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特表2022-539863光学ユニット及び三次元のワークピースを形成する設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】光学ユニット及び三次元のワークピースを形成する設備
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/44 20210101AFI20220906BHJP
   B22F 12/30 20210101ALI20220906BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20220906BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20220906BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220906BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20220906BHJP
【FI】
B22F12/44
B22F12/30
B22F10/28
B29C64/153
B33Y30/00
B29C64/268
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500870
(86)(22)【出願日】2020-07-03
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2020068793
(87)【国際公開番号】W WO2021004926
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】102019118408.8
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514298748
【氏名又は名称】エスエルエム ソルーションズ グループ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アクセル エンゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルト ギーザー
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL76
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備内で使用するための光学ユニットに関する。光学ユニットは、ビームを発生させ、かつビームをあらかじめ定められた場所へ方向づけするためのビーム光学系及びハウジング底とハウジング底に設けられた開口部とを備えたハウジングを有し、その開口部がビームについて透過であるので、ビームが開口部を通過することができる。光学ユニットが、それぞれ第1の方向に対して平行に延びる2つの側壁を備えた、ハウジング底を含む下側のセクションと、前記下側のセクションと接続された、それぞれ第1の方向に対して平行に延びる2つの側壁を備えた上側のセクションとを有しており、下側のセクションと上側のセクションが互いに対して次のように、すなわち下側のセクションの側壁の第1の側壁が上側のセクションの側壁の第1の側壁とは同一の平面内に延びておらず、かつ下側のセクションの側壁の第2の側壁が上側のセクションの側壁の第2の側壁とは同一の平面内に延びていないように、オフセットして配置されている。本発明は、さらに、三次元のワークピースを形成する設備に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備(2)内で使用するための光学ユニット(10)であって、
-ビームを発生させ、かつビームをあらかじめ定められた場所へ方向づけするためのビーム光学系(11)を有し、
-ハウジング底(16)とハウジング底に設けられた開口部(20)とを備えたハウジング(14)を有し、ビームが開口部(20)を通過できるように、前記開口部がビームに対して透過であり、
前記光学ユニット(10)が、それぞれ第1の方向に対して平行に延びる2つの側壁(36、38)を備えた、ハウジング底(16)を含む下側のセクション(32)と、前記下側のセクション(32)と接続された、それぞれ第1の方向に対して平行に延びる2つの側壁(40、42)を備えた上側のセクション(34)とを有しており、下側のセクション(32)の側壁の第1の側壁(36)が上側のセクション(34)の側壁の第1の側壁(40)とは同一の平面内に延びておらず、かつ下側のセクション(32)の側壁の第2の側壁(38)が上側のセクション(34)の側壁の第2の側壁(42)とは同一の平面内に延びていないように、下側のセクション(32)と上側のセクション(34)が互いに対してオフセットして配置されている、光学ユニット(10)。
【請求項2】
前記光学ユニット(10)の隣に同一構造の他の光学ユニット(10)を位置決めすることができ、それによって光学ユニット(10)の下側のセクション(32)の第2の側壁(38)が他の光学ユニット(10)の下側のセクション(32)の第1の側壁(36)に隣接して配置され、かつ光学ユニット(10)の上側のセクション(34)の第2の側壁(42)が他の光学ユニット(10)の上側のセクション(34)の第1の側壁(40)に隣接して配置されるように、前記光学ユニット(10)が、形成されている、請求項1に記載の光学ユニット(10)。
【請求項3】
下側のセクション(32)の側壁(36、38)が互いに対して平行であり、かつ上側のセクション(34)の側壁(40、42)が互いに対して平行であって、第1の接続面(44)が下側のセクション(32)の第1の側壁(36)を上側のセクション(34)の第1の側壁(40)と接続し、かつ第2の接続面(24)が下側のセクション(32)の第2の側壁(38)を上側のセクション(34)の第2の側壁(42)と接続している、請求項1又は2に記載の光学ユニット(10)。
【請求項4】
さらに、ハウジング底(16)に設けられた少なくとも1つのローラ(18)を有し、前記ローラを用いて光学ユニット(10)が少なくとも第1の方向に沿って転がり移動することができ、前記第1の方向が転がり方向に相当する、請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ユニット(10)。
【請求項5】
前記光学ユニット(10)が、前記ハウジング底(16)に設けられた少なくとも3つのローラ(18)を有し、前記ローラがすべて、転がり方向に対して垂直に延びる方向に沿って互いに対してオフセットしている、請求項4に記載の光学ユニット(10)。
【請求項6】
ハウジング底(16)が少なくとも1つの穴(22)を有し、前記穴が、固定手段を収容するように適合されている、請求項4又は5に記載の光学ユニット(10)。
【請求項7】
ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備(2)であって、
-原材料の複数の層を収容するための支持体(6)を有し、
-前記支持体(6)の上側に配置される収容セクション(8)であって、前記収容セクション(8)に設けられた少なくとも1つの溝(26)を備えた収容セクション(8)を有し、かつ
-請求項4から6のいずれか1項に記載の光学ユニット(10)を有し、前記光学ユニット(10)の少なくとも1つのローラ(18)と前記収容セクション(8)の少なくとも1つの溝(26)が、前記少なくとも1つのローラ(18)が前記少なくとも1つの溝(26)に沿って転がり移動することができ、かつその溝によって案内されるように、形成されている、
設備(2)。
【請求項8】
前記収容セクション(8)内に、前記光学ユニット(10)のローラ(18)の各々に対して、対応する溝(26)が設けられている、請求項5に記載の光学ユニット(10)を有する請求項7に記載の設備(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの溝(26)が、溝(26)の終端セクションに、光学ユニット(10)の付属のローラ(18)を収容するための凹部(48)を有し、前記凹部(48)が前記溝(26)の底面(50)に関して設けられている、請求項7又は8に記載の設備(2)。
【請求項10】
凹部(48)は、付属のローラ(18)が凹部(48)内に収容されており、かつ光学ユニット(10)が終端位置にある場合に、付属のローラ(18)が凹部(48)の底(50)に接触しないように、形成されている、請求項9に記載の設備(2)。
【請求項11】
前記溝(26)の底面(50)と前記凹部(48)との間に、斜めの移行面(56)が設けられている、請求項9又は10に記載の設備(2)。
【請求項12】
さらに、少なくとも1つの固定手段(58)を有し、前記固定手段が、前記光学ユニット(10)のハウジング底(16)の前記穴(22)内に導入されるように適合されており、それによって光学ユニット(10)が設備(2)の収容セクション(8)に固定される、請求項6に記載の光学ユニット(10)を有する、請求項7から11のいずれか1項に記載の設備(2)。
【請求項13】
収容セクション(8)がビームを透過する開口部(28)を有し、前記開口部が、前記光学ユニット(10)の終端位置において光学ユニット(10)の開口部(20)と少なくとも部分的に重なり合うように、適合されており、前記ビームが、前記光学ユニット(10)の前記開口部(20)を通過し、かつ収容セクション(8)の開口部(28)を通過する方向に向けられるようにすることができる、請求項7から12のいずれか1項に記載の設備(2)。
【請求項14】
前記収容セクション(8)の開口部(28)のまわりを、かつ/又は前記光学ユニット(10)の開口部(20)のまわりを一周するシールが設けられている、請求項13に記載の設備(2)。
【請求項15】
設備(2)が、請求項1から6のいずれか1項に記載の、複数の並べて配置された光学ユニット(10)を有している、請求項7から14のいずれか1項に記載の設備(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元のワークピースを形成する設備内で使用するための光学ユニット及びそれに応じた設備に関する。三次元のワークピースを形成することは、積層造形法を用いて、かつ特にビーム溶融方法を用いて形成することである。
【背景技術】
【0002】
三次元のワークピースを形成する生成的な方法において、そして特に積層造形法において、原材料の最初は形状のない、あるいは形状ニュートラルの成形材料(たとえば原材料粉末)を支持体上に層状に塗布し、かつ特定の箇所に照射することにより(たとえば溶融又は焼結することによって)硬化させ、それによって最終的に所望の形状のワークピースを得ることが、知られている。照射は、たとえばレーザー放射の形式の、電磁放射によって行うことができる。初期状態において、成形材料は、まず細粒として、粉末として、あるいは液状の成形材料として存在することができ、照射によって選択的に、あるいは、言い方を変えると、特定の箇所に、硬化させることができる。成形材料は、たとえばセラミック材料又はプラスチック材料を有することができ、あるいはその材料混合物を有することができる。積層造形法の変形例は、粉末床内の金属及び/又はセラミックの原材料粉末材料に関するものであって、特に、金属及び/又はセラミックの原材料粉末材料がレーザービームの照射を受けて三次元のワークピースに硬化される。
【0003】
個々のワークピース層を形成するために、さらに、原材料粉末材料を原材料粉末層の形式で支持体上に塗布して、選択的又は実際に形成すべきワークピース層の幾何学配置にしたがって、照射することが、知られている。レーザー放射が、原材料粉末材料内へ侵入して、それを、たとえば加熱の結果として(それが溶融又は焼結をもたらす)、硬化させる。ワークピース層が硬化されている場合に、未加工の原材料粉末材料の新しい層が、すでに形成されているワークピース層上へ塗布される。そのために、既知の積層配置又は粉末塗布装置を使用することができる。次に、一番上になった、まだ加工されていない原材料粉末層の新たな照射が行われる。したがってワークピースが順次層から層へ構築され、その場合に各層は、ワークピースの横断面積及び/又は輪郭を定める。これに関連して、さらに、ワークピースを実質的に自動で形成するために、CADデータ及び/又は比較可能なワークピースデータを利用することが知られている。
【0004】
たとえば原材料の照射によって三次元のワークピースを形成する装置内で使用可能な、既知の照射ユニットは、特許文献1に記述されている。この既知の照射ユニットは、ビーム源、特にレーザー源及び、たとえばビームエキスパンダーのような、様々な光学ユニット、合焦ユニット及びスキャナユニットの形式の偏向装置と対物レンズを有している。
【0005】
なお、本発明の枠内で、上で説明した視点のすべてを同様に設けることができ、かつこの開示に基づく光学ユニットは、特に上述した光学コンポーネントを有することができる。
【0006】
三次元のワークピースを形成するための既知の装置は、さらに、たとえば特許文献2及び特許文献3にも見られる。
【0007】
建造体積が大きくなり、それに伴って生じる、より大きいワークピースを形成する実現性の過程において、1つのビーム源しか使用されない場合には、それに応じた作成プロセスは常により長く続く。特にこれに関連して、プロセス生産性の向上が望まれる。これは、複数のレーザービームを同時に原材料へ案内することによって、達成することができる。
【0008】
複数のレーザービームを同時に発生させることができる方法の一つは、複数の光学ユニットを設けることにあって、その場合に各光学ユニットは、レーザービームを放射して、それを原材料のあらかじめ定められた場所へ案内するように、配置されている。
【0009】
しかし、特に上述した、複数の光学ユニットが設けられる場合、そしてまた1つの光学ユニットしか存在しない場合でも、1つ(複数)の光学ユニットのための空間が制限されているので、1つ(複数)の光学ユニットをできる限りコンパクトに形成することが望ましい場合もある。言い換えると、光学的コンポーネントのために占有される容積を、できる限り効率的に利用することが望まれる場合もある。複数の光学的コンポーネントを並べて設けようとする場合には、光学ユニットのハウジングを、光学ユニットを簡単かつ空間を節約して並べて配置することが可能になるように、形成することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第2335848(B1)号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2961549(A1)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2878402(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の課題は、改良された幾何学配置を有する光学ユニットと付属の設備を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1の特徴を有する光学ユニット及び請求項7の特徴を有する設備によって、解決される。
【0013】
それによれば、本発明は、第1の視点に基づいて、ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備内で使用するための光学ユニットに関する。光学ユニットは、ビームを発生させ、かつあらかじめ定められた場所へビームを向けるためのビーム光学系及びハウジング底とハウジング底に設けられた開口部とを有するハウジングを有し、ビームが開口部を通過することができるように、その開口部がビームに対して透過である。光学ユニットは、ハウジング底を含んでおり、第1の方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を備えた下側のセクションと、下側のセクションと接続され、第1の方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を備えた上側のセクションとを有しており、下側のセクションと上側のセクションは、互いにオフセットして配置されており、それによって下側のセクションの側壁の第1の側壁は、上側のセクションの側壁の第1の側壁とは同一の平面内に延びておらず、かつ下側のセクションの側壁の第2の側壁は上側のセクションの側壁の第2の側壁とは同一の平面内に延びていない。
【0014】
ビーム溶融方法は、たとえば選択的なレーザー溶融であり、あるいは選択的なレーザー焼結である。光学ユニットのビーム光学系は、ビーム源及び特にレーザービーム源を有することができる。そのために、たとえばNd:YAGレーザーを使用することができ、それは、1064nmの波長を有するレーザービームを発生させる。ビーム光学系は、他の光学ユニットを有することができ、それは、発生されたレーザービームを形成し、偏向させ、あるいは調節するのに適している。特に、光学ユニットとして、次の例示列挙のリストからの1つ又は複数を設けることができる:レーザービームを広げるためのビームエキスパンダー、レーザービームのビーム方向に沿ってレーザービームの合焦位置を変化させるための合焦ユニット、原材料の一番上の層にわたってレーザービームを二次元でスキャンするためのスキャナユニット、レーザービーム上に空間的変調を印加するための光(SLM)用の空間変調器、レーザービームを複数の部分ビームに分割するためのビーム分割ユニット及び、たとえばfシータレンズのような対物レンズ、である。レーザービームが向けられる、あらかじめ定められた場所は、原材料の一番上の層上のあらかじめ定められた位置とすることができる。
【0015】
ハウジング底は、光学ユニットが組み込まれた状態において、ハウジング底の面法線が塗布された1つ(複数)の原材料層の方向を指すように、方向づけすることができる。ハウジング底の開口部は、必ずしもそうする必要はないが、ハウジング底によって完全に包囲することができる。開口部の主要な特性は、ビームがそれを通過できることにある。開口部は、たとえば窓ガラス(たとえばガラス面)を有することができ、それは、ビームに対して透過であり、かつ特にレーザービームの波長に対して透過である。平面は、光学ユニットの気密の密閉をもたらすものであってもよい。さらに開口部は、単に、閉鎖されていない、したがって空気に満ちた開口部もしくは切り抜きであってもよい。
【0016】
側壁は、たとえば、下側のセクションの2つの側壁と上側のセクションの2つの側壁が、ハウジング底が延びる平面に対して垂直となる平面とは平行に延びるように、形成することができる。したがってここで定められている座標系の枠内で、これらの側壁は、たとえばx-z平面に対して平行に延びることができる。下側のセクションの第1の側壁は、上側のセクションの第1の側壁に対して平行に延びることができる。同様に下側のセクションの第2の側壁は、上側のセクションの第2の側壁に対して平行に延びることができる。上側のセクションの2つの側壁は、たとえば下側のセクションの2つの側壁に関して、同じ距離だけ、かつ同じ方向にオフセットすることができる。この方向は、ここで定められたy方向とすることができ、それは第1の方向(x方向)に対して垂直に延びている。上記の定められたオフセットは、光学ユニットのコンパクトな構造を可能にする。下側のセクションと上側のセクションは、それぞれ実質的に直方体の形状で形成することができる。オフセットの方向(すなわちここで定められている座標系内でy方向)に沿った下側のセクションの幅は、オフセットの方向に沿った上側のセクションの幅に対して同一とすることができる。
【0017】
一般的に、ここに記述される光学ユニットは、他の2つの構造的に等しい光学ユニットの間に位置決めできるように、形成できるので、それぞれの光学ユニットの側壁は、互いに対して隣接する。
【0018】
下側のセクションと上側のセクションを備えた上述した形状を有する光学ユニットは、たとえば次のように、すなわち光学ユニットの隣に他の構造的に等しい光学ユニットを位置決めすることができ、それによって光学ユニットの下側のセクションの第2の側壁が、他の光学ユニットの下側のセクションの第1の側壁に隣接して配置され、かつ光学ユニットの上側のセクションの第2の側壁が、他の光学ユニットの上側のセクションの第1の側壁に隣接して配置されるように、形成することができる。
【0019】
上述した隣接する配置は、それぞれの側壁が直接互いに隣接し、かつそれぞれの側壁の間に細いエアギャップのみが存在するものであってもよい。エアギャップは、それぞれの光学ユニットが(たとえばy方向に沿って)互いに隣接して配置される方向に沿って測定して、上側のセクションの幅の20%より、10%より、5%より、2%より、あるいは1%より少ない幅を有することができる。特に隣接する配置は、それぞれの側壁の間にそれぞれの光学ユニット以外の他のコンポーネントが存在しないものであってもよい。それぞれ隣接する側壁は、互いに対して平行に延びてもよい。
【0020】
下側のセクションの側壁は、互いに対して平行となることができ、上側のセクションの側壁も同様に互いに対して平行となることができる。それとは関係なく、第1の接続面が下側のセクションの第1の側壁を上側のセクションの第1の側壁と接続し、かつ第2の接続面が下側のセクションの第2の側壁を上側のセクションの第2の側壁と接続することができる。
【0021】
これらの接続面は、構造的に等しい光学ユニットが隣接して配置された場合に、光学ユニットの第1の側壁が、隣接する光学ユニットの第2の側壁に対して隣接し、かつそれに対して平行に延びるように、形成することができる。
【0022】
光学ユニットは、さらに、ハウジング底に設けられた少なくとも1つのローラを有することができ、そのローラによって光学ユニットが少なくとも第1の方向に沿って転がり移動することができ、その場合に第1の方向は、転がり方向に相当する。
【0023】
したがってここで転がり方向に言及する場合に、それは第1の方向を意味する。たとえばここで定められた座標系において、この転がり方向もしくは第1の方向は、x方向に相当する。
【0024】
少なくとも1つのローラは、ハウジング底に、部分的にその中へ引っ込められるように、設けてもよい。たとえばローラの回転軸線は、光学ユニットの内部に、あるいは少なくともハウジング底の内部に延びることができる。しかしローラは、光学ユニットの所望の転がり移動を可能にするように、他の任意のやり方で、ハウジング底に設けることができる。ローラは、実質的に円筒形状とすることができる。ローラは、転がり移動方向への実質的に線形の転がり移動を可能にしてもよい。以下において、ローラが1つの転がり方向のみにおける移動を実施できると限定される場合でも、同様に、1つの転がり方向より多くの転がり方向の、たとえば平面内部で任意の方向の、転がり移動を可能にする、ローラを設けることができる。そのためにローラは、たとえば、ローラのそれぞれの回転軸に対して垂直となる軸線を中心に回転可能に軸承することができ、あるいはローラはボールとして形成することができる。以下において(1つの)転がり方向に言及する場合には、この転がり方向は、x-y平面内のx軸に沿って定められる。代替的に、転がり方向は、y軸に沿って定めることもできる。
【0025】
少なくとも1つのローラを設けることは、三次元のワークピースを形成する設備の収容セクションにわたって光学ユニットを転がり移動させること(x-y平面の内部で)を可能にするので、光学ユニットを収容セクション上に取りつけること(z方向に沿って)は、光学ユニットの定められた終端位置の場所において行う必要はない。しかし、光学ユニットは、重く、かつ/又は扱いにくいことがあるので、三次元のワークピースを形成する設備に最初に光学ユニットを搭載することは、困難かつ煩雑になり得る。さらに個々の光学ユニットは、最初に個々の光学ユニットを装填した後に修理又は保守のために取り外すことができるようにし、あるいはそれを交換できるようにするために(たとえば故障後に、あるいは、たとえば他の波長又はレーザー出力のような、他の特性が望ましい場合に)、原理的に交換可能とすることができる。しかしこの種の交換は、従来技術においては、他の光学ユニット(交換すべきものの他に)を完全に取り外すことなしに、あるいは少なくともその位置を変更する必要なしには、不可能であることが多い。これが、光学ユニットの取り外しと組み込みを困難かつ複雑にしている。この状況について、ここで提案される少なくとも1つのローラは、光学ユニットを側方で(転がり方向に沿って)「転がして入れる」ことができる限りにおいて、改良を提供する。
【0026】
光学ユニットは、ハウジング底に設けられた少なくとも3つのローラを有することができ、それらはすべて転がり方向に対して垂直に延びる方向に沿って互いに対してオフセットしている。
【0027】
言い換えると、このオフセットは、これら少なくとも3つのローラのどれも、同じ直線に沿って(x方向に)延びていないことを、意味している。むしろ、個々のローラがそれに沿って走行する、直線は、x方向に沿って平行に延び、かつ互いに離隔することができる(y方向に沿って)。少なくとも3つのオフセットしたローラに加えて、他のローラを設けることができ、それらは上述したのと同様にオフセットして配置されており、あるいは少なくとも3つのローラの1つに関して、オフセット(y方向に沿って)を持たないこともできる。少なくとも3つのオフセットしたローラが設けられている場合に、設備の収容セクションに、ローラの各々のために、対応する溝を設けることができる。
【0028】
ハウジング底は、穴を有することができ、その穴は、固定手段を収容するように適合されている。この穴は、ねじ山を有することができ、そのねじ山は、ねじボルトを収容するように合わせられている。この穴は、たとえば、転がり方向に対して垂直の方向に延びることができる(たとえばz方向)。この穴は、固定手段を用いて光学ユニットを設備の収容セクションに固定するために、用いることができる。
【0029】
はっきりさせるためだけに述べておくが、本発明の主旨において、ハウジング底が上で述べた開口部によって完全に占められている場合、すなわち開口部が側壁によって画成されている場合も、ハウジング底と考えられる。開口部は、レーザー透過の材料、たとえばガラスによって満たすことができるが、材料を通過させる開口部として形成することもできる。
【0030】
本発明は、第2の視点によれば、ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備に関する。この設備は、原材料の複数の層を収容する支持体と、支持体の上側に配置されている収容セクションであって、当該収容セクション内に設けられた少なくとも1つの溝を有する収容セクションと、第1の視点に基づく光学ユニットと、を有している。光学ユニットの少なくとも1つのローラと収容セクションの少なくとも1つの溝は、少なくとも1つのローラが少なくとも1つの溝に沿って転動することができ、かつこの溝によって案内されるように、形成されている。
【0031】
溝は、たとえば直線に沿って、特にここで定められたx方向に沿って、延びることができる。溝は、たとえば実質的に矩形の横断面を有することができる。溝の底面は、x-y平面に対して平行に延びることができるので、光学ユニットの付属のローラは、その上でx方向に沿って転動することができる。
【0032】
収容セクション内に、光学ユニットのローラの各々のために、(正確に)1つの対応する溝を設けることができる。光学ユニットがたとえば3つのローラを有する場合に、収容セクション内に3つの対応する溝を設けることができる。
【0033】
しかしそれに対する代替案として、少なくとも2つのローラを設けることができ、それらは同じ溝内で共通に案内することができる。したがって光学ユニットはたとえば4つのローラを有することができ、その場合に4つのローラのそれぞれ2つを、共通の溝内で案内することができる。
【0034】
少なくとも1つの溝は、溝の終端セクションに、光学ユニットの付属のローラを収容するための凹部を有することができ、その場合に凹部は、溝の底に関して設けられている。
【0035】
もっと正確に言うと、溝は、収容セクション内の「凹部」又は切り抜きであってもよく、その場合に溝の底面は(z方向において)収容セクションの表面よりも低い水準にある。底面のこの水準から始まって、溝の終端セクションにz方向に沿って他の凹部が設けられている。この凹部は、付属の光学ユニットを終端位置に係止するために用いることができる。この終端位置から光学ユニットは、単にx方向に沿って純粋に転がるだけでは、取り外すことはできない。というのは付加的に、ローラを(x方向に)沿って凹部から取り出すことが必要となるからである。光学ユニットの各ローラのために、対応する溝内に凹部を設けることができる。
【0036】
凹部は、付属のローラが凹部によって収容されており、かつ光学ユニットが終端位置にある場合に、付属のローラが凹部の底に接触しないように、形成することができる。したがって終端位置において、収容セクションの表面と光学ユニットのハウジング底が接触する。したがって終端位置において、光学ユニットは係止されており、平面的かつ安定して、収容セクションの表面上に載置される。
【0037】
溝の底面と凹部の間に、斜めの移行面を設けることができる。
【0038】
移行面は、たとえばランプとすることができる。移行面は、斜めの平面とすることができるが、湾曲していてもよい。移行面を転がってローラが凹部内へ転がり込み、かつ再びそこから転がり出ることができる。
【0039】
設備は、さらに固定手段を有することができ、その固定手段は、光学ユニットのハウジング底の穴内へ導入されるように、適合されており、したがってそれによって光学ユニットは設備の収容セクションに固定することができる。
【0040】
固定手段は、たとえばねじ又はボルトとすることができる。光学ユニットが終端位置にある場合に、光学ユニットを収容セクションに固定するために、固定手段をz方向に沿って穴内へ導入することができる。そのために収容セクションは、たとえば同様に穴、及び特にねじ穴を有することができる。
【0041】
凹部を設ける代わりに、あるいはそれに加えて、光学ユニットの少なくとも1つのローラもしくは複数のローラを弾性的に軸承することができる。このようにして、光学ユニットの表面への圧力によって(下側へ向かってz方向に)、収容セクションの表面と光学ユニットのハウジング底が接近して、最終的に終端位置において接触させるようにしてもよい。
【0042】
収容セクションは、ビームを透過する開口部を有することができ、その開口部は、光学ユニットの終端位置において少なくとも部分的に光学ユニットの開口部と重なるように、合わせられているので、ビームが光学ユニットの開口部を通り、かつ収容セクションの開口部を通るように方向づけることができる。
【0043】
終端位置は、光学ユニットが収容セクションに固定されている、固定された状態とすることができる。収容セクションの開口部は、たとえば単なる切り抜きであってもよい。しかし開口部内に、レーザービームを透過する窓ガラス(たとえばガラス面)を設けることもできる。開口部は、光学ユニットからのレーザービームを、収容セクションを通して、原材料上へ案内するために、用いられる。
【0044】
収容セクションの開口部及び/又は光学ユニットの開口部の周囲にシールを設けることができる。
【0045】
このシールは、収容セクションの下側のビルドチャンバを気密に密閉するために、用いることができるので、ビルドチャンバからガスが周囲へ、かつ/又は光学ユニット内へ達することはない。
【0046】
設備は、第1の視点に基づく、多数の並べて配置された光学ユニットを有することができる。
【0047】
これらの光学ユニットは、転がり方向に対して垂直に(たとえばy方向に沿って)延びる方向に沿って並べて配置することができる。付加的又は代替的に、光学ユニットは、転がり方向に沿って(たとえばx方向に沿って)並べて配置することができる。特に、たとえば、あらかじめ定められた数の光学ユニット(たとえば6個)を第1の列内にy方向に沿って互いに並べて配置することができ、かつ第2の列内には、あらかじめ定められた同じ数の光学ユニットをy方向に沿って配置することができ、その場合に2つの列は、x方向に沿って互いに並べて配置されている。
【0048】
第3の視点によれば、本発明は、ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備内で使用するための光学ユニットに関する。この光学ユニットは、ビームを発生させて、ビームをあらかじめ定められた場所へ向けるためのビーム光学系、ハウジング底とハウジング底に設けられた、ビームを透過する開口部(それによってビームが開口部を通過することができる)とを備えたハウジング及びハウジング底に設けられた少なくとも1つのローラを有しており、そのローラによって光学ユニットが少なくとも1つの転がり方向に沿って移動することができる。
【0049】
このように形成された光学ユニットは、請求項1に定義されている特徴の組合せとは関係なく、権利請求することもできる。特に、このように形成された光学ユニットのために、以下の特徴、すなわち光学ユニットが第1の方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を備えた、ハウジング底を含む下側のセクションと、下側のセクションと接続された、第1の方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を備えた上側のセクションを有しており、下側のセクションと上側のセクションが互いに対してオフセットして配置されており、それによって下側のセクションの側壁の第1の側壁が、上側のセクションの側壁の第1の側壁と同一の平面内に延びておらず、かつ、下側のセクションの側壁の第2の側壁が、上側のセクションの側壁の第2の側壁と同じ平面内に延びていない、という特徴は、重要ではない。
【0050】
本発明の第1と第2の視点に関連して上で説明した特徴は、本発明の第2の視点に基づく光学ユニットにおいても、設けることができる。
【0051】
特に光学ユニットは、ハウジング底に設けられた少なくとも3つのローラを有することができ、それらはすべて転がり方向に対して垂直に延びる方向に沿って互いにオフセットすることができる。
【0052】
ハウジング底が、穴を有することができ、その穴は、固定手段を収容するように整えられている。
【0053】
光学ユニットは、転がり方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を有する、ハウジング底を含む下側のセクションと、下側のセクションと接続された、転がり方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を備えた上側のセクションとを有することができる。下側のセクションと上側のセクションは、互いに対してオフセットして配置されており、それによって下側のセクションの側壁の第1の側壁は上側のセクションの側壁の第1の側壁と同一の平面内に延びておらず、かつ下側のセクションの側壁の第2の側壁は、上側のセクションの側壁の第2の側壁と同一の平面内に延びていない。
【0054】
一般的に、ここで記述される光学ユニットは、他の2つの構造的に等しい光学ユニットの間に位置決めすることができ、それによってそれぞれの光学ユニットの側壁が互いに隣接するように、構成することができる。
【0055】
下側のセクションと上側のセクションを備えた上述した形状を有する光学ユニットは、たとえば次のように、すなわち光学ユニットの隣に他の構造的に等しい光学ユニットを位置決めすることができ、それによって光学ユニットの下側のセクションの第2の側壁が、他の光学ユニットの下側のセクションの第1の側壁に隣接して配置され、かつ光学ユニットの上側のセクションの第2の側壁が他の光学ユニットの上側のセクションの第1の側壁に隣接して配置されるように、構成することができる。
【0056】
下側のセクションの側壁は、互いに対して平行となることができ、かつ上側のセクションの側壁も同様に互いに対して平行となることができる。それとは関係なく、第1の接続面が下側のセクションの第1の側壁を上側のセクションの第1の側壁と接続し、かつ第2の接続面が下側のセクションの第2の側壁を上側のセクションの第2の側壁と接続してもよい。
【0057】
第4の視点によれば、本発明は、ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備に関する。この設備は、原材料の複数の層を収容するための支持体、支持体の上側に配置されており、収容セクション内に設けられた少なくとも1つの溝を備えた収容セクション及び第1の視点に基づく光学ユニットを有している。光学ユニットの少なくとも1つのローラと収容セクションの少なくとも1つの溝は、少なくとも1つのローラが少なくとも1つの溝に沿って転がり移動することができ、かつこの溝によって案内されるように、形成されている。
【0058】
このように形成された設備は、請求項7に定義された特徴の組合せとは関係なく、定義することもできる。特にこのように形成された光学ユニットのために、請求項1の特徴、すなわち光学ユニットが、ハウジング底を備え、第1の方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を有する、下側のセクションと、下側のセクションと接続され、第1の方向に対してそれぞれ平行に延びる2つの側壁を備えた上側のセクションとを有し、下側のセクションと上側のセクションが互いに対してオフセットして配置されており、それによって下側のセクションの側壁の第1の側壁が、上側のセクションの側壁の第1の側壁と同一の平面内に延びておらず、かつ下側のセクションの側壁の第2の側壁が上側のセクションの側壁の第2の側壁と同じ平面内に延びていない、という特徴は、重要ではない。
【0059】
本発明の第1、第2及び第3の視点に関連して上で説明した特徴は、本発明の第4の視点に基づく設備においても設けることができる。
【0060】
特に光学ユニットの各ローラのために収容セクション内に(正確に)1つの対応する溝を設けることができる。
【0061】
少なくとも1つの溝は、溝の終端セクションに、光学ユニットの付属のローラを収容するための凹部を有してもよく、凹部を、溝の底面に関して設けてもよい。
【0062】
凹部は、付属のローラが凹部内に収容されており、かつ光学ユニットが終端位置にある場合に、付属のローラが凹部の底に接触しないように、形成してもよい。
【0063】
溝の底面と凹部の間に斜めの移行面を設けてもよい。
【0064】
設備は、さらに、少なくとも1つの固定手段を有してもよく、その固定手段は、光学ユニットのハウジング底の穴内へ導入され、それによって光学ユニットを設備の収容セクションに固定するように、適合されていてもよい。
【0065】
収容セクションは、ビームを透過する開口部を有してもよく、その開口部は、光学ユニットの終端位置において光学ユニットの開口部と少なくとも部分的に重なり、それによってビームを光学ユニットの開口部を通り、かつ収容セクションの開口部を通るように方向づけできるように、適合されていてもよい。
【0066】
収容セクションの開口部及び/又は光学ユニットの開口部の周囲にシールを設けてもよい。
【0067】
設備は、複数の互いに並べて配置された、第3の視点に基づく光学ユニットを有してもよい。
【0068】
以下、添付の図面を用いて本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、収容セクション上に2列で配置されている多数の光学ユニットを示す斜視図である。
図2図2は、光学ユニットのハウジング底を下から示しており、ハウジング底の1つの開口部と3つのローラが示されている。
図3図3は、収容セクション上に配置されている単一の光学ユニットを示す斜視図である。
図4図4は、図3の状況を示す上面図である。
図5図5は、収容セクション上に並べて配置されている複数の光学ユニットを示す正面図である。
図6図6は、終端位置にある光学ユニットを示す側面図であって、光学ユニットのローラが収容セクションの溝の凹部によって収容されている。
図7図7は、光学ユニットのy-z平面を通る断面図であって、穴と固定手段が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1には、この開示に基づいて三次元のワークピースを形成する設備2のセクションの実施例が示されている。図示されるセクションは、支持体6の上側にある領域を示しており、その支持体上に、設備2の進行するプロセスにおいて原材料が塗布される。したがって進行する作成プロセス内で一番上の原材料層は平面4の内側に位置している。原材料は、たとえば粉末、細粒及び/又は液体を有することができる。原材料は、たとえば金属、セラミック及び/又はプラスチック材料あるいはその材料混合物も有することができる。設備2によって使用されるビーム溶融(たとえば選択的レーザー溶融又は選択的レーザー焼結)の技術は、たとえば上述した従来技術の文献からよく知られており、かつここでは粉末床内の選択的レーザー溶融を用いて、簡潔にのみに説明する。
【0071】
まず、第1の層の原材料粉末が支持体6上に塗布されて、粉末の所望の領域が硬化されるように、特定の箇所に1つ又は複数のレーザービームによって照明される。次に他の層の粉末が先行する粉末層上に塗布されて、ここでもこの一番上の層の照明と硬化が行われる。一番上の層と1つの光学ユニット又は複数の光学ユニットとの間の間隔を常に一定に維持するために、進行する作成プロセス内で支持体6を下降させ、かつ/又は1つの光学ユニット10又は複数の光学ユニット10を持ち上げる(z方向に沿って)ことが、可能である。このようにして、形成すべき三次元のワークピースが層から層へ構築される。次に、硬化されていない粉末を除去し、場合によっては再使用することができる。
【0072】
図1には、複数の光学ユニット10を収容するための収容セクション8が示されている。もっと正確に言うと、図示される収容セクション8は図示される12の光学ユニット10個の収容を可能にする。収容セクション8は、図示される実施形態において、プレート形状の部材であって、その部材が設備2のビルドチャンバの天井部の領域内に配置されており、もしくはこの天井部である。図示される光学ユニット10の各個々のものは、レーザービームを下側へ向かって(すなわち収容セクション8の開口部と通して)平面4上へ放射するように、構成されており、その平面内に原材料が存在する。図示される光学ユニット10の各々は、ビーム光学系11(図式的に示す)を有している。ビーム光学系11は、スキャナユニットを有しており、それによって光学ユニット10によって形成されたレーザービームを平面4にわたってスキャンすることができる。さらに光学ユニット10のビーム光学系11の各々は、合焦ユニットを有しており、その合焦ユニットは、それぞれのレーザービームの合焦位置をビーム方向沿って変化させるように、適合されている。図1においては、光学ユニット10の個々のレーザービームの代わりに、ビームコーン12が示されており、そのビームコーンは、光学ユニット10のレーザービームの全体によって達成できる空間全体を示している。したがって平面4の内側のビームコーン12の底面は、たとえば支持体6上の、光学ユニット10のレーザービームによって達することができる典型的な領域を示している。
【0073】
デカルト座標系は、この開示全体の枠内で、以下のように定められる:収容セクション8の上側がx-y平面を定め、その場合に、以下でさらに説明するように、光学ユニット10を挿入するための溝はx軸に沿って延びている。このx-y平面に対して平行に、一番上の原材料層の平面4が延びており、それに対して同様に平行に、支持体6の表面が延びている。z方向は、x-y平面に対して垂直に延びている。ここで、光学ユニット10又は収容セクション8が支持体6の上側に配置されている、という場合には、これは、それぞれのユニットが支持体6から正のz方向に離隔していることを意味する。
【0074】
光学ユニット10は収容セクション8上に、2列の光学ユニットが存在するように、配置されており、2つの列の光学ユニット10はy方向に沿って互いに隣接して配置されており、かつ2つの列は互いに対して平行に延びて、x方向に関して互いに離隔しているので、一方の列の光学ユニット10の端面が、他方の列の光学ユニット10の端面に対向している。光学ユニット10の端面は、光学ユニット10の、y-z平面内に延びる面である。
【0075】
図2は、光学ユニット10を下から(正のz方向の視線をもって)見た図を示している。光学ユニット10はハウジング14を有しており、そのハウジングは、複数の光学部材(たとえばレーザービーム源、スキャナユニットなど)を備えたビーム光学系11を収容する。ハウジング14はハウジング底16を有しており、そのハウジング底はx-y平面内に延びている。実質的にハウジング14によって定められる、光学ユニット10の幾何学配置の他の詳細は、以降の図に関連してさらに下で記述される。
【0076】
ハウジング底16には、さらに3つのローラ18が設けられており、それらは、光学ユニット10をx方向に沿って転がり移動させるように、適合されている。この目的のために、これらのローラは、ハウジング底16からあらかじめ定められた距離だけz方向に張り出している。図示される実施例において、これらのローラは実質的に円筒形状のローラ18であって、それらはx方向における移動のみを可能にする。しかしまた、z軸の周りを回転することができるローラを設けることもできるので、x-y平面の内部で任意の回転運動が可能である。図2に示すように、3つのローラ18はy方向に関して互いに対してオフセットしている。さらにローラ18は、x方向に関しても互いに対してオフセットしている。少なくとも1つのローラ18を設けることは、光学ユニット10を側方から「転がして入れる」ことを可能にするために、効果的である。しかし、ここで提案される、ローラを持たない、改良された幾何学配置を有する光学ユニットの実施形態も、可能である。これらの光学ユニット10は、たとえば上から(z方向に沿って)挿入することができ、あるいはハウジング底16に沿って側方から挿入することができる。代替的又は付加的に、さらに、ハウジング底16とは異なる箇所に、ローラ又はスライド部材を設けることができる。
【0077】
ハウジング底16は、開口部20を有している。この開口部20は、開口部である限りにおいて、光学ユニット10のレーザービームを通過させることができ、したがってレーザービームについて透過である。図示される実施例の開口部20は、レーザービームを透過する窓ガラスを有している。
【0078】
さらにハウジング底16は、3つの穴22を有しており、それらは、z軸に沿ってハウジング底16内へ延びている。これらの穴22を通してそれぞれ固定手段(たとえばボルト又はねじ)を導入することができ、それによって光学ユニット10を収容セクション8に固定することができる。この目的のために、収容セクション8に光学ユニット10のそれぞれのために、同様に3つの対応する穴が設けられている。
【0079】
さらに、図2には移行面24が示されており、その移行面は光学ユニット10の下側のセクションの側壁から上側のセクションの側壁へ延びている。
【0080】
図3は、収容セクション8とその上に配置されている単一の光学ユニット10を斜視図で示している。その場合に光学ユニット10は、終端位置において、すなわち光学ユニットが挿入完了した位置で示されている。選択的に、光学ユニット10は、たとえば固定手段を用いてこの終端位置に固定することができる。図3においてはさらに、各光学ユニット10のために、収容セクション8の表面に3つの溝26が設けられていることが、認識できる。したがって光学ユニット10の一つあたり、溝26の数は、ローラ18の数に相当するので、各ローラ18に対して関連する溝26が設けられている。見やすくするために、図3においては、光学ユニット10の1つのための3つの溝26のみに参照符号が設けられている。
【0081】
溝26は、y-z平面を通る断面に関して矩形の横断面を有している。溝26の各々は、x方向に対して平行に延びている。これらの溝26は、光学ユニット10を収容セクション8の溝26上のある箇所に取りつける(上から、すなわちZ方向に沿って)ことができるようにし、次にx方向に沿ってそれぞれ終端位置へ移動させることができるようにするために、用いられる。溝26は、x方向に向かっても開放することができるので、ローラ18はx方向からそれぞれの溝26内へ導入することもできる。したがって図示される光学ユニット10は、左から(すなわちx方向に)挿入され、したがってその終端位置へ移動されている。もっと正確に言うと、光学ユニット10は、まずz方向に3つの溝26上に取りつけられて、次にx方向に移動されるので、光学ユニット10のそれぞれのローラ18が対応する溝26内で転動し、かつその溝によって案内される。
【0082】
図3にはさらに、光学ユニット10の各々のために、収容セクション8に付属の開口部28が設けられていることが、示されている。これらの開口部28は、付属の光学ユニット10の終端位置において、ハウジング底16の開口部20が収容セクション8の開口部28と重なるので、レーザービームが2つの開口部を通過できるように、形成されている。ハウジング底16の開口部20の場合と同様に、開口部28は単なる切り欠きとすることができ、あるいは平面(たとえばガラス面)を設けることができ、それが開口部28を覆い、かつそれを特に気密に閉鎖する。さらに、開口部28を囲むシールリングを設けることができるので、光学ユニット10を取りつけた後に、開口部28もしくはその下に位置するビルドチャンバからガスが周囲へ逃げることはない。代替的又は付加的に、光学ユニット10のハウジング底16の開口部20を囲むシールリングを設けることができる。
【0083】
図4は、図3と同じ状態を、上面視で示している。この視点からは、収容セクション8の溝26と開口部28の配置がより良好に認識される。図3においては、12個の光学ユニット10用の付属の12個のスペースホルダ(すなわち光学ユニット10用の可能な位置)が設けられており、スペースホルダの各々には、収容セクション8上に1つの開口部28と3つの溝26が設けられていることが、分かる。スペースホルダは、収容セクション8上に2列の光学ユニット10を配置できるように配置されており、これらの列はそれぞれy方向に延びている。したがって個々の光学ユニット10の端面(すなわちy-z方向に位置する面)は、互いに隣接している。同様に、図5に関連して説明するように、個々の列内で光学ユニット10の側壁は、互いに隣接している。
【0084】
図5は、収容セクション8上に並べて配置されている6つの光学ユニット10の列を正面図で示している。光学ユニット10のすべては、そのハウジング14の幾何学配置に関して構造的に等しい。この理由から、以下においてはこのハウジング14の幾何学配置を例に説明する。図5は、z軸に沿った視線方向を有する図を示しており、したがって光学ユニット10の、転動方向(x方向)に対して垂直に延び、かつy-z平面内に位置する端面30を示している。端面30は、抽象的にs字形状と称することができる。光学ユニット10は、下側のセクション32を有し、それがハウジング底16を有している。下側のセクション32の上側(すなわちz方向において上側)に、光学ユニット10の上側のセクション34が配置されている。下側のセクション32は、第1の側壁36と第2の側壁38を有しており、それら両者は転動方向(x方向)に対して平行に延びており、かつそれぞれx-z平面内に位置している。上側のセクション34も同様に、第1の側壁40と第2の側壁42を有しており、それら両者も同様に転動方向(x方向)に対して平行に延びており、かつそれぞれx-z平面内に位置している。下側のセクション32の第1の側壁36と上側のセクション34の第1の側壁40は、互いに対して平行に延びており、かつy方向においては所定の間隔dだけ互いにオフセットしている。同様に下側のセクション32の第2の側壁38と上側のセクション34の第2の側壁42は、互いに対して平行に延びており、かつy方向においては同じ間隔dだけ互いにオフセットしている。下側のセクション32の第1の側壁36と上側のセクション34の第1の側壁40を、第1の斜めの接続面44が接続しており、その接続面は転動方向(x方向)に対して平行に延びている。下側のセクション32の第2の側壁38と上側のセクション34の第2の側壁42を、第2の斜めの接続面24が接続しており、その接続面は転動方向(x方向)に対して平行に延びている。図示される実施形態において、2つの接続面44と24は、互いに対して平行である。
【0085】
光学ユニット10は、上で説明したその幾何学配置に基づいて、図5に示すように、以下のように1列に並べて配置することができる。第1の光学ユニット10の下側のセクション32の第1の側壁36は、それぞれ、隣接する第2の光学ユニット10の下側のセクション32の第2の側壁36に対して隣接して配置されている。同様に、第1の光学ユニット10の上側のセクション34の第1の側壁40は、第2の光学ユニット10の上側のセクション34の第2の側壁42に対して隣接して配置されている。同様に、隣接する光学ユニット10の接続面44と24は、互いに隣接して配置されている。上述した隣接する面(もしくは壁)の間の間隔は、できる限り小さく選択することができ、すなわちそれぞれの面は直接互いに隣接し、かつ必要であれば、接触してもよい。しかし、光学ユニット10のx方向における挿入を容易にするために、理想的にはそれぞれの面の間に細いエアギャップが設けられている。
【0086】
光学ユニット10の配置の上述した記述から、y方向において他の光学ユニット10に両側で隣接して配置されている、光学ユニット10の1つは、その終端位置からz方向に簡単に除去できない(すなわち持ち上げられない)ことが、明らかである。同様に、光学ユニット10を上から隙間内へ挿入することは、容易にはできない。特にこの理由から、x方向に沿って挿入を可能にする、ここで説明したローラ18と溝26を設けることが、効果的であり得る。
【0087】
図6は、光学ユニット10のローラ18を側面図で示しており、その場合に光学ユニット10はその終端位置にある。図6は、光学ユニット10の3つのローラ18のうち1つだけを例として示しており、その場合に他のローラ18のそれぞれ対応する溝26は比較可能に形成されている。図6は、ローラ18に属する溝26の終端セクションを示している。
【0088】
溝26は、その終端セクションに凹部48を(z方向に)有している。図6に示すように、凹部48は光学ユニット10のローラ18を収容することができる。凹部48は、溝26の底面50に関して設けられている。もっと正確に言うと、溝26はすでに、収容セクション8の表面52に関して深さtnだけ「凹部」であって、凹部48は溝26の底面50に関して(他の)凹部を形成する。収容セクション8の表面52に関して凹部48は、深さtnよりも大きい深さtvを有している。
【0089】
図6に示すように、光学ユニット10がその終端位置にあって、ローラ18が凹部48によって収容されている場合に、ローラ18は凹部48の底54に接触しない。イメージ的には、ローラ18は空中に懸架されている。その理由は、ローラ18がハウジング底16から張り出す距離trが、凹部の深さtvよりも小さいからである。したがってこの状態において、ハウジング底16は、収容セクション8の表面52上に載置されている。この状態から始めて、光学ユニット10を再びその凹部から転がし出すために、わずかな初期力を克服すれば済む。
【0090】
溝26の底面50と凹部48の間には、斜めの移行面56が設けられている。この斜めの移行面56を介して、ローラ18は凹部48内へ転がり込み、かつ再びそこから転がり出ることができる。したがって移行面56は、ランプと称することもできる。図示される実施形態において、それは斜めの平面である。
【0091】
光学ユニット10を収容セクション8に付加的に固定することを保証するために、光学ユニット10の終端位置においてねじ58が光学ユニット10の穴22を通し、かつ収容セクション8の対応する穴を通して回転されるので、光学ユニット10が収容セクション8と堅固に固定される。これが、図7の側面図に示されている。
【0092】
個々の光学素子10は、以下のようにして終端位置から取り出すことができる。そのために、まず、ねじ58が緩められる。次に、光学素子10はx方向に沿って収容セクション8を介して移動させることができる。したがって光学素子10が3つの側から他の光学素子10によって包囲されている場合でも、側方の取り出しが可能である。同様にして、光学素子10を修理後、あるいは他の光学素子10を、隣接する光学素子10を除去する必要なしに、再び隙間内へ挿入することができる。
【0093】
したがって上述した技術によって、光学素子10のための改良された幾何学配置が提示されるので、この光学素子は場所をとらないやり方で収容セクション8上に配置することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
本発明の第1と第2の視点に関連して上で説明した特徴は、本発明の第の視点に基づく光学ユニットにおいても、設けることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
第4の視点によれば、本発明は、ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備に関する。この設備は、原材料の複数の層を収容するための支持体、支持体の上側に配置されており、収容セクション内に設けられた少なくとも1つの溝を備えた収容セクション及び第の視点に基づく光学ユニットを有している。光学ユニットの少なくとも1つのローラと収容セクションの少なくとも1つの溝は、少なくとも1つのローラが少なくとも1つの溝に沿って転がり移動することができ、かつこの溝によって案内されるように、形成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
個々の光学ユニット10は、以下のようにして終端位置から取り出すことができる。そのために、まず、ねじ58が緩められる。次に、光学ユニット10はx方向に沿って収容セクション8を介して移動させることができる。したがって光学ユニット10が3つの側から他の光学ユニット10によって包囲されている場合でも、側方の取り出しが可能である。同様にして、光学ユニット10を修理後、あるいは他の光学ユニット10を、隣接する光学ユニット10を除去する必要なしに、再び隙間内へ挿入することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
したがって上述した技術によって、光学ユニット10のための改良された幾何学配置が提示されるので、この光学ユニットは場所をとらないやり方で収容セクション8上に配置することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備(2)内で使用するための光学ユニット(10)であって、
-ビームを発生させ、かつビームをあらかじめ定められた場所へ方向づけするためのビーム光学系(11)を有し、
-ハウジング底(16)とハウジング底に設けられた開口部(20)とを備えたハウジング(14)を有し、ビームが開口部(20)を通過できるように、前記開口部がビームに対して透過であり、
前記光学ユニット(10)が、それぞれ第1の方向に対して平行に延びる2つの側壁(36、38)を備えた、ハウジング底(16)を含む下側のセクション(32)と、前記下側のセクション(32)と接続された、それぞれ第1の方向に対して平行に延びる2つの側壁(40、42)を備えた上側のセクション(34)とを有しており、下側のセクション(32)の側壁の第1の側壁(36)が上側のセクション(34)の側壁の第1の側壁(40)とは同一の平面内に延びておらず、かつ下側のセクション(32)の側壁の第2の側壁(38)が上側のセクション(34)の側壁の第2の側壁(42)とは同一の平面内に延びていないように、下側のセクション(32)と上側のセクション(34)が互いに対してオフセットして配置されている、光学ユニット(10)。
【請求項2】
前記光学ユニット(10)の隣に同一構造の他の光学ユニット(10)を位置決めすることができ、それによって光学ユニット(10)の下側のセクション(32)の第2の側壁(38)が他の光学ユニット(10)の下側のセクション(32)の第1の側壁(36)に隣接して配置され、かつ光学ユニット(10)の上側のセクション(34)の第2の側壁(42)が他の光学ユニット(10)の上側のセクション(34)の第1の側壁(40)に隣接して配置されるように、前記光学ユニット(10)が、形成されている、請求項1に記載の光学ユニット(10)。
【請求項3】
下側のセクション(32)の側壁(36、38)が互いに対して平行であり、かつ上側のセクション(34)の側壁(40、42)が互いに対して平行であって、第1の接続面(44)が下側のセクション(32)の第1の側壁(36)を上側のセクション(34)の第1の側壁(40)と接続し、かつ第2の接続面(24)が下側のセクション(32)の第2の側壁(38)を上側のセクション(34)の第2の側壁(42)と接続している、請求項1又は2に記載の光学ユニット(10)。
【請求項4】
さらに、ハウジング底(16)に設けられた少なくとも1つのローラ(18)を有し、前記ローラを用いて光学ユニット(10)が少なくとも第1の方向に沿って転がり移動することができ、前記第1の方向が転がり方向に相当する、請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ユニット(10)。
【請求項5】
前記光学ユニット(10)が、前記ハウジング底(16)に設けられた少なくとも3つのローラ(18)を有し、前記ローラがすべて、転がり方向に対して垂直に延びる方向に沿って互いに対してオフセットしている、請求項4に記載の光学ユニット(10)。
【請求項6】
ハウジング底(16)が少なくとも1つの穴(22)を有し、前記穴が、固定手段を収容するように適合されている、請求項4又は5に記載の光学ユニット(10)。
【請求項7】
ビーム溶融方法を用いて三次元のワークピースを形成する設備(2)であって、
-原材料の複数の層を収容するための支持体(6)を有し、
-前記支持体(6)の上側に配置される収容セクション(8)であって、前記収容セクション(8)に設けられた少なくとも1つの溝(26)を備えた収容セクション(8)を有し、かつ
-請求項4から6のいずれか1項に記載の光学ユニット(10)を有し、前記光学ユニット(10)の少なくとも1つのローラ(18)と前記収容セクション(8)の少なくとも1つの溝(26)が、前記少なくとも1つのローラ(18)が前記少なくとも1つの溝(26)に沿って転がり移動することができ、かつその溝によって案内されるように、形成されている、
設備(2)。
【請求項8】
前記収容セクション(8)内に、前記光学ユニット(10)のローラ(18)の各々に対して、対応する溝(26)が設けられている、請求項5に記載の光学ユニット(10)を有する請求項7に記載の設備(2)。
【請求項9】
少なくとも1つの溝(26)が、溝(26)の終端セクションに、光学ユニット(10)の付属のローラ(18)を収容するための凹部(48)を有し、前記凹部(48)が前記溝(26)の底面(50)に関して設けられている、請求項7又は8に記載の設備(2)。
【請求項10】
凹部(48)は、付属のローラ(18)が凹部(48)内に収容されており、かつ光学ユニット(10)が終端位置にある場合に、付属のローラ(18)が凹部(48)の底(5)に接触しないように、形成されている、請求項9に記載の設備(2)。
【請求項11】
前記溝(26)の底面(50)と前記凹部(48)との間に、斜めの移行面(56)が設けられている、請求項9又は10に記載の設備(2)。
【請求項12】
請求項6に記載の光学ユニット(10)を有し、さらに、少なくとも1つの固定手段(58)を有し、前記固定手段が、前記光学ユニット(10)のハウジング底(16)の前記穴(22)内に導入されるように適合されており、それによって光学ユニット(10)が設備(2)の収容セクション(8)に固定される、求項7から11のいずれか1項に記載の設備(2)。
【請求項13】
収容セクション(8)がビームを透過する開口部(28)を有し、前記開口部が、前記光学ユニット(10)の終端位置において光学ユニット(10)の開口部(20)と少なくとも部分的に重なり合うように、適合されており、前記ビームが、前記光学ユニット(10)の前記開口部(20)を通過し、かつ収容セクション(8)の開口部(28)を通過する方向に向けられるようにすることができる、請求項7から12のいずれか1項に記載の設備(2)。
【請求項14】
前記収容セクション(8)の開口部(28)のまわりを、かつ/又は前記光学ユニット(10)の開口部(20)のまわりを一周するシールが設けられている、請求項13に記載の設備(2)。
【請求項15】
設備(2)が、請求項1から6のいずれか1項に記載の、複数の並べて配置された光学ユニット(10)を有している、請求項7から14のいずれか1項に記載の設備(2)。
【国際調査報告】