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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】食品物質の泡立ての調節
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/046 20060101AFI20220906BHJP
   A47J 43/07 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
A47J43/046
A47J43/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500626
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2020069482
(87)【国際公開番号】W WO2021005194
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】19185813.3
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ビュン, ダ, ミ
(72)【発明者】
【氏名】グレンジャー, エリック
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA12
4B053BB02
4B053BE14
4B053BF13
4B053BK01
4B053BK31
4B053BL01
4B053CB04
(57)【要約】
マシン1は、液状食品物質のバッチを収容及び処理する空洞10’を有するタンク10と、空洞内の食品物質に機械的作用を及ぼして食品物質を泡立てる攪拌面151を有する、空洞内の攪拌ツール15と、空洞内で、攪拌ツールを回転させるように構成されたアクチュエータと、攪拌ツールの回転速度が変更可能であるように、アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットと、を有する。制御ユニットは、アクチュエータが制御ユニットによって制御されるモードを有し、該モードでは、バッチを処理する第1段階501の間、攪拌ツールが、泡立て低回転速度511未満で回転させられ、その後、上記バッチを処理する第2段階502の間、攪拌ツールの回転速度512が、泡立て低回転速度511から泡立て高回転速度513超まで上昇させられ、その後、バッチを処理する第3段階503の間、攪拌ツールが、泡立て高回転速度513超で回転させられる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マシン(1)であって、
ミルク又はミルクベースの物質などの液状食品物質のバッチを収容し処理するための空洞(10’)を有するタンク(10)であって、任意選択的に、例えば、シール(13)を介して、取り外し可能な蓋(12)によって覆われるアクセス開口部を有する、タンク(10)と、
前記空洞(10’)内の前記食品物質に機械的作用を及ぼして前記食品物質を泡立てるための攪拌面(151)を有する、前記空洞(10’)内の攪拌ツール(15)であって、例えば、前記タンク(10)の外側から駆動され、任意選択的に、前記攪拌面(151)が、螺旋状バネ及び/又は波状プレート及び/又は複数の径方向泡立て羽根によって形成される、攪拌ツール(15)と、
前記空洞(10’)内で前記攪拌ツール(15)を回転させるように構成されたアクチュエータであって、例えば、タンク側壁及び/又は底壁及び/又は上壁を介して、前記攪拌ツール(15)に磁気的に結合される、アクチュエータと、
前記攪拌ツール(15)の回転速度が変更可能であるように前記アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットであって、任意選択的に、プロセッサ及び/又はコントローラ及び/又はユーザインターフェース(26)、例えば、外側ハウジング(2)にあるユーザインターフェース(26)を含む、制御ユニットと、
を備え、
任意選択的に、前記攪拌ツール(15)が、
直立延長細長部(16)、例えば、球などの径方向突出要素(161)を頂部に備えた部分(16)、
前記攪拌面(151)の上方に位置するアーチ部などの直立アーチ部(162)であって、任意選択的に、前記直立延長細長部(16)の下方に位置する直立アーチ部(162)、並びに
プラグ及びソケット構成及び/又は磁気接続部を形成する接続部(163、17)などの、前記タンク(10)内に前記攪拌ツール(15)を位置決めするための前記タンク(10)の接続部(17)との接続のための接続部(163)であって、例えば、前記空洞(10’)内で中心直立軸線(1’)上に又は前記軸線(1’)に平行に前記攪拌ツール(15)を配置するように構成された接続部(163、17)、
のうちの少なくとも1つを備える、マシンにおいて、
前記制御ユニットが、前記アクチュエータが前記制御ユニットによって制御されるモードを有し、該モードでは、
前記バッチを処理する第1段階(501)の間、前記攪拌ツール(15)が、泡立て低回転速度(511)未満で回転させられ、その後、
前記バッチを処理する第2段階(502)の間、前記攪拌ツール(15)の回転速度(512)が、前記低泡立ち回転速度(511)から泡立て高回転速度(513)超まで上昇し、その後、
前記バッチを処理する第3段階(503)の間、前記攪拌ツール(15)が、前記泡立て高回転速度(513)超で回転させられ、
任意選択的に、
前記制御ユニットが、前記アクチュエータへの電圧供給(50’)及び/又は電流供給及び/又は電源周波数を制御して、前記攪拌ツール(15)の泡立て回転速度(50)を調整するように構成される、かつ/又は
前記制御ユニット及び前記アクチュエータに加えて、前記マシン(1)が、熱調節器を含まず、又は、前記第1段階(501)、前記第2段階(502)、及び前記第3段階(503)の間、例えば、前記空洞(10’)内の前記バッチに前記攪拌ツール(15)を用いて機械的作用を及ぼす総時間長や前記空洞(10’)内の前記バッチを処理する総時間長の間、前記モードにおいて前記空洞(10’)内で実質的に熱を生成しないように前記制御ユニットによって制御される熱調節器(23)を備えることを特徴とする、マシン。
【請求項2】
前記制御ユニットが、前記モードにおいて、前記第2段階(502)が、
10~45秒の範囲、例えば、15~35秒、20~25秒の範囲の時間などの、前記第1段階(501)に対応する所定時間が経過した後、及び
前記攪拌ツール(15)が前記泡立て低回転速度(511)未満で回転している間に、前記攪拌ツール(15)の回転に対する抵抗が、少なくとも10%、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%増加した後、
のうちの少なくとも一方で、開始されるように構成されている、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記制御ユニットが、前記モードにおいて、前記アクチュエータを制御して、開始段階(500)の間、回転速度(50)がゼロの休止から、2~25秒の範囲、例えば、5~20秒、例えば10~15秒の範囲の時間内に前記第1段階(501)に到達するように前記攪拌ツール(15)を駆動するように構成され、任意選択的に、前記攪拌ツール(15)が、前記開始段階(500)の間、ゼロから前記泡立て低回転速度(511)超へ上昇し、その後、前記泡立て低回転速度(511)未満まで低下する、例えば、前記泡立て低回転速度(511)を15%未満、例えば、10%未満超えるまで上昇する、かつ/又は、10秒未満、例えば、6秒未満の時間にわたって前記泡立て低回転速度(511)を超える、回転速度(510)で駆動される、請求項1又は2に記載のマシン。
【請求項4】
前記モードの前記第2段階(502)の間、前記攪拌ツール(15)の前記回転速度(50)が、前記低回転速度(511)から、5~30秒、例えば、10~20秒、例えば12~16秒の範囲の時間内に前記第3段階(503)に到達するように上昇し、任意選択的に、前記攪拌ツール(15)が、前記第2段階(502)の間、前記泡立て低回転速度(511)から前記高回転速度(513)超へ上昇し、その後、前記高回転速度(513)まで低下する、例えば、前記高回転速度(513)を10%未満、例えば5%未満超えるまで上昇する、かつ/又は、10秒未満、例えば、6秒未満の時間にわたって前記泡立て低回転速度(511)を超える、回転速度(512)で駆動される、請求項1~3のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項5】
前記モードでは、
前記第1段階(501)の間、前記回転速度(50)が、前記低回転速度(511)よりも前記低回転速度(511)の3又は5%低い範囲内で維持される、かつ/又は
前記第3段階(503)の間、前記回転速度が、前記高回転速度(513)よりも前記高回転速度(513)の2~4%高い範囲内で維持される、かつ/又は
前記第1段階(501)及び前記第3段階(503)が、
45~90秒、例えば、50~80秒、55~70秒、60~65秒、並びに/又は
前記空洞(10’)内の前記バッチに前記攪拌ツール(15)を用いて機械的作用を及ぼす総時間長、例えば、前記空洞(10’)内の前記バッチを処理する総時間長の50~95%、例えば、55~80%、例えば、60~70%、
の範囲の累積時間にわたって継続し、
かつ/又は
前記空洞(10’)内の前記バッチに前記攪拌ツール(15)を用いて機械的作用を及ぼす総時間長又は前記総時間長が、60~120秒の範囲、例えば、70~110秒、80~100秒、85~95秒の範囲内である、請求項1~4のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項6】
前記高回転速度(513)と前記低回転速度(511)が、1.02~5の範囲、例えば、1.05~2.5、1.1~1.7、1.13~1.2の比を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項7】
前記低回転速度(511)が、10~50Hzの範囲、例えば、15~40Hz、20~35Hz、25~30Hzの範囲であり、
前記高回転速度(513)が、15~75Hzの範囲、例えば、20~65Hz、25~50Hz、30~35Hzの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項8】
前記制御ユニットが、前記アクチュエータが前記制御ユニットによって制御される異なるモードを有し、前記異なるモードにおいて、
前記バッチを処理する初期段階(500a)の間、例えば、0.5~15秒の範囲、例えば、2~12秒、4~9秒の範囲の時間継続する初期段階(500a)の間、前記攪拌ツール(15)が、ゼロから泡立て一定回転速度(511a)まで回転させられ、その後、
前記バッチを処理する主段階(501a)の間、例えば、50~250秒の範囲、例えば、75~175秒、100~140秒の範囲の時間継続する主段階(501a)の間、前記攪拌ツール(15)の回転速度(50)が、実質的に前記一定回転速度(511a)で、例えば、前記一定回転速度で、又は前記一定回転速度から前記一定回転速度の5%超及び/又は未満、例えば、2%超及び/又は未満の範囲内で維持され、任意選択的に、前記一定回転速度(511a)が、前記低回転速度(511)に実質的に等しい、又は10~50Hzの範囲、例えば、15~40Hz、20~35Hz、25~30Hzの範囲内であり、その後、
前記バッチを処理する終了段階(502a)の間、例えば、0.5~10秒の範囲、例えば、1.5~7.5秒、3~5秒の範囲の時間継続する終了段階(500a)の間、前記攪拌ツール(15)の前記回転速度(50)がゼロに低下し、
任意選択的に、前記タンク(10)が、前記制御ユニットによって制御される熱調節器(23)に関連付けられ、前記制御ユニットが、前記異なるモードにおいて、前記空洞(10’)内で熱を生成して、前記バッチを、例えば、2~25℃の範囲、例えば、3~17℃、4~10℃、5~8℃の範囲の温度から45~72℃の範囲、例えば、55~70℃、60~65℃の範囲の温度まで加熱するように前記熱調節器(23)を制御する、請求項1~7のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項9】
前記タンク(10)を支持する基部(20)を備え、前記基部が、前記アクチュエータ及び前記制御ユニット、及び任意選択的に、熱調節器(23)又は前記熱調節器(23)を収容し、前記熱調節器(23)が、例えば、前記空洞(10’)に熱エネルギーを放出する、かつ/又は前記空洞から熱エネルギーを吸収するように構成されたタンク側壁及び/又は底壁と関連付けられており、任意選択的に、前記熱調節器が、厚膜抵抗器(23)などの抵抗器、誘導部、熱電対、及びヒートポンプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項10】
前記基部(20)が、直立外側把持面(21)、例えば、手での把持を容易にするためのテクスチャ加工又は溝付き又は波形又は畝状又は線織の又は平坦な面を有し、前記直立外側把持面(21)が、前記タンク(10)の下に位置し、成人の手によって掴むことができ、それにより、前記直立外側把持面(21)を掴むことで、支持された前記タンク(10)と共に前記基部(20)を片手で運搬し移動させることができるようになっており、前記タンク(10)が、水平に前記外側把持面(21)を越えて延び、任意選択的に、前記外側把持面(21)が、少なくとも実質的に垂直である、例えば、垂直である、又は垂直に対して15度未満の角度、例えば、10度未満、例えば、5度未満、例えば、2.5度未満の角度で傾斜している、請求項9に記載のマシン。
【請求項11】
前記液状食品物質のバッチの処理中に、テーブル又は棚によって形成された面(3)などの実質的に水平な外部支持面(3)に配置され、前記処理中に前記基部(20)を支持するように構成された底面(31)を有する脚部(30)を有し、任意選択的に、前記脚部(30)が、前記基部(20)に組み付けられる、又は前記基部に固定される、又は前記基部と一体である、請求項10に記載のマシン。
【請求項12】
前記基部(20)が、前記脚部(30)に取り外し可能に取り付けられ、前記基部(20)及び前記脚部(30)が接続部(25、35)を有し、前記接続部が、
前記処理中に、前記外部支持面(3)に沿って延びる軸線を中心とした前記基部(20)と前記脚部(30)の相対的な旋回を阻害又は防止するように構成され、任意選択的に、前記接続部が、機械式及び/又は磁気式である、かつ/又は、
前記脚部(30)から前記基部(20)へ電力を伝達するように構成され、任意選択的に、前記脚部(30)が、主電源などの外部電源への接続のための電気コード(32)を有する、かつ/又は、
プラグ(35)及びソケット(25)方式で接続可能であるように構成され、任意選択的に、前記接続部(25、35)が、前記脚部(30)のプラグ(35)部及び前記基部(20)のソケット(25)部を有し、その逆も可である、請求項11に記載のマシン。
【請求項13】
前記脚部(30)が、水平に前記外側把持面(21)を越えて延び、例えば、前記脚部が水平に前記タンク(10)まで又は前記タンク(10)を越えて延び、任意選択的に、前記脚部(30)が、0.5~15cmの範囲、例えば、1~10cm、1.5~7cm、2~3cmの範囲の距離(21’’)で、水平に前記外側把持面(21)を越えて延びる、請求項11又は12に記載のマシン。
【請求項14】
前記攪拌ツール(15)が、少なくとも1つの径方向均質化アーム、例えば、2つ、3つ、又は4つの径方向均質化アームを含む、均質化デバイスなどの、熱調節中に前記液状食品物質のバッチを均質化するための均質化デバイス(182)を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項15】
中心直立軸線又は前記中心直立軸線を有し、前記中心直立軸線に沿って、前記タンク(10)、前記空洞(10’)、及び存在する場合は前記基部(20)又は前記脚部(30)のうちの少なくとも1つが延び、例えば、前記タンク(10)、前記空洞(10’)、及び存在する場合は前記基部(20)又は前記脚部(30)のうちの少なくとも1つが、円筒状及び/又は円錐状及び/又は球状などの前記中心直立軸線(1’)を中心とした回転形状を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のマシン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ミルク又はミルク含有物質などの食品物質を処理するためのマシンであって、片手で掴むことができる食品処理容器を有するマシンに関する。例えば、マシンは、インペラ及び/又は熱管理構成を備える。
【背景技術】
【0002】
少なくとも一部が泡立てられた又は加熱されたミルクで作られる特製飲料がますます普及している。最もよく知られたこのタイプの飲料は、カプチーノタイプのコーヒーである。それは、密度が非常に低いために液体の表面の上に浮く、泡立てられたミルクの層に覆われるコーヒーからなる液体部分を含む。一般的に、この一杯を調製するには、時間、巧みな操作、及び洗浄が必要となる。
【0003】
ミルクベースの泡は、機械的攪拌装置内で調製することができる。固体の食品残留分を除去するために、器具のタンクの定期的な洗浄を想定しておく必要がある。更に、ミルクを加熱すると、調理された又は焦げたタンパク質が表面に堆積して付着する程度が増える傾向がある。
【0004】
米国特許第6,318,247号は、攪拌によって、例えばホットチョコレートなどの温かい飲料又は食品を調製するための器具に関する。食料製品を攪拌するための他のデバイスは、特許文献国際公開第2004/043213号又は独国特許出願公開第19624648号に記載されている。磁気係合タイプを有する攪拌システムは、米国特許第2,932,493号、独国特許第1131372号、米国特許第4,537,332号及び同第6,712,497号の文献に記載されている。独国特許第8915094号は、ミルクベースの飲料を注出するための冷蔵ポットに関する。米国特許第3,356,349号は、加熱されたタンクと、タンクの中央に配置されたハブを駆動するためにタンクの下に位置決めされた磁気駆動手段とを有する攪拌デバイスを開示している。
【0005】
攪拌システム、特に磁気駆動式攪拌システムを使用する飲料処理器具の更なる例は、国際公開第2016/202814号、同第2016/202815号、同第2016/202816号、同第2016/202817号、同第2018/108804号、及び同第2018/108807号に開示されている。
【0006】
ミルクベースの液体又はミルクから泡を調製するための改善された器具が、国際公開第2006/050900号、同第2008/142154号、同第2010/023313号、同第2011/039222号、同第2011/039224号、及び同第2017/216133号に提案されている。このデバイスは、回転可能な攪拌器が位置決めされている、泡立てられる液体を受け入れるための内部タンクと、タンクを保持する外部スタンドと、内部タンクと外部スタンドとの間に配置された空洞内にあり、スタンドの外面に配置されたスイッチ及び電気接続部と通信する駆動及び制御手段と、泡立て中のミルクの循環を最適化するための撹乱手段と、を有する。
【0007】
熱は、例えば国際公開第2019/101765号に開示されているように、誘導システムを使用することによって、処理タンク内に提供することができる。
【0008】
国際公開第2009/074555号及び同第2011/144647号に記載されるように、このタイプのミルク調節タンクを有するコーヒーマシンを提供することが提案されている。国際公開第2009/074555号では、処理タンクの直立面は、手で把持することを容易にするような外形を有する。
【0009】
ミルク泡立て器具の電気部品の動作によって発生する不必要な熱の排出に好都合であるアーキテクチャが、国際公開第2016/202818号に開示されている。国際公開第2018/108808号及び同第2019/101764号に開示されているように、そのような器具はまた、1つ以上のファン冷却器を取り付けることができる。
【0010】
国際公開第2017/216133号、同第2019/101765号、及びPCT/EP第19/057841号は、飲料処理タンクを開示している。飲料は、タンク内で加熱することができる。処理された飲料を注出するために、タンクには、タンクから突出した接続部材と、接続部材の上方及び下方に延びている概ね直立した細長い把持部と、を有するハンドルが取り付けられている。
【0011】
国際公開第2017/098037号は、加熱壁及び偏心インペラを有する飲料処理タンクを開示しており、インペラの速度は処理中に変化して、加熱壁の(低飲料速度)ホットスポットを、そのようなホットスポットにおける飲料の局所的過熱を回避するようにシフトさせる。
【0012】
そのような器具における飲料の処理を改善する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の好ましい目的は、ミルク又はミルクベース物質などの食品物質の泡立ちを最適化して、高品質な泡立てを提供するマシン、例えば、より多量の食品物質を泡立てることができる、及び/又は周囲温度又はより低い温度で食品物質を泡立てることができるマシンを提供することである。
【0014】
したがって、本発明は、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質を処理するためのマシンに関する。液状食品物質は、水性であってもよく、例えば、コーヒー及び/又はチョコレート及び/又はカカオを含有する。
【0015】
マシンは、スタンドアローンマシンであってもよく、例えば電気コードを介して主電源に直接接続することができ、又は他の食品を処理するように若しくは異なる食品調整方法を実行するように構成された食品プロセッサに一体化されてもよく、食品プロセッサ自体は、一般に電気コードを介して主電源に接続することができるのに対して、マシンは食品プロセッサのサブパートである。そのような食品プロセッサは、コーヒーメーカーなどの飲料メーカー、例えば、原材料カプセルから飲料(コーヒーなど)を調製するように構成された飲料メーカーなどの飲料メーカー、であってもよい。
【0016】
本発明のマシンは、有利には、ミルクを泡立て及び/又は加熱及び/又は冷却するように構成されていてもよく、任意選択的に、スタンドアローンマシンとして、又は一体型マシンとしてコーヒーメーカーに関連付けられていてもよい。スタンドアローンマシン、及びミルク泡立てマシンとコーヒーメーカーとの一体化の関連付けについては、例えば、国際公開第2006/050900号、同第2008/142154号、同第2009/074555号、同第2010/023312号、及び同第2010/023313号に開示されている。
【0017】
したがって、マシンは、微細に分割された気泡、例えば、空気の気泡をミルクに組み込むことによって作動するミルク泡立て器であってもよい。マシンがミルクに気泡を導入するように構成されている場合、マシンは、気泡の導入のない動作モードを含んでもよい。
【0018】
本発明のマシンは、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質を処理するように構成されている。
【0019】
したがって、マシンは、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質のバッチを収容し処理するための空洞を有するタンクを含む。
【0020】
空洞は、200ml超、例えば、250~1250mlの範囲、例えば、300~1000ml、450~850ml、又は500~700mlの範囲の容積を有してもよい。
【0021】
タンクは、例えばシールを介して、取り外し可能な蓋によって覆われるアクセス開口部を有してもよい。アクセス開口部は、覆われていなくてもよい、又は蓋がなくてもよい。取り外し可能な蓋及び/又はシールの例は、国際公開第2008/142154号及びPCT/EP第19/057844号に開示されている。
【0022】
取り外し可能な蓋は、タンクの縁部にわたって延び、外側の蓋面を形成するように下方に延びる周壁を有することができる。外側の蓋面は、0.5~5cmの範囲、例えば1.5~3.5cmの範囲の高さを有してもよい。外側の蓋面は、蓋によって覆われていない容器の外面及び/又は基部の外面と同一平面に延びてもよい。
【0023】
取り外し可能な蓋は、タンクの縁部又は上述の縁部に沿って空洞内へ下方に延びる直立内壁を有することができる。例えば、周壁及び/又は直立内壁は、タンクの空洞を封止するために、環状変形可能な封止部材などの封止部材、例えば上述のシールを有する。そのような封止部材は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを含んでもよい。封止部材が、並んで配置された環状リップなどの1つ以上の実質的に平行な封止リップを有する。封止部材が、封止部材を掴むためのタブを有する。封止部材が、例えば洗浄のために蓋から取り外し可能であり、蓋に取り付け可能である。
【0024】
タンクは、実質的にカップ形状又はボウル形状又は円筒状であり得、側壁は実質的に直立し、底壁は実質的に平坦である又は湾曲している。
【0025】
タンクは、機械的に受動的であってもよい。したがって、食品物質を収容し、マシン内に組み込む又は組み付けるための構造を作製する材料の固有の機械的特性以外に、タンクは、衛生又は洗浄の目的のために特別なケアを必要とし得るモータ又は運動変換システムなどの機械的活性部品を含まなくてもよい。
【0026】
マシンは、空洞内に攪拌ツールを有する。ツールは、空洞内の食品物質に機械的作用を及ぼして食品物質を泡立てる攪拌面、例えば、タンクの外側から駆動される攪拌ツールを有する。攪拌ツールは、受動的ツールであってもよい。
【0027】
例えば、攪拌面は、螺旋バネ及び/又は波状プレート及び/又は複数の径方向泡立て羽根によって形成される。
【0028】
マシンは、空洞内の攪拌ツールを回転させるように構成されたアクチュエータを有する。例えば、アクチュエータは、例えば、タンク側壁及び/又は底壁及び/又は上壁を介して、攪拌ツールに磁気的に結合される。
【0029】
マシンは、攪拌ツールの回転速度が変更可能であるように、アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットを含む。
【0030】
例えば、制御ユニットは、プロセッサ及び/又はコントローラ及び/又はユーザインターフェース、例えば、外側ハウジングにあるユーザインターフェースを含む。
【0031】
攪拌ツールは、直立延長細長部を有してもよい。例えば、そのような部分は、球などの径方向突出要素を頂部に設ける。
【0032】
攪拌ツールは、攪拌面の上方に位置するアーチ部などの直立アーチ部を有することができる。例えば、直立アーチ部は、直立延長部の下方に位置する。
【0033】
攪拌ツールは、攪拌ツールをタンク内に位置決めするために、タンクの接続部との接続のための接続部を含んでもよい。接続部は、プラグ及びソケット構成及び/又は磁気接続部を形成してもよい。接続部は、攪拌ツールを空洞内の中心直立軸線上又は中心直立軸線に平行に配置するように構成することができる。
【0034】
空洞及び攪拌ツールは、液状食品物質の(中心)対称処理又は非対称処理用に構成されてもよい。例えば、流摂動器を使用して、例えば、攪拌ツールを中心直立軸線に対してオフセットすることによって、及び/又は処理中に食品物質の流れを妨害する障害物を空洞内に配置することによって、処理中の食品物質の均質化を促進する。
【0035】
攪拌ツール及びそのマシンへの組み込みは、国際公開第2006/050900号、同第2008/142154号、同第2016/202814号、同第2016/202815号、同第2016/202816号、同第2016/202817号、同第2018/108804号、及び同第2018/108807号に開示されているタイプのものであってもよい。
【0036】
タンクは、電気的に受動的であってもよい。したがって、食品物質を収容し、マシン内に組み込む又は組み付けるための構造を作製する材料の固有の電気的特性(例えば、抵抗及び/又は誘導部及び/又は容量特性)以外に、タンクは、任意の電気部品、特に能動的電気部品を含まなくてもよい。しかしながら、タンクの固有の電気的特性は、例えば、タンクの外部にある(能動的な)源から電気的又は電磁的に動力を得るタンクを加熱及び/又は冷却する食品物質の加工に使用されてもよい。
【0037】
制御ユニットは、アクチュエータが制御ユニットによって制御されるモードを有し、該モードでは、
バッチを処理する第1段階の間、攪拌ツールが、泡立て低回転速度未満で回転させられ、その後、
バッチを処理する第2段階の間、攪拌ツールの回転速度は、泡立て低回転速度から泡立て高回転速度超まで上昇し、その後、
上記バッチを処理する第3段階の間、攪拌ツールは、泡立て高回転速度超で回転させられる。
【0038】
よって、泡立てプロセスの開始時には、攪拌ツールは、液状食品物質のバッチにおいて低速で回転させることができ、その後、攪拌ツールは、液状食品物質のバッチにおいて高速で回転させてもよい。したがって、液状食品物質のバッチが初期液体状態にあるとき、低速で移動する攪拌面は、液体を追い出す可能性が低い、及び/又は液体を空洞内の不所望の高度まで又は空洞を超えて上昇させる可能性が低い。その後、いったん液状食品物質が既に部分的に泡立てられ、液状食品物質のバッチの流動性が低くなる及び/又は体積が大きくなる(例えば、部分的な泡立てのため)と、より高速で移動する攪拌面から追い出される可能性が低い。結果として、泡立て中の液状食品物質のバッチの流動性及び/又は体積の程度を考慮して攪拌ツールの速度を調整することは、(バッチを攪拌面から追い出す効果を低減することによって)攪拌面からバッチへのエネルギー伝達を改善し、処理の開始時での液状食品物質の、泡立てに近い空気への曝露を調整する可能性が高い。その後、こうして部分的に泡立てられた液状食品物質は、高速からの恩恵を得ることができる。したがって、泡状液状物質の所望の品質を得るための必要な処理時間が低減される可能性がある。こうした有益な効果は、液状食品物質のバッチ、例えばミルク又はミルクベース物質が、物質の泡立てを促進する同時熱調節を受けない場合に一層有用である。
【0039】
制御ユニットは、攪拌ツールの泡立て回転速度を調整するために、アクチュエータへの電圧供給及び/又は電流供給及び/又は電源周波数を制御するように構成され得る。
【0040】
アクチュエータ及び制御ユニットに加えて、マシンは、熱調節器を含まず、又は、第1、第2、及び第3段階の間、例えば、空洞内のバッチに攪拌ツールを用いて機械的作用を及ぼす総時間長や空洞内のバッチを処理する総時間長の間、上述のモードにおいて空洞内で実質的に熱を生成しないように制御ユニットによって制御される熱調節器を備えてもよい。言い換えれば、上述のモードでは、空洞内で熱が全く又は実質的に全く生成されなくてもよい。これは、例えば、データ通信システム又は電気アクチュエータ(モータ)などの発熱に関連しない目的のためにマシンにおいて使用される構成要素の機械的摩擦又は固有の電磁効果によって、少量の熱が生成され得るという事実を除外するものではない。任意選択的に、マシンは、バッチを冷却するために、空洞からの熱を消費することができる熱調節器を有する。
【0041】
上記のモードでは、液状食品物質のバッチは、空洞内で実質的に加熱されない状態を維持することができる、又はいくつかの実施形態では、冷却させることさえできる。したがって、アクチュエータ及び制御ユニットの他に、マシンは、専用の熱生成デバイスを含まなくてもよく、具体的には、任意の熱調節器を欠いていてもよく、又は存在する場合、このような熱調節器は、このモードで熱を生成しないように動作されてもよい。
【0042】
適切な熱調節器の例は、国際公開第2006/050900号、同第2008/142154号、同第2010/023312号、同第2010/023313号、及び同第2019/101765号に開示されている。
【0043】
液状食品物質が、空洞内で加熱されない状態を維持する、又は冷却される場合、より高速で攪拌ツールを用いて液状食品物質を処理することによって、更に良好な泡質を得ることができる。このような状況では、本発明は有利に実施することができる。
【0044】
制御ユニットは、上記のモードにおいて、第2段階が、
10~45秒の範囲、例えば15~35秒、20~25秒の範囲の所定時間などの、第1段階に対応する所定時間が経過した後、及び
攪拌ツールが泡立て低回転速度未満で回転している間に、攪拌ツールの回転に対する抵抗が、少なくとも10%、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%増加した後、
のうちの少なくとも一方で、開始されるように構成することができる。
【0045】
そのような抵抗は、例えば、攪拌ツール上のトルクの評価、又は攪拌ツールを回転させるためにアクチュエータによって消費される電力の評価、例えば、アクチュエータによって消費される電流及び/又は電圧の評価によって測定することができる。
【0046】
例えば、攪拌ツールの速度がアクチュエータに印加される電圧によって制御される場合、制御された電圧でアクチュエータによって消費される電流の評価を使用して、攪拌ツールの回転に対する液状食品物質の抵抗(又は経時的な発生)を示してもよい。
【0047】
制御ユニットは、上述のモードにおいて、アクチュエータを制御して、開始段階の間、回転速度がゼロの休止から、2~25秒の範囲、例えば、5~20秒、10~15秒の範囲の時間内に第1段階に到達するように攪拌ツールを駆動するように構成されてもよい。攪拌ツールは、開始段階の間、ゼロから泡立て低回転速度超へ上昇し、その後、泡立て低回転速度未満まで低下する、例えば、泡立て低回転速度を15%未満、例えば、10%未満超えるまで上昇する、かつ/又は10秒未満、例えば6秒未満の時間にわたって泡立て低回転速度を超える、回転速度で駆動されてもよい。
【0048】
上述のモードの第2段階の間、攪拌ツールの回転速度は、低回転速度から、5~30秒、例えば、10~20秒、例えば12~16秒の範囲の時間内に第3段階に到達するように上昇してもよい。攪拌ツールは、第2段階の間、回転速度を泡立て低回転速度から高回転速度超へ、その後、高回転速度まで低下する、例えば、高回転速度を10%未満、例えば5%未満超えるまで上昇する、かつ/又は10秒未満、例えば6秒未満の時間にわたって泡立て低回転速度を超える、回転速度で駆動されてもよい。
【0049】
上述のモードの第1段階の間、回転速度は、低回転速度よりも低回転速度の3又は5%低い範囲内に維持させることができる。
【0050】
上記モードの第3段階の間、回転速度は、高回転速度よりも高回転速度の2~4%高い範囲内に維持させることができる。
【0051】
上記のモードでは、第1及び第3段階は、45~90秒、例えば50~80秒、55~70秒、60~65秒、及び/又は、空洞内のバッチを処理する総時間長などの、空洞内のバッチに攪拌ツールを用いて機械的作用を及ぼす総時間長の50~95%、例えば、55~80%、60~70%、の範囲の累積時間にわたって継続してもよい。
【0052】
上記のモードでは、空洞内のバッチに攪拌ツールを用いて機械的作用を及ぼす総時間長又は上記の総時間長は、60~120秒の範囲、例えば、70~110秒、80~100秒、85~95秒の範囲であってもよい。
【0053】
高回転速度及び低回転速度は、1.02~5の範囲、例えば、1.05~2.5、1.1~1.7、1.13~1.2の範囲の比を有してもよい。
【0054】
低回転速度は、10~50Hzの範囲、例えば、15~40Hz、20~35Hz、25~30Hzの範囲とすることができる。
【0055】
高回転速度は、15~75Hzの範囲、例えば、20~65Hz、25~50Hz、30~35Hzの範囲とすることができる。
【0056】
制御ユニットは、アクチュエータが制御ユニットによって制御される異なるモードを有し、その結果、
液状食品物質のバッチを処理する初期段階の間、0.5~15秒の範囲、例えば、2~12秒、4~9秒の範囲の時間継続する初期段階の間、攪拌ツールは、ゼロから一定の泡立て回転速度まで回転させられ、その後、
上記バッチを処理する主段階の間、例えば、50~250秒の範囲、例えば、75~175秒、100~140秒の範囲の時間継続する主段階の間、攪拌ツールの回転速度は、実質的に一定回転速度で、例えば、一定回転速度で又は一定回転速度から一定回転速度の5%超及び/又は未満、例えば、2%超及び/又は未満の範囲内で維持され、任意選択的に、一定回転速度が、低回転速度に実質的に等しい、又は10~50Hzの範囲、例えば、15~40Hz、20~35Hz、25~30Hzの範囲内であり、その後、
上記バッチを処理する最終段階の間、0.5~10秒の範囲、例えば、1.5~7.5秒、3~5秒の範囲の時間継続する終了段階の間、攪拌ツールの回転速度はゼロまで低下する。
【0057】
タンクは、制御ユニットによって制御される熱調節器に関連付けられ、制御ユニットが、この異なるモードでは、上記バッチを、例えば55~70℃の範囲、例えば60~65℃の範囲の温度まで加熱するように熱調節器を制御する。
【0058】
攪拌ツールの異なる速度プロファイル(及び任意選択的に、対応する熱調節プロファイル、例えば、加熱及び/又は冷却)を有する別のモードが、例えば従来技術から既知であるように空洞内の液状食品物質を処理するために提供されてもよい。
【0059】
マシンは、タンクを支持する基部を備えてもよい。
【0060】
基部は、アクチュエータ及び制御ユニット、及び任意選択的に、熱調節器又は上述の熱調節器を含んでもよい。このような熱調整器は、空洞内に熱エネルギーを放出する、かつ/又は空洞から熱エネルギーを吸収するように構成されたタンク側壁及び/又は底壁に関連付けられてもよい。熱調節器は、厚膜抵抗器などの抵抗器、誘導部、熱電対、及びヒートポンプのうちの少なくとも1つを組み込んでもよい。
【0061】
アクチュエータ、例えばモータ、制御ユニット、ユーザインターフェース、AC/DCコンバータはすべて、基部に含めることができる。
【0062】
タンクは、基部に固定されてもよく、又は基部と一体化されてもよく、又は、例えば、洗浄又は整備のためにユーザによって基部から分離可能であってもよい。
【0063】
機械的に及び/又は電気的に受動的であるタンクを(任意選択的に、等しく受動的である蓋を備えて)設けることによって、タンクが基部から分離可能である場合、電気的及び/又は機械的構成要素を損傷するリスクなしに、例えば食器洗浄機でタンクを容易に洗浄することができる。
【0064】
タンクが、例えばアクチュエータ及び信号処理ユニットなどの機械的及び/又は電気制御活性構成要素を含む制御空洞を備える基部から(ユーザによって)分離不能であるとき、制御空洞は、特に洗浄に使用される洗剤又は石鹸にさらされる場合に早期の摩耗を被るゴム、シリコーン、又は同様のシールによって封止される可動アクセスパネルを有さないため、同じ結果を達成することができる。したがって、基部がアクセス不能な閉じ込め制御空洞に含まれる能動的構成要素を含む場合、基部は、例えば、そのような閉じ込め空洞の周りに完全に成形及び/又は溶接されて、その結果、空洞が基部の構造内に完全に没して、基部を破壊せずには外側からアクセスされないように基部の外部環境から分離されるため、同じ結果が達成され得る。そのような状況において、基部は、アクセス不可能な閉じ込め空洞内に、例えばRFIDタイプのデバイスなどの能動デバイスを含むことができ、依然として食器洗浄機での洗浄に適している。
【0065】
基部は、例えば、手での把持を容易にするための、例えば、テクスチャ加工又は溝付き又は波形又は畝状又は線織の又は平坦な面を有し、直立外側把持面が、タンクの下に位置し、成人の手によって掴むことができ、それにより、直立外側把持面を掴むことで、支持されたタンクと共に基部を片手で運搬し移動させることができるようになっている。
【0066】
このような基部に、少なくとも相当部分の周りに水平に延びる外側把持面を設ける場合、マシンは、例えば、国際公開第2006/050900号又はPCT/EP第19/057841号に開示されている変形形態の、外面から突出する細長取っ手を装着する必要がない。
【0067】
本発明のタンクは、水平に外側把持面を越えて延びてもよい。
【0068】
タンクを外側把持面を越えて延長させることにより、タンクの空洞の容積はそれに応じて、成人の手によって把持される把持面の能力に影響を与えることなく、横方向に増大することができる、すなわち、先行技術の設計のように把持面がタンクの空洞容積と共に増大することがない。このような構成は、液状食品物質の高さではなく横方向への容積増大の処理を可能にし、例えば、空気が処理中に液状食品物質に導入される(例えば、液状食品物質を泡立てる)場合に有利である。
【0069】
このような基部の外側把持面を越えるタンクの横方向延長部はまた、把持する人手の支持面として機能して、マシンの片手での掴みを向上させ得る。
【0070】
外側把持面は、少なくとも実質的に垂直であってもよく、例えば、垂直であってもよく、又は垂直に対して10度未満、5度未満、2.5度未満などの、15度未満の角度で傾斜していてもよい。
【0071】
タンクは、外側水平タンク外周部を有することができる。
【0072】
タンクは、例えば、タンク外周部の50又は75%超などの大部分にわたって、例えば、外周部の90又は95%超などの実質的に全体にわたって水平に延びてもよい。
【0073】
外周部は、15~70cmの範囲、例えば20~60cm、25~50cm、30~40cmの範囲の外周を有してもよい。
【0074】
タンクは、直立外側タンク面を有することができ、空洞は、高さを有することができる。外側水平外周部は、外側タンク面に沿って延びることができる。外側タンク面は、実質的に空洞の高さ全体、及び実質的にそのタンク外周部全体にわたって、水平に外側把持面を越えて位置することができる。直立外側タンク面は、0.5~10cmの範囲、例えば、1~7cm、1.5~5cm、2~4cmの範囲の距離で、水平に外側把持面を越えて位置してもよい。
【0075】
直立外側タンク面は、少なくとも実質的に垂直であってもよく、例えば、垂直であってもよく、又は垂直に対して10度未満、5度未満、2.5度未満などの、15度未満の角度で傾斜していてもよい。
【0076】
マシンは、直立外側把持面を形成する外側ハウジングを含んでもよく、外側ハウジングは、外側タンク面の少なくとも一部に沿って直立して延びる。ハウジングは、実質的に水平である及び/又は傾斜する中間部、例えば、直立外側把持面の上部から直立外側タンク面の底部まで延びる直線又は湾曲部を有してもよい。傾斜中間部は、15~75度の範囲、例えば、20~70度、40~60度の範囲の水平方向に対する傾斜を有してもよい。
【0077】
マシンは、底面を有する脚部を含むことができ、この脚部は、液状食品物質のバッチの処理中に、テーブル又は棚によって形成された面などの実質的に水平な外部支持面に配置され、処理中に基部を支持するように構成されている。例えば、脚部は、基部に組み付けられる、又は基部に固定される、又は基部と一体である。
【0078】
基部は、脚部に取り外し可能に取り付けられてもよい。基部及び脚部は、接続部を有することができる。
【0079】
接続部は、処理中に外部支持面に沿って延びる軸線を中心とした基部及び脚部の相対的な旋回を阻止又は防止するように構成されてもよい。例えば、接続部は、機械式及び/又は磁気式である。
【0080】
接続部は、脚部から基部に電力を伝達するように構成することができる。例えば、脚部は、主電源などの外部電源に接続するための電気コードである。
【0081】
接続部は、プラグ及びソケット方式で接続可能であるように構成されてもよい。例えば、接続部は、脚部のプラグ部及び基部のソケット部を有してもよく、又はその逆も可である。
【0082】
脚部は、外側把持面を越えて水平に延びてもよく、例えば、脚部は、タンクまで又はタンクを越えて水平に延びる。例えば、脚部は、外側把持面を越えて、0.5~15cmの範囲、例えば、1~10cm、1.5~7cm、2~3cmの範囲の距離で、水平に延びる。
【0083】
例えば把持面よりも大きい大きな脚部を設けることで、外部処理面での処理中のマシンの安定性を高めることができる。
【0084】
直立外側把持面は、その高さに沿って、片手で基部及びタンクを運搬及び支持するために人の手によって掴むことができる面を有することができる。この高さは、少なくとも3cm、例えば、4~20cmの範囲、例えば5~16cm、例えば6~12cmの範囲であってもよい。
【0085】
空洞は、200mL超、例えば、250~1250mLlの範囲、例えば、300~1000mL、450~850mL、又は500~700mLの範囲の容積を有することができる。
【0086】
空洞又は攪拌ツールの直立部は、空洞内での処理の前に、空洞への液状食品物質の適切な充填を支援してバッチを形成するための標示構成と関連付けられてもよい、又はそれを含んでもよい。例えば、標示構成は、泡立てなしで液状食品物質のバッチを熱調節するための最大レベルに関する高インジケータなどのインジケータと、熱調節あり又はなしで液状食品物質のバッチを泡立てるための最大レベルに関する低インジケータなどのインジケータ、とを有する。インジケータは、音声サイン、対応する攪拌ツールのピクトグラムなどのサイン、及びレベルサインのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0087】
攪拌ツールは、少なくとも1つの径方向均質化アーム、例えば、2つ、3つ、又は4つの上記アームを有する均質化デバイスなどの、熱調節中に液状食品物質のバッチを均質化するための均質化デバイスを含んでもよい。
【0088】
マシンは、中心直立軸線又は上述の中心直立軸線を有し、その軸線に沿って、タンク、空洞、及び存在する場合は基部及び/又は脚部のうちの少なくとも1つが延びる。例えば、タンク、空洞、及び存在する場合は基部及び/又は脚部のうちの少なくとも1つは、円筒状及び/又は円錐状及び/又は球状などの中心直立軸線を中心とした回転形状を有する。
【0089】
そのような形状の例は、国際公開第2008/142154号及びPCT/EP第19/060854号に開示されている。
【0090】
本明細書においてマシン又はその部分に対する配向又は位置、例えば、「上」又は「下」又は「垂直」若しくは「水平」に言及するとき、その配向又は位置は、特に明記しない限り、タンク内の液状食品物質を処理するための動作におけるマシンの位置及び配向を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0091】
ここで、本発明を概略図を参照して説明する。
図1】本発明により構成された、基部及び脚部上のタンク、攪拌ツール、アクチュエータ、並びに制御ユニットを有するマシンの斜視側面図である。
図2】タンク及び基部が脚部から分離されている、図1のマシンの斜視側面図である。
図3図1に示すマシンの断面斜視図である。
図4図1のマシンの制御ユニットの有利なモードにおける、アクチュエータの制御及び攪拌ツールの経時的な回転速度を示すグラフである。
図5図1のマシンの制御ユニットの異なるモードにおける、アクチュエータの制御及び攪拌ツールの経時的な回転速度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0092】
本発明によるマシン1の例示的な実施形態を図1図3に示す。図4及び図5は、マシンの攪拌ツールを動作させるためのマシンの制御ユニットの2つの可能なモードを示す。
【0093】
マシン1は、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質のバッチを収容し処理するための空洞10’を有するタンク10を有する。タンク10は、例えばシール13を介して、取り外し可能な蓋12によって覆われるアクセス開口部を有してもよい。
【0094】
マシン1は、空洞10’内に攪拌ツール15を有する。ツール15は、空洞10’内の食品物質に機械的作用を及ぼして食品物質を泡立てるための攪拌面151を有する。攪拌ツール15は、タンク10の外側から駆動されてもよい。攪拌面151は、螺旋バネ及び/又は波状プレート及び/又は複数の径方向泡立て羽根によって形成することができる。
【0095】
マシン1は、攪拌ツール15を空洞10’内で回転させるように構成されたアクチュエータを含む。アクチュエータは、例えば、タンク側壁及び/又は底壁及び/又は上壁を介して、攪拌ツール15に磁気的に結合されてもよい。
【0096】
マシン1は、攪拌ツール15の回転速度が変更可能になるように、アクチュエータを制御するように構成された制御ユニットを有する。例えば、制御ユニットは、プロセッサ及び/又はコントローラ及び/又はユーザインターフェース26、例えば、外側ハウジング2にあるユーザインターフェース26を含む。
【0097】
攪拌ツール15は、直立延長細長部16を有してもよい。部分16は、球などの径方向突出要素161を頂部に設けてもよい。
【0098】
攪拌ツール15は、攪拌面151の上方に位置するアーチ部などの直立アーチ部162を有することができる。例えば、直立アーチ部162は、直立延長細長部16の下方に位置する。
【0099】
攪拌ツール15は、攪拌ツール15をタンク10に位置決めするために、タンク10の接続部17と接続するための接続部163を有してもよい。接続部163、17は、プラグ及びソケット構成及び/又は磁気接続部を形成してもよい。接続部163、17は、攪拌ツール15を空洞10’内の中心直立軸線1’上に又は軸線1’に平行に配置するように構成されてもよい。
【0100】
制御ユニットは、アクチュエータが制御ユニットによって制御されるモードを有し、該モードでは、
バッチを処理する第1段階501の間、攪拌ツール15は、泡立て低回転速度511未満で回転させられ、その後、
バッチを処理する第2段階502の間、攪拌ツール15の回転速度512は、泡立て低回転速度511から泡立て高回転速度513超まで上昇し、その後、
バッチを処理する第3段階503の間、攪拌ツール15は、泡立て高回転速度513超で回転させられる。
【0101】
制御ユニットは、アクチュエータへの電圧供給50’及び/又は電流供給及び/又は電源周波数を制御して、攪拌ツール15の泡立て回転速度50を調整するように構成することができる。
【0102】
制御ユニット及びアクチュエータに加えて、そのようなマシン1は、熱調節器を含まず、又は、第1段階501、第2段階502、及び第3段階503の間、例えば、空洞10’内のバッチに攪拌ツール15を用いて機械的作用を及ぼす総時間長や空洞10’内のバッチを処理する総時間長の間、上述のモードにおいて空洞10’内で実質的に熱を生成しないように制御ユニットによって制御される熱調節器23を備えてもよい。
【0103】
制御ユニットは、第2段階502が、10~45秒の範囲、例えば15~35秒、例えば20~25秒の範囲の、第1段階501に対応する所定の時間が経過した、及び、攪拌ツール15が泡立て低回転速度511未満で回転している間に、攪拌ツール15の回転に対する抵抗が、少なくとも10%、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%増加した、のうちの少なくとも1つの後で、開始されるように構成することができる。
【0104】
制御ユニットは、上述のモードにおいて、アクチュエータを制御して、開始段階500の間、回転速度50がゼロの休止から、2~25秒の範囲、例えば、5~20秒、例えば10~15秒の範囲の時間内に第1段階501に到達するように攪拌ツール15を駆動するように構成されてもよい。攪拌ツール15は、開始段階500の間、ゼロから泡立て低回転速度511超へ上昇し、その後、泡立て低回転速度511未満まで低下する、例えば、泡立て低回転速度511を15%未満、例えば、10%未満超えるまで上昇する、かつ/又は10秒未満、例えば6秒未満の時間にわたって泡立て低回転速度を超える、回転速度で駆動されてもよい。
【0105】
第2段階502の間、攪拌ツール15の回転速度50は、低回転速度511から、5~30秒、例えば、10~20秒、例えば12~16秒の範囲の時間内に第3段階503に到達するように上昇してもよい。攪拌ツール15は、第2段階502の間、泡立て低回転速度511から高回転速度513超へ上昇し、その後、高回転速度513に向けて低下する、例えば、高回転速度513を10%未満、例えば5%未満超えるまで上昇する、かつ/又は10秒未満、例えば6秒未満の時間にわたって泡立て低回転速度を超える、回転速度で駆動されてもよい。
【0106】
第1段階501の間、回転速度50は、低回転速度511よりも低回転速度511の3又は5%低い範囲内で維持させることができる。
【0107】
第3段階503の間、回転速度は、高回転速度513よりも高回転速度513の2~4%高い範囲内で維持させることができる。
【0108】
第1段階501及び第3段階503は、45~90秒の範囲、例えば50~80秒、55~70秒、60~65秒、及び/又は、空洞10’内のバッチを処理する総時間長などの、空洞10’内のバッチに攪拌ツール15を用いて機械的作用を及ぼす総時間長の50~95%、例えば、55~80%、60~70%、の範囲の累積時間にわたって継続してもよい。
【0109】
空洞10’内のバッチに攪拌ツール15を用いて機械的作用を及ぼす総時間長又は上記の総時間長は、60~120秒の範囲、例えば、70~110秒、80~100秒、85~95秒の範囲とすることができる。
【0110】
高回転速度513及び低回転速度511は、1.02~5の範囲、例えば1.05~2.5、例えば1.1~1.7、例えば1.13~1.2の範囲の比を有してもよい。
【0111】
低回転速度511は、10~50Hzの範囲、例えば、15~40Hz、20~35Hz、25~30Hzの範囲であってもよい。
【0112】
高回転速度513は、15~75Hzの範囲、例えば20~65Hz、25~50Hz、30~35Hzの範囲とすることができる。
【0113】
制御ユニットは、アクチュエータが制御ユニットによって制御される別のモードを有することができ、該モードでは、
バッチを処理する初期段階500aの間、0.5~15秒、例えば、2~12秒、4~9秒などの範囲の時間継続する初期段階500aの間、攪拌ツール15は、ゼロから一定の泡立て回転速度511aまで回転させられ、その後、
バッチを処理する主段階501aの間、50~250秒、例えば、75~175秒、100~140秒の範囲の時間継続する主段階501aの間、攪拌ツール15の回転速度50は、実質的に一定回転速度511aで、例えば、一定回転速度511aで、又は一定回転速度511aから一定回転速度511aの5%超及び/又は未満、例えば、2%超及び/又は未満の範囲内で維持され、任意選択的に、一定回転速度511aは、低回転速度511に実質的に等しい、又は10~50Hzの範囲、例えば、15~40Hz、20~35Hz、25~30Hzの範囲内であり、その後、
バッチを処理する終了段階502aの間、例えば、1.5~7.5秒、3~5秒などの0.5~10秒の範囲の時間継続する終了段階500aの間、攪拌ツール15の回転速度50はゼロまで低下する。
【0114】
タンク10は、制御ユニットによって制御される熱調節器に関連付けられ、制御ユニットが、この異なるモードでは、空洞10’内に熱を生成して、ミルク又はミルクベース物質などの液状食品物質のバッチを、例えば55~70℃の範囲、例えば60~65℃の範囲の温度まで加熱するように熱調節器23を制御する。
【0115】
マシン1は、タンク10を支持する基部20を備えてもよい。基部10は、アクチュエータ及び制御ユニット、及び任意選択的に熱調節器23又は上述の熱調節器23を含んでもよい。熱調節器23は、空洞10’内に熱エネルギーを放出する、かつ/又は空洞から熱エネルギーを吸収するように構成されたタンク側壁及び/又は底壁に関連付けられてもよい。熱調節器は、厚膜抵抗器23などの抵抗器、誘導部、熱電対、及びヒートポンプのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0116】
基部20は、例えば、手での把持を容易にするための、例えば、テクスチャ加工又は溝付き又は波形又は畝状又は線織の又は平坦な面を有し、直立外側把持面が、タンク10の下に位置し、成人の手によって掴むことができ、それにより、直立外側把持面を掴むことで、支持されたタンク10と共に基部20を片手で運搬し移動させることができるようになっている。タンク10は、水平に外側把持面21を越えて延びることができる。外側把持面21は、少なくとも実質的に垂直であってもよく、例えば、垂直であってもよく、又は垂直に対して10度未満、5度未満、2.5度未満などの、15度未満の角度で傾斜していてもよい。
【0117】
タンク10は、外側水平タンク外周部を有してもよい。
【0118】
タンク10は、例えば、タンク外周部の50又は75%超などの大部分にわたって、及び外周部の90又は95%超などの実質的に全体にわたって、水平に外側把持面21を超えて延びることができる。
【0119】
外周部は、15~70cmの範囲、例えば20~60cm、25~50cm、30~40cmの範囲の外周を有することができる。
【0120】
タンク10は、直立外側タンク面11を有してもよく、空洞10’は、高さ11’を有してもよい。外側水平外周部は、外側タンク面11に沿って延びてもよい。外側タンク面11は、実質的に空洞高さ11’全体、及び実質的にそのタンク外周部全体にわたって、水平に外側把持面21を越えて位置してもよい。直立外側タンク面11は、0.5~10cmの範囲、例えば、1~7cm、1.5~5cm、2~4cmの範囲の距離21’で、水平に外側把持面21を越えて位置してもよい。
【0121】
直立外側タンク面11は、少なくとも実質的に垂直にすることができ、例えば、垂直にすることができ、又は垂直に対して15度未満の角度、例えば、10度未満、5度未満、2.5度未満の角度で傾斜することができる。
【0122】
マシン1は、直立外側把持面21を形成する外側ハウジング2を含んでもよい。外側ハウジング2は、外側タンク面11の少なくとも一部に沿って直立して延びてもよい。ハウジング2は、直立外側把持面21の上部から直立外側タンク面11の底部まで延びる直線又は湾曲部などの実質的に水平及び/又は傾斜中間部22、例えば、15~75度の範囲、例えば、20~70度、40~60度の範囲で水平方向に対して傾斜する傾斜中間部22を含むことができる。
【0123】
マシン1は、底面31を有する脚部30を有することができ、この脚部は、液状食品物質のバッチの処理中に、テーブル又は棚によって形成された面3などの実質的に水平な外部支持面3に配置され、上記処理中に基部20を支持するように構成されている。脚部30は、基部20に組み付けられてもよく、又は基部に固定されてもよく、又は基部と一体であってもよい。
【0124】
基部20は、脚部30に取り外し可能に取り付けることができる。基部20及び脚部30は、接続部25、35を有することができる。
【0125】
接続部25、35は、上記処理中に外部支持面3に沿って延びる軸線を中心とした基部20及び脚部30の相対的な旋回を阻止又は防止するように構成することができる。接続部25、35は、機械式及び/又は磁気式であってもよい。
【0126】
接続部25、35は、脚部30から基部20に電力を伝達するように構成されてもよい。例えば、脚部30は、主電源などの外部電源に接続するための電気コード32を有する。
【0127】
接続部25、35は、プラグ35及びソケット25方式で接続可能であるように構成することができる。例えば、接続部25、35は、脚部30のプラグ35部及び基部20のソケット25部を有し、又はその逆も可である。
【0128】
脚部30は、外側把持面21を越えて水平に延びてもよく、例えば、タンク10まで又はタンクを超えて水平に延びる脚部であってもよい。脚部30は、水平に外側把持面21を越えて、0.5~15cmの範囲、例えば、1~10cm、1.5~7cm、2~3cmの範囲の距離21’’で、延びてもよい。
【0129】
直立外側把持面21は高さ21’’’を有することができ、その高さに沿って、面21は、片手で基部20及びタンク10を運搬及び支持するために人の手によって把持可能であり、この高さは、少なくとも3cm、4~20cmの範囲、例えば、5~16cm、6~12cmの範囲内である。
【0130】
空洞10’は、200mL超、例えば、250~1250の範囲、例えば、300~1000mL、450~850mL、又は500~700mLの範囲の容積を有することができる。
【0131】
空洞10’又は攪拌ツール15の直立部16は、空洞10’内での処理の前に、空洞10’への液状食品物質の適切な充填を支援してバッチを形成するための標示構成18、19と関連付けられてもよい、又はそれらを備えてもよい。例えば、標示構成は、泡立てなしでバッチを熱調節するための最大レベルに関する高インジケータ18などのインジケータ18と、熱調節あり又はなしでの液状食品物質の最大レベルに関する低インジケータ19などのインジケータ19、とを含む。インジケータは、音声サイン181、191、対応する攪拌ツールのピクトグラム182、192などのサイン、及びレベルサイン183、193のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0132】
攪拌ツール15は、少なくとも1つの径方向均質化アーム、例えば、2つ、3つ、又は4つの径方向均質化アームを有する均質化デバイスなどの、熱調節中に液状食品物質のバッチを均質化するための均質化デバイス182を有してもよい。
【0133】
マシン1は中心直立軸線1’又は上述の中心直立軸線1’を有することができ、その軸線に沿って、タンク10、空洞10’、及び存在する場合、基部20及び/又は脚部30のうちの少なくとも1つが延びる。タンク10、空洞10’、及び存在する場合、基部20及び/又は脚部30のうちの少なくとも1つは、円筒状及び/又は円錐及び/又は球状などの中心直立軸線1’を中心とした回転形状を有することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】