(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】客体志向重量指圧クッション
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
A61H39/04 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020573288
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(85)【翻訳文提出日】2020-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2019008644
(87)【国際公開番号】W WO2020013659
(87)【国際公開日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0081148
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0059083
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520508697
【氏名又は名称】コ,チョン ボン
【氏名又は名称原語表記】GO, Jeung Bong
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】コ,チョン ボン
(72)【発明者】
【氏名】リ,スン リム
(72)【発明者】
【氏名】コ,ス ユン
(72)【発明者】
【氏名】コ,ミン チョン
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101BA01
4C101BB01
4C101BB04
4C101BB10
4C101BC30
4C101BD07
4C101BD21
4C101BD22
4C101BD23
4C101BD26
4C101BE03
4C101BE20
(57)【要約】
本発明は使用者が体の部位を自ら変更しながら自由に指圧することができ、体の不必要な部位には指圧が行われないようにすることができる客体志向重量指圧クッションである。本発明による客体志向重量指圧クッションは、外被部と、前記外被部の内部空間に収納されて体の部位にクッション感を提供するクッション部と、前記クッション部の内部空間に収納されるポケット部と、前記ポケット部の内部空間に収納されて、体の部位に指圧が行われるようにする重量体とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外被部と、
前記外被部の内部空間に収納されて、体の部位にクッション感を提供するクッション部と、
前記クッション部の内部空間に収納されるポケット部と、
前記ポケット部の内部空間に収納されて、体の部位に指圧が行われるようにする重量体とを含み、
前記重量体は0.1mmHg以上200mmHg以下の圧力を加えることができる重量で適用される客体志向重量指圧クッション。
【請求項2】
前記クッション部はヤング率が0.001Kpa以上1000Kpa以下で適用される請求項1に記載の客体志向重量指圧クッション。
【請求項3】
前記重量体は石、木、金属、プラスチック、非金属の中で選択される何れか一つ以上で適用される請求項1に記載の客体志向重量指圧クッション。
【請求項4】
前記ポケット部の外面に形成され、前記クッション部及び外被部を貫通して外部に突出される結合部をさらに含む請求項3に記載の客体志向重量指圧クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は客体志向重量指圧クッションに関し、より詳しくは、使用者が体の部位を選択的に変更しながら自由に指圧することができるようにした客体志向重量指圧クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、経血(meridian point)は経絡上に疾病の反応が敏感に現われる約365個の点である。
【0003】
このような経血を母指や手の平などで圧迫することにより、生体の変調(modulation)を矯正したり健康の増進または疾病の治療を図る手記療法を指圧と言う。
【0004】
人が直接指圧をする場合、たくさんの力が消尽されることから、多数の自動指圧装置が開発されて用いられている。
【0005】
しかしながら、従来の自動指圧装置は人体工学的に開発されたものがなく、体の不必要な部位まで一緒に指圧して使用者に苦痛を与えるという問題点があり、指圧ができる部位が限定的であるという問題点がある。
【0006】
そして、従来の自動指圧装置は指圧中には体の部位を動くことができないため、体の他の部位を指圧したい場合には作動を停止させた後、体の部位を変更し、その後再び作動させなければならないため円滑に指圧することができないという問題点がある。
【0007】
本発明が属する技術分野における先行技術文献としては韓国公開特許第10-2012-0029184号公報などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、使用者が体の部位を自ら変更しながら自由に指圧することができ、体の不必要な部位は指圧しないようにすることができる客体志向重量指圧クッションを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による客体志向重量指圧クッションは、外被部と、前記外被部の内部空間に収納されて体の部位にクッション感を提供するクッション部と、前記クッション部の内部空間に収納されるポケット部と、前記ポケット部の内部空間に収納されて、体の部位に指圧が行われるようにする重量体とを含み、前記重量体は0.1mmHg以上200mmHg以下の圧力を加えることができる重量で適用される。
【0010】
また、前記クッション部はヤング率が0.001Kpa以上1000Kpa以下で適用される。
【0011】
また、前記重量体は石、木、金属、プラスチック、非金属の中で選択される何れか一つ以上で適用される。
【0012】
また、前記ポケット部の外面に形成され、前記クッション部及び外被部を貫通して外部に突出される結合部をさらに含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明による客体志向重量指圧クッションは、ポケット部の内部に客体志向のための重くて堅い素材の指圧用重量体が充填されており、重量体の荷重によってポケット部とクッション部の形状が体の部位によって弾性的に変形されることにより、体の部位を接触した状態で指圧したい部位を自ら動いて効率的に指圧することができ、体の広範囲な部位を均一に、体の局所部位は強く指圧するようにすることができて、指圧効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0014】
また、使用者が体の部位を自ら変更しながら自由に指圧するようにすることができることにより、不必要に痛症を誘発することを防止することができ、体の不必要な部位に指圧が行われることを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による客体志向重量指圧クッションを示した斜視図である。
【
図2】本発明による客体志向重量指圧クッションを示した断面図である。
【
図3】本発明による客体志向重量指圧クッションの使用状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達する方法は添付図面とともに詳細に後述される実施例を参照すれば明確になり得る。
【0017】
しかしながら、本発明は以下に開示される実施例に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に具現されることができ、本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にかけて同じ符号は同じ構成要素を指称する。
【0018】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例について添付図面を参照して詳しく説明する。しかしながら、本発明は多様な相違する形態に具現されることができ、ここで説明される実施例に限定されない。明細書全体にかけて類似する部分には同じ図面符号を付けた。
【0019】
図1は本発明による客体志向重量指圧クッションを示した斜視図であり、
図2は本発明による客体志向重量指圧クッションを示した断面図であり、
図3は本発明による客体志向重量指圧クッションの使用状態を示した斜視図である。
【0020】
本発明は使用者が手、腕、足など体の所望の部位を指圧する際に、指圧したい体の部位を自ら移動しながら指圧するようにすることができ、指圧中に発生される痛症や不必要な指圧などが行われないようにして最適な指圧が行われるようにすることができる客体志向重量指圧クッションである。
【0021】
このために、本発明による客体志向重量指圧クッション1は、外被部10、クッション部20、ポケット部30、重量体40を含むことができる。
【0022】
前記外被部10は、一面が開放され、内部に空の空間が形成されて、後述されるポケット部30、クッション部20などを収納することができる。
【0023】
この時、前記外被部10の開放された部分は、ファスナー、ボタン、ベルクロ(登録商標)テープなどの開閉装置を通じて開閉されることができる。
【0024】
前記外被部10は使用者の体の部位と直接接触する部分であるので、柔らかい素材で製作される。
【0025】
即ち、前記外被部10を柔らかい素材で製作されることによって、客体志向のために重い重量体40が適用された状態で指圧点を捜すために体の部位を動かす場合発生し得る強い摩擦が発生されることを防止して使用者の肌を保護することができるのである。
【0026】
付加的に、前記外被部10の内面にはポケット部30、クッション部20、重量体40などを保護することができるように防水材質の保護部(図示しない)が設置されることもできる。
【0027】
前記クッション部20は使用者が本発明による客体志向重量指圧クッション1を用いる時クッション感を提供するもので、前記外被部10の内部空間に収納される。
【0028】
クッション感を提供するクッション部20は弾性係数を有し、上から下に縦方向での圧力に対するクッションのみ必要であるので、縦弾性係数であるヤング率で表現される。
【0029】
この時、前記クッション部20は上述した重量体40に対応する引張強度を有するように形成される。
【0030】
前記クッション部20は重量体40の種類や重量によって異なるが、最小ヤング率(Young’s modulus)が0.001Kpa以上で適用され、1000Kpa以下で適用されることが好ましい。
【0031】
即ち、敏感な体と肌に直接接触するクッション部20であるので、痛症なしに柔らかい感じを与えなければならないので、重量体0.1mmHgに対応する圧力の1/10以上の柔らかいヤング率の0.001Kpaに設定される。
【0032】
また、クッション部20に1000Kpa以上の過度なヤング率のみ存在する場合も曲面の肌に一部だけ適用されて痛症が増加するので、1000Kpaを超えないことが好ましい。
【0033】
前記クッション部20は使用者にクッション感を提供することができるように発泡樹脂、スポンジ、ゴム、シリコーンなどのような材質で製作されて、使用者が体の部位を指圧する過程で苦痛と痛症を減少させることができる。
【0034】
さらに、前記クッション部20は使用者の荷重によって弾性的に変形されるので、ヒジ、かかとなどのように曲線状の体の部位を指圧する場合、その部位に外被部10が自然に密着されるようにすることにより、指圧効果を向上させる。
【0035】
前記ポケット部30は外面がクッション部20に包まれた状態で外被部10の内部空間に収納される。
【0036】
前記ポケット部30は、一面が開放され、内部に空の空間が形成されて、重量体40などを収納することができる。
【0037】
この時、前記ポケット部30の開放された部分は重量体40を種類別に取り替ることができるようにファスナー、ボタン、ベルクロテープなどの開閉装置を通じて開閉されることができる。
【0038】
また、前記ポケット部30の内部には重量体40が一側に傾くことを防止するための複数の区画壁が所定の間隔で形成されることができる。
【0039】
前記重量体40はポケット部30の内部空間に収納されて、体の部位に指圧が行われるようにするもので、石、木、金属、プラスチック、非金属の中で選択される何れか一つ以上で適用されることができる。
【0040】
前記重量体40は、全体的に0.1mmHg以上200mmHg以下の圧力を加えることができる重量で適用され、また、優れた指圧効果を発生するために、重量が重いように複数が適用される。
【0041】
この時、重量体40は0.1mmHg未満の場合指圧効果が低下され、使用者の血圧に影響を与えるので、血圧の最大値である200mgを超えないように適用することが好ましい。
【0042】
例えば、前記重量体40は、約20kg~30kgの重量になるように適用されることができる。
【0043】
一方、本願発明が体の部位に加えることができる重量について説明する。
【0044】
前記クッション部20またはポケット部30が縦70cmで適用された本願発明全体を太ももの上におき、太ももと外被部10が10cmだけ接触される場合、760mmHg=1kgf/cm3で、20mmHg=1/38kgf/cm3=0.0263kgf/cm3であり、太ももとクッション部20またはポケット部30の接触面積は10cm×70cm=700cm3である。従って、20mmHgの圧力を加えるクッションの重量は0.0263×700=18.41kgである。
【0045】
また、前記重量体40は体に適用されることで、上記した材料以外にも人体に無害で環境にやさしく、また重量の重い材質で適用されることもできる。
【0046】
この時、前記ポケット部30は重い重量体40によって容易に破れなく、前記クッション部20とともに使用者の荷重によって弾性的に変形されることができるように柔軟で且つ弾性力を有する材質で製作される必要がある。
【0047】
一方、本発明による客体志向重量指圧クッション1は、前記外被部10とポケット部30を安定的に結合するための結合部50をさらに含むことができる。
【0048】
前記結合部50は紐、バンドなどの材質で製作されることができ、約「
」字状の断面形状を有する取っ手形態に形成されることができる。
【0049】
前記結合部50は前記ポケット部30の両側面にそれぞれ裁縫により結合されることができる。
【0050】
前記結合部50の一部分は前記クッション部20及び外被部10を貫通して外部に突出される。
【0051】
前記結合部50の突出される部分は取っ手の役割を果たして使用者が本発明による客体志向重量指圧クッションを容易に運ぶようにすることができる。
【0052】
また、前記結合部50はクッション部20とポケット部30及び外被部10を一体に結束することによって、本発明による客体志向重量指圧クッションで指圧する過程や運搬過程で外被部10の内部でクッション部20やポケット部30が移動したり散らばらないようにする。
【0053】
以上で説明したように、本発明による客体志向重量指圧クッション1はポケット部30の内部に客体志向のための重くて堅い素材の重量体40が充填されており、重量体40の荷重によってクッション部20とポケット部30が弾性的に変形されることにより、
図3のように指圧を体の所望の部位に覆って指圧するようにすることができる。
【0054】
特に、外被部10に体の部位を接触した状態で指圧したい部位を自ら動いて効率的に指圧するようにすることができ、広範囲な部位に均一に、そして局所には強く指圧するようにすることができる。
【0055】
次に、
図4を参考して本願発明の作用について説明する。
【0056】
Pif=間質液静水圧1mmHgで、ほぼ一定であり、Πif=間質液浸透圧0mmHgで、無視される。そして、Πp=血漿膠質浸透圧25mmHgと一定である。
【0057】
Pc=毛細管動脈側圧力37mmHg、静脈側圧力17mmHgの時、毛細管動脈側から血管外に出ようとする圧力は37-(25+1)=11mmHgであり、毛細管静脈側から血管の中に入ろうとする圧力は(25+1)-17=9mmHg、差2mmHgはリンパ管に入る。
【0058】
動脈圧或いは静脈圧の増加または滲透圧変化間質液の圧力変化などによって間質液が多くなる場合、組職に体液貯留や浮腫みが発生する。
【0059】
組職の圧力を増加すれば毛細管静脈側やリンパ管に間質液が入る。
【0060】
11mmHg以上である場合は、動脈側から入って来ることが塞がれてより早く進行されるが組職に血液供給が中断されて虚血症状が現われる。
【0061】
皮膚層に約20mmHgの圧力が加えられる場合、組職の弾性などによって間質液に加えられる圧力は半分以下に落ちるが、浮腫みが約5mmHg生じた場合、5mmHg以上の圧力でも上記のように間質液がリンパ管や毛細管静脈側に出ることが分かる。
【0062】
人よって違うが、10mmHgで部位によって非常に微弱に気持ちがよく、20mmHgでより気持ちがよく虚血症状がほぼなく、圧力を増加するほどより気持ちがよくなり、約30mmHgでは虚血症状が強く現われ始めた。
【0063】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施されることができるということを理解すべきである。従って、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的ではないことを理解すべきである。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは特許請求範囲によって定義され、特許請求範囲の意味及び範囲そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態は本発明の範囲に含まれることと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0064】
1:客体志向重量クッション
10:外被部
20:クッション部
30:ポケット部
40:重量体
50:結合部
【国際調査報告】