(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ピックアンドプレース機械清掃システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20220906BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20220906BHJP
B08B 5/04 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
H01L21/304 645Z
B08B3/02 A
B08B5/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021577924
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 US2020037552
(87)【国際公開番号】W WO2021003011
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521567572
【氏名又は名称】インターナショナル テスト ソリューションズ,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アラン イー.ハンフリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレット エー.ハンフリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ジェイ.ブロズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン シー.スミス
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
5F157
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116BB22
3B116BB72
3B201AA47
3B201BB22
3B201BB72
3B201BB92
3B201BB98
5F157AA99
5F157BG92
5F157CC03
5F157DB02
5F157DB51
5F157DC90
(57)【要約】
自動又は手動半導体デバイスおよびダイハンドリング機械のピックアンドプレース装置及びピックアップツールの真空開口、ノズル及び接触面の規則的かつ一貫した清掃のためのデバイス、機構及び方法を開示する。清掃材料は、予設定された特性、規則的幾何学的形体及び/又は不規則な表面形態を有する1つ又は複数の中間層を持つ清掃パッド層を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ半導体デバイス試験のために使用される半導体デバイスハンドリング機械のピックアンドプレース装置を清掃するための方法であって、前記方法が、
半導体デバイスハンドリング機械に接続されたピックアンドプレース装置の付近にエラストマー清掃材料を位置付けることであって、前記ピックアンドプレース装置が、真空開口、ノズル、吸引カップ、吸引インレット、真空コレット及び真空ピックアップツールのうちの1つを有し、各々が内面及び外面を有する、位置付けることと、
前記ピックアンドプレース装置を前記半導体デバイスハンドリング機械に取り付けたまま、前記真空開口、前記ノズル、前記吸引カップ、前記吸引インレット、前記真空コレット及び前記真空ピックアップツールのうちの1つが前記エラストマー清掃材料に接触するように前記ピックアンドプレース装置を前記エラストマー清掃材料に及び前記エラストマー清掃材料の中へ挿入することと、
前記真空開口、前記ノズル、前記吸引カップ、前記吸引インレット、前記真空コレット及び前記真空ピックアップツールのうちの1つの前記内面及び外面からデブリを除去することと、
を含む、方法。
【請求項2】
更に、前記ピックアンドプレース装置に隣接して前記エラストマー清掃材料を移動することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、前記エラストマー清掃材料内に前記デブリを捕捉することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エラストマー清掃デバイスが架橋ポリマー層を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エラストマー清掃材料が、更に、前記架橋ポリマー層の下に予設定された特性を有する1つ又は複数の中間層を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エラストマー清掃材料を位置付けることが、更に、パッケージテストプロセス中に前記エラストマー清掃材料を位置付けて複数の半導体デバイスを移動するために前記半導体デバイスハンドリング機械を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エラストマー清掃材料が、更に、前記1つ又は複数の中間層の下にキャリアを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記エラストマー清掃材料が、所定の比重、弾性、粘着性、厚み及び気孔率を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
表面実装テクノロジー(SMT)コンポーネント配置機械のピックアンドプレース装置を清掃するための方法であって、前記方法が、
SMT機械に接続されたピックアンドプレース装置付近にエラストマー清掃材料を位置付けることであって、前記ピックアンドプレース装置が、真空開口、ノズル、吸引カップ、吸引インレット、真空コレット及び真空ピックアップツールのうちの1つを有する、位置付けることと、
前記ピックアンドプレース装置を前記SMT機械に取り付けたまま、前記真空開口、前記ノズル、前記吸引カップ、前記吸引インレット、前記真空コレット及び前記真空ピックアップツールのうちの1つが、前記真空開口、前記ノズル、前記吸引カップ、前記吸引インレット、前記真空コレット及び前記真空ピックアップツールの1つ又はそれ以上の1つ又は複数の表面からデブリを取り除く前記エラストマー材料に接触するように、前記ピックアンドプレース装置を前記エラストマー清掃材料に及び前記エラストマー清掃材料の中へ挿入することと、
を含む、方法。
【請求項10】
更に、前記ピックアンドプレース装置に隣接して前記エラストマー清掃材料を移動することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
更に、前記エラストマー清掃材料内に前記デブリを捕捉することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記エラストマー清掃デバイスが架橋ポリマー層を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記エラストマー清掃材料が、更に、前記架橋ポリマー層の下に予設定された特性を有する1つ又は複数の中間層を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エラストマー清掃材料を位置付けることが、更に、印刷回路板組立てプロセス中に前記エラストマー清掃材料を位置付けて複数の半導体デバイスを移動するために前記半導体デバイスハンドリング機械を使用することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記エラストマー清掃材料が、更に前記1つ又は複数の中間層の下にキャリアを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記エラストマー清掃材料が、所定の比重、弾性、粘着性、厚み及び気孔率を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ダイアタッチ又はフリップチップボンダ機械のピックアンドプレース装置を清掃する方法であって、前記方法が、
ダイアタッチ又はフリップチップボンダ機械に接続されたピックアンドプレース装置付近にエラストマー清掃材料を位置付けることであって、前記ピックアンドプレース装置が、真空開口、ノズル、吸引カップ、吸引インレット、真空コレット及び真空ピックアップツールのうちの1つを有し、その各々が内面及び外面を有する、位置付けることと、
前記ピックアンドプレース装置を前記ダイアタッチ又はフリップチップボンダ機械に取り付けたまま、前記真空開口、前記ノズル、前記吸引カップ、前記吸引インレット、前記真空コレット及び前記真空ピックアップツールのうちの1つが前記エラストマー清掃材料に接触するように、前記ピックアンドプレース装置を前記エラストマー清掃材料に及び前記エラストマー清掃材料の中へ挿入することと、
前記真空開口、前記ノズル、前記吸引カップ、前記吸引インレット、前記真空コレット及び前記真空ピックアップツールのうちの1つの前記内面及び外面からデブリを除去することと、
を含む、方法。
【請求項18】
更に、前記ピックアンドプレース装置に隣接して前記エラストマー清掃材料を移動することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エラストマー清掃材料内に前記デブリを捕捉することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記エラストマー清掃デバイスが架橋ポリマー層を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記エラストマー清掃材料が、更に、前記架橋ポリマー層の下に予設定された特性を有する1つ又は複数の中間層を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エラストマー清掃材料を位置付けることが、更に、印刷回路板組立てプロセス中に前記エラストマー清掃材料を位置付けて複数の半導体デバイスを移動するために前記半導体デバイスハンドリング機械を使用することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記エラストマー清掃材料が、更に前記1つ又は複数の中間層の下にキャリアを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記エラストマー清掃材料が、所定の比重、弾性、粘着性、厚み及び気孔率を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
装置であって、
ピックアンドプレース装置を有する半導体デバイスハンドリング機械であって、前記ピックアンドプレース装置が内面及び外面を持つ接触要素を有し、前記接触要素が、吸引を使用してデバイス及びコンポーネントのうちの1つに接触しピックする、半導体デバイスハンドリング機械と、
前記ピックアンドプレース装置に隣接して位置付けられる基材に取り付けられた清掃材料であって、前記清掃材料が、清掃プロセス中前記ピックアンドプレース装置の前記接触面と接触する上面層を有し、前記上面層が、前記接触要素の内面及び外面を清掃する特性を有する、清掃材料と、
を備え、
前記接触要素が、前記接触要素を前記ピックアンドプレース装置に取り付けたまま、前記接触要素の端部を清掃材料の中へ挿入することによって清掃され、かつ
前記ピックアンドプレース装置が、前記接触要素が清掃されたらピックアンドプレース操作を実施する、
装置。
【請求項26】
前記清掃材料が、更に、前記接触要素上のデブリ片を前記清掃材料へ移行させる表面粘着性を持つ、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記表面粘着性が20グラム~800グラムの範囲である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記清掃材料が、更に、清掃パッド層に形成された1つ又は複数の微小形体を有する清掃パッド層を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記1つ又は複数の微小形体が微小カラム及び微小角錐の1つである、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記清掃材料が、更に、前記清掃パッド層の下に前記清掃パッド層を支持する1つ又は複数の中間層を備える、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記中間層が、剛性層、コンプライアント層、及び剛性及びコンプライアント層のうちの1つである、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記清掃材料が、更に、前記清掃パッド層の上面の上に前記清掃パッド層を保護する剥離層を備える、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記清掃材料が、更に基材を備え、その上に清掃パッド層が支持される、請求項25に記載の装置。
【請求項34】
前記ピックアンドプレース装置が、更に、テスト対象のパッケージデバイスのためのピックアンドプレース装置と、表面実装プロセスにおいて使用されるコンポーネントのためのピックアンドプレース装置のうちの1つを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項35】
前記ピックアンドプレース装置が、更に、ダイアタッチ機械のためのピックアンドプレース装置と、フリップチップボンダ機械のためのピックアンドプレース装置のうちの1つを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項36】
前記接触要素が、更に、前記ピックアンドプレース装置の真空開口、ノズル、吸引カップ、吸引インレット、真空コレットのうちの1つを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項37】
前記清掃材料の前記上面が、前記真空ピックアップツールの内面及び外面を清掃するテクスチャ面である、請求項25に記載の装置。
【請求項38】
前記清掃層が、前記ピックアンドプレース装置の前記内容要素の少なくとも直径に基づいて定められた各微小形体の間隔、慣性モーメント及び全長を有する1組の微小形体を有する、請求項25に記載の装置。
【請求項39】
前記清掃層が、1組の微小形体及び各微小形体を他の各微小形体から分離するストリート、アベニュー又は対角線の配列を有し、各ストリート、アベニュー又は対角線の幅が、前記ピックアンドプレース装置の前記内容要素の寸法に基づく、請求項25に記載の装置。
【請求項40】
清掃デバイスであって、
基材に取り付けられた清掃材料を備え、
前記清掃材料が、ポリマーであり、内面及び外面を有するピックアンドプレース機械の接触要素を清掃するように構成される1組の微小形体を有し、
前記清掃材料の上面が、前記接触要素表面上のデブリ片を前記清掃材料へ移行させる表面粘着性及び前記接触要素の前記内面及び外面を清掃する特性を有する、
清掃デバイス。
【請求項41】
前記表面粘着性が、20グラム~800グラムの範囲である、請求項40に記載の清掃デバイス。
【請求項42】
前記1組の微小形体が、微小カラム及び微小角錐の1つである、請求項41に記載の清掃デバイス。
【請求項43】
前記清掃材料が、更に、清掃パッド層と、前記清掃パッド層の下に前記清掃パッド層を支持する1つ又は複数の中間層を備える、請求項40に記載の清掃デバイス。
【請求項44】
前記中間層が、剛性層、コンプライアント層、及び剛性及びコンプライアント層のうちの1つである、請求項43に記載の清掃デバイス。
【請求項45】
前記清掃材料が、更に、前記清掃パッド層の上面の上に前記清掃パッド層を保護する剥離層を備える、請求項40に記載の清掃デバイス。
〔請求項45〕(重複)
前記清掃材料が、所定の比重、弾性、粘着性、厚み及び気孔率を有する、請求項40に記載の清掃デバイス。
【請求項46】
前記清掃材料が、ゴム、天然ポリマー及び合成ポリマーの1つである、請求項45に記載の清掃デバイス。
【請求項47】
前記清掃材料が、0.75~2.27の範囲の比重、40MPa~600MPaの範囲の弾性率、20~800グラムの範囲の粘着性、25μm~500μmの範囲の厚みを有し、各層が、30ショアA~90ショアAの硬度及び10~150微小孔/インチの範囲の気孔率を有する、請求項46に記載の清掃デバイス。
【請求項48】
前記清掃パッド層が、更に7以上のモーズ硬度を有する複数の研摩粒子を備える、請求項44に記載の清掃デバイス。
【請求項49】
前記清掃材料が、0.75~2.27の範囲の比重、40MPa~600MPaの範囲の弾性率、20~800グラムの範囲の粘着性、25μm~500μmの範囲の厚みを有し、各層が、30ショアA~90ショアAの硬度及び10~150微小孔/インチの範囲の気孔率を有する、請求項48に記載の清掃デバイス。
【請求項50】
前記清掃材料の前記上面が、前記接触要素の内面及び外面を清掃するテクスチャ面である、請求項40に記載の装置。
【請求項51】
前記清掃層が、前記内容要素の少なくとも直径に基づいて定められた各微小形体の間隔、慣性モーメント及び全長を有する1組の微小形体を有する、請求項40に記載の装置。
【請求項52】
前記清掃層が、1組の微小形体と、各微小形体を他の各微小形体から分離するストリート、アベニュー又は対角線の配列と、を有し、各ストリート、アベニュー又は対角線の幅が、前記内容要素の寸法に基づく、請求項40に記載の装置。
【請求項53】
半導体要素をピックアンドプレースする方法であって、前記方法が、
ピックアンドプレース装置の接触要素を使用して半導体デバイスに対してピックアンドプレース操作を実施することであって、前記接触要素が内面及び外面を有する、実施することと、
前記接触要素を前記ピックアンドプレース装置に取り付けたまま前記ピックアンドプレース装置の前記接触要素を清掃することであって、前記接触要素を清掃することが、更に、前記接触要素の端部を清掃材料の中へ挿入し、前記清掃材料によって前記接触要素の前記内面及び外面を清掃することを含む、清掃することと、
前記接触要素が清掃されたら前記ピックアンドプレース操作を実施することと、
を含む、方法。
【請求項54】
前記接触要素を清掃することが、更に、前記接触要素の表面からデブリ片を前記清掃材料へ移行することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記接触要素の表面からデブリ片を移行することが、更に、前記清掃材料の上面の表面粘着性を使用して前記デブリ片を引き付けることを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記接触要素の表面からデブリ片を移行することが、更に、前記接触要素の内面から前記清掃材料の前記表面へデブリ片を移行することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ピックアンドプレース操作を実施することが、更に、テスト対象のパッケージデバイスのために前記ピックアンドプレース操作を実施すること及び表面実装プロセスに使用されるコンポーネントのために前記ピックアンドプレース操作を実施することの1つを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記ピックアンドプレース操作を実施することが、更に、ダイアタッチ機械のために前記ピックアンドプレース操作を実施すること及びフリップチップボンダ機械のために前記ピックアンドプレース操作を実施することの1つを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記接触要素を清掃することが、更に、前記ピックアンドプレース装置に隣接して前記清掃材料を位置付けることを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記接触要素を清掃することが、更に、前記ピックアンドプレース装置の真空開口、ノズル、吸引カップ、吸引インレット、真空カレットのうちの1つを清掃することを含む、請求項53に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、全て「ピックアンドプレース機械清掃のシステム及び方法」と題する2019年7月2日提出の米国特許出願第16/460877号、2019年7月2日提出の第16/460918号、2019年7月2日提出の第16/460929号及び2020年2月18日提出の16/794068号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、特に、自動又は手動半導体デバイス及びダイハンドリング機械のピックアンドプレース装置及びピックアップツールの開口、ノズル及び接触面の定期的及び一貫した清掃のためのデバイス、機構及び方法に応用可能であり、この文脈で本開示を説明する。清掃材料は、予設定された特性、規則的幾何学的形体(feature)及び/又は不規則的表面形態を有する1つ又は複数の中間層を持つ清掃パッド層を含む。
【背景技術】
【0003】
ピックアンドプレース装置は、半導体デバイス、ダイ又は電子コンポーネントを1つの保持トレイから別の保持トレイへ移動するため、半導体デバイス又はダイを1つの保持トレイ又はウェファテープからダイアタッチのためのリードフレームへ、1つの保持トレイから電気テストのためのテストソケットへ及び保持トレイへ戻すために移動するために、又は印刷回路板に取り付けるために電子コンポーネントを保持トレイから移動するために使用される。これらの装置は、広範囲の半導体デバイス及びダイの高速、高精密のピックアップ及びプレースのために使用される。計画外の保守のためのこの設備のダウンタイムは、生産性及びスループット損失に顕著な影響を持つ。
【0004】
ピックアンドプレース装置は、真空力を介してデバイス保持トレイから半導体デバイスをピックアップするための、複数の吸引カップ、吸引インレット、真空コレット、ノズル及び真空ピックアップツールを含む。真空力の吸引は、1つの保持トレイから電子デバイスをピックアップしてテストソケット、リードフレーム又は別の保持トレイの中へ又は予設定位置の印刷回路板上へデバイスを置くための上下運動を有する真空機構によって生成される。真空の障害によるハンドリングミスは、デバイスを損傷する可能性があり、性能回復のためにトラブルシューティングを必要とする可能性がある。更に、ピックアップコレットの真空関係の問題及び過剰な下向き押圧力は、ダイ破損の主要な要因である。
【0005】
適切な吸引力を維持し半導体デバイスを確実にピックアンドプレースするために、ピックアンドプレース装置とハンドリング対象の半導体デバイスとの間の密着が要求される。真空開口、デバイスの真空ノズル、真空インレット/アウトレット内又は吸引デバイスの接触面のデブリは、真空強度に影響を与える。経時的に、ピックアンドプレース装置、ピックアップツール及び吸引デバイス及び尖端の開口は、様々な物質で詰まったり汚染されたりする可能性があり、真空強度を減少し、真空障害を生じる可能性がある。ピックアンドプレース装置を清掃し維持するためには、ICデバイスハンドリング機械をオフラインにしなければならず、様々なピックアンドプレース装置は、手動で清掃される。オフラインの清掃作業中、ピックアップツールのノズル内に蓄積した又はノズル内又はその表面上に圧縮された物質を清掃又は除去するのは難しい可能性がある。ルーチン、予防清掃及びデブリ除去は、デブリ蓄積を制御し頑固な汚染物の増大を防止するために効果的である可能性がある。定期的な予防清掃及びデブリ除去は、平均保守間隔を延ばし、設備のアップタイムを向上する。
【0006】
ピックアンドプレース装置の清掃は、真空ピックアップツール又は吸引ピックアップツールを清掃及び/又は改修対象の設備から除去することによって実施される。ピックアンドプレース装置の清掃及び改修は、溶剤又はその他の洗浄液を使用したウェットワイプダウン及びスクラブのプロセスから成る。更に、ピックアップツールの真空ポートは、蓄積したデブリを除去するために機械的操作を使用して手動で清掃される場合がある。しかし、ピックアップツールの手動のハンドリング及び清掃は、損傷のリスクがある。
【0007】
ピックアンドプレース装置及び真空ピックアップのためのこのような典型的な清掃プロセスのためには、ピックアンドプレース組立体が清掃され改修される間、半導体デバイスハンドリング機能を停止する必要がある。更に、湿潤化学プロセス及び機械的スクラブプロセスは、真空ピックアップツールを損傷する可能性がある。高いスループットのために性能を最大限にしアップタイムを維持するために、ピックアンドプレース装置、真空ピックアップツール又は吸引ピックアップツールを取り外すことなくかつ湿潤化学プロセス又は機械的スクラブプロセスを使用することなく、半導体デバイスハンドリング機械のピックアンドプレース組立体を清掃できることが望ましい。
【0008】
いくつかの実施形態は、実施例として示されており、添付図面によって限定されない。 添付図面において、同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、半導体デバイスの「ピックアップ」側の表面に様々な汚染物及びデブリを持つ半導体デバイスを「ピックアップ」するために真空及び吸引ピックアップツールを利用するピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用されるツールを示す。
【
図1B】
図1Bは、半導体デバイスの「ピックアップ」側の表面に様々な汚染及びデブリを持つ半導体デバイスを「ピックアップ」するために真空及び吸引ピックアップツールを利用するピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用されるツールを示す。
【
図1C】
図1Cは、半導体デバイスの「ピックアップ」側の表面に様々な汚染及びデブリを持つ半導体デバイスを「ピックアップ」するために真空及び吸引ピックアップツールを利用するピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用されるツールを示す。
【
図2A】
図2Aは、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用されるツールを示し、様々な汚染物及びデブリが、半導体デバイスの「ピックアップ」側の表面から半導体デバイスを「ピックアップ」するために使用される真空及び吸引ピックアップツールに接着又は付着している。
【
図2B】
図2Bは、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用されるツールを示し、様々な汚染及びデブリが、半導体デバイスの「ピックアップ」側の表面から半導体デバイスを「ピックアップ」するために使用される真空及び吸引ピックアップツールに接着又は付着している。
【
図2C】
図2Cは、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用されるツールを示し、様々な汚染及びデブリが、半導体デバイスの「ピックアップ」側の表面から半導体デバイスを「ピックアップ」するために使用される真空及び吸引ピックアップツールに接着又は付着している。
【
図3A】
図3Aは、清掃作動中のピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体ハンドリング機械に使用されるツールを示し、1つのタイプのピックアップツールが移動してエラストマー清掃材料の表面に接触している。
【
図3B】
図3Bは、清掃作動中のピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体ハンドリング機械に使用されるツールを示し、1つのタイプのピックアップツールが移動してエラストマー清掃材料の表面に接触している。
【
図3C】
図3Cは、清掃作動中のピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体ハンドリング機械に使用されるツールを示し、1つのタイプのピックアップツールが移動してエラストマー清掃材料の表面に接触している。
【
図4A】
図4Aは、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用される様々な真空及び吸引ピックアップツールから付着するデブリ及び汚染物を清掃し除去するための方法を示す。
【
図4B】
図4Bは、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用される様々な真空及び吸引ピックアップツールから付着するデブリ及び汚染物を清掃し除去するための方法を示す。
【
図4C】
図4Cは、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用される様々な真空及び吸引ピックアップツールから付着するデブリ及び汚染物を清掃し除去するための方法を示す。
【
図5】
図5は、ピックアンドプレース組立体を持つ手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械に使用される様々な真空及び吸引ピックアップツールを清掃する方法の実施例を示す。
【
図6A】
図6Aは、清掃デバイスの上面図であり、清掃パッドが手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械内で使用するためにキャリアに付けられている。
【
図6B】
図6Bは、典型的な清掃デバイスの断面図であり、清掃パッドが、手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械内で使用するために基材表面に付けられている。
【
図6B】
図6Bは、典型的な清掃デバイスの断面図であり、清掃パッドが、手動、半自動又は自動半導体デバイスハンドリング機械内で使用するためにICパッケージ又は半導体デバイスに付けられている。
【
図7A】
図7Aは、清掃パッド層の下方に1つ又は複数のコンプライアント中間材料層を有する清掃媒体の第2実施形態の断面図である。
【
図7B】
図7Bは、予設定特性を持つ清掃パッド層の下方に1つ又は複数の中間剛性材料層を有する清掃媒体の第2実施形態の断面図である。
【
図7C】
図7Cは、予設定特性を持つ清掃パッド層の下方に1つ又は複数の剛性及びコンプライアント中間材料層を持つ清掃媒体の第2実施形態の断面図である。
【
図7D】
図7Dは、予設定特性を持つ清掃パッド層の下方に1つ又は複数の交互の剛性及びコンプライアント中間材料層を持つ清掃媒体の第2実施形態の断面図である。
【
図8A】
図8Aは、予設定特性を持つ1つ又は複数の材料層の上に構成された予設定形状の等間隔の微小カラムを持つ清掃材料の第3実施形態の断面図である。
【
図8B】
図8Bは、予設定特性を持つ1つ又は複数の剛性及びコンプライアント中間材料層の組合せから構成された予設定形状の等間隔の微小カラムを持つ清掃材料の第4実施形態の断面図である。
【
図9A】
図9Aは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの接触エリアに一貫した清掃効率を得るために、1つ又は複数の中間材料層の組合せから構成された
図8Bに示す等間隔の微小カラムの拡大断面図である。
【
図9B】
図9Bは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの接触エリアに一貫した清掃効率を得るために、1つ又は複数の中間材料層の組合せから構成された等間隔の微小角錐を持つ清掃材料の第5実施形態の拡大断面図である。
【
図10A】
図10Aは、曲げ抵抗を制御するために、第2面積モーメント又は慣性モーメントのために「ストリート」配列を使用する相互に分離した微小形体の部分を示す清掃材料の第6実施形態の平面図である。
【
図10B】
図10Bは、曲げ抵抗を制御するために、第2面積モーメント又は慣性モーメントのために「アベニュー」配列を使用する相互に分離した微小形体の部分を示す清掃材料の第7実施形態の平面図である。
【
図10C】
図10Cは、曲げ抵抗を制御するために、第2面積モーメント又は慣性モーメントのために対角線配列を使用する相互に分離した微小形体の部分を示す清掃材料の第8実施形態の平面図である。
【
図11A】
図11Aは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの側面、内部及び接触エリアを清掃するための
図6Aのキャリア基材を持つ清掃材料の断面図である。
【
図11B】
図11Bは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの側面、内部及び接触エリアを清掃するための
図6Aのキャリア基材を持つ清掃材料の断面図である。
【
図11C】
図11Cは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの側面、内部及び接触エリアを清掃するための
図6Aのキャリア基材を持つ清掃材料の断面図である。
【
図12A】
図12Aは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの側面、内部及び接触エリアを清掃するための
図8B及び9Aの微小カラムを持つ清掃材料の断面図である。
【
図12B】
図12Bは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの側面、内部及び接触エリアを清掃するための
図8B及び9Aの微小カラムを持つ清掃材料の断面図である。
【
図12C】
図12Cは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの側面、内部及び接触エリアを清掃するための
図8B及び9Aの微小カラムを持つ清掃材料の断面図である。
【
図13A】
図13Aは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの内部及び接触エリアを清掃するための
図9Bの微小角錐を持つ清掃材料の断面図である。
【
図13B】
図13Bは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの内部及び接触エリアを清掃するための
図9Bの微小角錐を持つ清掃材料の断面図である。
【
図13C】
図13Cは、ピックアンドプレース組立体の真空及び吸引ピックアップツールの内部及び接触エリアを清掃するための
図9Bの微小角錐を持つ清掃材料の断面図である。
【
図14A】
図14Aは、清掃デバイスを使用して清掃する前の真空コレットの例である。
【
図14B】
図14Bは、清掃デバイスを使用して清掃した後の真空コレットの例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、特に、自動又は手動半導体デバイスハンドリング機械のピックアンドプレース装置及びピックアップツールの開口、ノズル及び接触面を定期的にかつ一貫して清掃するためのデバイス、機構及び方法に応用可能であり、本開示の説明は、この文脈において説明する。但し、デバイス、機構及び方法は、様々な物質によって経時的に詰まったり汚れたりする開口、ノズル及び接触面を有する任意のデバイスを清掃するために使用でき、自動又は手動半導体デバイスハンドリング機械の他のピックアップツールを清掃又は改修するためにも使用でき、かつデバイス、機構及び方法は、下に開示する実施形態の変形(それでも本開示の範囲内に在る)を使用して実現できるので、より大きな有用性を有することが、分かるだろう。例えば、下に開示する清掃デバイス及び方法は、コンデンサ、レジスタ、PCB上の集積回路などの広範囲の電子コンポーネントの配置のために使用されるSMT(表面実装技術)コンポーネント配置機械のピックアンドプレース装置を清掃するために使用できる。更に、上記の清掃のために使用される清掃材料は、下で説明する実施形態とすることができるが、本開示の範囲内に在る清掃デバイスの他の変形でも良い。
【0011】
1つの実施例において、ピックアンドプレース装置、真空ピックアップツール及び吸引ピックアップツールは、真空開口を予定通りに清掃しその性能を維持しピックアップ中最大真空力を発揮するために接触面に要求される清浄さを維持するために使用できる、代用デバイス上、様々な基材上、ツールの指定場所に又はインツールキャリアに設置された粘着性エラストマー清掃材料(概略的に下で説明する様々な実施形態の清掃材料)で定期的に清掃できる。ハンドリング対象のコンポーネント/デバイス/ICなどと接触する、ツール/機械(ピックアップツール又はピックアンドプレース装置又はSMTコンポーネント用のピックアンドプレース装置又はパッケージデバイス用のピックアンドプレース装置)の接触部分は、清掃材料を使用して清掃でき、接触要素/部分は、例えば、1つ又は複数の真空開口、1つ又は複数のノズル、1つ又は複数の吸引カップ、1つ又は複数の吸引インレット、1つ又は複数の真空コレット及び半導体デバイスハンドリング機械に接続された真空ピックアップツールである。上記のピックアンドプレース装置に加えて、清掃デバイス及び方法は、ダイアタッチ機械又はフリップチップボンダ機械のピックアンドプレース組立体にも使用できる。清掃材料、デバイス、機構及び方法は、保守のための計画外のダウンタイムの必要なく、手動、半自動及び自動半導体デバイスハンドリング機械内のピックアンドプレース装置を改修するために使用できる。コレット接触面のデブリを清掃する前の真空コレットの例を、
図14Aに示し、下で説明し、本開示の清掃デバイスを使用して清掃した後の同じ真空コレットの例を
図14Bに示し、下で説明する。
【0012】
図1A~Cは、電子デバイス又は半導体デバイスなど表面実装デバイス(107)を「ピックアップ」するために使用される様々なタイプのピックアップツール(101、102及び103)を有する既知の自動又は手動半導体デバイスハンドリング機械(100)を示す。
【0013】
図1Aは、機械100の一部分を示し、特に機械の円錐形真空ピックアップツール(101)部を示し、半導体デバイス(107)をピックアンドプレースするためにインレット/アウトレットが半導体デバイス(107)付近に位置付けられており、
図1Bは吸引カップ型ピックアップツール(102)を示し、半導体デバイス(107)をピックアンドプレースするために可撓性パッド及びインレット/アウトレットが半導体デバイス(107)付近に位置付けられており、
図1Cは、多側面真空コレット型ピックアップツール(103)を示し、半導体デバイス(107)をピックアンドプレースするためにインレット/アウトレットが半導体デバイス(107)付近に位置付けられている。真空ピックアップツール(101、102及び103)は、ピックアップツールを清掃及び/又は改修のために定期的に取り外せるように、半導体デバイスハンドリング機械に取外し可能に取り付けられる。真空ピックアップツール(101、102及び103)は、接触して真空を半導体デバイスの表面に与えることができるまで、半導体デバイス107へ向かって降下される。ピックアップツールの接触面も接触させ、図解のために半導体デバイスの表面に沿った黒い点線で表される半導体デバイス表面に存在するデブリ、粒子又は汚染物(104)(まとめて「デブリ」と呼ぶ)を真空で吸引する。実際のデブリ、粒子又は汚染物は、任意の形状又はサイズを持ち、様々な異なる物質で構成される可能性がある。例えば、ピックアンドプレースされるデバイス上のデブリは、金属製フレーク、モールドコンパウンド断片、はんだ残留物、はんだフラックス残留物、他のデバイスからの粒子、ハンドリング中に生じたダストなどが考えられる。
【0014】
図2A~Cは、半導体デバイスを予設定された場所へピックアンドプレースした後の、様々なタイプのピックアップツール(101、102及び103)を有する既知の自動又は手動半導体デバイスハンドリング機械(100)を示す。半導体デバイス(107)がツール101、102、103によってピックアップされるとき、半導体デバイス(107)からのデブリ、粒子又は汚染物(104)は、図に示すように様々なピックアップツール(101、102及び103)の接触面及びインレット/アウトレットに付着する。例えば、
図2Aは、デブリが真空インレット/アウトレットを塞いでいる円錐形真空ピックアップツール(101)を示し、
図2Bは、デブリが可撓性パッドに付着し真空インレット/アウトレットに詰まっている吸引カップ型ピックアップツール(102)を示し、
図2Cは、デブリがコレットの内部及び外部に在り、真空インレット/アウトレットに詰まっている、多側面真空コレット型ピックアップツール(103)を示す。付着するデブリ、粒子又は汚染物(104)は、真空機構が繰り返し可能に一貫してかつ繰り返しデバイス(107)を1つの場所からピックアップしデバイスを落下又はハンドリングミスすることなしに第2の予設定された場所へデバイスをプレースするために利用できる吸引力を低下させる。ピックアップツール101~103の過剰な下向きの押圧力(付着するデブリ、粒子又は汚染物(104)によって吸引力が減少して、ピックアップツールが所望の吸引を得るためにより強く押し下げるために生じる)は、ダイの破損の周知の主な要因である。
【0015】
図3及び
図4は、様々なピックアップツール(
図3A及び
図4Aにおいて101、
図3B及び4Bにおいて102及び
図3C及び
図4Cにおいて103)の接触面及びインレット/アウトレットを清掃する方法の第1実施形態を示す。汚染物(104)が付着した様々なピックアップツール(101、102及び103)は、新規の清掃方法を使用すると、典型的清掃方法と異なり、真空機構から取り外す必要がない。清掃材料(110)は、清掃基材、代用パッケージ、又はきれいなブロック又はステーション上の予設定された位置に設置できる。清掃プロセスは、様々に実施でき、その中には、人間が手動でピックアップツール(101、102及び103)の接触面及びインレット/アウトレットに隣接して清掃材料(110)を位置付けること、半自動的に人間が清掃材料(110)付近にピックアップツール(101、102及び103)を位置付けるようにハンドリング機械に命令すること、又は自動的に、清掃が必要なとき又は定期的清掃サイクルでハンドリング機械がピックアップツール(101、102及び103)の下に清掃材料又は清掃代用品(104)を移動し位置付けること、を含む。清掃方法が手動、半自動又は自動で開始されるとき、機械は、ピックアップツールを移動し、ピックアップツールは、清掃材料の中へ挿入されるか、又は代用清掃デバイスと接触させられる。
図4は、デブリ、粒子又は汚染物(104)が清掃材料(110)によってどのように捕捉され除去されるかを示す。いくつかの実施形態において、機械のピックアップエラーを検出でき、清掃プロセスを開始できる。清掃頻度は、手動清掃の実施の間の平均時間を延ばしユニットをオフラインにする必要を減少するための予防的保守とすることができる。
【0016】
図5は、ピックアンドプレース装置、真空ピックアップツール又は吸引ピックアップツールに対して実施できる清掃プロセス500を示す。
図5に示すプロセスは、上述のように手動、半自動又は自動で実施できる。プロセス500は、ピックアップツールの接触面をきれいに保つため及び定期的にデブリ、粒子又は汚染物を収集するため、及びダウンタイム又は設備エラーを生じるデバイスの落下又はハンドリングミスを防止するために吸引レベルを維持するために、規則的間隔で現場で実施できる。
図5に示すように、プロセスは、清掃プロセスが実施されるとき清掃材料がツールに隣接して位置付けられること(502)を含むことができる。清掃方法は、その後、ツールを清掃材料に又はその中へ挿入して、デブリを取り除く(504)ことを含むことができる。1つの実施形態において、清掃材料は、機械の通常の作動期間の間に清掃を実施するために使用できる。
【0017】
ピックアンドプレース装置、真空ピックアップツール又は吸引ピックアップツールを清掃するために使用される清掃材料は、様々な形式をとることができる。例えば、清掃材料は、架橋ポリマー層を持ち、清掃材料が半導体デバイスと同じようにハンドリングされるようにキャリア又は基材又はフレームの上に清掃層を持ち、清掃層及び清掃層の下に1つ又は複数層の中間層を持つことができる。清掃材料は、又、ピックアップツールの内部及び外部を清掃するために有利なテクスチャ、形体又は不規則面又はパターンを持つこともできる。清掃材料は、ピックアップツールが清掃材料の中へ挿入されたときピックアップツール及び真空インレット/アウトレットからのデブリを保持するような材料とすることができる。清掃材料は、International Test Solutions, Inc.が製造する市販のProbe polishなどの埋込み研摩粒子又はProbe Lapなどのラッピングフィルムを持つコンプライアントポリマーを含むことが好ましい。
【0018】
図6A、6B及び6Cは、清掃材料が様々な基材、異なるサイズの基材、異なる形状の基材に付けられた又はいくつかの用途においては基材無しの3つの典型的な異なるタイプの清掃デバイスを示す。
図6A及び6Bに示すように、清掃デバイス20及び21は、それぞれ、基材23と、それぞれ既知の形状のキャリア又は基材の表面に固定、付着又は塗布された清掃媒体材料又はパッド24と、を含むことができる。基材23は、プラスチック、金属、ガラス、シリコン、セラミック又は任意の他の同様の材料とすることができる。更に、
図6Cに示す基材25は、パッケージICデバイス(DUT)22の形状に類似する形状を持つことができる。ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを清掃するために清掃材料を持つこのような清掃デバイスを使用すること、又は機械の通常の作動中にピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを清掃作動中機械から取り外すことなく清掃を行うことは、知られていない。
【0019】
ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの清掃プロセス及びデバイスは、添付図面及び実施形態を参照しながら更に詳しく説明するように、1つ又は複数のコンプライアント中間層を持つ清掃媒体を使用できる。1つの実施形態(
図7A)において、清掃媒体220は、ボンドパッド又はフレームに接触するピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの清掃に寄与する硬度、弾性モジュールなどの予設定特性を持つ清掃パッド層202から作ることができる。清掃媒体220は、又、清掃パッド層の下方に付着される1つ又は複数のコンプライアント中間層203を持つことができる。層の組合せは、個別の構成材料からは得られない材料特性を生じ、多様なマトリックス、研摩粒子及び形状は、清掃性能を最大化するための最適の組合せを持つ製品または構造を可能にする。コンプライアント又は微小多孔質フォームの下位層を剛性清掃層の下に加えることによって、清掃材料の全体的特性が、形状又は機能を犠牲にすることなくピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの耐用年数全体を延ばすために強化される。コンプライアント未充填ポリマーの表面又は微小多孔質フォームの「スキン」側に研摩粒子層を塗付することによって、好ましい研摩特性を持つ多層材料が得られる。下位層のコンプライアンス全体は、体系的に増大する(剛性が減少する)ので、清掃材料の特性全体を画定できる。
【0020】
図7Aに示す1つの実施形態において、清掃媒体220は、表面清掃パッド層を汚染物から分離するために、意図される使用の前に清掃パッド202層の上に取り付けられる取外し可能保護層201を持つことができる。取外し可能保護層201は、清掃デバイスがピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを清掃するための使用準備が整うまで、清掃パッド層202の作用面をデブリ/汚染物から保護する。清掃デバイスがピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの清掃のために使用準備が整ったら、取外し可能保護層201を取り外して、清掃パッド層202の作用面を露出できる。保護層は、既知の非反応性高分子膜材料で作ることができ、好ましくはポリエステル(PET)フィルムで作られる。保護層は、清掃効率を上げるためにマット仕上げ又はその他の「テクスチャ」形体を持つことができる。マット仕上げ又はテクスチャ面は、清掃面を識別するためにも役立つ場合がある。表面は、「機能的」となり、この「機能的形体」は、様々なノズル及びコレットの清掃性能を助長する。このような機能的形体は、真空通路内の清掃及びデブリ収集のために真空ノズルの内部に挿入できる。
【0021】
清掃媒体220は、1つ又は複数のコンプライアント層203に加えて、
図7Aに示すように、1つ又は複数のコンプライアント層203の下に接着層204と、接着層204の上に剥離層205と、を持つことができる。予設定の基材(ツールの清掃のため)の上への清掃デバイス220の設置は、第2剥離ライナ層205(第1剥離ライナ層と同じ材料で作られる)を取り除いて、接着層204を露出し、その後接着層204を基材面に当てることによって実施される。その後、接着層204を基材に押し付けて、清掃デバイス220を基材に接着できる。基材は、先行技術において説明されるような異なる目的を有する多様な材料とすることができる。
【0022】
上述の清掃パッド層202及び下で説明する清掃パッド層は、清掃材料に予設定された機械、材料及び寸法特性を与えることができる。例えば、清掃パッド層は、研摩性、比重(例えば、0.75~2.27の範囲)(比重は特定の温度の水の密度に対する密度の比率である)、弾性(例えば、40MPa~600MPaの範囲)、粘着性(例えば、20~800グラムの範囲)、平面性及び厚み(例えば、25μm~500μmの範囲)を与えることができる。
【0023】
1つ又は複数の中間層203(上述のようにコンプライアント層、下で説明するように剛性層、又は下で説明するようにコンプライアント層と剛性層の組合せにすることができる)は、清掃材料に予設定の機械、材料及び寸法特性を与えることができる。例えば、1つ又は複数の中間層は、研摩性(下で更に詳しく説明する)、比重(例えば、0.75~2.27の範囲)(比重は、特定の温度の水の密度に対する1つ又は複数の中間層の密度の比率である)、弾性(例えば、40MPa~600MPaの範囲)、粘着性(例えば、20~800グラムの範囲)、平面性、厚み(例えば、25μm~500μmの範囲)及び/又は気孔率(例えば、10~150微小孔/インチの範囲)(インチ当たりの平均孔数)を与えることができる。
【0024】
図7Bに示す別の実施形態において、清掃媒体220は、清掃パッド層202を持ち、清掃パッド層202の下に在る1つ又は複数の剛性中間層206が清掃パッド層202を支持する。別の実施形態(
図7C)において、清掃媒体220は、予設定特性を持つ清掃パッド層202の下の1つ又は複数の剛性中間層206と1つ又は複数のコンプライアント材料層203の組合せを使用して構成できる。
図7Cの実施形態は、清掃パッド202と1つ又は複数の剛性層206との間に1つ又は複数のコンプライアント層203を有するが、代わりに、清掃パッド層202のすぐ下に1つ又は複数の剛性層及び剛性層206の下に1つ又は複数のコンプライアント層を持つことができる。又、
図7B及び7Cの実施形態も、上述のように2つの保護ライナ層201、205及び接着層204を有する。
【0025】
図7Dは、清掃媒体220が予設定された特性を持つ清掃パッド層202の下に1つ又は複数の剛性中間層206と1つ又は複数のコンプライアント材料層203を交互に配置することによって構成される実施形態を示す。この実施形態において、清掃媒体220は、清掃パッド202の下に1つ又は複数のコンプライアント層203を有し、その後1つ又は複数の剛性層206及び1つ又は複数のコンプライアント層203を有するが、清掃媒体220は、本開示の範囲内で、別の構成で交互にコンプライアント層と剛性層を持つことができる。この実施形態において、清掃パッド202及び下位層(203、206など)は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの清掃に寄与する予設定の研摩性、密度、弾性、及び/又は粘着性特性を有する。清掃層及び中間材料層の特性の重ね合わせは、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの具体的な構成及び幾何学的形体に応じて変動できる。
【0026】
清掃パッド層202の研摩性は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットからデブリを外してせん断する。研摩粒子の予設定の体積及び質量密度を使用することによって、デブリ除去を容易にするため体系的に清掃材料の研摩性に影響を与えることができる。清掃材料層内に装填される典型的な研摩材料及び粒子の重量パーセントは、30%~500%重量パーセントの範囲とすることができる。本出願において使用する場合、ポリマー装填の重量パーセントは、ポリマーの重量をポリマーの重量プラス研摩粒子の重量で割ったものとして画定できる。材料に組み込める典型的な研磨剤は、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及びダイアモンドを含むことができるが、研摩材料は、他の周知の研摩材料とすることもできる。研磨剤は、空間的に又は選択的に分散した酸化アルミニウム、炭化ケイ素又はダイアモンドの粒子を含むことができるが、研摩粒子は、7以上のモーズ硬度を持つ他の周知の研摩材料でも良い。清掃層の制御された表面粘着性は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレット上のデブリがパッドに優先的に貼り付いて、清掃作動中にピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットから除去されるようにする。
【0027】
1つの実施形態において、清掃材料層202、及び/又は剛性中間層206、及び/又はコンプライアント中間層203(各々、「材料層」)は、ゴム及び合成及び天然両方のポリマーを含むソリッド又は開放又は閉鎖セルを持つフォームベースのエラストマー材料で作ることができる。各材料層は、40MPa超え~600MPa未満の範囲の弾性モジュールを持つことができ、層の厚みの範囲は、25μm以上~500μm以下とすることができる。各材料層は、30ショアA~90ショアA以下の硬度範囲を持つことができる。清掃接着層は、-50℃~+200℃の使用範囲を持つことができる。各エラストマー材料は、材料の本体内に空間的に又は選択的に分散した予設定の粘着性又は研摩性の粒子で製造された材料とすることができる。各材料は、エラストマーマトリックスの無欠性を保持しながら、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットがエラストマー材料層の中へ貫入して、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの幾何学的形体に損傷を与えることなく真空ピックアップツールからデブリを除去できるようにする、予設定の弾性、密度及び表面張力パラメータを持つことができる。各材料層は、概ね1~20ミルの予設定厚みを持つ。各層の厚みは、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの固有の構成に応じて変動できる。例えば、薄い材料の清掃材料層(厚み~1ミル)は、フラットチューブなどの「非貫入」形状に適し、厚い材料の清掃層(~20ミル)は、「貫入(penetrating)」チューブ形状に適する。組立体設備の1つ又は複数の組立体要素及び支持ハードウェアとして、自動、半自動又は手動清掃の正常な作動中の清掃パッドにおいて、垂直接触力が、接触要素をパッドの中へ駆動し、パッド材料によって、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットのデブリが除去されて、パッド材料によって保持される。
【0028】
清掃媒体221(
図8A及び8B)の別の実施形態において、清掃材料の最大清掃効率は、予設定のアスペクト比(直径対高さ)、断面(正方形、円形、三角形など)を持つ微小カラム又は微小角錐などの均等の形状及び規則的間隔の複数の幾何学的微小形体212を使用することで改良できる。
図8Aに示す実施形態において、間隔を置いた微小形体は、予設定の特性を持つコンプライアント又は剛性中間層207の組合せの上のかつこれを横切る単一層212から構成される。1つのタイプの微小形体構成の例として、
図8Aに示す正方形の微小カラムは、精密製造プロセス及び/又は制御されたカッティング法の組合せを使用して作成でき、長軸が100ミクロン以下で「ストリート」及び「アベニュー」幅が50μm未満である。「ストリート」及び「アベニュー」の深さは、アスペクト比を得るためにカッティング法によって制御される。この実施例において、形体は、長軸幅100ミクロン対深さ(又は高さ)200ミクロンを有する。この構成において、深さは、清掃材料層を通り抜けて又は下位層の中までカッティングすることなく得られる。
図8Bの実施形態において、等間隔の微小形体は、予設定特性を持つ複数のコンプライアント又は剛性中間層207の多層213から構成できる。微小形体のサイズ及び形状は、デブリを取り除くがピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを損傷しないパッドを得るために、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの構成及び材料に応じて変動できる。微小形体が接触要素の形状に比べて大きい場合、清掃性能に悪影響があるだろう。微小形体が接触要素形状に比べて小さい場合、相反力は、付着する汚染物を取り除くために高い清掃効率を得るためには不充分である。
【0029】
概略的に、微小形体は、円筒形、正方形、三角形、長方形などを含めていくつかのタイプの形状を持つことができる。各微小形体の長軸の断面サイズは、25μm以上500μm未満とすることができ、各微小形体は、1:10~20:1の範囲のアスペクト比(縦横比)を持つことができる。微小形体の形状は、材料をピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを改修するために使用できるように、清掃層を製造する際に調節できる。
【0030】
図9A及び9Bの実施形態において、微小形体を持つ清掃材料の拡大断面図を示すが(それぞれ、清掃材料224、324の微小カラム219(9A)及び微小角錐319(
図9B))、形体は、他の任意の規則的幾何学的形体とすることができる。負荷の下での微小形体の歪みは、負荷に依存するだけでなく、形体の断面の形状にも依存する。
【0031】
図9Aの実施形態において、微小カラムの間隔又はピッチ215、形状の特性であり両方とも曲げ及び歪みに対する形体の抵抗を予測するために使用できる面積慣性モーメント216又は第2慣性モーメント、清掃パッドの長さ217、中間パッドの長さ218、及び微小カラムの全長219は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの固有の構成に応じて予設定される。ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットのために、微小カラムの形状は、清掃形体が「インレット/アウトレットの中へ」嵌入でき、かつ清掃作用及びデブリ取集のためにツールの側面に沿って物理的に接触できるような形状である。この例において、真空インレット/アウトレットは、125ミクロンの直径を持つことが考えられる。清掃材料については、形体断面長軸の長さは、125ミクロン未満、高さは、清掃材料の中へのオーバートラベルを容易にするために少なくとも60ミクロンとなる。
【0032】
図9Bにおいて、微小角錐頂点間隔又はピッチ315及び高さに沿った可変的慣性モーメント316、清掃パッド角錐長さ317、角錐台高さ318、及び微小角錐の全高319は、同様に、真空ピックアップツールの固有の構成に応じて予設定される。例えば、微小角錐形状は、清掃材料が、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの中へ嵌入してピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの内部及びピックアップツールの側面に沿って清掃作用及びデブリ収集を行えるような形状である。特定のピックアップツール構成の場合、微小形体の形状は、清掃形体がピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの中へかつピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの側面に沿って嵌入して清掃作用及びデブリ収集を行えるような形状である。微小形体の形状は、精密カッティングプロセスが使用される場合切り口(即ち、「ストリート幅及び形状」及び「アベニュー幅及び形状」)によって、又は鋳造プロセスが使用される場合には鋳型形状によって画定される。清掃材料の微小形体の場合、微小形体上面の断面主軸長さは、ピックアップコレット内清掃を容易にするためには125ミクロン未満である。全高は、清掃材料の中へのオーバートラベルを容易にし、清掃及び/又は物質除去作用を開始するために充分な相反力を与えるためには、少なくとも200ミクロンである。
【0033】
上述の微小形体は、上面に、微小形体の長さに沿って、微小形体の本体内に、又は微小形体の底に、塗布された研磨粒子を持つことができる。1つの実施形態において平均的微小形体は、1.0μm以上の断面幅、400μm以下の高さ、及び15.0μm未満の平均研摩粒子サイズを持つことができる。材料層及び微小形体の中へかつこれを横切って組み込める典型的研摩剤は、酸化アルミニウム、炭化ケイ素及びダイアモンドを含むが、研摩粒子は、又、7以上のモーズ硬度を持つ他の周知の研摩材料とすることもできる。微小形体に付加される研摩材料の量及びサイズは、デブリを除去しこれを収集するが損傷を生じないパッドを得るために、ピックアップツールの接触面及び真空インレット/アウトレットの構成及び材料に応じて変動できる。
【0034】
図10A、10B及び10Cは、それぞれ清掃材料226及び326の実施形態を示す図であり、微小形体は、ストリート351、アベニュー352及び対角線353の予設定された配列を使用して、相互に分離され予設定慣性モーメントを持つように形成されて、望ましくない相互作用及びその他の結合効果を取り除き、予設定された表面コンプライアンスを得て、真空ピックアップツールがパッド表面に接触したとき、材料によって接触要素先端形状内の接触エリアの中へ相反力が与えられて、デブリ及び汚染力を除去する効率を向上するための構造体を支持する。ストリート、アベニュー及び対角線の幅は、接触要素の側面及び幾何学的形体接触要素先端内からデブリを均等に除去するために分離した材料面を得るために、真空ピックアップツールの構成及び材料に応じて変動できる。ストリート、アベニュー及び対角線は、幅全体に均等に又は選択的に分散する研摩粒子を持つことができる。ストリート、アベニュー及び対角線の幅並びに幅を横切る研摩材料のサイズは、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの構成及び材料に応じて変動できる。このような実施形態において、清掃材料の各アイランド360は、他の微小形体から分離される微小形体である。
【0035】
清掃システム及び清掃パッドは、付着する微粒子をピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットから除去し収集するだけでなく、全体形状及び幾何学的特性に影響を与えない。ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを、
図6Aに示すキャリアデバイス20、
図6Bの基材デバイス21、
図6Cのダミーパッケージデバイス22などの清掃デバイスの中へ挿入すると、付加的なオフライン又はオンラインプロセスでその後除去しなければならない有機残留物を残すことなく、付着するデブリ及び支持ハードウェアを取り除く。
【0036】
ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの現場清掃方法は、ツールをハンドリング機械から取り外すことなくピックアップツールを清掃するので、ダウンタイムを減少し生産性を向上すると言う目的を達成する。清掃材料は、清掃ボック又はステーションの予設定位置に設置され、清掃アルゴリズムが手動で、半自動的に又は自動的に開始されるとき、機械は、清掃材料が設置されている予設定された場所へピックアップツールを移動し、その後ピックアップツールは清掃材料の中へ挿入される。デバイスの清掃材料層は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの構成及び材料に応じて予設定された物理的、機械的及び幾何学的特性を有する。
【0037】
円錐形真空ピックアップツール(101)を清掃するのに適する微小形体を持つ清掃材料の実施形態を、
図11Aに示す。吸引カップ型真空ピックアップツール(102)を
図11Bに示し、多側面真空コレット型ピックアップツール(103)を
図11Cに示す。この例示的実施例の場合、標準的ピックアップツールを示すが、ハンドリング機械の他の周知の要素は示さない。清掃材料324は、キャリア基材20(
図11A~11C)上に又は清掃エリア基材500上に設置される。清掃実施中、ハンドリング機械は、ピックアップツールを清掃材料の中へ挿入できるように、清掃ブロック/パッドの位置まで移動する(手動で、半自動で、又は自動で)ようにプログラムされる。指定された時間間隔で又は「オンデマンド」で、ピックアップツールは、清掃材料324が予設定された垂直位置に接触するように駆動されるとき清掃される。
【0038】
図11A~11Cに示す清掃材料324は、上述のような微小形体を持つことができる。微小形体(例えば、微小カラム)が使用され、清掃デバイスの幾何学的形体は間隔、形状を持ち、微小カラムの研摩性は、ピックアップツールに対する相反圧力がデブリを除去し収集するために効率良く清掃できるような研摩性である。微小カラムの間隔215、慣性モーメント216及び全長219は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレット直径(101、102、103)の構成及び材料に基づいて構成される。ピックアップツール(101、102、103)が清掃材料324の中へ押し込まれると、デブリは、インレット/アウトレットの表面並びに内部から除去される。パッド/ポリマー/基材層及び表面微小形体の数は、清掃デバイスの全体厚み及び清掃の厚みのコンプライアンスを制御するために制御できる。この多層実施形態は、多側面真空コレット型ピックアップツールの内部を効率良く「エッジサイド」清掃できるようにする。
【0039】
上述のように、清掃作動は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの清掃が正常の作動の間に実施されるので、ハンドリング機械の作動に一切影響を与えない。このように、清掃作動は、安価で、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットを過剰なダウンタイム及びスループット損失なしに清掃できるようにする。
【0040】
図12A~13Cに示す微小形体実施形態において、微小形体(
図12A~12Cの微小カラム224又は
図13A~13Cの微小角錐構造324)が使用され、清掃デバイスの幾何学的形体は、間隔、形状を有し、微小角錐の研磨性は、ピックアップツールに対する相反圧力がデブリを除去するために効率的に清掃できるような研摩性である。ストリート350、アベニュー351及び対角線352及び幅及び深さによる微小形体の分離は、ピックアップツールの接触面、側面及び真空インレット/アウトレットの構成及び材料に応じて予設定される。パッド/ポリマー/基材層及び表面微小形体の数は、清掃デバイスの厚み全体並びに清掃の厚みのコンプライアンスを制御するように制御できる。この多層実施形態は、多側面真空コレット型ピックアップツールの内部を効率的に「エッジサイド」清掃できるようにする。
【0041】
図14Aは清掃デバイスを使用して清掃する前の真空コレット1400の例であり、
図14Bは、清掃デバイスを使用して清掃した後の真空コレット1400の例である。真空コレット1400は、内部空隙エリアを持つ円形の接触面1402を有する。
図14Aに示すように、未清掃の真空コレット1400は、ピックアンドプレース機械の場合繰返しのピックアップアンドプレース動作の後に蓄積した1つ又は複数のデブリ片1404が、接触面1402にある。付着するデブリ1404は、コレットとピックアンドプレースされるデバイスとの間の真空シールの質に影響を与えて、真空力を減じる。デブリ片1404は、手動でデブリを清掃しコレットの性能を回復するために必要とされる計画外のダウンタイムを生じる。上に開示する清掃材料及び清掃プロセスを使用して真空コレットが清掃されるとき、真空コレットは、清掃材料の表面と接触し、付着するデブリは、
図14Bに示すように接触面1402からかつコレット先端の側面に沿って除去される。必要に応じて、コレットは、複数回、清掃ポリマーの中へ作動されて、付着したデブリを除去できる。
図14Bに示すようにコレット接触面1402の清掃は、計画外の保守のためにシステムをオフラインにすることなく実施できる。
【0042】
以上の説明は、具体的な実施形態を参照して説明した。しかし、上の例示的論証は、網羅的であること又は本開示を開示する正確な形式に限定することを意図しない。多くの修正及び変更が上記の教示を参照して可能である。実施形態は、本開示の原則及びその実用的応用をより良く説明し、それによって他の当業者が本開示及び様々な実施形態を想定される特定の使用法に適する様々な修正を加えてより良く利用できるようにするために、選択し、説明した。
【0043】
本出願において開示するシステム及び方法は、1つ又は複数のコンポーネント、システム、サーバー、器械、その他のサブコンポーネントを介して実現される又はこれらの要素の間で分散できる。システムとして実現される場合、システムは、例えば汎用コンピュータに見られるソフトウェアモジュール、汎用CPU、RAMなどのコンポーネントを含むことができる。イノベーションがサーバーに存在する実現形態においては、このようなサーバーは、汎用コンピュータに見られるようなCPU、RAMなどのコンポーネントを含むことができる。
【0044】
更に、本出願のシステム及び方法は、上述のものの他に、異種の又は全く異なるソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアコンポーネントによる実現形態によって得られる。例えば、このような他のコンポーネント(例えば、ソフトウェア、処理コンポーネントなど)及び/又は本発明に関連付けられる又はこれを実現するコンピュータ可読媒体に関しては、本出願に示すイノベーションの形態は、多数の汎用又は専用計算システムまたは構成と一貫して実現できる。本出願に示すイノベーションと使用するのに適する様々な好ましい計算システム、環境及び/又は構成は、パソコン、サーバー又はルーティング/接続コンポーネントなどサーバーコンピュータデバイス、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、消費者用電子デバイス、ネットワークPC、その他の既存のコンピュータプラットフォーム、上記のシステム又はデバイスの1つ又はそれ以上を含む分散コンピュータ環境、を含むことができるが、これに限定されない。
【0045】
いくつかの事例において、システム及び方法の形態は、例えばこのようなコンポーネントまたは回路構成と関連付けられて実行されるプログラムモジュールを含むロジック及び/又はロジック命令を介して達成できる又はこれによって実施できる。概略的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施する又は特定の命令を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むことができる。本発明は、又、分散ソフトウェア、コンピュータ又は回路構成において実施でき、回路は、通信バス、回路構成又はリンクを介して接続される。分散構成において、制御/命令は、メモリ記憶デバイスを含むローカル及びリモートの両方のコンピュータ記憶媒体から得られる。
【0046】
本出願において示すソフトウェア、回路構成及びコンポーネントは、又、1つ又は複数タイプのコンピュータ可読媒体を含みかつ/又は利用できる。コンピュータ可読媒体は、前記の回路及び/又はコンピュータコンポーネントに常駐する、これと結合される又はこれがアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。例えば、限定的でなく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法又はテクノロジーにおいて実現される揮発性及び非揮発性、リムーバブル及び非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラシュメモリその他のメモリテクノロジー、CD-ROM、デジタル多目的ディスク(DVD)又はその他の光学的記憶装置、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、又は所望の情報を記憶するために使用できコンピュータコンポーネントによってアクセスできるその他の媒体を含むが、これらに限定されない。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及び/又はその他のコンポーネントを含むことができる。更に、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続、などの有線媒体を含むことができるが、任意のこのようなタイプの媒体は一時的媒体を含まない。上記のものの任意の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0047】
この説明において、コンポーネント、モジュール、デバイスなどの用語は、多様に実現できる任意のタイプの論理的又は機能的ソフトウェア要素、回路、ブロック及び/又はプロセスを意味することができる。例えば、様々な回路及び/又はブロックの機能は、相互に組み合わせて、他の任意の数のモジュールにすることができる。各モジュールは、本出願のイノベーションの機能を実現するために中央処理ユニットによって読み取られる有形メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、CD-ROMメモリ、ハードディスクなど)に記憶されたソフトウェアプログラムとして実現することさえできる。又は、モジュールは、送信搬送波を介して汎用コンピュータ又は処理/グラフィックハードウェアへ送信されるプログラミング命令を含むことができる。又、モジュールは、本出願のイノベーションが包含する機能を実現するハードウェアロジック回路として実現できる。又、モジュールは、特殊目的命令(SIMD命令)、フィールドプログラマブルロジックアレイ又は所望のレベルの性能及びコストを与えるこれらの混合物を使用して実現できる。
【0048】
本出願において開示するように、本開示と両立する特徴は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアを介して実現できる。例えば、本出願において開示するシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路構成、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せを含むコンピュータなどのデータプロセッサを含めて様々な形式で体現できる。更に、開示する実現形態のいくつかは、具体的なハードウェアコンポーネントについて説明するが、本出願のイノベーションと両立するシステム及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組合せで実現できる。更に、上記の特徴及び本出願のイノベーションのその他の形態及び原則は、様々な環境で実現できる。このような環境及び関連応用は、特に、本発明に従った様々なルーチン、プロセス及び/又はオペレーションを実施するために構成するか、又は必要な機能を与えるためにコードによって選択的に起動される又は再構成された汎用コンピュータ又はコンピュータプラットフォームを含むことができる。本出願において開示するプロセスは、本来、特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境又はその他の装置に関連するものではなく、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの適切な組み合わせによって実現できる。例えば、様々な汎用機械を、本発明の教示に従って書かれたプログラムと一緒に使用するか、又は要求される方法及びテクニックを実施するために専用装置又はシステムを構成するとより便利である場合がある。
【0049】
ロジックなど本出願において説明する方法及びシステムの形態は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)デバイス、電気的プログラマブルロジック及びメモリデバイスなどプログラマブルロジックデバイス(PLD)及び標準的セルベースデバイス並びに特定用途向け集積回路を含めて、多様な回路構成にプログラムされた機能性として実現できる。形態を実現するためのその他のいくつかの可能性としては、メモリデバイス、メモリ(EEPROM)を持つマイクロコントローラ、埋込マイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどを含む。更に、形態は、ソフトウェアベース回路エミュレーション、離散的ロジック(順次的及び組合せ)、カスタムデバイス、ファジー(ニュートラル)ロジック、量子デバイス及び上記のデバイスタイプの任意のものの混合を有するマイクロプロセッサにおいて体現できる。基礎となるデバイステクノロジーは、例えば相補形金属酸化膜半導体(CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)テクノロジー、エミッタ結合ロジック(ECL)のようなバイポラーテクノロジー、ポリマーテクノロジー(例えば、シリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー-金属構造)、アナログ及びデジタル混合など、多様なコンポーネントタイプで、与えることができる。
【0050】
本出願において開示する様々なロジック及び/又は機能は、ハードウェア、ファームウェアの任意の数の組合せを使用して、及び/又は行動、レジスタ転送、ロジックコンポーネント及び/又はその他の特徴に関して様々なマシン可読又はコンピュータ可読媒体において体現されたデータ及び/又は命令として、使用可能になる。このようなフォーマット化されたデータ及び/又は命令を体現できるコンピュータ可読媒体は、様々な形式の(例えば、光学的、磁気又は半導体記憶媒体)非揮発性記憶媒体を含む(但し、これに限定されない)が、一時的媒体は含まない。文脈上明確に要求しない限り、説明全体を通じて、「含む、備える(comprise)」及びこれに類似する語句は、排他的又は網羅的意味ではなく包括的意味で、即ち「含まれるが、これに限定されない」と言う意味で解釈されるべきである。単数又は複数を使用する単語は、それぞれ、複数又は単数も含む。更に、「本出願において」、「以後」、「上で」、「下で」及び同様の単語は、本出願全体を意味し、本出願の特定部分を意味しない。「又は」が2つ以上の項目のリストについて使用される場合、この単語は、単語の以下の解釈の全てを包括する。即ち、リストの項目のいずれか、リストの項目の全て、及びリストの項目の任意の組合せ。
【0051】
現在望ましい本発明の実現形態について具体的に本出願において説明したが、本発明が属する技術分野の当業者には、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本出願において図示し説明する様々な実現形態に変更及び修正を加えることができることが明らかであろう。したがって、本発明は、適用可能な法規範によって要求される範囲でのみ限定されることを意図する。
【0052】
以上のことは、本開示の特定の実施形態を参照するが、本開示の原則及び主旨から逸脱することなくこの実施形態に変更を加えることができ、本開示の原則及び主旨の範囲は特許請求の範囲によって画定されることが、当業者には分かるだろう。
【国際調査報告】