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特表2022-539967時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計
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  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図1
  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図2
  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図3
  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図4
  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図5
  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図6a
  • 特表-時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計 図6b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】時計のムーブメント用振動子及びそのような振動子を備えた時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 29/02 20060101AFI20220907BHJP
   G04B 29/04 20060101ALI20220907BHJP
   G04B 45/02 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G04B29/02 Z
G04B29/04 Z
G04B45/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572393
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 IB2020055879
(87)【国際公開番号】W WO2021001722
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】00871/19
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515185739
【氏名又は名称】ソプロッド・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】シャトラン・クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ギゴン・セバスチャン
(57)【要約】
【課題】バランスとヒゲゼンマイを備える機械式時計の振動子を改良する。
【解決手段】本発明は、
時計の枠上に旋回可能に取り付けられていることが意図された天真(18)と、
天真(18)に固定されているバランス(12)と、
天真(18)に固定されている内側端部(14a)と、接続部材(16)を前記枠に接続することが意図された外側端部(14b)とを備えるヒゲゼンマイ(14)と、
脱進機と相互作用する伝達部材(20、22)と
を備え、
バランス(12)とヒゲゼンマイ(16)が、伝達部材のいずれか両側に配置されている、天輪ヒゲゼンマイ振動子(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計の枠上に旋回可能に取り付けられていることが意図された天真(18)と、
天真(18)に固定されているバランス(12)と、
天真(18)に固定されている内側端部(16a)と、接続部材(17)を前記枠に接続することが意図された外側端部(16b)とを備えるヒゲゼンマイ(16)と、
脱進機と相互作用する伝達部材(20、22)と
を備える、バランスヒゲゼンマイ振動子(10)において、
バランス(12)とヒゲゼンマイ(16)は、伝達部材のいずれかの側に配置されていて、
伝達部材は、脱進機のアンカーと協働することを意図したペグ(22)を備える二重円盤(20)の形態であることを特徴とする、バランスヒゲゼンマイバネ振動子(10)。
【請求項2】
バランス(12)とヒゲゼンマイ(16)は、それぞれ天真(18)の第1端と第2端(18a、18b)に取り付けられている、請求項1に記載の振動子。
【請求項3】
ヒゲゼンマイ(14)の内側端部(14a)は、天真(18)の第2端部(18b)に取り付けられたコレット(28)に固定されている、請求項1又は2に記載の振動子。
【請求項4】
コレット(28)と伝達部材(20、22)との間の天真(18)に間座(26)が取り付けられている、請求項1に記載の振動子。
【請求項5】
間座(26)は、伝達部材と一体に形成されている、請求項4に記載の振動子。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の振動子を備えた、時計のムーブメント。
【請求項7】
板(80)を備え、振動子(10)が、バランス(12)とヒゲゼンマイ(16)が板(80)のいずれかの側部に配置されるように時計のムーブメントに取り付けられている、請求項6に記載の時計のムーブメント。
【請求項8】
板(80)が切り欠き部(81)を備えた、請求項7に記載の時計のムーブメント。
【請求項9】
文字盤(70)を備え、バランス(12)が文字盤(70)と同じ高さ又は文字盤(70)より上に配置されている、請求項7又は8に記載の時計のムーブメント。
【請求項10】
板(80)の上部に、全体的に配置されたストップセコンド装置を備えた、請求項7から9のいずれか一項に記載の時計のムーブメント。
【請求項11】
ストップセコンド装置は、
板(80)の上部に取り付けられていて、巻き取り機構軸(40)に沿って動くように配置された摺動ピニオン(46)と協働するように配置されたレバー部(52)を備える揺動部(50)と、
天輪(13)の周辺の一部と協働するように配置された係合部(56)と
を備え、
前記レバー部(52)と係合部(56)が揺動部(50)の旋回軸のいずれかの側部に配置されている、
請求項10に記載の時計のムーブメント。
【請求項12】
揺動部(50)のレバー部分(52)の遠位端は、巻き取り機構の引き抜き片(42)と協働するように配置されていて、引き抜き片(42)は巻き取り機構軸(40)が、時刻設定位置に相当して第1軸方向位置から第2軸方向位置に作動されるときに旋回するものであり、
引き抜き片(42)の旋回は、一方で、バランス(12)が動かないようにすべく、係合部分(56)の遠位端が、バランス(12)の天輪(13)の周辺の一部に当接するように、その旋回軸の周りで回転して揺動部(50)を作動させて、他方で、前記ムーブメントを正確な時刻に設定するため針を制御すべく、摺動ピニオン(46)が設定輪及び文字盤歯車列にかみ合う、
請求項11に記載の時計のムーブメント。
【請求項13】
請求項6から12のいずれか一項に記載の時計のムーブメントを収容する時計ケースを備えた時計であって、
バランス(12)が文字盤(70)の高さ又は文字盤(70)より上に配置されていて、ゼンマイヒゲ(16)が前記時計ケースの背面に向かって配置された、前記時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計のムーブメント用のバランスとヒゲゼンマイ型(てんぷ)の振動子、この種の振動子を備える時計のムーブメント、及びそのような時計のムーブメントを備える時計に関する。本発明はまた、振動子と協調するように配置されたストップセカンド(ハック)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
時計の文字盤に対する配置が従来の振動子とは異なって、時計の独特の見栄えとなっている振動子が既にいろいろある。
【0003】
例えば、特許文献1(CH713649)は、少なくとも可動部材と、可動部材が、(天輪を含む)バランスとヒゲゼンマイ型(てんぷ)の緩急部材の一部である隠し装置によって隠される閉位置と、ヒゲゼンマイが完全に見える開位置との間で移動させる制御機構とを有する隠し装置を備える時計を開示している。可動部材は、閉位置にあるとき、バランスとヒゲゼンマイの間に配置されている。隠し装置は、可動部材が閉位置にあるときにバランスのみを表示するように構成されている。そのために、バランスとヒゲゼンマイは、可動部材が閉位置にあるときに可動部材のいずれかの側に配置するのに十分な軸方向距離だけ分離されるように、天真に取り付けられている。
【0004】
特許文献2(EP0520218)は、バランスとヒゲゼンマイ型の振動子が配置され、振動子が実質的に文字盤の平面内に配置される開口部を備えた文字盤を備える時計を開示している。
【0005】
特許文献3(DE202012002284U1)は、ヒゲゼンマイ、脱進機、及びトゥールビヨン枠に取り付けられた脱進機を備えるトゥールビヨン機構が取り付けられた円形開口部を備えた文字盤を備える時計を開示している。表示の針は、文字盤の高さの円形の開口部の内側で回転して駆動されるように、枠に固定されて取り付けられている。トゥールビヨン機構は、バランスとヒゲゼンマイが文字盤の上に持ち上げられていて、表示針の上で振動するように構成されている。
【0006】
さらに、正確な時間設定用に秒針を停止する役割を持つストップセコンド機構が多数ある。
【0007】
例えば、特許文献4(EP1422579)は、板の上部に配置された第1部分と、第1部分に直交して上部板を通過していることでバランスの天輪と接する第2部分とを備えるレバーを備える時間設定システムを開示している。
【0008】
そのことにかかわらず、このシステムは、ムーブメント内のバランスの位置によって決定されるレバーの形状のために、時計のムーブメントには統合困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】スイス国特許発明第713649号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0520218号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202012002284号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1422579号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの課題は、独自の代替構造を有するバランスとヒゲゼンマイ型の振動子を提案することである。
【0011】
本発明の別の課題は、バランスの位置がストップセコンド装置の構造を単純化できるようにする時計のムーブメントを提案することである。
【0012】
本発明の別の課題は、時計が元の視覚的外観を有するように配置された振動子を備える時計を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの課題は、バランスヒゲゼンマイ型の振動子で達成される。本発明の1観点によると、前記振動子は、
時計の枠上に旋回可能に取り付けられていることが意図された天真と、
天真に固定されているバランスと、
天真に固定されている内側端部と、接続部材を前記枠に接続することが意図された外側端部とを備えるヒゲゼンマイと、
脱進機と相互作用する伝達部材と
を備える。バランスとヒゲゼンマイは、伝達部材のいずれかの側部に配置されている。
【0014】
1実施形態によると、バランスとヒゲゼンマイは、それぞれ天真の第1端と第2端に取り付けられている。
【0015】
1実施形態によると、伝達部材は、脱進機のアンカーと協働することが意図されたペグを備えた二重円盤の形態である。
【0016】
1実施形態によると、ヒゲゼンマイは、天真の第2端部に取り付けられたコレットに固定されている。
【0017】
1実施形態によると、間座が、コレットと伝達部材との間で天真に取り付けられている。
【0018】
本発明の1観点は、先述の振動子を備えた時計のムーブメントである。
【0019】
1実施形態によると、時計のムーブメントが板を備え、バランスとヒゲゼンマイが前記板のいずれかの側部に配置されるように、振動子が時計のムーブメントに取り付けられている。
【0020】
1実施形態によると、時計のムーブメントは、文字盤と、文字盤側の板の上部に全体が配置されたストップセコンド装置とを備える。
【0021】
1実施形態によると、ストップセコンド装置が、
板の上部に取り付けられていて、巻き取り機構軸に沿って動くように配置された摺動ピニオンと協働するように配置されたレバー部を備える揺動部と、
天輪の周辺の一部と協働するように配置された係合部と
を備え、
前記レバー部と係合部が揺動部の旋回軸のいずれかの側部に配置されている。
【0022】
1実施形態によると、揺動部のレバー部分の遠位端は、巻き取り機構の引き抜き片と協働するように配置されている。引き抜き片は巻き取り機構軸が、時刻設定位置に相当して第1軸方向位置から第2軸方向位置に作動されるときに旋回するものである。引き抜き片の旋回は、一方で、バランスが動かないようにすべく、係合部分の遠位端が、バランスの天輪の周辺の一部に当接するように、その旋回軸の周りで回転して揺動部を作動させ、他方で、前記ムーブメントを正確な時刻に設定するため針を制御すべく、摺動ピニオンが設定輪及び文字盤歯車列にかみ合うようにする。
【0023】
本発明の1観点は、先述の時計のムーブメントを収容する時計ケースを備えた時計に関する。バランスは、文字盤と同じ高さに配置されている一方、ヒゲゼンマイは時計ケースの背面に向かって配置されている。
【0024】
本発明の例示的な実施形態は、以下の添付の図によって示される説明に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の1実施形態による、バランスとヒゲゼンマイ型の振動子の斜視図を示す。
図2図2は、図1の振動子の天真のレベルでの断面図を示す。
図3図3は、図1の振動子を備えた文字盤を備えた時計のムーブメントの斜視図を示す。
図4図4は、文字盤なしの図3と同様のビューを示す。
図5図5は、振動子の高さでの時計のムーブメントを下から見た部分図である。
図6a図6aは、非動作構成のストップセコンド装置を備える時計のムーブメントの板の上部の一部の斜視図を示す。
図6b図6bは、秒停止装置が作動したときの図6aと同様の視点を表す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び図2に示されるように、振動子10は、バランス12と、ヒゲゼンマイ16と、天真18を備える。バランス12は、天輪13と、ハブ15と、天輪13をハブに接続する複数の腕部14を備える。バランス12のハブ15は、バランス12のその回転軸に垂直な平面内での振動を確実にするために、天真18の第1端部に、天真18の第1区間18aの高さで、肩部24に対して取り付けられる。
【0027】
ヒゲゼンマイ16は、天真18の第2端部に、天真18の第2区間18bの(高さ)レベルに取り付けられる。ヒゲゼンマイの内側端部16aは、コレット28に固定される。コレット28は、第1直径を有する第1部分26aと、第1直径よりも大きい第2直径を有する第2部分26bとを備える間座26により、天真18の第2区間18b上に取り付けられている。
【0028】
コレット28は、例えば、ドライブ又はリベット止めによって、間座26の第1部分26aに取り付けられ、一方、間座26の第2部分26bは、コレット28と天真18に固定された伝達部材との間に配置される。この伝達部材は、好ましくは、時計のムーブメントの実行を調整するために脱進機(図示せず)と協働することを意図したペグ22を備える二重円盤20の形態である。1実施形態によれば、間座26は、伝達部材と一体的に形成される。図1及び図2の実施形態では、バランス12とヒゲゼンマイ16は、伝達部材のいずれかの側に配置されている。言い換えると、伝達部材とヒゲゼンマイ16は、バランス12の同じ側部にある。
【0029】
図3から図5は、板80を備える時計のムーブメントを示している。振動子は、ヒゲゼンマイ16とヒゲゼンマイ16が板80のいずれかの側に配置されるように時計のムーブメントに取り付けられている。ヒゲゼンマイは板80の表示側に配置され、ヒゲゼンマイは板80の反対側(裏側)に配置されている。図3の例では、時計のムーブメントは文字盤70で構成されている。バランス12が文字盤70の高さ、例えば、文字盤70上に作成された円形開口部72に配置されるように、振動子10は時計のムーブメント内に取り付けられている。バランス12は、文字盤70の上に等配置してよい。ヒゲゼンマイ16は、その一部が板の反対側に配置される。例えば、ヒゲゼンマイ16は、ムーブメントが時計の時計ケースに組み込まれるときに、時計ケース(図示せず)の裏側の側面に配置されるように配置されている。1つの変形によれば、時計は、文字盤を持たないか、又はムーブメントのバランスを部分的にのみ囲むように円弧の形をした切り欠きを備えた部分的な文字盤のみを有する。
【0030】
天真18の端部は、第1及び第2バランス橋部30、36にそれぞれ配置された第1及び第2支承部(図示せず)に取り付けられ、これらはそれぞれ板80の、文字盤側と裏側に取り付けられている。第1バランス橋部30の端部は、2本のねじ34によって板80に取り付けられている。これらのねじはまた、第1バランス橋部30の端部と板80との間に配置された2つの取り付け円筒部33にねじ込まれている。取り付け円筒部33の高さは、振動子10のバランス12が文字盤70の高さの開口部72に配置されるように調整されている。振動子10を構成する時計のムーブメントの美的外観を改善するため、装飾は、文字盤側の第1バランス橋部30に機械加工してよいことに留意されたい。
【0031】
図5に示されるように、第2バランス橋部36は、ヒゲゼンマイ16の外側端部に固定されているヒゲゼンマイスタッド17(ひげ持ち17)が取り付けられたヒゲゼンマイ支持部38を備える。緩急部組立体システムもまた、第2バランス橋部36に取り付けられる。緩急部組立体システムは、品質管理中に実行中の不一致を修正するためにヒゲゼンマイ16の有効長を調整する緩急部39を備える。そのために、緩急部39は、ヒゲゼンマイ16の1区間が配置されるスロットを備えたラグ39aを支持する腕部を備える。緩急部39は、潤滑と摩擦で第2バランス橋部36に調節される。図4及び図5に示されるように、板80は、ムーブメントに取り付けられたときに振動子10が通過可能な切り欠き部81を備えている。切り欠き部81は、形状が半円形で板80の周囲で空いているが、同様に、ムーブメント内で振動子10を組み立てるのに適切な他の任意の形状を有し得る。
【0032】
図6a及び図6bに示されるように、時計のムーブメントは、時計のムーブメントの巻き取り機構軸40と協働するストップセコンド装置を備える。ストップセコンド装置は、上部板80の文字盤側に作成された削り溝部59に配置されるという利点を有する揺動部50を備え、この溝部は、ストップセコンド装置を時計のムーブメントに容易に統合可能にする。
【0033】
揺動部50は、削り溝部59内の突起58を中心に旋回可能に取り付けられている。この揺動部は、2つの別個の部品、巻き取り機構軸40及び係合腕部56と協働するように配置されたレバー52を一緒に結合することによって作成される。係合腕部56は、その遠位端に、ストップセコンド装置が作動されたときにバランス12の天輪13の周囲の一部に当接するように配置された阻止フィン57を備えている。
【0034】
係合腕部56は、レバー52が配置されている平面に平行な平面内で揺れるように、揺動部50のレバー52に接続されている。そのために、間座60がレバー52と係合腕部56との間に取り付けられ、係合腕部の阻止フィン57がバランス12と同じ高さになる。さらに、係合腕部56及び揺動部50のレバーは、揺動部50が回転する突起58のいずれかの側に配置され、それらの間に30°から60°の間の角度を形成する。1つの変形例によれば、揺動部50は、係合部分とレバー部分とを備える一体に形成されている。1実施形態によれば、間座60は、レバー52及び係合腕部56と一体的に形成される。
【0035】
揺動部50のレバー52は、時計のムーブメントが動いているときに、巻き取り機構ピニオン44に対して配置された摺動ピニオン46と係合する。レバー52の遠位端は、時計のムーブメントの巻き取り機構の引き出し片42と協働するように配置された指部54を備える。引き抜き片42は、巻き取り機構軸40が、時間を設定するための位置に対応する第1軸方向位置から第2軸方向位置に作動されるときに、その旋回軸を中心に旋回するように構成される。
【0036】
引き抜き片42の旋回は、揺動部50の指54に対して力を加えて、後者を突起58の周りで回転させる。揺動部50の旋回は、一方で、揺動部50をもたらすのに役立つ。係合部分56の阻止フィン57を、バランス12の天輪13の周辺の一部に対して当接する状態にしてバランスを固定し、他方で、ムーブメントを正しい時間に設定するために針を制御するために、それが設定輪と文字盤トレインと噛み合うまで摺動ピニオン46を巻き取り機構ピニオン44から遠ざけるように動かす。
【符号の説明】
【0037】
10 振動子
12 バランス
13 天輪
14 腕部
15 ハブ
16 ヒゲゼンマイ
16a 内側端部
16b 外側端部
17 ヒゲゼンマイスタッド
18 天真
18a 第1区間
18b 第2区間
伝達部材
20 二重円盤
22 円盤ペグ
24 肩部
26 間座
26a 第1部分
26b 第2部分
28 コレット
30 第1バランス橋部
31 第1支承部
33 取り付け円筒部
34 ネジ
36 第2バランス橋部
第2支承部
38 ヒゲゼンマイスタッド支持部
39 緩急部
39a ラグ
巻き上げ機構
40 巻き取り機構軸部
42 引き出し片
44 巻き上げ機構ピニオン
46 摺動ピニオン
ストップセコンド(ハック)装置
50 揺動部
52 レバー
54 指部
56 係合腕部
57 阻止フィン
58 突起
59 削り溝部
60 間座
70 文字盤
72 開口部
80 板
81 切り欠き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
【手続補正書】
【提出日】2022-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計のムーブメント用のバランスとヒゲゼンマイ型(てんぷ)の振動子、この種の振動子を備える時計のムーブメント、及びそのような時計のムーブメントを備える時計に関する。本発明はまた、振動子と協調するように配置されたストップセカンド(ハック)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
時計の文字盤に対する配置が従来の振動子とは異なって、時計の独特の見栄えとなっている振動子が既にいろいろある。
【0003】
例えば、特許文献1(CH713649)は、少なくとも可動部材と、可動部材が、(天輪を含む)バランスとヒゲゼンマイ型(てんぷ)の緩急部材の一部である隠し装置によって隠される閉位置と、ヒゲゼンマイが完全に見える開位置との間で移動させる制御機構とを有する隠し装置を備える時計を開示している。可動部材は、閉位置にあるとき、バランスとヒゲゼンマイの間に配置されている。隠し装置は、可動部材が閉位置にあるときにバランスのみを表示するように構成されている。そのために、バランスとヒゲゼンマイは、可動部材が閉位置にあるときに可動部材のいずれかの側に配置するのに十分な軸方向距離だけ分離されるように、天真に取り付けられている。
【0004】
特許文献2(EP0520218)は、バランスとヒゲゼンマイ型の振動子が配置され、振動子が実質的に文字盤の平面内に配置される開口部を備えた文字盤を備える時計を開示している。
【0005】
特許文献3(DE202012002284U1)は、ヒゲゼンマイ、脱進機、及びトゥールビヨン枠に取り付けられた脱進機を備えるトゥールビヨン機構が取り付けられた円形開口部を備えた文字盤を備える時計を開示している。表示の針は、文字盤の高さの円形の開口部の内側で回転して駆動されるように、枠に固定されて取り付けられている。トゥールビヨン機構は、バランスとヒゲゼンマイが文字盤の上に持ち上げられていて、表示針の上で振動するように構成されている。
【0006】
さらに、正確な時間設定用に秒針を停止する役割を持つストップセコンド機構が多数ある。
【0007】
例えば、特許文献4(EP1422579)は、板の上部に配置された第1部分と、第1部分に直交して上部板を通過していることでバランスの天輪と接する第2部分とを備えるレバーを備える時間設定システムを開示している。
【0008】
そのことにかかわらず、このシステムは、ムーブメント内のバランスの位置によって決定されるレバーの形状のために、時計のムーブメントには統合困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】スイス国特許発明第713649号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0520218号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202012002284号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1422579号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの課題は、独自の代替構造を有するバランスとヒゲゼンマイ型の振動子を提案することである。
【0011】
本発明の別の課題は、バランスの位置がストップセコンド装置の構造を単純化できるようにする時計のムーブメントを提案することである。
【0012】
本発明の別の課題は、時計が元の視覚的外観を有するように配置された振動子を備える時計を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの課題は、バランスヒゲゼンマイ型の振動子で達成される。本発明の1観点によると、前記振動子は、
時計の枠上に旋回可能に取り付けられていることが意図された天真と、
天真に固定されているバランスと、
天真に固定されている内側端部と、接続部材を前記枠に接続することが意図された外側端部とを備えるヒゲゼンマイと、
脱進機と相互作用する伝達部材と
を備える。バランスとヒゲゼンマイは、伝達部材のいずれかの側部に配置されている。
【0014】
1実施形態によると、バランスとヒゲゼンマイは、それぞれ天真の第1端と第2端に取り付けられている。
【0015】
1実施形態によると、伝達部材は、脱進機のアンカーと協働することが意図されたペグを備えた二重円盤の形態である。
【0016】
1実施形態によると、ヒゲゼンマイは、天真の第2端部に取り付けられたコレットに固定されている。
【0017】
1実施形態によると、間座が、コレットと伝達部材との間で天真に取り付けられている。
【0018】
本発明の1観点は、先述の振動子を備えた時計のムーブメントである。
【0019】
1実施形態によると、時計のムーブメントが板を備え、バランスとヒゲゼンマイが前記板のいずれかの側部に配置されるように、振動子が時計のムーブメントに取り付けられている。
【0020】
1実施形態によると、時計のムーブメントは、文字盤と、文字盤側の板の上部に全体が配置されたストップセコンド装置とを備える。
【0021】
1実施形態によると、ストップセコンド装置が、
板の上部に取り付けられていて、巻き取り機構軸に沿って動くように配置された摺動ピニオンと協働するように配置されたレバー部を備える揺動部と、
天輪の周辺の一部と協働するように配置された係合部と
を備え、
前記レバー部と係合部が揺動部の旋回軸のいずれかの側部に配置されている。
【0022】
1実施形態によると、揺動部のレバー部分の遠位端は、巻き取り機構の引き抜き片と協働するように配置されている。引き抜き片は巻き取り機構軸が、時刻設定位置に相当して第1軸方向位置から第2軸方向位置に作動されるときに旋回するものである。引き抜き片の旋回は、一方で、バランスが動かないようにすべく、係合部分の遠位端が、バランスの天輪の周辺の一部に当接するように、その旋回軸の周りで回転して揺動部を作動させ、他方で、前記ムーブメントを正確な時刻に設定するため針を制御すべく、摺動ピニオンが設定輪及び文字盤歯車列にかみ合うようにする。
【0023】
本発明の1観点は、先述の時計のムーブメントを収容する時計ケースを備えた時計に関する。バランスは、文字盤と同じ高さに配置されている一方、ヒゲゼンマイは時計ケースの背面に向かって配置されている。
【0024】
本発明の例示的な実施形態は、以下の添付の図によって示される説明に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の1実施形態による、バランスとヒゲゼンマイ型の振動子の斜視図を示す。
図2図2は、図1の振動子の天真のレベルでの断面図を示す。
図3図3は、図1の振動子を備えた文字盤を備えた時計のムーブメントの斜視図を示す。
図4図4は、文字盤なしの図3と同様のビューを示す。
図5図5は、振動子の高さでの時計のムーブメントを下から見た部分図である。
図6a図6aは、非動作構成のストップセコンド装置を備える時計のムーブメントの板の上部の一部の斜視図を示す。
図6b図6bは、秒停止装置が作動したときの図6aと同様の視点を表す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び図2に示されるように、振動子10は、バランス12と、ヒゲゼンマイ16と、天真18を備える。バランス12は、天輪13と、ハブ15と、天輪13をハブに接続する複数の腕部14を備える。バランス12のハブ15は、バランス12のその回転軸に垂直な平面内での振動を確実にするために、天真18の第1端部に、天真18の第1区間18aの高さで、肩部24に対して取り付けられる。
【0027】
ヒゲゼンマイ16は、天真18の第2端部に、天真18の第2区間18bの(高さ)レベルに取り付けられる。ヒゲゼンマイの内側端部16aは、コレット28に固定される。コレット28は、第1直径を有する第1部分26aと、第1直径よりも大きい第2直径を有する第2部分26bとを備える間座26により、天真18の第2区間18b上に取り付けられている。
【0028】
コレット18は、例えば、ドライブ又はリベット止めによって、間座26の第1部分26aに取り付けられ、一方、間座26の第2部分26bは、コレット18と天真18に固定された伝達部材との間に配置される。この伝達部材は、好ましくは、時計のムーブメントの実行を調整するために脱進機(図示せず)と協働することを意図したペグ22を備える二重円盤20の形態である。1実施形態によれば、間座26は、伝達部材と一体的に形成される。図1及び図2の実施形態では、バランス12とヒゲゼンマイ16は、伝達部材のいずれかの側に配置されている。言い換えると、伝達部材とヒゲゼンマイ16は、バランス12の同じ側部にある。
【0029】
図3から図5は、板80を備える時計のムーブメントを示している。振動子は、ヒゲゼンマイ16とヒゲゼンマイ16が板80のいずれかの側に配置されるように時計のムーブメントに取り付けられている。ヒゲゼンマイは板80の表示側に配置され、ヒゲゼンマイは板80の反対側(裏側)に配置されている。図3の例では、時計のムーブメントは文字盤70で構成されている。バランス12が文字盤70の高さ、例えば、文字盤70上に作成された円形開口部72に配置されるように、振動子10は時計のムーブメント内に取り付けられている。バランス12は、文字盤70の上に等配置してよい。ヒゲゼンマイ16は、その一部が板の反対側に配置される。例えば、ヒゲゼンマイ16は、ムーブメントが時計の時計ケースに組み込まれるときに、時計ケース(図示せず)の裏側の側面に配置されるように配置されている。1つの変形によれば、時計は、文字盤を持たないか、又はムーブメントのバランスを部分的にのみ囲むように円弧の形をした切り欠きを備えた部分的な文字盤のみを有する。
【0030】
天真18の端部は、第1及び第2バランス橋部30、36にそれぞれ配置された第1及び第2支承部(図示せず)に取り付けられ、これらはそれぞれ板80の、文字盤側と裏側に取り付けられている。第1バランス橋部30の端部は、2本のねじ34によって板80に取り付けられている。これらのねじはまた、第1バランス橋部30の端部と板80との間に配置された2つの取り付け円筒部33にねじ込まれている。取り付け円筒部33の高さは、振動子10のバランス12が文字盤70の高さの開口部72に配置されるように調整されている。振動子10を構成する時計のムーブメントの美的外観を改善するため、装飾は、文字盤側の第1バランス橋部30に機械加工してよいことに留意されたい。
【0031】
図5に示されるように、第2バランス橋部36は、ヒゲゼンマイ16の外側端部に固定されているヒゲゼンマイスタッド17(ひげ持ち17)が取り付けられたヒゲゼンマイ支持部38を備える。緩急部組立体システムもまた、第2バランス橋部36に取り付けられる。緩急部組立体システムは、品質管理中に実行中の不一致を修正するためにヒゲゼンマイ16の有効長を調整する緩急部39を備える。そのために、緩急部39は、ヒゲゼンマイ16の1区間が配置されるスロットを備えたラグ39aを支持する腕部を備える。緩急部39は、潤滑と摩擦で第2バランス橋部36に調節される。図4及び図5に示されるように、板80は、ムーブメントに取り付けられたときに振動子10が通過可能な切り欠き部81を備えている。切り欠き部81は、形状が半円形で板80の周囲で空いているが、同様に、ムーブメント内で振動子10を組み立てるのに適切な他の任意の形状を有し得る。
【0032】
図6a及び図6bに示されるように、時計のムーブメントは、時計のムーブメントの巻き取り機構軸40と協働するストップセコンド装置を備える。ストップセコンド装置は、上部板80の文字盤側に作成された削り溝部59に配置されるという利点を有する揺動部50を備え、この溝部は、ストップセコンド装置を時計のムーブメントに容易に統合可能にする。
【0033】
揺動部50は、削り溝部59内の突起58を中心に旋回可能に取り付けられている。この揺動部は、2つの別個の部品、巻き取り機構軸40及び係合腕部56と協働するように配置されたレバー52を一緒に結合することによって作成される。係合腕部56は、その遠位端に、ストップセコンド装置が作動されたときにバランス12の天輪13の周囲の一部に当接するように配置された阻止フィン57を備えている。
【0034】
係合腕部56は、レバー52が配置されている平面に平行な平面内で揺れるように、揺動部50のレバー52に接続されている。そのために、間座60がレバー52と係合腕部56との間に取り付けられ、係合腕部の阻止フィン57がバランス12と同じ高さになる。さらに、係合腕部56及び揺動部50のレバーは、揺動部50が回転する突起58のいずれかの側に配置され、それらの間に30°から60°の間の角度を形成する。1つの変形例によれば、揺動部50は、係合部分とレバー部分とを備える一体に形成されている。1実施形態によれば、間座60は、レバー52及び係合腕部56と一体的に形成される。
【0035】
揺動部50のレバー52は、時計のムーブメントが動いているときに、巻き取り機構ピニオン44に対して配置された摺動ピニオン46と係合する。レバー52の遠位端は、時計のムーブメントの巻き取り機構の引き出し片42と協働するように配置された指部54を備える。引き抜き片42は、巻き取り機構軸40が、時間を設定するための位置に対応する第1軸方向位置から第2軸方向位置に作動されるときに、その旋回軸を中心に旋回するように構成される。
【0036】
引き抜き片42の旋回は、揺動部50の指54に対して力を加えて、後者を突起58の周りで回転させる。揺動部50の旋回は、一方で、揺動部50をもたらすのに役立つ。係合部分56の阻止フィン57を、バランス12の天輪13の周辺の一部に対して当接する状態にしてバランスを固定し、他方で、ムーブメントを正しい時間に設定するために針を制御するために、それが設定輪と文字盤トレインと噛み合うまで摺動ピニオン46を巻き取り機構ピニオン44から遠ざけるように動かす。
【符号の説明】
【0037】
10 振動子
12 バランス
13 天輪
14 腕部
15 ハブ
16 ヒゲゼンマイ
16a 内側端部
16b 外側端部
17 ヒゲゼンマイスタッド
18 天真
18a 第1区間
18b 第2区間
伝達部材
20 二重円盤
22 円盤ペグ
24 肩部
26 間座
26a 第1部分
26b 第2部分
28 コレット
30 第1バランス橋部
31 第1支承部
33 取り付け円筒部
34 ネジ
36 第2バランス橋部
第2支承部
38 ヒゲゼンマイスタッド支持部
39 緩急部
39a ラグ
巻き上げ機構
40 巻き取り機構軸部
42 引き出し片
44 巻き上げ機構ピニオン
46 摺動ピニオン
ストップセコンド(ハック)装置
50 揺動部
52 レバー
54 指部
56 係合腕部
57 阻止フィン
58 突起
59 削り溝部
60 間座
70 文字盤
72 開口部
80 板
81 切り欠き部
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計の枠上に旋回可能に取り付けられていることが意図された天真と
真に固定されているバランスと
真に固定されている内側端部と、接続部材を前記枠に接続することが意図された外側端部とを備えるヒゲゼンマイと
脱進機と相互作用する伝達部材と
を備える、バランスヒゲゼンマイ振動子において、
バランスとヒゲゼンマイは、伝達部材のいずれかの側に配置されていて、
伝達部材は、脱進機のアンカーと協働することを意図したペグを備える二重円盤の形態である、バランスヒゲゼンマイバネ振動子。
【請求項2】
バランスとヒゲゼンマイは、それぞれ天真の第1端と第2端に取り付けられている、請求項1に記載の振動子。
【請求項3】
ヒゲゼンマイの内側端部は、天真の第2端部に取り付けられたコレットに固定されている、請求項に記載の振動子。
【請求項4】
コレットと伝達部材との間の天真に座が取り付けられている、請求項1に記載の振動子。
【請求項5】
座は、伝達部材と一体に形成されている、請求項4に記載の振動子。
【請求項6】
時計の枠上に旋回可能に取り付けられていることが意図された天真と、
天真に固定されているバランスと、
天真に固定されている内側端部と、接続部材を前記枠に接続することが意図された外側端部とを備えるヒゲゼンマイと、
脱進機と相互作用する伝達部材と
を備える、バランスヒゲゼンマイ振動子において、
バランスとヒゲゼンマイは、伝達部材のいずれかの側に配置されていて、
伝達部材は、脱進機のアンカーと協働することを意図したペグを備える二重円盤の形態である、バランスヒゲゼンマイバネ振動子を備えた、時計のムーブメント。
【請求項7】
板を備え、振動子が、バランスとヒゲゼンマイが板のいずれかの側部に配置されるように時計のムーブメントに取り付けられている、請求項6に記載の時計のムーブメント。
【請求項8】
板が切り欠き部を備えた、請求項7に記載の時計のムーブメント。
【請求項9】
文字盤を備え、バランスが文字盤と同じ高さ又は文字盤より上に配置されている、請求項に記載の時計のムーブメント。
【請求項10】
板の上部に、全体的に配置されたストップセコンド装置を備えた、請求項に記載の時計のムーブメント。
【請求項11】
ストップセコンド装置は、
板の上部に取り付けられていて、巻き取り機構軸に沿って動くように配置された摺動ピニオンと協働するように配置されたレバー部を備える揺動部と
輪の周辺の一部と協働するように配置された係合部と
を備え、
前記レバー部と係合部が揺動部の旋回軸のいずれかの側部に配置されている、
請求項10に記載の時計のムーブメント。
【請求項12】
揺動部のレバー部分の遠位端は、巻き取り機構の引き抜き片と協働するように配置されていて、引き抜き片は巻き取り機構軸が、時刻設定位置に相当して第1軸方向位置から第2軸方向位置に作動されるときに旋回するものであり、
引き抜き片の旋回は、一方で、バランスが動かないようにすべく、係合部分の遠位端が、バランスの輪の周辺の一部に当接するように、その旋回軸の周りで回転して揺動部を作動させて、他方で、前記ムーブメントを正確な時刻に設定するため針を制御すべく、摺動ピニオンが設定輪及び文字盤歯車列にかみ合う、
請求項11に記載の時計のムーブメント。
【請求項13】
請求項に記載の時計のムーブメントを収容する時計ケースを備えた時計であって、
バランスが文字盤の高さ又は文字盤より上に配置されていて、ゼンマイヒゲが前記時計ケースの背面に向かって配置された、前記時計。
【国際調査報告】