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特表2022-539881耐熱消火ロボットおよびその作業方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】耐熱消火ロボットおよびその作業方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 27/00 20060101AFI20220906BHJP
【FI】
A62C27/00 507
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500955
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2021081194
(87)【国際公開番号】W WO2021190366
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】202010218057.4
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521092085
【氏名又は名称】北京力升高科科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING LESEN TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Room 1109,11th Floor,Building 3,No.1,Zhonguancun East Road,Haidian District Beijing 100084,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】唐飛
(72)【発明者】
【氏名】徐延瀧
(72)【発明者】
【氏名】羅剛
(72)【発明者】
【氏名】陳進
(72)【発明者】
【氏名】李明旭
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189FA01
2E189FA04
(57)【要約】
耐熱消火ロボットは、耐熱ロボット車台システムと、耐熱砲塔システムとを含む。前記耐熱ロボット車台システムは、耐熱砲塔システムを搭載して移動および障害物乗越えを行うとともに、耐熱砲塔システムにエネルギーを提供し、耐熱履帯駆動システムと、防熱システムと、制御・センサシステムとを含み、前記耐熱履帯駆動システムは前記防熱システムの外部に位置し、前記制御・センサシステムは前記防熱システムの内部に位置する。前記耐熱砲塔システムは、外部環境に対して消火降温作業を行い、放水砲と、放水砲防熱構造と、冷却循環システムとを含み、前記放水砲および前記冷却循環システムは前記放水砲防熱構造の内部に位置し、耐熱防護状態では前記放水砲防熱構造が閉じ、消火作業状態では前記放水砲防熱構造が開いて、放水砲により消火作業を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱ロボット車台システムと、耐熱砲塔システムとを含み、
前記耐熱ロボット車台システムは、
耐熱砲塔システムを搭載して移動および障害物乗越えを行うとともに、耐熱砲塔システムにエネルギーを提供し、耐熱履帯駆動システムと、防熱システムと、制御・センサシステムとを含み、前記耐熱履帯駆動システムは前記防熱システムの外部に位置し、前記制御・センサシステムは前記防熱システムの内部に位置し、
前記耐熱砲塔システムは、
外部環境に対して消火降温作業を行い、放水砲と、放水砲防熱構造と、冷却循環システムとを含み、前記放水砲および前記冷却循環システムは前記放水砲防熱構造の内部に位置し、耐熱防護状態では前記放水砲防熱構造が閉じ、消火作業状態では前記放水砲防熱構造が開いて、放水砲により消火作業を行う
ことを特徴とする耐熱消火ロボット。
【請求項2】
前記放水砲防熱構造は、開閉式防護ゲートと砲塔防護ボディとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記耐熱砲塔システムはさらに、放水砲カメラまたはサーマルイメージャを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記防熱システムは、防熱ハウジングと、耐熱電気・冷却アダプタユニットと、耐熱ホースアダプタユニットとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記耐熱電気・冷却アダプタユニットは、密封カバーロックと、耐熱ガスケットと、断熱パネルと、電源スイッチと、充電アダプタと、冷却アダプタと、断熱密封カバーとを含む
ことを特徴とする請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記冷却アダプタは、冷却液導入口と冷却液排出口とを含む
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記耐熱ホースアダプタユニットは、ホースアダプタと、断熱蓋と、耐熱ファイバーウーブンパイプと、蓋固定台座とを含む
ことを特徴とする請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記防熱ハウジングの内部を冷却する、冷却源と冷却循環システムとをさらに含む
ことを特徴とする請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記制御・センサシステムは、メイン制御システムと、通信システムと、電源管理システムと、耐熱撮像システムと、耐熱照明ユニットと、耐熱アンテナとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記耐熱撮像システムと、前記耐熱照明ユニットと、前記耐熱アンテナとの構造の一部は、防熱ハウジングを貫通し、情報を収集して情報を外部へ送信するために用いられる
ことを特徴とする請求項9に記載のロボットシステム。
【請求項11】
レーダユニットと、車台光学センサユニットとをさらに含む
ことを特徴とする請求項9に記載のロボットシステム。
【請求項12】
1)放水砲防熱構造の開閉式防護ゲートと、電気アダプタにおける断熱密封カバーと、耐熱ホースアダプタユニットの断熱蓋とを閉じて、耐熱防護状態になるステップと、
2)耐熱状態において、耐熱ロボットが高温の火災現場に入るか、あるいは通過して、探索および偵察作業を行うステップと、
3)耐熱ロボットが指定作業領域に到達し、前記断熱蓋を開いてホースを接続し、前記開閉式防護ゲートを開いて放水砲により放水作業を開始し、耐熱ロボットが耐熱防護状態から消火状態に切り替わるステップと、
4)消火作業完了後、ホースを外し、前記断熱蓋および前記開閉式防護ゲートを閉じ、耐熱ロボットが消火状態から耐熱防護状態に切り替わるステップと、を含む
ことを特徴とする耐熱消火ロボットの作業方法。
【請求項13】
前記ステップ1)の前に、さらに冷却源の温度を所定の温度にするステップを含み、外部冷却システムにより、冷却源を冷却するか、冷却源の蓄冷剤を交換するか、あるいは冷却源を交換し、冷却源の温度が所定の温度に達したとき、外部冷却システムを切断する
ことを特徴とする請求項12に記載の耐熱消火ロボットの作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消防ロボットの技術分野に関し、特に耐熱消火ロボットおよびその作業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消防ロボットは消防士が危険な任務を執行するときの補助手段として、火災発生後に消防士とともに火災現場に赴き、火災現場において消防士を補助するか、またはその代わりに情報収集、消火の補助や人命救助などの操作を行う必要がある。
【0003】
消防士の作業として、真に緊急性があり、且つ危険性の最も高い作業は、火災現場における人命救助および消火作業である。火災現場に閉じ込められた人の安全リスクが最も高く、いち早い救助および搬送が必要とされる。ただし、ほとんどの火災現場では、特に、広い空間に跨る火災、地下空間の火災、石油化学系の火災などにおいては、火災現場の奥へ入らないと、出火点を効果的に消火できない。
【0004】
従来のほとんどの消防ロボットの主要機能は、火災現場の周辺から遠距離消火作業を行うか、あるいはホースの搬送などの補助作業を行うことである。既存製品には、火災現場に深く進入できる防護機能を実現できないため、現場情報の収集、出火点の消火および人命検索救助などの任務において、消防士に実質的な支援を提供することが難しい。
【0005】
現在、高温環境での防護として、関連技術の工業への応用はあるが、ロボットの外部全体を防熱カバーで覆う必要があるため、従来の機動性の高い消防ロボットが用いている履帯式車台などの補助的伝動機構に対して、確実的な防護を提供することが難しい。現在、消防分野のロボットに関して、主な防熱方法は自身に水煙を噴射して降温する方法である。この方法ではある程度の降温効果があるが、大規模な火災現場における1000℃に近い環境温度に対して、このような降温方法ではロボットが損傷しないことが保証されにくい。
【0006】
なお、現場作業する必要のあるロボットに対しては、作業部分に適切な防護が必要となるが、例えば、放水砲を作業部分とする消火ロボットは、耐熱放水砲がいまだに市場に存在しないため、火災現場に深く進入できる能力を持つ放水砲ロボットがまだ現れていない。
【0007】
以上の理由から、現在、市場には、高温な火災現場の奥に進入できるとともに、火災現場で作業できる消防ロボットがまだ現れていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術における欠点を解決するため、本発明の目的は高温環境下で移動して消火作業できる耐熱消防ロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を実現するため、本発明が提供する耐熱消火ロボットは、耐熱ロボット車台システムと、耐熱砲塔システムとを含む。
【0010】
前記耐熱ロボット車台システムは、耐熱砲塔システムを搭載して移動および障害物乗越えを行うとともに、耐熱砲塔システムにエネルギーを提供し、さらに耐熱履帯駆動システムと、防熱システムと、制御・センサシステムとを含み、前記耐熱履帯駆動システムは前記防熱システムの外部に位置し、前記制御・センサシステムは前記防熱システムの内部に位置する。前記耐熱砲塔システムは、外部環境に対して消火降温作業を行い、さらに放水砲と、放水砲防熱構造と、冷却循環システムとを含み、前記放水砲および前記冷却循環システムは前記放水砲防熱構造の内部に位置する。耐熱防護状態では前記放水砲防熱構造が閉じる。消火作業状態では前記放水砲防熱構造が開いて、放水砲が消火作業を行う。
【0011】
また、前記放水砲防熱構造は開閉式防護ゲートと砲塔防護ボディとを含む。
【0012】
また、前記耐熱砲塔システムは放水砲カメラまたはサーマルイメージャをさらに含む。
【0013】
また、前記防熱システムは、防熱ハウジングと、耐熱電気・冷却アダプタユニットと、耐熱ホースアダプタユニットとを含む。
【0014】
また、前記耐熱電気・冷却アダプタユニットは、密封カバーロックと、耐熱ガスケットと、断熱パネルと、電源スイッチと、充電アダプタと、冷却アダプタと、断熱密封カバーとを含む。
【0015】
また、前記冷却アダプタは、冷却液導入口と冷却液排出口とを含む。
【0016】
また、前記耐熱ホースアダプタユニットは、ホースアダプタと、断熱蓋と、耐熱ファイバーウーブンパイプと、蓋固定台座とを含む。
【0017】
また、前記防熱ハウジングの内部を冷却する、冷却源と冷却循環システムとをさらに含む。
【0018】
また、前記制御・センサシステムは、メイン制御システムと、通信システムと、電源管理システムと、耐熱撮像システムと、耐熱照明ユニットと、耐熱アンテナとを含む。
【0019】
また、前記耐熱撮像システムと、前記耐熱照明ユニットと、前記耐熱アンテナとの構造の一部は、情報を収集するとともに情報を外部へ送信するため、前記防熱ハウジングを貫通する。
【0020】
また、レーダユニットと、車台光学センサユニットとをさらに含む。
【0021】
上記目的を実現するために、本発明は下記のステップを含む耐熱消火ロボットの作業方法をさらに含む。
【0022】
1)放水砲防熱構造の開閉式防護ゲートと、電気アダプタにおける断熱密封カバーと、耐熱ホースアダプタユニットの断熱蓋とを閉じて、耐熱防護状態になる。
【0023】
2)耐熱状態において、耐熱ロボットが高温の火災現場に入るか、あるいは通過して、探索および偵察作業を行う。
【0024】
3)耐熱ロボットが指定作業領域に到達し、前記断熱蓋を開いてホースを接続し、前記開閉式防護ゲートを開いて放水砲より放水作業を開始し、耐熱ロボットが耐熱防護状態から消火状態に切り替わる。
【0025】
4)消火作業完了後、ホースを外し、前記断熱蓋および前記開閉式防護ゲートを閉じ、耐熱ロボットが消火状態から耐熱防護状態に切り替わる。
【0026】
また、前記ステップ1)において、前記放水砲防熱構造を閉じる前に、さらに冷却源の温度を所定温度にするステップを含み、外部冷却システムより、冷却源を冷却するか、冷却源の蓄冷剤を交換するか、あるいは冷却源を交換し、冷却源の温度が所定温度に達したとき、外部冷却システムを切断する。
【0027】
また、消火作業完了後、耐熱防護状態に切り替わり、火災現場から退出する。
【0028】
本発明の耐熱消火ロボットおよびその作業方法は、下記の有益な効果を有する。
【0029】
1)ロボット車台の全体および放水砲にシステマティックな防熱処理を行うことにより、ロボットに高温下において長時間の移動および消火作業を行う能力を持たせる。
【0030】
2)既存のロボットの防護性能が足りないため、火災現場の奥に入って消火できないことによる消火効率の低さ、および、周囲が急に高温になる状況でロボットが損傷する問題を解決して、消火効率およびロボットの信頼性を大幅に向上させる。
【0031】
3)耐熱砲塔と耐熱車台とを組み合わせた消火ロボットの形にすることより、放水砲および車台の防熱問題を分解してそれぞれ解決し、防熱問題を全体で解決する従来の技術的難易度を下げると同時に、必要に応じて異なる性能規格の放水砲と動力車台とをマッチングしやすくなる。
【0032】
本発明のその他の特徴および利点は以下の明細書で説明するが、その一部は明細書から自明となり、または本発明の実施を通じて理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面は本発明をより理解しやすくするものであり、明細書の一部を構成し、また本発明の実施例とともに本発明の説明のために用いられるが、本発明を限定するものではない。
図1図1は本発明による耐熱消火ロボットの全体の側面図である。
図2図2は本発明による耐熱消火ロボットの構成の概要図である。
図3図3は本発明による耐熱防護状態における全体構造の概要図である。
図4図4は本発明によるロボットの消火作業状態における全体構造の概要図である。
図5図5は本発明による耐熱電気・冷却アダプタユニットの概要図である。
図6図6は本発明による耐熱ホースアダプタユニットの概要図である。
図7図7は本発明による耐熱消火ロボットの内部システムの構成(砲塔および上蓋が除去された)の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好ましい実施例を図面に基づいて説明する。なお、ここで説明する好ましい実施例は本発明の説明と解釈のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0035】
図1は本発明による耐熱消火ロボットの全体側面図であり、図1に示すように、本発明の耐熱消火ロボットは、耐熱ロボット車台システム1と、耐熱砲塔システム2とを含む。
【0036】
耐熱ロボット車台システム1は、耐熱砲塔システム2を搭載して、移動および障害物乗越えを行うことに用いられ、一部のセンサ機器を搭載し、本体として耐熱砲塔システムに冷却液と、電気エネルギーと、消防用の水などのエネルギーおよび作業媒体を提供する。本発明の耐熱ロボット車台システム1は、耐熱履帯駆動システムと、防熱システムと、制御・センサシステムとを含む。
【0037】
耐熱履帯駆動システムは、ロボットを搭載して移動および障害物越えを行う。主として、耐熱履帯101と、耐熱駆動輪102と、耐熱懸架システム103と、耐熱断熱伝動システムと、減速モータ508と、バッテリー507と、アクチュエータとを含む。
【0038】
具体的には、耐熱断熱伝動システムは主として、伝達するための剛性シャフトと、その外部の断熱層とを含む。
【0039】
具体的には、アクチュエータはサーボアクチュエータであり、モータの位置と、速度と、トルクとのうちの1つまたは複数のパラメータの制御を実現するためのコントローラである。
【0040】
防熱システムは、高温環境において消火作業を行うロボットを保護するために用いる。主として、防熱ハウジング302と、耐熱電気・冷却アダプタユニット301と、耐熱ホースアダプタユニット303とを含む。
【0041】
具体的には、防熱システムは、防熱ハウジング302の内部を冷却する冷却源503(冷却源の本体は蓄冷剤であり、当初は低温で、昇温、相転移、またはその両者の組み合わせの方式により熱を吸収する)と、冷却循環システム504とをさらに含む。
【0042】
制御・センサシステムは、メイン制御システム505と、電源管理システム506と、通信システム501と、耐熱撮像システム403と、耐熱照明ユニット402と、耐熱アンテナ404などを含む。
【0043】
具体的には、耐熱撮像システム403は、カメラと、耐熱レンズと、レンズ冷却装置とを含む。
【0044】
図3は本発明による耐熱防護状態における全体構造の概要図であり、図3に示すように、自身の全体または一部が耐熱性を有する、耐熱履帯101と、耐熱駆動輪102と、耐熱懸架システム103とが防熱ハウジング302の外部に位置し、耐熱撮像システムと、耐熱照明システム402と、耐熱アンテナ404との構造の一部は、情報を収集するとともに情報またはパワーを外部へ出力するために、それぞれ防熱ハウジング302を貫通している。それらを除く他の部品と、制御・センサシステムとは、高温環境においても適切に防護されるように、いずれも防熱ハウジング302の内部に位置している。
【0045】
具体的には、制御・センサシステムは、レーダユニット401と、耐熱撮像システム403とをさらに含む。
【0046】
具体的には、レーダユニット401はミリ波レーダであっても良く、周囲の障害物の位置と距離を探測するために用いられ、ロボットの障害物回避およびナビゲーションに環境情報を提供する。
【0047】
図5は本発明による耐熱電気・冷却アダプタユニットの概要図であり、図5に示すように、耐熱電気・冷却アダプタユニット301は、密封カバーロック311と、耐熱ガスケット312と、断熱パネル313と、電源スイッチ314と、充電アダプタ317と、冷却アダプタとのうちの1つまたは複数を含む。電気アダプタには、固定軸折り畳み式あるいは回転開閉式の断熱密封カバー318が設けられ、閉じた際に高温下での防熱性能を保証し、非高温状態において、開いてアダプタを操作することが可能となる。
【0048】
好ましくは、ロボットを迅速に停止させる不図示の急停止スイッチをさらに含み、急停止スイッチは通常の生産設備の急停止スイッチの作用と同じである。
【0049】
好ましくは、バッテリー残量を示す不図示のバッテリー表示をさらに含み、バッテリー表示は液晶またはフルカラーLEDのディスプレイであっても良く、表示モードはパーセントで直接表示するか、段階表示するか、あるいは低電力警戒指示灯にすることができる。
【0050】
好ましくは、冷却アダプタは冷却液導入口315と、冷却液排出口316とを含む。
【0051】
図6は本発明による耐熱ホースアダプタユニットの概要図であり、図6に示すように、耐熱ホースアダプタユニット303はホースアダプタ332と断熱蓋335とにより構成される。断熱蓋335はホースアダプタ332が使用される前に高温で損傷しないようにホースアダプタ332を保護し、ホースを接続する前に自動的に開くか、あるいは外力によって除去されることが可能である。
【0052】
具体的には、耐熱ホースアダプタユニットは、耐熱ファイバーウーブンパイプ333と、蓋固定台座334とをさらに含む。
【0053】
図7は本発明による耐熱消火ロボットの内部システムの構成(砲塔および上蓋が除去された)の概要図であり、図7に示すように、防熱層502をさらに含み、外部の高温を遮ってロボットの内部システムが損傷しないように保護する。
【0054】
耐熱砲塔システム2は、放水砲防熱構造と、冷却循環システム504と、放水砲203と、放水システムなどを含み、放水砲システムを保護することと放水消火作業を行うために用いられる。
【0055】
具体的には、放水システムは放水ノズルと、放水ノズルと放水砲給水システムとをつなぐ配管と、その配管の開閉を制御する弁とを含む。
【0056】
図2は本発明による耐熱消火ロボットの構成の概要図であり、図2に示すように、耐熱砲塔システム2の放水砲防熱構造は、開閉式防護ゲート201と砲塔防護ボディ202とを含む。
【0057】
図4は本発明によるロボットの消火作業状態における全体構造の概要図であり、図4に示すように、耐熱砲塔システム2は、放水砲カメラまたはサーマルイメージャ204をさらに含む。
【0058】
好ましくは、作業過程において、放水砲203が噴射角度と位置を大幅に調整する必要があるため、耐熱砲塔システム2の放水砲防熱構造は、放水砲203の可動範囲にマッチする開閉型あるいは動的防護式構造を有する。
【0059】
耐熱ロボット車台システム1と耐熱砲塔システム2は、消火ロボットが高温環境で前進または作業する過程において、高温によって損傷したり機能が影響されたりしないことを保証するために、いずれも防熱構造と冷却システムとを有している。
【0060】
耐熱防護状態において、外部の熱が防熱カバーの内部に大量に伝わって内部の部品を損傷することを防止するために、耐熱ロボット車台システム1と耐熱砲塔システム2は共同でまたはそれぞれで良好な防熱密封を保証する必要がある。
【0061】
耐熱砲塔と耐熱車台とを組み合わせた消火ロボットの形にすることにより、放水砲および車台の防熱問題を分解してそれぞれ解決し、防熱問題を全体で解決する従来の技術的難易度を下げると同時に、必要に応じて異なる性能規格の放水砲と動力車台をマッチングしやすくなる。
【0062】
砲塔とアダプタとの防護形式の違いに応じて、消火ロボットは異なる作業プロセスをとる必要がある。開閉式砲塔を例とすると、消火ロボットは異なる2種類の構造状態を有する。それぞれは耐熱防護状態と消火作業状態となる。
【0063】
耐熱防護状態においては、砲塔が閉じられ、ホースおよびスイッチなどの外部アダプタが閉じられ、全体が高い防熱性能下にある。この状態において、車台と、ロボットの前進を制御するための一部のセンサと、電子制御システムとが正常に作動していることを保証する必要がある。ロボットはこの状態において指定の作業位置に移動する。
【0064】
消火作業状態においては、ホースアダプタの防熱カバーが開かれるかまたは除去されて、ホースが接続され、放水砲が放水能力を有する。その後、放水砲の動作および噴射範囲を妨げる防熱カバーが移動または除去されて、放水砲が作業を開始する。この状態において、ロボットは自身の内部冷却システムによって冷却される以外に、同時に放水砲および放水ノズルより噴出した水煙によって冷却降温される。
【0065】
消火ロボットは、消火作業完了後、環境温度が依然として高いか、あるいは撤退過程に高温の領域を通過する必要があるとき、放水砲および砲塔を戻して、耐熱状態に切り替えでき、火災現場を安全に退出しやすくなる。
【0066】
以下、具体的な一実施例に基づいて、本発明の耐熱消火ロボットおよびその作業方法をさらに説明する。開閉式砲塔を例としたとき、この耐熱消火ロボットの作業プロセスは以下の通りとなる。
【0067】
1.外部冷却システムにより冷却源の蓄冷剤を冷却するか、あるいは直接冷却源の蓄冷剤を交換するか、あるいは冷却源を交換する方法で、冷却源の温度を所定温度に到達させる。
【0068】
2.所定温度に達した後に、外部冷却システムを切断する。
【0069】
3.ロボットにある各密封断熱アダプタ(本実施の形態では開閉式防護ゲート201と、断熱密封カバー318と、断熱蓋335とを含む)を閉じて、ロボットが耐熱防護状態に切り替わる。
【0070】
4.ロボットは耐熱防護状態で高温の火災現場に入るか、あるいは通過して、探索および偵察作業を行う。
【0071】
5.指定作業領域に到達した後に、ホースアダプタの防熱構造(本実施形態では断熱蓋335)を開いて、ホースを接続する。ホースが送る冷却水はホースおよびホースアダプタを比較的低い温度に保ち、持続的に作業できる。
【0072】
6.放水砲防熱構造(本実施形態では開閉式防護ゲート201)を開いて、放水砲により放水作業を開始する。
砲塔の内部およびロボットの本体は補助ノズルによって持続的に冷却されうる。
【0073】
7.作業完了後、ロボットは各密封断熱アダプタを閉じて再び高温の領域を通過するか、あるいは消火降温作業完了後に非高温の領域からそのまま離れる。
【0074】
以上は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するものではないことは、当業者であれば理解可能であろう。上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、上記各実施例に記載された技術案を修正したり、一部の技術的特徴に同等な置き換えを行ったりすることも可能である本発明の主旨と基本を逸脱せずに行われた何らかの修正、同等の置き換え、改善等は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】