IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーボックス・フォー・キッズ・ディベロップメンツ・プロプリエタリー・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-飲料ボトル 図1
  • 特表-飲料ボトル 図2
  • 特表-飲料ボトル 図3
  • 特表-飲料ボトル 図4
  • 特表-飲料ボトル 図5
  • 特表-飲料ボトル 図6
  • 特表-飲料ボトル 図7a
  • 特表-飲料ボトル 図7b
  • 特表-飲料ボトル 図7c
  • 特表-飲料ボトル 図7d
  • 特表-飲料ボトル 図7e
  • 特表-飲料ボトル 図8a
  • 特表-飲料ボトル 図8b
  • 特表-飲料ボトル 図8c
  • 特表-飲料ボトル 図8d
  • 特表-飲料ボトル 図8e
  • 特表-飲料ボトル 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】飲料ボトル
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20220907BHJP
【FI】
B65D47/06 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566486
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 AU2019050549
(87)【国際公開番号】W WO2020227752
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】2019203320
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519440799
【氏名又は名称】ビーボックス・フォー・キッズ・ディベロップメンツ・プロプリエタリー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】B.BOX FOR KIDS DEVELOPMENTS PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Unit 5,677 Springvale Road,Mulgrave,Victoria 3170(AU)
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エゴロフ,ミロスラフ
(72)【発明者】
【氏名】チェーンベリ,リサ,エドランド
(72)【発明者】
【氏名】アマトリー,シルバイン,ジャック
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084DB12
3E084FA06
3E084FB01
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084GB23
3E084HA01
3E084KA01
3E084KA06
3E084LA18
3E084LC02
3E084LC04
3E084LD01
(57)【要約】
飲料ボトル10は、液体及び取り外し可能な蓋11を有する容器12を有する。蓋11は、容器12の開口端に取り外し可能に接続される。弾性可撓性の飲料口又はストローアセンブリ14は蓋11に取り付けられ、容器内から液体を取ることができる。飲料ボトル10の機能を作動させるアクチュエータ26は、蓋にスライド可能に取り付けられて、ホーム位置と作動位置との間でスライド移動する。アクチュエータ26は、蓋11の外から押すことが可能な押圧面27を有しており、指の圧力を受けてアクチュエータ26をホーム位置から作動位置の方向に移動し、飲料ボトル10の機能を行う。アクチュエータ26は、飲料口又はストローアセンブリ14に当接係合する当接面35を有しており、アクチュエータ26をホーム位置から作動位置に動かすことによって、飲料口又はストローアセンブリ14は弾性変形し、その弾性変形によってアクチュエータ26はホーム位置の方向に付勢される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ボトルであって、
a.液体及び取り外し可能な蓋を有する容器を有し、
b.前記容器は開放端を有しており、前記蓋は取り外し可能に前記開放端に接続され、
c.弾性可撓性の飲料飲み口又はストローアセンブリを有し、前記蓋に取り付けられた該飲料飲み口又はストローアセンブリを通して前記容器内から前記液体を取るようになっており、
d.前記飲料ボトルの機能を作動させるためのアクチュエータを有し、該アクチュエータはホーム位置及び作動位置との間のスライド動作のために前記蓋にスライド可能にとりつけられており、該アクチュエータは、前記アクチュエータを前記ホーム位置から前記作動位置まで移動して前記飲料ボトルの機能を行うために、前記蓋の外側から押すことのできる押圧面を有しており、
e.前記アクチュエータは、前記飲料口又はストローアセンブリと当接係合する当接面を有しており、前記ホーム位置から前記作動位置へのアクチュエータの動きによって前記飲料口又はストローアセンブリが弾性変形し、その弾性変形によって前記アクチュエータは前記ホーム位置方向に付勢されるようになっている、飲料ボトル。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料ボトルであって、前記取り外し可能な蓋は内蓋及び外蓋を有しており、前記外蓋は前記内蓋に対して閉位置と開位置との間で移動可能であり、前記アクチュエータは前記外蓋を閉位置に維持するように前記外蓋の閉位置において前記外蓋と協働し、前記アクチュエータが前記ホーム位置から前記作動位置に移動することによって前記協働が解放されて、前記外蓋が解放されて開位置に移動する、飲料ボトル。
【請求項3】
請求項2に記載の飲料ボトルであって、前記外蓋が前記内蓋に接続される飲料ボトル。
【請求項4】
請求項2に記載の飲料ボトルであって、前記外蓋がヒンジによって前記内蓋に接続される飲料ボトル。
【請求項5】
請求項2から4の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは前記内蓋によって取り付けられるか又は収納され、前記押圧面は前記内蓋の側壁にあるか又は該側壁を貫いている飲料ボトル。
【請求項6】
請求項2から4の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは前記内蓋の開口内に取り付けられるか又は収容され、前記押圧面は前記内蓋の側壁にあるか又は該側壁を貫いている飲料ボトル。
【請求項7】
請求項6に記載の飲料ボトルであって、前記蓋の開口は前記アクチュエータに密に又はぴったり嵌り、前記アクチュエータは前記開口内において前記ホーム位置と作動位置との間で導かれるようになっている飲料ボトル。
【請求項8】
請求項2から7の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは一端に前記押圧面を有し、反対の端に前記当接面を有する飲料ボトル。
【請求項9】
請求項8に記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは前記押圧面と前記当接面との間に長手方向の軸を有し、該長手方向の軸に沿って直線移動するように前記内蓋に取り付けられる飲料ボトル。
【請求項10】
請求項2から9の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記飲料ボトルはキャッチ配列を有しており、該キャッチ配列において、前記アクチュエータ及び前記外蓋は、前記外蓋が前記閉位置にあるときに、前記外蓋が前記開位置に動かないように、係合し協働するキャッチ構成要素をそれぞれ有している飲料ボトル。
【請求項11】
請求項10に記載の飲料ボトルであって、前記キャッチ配列は、前記アクチュエータの部分として形成されたキャッチと、前記外蓋の部分として形成されたキャッチ受容部とを有しており、前記キャッチ及び前記キャッチ受容部は、前記外蓋が前記閉位置にあるときに協働して前記外蓋を前記閉位置に維持する飲料ボトル。
【請求項12】
請求項11に記載の飲料ボトルであって、前記キャッチは前記アクチュエータの表面から立ち上がっていて側方キャッチ部材を有しており、前記キャッチ受容部は前記側方キャッチ部材を受け入れるための開口又は凹みを有する飲料ボトル。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の飲料ボトルであって、前記キャッチ部材及び前記キャッチ受容部の一つ又はそれぞれは、傾斜した又は勾配のある面を有しており、前記キャッチ部材が前記キャッチ受容部内に受け入れられる前にそれぞれの部材が互いを乗り越す飲料ボトル。
【請求項14】
請求項2から13の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは、前記ホーム位置において前記アクチュエータの移動を終了させるための一つ以上の当接部を有する飲料ボトル。
【請求項15】
請求項14に記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは一対の当接部を有しており、該一対の当接部は前記内蓋の異なる当接面と係合するために異なる方向に延びて、
前記ホーム位置において前記アクチュエータの移動を終了させる飲料ボトル。
【請求項16】
請求項15に記載の飲料ボトルであって、前記一対の当接部は反対方向に延びている飲料ボトル。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の飲料ボトルであって、前記一対の当接部は前記押圧面から離間して備わっている飲料ボトル。
【請求項18】
請求項1から17の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは、前記押圧面から離間した部分に形成された前記当接面を備えた従属本体を有する飲料ボトル。
【請求項19】
請求項1から17の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは間隔の開いた一対の足を有しており、該一対の足はほぼ同じ方向に前記押圧面から離れて延びる飲料ボトル。
【請求項20】
請求項19に記載の飲料ボトルであって、前記足の一つ又はそれぞれは、前記飲料口又はストローアセンブリに当接係合する当接面を有する飲料ボトル。
【請求項21】
請求項1から17の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記アクチュエータは一対の側足及び該側足との間の中間本体を有しており、前記側足及び前記中間本体はほぼ同じ方向に前記押圧面から離れて延びる飲料ボトル。
【請求項22】
請求項21に記載の飲料ボトルであって、前記本体は前記側足間の中央にある飲料ボトル。
【請求項23】
請求項18から22の何れかに記載の飲料ボトルであって、前記当接面は僅かに凸条に湾曲している飲料ボトル。
【請求項24】
請求項19又は21に記載の飲料ボトルであって、前記足は弛緩又は静止位置から内側に弾性的に曲がって動くように配置されている飲料ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の相互参照
本出願は、2019年5月13日に出願された豪州特許出願番号2019203320号の優先権を主張しており、その内容が参照によりこの明細書に組み入られる。
【0002】
技術分野
本発明は、飲料容器部及びその飲料容器部の開口端に取り外し可能に接続する蓋を有する飲料ボトルに関する。本発明は、特に、飲料ボトルから飲みやすくするために、蓋を介して容器部内に延びる可撓性の飲料口又はストローを用いる飲料ボトルに関する。本発明は、さらに飲料ボトル用の取り外し可能な蓋にも関する。
【0003】
本発明は、容器部の開口端に接続可能な第一の部分即ち内蓋と、その第一の部分にヒンジ式に接続される第二の部分即ち外蓋とを有する二部分で形成された飲料ボトル蓋に特に適用される。この形態の飲料ボトル蓋では、外蓋は、飲料口又はストローが使用のために露出される開位置と、外蓋が内蓋を閉じて飲料口又はストローが利用出来ずに飲料口又はストローを介する飲料の流れが妨げられる閉位置との間でヒンジ式に動く。この飲料ボトルの形式に関連する発明の背景を記載するのは有用である。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
以下の発明の背景の記載は、発明の理解を助けることを意図する。しかしながら、その記載の如何なる様相も、本願の優先日における共通の一般的知識の一部であったことを認め又は承認するものでもないと認識されるべきである。
【0005】
サーモスエルエルシー(Thermos LLC)の米国特許第8,622,229号は、互いがヒンジ形式の内蓋及び外蓋を有する取り外し可能な蓋を備えた飲料ボトルを開示している。可撓性の飲料口は内蓋及び内蓋内のスライドの開口を貫通して延びている。スライドは、第一の位置と第二の位置との間を移動可能である。第一の位置では、スライドの先端が外蓋と協働して、外蓋を内蓋に対して閉位置に維持する。第二の位置では、スライドが退避して先端が外蓋との協働から解放され、外蓋が内蓋に対して回転して開位置になり、その結果飲料口が利用可能になる。
【0006】
飲料口が貫通するスライドの開口表面は、飲料口の側面に当接する。その当接係合は、スライドの第一の位置からの移動に抗し、従ってその抵抗はスライドを第一の位置(抵抗に打ち勝つ負荷がない)に維持し、スライドの先端と外蓋との間の協働を維持して外蓋を閉位置に維持する。
【0007】
スライドの退避動作は、可撓性の飲料口の弾性変形によって妨げられる。スライドを第二の位置に退避させる負荷が解放されると、その抵抗力は第二の位置から第一の位置に戻す傾向を有する。スライドを退避させる負荷が解放されると、スライドは飲料口の弾性回復力の下で第一の位置に戻る。その位置では、外蓋は手動で閉位置まで回転可能であり、外蓋及びスライドの先端は再結合して外蓋を閉位置に維持する。
【0008】
先端と反対側のスライドの終端は、ヒンジ形式のボタンに接続されており、ボタンをヒンジの周りに手動で一方向に回転させると、スライドは飲料口の弾性変形による抵抗力に抗して第一の位置から退避する。ボタンを開放すると、ボタンはヒンジの周りに反対方向に回転し、スライドは飲料口の影響の下で第一の位置に戻る。
【0009】
米国特許第8,622,229号の配置によって、外蓋を閉位置から素早く開放することができ、ボタン押下によるスライド退避によって飲料口が利用可能になる。さらに、米国特許第8,622,229号の配置によって、スライドは退避位置から自動的に戻り、外蓋が閉位置に戻ったときにスライドの終端は外蓋と再係合する位置になる。
【0010】
しかしながら、米国特許第8,622,229号の配置は、比較的複雑であり、スライドとボタンとを別々に必要とし、ボタンはスライドと内蓋との接続が別々に必要である。スライドとボタンとの間の別々のヒンジ形式の接続は、飲料ボトルの操作に極めて重要である。ヒンジ式接続は、使用者によって与えられるボタンの下部への回転力を、スライドに及ぼす線形の力に変換し、スライドの終端を外蓋との協働から解放する方向にスライドを移動させて、外蓋を開状態に開放するからである。
【0011】
サーモスエルエルシーの米国特許第8550269号は、取り外し可能な蓋を有する代替えの飲料ボトルを開示しており、蓋は内蓋とその内蓋にヒンジ形式で取り付けられた外蓋とを有する。内蓋は、内蓋を貫通するボタンを有し、そのボタンは外蓋と協働して、外蓋を内蓋に対して閉位置に維持するキャッチを有している。ボタンは、ばねの付勢に抗して内蓋に対して内側に移動することが可能であり、キャッチを開放して外蓋を内蓋に対して開方向に回動し、それによって飲料口が利用できるようになる。
【0012】
米国特許第8550269号も比較的複雑であり、ボタンを付勢する弾性チューブを有することが必要である。
【0013】
本出願人は、内蓋及び外蓋を有する取り外し可能な蓋を備え、蓋の操作に影響を及ぼさないで蓋の複雑さを軽減する飲料ボトルの開発に努力してきた。その際、以下の記載から明らかなように、上述した内蓋及び外蓋の構造を有する飲料ボトルに要求されるような機構を有しつつ、代替えに使用できる飲料ボトルを開発した。
【発明の概要】
【0014】
本発明によると、飲料ボトルは以下を有している。
a.液体及び取り外し可能な蓋を有する容器と、
b.前記容器は開放端を有しており、前記蓋は取り外し可能に前記開放端に接続され、
c.弾性可撓性の飲料飲み口又はストローアセンブリを有し、前記蓋に取り付けられた該飲料飲み口又はストローアセンブリを通して前記容器内から前記液体を取るようになっており、
d.前記飲料ボトルの機能を作動させるためのアクチュエータであって、該アクチュエータはホーム位置及び作動位置との間のスライド動作のために前記蓋にスライド可能にとりつけられており、該アクチュエータは、前記アクチュエータを前記ホーム位置から前記作動位置まで移動して前記飲料ボトルの機能を行うために、前記蓋の外側から押すことのできる押圧面を有しており、
e.前記アクチュエータは、前記飲料口又はストローアセンブリと当接係合する当接面を有しており、前記ホーム位置から前記作動位置へのアクチュエータの動きによって前記飲料口又はストローアセンブリが弾性変形し、その弾性変形によって前記アクチュエータは前記ホーム位置方向に付勢されるようになっている。
【0015】
本発明に従った飲料ボトルは、アクチュエータの設置によって、使用者に応じて異なる機能を提供することができる。本発明のある形態では、取り外し可能な蓋は内蓋及び外蓋を有しており、外蓋は内蓋に接続されて、閉位置と開位置、又は閉状態と閉状態との間で移動できるように、例えば外壁が内壁にヒンジ形式で接続される。本発明のこれらの形態では、アクチュエータは外蓋の閉位置で外蓋と協働して外蓋を閉位置に維持し、アクチュエータをホーム位置から作動位置に移動することによってその協働は開放され、外蓋は解放されて開位置に移動する。この機能のために、本発明の幾つかの形態では、アクチュエータ及び外蓋はそれぞれキャッチを有しており、外蓋が閉位置にあるときにそれぞれのキャッチが係合して協働し、外蓋が開位置に動かないようになっている。つまり、アクチュエータ及び外蓋は、外蓋が閉状態のときに係合して協働するキャッチ構成要素をそれぞれ有しており、外蓋が開位置に動かないようにしている。
【0016】
取り外し可能な蓋が内蓋と外蓋を有する本発明の上記形態に従った飲料ボトルは、少なくとも上述した従来技術と比較すると、比較的単純である。米国特許8,622,229号のスライダとボタンの複数部品の構成と対照的に、アクチュエータは単一部分として作動する一方、豪州特許2014202551号で公開された弾性チューブを必要としない。この後者の従来技術に関して出願人が留意するのは、世の中の基準では窒息の可能性を生じる小片に関して要求されることがあるということである。飲料ボトルに小さな弾性チューブを使用することは、その基準を破ることであり、安全性の問題を孕んでいる。
【0017】
有利なことに、飲料口又はストローアセンブリが本来有する弾性によって、アクチュエータはホーム位置へ又はその方向に付勢され、(コイルばねや弾性チューブのような)代替えの付勢用の配置は必要とされない。
【0018】
本発明の上記形態に従った飲料ボトルの簡潔さによって、簡易な製造及び部品の削減が可能となり、そのどちらもがコスト削減に寄与する。飲料ボトルの操作が簡単であり有効であるにもかかわらずである。
【0019】
しかしながら、本発明の開発で明らかになったのは、アクチュエータをホーム位置の方向に付勢する飲料口又はストローアセンブリに当接係合する当接面を有するスライド可能なアクチュエータは、飲料ボトルの他の使用又は機能を有するということである。例えば、スライド可能なアクチュエータは、アクチュエータがホーム位置にあるときに飲料ボトルの容器と協働することによって、蓋を容器から外れないようにロックして、飲料ボトルの蓋が外れることを防止するために使用することが出来る。本発明のこの形態の一つの例は、アクチュエータの一部がホーム位置において容器の開口内に延びることも可能であり、アクチュエータと容器の協働によって蓋の外れが防止されるであろうということである。蓋がねじによって容器に接続するような場合は、アクチュエータと容器との協働は、蓋が容器からねじ緩みになることを防止するようなものになるであろう。このことは、本発明に従った飲料ボトルの安全上の特徴になるであろう。
【0020】
又、アクチュエータと容器との協働によって、蓋を容器に固定するように配置することも出来るであろう。つまり、蓋はアクチュエータが作動位置にある状態で容器に適用することもでき、一旦蓋が容器に適切に設置されると、アクチュエータがホーム位置に開放されて、容器と協働する位置に移動し、蓋を容器に固定するようにすることも可能である。アクチュエータをホーム位置から作動位置まで押して、蓋と容器との協働を開放することによって、蓋を容器から外すことが出来る。本発明のこの形態では、ねじ結合のような、蓋と容器との他の形態の接続は必要とされないであろう。
【0021】
さらに、飲料ボトルから飲み物を取っている間又は機内中などで、いつでも容器内部の圧力を等しくするために、アクチュエータの作動を通気ベントに係合するのに利用することができる。本発明のこの形態では、アクチュエータの一部が通気ベントフラップと当接する、又は通気開口に横たわるようにして、ホーム位置から作動位置へのアクチュエータの動きによって、通気ベントフラップを開位置又は通気位置に移動させるか、又は通気開口を容器の内部に露出させるようにすることが出来るであろう。
【0022】
又、アクチュエータは、ニューロダイバージェント(neuro divergent)の子供など、接触相互作用から恩恵を受ける子供のフィジットにもなり得るであろう。このフィジットは、単にホーム位置と作動位置との間の付勢動作の動きとなるであろう。
【0023】
さらに、本発明に従った飲料ボトルの蓋は、それ自体で、スナック、カトラリー、又はその他のアイテムを保管する容器として特徴づけることもできよう。蓋は、上述した蓋と同様に内蓋及び外蓋を有しており、それによって、保存目的用の内蓋に対して、外蓋の閉位置において内蓋と外蓋との間に収納領域又は容積が作られる。本発明のこの形態では、アクチュエータは、ホーム位置において内蓋に対して外蓋を閉状態にロックし、作動位置において外蓋を開位置に開放する。
【0024】
上述した実施態様の全てに共通する本発明の様相は、ホーム位置と作動位置との間でスライド可能なアクチュエータであって、弾性可撓性の飲料口又はストローアセンブリに当接係合することによってホーム位置に付勢されるアクチュエータを提供することである。ここで留意すべきは、飲料口又はストローアセンブリ或いは後に単に口と称するものは、可撓性の導管の形態を有するアセンブリを含む意図であり、この導管を通して、飲料ボトルから飲み物を得ることができ、又乳首のような他の導管も含むアセンブリをも含んでいることを意図している。又、この表現は、ガスケットや例えば通気ベントのような飲料口又はストローアセンブリに関連する他の構成要素をも含んでいる。そのようなアセンブリは、飲んでいる間に飲み物が通るアセンブリの導管というよりも、アクチュエータの当接面に当接する可撓性の突起も含んでいる。
【0025】
以下、閉位置と開位置、又は閉状態と開状態との間で動くように、外蓋が内蓋に接続された、内蓋と外蓋とを備えた取り外し可能な蓋を有する本発明の形態に関連して、更なる説明がなされる。
【0026】
本発明のこれらの形態では、アクチュエータは、適切な方法で、蓋にスライド可能に取り付けられる。本発明の幾つかの形態では、アクチュエータは内蓋の開口内に取り付けられるか又は収容され、押圧面は内蓋の側壁にあるか又は側壁を貫いている。つまり、開口部が内蓋の側壁で開口している、又は側壁を貫いて開口しており、押圧面は内蓋の側壁で指の圧力を受けることができる。当接面を備えたアクチュエータの部分は、開口から延びており、飲料口又はストローアセンブリと当接係合する。
【0027】
アクチュエータは、例えば、比較的直線状又は真っ直ぐな形態を有し、一端に押圧面、他端に当接面を有しており、それによって、アクチュエータは押圧面と当接面との間で長手方向の軸を有し、その長手方向の軸にそって直線運動するように内蓋に取り付けられる。
【0028】
アクチュエータを内蓋に取り付けるために、蓋の開口は、アクチュエータに密に又はぴったり嵌り、アクチュエータはホーム位置と作動位置との間で開口内に導かれる。従って、アクチュエータがホーム位置と作動位置との間で動くにしたがって、アクチュエータと開口の対向する内表面との間で、スライド接触が生じる。飲料口又はストローアセンブリによってアクチュエータに与えられる付勢負荷は、このスライド接触によって生じる摩擦負荷に打ち勝つのに十分でなければならない。
【0029】
アクチュエータは、開口内で回転しないように開口と協働する。本発明の幾つかの形態では、アクチュエータは、開口の内表面に形成された溝、スロット又はチャンネル内に受容するためのレール、アーム又はバーを有するか、又は、開口の一部として形成されたレール、アーム又はバーを受容するための溝、スロット又はチャンネルを有している。或いは、アクチュエータは開口に関して不規則な形状で、又は非円形で形成されており、又は、開口の部分が同様な不規則な形状又は非円形を有するように形成されていて、開口内でのアクチュエータの回転が防止される。
【0030】
上述したように、飲料ボトルの取り外し可能な蓋が内蓋及び外蓋を備えている場合、アクチュエータは、外蓋を閉位置に維持するように外蓋と協働するように配置することができる。アクチュエータと外蓋との協働の配置は、上述したキャッチの配置のように、適切に実施することが可能である。
【0031】
キャッチの配置は、以下のように操作される。アクチュエータがホーム位置にあって飲料口又はストローアセンブリとの係合によってその位置に付勢されており、外蓋が開位置にあり又は少なくとも閉位置にない状態で、外蓋が閉位置に移動すると、外蓋のキャッチがアクチュエータを作動位置の方向に移動させて、それぞれのキャッチが係合位置に移動し、その後は、アクチュエータはホーム位置に戻ってそれぞれのキャッチ間で係合する。この時点で、外蓋は閉位置に維持される。
【0032】
キャッチの配置は、アクチュエータの部分として形成された立上キャッチ(飲料ボトルが直立に立上った状態に関連して)を有する。立上キャッチは、アクチュエータの上面から立ち上がっている。立上キャッチは、外蓋の閉位置において外蓋の対応するキャッチ受容部と相互作用又は協働する側方キャッチ部材を有している。キャッチ受容部は、キャッチ部材を受け入れるための開口又は凹みを備えている。キャッチ部材及びキャッチ受容部の一つ又はそれぞれは、傾斜した又は勾配のある面を有しており、キャッチ部材がキャッチ受容部内に受け入れられる前にそれぞれのキャッチ部材が互いを乗り越すようになっている。
【0033】
キャッチの配置は、他の多くの形態を取ることが出来るであろう。
【0034】
アクチュエータは、蓋内でのアクチュエータの移動を終了させるための一つ以上の当接部をさらに有している。当接部は、アクチュエータがホーム位置に到達したときにアクチュエータの移動が終了するように、蓋の当接面と係合するように配置又は位置付けされている。同様に、アクチュエータが作動位置に到達したときにアクチュエータの移動が終了するように、さらなる当接部が配置又は位置付けされている。アクチュエータの移動をホーム位置及び作動位置のそれぞれで終了させるための当接部を設けることによって、アクチュエータの移動範囲を制限し、又は移動の許容ストロークを制限して、アクチュエータの当接面が飲料口又はストローアセンブリとの永続的又は定常的な接触を維持し、アクチュエータはホーム位置に向かって永続的又は定常的に付勢される。
【0035】
アクチュエータの当接面と飲料口又はストローアセンブリとの接触がホーム位置において永続的又は定常的に維持されることが望ましいが、製造交差が原因で、又は単に飲料ボトルの構成要素が摩耗する時間を超えているのが原因で、ホーム位置での飲料口又はストローアセンブリとの接触が失われるかもしれないことを認識しなければならない。従って、重要なことは、アクチュエータを作動位置に向かって移動させる力を開放した途端に飲料口又はストローアセンブリがアクチュエータをホーム位置に戻すように付勢するように、アクチュエータがホーム位置から作動位置に動くと、アクチュエータは飲料口又はストローアセンブリによって付勢されるということである。
【0036】
本発明の幾つかの形態では、アクチュエータは、異なる方向、好適には反対方向に延びる、蓋の異なる当接面と係合する一対の当接部を備えている。この配置は、ホーム位置においてアクチュエータの移動を終了させる当接部に最も関連している。その理由は、もし飲料ボトルが例えば落とされたり、又は突然衝撃を被ったとき、アクチュエータの当接部の一方が当接面から移動しても他方の当接部は他方の当接面と当接係合を維持する為、アクチュエータはホーム位置においてその位置を維持するからである。この例では、もし一つの当接部のみが備えられて、その当接が当接面から移動した場合、アクチュエータは蓋から完全に外れて、恐らく紛失するか損傷するであろう。
【0037】
アクチュエータは、押圧面に隣接して当接部を有することができる。この当接部は、適切な如何なる形状も取ることができ、例えば、アクチュエータが作動位置にあるときに蓋の対抗面と係合するリップであるか又はリップを有することができる。アクチュエータが先に記載した立上キャッチを有する場合、アクチュエータが作動位置にあるときに立上キャッチは蓋の表面と係合する。これは、押圧面に隣接して設けられたリップに付加したものである。
【0038】
出願人は、操作上で有利になる特定の構造を有するアクチュエータを開発した。アクチュエータの一つの形態では、アクチュエータは要求された押圧面、及び当接面を有し押圧面から離れた箇所に形成された従属本体を有している。アクチュエータの別の形態では、アクチュエータは要求された押圧面、及び距離の離れた一対の足を備えた二つの従属構成要素を有している。足はほぼ同じ方向に押圧面から離れて延びている。足の一つ又はそれぞれは、飲料口又はストローアセンブリと当接係合する当接面を有している。当接面は、足の一つの端部に形成されるか、又はそれぞれの足の端部に形成されており、押圧面から離れている。足の一つ又はそれぞれの足で形成された当接面は、僅かに凸条に湾曲しており、飲料口又はストローアセンブリの表面との面係合が増えるようになっている。当接面がそれぞれの足の端部に形成されている場合、当接面はギャップで区切られた二つの部分に形成されており、そのギャップは一対の足の間の空間で形成される。足は、足の間の中央線に関して左右対称をなしている。足は、蓋の当接面に当接するための当接部を有しており、アクチュエータがホーム位置にあるときにアクチュエータをホーム位置に位置付けるようになっている。
【0039】
アクチュエータは、又、要求された押圧面、及び一対の側足と中間本体とを備えた三つの従属本体を有している。その中間本体と側足とは、ほぼ同じ方向に押圧面から離れて延びている。側足は、中間本体が側足の間の中央になるように、中間本体に関して左右対称を成しているが、それは必須ではない。
【0040】
アクチュエータの上記形態では、本体は、飲料口又はストローアセンブリと当接係合するための当接面を有している。その当接面は、本体の端部に形成され押圧面から離れている。当接面は僅かに凸条に湾曲しており、飲料口又はストローアセンブリの表面との表面係合が増えるようになっている。側足は本体から距離が離れており、側足は蓋の当接面と当接するための当接部を有し、アクチュエータがホーム位置にあるときにアクチュエータをホーム位置に位置付けるようになっている。
【0041】
上記配置のそれぞれにおいて、足は屈曲動作のための配置がなされており、アクチュエータが蓋に挿入されるとき、足は弛緩又は静止位置から内側に曲がり、一旦挿入されると、足は弛緩又は静止位置に戻り、足の当接部は蓋の当接面と当接係合し、足又は本体の当接面は飲料口又はストローアセンブリと当接係合する。従って、飲料口又はストローアセンブリはアクチュエータをホーム位置に向かって付勢し、足の当接部を蓋の当接面と当接係合するように付勢する。アクチュエータのこの形態は、上述した種類のキャッチの配置を有することができる。
【0042】
アクチュエータの上述の形態では、足は、蓋に形成された開口内のような蓋の内表面に形成された溝、スロット又はチャンネルに少なくとも部分的に捉えられ、アクチュエータを受け入れて、ホーム位置と作動位置とのスライド移動の間アクチュエータを導くようになっている。
【0043】
飲料口又はストローアセンブリは、内蓋から延びる飲み部を有しており、人はその飲み口から飲み物を飲み、又その飲み口は、外蓋が閉位置にあるときに内蓋と外蓋との間に捉えられる。飲料口又はストローアセンブリの飲み口は、外蓋の閉位置においてつぶれ、アクチュエータの作動により外蓋が閉位置から解放されると、飲み口の弾性可撓性が作用して、外蓋を開位置に駆動又は移動させるようになっている。外蓋は、飲み口のつぶれた状態からの弾性復帰の結果、開位置に跳ね上げられる。
【0044】
上述の説明は、飲料ボトルの飲料口又はストローアセンブリに当接係合する当接面を有するアクチュエータの使用、及び、内蓋と外蓋との両方を有する飲料ボトルの開閉においてその配置が使用される仕方を示している。しかしながら、本発明は、容器の(あらゆる形態の)蓋の飲料ボトルの容器への固定、飲料ボトルの通気、フィジットとしての動作、及び飲料ボトルの蓋の部分として形成される容器の閉じ機構部分の形成に関連して、上述外に適応できることも認識すべきである。
【0045】
本明細書中における液体の参照は、ストロー又は口を通して吸い上げることができる低粘性又は高粘性の飲むことが可能な液体を含む意図であることも認識すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明がより十分に理解されるように、幾つかの実施態様が図面を参照に記載される。
【0047】
[図1]本発明の一つの実施態様に従った飲料ボトルの斜視図であり、飲料ボトルの蓋が閉位置にある。
【0048】
[図2]飲料ボトルの蓋が開位置にある図1の飲料ボトルの斜視図である。
【0049】
[図3]図1及び2の飲料ボトルの分解図である。
【0050】
[図4]前図の蓋の断面図であり、アクチュエータがホーム位置にあることを示している。
【0051】
[図5]前図の蓋の断面図であり、アクチュエータが作動位置にあることを示している。
【0052】
[図6]前図の蓋の断面図であり、外蓋が図4及び5の閉位置から一部開位置に移行している。
【0053】
[図7a-図7b]本発明に従った飲料ボトル用アクチュエータの斜視図であり、上から見た図と下から見た図である。
【0054】
[図7c]図7a及び7bのアクチュエータの底面図である。
【0055】
[図7d-図7e]図7a及び7bがホーム位置及び作動位置の間にあることを示す平面図である。
【0056】
[図8a-図8b]本発明に従った飲料ボトル用アクチュエータの斜視図であり、上から見た図と下から見た図である。
【0057】
[図8c]図8a及び8bのアクチュエータの底面図である。
【0058】
[図8d-図8e]図8a及び8bがホーム位置及び作動位置の間にあることを示す平面図である。
【0059】
[図9]本発明の蓋の更なる形態の断面図であり、外蓋が開位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0060】
詳細な説明
図1及び2は、本願の一つの実施態様に従った飲料ボトル10の斜視図を示している。飲料ボトル10は、図1ではボトル10の蓋11が閉状態であり、図2では蓋11が開状態で示されている。図3は、飲料ボトル10が分解図で示されている。
【0061】
飲料ボトル10は、使用時には飲料を目的とした流体を含む容器12を有する。図3に示されるように、容器12は開放端13を有しており、蓋11はねじ螺合配置により開放端13に取り外し可能である。蓋11と開放端13との間に挿入されるのが、弾性を有する可撓性飲料口即ちストローアセンブリ14(以後、飲料口と呼ぶ)であり、円形ガスケット15、中空ネック16、及び中空の飲み部17を有している。ガスケット15は、開口端13の密閉面と蓋11との間に挟まれて、飲料ボトル10が組み立てられたときに容器12と蓋11との間が液体封止される。これにより、容器12から蓋11に移動する液体は、ネック16を通って飲み部17まで漏れなく通り抜ける。
【0062】
蓋11は、内蓋20と外蓋21とを有する。内蓋20と外蓋21とはそれぞれヒンジ形式の接続22によって接続される。
【0063】
内蓋20は、飲料口14のネック16を受け入れて密閉する開口25を有する。飲料口14の弾性可撓性は、飲料口14が、開口25に押し通されて内部に係合されることによって内蓋20に組み入れられ、それによって飲料口14が内蓋20に対して定位置に固定されることを示している。従って、ネック16は開口25内にぴったり嵌り、開口25とネック16のそれぞれの形状は相補的である。
【0064】
図2に示されるように、外蓋21はヒンジ22の周りに図2に示される開位置まで回動可能であり、そして同様に図1に示される閉位置まで戻ることが可能である。後述するように、外蓋21は、アクチュエータ26(図3参照)に関連する適切なキャッチ機構によって、図1の閉位置に維持される。アクチュエータ26は、内蓋20内に取り付けられて、図1及び2に示されたホーム位置と作動位置(後述)との間でスライド動作ができる。ホーム位置では、図1に示されるように、外蓋21は内蓋20に対して閉位置に固定される一方、アクチュエータ26を作動位置まで内側に動かすと、外蓋21は開放されて図2に示されるように開位置に移動する。ホーム位置と作動位置間の移動のために、アクチュエータ26は押圧面27を有しており、指の圧力により図1及び2に示されたホーム位置から内側に押すことができるようになっている。
【0065】
後で明らかになるが、飲み部17は、蓋11が図1の閉位置にあるとき、内蓋20と外蓋21との間の空間に捉えられる。しかしながら、アクチュエータ26の内側への動きによって(外蓋21が閉位置に維持されないように)外蓋21は内蓋20への維持から解放されると、飲み部17の弾性可撓性により、外蓋21が持ち上げられ又は移動してヒンジ22の周りで図2で示される開位置まで回動する。飲み部17の弾性により、アクチュエータ26が一旦外蓋21を開放すると外蓋21は跳ね上がり、外蓋21を手動で開位置まで回動する必要はない。
【0066】
外蓋21が開位置から閉位置まで反対方向に回転すると、外蓋21は飲み部17をつぶすが、このため、外蓋21は飲み口17と係合して押し付ける内柱28を有している。内柱28の自由端29は凸状に湾曲しており、飲み口17がつぶれると飲み口17を中央に位置付けて、飲み口17が自由端29との係合からスライドして外れないようになっている。
【0067】
飲料ボトル10の重要な側面は、アクチュエータ26が、蓋11の開状態及び閉状態のそれぞれにおいて、飲料口14のネック16の表面に直接に係合することであり、永続的又は定常的な接触又は係合によって、アクチュエータ26は図1及び2のホーム位置に向かって永続的に又は定常的に付勢されていることである。さらに、アクチュエータ26の内方向のスライド動作はその係合によって妨げられており、アクチュエータ26に与えられる付勢はアクチュエータ26をホーム位置まで戻すようになっている。従って、押圧面27に与えられる指の圧力は、アクチュエータ26を内蓋20の内側に移動することができるが、一旦その圧力が解放されると、アクチュエータ26は、押された又は移動させられた元の位置(ホーム位置)まで戻る。上述したように、この配置は、飲料ボトル10にアクチュエータ26に作動する別個のばね部を必要としない点、及びアクチュエータ26は回動動作用と一緒に接続される何らかの一対の別個の構成要素から形成されていないという点で、従来技術の配置と比較して比較的単純である。
【0068】
アクチュエータ26の操作が発生する機構が、飲料ボトル10の蓋11及び蓋11に接続される容器12の上部のみが示されている図4から6に詳細に示されている。図4及び5には、閉状態の蓋11が示されている一方、図5には開状態の蓋11が示されている。従って、図4及び5では、飲料口14の飲み口17がつぶれて、内蓋20と外蓋21との間の空間に捉えられている。
【0069】
アクチュエータ26は内蓋20内にスライド可能に取り付けられており、アクチュエータ26は外蓋21が閉状態又は開状態にあるにかかわらず、内蓋20内に維持される。図4から6では、アクチュエータ26が捉えられている開口の下部面及び上部面が示されている。アクチュエータ26の側端が、蓋11に形成された溝、スロット又はチャンネルに捉えられる。従って、図3に示されるように、アクチュエータ26は内蓋20の開口30内に受容され、かつ開口30内にスライド動作するように取り付けられる。開口30は、内蓋21の側壁で開口している、又は内蓋21の側壁を貫いて開口しており、押圧面27は指の圧力の付与が可能になっている。
【0070】
アクチュエータ26の端部35は、飲料口14の面と当接係合するための当接面を形成している。図3では、飲料口14の面がネック16の前面36である。図4で示されるように、アクチュエータ26の当接面35はネック16の前面36に面しているが、その面から若干離れている。図5では、アクチュエータ26が指の圧力の下で移動しており、面36と当接している。この当接は、開口30内におけるアクチュエータ26の内方向の動きを妨げる。
【0071】
図4では、図面における飲料ボトル10及び蓋21の方向付けで示されているように、アクチュエータ26の本体41の上部面から立ち上がっている立上キャッチ38を有しており、さらに側方キャッチ部材39を有していることが示されている。同様に、外蓋21はキャッチ受容部40を有しており、図4に示されているように、キャッチ部材39とキャッチ受容部40とは外蓋21の閉位置において相互作用して外蓋を閉位置に維持する。キャッチ部材39とキャッチ受容部40との間の協働係合は、アクチュエータ26の当接面35と飲料口14の前面36との係合を通じて、飲料口14によってアクチュエータ26に与えられる付勢又は負荷により促進される。その係合は、キャッチ部材39とキャッチ受容部40との間の協働を維持するようになっている。例えば、図4では、キャッチ部材39をキャッチ受容部40から外す方向に、アクチュエータ26を動かすと、アクチュエータ26の当接面35は飲料口14のネック16と係合して外れることが妨げられる。
【0072】
図5では、押圧力がアクチュエータ26の押圧面27に与えられ、アクチュエータ26が内蓋20及び外蓋21に対して内側にスライドしている。押圧力は通常、飲料ボトル10から飲み物を飲みたい人の親指によって与えられるが、勿論、何れの指でも圧力を与えることが出来るし、指が利用できない場合は異なる手段で圧力を与えてもよい。
【0073】
図5では、アクチュエータ26の内側への動きは、キャッチ受容部40と協働するキャッチ部材39を移動させる。さらに、アクチュエータ26の内側への動きは、飲料口14の面36に抗して当接面35を内側に移動させ、そしてアクチュエータ26のその動きによって、ネック16は目に見える形で変形する。飲料口14の弾性変形は、当接面35を通して、アクチュエータ26に与えられる付勢負荷を大きくし、アクチュエータ26をホーム位置に戻すように押圧するようになる。
【0074】
キャッチ部材39がキャッチ受容部40から外れる結果として、外蓋21は開放されて、図6に示されるようにヒンジ22の周りに開位置まで回動する。この回動の動きは、飲料ボトル10を使用している人が外蓋21を上げることによって手動でなされるか、又は、図4及び5のつぶれた状態からの飲料口14の飲み部17の弾性回復によって、外蓋を閉位置に維持する力又は負荷がない為、外蓋21を強制的に開放にする。実際、外蓋21を閉位置に維持するような負荷が全くないと、側方キャッチ部材39がキャッチ受容部40から外れた途端、外蓋21は飲み部17の弾性回復の下で開放に跳ね上がり、図6に示されるように、飲み部が使用できるように現れる。
【0075】
出願人は、異なる構造を有する異なるアクチュエータを開発した。第一の形態のアクチュエータ26は、既に図3に関連して記載されてきた。アクチュエータ26は、押圧面27、端部35に形成された当接面、そして本体41から立ち上がる立上キャッチ38を有している。本体41は単一の構成要素であり、本体41の側面は、蓋の内面に形成された溝、スロット又はチャンネルに少なくとも部分的に捉えられて、ホーム位置及び作動位置との間でスライド移動する間においてアクチュエータを導く。構造上でアクチュエータ26と異なる二つの異なる形態のアクチュエータが図7aから7d及び図8aから8dに示されている。
【0076】
図7aから7bに示されたアクチュエータ45は図1及び2に示されたアクチュエータ26と同等であり、押圧面46、一対の側足47及び中央本体48を有している。押圧面46から離れて、中央本体48は、飲料口14のネック16の前面36と係合する凸状に湾曲した自由端49を有する。
【0077】
さらに、押圧面46から離れて側方に延びる当接部50が位置しており、図7d及び7eに示されるように、内蓋20の当接面51の上に載るように側方に延びている。この点で、側足47の部分は、内蓋20の内側に形成されたチャンネル内に捉えられて、ホーム位置と作動位置との間におけるアクチュエータ45のスライド移動を導く。当接部50はこれらのチャンネル内に捉えられないので、図7dに示されているようにアクチュエータ45がホーム位置にあるとき、当接部50は端面(チャンネルの当接面51)に当接する。さらに、アクチュエータ45は、押圧面46に隣接し内蓋20の当接面53に対向するリップ52を有しており、図7d及び7eから容易に明らかなように、アクチュエータ45の移動は、当接部50と当接面51及びリップ52と当接面53との間のそれぞれの係合間で限定される。
【0078】
図7d及び7eは、本体48と飲料口14のネック16との相互作用又は協働を示している。図7dでは、アクチュエータ45はホーム位置にあるので、リップ52は当接面53と係合する。当接部50は当接面51から離間している。ネック16は円柱形状であり、本体48の当接面49との圧接によっては比較的に非変形である。つまり、ホーム位置では、当接面49とネック16との間ではわずかな係合のみなので、本来のネックの円柱形状は大きく変形されることはない。しかしながら、図7eでは、アクチュエータ45は内側に押されているので、アクチュエータ45が作動位置にあり、リップ52は当接面53から離間し、当接部50は当接面51と係合している。この係合により、アクチュエータ45の更なる内側への移動が終了する。
【0079】
アクチュエータ45の内側への移動はネック16の弾性変形を生じさせるので、ネック16はもはや円柱形状ではない。ネックは、アクチュエータ45に与えられる押圧力に抗して、アクチュエータ45をホーム位置方向に付勢する。
【0080】
図7d及び7eは、当接部50が側足47の側面55よりも長く側方に延びていることから、当接部50が、側足47がスライド移動によって捉えられる内蓋20のチャンネル20を通過するように、側足47が内側に曲がることが必要なことを示している。従って、側足47をチャンネルに挿入するために、側足47は弛緩又は静止位置から内側に曲がり、そして一端挿入されると、当接部50は当接面51と対応する関係となって、側足47はその弛緩又は静止位置に戻る。この配置によって、アクチュエータ47は限定的なスライド移動のために、蓋20に適切に捉えられる。
【0081】
図8aから8eは、押圧面56及び一対の足57を有する代替えのアクチュエータ55を示している。足57の自由端58及び59は、先の図面の飲料口14のネック16の前面36に当接するための当接面を形成している。各足57の自由端には当接部60が形成されており、又、キャッチ38と同様の形状を有するキャッチ62が設けられている。
【0082】
図8aから8cから明らかなように、アクチュエータ55は図7aから7cのアクチュエータ45とは異なる形状を有している。それにも関らず、アクチュエータ55は、アクチュエータ45と同様に有効に動作する。図8dでは、アクチュエータ55はホーム位置にあり、当接部60が内蓋20の当接面61に当接している。アクチュエータ45の側足47と同様に、足57は蓋20の内側に形成されたチャンネル内に捉えられ、アクチュエータのホーム位置及び作動位置との間のスライド動作を導く。
【0083】
アクチュエータ55は、飲料口14のネック16との当接係合により、ホーム位置に付勢される。この付勢は、足57の当接面58及び59とネック16の対向面との間の当接係合によって生じる。
【0084】
アクチュエータ55は、当接部60を当接面61から移動させるために、図8eに示されるように押圧面56に与えられる指の圧力によって内側に押されることが可能である。この内側への動きによって図8eに示されるようにネック16は変形し、ネック16の付勢力は増大する。
【0085】
アクチュエータ55は、概ねアクチュエータ45と同様に動作するが、アクチュエータ55は、図7d及び7eに示された当接面53と係合するリップ52を有していない点が異なる。それに対して、アクチュエータ55の内側への動きは、立上当接部63と内蓋20の内側当接部との間の当接係合によって制限されている。
【0086】
飲料ボトルの更なる代替えの形状が図9に示されている。図9では、容器12に取り付けられた蓋65の配置が示されており、内蓋66及び外蓋67を有している。内蓋66は従前の記載と同様な飲料口14を収容する。内蓋66と従前に記載の内蓋20との主な違いは、内蓋66がアクチュエータ68を収容する開口を有していないことである。図9では、内蓋66が底面69を有しており、アクチュエータ68がその底面69の上をスライドすることが見て取れるが、内蓋20の開口30に従ったアクチュエータ68の上部に亘る上面を有していない。しかし、アクチュエータ68の側部は、蓋の内側面に形成された溝、スロット、又はチャンネルに少なくとも部分的に捉えられ、アクチュエータのホーム位置と作動位置との間のスライド移動を導く。
【0087】
図面に示された飲料ボトルは全て、飲料ボトルの機能を作動させるためのアクチュエータを有しており、図の示す特定の機能は、閉状態では外蓋を内蓋に接続されたままに維持し、又は開状態では外蓋を内蓋から解放するということである。その機能に重要なのは、アクチュエータが、飲料ボトルの口又はストローアセンブリと当接係合する当接面を有しているということであり、ホーム位置から作動位置へのアクチュエータの移動によって、口又はストローアセンブリが弾性変形し、又アクチュエータの弾性変形によりアクチュエータはホーム位置に付勢されるということである。図面の飲料ボトルのこの重要な特徴は、本願の全ての形状に共通である。この特徴は、飲料ボトルの複雑さの軽減において有利な点を提供すると考えられる。
【0088】
本明細書(特許請求の範囲を含めて)において、如何なる又は全ての“構成する"(comprise)、"構成する"(comprises)、"構成された"(comprised)、"構成している"(comprising)という用語が使用されている場合、それらは記載された特徴、整数、段階、又は構成要素の存在を特定するように解釈されるべきであり、しかし一つ又は多くの他の特徴、整数、段階、又は構成要素の存在を排除しないものと解釈されるべきである。
【0089】
当業者であれば、ここに記載された発明は、明確に記載された発明以外の変形及び修正が可能であることがわかるであろう。本発明の精神及び範囲内にあるそのような全ての変形及び修正は本発明に含まれることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9
【国際調査報告】