(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】食品加工機
(51)【国際特許分類】
A47J 19/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A47J19/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500598
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 KR2019016701
(87)【国際公開番号】W WO2021006435
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0081452
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519283613
【氏名又は名称】エヌユーシー エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NUC ELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ボ・キム
(57)【要約】
本発明の実施形態に係る食品加工機は、上段に食品を投入することができる開口部が形成され、前記開口部を介して投入された食品を受容する受容空間が形成された容器と、前記開口部を開閉することができるように前記容器に脱着可能に結合され、前記容器に結合された状態で前記受容空間と連通する第1排気流路が形成された蓋と、前記容器及び蓋の少なくとも一部を囲むように備えられ、前記第1排気流路と連通する第2排気流路が形成されたエンクロージャーと、前記第2排気流路と連結される真空ポンプと、前記第1排気流路と前記第2排気流路との間に備えられ、前記真空ポンプにより前記受容空間内の気体が排気される中に、前記第1排気流路内に流入した異物が前記第2排気流路に流入することを防止する異物トラップユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上段に食品を投入することができる開口部が形成され、前記開口部を介して投入された食品を受容する受容空間が形成された容器と、
前記開口部を開閉することができるように前記容器に脱着可能に結合され、前記容器に結合された状態で前記受容空間と連通する第1排気流路が形成された蓋と、
前記容器及び蓋の少なくとも一部を囲むように備えられ、前記第1排気流路と連通する第2排気流路が形成されたエンクロージャーと、
前記第2排気流路と連結される真空ポンプと、
前記第1排気流路と前記第2排気流路との間に備えられ、前記真空ポンプにより前記受容空間内の気体が排気される中に、前記第1排気流路内に流入した異物が前記第2排気流路に流入することを防止する異物トラップユニットと、を含む食品加工機。
【請求項2】
前記異物トラップユニットは、前記エンクロージャーに脱着可能に設置される、請求項1に記載の食品加工機。
【請求項3】
前記エンクロージャーは、前記異物トラップユニットが脱着可能に設置されるトラップユニット受容溝を含み、
前記第2排気流路の一端は、前記トラップユニット受容溝の側面に露出され、前記異物トラップユニットは、前記エンクロージャーに結合された状態で前記第2排気流路の一端と連結される排気孔が片側に形成される、請求項2に記載の食品加工機。
【請求項4】
前記エンクロージャーは、下部エンクロージャーと、前記下部エンクロージャーに対して一定角度範囲内で回転可能に備えられる上部エンクロージャーと、を含み、
前記上部エンクロージャーは、前記異物トラップユニットが脱着可能に設置されるトラップユニット受容溝を含み、
前記第2排気流路の一端は、前記トラップユニット受容溝の側面に露出され、
前記異物トラップユニットは、前記上部エンクロージャーに結合された状態で前記第2排気流路の一端と連結される排気孔が片側に形成される、請求項2に記載の食品加工機。
【請求項5】
前記第2排気流路は、
前記上部エンクロージャーを通過するように形成される上部排気流路と、
前記下部エンクロージャーを通過するように形成される下部排気流路と、を含む、請求項4に記載の食品加工機。
【請求項6】
前記上部排気流路は、
前記上部エンクロージャーが前記下部エンクロージャーに対して閉鎖状態に位置する際に前記下部排気流路と連結され、
前記上部エンクロージャーが前記下部エンクロージャーに対して開放状態に位置する際に前記下部排気流路と連結が切れる、請求項5に記載の食品加工機。
【請求項7】
前記下部排気流路の上端は、前記下部エンクロージャーの上部に露出され、
前記上部排気流路の下端は、前記上部エンクロージャーの下部に露出される、請求項6に記載の食品加工機。
【請求項8】
前記異物トラップユニットは、
前記蓋の上面に安着し、前記第1排気流路と連通する流入孔が形成された下部部材と、
前記流入孔を介して流入した気体を前記第2排気流路側に案内する案内流路の少なくとも一部を形成する上部部材と、
前記上部部材と前記下部部材との間に昇降可能に備えられ、前記流入孔を介して前記上部部材と前記下部部材との間に流入した液体により上昇し、前記案内流路を閉鎖する可動部材と、を含む、請求項1に記載の食品加工機。
【請求項9】
前記可動部材は、前記液体による浮力により上昇して前記案内流路を閉鎖する、請求項8に記載の食品加工機。
【請求項10】
前記可動部材は、前記下部部材の内側面に隣接した周縁部を有する遮断プレートを含み、
前記遮断プレートの周縁部と前記下部部材の内側面との間に前記流入孔を介して流入した液体が介在すると、前記案内流路を介して伝達される真空圧により前記可動部材が上昇して前記案内流路を閉鎖する、請求項8に記載の食品加工機。
【請求項11】
前記案内流路のうちの一部は、前記可動部材の上面と前記上部部材の下面との間の空間である、請求項8に記載の食品加工機。
【請求項12】
前記流入孔と前記第1排気流路との間の空間が密閉されるように前記下部部材は前記第1排気流路を囲み、前記蓋の上面と密着する環状の密着部を含む、請求項8に記載の食品加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品加工機に関し、より詳細には、真空吸入過程で吸入された異物をろ過する食品加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
食品に粉砕、混合、搾汁等を行う様々な食品加工機が存在する。
【0003】
食品加工機は、一般に加工の対象になる食品を容器に入れた後に、加工部材(ブレード、スクリュー等)を利用して食品に対する加工を進行する。
【0004】
近年には、食品加工過程で食品が酸化することを防止するために、容器内部を陰圧環境になるように真空排気した後に食品に対する加工を進行する食品加工機が登場している。
【0005】
しかしながら、真空排気過程で異物が排気流路内に流入すると、真空ポンプまで異物が到達することになり、結局のところ、真空ポンプが破損することがしばしば発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、異物を効果的に遮断することができる食品加工機を提供することにある。
【0007】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されないまた別の課題は、以下の記載から当業者にとって明確に理解できるはずだ。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の実施形態に係る食品加工機は、上段に食品を投入することができる開口部が形成され、前記開口部を介して投入された食品を受容する受容空間が形成された容器と、前記開口部を開閉することができるように前記容器に脱着可能に結合され、前記容器に結合された状態で前記受容空間と連通する第1排気流路が形成された蓋と、前記容器及び蓋の少なくとも一部を囲むように備えられ、前記第1排気流路と連通する第2排気流路が形成されたエンクロージャーと、前記第2排気流路と連結される真空ポンプと、前記第1排気流路と前記第2排気流路との間に備えられ、前記真空ポンプにより前記受容空間内の気体が排気される中に、前記第1排気流路内に流入した異物が前記第2排気流路に流入することを防止する異物トラップユニットと、を含む。
【0009】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、少なくとも次のような効果がある。
【0011】
固体の異物は勿論、少量の液体の異物まで効果的に遮断できる。
【0012】
本発明による効果は、以上で例示された内容により制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る食品加工機の一部を示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る食品加工機の上部エンクロージャーが開放された状態を示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る食品加工機の上部エンクロージャーが開放された状態を示した正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る食品加工機の分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る食品加工機の上部エンクロージャーの底部を示した斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る食品加工機の下部エンクロージャーの後面部を示した斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る食品加工機の異物トラップユニットの分解斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る食品加工機の縦断面を示した斜視図である。
【
図10】本発明の別の実施形態に係る食品加工機を示した縦断面図である。
【
図11】真空排気中である状態の
図10のB部分を拡大図示した図面である。
【
図12】真空排気が完了した状態の
図10のB部分を拡大図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるわけではなく、互いに異なる様々な形態で実現されることができ、単に本実施形態は、本発明の開示を完全にして、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0015】
また、本明細書で記述する実施形態は、本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は概略図を参考にして説明されるはずだ。したがって、製造技術及び/又は許容誤差等により例示図の形態が変形し得る。また、本発明に図示された各図面において、各構成要素は説明の便宜を考慮し、多少拡大又は縮小されて図示されたものであり得る。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指称する。
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る食品加工機を説明するための図面を参考として、本発明について説明するようにする。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の一部を示した斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る食品加工機1は、エンクロージャー20と異物トラップユニット10とを含む。
【0019】
図1に示すエンクロージャー20は、示していないベース上に脱着可能に設置される。ベースは内部にモータ、真空ポンプ、モータと真空ポンプとを制御するための回路基板、食品加工機1を操作するための操作手段等を含むことができる。
【0020】
図1には、本発明について説明するための一実施形態として、ベース上に脱着可能に設置されるエンクロージャー20を備えた食品加工機1を示しているが、本発明がこれに限定されるわけではなく、実施形態によってベースまで内部に受容するエンクロージャーに異物トラップユニット10が設置されることもある。
【0021】
また、
図1には、エンクロージャー20が上部エンクロージャー21と下部エンクロージャー22とを含んで構成される例を示しているが、本発明がこれに限定されるわけではなく、実施形態によって鐘状のエンクロージャーに異物トラップユニット10が設置されることもある。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の上部エンクロージャーが開放された状態を示した斜視図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の上部エンクロージャーが開放された状態を示した正面図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の分解斜視図である。
【0023】
図2乃至
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る食品加工機1は、容器30及び蓋40をさらに含む。
【0024】
容器30は、上段に食品等の加工対象が投入される開口部31と、開口部31を介して投入された食品等の加工対象が受容される受容空間32と、を含む。容器30の片側にはハンドル33が形成でき、
図2等に示すように、容器30が略四角柱の形状を有するように形成される場合、ハンドル33は側面の角側に形成されることができる。ハンドル33が側面の角側に形成されると、使用者がハンドル33を取って容器30内の食品をコップや器等に注ぐ際に、ハンドル33の反対側の角がスパウト(spout)として機能することになるため、受容空間32内の食品が使用者の意図と異なって流れることを防止することができる。
【0025】
受容空間32内には加工対象を加工するための加工部材35が備えられ得る(
図8参考)。加工部材35は、食品等の加工対象を粉砕するブレード等になり得る。加工部材35は、容器30の下部を貫通する回転軸34に支持されて、受容空間32内で回転可能に設置されることができる。容器30の下部に露出された回転軸34の下部には歯車34aが形成でき(
図8参考)、歯車34aはベースに備えられたモータから延びて、ベースの上面に露出される出力軸(図示せず)と係合され、モータの回転力が回転軸に伝達されるようにすることができる。
【0026】
蓋40は、容器30の開口部31に脱着可能に設置され、蓋40が容器30に設置された状態で、蓋40は開口部31を閉鎖するように形成される。
【0027】
図2及び
図4に示すように、蓋40の上部は容器30の上段に安着し、蓋40の下部は、容器30の開口部31内に挿入される。
【0028】
蓋40の上部は、第1上面部41、第2上面部42、及び第3上面部43を含む。第1上面部41は、蓋40の上部の縁を形成して環状に形成され、第3上面部43は、第1上面部41の内側に第1上面部41よりも低く位置し、第2上面部42は、第1上面部41と第3上面部43とを連結して傾斜面を形成する。
【0029】
第1上面部41の外郭は、容器30の開口部31の外郭よりも外方に位置し、
図2等に示すように、略四角形の形状を有するように形成されることができる。また、各角部分には、外側に延びて形成される突出片41aが備えられ得る。突出片41aは、使用者が容器30から蓋40を分離しようとするとき、蓋40を簡単に引っ張ることができるように指の支持ポイントになり得る。
【0030】
一方、第3上面部43の中央部には、第1排気流路を形成する複数の第1排気孔44が形成される。第1排気孔44は、第3上面部43を貫通して形成される。第3上面部43の下面には防壁部46が複数の第1排気孔44を囲んで下方に延びて形成される。防壁部46は、受容空間32内の気体が複数の第1排気孔44を介して流入する過程で、受容空間32内の液体や異物が第1排気孔44に流入することを1次的に遮断する。
【0031】
蓋40の下部には第1上面部41の下面から下方に延びて形成される挿入部45が備えられる。挿入部45は、容器30の開口部31と整合する形状を有し、容器30の内側面と対向する挿入部45の外側面には、容器30と蓋40との間の密閉力を向上させるシーリング部材が備えられ得る。実施形態によって、シーリング部材は挿入部45の外側面と対向する容器30の内側面に備えられることもある。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の上部エンクロージャーの底部を示した斜視図であり、
図6は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の下部エンクロージャーの後面部を示した斜視図である。
【0033】
上部エンクロージャー21は、容器30の上部、前面部、側面の一部を囲むように形成され、
図2乃至
図5に示すように、上面部211、前面部212、側面部213、及び後面部214を含む。
【0034】
上面部211にはトラップユニット受容溝216と第1流路受容部215とが備えられる。
【0035】
トラップユニット受容溝216は、後述する異物トラップユニット10が設置される空間であって、
図4に示すように、第1流路受容部215の一部と上面部211とを貫通して形成され、異物トラップユニット10が脱着可能に固定/分離される構造を含む。
【0036】
第1流路受容部215内には、上部排気流路217c(
図8参考)を形成する上部排気チューブ217(
図8参考)が受容される。上部排気流路217cの一端217aは、トラップユニット受容溝216の内側面を介して露出されるように形成される。
【0037】
使用者が異物トラップユニット10を除去する際に、指で異物トラップユニット10の側面を把持できるように、
図4に示すように、第1流路受容部215のうち、トラップユニット受容溝216の周辺を形成する部分には把持溝215aが形成され得る。
【0038】
前面部212は、上面部211の前方から下方に延びて形成され、ハンドル212aを含むことができる。使用者は、上部エンクロージャー21を閉鎖状態(
図1の状態)から開放状態(
図2の状態)に移動させたり、開放状態(
図2の状態)から閉鎖状態(
図1の状態)に切り換える際にハンドル212aを把持した状態で上部エンクロージャー21を移動させることができる。
【0039】
側面部213は、前面部212と上面部211との間に形成され、
図2及び
図4に示すように、側面部213は前方側が後方側に比べて下方に長く形成され得る。
図5に示すように、側面部213の内側面には、後述する下部エンクロージャー22の回転係合部221aと、回転可能に結合される回転係合部213aと、が形成される。回転係合部213a、221aが回転可能に結合されることにより、上部エンクロージャー21は、下部エンクロージャー22に対して回転可能な状態になる。
【0040】
図5に示すように、後面部214は、側面部213と上面部211との間に形成され、前面部212に比べて短く形成される。後面部214の内側面には上部排気流路217cの他端217bが露出形成される。
【0041】
下部エンクロージャー22は、容器30の後面と側面の一部とを囲むように形成され、
図2乃至
図6に示すように、側面部221と後面部222とを含む。
【0042】
側面部221の外側には、前述した回転係合部221aが備えられる。下部エンクロージャー22の側面部221と上部エンクロージャー21の側面部213とは、互いに一部が重なり、上部エンクロージャー21が閉鎖状態に位置する際に下部エンクロージャー22の側面部221と上部エンクロージャー21の側面部213とは、容器30の側面を完全に囲むことができる。上部エンクロージャー21の側面部213は、内側面の一部が下部エンクロージャー22の側面部221の外側面の一部と隣接するように構成されることができる。
【0043】
図4及び
図6に示すように、後面部222は、両側の側面部221を連結するように形成され、後面部222は、第2流路受容部223、回転制限受容溝222a及び回転制限面222bを含む。
【0044】
図6に示すように、後面部222の外側面は、回転制限受容溝222aを形成するように一部が陥没形成される。
図2に示すように、回転制限受容溝222aは、上部エンクロージャー21が開放状態にある際に上部エンクロージャー21の後面部214が受容される空間である。回転制限面222bは、回転制限受容溝222aを定義する形状の下部を形成し、後方に向かった下向き傾斜面に形成されることができる。回転制限面222bは、上部エンクロージャー21が開放状態にある際に後面部214を支持し、上部エンクロージャー21が開放状態にある際に上部エンクロージャー21の回転限界を設定する。
【0045】
第2流路受容部223内には、下部排気流路224c(
図8参考)を形成する下部排気チューブ224(
図8参考)が受容される。
図6に示すように、下部排気流路224cの一端224aは、後面部222の外側面の上端側を介して露出されるように形成され、
図3に示すように、下部排気流路224cの他端224bは、後面部222の内側面の下端側を介して露出されるように形成されることができる。
【0046】
下部排気流路224cの一端224aと上部排気流路217cの他端217bとは、上部エンクロージャー21が閉鎖状態にある際に互いに整合するように備えられ、下部排気流路224cの一端224aと上部排気流路217cの他端217bとの間が密閉されるように、下部排気流路224cの一端224a及び/又は上部排気流路217cの他端217bには、O-ring等の密封部材が備えられ得る。
【0047】
下部排気流路224cの一端224aは、後面部222の外側面に露出されるように形成され、上部エンクロージャー21に備えられた上部排気流路217cの他端217bは、後面部214の内側面に露出されるように形成されるので、上部エンクロージャー21が開放状態から閉鎖状態に移動すると、下部排気流路224cの一端224aと上部排気流路217cの他端217bとが自動的に連結及び密閉されることができる。そして、上部エンクロージャー21が閉鎖状態から開放状態に移動すると、下部排気流路224cの一端224aと上部排気流路217cの他端217bとの連結は、自動的に切れることになる。
【0048】
また、下部排気流路224cの他端224bは、ベースに露出形成された真空流路(図示せず)の端部と連結される。真空流路はベースに備えられた真空ポンプと連結され、真空ポンプから発生した真空圧を下部排気流路224cに伝達する。
【0049】
下部排気流路224cの他端224bが後面部222の内側面の下端側を介して露出されるように形成されるので、下部エンクロージャー22がベースに装着されると、自動的に下部排気流路224cの他端224bとベースに露出形成された真空流路の端部とが連結及び密閉されることができる。
【0050】
図1及び
図4に示すように、異物トラップユニット10は、上部エンクロージャー21のトラップユニット受容溝216に脱着可能に設置される。以下では、異物トラップユニット10について具体的に説明する。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の異物トラップユニットの分解斜視図であり、
図8は、本発明の一実施形態に係る食品加工機の縦断面を示した斜視図であり、
図9は、
図8のA部分を拡大図示した図面である。
【0052】
図7に示すように、異物トラップユニット10は、上部部材110、可動部材130、及び下部部材120を含む。
【0053】
上部部材110は、内部に気液分離空間113を形成し、片側に気液分離空間113と連通する第2排気孔111が貫通形成される。第2排気孔111は、気液分離空間113の底面115から一定高さを有するように離隔形成されることが好ましい。
【0054】
気液分離空間113の底面115の中央部には、複数の上部流入孔114が形成される。気液分離空間113の底面115は、複数の上部流入孔114に向かって下方の傾斜を形成することができる。
【0055】
前記のような構造を通じて、上部流入孔114を介して気液分離空間113に液体が流入されても、液体の自重により液体が上部流入孔114を介して再度下方に落下することができ、第2排気孔111が底面115から一定高さ以上に存在するので、気液分離空間113内の気体のみが第2排気孔111を介して排出されることができる。
【0056】
図9に示すように、底面115の下部には第1下向き突出リング116、第2下向き突出リング117、及び結合リング112が下方に延びて形成される。第1下向き突出リング116は、複数の上部流入孔114を囲むように形成され、第2下向き突出リング117は、第1下向き突出リング116を囲むように形成される。第1下向き突出リング116は、第2下向き突出リング117よりもさらに下方に突出するように形成される。結合リング112は、第2下向き突出リング117を囲むように形成される。
【0057】
下部部材120は、支持部材120aと連結部材120bとを含む。
【0058】
支持部材120aは、後述の可動部材130を昇降可能に支持する。支持部材120aは、可動部材130を受容して上部が開放された空間を形成し、側壁部の上部には上部部材110の結合リング112と脱着可能に結合される結合リング121が形成される。
【0059】
底部の中央部には可動部材130のコア部132を昇降可能に支持する支持部123が備えられる。支持部123は、底から上方に突出形成されることができ、コア部132の下部を受容する。コア部132の下部と支持部123とは、コア部132が一定範囲内で昇降するが、コア部132の下部が支持部123から簡単に離脱しない相補的構造を有する。
【0060】
図7及び
図9に示すように、支持部123の周辺には底部を上下に貫通する下部流入孔124が形成される。
【0061】
図7に示すように、下部流入孔124の周辺には、可動部材130の遮断プレート131を支持するように底部から上方に突出形成される突起122が備えられる。突起122は、可動部材130の遮断プレート131が下部部材120の底部に密着することを防止する。
【0062】
図9に示すように、下部部材120の側壁部と底部との間には、下部流入孔124に向かった下向き傾斜面が形成される。下向き傾斜面は、下部部材120内に流入した液体が自重により下部流入孔124へ流れ落ちるようにする。
【0063】
連結部材120bは、支持部材120aを囲んで支持部材120aに結合される結合部128と、結合部128から下方に延びて形成される環状の密着部129と、を含む。
【0064】
図8及び
図9に示すように、閉鎖状態に位置した上部エンクロージャー21に結合された異物トラップユニット10の密着部129は、蓋40の第3上面部43上に密着する。密着部129が複数の第1排気孔44を囲んで第3上面部43上に密着するので、複数の第1排気孔44と下部流入孔124との間が密閉される。
【0065】
結合部128と密着部129とは一体に形成されることができ、密着部129と蓋40の第3上面部43との間の漏れを防止するために、弾性材質で形成されることができる。
【0066】
可動部材130は、コア部132と遮断プレート131とを含む。
【0067】
コア部132の下部は、前述したように、下部部材120の支持部123に昇降可能に結合され、コア部132の上部は、上部部材110の複数の上部流入孔114及び第1下向き突出リング116と隣接するように形成される。コア部132の上部の縁には第1下向き突出リング116と対向してコア部132の上部の中央部に比べて上方に突出形成される突出リム132aが形成できる。
【0068】
遮断プレート131は、コア部132から半径方向に延びて形成され、
図9に示すように、第2下向き突出リング117の下部に位置する。遮断プレート131は、周縁部が下部部材120の内側面に隣接するように形成される。
【0069】
前述の構成により、異物トラップユニット10は、下部流入孔124、遮断プレート131と下部部材120の内側面との間、第2下向き突出リング117と遮断プレート131との間、突出リム132aと第1下向き突出リング116との間、上部流入孔114、気液分離空間113及び第2排気孔111につながる連結流路を形成する。
【0070】
以下では、本発明の一実施形態に係る食品加工機1の前述の構成に基づいて、食品加工機1の真空過程及び上部エンクロージャー21の開閉動作等について説明する。
【0071】
図1及び
図8に示すように、異物トラップユニット10が上部エンクロージャー21に結合されると、上部排気流路217cの一端217aと異物トラップユニット10の第2排気孔111とが漏れがないように連結され、上部排気流路217cと連結流路とが連結される。
【0072】
上部エンクロージャー21が閉鎖状態に位置すると、第2排気流路を形成する上部排気流路217cと下部排気流路224cとが漏れがないように連結され、異物トラップユニット10の密着部129と蓋40の上面とが漏れがないように連結されるので、連結流路と第1排気流路とが連結される。
【0073】
また、示していないが、下部エンクロージャー22がベースに設置された状態では、下部排気流路224cはベースの真空流路と漏れがないように連結される。
【0074】
この状態で真空ポンプが作動すると、第2排気流路-連結流路-第1排気流路-受容空間32が漏れがないように連結されているので、受容空間32の気体が複数の第1排気孔44を介して流入する。
【0075】
受容空間32内の気体が複数の第1排気孔44を介して流入する過程で受容空間32内の液体や異物は、防壁部46により第1排気孔44に流入することが1次的に遮断される。
【0076】
第1排気孔44を通過した気体は、異物トラップユニット10の連結流路を介して進行する。具体的に、第1排気孔44を通過した気体は複数の下部流入孔124を通過し、その後、遮断プレート131と下部部材120の内側面との間を通過し、第2下向き突出リング117と遮断プレート131との間を通過し、突出リム132aと第1下向き突出リング116との間を通過した後、上部流入孔114を通過して気液分離空間113に進入した後、第2排気孔111を介して第2排気流路に進行する。
【0077】
受容空間32の内部が真空排気される中に、受容空間32の内部の液体等が第1排気孔44を通過して異物トラップユニット10に流入することがある。例えば、食品加工過程で食材が飛び散って第1排気孔44に流入するか、食品加工過程で発生した泡が上昇して第1排気孔44に流入することがある。
【0078】
液体等の異物が真空ポンプまで到達すると、真空ポンプが破損されやすい。従って、異物トラップユニット10は液体等の異物が真空ポンプに流入することを遮断する。
【0079】
固体の異物が第1排気孔44と下部流入孔124とを通過した場合、遮断プレート131と下部部材120の内側面との間の隙間が狭いため、固体の異物は遮断プレート131により隔てられ、結局のところ、自重により下部流入孔124側に落下して下部部材120の底面上に残るか、下部流入孔124を通過して蓋40側に落下することになる。
【0080】
真空圧により受容空間32から多量の液体が第1排気孔44及び下部流入孔124を通過して異物トラップユニット10内に流入し、下部部材120の底と遮断プレート131との間が液体でいっぱいになると、液体による浮力で可動部材130が上昇し、突出リム132aと第1下向き突出リング116及び/又は遮断プレート131と第2下向き突出リング117とが互いに当接して連結流路が遮断され、液体が連結流路を通過することが阻止され、真空排気が中断される。
【0081】
受容空間32から少量の液体が第1排気孔44及び下部流入孔124を通過して異物トラップユニット10内に流入すると、大半の液体は遮断プレート131の底面に衝突した後、自重により落下して下部部材120の底面上に残るか、下部流入孔124を通過して蓋40側に落下することになる。
【0082】
しかし、真空圧により一部少量の液体が遮断プレート131と下部部材120の内側面との間に流入し得るが、この場合、遮断プレート131と下部部材120の内側面との間の隙間が狭いため、少量の液体はこの隙間を通過できず、隙間に水膜を形成することになる。遮断プレート131と下部部材120の内側面との間に水膜が形成されると、連結流路が閉鎖されたことと同一の効果が発生して可動部材130が真空圧により上昇し、突出リム132aと第1下向き突出リング116及び/又は遮断プレート131と第2下向き突出リング117とが互いに当接し、連結流路が遮断される。
【0083】
結果として、異物トラップユニット10は第1排気流路を通過した異物が第2排気流路に流入することを防止し、真空ポンプに異物が流入して真空ポンプが故障することを防止し、エンクロージャー20内に受容されて容易に分離/洗浄できない第2排気流路内に異物が流入することを防止して、食品加工機1の衛生的な使用を可能にする。
【0084】
以下では、本発明の別の実施形態に係る食品加工機について説明する。説明の便宜のために、前述の実施形態と類似する部分は同じ図面符号を使用し、前述の実施形態と共通する部分はその説明を省略する。
【0085】
図10は、本発明の別の実施形態に係る食品加工機を示した縦断面図であり、
図11は、真空排気中である状態の
図10のB部分を拡大図示した図面であり、
図12は、真空排気が完了した状態の
図10のB部分を拡大図示した図面である。
【0086】
図10乃至
図12に示すように、本発明の別の実施形態に係る食品加工機2は、前述の実施形態に係る食品加工機1に比べて、蓋40にチェックバルブ47をさらに含む。
【0087】
図11及び
図12に示すように、チェックバルブ47は、第1排気孔44が形成された第3上面部43の中央部を貫通して一定範囲内で昇降可能に設置され、第1排気孔44を開閉する。
【0088】
図12に示すように、第3上面部43の上部に露出されるチェックバルブ47の上部は、第1排気孔44を全て閉鎖できる面積を有するように形成される。
【0089】
図11に示すように、チェックバルブ47が上昇して第1排気孔44を開放した状態でチェックバルブ47が離脱することを防止するために、第3上面部43の下部に位置するチェックバルブ47の下端にはストッパー47bが形成され得る。
【0090】
異物トラップユニット10の密着部129が蓋40の第3上面部43上に密着した状態で、真空ポンプが作動すると、
図11に示すように、真空圧によりチェックバルブ47が上昇して第1排気孔44が開放され、受容空間32の気体は複数の第1排気孔44を介して排気された後、複数の下部流入孔124を通過し、その後、遮断プレート131と下部部材120の内側面との間を通過し、第2下向き突出リング117と遮断プレート131との間を通過し、突出リム132aと第1下向き突出リング116との間を通過した後、上部流入孔114を通過して気液分離空間113に進入した後、第2排気孔111を介して第2排気流路に進行する。
【0091】
真空ポンプの作動が止まり、異物トラップユニット10と蓋40との間の空間、具体的に、密着部129が囲む第3上面部43の上部空間の圧力が高まると、
図12に示すように、チェックバルブ47は第3上面部43の上部空間と受容空間32との間の圧力差により下降し、チェックバルブ47の上部が第1排気孔44に密着しつつ第1排気孔44を閉鎖し、受容空間32の内部が陰圧状態で維持される。
【0092】
上部エンクロージャー21が下部エンクロージャー22に対して開放状態で切り換えられながら、異物トラップユニット10と蓋40とが分離されても、チェックバルブ47が第1排気孔44を閉鎖した状態を維持するので、本実施形態に係る食品加工機2は、受容空間32が陰圧状態で維持されることができる。
【0093】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施され得るということを理解できるはずだ。従って、以上で記述した実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述の特許請求範囲により示され、特許請求範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【0094】
本発明の実施形態に係る食品加工機は、上段に食品を投入することができる開口部が形成され、前記開口部を介して投入された食品を受容する受容空間が形成された容器と、前記開口部を開閉することができるように前記容器に脱着可能に結合され、前記容器に結合された状態で前記受容空間と連通する第1排気流路が形成された蓋と、前記容器及び蓋の少なくとも一部を囲むように備えられ、前記第1排気流路と連通する第2排気流路が形成されたエンクロージャーと、前記第2排気流路と連結される真空ポンプと、前記第1排気流路と前記第2排気流路との間に備えられ、前記真空ポンプにより前記受容空間内の気体が排気される中に、前記第1排気流路内に流入した異物が前記第2排気流路に流入することを防止する異物トラップユニットと、を含む。
【0095】
前記異物トラップユニットは、前記エンクロージャーに脱着可能に設置されることができる。
【0096】
前記エンクロージャーは、前記異物トラップユニットが脱着可能に設置されるトラップユニット受容溝を含み、前記第2排気流路の一端は、前記トラップユニット受容溝の側面に露出され、前記異物トラップユニットは、前記エンクロージャーに結合された状態で前記第2排気流路の一端と連結される排気孔が片側に形成されることができる。
【0097】
前記エンクロージャーは、下部エンクロージャーと、前記下部エンクロージャーに対して一定角度範囲内で回転可能に備えられる上部エンクロージャーと、を含み、前記上部エンクロージャーは、前記異物トラップユニットが脱着可能に設置されるトラップユニット受容溝を含み、前記第2排気流路の一端は、前記トラップユニット受容溝の側面に露出され、前記異物トラップユニットは、前記上部エンクロージャーに結合された状態で前記第2排気流路の一端と連結される排気孔が片側に形成されることができる。
【0098】
前記第2排気流路は、前記上部エンクロージャーを通過するように形成される上部排気流路と、前記下部エンクロージャーを通過するように形成される下部排気流路と、を含むことができる。
【0099】
前記上部排気流路は、前記上部エンクロージャーが前記下部エンクロージャーに対して閉鎖状態に位置する際に前記下部排気流路と連結され、前記上部エンクロージャーが前記下部エンクロージャーに対して開放状態に位置する際に前記下部排気流路と連結が切れることができる。
【0100】
前記下部排気流路の上端は、前記下部エンクロージャーの上部に露出され、前記上部排気流路の下端は、前記上部エンクロージャーの下部に露出されることができる。
【0101】
前記異物トラップユニットは、前記蓋の上面に安着し、前記第1排気流路と連通する流入孔が形成された下部部材と、前記流入孔を介して流入した気体を前記第2排気流路側に案内する案内流路の少なくとも一部を形成する上部部材と、前記上部部材と前記下部部材との間に昇降可能に備えられ、前記流入孔を介して前記上部部材と前記下部部材との間に流入した液体により上昇し、前記案内流路を閉鎖する可動部材と、を含むことができる。
【0102】
前記可動部材は、前記液体による浮力により上昇して前記案内流路を閉鎖することができる。
【0103】
前記可動部材は、前記下部部材の内側面に隣接した周縁部を有する遮断プレートを含み、前記遮断プレートの周縁部と前記下部部材の内側面との間に前記流入孔を介して流入した液体が介在すると、前記案内流路を介して伝達される真空圧により前記可動部材が上昇して前記案内流路を閉鎖することができる。
【0104】
前記案内流路のうちの一部は、前記可動部材の上面と前記上部部材の下面との間の空間であり得る。
【0105】
前記流入孔と前記第1排気流路との間の空間が密閉されるように、前記下部部材は、前記第1排気流路を囲み、前記蓋の上面と密着する環状の密着部を含むことができる。
【国際調査報告】