意の外部装置、または異なる第1の装置によって)測定された大気圧を、体内に配置された第1の装置の絶対血圧測定値と比較することができる。いくつかの変形例では、第1の装置および第2の装置は、ある時点において時間同期することができ、その後、両方の装置が、固定速度において圧力データを記録することができる。例えば、第2の装置および/または外部装置(例えば、電話機)ならびに第1の装置を、所定の日の午前9時に同期することができ、その後、第1の装置は、約5分ごとに1つ以上の絶対血圧値を記録することができる。第2の装置および/または外部装置(例えば、電話機)は、約5分ごとに1つ以上の大気圧値を記録することができる。第1の装置は、絶対血圧値をメモリに記憶することができる。付加的または代替的に、第1の装置は、記憶された絶対血圧のうちの1つ以上に対応する1つ以上の時点(例えば、時間、日付、第1の装置のカウンタまたはタイマに対応する値など)を記憶することができる。後続の期間の後(例えば、1時間以上、数日間などの後)、第2の装置は、第1の装置から(例えば、アップリンクデータ転送を介して)絶対血圧データをダウンロードすることができる。第2の装置は、第1の装置の絶対血圧データの時点と、第2の装置(または外部装置)の大気圧データの時点とを整合または同期させ、次いで減算を実行して、1つ以上の時点におけるゲージ圧値を決定することができる。
【0326】
G.超音波イメージング
いくつかの変形例では、第1の装置(例えば、IMD)は、1つ以上の生理学的パラメータ(例えば、血流)を測定するための画像化技法(例えば、経胸壁心エコー検査すなわちTTE)と併せて、1つ以上の生理学的パラメータ(例えば、血圧)を感知(例えば、測定)するように構成することができる。複数のモダリティを使用した測定は、患者の診断、監視、および治療(例えば、投薬の適切な調整)を改善することができる。例えば、心腔または血管に埋め込まれた第1の装置は、血圧を測定するように構成することができ、TTEは、患者の心臓または心腔の1つ以上の構造または動き(例えば、左心室流出路を通る流量または速度、LV収縮またはLV壁運動、人工弁尖の厚さ/運動など)を評価するために血液の流量または速度を測定することができる。いくつかの変形例では、TTEは、心不全、心臓弁膜症、人工弁機能不全、それらの組み合わせなどを有する患者を診断および/または監視するように構成された画像化技法のうちの1つであり得る。第1の装置による感知と組み合わせたTTEイメージングは、干渉を生成する可能性がある。例えば、TTEイメージングは、超音波信号を第1の装置の圧力トランスデューサに結合して、感知された圧力データを損なう可能性がある。同様に、第1の装置が、TTE手技中(例えば、血流速度測定のためのCWドプライメージング中)に(例えば、アップリンクデータ転送のために)超音波信号を送信すると、超音波信号に干渉し、TTEデータまたは画像のエラーまたは破損をもたらす可能性がある。
【0327】
いくつかの変形例では、第2の装置によって第1の装置に送信される超音波信号(例えば、質問信号、ダウンリンクデータ、コマンドなど)は、特定のコード(例えば、ID、コマンド)を符号化することができる。第1の装置は、そのようなコードを検出(例えば、復号化)すると、受信信号に応答することができる。信号符号化は、TTEなどの画像化手技に起因して誤って生成される信号送信(例えば、フィードバック信号、超音波応答信号)を低減することができる。
【0328】
いくつかの変形例では、第1の装置は、TTEなどの超音波イメージングが実行されていない期間中に、感知モードなどの第1のモードで動作するように構成することができる。感知モードでは、第1の装置は、血圧などの生理学的パラメータを周期的に監視またはサンプリングし、生理学的パラメータデータをそのメモリに記憶するように構成することができる。例えば、感知モードにある第1の装置は、血圧をサンプリングすること、サンプリングされた圧力値を処理すること(例えば、ピーク圧力、平均圧力を計算すること、特定の値を無視すること、それらの組み合わせなど)、処理されたデータ(または生理学的パラメータデータ)をそのメモリに記憶すること、第2の装置からワイヤレス信号(例えば、質問信号、電力、ダウンリンクデータ、コマンドなど)を受信すること、第2の装置にワイヤレス信号(例えば、フィードバック信号、アップリンクデータ)を送信すること、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。いくつかの変形例では、TTEなどの超音波イメージング手技を開始する前に、第2の装置は、TTEなどの超音波イメージングが実行されている期間中に第2のモード(例えば、波形記憶モード)において動作するように(例えば、ダウンリンクコマンドを介して)第1の装置を構成することができる。例えば、第2のモードにある第1の装置は、1つ以上の心周期にわたって圧力を複数回サンプリングし、圧力データ点をそのメモリに記憶することができる。サンプルは、患者の診断および/または監視に使用することができる。例えば、サンプルを処理して、1つ以上の心周期にわたって圧力の波形をプロットすることができる。いくつかの変形例では、超音波信号と圧力トランスデューサとの間の結合を軽減するための本明細書に記載の技法は、TTE信号と第1の装置の圧力トランスデューサとの間の結合の軽減と同様の様式で適用され得る。
【0329】
いくつかの変形例では、限られたメモリ容量を備える第1の装置は、波形記憶モードで動作する前に、第2の装置にデータを送信することができる。例えば、第2の装置は、波形記憶モードで動作する前に、第1の装置のメモリから(例えば、アップリンクデータ転送を介して)データ(例えば、感知モード中に捕捉されたデータ)をダウンロードして、一部またはすべてのメモリ空間を解放することができる(例えば、第1の装置は、第2の装置にデータを転送し、第2の装置からデータ受信を確認応答する信号を受信した後に、そのメモリを消去することができる)。これにより、1つ以上の圧力波形が第1の装置に記憶されることを可能にすることができる。
【0330】
いくつかの変形例では、TTEなどの超音波イメージングは、第1の装置が第2のモード(例えば、波形記憶モード)に構成された後に、1つ以上の生理学的パラメータを測定するために実行され得る。例えば、第1の装置は、第2のモードで動作して、1つ以上の心周期にわたって圧力波形(例えば、LV圧力波形)を感知および記憶するように構成することができる。次に、TTEを実施して、(例えば、左心室流出路すなわちLVOTにおいて)血流速度または流量を測定することができる。いくつかの変形例では、TTEは、速度または流量を測定するために、パルス波(PW)ドプライメージングまたは連続波(CW)ドプライメージングを使用してもよい。いくつかの変形例では、第1の装置は、1つ以上の心周期にわたる圧力波形に対応するデータをそのメモリに上書きし続けてもよく、または、メモリが容量に達すると自動的に別のモード(例えば、スリープモード)に移行してもよい。
【0331】
いくつかの変形例では、TTEが生理学的パラメータ(例えば、流量)を測定している間、第1の装置は、データ(例えば、感知された圧力波形データ)をリアルタイムで第2の装置にアップリンクするように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、TTE信号(例えば、PWドプラに対応するパルス)の存在を感知し、圧力を感知し、および/または、信号干渉を回避するために、TTE信号が存在しないときに第2の装置にアップリンク信号を送信するように構成することができる。例えば、第1の装置は、PWドプラに対応するパルスを感知するように構成することができ、任意選択的に、パルスの検出からPWドプラパルスの繰り返し率またはパルス繰り返し周波数(PRF)を決定することができる。第1の装置は、圧力を感知するように、および/または連続するPWドプラパルス間の間隙またはオフ時間中に第2の装置にアップリンク信号を送信するように構成することができる。付加的に、または代替的に、第1の装置は、測定されたPRFに基づいて、組織内のPWドプラの焦点とTTE源との間の距離を推定するように構成することができる。
【0332】
1つ以上のTTE手技の完了後、第2の装置は、第2のモードにある第1の装置によって記憶されたデータ(例えば、LV圧力波形データ)を(例えば、アップリンクデータ転送を介して)ダウンロードするように構成することができる。このようにして、医療専門家(例えば、心臓専門医)は、単一の検査手技中に第1の装置によって測定されるデータ(例えば、1つ以上の心周期にわたる圧力波形)およびTTEによって測定されるデータ(例えば、1つ以上の心周期にわたる流量)にアクセスすることができる。いくつかの変形例では、検査手技中のTTEなどの超音波イメージング手技の終わりに、第2の装置を使用して、第1の装置を第1のモード(例えば、感知モード)で動作するように(例えば、ダウンリンクコマンドを介して)構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、それ自体で(例えば、所定のタイムアウト後に)第1のモード(例えば、感知モード)に移行することができる。
【0333】
いくつかの変形例では、TTEなどの超音波イメージングは、第1の装置を第2のモード(例えば、波形記憶モード)において動作するように構成し、第2の装置を使用して第2のモードに対応するデータ(例えば、1つ以上の心周期にわたるLV圧力波形)をダウンロードした後に実行することができる。いくつかの変形例では、TTEなどの超音波イメージングは、第1の装置が第1のモードで動作している間に(例えば、第1の装置を第2のモードで動作するように構成する前に)実行することができる。
【0334】
H.長期パラメータ追跡
いくつかの変形例では、長期パラメータ追跡を使用して、患者の生理機能またはワイヤレスシステムのいずれかの変化を識別することができる。例えば、ワイヤレスリンク(例えば、リンク利得)の1つ以上のパラメータ(例えば、特質、特性、特徴)、ワイヤレスシステムに関連するパラメータ、患者の生理機能または疾患に関連するパラメータ、それらの組み合わせなど)を所定の期間(例えば、数時間、数日間、数週間、数ヶ月間、数年間)にわたって追跡することによって、ワイヤレスリンクおよび/またはワイヤレスシステムおよび/または患者の生理機能の変化および/もしくは障害または劣化の様態の識別を可能にすることができる。
【0335】
いくつかの変形例では、長期追跡は、第1の装置(例えば、IMD)に給電および/または通信するように構成された第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置)の「シード」または開始点として有用であり得る。例えば、いくつかの変形例では、第2の装置のトランスデューサ素子は、長期追跡に基づいて、以前に保存された値、または以前に記憶された値の外挿を使用して、質問信号、送信電力などを送信することができる。いくつかの変形例では、長期追跡は、患者の状態の診断または監視を支援することができる。例えば、LV壁に付着された第1の装置の位置または動きの長期追跡は、LV壁自体の動きに対応する有用なデータを生成することができ、これは、患者の心不全の進行を監視するために使用することができる。
【0336】
本明細書において使用される場合、長期間にわたって追跡(例えば、測定、感知、推定、識別、検出)されたパラメータ(例えば、特性、特徴)が、追跡パラメータと称される場合がある。いくつかの変形例では、追跡パラメータは、第1の装置と第2の装置との間のワイヤレスリンク利得、第2の装置の送信電力、第2の装置の送信周波数、第1の装置とワイヤレス電力および/またはワイヤレスデータを交換するように構成された第2の装置のトランスデューサ構成の1つ以上のパラメータ、第2の装置とのリンク利得が最も高い第1の装置のトランスデューサ素子(複数可)、第1の装置のエネルギー状態、第1の装置の電池寿命、第1の装置の圧力トランスデューサに関連するパラメータ(例えば、感度、ドリフト)、第1の装置の超音波トランスデューサに関連するパラメータ(例えば、インピーダンス、効率)、第1の装置の送信周波数、第1の装置の(例えば、アップリンクまたはフィードバック信号の)送信電力、第1の装置の1つ以上の位置および/または向き(例えば、第2の装置の軸に対する角度)、本明細書において説明される任意のシステム、装置、または方法に関連するパラメータ、身体に関連するパラメータ(例えば、生理学的パラメータ)、それらの組み合わせなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0337】
いくつかの変形例では、追跡パラメータは、第1の装置(例えば、IMD)の組織カプセル化、第1の装置の動き、ドリフトまたは回転、第1の装置の劣化、患者の脂肪の増減、患者の肺の体液貯留、患者の心臓壁もしくは心腔または第1の装置が中または付近に埋め込まれている可能性があるロケーションの動き、リンク/システムの他の障害または劣化の様態、患者の疾患の心腔(例えば、心不全監視)、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。
【0338】
いくつかの変形例では、外部装置(例えば、第2の装置、別の第2の装置)は、1つ以上の追跡パラメータをメモリに記憶するように構成することができる。例えば、いくつかの変形例では、第2の装置または別の外部装置は、リンク利得、送信電力、超音波信号の飛行時間(例えば、第2の装置から第1の装置へ、および第2の装置に戻る)、トランスデューサ構成、第1の装置に効率的に給電するために必要な位相および周波数のうちの1つ以上を追跡するように構成することができる。いくつかの変形例では、第2の装置は、所定の給電セッションにおいて必要な送信電力を、1つ以上の以前の給電セッション(例えば、数週間または数ヶ月前に行われている可能性がある)において必要な送信電力と比較するように構成することができる。1つ以上の追跡パラメータの変化は、第1の装置の回転、患者の脂肪または体重の増減、第1の装置のカプセル化、第1の装置および/または第2の装置の任意の劣化、患者の生理学的状態(例えば、体液貯留)の変化、それらの任意の組み合わせなどのうちの1つ以上を示すことができる。
【0339】
いくつかの変形例では、1つ以上の追跡パラメータの、所定の閾値を超える変化を検出すると、第2の装置は、本明細書に記載されるようなユーザプロンプトを生成することができる。ユーザプロンプトは、第2の装置を正しく操作する方法についてユーザに指示すること(例えば、変化が第2の装置の誤った使用に起因する可能性があると判定された場合)、患者に医療専門家に連絡するよう警告すること(例えば、第1の装置の重大な劣化、回転またはドリフトが検出された場合、肺の体液貯留の変化が検出された場合)、医師に直接警告すること、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置の所定の回転、ドリフト、または劣化がある場合、医療専門家は、第1の装置を再位置付けおよび/もしくは調整し、ならびに/または別の第1の装置を埋め込むことができる。
【0340】
II.方法
本明細書において説明されるシステムおよび装置を使用して、第1の装置(例えば、IMD)と第2の装置(例えば、外部ワイヤレス装置、ワイヤレス装置)との間に信頼性の高いかつ/または効率的なワイヤレスリンク(例えば、電力転送および/またはデータ通信のための)を確立するための方法が、本明細書において説明される。いくつかの変形例では、第1の装置は、生理学的信号またはパラメータ(例えば、血圧、血流量、神経作用電位など)の監視、および、組織(例えば、神経、筋肉など)の刺激などの、1つ以上の機能を実施するために、患者の体内に埋め込むことができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、第2の装置からワイヤレス電力を受信するように構成することができる。いくつかの変形例では、第1の装置は、データおよび/またはコマンドを第2の装置と双方向的にワイヤレス通信するように構成することができる。このようなシステムでは、電力および/またはデータ転送のための信頼性の高いおよび/または効率的なワイヤレスリンクを確立することは、IMDおよび外部ワイヤレス装置のエネルギー散逸を最小限に抑え、組織の加熱を最小限に抑え、正確な疾患監視および治療のためのエラーのないデータ転送を実現するために重要であり得る。埋め込み型IMDの位置は、IMDとの電力および/またはデータリンクを確立する前は、最初はワイヤレス装置には分かっていない場合がある。IMDは、複雑で不均質な組織培地に埋め込まれており、効率的で信頼性の高いワイヤレスリンクを確立することを困難にさせる場合がある。したがって、本明細書において詳細に説明するように、IMDを位置特定/追跡し、および/またはトランスデューサ構成を見つけることが重要であり得る。
【0341】
本明細書において説明する方法は、(サブアレイを使用して)ワイヤレス装置から質問信号を送信するステップと、ワイヤレス装置においてフィードバック信号を受信するステップと、(ワイヤレス装置のプロセッサを使用して)フィードバック信号を処理してフィードバック信号データを生成するステップと、フィードバック信号データに基づいてトランスデューサ構成を発見/決定するステップと、を含むが、これらに限定されないステップのうちの1つ以上を含むことができる。埋め込まれた装置との信頼性の高いワイヤレスリンクを確立するための患者の身体上のワイヤレス装置の適切な位置付け、正確な感知のためのノイズ低減、および患者の心拍数の推定のための方法も本明細書において提供される。
【0342】
いくつかの変形例では、ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法は、身体上の所望のロケーションに対応するユーザプロンプトを生成することと、ワイヤレス装置の方向付け特徴部および方向付け信号のうちの1つ以上に従ってワイヤレス装置を方向付けることと、を含むことができる。これは、患者などの経験の浅いユーザが疾患の監視および/または治療のためにワイヤレス装置を正しく位置付けるように案内するために、在宅監視に有益であり得る。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法は、ワイヤレス装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定することと、測定されたパラメータに基づいて身体上のワイヤレス装置の位置を推定することと、身体上のワイヤレス装置の推定された位置に対応するユーザプロンプトを生成することと、を含むことができる。このような方法は、身体上のワイヤレス装置の位置付けの自動検出を可能にすること、および、ユーザがIMDとの信頼性の高いワイヤレスリンクを確立するのを助けることができるユーザプロンプトによって患者に使いやすさを提供することができる。
【0343】
いくつかの変形例では、超音波装置を患者の身体に結合する方法は、超音波装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定することと、測定されたパラメータに基づいて超音波装置と身体との間の結合状態を推定することと、超音波装置と身体との間の結合状態に対応するユーザプロンプトを生成することと、を含むことができる。そのようなシステムは、超音波装置と身体との間の適切な超音波結合を達成するようにユーザを自動的に案内し、それによって患者の経験を改善し、治療または監視システムから利益を得ることが可能であり得る。
【0344】
いくつかの変形例では、IMDによって測定された圧力信号から超音波信号を分離することを可能にし、それによって生理学的圧力データの正確な回復を可能にすることができる、ノイズを低減する方法を利用することができる。
【0345】
概して、所与のワイヤレスシステム内の装置間に信頼性の高いワイヤレスリンクを確立することは、本明細書に記載の方法のうちの1つ以上、または本明細書に記載の1つ以上の方法の任意のサブセット、または方法もしくはそのサブセットの組み合わせを含んでもよい。ここで説明する1つ以上の方法、またはその中のステップは、動いているIMD、例えば、ワイヤレス装置に対して動きまたは回転し得るIMDに適用することができる。ここで説明される1つ以上の方法、またはその中のステップは、ワイヤレス装置とワイヤレス信号を交換するように構成することができる複数のIMDに適用することができる。
【0346】
A.身体へのワイヤレス装置の位置付け
ワイヤレス装置(例えば、ハンドヘルド装置、ウェアラブル装置)は、埋め込み型IMD(IMD)にワイヤレスで給電および/または通信するために、患者(例えば、自宅)などの経験の浅いユーザによって使用され得る。ユーザは、IMDとのロバストなワイヤレスリンクを確立するために必要となる可能性がある、身体上のワイヤレス装置の適切な位置を知らない場合がある。これは、不十分な疾患の監視または治療をもたらす可能性がある。本明細書において、ワイヤレス装置を身体上に確実に位置付けるための解決策が提供される。
【0347】
図13は、ワイヤレス装置を身体上に位置付ける方法の変形例を一般的に説明するフローチャートである。方法(1300)は、身体上の所望の位置に対応するユーザ指示(例えば、身体上の所望のロケーションの絵図を表示する、視覚的指示および/またはオーディオ指示を提供する、など)を提供するステップ(1302)を含むことができる。そのような指示は、身体上に位置付けられるワイヤレス装置によって、および/または電話機、コンピュータ、タブレットなどのような異なる装置によって提供することができる。ユーザ指示に基づいて、ユーザは、ワイヤレス装置を身体上のあるロケーションに配置することができる(1304)。さらに、ワイヤレス装置の方向付け特徴部および方向付け信号のうちの1つ以上に従って、ワイヤレス装置を方向付けすることができる(1306)。方向付け特徴部は、ワイヤレス装置のマーキング、構造、および形状のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、マーキングなどの方向付け特徴部は、身体上の構造に対してワイヤレス装置を方向付けするように構成することができる。例えば、ワイヤレス装置は、マーキングが左腕に近くなるか、または左腕に向けられるように、胸部上に方向付けすることができる。方向付け信号は、方向センサ、加速度計、ジャイロスコープ、位置センサ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上からの信号を含むことができる。方向付け信号は、ワイヤレス装置が身体上で適切に方向付けられているか否かをユーザに示すことができ、適切な位置付けおよび方向付けのためにユーザを案内するように構成することができる。
【0348】
図14は、ワイヤレス装置を身体上に位置付ける別の方法の変形例を一般的に説明するフローチャートである。方法は、ワイヤレス装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定するステップ(1402)と、測定されたパラメータに基づいて身体上のワイヤレス装置の位置を推定するステップ(1404)と、身体上のワイヤレス装置の推定された位置に対応するユーザプロンプトを生成するステップ(1406)と、を含むことができる。いくつかの変形例では、パラメータは、心音、肺音、呼吸音、埋め込み型IMDから入来するワイヤレス信号、ワイヤレス反射信号、ワイヤレス後方散乱信号、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。例えば、ワイヤレス反射信号およびワイヤレス後方散乱信号は、質問信号がワイヤレス装置によって組織へと送信される際、IMDおよび/または1つ以上の組織構造(例えば、肋骨、肺)によって生成され得る。いくつかの変形例では、ワイヤレス信号は超音波信号であり得る。ワイヤレス装置のプロセッサによるそのような1つ以上のパラメータの測定および/または測定されたパラメータの処理は、胸部上の所望のロケーションへのワイヤレス装置の近接を示すことができる。
【0349】
いくつかの変形例では、ユーザプロンプトは、身体上のワイヤレス装置の推定された位置、ワイヤレス装置の位置付けが適切であるか否かに関する通知と、身体上におけるワイヤレス装置の再位置付け、ワイヤレス装置の再方向付け、および医療専門家への連絡のうちの1つ以上を含む推奨と、のうちの1つ以上を含むことができる。ワイヤレス装置の再位置付けは、ワイヤレス装置を動かすこと、調整すること、および回転させることのうちの1つ以上を含むことができる(例えば、その位置、角度、回転、傾斜、方向など)。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置の機械的および/または電気的パラメータもまた、ユーザプロンプトに応答して調整することができる。例えば、電気的パラメータを調整することは、ワイヤレス装置の電池を再充電することを含むことができる。
【0350】
本明細書に記載の方法またはその一部の任意の置換または組み合わせを使用して、身体上のワイヤレス装置の適切な位置付けを確実にすることができる。
【0351】
B.身体への超音波結合
超音波装置(例えば、ワイヤレス装置)と患者の身体との間の適切な超音波結合は、超音波を使用する埋め込み型医療装置のワイヤレス給電および埋め込み型医療装置とのワイヤレス通信のために必要である。ワイヤレス装置と身体組織との間の空隙は、音響インピーダンスの不一致に起因してワイヤレス装置と埋め込み型IMD(IMD)との間の超音波リンクを妨害する可能性があるため、望ましくない。患者などの経験の浅い人が超音波装置を操作する場合(例えば、自宅で)、および/または超音波装置が長期間にわたって使用されている場合、そのような空隙を回避することは困難である可能性がある。超音波装置を患者の身体に結合する新規の方法が望ましい場合がある。
【0352】
図15は、超音波装置を患者の身体に結合する方法の変形例を一般的に説明するフローチャートである。方法(1500)は、超音波装置および身体のうちの1つ以上のパラメータを測定すること(1502)と、測定されたパラメータに基づいて超音波装置と身体との間の結合状態を推定すること(1504)と、推定結合状態に対応するユーザプロンプトを生成すること(1506)と、を含むことができる。いくつかの変形例では、方法は、周期的に繰り返すことができ、適切な超音波結合が達成されるまでユーザプロンプトを提供することができる。
【0353】
超音波装置は、1つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの変形例では、パラメータは、超音波装置の超音波トランスデューサの電気インピーダンス、超音波装置の超音波トランスデューサの反射係数(例えば、S11パラメータ)、心音、埋め込み型医療装置から入来する超音波信号、超音波反射信号、圧力、力、接触、静電容量、組織の電気インピーダンス、熱、および温度のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの変形例では、超音波装置は、そのような1つ以上のパラメータを測定するためのプロセッサおよび1つ以上のセンサまたはトランスデューサを備えることができる。
【0354】
いくつかの変形例では、音響負荷に起因して周囲の媒体によって影響を受ける可能性がある超音波トランスデューサの電気インピーダンスは、超音波装置と身体組織との間に空隙が存在する場合と存在しない場合とで異なる場合がある。いくつかの変形例では、超音波装置は、身体組織への結合を評価するための反射、反射係数、および/またはS11パラメータを測定するように構成されたプロセッサを備えることができる。空隙が存在する場合、反射が大きくなる可能性がある。一方、空隙が存在しない場合、超音波装置によって送信された超音波信号は組織を十分に透過することができ、生じる反射はわずかである。そのような反射または関連するパラメータ(例えば、S11)は、1つ以上の周波数で測定することができる。いくつかの変形例では、超音波装置のプロセッサは、測定された反射係数またはS11を処理し、それを閾値と比較して、結合が十分であるか否かを決定することができる。例えば、閾値を下回るS11の大きさは、ワイヤレス装置の組織への適切な超音波結合を示している可能性がある。
【0355】
いくつかの変形例では、超音波装置は、圧力センサ、力センサ、タッチセンサ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を備えることができる。例えば、圧力または力センサは、超音波装置が皮膚または組織に十分に押し付けられているか否かを検出するように構成することができる。別の例として、タッチセンサ(例えば、容量性、抵抗性、弾性表面波、赤外線、熱ベースなど)は、皮膚または組織との接触を検出するように構成することができる。いくつかの変形例では、超音波装置は、超音波装置の組織への結合を評価するために、心音を検出するためのオーディオセンサまたは圧力センサ(例えば、聴診)、身体と関連する熱または温度を検出するための熱または温度センサ、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を備えることができる。
【0356】
いくつかの変形例では、超音波装置は、埋め込み型装置からアップリンク信号(例えば、フィードバック信号)が受信されるか否かに基づいて、および/または、超音波装置によって受信された1つ以上のアップリンク信号の強度の測定に基づいて、組織への十分な結合があるか否かを判定するように構成することができる。いくつかの変形例では、埋め込み型装置は、1つ以上のビーコン周波数(例えば、約100Hz以下)でビーコン信号などのアップリンク信号を周期的に送信するように構成することができる。例えば、超音波装置は、身体上に配置して電源を入れたときに、ビーコン信号を受信しない場合、または、2つの連続するビーコンの間で予測される期間以上の継続時間にわたって、閾値と比較して低い強度のビーコン信号を受信する場合、超音波装置と組織との間の結合が不十分であること、および/または、超音波装置が身体上の正しいロケーションに位置付けられていないことを判定することができる。
【0357】
電池などの電源を備える埋め込み型装置は、そのようなビーコン信号を周期的に送信するのに十分なエネルギーを有することができる。いくつかの変形例では、ビーコン信号は、超音波パルス、RFパルスなどのうちの1つ以上を含んでもよい。一例として、ビーコン信号は、搬送波周波数が約0.1MHz~20MHzであり、パルス幅が約0.05μs~約100msである超音波パルスであってもよい。いくつかの変形例では、ビーコン信号は、IDコード、埋め込み型装置のエネルギー状態(例えば、電池電圧)、それらの組み合わせなどの情報を符号化することができる。
【0358】
いくつかの変形例では、超音波装置は、質問信号を送信し、質問信号の受信時に埋め込み型装置によって生成された、対応するフィードバック信号を受信するように構成することができる。超音波装置は、受信フィードバック信号の強度の測定に基づいて、またはフィードバック信号が受信されたか否かに基づいて結合状態を推定するようにさらに構成することができる。
【0359】
いくつかの変形例では、超音波装置と身体との間の結合状態を推定することは、超音波装置と身体との間の結合の妥当性および程度のうちの1つ以上を推定することを含むことができる。一例として、超音波装置のプロセッサは、S11などの測定されたパラメータを所定の閾値と比較して、結合が適切であるか否かを評価するように構成することができる。いくつかの変形例では、1つ以上の測定されたパラメータを、(例えば、デジタル化を実行することによって)複数の閾値と比較して、超音波結合の程度または範囲を評価することができる。いくつかの変形例では、超音波装置は、複数の超音波トランスデューサ(例えば、アレイ)を含むことができ、超音波トランスデューサのパラメータの測定は、超音波装置のいずれの部分または側が身体組織に適切または不適切に結合されているかを評価するように構成することができる。
【0360】
いくつかの変形例では、超音波装置と身体との間の結合状態に対応するユーザプロンプトを生成することは、結合状態に関する通知と、超音波装置の調整、超音波装置の身体に対する再位置付け、超音波結合剤(例えば、超音波ゲル、シリコーン、乾燥カプラントなど)の適用、音響整合層の追加、超音波装置の締結具の身体に対する調整、および医療専門家への連絡のうちの1つ以上を含む推奨と、のうちの1つ以上をユーザに提供することを含むことができる。超音波装置の調整は、超音波装置を皮膚に対して保持すること、超音波装置を組織または皮膚に向かって押すかまたは圧迫すること、超音波装置を動かしおよび/または回転させること、超音波装置および/または皮膚の表面を洗浄すること、超音波装置と皮膚との間の毛を除去すること、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。
【0361】
いくつかの変形例では、締結具を使用して超音波装置を身体に(例えば、堅固に)固定または締結して、組織への良好な超音波結合を確実にすることができる。例えば、締結具は、ベルト、ストラップ、スリーブ、接着剤、クリップまたはピン(例えば、弾性包帯に使用されるクリップのような)、着用可能な構造体、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0362】
いくつかの変形例では、超音波装置は、身体の外側(例えば、ウェアラブル装置、ハンドヘルド装置、測定セットアップに接続されたプローブ、身体に配置または締結された装置などの上)、体内に恒久的に埋め込まれる(例えば、皮膚の下に、臓器の外壁に沿って埋め込まれる)、一時的に体内に埋め込まれる(例えば、血管、食道、または胸壁を通して挿入されるカテーテルまたはプローブに配置される、手術中または手技中に使用される)、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上のロケーションに配置されてもよい。
【0363】
ここで、例示的な方法が説明される。いくつかの変形例では、患者の身体上に配置されて電源が入れられると、超音波装置は、最初にその超音波トランスデューサのうちの1つ以上のパラメータを測定して結合状態を推定し、適切な結合が達成されるまで超音波装置を調整するようにユーザに指示するユーザプロンプトを生成するように構成することができる。次いで、超音波装置は、所定の期間にわたって待機して、埋め込み型装置から1つ以上のビーコン信号を受信して、身体上のその位置付けを評価するように構成することができる。いくつかの変形例では、超音波装置は、埋め込み型装置からビーコン信号を一切受信することができない場合、患者の心臓への超音波装置の近接を検出するために、心音などのパラメータを付加的に測定するように構成することができる。そのような測定に基づいて、超音波装置を所望の方向に再位置付けしまたは動かすようにユーザを案内するためのユーザプロンプトを生成することができる。いくつかの変形例では、超音波装置が患者の身体の正しい位置に配置されており、組織への超音波結合が適切であるが、埋め込み型装置からアップリンク信号を受信することができないことを超音波装置が検出する場合、医療専門家に相談するように、ユーザに通知することができる。
【0364】
C.ノイズ低減
埋め込み型IMD(IMD)は、ワイヤレス装置(例えば、外部ワイヤレス装置)とワイヤレス電力およびワイヤレスデータのうちの1つ以上を交換するための1つ以上の超音波トランスデューサを備えることができる。IMDは、圧力(例えば、血圧)を感知するための1つ以上の圧力トランスデューサをさらに備えることができる。超音波は、ワイヤレス装置によってIMDに送信されたワイヤレス電力/データと、組織内の超音波反射と、超音波イメージング(経胸壁心エコー検査すなわちTTEなど)などの1つ以上の手技と、のうちの1つ以上に起因して、このようなIMDに入射し得る。超音波信号は、圧力波から構成されるため、IMDの圧力トランスデューサに結合し(すなわち、圧力トランスデューサによって測定される圧力信号と干渉し)、圧力データを損ない、患者の状態を正確に表すことができない誤った圧力値をもたらす場合がある。この課題を軽減するための解決策が、本明細書において提示される。
【0365】
超音波信号と圧力信号との干渉を検出および/または軽減するためのノイズ低減(または干渉軽減)の方法が提示される。図16は、ノイズ低減の方法の変形例を一般的に説明するフローチャートである。方法(1600)は、超音波トランスデューサ、圧力トランスデューサ、流量センサ、力センサ、およびMEMS装置のうちの1つ以上によって受信された超音波信号のパラメータを測定すること(1602)と、力トランスデューサによって測定された圧力信号および超音波信号の測定されたパラメータに基づいて圧力データを生成すること(1604)と、を含むことができる。いくつかの変形例では、圧力データを生成することは、圧力信号から超音波信号を分離することを含むことができる。いくつかの変形例では、圧力信号から超音波信号を分離することは、平均化、デジタル信号処理、およびアナログ信号処理のうちの1つ以上を含むことができる。
【0366】
いくつかの変形例では、IMDは、圧力トランスデューサによって受信された超音波信号のパラメータを測定するように構成することができる。例えば、IMDは、所望の圧力データ点ごとに複数の圧力サンプルを採取することによって、超音波信号の存在および/または強度を検出するように構成することができる。例えば、圧力データ点が100Hzのサンプリングレートで必要とされる場合、10msごとに1回だけ圧力をサンプリングするのではなく、IMDは、高いサンプリングレート(例えば、1MHzを超える)で、ある観測時間(例えば、1μsを超える)にわたって圧力を複数回サンプリングするように構成することができる。複数の圧力サンプルは、(例えば、ADCを使用して)デジタル化され、IMDのプロセッサを使用して処理され得る。処理はリアルタイムで行われてもよく、または、サンプルをIMDのメモリに記憶した後に、後処理が実行されてもよい。
【0367】
いくつかの変形例では、複数の圧力サンプルを処理した後、IMDのプロセッサは、超音波信号が圧力トランスデューサに結合した可能性があるか否かを判定することができる。そのような処理の一例が本明細書に提示されている。IMDのプロセッサは、データ点ごとの複数の圧力サンプルの値の変動を決定することができる。例えば、プロセッサは、データ点ごとに複数の圧力サンプルに対応する値を処理し、最小値、最大値、平均値、最大値と最小値との間の差、分散、標準偏差、変化率、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を決定することができる。いくつかの変形例では、そのような変動が特定の閾値を超えることが見出された場合(例えば、±1%を超える変動、または±10%を超える変動など)、それは、超音波信号が圧力トランスデューサに結合されている可能性があることを示すことができる。これは、生理学的圧力または身体圧(血圧など)が短期間に大幅に変化するとは予測され得ないためである可能性がある。例えば、約1msの合計時間内に採取された5つの圧力サンプルは、超音波信号が圧力トランスデューサに結合されている可能性がない限り、相互に±10%を超えて変化することはあり得ない。したがって、短い継続時間内で採取された圧力サンプルの大きい変化または変動は、IMDの圧力トランスデューサへの超音波結合の指標または兆候である可能性がある。
【0368】
いくつかの変形例では、IMDは、超音波トランスデューサによって受信された超音波信号のパラメータを測定するように構成することができる。例えば、IMDは、その1つ以上の超音波トランスデューサの電圧、または1つ以上の超音波トランスデューサに接続されている回路(例えば、電力回路、AC-DC変換機械路)によって生成された電圧を監視することによって、超音波信号の存在および/または強度を検出するように構成することができる。例えば、IMDの超音波トランスデューサの端子における、非ゼロのAC電圧、または特定の閾値を上回るAC電圧が存在することは、入射超音波信号の存在を示し得る。
【0369】
いくつかの変形例では、圧力データを生成することは、超音波信号の測定されたパラメータを含む圧力データの1つ以上の圧力サンプルを識別することと、識別された1つ以上の圧力サンプルを拒否またはフラグ付けすることと、を含むことができる。例えば、IMDは、超音波信号が1つ以上の所望の圧力データ点の圧力信号に結合している可能性があることを検出した後、サンプルを無視することができ、代わりにエラーコード(例えば、すべて1またはすべて0など)をその圧力データ点に対応するそのメモリに書き込むことができる。圧力データが(例えば、アップリンクデータ転送を介して)ワイヤレス装置に転送されるとき、ワイヤレス装置は、圧力トランスデューサへの超音波結合または他のエラーに起因するものとしてそのようなエラーコードを識別することができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置は、エラーのないデータの外挿などの任意の処理技法を使用して、IMDの圧力トランスデューサへの超音波結合に起因して破損した圧力値を推定することができる。いくつかの変形例では、超音波信号が圧力トランスデューサに結合している可能性があることをIMDが検出した後、IMDのプロセッサは、複数の圧力サンプルを処理して、超音波結合の効果を分離し(例えば、約MHz周波数の超音波信号のシグニチャを識別し)、そのデータ点の実際の生理学的圧力を推定し、そのような推定圧力値をそのメモリに記憶することができる。
【0370】
いくつかの変形例では、超音波信号のIMDの圧力トランスデューサへの結合が検出された場合、IMDは、ある時間遅延後に(例えば、1回または周期的に)圧力信号を測定するように構成することができる。いくつかの変形例では、時間遅延は、予め定めることができる。例えば、そのような所定の時間遅延は、超音波信号、反射、および/またはエコーが消散するのに十分な時間を可能にし得る。いくつかの変形例では、時間遅延は、超音波信号の散逸に基づき得る。例えば、IMDは、強度が所定の閾値を下回った後、超音波信号の強度およびサンプル圧力を監視するように構成することができる。
【0371】
いくつかの変形例では、圧力トランスデューサへの超音波結合が検出されない場合、IMDのプロセッサは、データ点ごとに採取された1つ以上の圧力サンプルの平均圧力値を計算し、そのような平均圧力値を所望の圧力データ点として使用する(例えば、そのような平均値をメモリに記憶する)ことができる。データ点ごとに複数の圧力サンプルを取得し、データ点のそのような圧力サンプルの平均値を計算することの利点は、圧力トランスデューサに接続されたアナログフロントエンド(AFE)回路の設計におけるノイズの制約を低減すること、入力サンプリング容量および/またはADC容量の値(例えば、SAR ADCにおけるCDAC)を低下させ、それによって、圧力サンプルのより速い整定を可能にすることを助けることができることである。これらの利点に起因して、AFEおよび圧力トランスデューサは、圧力サンプルあたりの継続時間を短くするために、給電されるか、または電源に接続される必要があり得、これは、圧力サンプルあたりのIMDのエネルギー消費を削減するのに有益であり得る。
【0372】
いくつかの変形例では、圧力データを生成するステップは、超音波トランスデューサおよび圧力トランスデューサを備える第1の装置(例えば、IMD)のプロセッサによって実行される。いくつかの変形例では、圧力データを生成するステップは、第1の装置(例えば、IMD)とワイヤレス通信し得る第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)のプロセッサによって実行される。いくつかの変形例では、IMDは、データ点ごとに取得された複数の圧力サンプルに対応するすべての圧力値をそのメモリに保存し、アップリンクデータ転送を介してそのようなすべての値をワイヤレス装置に転送するように構成することができる。
【0373】
図17は、ノイズ低減の別の方法の変形例を一般的に説明するフローチャートである。方法(1700)は、IMDなどの装置の圧力トランスデューサを使用して超音波信号を受信するステップ(1702)と、圧力トランスデューサに結合されたフィルタを使用して超音波信号をフィルタリングするステップ(1704)と、を含むことができる。例えば、約1MHzの周波数の超音波信号は、約1MHzでまたはそれに近い圧力トランスデューサの電圧の揺らぎをもたらす可能性がある。他方、体内の所望の圧力信号は、そのような高い周波数を有しないものであり得、例えば、約200Hzまでの有用な周波数成分しか有しないものであり得る。
【0374】
いくつかの変形例では、フィルタリングすることは、アナログフィルタリングと、デジタルフィルタリングと、アナログ後処理と、デジタル後処理と、増幅器、プロセッサ、積分器、平均器、およびボックスカーサンプラのうちの1つ以上を使用したフィルタリングと、のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、IMDは、圧力トランスデューサの出力端子に直接、またはプリアンプを使用して圧力トランスデューサの信号を十分に増幅した後のいずれかで、圧力トランスデューサに接続されたローパスフィルタを備えることができる。フィルタの出力は、圧力サンプルをデジタル化するためにADCに接続することができる。いくつかの変形例では、そのようなローパスフィルタのカットオフ周波数およびロールオフは、フィルタが周波数に基づいて、この場合の超音波信号などの望ましくない信号を十分に減衰するように設定することができる。ここで考察される例では、いくつかの変形例では、約500kHzのカットオフ周波数を一例として使用することができる。ローパスフィルタに高いカットオフ周波数を使用する(例えば、高周波超音波信号を減衰させるのに十分に低い)を使用すること、および/または高いロールオフを使用することによって、圧力サンプルの高速整定を可能にすることができる。
【0375】
D.心拍数の推定
いくつかの用途では、IMD(IMD)は、(例えば、心腔のうちの1つ、血管などの中の)血圧を感知するように構成することができる。血圧(BP)の感知は、心不全、うっ血性心不全、不整脈、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない心血管疾患の診断および/または監視にとって重要であり得る。いくつかの変形例では、心拍数(HR)の測定は、代替的に、またはBPに加えて、重要であり得る。例えば、医師は、BPと併せて患者のHRを評価することができ、これは、心不全の進行の正確な監視、不整脈の診断および/または監視、状態またはイベントの診断、患者の治療または投薬の調整、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に有用であり得る。いくつかの変形例では、IMDはBPを測定することができ(および測定されたBPデータをリアルタイムで、または後の時点においてワイヤレス装置に送信することができる)、一方で、ワイヤレス装置(またはスマートウォッチなどの任意のワイヤレス装置)はHRを同時に測定することができ、それにより、医師は、BP測定が行われたときのHR値を評価することが可能になる。いくつかの変形例では、IMDは、BP測定に加えて、HRを測定し(例えば、ECG測定と同様の電極を使用して)、BPおよびHRデータ(例えば、波形などの生データ、または1つ以上の心周期の1つ以上のHR値の計算後)の両方をワイヤレス装置に送信するように構成することができる。一部の用途では、IMDは、HRを直接測定するためにIMDに電極を含めることが望ましくない、または不可能であり得るように、小型サイズにする必要がある場合がある。一部の用途では、IMDはBPを継続的に、または1日あたり多くの時点で測定するように構成することができ、その間、HRを同時に測定するようにワイヤレス装置を構成することは望ましくないか、不可能な場合がある。血圧測定に基づいて心拍数を推定するための解決策が本明細書において提供される。
【0376】
図18は、心拍数を推定する方法の変形例を一般的に説明するフローチャートである。方法(1800)は、IMDなどの第1の装置を使用して血圧サンプルを測定するステップ(1802)と、測定された血圧サンプルを使用して血圧データを生成するステップ(1804)と、血圧データを使用して1つ以上の心周期にわたって心拍数を推定するステップ(1806)と、を含むことができる。いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、第1の装置のプロセッサによって実行することができる。いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、第1の装置(例えば、IMD)とワイヤレス通信することができる第2の装置(例えば、ワイヤレス装置)のプロセッサによって実行することができる。例えば、第1の装置は、第2の装置に血圧データ(例えば、BP波形)を、リアルタイムで、または波形を第1の装置のメモリに記憶した後に、後の時点においてワイヤレスで送信することができる。
【0377】
いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプルのうちの1つ以上を所定の閾値と比較することと、血圧サンプルが所定の閾値と交差する2つ以上の交差点を識別することと、識別された交差点間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含むことができる。図19は、そのような方法に対応する概念的なタイミング図(1900)を示している。いくつかの変形例では、IMDは、特定のレート(例えば、約100Hz、約1kHzなど)でBPをサンプリングすることができ、IMDは、例えば、サンプルに対応する時点に関するカウントまたは情報を有することができるタイマまたはクロックを有することができる。いくつかの変形例では、IMDのプロセッサは、感知された圧力をデジタル化するように(例えば、ADCを使用して)、および/または、BP波形(1902)の感知された圧力値を閾値(1904)と比較するように構成することができる。1つ以上の圧力サンプルをリアルタイムで閾値と比較すると、感知された圧力値が閾値を超えることが見出され得るとき(例えば、所与の心周期において、BPが上昇しているとき、またはBPが下降しているとき)、IMDは、この交差が発生する可能性のある時間に対応する値を記憶することができる。BP波形(1902)によるそのような閾値(1904)の交差は、交差点(1906)と称されることがあり、これは、図19に概念的に示されている。例えば、IMDは、図19に示すように、そのような交差点(1906)に対応するタイマカウント(1908)T、T、T、Tなどを決定することができる。そのようなタイマカウント(1908)は、2つ以上の心周期(任意の数の心周期)について決定することができ、HR、または特定の継続時間にわたる平均HR、HR変動、それらの組み合わせなどを決定するためにIMDのプロセッサによって処理することができる。例えば、第1の交差点に対応する時間がT秒であり、次の交差点に対応する時間がT秒である場合、瞬間HR(すなわち、1つの心周期のHR)は、1/(T-T)Hzまたは60/(T-T)拍毎分として推定することができる。同様に、複数の交差点(1906)に対応する時間を決定し、処理して、平均HRを推定することができる。このような技法の利点は、測定がBP波形の傾きが大きい部分に依拠するため、BP波形の揺らぎ(例えば、連続する周期におけるピークBPの値の変化など)および/またはサンプリングレートに対する推定HR値の感度が低下し得ることである。BP波形の揺らぎ、変動またはシフトは、呼吸、大気圧変動(測定BPが絶対圧である場合)、それらの組み合わせなどを含むがこれらに限定されない1つ以上の理由に起因して発生する可能性がある。BP波形の傾きが大きい部分が周期的に(上昇中または下降中に)閾値レベルと交差する限り、この手法を使用して妥当な正確度でHR値を決定することが可能であり得る。
【0378】
連続する交差点間の経過時間(例えば、T-T)を測定するために、任意の方法を使用することができる(図19を参照)。いくつかの変形例では、IMDは、実行中のタイマまたはクロックを有し得、上で考察されたように、交差点に対応するタイマカウントを決定することができる。いくつかの変形例では、IMDは、2つの交差点間の時間を測定するために、時間-デジタル変換器またはTDC回路(例えば、ランプ補間器または弛張発振器を含む)を備えることができる。例えば、既知の電流源による既知のコンデンサの充電は、1つの交差点において開始することができ(例えば、上昇するBP値を閾値と比較する比較器の出力によってトリガされる)、2つの交差点間の経過時間を推定するために、(充電に起因する)コンデンサの電圧の増大を、次の交差点において測定することができる。ここで言及される技法は例であり、交差点に対応する時間、または2つの交差点間の経過時間を測定する他の変形例が使用されてもよいことに留意されたい。
【0379】
いくつかの変形例では、閾値は、上記で説明され、図19に示されるように、適合可能であり得、リアルタイムで、または過去のBP測定からIMDによって決定され得る。例えば、IMDは、平均BP値を決定することができるか、または、最大BP値および最小BP値の算術平均(すなわち、(max+min)/2)を計算することができるか、または、1つ以上の心周期からピーク圧力のある割合(例えば、80%)を計算し、この値を次の1つ以上の心周期におけるHR推定の閾値として指定することができる。一部の変形例では、このような適合可能な閾値は、大気圧の変化、呼吸、または任意の他の理由によってBP波形が大幅にシフトする場合に有用であり得る。いくつかの変形例では、閾値は事前設定された値に固定されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、大気圧が約760mmHgなどであることが知られている場合、約820mmHg絶対圧の閾値をLV内の圧力センサに使用することができる。いくつかの変形例では、ワイヤレス装置は、閾値の値、または閾値を決定するのに有用な値(例えば、大気圧の値など)を、ダウンリンクデータを介してIMDに送信することができる。任意選択的または付加的に、ダウンリンク信号を介してそのような値をIMDに送信する前に、ワイヤレス装置は、大気圧を測定およびデジタル化することができる。
【0380】
いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプル内の極大点または極小点を識別することと、2つ以上の極大点または極小点の間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含むことができる。例えば、プロセッサは、すべての心周期におけるBPの極大値または最小値を検出し、最大または最小BP値の発生に対応するタイマカウントを保存し、タイマカウント値を処理してHRまたは平均HRなどを推定するように構成することができる。いくつかの変形例では、IMDのプロセッサは、血圧サンプルを測定するプロセス中にリアルタイムで実行中の最大値または実行中の最小値の計算を実行するように構成することができる。いくつかの変形例では、プロセッサは、感知された圧力サンプルにおけるランダムもしくは一時的な揺らぎおよび/またはノイズの影響を軽減するために、血圧データをフィルタまたは平滑化窓に通すように構成することができる。
【0381】
いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプル内の最大変化率点または最小変化率点を識別することと、2つ以上の最大変化率点または最小変化率点の間の1つ以上の経過時間に基づいて心拍数を推定することと、を含むことができる。例えば、プロセッサは、血圧サンプルの変化率を計算するための微分回路を備えることができる。
【0382】
いくつかの変形例では、心拍数を推定することは、血圧サンプルの周波数領域表現に基づく。例えば、プロセッサは、BP波形の周波数または期間を決定するために、BP波形のフーリエ変換または高速フーリエ変換(FFT)を計算するように構成することができる。
【0383】
いくつかの変形例では、メモリサイズの制限などの理由に起因して完全なBP波形をIMDのメモリに記憶すること、ならびに/または、複雑な計算に必要なエネルギーおよび/もしくは時間の制限に起因してIMDのプロセッサにおいて完全なBP波形を処理することが望ましくない、または不可能な場合がある。そのような変形例では、IMDは、感知されたBP値をリアルタイムで処理し、本明細書に記載の方法のうちの1つ以上を使用して心拍数を決定するように構成することができる。
【0384】
いくつかの変形例では、概して(すなわち、必ずしもBP測定からHRを決定する方法だけではなく、本明細書に記載の任意の方法に適用可能である)、IMDは、処理中および最大値、最小値、ピーク値、および/または平均圧力値の計算前に特定の圧力サンプルを無視することができる。例えば、そのような無視される圧力サンプルは、圧力トランスデューサへの超音波信号の望ましくない結合、患者の咳および/またはくしゃみ、患者の突然の動き、組織(例えば、心臓壁、血管)および/またはIMDの突然の動き、一時的な異常または不規則性、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上に起因する異常な圧力値を含み得る。いくつかの変形例では、1つ以上の異常な圧力値は、所与の圧力サンプルを1つ以上の以前の圧力サンプル(例えば、1つ以上の以前の圧力サンプルの外挿バージョン)、所定の閾値、以前の圧力サンプルに基づいてリアルタイムに決定される閾値、それらの組み合わせなどと比較することによって識別することができる。
【0385】
本明細書に記載の方法またはその一部の任意の置換または組み合わせを使用して、心拍数を推定することができる。本明細書において説明される方法の1つ以上は、心拍数の推定と同様に、血圧サンプルに関連する他のパラメータまたはイベントを推定するように構成されてもよい。
【0386】
本明細書の特定の実施例および説明は、本質的に例示的なものであり、変形例は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書において教示される材料に基づいて当業者によって開発され得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】