(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(54)【発明の名称】ガス交換器のためのポッティング装置
(51)【国際特許分類】
B29C 39/08 20060101AFI20220906BHJP
A61M 1/18 20060101ALI20220906BHJP
B29C 39/22 20060101ALI20220906BHJP
【FI】
B29C39/08
A61M1/18 513
A61M1/18 525
B29C39/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501265
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020069309
(87)【国際公開番号】W WO2021005132
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】102019004887.3
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521228776
【氏名又は名称】クセニオス アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ラウ ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シュラヴェン ロッテ
(72)【発明者】
【氏名】フィルポン スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ロスブロイヒ ラルフ
【テーマコード(参考)】
4C077
4F204
【Fターム(参考)】
4C077AA03
4C077BB06
4C077LL05
4C077PP14
4F204AA33
4F204AA42
4F204AC05
4F204AH63
4F204EA06
4F204EB01
4F204EF27
4F204EK17
4F204EK24
(57)【要約】
本発明は、ガス交換器のためのポッティング複合物を生成するためのポッティング装置及びそのようなポッティング複合物を生成する方法に関する。本発明により、遠心力の影響下でガス交換器のためのポッティング複合物を生成するためのポッティング装置(10)を提案し、これは、分配器(12)を含み、これは、開口部(26)と少なくとも1つの連続チャネル(28)とを含み、かつ開口部(26)を通じて流体ポッティング材料を受け入れてそれを少なくとも1つのチャネル(28)を通じて誘導するように設計される。ポッティング装置(10)は、カセット(16)を更に含み、これは、少なくとも1つのチャネル(28)に流体的に接続されたガス交換器要素(40)を受け入れるための内部キャビティ(46)を定める。分配器(12)は、少なくとも2つの分配器構成要素(14)を含み、これは、分配器(12)を組み立てた状態で開口部(26)を定め、漏出防止方式で互いに接続され、かつ隣接領域間に少なくとも1つのチャネル(28)を形成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心力の影響の下でガス交換器のためのポッティングを生成するための鋳造デバイス(10)であって、
開口部(26)と少なくとも1つの連続チャネル(28)とを含み、かつ該開口部(26)を通じて流体ポッティング材料を受け入れて該ポッティング材料を少なくとも1つのチャネル(28)を通じて誘導するようになった分配器(12)と、
ガス交換器要素(40)を受け入れるための内側キャビティ(46)を定めるカセット(16)であって、該内側キャビティが、前記少なくとも1つのチャネル(28)と流体的に接続される前記カセット(16)と、
を含み、
前記分配器(12)は、少なくとも2つの分配器構成要素(14)を含み、該2つの分配器構成要素は、該分配器(12)を組み立てた状態で前記開口部(26)を定め、漏出防止方式で互いに接続され、かつ隣接領域間に前記少なくとも1つのチャネル(28)を形成する、
ことを特徴とする鋳造デバイス(10)。
【請求項2】
前記分配器構成要素(14)は、前記分配器(12)を前記組み立てた状態で少なくとも2つの連続チャネル(28)を形成することを特徴とする請求項1に記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項3】
前記分配器(12)は、均一に成形された分配器構成要素(14)で形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項4】
前記分配器(12)を前記組み立てた状態で、各分配器構成要素(14)が、2つの分配器構成要素(14)に隣接し、かつ該隣接する分配器構成要素(14)を用いてチャネル(28)を形成することを特徴とする請求項3に記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項5】
前記分配器(12)は、3つ又は4つの均一に成形された分配器構成要素(14)で形成されることを特徴とする請求項4に記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項6】
前記分配器(12)は、3つ又は4つの均一に成形された分配器構成要素(14)で形成され、
各分配器(12)が、該分配器(12)を組み立てた状態で2つの分配器構成要素(14)に隣接し、かつ該隣接する分配器構成要素(14)を用いてチャネル(28)を形成する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項7】
前記分配器構成要素(14)は、着脱可能方式で互いに接続可能であるように構成され、かつ前記分配器(12)を可逆的に組み立てるように構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項8】
各分配器構成要素(14)が、前記分配器(12)を前記組み立てた状態で前記それぞれのチャネル(28)を流体的に又は液密的に密封する内側シール(30)及び外側シール(32)を該それぞれのチャネル(28)の両側に含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項9】
前記開口部(26)は、前記ポッティング材料のための漏斗状充填領域(36)を定めることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項10】
前記分配器(12)を前記組み立てた状態で、前記分配器構成要素(14)は、越流部(38)を定め、該越流部は、前記内側キャビティ(46)内の予め決められた境界面又はインタフェースを横切る材料の流れが該越流部(38)の中への材料の流れを引き起こすように配置され、かつそのように成形されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項11】
前記開口部(26)は、前記カセット(16)の外面まで延び、かつ該カセット(16)を環境に流体的に接続し、
前記開口部(26)は、鋳造デバイス(10)の遠心軸と同心である、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項12】
少なくとも前記分配器(12)は、再利用可能であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の鍛造デバイス(10)。
【請求項13】
前記開口部(26)及び前記少なくとも1つのチャネル(28)には、非粘着性コーティングが設けられることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項14】
前記分配器部品(14)は、アルミニウムを含む材料で形成されることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項15】
成形シール(44)を含み、
前記カセット(16)は、閉鎖可能であり、かつ前記成形シール(44)を受け入れるように形成され、
前記成形シール(44)は、前記内側キャビティ(46)を完全に封入し、かつ該内側キャビティ(46)を前記少なくとも1つのチャネル(28)まで液密方式で密封する、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項16】
前記成形シール(44)は、2つの対称に形成されて結合可能な成形シール構成要素(45)で形成されることを特徴とする請求項15に記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項17】
鋳造デバイスの遠心軸の方向に、前記カセット(16)は、上側(50)及び下側(52)結合可能カセット構成要素(50、52)で形成され、
前記カセット構成要素(50、52)は、それぞれの成形シール構成要素(45)を受け入れるように形成され、
前記カセット構成要素(50、52)及び前記成形シール構成要素(45)の各々が、好ましくは、鋳造デバイス(10)の前記遠心軸と同心であってガス交換器閉鎖部(40)を受け入れるための凹部又は開口部(58、62)を含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の鋳造デバイス(10)。
【請求項18】
遠心力の影響の下でガス交換器のためのポッティングを生成する方法であって、
カセットを与えて該カセットの内側キャビティの中にガス交換器要素を挿入する段階と、
少なくとも1つの連続チャネルを有する分配器を与え、該分配器の開口部が該チャネルを通じて前記キャビティに流体的に接続されてガス交換器のためのポッティングを生成するための鋳造デバイスを形成するように該分配器を前記カセット上に装着する段階と、
前記遠心力の影響の下で前記開口部の中にポッティング材料を給送する段階と、
を含み、
前記分配器を前記取り付ける段階は、分配器構成要素を組み立てて該分配器の前記開口部を定め、かつ該分配器構成要素の隣接領域間に前記チャネルを形成する段階を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
分配器構成要素を前記組み立てる段階は、各分配器構成要素の前記それぞれのチャネルの両側に内側シール及び外側シールを取り付けて前記分配器を組み立てた状態で該それぞれのチャネルを流体的に密封する段階を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記カセットを与える段階は、
2つの結合可能成形シール構成要素から形成された成形シールを与える段階であって、前記カセットが、閉鎖可能であり、かつ該成形シールを受け入れるように形成され、該カセットが、前記鋳造デバイスの遠心軸の方向に上側及び下側の結合可能カセット構成要素で形成される前記与える段階と、
第1の成形シール構成要素を前記下側カセット構成要素の中に挿入して前記ガス交換器要素を該第1の成形シール構成要素上に置く段階と、
第2の成形シール構成要素を前記第1の成形シール構成要素上に置く段階と、
前記成形シールが前記内側キャビティを完全に封入し、かつ該内側キャビティを前記少なくとも1つのチャネルまで流体的に密封するように上側カセット構成要素を前記第2の成形シール構成要素上に置く段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記鍛造デバイスは、請求項1から請求項17のいずれかに記載の鍛造デバイスであることを特徴とする請求項18から請求項20のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス交換器のためのポッティングを生成するための鋳造デバイス及びそのようなポッティングを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外部肺システムでは、血液は、患者アクセスを通じて患者から採取され、ガス交換膜を通して通過又は給送されてCO2枯渇と血液の酸素化を引き起こし、これが患者の生理的条件によって十分にサポートされていない場合に行われる。ポンピング支援の可能性を回避するために、血液は、患者自身の循環によって血液が集められて肺システムを通して給送されるように動脈アクセスから採取することができる。しかし、これは、肺システム又はガス交換膜内の抵抗ができるだけ低く維持されること及び肺システムの寸法が比較的小さいことを必要とする。
【0003】
従って、肺システムは、例えば複数の半透過性中空ファイバを含有してガス交換は許すが液体移送は許さない膜マットのような互いの上に積み重ねられた又は互いの中に巻かれた複数のガス交換膜を含むことができる。このようにして、血液は、システムの1つの接続側から膜を横切って通過することができ、かつその後に下流に配置された接続部を通じて患者に戻ることができ、酸素は、膜の中空ファイバを通過する。酸素に対するヘモグロビンの高い親和性に起因して、血液の酸素化は、拡散勾配を通じて得られ、一方で同時に血液に溶解した二酸化炭素は枯渇する。
【0004】
膜のマット形状構造は、更にガス交換面を最大にする。しかし、これはまた、ガス交換器の内部が汚染されないようにかつ患者の安全性が損なわれないように、流入及び流出する血液、並びに中空ファイバが十分に密封されることを必要とする。この密封は、従来からポッティング又はグラウトを用いて達成され、ポッティング材料は、漏斗の中に給送され、かつ遠心力の影響下でガス交換器の周囲面を密封するために周囲カセットを通じてガス交換器に沿って分配される。
【0005】
しかし、従来の漏斗の使用は、取り除くことができない硬くなった又は硬化したポッティング材料に起因して分配チャネルが使用後に詰まるという欠点を有する。漏斗は、従って、使い捨て品目としてのみ使用することができる。これは、ポッティング又はポッティング複合物の生成が高い廃棄物負荷に関連付けられるだけでなく、例えば使い捨て漏斗を3D印刷する場合に高いコストに関連付けられることを意味する。ポッティングの生成は正確に再現可能ではない場合があるので、公差変動もそのような漏斗の生成中に起こる場合がある。
【0006】
更に、カセットの洗浄工程は複雑である。カセットとそこに閉じ込められたガス交換器要素の間、例えば、カセットと閉鎖部又は末端キャップの間に漏出が発生する場合があり、再加工又は後処理が必要となり、かつ清浄空間の汚染を引き起こす。これらの漏出は、カセットの遅くかつ不均一な温度均等化によって高められる。これは、長い加熱及び冷却時間によって処理時間が影響を受けるだけでなく、ポッティング材料の収縮の増加も起こる場合があるので直さら真である。例えば、より長い冷却時間及び不均一な冷却は、ポッティング材料の収縮及びそこでの気泡形成に至る場合があり、これは、構造特性及び同じくガス交換器要素の密封を損なう。すなわち、ポッティング材料のあらゆる残留物は、処理関連の漏出と共に、ポッティングの効果又は目的を低減し、かつ潜在的に患者の安全性を脅かす場合がある。
【0007】
好ましくない熱特性に加えて、品質又は構造安定性は、ポッティング材料の量、及び鋳造時間又はその制御、並びにガス交換器要素の許容変動のような選択された要素に応じて個々に変わる場合がある様々なファクタに影響される。例えば、使用される鋳物の寸法には、材料公差と望ましい定められた直径からもたらされる強い変動が存在する場合がある。ポッティング材料の分布は、多くの場合に均一ではなく、そのために鍛造デバイスは、遠心分離機の上に再度何回も設置又は装着しなければならない。これは、締結工程及び追加の鍛造時間に起因して既に長い処理時間を更に増加する。従って、ポッティングは、いくつかの階で生成され、漏出のリスクを高める溶接継ぎ目をもたらす。
【0008】
従って、再現可能な直径によるポッティング複合物の生成を可能にする又は保証することは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、ポッティング複合物のより高い構造一体性が提供されるようにかつ簡略化されたより短い生成工程を使用してガス交換器のためのポッティングの生成を最適化する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この技術的背景に基づいて、ガス交換器のためのポッティングの生成の改善を可能にすることが本発明の目的である。
【0011】
この目的は、独立請求項によって達成される。好ましい及び更に別の有利な実施形態は、従属請求項、本明細書、及び図面に定められている。
【0012】
従って、遠心力の影響下でガス交換器のためのポッティングを生成するための鋳造デバイスを提案する。鋳造デバイスは、分配器を含み、分配器は、開口部と少なくとも1つの貫通又は連続チャネルとを含み、かつ開口部を通じて流体ポッティング材料を受け入れ、かつそれを少なくとも1つのチャネルを通して誘導又は通過させるようになっている。鋳造デバイスは、更に、ガス交換器要素を受け入れるための内側キャビティを定めて少なくとも1つのチャネルに流体的に接続されたカセットを含む。分配器は、分配器を組み立てた状態で開口部を定め、互いに漏出防止的に接続され、かつ隣接区域間に少なくとも1つのチャネルを形成する少なくとも2つの分配器構成要素を含む。
【0013】
分配器は、例えば、カセットの上に置かれ、かつそれにスクリュー又はクランプを用いて確実ロッキングを使用するか又は締まり嵌めによって締結することができる。分配器構成要素は、最初に組み立てられ、又は互いに差し込まれるか又は挿入することができ、又はそれらは、カセット上に次々と置かれれてカセット上の分配器を形成することができる。分配器構成要素の配置は、既にそれらの接続を引き起こすが、それらは、固定デバイスを用いて、例えば、段階的に又は無段的に締め付ける又は締結することができる締結リングを用いて依然として互いに接続することができる。これは、それぞれの分配器構成要素の間の密封の改善を達成させる。
【0014】
上側への配置は、ポッティング材料を例えば開口部に挿入されたノズルを通じて上方から給送又は入力することができるという利点を有する。これは、粘性又は濡れ性のようなその材料特性に起因して容易に分散することができず、従って、重力によってサポートされてチャネルに流れ込むことができるポッティング材料にとって特に有利であると考えられる。
【0015】
チャネルはまた、ポッティング材料が開口部からカセットの内側キャビティまで流れることを可能にし、すなわち、流体接続を提供する。チャネルは、分配器構成要素の隣接区域の間に形成される。言い換えれば、チャネルは、インタフェース又は境界面での分配器構成要素の対応する設計、例えば、半円形貫通孔と、インタフェースが互いに接触する分配器構成要素の対応する配置とによって形成される。すなわち、両方の境界面には、分配器が組み立てられた時に円形チャネルが形成されるように半円形貫通孔を設けることができる。
【0016】
これに代えて、半円形貫通孔はまた、分配器を組み立てる時に半円形貫通孔が真っ直ぐな平面によって制限され、従って、チャネルが相応に半円状に又は半円筒形として延びるように、一方の境界面だけに設けることができる。対応するインタフェースは、少なくとも1つのチャネルを形成することができる。半円形状の代わりに、矩形又は楕円形状のような他の形状を使用することができる。
【0017】
インタフェースでの又は分配器間でのチャネルの配置は、チャネルを開いて完全に洗浄することができることにより、ポッティング材料の除去を容易にする。これは、1つの構成要素から構成されるか又は内部にチャネルを含む従来の漏斗では又はポッティング材料の硬化後の強度に起因して従来の漏斗では可能ではないが、分配器の細分化又は分割及びチャネルの配置は、ポッティング複合物又はポッティング材料の容易な切り離しを考慮するものである。このような分割は、例えば、締結リングと固定スクリューを緩め、その後に分配器構成要素を次に外向きにかつカセットから離れるように引くことができることによって達成することができる。
【0018】
鍛造デバイス及び特に分配器構成要素は、すなわち、デバイスの構成要素をポッティング材料の大きい残留物を残すことなく容易に取り出して洗浄することができるように容易に変形又は離型することができる。分配器構成要素は、従って、刻み目なく形成され、かつ例えば離型面取りを有する又は部分的に丸めることができる。
【0019】
すなわち、分配器構成要素は、有利なことに、分配器の組み立てが可逆的であるように着脱可能方式で互いと接続することができる構成要素である。
【0020】
任意的に、分配器構成要素には、カセットに接続されることになる領域に1又は2以上の凹部、例えば、2つの楔形状凹部が設けられる場合もあり、そのために対応する楔形状要素及び/又はフォークの挿入は、圧入及び/又はてこの力を生成する。これは、硬化した鍛造又はポッティング材料をそのままに残しながら、カセットからのそれぞれの分配器構成要素の分離を容易にする。これは、カセットの内側キャビティのための入口を形成するチャネルが露出されることを可能にし、カセットからの分離は、従って、より早期の段で行うことができる。
【0021】
チャネル又は入口は、更に好ましくは、チャネルとカセットの間でポッティング材料が逃げることができないように、シールを用いて内側キャビティに流体的に接続される。例えば、チャネルは、シールを平坦シール又はOリングとして形成することができるように周方向又は周囲のシールによって封入することができる。カセットはまた、各チャネルのためのボアを有する場合があり、ボアは、ポッティング材料を鍛造空間又はチャンバにわたってボアを通じて分配することができるように、チャネルを内側キャビティと流体的に接続する。
【0022】
様々なガス交換器要素を内側キャビティに設けることができる。例えば、カセットの対向するセクションに、例えば、遠心軸の方向から見た上側と下側に閉鎖部を配置することができ、中空ファイバマットの形態のガス交換膜がその間に配置される。チャネルは、ポッティング材料の導入が密封されることになるガス交換器のセクションでのポッティング又はグラウトを提供するように配置することができる。この目的のために、鍛造デバイスは、例えばカセットの下側セクションの対応する構成を通じて遠心分離機上に装着することができる。
【0023】
生成中に、ポッティング材料は、次に、ノズルを通じて開口部に導入され、かつチャネルを通じて内側キャビティの中にもたらされ、ポッティング材料の量及びカセットの形状は、ポッティングの厚み又は強度を事前に定める。遠心分離中にポッティング材料を硬化することにより、ガス交換器要素を塞ぐポッティングが生成される。硬化は、周囲温度で既に起こっている場合がある。しかし、任意的に、ポッティングパターンを更に最適化するために、ポッティング材料を硬化させるための好ましい反応温度への温度上昇を提供することができる。
【0024】
ポッティング材料は、例えば、ガス交換器が予め定められた強度及び/又は透明性を有するようにポッティングの望ましい特性に応じて選択することができる。例えば、ポッティング材料は、ポリウレタンであり、かつ合成樹脂として開口部に導入することができる。しかし、周囲温度で最初は液体であって混合に適し、かつ予め定められた期間後にのみ硬化を開始するいずれの材料もポッティング材料として選択することができる。例えば、ポッティング材料は、これに代えてシリコーンを含む又はそれで構成することができる。
【0025】
分配器を組み立てた状態では、分配器部品は、好ましくは、少なくとも2つの貫通又は連続チャネルを形成する。それにより、内側キャビティの異なる区域は、鍛造材料の分布が最適化されるように中心開口部を通じて同時に充填される。これは、チャネルが遠心軸に対して半径方向に延びるカセットの両側の領域に配置されることを可能にする。内側キャビティとカセットに又はキャビティの導入領域に穿孔されたあらゆる潜在的に存在するボアとは、各チャネルを通って給送されるポッティング材料がガス交換器要素を半円方式で封入するように成形することができる。これは、ポッティング材料がガス交換器の外側シェルを形成することを可能にすることにより、ガス交換器要素がポッティング材料によって完全に封入されることを可能にする。
【0026】
分配器構成要素はまた、2よりも多いチャネルを形成することができる。例えば、3つのチャネルが形成される場合があり、第3のチャネルは、カセットの両側のセクションに配置された2つのチャネルの間に配置され、ガス交換器の中間空間又は間隙にポッティングを提供する及び/又は更に別の構造安定性を提供する。4つのチャネルを設けることもでき、2つのチャネルの各々は、カセットの両側の部分又はセクションに配置され、かつ例えばカセットの内側キャビティ及び/又は存在するボアを相応に成形することによって内側キャビティの異なる区域にポッティング材料を給送するために互いから離間している。
【0027】
チャネルの大部分はまた、2よりも多い分配器構成要素によって形成することができる。例えば、組み立てた状態で円形又は円筒形又は矩形の分配器を形成し、かつ3つの境界面又はインタフェースの各々でチャネルを定める3つの分配器構成要素を設けることができる。従って、チャネル及び分配器の数、並びにチャネルの配置は、形成されることになるガス交換器の詳細及び特性に適応させることができる。
【0028】
分配器の組み立て及びカセット上の分配器の配置又は固定を容易にするために、分配器は、更に好ましくは、均一又は均等に成形された分配器構成要素で形成される。例えば、分配器は、実質的に円筒形である場合があり、各分配器構成要素は、2つの分配器構成要素が設けられる場合は半円又は4つの分配器構成要素が設けられる場合は4分の1円のような円筒の対応する断面を形成する。従って、分配器構成要素は、矩形の各部分を形成する場合もある。
【0029】
分配器構成要素は、好ましくは対称に形成され、そのために組み立ては、それぞれの分配器構成要素の特定の配置又は向きを必要とせず、むしろ境界面又はインタフェースが互いに隣接することだけを必要とする、これは、意図する形態の分配器の生成を可能にするために1つの形態又はタイプの分配器のみを生成すればよいので、分配器構成要素の生成を有意に容易にする。
【0030】
分配器構成要素を互いに並置することは一般的に可能であるが、分配器を組み立てた状態での各分配器構成要素は、好ましくは、2つの分配器構成要素に隣接し、かつ隣接配器構成要素を用いてチャネルを形成する。従って、少なくとも3つ、好ましくは4つの分配器構成要素が提供され、各分配器構成要素は、両側のインタフェース又は境界面でチャネルの一部を定め、これは、分配器を組み立てた状態でそれぞれの隣接分配器構成要素のインタフェースを用いてチャネルを形成する。従って、分配器は、少なくとも3又は少なくとも4、好ましくは3から5、又はより好ましくは3又は4のチャネルを含むことができる。好ましくは、各分配器構成要素は、1/4円又は角度を形成し、インタフェース又は境界面は、端面に設けられる。言い換えれば、チャネルは、好ましくは、分配器構成要素が互いに接続されて円又は矩形を形成する区域又は領域に形成される。
【0031】
ガス交換器は、通常は複数の側からの密封が必要なので、分配器は、更に好ましくは、3つ又は4つの均一な又は均一に成形された分配器構成要素で形成される。これは、周方向に均等に離間された4つのチャネルが設けられること、及び各々がガス交換器の形成される側又はポッティング材料で密封される側を提供することを可能にする。
【0032】
従って、分配器構成要素が組み立てられた時に合計4つの完全なチャネルが確立され、これがポッティング材料の均一な分配を可能にするように、分配器構成要素の各側にチャネルの半分を設けることができる。更に、ポッティング材料の流路は、密封をより効率的かつ効果的に実施することができるようにかなり短縮され、従って、鍛造デバイスは、遠心分離機上に一度だけ装着されればよく、又は製造工程は、連続的に実施することができ、従って短縮することができる。これはまた、結合剤継ぎ目を回避し、すなわち、ガス交換器の漏出のリスクを軽減する。
【0033】
処理条件に応じて、分配器構成要素は、例えば、部分的にエラストマーを使用する時に、分配器を組み立てた状態で分配器構成要素間に漏出のない密封を提供する材料で形成することができる。これに代えて、更にシーラント又は密封手段を設けることができる。その結果、各分配器構成要素は、それぞれのチャネルの両側に内側シールと外側シールを含み、その各々は、分配器を組み立てた状態でチャネルを流体的に密封することができる。
【0034】
そのようなシールは、例えば、コード又はストリングの形態で提供される場合があり、分配器構成要素がそれぞれ2つの密封コードで互いに密封されるようにすることにより、遠心分離機の稼働中に密封材料が周囲に逃げ出すのを防ぐことができる。密封コードは、分配器部品の一方の側で又はインタフェース又は境界面でインタフェース又は境界面に設けられた密封溝に挿入することができ、それぞれの他方の分配器構成要素の反対側のインタフェース又は境界面は滑らかであり、従って、最適な密封面を提供する。密封コードは、好ましくは、開口部からカセットまで又はカセット内のボアまで延びており、カセットは、上述のように、この領域に平坦ガスケットの形態のシール又はガスケットを有することができる。それにより、開口部に導入されたポッティング材料は、遠心力によって鋳造デバイスから逃げることなく、チャネルを通じてカセットの内側キャビティに流れることができる。
【0035】
ポッティング材料を導入又は給送するために、開口部に配置されたノズル又は他の充填デバイスを設けることができる。導入を容易にし、開口部からの導入が充填デバイスの特定の構成に本質的に依存しないようにするために、開口部は好ましくはポッティング材料のための漏斗状の充填区域を定める。それにより、分配器の適応化なしのポッティング材料の異なる流速と異なるポッティング材料とをポッティング又はグラウトの生成に対して選択することができる。漏斗形状は、充填デバイスの開口部に対してより大きい面を提供し、あらゆる跳ね返った鍛造材料が遮断されてそれぞれのチャネルに給送されるようにする。言い換えれば、開口部の漏斗形状は、それぞれのチャネルの上流に漏斗形状の開口部区域を提供すると理解される。
【0036】
処理条件の可能な逸脱に起因して、ポッティング材料の必要な数量又は量が変化する可能性がある。ポッティング材料の正確な測定を回避し、これらの逸脱を補償するために、好ましくは、分配器構成要素は、分配器を組み立てた状態で越流部を更に定め、この越流部は、内側キャビティ内の定められた境界面又はインタフェースを超える材料の流れが越流部への材料の流れを引き起こすように配置及び形状される。
【0037】
越流部は、開口部又は充填区域に対して適応化される場合があり、この区域と共に過剰なポッティング材料のための誘導構造を確立することができる。例えば、越流部は、カセットの内側キャビティ内のポッティング材料が半径方向に開口部に向けて延びる充填区域の端部に達する程度に充填された時に、過剰なポッティング材料が越流部に流入し、そこに回収されるような形状及び配置とすることができる。
【0038】
越流部及び充填区域は、従って、内側キャビティ及び/又はそこに閉じ込められたガス交換器に正確に適応した直径を有しており、ポッティング材料の導入を量又は時間によって制御する必要がなく、時間、ポッティング材料、及びガス交換器要素の寸法の逸脱をなくすことができる。
【0039】
同じく越流部により、製造工程は、中断することなく連続して行うことができ、そのために結合剤継ぎ目を回避し、処理時間を短縮することができる。
【0040】
温度変動を可能な限り回避し、カセット内の熱分布の改善を可能にするために、開口部は、好ましくは、カセットの外面まで延び、当該面を周囲と流体的に接続する。同じく、開口部は、鋳造デバイスの遠心軸と同心であることが好ましい。
【0041】
従来の鍛造デバイスでは、カセットは、多くの場合に上側で分配器又は漏斗によって囲まれ、下側で遠心分離要素に少なくとも部分的に結合される。これは、温度変動をもたらし、冷却時間が長くなるだけでなく、冷却が不均一になる場合がある。その結果、収縮及び水疱形成が発生し、漏出のリスクが高まる可能性がある。
【0042】
しかし、開口部をカセットの外面にまで広げることにより、カセットと周囲環境の間で熱交換が可能になり、周囲の温度が通気をもたらし、ポッティングの生成をサポートすることができる。同じく、同心円状に配置されていることにより、中心面又は区域がより大きくなり、熱放散が改善されるという利点もある。
【0043】
従って、比較的短い加熱及び冷却時間及び/又は短い処理時間での生産が可能になる。冷却時間が短くなることにより、収縮が大幅に減少する。更に、これは周囲温度によって能動的に制御することができ、例えば、周囲温度のターゲット式制御による場合がある。例えば、約40℃から70℃の間の周囲温度は、ガス交換繊維又はガス交換膜に対して有利である場合がある。それにより、インタフェースでの目に見える収縮効果及び中空繊維の損傷を防ぐことができる。更に、このような改善された温度分布及び温度制御は、特に丸い鋳物に対して気泡の形成を低減することができる。
【0044】
同じく最適化された冷却により、製造工程を中断することなく連続的に行うことができ、すなわち、結合剤継ぎ目を回避し、処理時間を短縮し、ポッティングの構造安定性又は一体性を改善することができる。
【0045】
有利な温度分布は、カセットの材料によって更に最適化することができる。冷却を促進し、周囲空気と直接接触させることにより、カセットは様々な材料で作ることができ、これらの材料は熱特性によって気泡の形成を更に低減する。例えば、カセットは、熱伝導率が高く、熱膨張率が低いアルミニウム、鋼鉄、アルミニウム合金、合金鋼などのような材料で作ることができる。
【0046】
製造コスト及び製造時に発生する廃棄物を更に低減するために、少なくとも分配器は再利用可能であることが好ましい。鋳造工程が完了した後に、分配器構成要素を互いに分離して洗浄することができ、すなわち、残っている潜在的に硬化したポッティング材料をそれぞれのチャネルから取り外して除去することができるので、分配器構成要素を再び組み立てた後にカセットを再充填することができる。この目的のために、分配器は、分配器が複数の製造作動に使用されるような十分な構造的強度を有するロバスト又は耐久性材料で形成することができる。
【0047】
更に、開口部及び少なくとも1つのチャネルには、非粘着性コーティングが設けられる場合がある。それにより、大きい残留物を残すことなく、それぞれのチャネルからポッティング材料を容易に除去することができる。更に、カセットの内側キャビティに生成されたポッティングの一体性が損なわれないように、分配器構成要素をカセットからより容易に分離することができる。例えば、非粘着性コーティングは、分配器の材料だけでなく、ポリウレタンのような使用されるポッティング材料にも適応させることができる。非粘着性コーティングは、分配器の再利用頻度を高めることができる。
【0048】
非粘着性コーティングに加えて、刻み目のない丸みを帯びた面取りにより、鍛造デバイスの離型又は解体が容易になる。
【0049】
分配器構成要素は、アルミニウムを含む材料で作ることができる。すなわち、材料は、例えば、合金の状態でアルミニウムを含むことができ、又は材料は、アルミニウムで構成することができる。アルミニウムは、分配器構成要素がロバストであると同時に比較的扱いやすいという利点があり、材料の変形可能性は、分解及び洗浄を容易にする。更に、アルミニウムから生成することにより、分配器構成要素を正確に適応するように形成することができる。それにより、3Dプリンタを使って分配器構成要素を生成することも可能である。
【0050】
アルミニウムはまた、熱膨張率が低いので分配器構成要素の寸法が安定しているという利点もある。更に、アルミニウムは、熱をよく放散又は伝達するのに使用することができ、ポッティング複合物の生成を更に最適化することができる。アルミニウムは、最適化された温度補償を提供するので、製造工程は、中断することなく連続的に実施することができ、結合剤継ぎ目を回避することができ、処理時間を短縮することができ、ポッティングの構造安定性又は一体性を改善することができる。
【0051】
好ましい実施形態では、鍛造デバイスは、成形された又は事前成形されたシール又はガスケットを更に含み、カセットは、閉鎖可能であり、かつ成形シールを受け入れるようになっており、成形シールは、内側空間を完全に封入し、この空間を少なくとも1つのチャネルまで流体的又は液密的に密封する。
【0052】
カセットは、その後、成形シールがカセットの内側キャビティに挿入されるように又はカセットの内側キャビティを封入するように開くことができる。言い換えれば、内側キャビティとそこに配置されたガス交換器要素とは、成形シールの外面がカセットの内部と適合するように成形シールの中に配置される。例えば、成形シールは、ポッティングの望ましい内側形状とカセットの内部の外部形状とを有することができ、この場合に、成形シールは、ポッティングとカセットの完全な分離を提供する。
【0053】
例えば、カセット内の各チャネル又はそれぞれのボアのための成形シールは、カセットが閉じられた時にカセットによってクランプ留め又は楔留めされる密封リップを含み、内側キャビティの完全な密封を保証することができる。それにより、ポッティング複合物の生成時にカセットとガス交換器要素の間に潜在的な漏出が発生することを防ぐことができる。同じく、鋳造されたガス交換器の再加工又は後処理を必要としないので、清浄空間の潜在的な汚染を回避することができる。
【0054】
これはまた、成形シールの材料が、ポッティング材料が硬化してカセットが開かれた後のポッティング材料からの簡単な取り外しを可能にしながら、手間をかけずにカセットを洗浄することを可能にする。例えば、成形シールの材料はTM6MEDとすることができる。それにより、カセットを早期の段で埋め込まれたガス交換器要素から分離することができ、生成時間を更に短縮することができる。
【0055】
成形シールは、好ましくは、2つの対称形状の結合可能な成形シール構成要素で形成される。それにより、簡単な配置が可能になり、成形シールの生成が容易になる。例えば、成形シールは、上側及び下側成形シール構成要素から形成することができ、上側成形シール構成要素は、例えば、対応するボア接続部を貫通させることにより、チャネルへの流体接続を提供する。ガス交換器要素は、下側成形シール構成要素の上に置かれ、上側成形シール構成要素は、成形シールを閉じるために単にその上に置くことができる。
【0056】
より優れた温度分布と冷却を達成し、カセットと成形シールの複雑さを軽減するために、これらは少なくとも部分的に不連続面を有することができる。すなわち、カセットが、鋳造デバイスの遠心軸の方向に上側及び下側の結合可能カセット構成要素から形成され、カセット構成要素が、それぞれの成形シール構成要素を受け入れるようになっており、カセット構成要素及び成形シール構成要素が、それぞれ鋳造デバイスの遠心軸と同心のガス交換器閉鎖部を受け入れるための凹部又は開口部を含むことを規定することができる。
【0057】
これは、容易な組み立てを可能にし、第1の成形シール構成要素が下側カセット構成要素に挿入され、ガス交換器閉鎖部とガス交換器要素が第1の成形シール構成要素に挿入される。次に、対向するガス交換器閉鎖部及び第2の成形シール構成要素が第1の成形シール構成要素上に配置され、上側カセット構成要素を第2の成形シール構成要素上に配置することができる。それにより、成形シールが内側空間を完全に封入し、それをカセットに対して液密方式で密封することができる。成形シール構成要素の対称設計に起因して、組み立てに問題はない。ガス交換器閉鎖部を対応する凹部に配置することにより、成形シールとカセットの複雑さを軽減することができる。更に、ガス交換器要素の配置は、これらの要素の挿入がサポートされるように少なくとも部分的に予め定められる。
【0058】
同じく、凹部又は開口部での受け入れにより、冷却を改善することができ、これは、気泡を形成することなく均一な温度分布及び冷却を達成するために異なる材料に起因して必要である場合がある。
【0059】
カセットはまた、組み立てを容易にするために中心化スリーブのような中心化デバイスを備える場合があり、それにより、カセット構成要素の配置及び挿入が容易になり、相対移動を制限又は防止することができる。更に、カセット構成要素は、任意的に、ヒンジによって結合することができ、及び/又はカセット構成要素を互いに締結して成形シールをそれが液密であるように十分にクランプ留め又は楔留めするために固定スクリューが設けられる場合がある。
【0060】
下側カセット構成要素は、更に、遠心分離機上に安定的に装着されるように構成することができ、上側カセット構成要素は、鍛造空間又はチャンバを閉じ、好ましくは開口部と熱的に結合される。
【0061】
凹部は、特にガス交換器が閉鎖部を通して成形シールから押し出される場合があるので、カセットを成形シールから簡単に分離するだけでなく、ポット型ガス交換器を成形シールから簡単に分離することを可能にする。
【0062】
更に、遠心力の影響下でガス交換器のポッティングを生成する方法を開示し、以下の段階を含む:
-カセットを与えてガス交換器要素をカセットの内側キャビティに挿入する段階、
-少なくとも1つの連続チャネルを有する分配器を与え、分配器の開口部がチャネルを通じてキャビティと流体的に接続されるように分配器をカセットに装着し、ガス交換器のポッティングを生成するための鍛造デバイスを形成する段階、及び
-遠心力の影響の下でポッティング材料を開口部に導入する段階、
ここで、分配器の取り付け又は装着は、分配器の開口部を定めて分配器の隣接区域間にチャネルを形成するために分配器構成要素を組み立てる段階を含む。
【0063】
組み立て中に、分配器構成要素は、カセット上に次々に装着され、例えばスクリューで固定することができる。更に、分配器構成要素間の密封は、分配器構成要素の周りに締結リングを配置し、軽く締めて分配器構成要素の境界面又はインタフェースを締結又は圧縮する必要がある場合がある。同じく、少なくとも1つのチャネルとカセットとの間に平坦シールを設けることができ、それにより、分配器を取り付ける時にカセットと分配器の間に十分な密封が得られる。このような平坦シール又はガスケットは、例えば、ボアの溝に挿入される又はその上に配置されるOリングとすることができる。
【0064】
ポッティングを生成するために、鍛造デバイスは遠心分離機の上に装着され、鍛造デバイスの中心軸の周りを回転する。遠心分離機が稼働している間に、液体ポッティング材料が開口部を通じて導入又は給送される。材料の充填のために、例えば、開口部の漏斗状の充填区域にポッティング材料を選択的に注入する1又は2以上のノズルを設けることができる。その後、遠心力の影響を受けてポッティング材料が少なくとも1つのチャネル上に分配され、そのためにポッティング材料は、カセットの任意的なボアを通じて内側キャビティに入ることができる。
【0065】
液体ポッティング材料は、更に、材料の硬化が最適に進むように加減される場合がある。例えば、硬化又は重合が均一に起こるように、鍛造デバイス又は鍛造デバイスの個々のセクションは、能動的に加熱又は冷却することができる。例えば、ポリウレタンを鍛造材料として使用し、温度制御によって気泡の形成を回避することができる。それにより、ガス交換器の漏出のリスクが低減される。
【0066】
鍛造材料が硬化した後に、それは、その強度又は硬さに起因して漏斗のそれぞれのチャネルから引き抜くことができない。しかし、分配器構成要素と分配器内のいずれかの非粘着性コーティングを分割又は分離することにより、ポッティング材料が剥離してそれぞれのチャネルから材料を取り除き、チャネル又は部分チャネルの各々を洗浄することができる。カセットからの分離を容易にするために、分配器構成要素は、更に、カセットに接続された区域又は領域に1又は2以上の凹部、例えば、2つの楔形状凹部を有することができる。次に、対応する楔形要素及び/又はフォークを挿入することにより、硬化したポッティング材料を残したままでそれぞれの分配器構成要素をカセットから分離することを容易にする圧入及び/又はてこを生成することができる。
【0067】
好ましくは、分配器構成要素を組み立てる段階は、分配器を組み立てた状態でそれぞれのチャネルを流体的に密封するためにそれぞれのチャネルの両側にある内側シールと外側シールを各分配器構成要素に取り付ける段階を含む。
【0068】
従って、分配器構成要素の各境界面又はインタフェースにシールを設けることができ、分配器構成要素の一方の側又は一方の境界面又はインタフェースに設けられた密封コードは、境界面又はインタフェースに設けられた密封溝に挿入又は配置することができ、それぞれの他方の分配器構成要素の反対側の境界面は平滑であり、すなわち、最適な密封面を提供する。密封コードは、好ましくは、開口部からカセット又はカセット内のボアまで延び、カセットは、上述のように、この位置に平坦シールの形態のシール又はガスケットを有することができる。それにより、開口部に導入されたポッティング材料は、遠心力によって鋳造デバイスから逃げることなく、チャネルを通じてカセットの内側キャビティに流れることができる。
【0069】
更に、カセットの規定は、以下の段階の1又は2以上、好ましくは全てを含むことができる:
-2つの結合可能な成形シール構成要素から形成された成形シールを与える段階であって、カセットが、閉鎖可能であり、かつ成形シールを受け入れるように形成され、カセットが、鋳造デバイスの遠心軸線方向に上側及び下側の結合可能カセット構成要素から形成される上記与える段階、
-第1の成形シール構成要素を下側カセット構成要素に挿入し、ガス交換器要素を第1の成形シール構成要素の中に挿入又は配置する段階、
-第2の成形シール構成要素を第1の成形シール構成要素上に配置する段階、及び
-成形シールが内側空間を完全に封入し、かつ空間を少なくとも1つのチャネルまで流体的に又は液密的に密封するように、上側カセット構成要素を第2の成形シール構成要素の上に置く段階。
【0070】
組み立て中に取り扱いを単純にするために中心化デバイス、例えば、下側カセット構成要素に挿入され、かつその上に上側カセット構成要素が挿入又は差し込まれる中心化スリーブを使用することができる。カセットは、次に、スクリューを用いて閉じる又は固定することができる。
【0071】
成形シール構成要素は、実質的に同一に形成することができ、上側成形シール構成要素は、それぞれのチャネルと内側キャビティの間の流体接続を可能にするために事前に穿孔又は打ち抜かれたそれぞれのチャネル又は任意的なボアの鋳造点又は領域に密封リップを含む。これは、カセットに対する密封式分離を提供する。それにより、カセットは、硬化後に成形シールから、かつ成形シールは、カプセル封入された又はポット化されたガス交換器から容易に取り外す又は分離することができる。
【0072】
処理は、原則として処理段階に対応するいずれの鋳造デバイスを用いても実施することができるが、処理に使用される鋳造デバイスは、好ましくは、上述のように本発明による鋳造デバイスである。
【0073】
本発明の好ましい実施形態を以下の図の説明でより詳細に解説する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】組み立てた状態の本発明による鍛造デバイスの斜視図である。
【
図2】分配器構成要素が欠落した
図1による鋳造デバイスの斜視図である。
【
図4】
図3による鍛造デバイスの斜視断面図である。
【
図5】本発明による成形シールと凹部とを有するカセットの斜視図である。
【
図6】本発明による凹部を有するカセットのための成形シール構成要素の上部斜視図である。
【
図7】
図6による成形シール構成要素の底部斜視図である。
【
図8】ガス交換器閉鎖部が挿入された
図6による成形シール構成要素の上部斜視図である。
【
図9】本発明によるガス交換器閉鎖部が挿入された成形シールの側面図である。
【
図10】本発明によるカセットのための下側カセット構成要素の斜視図である。
【
図11】成形シール構成要素とガス交換器閉鎖部とが挿入された
図10による下側カセット構成要素の斜視図である。
【
図12】本発明によるカセットのための上側カセット構成要素の斜視図である。
【
図13】
図12に示す上側カセット構成要素の斜視断面図である。
【
図14】残り1つの分配器構成要素を有する
図5によるカセットの斜視断面図である。
【
図15】本発明による分配器構成要素のインタフェース又は境界面でのシール又はガスケットの詳細図である。
【
図17】本発明によるカセット面上のチャネルの密封の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下では、好ましい実施形態について、添付の図を参照してより詳細に説明する。図では、対応する要素、類似の要素、又は同様の要素は、同一参照番号で示され、冗長性を回避するためにその繰返しの説明は省略される場合がある。
【0076】
鍛造デバイスの個々の構成要素を図を参照して説明するが、それぞれの構成要素は、より良い概観を提供するために全ての図には示されておらず、任意的な構成要素が実施形態に存在する場合がある。
【0077】
図1は、組み立てた状態の本発明による鍛造デバイス10を斜視図に示す。鋳造デバイス10は、ポッティング材料がカセット16に閉じ込められたガス交換器要素(図示せず)のためのポッティングを形成することができるように、開口部26を通してポッティング材料を受け入れて鋳造デバイス10内側の1又は2以上のチャネルを通じてカセットに分配するように構成された分配器12を含む。
【0078】
分配器12は、複数の分配器構成要素14で形成される。この実施形態により、4つの分配器構成要素14が設けられており、これらは互いに円筒形分配器12を形成し、かつ開口部26を定める。しかし、2又は3のような代替数の分配器構成要素14が提供される場合がある。分配器12の外形は、円筒形に限定されるものではなく、例えば、楕円形又は本質的に矩形とすることができる。
【0079】
分配器構成要素14は、対応する境界面又はインタフェース22で密封されるように締結リング18によって互いに接続される。以下で更に説明するように、この実施形態では、境界面又はインタフェース22によってチャネルが形成され、このチャネルは、開口部26を通して受け入れられるポッティング材料をカセット16に誘導又は給送する。この実施形態では、4つのチャネルが相応に設けられており、これらのチャネルは、カセット16に閉じ込められたガス交換器要素がポッティング材料によって4つの側面を取り囲まれるように周方向に互いに離間している。
【0080】
分配器12又は分配器構成要素14をカセット16に固定するために、着脱可能接続を提供する固定スクリュー20も設けられる。従って、分配器構成要素14は、カセット16上に順次ねじ込むことができ、製造工程の後、再びスクリューが外されてカセット16から分離することができる。
【0081】
分配器構成要素14の分離を容易にするために、カセット16から分配器構成要素14を取り外すために楔形分離器のような分離デバイスと係合することができる凹部24が設けられる。
【0082】
図2は、分配器構成要素14が欠落した(図示せず)鋳造デバイス10を示しており、分配器12の境界面又はインタフェース22と内部とが露出している。従って、チャネル28の一部が示されており、このチャネル28は、分配器を組み立てた状態では、それぞれの他の分配器構成要素14の隣接するインタフェース又は境界面22のチャネル28の対応する部品を用いてチャネル28を形成する。言い換えれば、各インタフェース又は境界面22は、チャネルの半分を定めることができ、分配器が組み立てられた状態では、2つの分配器構成要素14の隣接するインタフェース又は境界面22によってチャネル28が形成されるように配置される。
【0083】
チャネル28はまた、生成中にポッティング材料に作用する遠心力によってポッティング材料が外部に逃げるのを防ぐためにシールによって囲まれている。このシールは、チャネル28の両側に位置付けられた内側シール30と外側シール32によって提供される。シール30,32は、開口部26からチャネル28の端部又はカセット内のボア(図示せず)まで延びている。この端部には平坦ガスケット34も設けられており、このガスケットはボア内に挿入されてチャネルを取り囲んでいる。このようにして、チャネル28は、流体的又は液密的に密封される。
【0084】
ポッティング材料は、生産の損失又は障害なしにガス交換器要素に到達することができる。充填を簡単にするために、それぞれのチャネル28の上流にある開口部26は、充填領域36が定められるように漏斗状になっている。全周にわたって連続的に形成することができる漏斗形状に起因して、跳ね返り中にポッティング材料をチャネル28内に誘導することができることも保証される。
【0085】
更に、充填領域36の上方には越流部38が設けられており、この越流部は、充填領域36の形状及びカセット16の内側空間に適応する。充填領域36の漏斗形状とその配置に起因して、越流部38は、ポッティング材料がカセット16の内側キャビティに半径方向に開口部26に面する充填領域36の端部に到達する程度まで充填された時に、過剰なポッティング材料が越流部38に流れ込み、そこに回収されるように誘導することができる。言い換えれば、充填領域36及び越流部38は、生成されることになるポッティングの内側許容範囲よりも大きいカセット16の中心からの半径方向距離を含むように成形される。
【0086】
開口部26は、カセット16の外面又はカセット16の上部まで延びており、例えば、周囲との相互作用に起因するカセット16の上部からの冷却を可能にする。それにより、カセット16を均一に冷却することができるので、不規則又は不均一な冷却による気泡の形成が防止される。同じく、カセット16の凹部に受け入れられている例示的閉鎖部40が示すように、開口部は、ガス交換器要素の直接的な冷却を提供することができる。
【0087】
図3の鋳造デバイス10の断面図では、カセット16の内部が示されている。カセット16は、2つのカセット構成要素50,52、すなわち、上側カセット構成要素50と下側カセット構成要素52を含み、これらは相互に接続されており、閉鎖可能に形成されている。カセット構成要素50,52は、従って、互いに分離することができ、又はカセット16の内側空間を覆う成形シール44を受け入れるために開くことができ、かつ相応にカセット16に対する内側キャビティの流体密封を可能にするためにクランプ締め又はサンドイッチされる。
【0088】
この構造は、
図4に更に示されている。成形シール44の内側キャビティ46が示されている。内側キャビティ46は、カセットのそれぞれのボア42を通じてチャネル28に流体的に接続される。しかし、例えば、ボア42の領域に配置される成形シール44の密封リップにより、チャネル28からのポッティング材料がカセットの内部に侵入することが防止される。密封リップ(図示せず)は、カセットの組み立てによってクランプ締めされ、ボア42に対してシールを形成する。従って、それぞれのチャネル28からのポッティング材料は、ボア42を通過して成形シール44の内側キャビティ46にのみ入る。この実施形態では、ガス交換器の2つの対向配置された閉鎖部の形態のガス交換器要素も成形シール44内に配置され、充填領域36の内径までポッティング材料によって取り囲まれている。それにより、ポッティング材料がカセットに接触することを防ぐことができ、カセットの構成要素の洗浄及び分離が有意に容易になる。カセットはまた、底部領域に遠心分離機アタッチメント48を含み、それにより、遠心分離機内の装着が容易になり、かつ定常固定を可能にする。
【0089】
カセット16は、
図5による斜視図に詳細に示されており、カセット16は、上側カセット構成要素50内の形態シールと開口部58とを含んで示されている。開口部58は、ガス交換器要素又は閉鎖部40がカセットから突出し、分配器開口部を通じて換気されることを可能にする。
【0090】
開口部58に加えて、上側カセット構成要素50は、ボア42に加えて中心化デバイス54を含み、その中に、例えば、上側カセット構成要素50を下側カセット構成要素52に単に取り付けて相応に位置合わせすることができるように中心化スリーブを挿入することができる。更に、2つの固定デバイス56が設けられ、この固定デバイスにより、例えば、対応するスクリューを通じてカセット構成要素50,52を互いに接続することができるようになっている。
【0091】
成形シール44は、好ましくは、
図6から
図9に示すように2つの対称成形シール構成要素45から形成される。従って、成形シール構成要素45は、カセットに類似した開口部62を有し、その中に例えばガス交換器のための閉鎖部を受け入れることができる。それにより、成形シール構成要素45の複雑さが軽減される。更に、それにより、ポッティング材料の硬化後に、封入されたガス交換器要素から成形シール構成要素45を簡単に分離することができる。例えば、突出した閉鎖部を通じて、ガス交換器を成形シール構成要素45から押し出すことができる。
【0092】
成形シール構成要素45は、チャネルの数に対応するいくつかの密封リップ又はスプルー点60を更に含み、スプルー点又はゲート点60は、カセット内のボア及びそれぞれのチャネルの出口と重なるように配置され、カセットに対して流体シールを提供する。成形シール構成要素45は対称に形成され、かつ対応する下側成形シール構成要素45のための流体接続が提供されないので、スプルー点60は、最初は閉じたままであり、かつ上側成形シール構成要素45の挿入の前にチャネルと内側キャビティの間の流体接続を提供するために貫通、穿刺、又は穿孔することができる。
【0093】
従って、
図7は、スプルー点60は切り取られていないが、内側キャビティへの短い入口も存在する下側成形シール構成要素45を示している。
【0094】
図8も、開口部62に閉鎖部40が挿入された上側成形シール構成要素45を示しており、ここでは、スプルー点60はまだ切り取られていない。下側成形シール構成要素45には、閉鎖部40が設けられる場合があり、
図9に側面図に示すように、成形シール構成要素45は、組み立てられると一緒に成形シール44を形成する。
【0095】
下側成形シール構成要素45は、
図10に斜視図に示すように、適切な構成によって下側カセット構成要素52によって受け入れることができる。この実施形態では、下側カセット構成要素52は、固定デバイス56に加えて遠心分離機アタッチメント48を含み、遠心分離機内の鋳造デバイスの装着を容易にし、かつ定常固定を可能にする。中心化デバイスはまた、中心化スリーブ64を備えており、それにより、上側カセット構成要素を下側カセット構成要素52に取り付けると同時に、必要に応じて位置合わせを可能にする。
【0096】
下側カセット構成要素52は、上側カセット構成要素と同様に、閉鎖部を受け入れるための開口部66を有する。これはまた、改善された温度分布が達成されるように、ポッティングされることになるガス交換器のカセットの底部側の換気を可能にする。これを
図11に示している。成形シール構成要素45は、下側カセット構成要素52に挿入され、閉鎖部40は、成形シール構成要素45の開口部によって受け入れられる。中心化スリーブは、この図ではまだ中心化デバイス54に挿入されていない。この図に示すように、流体の接続は不可能であり、底面側にはスプルー点又はボアがない。
【0097】
これは、
図12に示すように、上側カセット構成要素50に存在するボア42とは対照的である。ボア42は、
図13により詳細に示されている。従って、上側カセット構成要素50のボア42は、それぞれのチャネルから成形シールの内側キャビティに給送されるポッティング材料の入口を提供することができる。ボア42は、比較的小さい入口を提供するだけであり、これは、生成後に容易に洗浄することができる。密封のために、ボア42には、例えばそれぞれのチャネルが全周に又は周方向に密封されるように、上側に平坦シール又はガスケットを設けることができる。
【0098】
カセットとそれぞれのチャネルの間の分離は、好ましくは、それぞれの分配器構成要素14の下側区域にある対応する凹部によって容易にされる。例えば、凹部は、楔形状分離デバイス68が凹部に挿入されて
図14の矢印で示されるような分離移動を引き起こすように楔形状とすることができる。例えば、分離デバイス68は、フォークとして形成される場合があり、フォークは、2つの分配器構成要素の2つの隣接凹部に係合する。このようにして、分配器又は分配器構成要素14は、その後にカセット又は上側カセット構成要素50から取り外され、その後に洗浄することができる。
【0099】
図15から
図17は、鍛造デバイスの有利なシールを詳細に示している。従って、
図15は、分配器構成要素14の境界面又はインタフェース22の詳細図を示し、チャネル28は、内側シール30及び外側シール32によって囲まれており、従って、周囲に向けて流体的に密封することができる。外側シール32は、外側シールコードがポッティング材料を閉じ込める分配器のいずれの構成要素も取り囲むように、開口部の上側部分及び越流部38からチャネル28の下端及び下流端までそれぞれ延びる。更に、内側シール30は、チャネル28をカセットに対して及び充填領域36の下側セクションに対して密封する。それぞれのチャネル28がカセット内のボアに流入する場合に、チャネル28は、好ましくは、平坦ガスケット34によって囲まれる。ポッティング材料は、次に、充填領域36から成形シールのボア又は内側キャビティの中に漏出なく安全に搬送することができる。
【0100】
図16に示すように、内側及び外側シール30,32は、更に、密封溝72を用いてインタフェース又は境界面22に取り付けられ、対応する密封コード70が、密封溝72に挿入される。密封コード70は、圧入を用いて密封コード70を密封溝72に挿入することができるように弾性材料で構成される。結合された分配器構成要素の隣接する境界面又はインタフェース22は、密封溝72なしで形成することができ、かつ滑らかな面を有し、そのために密封コード70は、分配器の組み立て中に又は分配器構成要素をクランプ締めすることによってその面に対して押圧され、かつ液密シール密封が達成される。
【0101】
カセットに対する液密シールはまた、
図17に示すように、ボア42の上縁又はリムに挿入されてそれぞれのチャネル28を取り囲む平坦ガスケット34によって提供することができる。ガスケット34は、内側シール30及び外側シール32と重なることができ、それによって密封が改善するだけでなく、分配器構成要素を分離することが容易になる。これに加えて、分配器構成要素の寸法は、コンパクトな構成を提供して製造コストを低減するためにより小さくすることができる。
【0102】
適用可能な場合に、例示的実施形態に描いた全ての個々の特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく組み合わせる及び/又は交換することができる。
【0103】
参照番号のリスト
10 鋳造デバイス
12 分配器
14 分配器構成要素
16 カセット
18 締結リング
20 固定スクリュー
22 境界面又はインタフェース
24 凹部
26 開口部
28 チャネル
30 内側シール
32 外側シール
34 平坦シール又はガスケット
36 漏斗状充填領域
38 越流部
40 それぞれガス交換器要素又は閉鎖部
42 ボア
44 成形シール
45 成形シール構成要素
46 内側キャビティ
48 遠心分離機アタッチメント
50 上側カセット構成要素
52 下側カセット構成要素
54 中心化デバイス
56 固定デバイス
58 開口部
60 密封リップ又はスプルー点
62 開口部
64 中心化スリーブ
66 開口部
68 楔状分離デバイス
70 密封コード
72 密封溝
【国際調査報告】